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特開2022-85699コイル状物の配置装置及びコイル状物の配置方法並びにコイル状物の配置装置を用いたコアードワイヤーの供給方法
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  • 特開-コイル状物の配置装置及びコイル状物の配置方法並びにコイル状物の配置装置を用いたコアードワイヤーの供給方法 図1
  • 特開-コイル状物の配置装置及びコイル状物の配置方法並びにコイル状物の配置装置を用いたコアードワイヤーの供給方法 図2
  • 特開-コイル状物の配置装置及びコイル状物の配置方法並びにコイル状物の配置装置を用いたコアードワイヤーの供給方法 図3
  • 特開-コイル状物の配置装置及びコイル状物の配置方法並びにコイル状物の配置装置を用いたコアードワイヤーの供給方法 図4
  • 特開-コイル状物の配置装置及びコイル状物の配置方法並びにコイル状物の配置装置を用いたコアードワイヤーの供給方法 図5
  • 特開-コイル状物の配置装置及びコイル状物の配置方法並びにコイル状物の配置装置を用いたコアードワイヤーの供給方法 図6
  • 特開-コイル状物の配置装置及びコイル状物の配置方法並びにコイル状物の配置装置を用いたコアードワイヤーの供給方法 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022085699
(43)【公開日】2022-06-08
(54)【発明の名称】コイル状物の配置装置及びコイル状物の配置方法並びにコイル状物の配置装置を用いたコアードワイヤーの供給方法
(51)【国際特許分類】
   B22D 1/00 20060101AFI20220601BHJP
   C21C 7/04 20060101ALI20220601BHJP
【FI】
B22D1/00 E
C21C7/04 R
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020197504
(22)【出願日】2020-11-27
(71)【出願人】
【識別番号】594197285
【氏名又は名称】大阪特殊合金株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102048
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 光司
(74)【代理人】
【識別番号】100146503
【弁理士】
【氏名又は名称】高尾 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】東 洋一
【テーマコード(参考)】
4K013
【Fターム(参考)】
4K013CB01
(57)【要約】
【課題】 コアードワイヤーをスムースに送出でき且つコイル状物の設置スペースを抑制可能なコイル状物の配置装置及びコイル状物の配置方法並びにコイル状物の配置装置を用いたコアードワイヤーの供給方法を提供すること。
【解決手段】 1つのコイル状物Cが載置される載置部2を複数有し、複数の載置部2,2は、各載置部2,2が鉛直方向にコイル状物Cの高さCh以上の間隔をおいて位置するように支持フレーム20によって支持されてある。各コイル状物C1,C2は、平面視において、コイル状物C1の中空部Cs1が鉛直方向で隣接する他のコイル状物C2の中空部Cs2と重複せずに且つコイル状物C1の巻回部Ct1の一部が他のコイル状物C2の巻回部Ct2の一部と重複するように各載置部2,2に載置される。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送線装置を介して溶湯に送出されるコアードワイヤーをコイル状に巻回したコイル状物を前記送線装置の上流側に複数配置するコイル状物の配置装置であって、
1つのコイル状物が載置される載置部を複数有し、
複数の載置部は、各載置部が鉛直方向に前記コイル状物の高さ以上の間隔をおいて位置するように支持フレームによって支持されてあり、
各コイル状物は、平面視において、前記コイル状物の中空部が前記鉛直方向で隣接する他のコイル状物の中空部と重複せずに且つ前記コイル状物の巻回部の一部が前記他のコイル状物の巻回部の一部と重複するように各載置部に載置されるコイル状物の配置装置。
【請求項2】
前記載置部は矩形を呈し、その短辺は前記コイル状物の最外径と同等であり、長辺は前記コイル状物の最外径の2倍未満である請求項1記載のコイル状物の配置装置。
【請求項3】
