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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096396
(43)【公開日】2022-06-29
(54)【発明の名称】二次電池用電極
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/13 20100101AFI20220622BHJP
   H01M 50/531 20210101ALI20220622BHJP
   H01M 4/74 20060101ALI20220622BHJP
   H01M 4/80 20060101ALI20220622BHJP
   H01M 4/02 20060101ALI20220622BHJP
【FI】
H01M4/13
H01M2/26 A
H01M4/74 A
H01M4/74 C
H01M4/80 C
H01M4/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020209477
(22)【出願日】2020-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】谷内 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】大田 正弘
(72)【発明者】
【氏名】有賀 稔之
【テーマコード(参考)】
5H017
5H043
5H050
【Fターム(参考)】
5H017AA03
5H017BB06
5H017CC05
5H017CC25
5H017CC28
5H017HH03
5H017HH06
5H043AA01
5H043AA02
5H043BA18
5H043BA19
5H043EA07
5H043EA22
5H043HA05E
5H043HA22E
5H043JA01E
5H043JA09E
5H043JA18E
5H043JA23E
5H043KA34E
5H043KA39E
5H043KA45E
5H043LA02E
5H043LA13E
5H043LA22E
5H050AA08
5H050AA14
5H050BA16
5H050BA17
5H050CA01
5H050CA08
5H050CA09
5H050CB01
5H050CB02
5H050CB05
5H050CB07
5H050CB08
5H050CB11
5H050CB12
5H050DA04
5H050DA20
5H050FA13
5H050FA15
5H050GA03
5H050HA04
5H050HA08
(57)【要約】
【課題】金属多孔体を集電体とする二次電池用電極において、耐久性を向上させるとともに、エネルギー密度を向上させることができる二次電池用電極を提供すること。
【解決手段】二次電池用電極1は、金属多孔体により構成される集電体10と、集電体10に充填される電極合材20と、を備える二次電池用電極1であって、集電体10は、電極合材20が充填された合材充填部11と、電極合材20が充填されていない合材未充填部14と、を備え、合材未充填部14は、合材充填部11と比べて、厚みが小さく且つ金属多孔体の密度が高い集電タブ部13と、合材充填部11と集電タブ部13とを連結するタブ収束部12と、を備え、タブ収束部12には、合材充填部11側から集電タブ部13側に向かって延びる少なくとも1つのリブ121が形成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属多孔体により構成される集電体と、前記集電体に充填される電極合材と、を備える二次電池用電極であって、
前記集電体は、
前記電極合材が充填された合材充填部と、
前記電極合材が充填されていない合材未充填部と、を備え、
前記合材未充填部は、
前記合材充填部と比べて、厚みが小さく且つ前記金属多孔体の密度が高い集電タブ部と、
前記合材充填部と前記集電タブ部とを連結するタブ収束部と、を備え、
前記タブ収束部には、前記合材充填部側から前記集電タブ部側に向かって延びる少なくとも1つのリブが形成される二次電池用電極。
【請求項2】
前記リブは、前記金属多孔体をプレス加工して形成されたものである請求項1に記載の二次電池用電極。
【請求項3】
前記集電タブ部には、その幅方向に沿って凹凸形状の応力緩和部が形成され、
前記応力緩和部の凹凸形状は、断面視で矩形波形状、正弦波形状、三角波形状、又はのこぎり歯形状である請求項1又は2に記載の二次電池用電極。
【請求項4】
前記タブ収束部には、前記タブ収束部を補強する補強材が充填される請求項1から3のいずれか1項に記載の二次電池用電極。
【請求項5】
前記補強材は前記タブ収束部を覆うように充填される請求項4に記載の二次電池用電極。
【請求項6】
前記補強材は絶縁性を有する請求項4又は5に記載の二次電池用電極。
【請求項7】
前記補強材は熱伝導性を有する請求項4又は5に記載の二次電池用電極。
【請求項8】
前記タブ収束部は、
前記リブが形成されたリブ形成部と、
厚みが前記合材充填部から前記集電タブ部に向かうに従い小さくなるように傾斜する傾斜部と、を有し、
