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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022089765
(43)【公開日】2022-06-16
(54)【発明の名称】遠心分離機及びロック・モジュール
(51)【国際特許分類】
   B04B 7/06 20060101AFI20220609BHJP
   B04B 1/02 20060101ALI20220609BHJP
【FI】
B04B7/06 Z
B04B1/02
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021180711
(22)【出願日】2021-11-05
(31)【優先権主張番号】63/121,242
(32)【優先日】2020-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】110114180
(32)【優先日】2021-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】515348699
【氏名又は名称】笙特科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100169823
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 雄郎
(72)【発明者】
【氏名】梁 振盛
(72)【発明者】
【氏名】梁 道
(72)【発明者】
【氏名】柯 新泰
【テーマコード(参考)】
4D057
【Fターム(参考)】
4D057AA03
4D057AB01
4D057AC01
4D057AD01
4D057AE02
4D057AF03
4D057BD00
4D057CA00
4D057CA05
(57)【要約】
【課題】全体の体積を低減して携帯性の要求を満足する遠心分離機を提供する。
【解決手段】ベース、回転プラットフォーム、及びロック・モジュールを含む遠心分離機を提供する。回転プラットフォームはベース上に配置されて遠心ボウルのロータを支持する。ロータは回転可能な様式で遠心ボウルのステータに接続されている。ロック・モジュールは、本体、ロック・アセンブリ、及び位置決め構成要素を含む。本体はベース上に配置されている。ロック・アセンブリは、可動な様式で本体に接続され、回転プラットフォームの上方に位置する。ロック・アセンブリは、第1状態に操作されてステータをロックし、第2状態に操作されてステータから分離されるように構成されている。位置決め構成要素は可動な様式で本体に接続されている。位置決め構成要素は、第1位置に移動してロック・アセンブリを第1状態に位置決めし、第2位置に移動してロック・アセンブリを解放するように構成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
前記ベース上に配置され、遠心ボウルのロータを支持するように構成された回転プラットフォームと、
ロック・モジュールと
を具えた遠心分離機であって、前記ロータは回転可能な様式で前記遠心ボウルのステータに接続されている遠心分離器において、
前記ロック・モジュールが、
前記ベース上に配置された本体と、
可動な様式で前記本体に接続され、前記回転プラットフォームの上方に位置するロック・アセンブリと、
可動な様式で前記本体に接続された位置決め構成要素とを具え、
前記ロック・アセンブリは、前記本体に対する第1状態に操作されて、前記ステータをロックするように構成され、前記ロック・アセンブリは、前記本体に対する第2状態に操作されて、前記ステータから分離されるように構成され、
前記位置決め構成要素は、前記本体に対する第1位置に移動して、前記ロック・アセンブリを前記第1状態に位置決めするように構成され、前記位置決め構成要素は、前記本体に対する第2位置に移動して、前記ロック・アセンブリを解放するように構成されている遠心分離機。
【請求項2】
前記ロック・アセンブリがノッチを有し、該ノッチによって前記ステータをロックするように構成され、前記ノッチの内側エッジが非円形である、請求項1に記載の遠心分離機。
【請求項3】
前記ロック・アセンブリが軸部及び力受け部を有し、該軸部及び該力受け部は、前記ロック・アセンブリの互いに反対側にある2つの端部のそれぞれに位置し、前記軸部は旋回可能な様式で前記本体に接続され、前記力受け部は力を受けるように構成され、これにより前記ロック・アセンブリが前記第1状態と前記第2状態との間で前記本体に対して回転する、請求項1に記載の遠心分離機。
【請求項4】
