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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022091368
(43)【公開日】2022-06-21
(54)【発明の名称】鉢植え植物の配送箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/52 20060101AFI20220614BHJP
   B65D 5/50 20060101ALI20220614BHJP
   B65D 5/54 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
B65D85/52
B65D5/50 D
B65D5/54 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020204175
(22)【出願日】2020-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】708002942
【氏名又は名称】株式会社リーフ
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 幹憲
【テーマコード(参考)】
3E035
3E060
【Fターム(参考)】
3E035AA20
3E035BA01
3E035BB02
3E035BB03
3E035BC01
3E035BC02
3E035BD04
3E035CA02
3E060AA03
3E060AB03
3E060BA02
3E060BB01
3E060BB02
3E060BB03
3E060BC02
3E060CB02
3E060CB07
3E060CB16
3E060CC01
3E060CC18
3E060CC44
3E060CE05
3E060CE23
3E060CF05
(57)【要約】
【課題】鉢植え植物を傷付けずコンパクトで簡単に収納でき、コスト低減できる鉢植え植物の配送箱を提供する。
【解決手段】鉢植え植物1を収納し配送可能に形成された鉢植え植物の配送箱10である。角筒状に折り曲げられた側壁部材3と、当該側壁部材の上端部31を開閉可能に形成された上蓋部材4と、側壁部材の下端部32を封止し鉢植え植物の鉢2を載置可能に形成された底蓋部材5とを備え、側壁部材には、角筒状に折り曲げられた角部33を挟んで所定の長さで水平状に上下切断された複数の切込み部34が形成され、当該切込み部は、室内側へ折り曲げ可能に形成され、室内側へ折り曲げた切込み部の下端部341が、鉢植え植物の鉢の上端部21を下方に押圧するように形成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉢植え植物を収納し配送可能に形成された鉢植え植物の配送箱であって、
角筒状に折り曲げられた側壁部材と、当該側壁部材の上端部を開閉可能に形成された上蓋部材と、前記側壁部材の下端部を封止し前記鉢植え植物の鉢を載置可能に形成された底蓋部材とを備え、
前記側壁部材には、角筒状に折り曲げられた角部を挟んで所定の長さで水平状に上下切断された複数の切込み部が形成され、当該切込み部は、室内側へ折り曲げ可能に形成され、室内側へ折り曲げた前記切込み部の下端部が、前記鉢植え植物の鉢の上端部を下方に押圧するように形成されていることを特徴とする鉢植え植物の配送箱。
【請求項2】
請求項1に記載された鉢植え植物の配送箱において、
前記鉢植え植物は、植栽されたポット毎、プラスチック製の薄シートに外周が包囲された状態で、前記鉢内に収納されていることを特徴とする鉢植え植物の配送箱。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載された鉢植え植物の配送箱において、
前記切込み部には、上下の切断ラインの間に1又は2以上の他の切断ラインが略同一の長さで形成されていることを特徴とする鉢植え植物の配送箱。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載された鉢植え植物の配送箱において、
前記底蓋部材は、四角筒状に折り曲げられた側壁部材の各下端部からそれぞれ延設された4つの底板片で形成され、前記側壁部材の下端部を封止した状態で、各底板片が互いに上下方向で部分的に交差して支持し合うように形成されていることを特徴とする鉢植え植物の配送箱。
【請求項5】
請求項4に記載された鉢植え植物の配送箱において、
前記底板片は、先端中央部にコの字状の切欠き部が形成された略馬蹄形状の第一底板片と、先端部が前記切欠き部に下方から挿入され前記第一底板片の中央部に乗り上げる略二等辺台形状の第二底板片と、先端部が前記第二底板片の右側基端部に乗り上げると共に基端部が前記第一底板片の左側先端部を下方から支持する略直角台形状の第三底板片と、先端部が前記第二底板片の左側基端部に乗り上げると共に基端部が前記第一底板片の右側先端部を下方から支持する第四底板片とから成り、
前記第二底板片の先端部の左右幅が、前記切欠き部の切欠き幅より僅かに大きく形成されていることを特徴とする鉢植え植物の配送箱。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載された鉢植え植物の配送箱において、
前記切込み部は、角筒状に折り曲げられた前記側壁部材の対角線上に位置する角部を挟んで形成されていることを特徴とする鉢植え植物の配送箱。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載された鉢植え植物の配送箱において、
前記側壁部材には、角筒状に折り曲げた状態で重なり合う側端部を備え、当該側端部同士が接合され、
前記切込み部は、接合された前記側端部を含む位置で形成されていることを特徴とする鉢植え植物の配送箱。
【請求項8】
請求項7に記載された鉢植え植物の配送箱において、
前記側壁部材には、複数の前記切込み部における上下の切断ライン同士を水平状にそれぞれ繋ぐミシン目状の上下の切断ラインが形成されていることを特徴とする鉢植え植物の配送箱。
【請求項9】
請求項8に記載された鉢植え植物の配送箱において、
前記側壁部材には、前記ミシン目状の上下の切断ラインを上下方向に繋ぐ溝孔が形成されていることを特徴とする鉢植え植物の配送箱。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載された鉢植え植物の配送箱において、
前記側壁部材には、ミシン目状に切断された窓孔予定部が形成されていることを特徴とする鉢植え植物の配送箱。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載された鉢植え植物の配送箱において、
前記上蓋部材には、前記側壁部材の上端部から延設され、四角筒状に折り曲げられた前記側壁部材の上端開口部を覆う上蓋本体と、当該上蓋本体の先端部に形成された蓋係止爪部とを備え、前記上蓋本体と前記蓋係止爪部との連結部の幅方向両端部には、溝状蓋切欠き部が形成され、
前記側壁部材の上端部には、前記上蓋本体の両側部を下方から支持する一対の耳部を備え、当該耳部には、前記蓋係止爪部の連結部が通過可能に形成された凹部と、前記溝状蓋切欠き部と係合する凸部とが形成されていることを特徴とする鉢植え植物の配送箱。
【請求項12】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載された鉢植え植物の配送箱において、
前記側壁部材には、四角筒状に折り曲げた状態で内外で重なり合う外正面板及び内正面板と、前記外正面板と隣接する右側面板と、前記内正面板と隣接する左側面板と、前記右側面板と前記左側面板との間に形成される背面板とを備え、
前記外正面板及び前記内正面板が、収納する鉢植え植物の鉢の上端部の高さで、上下方向に分割されていること、
分割された上方の前記外正面板を当該外正面板と前記右側面板とに前記背面板の上端部に向けて傾斜状に形成された複数の折り目を介して前記背面板の裏面側に折り曲げ、分割された前記内正面板を当該内正面板と前記左側面板とに前記背面板の上端部に向けて傾斜状に形成された複数の折り目を介して前記背面板の裏面側に折り曲げて、折り曲げた前記外正面板と前記内正面板とを互いに連結可能に形成したことを特徴とする鉢植え植物の配送箱。
【請求項13】
請求項12に記載された鉢植え植物の配送箱において、
前記切込み部は、前記右側面板と前記背面板と前記左側面板とが折り曲げられた角部を挟んで2つ形成され、
前記内正面板には、収納する前記鉢植え植物の鉢の上端部の高さで室内側へ折り曲げて、前記鉢の上端部に当接する押え板が形成され、
前記押え板には、前記右側面板に形成したスリット溝と係合する係合突起が形成されていることを特徴とする鉢植え植物の配送箱。
【請求項14】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載された鉢植え植物の配送箱において、
前記側壁部材には、六角筒状に折り曲げた状態で内外で重なり合う外正面板及び内正面板と、前記外正面板と隣接する右前側面板と、当該右前側面板と隣接する右後側面板と、前記内正面板と隣接する左前側面板と、当該左前側面板と隣接する左後側面板と、前記右後側面板と前記左後側面板との間に形成された背面板とを備え、
前記外正面板及び前記右前側面板と、前記内正面板及び前記左前側面板とが、収納する鉢植え植物の鉢の上端部の高さで、上下方向に分割されていること、
分割された上方の前記外正面板及び前記右前側面板を、上下方向に延びる前記角部を介して前記右後側面板及び前記背面板の裏面側に折り曲げ、分割された上方の前記内正面板及び前記左前側面板を、上下方向に延びる前記角部を介して前記左後側面板及び前記背面板の裏面側に折り曲げて、折り曲げた前記外正面板と前記内正面板とを互いに連結可能に形成したことを特徴とする鉢植え植物の配送箱。
【請求項15】
請求項14に記載された鉢植え植物の配送箱において、
前記切込み部は、六角筒状に折り曲げられた前記側壁部材の対角線上に位置する角部を挟んで形成されていることを特徴とする鉢植え植物の配送箱。
【請求項16】
請求項14又は請求項15に記載された鉢植え植物の配送箱において、
前記側壁部材には、収納した鉢植え植物の鉢の上端部より上方の位置に水平状に折り目部が形成され、当該折り目部より上方の前記側壁部材を裏面側へ折り曲げた状態で、分割された上方の前記外正面板及び前記右前側面板を、上下方向に延びる前記角部を介して前記右後側面板及び前記背面板の裏面側に折り曲げ、分割された上方の前記内正面板及び前記左前側面板を、上下方向に延びる前記角部を介して前記左後側面板及び前記背面板の裏面側に折り曲げて、折り曲げた前記外正面板と前記内正面板とを互いに連結可能に形成したことを特徴とする鉢植え植物の配送箱。
【請求項17】
請求項16に記載された鉢植え植物の配送箱において、
前記折り目部が形成された前記背面板には、当該折り目部より下方に延びる取手部が形成され、上方の前記側壁部材を裏面側へ折り曲げた状態で、前記取手部を上方へ突設可能に形成されていることを特徴とする鉢植え植物の配送箱。
【請求項18】
請求項14乃至請求項17のいずれか1項に記載された鉢植え植物の配送箱において、
前記底蓋部材には、前記側壁部材の下端部から延設され、六角筒状に折り曲げられた前記側壁部材の下端開口部を二重に覆う内蓋本体及び外蓋本体と、前記内蓋本体の先端部に形成された突起爪部と、前記外蓋本体の先端部に形成された第1蓋係止爪部とを備え、前記外蓋本体と前記第1蓋係止爪部との連結部の幅方向中央部には、第1溝状蓋切欠き部が形成され、
前記側壁部材の下端部には、前記第1蓋係止爪部と係合可能に形成された第2溝状蓋切欠き部と、前記突起爪部が係合可能に形成された第3溝状蓋切欠き部と、前記第1溝状蓋切欠き部に係合可能に形成された第2蓋係止爪部が形成されていることを特徴とする鉢植え植物の配送箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉢植え植物の配送箱に関し、より詳しくは、胡蝶蘭等の鉢植え植物を傷付けずコンパクトに収納でき、低コストで製造し配送できる鉢植え植物の配送箱に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、胡蝶蘭等の鉢植え植物は、インターネット等を介して注文を受けると、生産者から消費者へ直接配送されるケースが増加している。注文を受けた鉢植え植物は、所定の配送箱に収納され、宅配便等を通じて各消費者へ届けられている。この場合、鉢植え植物をコンパクトに収納できると共に、消費者に届く前に鉢植え植物が傷つかない配送箱が求められている。
【0003】
一方、鉢植え植物は、生産者から市場に出荷され、市場で展示された鉢植え植物を販売店が購入し、自店の販売棚に展示して、それを見た消費者が購入するケースも多い。この場合、生産者が鉢植え植物を直接消費者に配送する配送箱を用いて、市場や販売店で展示でき、購入した消費者がその配送箱を用いて持ち帰ることができれば、経済的であり、便利でもある。
【0004】
