(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023100370
(43)【公開日】2023-07-19
(54)【発明の名称】ミリ波反射板
(51)【国際特許分類】
H01Q 15/14 20060101AFI20230711BHJP
H01Q 3/46 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
H01Q15/14 Z
H01Q15/14 A
H01Q3/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022000985
(22)【出願日】2022-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】松村 隆紀
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 裕介
【テーマコード(参考)】
5J020
5J021
【Fターム(参考)】
5J020AA03
5J020BA04
5J020BD04
5J021AA09
5J021BA01
5J021DB03
(57)【要約】
【課題】大面積になっても平坦状態を好適に維持できるミリ波反射板を提供する。
【解決手段】ミリ波反射板1は、面状の誘電体20と、誘電体20の第一面20a上に設けられ、形状の異なる複数の金属パターンを有するスーパーセル10と、誘電体20において、第一面20aと反対側の第二面20b上に設けられた金属層30とを備える。誘電体20は、金属パターンに接しない部位に第二面20b側から設けられ、金属層30を貫通する切込み25を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
面状の誘電体と、
前記誘電体の第一面上に設けられ、形状の異なる複数の金属パターンを有するスーパーセルと、
前記誘電体において、前記第一面と反対側の第二面上に設けられた金属層と、
を備え、
前記誘電体は、前記金属パターンに接しない部位に前記第二面側から設けられ、前記金属層を貫通する切込みを有する、
ミリ波反射板。
【請求項2】
前記切込みは、前記誘電体の厚さ方向中間部に達している、
請求項1に記載のミリ波反射板。
【請求項3】
前記切込みは、上部が開いた断面形状を有する、
請求項1に記載のミリ波反射板。
【請求項4】
前記切込みは、同一の前記スーパーセルに属する前記金属パターン間を避けて形成されている、
請求項1に記載のミリ波反射板。
【請求項5】
前記切込みとして、第一の方向に延びる切込みと、前記第一の方向と交差する第二の方向に延びる切込みとを有する、
請求項1に記載のミリ波反射板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミリ波反射板に関する。
【背景技術】
【0002】
ミリ波に対応した各種無線機器の実用化に際し、電波の不感地帯の発生が問題となっている。ミリ波帯の電波は普及が進んでいるVHF波、UHF波と比較して著しく減衰しやすく、直進性も高いという特徴がある。この為、ミリ波帯の電波は、回折による障害物背後への回り込みが難しい。
【0003】
ミリ波帯の電波の不感地帯を解消するものとして、ミリ波帯の電波を反射する反射板(以下、「ミリ波反射板」と称する。)が提案されている。
【0004】
特許文献1に記載のマルチビームリフレクトアレイは、上記ミリ波反射板として機能し得る。このマルチビームリフレクトアレイは、面状の誘電体の一方の面に所定の角度にミリ波を反射する反射単位を多数有し、他方の面にグランドとして機能とする金属層を有する。各反射単位は、形状の異なる複数の金属パターンで構成される。
【0005】
反射単位が設けられた側の面に入射したミリ波は、各金属パターンと、金属層との両方で反射される。この反射波どうしが干渉することにより、ミリ波は入射時と異なる位相に反射される。
さらに、異なる金属パターンに基づく干渉波は、位相が異なるため、二次干渉を生じる。したがって、反射単位を構成する複数の金属パターンの形状を適宜設定することにより、入射したミリ波の反射方向を所望の向きに設定できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ミリ波反射板は、その機能上、大面積であることが好ましいが、発明者らの検討により、表裏において金属の配置が異なるため、表裏の応力分布が異なる結果、大面積になるにつれて意図しない反り等を生じやすくなることが明らかになった。
特許文献1には、マルチビームリフレクトアレイの原理や反射方向の制御について記載されているのみであり、このような問題に対する知見はない。
【0008】
本発明は、大面積になっても平坦状態を好適に維持できるミリ波反射板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、面状の誘電体と、誘電体の第一面上に設けられ、形状の異なる複数の金属パターンを有するスーパーセルと、誘電体において、第一面と反対側の第二面上に設けられた金属層とを備えるミリ波反射板である。