少なくとも前記傾斜部の厚み方向両側の面には、緩衝材が配置される請求項1から7のいずれか1項に記載の二次電池用電極。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池用電極に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金属多孔体により構成される集電体と該集電体に充填される電極合材を備える二次電池用電極が知られている。この種の技術が記載されているものとして例えば特許文献1がある。特許文献1には、三次元網目状構造を有する帯状多孔体に活物質が充填され、帯状多孔体の厚み方向の中央部に集電タブが一体的に配設される二次電池用電極が記載されている。特許文献1の技術のように、集電体として金属多孔体を用いることで、電極活物質の充填密度を大きくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-279979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、金属多孔体を集電体とする二次電池用電極を得るためには、集電体の孔部に電極合材が充填されている合材充填部と充填されていない合材未充填部を形成し、合材未充填部を圧延することで集電タブを形成する場合がある。しかし、この二次電池用電極を積層させる場合や集電タブを収束させてリードタブと溶着する場合等に、合材充填部と合材未充填部との境界部や合材未充填部のうち集電タブが形成される部分と形成されない部分の境界部等に強い応力がかかり易い。そして、これらの境界部にかかる応力によって二次電池用電極に亀裂、断裂が発生し、電池の出力や耐久性が低下するおそれがある。上記境界部にかかる応力を低減するために該境界部が緩やかに湾曲するように成形する(Rをつける)方法も考えられるが、集電タブの長さが長くなり、二次電池用電極のエネルギー密度が低下するおそれがある。
【0005】
本発明は、金属多孔体を集電体とする二次電池用電極において、耐久性を向上させるとともに、エネルギー密度を向上させることができる二次電池用電極を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、金属多孔体により構成される集電体と、前記集電体に充填される電極合材と、を備える二次電池用電極であって、前記集電体は、前記電極合材が充填された合材充填部と、前記電極合材が充填されていない合材未充填部と、を備え、前記合材未充填部は、前記合材充填部と比べて、厚みが小さく且つ前記金属多孔体の密度が高い集電タブ部と、前記合材充填部と前記集電タブ部とを連結するタブ収束部と、を備え、前記タブ収束部には、前記合材充填部側から前記集電タブ部側に向かって延びる少なくとも1つのリブが形成される二次電池用電極に関する。
【0007】
前記リブは、前記金属多孔体をプレス加工して形成されたものであってもよい。
【0008】
前記集電タブ部には、その幅方向に沿って凹凸形状の応力緩和部が形成され、前記応力緩和部の凹凸形状は、断面視で矩形波形状、正弦波形状、三角波形状、又はのこぎり歯形状であってもよい。
【0009】
前記タブ収束部には、前記タブ収束部を補強する補強材が充填される。
【0010】
前記補強材は前記タブ収束部を覆うように充填されてもよい。
【0011】
前記補強材は絶縁性を有してもよい。
【0012】
前記補強材は熱伝導性を有してもよい。
【0013】
前記タブ収束部は、前記リブが形成されたリブ形成部と、厚みが前記合材充填部から前記集電タブ部に向かうに従い小さくなるように傾斜する傾斜部と、を有し、少なくとも前記傾斜部の厚み方向両側の面には、緩衝材が配置されてもよい。なお、前記リブ形成部にも前記緩衝材を配置してもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、金属多孔体を集電体とする二次電池用電極において、耐久性を向上させるとともに、エネルギー密度を向上させることができる二次電池用電極を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態に係る二次電池用電極を示す平面図である。
図2図1におけるA-A断面図である。
図3】本発明の第2実施形態に係る二次電池用電極を示す平面図である。
図4図3におけるB-B断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。但し、以下に示す実施形態は本発明を例示するものであって、本発明は以下の実施形態に限定されない。
【0017】
《第1実施形態》
<電極>
本実施形態に係る二次電池用電極1について図1及び図2を参照しながら説明する。図1は二次電池用電極1の平面図であり、図2図1における二次電池用電極1のA-A断面図である。なお、図2においては、電極合材20の記載を省略している。図1に示すように、二次電池用電極1は、金属多孔体である集電体10と、集電体10に充填される電極合材20と、を備える。
【0018】
[電極合材]
集電体10に充填される電極合材20は、少なくとも電極活物質を含む。本実施形態に適用できる電極合材20は、電極活物質を必須成分として含んでいれば、その他の成分を任意で含んでいてもよい。その他の成分としては特に限定されるものではない。その他の成分としては、例えば、固体電解質、導電助剤、結着剤等が挙げられる。
【0019】
