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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022095261
(43)【公開日】2022-06-28
(54)【発明の名称】トレー形状の紙容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/56 20060101AFI20220621BHJP
   B65D 5/28 20060101ALI20220621BHJP
   B65D 77/02 20060101ALI20220621BHJP
【FI】
B65D5/56 D
B65D5/28
B65D77/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020208481
(22)【出願日】2020-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】谷口 正幸
(72)【発明者】
【氏名】古▲瀬▼ 清人
【テーマコード(参考)】
3E060
3E067
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB15
3E060BC04
3E060DA04
3E060DA11
3E060DA30
3E060EA04
3E060EA13
3E067AA03
3E067AA05
3E067AB01
3E067AB20
3E067AC01
3E067BA10A
3E067BB01A
3E067BB15A
3E067BB16A
3E067BB25A
3E067BC07A
3E067CA07
3E067CA24
3E067EA06
3E067EB27
3E067FA01
3E067FC01
3E067GA01
3E067GD01
3E067GD02
3E067GD07
(57)【要約】
【課題】ブランクスから組み立てた紙容器において、すわり、ひねり強度、およびシール安定性がより安定した、トレー形状の紙容器を提供することを課題とする。
【解決手段】紙容器であって、ブランクスは略矩形であって、四隅に板紙の無い樹脂層だけの楔形の領域が2箇所づつ計8箇所設けてあり、ブランクスにおいて、底面の略矩形の、底面と側面板の境界の、対向する長手方向の一組の辺が、外側へのふくらみを有した曲線であって、このふくらみを有した曲線は、その長手方向の辺の中央で、底面の長手方向の長さをaとし、底面の側面板との境界の辺の中央でのふくらみをcとしたとき、2.5<(c/a)×100<5.0であることを特徴とするトレー形状の紙容器である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも容器内側になる面に、熱可塑性樹脂層が形成された板紙からなるブランクスを組み立てて構成される、紙容器であって、
ブランクスは略矩形であって、四隅に板紙の無い樹脂層だけの楔形の領域が2箇所づつ計8箇所設けてあり、
底面もまた略矩形であって、略矩形の底面と側面板との境界の、対向する長手方向の一組の辺は、外側へのふくらみを有した曲線であって、
このふくらみを有した曲線は、
底面の長手方向の長さをaとし、底面と側面板との境界の辺の中央でのふくらみをcとしたとき、
2.5<(c/a)×100<5.0
であって、
このブランクスを組み立ててなる紙容器は、底面、側面板、フランジによって構成され、
側面板は、前記楔形の樹脂層だけの領域が折り込まれて、板紙部分に重ねてシールされて、底面を囲んで立ち上がって紙容器の側面を構成しており、
側面板の上端に連続して、フランジが底面と平行な面で紙容器の周縁を囲んでいることを特徴とする、トレー形状の紙容器。
【請求項2】
前記ブランクスに形成された樹脂層は、押し出し成型によるものであって、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂のいずれかからなることを特徴とする、請求項1に記載のトレー形状の紙容器。
【請求項3】
前記ブランクスに形成された樹脂層は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂のいずれかからなるフィルムを、溶融樹脂層を介してブランクスの表面に積層したものであることを特徴とする、請求項1に記載のトレー形状の紙容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙容器に関するものである。特に板紙を基材としたブランクスを用いて形成され、例えば、アイスクリームなどの冷凍食品や、粉末物を収納することが可能な、トレー形状の紙容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
