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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023104108
(43)【公開日】2023-07-28
(54)【発明の名称】外壁
(51)【国際特許分類】
   E04F 13/08 20060101AFI20230721BHJP
【FI】
E04F13/08 Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022004910
(22)【出願日】2022-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100149401
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 浩史
(72)【発明者】
【氏名】奥山 正博
(72)【発明者】
【氏名】一杉 亜美
(72)【発明者】
【氏名】片岡 柚
【テーマコード(参考)】
2E110
【Fターム(参考)】
2E110AA57
2E110AB04
2E110AB22
2E110BB22
2E110CA03
2E110DD12
2E110DD14
2E110DD15
2E110GA33W
2E110GB16X
2E110GB43Y
2E110GB54Z
2E110GB62Y
(57)【要約】
【課題】目地が視認されにくい外壁を提供する。
【解決手段】建物10の外壁12aであって、表面20aに溝21が形成されたパネル20を複数有し、複数のパネル20同士の間に隙間22を設けて並べて構成され、パネル20同士の隙間22からなる目地23に第1充填材24が充填され、パネル20の溝21からなる疑似目地25に第2充填材26が充填されており、第2充填材26と第1充填材24とは色が異なり、且つ、第2充填材26の色は第1充填材24の色よりも明るい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の外壁であって、
表面に溝が形成されたパネルを複数有し、前記複数のパネル同士の間に隙間を設けて並べて構成され、
前記パネル同士の前記隙間からなる目地に第1充填材が充填され、
前記パネルの前記溝からなる疑似目地に第2充填材が充填されており、
前記第2充填材と前記第1充填材とは色が異なり、且つ、前記第2充填材の色は、前記第1充填材の色よりも明るい、外壁。
【請求項2】
前記第1充填材の前記色は、前記パネル表面の色に前記第2充填材の色よりも近い、請求項1に記載の外壁。
【請求項3】
前記複数のパネルのうち、同じ高さに配置される2以上のパネルの中には、前記建物の高さ方向において前記溝の位置が異なるパネルが含まれる、請求項1又は2に記載の外壁。
【請求項4】
前記複数のパネルのうち、隣接するパネル同士では、前記パネルの長さ方向における前記溝の位置が異なる、請求項1~3のいずれか1項に記載の外壁。
【請求項5】
前記パネルの前記溝の幅は、前記パネル同士の間に形成される前記隙間の幅よりも広い、請求項1~4のいずれか1項に記載の外壁。
【請求項6】
前記外壁は、前記建物のファサードに位置する壁である、請求項1~5のいずれか1項に記載の外壁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の外装の仕上げ面を構成する外壁に係り、特に、目地構造を有する外壁に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の外側面に外装材が配設されて外壁が構成される。外装材には、例えば、サイディング材が用いられる。この場合、建物の外壁は、複数のサイディング材により構成される。複数のサイディング材を用いて、外壁を構成する際には、サイディング材の継ぎ目にシーリング材を設けて防水処理を行う。サイディング材の継ぎ目である目地にシーリング材が目地材として充填される。
目地の配置によっては、外壁の美観、つまり外壁の意匠性に影響を与えることがある。外壁の意匠性を考慮したものとして、例えば、特許文献1の目地構造がある。
【0003】
