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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022095364
(43)【公開日】2022-06-28
(54)【発明の名称】電源システム
(51)【国際特許分類】
   B60L 58/18 20190101AFI20220621BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20220621BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20220621BHJP
【FI】
B60L58/18
B60L50/60
H02J7/00 P
H02J7/00 302C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020208644
(22)【出願日】2020-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】小熊 宏和
(72)【発明者】
【氏名】山田 保雄
(72)【発明者】
【氏名】大石 新
(72)【発明者】
【氏名】長澤 稔
(72)【発明者】
【氏名】金丸 善博
(72)【発明者】
【氏名】加藤 善久
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503AA07
5G503BA02
5G503BB02
5G503BB03
5G503CA08
5G503DA04
5G503DA08
5G503EA05
5G503FA06
5G503GB03
5G503GD03
5G503GD06
5H125AA01
5H125AC12
5H125BC06
5H125BC28
5H125EE21
5H125EE52
5H125EE53
(57)【要約】
【課題】合成出力走行中に第2バッテリの出力が大きく低下した場合に、車両の乗員に与える減速感を軽減できる電源システムを提供することを目的とする。
【解決手段】電源システムは、駆動モータと、第1バッテリと、第2バッテリB2と、第1及び第2バッテリと駆動モータとを接続する電力回路と、電力回路を操作し、第1及び第2バッテリと駆動モータとの間の電力の授受を制御するマネジメントECUと、を備える。マネジメントECUは、第1及び第2バッテリの合成出力によって駆動モータを駆動する合成出力走行時には、第2バッテリの出力電力を第2出力上限以下に制限する。またマネジメントECUは、第1バッテリの第1SOCが残量警告閾値より大きい場合、第2出力上限を第2バッテリの第2最大出力に設定し、第1SOCが残量警告閾値未満である場合、第2出力上限を第2最大出力より小さなレンジ延長時上限に設定する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の駆動輪と連結された回転電機と、第1蓄電器と、第2蓄電器と、
前記第1及び第2蓄電器と前記回転電機とを接続する電力回路と、
前記電力回路を操作し、前記第1及び第2蓄電器と前記回転電機との間の電力の授受を制御する制御装置と、
前記第1蓄電器から出力可能な電力に応じて増減する第1出力パラメータを取得する第1出力パラメータ取得手段と、を備える電源システムであって、
前記制御装置は、前記第1及び第2蓄電器の合成出力によって前記回転電機を駆動する合成出力走行時には、前記第2蓄電器の出力電力である第2出力を所定の第2出力上限以下に制限するとともに、前記第1出力パラメータが所定の閾値未満である場合、前記第1出力パラメータが前記閾値より大きい場合よりも、前記第2出力上限を小さな値に設定することを特徴とする電源システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記合成出力走行時でありかつ前記第1出力パラメータが前記閾値未満である場合、前記合成出力走行中に前記第2出力が低下したときに前記車両に発生する減速加速度が所定の許容減速加速度以下になるように前記第2出力上限を設定することを特徴とする請求項1に記載の電源システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記車両の速度が速くなるほど前記許容減速加速度を小さな値に設定することを特徴とする請求項2に記載の電源システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記第1出力パラメータが前記閾値未満でありかつ前記車両の速度が所定の制限車速以下である場合、前記第1出力パラメータが前記閾値より大きい場合よりも、前記第2出力上限を小さな値に設定することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の電源システム。
【請求項5】
前記第1蓄電器は、前記第2蓄電器よりも出力重量密度が低くかつエネルギ重量密度が高いことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の電源システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源システムに関する。より詳しくは、第1蓄電器及び第2蓄電器を備え、これら第1及び第2蓄電器の合成出力によって回転電機を駆動するブースト走行が可能な車両の電源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、動力発生源として駆動モータを備える電動輸送機器や、動力発生源として駆動モータと内燃機関とを備えるハイブリッド車両等の電動車両の開発が盛んである。このような電動車両には、駆動モータに電気エネルギを供給するために蓄電器(バッテリ、及びキャパシタ等)も搭載されている。また近年では、電動車両に特性が異なる複数の蓄電器を搭載するものも開発されている。
【0003】
特許文献1には、容量型である第1バッテリと出力型である第2バッテリとが電力回路を介して駆動モータに接続された車両用の電源システムが示されている。特許文献1の電源システムによれば、駆動モータで要求される電力を第1バッテリから出力される電力だけで賄えない場合には、この不足分を第2バッテリから出力される電力で補うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-212698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで第1バッテリから出力可能な電力は、第1バッテリの充電率が低下する傾向がある。このため、第1バッテリの充電率が低下するほど、駆動モータに出力される電力のうち第2バッテリの出力分の占める割合が大きくなる傾向がある。