(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022089009
(43)【公開日】2022-06-15
(54)【発明の名称】入場管理装置および入場管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/40 20120101AFI20220608BHJP
【FI】
G06Q20/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020201205
(22)【出願日】2020-12-03
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】520401239
【氏名又は名称】株式会社REGENESIS
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】特許業務法人湘洋内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】花井 直哉
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA73
(57)【要約】
【課題】有期限の入退場を許可し、その入退場に関する支払いを外部決済サービスに委託可能とする施設の入場管理の技術を提供する。
【解決手段】
入場管理装置であって、会員を特定する情報と該会員の決済状態の情報とを対応付けて格納する会費情報記憶部と、会員を特定する情報と該会員の鍵情報とを対応付けて格納する会員情報記憶部と、会員を特定する情報を受け付けると該会員の決済状態の情報を会費情報記憶部から読み出して取得する決済状況取得部と、鍵情報および錠情報を受け付けると、会員情報記憶部を読み出して鍵情報に対応付けられた会員を特定し、決済状況取得部に会員を特定する情報を受け渡して決済状態の情報を取得し、該決済状態の情報が所定の条件を満たす場合には錠情報により特定される錠の解錠許可を行う入場管理部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有期限の入退場を許可された会員を特定する情報と該会員の決済状態の情報とを対応付けて格納する会費情報記憶部と、
前記会員を特定する情報と該会員の鍵情報とを対応付けて格納する会員情報記憶部と、
前記会員を特定する情報を受け付けると該会員の決済状態の情報を前記会費情報記憶部から読み出して取得する決済状況取得部と、
鍵情報および錠情報を受け付けると、前記会員情報記憶部を読み出して前記鍵情報に対応付けられた前記会員を特定し、
前記決済状況取得部に前記会員を特定する情報を受け渡して前記決済状態の情報を取得し、
該決済状態の情報が所定の条件を満たす場合には前記錠情報により特定される錠の解錠許可を行う入場管理部と、
を備える入場管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の入場管理装置において、
前記錠情報と該錠情報により特定される錠の解錠可否の情報とを対応付けて格納する施設状態記憶部と、
前記錠情報を受け付けると該錠情報により特定される錠の解錠可否を前記施設状態記憶部から読み出して取得する施設状態管理部と、
を備え、
前記入場管理部は、前記施設状態管理部に前記錠情報を受け渡して前記解錠可否を取得し、
前記解錠可否が解錠不可を示す場合には前記錠情報により特定される錠の解錠を許可しない、
ことを特徴とする入場管理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の入場管理装置において、
前記会員情報記憶部には、前記会員を特定する情報と該会員の顔写真情報とが対応付けて格納されており、
画像を受け付けると該画像に写る人物と前記顔写真情報が類似する一人または複数人の前記会員の候補を前記会員情報記憶部から読み出して取得する画像認識部を備え、
前記入場管理部は、前記画像と前記鍵情報および前記錠情報を受け付けると、前記画像を前記画像認識部に受け渡して前記一人または複数人の前記会員の候補を取得し、
前記鍵情報に対応付けられた前記会員を特定し、
特定された該会員が前記会員の候補に含まれている場合には前記決済状況取得部に前記会員を特定する情報を受け渡して前記決済状態の情報を取得し、
該決済状態の情報が所定の条件を満たす場合には前記錠情報により特定される錠の解錠許可を行う、
ことを特徴とする入場管理装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の入場管理装置において、
前記会員の活動を支援する支援情報を提供する活動支援部と、
前記会員ごとに前記解錠許可の履歴情報を格納する利用履歴記憶部と、を備え、
前記活動支援部は、前記会員の前記解錠許可の履歴情報を用いて所定の前記支援情報を提供する、
ことを特徴とする入場管理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の入場管理装置において、
前記利用履歴記憶部を読み出して前記会員の入場頻度を含む利用状況を分析する利用状況分析部を備え、
前記活動支援部は、前記利用状況に応じた所定の商品・サービスの優遇情報を前記支援情報として提供する、
ことを特徴とする入場管理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の入場管理装置において、
前記活動支援部は、前記優遇情報を、前記錠情報により特定される錠が設置された施設の種類に応じて決定する、
ことを特徴とする入場管理装置。
【請求項7】
有期限の入退場を許可された会員を特定する情報と該会員の決済状態の情報とを対応付けて格納する会費情報記憶部と、
