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  • 特開-配管の接続構造 図1
  • 特開-配管の接続構造 図2
  • 特開-配管の接続構造 図3
  • 特開-配管の接続構造 図4
  • 特開-配管の接続構造 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102528
(43)【公開日】2023-07-25
(54)【発明の名称】配管の接続構造
(51)【国際特許分類】
   F16L 21/05 20060101AFI20230718BHJP
   F16L 21/02 20060101ALI20230718BHJP
   F16L 15/04 20060101ALI20230718BHJP
【FI】
F16L21/05
F16L21/02 A
F16L15/04 Z
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022003069
(22)【出願日】2022-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】592162829
【氏名又は名称】株式会社マルイチ藤井
(74)【代理人】
【識別番号】100086254
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 進
(72)【発明者】
【氏名】前田 律夫
【テーマコード(参考)】
3H013
3H015
【Fターム(参考)】
3H013JC04
3H015BA01
3H015BB04
3H015BC02
(57)【要約】
【課題】 配管の接続構造の構成を簡単にすると共に単純化にする。
【解決手段】 いずれもブロー成形により成形されたプラスチック製の第1の接続管1と第2の接続管2との端部間を接続する構造であり、第1の接続管は端部外周に雄ねじ部1aを形成すると共に第1の封止リング3を装着し、第2の接続管は端部内周に雌ねじ部2aを形成すると共に第2の封止リング4を装着し、第1の接続管の端部は第2の接続管の端部内に挿入されており、挿入状態では雄ねじ部は雌ねじ部にねじ結合され、第1の接続管の第1の封止リングは第2の接続管の端部の先端側内周面2bに密着されており、第2の接続管の第2の封止リングは第1の接続管の端部の先端側外周面1bに密着され、第1及び第2の両封止リングは雄ねじ部と雌ねじ部の結合部分の両側に配置されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
いずれもブロー成形により成形されたプラスチック製の一方の配管と他方の配管との端部間を接続する構造であって、
上記一方の配管はこの配管の端部の外周にそれぞれ雄ねじ部を形成すると共に第1の封止リングを装着してあり、上記端部の先端側に上記雄ねじ部をこの雄ねじ部の後方側に上記第1の封止リングをそれぞれ配置してあり、
上記他方の配管はこの配管の端部の内周にそれぞれ雌ねじ部を形成すると共に第2の封止リングを装着してあり、上記端部の先端側に上記雌ねじ部をこの雌ねじ部の後方側に上記第2の封止リングをそれぞれ配置してあり、
上記第1及び第2の各封止リングはいずれもОリングからなり、
上記一方の配管の端部は上記他方の配管の端部内に挿入されており、挿入状態では上記雄ねじ部は上記雌ねじ部にねじ結合され、上記一方の配管の第1の封止リングは他方の配管の端部の先端側内周面に密着されており、上記他方の配管の第2の封止リングは一方の配管の端部の先端側外周面に密着されている
ことを特徴とする配管の接続構造。
【請求項2】
第1及び第2の各封止リングは弾性部材からなることを特徴とする請求項1記載の配管の接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は配管の接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
配管の接続構造に関する技術は、例えば特開2002-340253号公報及び特開2001-141158号公報(以下「従来例1」及び「従来例2」という。)に開示されている。
従来例1は排水管の端部に筒状の保形材を嵌入した継手の端部を挿入してから、排水管の端部を加熱して排水管を収縮させて保形材により継手の変形を防止しながら排水管と継手とを接続するものである。
従来例2は雄部材の挿入端部と、樹脂チューブの先端部を挿入し止着した雌コネクター本体との間が円筒状の第1のシール部材でシールされ、同時に雌コネクター本体と樹脂チューブとの間は雌コネクター本体のテーパー外周面に配置した環状の第2のシール部材によってシールされている。そして略コ字状の保持部材によって雄部材を雌コネクター本体に軸方向の移動を不能に保持している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-340253号公報
【特許文献2】特開2001-141158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来例1によると、管端部の加熱に伴う収縮により接続部分の歪みを保形材により防止することができる利点があるが、円筒状の保形部材を用いるので接続部分を単純化する観点から改善の余地がある。
従来例2によると、雄部材と樹脂チューブとの接続部分にシール部材及び保持部材を介在させているので、接続部分の確実なシールや連結固定が可能になる利点があるももの、接続部分の構造が簡単ではない問題がある。
本発明の目的は、配管の接続構造を簡単な構成にすると共に単純化にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る配管の接続構造の第1の特徴は、いずれもブロー成形により成形されたプラスチック製の一方の配管と他方の配管との端部間を接続する構造であって、上記一方の配管はこの配管の端部の外周にそれぞれ雄ねじ部を形成すると共に第1の封止リングを装着してあり、上記端部の先端側に上記雄ねじ部をこの雄ねじ部の後方側に上記第1の封止リングをそれぞれ配置してあり、上記他方の配管はこの配管の端部の内周にそれぞれ雌ねじ部を形成すると共に第2の封止リングを装着してあり、上記端部の先端側に上記雌ねじ部をこの雌ねじ部の後方側に上記第2の封止リングをそれぞれ配置してあることにある。