前記ロック・アセンブリが第1回転軸の周りに旋回可能な様式で前記本体に接続され、前記回転プラットフォームが第2回転軸の周りに回転するように構成され、前記第1回転軸は前記第2回転軸に平行である、請求項1に記載の遠心分離機。
【請求項5】
前記ロック・アセンブリが、互いに接続された位置決め孔及びスライド溝を有し、前記位置決め構成要素が位置決め部分及び非位置決め部分を具え、前記位置決め部分の外径は前記スライド溝の幅よりも大きく、前記非位置決め部分の外径は前記スライド溝の幅よりも小さく、
前記ロック・アセンブリが前記第1状態にあり、前記位置決め構成要素が前記第1位置に位置する際に、前記位置決め構成要素が前記位置決め孔を貫通し、前記位置決め部分の少なくとも一部分が前記位置決め孔内に位置して、前記ロック・アセンブリを位置決めし、
前記位置決め構成要素が前記位置決め孔の軸方向に沿って前記第2位置まで移動して、前記位置決め部分が前記位置決め孔から離れるように移動する際に、前記位置決め孔内に位置する前記非位置決め部分が前記ロック・アセンブリに対して前記スライド溝まで移動するように構成されている、請求項1に記載の遠心分離機。
【請求項6】
前記ロック・モジュールが弾性構成要素を具え、該弾性構成要素は前記本体と前記位置決め構成要素との間に接続され、前記位置決め構成要素が、前記弾性構成要素の弾性力に抵抗して前記第1位置から前記第2位置まで移動するように構成され、前記位置決め構成要素が、前記弾性構成要素の前記弾性力によって前記第2位置から前記第1位置に戻るように構成されている、請求項1に記載の遠心分離機。
【請求項7】
前記ロック・モジュールが少なくとも1つの漏液センサを具え、該少なくとも1つの漏液センサは、前記本体内に配置され、前記回転プラットフォーム上の前記遠心ボウルに対面する、請求項1に記載の遠心分離機。
【請求項8】
前記ロック・モジュールが少なくとも1つの信号線を具え、該少なくとも1つの信号線は、少なくとも部分的に前記本体内に配置され、前記少なくとも1つの漏液センサに接続されている、請求項7に記載の遠心分離機。
【請求項9】
前記ロック・モジュールが光検出アセンブリを具え、該光検出アセンブリは、前記本体内に配置され、前記回転プラットフォーム上の前記遠心ボウル内の液体の液位を検出するように構成されている、請求項1に記載の遠心分離機。
【請求項10】
前記光検出アセンブリがレンズ及び光ファイバ線を具え、該レンズは、前記本体内に配置され、前記回転プラットフォーム上の前記遠心ボウルに対面し、該光ファイバ線は、少なくとも部分的に前記本体内に配置され、前記レンズに接続されている、請求項9に記載の遠心分離機。
【請求項11】
遠心分離器に適合するロック・モジュールであって、前記遠心分離機がベース及び回転プラットフォームを具え、該回転プラットフォームは、該ベース上に配置され、遠心ボウルのロータを支持するように構成され、該ロータは回転可能な様式で前記遠心ボウルのステータに接続され、前記ロック・モジュールが、
前記ベース上に配置された本体と、
可動な様式で前記本体に接続され、前記遠心分離機の回転プラットフォームの上方に位置するロック・アセンブリと、
可動な様式で前記本体に接続された位置決め構成要素とを具え、
前記ロック・アセンブリは、前記本体に対する第1状態に操作されて、前記ステータを位置決めするように構成され、前記ロック・アセンブリは、前記本体に対する第2状態に操作されて、前記ステータから分離されるように構成され、
前記位置決め構成要素は、前記本体に対する第1位置に移動して、前記ロック・アセンブリを前記第1状態に位置決めするように構成され、前記位置決め構成要素は、前記本体に対する第2位置に移動して、前記ロック・アセンブリを解放するように構成されているロック・モジュール。
【請求項12】
前記ロック・アセンブリがノッチを有し、該ノッチによって前記ステータをロックするように構成され、前記ノッチの内側エッジが非円形である、請求項11に記載のロック・モジュール。
【請求項13】
前記ロック・アセンブリが軸部及び力受け部を有し、該軸部及び該力受け部は、前記ロック・アセンブリの互いに反対側にある2つの端部のそれぞれに位置し、前記軸部は旋回可能な様式で前記本体に接続され、前記力受け部は力を受けるように構成され、これにより前記ロック・アセンブリが前記第1状態と前記第2状態との間で前記本体に対して回転する、請求項11に記載のロック・モジュール。
【請求項14】
前記ロック・アセンブリが第1回転軸の周りに旋回可能な様式で前記本体に接続され、前記回転プラットフォームが第2回転軸の周りに回転するように構成され、前記第1回転軸は前記第2回転軸に平行である、請求項11に記載のロック・モジュール。
【請求項15】
