(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022093860
(43)【公開日】2022-06-24
(54)【発明の名称】2.5次元体感方法、2.5次元体感プログラム及び2.5次元体感システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220617BHJP
G06Q 50/12 20120101ALI20220617BHJP
【FI】
G06Q30/02 470
G06Q50/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020206573
(22)【出願日】2020-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】515085288
【氏名又は名称】株式会社クラウドエヌ
(74)【代理人】
【識別番号】230116539
【弁護士】
【氏名又は名称】恩田 俊明
(72)【発明者】
【氏名】西山 喜洋
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
5L049CC24
(57)【要約】
【課題】飲食店への来店客とスタッフとのコミュニケーション促進手段として知られる従来技術は、いずれも金銭的な負担軽減や「おまけ」などの景品提供といった観点から来店を促す手段であって、遠方在住者や、急な予定でどうしても来店が叶わない利用希望者にとりコミュニケーション深化のきっかけになっているとは言い難い。
【課題を解決するための手段】ユーザと紐づけられたアバター画像を生成するアバター生成ステップと、所定の飲食店へのチェックイン要求を、実店舗への来店チェックインか仮想来店チェックインかを識別したうえで取得するチェックイン取得ステップと、取得したチェックイン要求に応じて複数のアバター画像を一の画面上に表示させるアバター表示ステップと、をコンピュータにて実行する2.5次元体感方法などを提案する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザと紐づけられたアバター画像を生成するアバター生成ステップと、
所定の飲食店へのチェックイン要求を、実店舗への来店チェックインか仮想来店チェックインかを識別したうえで取得するチェックイン取得ステップと、
取得したチェックイン要求に応じて複数のアバター画像を一の画面上に表示させるアバター表示ステップと、
をコンピュータにて実行する2.5次元体感方法。
【請求項2】
アバター生成ステップは、所定の属性と対応するアバター画像を生成する属性依存生成サブステップを有する請求項1に記載の2.5次元体感方法。
【請求項3】
所定のイベントに関する選択をユーザ単位又は属性単位で識別されるユーザを指定して受け付けるイベント選択受付ステップと、
選択されたイベントに応じてアバター画像の表示を制御する表示制御ステップと、
をさらに有する請求項1又は2に記載の2.5次元体感方法。
【請求項4】
アバター表示ステップは、実店舗への来店チェックインと仮想来店チェックインの識別結果を、アバター画像を表示するか否かの判断以外に用いることを特徴とする請求項1から3のいずれか一に記載の2.5次元体感方法。
【請求項5】
チェックイン済みのユーザからメッセージを取得するメッセージ取得ステップと、
取得したメッセージを、実店舗への来店チェックインか仮想来店チェックインかにかかわらずアバター画像の表示画面と同一画面上に時系列順に表示するメッセージ表示ステップと、
を有する請求項1から4のいずれか一に記載の2.5次元体感方法。
【請求項6】
ユーザと紐づけられたアバター画像を生成するアバター生成ステップと、
所定の飲食店へのチェックイン要求を、実店舗への来店チェックインか仮想来店チェックインかを識別したうえで取得するチェックイン取得ステップと、
取得したチェックイン要求に応じて複数のアバター画像を一の画面上に表示させるアバター表示ステップと、
をコンピュータに実行させる2.5次元体感プログラム。
【請求項7】
ユーザと紐づけられたアバター画像を生成するアバター生成部と、
所定の飲食店へのチェックイン要求を、実店舗への来店チェックインか仮想来店チェックインかを識別したうえで取得するチェックイン取得部と、
取得したチェックイン要求に応じて複数のアバター画像を一の画面上に表示させるアバター表示部と、
を有する2.5次元体感システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食店内と店外とがリアルタイムに交流し楽しむための方法やプログラム、システムなどに関する。
【背景技術】
【0002】
接客サービスを伴う飲食店においては、飲食の機会を通じた会話を楽しむことに主眼が置かれることがあり、当該飲食店が社交の場として機能することも少なくない。そこでは、特定又は不特定の店舗スタッフや他の利用者とのコミュニケーションの機会提供や、共通の話題作りとしてのイベント企画など、様々な試みが日々重ねられている。
【0003】
いっぽうで、実店舗でのサービス提供の機会をオンラインにより提供する、いわゆるO2O(Online to Offline)のような試みも多くなされており、例えば、店頭で提示することで商品の割引購入が可能になるオンラインクーポンのサービス提供者による配布などが様々な業態において用いられている。
【0004】
そしてこのようなサービス提供者とサービス利用者との間の交流を、技術的な手段を用いて促進したりしようとすることが従来から行われてきた。例えば特許文献1には、アクセスポイント周辺に来た利用者にオンラインクーポン等の特典を付与するための技術が開示されており、利用者の来店及び店舗でのコミュニケーションの活性化を促す効果を提供している。
【0005】
また特許文献2には異なる観点として、ライブ映像を配信中に、オンライン上にて視聴しているユーザに対し商品を販売するための技術が開示されている。同技術においては、視聴ユーザが配信者に対してメッセージを送信することができ、コミュニケーションを通じたサービス提供を受けることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2015-056874号