包装容器としては、古くからガラスや陶器製、あるいは金属製のものが使われてきた。1960年代になって、紙への液体の浸透性を低くする技術が進み、1970年代になってさらに浸透性を小さくした紙パックが開発され、アルコール飲料等にも用いられるようになり、スーパーやコンビニエンスストアの商品棚をにぎわしている。
【0003】
紙容器が広範に用いられるようになった背景には、紙容器にはたとえば下記のような特徴、利便性があることがあげられる。
・軽量であり、折りたたみも可能で輸送コストが少ない。
・表面に各種印刷が可能であり、意匠性向上、内容液に関する情報表示が容易である。
・耐衝撃性を有し、持ち運びにも便利である。
・植物もしくは木材由来の素材であり、廃棄に際して減容性、焼却性に優れ、環境適合型である。
【0004】
一方で、紙容器として、要求品質も内容液や用途に対応して多岐にわたっており、たとえば、下記のような機能が求められている。
・内容物が液体の場合には、液漏れがしない。
・微生物からの保護、密封性に優れる。
・保存性の向上を目的とした、遮光性、ガスバリア性を有する。
・内容物の外力からの保護を目的とした、剛性や強靭性を有する。
などである。
【0005】
また紙容器は、スーパーマーケットや、コンビニエンスストアなどの小売りの場面で、例えば食品の包装材料として紙トレーなどとしても使用されている。その形態はさまざまであるが、紙を基材としていることから、上記のように価格面などのメリットのほか、環境適合型の包装材料として、広く使われている。
【0006】
また、内容物によってさまざまな形態が可能であり、紙トレーを例にとればブランクスとして紙基材の表面に熱可塑性樹脂層を設けて、耐水性を付与し、また紙容器の立体の形成に熱可塑性樹脂層のシールを行うこともでき、蓋材をシールしてトレー全体を密封することも行われている。
【0007】
特許文献1には、トレー容器用ブランクとして、粉末や液汁を漏れにくくしたトレー形状の紙容器用ブランクスが提案されている。
【0008】
しかしながら、このような形状のブランクスを、その罫線で折って組み立てようとすると、ブランクスには相応の厚みがあり、ブランクス自体の反発力、また組み立てに伴う歪もあって、トレー形状の紙容器の底面の中央部が下方に膨らむなどして、外形が不安定となり、すわりが悪くなるなどの恐れがあった。
【0009】
さらにトレー形状の紙容器の強度の点で、対角線状によじれる「ひねり」も生じやすく、例えばトレー形状の紙容器のまま喫食しようとして片手で持つ場合には、持ちにくいことに加えて、不安定になりやすいことも問題である。
【0010】
あるいは、蓋材とシールしてトレー形状の紙容器を密封しようとする場合には、リテーナーと呼ばれる首受け治具に挿入して行うが、トレー形状の紙容器が内側にずれ込んで意図したシール位置でシールすることが困難になり、正確かつ安定したトレー形状の紙容器のシールを阻害する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2000-255546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであり、ブランクスから組み立てた紙容器において、すわり、ひねり強度、およびシール安定性がより安定した、トレー形状の紙容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、
少なくとも容器内側になる面に、熱可塑性樹脂層が形成された板紙からなるブランクスを組み立てて構成される、紙容器であって、
ブランクスは略矩形であって、四隅に板紙の無い樹脂層だけの楔形の領域が2箇所づつ計8箇所設けてあり、
底面もまた略矩形であって、略矩形の底面と側面板との境界の、対向する長手方向の一組の辺は、外側へのふくらみを有した曲線であって、
このふくらみを有した曲線は、
底面の長手方向の長さをaとし、底面と側面板との境界の辺の中央でのふくらみをcとしたとき、
2.5<(c/a)×100<5.0
であって、
このブランクスを組み立ててなる紙容器は、底面、側面板、フランジによって構成され、
側面板は、前記楔形の樹脂層だけの領域が折り込まれて、板紙部分に重ねてシールされて、底面を囲んで立ち上がって紙容器の側面を構成しており、
側面板の上端に連続して、フランジが底面と平行な面で紙容器の周縁を囲んでいることを特徴とする、トレー形状の紙容器
である。
【0014】
また、請求項2に記載の発明は、
前記ブランクスに形成された樹脂層は、押し出し成型によるものであって、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂のいずれかからなることを特徴とする、請求項1に記載のトレー形状の紙容器
である。
【0015】
また、請求項3に記載の発明は、