このミリ波反射板において、誘電体は、金属パターンに接しない部位に第二面側から設けられ、金属層を貫通する切込みを有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るミリ波反射板は、大面積になっても平坦状態を好適に維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係るミリ波反射板の模式平面図である。
【
図4】同ミリ波反射板の変形例を示す部分拡大図である。
【
図6】本発明の変形例に係るミリ波反射板の模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施形態について、
図1から
図5を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るミリ波反射板1を示す模式平面図である。
図1に示すように、ミリ波反射板1は、上面(一方の面)に、ミリ波を所定の方向に反射するスーパーセル10を複数有する。
【0013】
図2に拡大して示すように、各スーパーセル10は、形状の異なる複数の金属パターンを有する。本実施形態において、スーパーセル10は、大きさの異なる十字型の金属パターン11、12、13の三つの金属パターンを有しており、金属パターン11、12、13が一方向に並べて配置されている。金属パターンの形状や数、配置等は、
図2に示した態様に限られず適宜設定でき、環状や、特許文献1に記載されたマッシュルーム構造のような立体形状等であってもよい。
複数のスーパーセル10は、平面視四角形のミリ波反射板1において、辺に沿った二次元マトリクス状に整列して配置されている。
【0014】
図3は、
図2のI-I線における模式断面図である。スーパーセル10は、シート状の誘電体20の第一面20a上に形成されている。
誘電体20の材質は、誘電体であれば特に制限はない。誘電体20の好適な例として、ガラスクロスに合成樹脂を含浸させたものや、各種合成樹脂からなるフィルム等を挙げることができる。中でも、低損失な電気特性を有する誘電体がより好適であり、高純度ガラス(石英ガラス)、フッ素系樹脂、液晶ポリマー、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリオレフィン、等が例示できる。これらは単体で使用してもよく複数種類を混合したり積層したりして使用してもよい。
【0015】
誘電体20において、第一面20aと反対側の第二面20bには、全面を覆う金属層30が設けられている。
このような構成のミリ波反射板1は、誘電体の両面に金属箔が接合された材料を用いて、金属箔をエッチング等でパターニングして複数のスーパーセルを形成することにより、比較的簡便に製造できる。
【0016】
本実施形態において、スーパーセル10および金属層30は、銅からなるが、材質は銅には限られず、金や銀、アルミニウム等も使用できる。さらに、本実施形態における金属層は、金属を主成分としていればよく、抵抗値として10-6Ω・m以下程度の導電性を保持する範囲で金属以外の物質を含んでもよい。例えば、銀混入ペースト、銅混入ペースト、ITO等の導電性金属酸化物等も用途に応じて適用可能である。
【0017】
図3に示すように、誘電体20には、第二面20b側から複数の切込み25が設けられている。切込み25は、
図2に破線で示すように、スーパーセル10間において、複数の金属パターン11、12、13が並ぶ方向に延びている。ミリ波反射板1の下面側は、複数の切込み25により、複数の金属パターンが並ぶ方向に延びる複数の細長い領域に分割されている。各領域の上面側には、複数のスーパーセル10が、複数の金属パターンが並ぶ方向に複数並んで配置されている。
【0018】
図3に示すように、各切込み25は、金属層30を貫通し、誘電体20の厚さ方向中間部まで延びており、ミリ波反射板を厚さ方向に貫通していない。これにより、ミリ波反射板は、1枚のシート状の状態を保持している。
【0019】
上記のように構成された本実施形態に係るミリ波反射板1の使用時の動作について説明する。
ミリ波反射板1においては、誘電体20の第二面20b側を金属層30が大きく覆っているため、構造上は第一面側と第二面側とで伸縮の度合いが異なる。その結果、金属層側が凹となる反りを生じやすい。
しかし、金属層に切込み25が設けられているため、金属層30の収縮による応力は、切込み25によって解放され、蓄積しない。その結果、反りが好適に抑制され、形状が良好に維持される。
【0020】
本実施形態のミリ波反射板1においては、切込み25が誘電体20まで達しているため、大面積である等の場合であっても、筒状に巻くことで、容易に運搬できる。筒状に巻く際は、形成される筒形状の軸線が切込み25と概ね同一方向に延びるように巻いていく。
【0021】
