IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エスディーアイ リミテッドの特許一覧

<>
  • 特開-歯科用カプセル 図1
  • 特開-歯科用カプセル 図2
  • 特開-歯科用カプセル 図3
  • 特開-歯科用カプセル 図4
  • 特開-歯科用カプセル 図5
  • 特開-歯科用カプセル 図6
  • 特開-歯科用カプセル 図7
  • 特開-歯科用カプセル 図8
  • 特開-歯科用カプセル 図9
  • 特開-歯科用カプセル 図10
  • 特開-歯科用カプセル 図11
  • 特開-歯科用カプセル 図12
  • 特開-歯科用カプセル 図13
  • 特開-歯科用カプセル 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096614
(43)【公開日】2022-06-29
(54)【発明の名称】歯科用カプセル
(51)【国際特許分類】
   A61C 5/66 20170101AFI20220622BHJP
【FI】
A61C5/66
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021190019
(22)【出願日】2021-11-24
(31)【優先権主張番号】2020904712
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(71)【出願人】
【識別番号】517113646
【氏名又は名称】エスディーアイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】特許業務法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア ジェイムズ チータム
【テーマコード(参考)】
4C052
【Fターム(参考)】
4C052HH02
4C052HH05
4C052HH10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】歯科材料を混合および分配するための歯科用カプセルを提供する。
【解決手段】少なくとも3つの成分からなる歯科材料を混合および分配するための歯科用カプセル10であって、歯科用カプセルは、プランジャー20と、プランジャーを受け入れるように適合された開放型の第1の液体容器30と、第1の液体容器を受け入れるように適合された開放型の第2の液体容器40と、近位端と、遠位端54と、近位端で開放したチャンバー51と、遠位端に開口部55とを有する本体50と、を備え、チャンバーは第2の液体容器を受け入れるように適合され、歯科用カプセルは歯科材料の様々な成分を混合し、分配のための歯科用ペーストを形成するように適合されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも3つの成分からなる歯科材料を混合および分配するための歯科用カプセルであって、前記歯科用カプセルは、
プランジャーと、
前記プランジャーを受け入れるように適合された開放型の第1の液体容器と、
前記第1の液体容器を受け入れるように適合された開放型の第2の液体容器と、
近位端と、遠位端と、前記近位端で開放したチャンバーと、前記遠位端に開口部とを有する本体と、
を備え、前記チャンバーは前記第2の液体容器を受け入れるように適合され、前記歯科用カプセルは前記歯科材料の様々な成分を混合し、分配のための歯科用ペーストを形成するように適合されている歯科用カプセル。
【請求項2】
第1の液体は前記第1の液体容器内に収容され、第2の液体は前記第2の液体容器内に収容され、粉末は前記チャンバー内に収容される請求項1に記載の歯科用カプセル。
【請求項3】
前記第1の液体容器は、中央弱化部を組み入れている請求項1または2に記載の歯科用カプセル。
【請求項4】
前記第2の液体容器は、中央弱化部を組み入れている請求項1~3のいずれかに記載の歯科用カプセル。
【請求項5】
前記プランジャーは、前記第1の液体容器の前記中央弱化部および/または前記第2の液体容器の前記中央弱化部を破壊するように適合された前方突出突起を有する請求項3または4に記載の歯科用カプセル。
【請求項6】
