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特開2022-98279組成物、硬化物、収容容器、像形成装置、並びに像形成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022098279
(43)【公開日】2022-07-01
(54)【発明の名称】組成物、硬化物、収容容器、像形成装置、並びに像形成方法
(51)【国際特許分類】
   C08F 290/06 20060101AFI20220624BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20220624BHJP
   B41M 3/00 20060101ALI20220624BHJP
   B29C 64/264 20170101ALI20220624BHJP
   B33Y 70/00 20200101ALI20220624BHJP
   B29C 64/112 20170101ALI20220624BHJP
   B29C 64/255 20170101ALI20220624BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20220624BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20220624BHJP
   B33Y 80/00 20150101ALI20220624BHJP
【FI】
C08F290/06
B41J2/01 501
B41J2/01 129
B41M3/00 Z
B29C64/264
B33Y70/00
B29C64/112
B29C64/255
B33Y30/00
B33Y10/00
B33Y80/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020211726
(22)【出願日】2020-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】小林 雅秀
【テーマコード(参考)】
2C056
2H113
4F213
4J127
【Fターム(参考)】
2C056EA13
2C056FA03
2C056FA04
2C056FA07
2C056FA10
2C056FA13
2C056FB02
2C056FC01
2C056HA44
2H113AA01
2H113AA03
2H113AA05
2H113AA06
2H113BA27
2H113BB02
2H113BB06
2H113BB08
2H113BB09
2H113BB10
2H113BB18
2H113BB19
2H113BC02
2H113FA42
2H113FA43
4F213AA21
4F213AA29
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL12
4F213WL24
4J127AA03
4J127AA04
4J127BB021
4J127BB031
4J127BB041
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4J127BB221
4J127BC021
4J127BC071
4J127BC131
4J127BD121
4J127BD411
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4J127CA051
4J127CA053
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4J127CB161
4J127CB222
4J127CB392
4J127CC161
4J127CC183
4J127EA11
4J127FA11
4J127FA12
4J127FA13
(57)【要約】
【課題】硬度、硬化性、様々な基材に対する密着性、及び延伸性を兼ね備えた硬化物を得ることができる低粘度な組成物の提供
【解決手段】アクリルアミド化合物であって、前記アクリルアミド化合物における硬化物のガラス転移温度(Tg)が50℃以上であるアクリルアミド化合物(A)と、一般式(1)で表される重合性化合物(B)と、ヘテロ環を有する単官能重合性化合物であって、前記単官能重合性化合物における硬化物のTgが30℃以下である単官能重合性化合物(C)と、ウレタンアクリレートオリゴマー、及びデンドリマー構造を有するアクリレートオリゴマーの少なくともいずれか(D)と、を含有し、前記オリゴマー(D)の組成物における含有量が、5.0質量%以下で含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型組成物。
【化1】
(前記一般式(1)におけるRは、炭素数1~6のアルキル基を表す。)
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクリルアミド化合物であって、
前記アクリルアミド化合物における硬化物のガラス転移温度(Tg)が50℃以上であるアクリルアミド化合物(A)と、
一般式(1)で表される重合性化合物(B)と、
ヘテロ環を有する単官能重合性化合物であって、
前記単官能重合性化合物における硬化物のTgが30℃以下である単官能重合性化合物(C)と、
ウレタンアクリレートオリゴマー、及びデンドリマー構造を有するアクリレートオリゴマーの少なくともいずれか(D)と、を含有し、
前記オリゴマー(D)の組成物における含有量が、5.0質量%以下であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型組成物。
【化1】
(前記一般式(1)におけるRは、炭素数1~6のアルキル基を表す。)
【請求項2】
前記アクリルアミド化合物(A)及び前記一般式(1)で表される重合性化合物(B)の組成物おける含有量の和が、20.0質量%以上60.0質量%以下である、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項3】
前記単官能重合性化合物(C)の組成物における含有量が、40.0質量%以上80.0質量%以下である、請求項1~2のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項4】
前記アクリルアミド化合物(A)が、アクリロイルモルフォリン又は下記一般式(2)で表される化合物である、請求項1~3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【化2】
前記一般式(2)におけるRは、炭素数1~6のアルキル基を表し、Xは炭素数1~6のアルキレン基を表し、Yは下記一般式(3)及び下記一般式(4)のいずれかを表す。
【化3】
前記一般式(3)におけるRは、炭素数1~10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。
【化4】
前記一般式(4)におけるRは、炭素数1~10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。
【請求項5】
前記単官能重合性化合物(C)がテトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアルコール アクリル酸多量体エステル、(2-メチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチルアクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート、(3-エチルオキセタン-3-イル)メチルアクリレート、及びγ-ブチロラクトンアクリレートのいずれかである、請求項1~4のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項6】
有機溶剤を含まない請求項1~5のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型インク。
【請求項8】
インクジェット用である請求項7に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
【請求項9】
請求項1~6のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物、及び請求項7~8のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インクのいずれかを容器中に収容されてなることを特徴とする収容容器。
【請求項10】
請求項1~6のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物、及び請求項7~8のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インクの少なくともいずれかを容器中に収容する収容部と、活性エネルギー線を照射するための照射手段と、を有することを特徴とする2次元または3次元の像形成装置。
【請求項11】
前記照射手段が、波長365~405nmにピークを有する紫外線を照射するUV-LEDである、請求項10に記載の像形成装置。
【請求項12】
請求項1~6のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物、及び請求項7~8のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インクの少なくともいずれかに活性エネルギー線を照射して2次元又は3次元の像を形成することを特徴とする像形成方法。
【請求項13】
前記活性エネルギー線が波長365~405nmにピークを有する紫外線であり、
前記紫外線がUV-LEDによって照射される、請求項12に記載の像形成方法。
【請求項14】
請求項1~6のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物、及び請求項7~8のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インクの少なくともいずれかに活性エネルギー線を照射して形成されることを特徴とする硬化物。
【請求項15】
基材上に請求項14に記載の硬化物からなる表面加飾が施されてなることを特徴とする加飾体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組成物、硬化物、収容容器、像形成装置、並びに像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録方式に用いられるインクとして、活性エネルギー線硬化型組成物を含むインクが知られている。これらの中でも、インクの生産コスト及び保存安定性の観点から、活性エネルギー線硬化型のラジカル重合性インクが広く用いられている。
【0003】
