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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096711
(43)【公開日】2022-06-30
(54)【発明の名称】乗合車両の乗車案内システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/127 20060101AFI20220623BHJP
【FI】
G08G1/127 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020209825
(22)【出願日】2020-12-18
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉川 勝久
(72)【発明者】
【氏名】稲森 茂
(72)【発明者】
【氏名】大野 光由
(72)【発明者】
【氏名】榊原 孝典
(72)【発明者】
【氏名】山本 奈緒
(72)【発明者】
【氏名】安川 真平
(72)【発明者】
【氏名】山内 克仁
(72)【発明者】
【氏名】難波 祐成
(72)【発明者】
【氏名】小野 達矢
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA06
5H181AA16
5H181AA24
5H181AA27
5H181BB04
5H181CC04
5H181CC12
5H181EE01
5H181EE05
5H181FF05
5H181FF17
5H181FF21
5H181MA22
5H181MA32
5H181MA33
(57)【要約】
【課題】乗客に対して乗合車両への乗車案内を好適に行う。
【解決手段】乗車案内システム10の乗車案内部15Cは、傾向取得部15Bが取得した、バス20に乗車するユーザUの好き嫌い傾向を、当該バス20の乗客の好き嫌い傾向と比較する。乗車案内部15Cは、前記の比較の結果、好き嫌いで反発するユーザUには当該停車中のバス20以外の他のバス20への乗車を案内する案内情報をユーザUが所持する携帯端末U2に送信する。乗車案内部15Cは、前記の比較の結果、共通の好きの傾向があるユーザUには当該停車中のバス20への乗車を案内する案内情報をユーザUが所持する携帯端末U2に送信する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗合車両への乗車をユーザに案内する乗合車両の乗車案内システムであって、
ユーザの好き嫌い傾向を取得する傾向取得手段と、
乗合車両に乗車する前記ユーザの好き嫌い傾向を当該乗合車両の乗客の好き嫌い傾向と比較して、好き嫌いで反発する前記ユーザに、他の乗合車両への乗車を案内する乗車案内手段と、
を備える乗合車両の乗車案内システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、乗り場から発車する乗合車両をユーザに案内する乗合車両の乗車案内システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の乗合車両(路線バス2)が所定のコースを巡回又は往復しているときに、複数の乗合車両の運行状態に基づいて、少なくとも1つの乗合車両の走行予定コースを、前記所定のコースから他のコースに変更する走行支援装置が開示されている。この走行支援装置は、ユーザが携帯端末(ユーザ端末6)に乗車予定位置を入力すると、この乗車予定位置に乗合車両が到着する時刻を携帯端末に表示する(特許文献1の段落0129~0159、図12図14)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-52890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の走行支援装置は、乗車予定位置に乗合車両が到着する到着時刻を携帯端末に表示することで、ユーザに対して乗合車両への乗車を案内するが、当該案内についてユーザの事情は考慮されていない。従って、例えば、犬嫌いのユーザに対して、犬連れの乗客が乗った乗合車両への乗車が案内されてしまうことがある。この場合、犬嫌いのユーザは、乗合車両に乗った犬によって不快に思ってしまうことがある。このように、特許文献1の走行支援装置は、ユーザの事情が考慮されたものではなく、乗合車両への乗車の案内をユーザに対して好適に行っているとはいえない。
