(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023103180
(43)【公開日】2023-07-26
(54)【発明の名称】自動車用フード
(51)【国際特許分類】
B62D 25/10 20060101AFI20230719BHJP
【FI】
B62D25/10 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023000527
(22)【出願日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】102022000000416
(32)【優先日】2022-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】519463178
【氏名又は名称】フェラーリ エッセ.ピー.アー.
【氏名又は名称原語表記】FERRARI S.p.A.
【住所又は居所原語表記】Via Emilia Est, 1163, 41100 MODENA, Italy
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガブリエーレ プリージ
【テーマコード(参考)】
3D004
【Fターム(参考)】
3D004AA08
3D004BA02
3D004CA05
3D004DA03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】エンジンを効果的に冷却可能な車両用フードを提供する。
【解決手段】自動車用のフードは、第1の軸線に沿った長さ範囲、及び第2の軸線に沿った幅範囲を有する骨組みベースと、幅範囲全体にわたって、第1の軸線に沿って骨組みベースの第1の端部(9)をカバーするように、骨組みベースに固定された第1の外装パネル(11)と、幅範囲全体にわたって、骨組みベースの第2の端部(10)をカバーするように、骨組みベースに固定された第2の外装パネル(12)とを含み、これら第1及び第2の外装パネル(11、12)は、第1の軸線に従って、第1及び第2の端部(9,10)間にある、骨組みベースの中間部をカバーされないままの状態にする。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車(1)の本体(5)に取り付けられるように構成された、前記自動車(1)用のフード(7)であって、
第1の軸線(A)に沿った長さ範囲、及び前記第1の軸線(A)に直交する第2の軸線(B)に沿った幅範囲を有する骨組みベース(8)であって、前記フード(7)が前記自動車(1)に取り付けられたときに、前記第1の軸線(A)が、前記自動車(1)の移動方向と一致するような骨組みベース(8)と、
前記骨組みベース(8)の第1の端部(9)を前記第1の軸線(A)に沿って、前記幅範囲全体にわたってカバーするように、前記骨組みベース(8)に固定され、それによって前記骨組みベース(8)とは反対側に、前記フードの第1の外面(13a)を画定する、第1の外装パネル(11)と、
前記骨組みベース(8)の第2の端部(10)を前記幅範囲全体にわたってカバーするように、前記骨組みベース(8)に固定され、それによって前記骨組みベース(8)とは反対側に、前記フード(7)の第2の外面(13b)を画定し、前記第2の端部(10)が前記第1の軸線(A)に沿って前記第1の端部(9)の反対側にある、第2の外装パネル(12)と、を備え、
前記第1及び前記第2の外装パネル(11、12)が、前記第1の軸線(A)に従って、前記第1及び前記第2の端部(9、10)間にある、前記骨組みベース(8)の中間部(14)を、カバーされないままの状態にする、フード(7)。
【請求項2】
前記中間部(14)が、前記第1及び前記第2の軸線(A、B)を含む平面を横切る方向に従って、第1の貫通開口部(16)を有する、請求項1に記載のフード。
【請求項3】
前記骨組みベース(8)が、前記第1の軸線(A)に平行な方向に沿って、少なくとも1つの第2の貫通開口部(19)を有し、それによって、前記第1の軸線(A)に沿った前記第1及び前記第2の外装パネル(11、12)の間にある空の容積部が、前記第2の貫通開口部(19)によって更なる空の容積部と連通し、前記更なる空の容積部が、前記第1の外装パネル(11)とは反対側の、前記骨組みベース(8)側に画定されている、請求項1に記載のフード。