このため第1バッテリと第2バッテリとの合成出力によって駆動モータを駆動するブースト走行中に何等かの理由によって第2バッテリが故障し、第2バッテリの出力が0まで低下すると、車両の駆動力が急激に低下してしまい、車両の乗員に対し大きな減速感を与えてしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、ブースト走行中に第2蓄電器の出力が大きく低下した場合に、車両の乗員に与える減速感を軽減できる車両の電源システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明に係る電源システム(例えば、後述の電源システム1)は、車両(例えば、後述の車両V)の駆動輪(例えば、後述の駆動輪W)と連結された回転電機(例えば、後述の駆動モータM)と、第1蓄電器(例えば、後述の第1バッテリB1)と、第2蓄電器(例えば、後述の第2バッテリB2)と、前記第1及び第2蓄電器と前記回転電機とを接続する電力回路(例えば、後述の第1電力回路2、第2電力回路3、及び電圧変換器5)と、前記電力回路を操作し、前記第1及び第2蓄電器と前記回転電機との間の電力の授受を制御する制御装置(例えば、後述の電子制御ユニット群7)と、前記第1蓄電器から出力可能な電力に応じて増減する第1出力パラメータ(例えば、後述の第1SOC)を取得する第1出力パラメータ取得手段(例えば、後述の第1バッテリセンサユニット81、及び第1バッテリECU74)と、を備え、前記制御装置は、前記第1及び第2蓄電器の合成出力によって前記回転電機を駆動する合成出力走行時には、前記第2蓄電器の出力電力である第2出力を所定の第2出力上限(例えば、後述の第2出力上限)以下に制限するとともに、前記第1出力パラメータが所定の閾値(例えば、後述の残量警告閾値)未満である場合、前記第1出力パラメータが前記閾値より大きい場合よりも、前記第2出力上限を小さな値に設定することを特徴とする。
【0008】
(2)この場合、前記制御装置は、前記合成出力走行時でありかつ前記第1出力パラメータが前記閾値未満である場合、前記合成出力走行中に前記第2出力が低下したときに前記車両に発生する減速加速度が所定の許容減速加速度(例えば、後述の許容減速加速度ΔG)以下になるように前記第2出力上限を設定することが好ましい。
【0009】
(3)この場合、前記制御装置は、前記車両の速度(例えば、後述の車速V)が速くなるほど前記許容減速加速度を小さな値に設定することが好ましい。
【0010】
(4)この場合、前記制御装置は、前記第1出力パラメータが前記閾値未満でありかつ前記車両の速度(例えば、後述の車速V)が所定の制限車速(例えば、後述の制限車速Vlim)以下である場合、前記第1出力パラメータが前記閾値より大きい場合よりも、前記第2出力上限を小さな値に設定することが好ましい。
【0011】
(5)この場合、前記第1蓄電器は、前記第2蓄電器よりも出力重量密度が低くかつエネルギ重量密度が高いことが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
(1)上述のように第1蓄電器と第2蓄電器の合成出力によって回転電機を駆動する合成出力走行中に、第2蓄電器の出力が大きく低下した場合に、車両の乗員に与える減速感は、回転電機に出力される電力のうち第2蓄電器の出力分の占める割合が大きくなるほど、すなわち第1蓄電器の第1出力パラメータが小さくなるほど大きくなる傾向がある。これに対し本発明に係る制御装置は、合成出力走行時には、第2蓄電器の出力電力である第2出力を第2出力上限以下に制限するとともに、第1出力パラメータが所定の閾値未満である場合、第1出力パラメータが閾値より大きい場合よりも、第2出力上限を小さな値に設定する。これにより、第1出力パラメータが閾値より小さい場合、すなわち上述のように第2蓄電器の不具合の発生時における乗員の減速感が顕著となる場合には、第2蓄電器の第2出力上限を小さな値に設定し、第2出力を制限することができる。これにより合成出力走行中に第2蓄電器の第2出力が大きく低下した場合に、車両の乗員に与える減速感を軽減することができる。
【0013】
(2)本発明に係る制御装置は、合成出力走行時でありかつ第1出力パラメータが閾値未満である場合、合成出力走行中に第2出力が低下したときに車両に発生する減速加速度が所定の許容減速加速度以下になるように第2出力上限を設定する。これにより、合成出力走行中に第2蓄電器の第2出力が大きく低下した場合に、車両の乗員に与える減速感を、乗員の許容範囲内に軽減することができる。
【0014】
(3)車両の減速時に乗員が覚える減速感は、車速が速くなるほど大きくなる傾向がある。これに対し本発明に係る制御装置は、車両の速度が速くなるほど許容減速加速度を小さな値に設定する。これにより、合成出力走行中に第2蓄電器の第2出力が大きく低下した場合に、車両の乗員に与える減速感を、車速によらず軽減することができる。
【0015】
(4)合成出力走行中に第2出力が低下したときに車両に発生する減速加速度は、車両の速度が低くなるほど大きくなる。これに対し本発明に係る制御装置は、第1出力パラメータが閾値未満でありかつ車両の速度が所定の制限車速以下である場合、第1出力パラメータが閾値より大きい場合よりも、第2出力上限を小さな値に設定する。これにより制限車速以下の低車速域において特に顕著となる減速感を軽減することができる。
【0016】
(5)本発明では、第1蓄電器として、第2蓄電器よりも出力重量密度が低くかつエネルギ重量密度が高いものを用いる。すなわち本発明に係る制御装置は、容量型である第1蓄電器の第1出力パラメータが閾値未満である場合、第1出力パラメータが閾値より大きい場合よりも、出力型である第2蓄電器の第2出力に対する第2出力上限を小さな値に設定する。これにより容量型である第1蓄電器の第1出力パラメータが閾値未満である場合のみ、すなわち第1蓄電器の残量が閾値に応じた残量未満である場合のみ、出力型である第2蓄電器の第2出力を制限することができる。これにより、車両の乗員に与える減速感を軽減しつつ、車両の航続距離を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る電源システムを搭載する電動車両の構成を示す図である。
図2】電圧変換器の回路構成の一例を示す図である。
図3】走行モード設定処理の手順を示すフローチャートである。
図4】3つの走行モードの電力マネジメント処理のアルゴリズムの相違を説明するための図である。
図5】各速度域において実現される車両の加速度を、第1バッテリの出力電力のみで駆動モータを駆動している場合と、第1バッテリの出力電力と第2バッテリの出力電力との合成電力によって駆動モータを駆動している場合とで比較した図である。
図6】レンジ延長時上限を設定する手順を示すフローチャートである。
図7】車速に基づいて許容減速加速度を決定するマップの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る電源システム1を搭載する電動車両V(以下、単に「車両」という)の構成を示す図である。
【0019】
車両Vは、駆動輪Wと、この駆動輪Wに連結された回転電機としての駆動モータMと、この駆動モータMと後述の第1バッテリB1及び第2バッテリB2との間での電力の授受を行う電源システム1と、を備える。なお本実施形態では、車両Vは、主として駆動モータMで発生する動力によって加減速するもの例に説明するが、本発明はこれに限らない。車両Vは、動力発生源として駆動モータMとエンジンとを搭載する所謂ハイブリッド車両としてもよい。
【0020】
駆動モータMは、図示しない動力伝達機構を介して駆動輪Wに連結されている。電源システム1から駆動モータMに三相交流電力を供給することによって駆動モータMで発生させた駆動トルクは、図示しない動力伝達機構を介して駆動輪Wに伝達され、駆動輪Wを回転させ、車両Vを走行させる。また駆動モータMは、車両Vの減速時には発電機の機能を発揮し、回生電力を発電するとともに、この回生電力の大きさに応じた回生制動トルクを駆動輪Wに付与する。駆動モータMによって発電された回生電力は、電源システム1のバッテリB1,B2に適宜充電される。