【0005】
本開示は、乗客に対して乗合車両への乗車案内を好適に行うことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る乗合車両の乗車案内システムは、乗合車両への乗車をユーザに案内する乗合車両の乗車案内システムであって、ユーザの好き嫌い傾向を取得する傾向取得手段と、乗合車両に乗車する前記ユーザの好き嫌い傾向を当該乗合車両の乗客の好き嫌い傾向と比較して、好き嫌いで反発する前記ユーザに、他の乗合車両への乗車を案内する乗車案内手段と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る乗合車両の乗車案内システムによれば、ユーザが、好き嫌いで反発する好き嫌い傾向の乗客と同乗しないように他の乗合車両への乗車を案内するので、ユーザの好き嫌いの事情に沿った乗車案内が行われ、ユーザに対して乗合車両への乗車案内が好適に行われる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施の形態に係る乗合車両の乗車案内システム、及び、乗合車両が運行される例としてのテーマパークの構成を示すブロック図である。
図2図1のテーマパークのバス乗り場の構成例を示す図である。
図3図1のテーマパーク内を巡回するバスの構成例を示す図である。
図4図1の乗車案内システムに登録されたユーザDBの構成例を示す図である。
図5図1の乗車案内システムのブロック構成を示す図である。
図6図5のユーザID管理部により管理される乗り場ユーザ情報の構成例を示す図である。
図7図5のユーザID管理部により管理される乗客情報の構成例を示す図である。
図8図5の傾向取得部及び乗車案内部により実行される傾向取得・乗車案内処理のフローチャートである。
図9】(A)は、図8のステップS17で送信される案内情報の内容を示す図である。(B)は、図8のステップS19で送信される案内情報の内容を示す図である。(C)は、図8のステップS20で送信される案内情報の内容を示す図である。
図10】案内情報が、バス乗り場に並ぶユーザに順次送信される様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態に係る乗車案内システムについて図面を参照して説明する。図1に示す本開示の実施の形態に係る乗車案内システム10は、テーマパークPに適用される。乗車案内システム10は、テーマパークPの来場者であるユーザUに対して、テーマパークP内を巡回する複数の乗合車両であるバス20A~20Hへの乗車を案内する。以下、テーマパークPについて説明してから、乗車案内システム10を説明する。
【0010】
図1に示すように、テーマパークPは、テーマの異なる第1エリアP1~第3エリアP3を有する。第1エリアP1は、アニメAをテーマとするエリアであり、第1エリアP1には、アニメAの世界観を有する街並み及びアトラクションが設けられている。第2エリアP2はアニメBを、第3エリアP3はアニメCを、テーマとしている。第2エリアP2及び第3エリアP3それぞれには、そのエリアがテーマとするアニメの世界観を有する街並み及びアトラクションが設けられている。
【0011】
テーマパークP内を循環するバス20A~20Hは、第1エリアP1~第3エリアP3を巡回している。なお、バス20A~20Hを総称してバス20ともいう。第1エリアP1~第3エリアP3には、バス20が停車してユーザUが当該バス20に乗り込むバス乗り場40A~40Cがそれぞれ設けられている。なお、バス乗り場40A~40Cを総称してバス乗り場40ともいう。
【0012】
図2に示すように、ユーザUは、ICカードU1を所持する。ICカードU1は、テーマパークPから、ユーザU全員つまり来場者全員に配布される。ただし、ICカードU1は、幼児、小学生等には配られないものとする。また、ICカードU1が配布されたユーザU全員は、携帯電話、タブレット等の携帯端末U2を所持しているものとする。ユーザUが所持する携帯端末U2は、ユーザUの所有物であっても、テーマパークPから貸し出されたものであってもよい。ICカードU1には、当該ICカードU1を所持するユーザUを識別するユーザIDが書き込まれている。
【0013】