【請求項4】
前記中間部(14)が、前記第2の軸線(B)に従った2つの対向する端部(17、18)を備え、前記フード(7)が、前記第1の軸線(A)に従って延在し、且つ、前記端部(17、18)において前記骨組みベース(8)にそれぞれ固定された、2つの箱型梁(21、22)を備える、請求項1に記載のフード。
【請求項5】
前記箱型梁(21、22)の少なくとも一方、又はそれぞれが、第1のプレート(23)、並びに、前記第1のプレート(23)と前記骨組みベース(8)との間で、前記第1のプレート(23)及び前記骨組みベース(8)に固定された、第2のプレート(24)を備える、請求項4に記載のフード。
【請求項6】
前記第1及び第2のプレート(23、24)の少なくとも一方、又はそれぞれが、前記第1及び第2のプレート(23、24)の他方に向いた凹面を有する、請求項5に記載のフード。
【請求項7】
前記第1のプレート(23)が、少なくとも前記箱型梁(21、22)の対応する断面に従って、前記第2のプレート(24)の厚さよりも大きい厚さを有する、請求項5に記載のフード。
【請求項8】
前記第1及び前記第2のプレート(23、24)が、それぞれ第1及び第2の材料を含み、前記第1の材料の応力耐性が、前記第2の材料の応力耐性よりも低い、請求項5に記載のフード。
【請求項9】
前記第2のプレート(24)が、前記第1及び/又は前記第2の軸線(A、B)に従って、前記第1のプレート(23)に対して突出して延在する、請求項5に記載のフード。
【請求項10】
前記第2のプレート(24)が、前記第1の軸線(A)に沿って第1のプレート端部(28)を有し、前記第1のプレート端部(28)が、貫通スロット(29)を有し、且つ/又は、前記第1の軸線(A)に沿った第2のプレート端部(27)であって、前記第1のプレート(23)から離れる方向に向いた凹状セグメント(27b)を有する縁部(27a)で終端する、前記第2のプレート端部を有し、且つ/又は、前記第1のプレート(23)によって、前記第1の軸線(A)に沿ってカバーされた中間帯(30)であって、前記中間帯(30)が、前記フード(7)の外側を向いた1つ又はそれ以上の凹状セグメント(30b)を伴う、縁部(30a)を有する中間帯を有する、請求項5に記載のフード。
【請求項11】
前記第1のプレート(23)が、前記第2の軸線(B)と平行な方向に沿って、第3の貫通開口部(36)を有する、請求項5に記載のフード。
【請求項12】
前記箱型梁(21、22)の1つ又はそれぞれが、前記第1及び前記第2の軸線(A、B)を含む平面を横切る方向に沿って、少なくとも1つの貫通孔(40)を有する、請求項4に記載のフード。
【請求項13】
前記中間部(14)を部分的にカバーするように前記中間部(14)に固定された、第3の外装パネル(15)を備える、請求項1に記載のフード。
【請求項14】
前記箱型梁(21、22)の1つ又はそれぞれが、前記第1及び前記第2の軸線(A,B)を含む平面を横切る方向に沿って、少なくとも1つの貫通孔(40)を有し、前記第3の外装パネル(15)が、前記貫通孔(40)を貫通して配置される固定手段によって、前記中間部(14)に固定される、請求項13に記載のフード。
【請求項15】
請求項1に記載の本体(5)及びフード(7)を備える自動車(1)であって、前記フード(7)が、前記第1の軸線(A)が前記自動車の移動方向と一致するように前記本体(5)に取り付けられる、自動車(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本特許出願は、2022年1月13日に出願されたイタリア特許出願第102022000000416号の優先権を主張し、その全開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、自動車、特にスポーツカー用のフードに関する。
【背景技術】
【0003】
知られているように、自動車は本体を含み、本体は、自動車のより外側にあり、したがって、ユーザに見える部品を備える。こうした部品には、典型的には、フード、すなわち、自動車のエンジンルーム及びトランクをそれぞれカバーするように配置された、ハッチも含まれる。
