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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022090260
(43)【公開日】2022-06-17
(54)【発明の名称】棒金処理装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 1/00 20060101AFI20220610BHJP
   G07D 9/00 20060101ALI20220610BHJP
【FI】
G07D1/00 Z
G07D9/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020202533
(22)【出願日】2020-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】000116079
【氏名又は名称】ローレルバンクマシン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500267170
【氏名又は名称】ローレル機械株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500265501
【氏名又は名称】ローレル精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】関根 政志
【テーマコード(参考)】
3E001
3E141
【Fターム(参考)】
3E001AA08
3E001BA01
3E001CA06
3E001EA09
3E001FA21
3E001FA44
3E141AA08
3E141GA08
3E141HA06
3E141KA09
3E141LA21
3E141LA44
(57)【要約】
【課題】棒金をより安定的且つ確実に搬送することが可能な棒金処理装置を提供する。
【解決手段】棒金を桟部172で支持しつつ回転して一面158a側と他面側とに搬送する回転体158と、回転体158によって棒金を回転体158の一面158a側から他面側に搬送する際に棒金を保持すると共に、回転体158によって棒金を回転体158の他面側から一面158a側に搬送する際に棒金を保持する棒金安定機構201とを備える。これにより、棒金安定機構201によって回転体158の両方向の搬送時において棒金を保持する。よって、棒金をより安定的且つ確実に搬送することが可能となる。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒金を桟部で支持しつつ回転して一面側と他面側とに搬送する回転体と、
前記回転体が棒金を前記回転体の前記一面側から前記他面側に搬送する際に棒金を保持すると共に、前記回転体が棒金を前記回転体の前記他面側から前記一面側に搬送する際に棒金を保持する棒金安定機構とを備えることを特徴とする棒金処理装置。
【請求項2】
前記棒金安定機構は、
前記回転体が棒金を前記回転体の前記一面側から前記他面側に搬送する際に棒金を保持する第1の棒金安定部と、
前記回転体が棒金を前記回転体の前記他面側から前記一面側に搬送する際に棒金を保持する第2の棒金安定部とを有している
ことを特徴とする請求項1に記載の棒金処理装置。
【請求項3】
前記回転体が設けられると共に、前記他面側に退避空間部を有する搬送支持部を更に備え、
前記第1の棒金安定部は、前記搬送支持部に対し前記他面側に回動可能に設けられており、前記回転体が棒金を前記回転体の前記一面側から前記他面側に搬送する際には、棒金を保持する第1の棒金保持位置に配置され、前記回転体が棒金を前記回転体の前記他面側から前記一面側に搬送する際には、上方に回動して、前記搬送支持部の退避空間部内の第1の退避位置に配置される
ことを特徴とする請求項2に記載の棒金処理装置。
【請求項4】
前記回転体が設けられると共に、前記他面側に退避空間部を有する搬送支持部を更に備え、
前記第2の棒金安定部は、前記搬送支持部に回動可能に設けられており、前記回転体が棒金を前記回転体の前記一面側から前記他面側に搬送する際には、前記他面側に回動して、前記搬送支持部の退避空間部内の第2の退避位置に配置され、前記回転体が棒金を前記回転体の前記他面側から前記一面側に搬送する際には、前記一面側に回動して、棒金を保持する第2の棒金保持位置に配置される
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の棒金処理装置。
【請求項5】
前記第2の棒金安定部と前記回転体との間に設けられ、前記回転体の回転を前記第2の棒金安定部に伝達し、前記回転体の回転に連動して前記第2の棒金安定部を回動させて前記第2の退避位置又は前記第2の棒金保持位置に配置するクラッチ部を更に有し、
前記クラッチ部は、前記第2の棒金安定部が前記第2の退避位置又は前記第2の棒金保持位置に配置されると、前記回転体の回転を前記第2の棒金安定部に伝達させずに、前記回転体のみ回転させる
ことを特徴とする請求項4に記載の棒金処理装置。
【請求項6】
前記第1の棒金安定部は、棒金を保持する第1の保持位置と棒金を落下させる第1の落下位置とで回動可能な第1の棒金保持部と、前記第1の棒金保持部を前記第1の保持位置に位置するように付勢する第1の付勢部とを有し、
前記第2の棒金安定部は、棒金を保持する第2の保持位置と棒金を落下させる第2の落下位置とで回動可能な第2の棒金保持部と、前記第2の棒金保持部を前記第2の保持位置に位置するように付勢する第2の付勢部とを有する
ことを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の棒金処理装置。
【請求項7】
前記回転体が設けられる搬送支持部を更に備え、
前記第1の棒金安定部は、前記搬送支持部に対して回転可能に支持されると共に前記第1の棒金保持部を回転可能に支持する第1のベース部を有し、
前記第1の付勢部は、前記搬送支持部に対し前記第1のベース部を前記他面側に付勢して前記搬送支持部側のベース定位置ストッパ部に当接させる復帰用付勢部と、前記第1のベース部に対し前記第1の棒金保持部を上方に付勢して前記第1のベース部の第1の保持定位置ストッパ部に当接させる棒金保持用付勢部と、を有し、
前記第1のベース部が前記ベース定位置ストッパ部に当接し前記第1の棒金保持部が前記第1の保持定位置ストッパ部に当接するとき前記第1の棒金保持部が前記第1の保持位置に配置される
ことを特徴とする請求項6に記載の棒金処理装置。
【請求項8】
前記回転体が設けられる搬送支持部を更に備え、
前記第2の棒金安定部は、前記回転体が棒金を前記回転体の前記一面側から前記他面側に搬送する正転時に、前記回転体と共に回転し前記搬送支持部側の正転時ストッパ部に当接して停止する一方、前記回転体が棒金を前記回転体の前記他面側から前記一面側に搬送する逆転時に、前記回転体と共に回転し前記搬送支持部側の逆転時ストッパ部に当接して停止する第2のベース部を更に備え、
前記第2の付勢部は、前記逆転時ストッパ部に当接して停止している前記第2のベース部に対し前記第2の棒金保持部を前記正転の方向に付勢して前記第2のベース部の第2の保持定位置ストッパ部に当接させて第2の保持位置に配置する
ことを特徴とする請求項6又は7に記載の棒金処理装置。
【請求項9】
前記第1の棒金安定部は、前記回転体が棒金を前記回転体の前記一面側から前記他面側に搬送する際に、最上部付近の桟部から落ちた棒金を保持し、当該棒金が前記桟部で下方に押されると、当該棒金を前記桟部から回転方向前側に隣り合う他の桟部に向け落下させて当該他の桟部上に配置させ、
前記第2の棒金安定部は、前記回転体が棒金を前記回転体の前記他面側から前記一面側に搬送する際に、最上部付近の桟部から落ちた棒金を保持し、当該棒金が前記桟部で下方に押されると、当該棒金を前記桟部から回転方向前側に隣り合う他の桟部に向け落下させて当該他の桟部上に配置させる
ことを特徴とする請求項2乃至8のいずれか1項に記載の棒金処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棒金を処理する棒金処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
棒金処理装置として、バラ硬貨を所定の包装単位枚数(例えば50枚)ずつ集積させ包装して棒金(包装硬貨)を作製する包装部と、包装部によって作製された棒金を収納すると共に既に収納されている棒金を繰り出し可能な棒金収納部と、包装部及び棒金収納部に対向して配設された回転体を有し、回転体を一方向及び一方向とは反対の他方向に回転させることによって、棒金収納部から繰り出された棒金や包装部により作製された棒金を所定の位置に搬送する棒金搬送部とを備えるものがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5703121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、棒金処理装置は、棒金収納部が回転体の一面側に配置され、棒金出金部が回転体の他面側に配置される等、回転体の一面側及び他面側に、回転体との間で棒金の受け渡しを行う部位が配置されている。従って、回転体によってこれらの部位との間で棒金の受け渡しを行うためには、棒金を回転体の一面側から他面側に、或いは、他面側から一面側に移動させる必要がある。その際に、棒金をより安定的且つ確実に搬送することが求められている。
【0005】
本発明は、棒金をより安定的且つ確実に搬送することが可能な棒金処理装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る態様は、棒金を桟部で支持しつつ回転して一面側と他面側とに搬送する回転体と、前記回転体が棒金を前記回転体の前記一面側から前記他面側に搬送する際に棒金を保持すると共に、前記回転体が棒金を前記回転体の前記他面側から前記一面側に搬送する際に棒金を保持する棒金安定機構とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、棒金をより安定的且つ確実に搬送することが可能な棒金処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る一実施形態の棒金処理装置を含む硬貨処理機を示す斜視図である。
図2】本発明に係る一実施形態の棒金処理装置を含む硬貨処理機の構成を示す概略図である。
図3】本発明に係る一実施形態の棒金処理装置の内部構成を示す概略側面図である。
図4】本発明に係る一実施形態の棒金処理装置の要部を示す斜視図である。
図5】本発明に係る一実施形態の棒金処理装置の要部を示す側面図である。
図6】本発明に係る一実施形態の棒金処理装置の第1の棒金安定部を示す斜視図である。
図7】本発明に係る一実施形態の棒金処理装置の第1の棒金安定部を示す分解斜視図である。
図8】本発明に係る一実施形態の棒金処理装置の第1の棒金安定部を示す前側且つ下側から見た図である。
図9】本発明に係る一実施形態の棒金処理装置の要部を示す斜視図である。
図10】本発明に係る一実施形態の棒金処理装置の要部を示す斜視図である。
図11】本発明に係る一実施形態の棒金処理装置の第2の棒金安定部及びクラッチ部を示す背面図である。
図12】本発明に係る一実施形態の棒金処理装置の第2の棒金安定部及びクラッチ部を示す分解斜視図である。
図13】本発明に係る一実施形態の棒金処理装置の要部を示す側面図である。
図14】本発明に係る一実施形態の棒金処理装置の要部を示す側面図である。
図15】本発明に係る一実施形態の棒金処理装置の要部を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る一実施形態の棒金処理装置を図面を参照して以下に説明する。
本実施形態の棒金処理装置10は、棒金(包装硬貨)に関する処理を行うもので、バラの硬貨を包装して棒金とすると共に、棒金を収納し、更に棒金を繰り出す棒金処理装置である。以下の説明における「前」は棒金処理装置10の操作者側、「後」は棒金処理装置10の操作者とは反対側、「左」は棒金処理装置10の操作者から見て左、「右」は棒金処理装置10の操作者から見て右である。
【0010】
<硬貨処理機12の全体構成>
先ず、本実施形態の棒金処理装置10を含む硬貨処理機12の全体構成について説明する。
【0011】
本実施形態の棒金処理装置10は、図1に示すように、バラの硬貨(以下、硬貨と称す)に関する処理を行う硬貨入出金装置11に付設され、硬貨入出金装置11と組み合わせられて硬貨処理機12を構成している。
【0012】
硬貨入出金装置11は、図2に概略的に示すように、硬貨入出金装置11外から硬貨が入金され、入金された硬貨の入金処理を行う硬貨入金処理部21と、硬貨入金処理部21から硬貨を受け入れて収納する収納処理を行うと共に収納している硬貨を装置外部に取り出し可能に出金する硬貨収納出金処理部22とを有している。
【0013】