前記ブランクスに形成された樹脂層は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂のいずれかからなるフィルムを、溶融樹脂層を介してブランクスの表面に積層したものであることを特徴とする、請求項1に記載のトレー形状の紙容器
である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ブランクスから組み立てた紙容器において、すわり、ひねり強度、およびシール安定性がより安定した、トレー形状の紙容器を提供することが可能である。
【0017】
少なくとも容器内側になる面に、熱可塑性樹脂層が形成された板紙からなるブランクスを組み立てて構成される、紙容器であることによって、例えばヒートシールによって組み立てが可能なトレー形状の紙容器とすることができ、樹脂層が設けてあることによって、紙容器に耐水性を付与することが可能である。
【0018】
ブランクスは略矩形であって、四隅に板紙の無い樹脂層だけの楔形の領域が2箇所づつ計8箇所設けてあることによって、この楔形の領域を板紙に重ねてシールして、底面を囲んで側面板を立ち上げ、トレー形状の紙容器の側面を立体的に構成することが可能である。
【0019】
また、ブランクスにおいて底面もまた略矩形であって、略矩形の底面と側面板との境界の、対向する長手方向の一組の辺は、直線ではなく外側へのふくらみを有した曲線であることによって、組み立てたトレー形状の紙容器の底面に、上向きのふくらみを持たせることが可能である。
【0020】
特にこのふくらみを有した曲線が、
底面の長手方向の長さをaとし、底面と側面板との境界の辺の中央でのふくらみをcとしたとき、aとcの比が、
2.5<(c/a×100<5.0
の範囲内であることによって、組み立てたトレー形状の紙容器の底面に、上向きの適度なふくらみを持たせることが可能である。
【0021】
これによって、組み立てたトレー形状の紙容器のすわりをよりよくすることができ、ひねり強度を増大させて形状の安定を図ることにより効果的であり、その結果シール安定性の一層の向上に効果的である。
【0022】
また、フランジが、側面板の上端に連続して、底面と平行な面で紙容器の周縁を囲んでいることによって、例えば蓋材のシールが可能であり、これによって、本発明によるトレー形状の紙容器を密封することが可能である。
【0023】
また、特に請求項2に記載の発明によれば、ランクスに形成された樹脂層は、押し出し成型によるものであって、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂のいずれかからなることによって、ブランクスはシール適性、特にヒートシール適性を有し、同時に紙容器の耐水性の向上にも効果的である。
【0024】
また、特に請求項3に記載の発明によれば、ブランクスに形成された樹脂層は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂のいずれかからなるフィルムを、溶融樹脂層を介してブランクスの表面に積層したものであることによって、ブランクスはシール適性、特にヒートシール適性を有し、同時に紙容器の耐水性の向上にも効果的である。
【0025】
特にヒートシールによってトレー形状の紙容器を組み立てる場合には、その生産性の向上に効果的であり、また、シーラント層を有する蓋材によって、トレー形状の紙容器を密
封をしようとする場合においても、容易かつ安定して行うことに効果的である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、本発明に係るトレー形状の紙容器に関して、その一実施態様を実現するためのブランクスを説明するための平面模式図であり、また実施例、比較例を説明するための、平面模式図である。
図2図2は、ブランクスを組み立てて実現した、本発明に係るトレー形状の紙容器に関して、その一実施態様を説明するための斜視模式図である。
図3図3は、ブランクスを組み立てて実現した、本発明に係るトレー形状の紙容器に関して、蓋材をシールして密封したのち、開封する様子を説明するための、斜視模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を図1図3を参照しながら、更に詳しい説明を加える。ただし本発明は、ここに示す例にのみ限定されるものではない。本発明は、請求項によって特定されるものである。
【0028】
図1は、本発明に係るトレー形状の紙容器に関して、その一実施態様を実現するためのブランクスを説明するための平面模式図であり、また実施例、比較例を説明するための、平面模式図である。
【0029】
本発明は紙容器に関するものであって、特にトレー形状の紙容器に関するものである。この紙容器は、少なくとも容器内側になる面に熱可塑性樹脂層が形成された板紙からなる、ブランクス(5)を組み立てて構成される、トレー形状の紙容器である。
【0030】