前記ロック・アセンブリが、互いに接続された位置決め孔及びスライド溝を有し、前記位置決め構成要素が位置決め部分及び非位置決め部分を具え、前記位置決め部分の外径は前記スライド溝の幅よりも大きく、前記非位置決め部分の外径は前記スライド溝の幅よりも小さく、
前記ロック・アセンブリが前記第1状態にあり、前記位置決め構成要素が前記第1位置に位置する際に、前記位置決め構成要素が前記位置決め孔を貫通し、前記位置決め部分の少なくとも一部分が前記位置決め孔内に位置して、前記ロック・アセンブリを位置決めし、
前記位置決め構成要素が前記位置決め孔の軸方向に沿って前記第2位置まで移動して、前記位置決め部分が前記位置決め孔から離れるように移動する際に、前記位置決め孔内に位置する前記非位置決め部分が前記ロック・アセンブリに対して前記スライド溝まで移動するように構成されている、請求項11に記載のロック・モジュール。
【請求項16】
弾性構成要素を具え、該弾性構成要素は前記本体と前記位置決め構成要素との間に接続され、前記位置決め構成要素が、前記弾性構成要素の弾性力に抵抗して前記第1位置から前記第2位置まで移動するように構成され、前記位置決め構成要素が、前記弾性構成要素の前記弾性力によって前記第2位置から前記第1位置に戻るように構成されている、請求項11に記載のロック・モジュール。
【請求項17】
少なくとも1つの漏液センサを具え、該少なくとも1つの漏液センサは、前記本体内に配置され、前記回転プラットフォーム上の前記遠心ボウルに対面する、請求項11に記載のロック・モジュール。
【請求項18】
少なくとも1つの信号線を具え、該少なくとも1つの信号線は、少なくとも部分的に前記本体内に配置され、前記少なくとも1つの漏液センサに接続されている、請求項17に記載のロック・モジュール。
【請求項19】
光検出アセンブリを具え、該光検出アセンブリは、前記本体内に配置され、前記回転プラットフォーム上の前記遠心ボウル内の液体の液位を検出するように構成されている、請求項11に記載のロック・モジュール。
【請求項20】
前記光検出アセンブリがレンズ及び光ファイバ線を具え、該レンズは、前記本体内に配置され、前記回転プラットフォーム上の前記遠心ボウルに対面し、該光ファイバ線は、少なくとも部分的に前記本体内に配置され、前記レンズに接続されている、請求項19に記載のロック・モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遠心分離機及びロック・モジュールに関するものであり、特に、生物学的解析用に用いることができる遠心分離機及びロック・モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
血液または他の標本の生化学的試験は、通常、異なる試験を実行するために、液体の急速な量的分布を必要とする。生化学的試験は、通常、互いに悪影響を与え得る細胞体と細胞液との分離も必要とする。こうした量的分布及び分離のステップは、通常、遠心分離ステップによって実現される。遠心分離ステップは、遠心分離機が発生する遠心力を用いて、種々の成分及び重力を有する混合物を分離する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
技術課題
一般的に言えば、遠心分離機は、遠心ボウル内の血液または他の試料に対する遠心分離ステップを実行するために、遠心ボウルのステータをロックし、遠心ボウルのロータを駆動して回転させなければならない。現在の遠心分離機では、遠心ボウルのステータは一般に複雑な構造を有するロック機構及び複合的な動作ステップによってロックされ、このため、ユーザが片手でステータを迅速にロック及び解放することは困難である。一方、ロック機構に加えて、遠心分離機は、遠心ボウルが漏液しているか否かを検出するために、及び/または遠心ボウル内の液体の高さを検出するために、追加的なセンサ及び対応する回路も必要とする。従って、遠心分離機全体の体積を低減することは困難であり、このため携帯性の要求を満足することは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
課題の解決策
本発明は、遠心分離機及びそのロック・モジュールを提供する。遠心分離機は比較的小さい体積を有し、ロック・モジュールの動作は比較的単純である。
【0005】