図2に示すように、バス乗り場40の入口には、ゲート41が設けられている。ユーザUは、ゲート41を通ってしかバス乗り場40に入場できない。ユーザUは、ゲート41を通って、順次、バス乗り場40に並ぶ。ゲート41は、通常閉状態で、ユーザUのバス乗り場40への入場を規制している。ゲート41は、その所定箇所にICカードU1がかざされることで開状態となり、ユーザUのバス乗り場40への入場を許可する。ゲート41は、ICカードU1がかざされたときに、当該ICカードU1に書き込まれているユーザIDを読み取る。ゲート41は、インターネット等のネットワークを介して乗車案内システム10と通信可能に設けられている。ゲート41は、ICカードU1から読み取ったユーザIDを、当該ゲート41が設けられているバス乗り場40(バス乗り場40A~40Cのいずれか)を識別する乗り場IDとともに乗車案内システム10に送信する。これにより、乗車案内システム10は、どのバス乗り場40にどのユーザUが入場したかを認識する。
【0014】
図3に示すように、バス20には、ユーザUのICカードU1を読み取るリーダ21及び22が搭載されている。ユーザUは、ICカードU1を、バス20に乗るときにリーダ21にかざし、バス20から降りるときにリーダ22にかざす。リーダ21及び22は、ICカードU1がかざされたときに、当該ICカードU1に書き込まれているユーザIDを読み取る。バス20は、インターネット等のネットワークを介して乗車案内システム10と通信可能に設けられている。バス20は、リーダ21が読み取ったユーザIDを、当該バス20を識別するバスID及び乗車を指定する乗車指定情報とともに、乗車案内システム10に送信する。バス20は、リーダ22が読み取ったユーザIDを、前記のバスID及び降車を指定する降車指定情報とともに、乗車案内システム10に送信する。これにより、乗車案内システム10は、どのユーザUがどのバス20に乗車又はどのバス20から降車したかを認識する。
【0015】
図1に示す乗車案内システム10は、バス乗り場40から順次発車するバス20への乗車を、バス乗り場40に並ぶユーザUに案内する。より具体的に、乗車案内システム10は、バス乗り場40でバス20に乗車するユーザUの好き嫌い傾向と、当該バス20の乗客となっているユーザUの好き嫌い傾向と、を比較し、比較結果に応じて、当該バス20への乗車又は当該バス20とは異なる他のバス20への乗車を案内する案内情報をバス乗り場40のユーザUが所持する携帯端末U2に送信する(図5も参照)。
【0016】
図1に示すように、乗車案内システム10は、プログラム及びデータを記憶する不揮発性の記憶装置11、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ12、及び、プロセッサ12のメインメモリとして機能するRAM(Random Access Memory)13を備える。このような構成の乗車案内システム10は、サーバコンピュータ等のコンピュータにより構成されている。記憶装置11としては、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等が挙げられる。
【0017】
記憶装置11は、ユーザUの情報が任意の方法で登録されたユーザDB(データベース)を記憶している。図4に示すように、ユーザDBでは、「ユーザID」と「好き嫌い傾向」と「メールアドレス」とが、互いに対応付けられ、ユーザUごとに1レコードとして記録されている。
【0018】
「ユーザID」は、ユーザUを識別する情報である。「好き嫌い傾向」は、ユーザUの好き嫌いの傾向を特定可能な情報から構成されており、上記バス20への乗車の案内に使用される。「好き嫌い傾向」は、例えば、ユーザUの好きの対象及び嫌いの対象により、ユーザUがどのようなものが好きでどのようなものが嫌いかの好き嫌いの傾向を示す。ここでは、ユーザUの「好きなアニメ」、「好きなもの」、「同伴ペット」、及び、「苦手なもの」を含む。「好きなアニメ」及び「好きなもの」は、ユーザUの好きの対象である。「同伴ペット」は、ユーザが連れているペットを示し、当該ペットはユーザが好きであると考えられる。従って、「同伴ペット」も、ユーザの好きの対象である。なお、ユーザUがペットを同伴していなければ、同伴ペットの情報は「無し」になる。「苦手なもの」は、ユーザUの嫌いの対象である。「好きなアニメ」は、第1エリアP1~第3エリアP3それぞれのテーマであるアニメA~Cから選択される。「好きなもの」、「苦手なもの」、及び、「同伴ペット」は、乗車案内システム10側で用意された選択肢から選択される。例えば、「好きなもの」、「苦手なもの」の選択肢には、犬、猫等の各種動物と、サッカー、野球等の各種スポーツと、ラーメン、カレー等の各種の料理、香水等の化粧品と、が含まれる。「同伴ペット」の選択肢としては、犬、猫などが挙げられる。「メールアドレス」は、ユーザUが所持する携帯端末U2のメールアドレスである。このメールアドレス宛に上記の案内情報が送信される。