正極を構成する電極合材20には、少なくとも正極活物質を含有させ、その他成分として、例えば、固体電解質、導電助剤、結着剤等を含有させてもよい。正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出することができるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、LiCoO、Li(Ni5/10Co2/10Mn3/10)O2、Li(Ni6/10Co2/10Mn2/10)O2、Li(Ni8/10Co1/10Mn1/10)O2、Li(Ni0.8Co0.15Al0.05)O2、Li(Ni1/6Co4/6Mn1/6)O2、Li(Ni1/3Co1/3Mn1/3)O2、LiCoO、LiMn、LiNiO、LiFePO、硫化リチウム、硫黄等を挙げることができる。
【0020】
負極を構成する電極合材20には、少なくとも負極活物質を含有させ、その他成分として、例えば、固体電解質、導電助剤、結着剤等を含有させてもよい。負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出することができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、金属リチウム、リチウム合金、金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物、Si、SiO、および人工黒鉛、天然黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料等を挙げることができる。
【0021】
[集電体]
集電体10は、金属多孔体により構成される。金属多孔体は、互いに連続した孔部を有し、孔部の内部に電極活物質を含む電極合材20を充填できる。上記金属多孔体としては、互いに連続した孔部を有するものであれば特に制限されず、例えば発泡による孔部を有する発泡金属、金属メッシュ、エキスパンドメタル、パンチングメタル、金属不織布等の形態が挙げられる。金属多孔体に用いられる金属としては、導電性を有するものであれば特に限定されないが、例えば、ニッケル、アルミニウム、ステンレス、チタン、銅、銀等が挙げられる。これらの中では、正極を構成する集電体10としては、発泡アルミニウム、発泡ニッケル及び発泡ステンレスが好ましく、負極を構成する集電体10としては、発泡銅及び発泡ステンレスを好ましく用いることができる。
【0022】
金属多孔体の集電体10は、内部に孔部を有し、従来の金属箔である集電体10よりも表面積が大きい。上記金属多孔体を集電体10として用いることにより、上記孔部に、電極活物質を含む電極合材20を充填することができる。これにより、電極層の単位面積あたりの活物質量を増加させることができ、その結果、二次電池の体積エネルギー密度を向上させることができる。また、電極合材20の固定化が容易となるため、従来の金属箔を集電体として用いる電極とは異なり、電極合材層を厚膜化する際に、電極合材層を形成する塗工用スラリーを増粘する必要がない。このため、増粘に必要であった有機高分子化合物等の結着剤を低減することができる。従って、二次電池用電極1の単位面積当たりの容量を増加させることができ、電池の高容量化を実現することができる。
【0023】
次に、本実施形態の集電体10の構成の詳細について説明する。図1及び図2に示すように、集電体10は、横長の板状であり、合材充填部11と、合材未充填部14と、を備える。
【0024】
(合材充填部)
合材充填部11は、集電体10における電極合材20が充填された領域である。合材充填部11は、集電体10の一端側(図1及び図2では紙面左側)から中央部側にかけて形成される。
【0025】
(合材未充填部)
合材未充填部14は、集電体10における電極合材20が充填されていない領域である。合材未充填部14は、集電タブ部13と、合材充填部11と集電タブ部13とを連結するタブ収束部12と、を備える。
【0026】
タブ収束部12は、集電体10の他端側(図1及び図2では紙面右側)に形成される集電タブ部13と合材充填部11の間に形成される。タブ収束部12は、集電体10の一部に電極合材20を充填しないことで形成される。
【0027】
タブ収束部12は、その厚みが合材充填部11から集電タブ部13に向かうに従い小さくなるように傾斜する傾斜部122と、リブ121が形成されるリブ形成部124と、を有する。
【0028】
タブ収束部12のリブ形成部124には、少なくとも1つの凸状のリブ121が合材充填部11側から集電タブ部13側に向かって延びるように形成される。本実施形態では、タブ収束部12には、2つのリブ121が形成される。具体的には、図2に示すように、リブ121は、タブ収束部12における集電体10の厚み方向両側の面に形成される。また、図1に示すように、リブ121は、集電体10の幅方向中間部に形成される。
【0029】
集電タブ部13は、リードタブ(図示省略)と溶接により電気的に接続される部位である。本実施形態では、集電タブ部13は、集電体10の他端側に2つ形成される。2つの集電タブ部13は、集電体10の幅方向に間隔を空けて配置される。具体的には、集電タブ部13は、タブ収束部12におけるリブ121が形成されていない部分から集電体10の長手方向に延出するように形成される。集電タブ部13の厚みは合材充填部11と比べて小さい。また集電タブ部13を構成する金属多孔体の密度は、合材充填部11やタブ収束部12を構成する金属多孔体の密度よりも高い。