活性エネルギー線硬化型組成物には、耐擦傷性の観点から、前記組成物が硬化して得られる硬化物が高硬度であることが求められる。また、近年、環境保護の観点から、硬化に用いる光源が、水銀ランプやメタルハライドランプから、発光ダイオード(LED)に置き換わりつつある。そのため、前記LEDのように照射エネルギーが小さい場合(例えば、積算光量が0.5J/cm以下)でも、十分に硬化することができる優れた硬化性を有する活性エネルギー線硬化型組成物が要求されている。また、産業用途として、加工を施す基材に対しても、活性エネルギー線硬化型インクを用いて印刷を施す用途が増加している。そのため、前記硬化物には基板に対する密着性及び柔軟性(延伸性)が求められる。さらに、前記組成物はインクジェット記録方式で吐出され、基板等に塗布される態様が広く用いられており、吐出安定性の観点から、低粘度であることが必要である。
【0004】
近年、硬化物の硬化性及び硬度を向上させる目的で、活性エネルギー線硬化型の多官能モノマーを配合した活性エネルギー線硬化型組成物が提案されている(特許文献1-3を参照)。また硬化物の樹脂基材に対する密着性を向上させる目的で、環化重合性モノマーを含有する加飾フィルム用活性エネルギー線硬化性インクジェットインクが提案されている(特許文献4を参照)。さらに、基材に対する密着性だけでなく、硬化物の柔軟性や、組成物の低粘度化の目的で、環状エーテル系(メタ)アクリレートモノマー及び多官能(メタ)アクリレートモノマーを光重合性モノマーとして含み、さらにウレタンアクリレートオリゴマー等を含有する光硬化性組成物が提案されている(特許文献4―6を参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、硬度、硬化性、様々な基材に対する密着性、及び延伸性を兼ね備えた硬化物を得ることができる低粘度な組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための手段としての本発明の組成物は、
アクリルアミド化合物であって、
前記アクリルアミド化合物における硬化物のガラス転移温度(Tg)が50℃以上であるアクリルアミド化合物(A)と、
一般式(1)で表される重合性化合物(B)と、
ヘテロ環を有する単官能重合性化合物であって、
前記単官能重合性化合物における硬化物のTgが30℃以下である単官能重合性化合物(C)と、
ウレタンアクリレートオリゴマー、及びデンドリマー構造を有するアクリレートオリゴマーの少なくともいずれか(D)と、を含有し、
前記オリゴマー(D)の組成物における含有量が、5.0質量%以下である。
【化1】
(前記一般式(1)におけるRは、炭素数1~6のアルキル基を表す。)
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、硬度、硬化性、様々な基材に対する密着性、及び延伸性を兼ね備えた硬化物を得ることができる低粘度な組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、インクジェット吐出手段を備えた像形成装置の一例を示す概略図である。
図2図2は、別の像形成装置(3次元立体像の形成装置)の一例を示す概略図である。
図3A図3Aは、活性エネルギー線硬化型組成物を用いて立体造形を行う方法の一例を示す概略説明図である。
図3B図3Bは、活性エネルギー線硬化型組成物を用いて立体造形を行う方法の一例を示す概略説明図である。
図3C図3Cは、活性エネルギー線硬化型組成物を用いて立体造形を行う方法の一例を示す概略説明図である。
図3D図3Dは、活性エネルギー線硬化型組成物を用いて立体造形を行う方法の一例を示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[組成物]
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、アクリルアミド化合物であって、前記アクリルアミド化合物における硬化物のガラス転移温度(Tg)が50℃以上であるアクリルアミド化合物(A)と、一般式(1)で表される重合性化合物(B)と、ヘテロ環を有する単官能重合性化合物であって、前記単官能重合性化合物における硬化物のTgが30℃以下である単官能重合性化合物(C)と、ウレタンアクリレートオリゴマー、及びデンドリマー構造を有するアクリレートオリゴマーの少なくともいずれか(D)と、を含有し、前記オリゴマー(D)の組成物における含有量が、5.0質量%以下で含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型組成物であり、更に必要に応じて、色材、有機溶剤、その他の成分を含有する。
活性エネルギー線硬化型組成物は、以下「組成物」と称することがある。
アクリルアミド化合物であって、前記アクリルアミド化合物における硬化物のガラス転移温度(Tg)が50℃以上であるアクリルアミド化合物(A)は、以下「アクリルアミド化合物(A)」と称することがある。
一般式(1)で表される重合性化合物(B)は、以下「重合性化合物(B)」と称することがある。
ヘテロ環を有する単官能重合性化合物であって、前記単官能重合性化合物における硬化物のTgが30℃以下である単官能重合性化合物(C)は、以下「単官能重合性化合物(C)」と称することがある。
ウレタンアクリレートオリゴマー、及びデンドリマー構造を有するアクリレートオリゴマーの少なくともいずれか(D)は、以下「オリゴマー(D)」と称することがある。
【0010】
従来の活性エネルギー線硬化型組成物には、前記組成物から得られた硬化物(塗膜やその積層体)に優れた硬化性及び高硬度を付与するため、多官能モノマーが含有される。しかしながら、前記多官能モノマーは高粘度であるものが多く、インクジェット記録方式においては吐出安定性の点で問題があった。
また、前記多官能モノマーが形成する三次元架橋構造によって、硬化時の内部応力が増加し、硬化物の体積収縮時にクラッチや硬化物内部の歪みが生じることで、基材への密着性が低下するという問題があった。硬化性及び高硬度と、基材への密着性とは、それぞれが多官能モノマーの含有量に起因するため、互いにトレードオフの関係であることが知られている。
さらに、前記多官能モノマーを含有する活性エネルギー線硬化型組成物を硬化して得られた硬化物は、延伸性が十分ではなく、硬化物が形成された基板等を加工成型する際に、クラッチの発生や剥離といった問題があった。
【0011】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、本発明の組成物が単官能である3種類のモノマーと、ウレタンアクリレートオリゴマー、及びデンドリマー構造を有するアクリレートオリゴマーの少なくともいずれかと、を含有し、前記オリゴマー(D)の組成物における含有量が5.0質量%以下であることにより、低粘度な組成物を得ることができ、さらに前記組成物を硬化して得られた硬化物は、優れた硬化性、高硬度、多基材密着性、高延伸性を有することを見出した。
【0012】
したがって、本発明においては、アクリルアミド化合物であって、前記アクリルアミド化合物における硬化物のガラス転移温度(Tg)が50℃以上であるアクリルアミド化合物(A)と、一般式(1)で表される重合性化合物(B)と、ヘテロ環を有する単官能重合性化合物であって、前記単官能重合性化合物における硬化物のTgが30℃以下である単官能重合性化合物(C)と、ウレタンアクリレートオリゴマー、及びデンドリマー構造を有するアクリレートオリゴマーの少なくともいずれか(D)と、を含有し、前記オリゴマー(D)の組成物における含有量が、5.0質量%以下で含有することによって、低粘度な組成物及び、優れた硬化性、高硬度、多基材密着性、高延伸性を有する硬化物を実現できる。
【0013】
本発明の組成物は、硬化型組成物であることが好ましい。
前記硬化型組成物としては、熱硬化型組成物、活性エネルギー線硬化型組成物などが挙げられるが、活性エネルギー線硬化型組成物が好ましい。
【0014】
<アクリルアミド化合物(A)>
本発明において、アクリルアミド化合物における硬化物のガラス転移温度(Tg)が50℃以上であることにより、基材との密着性を保持したまま硬化物表面の硬度を向上させることができる。
【0015】
前記アクリルアミド化合物(A)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-n-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-t-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N-(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、N-(ブトキシメチル)アクリルアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N-(1,1-ジメチル-3-オキソブチル)アクリルアミド、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、ダイアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。これらの中でも、光に対する反応性が高いという点で(メタ)アクリロイルモルホリンが好ましい。
これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0016】
前記アクリルアミド化合物(A)は、下記一般式(2)で表されるエステルを有するアクリルアミド化合物であってもよい。
【化2】
前記一般式(2)におけるRは、炭素数1~6のアルキル基を表し、Xは炭素数1~6のアルキレン基を表し、Yは下記一般式(3)及び下記一般式(4)のいずれかを表す。
【化3】
前記一般式(3)におけるRは、炭素数1~10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。
【化4】
前記一般式(4)におけるRは、炭素数1~10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。
本段落におけるアルキル基は、炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキル基が好ましく、炭素数1又は2のアルキル基(即ち、メチル基又はエチル基)がより好ましい。
【0017】
前記一般式(2)で表される化合物としては、例えば、N-アクリロイル-N-アルキルアミノ酸アルキルエステル(N-アクリロイルプロリンアルキルエステルを含む)、N-アクリロイルピペリジンカルボン酸アルキルエステルなどが挙げられる。
【0018】
前記N-アクリロイル-N-アルキルアミノ酸アルキルエステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、N-アクリロイル-N-メチルグリシンメチルエステル、N-アクリロイル-N-メチルグリシンエチルエステル、N-アクリロイル-N-メチルグリシンプロピルエステル、N-アクリロイル-N-メチルグリシンブチルエステル、N-アクリロイル-N-エチルグリシンメチルエステル、N-アクリロイル-N-エチルグリシンエチルエステル、N-アクリロイル-N-エチルグリシンプロピルエステル、N-アクリロイル-N-プロピルグリシンメチルエステル、N-アクリロイル-N-プロピルグリシンエチルエステル、N-アクリロイル-N-ブチルグリシンメチルエステル、N-アクリロイル-N-メチルアラニンメチルエステル、N-アクリロイル-N-メチルアラニンエチルエステル、N-アクリロイル-N-メチルアラニンプロピルエステル、N-アクリロイル-N-エチルアラニンメチルエステル、N-アクリロイル-N-エチルアラニンエチルエステル、N-アクリロイル-N-プロピルアラニンメチルエステル、N-アクリロイル-N-メチル-β-アラニンメチルエステル、N-アクリロイル-N-メチル-β-アラニンエチルエステル、N-アクリロイル-N-エチル-β-アラニンメチルエステル、N-アクリロイル-N-エチル-β-アラニンエチルエステル、N-アクリロイル-N-メチルバリンメチルエステル、N-アクリロイルプロリンメチルエステル、N-アクリロイルプロリンエチルエステルなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0019】