【特許文献2】特開2017-199352号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載されている先行技術は、金銭的な負担軽減や「おまけ」などの景品提供といった観点から来店を促す手段であって、遠方在住者や、急な予定でどうしても来店が叶わない利用希望者にとりコミュニケーション深化のきっかけになっているとは言い難い。
【0008】
また特許文献2に記載の先行技術も、コミュニケーションがオンライン上で完結してしまうため、そもそも来店動機を促進するような技術として機能するとは言い難い。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上のような課題を解決すべく、本発明は、ユーザと紐づけられたアバター画像を生成するアバター生成ステップと、所定の飲食店へのチェックイン要求を、実店舗への来店チェックインか仮想来店チェックインかを識別したうえで取得するチェックイン取得ステップと、取得したチェックイン要求に応じて複数のアバター画像を一の画面上に表示させるアバター表示ステップと、をコンピュータにて実行する2.5次元体感方法などを提案する。
【0010】
また、上記方法に関連して、アバター生成ステップは、所定の属性と対応するアバター画像を生成する属性依存生成サブステップを有する2.5次元体感方法なども提案する。
【0011】
さらに上記各方法に関連して、所定のイベントに関する選択をユーザ単位又は属性単位で識別されるユーザを指定して受け付けるイベント選択受付ステップと、選択されたイベントに応じてアバター画像の表示を制御する表示制御ステップと、を有する2.5次元体感方法なども提案する。
【0012】
また上記各方法に関連して、アバター表示ステップは、実店舗への来店チェックインと仮想来店チェックインの識別結果を、アバター画像を表示するか否かの判断以外に用いることを特徴とする2.5次元体感方法なども提案する。
【0013】
加えて上記各方法に関連して、チェックイン済みのユーザからメッセージを取得するメッセージ取得ステップと、取得したメッセージを、実店舗への来店チェックインか仮想来店チェックインかにかかわらずアバター画像の表示画面と同一画面上に時系列順に表示するメッセージ表示ステップと、を有する2.5次元体感方法なども提案する。
【0014】
そして同時に、上記各方法を実現するための2.5次元体感プログラムや、2.5次元体感システムなどに関する発明も提案する。
【発明の効果】
【0015】
主に以上のような構成をとる本発明によって、来店が難しいユーザ、来店したユーザ、そして店舗スタッフがオンライン及びオフライン上でおこなうコミュニケーションが相互に関連し、当該店舗でのサービス提供を有機的に盛り上げることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】実施形態1の2.5次元体感システムの機能ブロックの一例を示す図
【
図3】実施形態1の2.5次元体感システムにおいてアバター生成の一例を示すための図
【
図4】実施形態1の2.5次元体感システムにおけるアバター画像表示の一例を示すための図
【
図5】実施形態1の2.5次元体感システムにおけるアバター画像表示の別の一例を示すための図
【
図6】実施形態1の2.5次元体感システムの機能的な各構成をまとめて一のハードウェアとして実現した際の構成の一例を示す概略図
【
図7】実施形態1の2.5次元体感システムにおける処理の流れの一例を示す図
【
図8】実施形態2の2.5次元体感システムの機能ブロックの一例を示す図
【
図9】実施形態2の2.5次元体感システムにおける処理の流れの一例を示す図
【
図10】実施形態3の2.5次元体感システムの機能ブロックの一例を示す図
【
図11】実施形態3の2.5次元体感システムにおける表示制御の一例を示す図
【
図12】実施形態3の2.5次元体感システムにおける処理の流れの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
まず
図1を示す。
図1は本発明の概要を示す図である。本図に示されているように、本発明は、主に飲食店が管理するサーバ0131と、当該飲食店に来店するユーザの管理する端末0101、飲食店のスタッフの端末0111及び飲食店が管理するタブレット等の端末0121、そして飲食店外にいるユーザの管理する端末0102との間でネットワークを介して情報の送受信を行い、その結果を各端末のディスプレイや、飲食店内に設けられたディスプレイ0112上に表示することによって実現する。なお、飲食店が管理するサーバは一の場合であるほか、ユーザデータサーバ、決済データサーバ、商品メニューデータサーバなど情報の性質に応じた複数のサーバにより構成される場合もあり、その場合には、サーバ間で情報の送受信を行うように構成される。
【0018】
以下、本発明の各実施形態について図面とともに説明する。まず実施形態と請求項の相互の関係は、以下のとおりである。まず、実施形態1は主に請求項1、4、5、6、7などに対応する。実施形態2は主に請求項2などに対応する。実施形態3は主に請求項3などに対応する。
【0019】
なお、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではなく、技術常識に従って特許請求の範囲の各請求項に記載の技術的思想を有し、その要旨を逸脱しない範囲内において、様々な態様で実施し得る。
【0020】
<<実施形態1>>
<概要>
図2は、本実施形態の2.5次元体感システムの機能ブロックの一例を示す図である。同図において示されているように、本実施形態の「2.5次元体感システム」0200は、「アバター生成部」0201と、「チェックイン取得部」0202と、「アバター表示部」0203と、を有する。
【0021】