【0021】
電源システム1は、第1蓄電器としての第1バッテリB1が接続される第1電力回路2と、第2蓄電器としての第2バッテリB2が接続される第2電力回路3と、これら第1電力回路2と第2電力回路3とを接続する電圧変換器5と、駆動モータMを含む各種電気負荷を有する負荷回路4と、これら電力回路2,3,4及び電圧変換器5を操作する電子制御ユニット群7と、を備える。すなわち電源システム1において、第1バッテリB1及び第2バッテリB2と負荷回路4とを接続する電力回路は、第1電力回路2と、第2電力回路3と、電圧変換器5と、によって構成される。またこの電力回路を操作し、第1バッテリB1及び第2バッテリB2と負荷回路4との間の電力の流れ並びに第1バッテリB1から第2バッテリB2への電力の流れを制御する制御装置は、電子制御ユニット群7によって構成される。電子制御ユニット群7は、それぞれコンピュータであるマネジメントECU71と、モータECU72と、コンバータECU73と、第1バッテリECU74と、第2バッテリECU75と、を備える。
【0022】
第1バッテリB1は、化学エネルギを電気エネルギに変換する放電と、電気エネルギを化学エネルギに変換する充電との両方が可能な二次電池である。以下では、この第1バッテリB1として、電極間をリチウムイオンが移動することで充放電を行う所謂リチウムイオン蓄電池を用いた場合について説明するが、本発明はこれに限らない。第1バッテリB1としては、キャパシタを用いてもよい。
【0023】
第1バッテリB1には、第1バッテリB1の内部状態を推定するための第1バッテリセンサユニット81が設けられている。第1バッテリセンサユニット81は、第1バッテリECU74において第1バッテリB1の充電率(バッテリの蓄電量を百分率で表したものであり、第1バッテリB1の残量に応じて増加する)や温度等を取得するために必要な物理量を検出し、検出値に応じた信号を第1バッテリECU74へ送信する複数のセンサによって構成される。より具体的には、第1バッテリセンサユニット81は、第1バッテリB1の端子電圧を検出する電圧センサ、第1バッテリB1を流れる電流を検出する電流センサ、及び第1バッテリB1の温度を検出する温度センサ等によって構成される。以下では、第1バッテリB1の充電率を第1SOCともいう。第1バッテリB1の第1SOCは、第1バッテリB1から出力可能な電力に応じて増減する。従って本実施形態において、第1バッテリB1の出力可能な電力に応じて増減する第1SOCを取得する第1出力パラメータ取得手段は、第1バッテリセンサユニット81及び第1バッテリECU74によって構成される。
【0024】
第2バッテリB2は、化学エネルギを電気エネルギに変換する放電と、電気エネルギを化学エネルギに変換する充電との両方が可能な二次電池である。以下では、この第2バッテリB2として、電極間をリチウムイオンが移動することで充放電を行う所謂リチウムイオン蓄電池を用いた場合について説明するが、本発明はこれに限らない。第2バッテリB2は、例えばキャパシタを用いてもよい。
【0025】
第2バッテリB2には、第2バッテリB2の内部状態を推定するための第2バッテリセンサユニット82が設けられている。第2バッテリセンサユニット82は、第2バッテリECU75において第2バッテリB2の充電率や温度等を取得するために必要な物理量を検出し、検出値に応じた信号を第2バッテリECU75へ送信する複数のセンサによって構成される。より具体的には、第2バッテリセンサユニット82は、第2バッテリB2の端子電圧を検出する電圧センサ、第2バッテリB2を流れる電流を検出する電流センサ、及び第2バッテリB2の温度を検出する温度センサ等によって構成される。以下では、第2バッテリB2の充電率を第2SOCともいう。第2バッテリB2の第2SOCは、第2バッテリB2から出力可能な電力に応じて増減する。従って本実施形態において、第2バッテリB2の出力可能な電力に応じて増減する第2SOCを取得する第2出力パラメータ取得手段は、第2バッテリセンサユニット82及び第2バッテリECU75によって構成される。
【0026】
ここで第1バッテリB1の特性と第2バッテリB2の特性とを比較する。
第1バッテリB1は、第2バッテリB2よりも出力重量密度が低くかつエネルギ重量密度が高い。また第1バッテリB1は第2バッテリB2よりも容量が大きい。すなわち、第1バッテリB1は、エネルギ重量密度の点で第1バッテリB1よりも優れる。なお、エネルギ重量密度とは、単位重量あたりの電力量[Wh/kg]であり、出力重量密度とは、単位重量あたりの電力[W/kg]である。したがって、エネルギ重量密度が優れている第1バッテリB1は、高容量を主目的とした容量型の蓄電器であり、出力重量密度が優れている第2バッテリB2は、高出力を主目的とした出力型の蓄電器である。このため電源システム1では、第1バッテリB1を主電源として用い、第2バッテリB2をこの第1バッテリB1を補う副電源として用いる。
【0027】
バッテリB1,B2の静的電圧(すなわち、バッテリに電流が流れていない状態における電圧であって、開回路電圧ともいう)は、充電率が高くなるほど高くなる特性がある。また第1バッテリB1の第1SOCが最小値のときにおける第1バッテリB1の静的電圧、すなわち第1バッテリB1の静的電圧の最小値は、第2バッテリB2の第2SOCが最大値(満充電状態)のときにおける第2バッテリB2の静的電圧、すなわち第2バッテリB2の静的電圧の最大値よりも高い。このため車両Vの走行中、第2バッテリB2の静的電圧は、基本的には第1バッテリB1の静的電圧よりも低く維持される。
【0028】
第1電力回路2は、第1バッテリB1と、この第1バッテリB1の正負両極と電圧変換器5の高圧側の正極端子及び負極端子とを接続する第1電力線21p,21nと、これら第1電力線21p,21nに設けられた正極コンタクタ22p及び負極コンタクタ22nと、を備える。
【0029】
コンタクタ22p,22nは、外部からの指令信号が入力されていない状態では開成して第1バッテリB1の両電極と第1電力線21p,21nとの導通を絶ち、指令信号が入力されている状態では閉成して第1バッテリB1と第1電力線21p,21nとを接続するノーマルオープン型である。これらコンタクタ22p,22nは、第1バッテリECU74から送信される指令信号に応じて開閉する。なお正極コンタクタ22pは、第1電力回路2や負荷回路4等に設けられる複数の平滑コンデンサへの突入電流を緩和するためのプリチャージ抵抗を有するプリチャージコンタクタとなっている。
【0030】
第2電力回路3は、第2バッテリB2と、この第2バッテリB2の正負両極と電圧変換器5の低圧側の正極端子及び負極端子とを接続する第2電力線31p,31nと、これら第2電力線31p,31nに設けられた正極コンタクタ32p及び負極コンタクタ32nと、第2電力線31pに設けられた電流センサ33と、を備える。
【0031】
コンタクタ32p,32nは、外部からの指令信号が入力されていない状態では開成して第2バッテリB2の両電極と第2電力線31p,31nとの導通を絶ち、指令信号が入力されている状態では閉成して第2バッテリB2と第2電力線31p,31nとを接続するノーマルオープン型である。これらコンタクタ32p,32nは、第2バッテリECU75から送信される指令信号に応じて開閉する。なお正極コンタクタ32pは、第1電力回路2や負荷回路4等に設けられる複数の平滑コンデンサへの突入電流を緩和するためのプリチャージ抵抗を有するプリチャージコンタクタとなっている。