【0004】
以下の説明は、特に、エンジンを収容するエンジンルームをカバーする、フードについて述べるものである。
【0005】
このフードは、エンジン位置に基づいて、自動車の移動方向に従って、自動車の前方領域又は後方領域に見ることができる。
【0006】
エンジンは、燃焼型であるか電気型であるかに関わらず、自動車を移動させるために、ある量のエネルギーを出力に変換するための装置である。したがって、エンジンは、その動作中に熱も生成する。
【0007】
特に、燃焼型エンジン、より正確には一般的な内燃機関によって生成される熱は、比較的重要であり得る。
【0008】
したがって、エンジンを効果的に冷却する必要がある。更に、エンジンルーム内に配置される構成要素は、エンジンによってエンジンルームに伝達される熱に耐えるようにも設計しなければならない。
【0009】
一般に、エンジンルーム内のエンジンによって生成される熱の蓄積を、低減又は最小化することが必要とされている。
【0010】
この蓄積は、フード、及び通常エンジンルームを閉鎖する、本体の周囲のより外側にある部品によって促進される。
【0011】
この蓄積を低減することにより、例えば、エンジン冷却装置及びエンジンルームの構成要素のサイズを低減することができる。
【0012】
同時に、上記の必要性が、自動車の使用に関連する、通常の空気力学的負荷に耐えるのに適さない、構造要素を生み出すことになってはならない。
【0013】
代わりに、例えば自動車の本体部品などの構造要素を変更する場合、空気力学的負荷に対するその耐性を確保し、できる限り耐性と重量との間で良好なバランスを達成する必要があると考えられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の1つの目的は、上記の必要性の少なくとも1つを満たすことである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的は、請求項1に記載のフードによって達成される。
【0016】
各従属請求項は、本発明の特定の実施形態を定義するものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
以下、非限定的な実施例として、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態をよりよく理解するための説明を行う。
【
図1】本発明によるフードを備える自動車の斜視図である。
【
図3】
図2と同様であり、明確にするためにパネルを取り外したフードを示す。
【
図5】
図2と同様であるが、異なる視点による斜視図である。
【
図6】
図3と同様であり、
図3のようにパネルが取り外されたフード、及びここでは透明なものとして表されている、別の2つのパネルを示す図である。
【
図7】その断面が
図4に示されている箱型梁の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1において、参照番号1は、全体として自動車を示すために使用される。
【0019】
自動車1は、直線の長手方向軸線Aによって
図2に表されるその移動方向に従って、前部2及び後部3を有する。
【0020】
更に、自動車1は、本体5及びフード7、特に前部2におけるフロントフードを備える。フード7は、本体5に取り付けられる。
【0021】
フード7は、図示されていないエンジンルームをカバーする、又は閉鎖するものであり、エンジンルームは、同じく図示されていない公知のエンジンを収容するものである。
【0022】
フード7は、軸線Aに沿った長さ範囲、及び軸線Aに直交する軸線Bに沿った幅範囲を有する、骨組みベース又は骨格8(
図6)を備える。軸線A及び軸線Bは、使用時に水平な平面に属する。したがって、使用時に、軸線A及び軸線Bは水平である。既に上述したように、軸線Aは自動車1の移動方向と一致する。
【0023】
骨組みベース8は、軸線Aに沿って2つの対向する端部9、10を有する。端部9は、より前方の端部であり、すなわち、自動車1の前端部に属する。
【0024】
更に、フード7は、骨組みベース8の全幅範囲にわたって端部9、10をそれぞれカバーするように骨組みベース8に固定された、2つの外装パネル11、12を備える。