特許文献1には、建築物の外壁面に、表面に所定幅の疑似目地が設けられた複数枚の外装材が縦横に並べられた状態で固定されて建築物外装面が構成され、少なくとも横方向に隣接する外装材間に隙間があけられて縦目地が形成されている外装材の目地構造において、予め、外装材の一方の横側端面に、弾性及び防水性を有し、且つ、疑似目地よりも幅の大きな目地材が接着されており、外装材同士が横方向に隣接して建築物外壁面に固定された状態では、横方向に隣接する一方の外装材に接着された目地材が他方の外装材の横側端面に密着して、目地材により形成される縦目地の仕上り幅が疑似目地と略同じ幅とされている外装材の目地構造が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-152966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、目地材により形成される縦目地の仕上り幅と、疑似目地とを略同じ幅にして外観上の差異をなくした構成としている。しかしながら、特許文献1の目地自体が視認されにくい構成ではない。また、外壁が、太陽光、及び風雨に晒される等により目地が経年変化した場合、汚れ等により目地の色が変化し、目地が視認されやすくなることがある。
そこで、本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、目地が視認されにくい外壁を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題は、本発明の外壁によれば、建物の外壁であって、表面に溝が形成されたパネルを複数有し、複数のパネル同士の間に隙間を設けて並べて構成され、パネル同士の隙間からなる目地に第1充填材が充填され、パネルの溝からなる疑似目地に第2充填材が充填されており、第2充填材と第1充填材とは色が異なり、且つ、第2充填材の色は、第1充填材の色よりも明るい、ことにより解決される。
【0007】
上記のように構成された本発明の外壁では、目地が視認されにくい外壁を提供できる。
【0008】
また、上記の外壁において、第1充填材の色は、パネル表面の色に第2充填材の色よりも近いと、好適である。
上記の構成によれば、目地がより視認されにくく、目地をより目立たなくすることが可能となる。
【0009】
また、上記の外壁において、複数のパネルのうち、同じ高さに配置される2以上のパネルの中には、建物の高さ方向において溝の位置が異なるパネルが含まれると、より好適である。
上記の構成によれば、外壁における疑似目地の配置を多様にすることが可能となる。
【0010】
また、上記の外壁において、複数のパネルのうち、隣接するパネル同士では、パネルの長さ方向における溝の位置が異なると、さらに好適である。
上記の構成によれば、疑似目地のランダム性が増し、目地をより視認されにくくすることが可能となる。
【0011】
また、上記の外壁において、パネルの溝の幅は、パネル同士の間に形成される隙間の幅よりも広いと、なお一層好適である。
上記の構成によれば、目地をより視認されにくくすることが可能となる。
【0012】
また、上記の外壁において、外壁は、建物のファサードに位置する壁であると、より一段と好適である。
上記の構成によれば、ファサードにおいて、目地を目立なくすることが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の外壁によれば、目地が視認されにくい外壁を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態の外壁が設けられる建物の一例を示す模式的斜視図である。
図2】本発明の実施形態の外壁の構成の一例を示す模式的断面図である。
図3】(a)は本発明の実施形態の外壁を構成するパネルの第1の例を示す模式図であり、(b)は本発明の実施形態の外壁を構成するパネルの第2の例を示す模式図であり、(c)は本発明の実施形態の外壁を構成するパネルの第3の例を示す模式図である。
図4】本発明の実施形態の外壁の第1の例を示す模式図である。
図5】本発明の実施形態の外壁の第2の例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<<本発明の一つの実施形態に係る外壁について>>
以下、本発明の一つの実施形態(以下、本実施形態)について、添付の図面を参照しながら説明する。
なお、図面では、説明を分かり易くするために幾分簡略化及び模式化して各部材を図示している。また、図中に示す各部材のサイズ(寸法)及び部材間の間隔等についても、実際のものとは異なっている。
また、以降の説明では、建物を説明している。ただし、建物は、一般の戸建て住宅に限定されるものではなく、集合住宅、例えば、低層アパート及び低層マンション等も含まれる。戸建て住宅は、1階建、2階建、及び3階建又はそれ以上の階を有する住宅である。また、建物の用途も、特に限定されず、居住用途以外の用途で用いられる建物、例えば、店舗、施設、事務所又は建屋であってもよい。
【0016】