前記N-アクリロイルピペリジンカルボン酸アルキルエステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、N-アクリロイルピペリジン-2-カルボン酸メチル、N-アクリロイルピペリジン-3-カルボン酸メチル、N-アクリロイルピペリジン-4-カルボン酸メチルなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0020】
前記アクリルアミド化合物(A)の組成物における含有量は、硬化性と表面硬さと密着性のバランスという点で、1.0質量%以上60.0質量%以下が好ましく、5.0質量%以上50.0質量%以下がより好ましく、20.0質量%以上40.0質量%以下が更に好ましい。
【0021】
前記アクリルアミド化合物(A)は、インクジェット記録方式への適用のため、常温(25℃)で低粘度(100mPa・s以下)の、無色透明ないし淡黄色透明の液体であることが好ましい。また、使用者の安全性の観点から、強い酸性や塩基性を示すものでなく、かつ不純物として有害なホルムアルデヒドを含有しないものが好ましい。
【0022】
<一般式(1)で表される重合性化合物(B)>
前記重合性化合物(B)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、硬化性が高いという点で、一般式(1)におけるRがメチルまたはエチルである化合物であることが好ましく、一般式(1)におけるRがメチルである化合物であることがより好ましい。
【0023】
前記重合性化合物(B)としては、例えば、α-アリルオキシメチルアクリル酸メチル、α-ヒドロキシメチルアクリル酸メチルなどが挙げられる。これらの中でも、基材への密着性が高いという点でα-アリルオキシメチルアクリル酸メチルが好ましい。
これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0024】
前記重合性化合物(B)の組成物における含有量は、基材への密着性と硬化物表面の硬さとを両立できるという点から、5.0質量%以上50.0質量%以下が好ましく、7.0質量%以上40.0質量%以下がより好ましく、10.0質量%以上30.0質量%以下が更に好ましい。前記重合性化合物(B)の組成物における含有量が、5.0質量%を超えると基板に対して密着性が十分に得られ、50.0質量%未満であると、重ね塗り時に硬化済みの塗膜(硬化物)を溶解させてしまうことがなく好適である。
また、前記アクリルアミド化合物(A)及び前記重合性化合物(B)の組成物における含有量の和は、基材への密着性と硬化物表面の硬さを両立できるという点から、20.0質量%以上60.0質量%以下であることが好ましい。
【0025】
<単官能重合性化合物(C)>
本発明において、ヘテロ環を有する単官能重合性化合物における硬化物のガラス転移温度(Tg)が30℃以下であることにより、基材との密着性を高くすることができる。
【0026】
前記単官能重合性化合物(C)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアルコール アクリル酸多量体エステル、(2-メチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチルアクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート、(3-エチルオキセタン-3-イル)メチルアクリレート、γ-ブチロラクトンアクリレートなどが挙げられる。
これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0027】
前記単官能重合性化合物(C)の組成物における含有量は、基材への密着性と硬化物表面の硬さとを両立できるという点から、20.0質量%以上60.0質量%以下が好ましく、30.0質量%以上60.0質量%以下がより好ましく、40.0質量%以上50.0質量%以下が更に好ましい。前記単官能重合性化合物(C)の組成物における含有量が、20.0質量%を超えると基材に対する密着性及び硬化物の延伸性が十分に得られ、60.0質量%未満であると、硬化物表面の硬度を十分に得ることができる。
【0028】
<オリゴマー(D)>
前記オリゴマー(D)としては、ウレタンアクリレートオリゴマー、及びデンドリマー構造を有するアクリレートオリゴマーの少なくともいずれかを用いることができる。
なお、本発明においてデンドリマー構造を有するアクリレートオリゴマーは、ウレタンアクリレートオリゴマーを含まないものとする。
【0029】
―ウレタンアクリレートオリゴマー―
前記ウレタンアクリレートオリゴマーとしては、高い強靭性(硬度)及び柔軟性が得られる点から、芳香族ウレタンアクリレートオリゴマー、脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーなどが挙げられる。
【0030】
―デンドリマー構造―
本発明におけるデンドリマー構造とは、コア分子と呼ばれる分子構造の中心となる多官能化合物から、基本単位となる枝分かれ分子構造が繰り返し結合した分岐構造を有する多分岐高分子を意味する。
【0031】
前記デンドリマー構造を有する重合性オリゴマーを用いることで、前記オリゴマー特有の放射状構造により3次元架橋構造が形成され、架橋密度(硬度)が高い硬化物が得られ、高い耐摩耗性が達成される。
さらに、前記デンドリマー構造を有する重合性オリゴマーは、比較的大きな分子であるために硬化物の硬化単位が大きなものとなり、均一な硬化物を得ることができる。また、一般的な直鎖状のオリゴマーに比べてデンドリマー構造を有する重合性オリゴマーは、その特有の立体構造がゆえ、外的応力もしくは内部応力を効率的に緩和することができる。したがって、大きな硬化単位と応力緩和性を兼ね備えているデンドリマー構造を有する重合性オリゴマーを用いることで、組成物内部の不均一性に由来するキズや割れに対して余裕度が向上した硬化物を得ることができる。
【0032】
本発明において、デンドリマー構造を有するアクリレートオリゴマーを用いることにより、硬化収縮を抑制することができ、基材との密着性を高めたまま硬化物表面の硬度を向上させることができる。
【0033】
前記オリゴマー(D)としては、良好な硬化性が得られる点で、不飽和炭素-炭素結合が2個以上5個以下のオリゴマーが好ましく、不飽和炭素-炭素結合が2個のオリゴマーがより好ましい。
なお、本発明におけるオリゴマーとは、モノマー構造単位の繰り返し数が2以上20以下の重合体を意味する。
【0034】
前記オリゴマー(D)は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記市販品としては、例えば、UV-2000B、UV-2750B、UV-3000B、UV-3010B、UV-3200B、UV-3300B、UV-3700B、UV-6640B、UV-8630B、UV-7000B、UV-7610B、UV-1700B、UV-7630B、UV-6300B、UV-6640B、UV-7550B、UV-7600B、UV-7605B、UV-7610B、UV-7630B、UV-7640B、UV-7650B(いずれも、三菱ケミカル株式会社製)、CN929、CN961E75、CN961H81、CN962、CN963、CN963A80、CN963B80、CN963E75、CN963E80、CN963J85、CN964、CN965、CN965A80、CN966A80、CN966H90、CN966J75、CN980、CN981、CN981A75、CN981B88、CN982、CN982A75、CN982B88、CN982E75、CN983、CN985B88、CN996、CN9001、CN9002、CN9788、CN9893、CN968、CN902、CN902J75、CN940、CN944、CN944B85、CN959、CN966、CN966B85、CN969、CN970、CN971J75、CN972、CN973、CN977、CN984、CN985、CN986、CN989、CN991、CN992、CN994、CN997、CN999、CN9004、CN9005、CN9006、CN9007、CN9008、CN9009、CN9010、CN9011、CN9013、CN9018、CN9019、CN9024、CN9025、CN9026、CN9028、CN9029、CN9030、CN9060、CN9165、CN9167、CN9178、CN9290、CN9782、CN9783(いずれも、サートマー社製)、EBECRYL230、EBECRYL270、EBECRYL4666、KRM8200、EBECRYL5129、EBECRYL8210、EBECRYL8301、EBECRYL8804、EBECRYL8807、EBECRYL9260、KRM7735、KRM8296、KRM8452、EBECRYL4858、EBECRYL8402、EBECRYL9270、EBECRYL8311、EBECRYL8701(いずれも、ダイセル・サイテック株式会社製):脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、CN970A60、CN970E60、CN971、CN971A80、CN973A80、CN973H85、CN973J75、CN975、CN977C70、CN978(いずれも、サートマー社製)、EBECRYL210、EBECRYL220(いずれも、ダイセル・サイテック株式会社製):芳香族ウレタンアクリレートオリゴマー、V♯1000(大阪有機化学工業株式会社製)、CN2302、CN2303、CN2304(いずれも、サートマー社製)、6361-100、6363、DR-E522(いずれも長興材料工業社製):デンドリマー構造を有するアクリレートオリゴマーなどが挙げられる。
【0035】
前記オリゴマー(D)の組成物における含有量は、基材に対する密着性を低下させず、組成物の粘度を抑制するという観点から、5.0質量%以下であることが好ましい。
【0036】
前記オリゴマー(D)の重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ポリスチレン換算で、1,000以上30,000以下が好ましく、5,000以上20,000以下がより好ましい。
前記重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
【0037】
<(A)、(B)、(C)及び(D)以外のその他の重合性化合物(E)>
