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特開2022-97769ドルメン構造を有する半導体装置の製造方法及び支持片の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022097769
(43)【公開日】2022-07-01
(54)【発明の名称】ドルメン構造を有する半導体装置の製造方法及び支持片の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/065 20060101AFI20220624BHJP
   H01L 21/301 20060101ALI20220624BHJP
【FI】
H01L25/08 E
H01L21/78 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2019084166
(22)【出願日】2019-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】000004455
【氏名又は名称】昭和電工マテリアルズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100169454
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 裕之
(74)【代理人】
【識別番号】100169063
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 洋平
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 義信
(72)【発明者】
【氏名】板垣 圭
(72)【発明者】
【氏名】谷口 紘平
(72)【発明者】
【氏名】橋本 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】矢羽田 達也
【テーマコード(参考)】
5F063
【Fターム(参考)】
5F063AA46
5F063BA31
5F063BA48
5F063CA04
5F063CA06
5F063CB05
5F063CB06
5F063CB29
5F063DG19
(57)【要約】
【課題】ピックアップ性に優れる支持片を効率的に製造する方法を提供する。
【解決手段】本開示に係る支持片の製造方法は、(A)基材フィルムと、粘着層と、例えば熱硬化性樹脂層からなる支持片形成用フィルムとをこの順序で備える積層フィルムを準備する工程と、(B)粘着層の周縁領域にダイシングリングを貼り付ける工程と、(C)支持片形成用フィルムを個片化することによって、粘着層の第2の面上に複数の支持片を形成する工程と、(D)基材フィルムにおけるダイシングリングの内側領域を加熱することによって当該内側領域の基材フィルムを収縮させる工程とを含む。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板上に配置された第一のチップと、前記基板上であって前記第一のチップの周囲に配置された複数の支持片と、前記複数の支持片によって支持され且つ前記第一のチップを覆うように配置された第二のチップとを含むドルメン構造を有する半導体装置の製造に使用される支持片の製造方法であって、
(A)熱収縮性を有する基材フィルムと、前記基材フィルムと対面する第1の面及びその反対側の第2の面を有する粘着層と、前記粘着層の前記第2の面の中央部を覆うように配置された支持片形成用フィルムとをこの順序で備える積層フィルムを準備する工程と、
(B)前記支持片形成用フィルムを囲うように、前記粘着層にダイシングリングを貼り付ける工程と、
(C)前記支持片形成用フィルムを個片化することによって、前記粘着層の前記第2の面上に複数の支持片を形成する工程と、
(D)前記基材フィルムにおける前記ダイシングリングの内側領域を加熱することによって当該内側領域の前記基材フィルムを収縮させる工程と、
を含み、
前記支持片形成用フィルムが、熱硬化性樹脂層からなるフィルム、あるいは、熱硬化性樹脂層と当該熱硬化性樹脂層よりも高い剛性を有する樹脂層又は金属層とを有する多層フィルムである、支持片の製造方法。
【請求項2】
前記樹脂層がポリイミド層である、請求項1に記載の支持片の製造方法。
【請求項3】
前記金属層が銅層又はアルミニウム層である、請求項1に記載の支持片の製造方法。
【請求項4】
基板と、前記基板上に配置された第一のチップと、前記基板上であって前記第一のチップの周囲に配置された複数の支持片と、前記複数の支持片によって支持され且つ前記第一のチップを覆うように配置された第二のチップとを含むドルメン構造を有する半導体装置の製造方法であって、
請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法によって、前記粘着層の表面上に複数の支持片を形成する工程と、
(E)前記粘着層から前記支持片をピックアップする工程と、
(F)基板上に第一のチップを配置する工程と、
(G)前記基板上であって前記第一のチップの周囲に複数の前記支持片を配置する工程と、
(H)第二のチップと、前記第二のチップの一方の面上に設けられた接着剤片とを備える接着剤片付きチップを準備する工程と、