硬貨入金処理部21は、硬貨入出金装置11外から硬貨が投入されると共に投入された硬貨を一枚ずつ分離して繰り出すホッパである入金部31を有している。硬貨入金処理部21は、入金部31から繰り出された硬貨を搬送しつつ入金識別計数部32で真偽及び金種を識別して計数する入金搬送部33と、入金識別計数部32で偽つまり受け入れ不可と識別された硬貨を入金搬送部33から落下案内する開閉式の入金リジェクト案内部34と、入金リジェクト案内部34で入金搬送部33から案内された硬貨を装置外部に取り出し可能に収納する硬貨入金リジェクト箱35とを有している。
【0014】
硬貨入金処理部21は、入金識別計数部32で真つまり受け入れ可能と識別された硬貨を入金搬送部33から落下案内する開閉式の包装案内部45を有している。包装案内部45で案内された硬貨は、棒金処理装置10に搬送される。棒金処理装置10は、硬貨入出金装置11から送り込まれた硬貨を所定の包装単位枚数(例えば50枚)ずつ集積させて包装する。
【0015】
硬貨入金処理部21は、入金識別計数部32で受け入れ可能と識別された硬貨を入金搬送部33から落下案内する貯留案内部47と、貯留案内部47で入金搬送部33から案内された硬貨を一時貯留する入金貯留部48とを有している。貯留案内部47は、真つまり受け入れ可能と識別された硬貨を入金搬送部33から金種別に分類して入金貯留部48に案内し、入金貯留部48は硬貨を金種別に分類した状態のまま貯留する。
【0016】
硬貨入金処理部21は、入金貯留部48が貯留している硬貨を金種別に分類した状態のまま収納する硬貨収納部51と、入金貯留部48が貯留している硬貨を装置外部に取り出し可能に返却する硬貨返却箱52と、入金貯留部48が貯留している硬貨を金種別に分類した状態のまま出金可能に収納する硬貨収納繰出部53とを有している。
【0017】
硬貨収納出金処理部22は、硬貨収納繰出部53から計数しつつ繰り出された硬貨を搬送しつつ金種を識別して計数する硬貨出金搬送部61と、硬貨出金搬送部61で搬送されてきた硬貨を装置外部に取り出し可能に収納する硬貨出金箱62と、硬貨出金箱62に収納されている硬貨を案内する出金リジェクト案内部63と、出金リジェクト案内部63で硬貨出金箱62から案内された硬貨を装置外部に取り出し可能に収納する硬貨回収庫64とを有している。
【0018】
硬貨入出金装置11には、棒金処理装置10を含む硬貨処理機12の全体を制御する制御部67と、棒金処理装置10を含む硬貨処理機12に電源を供給する電源部68とが設けられている。なお、制御部67及び電源部68を、棒金処理装置10に設けるようにしても良い。
【0019】
棒金処理装置10は、入金部31から繰り出され包装案内部45で案内されてきた硬貨、及び、硬貨収納繰出部53から繰り出された硬貨を受け入れて所定枚数ずつ纏めて包装紙で包装し一体化して棒金Bとする包装処理を行う包装部101と、包装部101で作製されて繰り出された棒金Bを繰り出し可能に収納する棒金収納部102と、包装部101及び棒金収納部102から繰り出された棒金Bを受け入れて装置外部に取り出し可能に出金すると共に、既に作製されている棒金Bを装置外部から受け入れて棒金収納部102に収納する棒金搬送入出金部103とを有している。
【0020】
包装部101は、硬貨入出金装置11から硬貨を受け入れると共に、受け入れた硬貨を、金種識別しつつ計数して包装単位枚数(50枚)ずつ集積させ、集積された包装単位枚数の硬貨に紙或いは樹脂フィルムからなる包装紙を所定長さ巻き回し、集積方向の両側の包装紙の余長部分を内側に丸めるように加締めることにより棒金Bとする。
【0021】
包装部101は、作製した棒金Bを、棒金出金リジェクト庫114とクリアボックス115と棒金搬送入出金部103とに振り分ける。棒金出金リジェクト庫114及びクリアボックス115は、包装単位枚数に満たない数の硬貨を包装した端数棒金等を装置外部に取り出し可能に収納する。
【0022】
棒金搬送入出金部103は、包装部101及び棒金収納部102から繰り出された棒金Bを受け取って昇降搬送する棒金搬送部121を有している。包装部101から棒金搬送入出金部103に繰り出された棒金Bは、端数棒金以外の棒金つまり包装単位枚数の硬貨を包装して作製した正常棒金である。棒金搬送入出金部103は、棒金搬送部121で搬送されてきた棒金Bを棒金処理装置10の外に放出する棒金放出部122と、棒金搬送部121で搬送されてきた棒金Bを受け取って棒金処理装置10の装置外部に取り出し可能に出金する棒金出金部123と、棒金搬送部121で搬送されてきた棒金Bを装置外部に取り出し可能に一括で収納する箱状の棒金一括収納部124と、棒金処理装置10の外から投入された棒金Bを識別及び計数して棒金搬送部121に受け渡す棒金入金部120とを有している 棒金収納部102は、外部で作製されて棒金入金部120に投入された棒金Bも収納する。
【0023】
図1に示すように、棒金放出部122は、棒金処理装置10の装置本体116の下部の前面に開口している。棒金放出部122は、図2に示すように、棒金Bを棒金処理装置10の外側に置かれた受箱126に向けて放出する。
【0024】
図1に示すように、棒金出金部123は、装置本体116の上面の前部から前面にかけて開口しており、開閉可能なシャッタ125を有している。棒金出金部123は、棒金Bを複数本収納可能であり、収納している棒金Bはシャッタ125が開かれると直接手で装置外部に取り出し可能となる。
【0025】
棒金一括収納部124は、棒金Bを複数本一括収納可能である。棒金一括収納部124は、装置本体116から前方に引き出され取り外されることによって、収納している棒金Bが装置外部に取り出し可能となる。
【0026】
図2に示すように、棒金収納部102は、棒金搬送部121で搬送されてきた棒金Bを受け取って金種別の収納部(不図示)に分類して収納すると共に、金種別の収納部に収納している棒金Bを金種別に計数しつつ棒金搬送部121に繰り出す。
【0027】
棒金搬送部121は、包装部101から棒金Bを受け取って、棒金放出部122、棒金収納部102及び棒金出金部123に選択的に搬送する。また、棒金搬送部121は、棒金収納部102から繰り出された棒金Bを受け取って、棒金出金部123及び棒金一括収納部124に選択的に搬送する。更に、棒金搬送部121は、棒金入金部120から棒金Bを受け取って、棒金収納部102に搬送する。棒金搬送部121は、複数本の棒金Bを同時に搬送可能となっている。
【0028】
<棒金処理装置10の構成>
次に、本実施形態の棒金処理装置10の構成について説明する。
【0029】
図3に示すように、棒金処理装置10では、包装部101の上側に棒金収納部102が設けられており、これら棒金収納部102及び包装部101の前側に棒金搬送部121が設けられている。棒金処理装置10には、棒金搬送部121の前側に、棒金出金部123、棒金入金部120、棒金一括収納部124及び棒金放出部122が上からこの順番に設けられている。
【0030】
棒金出金部123は、その上部の棒金搬送部121側に、出金部導入口131と、出金部導入口131を開閉する出金部ゲート132とを有している。出金部ゲート132は、下端の支持軸133を中心に回動して、出金部導入口131を閉塞する閉状態と、出金部導入口131を開放する開状態とに切り替えられる。出金部ゲート132は、開状態で、棒金搬送部121側に傾動し、棒金搬送部121から、棒金搬送部121の前部で下方搬送される棒金Bを受け取ることになり、受け取った棒金Bをその前下がりの傾斜で出金部導入口131を介して棒金出金部123に搬送し収納する。棒金一括収納部124も棒金出金部123と同様の構造であり、棒金搬送部121から、棒金搬送部121の前部で下方搬送される棒金Bを受け入れて収納する。
【0031】
棒金放出部122は前下がりに傾斜するシュートであり、棒金搬送部121側に、放出部導入口141と、放出部導入口141を開閉する放出部ゲート142とを有している。放出部ゲート142は、下端の支持軸143を中心に回動して、放出部導入口141を閉塞する閉状態と、放出部導入口141を開放する開状態とに切り替えられる。放出部ゲート142は、開状態で、棒金搬送部121側に傾動し、棒金搬送部121から、棒金搬送部121の前部で下方搬送される棒金Bを相対的に掬い上げることになり、掬い上げた棒金Bをその前下がりの傾斜で放出部導入口141に導入し棒金放出部122を介して装置外部に放出する。棒金放出部122は、棒金搬送部121から棒金Bを受け入れてそのまま装置外部に放出する。
【0032】
棒金搬送部121は、搬送支持体150と、搬送支持体150に上下方向に延びるように設けられた縦型ベルトコンベア151と、この縦型ベルトコンベア151の外周の外側を部分的に覆うように設けられた搬送空間形成部152と、縦型ベルトコンベア151を駆動するコンベア駆動部153とを有している。
【0033】
縦型ベルトコンベア151は、左右方向に水平に回転中心軸線を配して棒金処理装置10内の上部に配置されて搬送支持体150の上部に支持される上部プーリ156と、左右方向に水平に回転中心軸線を配して棒金処理装置10内の下部に配置されて搬送支持体150の下部に支持される下部プーリ(不図示)と、これら上部プーリ156及び下部プーリに掛けられる無端の搬送ベルト158(回転体)とを有している。下部プーリは、コンベア駆動部153の中間プーリ157と同軸に配置されて、これと一体に回転する。よって、縦型ベルトコンベア151は、下部プーリが、コンベア駆動部153に駆動されて回転する。上部プーリ156及び下部プーリは、前後方向及び左右方向の位置を合わせて上下に離間しており、これらに掛けられる搬送ベルト158は、上下方向、即ち鉛直に延びている。搬送ベルト158は、後方に向く後面158a(一面)と、前方に向く前面158b(他面)とを有している。
【0034】
コンベア駆動部153は、上記した中間プーリ157と、駆動モータ161と、駆動モータ161で駆動されて回転する駆動プーリ162と、駆動プーリ162に掛けられて中間プーリ157及び下部プーリを回転させる無端の駆動ベルト163とを有している。駆動モータ161が正逆回転すると、駆動プーリ162、駆動ベルト163、中間プーリ157、下部プーリ、搬送ベルト158及び上部プーリ156が同期して正逆回転する。上部プーリ156、下部プーリ及び搬送ベルト158の組が、左右に離間して2組設けられており、これらの間に、出金部ゲート132及び放出部ゲート142等が、開時に入り込む。
【0035】
搬送ベルト158は、上部プーリ156及び下部プーリに掛けられて回転する無端のベルト本体171と、ベルト本体171の外周面から外方(遠心方向)に突出する桟部172とを有している。桟部172は、ベルト本体171の周方向に所定の等間隔で複数設けられている。左右一対の搬送ベルト158は、互いに、桟部172の対応するもの同士の周方向、即ち上下方向の位置を合わせており、位置が合って対をなす2つの桟部172によって棒金Bを左右方向に沿う姿勢で支持可能となっている。よって、一対の搬送ベルト158は、棒金Bを一本ずつ、位置が合う一対の桟部172で支持しつつ回転して後面158a側と前面158b側とに搬送する。
【0036】
桟部172は、ベルト本体171の周方向(回転方向)における両側に、この周方向に略円弧状に凹む棒金収容部177を有している。桟部172は、ベルト本体171の包装部101及び棒金収納部102側、即ち搬送ベルト158における後面158a側に位置すると、ベルト本体171の後面171aよりも後方に突出する状態になると共に、一方の棒金収容部177が上部で下方に凹むことになる。また、桟部172は、ベルト本体171の包装部101及び棒金収納部102とは反対側、即ち搬送ベルト158における前面158b側に位置すると、ベルト本体171の前面171bよりも前方に突出する状態になると共に、他方の棒金収容部177が上部で下方に凹む姿勢となる。桟部172は、これらの状態になるようにベルト本体171に取り付けられている。搬送ベルト158は、棒金Bを桟部172で支持しつつ回転して搬送する。
【0037】
搬送空間形成部152は、縦型ベルトコンベア151の上部を上方で覆う上方カバー部181と、縦型ベルトコンベア151の前面158b側を前方で覆う前方カバー部182と、縦型ベルトコンベア151の下部を下方で覆う下方カバー部183と、縦型ベルトコンベア151の上部の後面158a側を後方で覆う上部後方カバー部184とを有している。上方カバー部181は、前部が平板状をなして前下がりに傾斜し、後部が平板状をなして水平に設けられている。前方カバー部182は、前後方向に直交して設けられる平板状であり、上下方向に延びている。下方カバー部183は、下方に凹の半円筒状となっている。上部後方カバー部184は、前後方向に直交して設けられる平板状であり、上下方向に延びている。前方カバー部182、下方カバー部183及び上部後方カバー部184は、対向する桟部172のベルト本体171とは反対側の端部との間に棒金Bを通過させない程度の若干の隙間を形成するように配置されている。
【0038】
縦型ベルトコンベア151の一対の搬送ベルト158は、棒金Bを、包装部101及び棒金収納部102から受け取る際には、一対のベルト本体171の、包装部101及び棒金収納部102側にあって、高さ位置が一致する一対の桟部172で受け取る。その際に、これらの桟部172は、棒金Bを、受け取り時に上部にあって下方に凹む棒金収容部177で収容する。