前記会員を特定する情報と該会員の鍵情報とを対応付けて格納する会員情報記憶部と、
前記会員を特定する情報を受け付けると該会員の決済状態の情報を前記会費情報記憶部から読み出して取得する決済状況取得部と、
前記会員を特定する情報と鍵情報および錠情報を受け付けると、受け付けた該会員を特定する情報は前記会員情報記憶部において前記鍵情報に対応付けられた前記会員を特定する情報と一致するか否か判定し、
一致する場合には、前記決済状況取得部に前記会員を特定する情報を受け渡して前記決済状態の情報を取得し、
該決済状態の情報が所定の条件を満たす場合には前記錠情報により特定される錠の解錠許可を行う入場管理部と、
を備える入場管理装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の入場管理装置において、
前記所定の条件は、前記会員の支払に滞納が無いこと、
である入場管理装置。
【請求項9】
入場管理装置を用いる入場管理方法であって、
前記入場管理装置は、
有期限の入退場を許可された会員を特定する情報と該会員の決済状態の情報とを対応付けて格納する会費情報記憶部と、
前記会員を特定する情報と該会員の鍵情報とを対応付けて格納する会員情報記憶部と、
プロセッサと、を備え、前記プロセッサは、
鍵情報および錠情報を受け付けると、前記会員情報記憶部を読み出して前記鍵情報に対応付けられた前記会員を特定するステップと、
前記特定した会員の決済状態の情報を前記会費情報記憶部から読み出して取得する決済状況取得ステップと、
該決済状態の情報が所定の条件を満たす場合には前記錠情報により特定される錠の解錠許可を行う入場管理ステップと、
を実施する入場管理方法。
【請求項10】
入場管理装置を用いる入場管理方法であって、
前記入場管理装置は、
有期限の入退場を許可された会員を特定する情報と該会員の決済状態の情報とを対応付けて格納する会費情報記憶部と、
前記会員を特定する情報と該会員の鍵情報とを対応付けて格納する会員情報記憶部と、
プロセッサと、を備え、前記プロセッサは、
前記会員を特定する情報を受け付けると該会員の決済状態の情報を前記会費情報記憶部から読み出して取得する決済状況取得ステップと、
前記会員を特定する情報と鍵情報および錠情報を受け付けると、受け付けた該会員を特定する情報は前記会員情報記憶部において前記鍵情報に対応付けられた前記会員を特定する情報と一致するか否か判定するステップと、
一致する場合には、前記特定した会員の決済状態の情報を前記会費情報記憶部から読み出して取得する決済状況取得ステップと、
該決済状態の情報が所定の条件を満たす場合には前記錠情報により特定される錠の解錠許可を行う入場管理ステップと、
を実施する入場管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入場管理装置および入場管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「入場を許可すべき正当権限者のみが入場可能な特定エリアへの入場管理を行うための入場管理システムであって、前記特定エリアへの入場に先んじて、前記正当権限者のユーザ端末から、交通系ICカードを一意に識別可能な第1のタイプのカードIDであって、前記正当権限者が前記特定エリアに来場する際に使用可能な交通系ICカードの第1のタイプのカードIDを取得するカードID取得部と、前記取得された第1のタイプのカードIDを、前記正当権限者が前記特定エリアへ入場するためのデジタルチケットを識別するチケットIDと関連付けて記憶する入場者情報記憶部と、認証対象者の前記特定エリアへの入場時に、前記認証対象者が前記特定エリアに来場する際に使用した交通系ICカードから、当該交通系ICカードの第1のタイプのカードIDを取得して、前記入場者情報記憶部に記憶された前記正当権限者の第1のタイプのカードIDと照合する照合部と、を備える入場管理システム」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記技術は、正当なチケット料金の支払いを行ったことを入場時に証明する手段として交通系ICカードを用いることで、チケットの紛失リスクを低減することを可能とするイベント等の入場管理を行う技術である。しかし、上記の技術では、有期限の入退場を許可し、その入退場に関する支払いを外部決済サービスに委託可能とする施設の入場管理においては期限・支払の確認を行うことはできない。
【0005】
本発明の目的は、有期限の入退場を許可し、その入退場に関する支払いを外部決済サービスに委託可能とする施設の入場管理の技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。本発明の一態様に係る入場管理装置は、有期限の入退場を許可された会員を特定する情報と該会員の決済状態の情報とを対応付けて格納する会費情報記憶部と、前記会員を特定する情報と該会員の鍵情報とを対応付けて格納する会員情報記憶部と、前記会員を特定する情報を受け付けると該会員の決済状態の情報を前記会費情報記憶部から読み出して取得する決済状況取得部と、鍵情報および錠情報を受け付けると、前記会員情報記憶部を読み出して前記鍵情報に対応付けられた前記会員を特定し、前記決済状況取得部に前記会員を特定する情報を受け渡して前記決済状態の情報を取得し、該決済状態の情報が所定の条件を満たす場合には前記錠情報により特定される錠の解錠許可を行う入場管理部と、を備える。
【0007】
また、上記の入場管理装置において、前記錠情報と該錠情報により特定される錠の解錠可否の情報とを対応付けて格納する施設状態記憶部と、前記錠情報を受け付けると該錠情報により特定される錠の解錠可否を前記施設状態記憶部から読み出して取得する施設状態管理部と、を備え、前記入場管理部は、前記施設状態管理部に前記錠情報を受け渡して前記解錠可否を取得し、前記解錠可否が解錠不可を示す場合には前記錠情報により特定される錠の解錠を許可しないものであってもよい。