このようなニーズを踏まえ、例えば、特許文献1には、図30に示すように、鉢植え植物109を収納して輸送する輸送箱(配送箱)100であって、筒体101に頂壁102を設けて構成し、その頂壁102に鉢植え植物の鉢103が上から挿入され、鉢103の上部を突出させた状態で外周面が接する挿入開口部104を形成した挿入台105と、筒部材106に蓋部材107と底壁部材108を設けて構成し、内部に挿入台105と鉢植え植物109の組付き物を収納し、筒部材106に窓部110を形成した外装箱111とを備え、挿入台105の挿入開口部104を挟んだ箇所に、鉢103の上端に鉢植え植物109を固定するために掛け渡したゴムバンド112の両端部を掛止する掛止部113を、少なくとも一対設け、外装箱111に、挿入台105に組付いて外装箱111に固定する固定片114を設けた輸送箱(配送箱)100が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-313921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示された鉢植え植物の輸送箱(配送箱)100では、以下のような問題があった。すなわち、筒体101に頂壁102を設けて構成し、その頂壁102に鉢植え植物の鉢103が上から挿入され、鉢103の上部を突出させた状態で外周面が接する挿入開口部104を形成した挿入台105と、筒部材106に蓋部材107と底壁部材108を設けて構成し、内部に挿入台105と鉢植え植物109の組付き物を収納し、筒部材106に窓部110を形成した外装箱111とを備えるので、挿入台105を収納するスペース分だけ、外装箱111が大きくならざるを得なかった。また、鉢植え植物109と外装箱111の内壁とが接触すると、鉢植え植物109が傷付きやすいので、従来から挿入台105を広めに形成する傾向があり、配送箱100が大きくなるのはやむを得ないと思われていた。そのため、配送箱100を十分コンパクトにできず、配送コストや展示スペースが増大するという問題があった。
【0007】
また、挿入台105の挿入開口部104を挟んだ箇所に、鉢103の上端に鉢植え植物109を固定するために掛け渡したゴムバンド112の両端部を掛止する掛止部113を、少なくとも一対設け、外装箱111に、挿入台105に組付いて外装箱111に固定する固定片114を設けたので、外装箱111に対する鉢植え植物109の位置ズレを防止し、収納した鉢植え植物109の傷付きは回避できるものの、鉢103を挿入台105を介してゴムバンド112と固定片114の両方で外装箱111に固定することになり、ゴムバンド112や固定片114の固定操作に手間が掛かり、不便であると共に、製造コストも増大する問題があった。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、鉢植え植物を傷付けずコンパクトで簡単に収納でき、コスト低減できる鉢植え植物の配送箱を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る鉢植え植物の配送箱は、次のような構成を有している。
(1)鉢植え植物を収納し配送可能に形成された鉢植え植物の配送箱であって、
角筒状に折り曲げられた側壁部材と、当該側壁部材の上端部を開閉可能に形成された上蓋部材と、前記側壁部材の下端部を封止し前記鉢植え植物の鉢を載置可能に形成された底蓋部材とを備え、
前記側壁部材には、角筒状に折り曲げられた角部を挟んで所定の長さで水平状に上下切断された複数の切込み部が形成され、当該切込み部は、室内側へ折り曲げ可能に形成され、室内側へ折り曲げた前記切込み部の下端部が、前記鉢植え植物の鉢の上端部を下方に押圧するように形成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明においては、角筒状に折り曲げられた側壁部材と、当該側壁部材の上端部を開閉可能に形成された上蓋部材と、側壁部材の下端部を封止し鉢植え植物の鉢を載置可能に形成された底蓋部材とを備え、側壁部材には、角筒状に折り曲げられた角部を挟んで所定の長さで水平状に上下切断された複数の切込み部が形成され、当該切込み部は、室内側へ折り曲げ可能に形成され、室内側へ折り曲げた切込み部の下端部が、鉢植え植物の鉢の上端部を下方に押圧するように形成されているので、側壁部材の下端部を封止した底蓋部材と室内側へ折り曲げた切込み部とによって鉢植え植物の鉢を直接挟持することができる。そのため、配送箱が配送時に上下動したり左右に揺れても、収納された鉢植え植物の位置ズレを防止し、鉢植え植物の傷付きを回避できる。
【0011】
また、底蓋部材と室内側へ折り曲げた切込み部とによって鉢植え植物の鉢を直接挟持する構造であるので、鉢植え植物の鉢を挿入する挿入台等が不要となり、鉢植え植物の配送箱をコンパクトに形成することができ、配送コストの低減や展示スペースの縮小化が可能となる。また、上蓋部材を開放して、鉢植え植物を収納した後、側壁部材に形成した切込み部を室内側へ折り曲げるだけで、底蓋部材と切込み部とが鉢植え植物の鉢を直接挟持するので、ゴムバンド等も不要で、配送箱に対する鉢植え植物の固定操作に手間が掛からず、コストの低減もできる。
【0012】
よって、本発明によれば、鉢植え植物を傷付けずコンパクトで簡単に収納でき、コスト低減できる鉢植え植物の配送箱を提供することができる。
【0013】
(2)(1)に記載された鉢植え植物の配送箱において、
前記鉢植え植物は、植栽されたポット毎、プラスチック製の薄シートに外周が包囲された状態で、前記鉢内に収納されていることを特徴とする。
【0014】
本発明においては、鉢植え植物は、植栽されたポット毎、プラスチック製の薄シートに外周が包囲された状態で、鉢内に収納されているので、鉢植え植物と配送箱の内壁とが直接接触することを、プラスチック製の薄シートによって回避できる。ここで、プラスチック製の薄シートは、柔らかくて滑りやすいので、鉢植え植物の花等が触れても傷付きにくい。そのため、鉢植え植物を収納する配送箱をより一層コンパクトに形成することができる。
【0015】
また、鉢植え植物は、植栽されたポット毎、プラスチック製の薄シートに外周が包囲された状態で、鉢内に収納されているので、鉢植え植物の水分や湿気が、配送箱の室内に充満しにくく、配送箱が水分や湿気を含んで、強度低下することを抑制できる。特に、室内側へ折り曲げた切込み部と鉢植え植物との間にプラスチック製の薄シートが介在することによって、切込み部の強度低下を防止できる。そのため、側壁部材の下端部を封止した底蓋部材と室内側へ折り曲げた切込み部とによって鉢植え植物の鉢を直接挟持する際の挟持力を高めて、鉢植え植物の傷付き防止の効果をより一層向上させることができる。
【0016】
(3)(1)又は(2)に記載された鉢植え植物の配送箱において、
前記切込み部には、上下の切断ラインの間に1又は2以上の他の切断ラインが略同一の長さで形成されていることを特徴とする。
【0017】
本発明においては、切込み部には、上下の切断ラインの間に1又は2以上の他の切断ラインが略同一の長さで形成されているので、上下幅の異なる複数の切込み部を形成することができる。そのため、側壁部材の下端部を封止した底蓋部材と室内側へ折り曲げた切込み部とによって異なる高さの鉢植え植物の鉢を安定して挟持することができる。その結果、配送箱には、鉢の高さが異なる鉢植え植物を収納でき、汎用性を高めると共に、収納した鉢植え植物の傷付きを回避できる。
【0018】
(4)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載された鉢植え植物の配送箱において、
前記底蓋部材は、四角筒状に折り曲げられた側壁部材の各下端部からそれぞれ延設された4つの底板片で形成され、前記側壁部材の下端部を封止した状態で、各底板片が互いに上下方向で部分的に交差して支持し合うように形成されていることを特徴とする。
【0019】
本発明においては、底蓋部材は、四角筒状に折り曲げられた側壁部材の各下端部からそれぞれ延設された4つの底板片で形成され、側壁部材の下端部を封止した状態で、各底板片が互いに上下方向で部分的に交差して支持し合うように形成されているので、各底板片を互いに上下方向で部分的に交差して支持し合うように組み合わせるだけで、各底板片同士を接着剤等によって接着させることなく、側壁部材の下端部を簡単に封止することができる。そのため、鉢植え植物の配送箱を簡単且つ短時間で組み立てることができ、製造コストをより低減できる。また、側壁部材の下端部を封止する際、底板片同士を接着剤等によって接着させる必要がないので、使用しない配送箱は、平板状に折り畳むことができる。そのため、平板状に折り畳んだ状態の配送箱を積層して保管することができ、配送箱の保管効率を高めることもできる。
【0020】
(5)(4)に記載された鉢植え植物の配送箱において、
前記底板片は、先端中央部にコの字状の切欠き部が形成された略馬蹄形状の第一底板片と、先端部が前記切欠き部に下方から挿入され前記第一底板片の中央部に乗り上げる略二等辺台形状の第二底板片と、先端部が前記第二底板片の右側基端部に乗り上げると共に基端部が前記第一底板片の左側先端部を下方から支持する略直角台形状の第三底板片と、先端部が前記第二底板片の左側基端部に乗り上げると共に基端部が前記第一底板片の右側先端部を下方から支持する第四底板片とから成り、
前記第二底板片の先端部の左右幅が、前記切欠き部の切欠き幅より僅かに大きく形成されていることを特徴とする。
【0021】
本発明においては、底板片は、先端中央部にコの字状の切欠き部が形成された略馬蹄形状の第一底板片と、先端部が切欠き部に下方から挿入され第一底板片の中央部に乗り上げる略二等辺台形状の第二底板片と、先端部が第二底板片の右側基端部に乗り上げると共に基端部が第一底板片の左側先端部を下方から支持する略直角台形状の第三底板片と、先端部が第二底板片の左側基端部に乗り上げると共に基端部が第一底板片の右側先端部を下方から支持する第四底板片とから成り、第二底板片の先端部の左右幅が、切欠き部の切欠き幅より僅かに大きく形成されているので、各底板片を互いに上下方向で部分的に交差して支持し合うように組み合わせる際、第二底板片の先端部の両側縁が第一底辺片の切欠き部の両側縁で挟圧され、その反発力によって各底板片の先端部側が僅かに上方へ持ち上げられた状態で、底蓋部材と切欠き部とが鉢植え植物の鉢を挟持することができる。そのため、第二底板片の先端部と第一底板片の切欠き部との反発力によって、底蓋部材と切欠き部とが鉢植え植物の鉢をより強い力で挟持することができ、配送時における鉢植え植物の配送箱の上下動等に対して、鉢植え植物の鉢の位置ズレをより一層低減できる。その結果、収納された鉢植え植物の傷付きをより一層回避できる。
【0022】
(6)(1)乃至(5)のいずれか1つに記載された鉢植え植物の配送箱において、
前記切込み部は、角筒状に折り曲げられた前記側壁部材の対角線上に位置する角部を挟んで形成されていることを特徴とする。
【0023】
本発明においては、切込み部は、角筒状に折り曲げられた側壁部材の対角線上に位置する角部を挟んで形成されているので、室内側へ折り曲げられた切込み部が鉢植え植物の鉢を押圧する位置を、鉢の中心部を通過する対称位置に配置することができる。そのため、側壁部材の下端部を封止した底蓋部材と室内側へ折り曲げた切込み部とによって鉢植え植物の鉢をより安定して挟持することができる。その結果、配送箱が配送時に上下動したり左右に揺れても、収納された鉢植え植物の位置ズレをより一層防止し、鉢植え植物の傷付きを回避できる。
【0024】
(7)(1)乃至(6)のいずれか1つに記載された鉢植え植物の配送箱において、
前記側壁部材には、角筒状に折り曲げた状態で重なり合う側端部を備え、当該側端部同士が接合され、
前記切込み部は、接合された前記側端部を含む位置で形成されていることを特徴とする。
【0025】
本発明においては、側壁部材には、角筒状に折り曲げた状態で重なり合う側端部を備え、当該側端部同士が接合され、切込み部は、接合された側端部を含む位置で形成されているので、接合された側端部を含む切込み部を室内側へ折り曲げることができ、切込み部の強度を高めることができる。そのため、強化された切込み部と底蓋部材とによって、鉢植え植物の鉢をより一層強く挟持することができる。その結果、配送箱が配送時に上下動等しても、収納された鉢植え植物の位置ズレをより確実に防止し、鉢植え植物の傷付きをより一層回避できる。
【0026】
(8)(7)に記載された鉢植え植物の配送箱において、
前記側壁部材には、複数の前記切込み部における上下の切断ライン同士を水平状にそれぞれ繋ぐミシン目状の上下の切断ラインが形成されていることを特徴とする。
【0027】
本発明においては、側壁部材には、複数の切込み部における上下の切断ライン同士を水平状にそれぞれ繋ぐミシン目状の上下の切断ラインが形成されているので、ミシン目状の切断ラインを破断することによって、鉢植え植物の鉢より上方の側壁部材を、鉢を収納する下方の側壁部材から切り離して、収納された鉢植え植物を配送箱から簡単に取り出すことができる。
【0028】
(9)(8)に記載された鉢植え植物の配送箱において、
前記側壁部材には、前記ミシン目状の上下の切断ラインを上下方向に繋ぐ溝孔が形成されていることを特徴とする。
【0029】
本発明においては、側壁部材には、ミシン目状の上下の切断ラインを上下方向に繋ぐ溝孔が形成されているので、鉢植え植物の鉢より上方の側壁部材を、鉢を収納する下方の側壁部材から切り離す際、溝孔を把持しミシン目状の上下の切断ラインに沿って引っ張ることによって、ミシン目状の上下の切断ラインを簡単に破断させることができる。そのため、収納された鉢植え植物を配送箱からより一層簡単に取り出すことができる。なお、上記溝孔は、角筒状に折り曲げられた側壁部材の角部に設けることが好ましい。角部であれば、溝孔が小さくても爪等で引っ掻けて、ミシン目状の上下の切断ラインを簡単に破断させることができる。