なお、以下で詳しく説明する2.5次元体感システムは、その機能の一又は複数の機能を複数の装置にて実現するようにも構成され得るものであって、その機能ブロックは、いずれもハードウェア又はソフトウェアとして実現され得る。コンピュータを用いるものを例にすれば、CPUやメインメモリ、GPU、TPU、画像メモリ、バス、二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ)、キーボードやマイク、タッチパネル、タッチパネルをタッチするための電子ペンなどの各種入力デバイス、スピーカ、ディスプレイその他各種出力デバイス、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインターフェース、通信用インターフェース、それらのハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他のアプリケーションプログラムなどが挙げられる。
【0022】
そしてメインメモリ上に展開したプログラムに従った演算処理によって、入力デバイスやその他インターフェースなどから入力されメモリやハードウェア上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、前記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が作成されたりする。ここで、上記プログラムは、モジュール化された複数のプログラムとして実現されてもよいし、2以上のプログラムをクラウドコンピューティングその他の方法により組み合わせて一のプログラムとして実現されても良い。
【0023】
<機能的構成>
「アバター生成部」0201は、ユーザと紐づけられたアバター画像を生成するように構成されている。ここでいうユーザとは、本システムを利用するユーザであって、例えば、飲食店に来店する来店利用客、飲食店のスタッフそして飲食店やスタッフに関心がある非来店利用客などの属性を有する者がユーザとして考えられる。
【0024】
アバター画像の生成は、当該アバター画像と紐づけられるユーザ自身がデコレーションすることができるものとし、具体的には、自らが管理する端末の操作を通じてアバター画像を生成する。ただ、一から生成するのではなく、モデルとなる一又は複数のアバター画像や当該モデルをデコレーションするための複数の素材画像を用意し、ユーザからそれぞれのアバター画像や素材画像の選択を受け付けることによりアバター画像を生成することが考えられる。
【0025】
ここで、生成されたアバターは、当該ユーザを識別するための情報であるユーザ識別情報とともに、サーバ上にて記録される。ユーザ識別情報の一例としては、ユーザID、氏名、性別、年齢、誕生日、出身地、好きな芸能人、好きな食べ物、趣味、特技、職業、勤務先、役職、勤務形態、勤務時間などのユーザ個人を識別するための情報のほか、利用頻度の高い飲食店やこれまで飲食店で消費した商品又はサービスの購入履歴、飲食店から付与されるランキングやポイントその他の特典内容、評価など飲食店利用に伴いユーザに付与される情報も含まれるように構成することができる。また、飲食店に来店する来店利用客なのか、飲食店のスタッフなのか、そして飲食店やスタッフに関心がある非来店利用客ないし見込み客などのように、飲食店との関係性を示す属性についてもユーザ識別情報に含めることが可能である。
【0026】
ここで述べたユーザ識別情報は、ユーザ自らからの入力を受け付けてもよいし、外部サーバからAPI連携その他の技術的手段を用いてネットワークを介するなどの方法により取得してもよい。また、飲食店による入力を受け付けるように構成されてもよい。例えば、他のSNSサービスなどで用いているユーザの顔写真の画像データを取得し、当該顔写真の画像データをユーザのアバター画像の顔部分に採用といった具合である。
【0027】
また、アバター画像は、一度生成した後に修正したりデコレーションを変更したりといった変更処理も行うことができる。例えば、生成済みのアバター画像に用いることができる素材画像を事後的に購入することで、当該購入した素材画像を既存のアバター画像に追加するデコレーションを施すことも可能である。
【0028】
さらに、実生活においてロングヘアをショートヘアにしたユーザが、アバター画像の髪形もショートヘアに変更するといった処理が可能である。さらには、特定のイベント(例えば、誕生日やハロウィンなど)にのみ関連した衣装等でデコレーションしたアバター画像を生成し、当該イベント開催の際などに限定して用いることも可能である。このようなアバター画像の変更処理の履歴に関する情報もまた、ユーザ識別情報として記録することが可能である。
【0029】
ここで
図3を示す。同図は、本実施形態の2.5次元体感システムにおいてアバター生成のための処理の一例を説明するための図である。同図には、女性を対象としたアバター画像生成の一例が示されており、顔つき(フェイス)やヘアー(髪型)、トップス、ボトムス、のほか、靴や髪飾りなどのアクセサリ、などが選択され、一のアバター画像を形成するように生成されている様子が示されている。
【0030】
ここまで説明してきたアバターやユーザ識別情報は、いずれも生成されたのちにサーバにて記録され、保持されることになる。サーバは通常飲食店が管理することになり、来店ユーザや非来店ユーザの飲食店の利用状況を把握したり、スタッフの勤務状況を把握したりすることや、ユーザ間の交流を通じた特定のユーザやアイテム等の人気を把握分析したりすることが可能になる。
【0031】
なお、生成されたアバター画像は、ユーザ識別情報とともに、そのすべて又は一部が表示可能に出力される。より詳しくは、アバター画像については、生成された内容にて出力表示され、ユーザ識別情報は、その一部が表示可能に出力される。具体的に言えば、ユーザ識別情報のうち、ユーザIDや性別、誕生日、出身地、好きな芸能人、好きな食べ物、趣味、特技、職業、勤務先、役職などのような情報は表示対象とすることができ、氏名や飲食店で消費した商品又はサービスの購入履歴などのようにユーザ個人を特定する情報やセンシティブな情報については表示対象に含めないようにすることができる。
【0032】
