(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022099756
(43)【公開日】2022-07-05
(54)【発明の名称】組電池
(51)【国際特許分類】
H01M 50/20 20210101AFI20220628BHJP
H01M 10/058 20100101ALI20220628BHJP
H01M 50/342 20210101ALI20220628BHJP
【FI】
H01M2/10 Y
H01M10/058
H01M2/12 101
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020213740
(22)【出願日】2020-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117606
【弁理士】
【氏名又は名称】安部 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100136423
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100130605
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 浩治
(72)【発明者】
【氏名】小林 圭一郎
【テーマコード(参考)】
5H012
5H029
5H040
【Fターム(参考)】
5H012AA03
5H012BB03
5H012CC08
5H012CC10
5H012DD07
5H029AJ01
5H029AM01
5H029BJ04
5H029BJ23
5H029DJ02
5H029HJ12
5H040AA31
5H040AT04
5H040AY08
5H040CC37
5H040CC38
5H040LL01
5H040LL06
(57)【要約】
【課題】組電池の単電池間における内圧差の発生を、より高いレベルで抑制する技術を提供する。
【解決手段】ここで開示される技術によると、電池ケースを有する複数の単電池を備える組電池が提供される。この組電池は、上記単電池のそれぞれに接続される接続開口部を有し、各単電池の内部空間を連通する連通管を備えている。この組電池では、上記連通管によって、該連通管に接続された各単電池間における内圧の平衡が実現される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池ケースを有する複数の単電池を備える組電池であって、
前記単電池のそれぞれに接続される接続開口部を有し、各単電池の内部空間を連通する連通管を備えており、
前記連通管によって、該連通管に接続された各単電池間における内圧の平衡が実現される、組電池。
【請求項2】
前記連通管は、前記接続開口部とは異なる独立した開口部であって、外部雰囲気と連結可能なガス圧調整開口部を備えている、請求項1に記載の組電池。
【請求項3】
前記電池ケースは、ラミネートフィルム製である、請求項1または2に記載の組電池。
【請求項4】
前記連通管は、樹脂製または金属製である、請求項1~3のいずれか一項に記載の組電池。
【請求項5】
前記単電池は、非水電解液を備えており、
前記電池ケースには、前記非水電解液を該電池ケースの内部に注入するための注液孔が設けられており、該注液孔を用いて、前記連通管の前記接続開口部が前記単電池に接続されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の組電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組電池に関する。詳しくは、複数の単電池を備え、各単電池間における内圧の平衡が実現された組電池に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン二次電池等の二次電池は、パソコンや携帯端末等のいわゆるポータブル電源用途のみならず、近年は車両駆動用電源として好適に用いられている。この種の二次電池は、典型的には、正極および負極を有する電極体と、電解質とを備えている。二次電池を充放電すると、電極体が膨張収縮し得ることや、ガスが発生し得ることが、従来から知られていた(特許文献1~5)。電極体の膨張収縮およびガス発生は、二次電池の劣化や安全性低下の要因となり得た。
【0003】
上記のような用途の二次電池は、例えば複数の単電池を備える組電池の形態で使用されることがある。組電池を構成する単電池の一部で、他の単電池よりも電極体の膨張収縮の度合いやガスの発生量が大きくなると、組電池を構成する単電池間に、内圧のばらつきが生じ、延いては劣化状態にばらつきが生じ得る。組電池における単電池間の劣化状態のばらつきは、組電池全体の劣化を促進する要因ともなり得るため、好ましくない。このため、組電池を構成する単電池間において内圧の差が生じることを緩和するための技術が求められていた。特許文献1~3では、組電池を構成する各単電池間を連通することが提案されている。特許文献4,5では、組電池において単電池と単電池との間にスペーサを配置することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-057199号公報
【特許文献2】特開2002-056836号公報
【特許文献3】特開2004-039582号公報
【特許文献4】特開2018-181765号公報
【特許文献5】特開2018-032581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、二次電池の普及にともない、二次電池をより高性能化する技術開発が精力的に行われている。また、二次電池を地上以外(例えば上空、宇宙、深海等)で使用するニーズが高まっている。このような場所では、二次電池が置かれる環境が、気温や気圧等の観点から、地上よりも厳しいものとなっており、組電池における単電池間に内圧差が発生することを、これまでよりも高いレベルで抑制する技術開発が要求されている。