【0008】
また、上記の入場管理装置において、前記会員情報記憶部には、前記会員を特定する情報と該会員の顔写真情報とが対応付けて格納されており、画像を受け付けると該画像に写る人物と前記顔写真情報が類似する一人または複数人の前記会員の候補を前記会員情報記憶部から読み出して取得する画像認識部を備え、前記入場管理部は、前記画像と前記鍵情報および前記錠情報を受け付けると、前記画像を前記画像認識部に受け渡して前記一人または複数人の前記会員の候補を取得し、前記鍵情報に対応付けられた前記会員を特定し、特定された該会員が前記会員の候補に含まれている場合には前記決済状況取得部に前記会員を特定する情報を受け渡して前記決済状態の情報を取得し、該決済状態の情報が所定の条件を満たす場合には前記錠情報により特定される錠の解錠許可を行うものであってもよい。
【0009】
また、上記の入場管理装置において、前記会員の活動を支援する支援情報を提供する活動支援部と、前記会員ごとに前記解錠許可の履歴情報を格納する利用履歴記憶部と、を備え、前記活動支援部は、前記解錠許可がなされると、前記会員の前記解錠許可の履歴情報を用いて所定の前記支援情報を提供するものであってもよい。
【0010】
また、上記の入場管理装置において、前記利用履歴記憶部を読み出して前記会員の入場頻度を含む利用状況を分析する利用状況分析部を備え、前記活動支援部は、前記利用状況に応じた所定の商品・サービスの優遇情報を前記支援情報として提供するものであってもよい。
【0011】
また、上記の入場管理装置において、前記活動支援部は、前記優遇情報を、前記錠情報により特定される錠が設置された施設の種類に応じて決定するものであってもよい。
【0012】
また、本発明の別の態様に係る入場管理装置は、有期限の入退場を許可された会員を特定する情報と該会員の決済状態の情報とを対応付けて格納する会費情報記憶部と、前記会員を特定する情報と該会員の鍵情報とを対応付けて格納する会員情報記憶部と、前記会員を特定する情報を受け付けると該会員の決済状態の情報を前記会費情報記憶部から読み出して取得する決済状況取得部と、前記会員を特定する情報と鍵情報および錠情報を受け付けると、受け付けた該会員を特定する情報は前記会員情報記憶部において前記鍵情報に対応付けられた前記会員を特定する情報と一致するか否か判定し、一致する場合には、前記決済状況取得部に前記会員を特定する情報を受け渡して前記決済状態の情報を取得し、該決済状態の情報が所定の条件を満たす場合には前記錠情報により特定される錠の解錠許可を行う入場管理部と、を備える。
【0013】
また、上記の入場管理装置において、前記所定の条件は、前記会員の支払に滞納が無いこと、であってもよい。
【0014】
また、本発明の別の態様に係る入場管理方法は、入場管理装置を用いる入場管理方法であって、前記入場管理装置は、有期限の入退場を許可された会員を特定する情報と該会員の決済状態の情報とを対応付けて格納する会費情報記憶部と、前記会員を特定する情報と該会員の鍵情報とを対応付けて格納する会員情報記憶部と、プロセッサと、を備え、前記プロセッサは、鍵情報および錠情報を受け付けると、前記会員情報記憶部を読み出して前記鍵情報に対応付けられた前記会員を特定するステップと、前記特定した会員の決済状態の情報を前記会費情報記憶部から読み出して取得する決済状況取得ステップと、該決済状態の情報が所定の条件を満たす場合には前記錠情報により特定される錠の解錠許可を行う入場管理ステップと、を実施する。
【0015】
また、本発明の別の態様に係る入場管理方法は、入場管理装置を用いる入場管理方法であって、前記入場管理装置は、有期限の入退場を許可された会員を特定する情報と該会員の決済状態の情報とを対応付けて格納する会費情報記憶部と、前記会員を特定する情報と該会員の鍵情報とを対応付けて格納する会員情報記憶部と、プロセッサと、を備え、前記プロセッサは、前記会員を特定する情報を受け付けると該会員の決済状態の情報を前記会費情報記憶部から読み出して取得する決済状況取得ステップと、前記会員を特定する情報と鍵情報および錠情報を受け付けると、受け付けた該会員を特定する情報は前記会員情報記憶部において前記鍵情報に対応付けられた前記会員を特定する情報と一致するか否か判定するステップと、一致する場合には、前記特定した会員の決済状態の情報を前記会費情報記憶部から読み出して取得する決済状況取得ステップと、該決済状態の情報が所定の条件を満たす場合には前記錠情報により特定される錠の解錠許可を行う入場管理ステップと、を実施する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、有期限の入退場を許可し、その入退場に関する支払いを外部決済サービスに委託可能とする施設の入場管理の技術を提供することができる。
【0017】
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施形態に係る利用管理システムの構成図である。
【
図2】会員情報記憶部のデータ構造例を示す図である。
【
図3】会費情報記憶部のデータ構造例を示す図である。
【
図4】施設状態記憶部のデータ構造例を示す図である。
【
図5】利用履歴記憶部のデータ構造例を示す図である。
【
図6】入場管理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図7】解錠処理(スマートロック側)のフローの例を示す図である。
【
図8】解錠処理(入場管理装置側)のフローの例を示す図である。