具体的な表示出力の態様としては、ユーザが自身の管理するスマホやタブレット等の端末を操作し、アバター画像等が保持されているサーバと情報を送受信することで、自身のアバター画像やユーザ識別情報を自身の端末上に表示させるようにする方法が考えられる。ウェブブラウザ上で表示させる方法であっても、本発明のために用いられるアプリケーションプログラムを用いて表示させる方法であってもよい。ユーザに対しログインなどの処理を通じて自身の端末上で自身のアバターやユーザ識別情報を閲覧できるように構成することで、ユーザに対しユーザ識別情報の最新性を担保させるよう促したり、飲食店利用状況を視認可能にさせたりすることにより、本発明を通じてユーザ間のコミュニケーションをより質の高いものにするよう促すことができるようになる。
【0033】
「チェックイン取得部」0202は、所定の飲食店へのチェックイン要求を、実店舗への来店チェックインか仮想来店チェックインかを識別したうえで取得する。ここでいうチェックイン要求とは、所定の飲食店を何らかのかたちで利用しようとする意思を提示するための処理を意味している。チェックイン要求が実店舗への来店チェックインについて行われるのは、ユーザが実店舗に来店しようとするタイミングであり、仮想来店チェックインについて行われるのは、ネットワーク上に電子的に設けられた特定の仮想飲食店に来店しようとするタイミングである。
【0034】
ここで、仮想来店に関して説明をする。本発明においては、所定の飲食店が仮想空間において、自らの実店舗の利用状況と連動した情報提供を行うことを可能とする仮想店舗をも運営することが可能である。仮想店舗は、所定のウェブページを指定したり、所定のアプリケーションプログラムを実行したりすることで閲覧可能に構成されている。
【0035】
仮想店舗では、ユーザは自らの管理する端末を操作し、店舗スタッフや他のユーザとの間でチャットなどのメッセージ機能を介してコミュニケーションを図ったり、アイテムを贈りあったりして交流をすることができる。
【0036】
チェックイン要求は、実店舗か仮想店舗かのいずれにおいても、所定の飲食店を特定してなされることを特徴とする。すなわちユーザは、どの店舗に対するチェックイン要求であるかを特定したうえでさらに、実店舗への来店チェックインか仮想来店チェックインかを選択して要求を出力することになる。具体的には、特定の店舗と紐づけられているウェブページを選択したり、アプリケーション上に展開される当該特定の店舗のページを選択したりし、さらに重ねて当該店舗の実店舗への来店か、仮想来店かも選択し、当該選択結果を店舗が管理するサーバに対して送信し、当該送信結果を受信することでチェックイン要求を取得する。
【0037】
なお、具体的なチェックイン要求取得の態様は上述のようなもののほか様々であってよい。例えば、実店舗内にコードリーダ等の読取端末を備え、ユーザが来店時に自らの端末上にコードを表示させ読取端末にコードを読み取らせることで取得した来店に関する情報を実店舗へのチェックイン要求として取得するような構成も考えられる。当該構成を採用することで、来店時にユーザに対し逐一サービスログインなどの処理対応をさせることなく、スムーズにチェックイン要求をすることが可能となる。
【0038】
以上のような態様により特定のユーザと紐づけられてチェックイン要求を取得すると、当該ユーザは、所定の飲食店につきチェックイン済みとして扱うこととなる。実店舗への来店チェックイン済みのユーザであれば接客対象のユーザとして扱い、仮想来店チェックイン済みのユーザであれば、仮想店舗における接客対象のユーザとして扱うのが通常である。但し、別途スタッフとしてのチェックイン要求を受け付けたり、属性情報によりスタッフと識別可能であったりするような場合には、当該チェックイン済みのユーザは、当該店舗に「出勤」したスタッフユーザとして扱う。所定の店舗と紐づけてリアルとバーチャル双方の観点からチェックイン済みとの情報を取得することにより、店舗運営者としては、当該店舗の稼働状況や人気度合いないし注目度合いを効率的に把握することができる。
【0039】
「アバター表示部」0203は、取得したチェックイン要求に応じて複数のアバター画像を一の画面上に表示させるように構成されている。チェックイン要求を取得してチェックイン済みとなったユーザについて、当該ユーザと紐づけて生成されたアバター画像を表示することとなる。ここでは、少なくともスタッフと利用客としてのユーザとがともに表示されることが必要となるので、アバター表示部においては、複数のアバター画像が表示されることが必要となる。
【0040】
ところで、一のユーザのみがチェックインした場合については、アバター表示部としての機能とは別の機能として例えば、ユーザの端末にのみ当該アバター画像を表示出力するように構成してもよいし、他のユーザのチェックイン要求を取得するまで、アバター画像の表示を行わないような構成にしてもよい。いずれにしても、当該構成を採用することで、アバター画像を介して、飲食店スタッフと、利用客としてのユーザとが、同じ画面上に表示されることとなり、画面上であたかも実際にユーザが接客を受けているかのような雰囲気を演出することが可能になる。
【0041】
複数のアバター画像を表示する具体的な態様としては、各ユーザの管理する端末のディスプレイ上に複数のアバター画像を表示する場合のほか、実店舗に設置されたディスプレイに対して表示出力するような構成も考えられる。このような構成を採用すれば、実店舗に大型のディスプレイを設置して店舗内で複数のアバター画像を表示出力することができ、実店舗内のユーザに対し、臨場感をもってアバター画像の表示されたバーチャル空間との一体感を共有することが可能になる。
【0042】
なお、アバター表示部は、複数のアバター画像を一の画面上に表示させるように構成されているところ、これは、一の画面上に複数のアバター画像をまとめて表示させることにより、画面上の臨場感を持たせやすくするためである。そのため、複数のディスプレイを用いてマルチディスプレイとして活用するような態様も、本実施形態における「一の画面上に表示させる」場合に含まれる。マルチディスプレイとして活用する場合には、いったん一の画面上で表示させるべき出力内容を、複数のディスプレイを用いて表示させるにすぎないからである。当該構成をも採用可能とすることにより、上述したような大型のディスプレイを用意できない場合でも、臨場感のあるユーザ間のコミュニケーションを可能にすることができる。