【0039】
縦型ベルトコンベア151は、例えば、一対の搬送ベルト158が、後面158a側の一対の桟部172で包装部101或いは棒金収納部102から受け取った棒金Bを、第1の方向(図3における反時計回り方向)に回転することで上方に搬送する。この方向を搬送ベルト158の正転とする。この正転時の後面158a側での鉛直上方への搬送では、棒金Bを、高さ位置が合う一対の桟部172で水平に支持することになり、これら一対の桟部172は、棒金Bを、この時に上側にあって下方に凹む棒金収容部177に収容して搬送する。
【0040】
その後、縦型ベルトコンベア151の一対の搬送ベルト158は、その上部で後面158a側から前面158b側に棒金Bの搬送位置が変わることになる。その際に、一対の搬送ベルト158の後面158a側で棒金Bを搬送していた一対の桟部172は、一対の搬送ベルト158の最上部付近で、棒金収容部177が前方に向くように傾く。このとき、これらの桟部172は、支持していた棒金Bを、例えば、これらの桟部172の回転方向前側(搬送方向下流側)に隣り合う、一対の桟部172に向けて落下させることになる。そして、一対の搬送ベルト158は、これらの桟部172で棒金Bを受け取って下方に更に搬送する。
【0041】
上方カバー部181及び上部後方カバー部184は、一対の搬送ベルト158のベルト本体171との間に、上部搬送空間186を形成し、前方カバー部182は、一対の搬送ベルト158のベルト本体171との間に、上下に直線状に延びる前部搬送空間187を形成する。一対の搬送ベルト158の上部位置で後面158a側から前面158b側へ搬送される棒金Bは、上部搬送空間186内を移動し、場合により前部搬送空間187内で落下する。
【0042】
また、縦型ベルトコンベア151は、例えば、一対の搬送ベルト158が、後面158a側の一対の桟部172で棒金収納部102から受け取った棒金Bを、第1の方向とは逆の第2の方向(図3における時計回り方向)に回転することで下方に搬送する。この方向を搬送ベルト158の逆転とする。この逆転時の後面158a側での鉛直下方への搬送でも、棒金Bを、高さ位置が合う一対の桟部172で水平に支持することになり、これら一対の桟部172は、棒金Bを、この時に上側にあって下方に凹む棒金収容部177に収容して搬送する。
【0043】
その後、縦型ベルトコンベア151の一対の搬送ベルト158は、これらの桟部172が下降して最下部付近に位置すると、棒金Bを収容していたこれらの桟部172の棒金収容部177が後方に向くように傾き、その結果、これらの桟部172で支持していた棒金Bを、これらの桟部172から、下方カバー部183に落下させ、下方カバー部183のみで支持する状態になる。
【0044】
その後、縦型ベルトコンベア151の一対の搬送ベルト158は、この棒金Bを、これらの桟部172の回転方向後側(搬送方向上流側)に隣り合う一対の桟部172が、下方カバー部183とで支持する状態となって、下方カバー部183に沿って前面158b側且つ上方に搬送することになり、鉛直上方に搬送する状態では、これら桟部172で支持する状態になる。その際に、これらの桟部172は、棒金Bを、この時上部にある棒金収容部177で収容しつつ持ち上げて搬送する。下方カバー部183は、このとき棒金Bが移動する円弧状の下部搬送空間188を一対の搬送ベルト158のベルト本体171との間に形成している。
【0045】
また、縦型ベルトコンベア151は、例えば、一対の搬送ベルト158が、前面158b側の一対の桟部172で棒金入金部120から受け取った棒金Bを、第2の方向(図3における時計回り方向)に回転することで上方に搬送する。この前面158b側での鉛直上方への搬送では、棒金Bを、高さ位置が合う一対の桟部172で水平に支持することになり、これら一対の桟部172は、棒金Bを、この時に上側にあって下方に凹む棒金収容部177に収容して搬送する。
【0046】
その後、縦型ベルトコンベア151の一対の搬送ベルト158は、その上部で前面158b側から後面158a側に棒金Bの搬送位置が変わることになる。その際に、一対の搬送ベルト158の前面158b側で棒金Bを搬送していた一対の桟部172は、一対の搬送ベルト158の最上部付近で、棒金収容部177が後方に向くように傾く。このとき、これらの桟部172は、支持していた棒金Bを、これらの桟部172の回転方向前側(搬送方向下流側)に隣り合う、一対の桟部172に向け落下させることになる。そして、一対の搬送ベルト158は、これらの桟部172で棒金Bを受け取って下方に更に搬送する。
【0047】
前方カバー部182の上部に、上記した棒金出金部123の上部の出金部導入口131が設けられている。また、前方カバー部182の下部に、放出部ゲート142の放出部導入口141が設けられている。
【0048】
棒金搬送部121は、棒金Bを出金部導入口131を介して棒金出金部123に案内する上記した出金部ゲート132を有している。出金部ゲート132は、開状態にあるとき、搬送ベルト158の上部位置で、上記したように上部搬送空間186内を前方に移動する棒金Bを、出金部導入口131を介して棒金出金部123に案内する。出金部ゲート132は、出金部導入口131を閉塞する閉位置と、出金部導入口131を開放しつつ前下がりの状態で上部搬送空間186と前部搬送空間187との境界近傍に入り込む開位置との間で回動する。出金部ゲート132は、閉位置にあるとき、上部搬送空間186から出金部導入口131への棒金Bの進入を規制する一方、開位置にあるとき、棒金Bを前下がりの傾斜によって上部搬送空間186から出金部導入口131へ案内して棒金出金部123に放出する。出金部ゲート132は、閉位置が待機位置となっている。
【0049】
棒金搬送部121は、棒金Bを、前部搬送空間187内で搬送ベルト158の前面158b側の桟部172で支持しつつ下方に移動させる際に、放出部導入口141を介してシュート状の棒金放出部122に案内する上記した放出部ゲート142を有している。放出部ゲート142は、放出部導入口141を閉塞する閉位置と、放出部導入口141を開放しつつ前下がりの状態で前部搬送空間187に入り込む開位置との間で回動する。放出部ゲート142は、閉位置にあるとき、前部搬送空間187から放出部導入口141への棒金Bの進入を規制する一方、開位置にあるとき、棒金Bを下方に移動する桟部172から持ち上げ、前下がりの傾斜により前部搬送空間187から放出部導入口141へ案内し棒金放出部122を通して棒金処理装置10の装置外部に放出させる。放出部ゲート142は、閉位置が待機位置となっている。
【0050】
図3に概略的に示すように、棒金搬送部121の上部には、上部搬送空間186で搬送ベルト158の後面158a側から前面158b側に移動する棒金Bの姿勢を安定させると共に、上部搬送空間186で搬送ベルト158の前面158b側から後面158a側に移動する棒金Bの姿勢を安定させる棒金安定機構201が設けられている。棒金安定機構201は、正転する搬送ベルト158が棒金Bを搬送ベルト158の後面158a側から前面158b側に搬送する際に棒金Bに当接し、場合により当接した棒金Bを保持して、棒金Bの姿勢を安定させる。また、棒金安定機構201は、逆転する搬送ベルト158が棒金Bを搬送ベルト158の前面158b側から後面158a側に搬送する際に棒金Bに当接し、場合により当接した棒金Bを保持して、棒金Bの姿勢を安定させる。
【0051】
縦型ベルトコンベア151を支持する搬送支持体150は、図4に示すように左右に離間して配置される一対の搬送支持側部211と、図5に示すように縦型ベルトコンベア151の搬送ベルト158の内側に配置されて左右一対の搬送支持側部211を連結させる搬送支持部212とを有している。図4に示すように、縦型ベルトコンベア151の一対の搬送ベルト158は、左右一対の搬送支持側部211の間に設けられている。左右一対の搬送支持側部211は、図3に示すように、搬送空間形成部152とで、上部搬送空間186、前部搬送空間187及び下部搬送空間188を形成する。図5に示すように、搬送支持部212の前面158b側には、ベルト本体171の前面171bよりも後方に向けて凹む退避空間部213が設けられている。言い換えれば、搬送ベルト158が設けられる搬送支持部212は、その前面158b側に退避空間部213を有している。
【0052】
図4に示すように、縦型ベルトコンベア151は、左右一対の上部プーリ156が固定されるプーリ軸221と、このプーリ軸221を左右一対の搬送支持側部211にそれぞれ支持する左右一対の軸受222とを有している。プーリ軸221は左右方向に延びており、左右一対の軸受222によって左右一対の搬送支持側部211に対し径方向に位置決めされて回転自在に支持されている。左右一対の搬送ベルト158は、左右一対の上部プーリ156を介してプーリ軸221に支持されている。
【0053】
プーリ軸221には、両端側に外周面から径方向内方に凹む係合溝223が形成されており、プーリ軸221は、係合溝223にそれぞれ係合される止め輪224によって、一対の軸受222と共に一対の搬送支持側部211に対し軸方向に位置決めされて取り付けられている。
【0054】
棒金安定機構201は、何れも棒金Bに当接し、当接した棒金Bを一旦保持可能な第1の棒金安定部231及び第2の棒金安定部232と、搬送ベルト158の回転に連動させて第2の棒金安定部232を回動させるクラッチ部233とを備えている。
【0055】
図5に示すように、第1の棒金安定部231は、棒金Bを搬送ベルト158の後面158a側から前面158b側に搬送する際に桟部172から離れて落ちた棒金Bに前面158b側で当接し、当接した棒金Bを、場合により一旦保持可能となっている。第2の棒金安定部232は、棒金Bを搬送ベルト158の前面158b側から後面158a側に搬送する際に桟部172から離れて落ちた棒金Bに後面158a側で当接し、場合により当接した棒金Bを一旦保持可能となっている。
【0056】
図4に示すように、クラッチ部233は第2の棒金安定部232に付設されている。クラッチ部233は、第2の棒金安定部232に加わる反力が所定値以上になると、第2の棒金安定部232を搬送ベルト158の回転に対し滑らせることになり、第2の棒金安定部232に加わる反力が所定値より小さいと、第2の棒金安定部232を搬送ベルト158の回転に連動させて同期回転させる。
【0057】
第1の棒金安定部231は、図5に示すように、搬送支持部212の前面212b、即ち棒金出金部123(図3参照)側に取り付けられている。第1の棒金安定部231は、搬送支持部212の前面212bに取り付けられる取付ベース部241と、図6に示すように取付ベース部241に回動可能に設けられた第1のベース部242と、第1のベース部242に回動可能に設けられた第1の棒金保持部243とを有している。
【0058】
取付ベース部241は、図5に示すように、搬送支持部212の前面212bに取り付けられる取付本体部251を有している。また、図6図8に示すように、取付ベース部241は、取付本体部251の左側部分から後方に延出する平板状の左取付片252と、取付本体部251の右側部分から後方に延出する平板状の右取付片253と、左取付片252から右方に延出するベース定位置ストッパ部254とを有している。左取付片252及び右取付片253は、取付本体部251に、取付本体部251から後方に延出するように設けられており、第1のベース部242を取り付ける部分となっている。左取付片252と右取付片253とは平行である。
【0059】
取付本体部251は、平板状の基板部261と、基板部261の左端部から基板部261と同一平面で基板部261の長さ方向に対し垂直に延出する平板状の左板部262と、基板部261の右端部から基板部261と同一平面で基板部261の長さ方向に対し垂直に延出する平板状の右板部263とを有している。左板部262及び右板部263は、基板部261から同側に延出している。左板部262及び右板部263は基板部261から上方に延出している。
【0060】
左取付片252は、左板部262の右板部263側の端縁部から取付本体部251の厚さ方向に沿って後方に延出している。左取付片252は、上端部の後端部に逆転時ストッパ部270を有している。図7に示すように、左取付片252には左取付片252をその厚さ方向に貫通する左貫通穴271が形成されている。
【0061】
ベース定位置ストッパ部254は、取付本体部251の厚さ方向における左取付片252の取付本体部251とは反対側の端縁部から右方に延出している。ベース定位置ストッパ部254は、左取付片252における逆転時ストッパ部270よりも下側に設けられている。図6に示すように、ベース定位置ストッパ部254は、第1のベース部242が前側に回動された際に、第1のベース部242を定位置である第1のベース保持位置に配置されるように回動を規制する部分である。また、ベース定位置ストッパ部254は、第1の棒金安定部231が棒金Bを保持する定位置である第1の棒金保持位置に配置されるようにその回動を規制する部分である。
【0062】