【0019】
ユーザDBの各情報は、ICカードU1が配布されるユーザU全員分登録されているものとする。来場者の情報は、事前に、又は、テーマパークPの入場時等の任意のタイミングで登録される。ICカードU1を所持しない小学生等の「好き嫌い傾向」は、その保護者であるユーザUの「好き嫌い傾向」に含まれてもよい。これにより、保護者と子供の好き嫌い傾向に応じた乗車の案内が可能となる。
【0020】
プロセッサ12は、記憶装置11に記憶されたプログラムを実行する。このプログラムを実行するプロセッサ12は、RAM13とともに、図5に示す、ユーザID管理部15Aと、傾向取得部15B、及び、乗車案内部15Cとして動作する。
【0021】
ユーザID管理部15Aは、ゲート41及びバス20から送信されるユーザIDをRAM13に記憶し管理する。
【0022】
ユーザID管理部15Aは、ゲート41から送信されるユーザIDを、図6に示すように、受信順序を示す処理番号N=1から順に対応付けてRAM13に記憶する。ユーザIDは、当該ユーザIDとともに送信される乗り場IDごと(つまりバス乗り場40ごと)に別情報として、RAM13に記憶していく。乗り場IDごとの処理番号N及びユーザIDの集まりを乗り場ユーザ情報という。ユーザID管理部15Aは、ユーザUがバス乗り場40からバス20に乗車するときに当該バス20から乗車指定情報とともに送信されるユーザIDを、乗り場ユーザ情報から削除する。削除されたユーザIDは、バス20に乗車しているユーザUを示す後述の乗客情報に追加される。従って、乗り場ユーザ情報は、対応するバス乗り場40に入場してバス20を待っているユーザUのみを示す。
【0023】
ユーザID管理部15Aは、乗車指定情報とともにバス20から送信されるユーザIDを、図7に示すように、受信順序を示す処理番号M=1から順に対応付けてRAM13に記憶する。ユーザIDは、当該ユーザIDとともに送信されるバスIDごと(つまりバス20ごと)に別情報として、RAM13に記憶していく。バスIDごとの処理番号M及びユーザIDの集まりを乗客情報という。ユーザID管理部15Aは、ユーザUがバス20から降りるときに当該バス20から降車指定情報とともに送信されるユーザIDを、乗客情報から削除する。従って、乗客情報は、対応するバス20に乗車しているユーザUつまり当該バス20の乗客のみを示す。
【0024】
ユーザID管理部15Aは、乗り場ユーザ情報または乗客情報からユーザIDを削除した場合、削除したユーザIDに対応する処理番号N又はMの番号よりも下位の処理番号N又はMの各番号に対応付けられたユーザIDを1つ上位の処理番号N又はMに対応付けなおす。例えば、処理番号N=10のユーザIDが乗り場ユーザ情報から削除された場合、処理番号N=11に対応付けられたユーザIDを、処理番号N=10に対応付けなおす。処理番号N=12、13、・・・に対応付けられたユーザIDも同様に、処理番号N=11、12・・・に対応付けなおす。これにより、処理番号N,MについてユーザIDが対応付けられていない欠番の発生を防止できる。
【0025】
バス20がバス乗り場40に停車して乗客の降車が一通り終わったことを契機として、図5に示す傾向取得部15Bは、記憶装置11に記憶されたユーザDBを参照し、ユーザDBから当該バス20の乗客としてのユーザUとバス乗り場40のユーザUのユーザIDに対応する好き嫌い傾向を取得する。例えば、バス20は、バス乗り場40に停車して乗客の降車が一通り終わったことを契機として、傾向取得部15Bに、自身のバスIDと、当該バス乗り場40の乗り場IDと、を送信する。例えば、バス20のドライバが、前記乗客の降車が一通り終わったときに、所定の操作を行うことで、バス20は、バスID及び乗り場IDを送信する。傾向取得部15Bは、バス20から送信されたバスIDと乗り場IDにそれぞれ対応する乗り場ユーザ情報及び乗客情報のユーザIDに対応する好き嫌い傾向をユーザDBから取得する。当該好き嫌い傾向は、バス乗り場40に停車中のバス20に乗車するユーザU(当該バス20に乗車しようとバス乗り場40で待つユーザU)の好き嫌い傾向と、当該バス20に乗車しており当該バス乗り場40で降車しない乗客であるユーザUの好き嫌い傾向と、である。