【0025】
より詳細には、外装パネル11、12はそれぞれ、側溝6a、6bを有する構造要素に固定され、具体的には継ぎ合わされる。
【0026】
外装パネル11、12は、フード7のそれぞれの外面、13a、13bを画定する。外面13a、13bは、骨組みベース8とは反対の片側に画定される。言い換えると、外面13a、13bは、自動車1の外側に面する。
【0027】
特に、外装パネル11、12は、金属製の薄板、例えばアルミニウムを含む、又はアルミニウム製の薄板である。
【0028】
外装パネル11、12は、骨組みベース8の中間部14をカバーされないままの状態にする。中間部14は、軸線Aに従って端部9と端部10との間に配置される。
【0029】
特に、中間部14は、骨組みベース8の全幅範囲で、外装パネル11、12によってカバーされないままの状態である。
【0030】
これは、中間部14が他の要素、装置、構造、パネルなどを使用して、部分的又は全体的にカバーされていないことを意味するのではなく、単にパネル11、12は中間部14をカバーしないことを意味する。
【0031】
実際には、好ましくは、フード7は、中間部14を少なくとも部分的にカバーするように骨組みベース8に固定された、別の外装パネル15を備える。より詳細には、外装パネル15は、中間部14の部分のみをカバーするものである。
【0032】
これ以降、「カバーする」という表現は、「表面を覆う」と同義である。自動車1の使用状況において、カバーするということは、上方に配置されることを意味すると理解することができる。自動車1の「使用状況」という表現は、フード7が本体5に取り付けられている状態を特定するために、これ以降使用される。
【0033】
外装パネル15は、翼形状を有する。更に、外装パネル15は、炭素繊維を含む、又は炭素繊維製である。外装パネル15は、主として、単にカバーする機能を有する。特に、その翼形状にも関わらず、外装パネル15はダウンフォースを発生させることには適していない。
【0034】
中間部14は、軸線A、Bを含む平面に対して横方向、より正確には直交する方向に従った貫通開口部16(
図3)を有する。自動車1の使用状況において、この方向は垂直である。
【0035】
中間部14は、軸線Bに従って対向する2つの端部17、18を備える。軸線Bに従って、貫通開口部16は、2つの端部17、18の間に配置される。
【0036】
端部17、18は、互いに同じものであり、軸線Aに対して対称に配置されてもよい。
【0037】
したがって、空の容積部が、軸線Aに従って外装パネル11と12との間に、又は端部9と10との間に、画定される。軸線Bに従って、端部17と18との間に、同じ空の容積部を画定することもできる。より正確には、空の容積部は、軸線A、Bを含む平面を横切る方向に従って、外装パネル15と貫通開口部16との間に画定される。したがって、更により正確には、貫通開口部16、外装パネル15、端部17、18、端部9、10の間に、空の容積部が画定されると考えることができる。
【0038】
好ましくは、
図5においてより明確に見えるように、骨組みベース8、及びより詳細にはその端部9は、軸線A又は軸線Aに平行な方向に沿って、少なくとも1つの貫通開口部19を有する。言い換えれば、貫通開口部19は、軸線A、Bを含む平面に対して横方向のものである。更に、貫通開口部19は、貫通開口部16に対して横方向である。このようにして、空の容積部は、貫通開口部19を介して、外装パネル11に対して骨組みベース8の反対側に画定された更なる空の容積部、すなわち、特にエンジンを実際に収容する、エンジンルームの一部と連通する。
【0039】
より具体的には、軸線Bに従って、貫通開口部19は、中間部14の中心と端部18との間、特にこれらの間のほぼ中間に見られる。
【0040】
詳細には、骨組みベース8は、軸線Bに従って中間部14の中心と端部17との間に、
図5では見ることができない別の開口部19を有し、この開口部は、特に、軸線Aに従って
図5で見ることができる開口部19に対して、対称に配置される。
【0041】
図5及び