(I)複数の前記支持片の表面上に前記接着剤片付きチップを配置することによってドルメン構造を構築する工程と、
を含む、半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板と、基板上に配置された第一のチップと、基板上であって第一のチップの周囲に配置された複数の支持片と、複数の支持片によって支持され且つ第一のチップを覆うように配置された第二のチップとを含むドルメン構造を有する半導体装置の製造方法に関する。また、本開示は、ドルメン構造を有する半導体装置の製造に使用される支持片の製造方法に関する。なお、ドルメン(dolmen、支石墓)は、石墳墓の一種であり、複数の支柱石と、その上に載せられた板状の岩とを備える。ドルメン構造を有する半導体装置において、支持片が「支柱石」に相当し、第二のチップが「板状の岩」に相当する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置の分野において、高集積、小型化及び高速化が求められている。半導体装置の一態様として、基板上に配置されたコントローラーチップの上に半導体チップを積層させる構造が注目を集めている。例えば、特許文献1は、コントローラダイと、コントローラダイの上に支持部材によって支持されたメモリダイとを含む半導体ダイアセンブリを開示している。特許文献1の図1Aに図示された半導体アセンブリ100はドルメン構造を有するということができる。すなわち、半導体アセンブリ100は、パッケージ基板102と、その表面上に配置されたコントローラダイ103と、コントローラダイ103の上方に配置されたメモリダイ106a,106bと、メモリダイ106aを支持する支持部材130a,130bとを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2017-515306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、支持部材(支持片)として、シリコンなどの半導体材料を使用できること、より具体的には半導体ウェハをダイシングして得られる半導体材料の断片を使用できることを開示している(特許文献1の[0012]、[0014]及び図2参照)。半導体ウェハを使用してドルメン構造用の支持片を製造するには、通常の半導体チップの製造と同様、例えば、以下の各工程が必要である。
(1)半導体ウェハにバックグラインドテープを貼り付ける工程
(2)半導体ウェハをバックグラインドする工程
(3)ダイシングリングとその中に配置されたバックグラインド後の半導体ウェハに対し、粘着層と接着剤層とを有するフィルム(ダイシング・ダイボンディング一体型フィルム)を貼り付ける工程
(4)半導体ウェハからバックグラインドテープを剥がす工程
(5)半導体ウェハを個片化する工程
【0005】
本開示は、ピックアップ性に優れる支持片を効率的に製造する方法を提供する。また、本開示は、上記支持片を使用してドルメン構造を有する半導体装置を製造する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面はドルメン構造を有する半導体装置の製造に使用される支持片の製造方法に関する。この製造方法は以下の工程を含む。
(A)熱収縮性を有する基材フィルムと、基材フィルムと対面する第1の面及びその反対側の第2の面を有する粘着層と、粘着層の第2の面の中央部を覆うように配置された支持片形成用フィルムとをこの順序で備える積層フィルムを準備する工程
(B)支持片形成用フィルムを囲うように、粘着層にダイシングリングを貼り付ける工程
(C)支持片形成用フィルムを個片化することによって、粘着層の第2の面上に複数の支持片を形成する工程と、
(D)基材フィルムにおけるダイシングリングの内側領域を加熱することによって当該内側領域の基材フィルムを収縮させる工程
上記支持片形成用フィルムは以下のフィルムのいずれか一つである。
・熱硬化性樹脂層からなるフィルム
・熱硬化性樹脂層と、当該熱硬化性樹脂層よりも高い剛性を有する樹脂層とを有する多層フィルム
・熱硬化性樹脂層と、当該熱硬化性樹脂層よりも高い剛性を有する金属層とを有する多層フィルム
支持片形成用フィルムが有する樹脂層は、例えば、ポリイミド層である。支持片形成用フィルムが有する金属層は、例えば、銅層又はアルミニウム層である。なお、上記熱硬化性樹脂層の熱硬化後の剛性は樹脂層又は金属層の剛性よりも低くても高くてもよい。剛性は、物体が曲げ又はねじれに対して破壊に耐える能力を意味する。
【0007】
(D)工程は、基材フィルムにおけるダイシングリングの内側領域を加熱することによって当該内側領域の基材フィルムを収縮させる工程である。このような手法によって基材フィルムの中央領域に張力を付与することで、隣接する支持片の間隔を広げることができる。これにより、ピックアップエラーの発生をより一層抑制できるとともに、ピックアップ工程における支持片の視認性を向上させることができる。
【0008】