【0043】
さらにここで、チェックイン済みのユーザからメッセージを取得して、取得したメッセージを、実店舗への来店チェックインか仮想来店チェックインかにかかわらずアバター画像の表示画面と同一画面上に時系列順に表示するような構成採用することも考えられる。
【0044】
まず、メッセージはチェックイン済みのユーザからのみ取得することを要する。本発明がコミュニケーションの促進を目的とするものであって、まずチェックインというコミュニケーションをとることに対する積極的な意思表示のための処理を行うことが必要である。そして、チェックインを要することにより、メッセージはいずれも特定のユーザと紐づけられ他のユーザがメッセージとユーザとの関連性を把握可能となる。当該構成を採用しておくことにより、発信者が不明のメッセージを取り扱うことを避けることができ、誹謗中傷や確認不明の流言飛語などの発信などコミュニケーションの健全性を損なうおそれのあるメッセージが万一発せられた場合でも、速やかに規制のための措置を講ずることができる。
【0045】
なお、取得したメッセージは、チェックインの仕方にかかわらず、いわゆるタイムラインの形式で表示されることが考えられる。2次元の仮想来店と、3次元の実店舗への来店を区別することなく、リアルタイムで発せられたメッセージを時系列順に表示することにより、本発明を通じて飲食店を媒介とした2.5次元でのコミュニケーションをチェックイン済みのユーザに体感させ、場を盛り上げることができるようになる。
【0046】
なおメッセージの取得方法は様々であって、まずはユーザ自身がそれぞれ管理する端末を通じて文字入力を行い、当該入力内容の送信を受け付けメッセージとして取得する方法が考えられる。実店舗へ来店しているユーザや、飲食店スタッフのユーザは、飲食店が管理するタブレット等の端末を操作して文字入力してもよい。また、マイクなどを通じて音声入力を行ってメッセージとして取得し、当該取得内容の音声データを解析して文字情報としたうえでアバター画像の表示画面と同一画面上に時系列順に表示する構成も考えられる。いずれにしても、アバター画像の表示画面と同一画面上に時系列順に表示することで、あたかもアバター画像が話しをしているような印象を表示画面を見ているユーザは感じることができ、よりリアリティをもったコミュニケーションをとることができる。
【0047】
ここで
図4及び
図5を示す。同各図はいずれも、本実施形態の2.5次元体感システムにおけるアバター画像表示の一例を示す図である。まず
図4には、スマートフォンのように、縦長の画面上に、3人のアバター画像が表示されており、同一画面中に「今日は行けない代わりにお店の皆さんで楽しんでくださいな!」「AAさんこれないんだー残念!」などのメッセージが表示されている。これは、仮想来店したAAというユーザによるメッセージと、店舗にいるスタッフユーザによるメッセージがともに同一画面上に表示されていることを示しており、これらの表示画面は、例えば実店舗に来店しているユーザであっても、見ることが可能である。
【0048】
また
図5は、アバターカフェ@渋谷Baseという名称の飲食店と紐づいて表示されるアバター画像の様子を示した図である。一の画面中には3ないし4人のアバター画像がその一部又は全部について表示されており、
図4に示されたのと同様、「ほんとめでたい。誕生日おめでとう!」「え、まじで?今日ってイベントだったっけ」「遅くなるけど遊び行きますー」などのメッセージがともに表示されている。同図の場合は、一度に表示すべきアバター画像が多く、
図4において示したような縦長の画面上には、すべてのアバター画像が入り切っていない様子が見て取れる。このような場合にはまず、画面をスワイプする操作を受け付けることによって表示画面を上下左右に遷移させて、すべてのアバター画像を表示させることが可能である。ただそのほかにも、表示対象となるアバター画像の数に応じて、例えば、すべてのアバター画像がその全体を表示可能となるようにアバター画像の大きさを小さくしたり、アバター画像の配置位置を変更するよう表示態様を変更したり、表示を制御したりすることなどによって、その全体を表示可能に出力することが考えられる。もちろん、スクロール等の操作を不要とするため、複数のディスプレイをマルチディスプレイとして用いるための表示制御を行ってももちろんよい。
【0049】
アバター画像の表示は取得したチェックインに応じて行われるが、ここでいう「取得したチェックインに応じて」とは、チェックインの内容に応じて異なる表示態様にて表示出力が行われるような場合が考えられる。すなわち、実店舗への来店チェックインと、仮想ライン店チェックインとで、表示態様を変化させるといった具合である。より具体的には、チェックインの内容が異なることが視認可能なように、例えばチェックインの内容ごとに異なる色彩でアバター画像を表示するとか、異なるアイコンを付加表示するとか、明度や輝度を変えて表示するとかいったことなどが考えられる。
【0050】
さらにここでは、チェックインとともに属性情報をも取得したうえでそれらの情報を用いたアバター画像表示をすることも考えられる。具体的には、飲食店の来店頻度や直近の来店日からの近接度合い(直近で来店したか否か)、飲食店での利用金額の多寡、スタッフや他のユーザからの評判又は評価など、店舗利用に関する属性情報を用いて異なる態様にてアバター画像を表示するようなことがあってもよい。そして具体的な表示の態様については、従前説明したような方法に準拠することが考えられる。当該構成をとることにより、いわば「常連」のユーザや「ベテラン」のスタッフを容易に視認可能となり、相互には関係性のなかったユーザ間でも、そのような付加的な情報を踏まえることでコミュニケーションを円滑に取ることができるようになる。
【0051】
ここまで述べてきたような処理の結果、一の画面上に複数のアバター画像が表示されることにより、当該画面表示に接したユーザは、飲食店を媒介としたユーザ間交流を楽しむことができる。具体的には、アバター画像の衣装を誉めあったり、以前の画像からの変化についてメッセージしあったり、誕生日や慶事のあったユーザにお祝いを述べたり、店舗にオーダーした商品の画像を表示させたりすることが考えられる。