【0032】
電流センサ33は、第2電力線31pを流れる電流、すなわち電圧変換器5を流れる電流である通過電流に応じた検出信号をコンバータECU73へ送信する。なお本実施形態では、通過電流の向きは、第2電力回路3側から第1電力回路2側を正とし、第1電力回路2側から第2電力回路3側を負とする。
【0033】
負荷回路4は、車両補機42と、駆動モータMが接続された電力変換器43と、これら車両補機42及び電力変換器43と第1電力回路2とを接続する負荷電力線41p,41nと、を備える。
【0034】
車両補機42は、バッテリヒータ、エアコンプレッサ、DCDCコンバータ、及び車載充電器等の複数の電気負荷によって構成される。車両補機42は、負荷電力線41p,41nによって第1電力回路2の第1電力線21p,21nに接続されており、第1電力線21p,21nにおける電力を消費することによって作動する。車両補機42を構成する各種電気負荷の作動状態に関する情報は、例えばマネジメントECU71へ送信される。
【0035】
電力変換器43は、負荷電力線41p,41nによって、車両補機42と並列になるように第1電力線21p,21nに接続されている。電力変換器43は、第1電力線21p,21nと駆動モータMとの間で電力を変換する。電力変換器43は、例えば、複数のスイッチング素子(例えば、IGBT)をブリッジ接続して構成されるブリッジ回路を備えた、パルス幅変調によるPWMインバータであり、直流電力と交流電力とを変換する機能を備える。電力変換器43は、その直流入出力側において第1電力線21p,21nに接続され、その交流入出力側において駆動モータMのU相、V相、W相の各コイルに接続されている。電力変換器43は、モータECU72の図示しないゲートドライブ回路から所定のタイミングで生成されるゲート駆動信号に従って各相のスイッチング素子をオン/オフ駆動することにより、第1電力線21p,21nにおける直流電力を三相交流電力に変換して駆動モータMに供給し、駆動モータMに駆動トルクを発生させたり、駆動モータMから供給される三相交流電力を直流電力に変換して第1電力線21p,21nに供給し、駆動モータMに回生制動トルクを発生させたりする。
【0036】
電圧変換器5は、第1電力回路2と第2電力回路3とを接続し、これら両回路2,3の間で電圧を変換する。この電圧変換器5には、既知の昇圧回路が用いられる。
【0037】
図2は、電圧変換器5の回路構成の一例を示す図である。電圧変換器5は、第1バッテリB1が接続される第1電力線21p,21nと、第2バッテリB2が接続される第2電力線31p,31nと、を接続し、これら第1電力線21p,21n及び第2電力線31p,31nの間で電圧を変換する。電圧変換器5は、第1リアクトルL1と、第2リアクトルL2と、第1ハイアーム素子53Hと、第1ローアーム素子53Lと、第2ハイアーム素子54Hと、第2ローアーム素子54Lと、負母線55と、低圧側端子56p,56nと、高圧側端子57p,57nと、図示しない平滑コンデンサと、を組み合わせて構成されるフルブリッジ型のDCDCコンバータである。
【0038】
低圧側端子56p,56nは、第2電力線31p,31nに接続され、高圧側端子57p,57nは第1電力線21p,21nに接続される。負母線55は、低圧側端子56nと高圧側端子57nとを接続する配線である。
【0039】
第1リアクトルL1は、その一端側が低圧側端子56pに接続され、その他端側が第1ハイアーム素子53Hと第1ローアーム素子53Lとの接続ノード53に接続される。第1ハイアーム素子53H及び第1ローアーム素子53Lは、それぞれ、IGBTやMOSFET等の既知のパワースイッチング素子と、このパワースイッチング素子に接続された還流ダイオードと、を備える。これらハイアーム素子53H及びローアーム素子53Lは、高圧側端子57pと負母線55との間で、直列に、この順で接続される。
【0040】
第1ハイアーム素子53Hのパワースイッチング素子のコレクタは高圧側端子57pに接続され、そのエミッタは第1ローアーム素子53Lのコレクタに接続される。第1ローアーム素子53Lのパワースイッチング素子のエミッタは、負母線55に接続される。第1ハイアーム素子53Hに設けられる還流ダイオードの順方向は、第1リアクトルL1から高圧側端子57pへ向かう向きである。また第1ローアーム素子53Lに設けられる還流ダイオードの順方向は、負母線55から第1リアクトルL1へ向かう向きである。
【0041】
第2リアクトルL2は、その一端側が低圧側端子56pに接続され、その他端側が第2ハイアーム素子54Hと第2ローアーム素子54Lとの接続ノード54に接続される。第2ハイアーム素子54H及び第2ローアーム素子54Lは、それぞれ、IGBTやMOSFET等の既知のパワースイッチング素子と、このパワースイッチング素子に接続された還流ダイオードと、を備える。これらハイアーム素子54H及びローアーム素子54Lは、高圧側端子57pと負母線55との間で、直列に、この順で接続される。
【0042】
第2ハイアーム素子54Hのパワースイッチング素子のコレクタは高圧側端子57pに接続され、そのエミッタは第2ローアーム素子54Lのコレクタに接続される。第2ローアーム素子54Lのパワースイッチング素子のエミッタは、負母線55に接続される。第2ハイアーム素子54Hに設けられる還流ダイオードの順方向は、第2リアクトルL2から高圧側端子57pへ向かう向きである。また第2ローアーム素子54Lに設けられる還流ダイオードの順方向は、負母線55から第2リアクトルL2へ向かう向きである。
【0043】
電圧変換器5は、コンバータECU73の図示しないゲートドライブ回路から所定のタイミングで生成されるゲート駆動信号に従い、第1ハイアーム素子53H及び第2ローアーム素子54Lと、第1ローアーム素子53L及び第2ハイアーム素子54Hとを交互にオン/オフ駆動することにより、第1電力線21p,21nと第2電力線31p,31nとの間で電圧を変換する。
【0044】
図1に戻り、車両Vの走行中、第2バッテリB2の静的電圧は、上述のように基本的には第1バッテリB1の静的電圧よりも低く維持される。したがって基本的には、第1電力線21p,21nの電圧は第2電力線31p,31nの電圧よりも高い。そこでコンバータECU73は、第1バッテリB1から出力される電力と第2バッテリB2から出力される電力との両方を用いて駆動モータMを駆動する場合には、電圧変換器5において昇圧機能が発揮されるように電圧変換器5を操作する。昇圧機能とは、低圧側端子56p,56nが接続されている第2電力線31p,31nにおける電力を昇圧して、高圧側端子57p,57nが接続されている第1電力線21p,21nに出力する機能をいい、これにより第2電力線31p,31n側から第1電力線21p,21n側へ正の通過電流が流れる。また第2バッテリB2の放電を抑制し、第1バッテリB1から出力される電力のみで駆動モータMを駆動する場合、コンバータECU73は、電圧変換器5をオフにし、第1電力線21p,21nから第2電力線31p,31nへ電流が流れないようにする。
【0045】
また減速時に駆動モータMから第1電力線21p,21nに出力される回生電力によって第1バッテリB1や第2バッテリB2を充電する場合には、コンバータECU73は、電圧変換器5において降圧機能を発揮されるように電圧変換器5を操作する。降圧機能とは、高圧側端子57p,57nが接続されている第1電力線21p,21nにおける電力を降圧して、低圧側端子56p,56nが接続されている第2電力線31p,31nに出力する機能をいい、これにより第1電力線21p,21n側から第2電力線31p,31n側へ負の通過電流が流れる。