前記コイル状物は、パレットに載置され、保持フレームにより保持される請求項1又は2記載のコイル状物の配置装置。
【請求項4】
前記保持フレームは、前記コイル状物の最外周面に隣接し且つ一端が前記パレットに固定される脚部と、前記脚部の他端と連結し且つ前記コイル状物の最上面に配置される枠部よりなり、前記枠部の最小離隔距離は、前記中空部の直径と同等であり、前記枠部の内側に前記コアードワイヤーを通過させる請求項3記載のコイル状物の配置装置。
【請求項5】
前記枠部は、前記中空部を挟んで対向する一対の直線状部と、前記中空部を挟んで対向し且つ対向する直線状部の端部と接続する一対の湾曲部とを備え、前記一対の湾曲部の中間部は、前記コイル状物の最外縁と一致する請求項4記載のコイル状物の配置装置。
【請求項6】
送線装置を介して溶湯に送出されるコアードワイヤーをコイル状に巻回したコイル状物を前記送線装置の上流側に複数配置するコイル状物の配置方法であって、
1つのコイル状物を第一の載置部に載置し、
前記第一の載置部に対して鉛直方向に前記1つのコイル状物の高さ以上の間隔をおいて位置させた第二の載置部に、他のコイル状物を、平面視において、前記コイル状物の中空部が前記他のコイル状物の中空部と重複せずに且つ前記コイル状物の巻回部の一部が前記他のコイル状物の巻回部の一部と重複するように載置するコイル状物の配置方法。
【請求項7】
請求項1記載のコイル状物の配置装置を用いたコアードワイヤーの供給方法であって、
前記第一の載置部に載置された前記1つのコイル状物の末端部が前記送線装置へ引き出される前に、
前記第一の載置部に対して鉛直方向に前記1つのコイル状物の高さ以上の間隔をおいて位置させた第二の載置部に、前記他のコイル状物を、平面視において、前記コイル状物の中空部が前記他のコイル状物の中空部と重複せずに且つ前記コイル状物の巻回部の一部が前記他のコイル状物の巻回部の一部と重複するように載置し、
前記末端部と前記他のコイル状物の先端部とを接続するコアードワイヤーの供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル状物の配置装置及びコイル状物の配置方法並びにコイル状物の配置装置を用いたコアードワイヤーの供給方法に関する。さらに詳しくは、送線装置を介して溶湯に送出されるコアードワイヤーをコイル状に巻回したコイル状物を前記送線装置の上流側に複数配置するコイル状物の配置装置及びコイル状物の配置方法並びにコイル状物の配置装置を用いたコアードワイヤーの供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、送線装置を介して溶湯にコアードワイヤーを送出するワイヤーインジェクション法として、例えば特許文献1に記載の如きものが知られている。この方法では、コアードワイヤーをコイル状に巻回したコイル状物を地表に横並びで配置し、各コイル状物の端部を接続し、コアードワイヤーが連続して引き出されるようにしている。係る場合、図7に示すように、各コイル状物C1,C2のコイル引出部LO1’,LO2’が離隔するため、コアードワイヤーWの引き出し抵抗が大きくなり、送線装置の負荷(抵抗)が増大し、送線トラブルが生じるおそれがあった。また、横並びで配置するため、比較的大きな(広い)配置スペースを確保しなければならず、装置の設置場所が制限される場合もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-181564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる従来の実情に鑑みて、本発明は、コアードワイヤーをスムースに送出でき且つコイル状物の設置スペースを抑制可能なコイル状物の配置装置及びコイル状物の配置方法並びにコイル状物の配置装置を用いたコアードワイヤーの供給方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係るコイル状物の配置装置の特徴は、送線装置を介して溶湯に送出されるコアードワイヤーをコイル状に巻回したコイル状物を前記送線装置の上流側に複数配置する構成において、1つのコイル状物が載置される載置部を複数有し、複数の載置部は、各載置部が鉛直方向に前記コイル状物の高さ以上の間隔をおいて位置するように支持フレームによって支持されてあり、各コイル状物は、平面視において、前記コイル状物の中空部が前記鉛直方向で隣接する他のコイル状物の中空部と重複せずに且つ前記コイル状物の巻回部の一部が前記他のコイル状物の巻回部の一部と重複するように各載置部に載置されることにある。
【0006】