図1は本発明の実施形態の外壁が設けられる建物の一例を示す模式的斜視図であり、図2は本発明の実施形態の外壁の構成の一例を示す模式的断面図である。
図1に示す建物10は、例えば、4つの外壁12a、12b、12c、12dと、4つの外壁12a、12b、12c、12dにより形成された空間(図示せず)を覆う屋根14とを有する2階建てである。屋根14は、切妻と呼ばれるものであり、棟15が一方向に延びている。
4つの外壁12a、12b、12c、12dのうち、棟15と平行な外壁12b、12dを平壁ともいう。また、4つの外壁12a、12b、12c、12dのうち、棟15と直交する外壁12a、12cを妻壁ともいう。
図1に示す4つの外壁12a、12b、12c、12dのうち、少なとも1つが、例えば、外壁12aが、図2に示すように、表面20aに溝21が形成されたパネル20を複数有し、複数のパネル20同士の間に隙間22(目地23)を設けて並べて構成される。例えば、図2では、3つのパネル20うち、2つのパネル20に挟まれたパネル20の表面20aに、2つの溝21が並んで形成されている。3つのパネル20のうち、両側のパネル20には、表面20aに、溝21が1つ形成されている。両側のパネル20の溝21は、中央のパネル20の溝21と平行である。後述のように溝21からなる疑似目地25に第2充填材26が充填される。なお、図2に示す3つのパネル20が並ぶ方向において、両側のパネル20のそれぞれの端(図示せず)には、図示はしないが目地がある。
【0017】
パネル20は下地16の表面16aに設けられる。パネル20同士の隙間22からなる目地23に第1充填材24が充填される。第1充填材24は目地材である。なお、下地16は、建物の構造によるものであり、例えば、合板、PS材(ポリスチレン樹脂材)である。
パネル20は、下地16の表面20aに設けられるものに限定されるものではなく、例えば、パネル20と下地16とが一体になった下地付きパネルでもよい。この場合、下地は、強化石膏ボード、及び芯材等が積層されたものでもよい。下地付きパネルは梁又は鉄骨に固定される。
【0018】
パネル20は外装材であり、パネル20の表面20aが建物10の外壁12a、12b、12c、12dの表面になる。外壁12a、12b、12c、12dは、複数のパネル20で構成されており、パネル20の形状は外壁の形状に応じたものが適宜利用される。例えば、平面視四角形の所定の大きさのパネルを用い、このパネルを基準とする。外壁の形状に応じて、基準となるパネルを所定の形状又はサイズに切断して外壁を構成する。この場合、例えば、四角形と三角形とを組み合わせて、外壁を構成することもある。
【0019】
例えば、パネル20の溝21は、一方向に延びている。パネル20の溝21からなる疑似目地25に第2充填材26が充填されている。第2充填材26は目地材である。疑似目地25は、目地23とは機能が異なり、装飾用途で形成されたものである。なお、目地23は複数あるが、例えば、装飾用途の目的で、複数の目地23のうち、いくつかの目地23に第2充填材26を充填してもよい。これにより、目地23と疑似目地25とを用いて特定のパターンを形成する等、意匠性を高めることもできる。
第2充填材26と第1充填材24とは色が異なり、且つ、第2充填材26の色は、第1充填材24の色よりも明るい。このため、目地23自体が、疑似目地25よりも視認されにくい構成であり、目地23は疑似目地25に比して目立たない。また、外壁12aが、太陽光、及び風雨に晒される等により目地23が経年変化した場合、すなわち、第1充填材24が経年変化した場合、汚れ等によっても目地23は視認されにくい。このように目地23が視認されにくく、目地23が目立たない外壁12aを提供できる。
【0020】
ここで、色が異なるとは、明度、彩度、及び色相のうち、少なくとも1つが異なることであり、好ましくは、色相が異なることである。
また、色が明るいとは、明度が高いことを意味する。
明度、彩度、及び色相は、色彩計(色差計)又は分光測色計を用いて測定できる。
【0021】
第1充填材24の色は、パネル20の表面20aの色に第2充填材26の色よりも近いことが好ましい。例えば、パネル20の表面20aの色(地色)が暖色系の色である場合、第1充填材24の方が第2充填材26よりも暖色系の色味を呈する。これにより、目地23は、疑似目地25よりも、更に視認されにくく、目地23が更に目立たない構成であり、目地23が更に視認されにくい外壁を提供できる。
ここで、色が近いとは、色相が近いことである。すなわち、色合いが近いことである。