前記前方突出突起は、突き刺しによって破壊を達成する請求項5に記載の歯科用カプセル。
【請求項7】
前記プランジャーは、前記プランジャーが押し下げられると前記第1の液体容器内の液体が前記第2の液体容器内に押し込まれるように、前記第1の液体容器と係合している請求項1~6のいずれかに記載の歯科用カプセル。
【請求項8】
前記プランジャーをさらに押し下げることで、前記第2の液体容器内の液体が前記本体の前記チャンバー内に押し込まれて前記チャンバー内の材料と接触し、混合後、前記第2の液体容器の前部が前記プランジャーの押し下げによって破壊されて得られた混合物が前記開口部から押し出される請求項1~7のいずれかに記載の歯科用カプセル。
【請求項9】
前記歯科用カプセルは、前記プランジャーがどれだけ押し下げられたか、または前記第1の液体容器または前記第2の液体容器がどれだけ移動したかに関して操作者に触覚フィードバックを提供する内部特徴をさらに備えている請求項1~8のいずれかに記載の歯科用カプセル。
【請求項10】
前記歯科用カプセルまたはその一部は、操作者が液体および/または粉末の混合、および/または前記プランジャーがどれだけ押し下げられているかを見ることができるようにする透明な材料から作られている請求項1~9のいずれかに記載の歯科用カプセル。
【請求項11】
前記歯科用カプセルは、前記本体の前記遠位端の前記開口部に接続されたノズルをさらに備えている請求項1~10のいずれかに記載の歯科用カプセル。
【請求項12】
前記歯科用カプセルは、前記本体の前記遠位端の前記開口部を覆う壊れやすい膜をさらに備えている請求項1~11のいずれかに記載の歯科用カプセル。
【請求項13】
前記壊れやすい膜は、壊れたときに、混合が行われた後のブラシまたは綿棒などの塗布具の出入りに供する請求項12に記載の歯科用カプセル。
【請求項14】
前記第1の液体容器および前記第2の液体容器は、複数の成分を前記チャンバー内に同時に放出するように配置されている請求項1~6のいずれかに記載の歯科用カプセル。
【請求項15】
前記チャンバーは、押し出し中に前記歯科用ペーストから閉じ込められた空気を逃がすことを可能にするための通気手段を組み入れている請求項1~14のいずれかに記載の歯科用カプセル。
【請求項16】
前記第1の液体容器および/または前記第2の液体容器の前記中央弱化部は、0.05mm未満の厚さを有する請求項3~15のいずれかに記載の歯科用カプセル。
【請求項17】
前記第1の液体容器および/または前記第2の液体容器の前記中央弱化部は、0.03mm未満の厚さを有する請求項3~16のいずれかに記載の歯科用カプセル。
【請求項18】
前記第1の液体容器および/または前記第2の液体容器の前記中央弱化部は、それぞれ前記第1の液体容器または前記第2の液体容器と一体の単一シートの材料から形成されている請求項3~17のいずれかに記載の歯科用カプセル。
【請求項19】
前記壊れやすい膜は、0.02mm未満の厚さを有する請求項12~18のいずれかに記載の歯科用カプセル。
【請求項20】
前記壊れやすい膜は、単一シートの材料から形成されている請求項12~19のいずれかに記載の歯科用カプセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科材料を混合および分配するための歯科用カプセルに関する。
【背景技術】
【0002】
歯科では、研磨、治療、修復、修正などの手順にコンパウンドを使用するのが一般的である。歯科用コンパウンドは、多くの場合、ペーストを形成して硬化する成分の混合物である。
【0003】
このペーストの既知の送達メカニズムには、単一の液体と単一の粉末の成分を混合し、綿棒または注射器を介してペーストを塗布することが含まれている。このプロセスは、特に混合物がすぐに固まる場合、時間がかかり、厄介になる可能性がある。さらに、1つの液体と1つの粉末のみを含むカプセルの化学的性質は非常に限られている。例えば、液体のための開始剤は、実用的でないかもしれない粉末に包含されている必要がある。さらに、液体のために2つの異なる開始剤が必要な場合、これらを粉末成分中に一緒に保存できない場合がある。
【0004】