上記構成によれば、1つのコイル状物を載置される載置部が鉛直方向にコイル状物の高さ以上の間隔をおいて位置するように支持フレームによって複数支持されるので、複数のコイル状物が適切な間隔で鉛直方向に配置(積み重ね)でき、水平方向への設置スペースを縮小させることができる。しかも、各コイル状物は、平面視において、コイル状物の中空部が鉛直方向で隣接する他のコイル状物の中空部と重複せずに且つコイル状物の巻回部の一部が他のコイル状物の巻回部の一部と重複するように各載置部に載置されるので、鉛直方向に隣接する各コイル状物のコイル引出部を適度な距離で近接させることができる。これにより、コイル状物から送線装置へコアードワイヤーが引き出される際の引き出し抵抗が抑制され、コアードワイヤーをスムースに送出することが可能となる。
【0007】
上記構成において、前記載置部は矩形を呈し、その短辺は前記コイル状物の最外径と同等であり、長辺は前記コイル状物の最外径の2倍未満であるとよい。これにより、コイル状物の設置スペースをさらに小さくできる。
【0008】
上記いずれかの構成において、前記コイル状物は、パレットに載置され、保持フレームにより保持される。これにより、作業性が向上する。
【0009】
係る場合、前記保持フレームは、前記コイル状物の最外周面に隣接し且つ一端が前記パレットに固定される脚部と、前記脚部の他端と連結し且つ前記コイル状物の最上面に配置される枠部よりなり、前記枠部の最小離隔距離は、前記中空部の直径と同等であり、前記枠部の内側に前記コアードワイヤーを通過させるとよい。コイル状物から送出されるコアードワイヤーは、枠部によって送出方向を誘導(ガイド)されるので、引き出し抵抗が抑制され、コアードワイヤーをスムースに送出することが可能となる。
【0010】
上記構成において、例えば、前記枠部は、前記中空部を挟んで対向する一対の直線状部と、前記中空部を挟んで対向し且つ対向する直線状部の端部と接続する一対の湾曲部とを備え、前記一対の湾曲部の中間部は、前記コイル状物の最外縁と一致するとよい。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係るコイル状物の配置方法の特徴は、送線装置を介して溶湯に送出されるコアードワイヤーをコイル状に巻回したコイル状物を配置する方法において、1つのコイル状物を第一の載置部に載置し、前記第一の載置部に対して鉛直方向に前記1つのコイル状物の高さ以上の間隔をおいて位置させた第二の載置部に、他のコイル状物を、平面視において、前記コイル状物の中空部が前記他のコイル状物の中空部と重複せずに且つ前記コイル状物の巻回部の一部が前記他のコイル状物の巻回部の一部と重複するように載置することにある。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明に係るコアードワイヤーの供給方法の特徴は、上記記載のコイル状物の配置装置を用いたコアードワイヤーの供給方法において、前記第一の載置部に載置された前記1つのコイル状物の末端部が前記送線装置へ引き出される前に、前記第一の載置部に対して鉛直方向に前記1つのコイル状物の高さ以上の間隔をおいて位置させた第二の載置部に、前記他のコイル状物を、平面視において、前記コイル状物の中空部が前記他のコイル状物の中空部と重複せずに且つ前記コイル状物の巻回部の一部が前記他のコイル状物の巻回部の一部と重複するように載置し、前記末端部と前記他のコイル状物の先端部とを接続することにある。
【発明の効果】
【0013】
上記本発明に係るコイル状物の配置装置及びコイル状物の配置方法並びにコイル状物の配置装置を用いたコアードワイヤーの供給方法の特徴によれば、コアードワイヤーをスムースに送出でき且つコイル状物の設置スペースを抑制可能となった。
【0014】
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係るコイル状物の配置装置を示す図である。
図2】コイル状物を示す斜視図である。
図3】保持フレームを模式的に示す斜視図である。
図4】支持フレームにコイル状物を載置した状態を示す平面図である。
図5図4の正面図である。
図6】本発明におけるコイル状物の配置と各コイル状物のコイル引出口との関係を模式的に示す図である。
図7】従来例における図6相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、適宜添付図面を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。
(配置装置1の概要)