【0006】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、組電池の単電池間における内圧差の発生を、より高いレベルで抑制する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ここで開示される技術によると、電池ケースを有する複数の単電池を備える組電池が提供される。この組電池は、上記単電池のそれぞれに接続される接続開口部を有し、各単電池の内部空間を連通する連通管を備えている。この組電池では、上記連通管によって、該連通管に接続された各単電池間における内圧の平衡が実現される。かかる構成の組電池では、連通管を備えることによって、組電池を構成する各単電池間の内部空間が連通されている。そのため、組電池を構成する一部の単電池において内圧が特異的に上昇した場合であっても、一部の単電池における特異的な内圧上昇を、上記連通管によって緩和することができる。そのため、各単電池間における内圧のばらつきの発生を抑制することができる。
【0008】
ここで開示される組電池の好ましい一態様では、上記連通管は、上記接続開口部とは異なる独立した開口部であって、外部雰囲気と連結可能なガス圧調整開口部を備えている。かかる構成の組電池では、連通管のいずれかの部位にガス圧調整開口部を設けることによって、各単電池間における内圧のばらつきの発生を、より高度に抑制することができる。
【0009】
また、他の好ましい一態様では、上記電池ケースは、ラミネートフィルム製である。充放電にともなう内圧の上昇は、ラミネートフィルム製の電池ケースを有する単電池において顕著に起こり得る。そのため、上記構成は、ラミネート電池を備える組電池において、本発明の効果はより好適に実現され得る。
【0010】
また、他の好ましい一態様では、上記連通管は、樹脂製または金属製である。上記連通管が樹脂製である場合、上記効果に加えて、組電池の軽量化が実現され得る。一方、上記連通管が金属製である場合、上記効果に加えて、連通管の機械的強度を向上させることができる。
【0011】
さらに、他の好ましい一態様では、上記単電池は、非水電解液を備えている。上記電池ケースには、上記非水電解液を該電池ケースの内部に注入するための注液孔が設けられており、該注液孔を用いて、上記連通管の上記接続開口部が上記単電池に接続されている。かかる構成によると、電池ケースに従来から設けられていた構成を使用して、連通管を設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施形態に係る組電池が備える単電池の構成を模式的に示す斜視図である。
【
図2】一実施形態に係る組電池の構成を模式的に示す斜視図である。
【
図3】一実施形態に係る組電池が備える連通管の構成を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、ここで開示される技術の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けない組電池の一般的な構成および製造プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の各図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
【0014】
なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電が可能な蓄電デバイス全般を指す用語であって、リチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池、ニッケル水素電池等のいわゆる蓄電池(化学電池)と、電気二重層キャパシタなどのキャパシタ(物理電池)と、を包含する概念である。また、本明細書において「リチウムイオン二次電池」とは、電荷担体としてリチウムイオンを利用し、正負極間におけるリチウムイオンの移動にともなう電荷の移動によって充放電が実現される二次電池をいう。
【0015】
ここで開示される組電池は、複数の単電池を備える。該単電池としては、特に限定するものではないが、例えばリチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池、ニッケル水素電池等が挙げられる。上記単電池が、ラミネートフィルム製の電池ケースを備えるリチウムイオン二次電池であるとして以下の一実施形態を説明するが、これに限定することを意図したものではない。
【0016】
図1に示されるように、単電池10は、電池ケース12と、正極端子14aおよび負極端子14bからなる一対の電極端子14と、を備えている。電池ケース12は、ラミネートフィルム製であり、その内部に、単電池10の発電要素たる、矩形平板状の電極体と、非水電解液とを収容している。また、電池ケース12には、非水電解液をケースの内部に注入するための注液孔16が設けられている。電極端子14は、いずれも電極体に接続されており、電池ケース12の内部から外部へと引き出されている。電極体は、正極と、負極と、該正極および該負極とを離隔するセパレータ層を備えており、積層電極体および捲回電極体のいずれであってもよい。電極体および非水電解液としては、この種の二次電池として従来使用されているものを特に制限なく使用することができ、本発明を特徴づけるものではないため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0017】