本開示に係る上記製造方法においては、支持片形成用フィルムを個片化して得られる支持片を使用する。これにより、支持片として、半導体ウェハをダイシングして得られる半導体材料の断片を使用する従来の製造方法と比較すると、支持片を作製する工程を簡略化できる。すなわち、従来、上述の(1)~(5)の工程を必要としていたのに対し、支持片形成用フィルムは半導体ウェハを含まないため、半導体ウェハのバックグラインドに関する(1)、(2)及び(4)の工程を省略できる。また、樹脂材料と比較して高価な半導体ウェハを使用しないため、コストも削減できる。なお、熱硬化性樹脂層は他の部材(例えば、基板)に対して接着性を有するため、支持片に接着剤層等を別途設けなくてもよい。
【0009】
本開示の一側面は、ドルメン構造を有する半導体装置の製造方法に関する。この製造方法は、上記(A)工程及び(B)工程を経て粘着層の表面上に複数の支持片を形成する工程と、以下の工程とを含む。
(E)粘着層から支持片をピックアップする工程
(F)基板上に第一のチップを配置する工程
(G)基板上であって第一のチップの周囲に複数の支持片を配置する工程
(H)第二のチップと、第二のチップの一方の面上に設けられた接着剤片とを備える接着剤片付きチップを準備する工程
(I)複数の支持片の表面上に接着剤片付きチップを配置することによってドルメン構造を構築する工程
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、ピックアップ性に優れる支持片を効率的に製造する方法が提供される。また、本開示よれば、上記支持片を使用してドルメン構造を有する半導体装置を製造する方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は本開示に係る半導体装置の一例を模式的に示す断面図である。
図2図2(a)及び図2(b)は第一のチップと複数の支持片との位置関係の例を模式的に示す平面図である。
図3図3(a)は支持片形成用積層フィルムの一例を模式的に示す平面図であり、図3(b)は図3(a)のb-b線における断面図である。
図4図4は粘着層と支持片形成用フィルムとを貼り合わせる工程を模式的に示す断面図である。
図5図5(a)~図5(c)は支持片の作製過程を模式的に示す断面図である。
図6図6(a)はヒーターのブローによって基材フィルムの内側領域を加熱している様子を模式的に示す断面図であり、図6(b)は粘着層から支持片をピックアップする様子を模式的に示す断面図である。
図7図7は基板上であって第一のチップの周囲に複数の支持片を配置した状態を模式的に示す断面図である。
図8図8は接着剤片付きチップの一例を模式的に示す断面図である。
図9図9は基板上に形成されたドルメン構造を模式的に示す断面図である。
図10図10(a)及び図10(b)は支持片形成用積層フィルムの他の実施形態をそれぞれ模式的に示す断面図である。
図11図11(a)は図10(a)に示す二層フィルムをハーフカットした状態を模式的に示す断面図であり、図11(b)は図10(b)に示す三層フィルムをハーフカットした状態を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はそれに対応するメタクリレートを意味する。「A又はB」とは、AとBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。
【0013】
本明細書において「層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含される。また、本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。また、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
【0014】
本明細書において組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。また、例示材料は特に断らない限り単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
【0015】
(半導体装置)
図1はドルメン構造を有する半導体装置の一例を模式的に示す断面図である。この図に示す半導体装置100は、基板10と、基板10の表面上に配置されたチップT1(第一のチップ)と、基板10の表面上であってチップT1の周囲に配置された複数の支持片Dcと、チップT1の上方に配置されたチップT2(第二のチップ)と、チップT2と複数の支持片Dcとによって挟まれている接着剤片Tcと、チップT2上に積層されたチップT3,T4と、基板10の表面上の電極(不図示)とチップT1~T4とをそれぞれ電気的に接続する複数のワイヤwと、チップT1とチップT2との隙間等に充填された封止材50とを備える。
【0016】
本実施形態においては、複数の支持片Dcと、チップT2と、支持片DcとチップT2との間に位置する接着剤片Tcとによって基板10上にドルメン構造が構成されている。チップT1は、接着剤片Tcと離間している。支持片Dcの厚さを適宜設定することで、チップT1の上面と基板10とを接続するワイヤwのためのスペースを確保することができる。
【0017】
基板10は、有機基板であってもよく、リードフレーム等の金属基板であってもよい。基板10は、半導体装置100の反りを抑制する観点から、基板10の厚さは、例えば、90~300μmであり、90~210μmであってもよい。