【0052】
これらの処理は、ユーザが自身の管理する端末を操作したり、飲食店に依頼し、飲食店スタッフが端末を操作したりする処理を通じて、特定のユーザを設定し、又は設定せずにメッセージを入力したり、店舗に対し商品の注文入力をしたりすることにより、当該入力結果に応じて、画面上の表示内容をリアルタイムに制御することが考えられる。メッセージについては、文字表示するだけでなく、入力を受け付けた文字を機械音声その他の方法により音声として出力する構成があってもよい。そのような構成を採用した場合、飲食店内のディスプレイ等にアバター画像を表示させていれば、当該ディスプレイ上で、あたかも複数のアバター画像が会話をしているように表示をすることができる。
【0053】
このように、実際には来店していない仮想来店ユーザは2次元上で飲食店内のユーザとコミュニケーションをとることができ、3次元上で実店舗内のユーザも店舗内のユーザどうしでコミュニケーションがとれる。すなわち、いわゆる2.5次元ともいうべき仮想空間上でそれぞれのユーザがコミュニケーションを楽しむことができ、飲食店としてもこれまで実際に来店してもらえなかったような遠方のユーザに対しても、本発明を通じたサービス提供を有機的に行うことが可能にし、ひいては実店舗への来店の誘因となるように構成されている。
【0054】
なお、アバター画像を表示するに先立って、実店舗への来店チェックインと仮想来店チェックインの識別結果を、アバター画像を表示するか否かの判断以外に用いることが可能である。これはつまり、アバター表示部では取得したチェックインに応じてアバター画像を表示するものの、アバター画像を表示するか否かの判断のためにのみ「実店舗への来店」か「仮想来店」かの識別結果を用いることをしないようにすることを意味している。
【0055】
本発明は、実店舗に来店したユーザも仮想来店したユーザも一の画面上に一緒に表示されることで多様なコミュニケーションを図ることができることを特徴としている。いわば一の飲食店を媒介とした2次元(実店舗に来店したユーザ)と3次元(仮想来店したユーザ)とに存在するユーザが、2.5次元ともよぶべき仮想空間でコミュニケーションを体感し楽しむツールとして機能し得る。
【0056】
そのような特徴に照らせば、例えばチェックイン済みとの内容の情報を取得した場合に、例えば「識別結果が『仮想来店』チェックインだった場合には、アバター画像を表示させない」という処理は避けるべきである。「実店舗来店」か「仮想来店」かの識別結果は、従前述べたような「どのような態様にてアバター画像を表示させるか」などの観点から用いられうるものではある。したがって、アバター画像を表示させるか否かの判断として識別結果を用いるような構成は、本発明の構成からは排除される。
【0057】
<具体的な構成>
ここで
図6を示す。同図は本実施形態の2.5次元体感システムの機能的な各構成をまとめて一のハードウェアとして実現した際の構成の一例を示す概略図である。各装置はいずれも、それぞれ各種演算処理を実行するための「CPU」0601と、「記憶装置(記憶媒体)」0602と、「メインメモリ」0603と、「入力インターフェース」0604、「出力インターフェース」0605、「ネットワークインターフェース」0606と、を備え、入出力インターフェースを介して、例えば「タッチパネル」0607、「ディスプ
レイ」0608などの外部周辺装置と情報の送受信を行う。また、ネットワークインターフェースを介して複数の「ユーザ端末」0609や「飲食店端末」0610などの外部装置と情報の送受信を行う場合があってもよい。このネットワークインターフェースの具体的な態様は有線、無線を問わず、また、通信方法も直接、間接を問わない。よって特定の外部装置ないし同装置の利用者と紐づけられた第三者の管理するサーバとの間で情報の送受信を行ういわゆるクラウドコンピューティングの形式を採用することも可能である。
【0058】
記憶装置には以下で説明するような各種プログラムが格納されており、CPUはこれら各種プログラムをメインメモリのワーク領域内に読み出して展開、実行する。なお、これらの構成は、「システムバス」0699などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う(以上の構成の基本的な構成は、以下で説明する他の装置のいずれについても同様である。
【0059】
(アバター生成部の具体的な構成)
アバター生成部は、コンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、具体的には、CPUが記憶装置から「アバター生成プログラム」0620をメインメモリに読み出して実行し、アバター画像をユーザと紐づけて生成し、メインメモリの所定のアドレスに格納する。
【0060】
なお、当該処理に先立って、ユーザを識別するための種々の情報である属性情報の入力を受付け、ユーザと紐づけて保持しておく構成も考えられ、その場合には、アバター画像はこれらの属性情報とも紐づけられてメインメモリの所定のアドレスに格納される。
【0061】
(チェックイン取得部の具体的な構成)
チェックイン取得部は、コンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、具体的には、CPUが記憶装置から「チェックイン取得プログラム」0630をメインメモリに読み出して実行し、所定の飲食店へのチェックイン要求を受け付けると、当該要求の内容が実店舗への来店チェックインか仮想来店チェックインかを識別し、その結果をチェックイン要求を行ったユーザと紐づけてメインメモリの所定のアドレスに格納する。
【0062】
(アバター表示部の具体的な構成)
アバター表示部は、コンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成されている。具体的には、CPUが記憶装置から「アバター表示プログラム」0640をメインメモリに読み出して実行し、チェックイン取得プログラムの実行により取得したチェックインに応じて複数のアバター画像を表示出力する。