図2に示されるように、組電池100は、おおまかにいって、複数の単電池10と、スペーサ20と、連通管30とを備えている。複数の単電池10は、所定の方向Xに沿って配列されている。図示は省略するが、各単電池10の正極端子14aおよび負極端子14bは、バスバーを介して接続されており、これによって各単電池10が電気的に接続されている。また、各単電池10は、連通管30を介して相互に連結されている。単電池10と単電池10との間には、スペーサ20が配置されている。なお、図示は省略するが、複数の単電池10の配列方向X(以下、単に「方向X」ともいう。)の量外側には一対のエンドプレートが配置されている。エンドプレートは、複数の単電池10を方向Xの両側から挟み込んで圧力(拘束圧)を付与し、これらを拘束している。
【0018】
スペーサ20は、特に限定するものではないが、例えば組電池100内における単電池10の位置ずれの防止、単電池10に対する均一な拘束圧の付与、各単電池間における空気流路の確保等のために配置される部材である。スペーサ20としては、所望の機能に合わせて、この種の組電池で使用される各種スペーサを、特に制限なく使用することができる。
【0019】
連通管30は、各単電池10の内部空間を連通する部材である。
図2,3に示されるように、連通管30は、円筒状(断面が楕円である場合を含む。)のメイン配管32と、同様の形状の接続配管34とを備えている。メイン配管32には、複数(典型的には、組電池100に含まれる単電池10の数)の分岐点321が形成されており、分岐点321において、接続配管34と接続されている。メイン配管32の一の端部は、折り曲げられて分岐点321を形成しながら、接続配管34と接続されている。接続配管34は、分岐点321から単電池10に向かって延びている。接続配管34は、メイン配管32からの分岐管であり、メイン配管32と各単電池10とを接続する配管である。接続配管34は、単電池10側の端部に接続開口部341を有しており、これが
図2中の矢印の方向に単電池10の注液孔16に挿しこまれ、連通管30と単電池10とが接続される。なお、
図3中における矢印は、連通管における気体の流通方向を示している。
【0020】
特に限定するものではないが、連通管30は、接続開口部341とは異なる独立した開口部を有していてもよい。かかる開口部は、例えば、ガス圧調整開口部36であり得る。ガス圧調整開口部36は、連通管30と(ひいては各単電池10と)外部雰囲気とを連結することができる。ガス圧調整開口部36は、大気に対して連通管30および各単電池10の内部の圧力を開放するものであってもよく、吸引ポンプ等に接続されてもよい。ガス圧調整開口部36を設けることによって、連通管の内部の気体を外部に放出することができる(
図3中の矢印参照)。そのため、ガス圧調整開口部36を設けることによって、各単電池間の内圧の平衡をより効果的に実現することができる。また、組電池100の構築当初より上昇した内圧を、効果的に低下させることができる。なお、ガス圧調整開口部36の配置部位は、特に限定されない。
【0021】
特に限定するものではないが、連通管30の構成材料は、例えば樹脂や金属等であり得る。上記樹脂としては、例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリイミドが挙げられる。連通管30を樹脂材料で構成することによって、連通管30を軽量化することができる。上記金属としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス等が挙げられる。連通管30を金属材料で構成することによって、連通管30の強度を向上させることができる。
【0022】
組電池100を製造する方法は、おおまかにいって、単電池用意工程、組電池構築工程、および連通工程を包含する。単電池用意工程は、電極体作製工程、電極体収容工程、電解液注液工程、仮封止工程、活性化工程、検査工程等のサブステップを含む。電極体作製工程では、電極体を、従来公知の方法を用いて作製する。本工程は、電極端子を電極体に取り付けることを含む。次いで、電極体をラミネートフィルム製の電池ケースの内部に収容し、注液孔を除く開口部(典型的には、周縁部)を熱溶着する(収容工程)。次いで、非水電解液を、注液孔を介して該ケースの内部に注入する(注液工程)。
【0023】
次いで、注液孔を仮封止する(仮封止工程)。後に注液孔に連通管を取り付ける際に、容易に開封できるように封止すればよく、その方法は、特に限定されない。一例として、封止栓を用いることが挙げられる。封止栓としては、例えば、ねじ切り加工が施された封止栓(封止ネジ)を使用することができる。この場合、注液孔の内側に、予めねじ切り加工を施しておくと、ここに封止ネジを螺合することができる。気密性向上の観点から、注液孔の上端に、シールワッシャやOリング等のシール部材を配置し、上記螺合を行うとよい。より好ましい封止栓の例としては、熱可塑性樹脂製の封止栓が挙げられる。かかる封止栓を使用する場合、注液孔を樹脂製としておくことが好ましく、注液孔に封止栓を配置して、これらを熱溶着(例えばレーザ溶着)することができる。さらに好ましい封止栓の例としては、圧入固定可能なゴム栓が挙げられる。かかるゴム栓を注液孔に圧入することによって、簡便に仮封止することができる。上記ゴム栓には、注液孔への圧入量を規制するための笠状の圧入規制部を設けておくとよい。また、後の開封を容易とするために、引き抜き用突起等を設けておくことが好ましい。
【0024】
次いで、電極体への非水電解液の含浸処理を行い(含浸工程)、所定の条件の下、二次電池に初期充電およびエージング処理を行う(活性化工程)。そして、組電池への組み込みの適否を検査する(検査工程)。なお、非水電解液の含浸、二次電池の初期充電およびエージング処理、ならびに上記検査については、この種の二次電池の製造において行われる工程と同様であり、本発明を特徴づけるものではないため、詳細な説明は省略する。