【
図9】第二の実施形態に係る利用管理システムの構成図である。
【
図10】スマートフォンアプリ解錠処理のフローの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の一態様に係る実施形態を適用した利用管理システム1および別の態様に係る実施形態を適用した利用管理システム1´について、図面を参照して説明する。以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
【0020】
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
【0021】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0022】
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0023】
また、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0024】
図1は、本実施形態に係る利用管理システム1の構成図である。利用管理システム1は、入場管理装置100と、入場管理装置100と通信網50を介して通信可能に接続されるスマートロック装置200と、決済代行サーバー400と、を含む。スマートロック装置200は、カメラ300、錠310、電子タグ(鍵)320と接続可能である。
【0025】
解錠する錠310の位置に応じて解錠を希望する利用者の顔およびその近傍を撮像視野に含むカメラ300の制御およびカメラ300からの画像の取得をカメラ制御部201が行い、錠制御部202が錠310の解施錠を制御する。タグリーダー203が電子タグ(鍵)320からタグ情報を読み取る。タグリーダー203と、電子タグ(鍵)320と、の間は、近距離無線通信(例えば、2.4GHz(ギガヘルツ)帯、5Ghz帯を用いるWiーFi(登録商標)、NFC(Near Field Communication)、BLE(Bluetooth Low Energy)、RFID(Radio Frequency IDentifier)等)の通信規格を用いる。なお、カメラ300とカメラ制御部201、錠制御部202と錠310の間の通信についても、同様に近距離無線を用いることもできるし、USB(Universal Serial Bus)等の有線通信を用いることもできる。
【0026】
利用管理システム1は、解錠を希望する利用者、すなわち有期限の入退場を許可された会員が電子タグ(鍵)320をスマートロック装置200に所定以内の距離に近づけることで、錠310が錠制御部202によって解錠/施錠されることで、入場を管理することが可能である。スマートロック装置200は、インターネット等の通信網50を介して入場管理装置100と通信を行う。通信の主目的は、スマートロック装置200が入場管理装置100に解錠の要求を送信し、解錠の条件を満たす場合には入場管理装置100からスマートロック装置200に解錠許可の情報を送信することにある。
【0027】
入場管理装置100は、記憶部110と、処理部120と、入力部130と、出力部140と、通信部150と、が互いにバス等で通信可能に接続される。記憶部110には、会員情報記憶部111と、会費情報記憶部112と、施設状態記憶部113と、利用履歴記憶部114と、が含まれる。
【0028】
図2は、会員情報記憶部のデータ構造例を示す図である。会員情報記憶部111には、会員を特定する情報と該会員の鍵情報とが対応付けて格納される。また、会員情報記憶部111には、会員を特定する情報と該会員の顔写真情報とが対応付けて格納される。具体的には、会員情報記憶部111には、会員を特定する会員ID111Aと、会員ID111Aにより特定される会員の氏名111B、住所111C、生年月日111D、顔写真111E、該会員が解施錠に用いる電子タグである鍵ID111Fと、が対応付けて格納される。
【0029】
図3は、会費情報記憶部のデータ構造例を示す図である。会費情報記憶部112には、会員を特定する情報と該会員の決済状態の情報とが対応付けて格納される。具体的には、会費情報記憶部112には、会員を特定する会員ID112Aと、会員ID112Aにより特定される会員が決済に用いるサービスを特定する決済サービス112Bと、該決済サービスを用いた最終支払日時112Cと、該決済サービスの最終支払日時等を決済サービスに問い合わせるための識別子となる決済サービス問い合わせ番号112Dと、が対応付けて格納される。
【0030】
図4は、施設状態記憶部のデータ構造例を示す図である。施設状態記憶部113には、錠情報と該錠情報により特定される錠の解錠可否の情報とが対応付けて格納される。具体的には、施設状態記憶部113には、錠310を特定する錠ID113Aと、錠ID310により特定される錠が設置されている施設の種類を特定する設置施設の種類113Bと、該錠の運用状態を特定する状態113Cと、が対応付けて格納される。
【0031】
図5は、利用履歴記憶部のデータ構造例を示す図である。利用履歴記憶部114には、会員ごとに解錠許可の履歴情報が格納される。具体的には、利用履歴記憶部114には、会員を特定する会員ID114Aと、会員ID114Aにより特定される会員に対応付けられた利用履歴とが対応付けて格納される。利用履歴には、日時114Bと、該日時において利用された利用サービス114Cと、利用数量114Dと、購入額114Eと、が対応付けられて格納される。
【0032】
図1の説明に戻る。処理部120には、入場管理部121と、決済状況取得部122と、施設状態管理部123と、利用状況分析部124と、活動支援部125と、画像認識部126と、が含まれる。
【0033】