【0026】
乗車案内部15Cは、傾向取得部15Bが取得した上記好き嫌い傾向に基づいて、バス20に乗車する各ユーザUの好き嫌い傾向を、当該バス20の乗客の好き嫌い傾向と比較する。乗車案内部15Cは、前記の比較の結果、好き嫌いで反発するユーザUには当該バス20以外の他のバス20への乗車を案内する案内情報をユーザUが所持する携帯端末U2に送信する。乗車案内部15Cは、前記の比較の結果、共通の好きの傾向があるユーザUには当該バス20への乗車を案内する案内情報をユーザUが所持する携帯端末U2に送信する。本実施の形態では、好き嫌いで反発する乗客とユーザUとが同じバス20に乗らないこと、つまり、前記他のバス20への乗車の案内が優先される。そして、この優先を保ちながら、バス乗り場40に停車中のバス20の乗客と共通の好きの傾向を有するユーザUをできるだけ当該バス20に乗せる乗車案内を行うことが好ましい。
【0027】
傾向取得部15B及び乗車案内部15Cは、協働して図8に示す傾向取得・乗車案内処理を実行することにより、上記好き嫌い傾向の取得と上記乗車の案内とを行う。図8に示す傾向取得・乗車案内処理は、上述のようにバス乗り場40に停車して乗客の降車が一通り終わったバス20(以下、停車中のバス20ともいう)から送信される上記バスIDと乗り場IDとを乗車案内システム10が受信したことを契機として開始される。
【0028】
図8に示す傾向取得・乗車案内処理では、まず傾向取得部15Bが、上記乗り場IDのバス乗り場40のゲート41を閉状態に制御し(ステップS11)、新たなユーザUがバス乗り場40に入場しないように規制する。これにより、当該傾向取得・乗車案内処理により上記の案内情報が送信される対象とならないユーザUが、バス乗り場40に入場してしまうことが防止される。
【0029】
その後、傾向取得部15Bは、上記バスIDに対応する乗客情報に含まれる各ユーザIDをキーとして、記憶装置11のユーザDBから各ユーザIDに対応する好き嫌い傾向をRAM13に読み出すことで、当該好き嫌い傾向を取得する(ステップS12)。なお、前記停車中のバス20からは乗客の一部が降車するが、当該乗客のユーザIDは上述のように降車指定情報に基づいてユーザID管理部15Aにより削除される。従って、ステップS12で取得された好き嫌い傾向は、停車中のバス20に乗車している乗客としてのユーザUそれぞれの好き嫌い傾向である。
【0030】
その後、傾向取得部15Bは、停車中のバス20の乗車を待つユーザUの列のうち、先頭にいるユーザUを指定するために、処理番号NをN=1に設定する(ステップS13)。その後、傾向取得部15Bは、上記乗り場IDに対応する乗り場ユーザ情報のN=1に対応するユーザIDをキーとして、記憶装置11のユーザDBから前記ユーザIDに対応する好き嫌い傾向をメールアドレスとともに取得する(ステップS14)。
【0031】
ステップS14のあとは、乗車案内部15Cが、ステップS12,S14で傾向取得部15Bが取得した、停車中のバス20の各乗客の好き嫌い傾向とN=1番目のユーザUの好き嫌い傾向とを比較する(ステップS15)。乗車案内部15Cは、比較の結果、前記の各乗客の好き嫌い傾向に、N=1番目のユーザUの好き嫌い傾向と好き嫌いで反発する好き嫌い傾向が含まれるかを判別する(ステップS16)。ここでは、好き嫌い傾向(図4)のうちの「好きなアニメ」、「好きなもの」、又は「同伴ペット」のいずれかが、「苦手なもの」である場合に、好き嫌い傾向が好き嫌いで反発する。例えば、乗客の「同伴ペット」が犬で、N=1番目のユーザUの「苦手なもの」も犬である場合、両好き嫌い傾向は好き嫌いで反発する。例えば、乗客の「好きなもの」が香水で、N=1番目のユーザUの「苦手なもの」も香水である場合、両好き嫌い傾向は好き嫌いで反発する。
【0032】