【0018】
チップT1は、例えば、コントローラーチップであり、接着剤片Tcによって基板10に接着され且つワイヤwによって基板10と電気的に接続されている。平面視におけるチップT1の形状は、例えば矩形(正方形又は長方形)である。チップT1の一辺の長さは、例えば、5mm以下であり、2~5mm又は1~5mmであってもよい。チップT1の厚さは、例えば、10~150μmであり、20~100μmであってもよい。
【0019】
チップT2は、例えば、メモリチップであり、接着剤片Tcを介して支持片Dcの上に接着されている。平面視でチップT2は、チップT1よりも大きいサイズを有する。平面視におけるチップT2の形状は、例えば矩形(正方形又は長方形)である。チップT2の一辺の長さは、例えば、20mm以下であり、4~20mm又は4~12mmであってもよい。チップT2の厚さは、例えば、10~170μmであり、20~120μmであってもよい。なお、チップT3,T4も、例えば、メモリチップであり、接着剤片Tcを介してチップT2の上に接着されている。チップT3,T4の一辺の長さは、チップT2と同様であればよく、チップT3,T4の厚さもチップT2と同様であればよい。
【0020】
支持片Dcは、チップT1の周囲に空間を形成するスペーサーの役割を果たす。支持片Dcは、熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる。なお、図2(a)に示すように、チップT1の両側の離れた位置に、二つの支持片Dc(形状:長方形)を配置してもよいし、図2(b)に示すように、チップT1の角に対応する位置にそれぞれ一つの支持片Dc(形状:正方形、計4個)を配置してもよい。平面視における支持片Dcの一辺の長さは、例えば、20mm以下であり、1~20mm又は1~12mmであってもよい。支持片Dcの厚さ(高さ)は、例えば、10~180μmであり、20~120μmであってもよい。
【0021】
(支持片の製造方法)
本実施形態に係る支持片の製造方法は以下の工程を含む。
(A)熱収縮性を有する基材フィルム1と、基材フィルム1と対面する第1の面F1及びその反対側の第2の面F2を有する粘着層2と、粘着層2の第2の面F2の中央部を覆うように配置された支持片形成用フィルムDとをこの順序で備える支持片形成用積層フィルム20(以下、場合により「積層フィルム20」という。)を準備する工程(図3(a)及び図3(b)参照)
(B)支持片形成用フィルムDを囲うように、粘着層2の周縁領域2aにダイシングリングDRを貼り付ける工程
(C)支持片形成用フィルムDを個片化することによって、粘着層2の第2の面F2上に複数の支持片を形成する工程(図5(b)参照)
(D)基材フィルム1におけるダイシングリングDRの内側領域1aを加熱することによって内側領域1aの基材フィルム1を収縮させる工程
なお、図1に示す支持片Dcは熱硬化性樹組成物が硬化した後のものである。一方、支持片Daは熱硬化性樹組成物が完全に硬化する前の状態のものである。
【0022】
[(A)工程]
積層フィルム20は、基材フィルム1と、粘着層2と、支持片形成用フィルムDとを備える。基材フィルム1は、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)、ポリオレフィンフィルムであり、熱収縮性を有する。粘着層2は、基材フィルム1と対面する第1の面F1及びその反対側の第2の面F2を有する。粘着層2はパンチング等によって円形に形成されている(図3(a)参照)。粘着層2は、紫外線硬化型の粘着剤からなる。すなわち、粘着層2は紫外線が照射されることによって粘着性が低下する性質を有する。支持片形成用フィルムDは、パンチング等によって円形に形成されており、粘着層2よりも小さい直径を有する(図3(a)参照)。支持片形成用フィルムDは、熱硬化性樹脂組成物からなる。
【0023】
支持片形成用フィルムDを構成する熱硬化性樹脂組成物は、半硬化(Bステージ)状態を経て、その後の硬化処理によって完全硬化物(Cステージ)状態となり得るものである。熱硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、エラストマ(例えば、アクリル樹脂)とを含み、必要に応じて、無機フィラー及び硬化促進剤等を更に含む。支持片形成用フィルムDを構成する熱硬化性樹脂組成物の詳細については後述する。
【0024】
積層フィルム20は、例えば、基材フィルム1とその表面上に粘着層2とを有する第1の積層フィルムと、カバーフィルム3とその表面上に支持片形成用フィルムDとを有する第2の積層フィルムとを貼り合わせることによって作製することができる(図4参照)。第1の積層フィルムは、基材フィルム1の表面上に粘着層を塗工によって形成する工程と、粘着層をパンチング等によって所定の形状(例えば、円形)に加工する工程を経て得られる。第2の積層フィルムは、カバーフィルム3(例えば、PETフィルム又はポリエチレンフィルム)の表面上に支持片形成用フィルムを塗工によって形成する工程と、支持片形成用フィルムをパンチング等によって所定の形状(例えば、円形)に加工する工程を経て得られる。積層フィルム20を使用するに際し、カバーフィルム3は適当なタイミングで剥がされる。
【0025】
[(B)工程]