第一面20a側を内側にしてミリ波反射板1を巻いていくと、誘電体20に曲げ応力が作用する。しかし、本実施形態の誘電体20には、切込み25が設けられているため、誘電体20が切込みに沿って折れ曲がることにより、曲げ応力は消失し、誘電体20には蓄積されにくい。その結果、ミリ波反射板1全体としては巻くことができる一方、切込み25間の領域は、巻かれた状態でも過度に湾曲せずに平坦に近い状態を保持する。したがって、切込み25間に位置する金属パターン11、12、13や、それらの集合としてのスーパーセル10に曲げ応力が作用しにくく、巻いた際に著しく折れ曲がって損傷したり、断裂したりすることを好適に抑制できる。
【0022】
また、ミリ波反射板1は、切込み25に沿って容易に曲がることができるため、凹凸を有する設置面や、凹状あるいは凸状に湾曲した設置面であっても、折れ曲がることにより良好に追従できる。したがって、様々な態様の設置面に好適に追従させて取り付けることができ、設置後の浮きや剥がれ等も生じにくい。
【0023】
以上説明したように、本実施形態に係るミリ波反射板1は、製造後や設置後における反りが抑制されているとともに、ハンドリング性に優れ、設置面への追従性が高い。したがって、建材、壁面、什器、車両等の多種多様な物品に取り付け、周囲の空間にミリ波を充溢させることに寄与できる。
【0024】
本実施形態において、切込みは、金属パターンに達しないように設けられればよく、延びる方向に特に制限はない。したがって、
図4に示す変形例のように、スーパーセルの金属パターンが並ぶ方向と交差する方向に延びる切込み25Aが設けられてもよいし、切込み25や25Aが、ミリ波反射板の平面視において金属パターンと重なってもよい。さらには、切込み25と切込み25Aの両方が設けられてもよい。このようにすると、ミリ波反射板を二方向に巻くことができ、ハンドリング性および設置面への追従性を向上できる。
【0025】
本実施形態に係るミリ波反射板について、実施例を用いてさらに説明する。本発明に係る技術的思想は、実施例の具体的な内容のみによって何ら限定されない。
【0026】
(実施例1)
誘電体の両面に銅箔が設けられた60mm×60mmの銅張積層板(中興化成工業社製CGP-500)を準備した。誘電体はフッ素樹脂含浸ガラスクロス(厚さ764μm)であり、銅箔の厚さはいずれも18μm、総厚は0.8mmである。
【0027】
銅張積層板の一方の面にエッチングを施し、二次元マトリクス状に配列されたスーパーセルを複数形成した。スーパーセルは、十字型の3つの金属パターンで構成される。小パターンは、幅1.1mm、縦横寸法1.4mmである。中パターンは、幅1.4mm、縦横寸法3.0mmである。大パターンは、幅1.4mm、縦横寸法3.7mmである。3つのパターンを小、中、大の順に等ピッチで5mm×15mmの区画内に配置し、これをスーパーセルの単位とした。このスーパーセルは、垂直に入射した28GHz帯のミリ波を、小パターンから大パターンに向かう方向に45°傾けて反射するよう設計されている。
上記構成のスーパーセルを、12行4列の二次元マトリクス状に形成した。
【0028】
続いて、スーパーセル1行ごとに、3つの金属パターンが並ぶ方向に延びる切込み25を形成した。切込みは、0.7mmトムソン刃を用い、スーパーセルが形成されていない金属層側から700μmの深さで形成した。
すなわち、切込み25は、金属層30を厚さ方向に貫通し、かつ誘電体20を貫通しない程度とされており、ミリ波反射板としては1枚のシート状の状態が保持されている。
以上により、実施例1に係るミリ波反射板を得た。このミリ波反射板においては、隣り合う切込み25間に、4個のスーパーセルが配置されている。実施例1の概略態様を、
図5に示す。
【0029】
(実施例2)
実施例2は、実施例1に対して、切込みの態様のみが異なる。
実施例2では、スーパーセル1列ごとに、3つの金属パターンが並ぶ方向と直角をなす方向に延びる切込み25を形成した。切込みの形成態様や深さは、実施例1と同様である。
以上により、実施例2に係るミリ波反射板を得た。このミリ波反射板においては、隣り合う切込み25間に、12個のスーパーセルが配置されている。
【0030】
(実施例3)
実施例3も、実施例1に対して、切込みの態様のみが異なる。
実施例3では、実施例1の切込みと実施例2の切込みの両方を形成した。すなわち、実施例3は、3つの金属パターンが並ぶ方向(第一の方向)に延びる切込みと、3つの金属パターンが並ぶ方向と交差する方向(第二の方向)に延びる切込みとの2種類の切込みを有する。切込みの形成態様や深さは、いずれも実施例1と同様である。
以上により、実施例3に係るミリ波反射板を得た。このミリ波反射板においては、2種類の切込みによって規定される区画内に、スーパーセルが1個ずつ位置している。
【0031】
各例に係るミリ波反射板に対して、以下の評価を行った。
(ハンドリング性評価)
各例のミリ波反射板を、スーパーセルを内側にして巻くことを試みた。いずれの実施例も、軸線が切込みと概ね平行に延びる筒状に、抵抗なく巻くことができた。実施例3については、2方向に抵抗なく巻くことができた。具体的には、実施例2は15mm角の角筒状に、実施例1および3は直径15~25mmの円筒形(略10角形)にすることができ、いずれもハンドリング性が良好であった。