乗車案内部15Cは、前記の各乗客の好き嫌い傾向に前記の反発する好き嫌い傾向が含まれる場合(ステップS16;Yes)、停車中のバス20以外の他のバス20(次以降に発車するバス20)への乗車を案内する乗車案内をN=1番目のユーザUの携帯端末U2に送信する(ステップS17)。乗車案内部15Cは、ステップS14で傾向取得部15Bにより取得されたメールアドレス(携帯端末U2のメールアドレス)に、前記の案内情報を送信する(後述のステップS19及びS20も同じ)。ステップS17で送信される案内情報は携帯端末U2に表示される。当該案内情報は、図9(A)に示すように、停車中のバス20には乗らないことを推奨する旨を報知することで、停車中のバス20以外の他のバス20への乗車を案内(ここでは推奨)する。なお、当該案内情報は、「停車中のバスよりも後のバスの方が良いよ」等、他のバス20への乗車を直接案内(例えば推奨)してもよい。
【0033】
なお、図9(A)に示すように、案内情報は、停車中のバス20に乗車する旨の操作ボタン画像B1と、停車中のバス20に乗車しない旨の操作ボタン画像B2とを含む。ユーザUは、携帯端末U2に表示された案内情報を見て、停車中のバス20に乗車すると決めた場合には、操作ボタン画像B1をタップし、停車中のバス20に乗車しないと決めた場合には、操作ボタン画像B2をタップする。携帯端末U2は、操作ボタン画像B1がタップされたときに、停車中のバス20に乗車する旨を案内情報の返答として乗車案内部15Cに送信する。携帯端末U2は、操作ボタン画像B2がタップされたときに、停車中のバス20に乗車しない旨を案内情報の返答として乗車案内部15Cに送信する。このようなことは、ステップS19及びS20ないし図9(B)、(C)における案内情報についても同様である。
【0034】
乗車案内部15Cは、前記の各乗客の好き嫌い傾向に前記の反発する好き嫌い傾向が含まれない場合(ステップS16;No)、前記の各乗客の好き嫌い傾向に、N=1番目のユーザUの好き嫌い傾向の好きの傾向と共通する好きの傾向を有する好き嫌い傾向が含まれるかを判別する(ステップS18)。ここでは、好き嫌い傾向(図4)のうちの「好きなアニメ」、「好きなもの」、又は「同伴ペット」で同じものがある場合に、好きの傾向が共通する。例えば、停車中のバス20の乗客の「同伴ペット」が犬で、次のバス20を待つN=1番目のユーザUの「好きなもの」も犬である場合、好きの傾向が共通する。例えば、停車中のバス20の乗客の「好きなアニメ」と、次のバス20を待つN=1番目のユーザUの「好きなアニメ」とが同じである場合、好きの傾向が共通する。
【0035】
乗車案内部15Cは、前記共通する傾向を有する好き嫌い傾向が含まれる場合(ステップS18;Yes)、停車中のバス20への乗車を案内する案内情報をN=1番目のユーザUの携帯端末U2に送信する(ステップS19)。当該案内情報は、図9(B)に示すように、停車中のバス20に乗った方が良い旨を報知する。乗車案内部15Cは、前記共通する傾向を有する好き嫌い傾向が含まれない場合(ステップS18;No)、任意のバス20への乗車を案内する案内情報をN=1番目のユーザUの携帯端末U2に送信する(ステップS20)。当該案内情報は、図9(C)に示すように、停車中のバスに乗っても問題ない旨を報知することで、任意のバス20への乗車を案内する。
【0036】
乗車案内部15Cは、上記ステップS17、S19、S20のいずれかの処理を行ったあと、携帯端末U2からの上記案内情報の返答を受信待ちする処理を行う(ステップS21)。乗車案内部15Cは、所定期間内に上記案内情報の返答を受信できた場合又は上記案内情報の返答を受信できずに前記所定期間がタイムアウトした場合、次の処理(ステップS22)を行う。
【0037】
乗車案内部15Cは、ステップS22において、停車中のバス20に乗車する旨の案内情報の返答を受信したかを判別し、受信している場合(Yes)、N=1番目のユーザUは、停車中のバス20に乗車するとみなせる。この場合、乗車案内部15Cは、当該N=1番目のユーザUの好き嫌い傾向を、ステップS15で比較対象となる前記停車中のバス20の乗客の好き嫌い傾向に追加する(ステップS23)。これにより、N=2番目以降のユーザUに対する前記停車中のバス20又は他のバス20への乗車案内について、N=1番目であって前記停車中のバス20に乗車すると決まったユーザUの好き嫌い傾向を前記停車中のバス20の乗客の好き嫌い傾向として反映できる。
【0038】