【0046】
第1バッテリECU74は、主に第1バッテリB1の状態監視及び第1電力回路2のコンタクタ22p,22nの開閉操作を担うコンピュータである。第1バッテリECU74は、第1バッテリセンサユニット81から送信される検出値を用いた既知のアルゴリズムに基づいて、第1バッテリB1の内部状態を表す様々なパラメータ、より具体的には、第1バッテリB1の温度、第1バッテリB1の内部抵抗、第1バッテリB1の静的電圧、第1バッテリB1の閉回路電圧、第1バッテリB1の第1SOC、及び第1バッテリB1の第1最大出力等を算出する。第1バッテリECU74において取得した第1バッテリB1の内部状態を表すパラメータに関する情報は、例えばマネジメントECU71へ送信される。
【0047】
ここで第1バッテリB1の第1最大出力とは、第1バッテリB1の出力性能を示すパラメータであり、第1バッテリB1から出力可能な正の電力に対する上限に相当する正の値である。すなわち、第1バッテリB1の出力電力を第1最大出力よりも大きくすると第1バッテリB1が劣化するおそれがあるため、第1バッテリB1の出力電力は第1最大出力以下に制限することが好ましい。第1バッテリB1の第1最大出力は、第1SOCが低くなるほど0へ向けて低下する傾向がある。第1バッテリB1の第1最大出力は、第1SOC、温度、及び内部抵抗等の第1バッテリB1の内部状態を表すパラメータに基づいて第1バッテリECU74によって算出される。
【0048】
第2バッテリECU75は、主に第2バッテリB2の状態監視及び第2電力回路3のコンタクタ32p,32nの開閉操作を担うコンピュータである。第2バッテリECU75は、第2バッテリセンサユニット82から送信される検出値を用いた既知のアルゴリズムに基づいて、第2バッテリB2の内部状態を表す様々なパラメータ、より具体的には、第2バッテリB2の温度、第2バッテリB2の内部抵抗、第2バッテリB2の静的電圧、第2バッテリB2の閉回路電圧、第2バッテリB2の第2SOC、及び第2バッテリB2の第2最大出力等を算出する。第2バッテリECU75において取得した第2バッテリB2の内部状態を表すパラメータに関する情報は、例えばマネジメントECU71へ送信される。
【0049】
ここで第2バッテリB2の第2最大出力とは、第2バッテリB2の出力性能を示すパラメータであり、第2バッテリB2から出力可能な正の電力に対する上限に相当する正の値である。すなわち、第2バッテリB2の出力電力を第2最大出力よりも大きくすると第2バッテリB2が劣化するおそれがあるため、第2バッテリB2の出力電力は第2最大出力以下に制限することが好ましい。第2バッテリB2の第2最大出力は、第2SOCが低くなるほど0へ向けて低下する傾向がある。第2バッテリB2の第2出力リミットは、第2SOC、温度、及び内部抵抗等の第2バッテリB2の内部状態を表すパラメータに基づいて第2バッテリECU75によって算出される。
【0050】
マネジメントECU71は、主に電源システム1全体における電力の流れを管理するコンピュータである。マネジメントECU71は、運転者によるアクセルペダルやブレーキペダル等のペダル類Pの操作量に基づいて駆動モータMで発生させる駆動トルクや回生制動トルクに対する運転者要求を取得するとともに、取得した運転者要求に基づいて駆動トルクや回生制動トルクに対する指令に相当するトルク指令信号と、電圧変換器5を通過する電力に対する指令に相当する通過電力指令信号と、を生成する。特にマネジメントECU71は、駆動モータMの力行時には、モータ端出力に対する上限であるモータ端出力上限、第1バッテリB1の出力電力に対する上限である第1出力上限、及び第2バッテリB2の出力電力に対する上限である第2出力上限を設定するとともに、モータ端出力、第1バッテリB1の出力電力、及び第2バッテリB2の出力電力がこれらモータ端出力上限、第1出力上限、及び第2出力上限を超えないように、トルク指令信号及び通過電力指令信号を生成する。ここでモータ端出力とは、電力変換器43を介して第1電力回路2から駆動モータMへ出力される電力をいう。
【0051】
モータECU72は、主に第1電力回路2から駆動モータMへの電力の流れを管理するコンピュータである。モータECU72は、マネジメントECU71から送信されるトルク指令信号に基づいて、この指令に応じた駆動トルク又は回生制動トルクが駆動モータMにおいて発生するように電力変換器43を操作する。
【0052】
コンバータECU73は、主に電圧変換器5を通過する電力である通過電力の流れを管理するコンピュータである。コンバータECU73は、マネジメントECU71から送信される通過電力指令信号に応じて、指令に応じた通過電力が電圧変換器5を通過するように電圧変換器5を操作する。より具体的には、コンバータECU73は、通過電力指令信号に基づいて、電圧変換器5における通過電流に対する目標である目標電流を算出するとともに、電流センサ33によって検出される通過電流(以下、「実通過電流」ともいう)が目標電流になるように、既知のフィードバック制御アルゴリズムに従って電圧変換器5を操作する。
【0053】
またマネジメントECU71には、運転者が車両Vの走行モードを指定する際に押圧操作可能な走行モード選択ボタン77が接続されている。
【0054】
電源システム1には、マネジメントECU71においてトルク指令信号及び通過電力指令信号を生成する電力マネジメント処理のアルゴリズムが異なる複数の走行モードが定義されており、運転者は走行モード選択ボタン77の操作を介してこれら複数の走行モードの中の何れかを指定することができる。以下では、走行モードとして、標準的な通常モードと、通常モードよりも大きな加速力の下で走行可能なスポーツモードと、航続距離ができるだけ長くなるように走行するレンジ延長モードと、の3種類を定義した場合について説明するが、本発明はこれに限らない。走行モードの数は2つでもよいし、4つ以上でもよい。また本実施形態では、運転者は、走行モード選択ボタン77の操作を介して、上記3種類の走行モードのうち、通常モード及びスポーツモードの何れかのみを選択可能な場合について説明する。すなわち以下では、運転者は、走行モード選択ボタン77の操作を介してレンジ延長モードを積極的に指定できない場合について説明する。
【0055】
走行モード選択ボタン77は、オフの状態で運転者によって押圧操作されるとオンに切り替わり、走行モードとしてスポーツモードが要求されていることを示す信号をマネジメントECU71へ送信する。走行モード選択ボタン77は、オンの状態で運転者によって押圧されるとオフに切り替わり、走行モードとして通常モードが要求されていることを示す信号をマネジメントECU71へ送信する。マネジメントECU71は、走行モード選択ボタン77から送信される信号に基づいて、運転者が車両Vに対して要求する走行モードである運転者要求モードを取得する。
【0056】
図3は、マネジメントECU71において、上記3つの走行モード(通常モード、スポーツモード、及びレンジ延長モード)の中から何れかを設定モードとして設定する走行モード設定処理の手順を示すフローチャートである。この走行モード設定処理は、マネジメントECU71において、所定の周期で繰り返し実行される。
【0057】