入場管理部121は、利用者の入場を管理する。具体的には、入場管理部121は、鍵情報および錠情報を受け付けると、会員情報記憶部111を読み出して鍵情報に対応付けられた会員を特定し、決済状況取得部122に会員を特定する情報を受け渡して決済状態の情報を取得し、決済状態の情報が所定の条件を満たす場合には錠情報により特定される錠の解錠許可をスマートロック装置200に送信する。ただし、入場管理部121は、施設状態管理部123に錠情報を受け渡して解錠可否を取得し、解錠不可を示す場合には錠情報により特定される錠の解錠を許可しない。
【0034】
また、入場管理部121は、カメラ300により撮像した画像と鍵情報および錠情報を受け付けると、該画像を画像認識部126に受け渡して一人または複数人の会員の候補を取得し、鍵情報に対応付けられた会員を特定し、特定された該会員が会員の候補に含まれている場合には決済状況取得部122に会員を特定する情報を受け渡して決済状態の情報を取得するようにしてもよい。
【0035】
また、入場管理部121は、会員を特定する情報と鍵情報および錠情報を受け付けると、受け付けた該会員を特定する情報は会員情報記憶部111において鍵情報に対応付けられた会員を特定する情報と一致するか否か判定し、一致する場合には、決済状況取得部122に会員を特定する情報を受け渡して決済状態の情報を取得するようにしてもよい。
【0036】
決済状況取得部122は、会員ごとに使用する決済サービスに応じて、決済状態を示す情報、例えば会費の支払実績等の情報を外部の決済代行サーバー400に問い合わせて取得する。そして、決済状況取得部122は、取得した決済状態を示す情報は、会費情報記憶部112に所定期間キャッシュしておく。具体的には、決済状況取得部122は、会員を特定する情報を受け付けると、該会員の決済状態の情報を会費情報記憶部112から読み出して取得し、決済状態の情報を更新する必要がある場合(例えば、月払の会費の場合において、前回の決済が1カ月以上前に行われた情報しか会費情報記憶部112にない場合)には、外部の決済代行サーバー400に問い合わせて更新する。
【0037】
施設状態管理部123は、錠情報を受け付けると該錠情報により特定される錠の解錠可否を施設状態記憶部113から読み出して取得する。また、施設状態管理部123は、該錠情報により特定される錠の設置施設の種類についても、施設状態記憶部113から読み出して取得する。
【0038】
利用状況分析部124は、利用履歴記憶部114を読み出して会員の入場頻度を含む利用状況を分析する。具体的には、利用状況分析部124は、入場頻度、入場から退場までの滞在時間、滞在時間内の購入頻度、購入物、購入額の統計処理等の各種の分析処理を行う。なお、入場と退場の区別は、スマートロック装置200が施錠管理する扉の内外にそれぞれ設けられている場合には、外側から解錠した場合には入場、内側から解錠した場合には退場として区別することができる。そうでない場合、解錠後に所定時間内に解錠があった場合には退場として区別することができる。あるいは、最初の解錠を入場、以降を退場と入場が順に行わるものとして区別するようにしてもよい。
【0039】
活動支援部125は、会員の活動を支援する支援情報を提供する。具体的には、活動支援部125は、解錠許可がなされると、会員の解錠許可の履歴情報を用いて所定の支援情報を利用者(会員)に提供する。例えば、活動支援部125は、利用状況に応じた所定の商品・サービスの優遇情報を錠情報により特定される錠が設置された施設の種類に応じて決定し、支援情報として提供する。
【0040】
画像認識部126は、画像を認識処理して、会員の顔写真の人物との同定処理を行う。具体的には、画像認識部126は、画像を受け付けると該画像に写る人物と前記顔写真情報が類似する一人または複数人の前記会員の候補を前記会員情報記憶部111から読み出して取得する。
【0041】
入力部130は、入場管理装置100への利用者(会員ではなく、システム管理者等)からの入力を受け付ける。例えば、入力部130は、受け付けたタイピングやタッチ、フリック入力等の各種の接触入力、あるいは音声入力、または視線入力等の各種の入力を受け付ける。
【0042】
出力部140は、入場管理装置100からの利用者への出力を行う。出力される情報は、画面、帳票等の各種出力情報である。
【0043】
通信部150は、通信網50を介してスマートロック装置200および決済代行サーバー400との間で通信を行う。その通信には、TCP/IPプロトコルによるパケット通信を採用するが、これに限られるものではない。
【0044】
通信網50は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、携帯電話網等、あるいはこれらが複合した通信網である。なお、当該通信網50は、携帯電話通信網等の無線通信網上のVPN(Virtual Private Network)等であってもよい。
【0045】
スマートロック装置200は、カメラ制御部201と、錠制御部202と、タグリーダー203と、解錠管理部204と、通信部205と、が互いにバス等で通信可能に接続される。
【0046】
カメラ制御部201は、解錠管理部204から制御指示を受け付けると、カメラ300の制御を行い、カメラ300から画像を取得すると解錠管理部204に取得した画像を受け渡す。
【0047】
錠制御部202は、解錠管理部204から制御指示を受け付けると、錠310の解施錠制御を行い、錠310から解錠状態/施錠状態/異常等の状態情報を受け取る。
【0048】
タグリーダー203は、ICカード等の電子タグ(鍵)320からタグ情報を受け付けると、解錠管理部204へ受け渡す。なお、電子タグ(鍵)320には、ICタグ情報を読み出すことが可能なカードであれば各種のセキュリティカードを採用できる。