停車中のバス20に乗車する旨の案内を受信していない場合(ステップS22;No)、又は、ステップS23のあと、乗車案内部15Cは、未処理の処理番号Nが有るか判別し(ステップS24)、有れば(ステップS24;Yes)、処理番号Nに1加算する(ステップS25)。その後、ステップS14が実行される。これら処理により、ステップS25が実行されるごとに、その後のステップS14以降の処理は、処理番号N=2、3・・・となっていく。このような処理により、乗車案内システム10は、図10に示すように、停車中のバス20や他のバス20への乗車案内(上記案内情報の送信)を、バス乗り場40に入場した複数のユーザUそれぞれに対して入場順ないしバス乗り場40での並び順(N=1、2、3・・・の順)に順次行うことができる。
【0039】
未処理の処理番号Nが無い場合(ステップS24;No)、傾向取得・乗車案内処理は終了する。なお、図示はしていないが、停車中のバス20がバス乗り場40から出車したあと、ゲート41への閉状態の制御を解除するとよい。これにより、バス乗り場40への新たなユーザUの入場が許可される。
【0040】
以上に説明したように、本実施の形態では、バス20に乗車するユーザU(ここでは、バス乗り場40で並び、停車中のバス20に乗ろうとしているユーザU)の好き嫌い傾向を、当該バス20の乗客(ここでは、当該バス20に乗っている、又は、当該バス20に乗ると決めたユーザU)の好き嫌い傾向と比較し、好き嫌いで反発するユーザUには当該バス20以外の他のバス20への乗車を案内する。これにより、本実施の形態では、ユーザUが、好き嫌いで反発する好き嫌い傾向の乗客と同乗しないように前記停車中のバス20以外の他のバス20への乗車が案内される。これにより、例えば、犬嫌いのユーザUに対して、犬連れの乗客が乗ったバス20への乗車が案内されてしまうといった不都合を抑制できる。このように、本実施形態では、ユーザUの好き嫌いの事情に沿った乗車案内が行われ、ユーザUに対してバス20への乗車案内が好適に行われる。
【0041】
さらに、本実施の形態では、上記の反発が無い場合、前記バス20に乗車するユーザUの好き嫌い傾向と、当該バス20の乗客(当該バス20に乗っているユーザU)の好き嫌い傾向とが共通の好きの傾向を有するユーザUに、当該バス20への乗車を案内する。これにより、例えば、「好きなアニメ」が共通する乗客とユーザUとを同じバス20に同乗させるように、ユーザUに対して乗車案内が行われるので、ユーザUの好きの事情に沿った乗車案内が行われ、ユーザUに対してバス20への乗車案内が好適に行われる。
【0042】
さらに、本実施の形態では、乗車案内がなされたユーザUが停車中のバス20に乗車すると決定した場合(つまり、停車中のバス20に乗車する旨の情報を受信した場合)、当該ユーザUの好き嫌い傾向が前記停車中のバス20の乗客の好き嫌い傾向に加えられ、当該他のユーザUの好き嫌い傾向と比較され、比較結果に応じて当該他のユーザUに対して乗車案内が行われる。これにより、バス20に実際に乗車している乗客の好き嫌い傾向の他、将来の乗客の好き嫌い傾向も考慮されて乗車案内がなされるので、乗車案内の精度があがり、ユーザUに対してバス20への乗車案内が好適に行われる。
【0043】
本実施の形態に係る乗車案内システム10に対して種々の変更を行うことができる。例えば、バス20への乗車の案内は、音声等によって行ってもよい。また、バス20は、第1地点と第2地点とを往復するシャトルバス等であってもよい。乗車案内部15Cは、バス20に乗客が乗車していない場合、N=1番目のユーザU(つまり、バス20への乗車が最初に案内される者)については、ステップS17又はステップS20の案内情報を送信してもよい。「好き嫌い傾向」の内容は、適宜変更可能である。
【0044】
乗車案内システム10は、バス乗り場40に未到着であるがもうすぐ到着するバス20について乗車案内を行ってもよい。例えば、バス20は、GPS(Global Positioning System)機能等により特定する自身の位置がバス乗り場40に近づいたときに、乗車案内システム10に、自身のバスIDと、当該バス乗り場40つまり当該バス20が次に停車するバス乗り場40の乗り場IDと、を送信する。傾向取得部15B及び乗車案内部15Cは、前記バスID及び乗り場IDの受信を契機として、上述の傾向取得・乗車案内処理を行う。この場合、上述の「停車中のバス」は、「次にバス乗り場40に到着するバス」等になる。このような変形例によれば、バス乗り場40へのバス20の到着前に事前に乗車案内を行うことができ、バス20が到着してから乗車案内が行われる場合に比べ、ユーザUのバスの乗車が迅速となる。なお、このような場合、バス乗り場40でバス20に乗車するユーザUと好き嫌いで反発する好き嫌い傾向を有するバス20の乗客が、当該バス乗り場40で降りてしまい、好き嫌いで反発する者同士がバス20に入れ違いになる可能性もあるが、上記のような迅速性を重視する場合には、このような変形例が好適である。