ブランクス(5)は略矩形であって、四隅に板紙の無い樹脂層だけの楔形の領域(4)が2箇所づつ計8箇所設けてある。この窓状の領域があることによって、楔形の領域(4)を板紙に折り込んで重ね、シールすることによって、底面(1)を囲んで側面板(2)を上方に立ち上げ、トレー形状の紙容器の側面を、連続的かつ立体的に構成することが可能である。
【0031】
ブランクス(5)において、底面もまた略矩形であって、本発明においては、略矩形の底面(1)と側面板(2)との境界の、対向する長手方向の一組の辺(6)は、外側へのふくらみを有した曲線であることを特徴とする。
【0032】
このふくらみを有した曲線は、
底面(1)の長手方向の長さをaとし、底面(1)と側面板(2)との境界の辺の中央でのふくらみをcとしたとき、
2.5<(c/a)×100<5.0
である。
【0033】
我々は、本発明によるトレー形状の紙容器を鋭意検討する過程で、底面(1)の長手方向の長さをaとし、底面(1)と側面板(2)との境界の辺の中央でのふくらみをcとしたとき、aとcの比が、この範囲であることが、ブランクス(5)から組み立てた紙容器において、すわり、ひねり強度、およびシール安定性がより安定したものとなることを見出した。
【0034】
すなわち、本発明が課題とするところの、ブランクスから組み立てた紙容器において、すわり、ひねり強度、およびシール安定性がより安定した、トレー形状の紙容器の実現が可能であることを見出した。
【0035】
また本発明によるトレー形状の紙容器において、フランジ(3)は、側面板(2)の上端に連続して、底面(1)と平行な面で紙容器の周囲を囲んでいることを特徴とする。これによって、例えばシーラント層を設けた蓋材のシールが可能であり、本発明によるトレー形状の紙容器をフランジ(3)部分で被覆して密封することが可能である。
【0036】
図2は、ブランクスを組み立てて実現した、本発明に係るトレー形状の紙容器に関して、その一実施態様を説明するための、斜視模式図である。
【0037】
前述のように、本発明によるトレー形状の紙容器(10)は底面(1)、側面板(2)、フランジ(3)によって構成される。ブランクス(5)は略矩形であって、四隅に板紙の無い樹脂層だけの楔形の領域(4)が2箇所づつ計8箇所設けてある。この窓状の領域があることによって、楔形の領域(4)を板紙に折り込んで重ね、シールすることによって、底面(1)を囲んで側面板(2)を上方に立ち上げ、トレー形状の紙容器の側面を、連続的かつ立体的に構成することが可能である。
【0038】
また、フランジ(3)は、側面板(2)の上端に連続して、底面(1)と平行な面で紙容器の周縁を、図2に示す例においては、四角形状に囲んでいる。
【0039】
こうしてブランクス(5)から組み立てられたトレー形状の紙容器(10)は、底面(1)もまた略矩形であって、本発明においては、底面(1)の略矩形の、底面(1)と側面板(2)の境界の、対向する長手方向の一組の辺が、外側へのふくらみを有した曲線であることによって、図2で見て取れるように、底面(1)が、上方向に盛り上がった形状で組み立てられる。
【0040】
すなわち、トレー形状の紙容器(10)の底面(1)が盛り上がった曲面で形成されることによって、紙容器を平面においた場合には、底面の4隅の角部で接することになり、底面の中央が下方に膨らんでいる状態に比べ、すわりは安定したものとなる。
【0041】
また、対向する長手方向の一組の辺が曲線であることによって、底面もまた三次元の曲面を形成するために、平面である場合に比べて、形状も安定し、ひねり強度の向上にも効果的である。
【0042】
それらの結果、例えばシーラント層を有する蓋材を、フランジ(3)にシールしようとして、リテーナーと呼ばれる首受け治具に挿入した際に起こりがちな、位置ずれを起こす恐れがなく、封函シール安定性は、より安定したものとなる。
【0043】
すなわち、この湾曲した底面(1)が形成されることによって、トレー形状の紙容器(10)はすわり、ひねり強度、およびシール安定性において、より安定したものとすることができる。
【0044】
前述のように、このトレー形状の紙容器(10)の底面(1)を曲面とするための、ブランクス(5)における曲線は、底面(1)の長手方向の長さをaとし、底面(1)と側面板(2)との境界の辺の中央でのふくらみをcとしたとき、aとcの比が、
2.5<(c/a)×100<5.0
の範囲であることが、有効であり効果的である。
【0045】
また、ブランクスに形成された樹脂層は、押し出し成型によるものであって、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂のいずれかから選択することが可能で
ある。
【0046】
あるいは、ブランクスに形成された樹脂層は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂のいずれかからなるフィルムを、溶融樹脂層を介してブランクスの表面に積層して形成することが可能である。