図2に見られるように、外装パネル15は、外装パネル11と合致して配置された、少なくとも1つの中央セグメントを有する縁部15aで、軸線Aに沿って外装パネル11に向かって終端する。より具体的には、縁部15aは、開口部19が自動車1の外側、又は骨組みベース8側とは反対側のフード7側と直接連通するように、自動車1の使用状況において、中間部14に向かって、又は下方に、外装パネル11から遠ざかる、端部セグメント15a’を有する。
【0042】
このようにして、端部セグメント15a’と外装パネル11との間に空気流がもたらされる。
【0043】
更に、外装パネル15は、軸線Aに沿って外装パネル12に向かって縁部15bで終端する。この縁部は、自動車1の使用状況において、外装パネル15と外装12との間に間隙20を開くように、骨組みベース8から離れる方向、又は上方に、外装パネル12から遠ざかる。
【0044】
このようにして、縁部15bと外装パネル12との間に空気流がもたらされる。
【0045】
パネル15は、金属以外の材料で作られているが、特に貫通開口部16の存在を考慮すると、フード7には、端部17、18において構造的補強が適切に施される。
【0046】
したがって、好都合には、フード7は、第1の軸線Aに従って、又は第1の軸線Aに平行に延在し、端部17、18でそれぞれ骨組みベース8に固定される、2つの箱型梁21、22(
図6)を備える。このようにして、箱型梁21、22は、端部17、18においてフード7を構造的に補強する。
【0047】
箱型梁21、22は、本質的に同様であってもよいため、箱型梁21について示されていることは他方の箱型梁22にも適用できると仮定し、以下では箱型梁21のみを考慮に入れる。より具体的には、箱型梁21、22は、軸線Aに対して対称に配置される。
【0048】
箱型梁21は、軸線Aに従って、端部17に対してより大きく延在していることが好ましい。より具体的には、
図6から導き出せるように、箱型梁21は、端部9及び/又は他方の端部10においても、骨組みベース8に固定される。
【0049】
箱型梁21は、外装パネル11及び/又は他方の外装パネル12によって、部分的にカバーされる。より正確には、外装パネル11、12はそれぞれ、軸線Aに従って、箱型梁21の端部を個別にカバーする。
【0050】
より詳細には、箱型梁21は、プレート23、並びに、プレート23と骨組みベース8との間で、プレート23及び骨組みベース8に固定された、もう1つのプレート24を備える。
【0051】
特に、プレート24は、リベットなどの固定部材を用いて、プレート23に固定される。更に、それとは別に、プレート24は、リベットなどの固定部材を使用して、及び/又は、例えば構造用接着剤を使用して接着することによって、他方のプレート23に固定される。
【0052】
互いに固定されたプレート23、24は、箱型梁21の箱型形状を形成する。
【0053】
これは、軸線A、Bを含む平面を横切る平面に従って、端部17におけるフード7の断面を表す
図4において、特に明らかである。したがって、
図4は、端部17における箱型梁21の断面を含む。
【0054】
箱型梁21の箱型形状又は箱型断面は、軸線Aに沿った箱型梁21の全範囲にわたって、必ずしも維持されるわけではない。むしろ、箱型梁21の断面は、軸線Aに沿って変化し、プレート23、24の形状によって決定されるものである。
【0055】
端部17において、箱型梁21の断面は、すべて箱型断面であることが好ましい。
【0056】
特に、プレート23、24の一方又はそれぞれは、プレート23、24の他方と向き合う凹面を有し、したがって箱型形状を形成する。
図4に見られるように、プレート23、24の両方は、互いに向き合うそれぞれの凹面を有し、したがって箱型形状を形成する。これは、より具体的には、端部17で起こることである。
【0057】
図4のプレート23の断面は、2つの屈曲箇所、すなわち凹面を反転させる箇所を伴う、湾曲した輪郭25に従って延在する。更に、より具体的には、これらの屈曲箇所は、軸線Bに従って湾曲した輪郭25の端部25a、25bに配置される。特に、湾曲した輪郭25は、直線の、特に軸線Bに平行な中間セグメント25cを有する。端部25aは、軸線Bに従って、他方の端部25bよりもフード7の中心から遠くにある。端部25aの屈曲箇所は、端部25bの屈曲箇所とは別に、軸線A、Bと直交する軸線Cに従って、高さを有することが好ましい。具体的には、自動車1の使用状況において、端部25aは他方の端部25bよりも高い位置にある。また、好ましくは、端部25aの屈曲箇所は、他方の端部25bの屈曲箇所よりも中間セグメント25cに近い位置にある。中間セグメント25cでは、軸線Cに従って、湾曲した輪郭25の位置は高くなっている。この段落では、各表現は、独立した特徴、すなわち、他のものと不可分に関連しない特徴を記載している。