【0030】
(10)(1)乃至(9)のいずれか1つに記載された鉢植え植物の配送箱において、
前記側壁部材には、ミシン目状に切断された窓孔予定部が形成されていることを特徴とする。
【0031】
本発明においては、側壁部材には、ミシン目状に切断された窓孔予定部が形成されているので、生産者から消費者に直接配送する場合には、窓孔予定部を閉じた状態で発送することができ、配送途中での鉢植え植物の傷付きを防止できる。一方、市場や販売店で展示する場合には、ミシン目状に切断された窓孔予定部を破断して、開放した窓孔を形成し、収納した鉢植え植物の様子を観察することができる。そのため、生産者が鉢植え植物を直接配送する配送箱を用いて、市場や販売店で展示でき、購入した消費者がその配送箱を用いて持ち帰ることができる。
【0032】
(11)(1)乃至(10)のいずれか1つに記載された鉢植え植物の配送箱において、
前記上蓋部材には、前記側壁部材の上端部から延設され、四角筒状に折り曲げられた前記側壁部材の上端開口部を覆う上蓋本体と、当該上蓋本体の先端部に形成された蓋係止爪部とを備え、前記上蓋本体と前記蓋係止爪部との連結部の幅方向両端部には、溝状蓋切欠き部が形成され、
前記側壁部材の上端部には、前記上蓋本体の両側部を下方から支持する一対の耳部を備え、当該耳部には、前記蓋係止爪部の連結部が通過可能に形成された凹部と、前記溝状蓋切欠き部と係合する凸部とが形成されていることを特徴とする。
【0033】
本発明においては、上蓋部材には、側壁部材の上端部から延設され、四角筒状に折り曲げられた側壁部材の上端開口部を覆う上蓋本体と、当該上蓋本体の先端部に形成された蓋係止爪部とを備え、上蓋本体と蓋係止爪部との連結部の幅方向両端部には、溝状蓋切欠き部が形成され、側壁部材の上端部には、上蓋本体の両側部を下方から支持する一対の耳部を備え、当該耳部には、蓋係止爪部の連結部が通過可能に形成された凹部と、溝状蓋切欠き部と係合する凸部とが形成されているので、上蓋本体を側壁部材の上端開口部を覆って耳部と当接させた状態で、蓋係止爪部を耳部の凹部と側壁部材との隙間に挿入することによって、上蓋本体と係止爪部との連結部の幅方向両端部に形成された溝状蓋切欠き部が、耳部の凸部と係合し、側壁部材の上端開口部に対する上蓋部材の閉じ操作を簡単に行うことができる。また、上蓋本体を上方へ引っ張ると、溝状蓋切欠き部が係合した凸部から外れ、側壁部材の上端開口部に対する上蓋部材の開き操作を簡単に行うことができる。そのため、配送箱に対する鉢植え植物の収納操作に手間が掛からず、コストの低減もできる。
【0034】
(12)(1)乃至(5)のいずれか1つに記載された鉢植え植物の配送箱において、
前記側壁部材には、四角筒状に折り曲げた状態で内外で重なり合う外正面板及び内正面板と、前記外正面板と隣接する右側面板と、前記内正面板と隣接する左側面板と、前記右側面板と前記左側面板との間に形成される背面板とを備え、
前記外正面板及び前記内正面板が、収納する鉢植え植物の鉢の上端部の高さで、上下方向に分割されていること、
分割された上方の前記外正面板を当該外正面板と前記右側面板とに前記背面板の上端部に向けて傾斜状に形成された複数の折り目を介して前記背面板の裏面側に折り曲げ、分割された前記内正面板を当該内正面板と前記左側面板とに前記背面板の上端部に向けて傾斜状に形成された複数の折り目を介して前記背面板の裏面側に折り曲げて、折り曲げた前記外正面板と前記内正面板とを互いに連結可能に形成したことを特徴とする。
【0035】
本発明においては、側壁部材には、四角筒状に折り曲げた状態で内外で重なり合う外正面板及び内正面板と、外正面板と隣接する右側面板と、内正面板と隣接する左側面板と、右側面板と左側面板との間に形成される背面板とを備え、外正面板及び内正面板が、収納する鉢植え植物の鉢の上端部の高さで、上下方向に分割され、分割された上方の外正面板を当該外正面板と右側面板とに背面板の上端部に向けて傾斜状に形成された複数の折り目を介して背面板の裏面側に折り曲げ、分割された上方の内正面板を当該内正面板と左側面板とに背面板の上端部に向けて傾斜状に形成された複数の折り目を介して背面板の裏面側に折り曲げて、折り曲げた外正面板と内正面板とを互いに連結可能に形成したので、分割された下方の外正面板及び内正面板と右側面板と左側面板と背面板と底蓋部材とによって鉢を収容すると共に、分割された上方の外正面板及び内正面板と右側面板の斜め上部と左側面板の斜め上部とを背面板の裏面側に折り曲げることによって、三角形状に起立する左右の側面板とその中央に起立する背面板とによって鉢植え植物の後方を保護する衝立部を形成することができる。そのため、鉢植え植物を配送箱に収納した状態で、衝立部によって鉢植え植物の傷付きを防止しながら、鉢植え植物の鑑賞性を高めることができる。また、分割された上方の外正面板及び内正面板を正面側で内外重ね合せて連結し、四角筒状に折り曲げた側壁部材の上端開口部を上蓋部材によって閉じて、鉢植え植物を収納した配送箱を閉塞することができる。その結果、生産者が鉢植え植物を直接配送する配送箱を用いて、市場や販売店で鑑賞性を高めて展示でき、購入した消費者がその配送箱を用いて持ち帰ることができる。
【0036】
(13)(12)に記載された鉢植え植物の配送箱において、
前記切込み部は、前記右側面板と前記背面板と前記左側面板とが折り曲げられた角部を挟んで2つ形成され、
前記内正面板には、収納する前記鉢植え植物の鉢の上端部の高さで室内側へ折り曲げて、前記鉢の上端部に当接する押え板が形成され、
前記押え板には、前記右側面板に形成したスリット溝と係合する係合突起が形成されていることを特徴とする。
【0037】
本発明においては、切込み部は、右側面板と背面板と左側面板とが折り曲げられた角部を挟んで2つ形成され、内正面板には、収納する鉢植え植物の鉢の上端部の高さで室内側へ折り曲げて、鉢の上端部に当接する押え板が形成され、押え板には、右側面板に形成したスリット溝と係合する係合突起が形成されているので、側壁部材の下端部を封止した底蓋部材と、室内側へ折り曲げた2つの切込み部と、室内側へ折り曲げ右側面板のスリット溝と係合突起とが係合した押え板とによって、鉢植え植物の鉢をより安定して挟持することができる。そのため、配送箱が配送時に上下動したり左右に揺れても、収納された鉢植え植物の位置ズレをより一層防止し、鉢植え植物の傷付きを回避できる。
【0038】
(14)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載された鉢植え植物の配送箱において、
前記側壁部材には、六角筒状に折り曲げた状態で内外で重なり合う外正面板及び内正面板と、前記外正面板と隣接する右前側面板と、当該右前側面板と隣接する右後側面板と、前記内正面板と隣接する左前側面板と、当該左前側面板と隣接する左後側面板と、前記右後側面板と前記左後側面板との間に形成された背面板とを備え、
前記外正面板及び前記右前側面板と、前記内正面板及び前記左前側面板とが、収納する鉢植え植物の鉢の上端部の高さで、上下方向に分割されていること、
分割された上方の前記外正面板及び前記右前側面板を、上下方向に延びる前記角部を介して前記右後側面板及び前記背面板の裏面側に折り曲げ、分割された上方の前記内正面板及び前記左前側面板を、上下方向に延びる前記角部を介して前記左後側面板及び前記背面板の裏面側に折り曲げて、折り曲げた前記外正面板と前記内正面板とを互いに連結可能に形成したことを特徴とする。
【0039】
本発明においては、側壁部材には、六角筒状に折り曲げた状態で内外で重なり合う外正面板及び内正面板と、外正面板と隣接する右前側面板と、当該右前側面板と隣接する右後側面板と、内正面板と隣接する左前側面板と、当該左前側面板と隣接する左後側面板と、右後側面板と左後側面板との間に形成された背面板とを備え、外正面板及び右前側面板と、内正面板及び左前側面板とが、収納する鉢植え植物の鉢の上端部の高さで、上下方向に分割され、また、分割された上方の外正面板及び右前側面板を、上下方向に延びる角部を介して右後側面板及び背面板の裏面側に折り曲げ、分割された上方の内正面板及び左前側面板を、上下方向に延びる角部を介して左後側面板及び背面板の裏面側に折り曲げて、折り曲げた外正面板と内正面板とを互いに連結可能に形成したので、分割された下方の外正面板及び内正面板と右前側面板と左前側面板と右後側面板と左後側面板と背面板と底蓋部材とによって鉢を収容すると共に、分割された上方の外正面板及び右前側面板と内正面板及び左前側面板とを、右後側面板と背面板と左後側面板との裏面側に上下方向に延びる角部を介して折り曲げることによって、起立する左右の後側面板と背面板とによって鉢植え植物の後方を保護する衝立部を形成することができる。そのため、鉢植え植物を配送箱に収納した状態で、衝立部によって鉢植え植物の傷付きを防止しながら、鉢植え植物の鑑賞性を高めることができる。
【0040】
また、分割された上方の外正面板及び内正面板を正面側で内外重ね合せて連結し、六角筒状に折り曲げた側壁部材の上端開口部を上蓋部材によって閉じて、鉢植え植物を収納した配送箱を閉塞することができる。その結果、生産者が鉢植え植物を直接配送する配送箱を用いて、市場や販売店で鑑賞性を高めて展示でき、購入した消費者がその配送箱を用いて持ち帰ることができる。さらに、分割された上方の外正面板及び右前側面板と内正面板及び左前側面板とを、上下に延びる角部を介して右後側面板と背面板と左後側面板との裏面側に折り曲げる構造であるので、配送箱を上下方向で細長く形成でき、背の高い鉢植え植物にも適用できる。
【0041】
(15)(14)に記載された鉢植え植物の配送箱において、
前記切込み部は、六角筒状に折り曲げられた前記側壁部材の対角線上に位置する角部を挟んで形成されていることを特徴とする。
【0042】
本発明においては、切込み部は、六角筒状に折り曲げられた側壁部材の対角線上に位置する角部を挟んで形成されているので、室内側へ折り曲げられた切込み部が鉢植え植物の鉢を押圧する位置を、鉢の中心部を通過する対称位置に配置することができる。そのため、側壁部材の下端部を封止した底蓋部材と室内側へ折り曲げた切込み部とによって鉢植え植物の鉢をより安定して挟持することができる。その結果、配送箱が配送時に上下動したり左右に揺れても、収納された鉢植え植物の位置ズレをより一層防止し、鉢植え植物の傷付きを回避できる。
【0043】
(16)(14)又は(15)に記載された鉢植え植物の配送箱において、
前記側壁部材には、収納した鉢植え植物の鉢の上端部より上方の位置に水平状に折り目部が形成され、当該折り目部より上方の前記側壁部材を裏面側へ折り曲げた状態で、分割された上方の前記外正面板及び前記右前側面板を、上下方向に延びる前記角部を介して前記右後側面板及び前記背面板の裏面側に折り曲げ、分割された上方の前記内正面板及び前記左前側面板を、上下方向に延びる前記角部を介して前記左後側面板及び前記背面板の裏面側に折り曲げて、折り曲げた前記外正面板と前記内正面板とを互いに連結可能に形成したことを特徴とする。
【0044】
本発明においては、側壁部材には、収納した鉢植え植物の鉢の上端部より上方の位置に水平状に折り目部が形成され、当該折り目部より上方の側壁部材を裏面側へ折り曲げた状態で、分割された上方の外正面板及び右前側面板を、上下方向に延びる角部を介して右後側面板及び背面板の裏面側に折り曲げ、分割された上方の内正面板及び左前側面板を、上下方向に延びる角部を介して左後側面板及び背面板の裏面側に折り曲げて、折り曲げた外正面板と内正面板とを互いに連結可能に形成したので、配送箱の高さより低く起立する左右の後側面板と背面板とによって鉢植え植物の後方を保護する立ちの低い衝立部を形成することができる。そのため、鉢植え植物を立ちの低い衝立部によって鉢植え植物の傷付きを防止しながら、裏面側からも鉢植え植物の鑑賞性を高めることができる。
【0045】
(17)(16)に記載された鉢植え植物の配送箱において、
前記折り目部が形成された前記背面板には、当該折り目部より下方に延びる取手部が形成され、上方の前記側壁部材を裏面側へ折り曲げた状態で、前記取手部を上方へ突設可能に形成されていることを特徴とする。
【0046】
本発明においては、折り目部が形成された背面板には、当該折り目部より下方に延びる取手部が形成され、上方の側壁部材を裏面側へ折り曲げた状態で、取手部を上方へ突設可能に形成されているので、配送箱の高さより低く起立する左右の後側面板と背面板とによって鉢植え植物の後方を保護する衝立部を形成した上で、この衝立部の上端部から上方に突出する取手部を介して鉢植え植物を収納した配送箱を把持し、簡単に移動させることができる。例えば、鉢植え植物を展示する際、鉢植え植物の傷付きを防止しながら、容易に配置換えさせることができる。
【0047】
(18)(14)乃至(17)のいずれか1つに記載された鉢植え植物の配送箱において、
前記底蓋部材には、前記側壁部材の下端部から延設され、六角筒状に折り曲げられた前記側壁部材の下端開口部を二重に覆う内蓋本体及び外蓋本体と、前記内蓋本体の先端部に形成された突起爪部と、前記外蓋本体の先端部に形成された第1蓋係止爪部とを備え、前記外蓋本体と前記第1蓋係止爪部との連結部の幅方向中央部には、第1溝状蓋切欠き部が形成され、
前記側壁部材の下端部には、前記第1蓋係止爪部と係合可能に形成された第2溝状蓋切欠き部と、前記突起爪部が係合可能に形成された第3溝状蓋切欠き部と、前記第1溝状蓋切欠き部に係合可能に形成された第2蓋係止爪部が形成されていることを特徴とする。
【0048】