本発明に係るコイル状物の配置装置1は、図1に示すように、大略、1つのコイル状物Cが載置される載置部2を複数有し、複数の載置部は、各載置部2,2が鉛直方向Zにコイル状物Cの高さCh以上の間隔をおいて位置するように支持フレーム20によって支持されている。本実施形態では、各載置部2,2にコイル状物C1,C2が各々1つ載置される。
【0017】
(コイル状物C)
ここで、コイル状物Cは、送線装置100を介して取鍋201内の溶湯200に送出されるコアードワイヤーWをコイル状に巻回してなる。送線装置(フィーダー)100には、コイル状物CからコアードワイヤーWを引き出し溶湯200へ送出する駆動ロール101と、送出されるコアードワイヤーWの送出量(供給量)を測定する計尺ロール102とが上下で対をなして設けられている。また、コアードワイヤーWは、コイル状物Cの上方に位置するガイドローラー103によって送出方向にガイドされる。
【0018】
なお、このコイル状物Cは、成形機によりワイヤー状に成形されたコアードワイヤーWが一定の張力でドラムに巻き付けられてコイル状に加工される。ドラムが抜き取られた中央部が中空部Csとなり、コアードワイヤーWが巻き付けられた部分が巻回部Ctとなる。また、コイル状物の最外縁Cc、最外周面Co、最上面Cu及び最外径Dは、コアードワイヤーWが引き出されていない状態でのコイル状物Cの外縁、外周面、上面及び外径を指す。
【0019】
(パレット4及び保持フレーム5)
本実施形態において、コイル状物Cは、図2に示すように、例えば木製の矩形のパレット4に載置され、金属製の保持フレーム5により保持される。ここで、保持フレーム5は、図2,3に示すように、コイル状物Cの最外周面Co近傍に配置され且つ一端51aがパレット4に固定される脚部51と、脚部51の他端51bと連結し且つコイル状物Cの最上面Cuに配置される枠部52よりなる。
【0020】
本実施形態において、枠部52は、コイル状物Cの中空部Csを挟んで対向する一対の直線状部53,53と、中空部Csを挟んで対向し且つ対向する直線状部53の端部と接続する一対の湾曲部54,54とを備え、平面視において略楕円形状を呈する。また、湾曲部54は、略半円状を呈する。枠部52の最小離隔距離Lは、一対の直線状部53,53の間隔であり、コイル状物Cの中空部Csの直径dと同等である。また、一対の湾曲部54,54の最外部54sは、コイル状物Cの最外縁Ccと一致する。
【0021】
そして、コイル状物Cの先端(始端)Cyと末端(終端)Czは、枠部52の内側を通過させてある。これにより、コイル状物Cから引き出されるコアードワイヤーWは、常に枠部52の内側を通過することとなり、枠部52によりコアードワイヤーWがガイドされるので、引き出される際のワイヤーの暴れが抑制され、スムースに送線を行うことができる。
【0022】
(支持フレーム20)
支持フレーム20は、図4,5に示すように、鉄材等を格子状に組み立てたラックである。本実施形態において、このラック20は、矩形の第一平坦部21と第二平坦部22との2段であり、第一、第二平坦部21,22が複数の載置部2,2を構成する。第二平坦部22は、第一平坦部21に対して鉛直方向Zにコイル状物Cの高さChとパレット4の厚さPtとの合計以上の間隔(空間)をおいて支持脚23によって支持されている。これにより、コイル状物Cを固定したパレット4の出し入れが容易となり、作業性がよい。
【0023】
また、第一、第二平坦部21,22は矩形を呈し、その短辺20xはコイル状物Cの最外径Dと同等であり、長辺20yはコイル状物Cの最外径Dの2倍未満である。これにより、コイル状物Cの設置スペースを小さくできると共にコイル状物Cを水平方向に接近させることができる。第一、第二平坦部21,22に載置された各コイル状物C1,C2は、その巻回部Ct1が平面視で他のコイル状物の巻回部Ct2と重複するように載置される。
【0024】
なお、本例において、第一平坦部21を上段としているが、説明の便宜上の標記に過ぎない。送線装置100へ先にコアードワイヤーWが送出されるコイル状物C1が載置されている平坦部(載置部2)を第一平坦部21(第一の載置部2)とする。
【0025】
(引き出し時のワイヤーの挙動)
ラック20を用いた場合、2つのコイル状物C1,C2は、図6に示すように、平面視において、コイル状物C1の中空部Cs1が鉛直方向Zで隣接する他のコイル状物C2の中空部Cs2と重複せずに且つコイル状物C1の巻回部Ct1の一部が他のコイル状物C2の巻回部Ct2の一部と重複するように各載置部2,2としての第一、第二平坦部21,22に載置される。
【0026】