【0058】
図4のプレート24の断面は、湾曲した輪郭26に従って延在する。湾曲した輪郭26は、一方の端部26aに屈曲箇所を有する。更に、それとは別に、湾曲した輪郭26は、湾曲した輪郭25に対して軸線Bに沿って突出する一方の端部26bに、屈曲箇所を有する。より正確には、後者の屈曲箇所は、端部26bから突出する領域に見られる。湾曲した輪郭26は、好ましくは、軸線Cに従って高い位置に立ち上がる終点を有する、凹状の中間セグメント26cを有する。より具体的には、高い位置に立ち上がる終点における湾曲した輪郭26への接線は、軸線Cに直交せず、端部26bに向かって軸線Cと鋭角を形成する、別の軸線に直交する。端部26aは、軸線Bに従って、端部26bよりもフード7の中心から遠くにある。端部26aの屈曲箇所は、端部26bの屈曲箇所とは別に、軸線Cに従った高さを有することが好ましい。具体的には、自動車1の使用状況において、端部26aは他方の端部26bよりも高い位置にある。この段落では、各表現は、独立した特徴、すなわち、他のものと不可分に関連しない特徴を記載している。
【0059】
特に、端部25a、26aは互いに接触しており、端部25b、26bも同様である。中間セグメント25c、26cは、軸線Cに沿って離間している。
【0060】
プレート23は、他方のプレート24よりも大きい厚さを有することが好ましい。このことは、
図4に見られるような、箱型梁21の少なくとも1つの断面に当てはまる。より好ましくは、これらの断面がプレート23、24の両方の断面を含むことを考えると、このことは箱型梁21のすべての断面に当てはまる。
【0061】
更に、好都合には、プレート23、24はそれぞれ第1及び第2の材料を含み、そのうち第1の材料は、第2の材料よりも応力耐性が低い。例えば、第1の材料はアルミニウムにすることができる。第2の材料は、鋼にすることができる。
【0062】
応力耐性は、引張応力及び/又は座屈応力に対する耐性であり得る。
【0063】
図6に示す実施形態では、プレート24は、軸線A及び軸線Bの両方に従って、プレート23に対して突出して延在する。軸線A、Bの一方のみに従ってプレート24が他方のプレート23に対して突出する変形形態が存在し得るため、これは非限定的なものである。
【0064】
軸線Aに沿って、プレート24は、外装パネル11、12のそれぞれによってカバーされた、2つの端部又はプレート端部27、28を有する。
【0065】
端部28は、貫通スロット29を有し、特に、軸線A及び軸線Bの両方に従って、プレート23に対して突出する。軸線Bに従って、端部28は、フード7の中心に向かって突出する。
【0066】
端部27は、プレート23から離れる方向、すなわち端部9に向かう方向に従って、凹状セグメント27bを有する縁部27aで、軸線Aに沿って終端する。セグメント27bは、プレート24を軽くする目的で、軸線Aに沿って端部27の切り欠き部を画定する。
【0067】
特に、端部27は、軸線Bに従って、プレート23に対して、より具体的にはフード7の中心に向かって突出する。
【0068】
更に、軸線Aに沿って、プレート24は、プレート23によってカバーされた中間帯30を備える。中間帯30は、軸線Aに沿って端部27と28との間に配置される。
【0069】
図7により明確に見られるように、中間帯30は、フード7の外側を向く、1つ以上の凹状セグメント30bを伴う縁部30aを有する。凹状セグメント30bは、プレート24を軽くする目的で、軸線Bに沿って中間帯30の対応する切り欠き部を画定する。
【0070】
更に、端部27は、プレート23によってカバーされた一領域に、縁部31を有することが好ましい。この領域は、軸線Bに従って、フード7の中心から遠い領域である。縁部31は、フード7の外側を向く、凹状セグメント31bを有する。凹状セグメント31bは、軸線Bに沿った端部27の切り欠き部を画定する。