【0047】
これらの樹脂は熱可塑性樹脂であって、シーラントとしてヒートシールなどのシール性に優れ、また一定のシール強度を有して、密封された紙容器として、例えば外力からの耐性を具備することが可能である。
【0048】
これらのうち、例えばポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂の具体的な例を挙げれば、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-αオレフィン共重合体、エチレン-メタアクリル酸樹脂共重合体などのエチレン系樹脂を用いることができる。
【0049】
また、ポリエチレンとポリブテンのブレンド樹脂や、ホモポリプロピレン樹脂(PP)、プロピレン-エチレンランダム共重合体、プロピレン-エチレンブロック共重合体、プロピレン-αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂等を使用することができる。
【0050】
前述のように、熱可塑性樹脂層の形成には、押出機などを用いて溶融した樹脂を製膜して、板紙の上に層形成することができる。あるいは、あらかじめフィルムの状態に製膜してある材料を、ラミネートによって積層することによって、板紙の表面に層形成することも可能である。
【0051】
ブランクスに形成された樹脂層は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂からなることによって、ブランクスはシール適性、特にヒートシール適性を有し、同時に紙容器の耐水性の向上にも効果的である。
【0052】
特にヒートシールによってトレー形状の紙容器(10)を組み立てる場合には、その生産性の向上に効果的であり、蓋材による密封をしようとする場合においても、容易かつ安定して行うことに効果的である。
【0053】
図3は、ブランクスを組み立てて実現した、本発明に係るトレー形状の紙容器に関して、蓋材をシールして密封したのち、開封する様子を説明するための、斜視模式図である。
【0054】
蓋材(11)は、紙容器の周縁を囲むフランジ(3)とシールして、トレー形状の紙容器を被覆し密封することができる。この時、蓋材(11)とフランジ(3)のそれぞれの表面にシーラントとなる熱可塑性樹脂層を設けておくことによって、例えばヒートシールによって、蓋材(11)とフランジ(3)とを接着することができる。
【0055】
図3に示す例においては、一旦蓋材(11)で密封したトレー形状の紙容器(10)を、再び蓋材(11)を剥離して開封する様子を示したものである。
【0056】
本発明によるトレー形状の紙容器(10)が、すわり、ひねり強度、およびシール安定性がより安定した、紙容器であることが、このような開封作業においても、その安定化により効果的である。
【0057】
このようにして、本発明によれば、ブランクス(5)から組み立てた紙容器において、すわり、ひねり強度、およびシール安定性がより安定した、トレー形状の紙容器(10)を提供することが可能である。
【実施例0058】
以下本発明を、実施例及び比較例によって更に具体的な説明を加える。ただし本発明は、ここに示す例にのみ限定されるものではない。本発明は、請求項によって特定されるものである。
【0059】
評価用ブランクスのサンプルを作成し、評価判定を行った。評価項目は下記のとおりである。なお、ブランクスの形状、記号、寸法については図1に示す、平面模式図に従うものとする。
【0060】
評価項目と判定基準
・製函適性:しわの発生などのないこと。〇×評価。
・すわり:すわりの良いこと。〇×評価。
・ひねり強度:強度があること。〇×評価。
・シール安定性:安定性があること。〇×評価。
評価項目すべてが〇評価であるものを、「合格判定」とした。それ以外は、「不合格判定」とした。
【0061】
<実施例1>
ブランクスの寸法は下記のとおりである。
a:150mm
b:110mm
c:5mm
d:35mm
(c/a)×100:3.3
したがって、本発明による規定の範囲内である。
【0062】
<実施例2>
ブランクスの寸法は下記のとおりである。
a:160mm
b:120mm
c:5mm
d:35mm
(c/a)×100:3.1
したがって、本発明による規定の範囲内である。
【0063】
<実施例3>
ブランクスの寸法は下記のとおりである。
a:170mm
b:130mm
c:5mm
d:35mm
(c/a)×100:2.9
したがって、本発明による規定の範囲内である。
【0064】
<実施例4>
ブランクスの寸法は下記のとおりである。
a:150mm
b:110mm
c:7mm
d:35mm
(c/a)×100:4.7
したがって、本発明による規定の範囲内である。
【0065】
<実施例5>
ブランクスの寸法は下記のとおりである。