【0063】
<処理の流れ>
図7は、本実施形態の2.5次元体感システムにおける処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS0701では、ユーザと紐づけられたアバター画像を生成する(アバター生成ステップ)。そしてステップS0702では、所定の飲食店へのチェックイン要求を、実店舗への来店チェックインか仮想来店チェックインかを識別したうえで取得(チェックイン取得ステップ)し、ステップS0703では、取得したチェックイン要求に応じて複数のアバター画像を一の画面上に表示させる(アバター表示ステップ)。
【0064】
<効果>
以上の構成を採用する2.5次元体感システムを利用することにより、来店が難しいユーザ、来店したユーザ、そして店舗スタッフがオンライン及びオフライン上でおこなうコミュニケーションが、当該店舗でのサービス提供を有機的に盛り上げることができるようになる。
【0065】
<<実施形態2>>
<概要>
本実施形態の2.5次元体感システムは、基本的には実施形態1に記載の2.5次元体感システムの技術的特徴と同様であるが、所定の属性と対応するアバター画像を生成する点において更なる特徴を有している。
【0066】
<機能的構成>
図8は、本実施形態の2.5次元体感システムを一のコンピュータ(装置)で実現した場合の機能ブロックの一例を示す図である。同図において示されているように、本実施形態の「2.5次元体感システム」0800は、「アバター生成部」0801と、「チェックイン取得部」0802と、「アバター表示部」0803と、を有し、アバター生成部は、「属性依存生成手段」0811をさらに有する。基本的な構成は、実施形態1の
図2を用いて説明した2.5次元体感システムと共通するため、以下では相違点である「属性依存生成手段」0811の機能について説明する。
【0067】
「属性依存生成手段」0811は、アバター生成部において、所定の属性と対応するアバター画像を生成するように構成される。ここでアバター画像と対の関係となる「所定の属性」については、飲食店に来店する来店利用客なのか、飲食店のスタッフなのか、そして飲食店やスタッフに関心がある非来店利用客ないし見込み客などのように、飲食店との関係性を示す属性をユーザ識別情報として取得する場合において、当該ユーザ識別情報と対応する。すなわち、利用客を接客するスタッフのアバター画像は、接客に適した華やかな服装やメイクなどにて構成されることが考えられ、制服や正装(ドレスなど)が採用されることが考えられる。
【0068】
具体的なアバター画像生成の態様としては、ユーザから自身の属性に関する情報の入力を受付け、当該受け付けた内容に対応した種類のアバター画像の生成を行う。より具体的には、あらかじめ特定の属性についてのみ適用可能なモデル画像やアイテムを保持しておき、上記属性に関する情報を受け付けると、当該属性に対応して保持されているモデル画像やアイテムのみを選択対象として表示し、それらのアイテム等のなかからユーザによる選択を受け付けてアバター画像を生成するといった具合である。
【0069】
なおここで、一の属性のなかでも、選択できるアイテム等には制限を設けてもよい。例えば、利用客の属性に対応したアイテムについて、飲食店の利用頻度の高低や利用金額の高低に応じて選択可能となるアイテムが変わったりしてもよい。スタッフの属性に対応したアイテムについては、在籍期間の長短や、スタッフ内人気ランキングの高低に対応して選択可能となるアイテムが変わったりしてもよい。いずれにしてもこれらの構成を採用することにより、生成されたアバター画像を見れば当該アバター画像がどのような属性のユーザかを仮想空間上で視認しやすくなり、ユーザ間でのコミュニケーションを取りやすくすることができる。
【0070】
<具体的な構成>
本実施形態の2.5次元体感システムを構成する各装置のハードウェア構成は、基本的には、
図6を用いて説明した実施形態1の2.5次元体感システムにおけるハードウェア構成と同様である。そこで以下については、これまで説明していない「属性依存生成手段」の具体的な処理について説明する。
【0071】
(属性依存生成手段の具体的な構成)
属性依存生成手段は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、アバター生成プログラムの実行に際し、CPUが記憶装置から「属性依存生成サブプログラム」をメインメモリに読み出して実行し、所定の属性と対応するアバター画像を生成し、メインメモリの所定のアドレスに格納する。
【0072】
<処理の流れ>
図9は、本実施形態の2.5次元体感システムにおける処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS0901では、ユーザと紐づけられ、所定の属性と対応するアバター画像を生成する(属性依存生成ステップ)。そしてステップS0902では、所定の飲食店へのチェックイン要求を、実店舗への来店チェックインか仮想来店チェックインかを識別したうえで取得(チェックイン取得ステップ)し、ステップS0903では、取得したチェックイン要求に応じて複数のアバター画像を一の画面上に表示させる(アバター表示ステップ)。
【0073】
<効果>
本実施形態の2.5次元体感システムを用いることにより、実施形態1の2.5次元体感システムを用いる場合よりも、ユーザ間でのコミュニケーションを取りやすくすることができる。
【0074】
<<実施形態3>>
<概要>
本実施形態の2.5次元体感システムは、基本的には実施形態1や2に記載の2.5次元体感システムの技術的特徴と同様であるが、所定のイベントに関する選択をユーザ単位又は属性単位で識別されるユーザを指定して受け付け、選択されたイベントに応じてアバター画像の表示を制御する点を特徴としている。
【0075】
<機能的構成>
図10は、本実施形態の2.5次元体感システムを一のコンピュータ(装置)で実現した場合の機能ブロックの一例を示す図である。同図において示されているように、本実施形態の「2.5次元体感システム」1000は、「アバター生成部」1001と、「チェックイン取得部」1002と、「アバター表示部」1003と、「イベント選択受付部」1004と、「表示制御部」1005とを有する。基本的な構成は、実施形態1の