始めにS1では、マネジメントECU71は、第1バッテリECU74から現在の第1バッテリB1の第1SOCを取得し、S2に移る。
【0058】
次にS2では、マネジメントECU71は、第1SOCは所定の残量警告閾値未満であるか否かを判定する。ここで残量警告閾値とは、第1SOCに対して設定される閾値であり、0%よりもやや大きな値に設定される。
【0059】
マネジメントECU71は、S2の判定結果がYESである場合、すなわち第1SOCが残量警告閾値未満である場合、S3に移る。S3では、マネジメントECU71は、図示しない充電警告灯を点灯し、運転者に対し第1バッテリB1の外部充電を促すとともに、レンジ延長モードを設定モードとして設定し、図3の走行モード設定処理を終了する。
【0060】
マネジメントECU71は、S2の判定結果がNOである場合、すなわち第1SOCが残量警告閾値以上である場合、S4に移る。S4では、マネジメントECU71は、走行モード選択ボタン77から送信される信号に基づいて、運転者要求モードを取得し、S5に移る。
【0061】
S5では、マネジメントECU71は、運転者要求モードが通常モードであるか否かを判定する。マネジメントECU71は、S5の判定結果がYESである場合、S6に移り、S5の判定結果がNOである場合、S7に移る。S6では、マネジメントECU71は、通常モードを設定モードとして設定し、図3の走行モード設定処理を終了する。またS7では、マネジメントECU71は、スポーツモードを設定モードとして設定し、図4の走行モード設定処理を終了する。
【0062】
以上のようにマネジメントECU71は、第1SOCが残量警告閾値以上である場合、運転者による要求に応じた走行モードを設定モードとして設定し、第1SOCが残量警告閾値未満である場合、運転者による要求によらずレンジ延長モードを設定モードとして設定する。マネジメントECU71は、以上の手順に従って3つの走行モードの何れかを設定モードとして設定するとともに、設定モード毎に定められた電力マネジメント処理のアルゴリズムに従ってモータECU72に対するトルク指令信号及びコンバータECU73に対する通過電力指令信号を生成する。
【0063】
図4は、3つの走行モードの電力マネジメント処理のアルゴリズムの相違を説明するための図である。
【0064】
通常モードが設定モードとして設定されている場合、マネジメントECU71は、予め定められた通常モード上限をモータ端出力上限として設定し、第1バッテリECU74において逐次算出される第1最大出力を第1出力上限として設定し、第2バッテリECU75において逐次算出される第2最大出力を第2出力上限として設定する。またマネジメントECU71は、モータ端出力、第1バッテリB1の出力電力、及び第2バッテリB2の出力電力がそれぞれモータ端出力上限、第1出力上限、及び第2出力上限を超えないように、トルク指令信号及び通過電力指令信号を生成する。
【0065】
また通常モードが設定モードとして設定されている場合、マネジメントECU71は、図4に示すように第2バッテリB2の第2SOCを、低SOC領域と標準SOC領域と高SOC領域との3つの領域に分けるとともに、SOC領域毎に異なるアルゴリズムに基づいて、通過電力指令信号を生成する。
【0066】
より具体的には、マネジメントECU71は、第2SOCが高SOC領域の範囲内である場合、駆動モータMの回生時における回生電力を第2バッテリB2によって効率的に回収できるようにするため、第1バッテリB1よりも第2バッテリB2から優先して電力が出力されるように通過電力指令信号を生成する。これにより第2SOCは、高SOC領域から標準SOC領域へ向けて低下するので、第2バッテリB2によって回生電力を回収するための容量を確保することができる。
【0067】
またマネジメントECU71は、第2SOCが標準SOC領域の範囲内である場合、第1バッテリB1から出力される電力のみでは不足が生じる場合に、この不足分が第2バッテリB2から出力されるように通過電力指令信号を生成する。すなわち、マネジメントECU71は、第1バッテリB1から出力される電力のみでは不足が生じる場合に、第1バッテリB1から出力される電力と第2バッテリB2から出力される電力との合成電力によって駆動モータMを駆動する合成出力走行(以下、「ブースト走行」という)を行う。また駆動モータMの回生時には、第1バッテリB1よりも優先して第2バッテリB2に回生電力が供給されるように通過電力指令信号を生成する。
【0068】
またマネジメントECU71は、第2SOCが低SOC領域の範囲内である場合、高負荷運転時に第1バッテリB1の不足分を第2バッテリB2によって補えるようにするため、第1バッテリB1から出力される電力又は駆動モータMから出力される回生電力が積極的に第2バッテリB2に供給されるように通過電力指令信号を生成する。これにより第2SOCは、低SOC領域から標準SOC領域へ向けて上昇するので、高負荷運転時における第1バッテリB1の不足分を補うための容量を確保することができる。
【0069】
スポーツモードが設定モードとして設定されている場合、マネジメントECU71は、通常モード上限よりも大きな値に設定されたスポーツモード上限をモータ端出力上限として設定し、第1バッテリECU74において逐次算出される第1最大出力を第1出力上限として設定し、第2バッテリECU75において逐次算出される第2最大出力を第2出力上限として設定する。またマネジメントECU71は、モータ端出力、第1バッテリB1の出力電力、及び第2バッテリB2の出力電力がそれぞれモータ端出力上限、第1出力上限、及び第2出力上限を超えないように、トルク指令信号及び通過電力指令信号を生成する。このようにスポーツモードの下では、モータ端出力上限は通常モードよりも大きな値に設定されることから、高負荷運転時に実現される車両の加速度は通常モードよりも大きい。
【0070】
またスポーツモードが設定モードとして設定されている場合、マネジメントECU71は、出力型である第2バッテリB2の出力性能が常に高く維持されるように通過電力指令信号を生成する。より具体的には、マネジメントECU71は、駆動モータMの力行時には、第1バッテリB1よりも優先して第2バッテリB2から電力が出力されるように通過電力指令信号を生成する。すなわちマネジメントECU71は、スポーツモードが設定モードとして設定されている場合、通常モードよりも積極的にブースト走行を行う。またマネジメントECU71は、第2バッテリB2の第2SOCが最大(例えば、100%)の状態に維持されるように、第1バッテリB1から出力される電力又は駆動モータMから出力される回生電力が積極的に第2バッテリB2に供給されるように通過電力指令信号を生成する。これによりスポーツモードの下では、第2バッテリB2の出力性能は常に高く維持される。
【0071】
レンジ延長モードが設定モードとして設定されている場合、マネジメントECU71は、第1バッテリB1及び第2バッテリB2に蓄えられている電力を使い切ることにより、航続距離ができるだけ長くなるようにトルク指令信号及び通過電力指令信号を生成する。なおレンジ延長モードが設定モードとして設定されている場合、マネジメントECU71は、第1バッテリECU74において逐次算出される第1最大出力を第1出力上限として設定する。またマネジメントECU71は、第2バッテリECU75において逐次算出される第2最大出力以下の範囲内で設定されるレンジ延長時上限を第2出力上限として設定する。またレンジ延長モードが設定モードとして設定されている場合、マネジメントECU71は、第1バッテリB1の出力電力、及び第2バッテリB2の出力電力がそれぞれ第1出力上限、及び第2出力上限を超えないように、トルク指令信号及び通過電力指令信号を生成する。なおこのレンジ延長時上限を設定する手順については、後に図6を参照して説明する。