【0049】
解錠管理部204は、タグリーダー203からタグ情報を受け付けると、カメラ制御部201へ撮像を指示する。解錠管理部204は、撮像した画像をカメラ制御部201から受け取ると、入場管理装置100の入場管理部121に解錠要求を行い、入場管理部121から解錠許可を受け取ると、錠制御部202に解錠を指示する。錠制御部202から解錠結果の状態情報を得ると、解錠結果として入場管理部121へ送信する。解錠管理部204は、入場管理部121から解錠不許可を受け取ると、錠制御部202に施錠を指示する。
【0050】
通信部205は、通信網50を介して入場管理装置100との間で通信を行う。その通信には、TCP/IPプロトコルによるパケット通信を採用するが、これに限られるものではない。
【0051】
決済代行サーバー400は、通信網50を介して入場管理装置100等の他の装置から決済の代行を受け付けて実行し、その結果を問い合わせ番号に応じて返却するクラウドサービスであるが、問い合わせ番号を用いる問い合わせに限られず、決済代行サーバー400側が提供するAPI(Application Programming Interface)により結果を通知するもの等、各種の既存技術を用いることができる。
【0052】
図6は、入場管理装置のハードウェア構成例を示す図である。入場管理装置100は、いわゆるサーバー装置、ワークステーション、パーソナルコンピュータ、スマートフォンあるいはタブレット端末の筐体により実現されるハードウェア構成を備える。入場管理装置100は、プロセッサ101と、メモリ102と、記憶装置103と、入力装置104と、表示装置105と、通信装置106と、各装置をつなぐバス107と、を備える。
【0053】
プロセッサ101は、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の演算装置である。
【0054】
メモリ102は、例えばRAM(Random Access Memory)などのメモリ装置である。
【0055】
記憶装置103は、デジタル情報を記憶可能な、いわゆるハードディスク(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)あるいはフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置である。
【0056】
入力装置104は、キーボードやマウス、タッチパネル、マイクのいずれかまたは複数の入力を受け付ける装置である。表示装置105は、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の各種出力装置のいずれかまたは複数の表示を行う装置である。
【0057】
通信装置106は、ネットワークを介して他の装置と通信するネットワークインターフェースカード(NIC)等である。
【0058】
上記した入場管理装置100の入場管理部121と、決済状況取得部122と、施設状態管理部123と、利用状況分析部124と、活動支援部125と、画像認識部126とは、プロセッサ101に処理を行わせるプログラムによって実現される。このプログラムは、メモリ102、記憶装置103または図示しないROM装置内に記憶され、実行にあたってメモリ102上にロードされ、プロセッサ101により実行される。
【0059】
また、入場管理装置100の記憶部110は、メモリ102及び記憶装置103により実現される。また、入力部130および出力部140は、入力装置104、表示装置105によりそれぞれ実現される。通信部150は、通信装置106により実現される。以上が、入場管理装置100のハードウェア構成例である。
【0060】
入場管理装置100の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0061】
また、各処理部(入場管理部121と、決済状況取得部122と、施設状態管理部123と、利用状況分析部124と、活動支援部125と、画像認識部126)は、それぞれの機能を実現する専用のハードウェア(ASIC、GPUなど)により構築されてもよい。また、各処理部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0062】
次に、本実施形態における利用管理システム1の動作を説明する。
【0063】
図7は、解錠処理(スマートロック側)のフローの例を示す図である。解錠処理(スマートロック側)は、電子タグ(鍵)320からタグ情報が送信されると、開始される。
【0064】
まず、電子タグ(鍵)320は、タグ情報をタグリーダー203に送信する(ステップS001)。そして、タグリーダー203は、受信したタグ情報を解錠管理部204に受け渡す(ステップS002)。
【0065】
解錠管理部204は、次に、カメラ制御部201に撮像指示を行う(ステップS003)。カメラ制御部201はカメラ300に撮像を指示し(ステップS004)、カメラ300から撮像された画像を受け取る(ステップS005)。そして。カメラ制御部201は、受け取った画像を解錠管理部204へ受け渡す(ステップS006)。
【0066】
画像を受け取った解錠管理部204は、入場管理装置100の入場管理部121に解錠要求を送信する(ステップS007)。この際、解錠管理部204は、ステップS006にて受け取った画像と、ステップS002にて受け取ったタグ情報と、自身の図示しない記憶部に予め格納された錠IDと、をパラメーターに含ませる。
【0067】