【0030】
集電タブ部13には、その幅方向に沿って凹凸形状の応力緩和部131が形成される。応力緩和部131は、図2に示すように、集電タブ部13における集電体10の厚み方向両側の面に形成される。応力緩和部131の凹凸形状は、断面視で矩形波形状、正弦波形状、三角波形状、又はのこぎり歯形状であることが好ましい。図2に示すように、本実施形態では、応力緩和部131の凹凸形状は、断面視で正弦波形状である。
【0031】
<二次電池用電極1の製造方法>
次に、本実施形態に係る二次電池用電極1の製造方法の一例について説明する。まず、集電体10の孔部内に電極合材20を充填し、電極合材20が充填された領域と充填されていない領域を形成する。そして、集電体10を圧延することで、電極合材20が充填された領域には電極合材20の充填密度が向上した合材充填部11が形成される。また、電極合材20が充填されていない領域には、傾斜部122及びリブ形成部124を有するタブ収束部12と集電タブ部13とを備える合材未充填部14が形成される。リブ形成部124にリブ121を形成する方法は特に限定されないが、効率性の観点から金属多孔体をプレス加工して形成することが好ましい。具体的には、タブ収束部12において、リブ121を形成する部分をそれ以外の部分よりも弱い圧力でプレスすることで、集電体10の厚み方向両側の面に傾斜部122と傾斜部122よりも集電体10の厚み方向に突出したリブ121を形成することができる。また、集電体10の端部に形成される集電タブ部13は、タブ収束部12よりも電極合材20が充填された領域から離れているので、容易に延展する。これにより、集電タブ部13は、タブ収束部12よりも電極合材20の充填密度が高くなるとともに、薄層化される。
【0032】
本実施形態に係る二次電池用電極1によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態に係る二次電池用電極1は、金属多孔体により構成される集電体10と、集電体10に充填される電極合材20と、を備える二次電池用電極1であって、集電体10は、電極合材20が充填された合材充填部11と、電極合材20が充填されていない合材未充填部14と、を備え、合材未充填部14は、合材充填部11と比べて、厚みが小さく且つ金属多孔体の密度が高い集電タブ部13と、合材充填部11と集電タブ部13とを連結するタブ収束部12と、を備え、タブ収束部12には、合材充填部11側から集電タブ部13側に向かって延びる少なくとも1つのリブ121が形成される。これにより、タブ収束部12において集電タブ部13が延びる方向にリブ121が形成されるので、タブ収束部12の強度を向上させることができる。このため、合材充填部11とタブ収束部12との境界部やタブ収束部12と集電タブ部13との境界部にRをつけなくても、これら境界部にかかる応力に対する強度を向上させることができる。これにより、例えば、二次電池用電極1を積層して集電タブ部13を収束してリードタブに溶着する場合であっても、上記境界部にかかる応力による電極の亀裂や断裂の発生を抑制できる。したがって、二次電池用電極1の高い耐久性と高いエネルギー密度の両立を実現できる。また、プレス加工による二次電池用電極1の製造時においても、集電タブ部13を形成するために集電体10の端部を圧延する場合にかかる応力による二次電池用電極1の亀裂や断裂の発生を抑制できる。
【0033】
また、本実施形態に係る二次電池用電極1のリブ121は、金属多孔体をプレス加工して形成されたものである。これにより、二次電池用電極1を製造する際に、合材未充填部14にかけるプレスの強度を部分的に調整するだけで効率的にリブ121を形成できる。
【0034】
また、本実施形態に係る集電タブ部13には、その幅方向に沿って凹凸形状の応力緩和部131が形成され、凹凸形状は、断面視で矩形波形状、正弦波形状、三角波形状、又はのこぎり歯形状である。これにより、集電タブ部13の厚み方向から応力がかかっても、応力緩和部131により、応力に応じて集電タブ部13が変形する。リブ121によってタブ収束部12の強度を向上させた上で、タブ収束部12にかかる応力を集電タブ部13から逃がすことができる。よって、二次電池用電極1の耐久性をより向上させることができる。
【0035】
《第2実施形態》
次に、第2実施形態に係る二次電池用電極1Aについて図3及び図4を参照しながら説明する。図3は二次電池用電極1Aの平面図であり、図4図3における二次電池用電極1AのB-B断面図である。図4においては、電極合材20の記載を省略している。なお、上記実施形態と同様の構成については、同様の符号を付してその説明を省略する。
【0036】
本実施形態に係る二次電池用電極1Aは、図3に示すように、金属多孔体である集電体10と、集電体10に充填される電極合材20と、補強材30と、緩衝材40と、を備える。二次電池用電極1Aは、補強材30と緩衝材40を備える点が第1実施形態に係る二次電池用電極1と主に異なる。
【0037】