【0072】
図3を参照して説明したように、マネジメントECU71は、第1SOCが残量警告閾値未満である場合に、レンジ延長モードを設定モードとして設定する。ここで第1SOCが残量警告閾値未満である場合、運転者は、第1バッテリB1の外部充電を行うべく、できるだけ速やかに充電ステーションまで車両を走行させる必要がある。しかしながら第1SOCが残量警告閾値未満まで低下してしまうと、第1バッテリB1から出力可能な電力も低下してしまうため、第1バッテリB1から出力される電力のみでは、市街地を走行するために必要な電力を確保できなくなってしまうおそれがある。このためレンジ延長モードが設定モードとして設定されている場合、マネジメントECU71は、第1バッテリB1から出力される電力のみでは、市街地を走行するために最低限必要な電力を確保できない場合、第1バッテリB1から出力される電力と第2バッテリB2から出力される電力との合成電力によって駆動モータMを駆動するブースト走行を行う。
【0073】
レンジ延長モードが設定モードとして設定されている場合、必要に応じてブースト走行を行うことができるようにするため、マネジメントECU71は、スポーツモードと同様に、出力型である第2バッテリB2の出力性能が常に高く維持されるように通過電力指令信号を生成する。より具体的には、マネジメントECU71は、第2バッテリB2の第2SOCが最大(例えば、100%)の状態に維持されるように、第1バッテリB1から出力される電力又は駆動モータMから出力される回生電力が積極的に第2バッテリB2に供給されるように通過電力指令信号を生成する。これによりレンジ延長モードの下では、第2バッテリB2の出力性能は、できるだけ高く維持される。
【0074】
ここで以上のようなレンジ延長モードの下で走行している場合に生じる課題について説明する。
【0075】
図5は、各速度域において実現される車両の加速度を、第1バッテリB1の出力電力のみで駆動モータMを駆動している場合(実線参照)と、第1バッテリB1の出力電力と第2バッテリB2の出力電力との合成電力によって駆動モータMを駆動している場合(破線参照)とで比較した図である。
【0076】
図5に示すように、第1及び第2バッテリの合成電力によって駆動モータを駆動している場合、第1バッテリの出力電力のみによって駆動モータを駆動している場合よりも、実現される加速度は大きい。また車両において実現される加速度は、車速が遅くなるほど大きくなる。このため、第1及び第2バッテリの合成電力によって実現される加速度と、第1バッテリの出力電力のみによって実現される加速度との差は、車速が遅くなるほど大きくなる。このため、ブースト走行中に何らかの理由によって第2バッテリB2の出力電力が0まで低下した時に、車両に発生する減速加速度、すなわち車両の乗員が感じる減速感は、特に低車速域において大きい。また図3を参照して説明したように、第1SOCが残量警告閾値未満である場合、すなわち第1バッテリB1の出力性能が低下している場合にレンジ延長モードが設定モードとして設定されることから、第2バッテリB2の故障時に車両の乗員が感じる減速感は、特にレンジ延長モードにおいて顕著となる。そこでマネジメントECU71は、レンジ延長モードが設定モードとして設定されている場合には、第2バッテリB2の異常発生時に車両の乗員に対し大きな減速感を与えないように、図6を参照して説明する手順に従ってレンジ延長時上限を設定する。
【0077】
図6は、マネジメントECU71において、レンジ延長時上限P2ext[kW]を設定するレンジ延長時上限設定処理の手順を示すフローチャートである。このレンジ延長時上限設定処理は、レンジ延長モードが設定モードとして設定されている場合に、マネジメントECU71において所定の周期で繰り返し実行される。
【0078】
始めにS11では、マネジメントECU71は、図示しない車速センサの検出信号に基づいて現在の車速V[km/h]を取得し、S12に移る。
【0079】
次にS12では、マネジメントECU71は、S11において取得した車速Vに基づいて、例えば図7に示すマップを検索することによって許容減速加速度ΔG[G]を算出し、S13に移る。なお本実施形態では、許容減速加速度ΔGは標準重力単位[G]の値とする。すなわち、1[G]=9.8[m/s]である。また許容減速加速度とは、図5を参照して説明したように、ブースト走行中に第2バッテリB2の出力電力が0となった場合に車両に生じる減速加速度に対する上限に相当し、車両の乗員に違和感が無い程度の大きさに設定される。
【0080】
図7は、車速Vに基づいて許容減速加速度ΔGを決定するマップの一例である。図7に示すマップの例によれば、許容減速加速度ΔGは、車速Vが速くなるほど小さな値に設定される。
【0081】
図6に戻り、S13では、マネジメントECU71は、車両基本情報に基づいて、許容減速加速度ΔG[G]を駆動力差ΔD[N]に変換し、S14に移る。より具体的には、マネジメントECU71は、車両重量Mv[kg]と回転部等価慣性重量Mr[kg]とを車両基本情報として取得し、下記式(1)に基づいて許容減速加速度ΔGを駆動力差ΔDに変換する。なお下記式(1)における車両等価慣性重量Mtot[kg]は、車両重量Mvと回転部等価慣性重量Mrとを合算することによって算出される(Mtot=Mv+Mr)。
ΔD=Mtot×ΔG×9.8 (1)
【0082】
S14では、マネジメントECU71は、第1バッテリECU74及び第2バッテリECU75から、第1バッテリB1の第1最大出力P1max[kW]及び第2バッテリB2の第2最大出力P2max[kW]を取得し、S15に移る。
【0083】
S15では、マネジメントECU71は、下記式(2)に示すように、第1最大出力P1maxと第2最大出力P2maxとを合算することによって最大合成出力Pmax[kW]を算出し、S16に移る。
Pmax=P1max+P2max (2)
【0084】
S16では、マネジメントECU71は、第1最大出力P1maxと、最大合成出力Pmaxと、駆動力差ΔDと、に基づいて、下記式(3)に従って制限車速Vlim[km/h]を算出する。ここで下記式(3)に従って算出される制限車速Vlimとは、最大合成出力をモータ端出力とするブースト走行中に第2バッテリB2の出力電力が0となった場合に発生する駆動力減少分が上記駆動力差ΔDと等しくなる車速に相当する。
Vlim=(Pmax-P1max)×3600/ΔD (3)
【0085】
すなわち車速が制限車速Vlimより大きい場合、ブースト走行中に第2バッテリB2の出力電力が0になったときにおける駆動力減少分は、駆動力差ΔD未満である。換言すれば、車速が制限車速Vlimより大きい場合、第2バッテリB2の出力電力が0になったときに車両に生じる減速加速度は、上記許容減速加速度ΔG未満である(図5参照)。
【0086】
これに対し車速が制限車速Vlim以下である場合、ブースト走行中に第2バッテリB2の出力電力が0になったときにおける駆動力減少分は、駆動力差ΔD以上になる場合がある。換言すれば、車速が制限車速Vlim以下である場合、第2バッテリB2の出力電力が0になったときに車両に生じる減速加速度は、上記許容減速加速度ΔG以上になる場合がある(図5参照)。