本発明の遠心分離機は、ベース、回転プラットフォーム、及びロック・モジュールを含む。回転プラットフォームは、ベース上に配置され、遠心ボウルのロータを支持するように構成されている。ロータは回転可能な様式で遠心ボウルのステータに接続されている。ロック・モジュールは、本体、ロック・アセンブリ、及び位置決め構成要素を含む。本体はベース上に配置されている。ロック・アセンブリは、可動な様式で本体に接続され、回転プラットフォームの上方に位置する。ロック・アセンブリは、本体に対する第1状態に操作されて、ステータをロックするように構成されている。ロック・アセンブリは、本体に対する第2状態に操作されて、ステータから分離されるように構成されている。位置決め構成要素は可動な様式で本体に接続されている。位置決め構成要素は、本体に対する第1位置に移動してロック・アセンブリを第1状態に位置決めするように構成されている。位置決め構成要素は、本体に対する第2位置に移動してロック・アセンブリを解放するように構成されている。
【0006】
本発明のロック・モジュールは遠心分離器に適合する。遠心分離機はベース及び回転プラットフォームを含む。回転プラットフォームは、ベース上に配置され、遠心ボウルのロータを支持するように構成されている。ロータは回転可能な様式で遠心ボウルのステータに接続されている。ロック・モジュールは、本体、ロック・アセンブリ、及び位置決め構成要素を含む。本体はベース上に配置されている。ロック・アセンブリは、可動な様式で本体に接続され、回転プラットフォームの上方に位置する。ロック・アセンブリは、本体に対する第1状態に操作されて、ステータをロックするように構成されている。ロック・アセンブリは、本体に対する第2状態に操作されて、ステータから分離されるように構成されている。位置決め構成要素は可動な様式で本体に接続されている。位置決め構成要素は、本体に対する第1位置に移動して、ロック・アセンブリを第1状態に位置決めするように構成されている。位置決め構成要素は、本体に対する第2位置に移動して、ロック・アセンブリを解放するように構成されている。
【0007】
本発明の1つの好適例では、ロック・アセンブリがノッチを有し、このノッチによってステータをロックするように構成されている。ノッチの内側エッジは非円形である。
【0008】
本発明の1つの好適例では、ロック・アセンブリが軸部及び力受け部を有する。軸部及び力受け部は、ロック・アセンブリの互いに反対側にある2つの端部のそれぞれに位置する。軸部は旋回可能な様式で本体に接続されている。力受け部は力を受けるように構成され、これによりロック・アセンブリは本体に対する第1状態と第2状態との間で回転する。
【0009】
本発明の好適例では、ロック・アセンブリが第1回転軸の周りに旋回可能な様式で本体に接続されている。回転プラットフォームは第2回転軸の周りに回転するように構成されている。第1回転軸は第2回転軸に平行である。
【0010】
本発明の1つの好適例では、ロック・アセンブリが、互いに接続された位置決め孔及びスライド(摺動)溝を有する。上記位置決め構成要素は位置決め部分及び非位置決め部分を含む。位置決め部分の外径はスライド溝の幅よりも大きい。非位置決め部分の外径はスライド溝の幅よりも小さい。ロック・アセンブリが第1状態にあり位置決め構成要素が第1位置にある際に、位置決め構成要素が位置決め孔を貫通し、位置決め部分の少なくとも一部分が位置決め孔内に位置して、ロック・アセンブリを位置決めする。位置決め構成要素が位置決め孔の軸方向に沿って移動して、位置決め部分が位置決め孔から離れるように移動する際に、位置決め孔内に位置する非位置決め部分はロック・アセンブリに対してスライド溝へ移動するように構成されている。
【0011】
本発明の1つの好適例では、ロック・モジュールが、本体と位置決め構成要素との間に接続された弾性構成要素を含む。位置決め構成要素は、弾性構成要素の弾性力に抵抗して第1位置から第2位置に移動するように構成されている。位置決め構成要素は、弾性構成要素の弾性力によって第2位置から第1位置に戻るように構成されている。
【0012】
本発明の1つの好適例では、ロック・モジュールが少なくとも1つの漏液センサを含む。少なくとも1つの漏液センサは、本体内に配置され、回転プラットフォーム上の遠心ボウルに対面する。
【0013】
本発明の1つの好適例では、ロック・モジュールが少なくとも1つの信号線を含む。少なくとも1つの信号線は、部分的に本体内に配置され、少なくとも1つの漏液センサに接続されている。
【0014】
本発明の1つの好適例では、ロック・モジュールが光検出アセンブリを含む。光検出アセンブリは、本体内に配置され、回転プラットフォーム上の遠心ボウル内の液体の液位を検出するように構成されている。
【0015】
本発明の1つの好適例では、光検出アセンブリがレンズ及び光ファイバ線を含む。レンズは、本体内に配置されて、回転プラットフォーム上の遠心ボウルに対面する。光ファイバ線は、少なくとも部分的に本体内に配置されて、レンズに接続されている。
【発明の効果】
【0016】