図5(a)に示されたように、積層フィルム20にダイシングリングDRを貼り付ける。すなわち、粘着層2の周縁領域2aにダイシングリングDRを貼り付け、ダイシングリングDRの内側に支持片形成用フィルムDが配置された状態にする。
【0026】
[(C)工程]
図5(b)に示されたように、支持片形成用フィルムDの厚さ方向の途中まで切り込みCを形成する。これにより、ハーフカットされた支持片形成用フィルムDを有する積層フィルム25が得られる。すなわち、積層フィルム25は、基材フィルム1と、粘着層2と、支持片形成用フィルムDとをこの順序で備え、支持片形成用フィルムDは、粘着剤層2と対面する側の面と反対側の面に、支持片形成用フィルムDの厚さ方向の途中まで至る切り込みCを有する。切り込みCは、例えば、ブレード又はレーザーによって形成すればよい。切り込みCの深さは、支持片形成用フィルムDの厚さを100とすると25~50であればよく、30~40であってもよい。
【0027】
その後、例えば、-15~0℃の温度条件下でのクールエキスパンションによって、支持片形成用フィルムDを個片化する。これにより、支持片形成用フィルムDから多数の支持片Daが得られる。図5(c)に示されたように、基材フィルム1におけるダイシングリングDRの内側領域1aをリングRで突き上げることによって基材フィルム1に張力を付与すればよい。
【0028】
[(D)工程]
基材フィルム1におけるダイシングリングDRの内側領域1aを加熱することによって内側領域1aを収縮させる。図6(a)は、ヒーターHのブローによって内側領域1aを加熱している様子を模式的に示す断面図である。内側領域1aを環状に収縮させて基材フィルム1に張力を付与することで、隣接する支持片Daの間隔を広げることができる。これにより、ピックアップエラーの発生をより一層抑制できるとともに、ピックアップ工程における支持片Daの視認性を向上させることができる。
【0029】
(半導体装置の製造方法)
半導体装置100の製造方法について説明する。本実施形態に係る製造方法は、上記(A)~(D)工程を経て粘着層2の表面上に複数の支持片Daを形成する工程と、以下の工程とを含む。
(E)粘着層2から支持片Daをピックアップする工程(図6(b)参照)
(F)基板10上に第一のチップT1を配置する工程
(G)基板10上であって第一のチップT1の周囲に複数の支持片Daを配置する工程(図7参照)
(H)第二のチップT2と、第二のチップT2の一方の面上に設けられた接着剤片Taとを備える接着剤片付きチップT2aを準備する工程(図8参照)
(I)複数の支持片Dcの表面上に接着剤片付きチップT2aを配置することによってドルメン構造を構築する工程(図9参照)
(J)チップT1とチップT2との隙間等を封止材50で封止する工程(図1参照)
【0030】
[(E)工程]
(E)工程は、粘着層2から支持片Daをピックアップする工程である。まず、粘着層2に対して紫外線を照射することにより、粘着層2と支持片Daとの間の粘着力を低下させる。その後、図6(b)に示されるように、支持片Daを突き上げ治具42で突き上げることによって粘着層2から支持片Daを剥離させるとともに、吸引コレット44で吸引して支持片Daをピックアップする。なお、ダイシング前の支持片形成用フィルムD又はピックアップ前の支持片Daを加熱することによって、熱硬化性樹脂の硬化反応を進行させておいてもよい。ピックアップする際に支持片Daが適度に硬化していることで優れたピックアップ性を達成し得る。なお、(E)工程においても、図5(c)に示すリングRを使用して基材フィルム1に張力を付与してもよい。
【0031】
[(F)工程]
(F)工程は、基板10上に第一のチップT1を配置する工程である。例えば、まず、基板10上の所定の位置に接着剤層T1cを介してチップT1を配置する。その後、チップT1はワイヤwで基板10と電気的に接続される。
【0032】
[(G)工程]
(G)工程は、基板10上であって第一のチップT1の周囲に複数の支持片Daを配置する工程である。この工程を経て、図7に示す構造体30が作製される。構造体30は、基板10と、その表面上に配置されたチップT1と、複数の支持片Daとを備える。支持片Daの配置は圧着処理によって行えばよい。圧着処理は、例えば、80~180℃、0.01~0.50MPaの条件で、0.5~3.0秒間にわたって実施することが好ましい。なお、支持片Daは(G)工程の時点で完全に硬化して支持片Dcとなっていてもよく、この時点では完全硬化していなくてもよい。支持片Daは(I)工程の開始前の時点で完全硬化して支持片Dcとなっていることが好ましい。
【0033】
[(H)工程]
(H)工程は、図8に示す接着剤片付きチップT2aを準備する工程である。接着剤片付きチップT2aは、チップT2と、その一方の表面に設けられた接着剤片Taとを備える。接着剤片付きチップT2aは、例えば、半導体ウェハ及びダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを使用し、ダイシング工程及びピックアップ工程を経て得ることができる。
【0034】
[(I)工程]