図7に示すように、右取付片253は、右板部263の左板部262側の端縁部から取付本体部251の厚さ方向に沿って左取付片252と同側に延出している。右取付片253には右取付片253をその厚さ方向に貫通する右貫通穴272が形成されている。左貫通穴271と右貫通穴272とは同軸同径であり、中心軸線は左右方向に沿っている。右取付片253は上端部の前部に正転時ストッパ部273を有している。
【0063】
図9に示すように、右取付片253の正転時ストッパ部273は、第2の棒金安定部232が、前側に回動された際に搬送支持部212の前面158b側に設けられた退避空間部213内の定位置である第2の退避位置に配置されるように第2の棒金安定部232の回動を規制する部分である。図10に示すように、左取付片252の逆転時ストッパ部270は、第2の棒金安定部232が、後側に回動された際に定位置である第2の棒金保持位置に配置されるように第2の棒金安定部232の回動を規制する部分である。
【0064】
取付ベース部241は、このような形状に一枚の板状部材から打ち抜き加工及び曲げ加工を経て形成されている。
【0065】
図7に示すように、第1の棒金安定部231は、取付ベース部241の左貫通穴271及び右貫通穴272に挿通されるベース回転軸281と、ベース回転軸281を取付ベース部241に対し軸方向に位置決めする左右一対の止め輪282とを有している。ベース回転軸281には軸方向の両端部に係合溝283が形成されている。ベース回転軸281は、取付ベース部241の左貫通穴271及び右貫通穴272に挿通されることで取付ベース部241に対して径方向に位置決めされる。この状態で、左右一対の止め輪282が、取付ベース部241の左取付片252及び右取付片253の左右方向両外側でベース回転軸281の係合溝283にそれぞれ係合される。これにより、ベース回転軸281が、取付ベース部241に対し左右方向に延びるように支持されて回転可能且つ軸方向移動不可に位置決めされる。
【0066】
第1のベース部242は、取付ベース部241の左取付片252及び右取付片253の間に配置されてベース回転軸281に回転可能に支持される。第1のベース部242は、上部に設けられて左右方向に延びる平板状の上板部291と、上板部291の左端縁部から上板部291の厚さ方向に沿って下方に延出する平板状の左側板部292と、上板部291の右端縁部から上板部291の厚さ方向に沿って下方に延出する平板状の右側板部293とを有している。左側板部292と右側板部293とは平行である。
【0067】
上板部291は前端縁部に第1の保持定位置ストッパ部295を有している。第1の保持定位置ストッパ部295は、図6に示すように第1のベース部242に対する第1の棒金保持部243の回動を規制する部分となっている。
【0068】
図7に示すように、左側板部292には、左側板部292をその厚さ方向に貫通する左貫通孔301が形成されている。また、左側板部292には、左貫通孔301と上板部291との間に、左側板部292をその厚さ方向に貫通する左挿通孔302が形成されている。左側板部292は、その後部の上端部にベース規制部303を有している。ベース規制部303は、図6に示すように取付ベース部241に対する第1のベース部242の回動を規制する部分となっている。
【0069】
図7に示すように、右側板部293には、右側板部293をその厚さ方向に貫通する右貫通孔311が形成されている。また、右側板部293には、右貫通孔311と上板部291との間に、右側板部293をその厚さ方向に貫通する右挿通孔312が形成されている。左貫通孔301と右貫通孔311とは同軸同径であり、左挿通孔302と右挿通孔312とは同軸である。第1のベース部242には、左貫通孔301と右貫通孔311とにベース回転軸281が挿通される。
【0070】
第1のベース部242は、このような形状に一枚の板状部材から打ち抜き加工及び曲げ加工を経て形成されている。
【0071】
第1の棒金安定部231は、第1のベース部242の左貫通孔301に嵌合される左オイレスブッシュ321と、第1のベース部242の右貫通孔311に嵌合される右オイレスブッシュ322と、左オイレスブッシュ321と取付ベース部241の左取付片252との間に配置される左スペーサ323と、右オイレスブッシュ322と取付ベース部241の右取付片253との間に配置される右スペーサ324とを有している。左オイレスブッシュ321、右オイレスブッシュ322、左スペーサ323及び右スペーサ324は、いずれもベース回転軸281を内側に挿通させている。
【0072】
左オイレスブッシュ321及び右オイレスブッシュ322は、同形状の共通部品であり、円筒状部331と円筒状部331の軸方向の一端縁部から径方向外方に広がる鍔部332とを有している。左オイレスブッシュ321は、円筒状部331が第1のベース部242の左貫通孔301に嵌合されて鍔部332において左側板部292の左面に当接する。右オイレスブッシュ322は、円筒状部331が第1のベース部242の右貫通孔311に嵌合されて鍔部332において右側板部293の右面に当接する。言い換えれば、左側板部292と右側板部293とには、左オイレスブッシュ321及び右オイレスブッシュ322が鍔部332を外向きにして取り付けられている。
【0073】
第1のベース部242は、取付ベース部241の左取付片252と右取付片253との間に配置され、左オイレスブッシュ321及び右オイレスブッシュ322に取付ベース部241の左取付片252及び右取付片253に設けられたベース回転軸281が挿通されることで、ベース回転軸281を中心に、取付ベース部241に対し回動可能に設けられている。第1のベース部242は、ベース回転軸281の軸方向の略中央に配置されている。
【0074】
左スペーサ323及び右スペーサ324は同形状の共通部品であり、何れも円筒状である。左スペーサ323は左オイレスブッシュ321の鍔部332と取付ベース部241の左取付片252との間に配置され、右スペーサ324は右オイレスブッシュ322の鍔部332と取付ベース部241の右取付片253との間に配置される。左スペーサ323及び右スペーサ324が、左オイレスブッシュ321の鍔部332及び右オイレスブッシュ322の鍔部332を介して、第1のベース部242を取付ベース部241及びベース回転軸281に対してベース回転軸281の軸方向に位置決めする。これにより、第1のベース部242がベース回転軸281に対し回転可能且つ軸方向移動不可となる。言い換えれば、左オイレスブッシュ321及び右オイレスブッシュ322のそれぞれの鍔部332の外側には、それぞれ第1のベース部242を取付ベース部241及びベース回転軸281に対してベース回転軸281の軸方向に位置決めする左スペーサ323及び右スペーサ324が設けられている。
【0075】
第1の棒金安定部231は、第1のベース部242と取付ベース部241との間に架設される復帰用ねじりバネ341(第1の付勢部,復帰用付勢部)を有している。復帰用ねじりバネ341は、ベース回転軸281及び左オイレスブッシュ321の円筒状部331を内側に挿通させるコイル部342とコイル部342の一端からコイル部342の径方向外方に延出する一端係合部343と、コイル部342の他端からコイル部342の径方向外方に延出する他端係合部344とを有している。
【0076】
一端係合部343は先端部が略U字状であり、この先端部が、図8に示すように、第1のベース部242の左側板部292の後縁部に係合する。他端係合部344は全体的に直線状であり取付ベース部241の基板部261の後面に当接する。復帰用ねじりバネ341は、第1のベース部242をベース回転軸281を中心に前方に回動するように付勢する。第1のベース部242は、図6に示すように、ベース規制部303が取付ベース部241のベース定位置ストッパ部254に下から当接して前方への所定位置を越える回動が規制される。第1のベース部242は、この状態から後方に回動可能である。第1のベース部242は、その際に、図8に示す復帰用ねじりバネ341の付勢力に抗して回動する。ベース定位置ストッパ部254は、図5に示すように第1のベース部242が前面158b側に回動された際に、図6に示すように、第1のベース部242を定位置である第1のベース保持位置に配置されるように回動を規制する。言い換えれば、ベース規制部303が取付ベース部241のベース定位置ストッパ部254に突き当たることで第1のベース部242のそれ以上の前方への回動を規制する。
【0077】
第1のベース部242は、棒金Bからの力を受けない通常時には、復帰用ねじりバネ341の付勢力によって常にベース規制部303をベース定位置ストッパ部254に突き当て取付ベース部241に対してやや前傾するような定位置である第1のベース保持位置に配置される。
【0078】
図7に示すように、第1の棒金安定部231は、第1のベース部242の左挿通孔302及び右挿通孔312に挿通される保持回転軸351と、保持回転軸351を第1のベース部242に対し軸方向に位置決めする左止め輪352及び右止め輪353とを有している。保持回転軸351には、左右両端に外周面から径方向内方に凹む左係合溝363及び右係合溝364が形成されている。
【0079】
第1のベース部242の左挿通孔302及び右挿通孔312に挿通されることで保持回転軸351は第1のベース部242に対して径方向に位置決めされる。この状態で、左止め輪352が第1のベース部242の左側板部292の左側で左係合溝363に係合され、右止め輪353が右側板部293の右側で右係合溝364に係合される。これにより、保持回転軸351が、第1のベース部242に対し左右方向に延びるように支持されて回転可能且つ軸方向移動不可に位置決めされる。
【0080】
第1の棒金保持部243は、第1のベース部242の左側板部292及び右側板部293の間に配置されて保持回転軸351に回転可能に支持される。第1の棒金保持部243は、円筒状に湾曲されて保持回転軸351を内側に挿通させる左右一対の左保持取付部370及び右保持取付部371と、左保持取付部370及び右保持取付部371から、これらの軸方向に沿う姿勢でこれらの径方向外方に延出する平板状の保持本体部372とを有している。第1の棒金保持部243は、左保持取付部370及び右保持取付部371を第1のベース部242の左側板部292と右側板部293との間に配置し、左保持取付部370及び右保持取付部371に第1のベース部242に設けられた保持回転軸351が挿通されることで、保持回転軸351を中心に、第1のベース部242に対し回動可能に設けられている。第1の棒金保持部243は、保持回転軸351の軸方向の略中央に配置されている。
【0081】
保持本体部372は、左保持取付部370及び右保持取付部371とは反対側の端縁部に、左保持取付部370及び右保持取付部371の方向に凹むV字状の先端切欠部373が形成されている。保持本体部372は、左保持取付部370及び右保持取付部371側の端縁部に後方に突出する保持規制部374を有している。保持規制部374は、左保持取付部370及び右保持取付部371の間位置における左保持取付部370側に形成されている。
【0082】
第1の棒金保持部243は、このような形状に一枚の板状部材から打ち抜き加工及び曲げ加工を経て形成されている。
【0083】
第1の棒金安定部231は、第1の棒金保持部243の左保持取付部370と第1のベース部242の左側板部292との間に配置される左スペーサ381と、第1の棒金保持部243の右保持取付部371と第1のベース部242の右側板部293との間に配置される右スペーサ382とを有している。左スペーサ381及び右スペーサ382は、いずれも保持回転軸351を内側に挿通させている。
【0084】
左スペーサ381及び右スペーサ382は同形状の共通部品であり、何れも円板状である。左スペーサ381及び右スペーサ382が、第1の棒金保持部243を、第1のベース部242及び保持回転軸351に対して保持回転軸351の軸方向に位置決めする。これにより、第1の棒金保持部243が保持回転軸351に対し回転可能且つ軸方向移動不可となる。言い換えれば、左保持取付部370及び右保持取付部371のそれぞれの左右方向外側の面には、第1の棒金保持部243を第1のベース部242及び保持回転軸351に対し保持回転軸351の軸方向に位置決めする左スペーサ381及び右スペーサ382が設けられている。
【0085】
第1の棒金安定部231は、第1の棒金保持部243と第1のベース部242との間に架設される第1の棒金保持用ねじりバネ391(第1の付勢部,棒金保持用付勢部)を有している。第1の棒金保持用ねじりバネ391は、左保持取付部370及び右保持取付部371の間位置に配置されて保持回転軸351を内側に挿通させるコイル部392と、コイル部392の一端からコイル部392の径方向外方に延出する一端係合部393と、コイル部392の他端からコイル部392の径方向外方に延出する他端係合部394とを有している。
【0086】