本発明においては、底蓋部材には、側壁部材の下端部から延設され、六角筒状に折り曲げられた側壁部材の下端開口部を二重に覆う内蓋本体及び外蓋本体と、内蓋本体の先端部に形成された突起爪部と、外蓋本体の先端部に形成された第1蓋係止爪部とを備え、外蓋本体と第1蓋係止爪部との連結部の幅方向中央部には、第1溝状蓋切欠き部が形成され、また、側壁部材の下端部には、第1蓋係止爪部と係合可能に形成された第2溝状蓋切欠き部と、突起爪部が係合可能に形成された第3溝状蓋切欠き部と、第1溝状蓋切欠き部に係合可能に形成された第2蓋係止爪部が形成されているので、内蓋本体を側壁部材の下端開口部を覆って突起爪部を第3溝状蓋切欠き部と係合させた状態で、内蓋本体に外蓋本体を重ね合せ、第1蓋係止爪部を第2溝状蓋切欠き部に係合させ、その後、第2蓋係止爪部を第1溝状蓋切欠き部に係合させる。これによって、六角筒状に折り曲げた側壁部材の下端開口部を内蓋本体と外蓋本体とが二重に被覆して封止することができる。そのため、配送箱が雨水に濡れても、底蓋部材の強度低下を回避して、側壁部材の下端部に対する底蓋部材の必要な閉じ力を確保できる。その結果、底蓋部材と室内側へ折り曲げた切込み部とによって鉢植え植物の鉢をより確実に挟持して、収納された鉢植え植物の位置ズレを防止し、鉢植え植物の傷付きを回避できる。
【発明の効果】
【0049】
本発明によれば、鉢植え植物を傷付けずコンパクトで簡単に収納でき、コスト低減できる鉢植え植物の配送箱を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】本実施形態に係る鉢植え植物の配送箱に収納する鉢植え植物(胡蝶蘭の例)の斜視図である。
図2】本実施形態に係る鉢植え植物の配送箱における第1実施例の斜視図である。
図3図2に示すA-A断面図である。
図4図3に示すB-B断面における配送箱下部の部分断面図である。
図5図4に示すC矢視図である。
図6図2に示す第1実施例の鉢植え植物の配送箱における上蓋部材の斜視図である。
図7図6に示すD-D断面図である。
図8図2に示す第1実施例の鉢植え植物の配送箱において、上方の側壁部材を分離して鉢植え植物を取り出す形態の斜視図である。
図9図2に示す第1実施例の鉢植え植物の配送箱の展開図である。
図10】本実施形態に係る鉢植え植物の配送箱における第2実施例の斜視図である。
図11図10に示すE-E断面図である。
図12図11に示すF-F断面における配送箱下部の部分断面図である。
図13図12に示すG矢視図である。
図14図10に示す第2実施例の鉢植え植物の配送箱において、上蓋部材を開放した形態の斜視図である。
図15図10に示す第2実施例の鉢植え植物の配送箱において、上方の側壁部材を側方へ展開した形態の斜視図である。
図16図10に示す第2実施例の鉢植え植物の配送箱において、上方の側壁部材を背面側へ折り畳み、内正面板と外正面板とを連結した形態の斜視図である。
図17図10に示す第2実施例の鉢植え植物の配送箱において、上方の側壁部材を背面側へ折り畳み、正面側から鉢植え植物を観賞できる形態の斜視図である。
図18図10に示す第2実施例の鉢植え植物の配送箱の展開図である。
図19】本実施形態に係る鉢植え植物の配送箱における第3実施例の斜視図である。
図20図19に示すH-H断面図である。
図21図20に示すI-I断面における配送箱下部の部分断面図である。
図22図19に示す第3実施例の鉢植え植物の配送箱における背面側から見た斜視図である。
図23図19に示す第3実施例の鉢植え植物の配送箱において、上方の側壁部材を背面側へ折り曲げた形態の斜視図である。
図24図19に示す第3実施例の鉢植え植物の配送箱において、上方の側壁部材を背面側へ折り畳み、正面側から鉢植え植物を観賞できる形態の斜視図である。
図25図24に示すJ矢視図である。
図26図19に示す第3実施例の鉢植え植物の配送箱において、底蓋部材(又は上蓋部材)を閉じるときの斜視図であって、(A)は内蓋本体を閉じた状態の斜視図を示し、(B)は外蓋本体を閉じる途中の斜視図である。
図27図19に示す第3実施例の鉢植え植物の配送箱において、折り目部より上方の側壁部材を裏面側へ折り曲げた状態で、上方の側壁部材を側方へ展開した形態の正面側から見た斜視図である。
図28図27に示す第3実施例の鉢植え植物の配送箱において、上方の側壁部材を背面側へ折り畳み、内正面板と外正面板とを連結した形態の正面側から見た斜視図である。
図29図19に示す第3実施例の鉢植え植物の配送箱の展開図である。
図30】特許文献1に開示された鉢植え植物の輸送箱(配送箱)の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
次に、本実施形態に係る鉢植え植物の配送箱について、図面を参照して詳細に説明する。はじめに、本実施形態に係る鉢植え植物の配送箱の第1実施例の構造及びその機能、作用効果を詳細に説明する。次に、本実施形態に係る鉢植え植物の配送箱の第2実施例、第3実施例の構造及びその機能、作用効果を、第1実施例との相違点を中心に説明する。
【0052】
<本鉢植え植物の配送箱の第1実施例>
まず、本実施形態に係る鉢植え植物の配送箱の第1実施例の構造及びその機能、作用効果を、図1図9を用いて詳細に説明する。図1に、本実施形態に係る鉢植え植物の配送箱に収納する鉢植え植物(胡蝶蘭の例)の斜視図を示す。図2に、本実施形態に係る鉢植え植物の配送箱における第1実施例の斜視図を示す。図3に、図2に示すA-A断面図を示す。図4に、図3に示すB-B断面における配送箱下部の部分断面図を示す。図5に、図4に示すC矢視図を示す。図6に、図2に示す第1実施例の鉢植え植物の配送箱における上蓋部材の斜視図を示す。図7に、図6に示すD-D断面図を示す。図8に、図2に示す第1実施例の鉢植え植物の配送箱において、上方の側壁部材を分離して鉢植え植物を取り出す形態の斜視図を示す。図9に、図2に示す第1実施例の鉢植え植物の配送箱の展開図を示す。
【0053】
図1図9に示すように、第1実施例に係る鉢植え植物の配送箱10は、鉢植え植物1を収納し配送可能に形成された鉢植え植物の配送箱10であって、角筒状に折り曲げられた側壁部材3と、当該側壁部材3の上端部31を開閉可能に形成された上蓋部材4と、側壁部材3の下端部32を封止し鉢植え植物1の鉢2を載置可能に形成された底蓋部材5とを備えている。また、側壁部材3には、角筒状に折り曲げられた角部33を挟んで所定の長さで水平状に上下切断された複数の切込み部34が形成されている。そして、当該切込み部34は、室内側へ折り曲げ可能に形成され、室内側へ折り曲げた切込み部34の下端部342が、鉢植え植物1の鉢2の上端部21を下方に押圧するように形成されている。
【0054】
したがって、側壁部材3の下端部32を封止した底蓋部材5と室内側へ折り曲げた切込み部34とによって、鉢植え植物1の鉢2を直接挟持することができる。また、室内側へ折り曲げた切込み部34は、角部33の近傍で剛性の高い側壁部材3に連結され、水平方向でへの字状に屈曲した断面に形成されているので、垂直方向の剛性が高く、変形しにくい。そのため、配送箱10が配送時に上下動したり左右に揺れても、収納された鉢植え植物1の位置ズレを防止し、鉢植え植物1の傷付きを回避できる。
【0055】
また、底蓋部材5と室内側へ折り曲げた切込み部34とによって鉢植え植物1の鉢2を直接挟持する構造であるので、鉢植え植物1の鉢2を挿入する挿入台等が不要となり、鉢植え植物1の配送箱10をコンパクトに形成することができ、配送コストの低減や展示スペースの縮小化が可能となる。
【0056】
また、上蓋部材4を開放して、鉢植え植物1を収納した後、側壁部材3に形成した切込み部34を室内側へ折り曲げるだけで、底蓋部材5と切込み部34とが鉢植え植物1の鉢2を直接挟持するので、ゴムバンド等も不要で、配送箱10に対する鉢植え植物1の固定操作に手間が掛からず、コストの低減もできる。
【0057】
よって、本実施形態に係る鉢植え植物の配送箱10によれば、鉢植え植物1を傷付けずコンパクトで簡単に収納でき、コスト低減できる鉢植え植物1の配送箱10を提供することができる。
【0058】
なお、鉢植え植物1は、例えば、鉢植えの胡蝶蘭1Kを例示したが、必ずしも、胡蝶蘭1Kに限る必要はない。図1図4では、1本の鉢植え植物1(胡蝶蘭1K)がポット2Pに植栽され、ポット2P毎、鉢2に収容されている。ただし、鉢2には、複数本の鉢植え植物1が鉢2に収容されていても良く、種類の異なる複数本の鉢植え植物1が鉢2に寄せ植え状に収容されていても良い。また、鉢2は、上端部21が開口された略円筒体であり、底面22の中央部に排水孔221が形成されているが、鉢2は、必ずしも略円筒体である必要はなく、例えば、多角形の筒状体でも良く、排水孔221が無い物でも良い。
【0059】
また、図9に示すように、本配送箱10は、段ボールシートや厚紙等からなる板状素材を展開形状に切断して形成されている。この板状素材は、上記紙素材のみならず、紙素材に樹脂シートやアルミ箔等を積層した複合素材でも良い。ここでは、側壁部材3と上蓋部材4と底蓋部材5は、一枚の板状素材から形成されているが、それぞれ別々に形成し、これらを一体に接合した物でも良い。そして、本配送箱10では、上蓋部材4と底蓋部材5とを略四角形状に形成し、側壁部材3を四角筒状に折り曲げているが、これも特に限定するものではない。例えば、上蓋部材4と底蓋部材5とを五角形状に形成し、側壁部材3を五角筒状に折り曲げて形成しても良い。
【0060】
また、図1図4に示すように、本配送箱10においては、鉢植え植物1は、植栽されたポット2P毎、プラスチック製の薄シート6に外周が包囲された状態で、鉢2内に収納されていることが好ましい。この場合、鉢植え植物1と配送箱10の内壁10Nとが直接接触することを、プラスチック製の薄シート6によって回避できる。ここで、プラスチック製の薄シート6は、柔らかくて滑りやすいので、鉢植え植物1の花等が触れても傷付きにくい。そのため、鉢植え植物1を収納する配送箱10をより一層コンパクトに形成することができる。
【0061】
また、鉢植え植物1は、植栽されたポット2P毎、プラスチック製の薄シート6に外周が包囲された状態で、鉢2内に収納されているので、鉢植え植物1の水分や湿気が、配送箱10の室内に充満しにくく、配送箱10が水分や湿気を含んで、強度低下することを抑制できる。
【0062】
特に、室内側へ折り曲げた切込み部34と鉢植え植物1との間にプラスチック製の薄シート6が介在することによって、切込み部34の強度低下を防止できる。そのため、側壁部材3の下端部32を封止した底蓋部材5と室内側へ折り曲げた切込み部34とによって鉢植え植物1の鉢2を直接挟持する際の挟持力を高めて、鉢植え植物1の傷付き防止の効果をより一層向上させることができる。なお、プラスチック製の薄シート6には、鉢植え植物1に対する一定の通気性を確保する小径の通気孔を形成しても良い。
【0063】
なお、プラスチック製の薄シート6は、例えば、板厚が0.02~0.03mm程度のポリプロピレンシートで形成されていることが好ましい。この場合、薄シート6が、適度に柔らかくて滑りやすいので、鉢植え植物1の花等に対する傷付き防止の効果が高いからである。
【0064】
また、プラスチック製の薄シート6は、上端部の外径が下端部の外径より大きく形成された略円錐状の筒状体に形成されていることが好ましい。鉢植え植物1を、植栽されたポット2P毎、薄シート6の上端部から挿入しやすく、傷付きにくいからである。また、略円錐状のプラスチック製の薄シート6は、下端部の外径が小さいので、ポット2Pの下端部を包みやすく、水漏れ等を抑制できる。
【0065】
また、図4図9に示すように、本配送箱10においては、切込み部34には、上下の切断ライン341、342の間に1又は2以上の他の切断ライン343が略同一の長さで形成されていることが好ましい。この場合、上下幅の異なる複数の切込み部34を形成することができる。例えば、背の高い鉢2に対しては、切込み部34を上の切断ライン341と他の切断ライン343とで室内側へ折り曲げ、他の切断ライン343で鉢2の上端部21を押圧し、背の低い鉢2に対しては、切込み部34を上の切断ライン341と下の切断ライン342とで室内側へ折り曲げ、下の切断ライン342で鉢2の上端部21を押圧することができる。
【0066】
そのため、側壁部材3の下端部32を封止した底蓋部材5と室内側へ折り曲げた上下幅の異なる切込み部34とによって、異なる高さの鉢植え植物1の鉢2を安定して挟持することができる。その結果、配送箱10には、鉢2の高さが異なる鉢植え植物1を収納でき、汎用性を高めると共に、収納した鉢植え植物1の傷付きを回避できる。
【0067】
また、図3図4に示すように、本配送箱10においては、切込み部34は、角筒状に折り曲げられた側壁部材3の対角線上に位置する角部33を挟んで形成されていることが好ましい。この場合、室内側へ折り曲げられた切込み部34が鉢植え植物1の鉢2を押圧する位置を、鉢2の中心部2CLを通過する対称位置に配置することができる。そのため、側壁部材3の下端部32を封止した底蓋部材5と室内側へ折り曲げた切込み部34とによって鉢植え植物1の鉢2をより安定して挟持することができる。その結果、配送箱10が配送時に上下動したり左右に揺れても、収納された鉢植え植物1の位置ズレをより一層防止し、鉢植え植物1の傷付きを回避できる。
【0068】
また、本配送箱10においては、側壁部材3には、角筒状に折り曲げた状態で重なり合う側端部35、36を備え、当該側端部35、36同士が接合され、切込み部34は、接合された側端部35a、36aを含む位置で形成されていることが好ましい。この場合、接合された側端部35a、36aを含む切込み部34aを室内側へ折り曲げることができ、切込み部34aの強度を高めることができる。