本発明の組成物には、必要に応じて、前記アクリルアミド化合物(A)、前記重合性化合物(B)及び前記単官能重合性化合物(C)及び、前記オリゴマー(D)以外のその他の重合性化合物(E)(以下、その他の重合性化合物(E)と称することがある)を加えてもよい。
前記その他の重合性化合物(E)としては、活性エネルギー線(紫外線、電子線等)を照射することにより重合反応を行うことができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラジカル重合性化合物、重合性オリゴマーなどが挙げられる。
前記その他の重合性化合物(E)は、反応速度、インク物性、及び硬化膜物性などを調整するために、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0038】
前記ラジカル重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリルアミド化合物、芳香族ビニル化合物などが挙げられる。
これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、及びメタクリレートの少なくともいずれかを意味し、(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルの少なくともいずれかを意味する。
【0039】
-(メタ)アクリレート化合物-
前記(メタ)アクリレート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、単官能の(メタ)アクリレート、二官能の(メタ)アクリレート、三官能の(メタ)アクリレート、四官能の(メタ)アクリレート、五官能の(メタ)アクリレート、六官能の(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0040】
前記単官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、tert-オクチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-n-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2-クロロエチル(メタ)アクリレート、4-ブロモブチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトシキメチル(メタ)アクリレート、3-メトキシブチル(メタ)アクリレート、アルコキシメチル(メタ)アクリレート、アルコキシエチル(メタ)アクリレート、2-(2-メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2-(2-ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2-テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4-ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5-テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4-クロロフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、2-メタクリロイロキシチルコハク酸、2-メタクリロイロキシヘキサヒドロフタル酸、2-メタクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシプロピルフタレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性フェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性クレゾール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性-2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、アクリル酸-2-(2-ビニロキシエトキシ)エチル、ベンジルアクリレートなどが挙げられる。
これらの中でも、低粘度、低臭気、及び高硬化性の点から、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジルアクリレート、アクリル酸-2-(2-ビニロキシエトキシ)エチル、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましく、光重合開始剤及びその他モノマーとの相溶性の点から、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジルアクリレート、アクリル酸-2-(2-ビニロキシエトキシ)エチルが特に好ましい。
これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0041】
前記二官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,4-ジメチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオール(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンメタノールジ(メタ)アクリレート、2-エチル-2-ブチル-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2-エチル-2-ブチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0042】
前記三官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0043】
前記四官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0044】
前記五官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0045】
前記六官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、カプトラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0046】
-芳香族ビニル化合物-
前記芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロルメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ビニル安息香酸メチルエステル、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、3-エチルスチレン、4-エチルスチレン、3-プロピルスチレン、4-プロピルスチレン、3-ブチルスチレン、4-ブチルスチレン、3-ヘキシルスチレン、4-ヘキシルスチレン、3-オクチルスチレン、4-オクチルスチレン、3-(2-エチルヘキシル)スチレン、4-(2-エチルヘキシル)スチレン、アリルスチレン、イソプロペニルスチレン、ブテニルスチレン、オクテニルスチレン、4-t-ブトキシカルボニルスチレン、4-メトキシスチレン、4-t-ブトキシスチレンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0047】
-重合性オリゴマー-
前記重合性オリゴマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エポキシアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、デンドリマーアクリレート以外の特殊オリゴマーなどが挙げられる。これらの中でも、良好な硬化性が得られる点で、不飽和炭素-炭素結合が2個以上5個以下のオリゴマーが好ましく、不飽和炭素-炭素結合が2個のオリゴマーがより好ましい。
これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
なお、本発明におけるオリゴマーとは、モノマー構造単位の繰り返し数が2以上20以下の重合体を意味する。
【0048】
前記重合性オリゴマーの重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ポリスチレン換算で、1,000以上30,000以下が好ましく、5,000以上20,000以下がより好ましい。
前記重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
【0049】
<色材>
本発明の組成物は、色材を含有していてもよい。
前記色材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、ブラック、ホワイト、マゼンタ、シアン、イエロー、グリーン、オレンジ、金や銀等の光沢色などを付与する種々の顔料や染料を用いることができる。
なお、本発明の組成物は、色材を含まず無色透明であってもよく、例えば、画像を保護するためのオーバーコート層として好適である。
【0050】
前記顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、無機顔料または有機顔料が挙げられる。
これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0051】
前記無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタンなどが挙げられる。
【0052】
前記有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料などが挙げられる。
【0053】
前記顔料の分散性を良好なものとするため、分散剤を更に含んでもよい。
前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、高分子分散剤などの顔料分散物を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。
【0054】
前記染料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料などが挙げられる。
これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0055】
前記色材の組成物における含有量は、所望の色濃度や組成物中における分散性等を考慮して適宜選択すればよく、特に限定されないが、0.1質量%以上20質量%以下が好ましい。
【0056】
<有機溶媒>
本発明の組成物は、有機溶媒を含有してもよいが、可能であれば含有しない方が好ましい。
前記有機溶媒、特に揮発性の有機溶媒を含まない(VOC(Volatile Organic Compounds)フリー)組成物であれば、当該組成物を扱う場所の安全性がより高まり、環境汚染防止を図ることも可能となる。