以上のことに基づけば、本発明のロック・モジュールは、単一のロック・アセンブリの動作によって遠心ボウルのステータをロックし、ロック・アセンブリと位置決め構成要素とが同じ本体内に配置され、これにより、ユーザはロック・アセンブリ及び位置決め構成要素を片手で容易に操作することができる。それに加えて、本発明のロック・モジュールは、上述したように単純な部品で構成される単一のモジュールであるので、必要とする配置空間が比較的小さく、このため遠心分離機全体の体積を効果的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態による遠心分離機の透視図である。
図2図1のロック・アセンブリが遠心ボウルのステータをロックする様子を示す図である。
図3図1のロック・アセンブリが遠心ボウルのステータから分離される様子を示す図である。
図4図1のロック・モジュールの透視図である。
図5図1のロック・モジュールの部分構造の透視図である。
図6図6A図6Cは、図5の位置決め構成要素の動作プロセスを示す図である。
図7図6Aの位置決め構成要素及びロック・アセンブリの部分構造の上面図である。
図8図6Cの位置決め構成要素及びロック・アセンブリの部分構造の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の一実施形態による遠心分離機の透視図である。図1を参照されたい。本実施形態の遠心分離機100は、ベース110、回転プラットフォーム120、及びロック・モジュール130を含む。回転プラットフォーム120はベース110上に配置されている。ロック・モジュール130は、本体132、ロック・アセンブリ134、及び位置決め構成要素136を含む。本体132はベース110上に配置されている。ロック・アセンブリ134は、回転可能な様式で本体132に接続され、回転プラットフォーム120の上方に位置する。位置決め構成要素136は、回転可能な様式で本体132に接続され、ロック・アセンブリ134を位置決めするように構成されている。
【0019】
図2に、図1のロック・アセンブリが遠心ボウルのステータをロックする様子を示す。図3に、図1のロック・アセンブリが遠心ボウルから分離される様子を示す。具体的には、回転プラットフォーム120は、図2及び図3に示すように、遠心ボウル50のロータ52を支持することができる。ロータ52は回転可能な様式で遠心ボウル50のステータ54に接続されている。ロータ52は(血液または他の標本のような)遠心分離される液体を収容するように構成されている。ロック・アセンブリ134を操作して、図2に示す本体132に対する第1状態にして、ステータ54をロックすることができ、位置決め構成要素136は、図2に示す本体132に対する第1位置に移動して、ロック・アセンブリ134を第1状態に位置決めすることができる。この時点で、遠心ボウル50はロック・モジュール130によって回転プラットフォーム120上にロックされる。ロータ52は、回転プラットフォーム120が回転する間に遠心分離ステップを実行することができる。遠心分離ステップが完了した後に、位置決め構成要素136は、図3に示す本体132に対する第2位置に移動して、ロック・アセンブリ134を解放することができ、これにより、ロック・アセンブリ134を操作して、図3に示す本体132に対する第2状態にしてステータ54から解放することができ、これにより、ユーザは遠心ボウル50を遠心分離機100から除去することができる。
【0020】
上述したように、本実施形態のロック・モジュール130は、単一のロック・アセンブリ134の操作によって遠心ボウル50のステータ54をロックして、単一の位置決め構成要素116の動作によって、ロック・アセンブリ134を位置決め及び解放することができる。また、ロック・アセンブリ134と位置決め構成要素136とは、ロック・モジュール130の同じ本体132内に配置され、これにより、ユーザはロック・アセンブリ134及び位置決め構成要素136の操作を片手で実行することができる。それに加えて、本実施形態のロック・モジュール130は、上述したように単純な部品で構成される単一のモジュールであるので、必要とする配置空間が比較的小さく、従って遠心分離機100全体の体積を効果的に低減することができる。
【0021】
図4は、図1のロック・モジュールの透視図である。図2及び図4を参照されたい。詳細には、本実施形態のロック・アセンブリ134はノッチ134aを有する。ノッチ134aの内側エッジは非円形である。ステータ54はロック部分54aを有することができ、その形状はノッチ134aの内側エッジに対応する。従って、ロック・アセンブリ134は、ノッチ134aによってステータ54をロックして、ステータ54の回転を真に止めることができる。他の実施形態では、ロック・アセンブリ134は、本発明では限定されない他の適切な構造によってステータ54の回転を止めることができる。