色相が近いとは、波長が近いことである。パネル20の表面20aの色の波長と、第1充填材24の色の波長と、第2充填材26の色の波長とを測定する。パネル20の表面20aの色の波長と、第1充填材24の色の波長との差の絶対値と、パネル20の表面20aの色の波長と、第2充填材26の色の波長との差の絶対値とを求める。第1充填材24の色の波長との差の絶対値と、第2充填材26の色の波長との差の絶対値とを比較した場合、色が近いとは、第1充填材24の色の絶対値の方が小さいことをいう。
第1充填材24及び第2充填材26は、いずれも目地材であり、外装材のシーリング材が用いられる。シーリング材には、例えば、ポリウレタン系のシーリング材又は変成シリコン系のシーリング材が用いられる。
【0022】
パネル20の溝21の幅Wと、パネル20同士の間に形成される隙間22の幅Wとは同じ幅でもよい。しかしながら、パネル20の溝21の幅Wは、パネル20同士の間に形成される隙間22の幅Wよりも広いことが好ましい。この場合、目地23の幅は疑似目地25の幅よりも狭く、疑似目地25よりも目地23を、更に視認されにくくできる。
パネル20は、外装材であり、例えば、外装材の表面部にはサイディング材が用いられる。パネル20の表面を構成するサイディング材は、その外表面に、模様等のデザインのための凹凸(図示せず)を有する構成でもよい。なお、この凹凸は、本発明の溝21(疑似目地25)とは異なる。
【0023】
上述の外壁を構成するパネルについて、より具体的に説明する。
図3(a)は本発明の実施形態の外壁を構成するパネルの第1の例を示す模式図であり、(b)は本発明の実施形態の外壁を構成するパネルの第2の例を示す模式図であり、(c)は本発明の実施形態の外壁を構成するパネルの第3の例を示す模式図である。図4は本発明の実施形態の外壁の第1の例を示す模式図である。
なお、図3(a)~(c)及び図4において、図2に示す構成物と同一構成物には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。図3(a)~(c)及び図4に示す目地23及び疑似目地25は、図2に示す目地23及び疑似目地25と同じ構成である。
【0024】
パネル20は、例えば、図3(a)に示すように長さ方向Vと直交する方向Hに伸びた疑似目地25を1つ有する。疑似目地25は、図3(a)~(c)では図示しないが、上述のように溝21(図2参照)に、第2充填材26(図2参照)が充填されて形成されたものである。
また、例えば、パネル20は、図3(b)に示すように方向Hに伸びた疑似目地を1つ有する。図3(a)のパネル20と、図3(b)のパネル20とでは、疑似目地25が1つある点では同じであるが、長さ方向Vにおける疑似目地25の位置が異なる。
また、例えば、パネル20は図3(c)に示すように長さ方向Vに間隔をあけて、方向Hに伸びた疑似目地25が2つある。図3(c)のパネル20の疑似目地25の位置は、1つが図3(a)のパネル20と同じ位置で、残りが図3(b)のパネル20と同じ位置である。なお、長さ方向Vは、パネル20の長手方向である。なお、パネル20が平面視正方形の場合、隣り合う辺のうち、いずれか一方の辺の延びる方向を長手方向と規定する。
パネル20の長さ方向Vを外壁の上下方向に一致させて、外壁をパネル20で構成する場合、外壁の上下方向は、建物10の高さ方向と平行な方向であることから、パネル20の長さ方向Vは建物10の高さ方向でもある。外壁の上下方向及び建物の高さ方向において、上側は建物の屋根側であり、下側は建物の基礎(土台)側である。
図3(a)~(c)の3種類のパネル20のうち、少なくとも2種類のパネル20を水平方向及び建物の高さ方向に並べて設置すると、パネル20の外縁20bに目地23(図2参照)が形成される。
【0025】
例えば、外壁は、図3(a)~(c)の3種類のパネル20を用いて構成される。
ここで、図4は本発明の実施形態の外壁の第1の例を示す模式図であり、3階建ての建物の外壁30を模式的に示している。図4の外壁30では、1階部分30a、2階部分30b及び3階部分30cは、それぞれ別々に、8枚のパネル20で構成されている。
1階部分30aと2階部分30bとの間には、パネル29が配置されている。また、2階部分30bと3階部分30cとの間には、パネル29が配置されている。パネル29は、パネル20と基本的には同じものであるが、長さ方向Vのサイズが小さく、且つ、疑似目地25がないものが用いられる。パネル29は、パネル20の長さ方向Vの調整用のパネルであり、必ずしも必要ではない。
【0026】
1階部分30aは、方向Hにおける両側の端に疑似目地がないパネル20が配置されている。疑似目地がないパネル20の間には、図4における左側から順に方向Hに沿って、図3(a)のパネル20、図3(c)のパネル20、図3(b)のパネル20、図3(b)のパネル20、図3(a)のパネル20、及び図3(a)のパネル20の順で配置されている。