本発明は、従来の混合物送達手段の前述の欠点を少なくとも部分的に解決しようとするものである。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一態様によれば、少なくとも3つの成分からなる歯科材料を混合および分配するための歯科用カプセルが提供され、前記歯科用カプセルは、
プランジャーと、
前記プランジャーを受け入れるように適合された開放型の第1の液体容器と、
前記第1の液体容器を受け入れるように適合された開放型の第2の液体容器と、
近位端と、遠位端と、前記近位端で開放したチャンバーと、前記遠位端に開口部とを有する本体と、
を備え、前記チャンバーは前記第2の液体容器を受け入れるように適合され、前記歯科用カプセルは前記歯科材料の様々な成分を混合し、分配のための歯科用ペーストを形成するように適合されている。
【0006】
好ましい実施形態では、第1の液体は前記第1の液体容器内に収容され、第2の液体は前記第2の液体容器内に収容され、粉末は前記チャンバー内に収容される。
【0007】
好ましい実施形態では、前記第1の液体容器は、中央弱化部を組み入れている。
【0008】
好ましい実施形態では、前記第2の液体容器は、中央弱化部を組み入れている。
【0009】
好ましい実施形態では、前記プランジャーは、前記第1の液体容器の前記中央弱化部および/または前記第2の液体容器の前記中央弱化部を破壊するように適合された前方突出突起を有する。好ましくは、前記前方突出突起は、突き刺しによって破壊を達成する。
【0010】
好ましい実施形態では、前記プランジャーは、前記プランジャーが押し下げられると前記第1の液体容器内の液体が前記第2の液体容器内に押し込まれるように、前記第1の液体容器と係合している。
【0011】
好ましい実施形態では、前記プランジャーをさらに押し下げることで、前記第2の液体容器内の液体が前記本体の前記チャンバー内に押し込まれて前記チャンバー内の材料と接触し、混合後、前記第2の液体容器の前部が前記プランジャーの押し下げによって破壊されて得られた混合物が前記開口部から押し出される。
【0012】
好ましい実施形態では、前記歯科用カプセルは、前記プランジャーがどれだけ押し下げられたか、または前記第1の液体容器または前記第2の液体容器がどれだけ移動したかに関して操作者に触覚フィードバックを提供する内部特徴をさらに備えている。
【0013】
好ましい実施形態では、前記歯科用カプセルまたはその一部は、操作者が液体および/または粉末の混合、および/または前記プランジャーがどれだけ押し下げられているかを見ることができるようにする透明な材料から作られている。
【0014】
好ましい実施形態では、前記歯科用カプセルは、前記本体の前記遠位端の前記開口部に接続されたノズルをさらに備えている。
【0015】
好ましい実施形態では、前記歯科用カプセルは、前記本体の前記遠位端の前記開口部を覆う壊れやすい膜をさらに備えている。より好ましくは、前記壊れやすい膜は、壊れたときに、混合が行われた後のブラシまたは綿棒などの塗布具の出入りに供する。
【0016】
別の実施形態では、前記第1の液体容器および前記第2の液体容器は、複数の成分を前記チャンバー内に同時に放出するように配置されている。
【0017】
好ましい実施形態では、前記チャンバーは、押し出し中に前記歯科用ペーストから閉じ込められた空気を逃がすことを可能にするための通気手段を組み入れている。
【0018】
好ましい実施形態では、前記第1の液体容器および/または前記第2の液体容器の前記中央弱化部は、0.05mm未満、好ましくは0.03mm未満の厚さを有する。
【0019】
好ましい実施形態では、前記第1の液体容器および/または前記第2の液体容器の前記中央弱化部は、それぞれ前記第1の液体容器または前記第2の液体容器と一体の単一シートの材料から形成されている。第1の液体容器および/または第2の液体容器は、型に入れて成形することができる。
【0020】
好ましい実施形態では、前記壊れやすい膜は、0.02mm未満の厚さを有する。
【0021】
好ましい実施形態では、前記壊れやすい膜は、単一シートの材料から形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態による歯科用カプセルの分解断面図である。
図2】使用の第1段階における図1に示された歯科用カプセルの実施形態の断面図である。