(I)工程は、複数の支持片Dcの上面に接着剤片Taが接するように、チップT1の上方に接着剤片付きチップT2aを配置する工程である。具体的には、支持片Dcの上面に接着剤片Taを介してチップT2を圧着する。この圧着処理は、例えば、80~180℃、0.01~0.50MPaの条件で、0.5~3.0秒間にわたって実施することが好ましい。次に、加熱によって接着剤片Taを硬化させる。この硬化処理は、例えば、60~175℃、0.01~1.0MPaの条件で、5分間以上にわたって実施することが好ましい。これにより、接着剤片Taが硬化して接着剤片Tcとなる。この工程を経て、基板10上にドルメン構造が構築される(図9参照)。
【0035】
(I)工程後であって(J)工程前に、チップT2の上に接着剤片を介してチップT3を配置し、更に、チップT3の上に接着剤片を介してチップT4を配置する。接着剤片は上述の接着剤片Taと同様の熱硬化性樹脂組成物であればよく、加熱硬化によって接着剤片Tcとなる(図1参照)。他方、チップT2,T3,T4と基板10とをワイヤwで電気的にそれぞれ接続する。なお、チップT1の上方に積層するチップの数は本実施形態の三つに限定されず、適宜設定すればよい。
【0036】
[(J)工程]
(J)工程は、チップT1とチップT2との隙間等を封止材50で封止する工程である。この工程を経て図1に示す半導体装置100が完成する。
【0037】
(支持片形成用フィルムを構成する熱硬化性樹脂組成物)
支持片形成用フィルムDを構成する熱硬化性樹脂組成物は、上述のとおり、エポキシ樹脂と、硬化剤と、エラストマとを含み、必要に応じて、無機フィラー及び硬化促進剤等を更に含む。本発明者らの検討によると、支持片Da及び硬化後の支持片Dcは以下の特性を有することが好ましい。
・特性1:基板10の所定の位置に支持片Daを熱圧着したとき位置ずれが生じにくいこと(120℃における支持片Daの溶融粘度が、例えば、4300~50000Pa・s又は5000~40000Pa・sであること)
・特性2:半導体装置100内において支持片Dcが応力緩和性を発揮すること(熱硬化性樹脂組成物がエラストマ(ゴム成分)を含むこと)
・特性3:接着剤片付きチップの接着剤片Tcとの接着強度が十分に高いこと(接着剤片Tcに対する支持片Dcのダイシェア強度が、例えば、2.0~7.0Mpa又は3.0~6.0Mpaであること)
・特性4:硬化に伴う収縮率が十分に小さいこと
・特性5:ピックアップ工程においてカメラによる支持片Daの視認性が良いこと(熱硬化性樹脂組成物が、例えば、着色料を含んでいること)
・特性6:支持片Dcが十分な機械的強度を有すること
【0038】
[エポキシ樹脂]
エポキシ樹脂は、硬化して接着作用を有するものであれば特に限定されない。ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等の二官能エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂などを使用することができる。また、多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、複素環含有エポキシ樹脂または脂環式エポキシ樹脂など、一般に知られているものを適用することができる。これらは一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
【0039】
[硬化剤]
硬化剤として、例えば、フェノール樹脂、エステル化合物、芳香族アミン、脂肪族アミン及び酸無水物が挙げられる。これらのうち、高いダイシェア強度を達成する観点から、フェノール樹脂が好ましい。フェノール樹脂の市販品として、例えば、DIC(株)製のLF-4871(商品名、BPAノボラック型フェノール樹脂)、エア・ウォーター(株)製のHE-100C-30(商品名、フェニルアラキル型フェノール樹脂)、DIC(株)製のフェノライトKA及びTDシリーズ、三井化学株式会社製のミレックスXLC-シリーズとXLシリーズ(例えば、ミレックスXLC-LL)、エア・ウォーター(株)製のHEシリーズ(例えば、HE100C-30)、明和化成株式会社製のMEHC-7800シリーズ(例えばMEHC-7800-4S)、JEFケミカル株式社製のJDPPシリーズが挙げられる。これらは一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
【0040】
エポキシ樹脂とフェノール樹脂の配合量は、高いダイシェア強度を達成する観点から、それぞれエポキシ当量と水酸基当量の当量比が0.6~1.5であることが好ましく、0.7~1.4であることがより好ましく、0.8~1.3であることが更に好ましい。配合比が上記範囲内であることで、硬化性及び流動性の両方を十分に高水準に達成しやすい。
【0041】
[エラストマ]
エラストマとして、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、ポリブタジエン、アクリロニトリル、エポキシ変性ポリブタジエン、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、フェノール変性ポリブタジエン及びカルボキシ変性アクリロニトリルが挙げられる。
【0042】