一端係合部393は先端部がL字状であり、図8に示すように、この先端部が第1の棒金保持部243の保持本体部372に下方から当接する。他端係合部394は全体的に直線状でありベース回転軸281の前部に当接する。第1の棒金保持用ねじりバネ391は、第1の棒金保持部243を保持回転軸351を中心に上方に向け回動するように付勢する。第1の棒金保持部243は、図6に示すように、保持規制部374が第1のベース部242の第1の保持定位置ストッパ部295に下から当接して上方への所定位置を越える回動が規制される。この状態で、第1の棒金保持部243は、保持本体部372が第1のベース部242の上板部291と略平行となる。言い換えれば、保持規制部374は、第1のベース部242の第1の保持定位置ストッパ部295に突き当たることで第1の棒金保持部243のそれ以上の上側への回動を規制する。第1の棒金保持部243は、図8に示すように第1の棒金保持部243の下面に当接する第1の棒金保持用ねじりバネ391の付勢力に抗して下方に回動する。
【0087】
第1の棒金保持部243は、棒金Bからの力を受けない通常時においては、第1の棒金保持用ねじりバネ391の付勢力によって、常に、図6に示すように保持規制部374を第1の保持定位置ストッパ部295に突き当て第1のベース部242に対して第1のベース部242の上板部291と略平行となるような定位置である第1の対ベース基準位置に配置される。
【0088】
図6に示すように、第1のベース部242がベース規制部303において取付ベース部241のベース定位置ストッパ部254に当接した第1のベース保持位置に位置し、第1の棒金保持部243が保持規制部374において第1のベース部242の第1の保持定位置ストッパ部295に当接した第1の対ベース基準位置に位置した状態で、保持本体部372は、図5に示すように保持回転軸351から前方、即ち搬送ベルト158の前面158b側に略水平に延出して、ベルト本体171の前面171bよりも前方に延出する。このときの第1の棒金保持部243の位置が棒金Bを保持するための定位置である第1の保持位置である。また、このときの第1の棒金安定部231の位置が棒金Bを保持するための定位置である第1の棒金保持位置である。
【0089】
ここで、1円棒金が第1の保持位置にある第1の棒金保持部243上に落下してきた際には、この1円棒金を第1の棒金保持部243で一時的に保持して留め、1円棒金以上の重量を有する他の金種の棒金が第1の保持位置にある第1の棒金保持部243上に落下してきた際には、この棒金Bを第1の棒金保持部243で留めることなく落下させるようなバネ張力となるように、図7及び図8に示す第1の棒金保持用ねじりバネ391は設定されている。
【0090】
以上の構成の第1の棒金安定部231は、図6に示すように、第1の棒金保持位置にある通常時に、第1のベース部242が取付ベース部241に対してやや前傾した第1のベース保持位置にある。また、第1の棒金安定部231は、第1の棒金保持位置にある通常時に、第1の棒金保持部243が、第1のベース部242に対し第1の対ベース基準位置にあって第1のベース部242の上板部291と略平行になり、図5に示すように搬送支持部212の前面212b及びベルト本体171の前面171bよりも前方に突出するように設けられる第1の保持位置に配置される。
【0091】
第1の棒金安定部231は、第1の棒金保持部243が第1のベース部242に対して回動可能に設けられているが、第1の棒金保持用ねじりバネ391によって、第1の棒金保持部243上に、最上部付近の桟部172から滑り落ちた棒金のうち1円棒金を第1の棒金保持位置において保持することができる。その後、第1の棒金安定部231は、第1の棒金保持部243上に保持された1円棒金Bが、これを直前まで支持していた桟部172によって下方に押圧され、第1の棒金保持部243が保持回転軸351を中心に下方に回動して第1の保持位置から第1の落下位置に配置されると、棒金Bを通過させる。すると、この棒金Bは、押圧していた桟部172から回転方向前側に隣り合う他の桟部172に向け落下して、この他の桟部172上に配置される。ここで、棒金Bの通過後、第1の棒金安定部231は、第1の棒金保持部243が第1の棒金保持用ねじりバネ391によって上方に回動して第1の落下位置から第1の保持位置に配置されると、元の定位置である第1の棒金保持位置に復帰する。
【0092】
その一方で、第1の棒金安定部231は、桟部172で搬送されている棒金Bによって上方に押し上げられると、第1の棒金保持部243を第1の対ベース基準位置に位置させた状態のまま第1のベース部242がベース回転軸281を中心に上方に回動する。すると、第1の棒金安定部231は、第1の棒金保持部243及び第1のベース部242を搬送支持部212の前面158b側の第1の棒金安定部231と第2の棒金安定部232との間に設けられている退避空間部213内に入り込ませる第1の退避位置に配置され、棒金Bを通過させる。そして、棒金Bの通過後、第1の棒金安定部231は、第1のベース部242が復帰用ねじりバネ341の付勢力によって下方に回動し、第1の棒金保持部243を第1の対ベース基準位置に位置させた状態のまま第1のベース部242が第1のベース保持位置に配置されると、元の定位置である第1の棒金保持位置に復帰する。
【0093】
なお、1円棒金以上の重量を有する他の金種の棒金Bが桟部172から滑り落ちてきた場合、第1の棒金安定部231は、棒金Bを保持することなく、棒金Bの重量によって第1の棒金保持部243が保持回転軸351を中心に下方に回動し第1の落下位置に位置して、棒金Bを通過させる。そして、棒金Bの通過後、第1の棒金保持部243は、同様に、元の定位置である第1の保持位置に復帰する。
【0094】
図4及び図5に示すように、第2の棒金安定部232は、第1の棒金安定部231よりも上方に配置され、搬送支持部212の上方、具体的には、搬送ベルト158が掛けられた上部プーリ156のプーリ軸221に回動可能に設けられている。
【0095】
第2の棒金安定部232は、図11及び図12に示すように、プーリ軸221に回動可能に設けられた第2のベース部401と、同じくプーリ軸221に回動可能に設けられると共に、第2のベース部401と一体回動可能であって第2のベース部401に対して接離回動可能にも設けられた第2の棒金保持部402とを有している。
【0096】
図4に示すように、第2のベース部401は、左右一対の上部プーリ156の間に配置されてプーリ軸221に回転可能に支持される。図12に示すように、第2のベース部401は、左右方向に延びる平板状の中板部411と、中板部411の左端縁部から中板部411の厚さ方向に沿って一側に延出する平板状の左側板部412と、中板部411の右端縁部から中板部411の厚さ方向に沿って左側板部412と同側に延出する平板状の右側板部413とを有している。左側板部412と右側板部413とは平行である。
【0097】
また、第2のベース部401は、左側板部412の中板部411とは反対側の端縁部から右側板部413とは反対方向に延出する後面ベース規制部414と、右側板部413の中板部411とは反対側の端縁部から左側板部412の方向に延出するバネ係合部415と、右側板部413の中板部411とバネ係合部415との間の縁部から左側板部412とは反対の方向に延出する前面ベース規制部416とを有している。バネ係合部415は、中板部411と平行な平板状であり、右側板部413から左側板部412の方向に延出した後、前面ベース規制部416側に屈曲するL字状をなしている。
【0098】
中板部411は、前面ベース規制部416側にあって左側板部412と右側板部413とを結ぶ方向に延びる一端縁部に第2の保持定位置ストッパ部421を有している。第2の保持定位置ストッパ部421は、第2のベース部401に対し第2の棒金保持部402を定位置である第2の対ベース基準位置に位置させて第2の棒金保持部402の回動を規制する部分となっている。左側板部412には、左側板部412をその厚さ方向に貫通する左貫通孔424が形成されている。右側板部413には、右側板部413をその厚さ方向に貫通する右貫通孔425が形成されている。これらの左貫通孔424と右貫通孔425とは同軸同径である。第2のベース部401は、このような形状に一枚の板状部材から打ち抜き加工及び曲げ加工を経て形成されている。
【0099】
第2の棒金安定部232は、第2のベース部401の左貫通孔424に嵌合される左オイレスブッシュ431と、第2のベース部401の右貫通孔425に嵌合される右オイレスブッシュ432とを有している。左オイレスブッシュ431及び右オイレスブッシュ432は、いずれもプーリ軸221を内側に挿通させている。
【0100】
左オイレスブッシュ431及び右オイレスブッシュ432は、同形状の共通部品であり、円筒状部441と円筒状部441の軸方向の一端縁部から径方向外方に広がる鍔部442とを有している。左オイレスブッシュ431は、円筒状部441が第2のベース部401の左貫通孔424に嵌合されて鍔部442において左側板部412の左面に当接する。右オイレスブッシュ432は、円筒状部441が第2のベース部401の右貫通孔425に嵌合されて鍔部442において右側板部413の右面に当接する。言い換えれば、左側板部412と右側板部413とには、左オイレスブッシュ431及び右オイレスブッシュ432が鍔部442を外向きにして取り付けられている。
【0101】
第2のベース部401は、図11に示すように、左右一対の上部プーリ156の間に配置され、左オイレスブッシュ431及び右オイレスブッシュ432に、搬送支持体150の左右一対の搬送支持側部211に設けられるプーリ軸221が挿通されることで、プーリ軸221を中心に、搬送支持体150に対し回動可能に設けられている。第2のベース部401は、プーリ軸221を中心に、図9に示すように搬送ベルト158の前面158b側から、図10に示すように後面158a側に亘って回動可能に設けられている。第2のベース部401は、プーリ軸221の軸方向の略中央に配置されている。
【0102】
図10に示すように、第2のベース部401の左側板部412に設けられた後面ベース規制部414は、第2のベース部401が後面158a側に回動された際に取付ベース部241の逆転時ストッパ部270に突き当たることで、第2のベース部401を定位置である第2のベース保持位置に配置させる。図9に示すように、右側板部413に設けられた前面ベース規制部416は、第2のベース部401が前面158b側に回動された際に取付ベース部241の正転時ストッパ部273に突き当たることで、第2のベース部401を定位置である第3のベース保持位置に配置させる。
【0103】
第2の棒金保持部402は、第2のベース部401の左側板部412及び右側板部413の間に配置されてプーリ軸221に回転可能に支持される。第2の棒金保持部402は、基部材445と保持本体部446とを有している。
【0104】
図12に示すように、基部材445は、左右方向に延びる平板状の基部451と、基部451の左端縁部から基部451の厚さ方向に沿って一側に延出する平板状の左保持取付部452と、基部451の右端縁部から基部451の厚さ方向に沿って左保持取付部452と同側に延出する平板状の右保持取付部453とを有している。左保持取付部452と右保持取付部453とは平行である。
【0105】
また、基部材445は、図10に示すように、左保持取付部452から左保持取付部452と同一平面をなして突出する左保持規制部455と、右保持取付部453から右保持取付部453と同一平面をなして突出する右保持規制部456とを有している。左保持規制部455と右保持規制部456とは、プーリ軸221の回転方向における位置を合わせている。
【0106】
図12に示すように、左保持取付部452には、左保持取付部452をその厚さ方向に貫通する左貫通孔457が形成されている。右保持取付部453には、右保持取付部453をその厚さ方向に貫通する右貫通孔458が形成されている。これらの左貫通孔457と右貫通孔458とは同軸同径である。基部材445は、このような形状に一枚の板状部材から打ち抜き加工及び曲げ加工を経て形成されている。
【0107】
保持本体部446は、平板状であり、基部材445の基部451に固定されている。保持本体部446は、基部451から左保持取付部452及び右保持取付部453とは反対方向に延出している。保持本体部446は、左保持取付部452及び右保持取付部453に対し垂直に広がっている。保持本体部446には、基部材445とは反対側の端縁部に、基部材445の方向に凹むV字状の先端切欠部461が形成されている。保持本体部446には、基部材445側の端縁部に、先端切欠部461の方向に凹む係合切欠部462が形成されている。保持本体部446は、係合切欠部462よりも基部材445側の部分がバネ当接部463となっている。
【0108】
第2の棒金安定部232は、第2の棒金保持部402の左貫通孔457に嵌合される左オイレスブッシュ471と、第2の棒金保持部402の右貫通孔458に嵌合される右オイレスブッシュ472と、左オイレスブッシュ471と左オイレスブッシュ431との間に配置される左スペーサ473と、右オイレスブッシュ472と右オイレスブッシュ432との間に配置される右スペーサ474とを有している。左オイレスブッシュ471、右オイレスブッシュ472、左スペーサ473及び右スペーサ474は、いずれもプーリ軸221を内側に挿通させている。