図3】使用の第2段階における図1に示された歯科用カプセルの実施形態の断面図である。
図4】使用の第3段階における図1に示された歯科用カプセルの実施形態の断面図である。
図5】使用の第4段階における図1に示された歯科用カプセルの実施形態の断面図である。
図6】使用の第5段階における図1に示された歯科用カプセルの実施形態の断面図である。
図7】使用の第6段階における図1に示された歯科用カプセルの実施形態の断面図である。
図8】本発明の別の実施形態による歯科用カプセルの分解断面図である。
図9】使用の第1段階における図8に示された歯科用カプセルの実施形態の断面図である。
図10】使用の第2段階における図8に示された歯科用カプセルの実施形態の断面図である。
図11】使用の第3段階における図8に示された歯科用カプセルの実施形態の断面図である。
図12】使用の第4段階における図8に示された歯科用カプセルの実施形態の断面図である。
図13】使用の第5段階における図8に示された歯科用カプセルの実施形態の断面図である。
図14】使用の第6段階における図8に示された歯科用カプセルの実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、少なくとも3つの成分からなる歯科材料を混合および分配するための歯科用カプセルを提供し、歯科用カプセルは、
プランジャーと、
プランジャーを受け入れるように適合された開放型の第1の液体容器と、
第1の液体容器を受け入れるように適合された開放型の第2の液体容器と、
近位端と、遠位端と、近位端で開放したチャンバーと、遠位端に開口部とを有する本体と、
を備え、チャンバーは第2の液体容器を受け入れるように適合され、歯科用カプセルは歯科材料の様々な成分を混合し、分配のための歯科用ペーストを形成するように適合されている。
【0024】
3つの成分を有する歯科用コンパウンドを塗布するための従来の方法は、別個の混合段階/器具および塗布器具を含んでいる。この実施形態の主な利点は、3つの成分を有する歯科用コンパウンドを混合および分配する従来の方法とは異なり、本実施形態は、単一の器具中で歯科用ペーストを混合および分配の両方に必要な作業を実行できることである。
【0025】
特に、本実施形態は、2つの液体成分および1つの粉末成分からなる歯科用ペーストを混合および分配するための歯科用カプセルを対象とする。
【0026】
歯科用容器は、第1の液体が第1の液体容器内に収容され、第2の液体が第2の液体容器内に収容され、粉末がチャンバー内に収容されるように配置されていてもよい。
【0027】
第1の液体容器は、中央弱化部を組み入れていてもよい。
【0028】
第2の液体容器は、中央弱化部を組み入れていてもよい。
【0029】
プランジャーは、第1の液体容器の中央弱化部および/または第2の液体容器の中央弱化部を破壊するように適合された鋭い前方突出突起を有していてもよい。好ましくは、前方突出突起は、突き刺しによって破壊を達成する。
【0030】
プランジャーは、プランジャーが押し下げられると第1の液体容器内の液体が第2の液体容器内に押し込まれるように、第1の液体容器と係合していてもよい。
【0031】
歯科用カプセルは、混合器内で混合後、プランジャーをさらに押し下げると、第2の液体容器内の液体が本体のチャンバー内に押し込まれて本体のチャンバー内の材料と接触し、第2の液体容器の前部がプランジャーの押し下げによって破壊されて分配に対する抵抗を低減するように配置されていてもよい。
【0032】
歯科用カプセルは、プランジャーがどれだけ押し下げられたか、または第1の液体容器または第2の液体容器がどれだけ移動したかに関して操作者に触覚フィードバックを提供する内部特徴をさらに備えていてもよい。この特徴は、さまざまな成分を混合するための個別の時間の条件がある場合に、動作開始の時期を決定するときに特に役立つ。例えば、第1の液体および第2の液体が粉末に接する前に完全に混合および反応する時間を有するように、第2の液体容器の弱化部を破壊しないような位置にプランジャーを保持することが望ましい場合がある。
【0033】
歯科用カプセルまたはその一部は、操作者が液体および/または粉末の混合、および/またはプランジャーがどれだけ押し下げられているかを見ることができるようにする透明な材料から作られていてもよい。