入場管理部121から解錠許可を受け取ると(ステップS008)、解錠管理部204は、錠制御部202に解錠指示を行う(ステップS009)。錠制御部202は、錠310に解錠を指示し(ステップS010)、解錠結果を得る(ステップS011)。そして、錠制御部202は、解錠結果を含む状態情報を解錠管理部204に送信する(ステップS012)。
【0068】
状態情報を得ると、解錠管理部204は、入場管理装置100の入場管理部121に解錠結果を送信する(ステップS013)。この際、ステップS002にて受け取ったタグ情報と、自身の図示しない記憶部に予め格納された錠IDと、ステップS012にて得た状態情報と、をパラメーターに含ませる。
【0069】
以上が、解錠処理(スマートロック側)のフローの例である。解錠処理(スマートロック側)を行うことで、利用者(会員)が解錠対象の錠310の前で入場を要請する場合に、電子タグ(鍵)320をかざすことで、錠310の解錠がなされ、入場可能となる。なお、錠制御部202は、解錠から所定の時間が経過することを契機として、錠310に施錠を指示する。
【0070】
図8は、解錠処理(入場管理装置側)のフローの例を示す図である。解錠処理(入場管理装置側)は、入場管理装置100が起動されると、開始される。
【0071】
まず、入場管理部121は、解錠管理部204からステップS007にて送信された解錠要求を受信すると、画像認識部126に、受信したパラメーターに含まれる画像を受け渡して会員IDの候補を一つ以上要求する(ステップS101)。画像認識部126は、受け渡された画像(カメラ300にて撮像した解錠希望者の顔を含む画像)を画像認識し、会員情報記憶部111に格納されている会員の顔写真111Eとの類似比較を行い、尤度が所定以上となる会員を候補として一又は複数挙げ、入場管理部121へ受け渡す(ステップS102)。
【0072】
そして、入場管理部121は、会員ID候補とタグ情報から、錠310の前で解錠を希望する会員の会員IDを引き当てる(ステップS103)。すなわち、タグ情報(鍵ID)から特定される会員IDの会員本人が、実際に錠310の前で解錠を希望しているのであれば、顔写真111Eとの類似比較から候補とされた会員IDとタグ情報から得られた会員IDとが一致するはずだからである。
【0073】
そして、入場管理部121は、ステップS103にて引き当てた会員IDをパラメーターに含ませて、決済状況取得部122に決済状態の情報の問い合わせを行う(ステップS104)。決済状況取得部122は、受け付けた会員IDの最終支払日時を特定し、入場管理部121に送信する(ステップS105)。この際、決済状況取得部122は、該会員の決済状態の情報を会費情報記憶部112から読み出して取得し、決済状態の情報を更新する必要がある場合(例えば、月払の会費の場合において、前回の決済が1カ月以上前に行われた情報しか会費情報記憶部112にない場合)には、外部の決済代行サーバー400に問い合わせて更新する。
【0074】
入場管理部121は、最終支払日時を受け取ると、滞納判定を行う(ステップS106)。滞納判定については、最終支払日時に基づいて、会費等の請求額の支払に滞納がないかを判定する既存技術である。なお、滞納判定において滞納ありとされると、入場管理部121は、解錠不許可を解錠管理部204に送信する(ステップS109)。この場合、錠310は施錠され、解錠希望者(会員)は入場できないこととなる。
【0075】
滞納がない場合には、入場管理部121は、施設状態管理部123へ錠IDをパラメーターとして状態の問い合わせを行う(ステップS107)。これはつまり、施設が閉鎖されていたり、錠310の開閉を手動運用していたりする場合等には解錠を許可できないため、解錠可能な状態にあるか否かを問い合わせるものである。
【0076】
施設状態管理部123は、施設状態記憶部113を錠IDで検索し、状態113Cを読み出して解錠可/解錠不可を特定すると、入場管理部121へ状態情報として受け渡す(ステップS108)。
【0077】
入場管理部121は、滞納がなく、かつ解錠可の場合には、解錠管理部204へ解錠許可を送信する(ステップS008)。そうでない場合、すなわち滞納がある、あるいは滞納が無くとも解錠不可の場合には、入場管理部121は、解錠不許可を解錠管理部204に送信する(ステップS109)。この場合、錠310は施錠され、解錠希望者(会員)は入場できないこととなる。
【0078】
以上が、解錠処理(入場管理装置側)のフローの例である。解錠処理(入場管理装置側)を行うことで、利用者(会員)が解錠対象の錠310の前で入場を要請する場合に、解錠を許可する各種の条件(会費の滞納がない、施設が解錠可能な状態にある、等)を満たせば錠310の解錠を行い、入場を許可することができる。
【0079】
以上が、本発明の一態様に係る実施形態を適用した利用管理システム1である。利用管理システム1を用いることで、有期限の入退場を許可し、その入退場に関する支払いを外部決済サービスに委託可能とする施設の入場管理を行うことができる。例えば月額利用定額制のスポーツクラブ等において店舗運営を無人化するにあたって、適切な入場管理を行うことができるようになる。
【0080】
なお、上記の実施形態においては、ステップS004においてカメラ300により撮像を行い、取得した画像をステップS007において入場管理装置100へ送信し、ステップS101において画像認識部126へ該画像を受け渡して会員ID候補を得て会員IDの特定に利用しているが、これに限られない。スマートロック装置200にカメラ300が搭載されていない場合には、画像を取得および送信しないようにしてもよい。その場合には、ステップS007の解錠要求に画像が含まれず、ステップS103においてはタグ情報から会員IDを引き当てることとなる。このようにすることで、多様な仕様のスマートロック装置200にも対応することができる。
【0081】