【0045】
ユーザID管理部15AによるユーザIDの取得方法は任意である。例えば、ICカードU1のリーダの代わりに、ユーザIDが登録された携帯端末U2と無線通信可能な通信端末をバス20及びバス乗り場40に設け、ユーザID管理部15Aは、当該通信端末を介して携帯端末U2からユーザIDを取得してもよい。また、他の例として、ユーザID管理部15Aは、ユーザIDが登録された携帯端末U2からGPS機能等による位置情報を取得し、当該位置情報からユーザUがバス乗り場40にいるか、バス20に乗車しているかを特定し、バス乗り場40にいる又はバス20に乗車しているユーザUの携帯端末U2からユーザIDを取得してもよい。
【0046】
乗車案内を行う対象であるユーザUは、バス乗り場40に並んでいなくもよい。この場合、ユーザUは、例えば、携帯端末U2を介して乗車案内システム10に対してバス20の乗車を申し込む。このとき、携帯端末U2は、ユーザIDを乗車案内システム10に送信する。乗車案内システム10は、上記好き嫌い傾向の比較等を行い、ユーザUに対して案内情報を送信する。
【0047】
傾向取得部15Bによる、バス20に乗車するユーザU(バス乗り場40で停車中のバス20に乗ろうとするユーザU、バス乗り場40に到着するバス20を待つユーザU、バス20への乗車を申し込むユーザ等)の好き嫌い傾向と、バス20の乗客(実際に乗車しているユーザU、乗車すると意思表示したユーザU、乗車を案内したユーザU)の好き嫌い傾向と、の取得方法も任意である。例えば、ユーザDBに、ユーザUの顔画像(又は特徴量)に対応付けて好き嫌い傾向を登録しておき、バス20に搭載された車載カメラ、バス乗り場40に設置された定点カメラ等により、バス20の乗客及びユーザUを撮影し、撮影により得られる顔画像に基づいて好き嫌い傾向を取得してもよい。また、ICカードU1又は携帯端末U2に好き嫌い傾向を直接登録しておき、傾向取得部15Bは、ゲート41及びリーダ21及び22、又は、上記の通信端末を介して直接好き嫌い傾向を取得してもよい。傾向取得部15Bは、前記の位置情報に基づいて、バス乗り場40又はバス20内に位置する携帯端末U2から直接好き嫌い傾向を取得してもよい。
【0048】
好き嫌い傾向が好き嫌いで反発する関係、及び、好きの傾向が共通する関係は、記憶装置11に格納されたテーブルにより定義されてもよい。
【0049】
案内情報は、「停車中のバス20に乗ってもいいよ」、「停車中のバス20には乗らなくてもいいよ」等、バス20への乗車を推奨するのではなく、問題ない旨を報知するものであってもよい。
【0050】
バス20A~20Hは、巡回するバスではなく、行先の異なるバス(例えば、第2エリアP2行き、第3エリアP3行き等)を含んでもよい。この場合、乗車案内部15Cは、好き嫌い傾向に応じて行先の異なるバス20への乗車をユーザUに対して案内してもよい。例えば、好き嫌い傾向の「好きなアニメ」がアニメBであれば、当該アニメBを行先とする第2エリアP2が行先のバス20への乗車を案内してもよい。そのうえで、乗車を案内するバス20の乗客の好き嫌い傾向とユーザUの好き嫌い傾向を比較して、上記同様の乗車案内を行ってもよい。
【0051】
乗車案内システム10の案内対象は、バス20以外の乗合車両であってもよい。例えば、当該案内対象を、鉄道車両としてもよい。この場合、鉄道車両の1車両それぞれを1の乗合車両としてもよい。
【符号の説明】
【0052】
10 乗車案内システム、11 記憶装置、12 プロセッサ、13 RAM、15A ユーザID管理部、15B 傾向取得部、15C 乗車案内部、20,20A~20H バス(乗合車両)、21,22 リーダ、40,40A~40C バス乗り場、41 ゲート、P テーマパーク、P1 第1エリア、P2 第2エリア、P3 第3エリア、U ユーザ、U1 ICカード、U2 携帯端末、B1,B2 操作ボタン画像。
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