【0034】
歯科用カプセルは、本体の遠位端の開口部に接続されたノズルをさらに備えていてもよい。
【0035】
歯科用カプセルは、本体の遠位端の開口部を覆う壊れやすい膜をさらに備えていてもよい。より好ましくは、壊れやすい膜は、壊れたときに、混合が行われた後のブラシまたは綿棒などの塗布具の出入りに供する。
【0036】
別の実施形態では、第1の液体容器および第2の液体容器は、複数の成分をチャンバー内に同時に放出するように配置されていてもよい。この実施形態では、第1の液体容器は、成分を第2の液体容器に放出するように配置されてはならない。これは、特定の混合を必要とする特定の歯科材料に適している。例えば、ある別の実施形態では、歯科用カプセルは、プランジャーと、プランジャーを受け入れるように適合された開放型の第1の液体容器と、プランジャーを受け入れるように適合された開放型の第2の液体容器と、近位端、遠位端、近位端で開放したチャンバー、および遠位端に開口部を有する本体と、を備えていてもよく、チャンバーは、第1の液体容器および第2の液体容器を受け入れるように適合され、歯科用カプセルは歯科材料の様々な成分を混合し、分配するための歯科用ペーストを形成するように適合されている。
【0037】
チャンバーは、閉じ込められた空気を歯科用ペーストから逃がすことを可能にするための通気手段を組み入れいていてもよい。
【0038】
第1の液体容器および/または第2の液体容器の中央弱化部は、0.05mm未満、好ましくは0.03mm未満の厚さを有していてもよい。
【0039】
第1の液体容器および/または第2の液体容器の中央弱化部は、それぞれ第1の液体容器または第2の液体容器に一体に接続された単一シートの材料から形成されていてもよい。第1の液体容器および/または第2の液体容器は、型に入れて成形することができる。
【0040】
壊れやすい膜は、0.02mm未満の厚さを有していてもよい。
【0041】
以下、一例として添付の図面を参照しながら、本発明について説明する。
【0042】
添付の図面の図1~14を参照すると、歯科材料またはそれから形成される組成物の分配の用途に使用されることが特に想定される歯科用カプセルが示されている。
【0043】
歯科用カプセルは、塗布具を使用して手で操作することができる。
【0044】
図1~7を参照すると、本発明の一実施形態が示されている。
【0045】
添付の図面のうち、図1には、歯科用カプセル10が組み立てられていない形態で示され、その個々の構成要素が断面で示されている。組み立てられたときの歯科用カプセル10は、プランジャー20、開放型の第1の液体容器30、開放型の第2の液体容器40、本体50、密閉手段60、および排出キャップ70を備えている。
【0046】
開放型の第1の液体容器30は、液体を収容するように配置されている。開放型の第1の液体容器30の内面に配置された密閉手段などによって、液体容器30は、プランジャー20によって密閉される。
【0047】
プランジャー20は、最初は液体容器30の開放端に配置され、前面21を有している。さらに、プランジャー20の前面21から、鋭い前方突出突起22が延びている。鋭い前方突出突起22は、開放型の第1の液体容器30の中央弱化部32および開放型の第2の液体容器40の中央弱化部42を貫通するように適合されている。
【0048】
プランジャー20は、前面21から突出する隆起前部23を有する。隆起前部23は、開放型の第1の液体容器30の中央弱化部32よりもサイズが小さく、その結果、前面21が前部31の内側と密着すると、隆起前部23は、貫通した中央弱化部32を押し進む。これにより、第1の液体の相当な量が開放型の第2の液体容器40中に確実に押し込まれる。
【0049】
プランジャー20は、塗布具(図示せず)を受け入れるように適合されている。塗布具は、歯科用カプセル10を保持してもよく、プランジャー20をカプセルに押し込むのを助けてもよい。あるいは、プランジャー20を手動で押し下げてもよい。
【0050】
開放型の第1の液体容器30は、第1の液体を含むように配置されている。プランジャー20の外面に配置された密閉手段などによって、液体容器30は、プランジャー20によって密閉される。
【0051】