上記第1及び第2の各封止リングはいずれもОリングからなり、上記一方の配管の端部は上記他方の配管の端部内に挿入されており、挿入状態では上記雄ねじ部は上記雌ねじ部にねじ結合され、上記一方の配管の第1の封止リングは他方の配管の端部の先端側内周面に密着されており、上記他方の配管の第2の封止リングは一方の配管の端部の先端側外周面に密着されている。
本発明に係る配管の接続構造の第2の特徴は、第1の特徴を前提として、第1及び第2の各封止リングは弾性部材からなることにある。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、配管の接続部分にねじ結合する雌ねじ部及び雄ねじ部を設け、ねじ結合部分の両側に第1及び第2の封止リングを配置したので、確実な接続が可能になり、接続部分のシーリングを高めることができ、接続構成が簡単で単純化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係る配管の接続構造における第1の接続管と第2の接続管との接続状態を示す拡大縦断正面図である。
図2】本発明に係る配管の接続構造における第1の接続管を第2の接続管に接続する直前の状態を示す正面図である。
図3】本発明に係る配管の接続構造における第1の接続管を第2の接続管に接続する直前の状態を示す縦断正面図である。
図4図2のIV-IV線拡大断面図である。
図5図2のV-V線拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明に係る配管の接続構造について図面を参照して説明する。
図1及び図2に示す配管の接続構造は、一方の配管である第1の接続管1と他方の配管である第2の接続管2とを接続する構成であって、プラスチック製の第1及び第2の各接続管はブロー成形されたものである。
【0009】
図1図4において、第1の接続管1の端部に雄ねじ部1aを形成すると共に弾性部材からなるОリングである第1の封止リング3を取り付けてある。雄ねじ部1aは第1の接続管1の端部の先端側外周に断面凹状に成形されている。そして、第1の封止リング3は第1の接続管1の端部外周に装着されており、雄ねじ部1aの後方側(図2左側)に配置されている。
【0010】
図1図3及び図5において、第2の接続管2の端部に雌ねじ部2aを形成すると共に弾性部材からなるОリングである第2の封止リング4を取り付けてある。第2の接続管2の端部の先端側内周に雌ねじ部2aを成形してある。そして第2の封止リング4は第2の接続管2の端部内周に装着されており、雌ねじ部2aの後方側(図1右側)に配置されている。
【0011】
第1の接続管1の端部と第2の接続管2の端部との接続状態について、図1図3を参照して説明する。
第1の接続管1の端部は第2の接続管2の端部内に挿入されている。そして、挿入状態では、第1の接続管1の雄ねじ部1aは第2の接続管2の雌ねじ部2aにねじ結合されている。また、第1の接続管1の第1の封止リング3は第2の接続管2の端部の先端側内周面2bに密着されている。第2の接続管2の第2の封止リング4は第1の接続管1の端部の先端側外周面1bに密着されている。第1の封止リング3及び第2の封止リング4は、雄ねじ部1aと雌ねじ部2aとのねじ結合部分の両側にそれぞれ位置している。第1の封止リング3及び第2の封止リング4は、第1の接続管1及び第2の接続管2内を通過する流体がそれぞれの管内から管外に漏れるのを防止するシーリング部材として機能している。
【0012】
図1図3に基づいて、第1の接続管1と第2の接続管2との接続方法について説明する。
第1の接続管1の先端部を図2矢印方向に移動させて第2の接続管2の先端部に挿入する。第1の接続管1の先端部を第2の接続管2内に挿入しながらかつ第1の接続管をその軸心を中心として回しながら第2の接続管の後方(図2右方)に移動させる。やがて、図1に示すように第1の接続管1の雄ねじ部1aと第2の接続管2の雌ねじ部2aとが噛み合い、そのまま第1の接続管の回転を継続すると雄ねじ部と雌ねじ部とがねじ結合される。そして、雄ねじ部1a及び雌ねじ部2aの両側に位置している一方の第1の封止リング3は第2の接続管2の先端側内周面2bに密着し、他方の第2の封止リング4は第1の接続管の先端側外周面1bに密着する。
このように、第1の接続管1と第2の接続管2とは、雄ねじ部1aと雌ねじ部2aとのねじ結合で確実な接続がされ、第1の接続管1の外周への第2の封止リング4の密着及び第2の接続管2の内周への第1の封止リング3の密着により接続固定が強化されると共に接続部分のより良いシーリングを果たすことができる。
【0013】
図示の例では、第1の接続管1と第2の接続管2との接続を雄ねじ部1aと雌ねじ部2aとのねじ結合に基づくので確実な連結が可能になり、第1の接続管と第2の接続管との連結を開放する際も容易に対応することができる。そして、第1の接続管1と第2の接続管2の接続部分にねじ結合する雄ねじ部1aと雌ねじ部2aの両側に第1の封止リング3及び第2の封止リング4を配置したので上述したように接続部分の結合が強化され、また、第1の接続管及び第2の接続管の各管内を通過する流体における接続管外への漏れを確実に防止することができ、接続部分のシーリングを高めることができ、接続構成が簡単で単純化を図ることができる。
【0014】
第1の封止リング3及び第2の封止リング4の材質については弾性部材に限定されないが、各封止リングとして弾性部材からなるОリングを用いてれば、第1の接続管1及び第2の接続管2との密着度が増して、両接続管の接続部分における結合が一層強化され、接続部分のシーリング効果がより向上される。
【符号の説明】
【0015】
1 第1の接続管(一方の配管)
1a 雄ねじ部
1b 先端側外周面
2 第2の接続管(他方の配管)
2a 雌ねじ部
2b 先端側内周面
3 第1の封止リング
4 第2の封止リング
図1
図2
図3
図4
図5