なお、本発明における有機溶媒とは、例えば、エーテル、ケトン、キシレン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、トルエンなどの一般的な非反応性の有機溶媒を意味するものであり、反応性モノマーとは区別すべきものである。
また、本発明において「有機溶媒を含有しない」とは、実質的に含有しないことを意味し、組成物全量に対して0.1質量%未満であることが好ましい。
【0057】
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、重合開始剤、水素供与剤、界面活性剤、重合禁止剤、レベリング剤、消泡剤、蛍光増白剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、定着剤、粘度安定化剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、及び増粘剤などが挙げられる。
【0058】
―重合開始剤(F)―
前記重合開始剤(F)としては、活性エネルギー線のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、重合性化合物(モノマーやオリゴマー)の重合を開始させることが可能なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、公知のラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤などが挙げられ、ラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0059】
前記ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物など)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物などが挙げられる。
【0060】
前記ラジカル重合開始剤の具体例として、ベンゾフェノン、アセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-フェニルアセトフェノン、2-エトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2-メトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2-イソプロポキシ-2-フェニルアセトフェノン、2-イソブトキシ-2-フェニルアセトフェノン、4-メトキシアセトフェノン、4-ベンジルオキシアセトフェノン、4-フェニルアセトフェノン、4-ベンゾイル 4‘-メチルジフェニルスルフィド、ベンゾイルギ酸メチル、ベンゾイルギ酸エチル2-ヒドロキシ-1-(4-イソプロペニルフェニル)-2-メチルプロパン-1-オンのオリゴマー[ベンゼン,(1-メチルエチニル)-,ホモポリマー,ar-(2-ヒドロキシ-2-メチル-1-オキソプロピル)誘導体](IGM社製、「Esacure ONE」)、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1(商品名「イルガキュア369」)、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(商品名「イルガキュア819」)、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(商品名「イルガキュアTPO」)、ポリエチレングリコール200-ジ(β-4(4-(2-ジメチルアミノ-2-ベンジル)ブタノニルフェニル)ピペラジン)(IGM社製、「Omnipol 910」)、1,3-ジ({α-[1-クロロ-9-オキソ-9H-チオキサンテン-4-イル)オキシ]アセチルポリ[オキシ(1-メチルエチレン)]}オキシ)-2,2-ビス({α-[1-クロロ-9-オキソ-9H-チオキサンテン-4-イル)オキシ]アセチルポリ[オキシ(1-メチルエチレン)]}オキシメチル)プロパン(Lambson社製、「Speedcure7010」)、ポリブチレングリコールビス(9-オキソ-9H-チオキサンチニルオキシ)アセテート(IGM社製、「Omnipol TX」)、高分子型チオキサンテン化合物(Lahn AG社製、「Genepol TX-2」)などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0061】
前記重合開始剤(F)の組成物における含有量としては、十分な硬化速度が得られる観点から、5.0質量%以上20.0質量%以下が好ましい。
【0062】
―水素供与剤(G)―
本発明の組成物は、ベンゾフェノン骨格等を有する化合物が起点となって、以下に示す機構で重合が開始する。
ベンゾフェノン骨格等を有する化合物が光照射により励起状態となると、該励起分子が近傍の化合物から水素を引き抜く。水素を引き抜かれた化合物にはラジカルが発生し、その水素を引き抜かれた化合物がラジカル重合開始点となる。その結果、ベンゾフェノン骨格などを有する化合物は、光ラジカル重合開始剤としての働きを示す。即ち、ベンゾフェノン骨格などを有する化合物とともに、水素を引き抜かれうる化合物が存在していれば、上記重合開始機構により重合が開始する。
例えば、本発明で用いるラジカル重合性化合物から、ベンゾフェノン骨格などを有する化合物によって水素が引き抜かれれば、そこから重合が開始する可能性がある。
【0063】
本発明の組成物には、水素が引き抜かれやすい水素供与剤(G)を共存させることもできる。その場合、光照射により励起したベンゾフェノン骨格などを有する化合物分子へ水素供与性化合物からの水素の受け渡しがより円滑に行われ、重合がより効率的に進行しうる。即ち、365~405nmに吸収を有しない重合開始剤に前記水素供与剤を添加することにより、樹脂成分の低黄変を維持したまま、重合反応性を大きく向上することが可能となる。
【0064】
前記水素供与剤(G)としては、光照射により励起したベンゾフェノン骨格などを有する化合物分子に対して水素を円滑に供与しうる化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、ジエチルアミン、ジフェニルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、N,N-ジエチルメチルアミン、ジプロピルアミン、N,N-ジメチルアニリン、p-ジエチルアミノ安息香酸エチル、p-ジメチルアミノ安息香酸エチル等のアミノ基を有する化合物、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、フェノール等の水酸基を有する化合物、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、トリオキサン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエーテル結合を有する化合物、ブタンチオール、プロパンチオール、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、n-ドデシルメルカプタン、ドデシル(4-メチルチオ)フェニルエーテル、ベンゼンチオール、4-ジメチルメルカプトベンゼン、2-メルカプトエタノール、1-メルカプト-2-プロパノール、3-メルカプト-2-ブタノール、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール、メルカプトフェノール等のメルカプト化合物、又はそれらを酸化したジスルフィド類、チオグリコール酸ブチル、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、ブタンジオールビス(3-メルカプトイソブチレート)、1,4-ブタンジオールビスチオグリコレート、1,4-ブタンジオールビスチオプロピオネート、β-メルカプトプロピオン酸オクチル、β-メルカプトプロピオン酸メトキシブチル、トリスヒドロキシエチルトリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトイソブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(β-チオプロピオネート)、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、チオグリコール酸、チオサリチル酸、チオリンゴ酸、メルカプト酢酸、2-メルカプトエタンスルホン酸、2-メルカプトニコチン酸、2-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプトプロパンスルホン酸、3-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプト酪酸、4-メルカプトブタンスルホン酸、3-[N-(2-メルカプトエチル)アミノ]プロピオン酸、3-[N-(2-メルカプトエチル)カルバモイル]プロピオン酸、2-メルカプト-3-ピリジノール、2-メルカプトイミダゾール、2-メルカプトエチルアミン、2-メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール、6-トリメルカプト-s-トリアジン、N-(2-メルカプトプロピオニル)グリシン、N-(3-メルカプトプロピオニル)アラニン、ジイソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、チオホスファイト類、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等のメルカプト基を有する化合物などが挙げられる。
【0065】
前記水素供与剤(G)としては、水素の受け渡しに必要なエネルギーが小さいという点で、アミノ基を有する化合物であってもよく、例えば、2-(N,N-ジメチルアミノ)安息香酸メチル、4-(N,N-ジメチルアミノ)安息香酸エチル、4-(N,N-ジエチルアミノ)安息香酸エチル、1,3-ジ({α-4-(ジメチルアミノ)ベンゾイルポリ[オキシ(1-メチルエチレン)]}オキシ)-2,2-ビス({α-4-(ジメチルアミノ)ベンゾイルポリ[オキシ(1-メチルエチレン)]}オキシメチル)プロパンと{α-4-(ジメチルアミノ)ベンゾイルポリ(オキシエチレン)-ポリ[オキシ(1-メチルエチレン)]-ポリ(オキシエチレン)}4-(ジメチルアミノ)ベンゾエートの混合物(Lambson社製、「Speedcure7040」)が好ましい。
【0066】
前記水素供与剤(G)の含有量は、本発明の組成物中におけるラジカル重合性化合物の含有量に対して0.1質量%以上50.0質量%以下が好ましく、0.1質量%以上20.0質量%以下がより好ましい。
【0067】
―界面活性剤―
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0068】
―重合禁止剤―
前記重合禁止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、4-メトキシフェノール、ジブチルヒドロキシトルエン、フェノチアジンなどが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0069】