【0025】
上記検査工程において、組電池への使用に適合すると評価された二次電池を、組電池100の単電池10として使用する。組電池構築工程では、
図2に示されるように、複数の単電池10を、各単電池間にスペーサ20を挟みつつ、方向Xに配列する。次いで、配列した複数の単電池10の両端に一対のエンドプレートを配置し、拘束治具を用いて単電池10を拘束する。このようにして、複数の単電池10を備える組電池を構築する。
【0026】
連通工程では、上記工程で構築された組電池に連通管を取り付けて、複数の単電池10の内部空間を連通する。本工程は、開封工程、連通管取付工程等のサブステップを含む。開封工程では、注液孔16の仮封止を取り除き、注液孔16を開封する。封止ネジを使用した場合は、封止ネジの螺合方向と逆の方向に該封止ネジを回して開封することができる。熱可塑性樹脂製の封止栓を使用した場合は、溶着部を物理的に除去することによって開封することができる。上記封止栓として十分に薄いものを使用した場合は、針等で孔を開けることによって開封してもよい。また、ゴム栓を圧入した場合は、該ゴム栓を引き抜くことによって開封することができる。単電池10の内圧は、上記活性化工程における電極体の膨張収縮やガス発生等によって、各単電池間においてばらつきが生じ得る。開封工程を実施することによって、すべての単電池10の内圧を一旦大気圧付近に調整することができる。
【0027】
連通管取付工程では、連通管30と注液孔16とを接続する。連通管30の取付方法は、特に限定されないが、一例として、螺合による取付が挙げられる。注液孔16の内部および接続配管34の接続開口部341近傍に予めねじ切り加工を施しておき、これらを螺合することによって、連通管30と注液孔16とを接続することができる。かかる螺合に際して、気密性を向上させる観点から、注液孔16の上端に上記のようなシール部材を配置しておくとよい。また、他の好ましい例として、接続配管34および注液孔16のそれぞれにフランジ部を形成しておき、これらのフランジ部を接合することによって、連通管30と注液孔16とを接続することができる。フランジ部は、接続配管34および注液孔16の延伸方向から外側に広がった形状に形成され得る。フランジ部の接合方法は、接続配管34および注液孔16の材質によって異なり得るため、特に限定されないが、例えば、これらが熱可塑性樹脂製である場合は熱溶着(レーザ溶着等)を用いることができ、これらが金属製である場合は各種の金属接合方法を用いることができる。
【0028】
組電池100の充放電を行うと、単電池10における電極体の膨張収縮やガス発生にともなって、単電池10の内圧が上昇し得る。この時、内圧の上昇が生じた単電池10の内部の気体は、接続開口部341を介して連通管30に流れ込む。連通管30に流れ込んだ気体は、該単電池よりも内圧が低い他の単電池10の内部に流れ込み、各単電池間における内圧の平衡が実現される。これによって、各単電池間の内圧にばらつきが発生するのを抑制することができ、組電池の寿命を長くすることができる。
【0029】
組電池100は、各種用途に利用可能であるが、例えば車両に搭載されるモーター用の動力源(駆動用電源)として好適に用いることができる。車両の種類は特に限定されないが、典型的には自動車、例えばプラグインハイブリッド自動車(PHV)、ハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(EV)等が挙げられる。また、組電池100は、航空機、宇宙探査機および宇宙基地、ならびに潜水調査船等の地上以外における蓄電装置として好適に用いることができる。
【0030】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、上記実施形態は例示にすぎず、種々の変形例を含み得る。以下に例示される変形例においても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。例えば、上記実施形態では、単電池10と単電池10との間にスペーサ20が配置されているが、これに限定されず、スペーサ20の配置を省略することができる。
【0031】
また、上記実施形態では、メイン配管32の一の端部が接続配管34となっているが、これに限定されず、例えば当該端部にガス圧調整開口部36を設けてもよい。
【0032】
また、上記実施形態では、単電池10の一例としてラミネートフィルム製の電池ケースを備える二次電池を挙げて説明したが、これに限定されず、角型電池ケースを備える二次電池であってもよい。上記角型電池ケースの材質は、特に限定するものではないが、例えばアルミニウムやステンレス等の金属材料、または、ポリイミド等の樹脂材料であり得る。
【0033】
また、上記実施形態では、単電池10の一例として、非水電解液を備える二次電池を挙げて説明したが、これに限定されない。単電池10は、電解質が固体状である、いわゆる全固体電池であってもよい。
【0034】
また、上記実施形態では、連通工程において、開封工程と連通管取付工程とを、それぞれ別工程として実施したが、これに限定されず、上記2工程を同時に実施することができる。例えば、連通管30の接続配管34の内部であって、接続開口部341から外部に突出するような針等を設置することができ、この針によって仮封止(例えば、熱可塑性樹脂製の封止栓による仮封止)を開封しつつ、接続配管34を注液孔16に接続することができる。
【符号の説明】
【0035】
10 単電池
12 電池ケース
14 電極端子
14a 正極端子
14b 負極端子
16 注液孔
20 スペーサ
30 連通管
32 メイン配管
321 分岐点
34 接続配管
341 接続開口部
36 ガス圧調整開口部
100 組電池