高いダイシェア強度を達成する観点から、エラストマとしてアクリル系樹脂が好ましく、更に、グリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレート等のエポキシ基又はグリシジル基を架橋性官能基として有する官能性モノマーを重合して得たエポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体等のアクリル系樹脂がより好ましい。アクリル系樹脂のなかでもエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びエポキシ基含有アクリルゴムが好ましく、エポキシ基含有アクリルゴムがより好ましい。エポキシ基含有アクリルゴムは、アクリル酸エステルを主成分とし、主として、ブチルアクリレートとアクリロニトリル等の共重合体、エチルアクリレートとアクリロニトリル等の共重合体などからなる、エポキシ基を有するゴムである。なお、アクリル系樹脂は、エポキシ基だけでなく、アルコール性又はフェノール性水酸基、カルボキシル基等の架橋性官能基を有していてもよい。
【0043】
アクリル樹脂の市販品としては、ナガセケムテック(株)製のSG-70L、SG-708-6、WS-023 EK30、SG-280 EK23、SG-P3溶剤変更品(商品名、アクリルゴム、重量平均分子量:80万、Tg:12℃、溶剤はシクロヘキサノン)等が挙げられる。
【0044】
アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、高いダイシェア強度を達成する観点から、-50~50℃であることが好ましく、-30~30℃であることがより好ましい。アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、高いダイシェア強度を達成する観点から、10万~300万であることが好ましく、50万~200万であることがより好ましい。ここで、Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレンによる検量線を用いて換算した値を意味する。なお、分子量分布の狭いアクリル樹脂を用いることにより、高弾性の接着剤片を形成できる傾向にある。
【0045】
熱硬化性樹脂組成物に含まれるアクリル樹脂の量は、高いダイシェア強度を達成する観点から、エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤の合計100質量部に対して10~200質量部であることが好ましく、20~100質量部であることがより好ましい。
【0046】
[無機フィラー]
無機フィラーとして、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ホウ酸アルミウィスカ、窒化ホウ素及び結晶性シリカ、非晶性シリカが挙げられる。これらは一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
【0047】
無機フィラーの平均粒径は、高いダイシェア強度を達成する観点から、0.005μm~1.0μmが好ましく、0.05~0.5μmがより好ましい。無機フィラーの表面は、高いダイシェア強度を達成する観点から、化学修飾されていることが好ましい。(追記しました)表面を化学修飾する材料として適したものにシランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤の官能基の種類として、例えば、ビニル基、アクリロイル基、エポキシ基、メルカプト基、アミノ基、ジアミノ基、アルコキシ基、エトキシ基が挙げられる。
【0048】
高いダイシェア強度を達成する観点から、熱硬化性樹脂組成物の樹脂成分100質量部に対して、無機フィラーの含有量は20~200質量部であることが好ましく、30~100質量部であることがより好ましい。
【0049】
[硬化促進剤]
硬化促進剤として、例えば、イミダゾール類及びその誘導体、有機リン系化合物、第二級アミン類、第三級アミン類、及び第四級アンモニウム塩が挙げられる。高いダイシェア強度を達成する観点から、イミダゾール系の化合物が好ましい。イミダゾール類としては、2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチルー2-メチルイミダゾール等が挙げられる。これらは一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
【0050】
熱硬化性樹脂組成物における硬化促進剤の含有量は、高いダイシェア強度を達成する観点から、エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤の合計100質量部に対して0.04~3質量部が好ましく、0.04~0.2質量部がより好ましい。
【0051】
以上、本開示の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、紫外線硬化型の粘着層2を有する積層フィルム20を例示したが、粘着層2は感圧型であってもよい。なお、感圧型の接着層は、光反応性を有する炭素-炭素二重結合を有する樹脂を含有しても、含有しなくてもよい。例えば、粘着層は、その所定の領域に紫外線を照射することによって当該領域の粘着性を低下させたものであってもよく、例えば、光反応性を有する炭素-炭素二重結合を有する樹脂が残存していてもよい。