2階部分30bは、方向Hにおける両側の端に疑似目地がないパネル20が配置されている。疑似目地がないパネル20の間において、左側から順に方向Hに沿って、図3(c)のパネル20、図3(b)のパネル20、図3(b)のパネル20、図3(a)のパネル20、図3(a)のパネル20、及び図3(c)のパネル20の順で配置されている。
3階部分30cは、方向Hにおける両側の端に疑似目地がないパネル20が配置されている。疑似目地がないパネル20の間において、左側から順に方向Hに沿って、図3(b)のパネル20、図3(b)のパネル20、図3(a)のパネル20、図3(a)のパネル20、図3(c)のパネル20、及び図3(b)のパネル20の順で配置されている。
図4に示す外壁30のように疑似目地25を配置することにより、目地23が視認されにくく、目地23を目立たなくできる。
【0027】
図3(a)~(c)の3種類のパネル20は、いずれも疑似目地25を方向Hに平行としたが、これに限定されるものではなく、疑似目地は長さ方向Vに平行であってもよい。疑似目地としては、方向Hに平行なものと、長さ方向Vに平行なものとが混在していてもよい。
なお、外壁が、図3(a)~(c)の3種類のパネル20を用いて構成されることを例示したが、これに限定されるものではない。パネルの種類が多いと、疑似目地25のパターンが多くなること、疑似目地25に合わせた施工が要求される等、作業工数が増えるため、パネルの種類は極力少なくし、必要最小限の数とすることが好ましい。
【0028】
図5は本発明の実施形態の外壁の第2の例を示す模式図である。なお、図5において、図2に示す構成物と同一構成物には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。図5に示す目地23及び疑似目地25は、図2に示す目地23及び疑似目地25と同じ構成であり、図5に示す方向Hに平行な方向に延びる疑似目地25にも第2充填材26が充填されている。
図5は3階建ての建物10の外壁31を模式的に示している。図5に示す外壁31のように、方向Hに平行な方向に延びる疑似目地25以外に、パネル20の長さ方向Vに平行な方向に延びる疑似目地25を配置することもできる。これにより、目地23を目立なくでき、且つ、疑似目地25による意匠性も優れる。疑似目地25により、様々なパターンを形成できる。なお、図4では、方向Hに平行な方向に延びる疑似目地25だけがある構成を示している。
また、例えば、図5の外壁31を、建物のファサードに位置する壁とすることにより、建物10のファサードに位置する壁において、目地23を目立なくすることができる。図5に示すように疑似目地25の配置により、建物10の意匠性を向上させることができる。
【0029】
複数のパネル20のうち、同じ高さに配置される2以上のパネル20の中には、建物10(図1参照)の高さ方向において溝21の位置、すなわち、疑似目地25の位置が異なるパネル20が含まれていてもよい。これにより、外壁における疑似目地25の配置を多様にすることが可能となり、疑似目地25より、様々なパターンを形成できるため、好ましい。
また、複数のパネル20のうち、隣接するパネル20同士では、パネル20の長さ方向Vにおける溝21の位置、すなわち、疑似目地25の位置が異なる構成でもよい。これにより、外壁における疑似目地25のランダム性が増し、目地23をより目立なくすることが可能である。隣接するパネル20同士とは、上述の同じ高さで隣接するパネル20のみならず、外壁の上下方向で隣接するパネル20も含まれる。
なお、上述の同じ高さとは、例えば、上述の図4に示す1階部分30a、2階部分30b及び3階部分30cのように設置される階層が同じであることである。
【0030】
以上までに、本発明の外壁に関する一つ実施形態を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得る。また、本発明には、その等価物が含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0031】
10 建物
12a、12b、12c、12d、30、31 外壁
14 屋根
15 棟
16 下地
16a 表面
20、29 パネル
20a 表面
20b 外縁
21 溝
22 隙間
23 目地
24 第1充填材
25 疑似目地
26 第2充填材
30a 1階部分
30b 2階部分
30c 3階部分
H 方向
V 長さ方向
図1
図2
図3
図4
図5