本発明における組成物の粘度は、用途や適用手段に応じて適宜調整すればよく、特に限定されないが、例えば、前記組成物をノズルから吐出させるような吐出手段を適用する場合には、20℃から65℃の範囲における粘度、好ましくは25℃における粘度が60mPa・s以下であり、3mPa・s以上40mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上30mPa・s以下がより好ましく、5mPa・s以上15mPa・s以下が更に好ましく、6mPa・s以上12mPa・s以下が特に好ましい。
本発明の組成物における前記粘度の好ましい範囲は、前記有機溶媒を含まずに満たしていることが特に好ましい。
なお、前記粘度は、東機産業株式会社製コーンプレート型回転粘度計VISCOMETER TVE-22Lにより、コーンロータ(1°34’×R24)を使用し、回転数50rpm、恒温循環水の温度を20℃~65℃の範囲で適宜選択して測定することができる。循環水の温度調整にはVISCOMATE VM-150IIIを用いることができる。
【0070】
<組成物の調製>
本発明の組成物は、上述した各種成分を用いて作製することができ、その調製手段や条件は特に限定されないが、例えば、重合性モノマー、顔料、分散剤等をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミル、ダイノーミルなどの分散機に投入し、分散させて顔料分散液を調製し、当該顔料分散液に更に重合性モノマー、重合開始剤、重合禁止剤、界面活性剤などを混合させることにより調製することができる。
【0071】
<組成物の用途>
本発明の組成物の用途としては、一般に活性エネルギー線硬化型材料が用いられている分野であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、成形用樹脂、塗料、接着剤、絶縁材、離型剤、コーティング材、シーリング材、各種レジスト、各種光学材料などが挙げられる。
本発明の組成物は、活性エネルギー線硬化型インクとして用いることで2次元の文字や画像、各種基材への意匠塗膜を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。
前記立体造形用材料は、例えば、粉体層の硬化と積層を繰り返して立体造形を行う粉体積層法において用いる粉体粒子同士のバインダーとして用いてもよく、図2図3図3A図3D)に示すような積層造形法(光造形法)において立体構成材料(モデル材)や支持部材(サポート材)として用いてもよい。なお、図2は、本発明の組成物を所定領域に吐出し、活性エネルギー線を照射して硬化させたものを順次積層して立体造形を行う方法であり(詳細後述)、図3図3A図3D)は、本発明の組成物5の貯留プール(収容部)1に活性エネルギー線4を照射して所定形状の硬化層6を可動ステージ3上に形成し、これを順次積層して立体造形を行う方法である。
【0072】
[像形成方法及び像形成装置]
本発明の像形成方法は、活性エネルギー線を照射するための照射工程を有し、必要に応じて、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を吐出する吐出工程を有する。
本発明の像形成装置は、活性エネルギー線を照射するための照射手段と、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を収容するための収容部とを有する。
前記像形成装置は、必要に応じて、前記収容部に収容容器を収容してもよいし、本発明の組成物を吐出する吐出手段を有していてもよい。
【0073】
<照射手段及び照射工程>
前記照射手段は、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物に対して活性エネルギー線を照射する手段である。
前記照射工程は、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物に対して活性エネルギー線を照射する工程である。
【0074】
―活性エネルギー線―
本発明の組成物を硬化させる硬化手段としては、加熱硬化又は活性エネルギー線による硬化が挙げられ、これらの中でも活性エネルギー線による硬化が好ましい。
前記活性エネルギー線としては、組成物中の重合性成分の重合反応を進める上で必要なエネルギーを付与できるものであればよく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、紫外線、電子線、α線、β線、γ線、X線などが挙げられる。
本発明の組成物は、高エネルギーな光源を用いて活性エネルギー線を照射することで、重合開始剤を使用しなくても重合反応を進めることができる。
前記活性エネルギー線が紫外線である場合、環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。さらに、紫外線発光ダイオード(UV-LED)及び紫外線レーザダイオード(UV-LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、紫外線光源として好ましい。これらの中でも、省エネルギー化や装置小型化の観点から、紫外線発光ダイオード(以下、UV-LEDともいう)から照射される波長が285nm~405nm、好ましくは365~405nmにピークを有する紫外線が好ましい。
なお、重合開始剤の光吸収スペクトルは一般にブロードであって、狭小な特定波長域を照射するUV-LEDを用いることは、組成物の硬化性向上を困難にする。そのため、UV-LEDを用いたとしても、十分に硬化することができる硬化性を有した本発明の組成物を用いることが好ましい。
【0075】
<吐出手段及び吐出工程>
前記吐出工程は、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物をインクジェット方式で吐出する工程である。
前記吐出手段は、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物をインクジェット方式で吐出する手段である。
前記吐出工程及び前記吐出手段における吐出方法は、インクジェット方式であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、連続噴射型、オンデマンド型等が挙げられる。
前記オンデマンド型としてはピエゾ方式、サーマル方式、静電方式等が挙げられる。
【0076】
<収容容器>
本発明の収容容器は、形状や大きさ、材質等は、用途や使い方に適したものとすればよく、特に限定されないが、光を透過しない遮光性材料であるか、容器が遮光性シート等で覆われていることが好ましい。
前記収容容器は本発明の組成物が収容された状態の容器を意味し、前記<組成物の用途>に供する際に好適である。例えば、本発明の組成物がインク用途である場合において、前記インクが収容された容器は、インクカートリッジやインクボトルとして使用することができ、インク搬送やインク交換等の作業において、インクに直接触れる必要がなくなり、手指や着衣の汚れを防ぐことができる。また、インクへのごみ等の異物の混入を防止することができる。
【0077】
本発明の製造方法では、前記吐出工程及び前記照射工程を順次繰り返すことにより所望の形状の立体造形物を製造することができる。
【0078】
本発明の組成物を用いて立体造形物を造形するための立体造形装置としては、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、前記組成物の収容手段、供給手段、吐出手段や活性エネルギー線照射手段等を備えるものが挙げられる。
また、本発明は、組成物を硬化させて得られた硬化物や前記硬化物が基材上に形成された構造体を加工してなる成形加工品も含む。
前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された硬化物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形することが必要な用途に好適に使用される。
上記基材としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス、又はこれらの複合材料などが挙げられ、加工性の観点からはプラスチック基材が好ましい。
【0079】
以下、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物をモデル部形成材料として使用した場合の立体造形物の造形方法、及び造形装置について説明する。ただし、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物の用途は、これらの実施形態に何ら限定されるものではない。
【0080】
―像形成装置及び像形成方法―
図1は、インクジェット吐出手段を備えた像形成装置の一例である。
像形成装置20は、供給ロール21、被記録媒体22、各色印刷ユニット23(23a、23b、23c、23d)、光源24(24a、24b、24c、24d)、加工ユニット25、及び印刷物巻取りロール26を有する。イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色活性エネルギー線硬化型インクのインクカートリッジと吐出ヘッドを備える各色印刷ユニット23a、23b、23c、23dにより、供給ロール21から供給された被記録媒体22にインクが吐出される。その後、インクを硬化させるための光源24a、24b、24c、24dから、活性エネルギー線を照射して硬化させ、カラー画像を形成する。その後、被記録媒体22は、加工ユニット25、印刷物巻取りロール26へと搬送される。
【0081】
各印刷ユニット23a、23b、23c、23dには、インク吐出部でインクが液状化するように、加温機構を設けてもよい。
像形成装置20には、必要に応じて、接触又は非接触により記録媒体を室温程度まで冷却する機構を設けてもよい。
被記録媒体22としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、紙、フィルム、金属、これらの複合材料等が挙げられ、シート状であってもよい。また片面印刷のみを可能とする構成であっても、両面印刷も可能とする構成であってもよい。
更に、光源24a、24b、24cからの活性エネルギー線照射を微弱にするか又は省略し、複数色を印刷した後に、光源24dから活性エネルギー線を照射してもよい。これにより、省エネ、低コスト化を図ることができる。
【0082】
インクジェット記録方式としては、吐出ヘッド幅に応じて間欠的に移動する記録媒体に対し、ヘッドを移動させて記録媒体上にインクを吐出するシリアル方式や、連続的に記録媒体を移動させ、一定の位置に保持されたヘッドから記録媒体上にインクを吐出するライン方式のいずれであっても適用することができる。
【0083】
本発明の組成物からなる活性エネルギー線硬化型インクにより記録される記録物としては、通常の紙や樹脂フィルムなどの平滑面に印刷されたものだけでなく、凹凸を有する被印刷面に印刷されたものや、金属やセラミックなどの種々の材料からなる被印刷面に印刷されたものも含む。また、2次元の画像を積層することで、一部に立体感のある画像(2次元と3次元からなる像)や立体物を形成することもできる。
【0084】
―像形成装置及び像形成方法(3次元立体像)―