このように、巻回部Ct1,Ct2の一部を平面視で重ね合わせるので、図7に示す従来の中空部間距離S’よりも中空部間距離Sが小さくなり、その分、コイル状物C1のコイル引出部LO1とコイル状物C2のコイル引出部LO2とを近接させることができる。よって、送線装置100やガイドロール103と各コイル引出部LO1,LO2との距離の差が小さくなるので、コアードワイヤーWの引き出し抵抗を小さくでき、送線装置100の負荷(抵抗)を抑制して、送線トラブルが生じることなく、スムースに送線することができる。なお、中空部間距離Sをより小さくするために、コイル状物C1の中空部Cs1と他のコイル状物C2の中空部Cs2とを重複させて配置することも考えられる。しかし、係る場合、平面視でコイル状物C1,C2が接近し過ぎるため、ワイヤーWの接続部分が枠部52に衝突し、スムースな送線が阻害される場合がある。
【0027】
(コイル状物の端部の接続)
ここで、コイル状物の配置装置1の使用について説明する。
送線装置100の上流側に設置されたラック20の第一平坦部21(第一の載置部2)にコイル状物C1を載置し、コイル状物C2を第二平坦部22(第二の載置部2)に平面視においてコイル状物C1の中空部Cs1が鉛直方向Zで隣接する他のコイル状物C2の中空部Cs2と重複せずに且つコイル状物C1の巻回部Ct1の一部が他のコイル状物C2の巻回部Ct2の一部と重複するように載置する。
【0028】
上述したように、コイル状物C1,C2は、コアードワイヤーWが連続して溶湯200へ供給(送出)されるように、その端部が連結される。図1の例では、第一平坦部21(第一の載置部2)のコイル状物C1の末端(終端)Czと第二平坦部22(第二の載置部2)のコイル状物C2の先端(始端)Cyとが、コイル状物C1の末端(終端)Czが送線装置100へ引き出される前に連結する。
【0029】
コイル状物C1の全てのコアードワイヤーWが送線装置100へ引き出されると、コイル状物C2のコアードワイヤーWが送線装置100へ引き出される。そして、コイル状物C2のコアードワイヤーWが引き出されている間に、第一平坦部21のパレット4を撤去すると共に新たなコイル状物C1が載置されたパレット4を載置する。この際、コイル状物C1の中空部Cs1が鉛直方向Zで隣接する他のコイル状物C2の中空部Cs2と重複せずに且つコイル状物C1の巻回部Ct1の一部が他のコイル状物C2の巻回部Ct2の一部と重複するように載置する。これを繰り返すことで、コアードワイヤーWを連続してスムースに溶湯200へ供給することができる。
【0030】
最後に、本発明のさらに他の実施形態の可能性について説明する。
なお、以下の実施形態において、上記実施形態と同様の部材等には同一の符号を付してある。
上記実施形態において、支持フレーム20より2段の載置部2,2を構成した。しかし、載置部2は2段に限らずに3段以上構成しても構わない。また、最下段の載置部2は、地面としても構わない。
【0031】
上記実施形態において、保持フレーム5を平面視で略楕円形状に形成した。しかし、これに限られるものではなく、例えば、平面視円形や湾曲部54を省略した形状であってもよい。コイル状物CからコアードワイヤーWが引き出される際に、送出方向を誘導できる態様であればよい。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、コイル状物の配置装置及びコイル状物の配置方法並びにコイル状物の配置装置を用いたコアードワイヤーの供給方法として利用することができ、コアードワイヤーに限らず他の線材のコイル状物においても利用可能である。
【符号の説明】
【0033】
1:配置装置、2:載置部、4:パレット、5:保持フレーム、20:支持フレーム(ラック)、20x:短辺、20y:長辺、21:第一平坦部(載置部)、22:第二平坦部(載置部)、23:支持脚、51:脚部、51a:一端、51b:他端、52:枠部、53:直線状部、54:湾曲部、54s:最外部(頂部)、100:送線装置(フィーダー)、101:駆動ロール、102:計尺ロール、103:ガイドロール、200:溶湯、201:取鍋、C,C1,C2:コイル状物、Cc:最外縁、Ch:コイル状物の高さ、Co:最外周面、Cs:中空部、Ct:巻回部、Cu:最上面、Cy:先端(始端)、Cz:末端(終端)、D:コイル状物の最外径、d:中空部の直径、G:床(地面)、H:載置部間距離(高さ)、LO1,LO2:コイル引出部、L:最小離隔距離、Pt:パレットの厚さ、S:中空部間距離、W:コアードワイヤー、Z:鉛直方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7