【0052】
上記実施形態においては、図3(b)に示すように、熱硬化性樹脂層からなる支持片形成用フィルムDを備える支持片形成用積層フィルム20を例示したが、支持片形成用積層フィルムは、熱硬化性樹脂層と当該熱硬化性樹脂層よりも高い剛性を有する樹脂層又は金属層とを有する多層フィルムを備えたものであってもよい。図10(a)に示す支持片形成用積層フィルム20Aは、熱硬化性樹脂層5と、熱硬化性樹脂層よりも高い剛性を有する樹脂層6とを有する二層フィルムD2(支持片形成用フィルム)を有する。すなわち、支持片形成用積層フィルム20Aにおいては、粘着層2と最外面の樹脂層6との間に熱硬化性樹脂層5が配置されている。なお、熱硬化性樹脂層5は、第一実施形態に係る支持片形成用フィルムDを構成する熱硬化性樹脂組成物からなる。樹脂層6の厚さは、例えば、5~100μmであり、10~90μm又は20~80μmであってもよい。樹脂層6は、例えば、ポリイミド層である。
【0053】
図10(b)に示す支持片形成用積層フィルム20Bは、熱硬化性樹脂層よりも高い剛性を有する樹脂層6と、樹脂層6を挟む二層の熱硬化性樹脂層5a,5bとを有する三層フィルムD3(支持片形成用フィルム)を有する。支持片形成用積層フィルム20Bにおいては、粘着層2の表面上に三層フィルムD3が配置されている。
【0054】
図11(a)は二層フィルムD2をハーフカットした状態を模式的に示す断面図である。図11(a)に示されたとおり、(B)工程において、支持片形成用フィルム20Aの樹脂層6を切断し且つ熱硬化性樹脂層5の厚さ方向の途中まで切り込みCを形成すればよい。これにより、ハーフカットされた二層フィルムD2を有する積層フィルム25Aが得られる。すなわち、積層フィルム25Aは、基材フィルム1と、粘着層2と、二層フィルムD2とをこの順序で備え、二層フィルムD2は、粘着剤層2と対面する側の面と反対側の面に、樹脂層6を切断し且つ熱硬化性樹脂層5の厚さ方向の途中まで至る切り込みCを有する。樹脂層6が個片化されることで複数の樹脂片6pが形成されている。
【0055】
図11(b)は三層フィルムD3をハーフカットした状態を模式的に示す断面図である。図11(b)に示されたとおり、(B)工程において、支持片形成用フィルム20Bの熱硬化性樹脂層5a及び樹脂層6を切断し且つ熱硬化性樹脂層5bの厚さ方向の途中まで切り込みCを形成すればよい。これにより、ハーフカットされた三層フィルムD3を有する積層フィルム25Bが得られる。すなわち、積層フィルム25Bは、基材フィルム1と、粘着層2と、三層フィルムD3とをこの順序で備え、三層フィルムD3は、粘着剤層2と対面する側の面と反対側の面に、熱硬化性樹脂層5a及び樹脂層6を切断し且つ熱硬化性樹脂層5bの厚さ方向の途中まで至る切り込みCを有する。熱硬化性樹脂層5aが個片化されることで複数の接着剤片5pが形成され、樹脂層6が個片化されることで複数の樹脂片6pが形成されている。
【0056】
支持片形成用積層フィルム20A,20Bは、熱硬化性樹脂層5よりも高い剛性を有する樹脂層6を含むことで、ダイシングによって個片化された後において、熱硬化性樹脂層5の熱硬化処理を実施しなくても、優れたピックアップ性を達成し得る。
【0057】
支持片形成用積層フィルム20A,20Bにおいて、樹脂層6の代わりに、熱硬化性樹脂層よりも高い金属層(例えば、銅層又はアルミニウム層)を採用してもよい。金属層の厚さは、例えば、5~100μmであり、10~90μm又は20~80μmであってもよい。支持片形成用積層フィルム20A,20Bが金属層を含むことで、優れたピックアップ性に加え、樹脂材料と金属材料の光学的なコントラストにより、ピックアップ工程において支持片の優れた視認性を達成し得る。
【0058】
上記実施形態においては、より一層優れたピックアップ性を達成する観点から、(C)工程において支持片形成用フィルムD、熱硬化性樹脂層5又は熱硬化性樹脂層5bをハーフカットする場合を例示したが、(C)工程において基材フィルム1に至る切り込みを形成してもよい。この場合、クールエキスパンションの工程を省略することができる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本開示によれば、ピックアップ性に優れる支持片を効率的に製造する方法が提供される。また、本開示よれば、上記支持片を使用してドルメン構造を有する半導体装置を製造する方法が提供される。
【符号の説明】
【0060】
1…基材フィルム、1a…内側領域、2…粘着層、2a…周縁領域、5,5a,5b…熱硬化性樹脂層、5p…接着剤片、6…樹脂層、6p…樹脂片、10…基板、20,20A,20B…支持片形成用積層フィルム、25,25A,25B…積層フィルム、50…封止材、100…半導体装置、C…切り込み、D…支持片形成用フィルム、D2…二層フィルム(支持片形成用フィルム)、D3…三層フィルム(支持片形成用フィルム)、Da…支持片、Dc…支持片(硬化物)、DR…ダイシングリング、H…ヒーター、T1…第一のチップ、T2…第二のチップ、T2a…接着剤片付きチップ、Ta…接着剤片、Tc…接着剤片(硬化物)
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