開放型の第1の液体容器30は、側壁33と、中央弱化部32を有する前部31とを有している。中央弱化部32は、開放型の第1の液体容器30の前部31のほかの部分よりも実質的に薄くなっている。
【0052】
開放型の第2の液体容器40は、第2の液体を含むように配置されている。開放型の第2の液体容器40の内面に配置された密閉手段などによって、液体容器40は、液体容器30によって密閉される。
【0053】
開放型の第2の液体容器40は、側壁43と、中央弱化部42を有する前部41とを有している。中央弱化部42は、開放型の第2の液体容器40の前部41のほかの部分よりも実質的に薄くなっている。
【0054】
開放型の第2の液体容器40は、外周を一周して形成された後方肩部44を有している。チャンバー51の壁は、後方肩部44を受け入れるように適合された段部57を有している。
【0055】
開放型の第2の液体容器40は、前部41の外周を一周する側壁43の一部として形成された前方肩部45を有している。チャンバー51の壁は、前方肩部45を受け入れるように適合された段部56を有している。
【0056】
前部41と側壁43は、壊れやすい材料によって接続されている。前部41の内側に力が加えられ、その力が反対方向の前方肩部45に押し当てられる力によって打ち消されると、前部41と側壁43との間の接続が切断される。
【0057】
本体50は、ある量の粉末を収容するように配置されたチャンバー51を含んでいる。本体は、近位端58および遠位端54を有している。開放型の第2の端液体容器40の外面に配置された密閉手段などによって、チャンバー51は、開放型の第2の液体容器40によって近位端58の端で密閉される。
【0058】
本体50は、遠位端54に開口部55を組み込んでおり、遠位端54は、遠位端54を通した流体連通を可能にしている。
【0059】
本体50のチャンバー51は、接着剤などの任意の簡便な手段によって本体50に接続されている壊れやすい膜60によって、遠位端54において密閉されている。本体50の遠位端54は、その近位端58に対向している。本体50には、排出キャップ70が取り付けられている。
【0060】
本体50は、塗布具(図示せず)によって使用中に保持されるように適合された外側に面する円周溝52を有している。
【0061】
本体50は、外側に面する円周溝53を有している。
【0062】
密閉手段60は、チャンバー51内に粉末を保持する壊れやすい膜であるが、十分な力または圧力を受けると破損する。
【0063】
排出キャップ70は、材料を分配するためのノズル71を有している。ノズル71は、湾曲した排出ノズルとして示されているが、本発明では、一直線のもの、曲がったもの、またはルアーロック型(ニードルハブを取り付けるためのもの)などの他の変形も想定されている。
【0064】
排出キャップ70は、本体50の遠位端を越えるように適合された周囲壁73を有している。
【0065】
周囲壁73は、内側に面する円周隆起74を有している。外側に面する円周溝53は、内側に面する円周隆起74を受け入れるように適合されている。図示された配置は、排出キャップ70がある程度の剛性を保持しながら弾性変形を可能にする特性を有する材料から作られている場合、排出キャップ70が本体50の遠位端に留まることを確実にする。
【0066】
図2~7を参照すると、歯科用カプセル10の使用方法を説明する動作開始の6つの異なる段階にある歯科用カプセル10が示されている。
【0067】
段階1(図2に示されている):組み立てられた歯科用カプセル10であって、
開放型の第2の液体容器40が本体50のチャンバー51に挿入されており、
開放型の第1の液体容器30が開放型の第2の液体容器40の開放端に挿入されており、
プランジャー20が開放型の第1の液体容器30の開放端に挿入されており、
排出キャップ70が本体50のプランジャー20が取り付けられている端と反対側の端に取り付けられており、
密閉手段60が排出キャップ70と本体50との間に配置されている。
第1の液体は、開放型の第1の液体容器30およびプランジャー20によって形成された囲いの中に含まれている。
第2の液体は、開放型の第2の液体容器40および開放型の第1の液体容器によって形成された囲いの中に含まれている。