【0087】
S17では、マネジメントECU71は、最大合成出力Pmaxと、制限車速Vlimと、に基づいて、下記式(4)に従って暫定最大駆動力Dmax_temp[N]を算出する。ここで下記式(4)に従って算出される暫定最大駆動力Dmax_tempとは、車速Vが制限車速Vlim以下の低車速域において、第2バッテリB2の出力電力が0となったときに車両に生じる減速加速度が許容減速加速度ΔGと等しくなる駆動力に相当する。
Dmax_temp=Pmax×3600/Vlim (4)
【0088】
S18では、マネジメントECU71は、必要最低駆動力Dmin[N]を取得し、S19に移る。ここで必要最低駆動力Dminとは、レンジ延長モードの下で走行している場合において、最低限必要とする駆動力に相当する。上述のようにレンジ延長モードの下では、運転者は、第1バッテリB1の外部充電を行うべく、最寄りの充電ステーションまで車両を走行させる必要がある。この際、車両が例えば坂道の多い市街地を走行している場合、駆動力を制限しすぎてしまうと、市街地を走行しきれず充電ステーションまでたどり着けなくなってしまう場合がある。そこでマネジメントECU71は、例えば車両の現在位置に基づいて必要最低駆動力Dminを取得する。
【0089】
S19では、マネジメントECU71は、S17で算出した暫定最大駆動力Dmax_tempとS18で取得した必要最低駆動力Dminとを比較し、何れか大きい方を最大駆動力Dmax[N]として算出する。
【0090】
S20では、マネジメントECU71は、S11で取得した現在の車速Vは、S16で算出した制限車速Vlim以下であるか否かを判定する。
【0091】
S20の判定結果がNOである場合、マネジメントECU71は、S21に移り、S14で取得した第2最大出力P2maxをレンジ延長時上限P2extとして設定し(P2ext=P2max)、図6に示す処理を終了する。
【0092】
S20の判定結果がYESである場合、マネジメントECU71は、S22に移り、ブースト走行時における駆動力がS19で算出した最大駆動力Dmax以下になるように第2バッテリB2の出力電力を制限するべく、レンジ延長時上限P2extを第2最大出力P2max未満の値に設定し、図6に示す処理を終了する。より具体的には、マネジメントECU71は、S11で取得した車速Vと、S19で算出した最大駆動力Dmaxと、S14で取得した第1最大出力P1maxと、に基づいて、下記式(5)に従ってレンジ延長時上限P2extを設定する。ここで下記式(5)に従ってレンジ延長時上限P2extを第2最大出力P2max未満の値に設定することにより、ブースト走行中に第2バッテリB2の出力電力が0まで低下したときに車両に発生する減速加速度を、許容減速加速度ΔG以下にすることができる。
P2ext=(V×Dmax)/3600-P1max (5)
【0093】
本実施形態に係る電源システム1によれば、以下の効果を奏する。
(1)第1バッテリB1と第2バッテリB2の合成出力によって駆動モータMを駆動するブースト走行中に、第2バッテリB2の出力が大きく低下した場合に、車両の乗員に与える減速感は、駆動モータMに出力される電力のうち第2バッテリB2の出力分の占める割合が大きくなるほど、すなわち第1バッテリB1の第1SOCが小さくなるほど大きくなる傾向がある。これに対しマネジメントECU71は、ブースト走行時における第2バッテリB2の出力電力を第2出力上限以下に制限するとともに、第1SOCが残量警告閾値以上である場合(すなわち、設定モードが通常モード又はスポーツモードである場合)、第2出力上限を第2バッテリB2の第2最大出力に設定し、第1SOCが残量警告閾値より小さい場合(すなわち、設定モードがレンジ延長モードである場合)、第2出力上限を第2最大出力より小さなレンジ延長時上限に設定する。これにより、第1SOCが残量警告閾値より小さい場合、すなわち上述のように第2バッテリB2の不具合の発生時における乗員の減速感が顕著となる場合には、第2バッテリB2の第2出力上限を第2最大出力より小さなレンジ延長時上限に設定し、第2バッテリB2の出力電力を制限することができる。これによりブースト走行中に第2バッテリB2の出力電力が大きく低下した場合に、車両の乗員に与える減速感を軽減することができる。
【0094】
(2)マネジメントECU71は、ブースト走行時でありかつ第1SOCが残量警告閾値未満である場合(すなわち、設定モードがレンジ延長モードである場合)、ブースト走行中に第2バッテリB2の出力電力が0まで低下したときに車両に発生する減速加速度が所定の許容減速加速度ΔG以下になるようにレンジ延長時上限を設定する。これにより、ブースト走行中に第2バッテリB2の出力電力が大きく低下した場合に、車両の乗員に与える減速感を、乗員の許容範囲内に軽減することができる。
【0095】
(3)車両の減速時に乗員が覚える減速感は、車速が速くなるほど大きくなる傾向がある。これに対しマネジメントECU71は、車両の速度が速くなるほど許容減速加速度ΔGを小さな値に設定する。これにより、ブースト走行中に第2バッテリB2の出力電力が大きく低下した場合に、車両の乗員に与える減速感を、車速によらず軽減することができる。
【0096】
(4)ブースト走行中に第2バッテリB2の出力電力が0まで低下したときに車両に発生する減速加速度は、車速が低くなるほど大きくなる。これに対しマネジメントECU71は、第1SOCが残量警告閾値未満でありかつ車速Vが制限車速Vlim以下である場合(すなわち、設定モードがレンジ延長モードでありかつ低車速域である場合)、レンジ延長時上限を第2最大出力より小さな値に設定する。これにより制限車速Vlim以下の低車速域において特に顕著となる減速感を軽減することができる。
【0097】
(5)電源システム1では、第1バッテリB1として、第2バッテリB2よりも出力重量密度が低くかつエネルギ重量密度が高いものを用いる。すなわちマネジメントECU71は、容量型である第1バッテリB1の第1SOCが残量警告閾値未満である場合、第1SOCが残量警告閾値より大きい場合よりも、出力型である第2バッテリB2の出力電力に対する第2出力上限を小さな値に設定する。これにより容量型である第1バッテリB1の第1SOCが残量警告閾値未満である場合のみ、出力型である第2バッテリB2の出力電力を制限することができる。これにより、車両の乗員に与える減速感を軽減しつつ、車両の航続距離を延ばすことができる。
【0098】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限らない。本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0099】
V…車両
W…駆動輪
M…駆動モータ(回転電機)
1…電源システム
2…第1電力回路(電力回路)
B1…第1バッテリ(第1蓄電器)
3…第2電力回路(電力回路)
B2…第2バッテリ(第2蓄電器)
4…負荷回路
5…電圧変換器(電力回路)
7…電子制御ユニット群(制御装置)
71…マネジメントECU(制御装置)
72…モータECU(制御装置)
73…コンバータECU(制御装置)
74…第1バッテリECU(第1出力パラメータ取得手段)
75…第2バッテリECU
81…第1バッテリセンサユニット(第1出力パラメータ取得手段)
82…第2バッテリセンサユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7