本発明は、上記の実施形態に制限されない。上記の実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。例えば、上記の実施形態においては、スマートロック装置200は、電子タグ(鍵)320のタグ情報を読み取って解錠希望者の会員IDを得ているが、これに限られない。例えば、会員はスマートフォンのソフトウェアを用いて入場管理装置に解錠要求を行い、スマートロック装置200の解錠を行うようにしてもよい。このようにした場合、会員は電子タグ(鍵)320を別途保有する必要がないため、紛失や再発行の発生を低減させ、あるいは会員の荷物量の低減も実現することができる。より具体的な実施形態を以下に示す。
【0082】
図9は、第二の実施形態に係る利用管理システムの構成図である。第二の実施形態に係る利用管理システム1´は、基本的には第一の実施形態に係る利用管理システム1と同様であるが、一部相違がある。以下は、相違点を中心に説明する。
【0083】
会員のスマートフォン500は、通信網50を介して、入場管理装置100の入場管理部121に解錠要求を行う。解錠許可がなされると、第一の実施形態と同様に、解錠を希望するスマートロック装置200に解錠許可が送信される。
【0084】
図10は、スマートフォンアプリ解錠処理のフローの例を示す図である。スマートフォンアプリ解錠処理は、スマートフォン500にインストールされているアプリケーションソフトウェアから会員ID、鍵ID、錠IDをパラメーターに含む解錠要求がなされると開始される。
【0085】
まず、スマートフォン500は、会員ID、鍵ID、錠IDをパラメーターに含む解錠要求を入場管理部121に送信する(ステップS201)。入場管理部121は、会員情報記憶部111を読み取って、会員IDと鍵IDの整合を判定する(ステップS202)。不整合の場合には、入場管理部121は、解錠不許可をスマートフォン500に送信する(ステップS203)。その後の滞納判定、施設状態の問い合わせは第一の実施形態に係る利用管理システム1と同様であるため、説明を割愛する。
【0086】
会員IDと鍵IDが整合し、滞納は無く、かつ解錠可の場合には、入場管理部121は、解錠許可を錠IDで特定される解錠管理部204に指示する(ステップS204)。そして、入場管理部121は、活動支援部125に支援指示を行う(ステップS205)。
【0087】
活動支援部125は、ステップS204の解錠許可がなされると、会員の解錠許可の履歴情報を用いて所定の支援内容を決定し(ステップS206)、支援情報を利用者(会員)に提供する(ステップS207)。例えば、活動支援部125は、利用状況分析部124が分析した利用状況に応じて所定の商品・サービスの優遇情報を錠情報により特定される錠が設置された施設の種類に応じて決定し、支援情報として提供する。例えば、利用頻度の高い会員がスポーツクラブから退出した場合には、すぐに使える付近の飲食店のクーポン情報を提供したり、滞在時間が普段よりも短い会員がスポーツクラブから退出した場合には、割引率の高いスポーツ用品のショッピングモールのセール情報を提供したりすることが考えられるが、これら以外にもさまざまな支援情報を提供することが考えられる。スポーツクラブに限らず、施設が貸し会議室である場合には、各種のビジネスサービスや専門家の紹介を提供することも考えられる。
【0088】
以上が、スマートフォンアプリ解錠処理のフローの例である。スマートフォンアプリ解錠処理によれば、会員は電子タグ(鍵)320を別途保有する必要がないため、紛失や再発行の発生を低減させ、あるいは会員の荷物量の低減も実現することができる。また、入退場の直後に利用状況に応じた支援情報を受け取ることができるため、会員はよりきめ細やかなサービスを受けることができる。あるいは、入退場の直後に限られず、それ以外の機会においても、支援内容を決定して支援情報を提供することもできる。例えば、週報や月報のような定期的なコンテンツや、最終利用から所定期間以上利用のない会員への利用促進メッセージ等を支援情報とすることもできる。
【0089】
図11は、支援情報画面の例を示す図である。支援情報画面600は、スマートフォンアプリ解錠処理のステップS207においてスマートフォン500に送信される支援情報の例である。支援情報画面600は、入場時に降水があり、退場時には降水が終了している場合に傘の忘れ物を注意する文面601、すぐに使用可能な飲食店のクーポン情報602、施設に応じた商品のセール情報603、等の情報を含む。このような画面によれば、会員は入場、退場直後に有益な情報を得られる可能性が高まり、より利便性が高くなる。
【0090】
また、上記した実施形態の技術的要素は、単独で適用されてもよいし、プログラム部品とハードウェア部品のような複数の部分に分けられて適用されるようにしてもよい。
【0091】
以上、本発明について、実施形態を中心に説明した。
【符号の説明】
【0092】
1、1´・・・入場管理システム、50・・・通信網、100・・・入場管理装置、110・・・記憶部、111・・・会員情報記憶部、112・・・会費情報記憶部、113・・・施設状態記憶部、114・・・利用履歴記憶部、120・・・処理部、121・・・入場管理部、122・・・決済状況取得部、123・・・施設状態管理部、124・・・利用状況分析部、125・・・活動支援部、126・・・画像認識部、130・・・入力部、140・・・出力部、150・・・通信部、200・・・スマートロック装置、201・・・カメラ制御部、202・・・錠制御部、203・・・タグリーダー、204・・・解錠管理部、205・・・通信部、300・・・カメラ、310・・・錠、320・・・電子タグ(鍵)、400・・・決済代行サーバー、500・・・スマートフォン。