【0071】
好都合には、
図7に見られるように、プレート23は、軸線Aに沿った2つの端部、又はプレート端部33、34、並びに、軸線Aに沿った端部33と34との間の中間帯35を有する。プレート23は、端部33、34において軸線Bに従って狭くなっている。更に、特に、端部33、34は、基本的に平坦な対応する領域を含む。反対に、詳細には、中間帯35のすべての断面は凹状である。
【0072】
同様に、それとは別にだが、端部27、28は、軸線Bに従って、中間帯30に対して狭くなっている。
【0073】
プレート23は、好ましくは、軸線B又はそれに平行な方向に沿って、貫通開口部36を有する。詳細には、この開口部36は、プレート23の凹状領域に、より詳細には、軸線Bに沿ったフード7の中心に対して、プレート23の片側の、より内側に位置する。特に、開口部36は、外装パネル12(
図6)の一方の縁部37に配置されている。
【0074】
概して、一般性を失うことなく、
図7に示す細部は、いずれも他の細部から独立しており、したがって、それらから切り離された構造的役割を有する。
【0075】
箱型梁21は、軸線A、Bを含む平面を横切る、特に直交する方向に沿って、少なくとも1つの貫通孔40、より正確には2つの貫通孔40を有することが好ましい。各貫通孔40は、横方向に沿って互いに位置合わせされ、それぞれプレート23、24形成された、対応する孔41、42を含む。
【0076】
外装パネル15は、貫通孔40を介して、図示しない固定装置によって中間部14に固定される。
【0077】
箱型梁21、22に加えて、フード7は、互いに独立した追加の構造的補強要素を備えてもよい。
【0078】
例えば、フード7は、貫通開口部16に配置されたプレート45を備える。プレート45は、端部9、10にそれぞれ固定された2つの端部の間で、軸線Aに沿って延在する。したがって、プレート45は、軸線Aに従って、同じく軸線Aに従った貫通開口部16よりも大きい長さを有する。特に、プレート45は、軸線Aに対して対称に配置された、2つの孔46を有する。
【0079】
更に、フード7は、端部9で骨組みベース8に固定された、2つのプレート47を備える。これらのプレート47は、軸線Aに対して対称に配置され、フード7の中心に面する対応するアーチ状の輪郭に沿って延在する。
【0080】
更に、フード7は、軸線Bに従って端部9の中央領域で骨組みベース8に固定された、プレート48を備える。特に、軸線Bに直交するプレートに従って、プレート48は台形の断面を有する。
【0081】
更に、端部9には、軸線Bに従って、中央領域に開口部50を含むことができる。
【0082】
同様に、それとは別に、端部10には、軸線Bに沿って整列され、軸線Aに対して対称に配置された、複数の開口部51を含むことができる。
【0083】
上記のことから、フード7の利点は明らかである。
【0084】
中間部14は、外装パネル11、12によってカバーされないままの状態である。また、この中間部14は、貫通開口部16を有する。これにより、実際には、フード7を通る空気流をもたらす、複数の通気口が形成される。更に、貫通開口部19により、空気流が発生する可能性が高まる。このようにして、エンジンによって生成される熱の蓄積は、既知のフードと比較して低減される。
【0085】
箱型梁21、22は、その箱型形状のおかげで、重量を過度に増加させることなく、フード7の耐性を著しく増加させる。プレート23、24により、箱型形状を簡単に作成することが可能となる。
【0086】
更に、プレート23、24の厚さ、材料、及び形状は、フード7の軽量化、小型化、及び耐性向上の間で、最適な着地点を達成するように選択される。
【0087】
最後に、本発明によるフード7及びその変形物には変更を加えることができ、いずれにせよ、それは特許請求の範囲によって定義される保護の範囲から逸脱しないことは明らかである。
【0088】
例えば、説明及び図示された構成要素の数又は形状は、一般性を失うことなく変更することができる。
【0089】
また、「軸線に沿って」のような表現は、常に「軸線に平行な方向に従って」と解釈することができる。
【外国語明細書】