【0069】
そのため、強化された切込み部34aと底蓋部材5とによって、鉢植え植物1の鉢2をより一層強く挟持することができる。その結果、配送箱10が配送時に上下動等しても、収納された鉢植え植物1の位置ズレをより確実に防止し、鉢植え植物1の傷付きをより一層回避できる。なお、側端部35、36同士の接合方法は、特に限定されないが、例えば、接着剤による糊付け接合でも、両面テープによる接合等でも良い。
【0070】
また、図2図8図9に示すように、本配送箱10においては、側壁部材3には、複数の切込み部34における上下の切断ライン341、342同士を水平状にそれぞれ繋ぐミシン目状の上下の切断ライン34M(341M、342M)が形成されていることが好ましい。この場合、ミシン目状の切断ライン34M(341M、342M)を破断することによって、鉢植え植物1の鉢2より上方の側壁部材3(3X)を、鉢2を収納する下方の側壁部材3(3Y)から切り離して、収納された鉢植え植物1を配送箱10から簡単に取り出すことができる。
【0071】
また、側壁部材3には、ミシン目状の上下の切断ライン34M(341M、342M)を上下方向に繋ぐ溝孔34Nが形成されていると良い。この場合、鉢植え植物1の鉢2より上方の側壁部材3(3X)を、鉢2を収納する下方の側壁部材3(3Y)から切り離す際、溝孔34Nを把持しミシン目状の上下の切断ライン34M(341M、342M)に沿って引っ張ることによって、ミシン目状の上下の切断ライン34M(341M、342M)を簡単に破断させることができる。そのため、収納された鉢植え植物1を配送箱10からより一層簡単に取り出すことができる。
【0072】
なお、上記溝孔34Nは、角筒状に折り曲げられた側壁部材3の角部33に設けることが好ましい。角部33であれば、溝孔34Nが小さくても爪等で引っ掻けて、ミシン目状の上下の切断ライン34M(341M、342M)を簡単に破断させることができる。溝孔34Nは、切込み部34が形成されていない角部33に形成する。
【0073】
また、図2図9に示すように、本配送箱10においては、側壁部材3には、ミシン目状に切断された窓孔予定部37が形成されていることが好ましい。この場合、生産者から消費者に直接配送する場合には、窓孔予定部37を閉じた状態で発送することができ、配送途中での鉢植え植物1の傷付きを防止できる。一方、市場や販売店で展示する場合には、ミシン目状に切断された窓孔予定部37を破断して、開放した窓孔37Pを形成し、収納した鉢植え植物1の様子を観察することができる。そのため、生産者が鉢植え植物1を直接配送する配送箱10を用いて、市場や販売店で展示でき、購入した消費者がその配送箱10を用いて持ち帰ることができる。
【0074】
窓孔予定部37は、例えば、四角筒状に折り曲げられた側壁部材3の正面板3S1、右側面板3S2、左側面板3S3、背面板3S4にそれぞれ形成しても良いが、正面板3S1又は背面板3S4のみに形成しても良い。また、窓孔予定部37の形状は、円形、楕円形、長方形等、各種形状に形成することができる。なお、窓孔予定部37が側端部35と重なる位置に形成されている場合には、窓孔予定部37と重複する側端部35に、開放した窓孔37Pを形成する。
【0075】
また、側壁部材3の上部には、角筒状に折り曲げられた角部33を挟んで所定の長さで水平状に上下切断された上切断ライン381と下切断ライン382とから成る複数の第2切込み部38を形成し、当該第2切込み部38を室内側へ折り曲げて、第2切込み部38の上切断ライン381の上に仕切り板(図示しない)を載置し、当該仕切り板と上蓋部材4との間に、第2の収納室を設けても良い。第2の収納室には、お菓子や手紙等を収納することができ、便利である。
【0076】
また、図6図7図9に示すように、本配送箱10においては、上蓋部材4には、側壁部材3の上端部31から延設され、四角筒状に折り曲げられた側壁部材3の上端開口部31Kを覆う四角形状の上蓋本体41と、当該上蓋本体41の先端部に形成された蓋係止爪部42とを備え、上蓋本体41と蓋係止爪部42との連結部43の幅方向両端部には、溝状蓋切欠き部43Nが形成され、側壁部材3の上端部31には、上蓋本体41の両側部を下方から支持する一対の耳部44を備え、当該耳部44には、蓋係止爪部42の連結部43が通過可能に形成された凹部441と、溝状蓋切欠き部43Nと係合する凸部442とが形成されていることが好ましい。
【0077】
この場合、上蓋本体41を側壁部材3の上端開口部31Kを覆って耳部44と当接させた状態で、蓋係止爪部42を耳部44の凹部441と側壁部材3との隙間に挿入することによって、上蓋本体41と蓋係止爪部42との連結部43の幅方向両端部に形成された溝状蓋切欠き部43Nが、耳部44の凸部442と係合し、側壁部材3の上端開口部31Kに対する上蓋部材4の閉じ操作を簡単に行うことができる。また、上蓋本体41を上方へ引っ張ると、溝状蓋切欠き部43Nが係合した凸部442から外れ、側壁部材3の上端開口部31Kに対する上蓋部材4の開き操作を簡単に行うことができる。そのため、配送箱10に対する鉢植え植物1の収納操作に手間が掛からず、コストの低減もできる。
【0078】
また、図3図5図9に示すように、本配送箱10においては、底蓋部材5は、四角筒状に折り曲げられた側壁部材3の各下端部32からそれぞれ延設された4つの底板片5a、5b、5c、5dで形成され、側壁部材3の下端部32を封止した状態で、各底板片5a、5b、5c、5dが互いに上下方向で部分的に交差して支持し合うように形成されていることが好ましい。この場合、各底板片5a、5b、5c、5dを互いに上下方向で部分的に交差して支持し合うように組み合わせるだけで、各底板片5a、5b、5c、5d同士を接着剤等によって接着させることなく、側壁部材3の下端部32を簡単に封止することができる。
【0079】
そのため、鉢植え植物1の配送箱10を簡単且つ短時間で組み立てることができ、製造コストをより低減できる。また、側壁部材3の下端部32を封止する際、底板片5a、5b、5c、5d同士を接着剤等によって接着させる必要がないので、使用しない配送箱10は、平板状に折り畳むことができる。そのため、平板状に折り畳んだ状態の配送箱10を積層して保管することができ、配送箱10の保管効率を高めることもできる。
【0080】
具体的には、底板片5a、5b、5c、5dは、先端中央部にコの字状の切欠き部51aが形成された略馬蹄形状の第一底板片5aと、先端部51bが切欠き部51aに下方から挿入され第一底板片5aの中央部52aに乗り上げる略二等辺台形状の第二底板片5bと、先端部51cが第二底板片5bの右側基端部52bに乗り上げると共に基端部52cが第一底板片5aの左側先端部53aを下方から支持する略直角台形状の第三底板片5cと、先端部51dが第二底板片5bの左側基端部53bに乗り上げると共に基端部52dが第一底板片5aの右側先端部54aを下方から支持する第四底板片5dとから成り、第二底板片5bの先端部51bの左右幅d1が、切欠き部51aの切欠き幅d2より僅かに大きく形成されていることが好ましい。なお、第二底板片5bには、略矩形状の先端部51bが左右幅d1で形成されている。また、第三底板片5cの先端部51cと、第四底板片5dの先端部51dとが、それぞれ略矩形状に形成されている。
【0081】
これによって、各底板片5a、5b、5c、5dを互いに上下方向で部分的に交差して支持し合うように組み合わせる際、第二底板片5bの先端部51bの両側縁511b、511bが第一底板片5aの切欠き部51aの両側縁511a、511aで挟圧され、その反発力によって各底板片5a、5b、5c、5dの先端部側が僅かに上方へ持ち上げられた状態で、底蓋部材5と切込み部34とが鉢植え植物1の鉢2を挟持することができる。
【0082】
そのため、第二底板片5bの先端部51bと第一底板片5aの切欠き部51aとの反発力によって、底蓋部材5と切込み部34とが鉢植え植物1の鉢2をより強い力で挟持することができ、配送時における鉢植え植物の配送箱10の上下動等に対して、鉢植え植物1の鉢2の位置ズレをより一層低減できる。その結果、収納された鉢植え植物1の傷付きをより一層回避できる。
【0083】
<本鉢植え植物の配送箱の第2実施例>
まず、本実施形態に係る鉢植え植物の配送箱の第2実施例の構造及びその機能、作用効果を、図10図18を用いて詳細に説明する。図10に、本実施形態に係る鉢植え植物の配送箱における第2実施例の斜視図を示す。図11に、図10に示すE-E断面図を示す。図12に、図11に示すF-F断面における配送箱下部の部分断面図を示す。図13に、図12に示すG矢視図を示す。図14に、図10に示す第2実施例の鉢植え植物の配送箱において、上蓋部材を開放した形態の斜視図を示す。図15に、図10に示す第2実施例の鉢植え植物の配送箱において、上方の側壁部材を側方へ展開した形態の斜視図を示す。図16に、図10に示す第2実施例の鉢植え植物の配送箱において、上方の側壁部材を背面側へ折り畳み、内正面板と外正面板とを連結した形態の斜視図を示す。図17に、図10に示す第2実施例の鉢植え植物の配送箱において、上方の側壁部材を背面側へ折り畳み、正面側から鉢植え植物を観賞できる形態の斜視図を示す。図18に、図10に示す第2実施例の鉢植え植物の配送箱の展開図を示す。ここでは、第1実施例の鉢植え植物の配送箱と共通する構成には、共通の符号を付して、原則としてその説明を割愛し、第2実施例の鉢植え植物の配送箱の特有の構成について、詳細に説明する。
【0084】
図10図18に示すように、第2実施例に係る鉢植え植物の配送箱10Bは、側壁部材3Bには、四角筒状に折り曲げた状態で内外で重なり合う外正面板3BS1及び内正面板3BS2と、外正面板3BS1と隣接する右側面板3BS3と、内正面板3BS2と隣接する左側面板3BS4と、右側面板3BS3と左側面板3BS4との間に形成される背面板3BS5とを備えている。また、外正面板3BS1及び内正面板3BS2が、収納する鉢植え植物1の鉢2の上端部21の高さで、上下方向に分割されている。
【0085】
そして、分割された上方の外正面板3BXS1を当該外正面板3BXS1と右側面板3BS3とに背面板3BS5の上端部に向けて傾斜状に形成された複数の折り目PP1、PP2、PP3を介して背面板3BS5の裏面側に折り曲げ、分割された上方の内正面板3BXS2を当該内正面板3BXS2と左側面板3BS4とに背面板3BS5の上端部に向けて傾斜状に形成された複数の折り目QQ1、QQ2、QQ3を介して背面板3BS5の裏面側に折り曲げて、折り曲げた外正面板3BXS1と内正面板3BXS2とが互いに連結可能に形成されている。
【0086】
ここで、分割された上方の外正面板3BXS1の側端部には、第1係止爪部35B11が形成され、分割された上方の内正面板3BXS2と左側面板3BS4との連結部には、上記第1係止爪部35B11と係合する第1溝状切欠き部35B12が形成されている。また、分割された下方の外正面板3BYS1の側端部には、第2係止爪部35B21が形成され、分割された下方の内正面板3BYS2と左側面板3BS4との連結部には、上記第2係止爪部35B21と係合する第2溝状切欠き部35B22が形成されている。
【0087】
また、分割された上方の内正面板3BXS2の上部コーナ部には、折り目QQ3を介して折り曲げられる第3係止爪部36B1が形成され、分割された上方の外正面板3BXS1と右側面板3BS3とには、上記第3係止爪部36B1が係合する第3溝状切欠き部36B2が折り目PP2に沿って形成されている。
【0088】
上記構成により、分割された下方の外正面板3BYS1及び内正面板3BYS2と右側面板3BS3と左側面板3BS4と背面板3BS5と底蓋部材5とによって鉢2を収容すると共に、分割された上方の外正面板3BXS1及び内正面板3BXS2と右側面板3BS3の斜め上部3BS31と左側面板3BS4の斜め上部3BS41とを背面板3BS5の裏面側に折り曲げることによって、三角形状に起立する左右の側面板3BS3、3BS4とその中央に起立する背面板3BS5とによって鉢植え植物1の後方を保護する衝立部3BTを形成することができる。
【0089】
この形態では、第2係止爪部35B21と第2溝状切欠き部35B22とを係合させて、分割された下方の外正面板3BYS1と内正面板3BYS2とを互いに連結する。また、第3係合爪部36B1と第3溝状切欠き部36B2とを係合させて、背面板3BS5の裏面側に折り曲げた外正面板3BXS1と内正面板3BXS2とを互いに連結する。そのため、鉢植え植物1を配送箱10BBに収納した状態で、衝立部3BTによって鉢植え植物1の傷付きを防止しながら、正面側を開放して鉢植え植物1の鑑賞性を高めることができる。
【0090】
また、第1係止爪部35B11と第1溝状切欠き部35B12とを係合して、分割された上方の外正面板3BXS1及び内正面板3BXS2を正面側で内外重ね合せて連結し、四角筒状に折り曲げた側壁部材3Bの上端部31Bを上蓋部材4Bによって閉じて、鉢植え植物1を収納した配送箱10Bを閉塞することができる。
【0091】
その結果、生産者が鉢植え植物1を直接配送する配送箱10Bを用いて、市場や販売店で鑑賞性を高めて展示でき、また、展示した鉢植え植物1を購入した消費者が、その配送箱10Bを用いて持ち帰ることができる。
【0092】