【0109】
左オイレスブッシュ471及び右オイレスブッシュ472は、同形状の共通部品であり、円筒状部481と円筒状部481の軸方向の一端縁部から径方向外方に広がる鍔部482とを有している。左オイレスブッシュ471は、円筒状部481が第2の棒金保持部402の左貫通孔457に嵌合されて鍔部482において左保持取付部452の左面に当接する。右オイレスブッシュ472は、円筒状部481が第2の棒金保持部402の右貫通孔458に嵌合されて鍔部482において右保持取付部453の右面に当接する。言い換えれば、左保持取付部452と右保持取付部453とには、左オイレスブッシュ471及び右オイレスブッシュ472が鍔部482を外向きにして取り付けられている。
【0110】
第2の棒金保持部402は、第2のベース部401の左側板部412と右側板部413との間に配置され、左オイレスブッシュ471及び右オイレスブッシュ472に、搬送支持体150の左右一対の搬送支持側部211に設けられたプーリ軸221が挿通されることで、プーリ軸221を中心に、プーリ軸221及び搬送支持体150に対し回動可能に設けられている。第2の棒金保持部402は、プーリ軸221の軸方向における略中央に配置されている。
【0111】
左スペーサ473及び右スペーサ474は同形状の共通部品であり、何れも円筒状である。左スペーサ473は左オイレスブッシュ471の鍔部482と左オイレスブッシュ431の円筒状部441との間に配置され、右スペーサ474は右オイレスブッシュ472の鍔部482と右オイレスブッシュ432の円筒状部441との間に配置される。左スペーサ473及び右スペーサ474が第2の棒金保持部402を第2のベース部401に対してプーリ軸221の軸方向に位置決めする。これにより、第2の棒金保持部402が第2のベース部401に対し回転可能且つプーリ軸221の軸方向に移動不可となる。言い換えれば、左オイレスブッシュ471及び右オイレスブッシュ472のそれぞれの鍔部482の外側には、それぞれ第2の棒金保持部402を第2のベース部401に対して位置決めする左スペーサ473及び右スペーサ474が設けられている。
【0112】
第2の棒金安定部232は、第2のベース部401と第2の棒金保持部402との間に架設される第2の棒金保持用ねじりバネ491(第2の付勢部)を有している。第2の棒金保持用ねじりバネ491は、プーリ軸221、右オイレスブッシュ432の円筒状部441及び右スペーサ474を内側に挿通させるコイル部492と、コイル部492の一端からコイル部492の径方向外方に延出する一端係合部493と、コイル部492の他端からコイル部492の径方向外方に延出する他端係合部494とを有している。
【0113】
一端係合部493は先端部がL字状であり、図11に示すように、この先端部が第2のベース部401のバネ係合部415に係合する。他端係合部494は先端部がL字状であり、この先端部が第2の棒金保持部402のバネ当接部463に当接する。図10に示すように、第2の棒金保持用ねじりバネ491は、第2の棒金保持部402をプーリ軸221を中心に、第2のベース部401の中板部411に近接する方向に回動するように付勢している。言い換えれば、第2の棒金保持用ねじりバネ491は、第2の棒金保持部402を、プーリ軸221を中心に、左保持規制部455及び右保持規制部456において第2のベース部401の第2の保持定位置ストッパ部421に当接するように付勢する。第2の棒金保持部402は、左保持規制部455及び右保持規制部456が第2のベース部401の第2の保持定位置ストッパ部421に当接してそれ以上の中板部411の方向への回動が規制される。言い換えれば、左保持規制部455及び右保持規制部456は、第2のベース部401の第2の保持定位置ストッパ部421に突き当たることで第2の棒金保持部402のそれ以上の回動を規制する。
【0114】
第2の棒金保持部402は、棒金Bからの力を受けない通常時には、図10に示すように第2の棒金保持用ねじりバネ491の付勢力によって常に左保持規制部455及び右保持規制部456を第2の保持定位置ストッパ部421に突き当て保持本体部446を第2のベース部401の中板部411と略平行とするような定位置である第2の対ベース基準位置に配置される。第2の棒金保持部402は、第2の棒金保持用ねじりバネ491の付勢力に抗して中板部411から離れる方向に回動する。言い換えれば、第2の棒金保持部402は、第2の棒金保持用ねじりバネ491の付勢力に抗して左保持規制部455及び右保持規制部456を第2の保持定位置ストッパ部421から離す方向に回動する。
【0115】
ここで、この第2の棒金保持用ねじりバネ491は、第1の棒金保持用ねじりバネ391と同様に、1円棒金が第2の棒金保持部402上に落下してきた際には第2の棒金保持部402で一時的に保持して留め、1円棒金以上の重量を有する他の金種の棒金が第2の棒金保持部402上に落下してきた際には第2の棒金保持部402で留めることなく落下させるようなバネ張力となるように設けられている。
【0116】
このような第2の棒金安定部232は、棒金Bを搬送ベルト158の後面158a側から前面158b側に搬送するためにプーリ軸221が前面158b側に正転されると、クラッチ部233によってその回転に連動して、図9に示すように第2のベース部401が前面158b側に回動される。すると、第2の棒金安定部232は、第2の棒金保持部402を搬送支持部212の退避空間部213内に入り込ませる第2の退避位置に配置される。
【0117】
この際、第2の棒金保持部402は、第2のベース部401の第2の保持定位置ストッパ部421に左保持規制部455及び右保持規制部456を当接させた状態のまま第2のベース部401と一体に回動する。また、この際、第2の棒金保持部402は、搬送支持部212内に収納されており、ベルト本体171の前面171bから前方に突出していないので、搬送ベルト158による棒金Bの搬送の邪魔をしない。
【0118】
第2の棒金安定部232は、搬送支持部212の退避空間部213内の第2の退避位置に配置されると、第2のベース部401が、前面ベース規制部416において、取付ベース部241の正転時ストッパ部273に当接して第3のベース保持位置に停止し、それ以上の回動が規制されることになって、第2の退避位置にて停止する。言い換えれば、第2のベース部401の右側板部413に設けられた前面ベース規制部416は、第2のベース部401が前面158b側に回動された際に取付ベース部241の正転時ストッパ部273に突き当たることで、第2の棒金安定部232を搬送支持部212の退避空間部213内の第2の退避位置に配置させる。
【0119】
その一方で、第2の棒金安定部232は、棒金Bを搬送ベルト158の前面158b側から後面158a側に搬送するためにプーリ軸221が後面158a側に逆転されると、クラッチ部233によってその回転に連動して、第2のベース部401が後面158a側に回動されて、図10に示すように、第2の棒金保持部402をベルト本体171の後面171aよりも後方に突出するように設けられる定位置である第2の保持位置に配置する第2の棒金保持位置に位置する。
【0120】
この際、第2の棒金保持部402は、第2のベース部401の第2の保持定位置ストッパ部421に左保持規制部455及び右保持規制部456を当接させた状態のまま第2のベース部401と一体に回動する。このように第2の棒金安定部232が後面158a側に回動され、定位置である第2の棒金保持位置に配置されると、第2のベース部401は、後面ベース規制部414において、取付ベース部241の逆転時ストッパ部270に当接して、それ以上の回転が規制されて、定位置である第2のベース保持位置にて停止する。言い換えれば、第2のベース部401の左側板部412に設けられた後面ベース規制部414は、第2のベース部401が後面158a側に回動された際に取付ベース部241の逆転時ストッパ部270に突き当たることで、第2のベース部401を定位置である第2のベース保持位置に配置させる。
【0121】
この状態で、第2の棒金安定部232は、第2の棒金保持位置に位置することになり、第2の棒金保持部402は、第2の保持位置に位置することになる。この状態で、第2の棒金安定部232は、第2の棒金保持部402が停止状態の第2のベース部401に対して回動可能に設けられているが、第2の棒金保持用ねじりバネ491によって、第2の棒金保持部402上に、桟部172から滑り落ちた棒金Bを第2の棒金保持位置において保持することができる。その後、第2の棒金安定部232は、第2の棒金保持部402上に保持された棒金Bが桟部172によって下方に押圧され、第2の棒金保持部402がプーリ軸221を中心に下方に回動して第2の保持位置から第2の落下位置に配置されると、棒金Bを通過させる。そして、棒金Bの通過後、第2の棒金安定部232は、第2の棒金保持部402が第2の棒金保持用ねじりバネ491によって上方に回動して第2の落下位置から第2の保持位置に配置されると、元の定位置である第2の棒金保持位置に復帰する。
【0122】
なお、1円棒金以上の重量を有する他の金種の棒金が桟部172から滑り落ちてきた場合、第2の棒金安定部232は、棒金Bを保持することなく、棒金の重量によって第2の棒金保持部402がプーリ軸221を中心に下方に回動し、第2の落下位置に位置して棒金Bを通過させる。そして、棒金通過後、第2の棒金保持部402は、同様に、元の定位置である第2の保持位置に復帰する。
【0123】
図12に示すように、クラッチ部233は、スペーサ501と固定スペーサ502とゴムワッシャ503と第1のバネ受け部504と圧縮バネ505と第2のバネ受け部506とを有している。スペーサ501と固定スペーサ502とゴムワッシャ503と第1のバネ受け部504と圧縮バネ505と第2のバネ受け部506とには、全てプーリ軸221が挿通される。
【0124】
スペーサ501及び固定スペーサ502は、第2のベース部401に設けられた左オイレスブッシュ431の鍔部442と、プーリ軸221の左側に固定された一方の上部プーリ156との間に設けられている。この上部プーリ156側にスペーサ501が、左オイレスブッシュ431側に固定スペーサ502が、それぞれ設けられている。スペーサ501及び固定スペーサ502は、何れも円筒状である。
【0125】
ゴムワッシャ503、第1のバネ受け部504、圧縮バネ505及び第2のバネ受け部506は、第2のベース部401に設けられた右オイレスブッシュ432の鍔部442と、プーリ軸221の右側に固定された他方の上部プーリ156との間に設けられている。この上部プーリ156側から順に、ゴムワッシャ503、第1のバネ受け部504、圧縮バネ505及び第2のバネ受け部506が設けられている。
【0126】
固定スペーサ502は、プーリ軸221に固定されており、それ以外の、スペーサ501、ゴムワッシャ503、第1のバネ受け部504、圧縮バネ505及び第2のバネ受け部506は、プーリ軸221に固定されていない。
【0127】
第1のバネ受け部504及び第2のバネ受け部506は、同形状の共通部品であり、円筒状の円筒状部511と、円筒状部511の軸方向一端側から径方向外方に延出する鍔部512と、円筒状部511の軸方向他端側から軸方向に沿って外方に延出する半円筒状の半円筒状部513とを有している。第1のバネ受け部504は、圧縮バネ505の一端側からその内側に円筒状部511及び半円筒状部513を挿入して鍔部512を圧縮バネ505の一端部に当接させる。第2のバネ受け部506は、圧縮バネ505の他端側からその内側に円筒状部511及び半円筒状部513を挿入して鍔部512を圧縮バネ505の他端部に当接させる。その際に、第1のバネ受け部504及び第2のバネ受け部506は、互いの半円筒状部513を位相を180°ずらし軸方向に位置を重ね合わせる。
【0128】
圧縮バネ505の付勢力によって、ゴムワッシャ503は右側の上部プーリ156と第1のバネ受け部504の鍔部512とに圧接し、第2のバネ受け部506は鍔部512が、右オイレスブッシュ432の鍔部442に圧接する。また、圧縮バネ505の付勢力によって、右オイレスブッシュ432の鍔部442が第2のベース部401の右側板部413に圧接し、第2のベース部401の左側板部412が左オイレスブッシュ431の鍔部442に圧接する。更に、圧縮バネ505の付勢力によって、左オイレスブッシュ431の鍔部442が固定スペーサ502に圧接する。
【0129】
クラッチ部233は、圧縮バネ505の付勢力によって、一対の搬送ベルト158から一対の上部プーリ156を介してプーリ軸221に伝達される回転力を、第2の棒金安定部232の第2のベース部401に伝達し、第2のベース部401を、一対の搬送ベルト158、一対の上部プーリ156及びプーリ軸221の回転に連動して回動させる。例えば、クラッチ部233は、棒金Bを搬送ベルト158の後面158a側から前面158b側に搬送するためにプーリ軸221が上部を後面158a側から前面158b側に移動させるように回転されると、その回転に連動して、第2の棒金安定部232を前面158b側に回動させ、棒金Bを搬送ベルト158の前面158b側から後面158a側に搬送するためにプーリ軸221が上部を前面158b側から後面158a側に移動させるように回転されると、この回転に連動して、第2の棒金安定部232を後面158a側に回動させる。