図2は、本発明に係る別の像形成装置(3次元立体像の形成装置)の一例を示す概略図である。
像形成装置39は、造形物用吐出ヘッドユニット30、支持体用吐出ヘッドユニット31、32、紫外線照射手段33、34、立体造形物35、支持体積層部36、造形物支持基盤37、及びステージ38を有する。インクジェットヘッドを配列したヘッドユニット(AB方向に可動)を用いて、造形物用吐出ヘッドユニット30から立体造形物を形成する第一の組成物を、支持体用吐出ヘッドユニット31、32から支持体を形成する第二の組成物を、それぞれ造形物支持基盤37に対して吐出される。前記第一の組成物及び前記第二の組成物に対して、紫外線照射手段33、34から照射される活性エネルギー線を照射し、硬化させることで第一の造形物及び第二の造形物(図示せず)を形成させる。吐出から硬化までの一連の工程を、上下方向に可動なステージ38を下げながら、積層回数に合わせて複数回繰り返すことで、立体造形物35及び支持体積層部36を製作する。その後、必要に応じて支持体積層部36は除去される。
なお、図2では、造形物用吐出ヘッドユニット30は1つしか設けていないが、2つ以上設けることもできる。
【0085】
[硬化物]
本発明の硬化物は、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物に活性エネルギー線を照射して得られる。
本発明の硬化物は、2次元又は3次元の像である。
前記2次元又は3次元の像は、基材上に、本発明の前記活性エネルギー線硬化型組成物及び本発明の組成物からなる活性エネルギー線硬化型インクのいずれかを付与し、硬化させてなる。
前記2次元又は3次元の像としては、通常の紙や樹脂フィルムなどの平滑面に印刷されたものだけでなく、凹凸を有する記録面に記録されたものや、金属やセラミックスなどの種々の材料からなる記録面に記録されたものも含む。
前記2次元の像としては、例えば、文字、記号、図形又はこれらの組み合わせ、ベタ画
像などが挙げられる。
前記3次元の像としては、例えば、立体造形物などが挙げられる。
【0086】
前記立体造形物を製造工程において、一度に形成する硬化物の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm以上が好ましい。
前記2次元又は3次元の像としては、活性エネルギー線の照射量が500mJ/cm以下の発光ダイオード光を用いて硬化されることが好ましい。
【0087】
本発明における硬化物の延伸性は、180℃において(引張り試験後の長さ-引張り試験前の長さ)/(引張り試験前の長さ)の比で表した時、50%以上であることが好ましく、100%以上であることがより好ましい。
【0088】
[加飾体]
前記加飾体は、基材上に本発明の硬化物からなる表面加飾が施されてなる。
前記基材としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス、又はこれらの複合材料などが挙げられ、加工性の観点からはプラスチックが好ましい。
【実施例0089】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
【0090】
<組成物の構成成分>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物の調製に用いた原材料の略号、化合物名、メーカー名及び製品名を表1-1、表1-2、及び表1-3に示した。
市販されていない原材料は、合成例1~7に示す方法で合成した。
合成した化合物の同定は核磁気共鳴分光法(使用装置:日本電子株式会社製、「JNM-ECX500」)で実施し、純度の測定はガスクロマトグラフ法(使用装置:株式会社島津製作所製、「GCMS-QP2010 Plus」)で実施した。これらの化学分析は定法により実施した。
【0091】
<ガラス転移温度(Tg)の測定>
単官能モノマーの重合は、DSCサンプルパンに量り取ったモノマーをメタルハライドランプ(ウシオ株式会社製)により0.5J/cmで4回照射を行い、得られたポリマーをDSC測定に供した。
前記DSC装置としては、Seiko Instruments社製DSC120Uを用い、測定温度は30℃~300℃、昇温速度は1分間に2.5℃で測定した。
【0092】
【表1-1】
【0093】
【表1-2】
【0094】
【表1-3】
【0095】
(合成例1)
<N-アクリロイル-N-メチルグリシンメチルエステル(A-5)の合成>
N-メチルグリシンメチルエステル塩酸塩(シグマアルドリッチジャパン合同会社製、試薬)0.30モル、炭酸カリウム(関東化学株式会社製、試薬)0.45モル、及び水400mLを0~10℃で撹拌混合し、その温度を保ったままアクリル酸クロリド(和光純薬工業株式会社製、試薬)0.33モルをゆっくり滴下した。滴下終了後、酢酸エチル(関東化学株式会社製、試薬)400mLで3回抽出し、酢酸エチル層を合わせて水400mLで1回洗浄した。酢酸エチルを減圧下、40℃で留去して、目的のN-アクリロイル-N-メチルグリシンメチルエステル(A-5)0.20モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.3質量%であった。
なお、N-アクリロイル-N-メチルグリシンメチルエステル(A-5)の分子量は157.2であり、公知の化合物である(CAS登録番号72065-23-7)。
【0096】
(合成例2)
<N-アクリロイル-N-イソプロピルグリシンイソプロピルエステル(A-6)の合成>
合成例1において、N-イソプロピルグリシンイソプロピルエステル塩酸塩をN-メチルグリシンエチルエステル塩酸塩(東京化成工業株式会社製、試薬)に変更した以外は、合成例1と同様にして、目的のN-アクリロイル-N-イソプロピルグリシンイソプロピルエステル(A-6)0.22モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.5質量%であった。
なお、N-アクリロイル-N-イソプロピルグリシンイソプロピルエステル(A-6)の分子量は213.3であった。
【0097】
(合成例3)
<N-アクリロイル-N-イソプロピルグリシンメチルエステル(A-7)の合成>
合成例1において、N-メチルグリシンメチルエステル塩酸塩をN-メチルグリシンイソプロピルエステル塩酸塩(東京化成工業株式会社製、試薬)に変更した以外は、合成例1と同様にして、目的のN-アクリロイル-N-イソプロピルグリシンイソプロピルエステル(A-7)0.22モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.5質量%であった。
なお、N-アクリロイル-N-イソプロピルグリシンメチルエステル(A-7)の分子量は185.2であった。
【0098】
(合成例4)
<N-アクリロイル-N-メチルアラニンメチルエステル(A-8)の合成>
合成例1において、N-メチルグリシンメチルエステル塩酸塩をN-メチルアラニンメチルエステル塩酸塩(東京化成工業株式会社製、試薬)に変更した以外は、合成例1と同様にして、目的のN-アクリロイル-N-メチルアラニンメチルエステル(A-8)0.22モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.5質量%であった。
なお、N-アクリロイル-N-メチルアラニンメチルエステル(A-8)の分子量は171.2であった。
【0099】
(合成例5)
<N-アクリロイル-N-メチルグリシンイソプロピルエステル(A-9)の合成>
合成例1において、N-メチルグリシンメチルエステル塩酸塩をN-メチルグリシンイソプロピルエステル塩酸塩(東京化成工業株式会社製、試薬)に変更した以外は、合成例1と同様にして、目的のN-アクリロイル-N-メチルグリシンイソプロピルエステル(A-9)0.22モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.5質量%であった。
なお、N-アクリロイル-N-メチルグリシンイソプロピルエステル(A-9)の分子量は185.2であった。
【0100】
(合成例6)
<N-アクリロイル-N-メチルアラニンイソプロピルエステル(A-10)の合成>
合成例1において、N-メチルグリシンメチルエステル塩酸塩をN-メチルアラニンイソプロピルエステル塩酸塩(東京化成工業株式会社製、試薬)に変更した以外は、合成例1と同様にして、目的N-アクリロイル-N-メチルアラニンイソプロピルエステル(A-10)0.22モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.5質量%であった。
なお、N-アクリロイル-N-メチルアラニンイソプロピルエステル(A-10)の分子量は199.3であった。
【0101】
(合成例7)
<N-アクリロイルピペリジン-4-カルボン酸エチル(A-11)の合成>
合成例1において、N-メチルグリシンメチルエステル塩酸塩をピペリジン-4-カルボン酸エチル(東京化成工業株式会社製、試薬)に変更した以外は、合成例1と同様にして、目的のN-アクリロイルピペリジン-4-カルボン酸エチル(A-11)0.27モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は99.2質量%であった。
なお、N-アクリロイルピペリジン-4-カルボン酸エチル(A-11)の分子量は211.3であり、公知の化合物である(CAS登録番号845907-79-1)。
【0102】
(実施例1)
<組成物の作製>
A―1:20.0質量%、B―1:20.0質量%、C―1:46.8質量%、D-1:3.0質量%、F―2:3.0質量%、F―3:7.0質量%、重合禁止剤(G):0.1質量%、界面活性剤(H):0.1質量%を順に添加して2時間撹拌し、目視にて溶解残りがないことを確認した後、メンブランフィルターでろ過して粗大粒子を除去し、実施例1の組成物を作製した。
【0103】
(実施例2~30及び比較例1~20)
実施例1において、下記表2~表6の組成及び含有量(質量%)に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2~30及び比較例1~20の組成物をそれぞれ作製した。
【0104】
【表2】
【0105】
【表3】
【0106】
【表4】
【0107】
【表5】
【0108】
【表6】
【0109】
次に、実施例1~30及び比較例1~20の組成物について、以下のようにして、25℃での粘度を測定した。結果を表7~表11に示した。
【0110】
<粘度の測定>
東機産業株式会社製コーンプレート型回転粘度計VISCOMETER TVE-22Lを用い、コーンロータ(1°34’×R24)を使用し、回転数50rpm、恒温循環水の温度を25℃に調整して測定した。循環水の温度調整にはVISCOMATE VM-150IIIを用いた。
【0111】
<インクジェットによる印刷画像の形成>
実施例1~30及び比較例1~20の組成物をそれぞれプラスチック製の組成物収容容器に充填し、吐出手段としてのインクジェットヘッド(株式会社リコー製、「MH5440」)、活性エネルギー線照射手段としてのUV-LED(インテグレーションテクノロジージャパン社製「LED ZERO」、波長395nm、照射面における照度1.0W/cm)、吐出を制御するコントローラー、及び組成物収容容器からインクジェットヘッドへの供給経路を備えた像形成装置に組み込んだ。