また、図11図12図17図18に示すように、本配送箱10Bにおいては、切込み部34Bは、右側面板3BS3と背面板3BS5と左側面板3BS4とが折り曲げられた角部33Bを挟んで2つ形成されている。また、内正面板3BS2には、収納する鉢植え植物1の鉢2の上端部21の高さで室内側へ折り曲げて、鉢2の上端部21に当接する押え板34BPが形成され、押え板34BPには、右側面板3BS3に形成したスリット溝34BP2と係合する係合突起34BP1が形成されている。
【0093】
上記構成により、側壁部材3Bの下端部32Bを封止した底蓋部材5Bと、室内側へ折り曲げた2つの切込み部34Bと、室内側へ折り曲げ右側面板3BS3のスリット溝34BP2と係合突起34BP1とが係合した押え板34BPとによって、鉢植え植物1の鉢2をより安定して挟持することができる。そのため、配送箱10Bが配送時に上下動したり左右に揺れても、収納された鉢植え植物1の位置ズレをより一層防止し、鉢植え植物1の傷付きを回避できる。
【0094】
また、図14図15図18に示すように、本配送箱10Bにおいては、上蓋部材4Bには、側壁部材3Bの上端部31Bから延設され、四角筒状に折り曲げられた側壁部材3Bの上端開口部31BKを覆う略四角形状の上蓋本体41Bと、当該上蓋本体41Bの両側端部に形成された係止爪部42Bとを備え、側壁部材3Bの上端部31Bには、上蓋本体41Bの両側部を下方から支持する一対の耳部44Bを備えている。
【0095】
また、耳部44Bの基端部には、係止爪部42Bが係合する溝状切欠き部44B1が形成されている。なお、耳部44Bは、分割された上方の外正面板3BXS1及び内正面板3BXS2と右側面板3BS3の斜め上部3BS31と左側面板3BS4の斜め上部3BS41とを背面板3BS5の裏面側に折り曲げる際に、内方へ折り曲げ可能に形成されている。
【0096】
この場合、上蓋本体41Bを側壁部材3Bの上端開口部31BKを覆って耳部44Bと当接させた状態で、係止爪部42を溝状切欠き部44B1と係合することによって、側壁部材3Bの上端開口部31BKに対する上蓋部材4Bの閉じ操作を簡単に行うことができる。また、上蓋本体41Bを上方へ引っ張ると、係止爪部42Bが係合した溝状切欠き部44B1から外れ、側壁部材3Bの上端開口部31BKに対する上蓋部材4Bの開き操作を簡単に行うことができる。そのため、配送箱10Bに対する鉢植え植物1の収納操作に手間が掛からず、コストの低減もできる。
【0097】
<本鉢植え植物の配送箱の第3実施例>
まず、本実施形態に係る鉢植え植物の配送箱の第3実施例の構造及びその機能、作用効果を、図19図29を用いて詳細に説明する。図19に、本実施形態に係る鉢植え植物の配送箱における第3実施例の斜視図を示す。図20に、図19に示すH-H断面図を示す。図21に、図20に示すI-I断面における配送箱下部の部分断面図を示す。図22に、図19に示す第3実施例の鉢植え植物の配送箱における背面側から見た斜視図を示す。図23に、図19に示す第3実施例の鉢植え植物の配送箱において、上方の側壁部材を背面側へ折り曲げた形態の斜視図を示す。図24に、図19に示す第3実施例の鉢植え植物の配送箱において、上方の側壁部材を背面側へ折り畳み、正面側から鉢植え植物を観賞できる形態の斜視図を示す。図25に、図24に示すJ矢視図を示す。図26に、図19に示す第3実施例の鉢植え植物の配送箱において、底蓋部材(又は上蓋部材)を閉じるときの斜視図を示す。図26(A)に、内蓋本体を閉じた状態の斜視図を示し、図26(B)に、外蓋本体を閉じる途中の斜視図を示す。図27に、図19に示す第3実施例の鉢植え植物の配送箱において、折り目部より上方の側壁部材を裏面側へ折り曲げた状態で、上方の側壁部材を側方へ展開した形態の正面側から見た斜視図を示す。図28に、図27に示す第3実施例の鉢植え植物の配送箱において、上方の側壁部材を背面側へ折り畳み、内正面板と外正面板とを連結した状態の正面側から見た斜視図を示す。図29に、図19に示す第3実施例の鉢植え植物の配送箱の展開図を示す。ここでは、第1実施例の鉢植え植物の配送箱と共通する構成には、共通の符号を付して、原則としてその説明を割愛し、第2実施例の鉢植え植物の配送箱の特有の構成について、詳細に説明する。
【0098】
図19図29に示すように、第3実施例に係る鉢植え植物の配送箱10Cは、側壁部材3Cには、六角筒状に折り曲げた状態で内外で重なり合う外正面板3CS1及び内正面板3CS2と、外正面板3CS1と隣接する右前側面板3CS3と、当該右前側面板3CS3と隣接する右後側面板3CS4と、内正面板3CS2と隣接する左前側面板3CS5と、当該左前側面板3CS5と隣接する左後側面板3CS6と、右後側面板3CS4と左後側面板3CS6との間に形成された背面板3CS7とを備えている。
【0099】
また、外正面板3CS1及び右前側面板3CS3と、内正面板3CS2及び左前側面板3CS5とが、収納する鉢植え植物1の鉢2の上端部21の高さで、上下方向に分割されている。そして、分割された上方の外正面板3CXS1及び右前側面板3CXS3を、上下方向に延びる角部33Cを介して右後側面板3CS4及び背面板3CS7の裏面側に折り曲げ、分割された上方の内正面板3CXS2及び左前側面板3CXS5を、上下方向に延びる角部33Cを介して左後側面板3CS6及び背面板3CS7の裏面側に折り曲げて、折り曲げた外正面板3CXS1と内正面板3CXS2とが互いに連結可能に形成されている。
【0100】
ここで、分割された上方の外正面板3CXS1の側端部には、第1係止爪部35C11と第2係止爪部35C21とが形成され、分割された上方の内正面板3CXS2と左前側面板3CS5との連結部には、上記第1係止爪部35C11と係合する第1溝状切欠き部35C12が形成され、上記第2係止爪部35C21が係合する第2溝状切欠き部35C22が形成されている。
【0101】
また、分割された上方の内正面板3CXS1の側端部には、第3係止爪部36C11と第4係止爪部36C21とが形成され、分割された上方の外正面板3CXS1と右前側面板3CS3との連結部には、上記第3係止爪部36C11と係合する第3溝状切欠き部36C12が形成され、上記第4係止爪部36C21が係合する第4溝状切欠き部36C22が形成されている。
【0102】
また、分割された下方の外正面板3CYS1の側端部には、第5係止爪部35C41が形成され、分割された下方の内正面板3CYS2と左前側面板3CS5との連結部には、上記第5係止爪部35C41と係合する第5溝状切欠き部35C42が形成されている。
【0103】
上記構成により、分割された下方の外正面板3CYS1及び内正面板3CYS2と右前側面板3CYS3と左前側面板3CYS5と右後側面板3CS4と左後側面板3CS6と背面板3CS7と底蓋部材5Cとによって鉢2を収容すると共に、分割された上方の外正面板3CXS1及び右前側面板3CXS3と内正面板3CXS2及び左前側面板3CXS5とを、右後側面板3CS4と背面板3CS7と左後側面板3CS6との裏面側に上下方向に延びる角部33Cを介して折り曲げることによって、起立する左右の後側面板3CS4、3CS6と背面板3CS7とによって鉢植え植物1の後方を保護する衝立部3CTを形成することができる。
【0104】
この形態では、第5係止爪部35C41と第5溝状切欠き部35C42とを係合させて、分割された下方の外正面板3BYS1と内正面板3BYS2とを互いに連結する。また、第3係止爪部36C11と第3溝状切欠き部36C12とを係合し、第4係止爪部36C21と第4溝状切欠き部36C22とを係合させて、背面板3CS7の裏面側に折り曲げた外正面板3CXS1と内正面板3CXS2とを互いに連結する。そのため、鉢植え植物1を配送箱10Cに収納した状態で、衝立部3CTによって鉢植え植物1の傷付きを防止しながら、正面側を開放して鉢植え植物1の鑑賞性を高めることができる。
【0105】
また、第1係止爪部35C11と第1溝状切欠き部35C12とを係合し、第2係止爪部35C21と第2溝状切欠き部35C22とを係合して、分割された上方の外正面板3CXS1及び内正面板3CXS2を正面側で内外重ね合せて連結し、六角筒状に折り曲げた側壁部材3Cの上端開口部31CKを上蓋部材4Cによって閉じて、鉢植え植物1を収納した配送箱10Cを閉塞することができる。その結果、生産者が鉢植え植物1を直接配送する配送箱10Cを用いて、市場や販売店で鑑賞性を高めて展示でき、購入した消費者がその配送箱10Cを用いて持ち帰ることができる。
【0106】
さらに、分割された上方の外正面板3CXS1及び右前側面板3CXS3と内正面板3CXS2及び左前側面板3CXS5とを、上下に延びる角部33Cを介して右後側面板3CS4と背面板3CS7と左後側面板3CS6との裏面側に折り曲げる構造であるので、配送箱10Cを上下方向で細長く形成でき、背の高い鉢植え植物1にも適用できる。
【0107】
また、図20図21図29に示すように、本配送箱10Cにおいては、切込み部34Cは、六角筒状に折り曲げられた側壁部材3Cの対角線上に位置する角部33Cを挟んで形成されていることが好ましい。ここで、正面右側の切込み部34C1は、分割された上方の外正面板3CXS1と右前側面板3CXS3との間の角部33Cを挟んで形成され、正面左側の切込み部34C2は、分割された上方の内正面板3CXS2と左前側面板3CXS5との間の角部33Cを挟んで形成されている。また、上方の内正面板3CXS2の側端部には、正面右側の切込み部34C1を室内側へ折り曲げたときに干渉しないように、逃げ部34CNが形成されている。
【0108】
上記構成により、室内側へ折り曲げられた切込み部34Cが鉢植え植物1の鉢2を押圧する位置を、鉢2の中心部2CLを通過する対称位置に配置することができる。そのため、側壁部材3Cの下端部32Cを封止した底蓋部材5Cと室内側へ折り曲げた切込み部34Cとによって鉢植え植物1の鉢2をより安定して挟持することができる。その結果、配送箱10Cが配送時に上下動したり左右に揺れても、収納された鉢植え植物1の位置ズレをより一層防止し、鉢植え植物1の傷付きを回避できる。
【0109】
また、図27図29に示すように、本配送箱10Cにおいては、側壁部材3Cには、収納した鉢植え植物1の鉢2の上端部21より上方の位置に水平状に折り目部311Pが形成され、当該折り目部311Pより上方の側壁部材3CXXを裏面側へ折り曲げた状態で、分割された上方の外正面板3CXS1及び右前側面板3CXS3を、上下方向に延びる角部33Cを介して右後側面板3CS4及び背面板3CS7の裏面側に折り曲げ、分割された上方の内正面板3CXS2及び左前側面板3CXS5を、上下方向に延びる角部33Cを介して左後側面板3CS6及び背面板3CS7の裏面側に折り曲げて、折り曲げた外正面板3CXS1と内正面板3CXS2とを互いに連結可能に形成されていることが好ましい。
【0110】
ここで、分割された上方の外正面板3CXS1の側端部には、折り目部311Pより下方の位置に第6係止爪部35C31が形成され、分割された上方の内正面板3CXS2と左前側面板3CS5との連結部には、上記第6係止爪部35C31と係合する第6溝状切欠き部35C32が形成されている。また、分割された上方の内正面板3CXS2の側端部には、折り目部311Pより下方の位置に第7係止爪部36C31が形成され、分割された上方の外正面板3CXS1と右前側面板3CS3との連結部には、上記第7係止爪部36C31と係合する第7溝状切欠き部36C32が形成されている。
【0111】
上記構成により、配送箱10Cの高さより低く起立する左右の後側面板3CS4、3CS6と背面板3CS7とによって鉢植え植物1の後方を保護する立ちの低い衝立部3CTLを形成することができる。この形態では、第7係止爪部36C31と第7溝状切欠き部36C32とを係合させて、背面板3CS7の裏面側に折り曲げた外正面板3CXS1と内正面板3CXS2とを互いに連結する。そのため、鉢植え植物1を立ちの低い衝立部3CTLによって鉢植え植物1の傷付きを防止しながら、裏面側からも鉢植え植物1の鑑賞性を高めることができる。
【0112】
なお、第6係止爪部35C31と第6溝状切欠き部35C32とを係合して、分割された上方の外正面板3CXS1及び内正面板3CXS2を正面側で内外重ね合せて連結し、四角筒状に折り曲げた側壁部材3Cの上端部31Cを上蓋部材4Cによって閉じて、鉢植え植物1を収納した配送箱10Cを閉塞することができる。
【0113】
また、本配送箱10Cにおいては、折り目部311Pが形成された背面板3CS7には、当該折り目部311Pより下方に延びる取手部3CS7Tが形成され、上方の側壁部材3CXXを裏面側へ折り曲げた状態で、取手部3CS7Tを上方へ突設可能に形成されていることが好ましい。
【0114】
この場合、配送箱10Cの高さより低く起立する左右の後側面板3CS4、3CS6と背面板3CS7とによって鉢植え植物1の後方を保護する衝立部3CTLを形成した上で、この衝立部3CTLの上端部3CTL1から上方に突出する取手部3CS7Tを介して鉢植え植物1を収納した配送箱10Cを把持し、簡単に移動させることができる。例えば、鉢植え植物1を展示する際、鉢植え植物1の傷付きを防止しながら、容易に配置換えさせることができる。
【0115】
また、図20図21図26図29に示すように、本配送箱10Cにおいては、底蓋部材5Cには、側壁部材3Cの下端部32Cから延設され、六角筒状に折り曲げられた側壁部材3Cの下端開口部32CKを二重に覆う内蓋本体51C及び外蓋本体52Cと、内蓋本体51Cの先端部に形成された突起爪部511Cと、外蓋本体52Cの先端部に形成された第1蓋係止爪部521Cとを備え、外蓋本体52Cと第1蓋係止爪部521Cとの連結部の幅方向中央部には、第1溝状蓋切欠き部522Cが形成されている。