【0130】
その一方で、クラッチ部233は、図9に示すように、第2の棒金安定部232が前面158b側に回動され、第2のベース部401の前面ベース規制部416が取付ベース部241の正転時ストッパ部273に突き当たって第2の棒金安定部232の回動が規制されると、その後は、図11に示す固定スペーサ502と左オイレスブッシュ431の鍔部442との間の滑り面において固定スペーサ502が左オイレスブッシュ431の鍔部442に対して摺動し、第2のバネ受け部506と右オイレスブッシュ432の鍔部442との間の滑り面において第2のバネ受け部506が右オイレスブッシュ432の鍔部442に対して摺動することで、搬送ベルト158、上部プーリ156及びプーリ軸221の回転を第2の棒金安定部232の第2のベース部401に伝達させず、第2のベース部401の回動を規制しつつ、搬送ベルト158、上部プーリ156及びプーリ軸221のみ回転させる。
【0131】
また、クラッチ部233は、図10に示すように、第2の棒金安定部232が後面158a側に回動され、第2のベース部401の後面ベース規制部414が取付ベース部241の逆転時ストッパ部270に突き当たって第2の棒金安定部232の回動が規制されると、同様に、固定スペーサ502と鍔部442との間の滑り面において固定スペーサ502が鍔部442に対して摺動し、第2のバネ受け部506と鍔部442との間の滑り面において第2のバネ受け部506が鍔部442に対して摺動することで、第2のベース部401の回動を規制しつつ、搬送ベルト158、上部プーリ156及びプーリ軸221のみ回転させる。
【0132】
以上により、クラッチ部233は、第2の棒金安定部232と搬送ベルト158との間に設けられ、搬送ベルト158の回転を第2の棒金安定部232に伝達し、搬送ベルト158の回転に連動して第2の棒金安定部232を回動させて第2の退避位置に配置したり、第2の棒金保持位置に配置することになる。また、クラッチ部233は、第2の棒金安定部232が第2の退避位置に配置されたり、第2の棒金保持位置に配置されると、搬送ベルト158の回転を第2の棒金安定部232に伝達させずに、搬送ベルト158のみ回転させる構成となっている。
【0133】
<動作>
次に、本実施形態の棒金処理装置10の動作について説明する。
【0134】
(a)搬送ベルト158の第1の方向、即ち正転での搬送
(a-1)「包装部101」から「棒金放出部122」への搬送
【0135】
(ステップS1)
先ず、搬送ベルト158の桟部172によって棒金Bを搬送ベルト158の後面158a側から前面158b側に搬送するために、搬送ベルト158は、第1の方向に駆動される。そして、包装部101から1円棒金である第1の棒金Bが後面158a側の第1の桟部172上に供給されると、第1の桟部172が上方向に移動して、その上に載置された第1の棒金Bを上方向に搬送する。
【0136】
(ステップS2)
すると、第2の棒金安定部232は、第2のベース部401の第2の保持定位置ストッパ部421に第2の棒金保持部402の左保持規制部455及び右保持規制部456を当接させた状態のまま、クラッチ部233によって、搬送ベルト158から上部プーリ156及びプーリ軸221を介して駆動力をもらって、搬送ベルト158の第1の方向への回転に連動して、前面158b側に回転し、図13に示すように、退避空間部213内の第2の退避位置に配置される。この際、第2の棒金安定部232は、第2のベース部401の前面ベース規制部416が取付ベース部241の正転時ストッパ部273に突き当たり回動が規制されるが、上部プーリ156及びプーリ軸221は、クラッチ部233の固定スペーサ502と第2のベース部401に設けられた左オイレスブッシュ431との間の滑り面、及び、クラッチ部233の第2のバネ受け部506と第2のベース部401に設けられた右オイレスブッシュ432との間の滑り面が滑ることによって回転が規制されずに回転し続ける。
【0137】
このとき、第1の棒金安定部231は、定位置である第1の棒金保持位置に配置されており、第1の棒金保持部243がベルト本体171の前面171bから前方に突出する第1の棒金保持位置に配置されている。第2の棒金安定部232は、第2の退避位置に配置されており、第2の棒金保持部402がベルト本体171の前面171bから突出せず退避空間部213内に収納されている。
【0138】
(ステップS3)
その後、第1の桟部172が搬送ベルト158の最上部付近に移動して第1の桟部172による第1の棒金Bの搬送方向が上方向から下方向に切り替わる際に第1の桟部172から滑り落ちた第1の棒金Bは、図13において実線で示すように前面158b側で第1の棒金保持位置にある第1の棒金安定部231の、第1の保持位置にある第1の棒金保持部243上に一旦保持される。
【0139】
このとき、第1の棒金保持部243は、第1のベース保持位置にある第1のベース部242に対して回動可能に設けられているが、第1の棒金保持用ねじりバネ391の付勢力によって第1の棒金Bを第1の保持位置において保持する。第1の棒金Bは、第1の棒金保持部243と前方カバー部182とに当接して水平になるように姿勢が整えられる。
【0140】
(ステップS4)
その後、搬送ベルト158が第1の方向に回転し続けていることから、第1の棒金保持部243上に保持された第1の棒金Bに、もともとその棒金Bを搬送していた第1の桟部172が上から当たって第1の棒金Bを下方に押すことになる。これによって、第1の棒金Bは、第1の棒金安定部231の第1の棒金保持用ねじりバネ391の付勢力に抗して第1の棒金保持部243と共に下方に押し下げられる。すると、第1の棒金保持部243は、図13において二点鎖線で示すように第1の落下位置に位置することになって、第1の棒金Bを通過させることになり、よって、第1の棒金Bは、第1の桟部172に対して下方に隣接する1つ前の第2の桟部172に向けて落下されて第2の桟部172上に載置される。
【0141】
第1の棒金Bが通過した後に、それまで下方に押し下げられていた第1の棒金保持部243は、第1の棒金保持用ねじりバネ391によって、保持規制部374が第1のベース部242の第1の保持定位置ストッパ部295に突き当たるまで上側に回動し、第1の落下位置から第1のベース部242の上板部291に対して略平行となるような第1の保持位置に戻る。即ち、第1の棒金安定部231が、図13において実線で示すように第1の棒金保持位置に戻る。
【0142】
(ステップS5)
その後、第1の棒金Bが受け渡された第2の桟部172は、下方向に移動し、第1の棒金Bを下方向に搬送する。そして、第2の桟部172で搬送された棒金Bは、第2の桟部172から棒金放出部122に供給される。
【0143】
ここで、1円棒金以外の棒金Bの場合、1円棒金よりも重いため、上記ステップS3において、第1の桟部172から滑り落ちると、第1の保持位置にある第1の棒金保持部243に当接するものの、第1の棒金保持部243を第1の棒金保持用ねじりバネ391の付勢力に抗して第1の落下位置に回動させながら、第1の棒金保持部243をそのまま通過して、第2の桟部172上に載置されることになる。
【0144】
(a-2)「棒金収納部102」から「棒金出金部123」への搬送
【0145】
(ステップS11)
上記ステップS1と同様にして、搬送ベルト158が第1の方向に駆動され、棒金収納部102から第2の棒金Bが後面158a側の第3の桟部172上に供給されると、第3の桟部172が上方向に移動して、その上に載置された第2の棒金Bを上方向に搬送する。
【0146】
(ステップS12)
上記ステップS2と同様にして、搬送ベルト158の回転により第2の棒金安定部232が退避空間部213内の第2の退避位置に配置され停止する一方、クラッチ部233が滑ることによって、搬送ベルト158、上部プーリ156及びプーリ軸221は回転し続ける。このとき、第1の棒金安定部231は第1の棒金保持位置に配置されており、第1の棒金保持部243が第1の棒金保持位置に配置されている。
【0147】
(ステップS13)
第2の棒金安定部232が搬送支持体150の退避空間部213内の退避位置に配置されると、図14に示すように、棒金出金部123に設けられた出金部ゲート132が、後方である搬送ベルト158側に倒されて後ろ上がりの姿勢になる。
【0148】
(ステップS14)
その後、第3の桟部172が搬送ベルト158の最上部付近に移動して第3の桟部172による第2の棒金Bの搬送方向が上方向から下方向に切り替わる際に、第3の桟部172から第2の棒金Bが滑り落ちることになり、この第2の棒金Bは、出金部ゲート132を介して棒金出金部123に搬送されて収納される。
【0149】
(b)搬送ベルト158の第2の方向、即ち逆転での搬送
「棒金入金部120」から「棒金収納部102」への搬送
【0150】
(ステップS21)
先ず、搬送ベルト158の桟部172によって棒金Bを搬送ベルト158の前面158b側から後面158a側に搬送するために、搬送ベルト158は、第2の方向に駆動される。そして、棒金入金部120から1円棒金である第3の棒金Bが前面158b側の第4の桟部172上に供給されると、第4の桟部172が上方向に移動して、その上に載置された第3の棒金Bを上方向に搬送する。
【0151】
(ステップS22)
すると、第2の棒金安定部232は、第2のベース部401の第2の保持定位置ストッパ部421に第2の棒金保持部402の左保持規制部455及び右保持規制部456を当接させた状態のまま、クラッチ部233によって、搬送ベルト158から上部プーリ156及びプーリ軸221を介して駆動力をもらって、搬送ベルト158の第2の方向への回転に連動して、後面158a側に回転し、図15において実線で示すように後面158a側の第2の棒金保持位置に配置される。この際、第2の棒金安定部232は、第2のベース部401の後面ベース規制部414が取付ベース部241の逆転時ストッパ部270に突き当たり回動が規制されるが、搬送ベルト158、上部プーリ156及びプーリ軸221は、クラッチ部233の固定スペーサ502と第2のベース部401に設けられた左オイレスブッシュ431との間の滑り面、及び、クラッチ部233の第2のバネ受け部506と第2のベース部401に設けられた右オイレスブッシュ432との間の滑り面が滑ることによって回転が規制されずに回転し続ける。
【0152】
このとき、第1の棒金安定部231は、図15において実線で示すように定位置である第1の棒金保持位置に配置されており、第1の棒金保持部243がベルト本体171の前面171bから前方に突出する第1の棒金保持位置に配置されている。第2の棒金安定部232も、図15において実線で示すように定位置である第2の棒金保持位置に配置されており、第2の棒金保持部402がベルト本体171の後面171aから後方に突出する第2の保持位置に配置されている。
【0153】
(ステップS23)
その後、第4の桟部172がさらに上方向に移動し、第3の棒金Bが第1の棒金安定部231の第1の棒金保持部243に下から当接する。すると、第1の棒金安定部231は、復帰用ねじりバネ341の付勢力に抗して、上昇してくる第3の棒金Bによって第1の棒金保持部243及び第1のベース部242が一体に押し上げられて、第1の棒金保持位置から、図15において二点鎖線で示すように退避空間部213内の第1の退避位置に配置され、棒金Bを通過させる。
【0154】
押し上げられて第1の退避位置に配置されていた第1の棒金安定部231は、第3の棒金Bの通過後、復帰用ねじりバネ341の付勢力によって、第1のベース部242のベース規制部303が取付ベース部241のベース定位置ストッパ部254に突き当たるまで前側に回動し、第1の退避位置から第1の棒金保持位置まで戻る。よって、第1の棒金保持部243も第1の保持位置まで戻る。
【0155】
(ステップS24)
その後、第4の桟部172が搬送ベルト158の最上部付近に移動して第4の桟部172による第3の棒金Bの搬送方向が上方向から下方向に切り替わる際に、第3の棒金Bは第4の桟部172から滑り落ちる。すると、この第3の棒金Bは、図15において実線で示すように後面158a側で第2の棒金保持位置にある第2の棒金安定部232の、第2の保持位置にある第2の棒金保持部402上に一旦保持される。
【0156】
このとき、第2の棒金保持部402は、第2のベース部401に対して回動可能に設けられているが、第2の棒金保持用ねじりバネ491の付勢力によって第3の棒金Bを第2の棒金保持位置において保持できる。第3の棒金Bは、第2の棒金保持部402に当接し、場合によっては第2の棒金保持部402と上部後方カバー部184とに当接して、水平になるように姿勢が整えられる。
【0157】
(ステップS25)