前記組成物の粘度が10mPa・s~12mPa・sとなるように適宜インクジェットヘッドの温調を行い、汎用的なフィルム材料である市販のPETフィルム(東洋紡株式会社製、「コスモシャインA4100」、厚み188μm)上に前記組成物を膜厚10μmでインクジェット吐出し、UV-LEDで紫外線照射を行って、印刷画像を作製した。
【0112】
<硬化性の評価>
実施例1~30及び比較例1~20の組成物の硬化に必要な照射積算光量を求め、結果を表7~表11に示した。
本発明において、活性エネルギー線を照射して得られた塗膜を指触して際、粘着感のない状態に達したものを硬化と判定する。なお、硬化に要する照射積算光量が2.0J/cm以下であった場合を実用可能であるとした。
【0113】
<硬度の評価>
実施例1~30及び比較例1~20の組成物を硬化して得られた硬化物について、JIS K5600-5-4 に準拠して、COTEC株式会社製のひっかき鉛筆硬度 TQC WWテスター(荷重750g)を用いて、引っかき硬度(鉛筆法)試験により、鉛筆硬度を測定し「硬度」を評価した。結果を表7~表11に示した。なお、硬度がHB以上であった場合を実用可能であるとした。
前記引っかき硬度試験には、三菱鉛筆株式会社製の木製製図用鉛筆セット(6B、5B、4B、3B、2B、B、HB、F、H、2H、3H、4H、5H、6H)及び、鉛筆けずり器を用いた。なお、前記鉛筆けずり器は、鉛筆の円筒状の芯をそのままに残して木部だけをけずり取る特殊なけずり器とする。
【0114】
<密着性の評価>
実施例1~30及び比較例1~20の組成物を硬化して得られた硬化物と、基材との密着性は、産業資材として幅広く使用されている汎用的な金属材料として、市販のブリキ板(テストピース ブリキ板、200×50×0.3mm)を使用し、前記ブリキ板に活性エネルギー線硬化型組成物をインクジェット吐出して、UV照射機(LH6(Dバルブ)、フュージョンシステムズジャパン株式会社製)により光照射して硬化させたベタ塗膜に対して、JIS-K-5600-5-6に示されるクロスカット法による測定し、下記評価基準に基づいて、「密着性」を評価した。結果を表7~表11に示した。
また、他の基材としてPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(東洋紡株式会社製、「コスモシャインA4100」、厚み188μm)、PP(ポリプロピレン)フィルム(東洋紡株式会社製、「パイレンフィルム-OT」、厚み20μm)、PC(ポリカーボネート)板(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製「ユーピロン NF‐2000C 透明」、厚み0.5mm)、アクリル板(住友アクリル販売株式会社製、「スミペックスE000」、厚み1mm)、ガラス板(松浪硝子工業株式会社製、「大型スライド水縁磨 t1.3(S9213)」、厚み1mm)を使用した。
―評価基準―
A:剥がれが見られなかった
B:5%以上20%未満の小さな剥がれのみが見られた
C:全体の20%以上50%未満の剥がれが見られた
D:50%以上の剥がれが見られた
【0115】
<延伸性の評価>
本発明の組成物をダンベル6号型に硬化させた硬化物(厚さ1mm)について、JIS K 7161(プラスチック 引張特性の試験方法 第1部:通則)に従って、万能力学試験機オートグラフAGS-Xにて、ダンベルサンプルの中心部における試験前と破断した試験後との伸びの割合を測定し、「延伸性」を評価した。なお、延伸率が50%以上であった場合を実用可能であるとした。結果を表7~表11に示した。
―評価基準―
A:延伸率が100%以上
B:延伸率が50%以上、100%未満
C:延伸率が10%以上、50%未満
D:延伸率が10%未満
【0116】
【表7】
【0117】
【表8】
【0118】
【表9】
【0119】
【表10】
【0120】
【表11】
【0121】
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1>アクリルアミド化合物であって、
前記アクリルアミド化合物における硬化物のガラス転移温度(Tg)が50℃以上であるアクリルアミド化合物(A)と、
一般式(1)で表される重合性化合物(B)と、
ヘテロ環を有する単官能重合性化合物であって、
前記単官能重合性化合物における硬化物のTgが30℃以下である単官能重合性化合物(C)と、
ウレタンアクリレートオリゴマー、及びデンドリマー構造を有するアクリレートオリゴマーの少なくともいずれか(D)と、を含有し、
前記オリゴマー(D)の組成物における含有量が、5.0質量%以下であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型組成物である。
【化1】
(前記一般式(1)におけるRは、炭素数1~6のアルキル基を表す。)
<2>前記アクリルアミド化合物(A)及び前記一般式(1)で表される重合性化合物(B)の組成物おける含有量の和が、20.0質量%以上60.0質量%以下である、<1>に記載の活性エネルギー線硬化型組成物である。
<3>前記単官能重合性化合物(C)の組成物における含有量が、40.0質量%以上80.0質量%以下である、<1>から<2>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物である。
<4>前記アクリルアミド化合物(A)が、アクリロイルモルフォリン又は下記一般式(2)で表される化合物である、<1>から<3>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物である。
【化2】
前記一般式(2)におけるRは、炭素数1~6のアルキル基を表し、Xは炭素数1~6のアルキレン基を表し、Yは下記一般式(3)及び下記一般式(4)のいずれかを表す。
【化3】
前記一般式(3)におけるRは、炭素数1~10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。
【化4】
前記一般式(4)におけるRは、炭素数1~10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。
<5>前記単官能重合性化合物(C)がテトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアルコール アクリル酸多量体エステル、(2-メチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチルアクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート、(3-エチルオキセタン-3-イル)メチルアクリレート、及びγ-ブチロラクトンアクリレートのいずれかである、<1>から<4>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物である。
<6>有機溶剤を含まない<1>から<5>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物である。
<7><1>から<6>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクである。
<8>インクジェット用である<7>に記載の活性エネルギー線硬化型インクである。
<9><1>から<6>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物、及び<7>から<8>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インクのいずれかを容器中に収容されてなることを特徴とする収容容器である。
<10><1>から<6>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物、及び<7>から<8>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インクの少なくともいずれかを容器中に収容する収容部と、活性エネルギー線を照射するための照射手段と、を有することを特徴とする2次元または3次元の像形成装置である。
<11>前記照射手段が、波長365~405nmにピークを有する紫外線を照射するUV-LEDである、<10>に記載の像形成装置である。
<12><1>から<6>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物、及び<7>から<8>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インクの少なくともいずれかに活性エネルギー線を照射して2次元又は3次元の像を形成することを特徴とする像形成方法である。
<13>前記活性エネルギー線が波長365~405nmにピークを有する紫外線であり、前記紫外線がUV-LEDによって照射される、<12>に記載の像形成方法である。
<14><1>から<6>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物、及び<7>から<8>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インクの少なくともいずれかに活性エネルギー線を照射して形成されることを特徴とする硬化物である。
<15>基材上に<14>に記載の硬化物からなる表面加飾が施されてなることを特徴とする加飾体である。
【0122】
前記<1>から<6>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物、前記<7>から<8>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インク、前記<9>に記載の収容容器、前記<10>から<13>のいずれかに記載の像形成方法、前記<14>に記載の硬化物、前記<15>に記載の加飾体によれば、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
【符号の説明】
【0123】
1 貯留プール(収容部)
3 可動ステージ
4 活性エネルギー線
5 組成物
6 硬化層
20 像形成装置
21 供給ロール
22 被記録媒体
23a、23b、23c、23d 印刷ユニット
24a、24b、24c、24d 光源
25 加工ユニット
26 印刷物巻取りロール
30 造形物用吐出ヘッドユニット
31、32 支持体用吐出ヘッドユニット
33、34 紫外線照射手段
35 立体造形物
36 支持体積層部
37 造形物支持基盤
38 ステージ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0124】
【特許文献1】特許第5606817号公報
【特許文献2】特許第2938808号公報
【特許文献3】特開2014-205839号公報
【特許文献4】特開2019-189855号公報
【特許文献5】特開2019-143057号公報
【特許文献6】特開2013-91788号公報
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D