【0116】
また、側壁部材3Cの下端部32Cには、第1蓋係止爪部521Cと係合可能に形成された第2溝状蓋切欠き部512Cと、突起爪部511Cが係合可能に形成された第3溝状蓋切欠き部523Cと、第1溝状蓋切欠き部522Cに係合可能に形成された第2蓋係止爪部53Cが形成されている。
【0117】
上記構成により、内蓋本体51Cを側壁部材3Cの下端開口部32CKを覆って突起爪部511Cを第3溝状蓋切欠き部523Cと係合させた状態で、内蓋本体51Cに外蓋本体52Cを重ね合せ、第1蓋係止爪部521Cを第2溝状蓋切欠き部512Cに係合させ、その後、第2蓋係止爪部53Cを第1溝状蓋切欠き部522Cに係合させることができる。これによって、六角筒状に折り曲げた側壁部材3Cの下端開口部32CKを内蓋本体51Cと外蓋本体52Cとが二重に被覆して封止することができる。
【0118】
そのため、配送箱10Cが雨水に濡れても、底蓋部材5Cの強度低下を回避して、側壁部材3Cの下端部32Cに対する底蓋部材5Cの必要な閉じ力を確保できる。その結果、底蓋部材5Cと室内側へ折り曲げた切込み部34Cとによって鉢植え植物1の鉢2をより確実に挟持して、収納された鉢植え植物1の位置ズレを防止し、鉢植え植物1の傷付きを回避できる。
【0119】
また、本配送箱10Cにおいては、上蓋部材4Cには、側壁部材3Cの上端部31Cから延設され、六角筒状に折り曲げられた側壁部材3Cの上端開口部31CKを二重に覆う内蓋本体41C及び外蓋本体42Cと、内蓋本体41Cの先端部に形成された突起爪部411Cと、外蓋本体42Cの先端部に形成された第1蓋係止爪部421Cとを備え、外蓋本体42Cと第1蓋係止爪部421Cとの連結部の幅方向中央部には、第1溝状蓋切欠き部422Cが形成されている。
【0120】
また、側壁部材3Cの上端部31Cには、第1蓋係止爪部421Cと係合可能に形成された第2溝状蓋切欠き部412Cと、突起爪部411Cが係合可能に形成された第3溝状蓋切欠き部423Cと、第1溝状蓋切欠き部422Cに係合可能に形成された第2蓋係止爪部43Cが形成されている。
【0121】
上記構成により、内蓋本体41Cを側壁部材3Cの上端開口部31CKを覆って突起爪部411Cを第3溝状蓋切欠き部423Cと係合させた状態で、内蓋本体41Cに外蓋本体42Cを重ね合せ、第1蓋係止爪部421Cを第2溝状蓋切欠き部412Cに係合させ、その後、第2蓋係止爪部43Cを第1溝状蓋切欠き部422Cに係合させることができる。これによって、六角筒状に折り曲げた側壁部材3Cの上端開口部31CKを内蓋本体41Cと外蓋本体42Cとが二重に被覆して封止することができる。
【0122】
<作用効果>
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る鉢植え植物の配送箱10、10B、10Cによれば、角筒状に折り曲げられた側壁部材3、3B、3Cと、当該側壁部材3、3B、3Cの上端部31、31B、31Cを開閉可能に形成された上蓋部材4、4B、4Cと、側壁部材3、3B、3Cの下端部32、32B、32Cを封止し鉢植え植物1の鉢2を載置可能に形成された底蓋部材5、5B、5Cとを備え、側壁部材3、3B、3Cには、角筒状に折り曲げられた角部33、33B、33Cを挟んで所定の長さで水平状に上下切断された複数の切込み部34、34B、34Cが形成され、当該切込み部34、34B、34Cは、室内側へ折り曲げ可能に形成され、室内側へ折り曲げた切込み部34、34B、34Cの下端部341が、鉢植え植物1の鉢2の上端部21を下方に押圧するように形成されているので、側壁部材3、3B、3Cの下端部32、32B、32Cを封止した底蓋部材5、5B、5Cと室内側へ折り曲げた切込み部34、34B、34Cとによって鉢植え植物1の鉢2を直接挟持することができる。そのため、配送箱10、10B、10Cが配送時に上下動したり左右に揺れても、収納された鉢植え植物1の位置ズレを防止し、鉢植え植物1の傷付きを回避できる。
【0123】
また、底蓋部材5、5B、5Cと室内側へ折り曲げた切込み部34、34B、34Cとによって鉢植え植物1の鉢2を直接挟持する構造であるので、鉢植え植物1の鉢2を挿入する挿入台等が不要となり、鉢植え植物1の配送箱10、10B、10Cをコンパクトに形成することができ、配送コストの低減や展示スペースの縮小化が可能となる。また、上蓋部材4、4B、4Cを開放して、鉢植え植物1を収納した後、側壁部材3、3B、3Cに形成した切込み部34、34B、34Cを室内側へ折り曲げるだけで、底蓋部材5、5B、5Cと切込み部34、34B、34Cとが鉢植え植物1の鉢2を直接挟持するので、ゴムバンド等も不要で、配送箱10、10B、10Cに対する鉢植え植物1の固定操作に手間が掛からず、コストの低減もできる。
【0124】
よって、本実施形態によれば、鉢植え植物1を傷付けずコンパクトで簡単に収納でき、コスト低減できる鉢植え植物の配送箱10、10B、10Cを提供することができる。
【0125】
また、本実施形態によれば、鉢植え植物1は、植栽されたポット2P毎、プラスチック製の薄シート6に外周が包囲された状態で、鉢2内に収納されているので、鉢植え植物1と配送箱10、10B、10Cの内壁10Nとが直接接触することを、プラスチック製の薄シート6によって回避できる。ここで、プラスチック製の薄シート6は、柔らかくて滑りやすいので、鉢植え植物1の花等が触れても傷付きにくい。そのため、鉢植え植物1を収納する配送箱10、10B、10Cをより一層コンパクトに形成することができる。
【0126】
また、鉢植え植物1は、植栽されたポット2P毎、プラスチック製の薄シート6に外周が包囲された状態で、鉢2内に収納されているので、鉢植え植物1の水分や湿気が、配送箱10、10B、10Cの室内に充満しにくく、配送箱10、10B、10Cが水分や湿気を含んで、強度低下することを抑制できる。特に、室内側へ折り曲げた切込み部34、34B、34Cと鉢植え植物1との間にプラスチック製の薄シート6が介在することによって、切込み部34、34B、34Cの強度低下を防止できる。そのため、側壁部材3、3B、3Cの下端部32、32B、32Cを封止した底蓋部材5、5B、5Cと室内側へ折り曲げた切込み部34、34B、34Cとによって鉢植え植物1の鉢2を直接挟持する際の挟持力を高めて、鉢植え植物1の傷付き防止の効果をより一層向上させることができる。
【0127】
また、本実施形態によれば、切込み部34、34Cには、上下の切断ライン341、342の間に1又は2以上の他の切断ライン343が略同一の長さで形成されているので、上下幅の異なる複数の切込み部34、34Cを形成することができる。そのため、側壁部材3、3Cの下端部32、32Cを封止した底蓋部材5、5Cと室内側へ折り曲げた切込み部34、34Cとによって異なる高さの鉢植え植物1の鉢2を安定して挟持することができる。その結果、配送箱10、10Cには、鉢2の高さが異なる鉢植え植物1を収納でき、汎用性を高めると共に、収納した鉢植え植物1の傷付きを回避できる。
【0128】
また、本実施形態によれば、底蓋部材5、5Bは、四角筒状に折り曲げられた側壁部材3、3Bの各下端部32、32Bからそれぞれ延設された4つの底板片5a、5b、5c、5dで形成され、側壁部材3、3Bの下端部32、32Bを封止した状態で、各底板片5a、5b、5c、5dが互いに上下方向で部分的に交差して支持し合うように形成されているので、各底板片5a、5b、5c、5dを互いに上下方向で部分的に交差して支持し合うように組み合わせるだけで、各底板片5a、5b、5c、5d同士を接着剤等によって接着させることなく、側壁部材3、3Bの下端部32、32Bを簡単に封止することができる。そのため、鉢植え植物1の配送箱10、10Bを簡単且つ短時間で組み立てることができ、製造コストをより低減できる。また、側壁部材3、3Bの下端部32、32Bを封止する際、底板片5a、5b、5c、5d同士を接着剤等によって接着させる必要がないので、使用しない配送箱10、10Bは、平板状に折り畳むことができる。そのため、平板状に折り畳んだ状態の配送箱10、10Bを積層して保管することができ、配送箱10、10Bの保管効率を高めることもできる。
【0129】
また、本実施形態によれば、底板片5a、5b、5c、5dは、先端中央部にコの字状の切欠き部51aが形成された略馬蹄形状の第一底板片5aと、先端部51bが切欠き部51aに下方から挿入され第一底板片5aの中央部52aに乗り上げる略二等辺台形状の第二底板片5bと、先端部51cが第二底板片5bの右側基端部52bに乗り上げると共に基端部52cが第一底板片5aの左側先端部53aを下方から支持する略直角台形状の第三底板片5cと、先端部51dが第二底板片5bの左側基端部53bに乗り上げると共に基端部52dが第一底板片5aの右側先端部54aを下方から支持する第四底板片5dとから成り、第二底板片5bの先端部51bの左右幅d1が、切欠き部51aの切欠き幅d2より僅かに大きく形成されているので、各底板片5a、5b、5c、5dを互いに上下方向で部分的に交差して支持し合うように組み合わせる際、第二底板片5bの先端部51bの両側縁511b、511bが第一底板片5aの切欠き部51aの両側縁511a、511aで挟圧され、その反発力によって各底板片5a、5b、5c、5dの先端部側が僅かに上方へ持ち上げられた状態で、底蓋部材5、5Bと切込み部34、34Bとが鉢植え植物1の鉢2を挟持することができる。そのため、第二底板片5bの先端部51bと第一底板片5aの切欠き部51aとの反発力によって、底蓋部材5、5Bと切込み部34、34Bとが鉢植え植物1の鉢2をより強い力で挟持することができ、配送時における鉢植え植物の配送箱10、10Bの上下動等に対して、鉢植え植物1の鉢2の位置ズレをより一層低減できる。その結果、収納された鉢植え植物1の傷付きをより一層回避できる。
【0130】
また、本実施形態によれば、切込み部34は、角筒状に折り曲げられた側壁部材3の対角線上に位置する角部33を挟んで形成されているので、室内側へ折り曲げられた切込み部34が鉢植え植物1の鉢2を押圧する位置を、鉢2の中心部2CLを通過する対称位置に配置することができる。そのため、側壁部材3の下端部32を封止した底蓋部材5と室内側へ折り曲げた切込み部34とによって鉢植え植物1の鉢2をより安定して挟持することができる。その結果、配送箱10が配送時に上下動したり左右に揺れても、収納された鉢植え植物1の位置ズレをより一層防止し、鉢植え植物1の傷付きを回避できる。
【0131】
また、本実施形態によれば、側壁部材3には、角筒状に折り曲げた状態で重なり合う側端部35、36を備え、当該側端部35、36同士が接合され、切込み部34は、接合された側端部35a、36aを含む位置で形成されているので、接合された側端部35a、36aを含む切込み部34aを室内側へ折り曲げることができ、切込み部34aの強度を高めることができる。そのため、強化された切込み部34aと底蓋部材5とによって、鉢植え植物1の鉢2をより一層強く挟持することができる。その結果、配送箱10が配送時に上下動等しても、収納された鉢植え植物1の位置ズレをより確実に防止し、鉢植え植物1の傷付きをより一層回避できる。
【0132】
また、本実施形態によれば、側壁部材3には、複数の切込み部34における上下の切断ライン341、342同士を水平状にそれぞれ繋ぐミシン目状の上下の切断ライン34M(341M、342M)が形成されているので、ミシン目状の切断ライン34M(341M、342M)を破断することによって、鉢植え植物1の鉢2より上方の側壁部材3(3X)を、鉢2を収納する下方の側壁部材3(3Y)から切り離して、収納された鉢植え植物1を配送箱10から簡単に取り出すことができる。
【0133】
また、本実施形態によれば、側壁部材3には、ミシン目状の上下の切断ライン34M(341M、342M)を上下方向に繋ぐ溝孔34Nが形成されているので、鉢植え植物1の鉢2より上方の側壁部材3(3X)を、鉢2を収納する下方の側壁部材3(3Y)から切り離す際、溝孔34Nを把持しミシン目状の上下の切断ライン34M(341M、342M)に沿って引っ張ることによって、ミシン目状の上下の切断ライン34M(341M、342M)を簡単に破断させることができる。そのため、収納された鉢植え植物1を配送箱10からより一層簡単に取り出すことができる。なお、上記溝孔34Nは、角筒状に折り曲げられた側壁部材3の角部33に設けることが好ましい。角部33であれば、溝孔34Nが小さくても爪等で引っ掻けて、ミシン目状の上下の切断ライン34M(341M、342M)を簡単に破断させることができる。
【0134】
また、本実施形態によれば、側壁部材3には、ミシン目状に切断された窓孔予定部37が形成されているので、生産者から消費者に直接配送する場合には、窓孔予定部37を閉じた状態で発送することができ、配送途中での鉢植え植物1の傷付きを防止できる。一方、市場や販売店で展示する場合には、ミシン目状に切断された窓孔予定部37を破断して、開放した窓孔37Pを形成し、収納した鉢植え植物1の様子を観察することができる。そのため、生産者が鉢植え植物1を直接配送する配送箱10を用いて、市場や販売店で展示でき、購入した消費者がその配送箱10を用いて持ち帰ることができる。
【0135】