粉末は、チャンバー51および開放型の第2の液体容器40によって形成された囲いの中に含まれている。
【0068】
段階2(図3に示されている):プランジャー20が押し下げられて前方突出突起22が開放型の第1の液体容器30の中央弱化部32を貫通しており、プランジャー20の前面21が開放型の第1の液体容器30に含まれている第1の液体に圧力を加える。第1の液体が、中央弱化部32の貫通を通して水圧的に強制的に押しのけられ、開放型の第2の液体容器40内で第2の液体と混合する。
【0069】
段階3(図4に示されている):プランジャー20がさらに押し下げられて前方突出突起22が開放型の第2の液体容器40の中央弱化部42を部分的に貫通しており、プランジャー20の前面21が前部31の内側と密着している。ここで、第1の流体の相当な量が開放型の第2の液体容器40内において第2の流体とともに含まれて第2の流体と混合される。
【0070】
段階4(図5に示されている):プランジャー20がさらに押し下げられて前方突出突起22が開放型の第2の液体容器40の中央弱化部42を完全に貫通しており、前部31が前部41の内側と密着している。押し下げられたプランジャー20によって供給される力が第1の液体および第2の液体の混合物に圧力を加える。加圧された混合物が中央弱化部42の貫通を通して水圧的に押しのけられる。ここで、第1の液体と第2の液体の混合物の相当な量がチャンバー51内において粉末とともに含まれて粉末と混合されて、ペースト状のものを形成する。次に、歯科用カプセル10を既知の振動混合装置に入れて、混合プロセスを促進してもよい。
【0071】
段階5(図6に示されている):プランジャー20がさらに押し下げられて前部41が側壁43から切り離されている。前部41が、円盤状であり、チャンバー51の内部に適合して密閉手段として機能し、ペースト状のものが後方に移動するのを防止する。押し下げられたプランジャー20によって与えられた力が、第1の液体と、第2の液体と、粉末とからなる混合物に圧力を加える。圧力により密閉手段60が破裂し、それによって、本体のチャンバー51とノズルの排出キャップ70との間の流体連絡が可能になり、チャンバー51内のペースト状のものがノズル71を通って押し出され、排出口72から所望の位置に押し出されることが可能になる。
【0072】
段階6(図7に示されている):歯科用カプセル10が完全に動作し、相当な量のペースト状のものが分配された。プランジャー20がさらに押し下げられて前部41が本体50の遠位端54の内側と密着している。
【0073】
図8~14を参照すると、本発明の別の実施形態が示されており、歯科用カプセル110の使用方法を説明している。
【0074】
第1の実施形態と第2の実施形態との主な違いは、排出キャップが本体と係合する手段である。
【0075】
別の実施形態では、本体150は、外側に面する円周溝53と同等の特徴を有していない。また、排出キャップ170は、周囲壁73も内側に面する円周隆起74と同等の特徴も有していない。
【0076】
別の実施形態では、本体150は、実質的に滑らかな前面151および側面152を示している。
【0077】
排出キャップ170は、本体150の前面151に対応するように適合された平坦面178を示している。
【0078】
排出キャップ170は、さらに、前面151と溶接によって係合し、排出キャップ170を本体150上に保持するように適合された釘状部179を特徴としている。
【0079】
使用時には、別の実施形態は、前の実施形態と実質的に同じように、液体および粉末を含み、前記成分を混合し、得られた混合物を分配する機能を果たす。
【0080】
本発明の容器は、歯科材料の混合における使用が特に想定されているが、それが一般的に適用可能であると理解されるべきである。
【0081】
当業者に明らかであるような修正および変形は、本発明の範囲内であると見なされる。歯科用混合物は、液体と粉末のさまざまな組み合わせを通して製造できることが知られている。本明細書における液体または粉末への特定の言及が、別の成分(すなわち、1つの液体成分および2つの粉末成分から形成される歯科用混合物)の混合および分配に適合するように容易に変更できると理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14