a:160mm
b:120mm
c:7mm
d:35mm
(c/a)×100:4.4
したがって、本発明による規定の範囲内である。
【0066】
<実施例6>
ブランクスの寸法は下記のとおりである。
a:170mm
b:130mm
c:7mm
d:35mm
(c/a)×100:4.1
したがって、本発明による規定の範囲内である。
【0067】
<比較例1>
ブランクスの寸法は下記のとおりである。
a:150mm
b:110mm
c:0mm
d:35mm
(c/a)×100:0.0
これは、本発明による規定の範囲を逸脱するものである。
【0068】
<比較例2>
ブランクスの寸法は下記のとおりである。
a:160mm
b:120mm
c:0mm
d:35mm
(c/a)×100:0.0
これは、本発明による規定の範囲を逸脱するものである。
【0069】
<比較例3>
ブランクスの寸法は下記のとおりである。
a:170mm
b:130mm
c:0mm
d:35mm
(c/a)×100:0.0
本発明による規定の範囲を逸脱するものである。
【0070】
<比較例4>
ブランクスの寸法は下記のとおりである。
a:150mm
b:110mm
c:9mm
d:35mm
(c/a)×100:6.0
これは、本発明による規定の範囲を逸脱するものである。
【0071】
<比較例5>
ブランクスの寸法は下記のとおりである。
a:160mm
b:120mm
c:9mm
d:35mm
(c/a)×100:5.6
これは、本発明による規定の範囲を逸脱するものである。
【0072】
<比較例6>
ブランクスの寸法は下記のとおりである。
a:170mm
b:130mm
c:9mm
d:35mm
(c/a)×100:5.3
これは、本発明による規定の範囲を逸脱するものである。
【0073】
<比較例7>
ブランクスの寸法は下記のとおりである。
a:150mm
b:110mm
c:11mm
d:35mm
(c/a)×100:7.3
これは、本発明による規定の範囲を逸脱するものである。
【0074】
<比較例8>
ブランクスの寸法は下記のとおりである。
a:160mm
b:120mm
c:11mm
d:35mm
(c/a)×100:6.9
これは、本発明による規定の範囲を逸脱するものである。
【0075】
<比較例9>
ブランクスの寸法は下記のとおりである。
a:170mm
b:130mm
c:11mm
d:35mm
(c/a)×100:6.5
これは、本発明による規定の範囲を逸脱するものである。
【0076】
評価結果、および判定を表1に示す。
【0077】
【表1】
【0078】
表1に示す評価結果から見て取れるように、本発明による規定の範囲内で作成した、実施例1~実施例6のブランクスにおいて、評価項目である製函適性、すわり、ひねり強度、シール安定性のすべての項目について、〇評価であり、合格判定である。
【0079】
これに対し、本発明による規定の範囲を逸脱する、比較例1~比較例9のブランクスにおいて、評価項目である製函適性、すわり、ひねり強度、シール安定性のすべての項目について〇評価を得たものはなく、不合格判定である。
【0080】
前述のように、実施例と比較例の評価の差は明らかであって、これは本発明がその特徴とするブランクスにおける、略矩形の底面と側面板との境界の、対向する長手方向の一組の辺は、外側へのふくらみを有した曲線であることに起因する。
【0081】
特に、この対向する長手方向の一組の辺が直線である、比較例1~比較例3においては、評価項目のうち「すわり」において×評価となっている。
【0082】
また、本発明においては、トレー形状の紙容器(10)の底面(1)を曲面とするための、ブランクス(5)における曲線は、底面(1)の長手方向の長さをaとし、底面(1)と側面板(2)との境界の辺の中央でのふくらみをcとしたとき、aとcの比が、
2.5<(c/a)×100<5.0
の範囲であることを特徴とする。
【0083】
すなわち、実施例1~実施例6は、この値がすべて規定する範囲に包含されており、その結果はすべての評価項目において〇評価となり合格判定となっている。
【0084】
特に、比較例4~比較例9の場合には、この値がいずれも5.0を超えており、底面を曲面とした効果はみられるものの、製函適性(シワ)において、不十分であって、一定以上の曲率を持つ曲線においては、無理がみられる結果となっている。
【0085】
このようにして、本発明によれば、ブランクスから組み立てた紙容器において、すわり、ひねり強度、およびシール安定性がより安定した、トレー形状の紙容器(10)を提供することが可能であることを検証することができた。
【符号の説明】
【0086】
1・・・底面
2・・・側面板
3・・・フランジ
4・・・楔形の領域
5・・・ブランクス
6・・・対向する長手方向の一組の辺
10・・・トレー形状の紙容器
11・・・蓋材
図1
図2
図3