【0022】
それに加えて、本実施形態のロック・アセンブリ134は、軸部1341及び力受け部1342を有する。軸部1341及び力受け部1342は、ロック・アセンブリの互いに反対側にある2つの端部のそれぞれに位置する。軸部1341は、第1回転軸A1の周りに旋回可能な様式で本体132に接続され、回転プラットフォーム120は第2回転軸A2の周りに回転するように構成され、第1回転軸A1は第2回転軸A2に平行である。力受け部1342は力を受けるように構成され、これによりロック・アセンブリ134は、図2に示す第1状態と図3に示す第2状態との間で、本体132に対して第1回転軸A1の周りに回転する。
【0023】
例えば、ユーザは、左手の親指を図3中のステータ54の加力位置54bに押し付け、左手の(中指または薬指のような)残りの指を力受け部1342の加力位置1342aに押し付けて、結果的に力をステータ54及びロック・アセンブリ134に加え、これにより、ロック・アセンブリ134は図3に示す第2状態から図2に示す第1状態まで第1回転軸A1の周りに回転することができる。この時点で、ロック・アセンブリ134のノッチ134aがステータ54のロック部分54aと結合されて、ステータ54のロックが完了する。
【0024】
逆に、ユーザは、左手の親指を図2中の力受け部1342の他の加力位置1342bに押し付け、左手の人差し指をステータ54の他の加力位置54cに押し付け、その間に左手の中指を用いて、位置決め構成要素136を図2に示す第1位置から図3に示す第2位置まで押してロック・アセンブリ134を解放し、結果的にステータ54及びロック・アセンブリ134に力を加え、これにより、ロック・アセンブリ134は、図2に示す第1状態から図3に示す第2状態まで第1回転軸A1の周りに回転することができる。この時点で、ロック・アセンブリ134のノッチ134aが、ステータ54のロック部分54aから取り外されて、ステータ54の解放が完了する。
【0025】
上記の力を加える方法は一例に過ぎず、ユーザは、本発明では限定されない他の方法で、ロック・アセンブリ134及びステータ54に力を加えて、ロック・アセンブリ134を回転させることができる。
【0026】
本実施形態の位置決め構成要素136の構成及び動作を、以下に詳細に説明する。
【0027】
図5は、図4のロック・モジュールの部分構造の透視図である。図6A図6Cに、図5の位置決め構成要素の動作プロセスを示す。図7は、図6Aの位置決め構成要素及びロック・アセンブリの部分構造の上面図である。図8は、図6Cの位置決め構成要素及びロック・アセンブリの部分構造の上面図である。図5図8を参照されたい。本実施形態のロック・アセンブリ134は、互いに接続された位置決め孔134b及びスライド溝134cを有する。位置決め構成要素136は位置決め部分1361及び非位置決め部分1362を含む。位置決め部分1361の(図7及び図8中でラベルを付けた)外径d1は、スライド溝134cの(図7及び図8中でラベルを付けた)幅Wよりも大きく、非位置決め部分1362の(図7及び図8中でラベルを付けた)外径d2は、スライド溝134cの幅Wよりも小さい。ロック・モジュール130は、図5に示すように弾性構成要素138をさらに含む。弾性構成要素138は、例えばバネであり、(図4に示す)本体132と位置決め構成要素136との間に接続されている。
【0028】
それに加えて、ロック・アセンブリ134が第1状態にあり、位置決め構成要素136が図6Aに示すように第1位置に位置する際には、図6Aに示すように、位置決め構成要素136がロック・アセンブリ134の位置決め孔134bを貫通し、位置決め部分1361の少なくとも一部分が位置決め孔134b内に位置する。この時点で、位置決め構成要素136は弾性構成要素138の弾性力によって第1位置に維持され、位置決め部分1361は、そのより大きな外径d1により、ロック・アセンブリ134の位置決め孔134b内に収まって、ロック・アセンブリ134を位置決めする効果を実現する。位置決め構成要素136がユーザによって押圧されて、弾性構成要素138の弾性力に抵抗して、図6Aに示す第1位置から図6Bに示す第2位置まで位置決め孔134bの軸方向に沿って移動して、位置決め部分1361が位置決め孔134bから完全に離れるまで移動すると、位置決め孔134b内に位置する非位置決め部分1362は、そのより小さな外径d2により、ロック・アセンブリ134に対してスライド溝134cへ移動することができる。即ち、ロック・アセンブリ134は、もはや位置決め構成要素136によって位置決めされず、図6Cに示す第2状態まで位置決め構成要素136に対して第1回転軸A1の周りに回転することができる。ロック・アセンブリ134が、図6Cに示す第2状態から図6Bに示す第1状態まで回転すると、位置決め構成要素136は、弾性構成要素138の弾性力によって、図6Bに示す第2位置から図6Aに示す第1位置まで戻って、ロック・アセンブリ134を位置決めする。