図2を用いて説明した2.5次元体感システムと共通するため、以下では相違点である「イベント選択受付部」1004と「表示制御部」1005の機能について説明する。
【0076】
「イベント選択受付部」1004は、所定のイベントに関する選択をユーザ単位又は属性単位で識別されるユーザを指定して受け付けるように構成されている。ここでいう所定のイベントとは、飲食店及び飲食店で提供される各種のサービス又はユーザと関連付けられたイベントを指しており、例えば、飲食店の周年イベントその他の企画イベントであったり、特定の商品購入であったり、特定のユーザの誕生日であったりなどが考えられる。多様なイベントを受付可能とすることにより、当該イベントをユーザ間で共有し、コミュニケーションを深めるきっかけにすることができる。
【0077】
なお、所定のイベントに関する選択は、ユーザ単位又は属性単位で識別されるユーザを指定して行われる必要がある。先に述べたように誕生日のような属人性のあるイベントであれば、当該誕生日のユーザを指定することになり、飲食店の企画イベントのように、利用客にとってスタッフ全員を労うような性質としてイベントを捉えれば、スタッフという属性の全ユーザを指定することになり、逆に利用客に対するスタッフからの感謝の意思表示という性質としてイベントを捉えれば、利用客という属性の全ユーザを指定することも可能である。つまり、ユーザは自らの意思により、様々な相手を指定してイベントを選択することができるため、多様なイベントが本発明を通じて提供されうることとなり、そのことが全ユーザにとってワクワク感を醸成させる素地となる。
【0078】
「表示制御部」1005は、選択されたイベントに応じてアバター画像の表示を制御するように構成されている。ここでいう「選択されたイベントに応じて」とは、あらかじめ選択されたイベントと紐づけて表示制御される内容が決められており、当該選択に応じて、アバター画像の表示が決められた内容に制御されることを意味している。アバター画像そのものの表示が制御されることもあれば、アバター画像が表示されている表示画面が制御されることもありえ、その両方の表示制御がなされる場合もあり、その内容も含め、どのような制御がなされるかは設計事項である。
【0079】
ここで
図11を示す。同図は、本実施形態の2.5次元体感システムにおいて仮想来店客であるユーザが、特定のスタッフユーザを指定して、シャンパンを購入するとのイベントを選択した場合の表示制御の一例を示す図である。特定のスタッフユーザとは、3人のアバター画像が表示されている画面中真ん中に表示されているアバター画像と紐づけられているユーザである。シャンパンを購入するとのイベントを選択すると、あらかじめ保持されていた表示制御に関するルール(例えば、シャンパンの泡が画面下部から上部にかけてせり上がり、画面いっぱいに覆うように表示される、など)に対応して表示制御がなされる。
【0080】
このような表示制御がなされ、かかる表示を複数のユーザが見ることで、仮想来店したユーザも、指定した店舗スタッフとあたかも乾杯したような気持ちになることができ、当該店舗スタッフとの連帯感を強めることができる。また、当該表示を他のユーザも見ることで、今まで見たことのなかったイベントや画面制御の存在を知ったり、ユーザ間の指定の状況を見たりして、その事実や内容について感想を述べあったり、さらにほかのイベントの選択を促したりすることにつながり、ひいては本システムにおいて表示される画面上でのコミュニケーションの活発化に資することができる。
【0081】
<具体的な構成>
本実施形態の2.5次元体感システムを構成する各装置のハードウェア構成は、基本的には、
図6を用いて説明した実施形態1の2.5次元体感システムにおけるハードウェア構成と同様である。そこで以下については、これまで説明していない「イベント選択受付部」と「表示制御部」の具体的な処理について説明する。
【0082】
(イベント選択受付部の具体的な構成)
イベント選択受付部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から「イベント選択受付プログラム」をメインメモリに読み出して実行し、所定のイベントに関する選択をユーザ単位又は属性単位で識別されるユーザを指定して受け付け、その結果をメインメモリの所定のアドレスに格納する。
【0083】
(表示制御部の具体的な構成)
表示制御部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から「表示制御プログラム」をメインメモリに読み出して実行し、選択されたイベントに応じてアバター画像の表示を制御する。
【0084】
<処理の流れ>
図12は、本実施形態の2.5次元体感システムにおける処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS1201では、ユーザと紐づけられたアバター画像を生成する(アバター生成ステップ)。そしてステップS1202では、所定の飲食店へのチェックイン要求を、実店舗への来店チェックインか仮想来店チェックインかを識別したうえで取得(チェックイン取得ステップ)し、ステップS1203では、取得したチェックイン要求に応じて複数のアバター画像を一の画面上に表示させる(アバター表示ステップ)。その後ステップS1204で、いずれかのユーザから所定のイベントに関する選択をユーザ単位又は属性単位で識別されるユーザを指定して受け付ける(イベント選択受付ステップ)と、ステップS1205で、選択されたイベントに応じてアバター画像の表示を制御する(表示制御ステップ)。
【0085】
<効果>
本実施形態の2.5次元体感システムを用いることにより、実施形態1や2の2.5次元体感システムを用いる場合に比べて、さらにユーザ間のコミュニケーションの幅を広げることができるようになる。
【符号の説明】
【0086】
0200・・・2.5次元体感システム、0201・・・アバター生成部、0202・・・チェックイン取得部、0203・・・アバター表示部