【0032】
(反り量評価)
各例のミリ波反射板を平坦なステージ上に静置し、中央に100gの分銅を置いた。この状態で、反射板上面の高さを金尺で測定した。いずれの実施例においても高さはミリ波反射板の厚さと同一であり反りは認められず、平坦な状態が好適に維持されていた。
【0033】
(反射特性評価)
各例のミリ波反射板を、巻かれた状態から展延し、金属層30が接するように平坦な木の板に取り付け、電波暗室環境内に固定した。展延した際に、スーパーセルの状態を目視にて確認した。いずれの実施例においても、金属パターンの折れ曲がりや断裂等は認められなかった。
ホーンアンテナからの送信波を曲面形状の反射鏡で反射して28GHzの平面波を生成し、ミリ波反射板に対して垂直に照射した。
ミリ波反射板に対して遠方界となる位置に設置した受信アンテナで、ミリ波反射板からの反射波を計測した。この受信アンテナは、ロボット上に設置され、ミリ波反射板から一定の遠方界距離を保ったまま周回できるよう構成されており、広い角度範囲で反射波を計測できる。この評価では、設計内容である、法線に対して45°方向のRCS(レーダー反射断面積)を評価値とした。
計測の結果、45°方向のRCSは、実施例1から3において、それぞれ-0.29dBsm(デシベル・スクエアメーター)、-0.34dBsm、-0.30dBsmであり、一度巻かれた後でも概ね設計通りの反射特性を示した。
【0034】
ただし、同一のスーパーセルに属する金属パターン間に切込みがあると、設置面の形状によっては、スーパーセル内における金属パターン間の位置関係が大きく変化する結果、反射波の干渉態様も変化して、反射特性に影響を与える可能性がある。したがって、想定される設置面の態様に応じて、同一のスーパーセルに属する金属パターン間に切込みを設ける態様と、同一のスーパーセルに属する金属パターン間を避けて切込みを設ける態様とを使い分けることが好ましい。
【0035】
比較対象として、切込みを設けない点を除き実施例1と同様の手順で作製したものも評価した。
反り量を測定したところ、厚さの2倍近い1.5mmの反りが認められ、反射特性評価においては、-2.88dbsmと、設計値と大きく乖離していた。さらに、誘電体の剛性が高いため、全く巻くことはできなかった。
【0036】
以上、本発明の各実施形態について説明したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせなども含まれる。以下にいくつか変更を例示するが、これらはすべてではなく、それ以外の変更も可能である。これらの変更は自由に組み合わせることができる。
【0037】
・本発明に係るミリ波反射板において、切込み層は金属層を貫通していればよく、必ずしも誘電体に達していなくてもよい。金属層のみ貫通していると、ハンドリングの向上効果は若干低下するものの、金属層への応力蓄積は十分抑制され、充分な反り抑制効果を奏する。金属層のみ貫通し、誘電体に達しない切込みは、必ずしも刃で形成される必要はない。本発明においては、エッチング等で金属層に形成された線状の欠損領域等も、「切込み」に含まれる。
【0038】
・本発明に係るミリ波反射板において、金属層は、必ずしも第二面上に隙間なく設けられなくてもよい。たとえば、小さな開口を有するメッシュ状であったり、スーパーセルの区画に対応した線状の欠損部位などを有したりしてもよい。ただし、金属層のない部分においては、入射したミリ波が反射されずに透過するため、金属層のない部分が多すぎると反射性能に影響する可能性があるため、金属層のない部分の最大連続長を、反射対象周波数の1/4λ未満とすることが好ましい。メッシュ状とする場合は、開口の寸法を調節することで、所定波長の電波を反射せずに透過させることも可能である。
【0039】
・ミリ波反射板が複数に分割されない程度であれば、切込みの一部がミリ波反射板を厚さ方向に貫通していても問題ない。
【0040】
・切込みは、ミリ波反射板の平面視において完全な直線状である必要は必ずしもなく、わずかに湾曲したり、屈曲したりしていてもよい。さらに、切込みは、ミリ波反射板の一方の端部からもう一方の端部まで連続している必要もなく、ミシン目のように断続的に形成されてもよい。
【0041】
・切込みを設ける数に特に制限はない。例えば、切込みを一本のみ有する場合でも、ミリ波反射板を切込みに沿って二つ折りにできるため、ハンドリング性は向上する。
また、切込みの断面形状も、適宜変更できる。
図6に示す断面形状V字状の切込み25Bのように、誘電体に達し、かつ上部が開いた断面形状の切込みを形成すると、ミリ波反射板を巻くことが容易になり、輸送効率等が向上する。切込み25Bのような形状は、一定値以上の厚さのトムソン刃を用いる等により比較的簡便に形成でき、誘電体が比較的硬い等の場合に特に有効である。
【符号の説明】
【0042】
1 ミリ波反射板
10 スーパーセル
11、12、13 金属パターン
20 誘電体
20a 第一面
20b 第二面
25、25A、25B 切込み
30 金属層