補強材30は、タブ収束部12を補強する。補強材30の素材としては、例えば、樹脂等が挙げられる。適用できる樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂であれば、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリウレタン系樹脂等を、熱可塑性樹脂であれば、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリメタクリル酸系樹脂、ポリウレタン系樹脂等を、光硬化性樹脂であれば、シリコーン系樹脂、ポリメタクリル酸系樹脂、ポリエステル系樹脂等を挙げることができる。これらの中では、対極への接触に対して電気的に絶縁が満足され、電極合材に不活性であり、電極製造時に使用される薬品に耐性があり、加工性が良く、耐熱性や柔軟性に優れている観点から、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂が好ましい。
【0038】
図3に示すように、補強材30は、集電体10のタブ収束部12に充填される。具体的には、補強材30は絶縁性を有し、リブ121を含む集電体10のタブ収束部12の表面を覆うように充填される。これにより、金属多孔体の表面が露出しないように絶縁性を有する補強材30に覆われるので、二次電池用電極1の短絡を防止できる。
【0039】
また、補強材30として、熱伝導性を有する樹脂を用いてもよい。熱伝導性を有する補強材30を用いた場合、合材充填部11で発生した熱をタブ収束部12や集電タブ部13から放熱できる。よって、二次電池用電極1を厚膜化した場合でも発熱による温度分布を低減でき、二次電池用電極1の劣化を防止できる。
【0040】
また、タブ収束部12に充填される補強材30は、リブ121と傾斜部122とで同じ種類であってもよく、異なる種類であってもよい。
【0041】
緩衝材40は、タブ収束部12の傾斜部122に配置される部材である。本実施形態では、4つの緩衝材40が配置される。具体的には、緩衝材40は、集電体10の厚み方向両側の面にリブ121を挟むように2つずつ配置される。緩衝材40は、傾斜部122に配置することで合材充填部11とタブ収束部12における集電体10の厚みが略均一になるように構成される。
【0042】
緩衝材40として、絶縁性を有する部材や熱伝導性を有する部材を用いることが好ましい。本実施形態では、緩衝材40として絶縁性を有する樹脂を用いている。
【0043】
ここで、電池を製造するために複数の二次電池用電極1を積層して拘束する場合、隣接する二次電池用電極1や電解質層等と傾斜部122との間に隙間が形成され、タブ収束部12の該隙間に応力がかかり易くなる。特に全固体電池では、拘束荷重が重要であるので、上記隙間により強い応力がかかる傾向にある。
【0044】
本実施形態のように、傾斜部122に緩衝材40を配置することで、隣接する二次電池用電極1や電解質層等とタブ収束部12の傾斜部122との間に形成される隙間を緩衝材40で埋めることができる。これにより、電池を構成する二次電池用電極1のタブ収束部12にかかる積層方向からの応力を低減することができる。よって、二次電池用電極1を用いて構成される電池の耐久性を向上させることができる。
【0045】
<二次電池用電極1Aの製造方法>
次に、本実施形態に係る二次電池用電極1Aの製造方法の一例について説明する。まず、前述した二次電池用電極1の製造方法により、合材充填部11と、タブ収束部12及び集電タブ部13を有する合材未充填部14を備える集電体10を形成する。そして、タブ収束部12に補強材30を充填する。さらに、タブ収束部12の傾斜部122に緩衝材40を配置する。
【0046】
本実施形態に係る二次電池用電極1Aによれば、以下の効果が奏される。
本実施形態に係る二次電池用電極1Aにおいて、タブ収束部12には、樹脂からなる補強材30が充填される。これにより、電極合材20の代わりに補強材30によって集電体10の孔部を埋めることができるので、リブ121によって強度が向上した集電体10のタブ収束部12をさらに補強することができる。
【0047】
以上、本発明に関する実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0048】
上記実施形態では、タブ収束部12には2つのリブ121が形成されていたが、タブ収束部12に形成されるリブ121の数は特に限定されない。例えば、タブ収束部12にリブ121を1つだけ形成してもよく、3つ以上形成してもよい。
【0049】
上記実施形態では、二次電池用電極1、1Aは2つの集電タブ部13を備えていたが、集電タブ部13の数は特に限定されない。例えば、二次電池用電極1、1Aは集電タブ部13を1つだけ備える構成であってもよく、3つ以上備える構成であってもよい。
【0050】
第2実施形態では、タブ収束部12の傾斜部122のみに緩衝材40を配置していたが、傾斜部122だけでなくリブ形成部124にも緩衝材40を配置してもよい。即ち、緩衝材40を、傾斜部122及びリブ形成部124における集電体10の厚み方向両側の面に配置してもよい。
【符号の説明】
【0051】
1、1A 二次電池用電極
10 集電体
11 合材充填部
12 タブ収束部
13 集電タブ部
14 合材未充填部
20 電極合材
121 リブ
図1
図2
図3
図4