【0029】
他の実施形態では、位置決め構成要素136が、本発明では限定されない他の方法によって動作して、ロック・アセンブリ134を位置決め/解放することができる。
【0030】
図2及び図4を参照されたい。本実施形態では、ロック・モジュール130が、少なくとも1つの(2つとして示す)漏液センサ131を含む。漏液センサ131は、本体132内に配置され、遠心ボウル50上の回転プラットフォーム120に対面する。漏液センサ131は、遠心ボウル50が漏液しているか否かを検出するように構成され、2つの漏液センサは、異なる高さのそれぞれに配置されて、遠心ボウル50が漏液し得る異なる位置のそれぞれで検出する。さらに、ロック・モジュール130は、少なくとも1つの信号線133をさらに含む。信号線133は、部分的に本体132内に配置され、漏液センサ131に接続されている。漏液センサ131は、信号線133を通して、遠心分離機100の(図1に示す)ベース110内の信号受信/処理素子に電気接続することができる。
【0031】
それに加えて、ロック・モジュール130は光検出アセンブリ135を含む。光検出アセンブリ135は、本体132内に配置され、回転プラットフォーム120上の遠心ボウル50内の液体の液位を検出するように構成されている。この液位は、例えば、プラズマと血液中の血球との境界面、血液と血液上の空気との境界面、等である。具体的には、光検出アセンブリ135は、レンズ1351及び光ファイバ線1352を含むことができる。レンズ1351は、本体132内に配置され、回転プラットフォーム120上の遠心ボウル50と対面し、光ファイバ線1352は、部分的に本体132内に配置され、レンズ1351に接続されて、光信号をレンズ1351から遠心分離機100の(図1に示す)ベース110内の信号受信/処理素子へ伝送する。
【0032】
上述した漏液センサ131、信号線133、レンズ1351、及び光ファイバ線1352を集積することは、遠心分離機100の構造をさらに簡略化して、遠心分離機100全体の体積の低減を促進することができる。それに加えて、漏液センサ131、信号線133、レンズ1351、及び光ファイバ線1352を、図5に示す集積筐体(ハウジング)137内に予め集積し、ロック・モジュール130の本体132に装備し、次に、遠心分離機100のベース110に組み付けて一緒にし、このことは、組立プロセスを簡略化し、種々の部品を別個に組み立てることによる過度の組立誤差の累積を防止することができる。
【0033】
要約すれば、本発明のロック・モジュールは、単一のロック・アセンブリの操作によって遠心ボウルのステータをロックし、単一の位置決め構成要素の操作によってロック・アセンブリを位置決め及び解放し、ロック・アセンブリと位置決め構成要素とを同じ本体内に配置し、従ってユーザはロック・アセンブリ及び位置決め構成要素を片手で容易に操作することができる。それに加えて、本発明のロック・モジュールは、上述した単純な部品で構成される単一のモジュールであるので、必要とする配置空間が比較的小さく、これにより遠心分離機全体の体積を効果的に低減することができる。さらに、漏液センサ及び光検出アセンブリをロック・モジュール内に集積して、遠心分離機の構造及び組立工程をさらに簡略化することができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の遠心分離機及びロック・モジュールは、生物学的解析用に用いることができる。
【符号の説明】
【0035】
参照符号リスト
50:遠心ボウル
52:ロータ
54:ステータ
54a:ロック部分
54b、54c、1342a、1342b:加力位置
100:遠心分離機
110:ベース
120:回転プラットフォーム
130:ロック・モジュール
131:漏液センサ
132:本体
133:信号線
134:ロック・アセンブリ
1341:軸部
1342:力受け部
134a:ノッチ
134b:位置決め孔
134c:スライド溝
135:光検出アセンブリ
1351:レンズ
1352:光ファイバ線
136:位置決め構成要素
1361:位置決め部分
1362:非位置決め部分
138:弾性構成要素
A1:第1回転軸
A2:第2回転軸
d1、d2:外径
W:幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
【外国語明細書】