その後、搬送ベルト158が第2の方向に回転し続けていることから、第2の棒金保持部402上に保持された第3の棒金Bに、もともとその棒金Bを搬送していた第4の桟部172が上から当たって第3の棒金Bを下方に押すことになり、これによって、第3の棒金Bは、第2の棒金安定部232の第2の棒金保持用ねじりバネ491の付勢力に抗して第2の棒金保持部402と共に下方に押し下げられる。すると、第2の棒金保持部402は、図15において二点鎖線で示すように第2の落下位置に位置することになって、第3の棒金Bを通過させることになり、よって、第3の棒金Bは、第4の桟部172に対して下方に隣接する1つ前の第5の桟部172に向けて落下されて第5の桟部172上に載置される。
【0158】
第3の棒金Bが通過した後に、それまで下方に押し下げられていた第2の棒金保持部402は、第2の棒金保持用ねじりバネ491によって、左保持規制部455及び右保持規制部456が第2のベース部401の第2の保持定位置ストッパ部421に突き当たるまで上側に回動し、第2の落下位置から第2のベース部401の中板部411に対して略平行となるような第2の保持位置に戻る。即ち、第2の棒金安定部232が第2の棒金保持位置に戻る。
【0159】
(ステップS26)
その後、第3の棒金Bが受け渡された第5の桟部172は、下方向に移動し第3の棒金Bを下方向に搬送する。そして、第5の桟部172で搬送された棒金Bは、第5の桟部172から棒金収納部102に供給され、棒金収納部102に収納される。
【0160】
ここで、1円棒金以外の棒金Bの場合、1円棒金よりも重いため、上記ステップS24及びステップS25において、第4の桟部172から滑り落ちると、第2の保持位置にある第2の棒金保持部402に当接するものの、第2の棒金保持部402を第2の棒金保持用ねじりバネ491の付勢力に抗して第2の落下位置に回動させながら、第2の棒金保持部402をそのまま通過して、第5の桟部172上に載置されることになる。
【0161】
<効果>
次に、本実施形態の棒金処理装置10の効果について説明する。
【0162】
本実施形態の棒金処理装置10によれば、棒金安定機構201が、搬送ベルト158によって棒金B(1円棒金)を搬送ベルト158の後面158a側から前面158b側に搬送する際に棒金Bを保持すると共に、搬送ベルト158によって棒金B(1円棒金)を搬送ベルト158の前面158b側から後面158a側に搬送する際にも棒金Bを保持する。よって、棒金Bをより安定的且つ確実に搬送することが可能となる。
【0163】
また、棒金安定機構201は、その第1の棒金安定部231が、搬送ベルト158によって棒金B(1円棒金)を搬送ベルト158の後面158a側から前面158b側に搬送する際に棒金Bを保持することになり、その第2の棒金安定部232が、搬送ベルト158によって棒金B(1円棒金)を搬送ベルト158の前面158b側から後面158a側に搬送する際に棒金Bを保持することになる。よって、搬送ベルト158による各搬送方向に対して第1の棒金安定部231と第2の棒金安定部232とで別々に棒金Bを保持することができる。よって、棒金Bを更に安定的且つ確実に搬送することが可能となる。
【0164】
また、第1の棒金安定部231は、搬送支持部212に対し前面158b側に回動可能に設けられており、搬送ベルト158が棒金Bを搬送ベルト158の後面158a側から前面158b側に搬送する際には、棒金Bを保持する第1の棒金保持位置に配置されて棒金B(1円棒金)を保持する。その一方で、第1の棒金安定部231は、搬送ベルト158が棒金Bを搬送ベルト158の前面158b側から後面158a側に搬送する際には、上方に回動して、搬送支持部212の退避空間部213内の第1の退避位置に配置されることになって、棒金Bの搬送を阻害せず、通過させることができる。
【0165】
また、第2の棒金安定部232は、搬送支持体150に回動可能に設けられており、搬送ベルト158が棒金Bを搬送ベルト158の前面158b側から後面158a側に搬送する際には、後面158a側に回動して、棒金B(1円棒金)を保持する第2の棒金保持位置に配置されて棒金Bを保持することができる。その一方で、第2の棒金安定部232は、搬送ベルト158が棒金Bを搬送ベルト158の後面158a側から前面158b側に搬送する際には、前面158b側に回動して、搬送支持体150の退避空間部213内の第2の退避位置に配置されることになって、棒金Bの搬送を阻害せず、通過させることができる。
【0166】
また、クラッチ部233は、第2の棒金安定部232と搬送ベルト158との間に設けられ、搬送ベルト158の回転を第2の棒金安定部232に伝達し、搬送ベルト158の回転に連動して第2の棒金安定部232を回動させて第2の退避位置に配置したり、第2の棒金保持位置に配置することになる。また、クラッチ部233は、第2の棒金安定部232が第2の退避位置に配置されたり、第2の棒金保持位置に配置されると、搬送ベルト158の回転を第2の棒金安定部232に伝達させずに、搬送ベルト158のみ回転させる。よって、搬送ベルト158の回転を利用して、第2の棒金安定部232を第2の棒金保持位置に配置したり、第2の退避位置に配置したりすることができる。よって、コスト増を抑制することができる。
【0167】
また、第1の棒金安定部231は、棒金Bを保持する第1の保持位置と棒金Bを落下させる第1の落下位置とで回動可能な第1の棒金保持部243と、第1の棒金保持部243を第1の保持位置に位置するように付勢する復帰用ねじりバネ341及び第1の棒金保持用ねじりバネ391とを有している。第2の棒金安定部232は、棒金Bを保持する第2の保持位置と棒金Bを落下させる第2の落下位置とで回動可能な第2の棒金保持部402と、第2の棒金保持部402を第2の保持位置に位置するように付勢する第2の棒金保持用ねじりバネ491とを有している。よって、第1の棒金安定部231及び第2の棒金安定部232の構造を簡素化でき、コスト増を抑制することができる。
【0168】
また、第1の棒金安定部231は、搬送支持体150に対して回転可能に支持されると共に第1の棒金保持部243を回転可能に支持する第1のベース部242と、搬送支持体150に対し第1のベース部242を前面158b側に付勢して搬送支持体150側のベース定位置ストッパ部254に当接させる復帰用ねじりバネ341と、第1のベース部242に対し第1の棒金保持部243を上方に付勢して第1のベース部242の第1の保持定位置ストッパ部295に当接させる第1の棒金保持用ねじりバネ391と、を有し、第1のベース部242がベース定位置ストッパ部254に当接し第1の棒金保持部243が第1の保持定位置ストッパ部295に当接するとき第1の棒金保持部243が第1の保持位置に配置されるようになっている。よって、第1の棒金安定部231の構造を簡素化でき、コスト増を抑制することができる。
【0169】
また、第2の棒金安定部232は、搬送ベルト158が棒金Bを搬送ベルト158の後面158a側から前面158b側に搬送する正転時に、搬送ベルト158と共に回転し搬送支持体150側の正転時ストッパ部273に当接して停止する一方、搬送ベルト158が棒金Bを搬送ベルト158の前面158b側から後面158a側に搬送する逆転時に、搬送ベルト158と共に回転し搬送支持体150側の逆転時ストッパ部270に当接して停止する第2のベース部401とを備え、第2の棒金保持用ねじりバネ491が、逆転時ストッパ部270に当接して停止している第2のベース部401に対し第2の棒金保持部402を正転方向に付勢して第2のベース部401の第2の保持定位置ストッパ部421に当接させて第2の棒金保持位置に配置するようになっている。よって、第2の棒金安定部232の構造を簡素化でき、コスト増を抑制することができる。
【0170】
また、第1の棒金安定部231は、搬送ベルト158が棒金B(1円棒金)を搬送ベルト158の後面158a側から前面158b側に搬送する際に、最上部付近の桟部172から落ちた棒金Bを保持し、この棒金Bが桟部172で下方に押されると、この棒金Bを、押した桟部172から回転方向前側に隣り合う他の桟部172に向け落下させて、この他の桟部172上に配置させる。第2の棒金安定部232は、搬送ベルト158が棒金B(1円棒金)を搬送ベルト158の前面158b側から後面158a側に搬送する際に、最上部付近の桟部172から落ちた棒金Bを保持し、この棒金Bが桟部172で下方に押されると、この棒金Bを、押した桟部172から回転方向前側に隣り合う他の桟部172に向け落下させて、この他の桟部172上に配置させる。よって、第1の棒金安定部231に保持した棒金B及び第2の棒金安定部232に保持した棒金Bを、搬送ベルト158の搬送力を利用して、第1の棒金安定部231及び第2の棒金安定部232を通過させることができる。よって、構造を簡素化でき、コスト増を抑制することができる。
【0171】
また、桟部172が棒金B(1円棒金)を搬送ベルト158の後面158a側から前面158b側に搬送する際に、最上部近の桟部172から落ちた棒金Bが第1の棒金安定部231の第1の棒金保持部243上に一旦保持され、その後、第1の棒金保持部243上に一旦保持して留めておいた棒金Bを、もともとその棒金Bを収容していた桟部172によって第1の棒金保持部243の第1の棒金保持用ねじりバネ391の付勢力に抗して第1の棒金保持部243と共に下方に押し出すことで、隣接する1つ前の他の桟部172に向けて落として他の桟部172上に配置する。更に、桟部172が棒金B(1円棒金)を搬送ベルト158の前面158b側から後面158a側に搬送する際に、最上部付近の桟部172から落ちた棒金Bが第2の棒金安定部232の第2の棒金保持部402上に一旦保持され、その後、第2の棒金保持部402上に一旦保持して留めておいた棒金Bを、もともとその棒金Bを収容していた桟部172によって第2の棒金保持部402の第2の棒金保持用ねじりバネ491の付勢力に抗して第2の棒金保持部402と共に下方に押し出すことで、隣接する1つ前の他の桟部172に向けて落として他の桟部172上に配置する。
【0172】
この際、棒金B(1円棒金)は、第1の棒金安定部231の第1の棒金保持部243や第2の棒金安定部232の第2の棒金保持部402上に一旦保持されて留まるので、桟部172から落ちる距離が短く姿勢が崩れ難い。更に、第1の棒金安定部231の第1の棒金保持部243や第2の棒金安定部232の第2の棒金保持部402上に一旦保持して留めておいた棒金Bを左右方向において第1の棒金保持部243や第2の棒金保持部402からほぼ等距離にある左右一対の桟部172で同時に押し出すので、真下に直線的に落とすことができ、1円棒金のような軽量な棒金Bであっても、姿勢を維持したまま他の桟部172に落とすことができ、安定的に且つ確実に棒金Bを受け渡すことができる。
【0173】
つまり、本実施形態の棒金処理装置10は、棒金安定機構201によって、桟部172が棒金Bを搬送ベルト158の後面158a側から前面158b側に搬送する際に、一の桟部172から滑り落ちた棒金Bを前面158b側で一旦保持して留めると共に、桟部172が棒金Bを搬送ベルト158の前面158b側から後面158a側に搬送する際に、一の桟部172から滑り落ちた棒金Bを後面158a側で一旦保持して留めることで、棒金Bの搬送方向の切り替えを安定的且つ確実に行い、棒金Bを一の桟部172から桟部172の移動方向に隣接する他の桟部172に安定的且つ確実に受け渡すことができる。
【0174】
<変形例>
次に、本実施形態の棒金処理装置10の変形例について説明する。
【0175】
(変形例1)
第1の棒金安定部231及び第2の棒金安定部232は、1円棒金のみを一旦保持して留めることに限定されるものではなく、他の金種の棒金も一旦保持して留めるようにしても良く、当然全ての金種の棒金Bを一旦保持して留めるようにしても良い。即ち、第1の棒金安定部231及び第2の棒金安定部232は、少なくとも1金種の棒金Bを一旦保持して留めるようにすれば良い。
【0176】
(変形例2)
第2の棒金安定部232の代わりに、搬送支持部212の後面158a側、即ち棒金収納部102側にも第1の棒金安定部231を設けるようにしても良い。この後面158a側の第1の棒金安定部231は、前面158b側の第1の棒金安定部231と同様に、棒金Bを搬送ベルト158の前面158b側から後面158a側に搬送する際には後面158a側の第1の棒金保持位置において棒金Bを一旦保持し、棒金Bを搬送ベルト158の後面158a側から前面158b側に搬送する際には棒金Bによって押し上げられ、第1の棒金保持位置から後面158a側の退避空間部内の退避位置に配置されて棒金Bを通過させる。
【符号の説明】
【0177】
10…棒金処理装置、158…搬送ベルト(回転体)、158a…後面(一面)、158b…前面(他面)、172…桟部、201…棒金安定機構、212…搬送支持部、213…退避空間部、231…第1の棒金安定部、232…第2の棒金安定部、233…クラッチ部、242…第1のベース部、243…第1の棒金保持部、341…復帰用ねじりバネ(第1の付勢部,復帰用付勢部)、391…第1の棒金保持用ねじりバネ(第1の付勢部,棒金保持用付勢部)、401…第2のベース部、402…第2の棒金保持部、491…第2の棒金保持用ねじりバネ(第2の付勢部)、B…棒金。
図1
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