また、本実施形態によれば、上蓋部材4には、側壁部材3の上端部31から延設され、四角筒状に折り曲げられた側壁部材3の上端開口部31Kを覆う上蓋本体41と、当該上蓋本体41の先端部に形成された蓋係止爪部42とを備え、上蓋本体41と蓋係止爪部42との連結部43の幅方向両端部には、溝状蓋切欠き部43Nが形成され、側壁部材3の上端部31には、上蓋本体41の両側部を下方から支持する一対の耳部44を備え、当該耳部44には、蓋係止爪部42の連結部43が通過可能に形成された凹部441と、溝状蓋切欠き部43Nと係合する凸部442とが形成されているので、上蓋本体41を側壁部材3の上端開口部31Kを覆って耳部44と当接させた状態で、蓋係止爪部42を耳部44の凹部441と側壁部材3との隙間に挿入することによって、上蓋本体41と係止爪部42との連結部43の幅方向両端部に形成された溝状蓋切欠き部43Nが、耳部44の凸部442と係合し、側壁部材3の上端開口部31Kに対する上蓋部材4の閉じ操作を簡単に行うことができる。また、蓋係止爪部42を上方へ引っ張ると、溝状蓋切欠き部43Nが係合した凸部442から外れ、側壁部材3の上端開口部31Kに対する上蓋部材4の開き操作を簡単に行うことができる。そのため、配送箱10に対する鉢植え植物1の収納操作に手間が掛からず、コストの低減もできる。
【0136】
また、本実施形態によれば、側壁部材3Bには、四角筒状に折り曲げた状態で内外で重なり合う外正面板3BS1及び内正面板3BS2と、外正面板3BS1と隣接する右側面板3BS3と、内正面板3BS2と隣接する左側面板3BS4と、右側面板3BS3と左側面板3BS4との間に形成される背面板3BS5とを備え、外正面板3BS1及び内正面板3BS2が、収納する鉢植え植物1の鉢2の上端部21の高さで、上下方向に分割され、分割された上方の外正面板3BXS1を当該外正面板3BXS1と右側面板3BS3とに背面板3BS5の上端部に向けて傾斜状に形成された複数の折り目PP1、PP2、PP3を介して背面板3BS5の裏面側に折り曲げ、分割された上方の内正面板3BXS2を当該内正面板3BXS2と左側面板3BS4とに背面板3BS5の上端部に向けて傾斜状に形成された複数の折り目QQ1、QQ2、QQ3を介して背面板3BS5の裏面側に折り曲げて、折り曲げた外正面板3BXS1と内正面板3BXS2とを互いに連結可能に形成したので、分割された下方の外正面板3BYS1及び内正面板3BYS2と右側面板3BS3と左側面板3BS4と背面板3BS5と底蓋部材5Bとによって鉢2を収容すると共に、分割された上方の外正面板3BXS1及び内正面板3BXS2と右側面板3BS3の斜め上部3BS31と左側面板3BS4の斜め上部3BS41とを背面板3BS5の裏面側に折り曲げることによって、三角形状に起立する左右の側面板3BS3、3BS4とその中央に起立する背面板3BS5とによって鉢植え植物1の後方を保護する衝立部3BTを形成することができる。そのため、鉢植え植物1を配送箱10BBに収納した状態で、衝立部3BTによって鉢植え植物1の傷付きを防止しながら、鉢植え植物1の鑑賞性を高めることができる。また、分割された上方の外正面板3BXS1及び内正面板3BXS2を正面側で内外重ね合せて連結し、四角筒状に折り曲げた側壁部材3Bの上端部31Bを上蓋部材4Bによって閉じて、鉢植え植物1を収納した配送箱10Bを閉塞することができる。その結果、生産者が鉢植え植物1を直接配送する配送箱10Bを用いて、市場や販売店で鑑賞性を高めて展示でき、購入した消費者がその配送箱10Bを用いて持ち帰ることができる。
【0137】
また、本実施形態によれば、切込み部34Bは、右側面板3BS3と背面板3BS5と左側面板3BS4とが折り曲げられた角部33Bを挟んで2つ形成され、内正面板3BS2には、収納する鉢植え植物1の鉢2の上端部21の高さで室内側へ折り曲げて、鉢2の上端部21に当接する押え板34BPが形成され、押え板34BPには、右側面板3BS3に形成したスリット溝34BP2と係合する係合突起34BP1が形成されているので、側壁部材3Bの下端部32Bを封止した底蓋部材5Bと、室内側へ折り曲げた2つの切込み部34Bと、室内側へ折り曲げ右側面板3BS3のスリット溝34BP2と係合突起34BP1とが係合した押え板34BPとによって、鉢植え植物1の鉢2をより安定して挟持することができる。そのため、配送箱10Bが配送時に上下動したり左右に揺れても、収納された鉢植え植物1の位置ズレをより一層防止し、鉢植え植物1の傷付きを回避できる。
【0138】
また、本実施形態によれば、側壁部材3Cには、六角筒状に折り曲げた状態で内外で重なり合う外正面板3CS1及び内正面板3CS2と、外正面板3CS1と隣接する右前側面板3CS3と、当該右前側面板3CS3と隣接する右後側面板3CS4と、内正面板3CS2と隣接する左前側面板3CS5と、当該左前側面板3CS5と隣接する左後側面板3CS6と、右後側面板3CS4と左後側面板3CS6との間に形成された背面板3CS7とを備え、外正面板3CS1及び右前側面板3CS3と、内正面板3CS2及び左前側面板3CS5とが、収納する鉢植え植物1の鉢2の上端部21の高さで、上下方向に分割され、また、分割された上方の外正面板3CXS1及び右前側面板3CXS3を、上下方向に延びる角部33Cを介して右後側面板3CS4及び背面板3CS7の裏面側に折り曲げ、分割された上方の内正面板3CXS2及び左前側面板3CXS5を、上下方向に延びる角部33Cを介して左後側面板3CS6及び背面板3CS7の裏面側に折り曲げて、折り曲げた外正面板3CXS1と内正面板3CXS2とを互いに連結可能に形成したので、分割された下方の外正面板3CYS1及び内正面板3CYS2と右前側面板3CYS3と左前側面板3CYS5と右後側面板3CS4と左後側面板3CS6と背面板3CS7と底蓋部材5Cとによって鉢2を収容すると共に、分割された上方の外正面板3CXS1及び右前側面板3CXS3と内正面板3CXS2及び左前側面板3CXS5とを、右後側面板3CS4と背面板3CS7と左後側面板3CS6との裏面側に上下方向に延びる角部33Cを介して折り曲げることによって、起立する左右の後側面板3CS4、3CS6と背面板3CS7とによって鉢植え植物1の後方を保護する衝立部3CTを形成することができる。そのため、鉢植え植物1を配送箱10Cに収納した状態で、衝立部3CTによって鉢植え植物1の傷付きを防止しながら、鉢植え植物1の鑑賞性を高めることができる。
【0139】
また、分割された上方の外正面板3CXS1及び内正面板3CXS2を正面側で内外重ね合せて連結し、六角筒状に折り曲げた側壁部材3Cの上端開口部31CKを上蓋部材4Cによって閉じて、鉢植え植物1を収納した配送箱10Cを閉塞することができる。その結果、生産者が鉢植え植物1を直接配送する配送箱10Cを用いて、市場や販売店で鑑賞性を高めて展示でき、購入した消費者がその配送箱10Cを用いて持ち帰ることができる。さらに、分割された上方の外正面板3CXS1及び右前側面板3CXS3と内正面板3CXS2及び左前側面板3CXS5とを、上下に延びる角部33Cを介して右後側面板3CS4と背面板3CS7と左後側面板3CS6との裏面側に折り曲げる構造であるので、配送箱10Cを上下方向で細長く形成でき、背の高い鉢植え植物1にも適用できる。
【0140】
また、本実施形態によれば、切込み部34Cは、六角筒状に折り曲げられた側壁部材3Cの対角線上に位置する角部33Cを挟んで形成されているので、室内側へ折り曲げられた切込み部34Cが鉢植え植物1の鉢2を押圧する位置を、鉢2の中心部2CLを通過する対称位置に配置することができる。そのため、側壁部材3Cの下端部32Cを封止した底蓋部材5Cと室内側へ折り曲げた切込み部34Cとによって鉢植え植物1の鉢2をより安定して挟持することができる。その結果、配送箱10Cが配送時に上下動したり左右に揺れても、収納された鉢植え植物1の位置ズレをより一層防止し、鉢植え植物1の傷付きを回避できる。
【0141】
また、本実施形態によれば、側壁部材3Cには、収納した鉢植え植物1の鉢2の上端部21より上方の位置に水平状に折り目部311Pが形成され、当該折り目部311Pより上方の側壁部材3CXXを裏面側へ折り曲げた状態で、分割された上方の外正面板3CXS1及び右前側面板3CXS3を、上下方向に延びる角部33Cを介して右後側面板3CS4及び背面板3CS7の裏面側に折り曲げ、分割された上方の内正面板3CXS2及び左前側面板3CXS5を、上下方向に延びる角部33Cを介して左後側面板3CS6及び背面板3CS7の裏面側に折り曲げて、折り曲げた外正面板3CXS1と内正面板3CXS2とを互いに連結可能に形成したので、配送箱10Cの高さより低く起立する左右の後側面板3CS4、3CS6と背面板3CS7とによって鉢植え植物1の後方を保護する立ちの低い衝立部3CTLを形成することができる。そのため、鉢植え植物1を立ちの低い衝立部3CTLによって鉢植え植物1の傷付きを防止しながら、裏面側からも鉢植え植物1の鑑賞性を高めることができる。
【0142】
また、本実施形態によれば、折り目部311Pが形成された背面板3CS7には、当該折り目部311Pより下方に延びる取手部3CS7Tが形成され、上方の側壁部材3CXXを裏面側へ折り曲げた状態で、取手部3CS7Tを上方へ突設可能に形成されているので、配送箱10Cの高さより低く起立する左右の後側面板3CS4、3CS6と背面板3CS7とによって鉢植え植物1の後方を保護する衝立部3CTLを形成した上で、この衝立部3CTLの上端部3CTL1から上方に突出する取手部3CS7Tを介して鉢植え植物1を収納した配送箱10Cを把持し、簡単に移動させることができる。例えば、鉢植え植物1を展示する際、鉢植え植物1の傷付きを防止しながら、容易に配置換えさせることができる。
【0143】
また、本実施形態によれば、底蓋部材5Cには、側壁部材3Cの下端部32Cから延設され、六角筒状に折り曲げられた側壁部材3Cの下端開口部32CKを二重に覆う内蓋本体51C及び外蓋本体52Cと、内蓋本体51Cの先端部に形成された突起爪部511Cと、外蓋本体52Cの先端部に形成された第1蓋係止爪部521Cとを備え、外蓋本体52Cと第1蓋係止爪部521Cとの連結部の幅方向中央部には、第1溝状蓋切欠き部522Cが形成され、また、側壁部材3Cの下端部32Cには、第1蓋係止爪部521Cと係合可能に形成された第2溝状蓋切欠き部512Cと、突起爪部511Cが係合可能に形成された第3溝状蓋切欠き部523Cと、第1溝状蓋切欠き部522Cに係合可能に形成された第2蓋係止爪部53Cが形成されているので、内蓋本体51Cを側壁部材3Cの下端開口部32CKを覆って突起爪部511Cを第3溝状蓋切欠き部523Cと係合させた状態で、内蓋本体51Cに外蓋本体52Cを重ね合せ、第1蓋係止爪部521Cを第2溝状蓋切欠き部512Cに係合させ、その後、第2蓋係止爪部53Cを第1溝状蓋切欠き部522Cに係合させる。これによって、六角筒状に折り曲げた側壁部材3Cの下端開口部32CKを内蓋本体51Cと外蓋本体52Cとが二重に被覆して封止することができる。そのため、配送箱10Cが雨水に濡れても、底蓋部材5Cの強度低下を回避して、側壁部材3Cの下端部32Cに対する底蓋部材5Cの必要な閉じ力を確保できる。その結果、底蓋部材5Cと室内側へ折り曲げた切込み部34Cとによって鉢植え植物1の鉢2をより確実に挟持して、収納された鉢植え植物1の位置ズレを防止し、鉢植え植物1の傷付きを回避できる。
【0144】
<変形例>
本実施形態は、本発明の要旨を変更しない範囲で変更することが可能なことは言うまでもない。例えば、本実施形態によれば、側壁部材3、3B、3Cには、角筒状に折り曲げられた角部33、33B、33Cを挟んで所定の長さで水平状に上下切断された複数の切込み部34、34B、34Cが形成され、当該切込み部34、34B、34Cは、室内側へ折り曲げ可能に形成され、室内側へ折り曲げた切込み部34、34B、34Cの下端部341が、鉢植え植物1の鉢2の上端部21を下方に押圧するように形成されている。ここでは、切込み部34、34B、34Cは、側壁部材3、3B、3Cと一体に形成されているが、必ずしも一体に形成されている必要はなく、別体に形成されていても良い。
【産業上の利用可能性】
【0145】
本発明は、胡蝶蘭等の鉢植え植物を傷付けずコンパクトに収納でき、低コストで製造し配送できる鉢植え植物の配送箱として利用できる。
【符号の説明】
【0146】
1 鉢植え植物
1K 胡蝶蘭
2 鉢
2P ポット
3、3B、3C 側壁部材
3BS1、3CS1 外正面板
3BS2、3CS2 内正面板
3BS3 右側面板
3BS4 左側面板
3BS5、3CS7 背面板
3CS3 右前側面板
3CS4 右後側面板
3CS5 左前側面板
3CS6 左後側面板
3CS7T 取手部
4、4B、4C 上蓋部材
4a、4b、4c、4e 底板片
5、5B、5C 底蓋部材
6 薄シート
10、10B、10C 鉢植え植物の配送箱
21 上端部
31、31B、31C 上端部
31K 上端開口部
32、32B、32C 下端部
32CK 下端開口部
33、33B、33C 角部
34、34B、34C 切込み部
34BP 押え板
34BP1 係合突起
34BP2 スリット溝
34M 切断ライン
34N 溝孔
35、36 側端部
37 窓孔予定部
37P 窓孔
41 上蓋本体
42 蓋係止爪部
43 連結部
43N 溝状蓋切欠き部
44 耳部
51C 内蓋本体
52C 外蓋本体
53C 第2蓋係止爪部
311P 折り目部
341 下端部
341、342、343 切断ライン
441 凹部
442 凸部
511C 突起爪部
512C 第2溝状蓋切欠き部
521C 第1蓋係止爪部
522C 第1溝状蓋切欠き部
523C 第3溝状蓋切欠き部
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