(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023010439
(43)【公開日】2023-01-20
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/08 20060101AFI20230113BHJP
F21V 17/00 20060101ALI20230113BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230113BHJP
【FI】
F21S8/08 121
F21V17/00 154
F21Y115:10 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021114568
(22)【出願日】2021-07-09
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平井 純
(72)【発明者】
【氏名】海路 博司
(72)【発明者】
【氏名】武内 芳夫
【テーマコード(参考)】
3K011
【Fターム(参考)】
3K011BA02
3K011EF04
(57)【要約】
【課題】本開示は、アダプタが目立ちにくい照明器具を提供することを目的とする。
【解決手段】照明器具1は、器具本体2と、光源6と、グローブ5と、を備える。器具本体2は、基部3と、アダプタ4と、を有する。アダプタ4は、基部3と連結され、ポールP1に取り付けられる。光源6は、器具本体2に取り付けられる。グローブ5は、光源6から出射される光を透過させ、アダプタ4の少なくとも一部を覆う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、前記基部と連結され、ポールに取り付けられるアダプタと、を有する器具本体と、
前記器具本体に取り付けられる光源と、
前記光源から出射される光を透過させ、前記アダプタの少なくとも一部を覆うグローブと、を備える、
照明器具。
【請求項2】
前記グローブは、前記光源と対向する位置に配置されている、
請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記基部は、
前記アダプタと連結される連結部と、
前記連結部から前記ポールの軸方向と交差する方向に突出している天板部と、を有する、
請求項1又は2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記天板部は、前記連結部と一体成形された部材である、
請求項3に記載の照明器具。
【請求項5】
前記グローブは、前記天板部と前記アダプタとの間に挟まれている、
請求項3又は4に記載の照明器具。
【請求項6】
前記アダプタは、前記ポールを挿入可能に開放された第1端と、前記第1端とは反対側の第2端と、を含む筒状に形成されている、
請求項1~5のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項7】
前記アダプタは、
前記アダプタの内周部に位置し、第1の幅寸法のポールに取付可能な第1取付部と、
前記アダプタの内周部に位置し、前記第1の幅寸法とは異なる第2の幅寸法のポールに取付可能な第2取付部と、を有する、
請求項6に記載の照明器具。
【請求項8】
前記光源は、前記ポールの軸方向と交差する方向に光を出射する、
請求項1~7のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項9】
前記器具本体は、前記ポールの前記軸方向に沿った面であって前記光源が配置される面である配置面を含む、
請求項8に記載の照明器具。
【請求項10】
前記基部と前記アダプタとのうち少なくとも一方の少なくとも一部は、柱状に形成されており、前記少なくとも一部の側面に、前記光源が配置される、
請求項8又は9に記載の照明器具。
【請求項11】
前記光源は、前記アダプタに取り付けられる、
請求項1~10のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項12】
前記グローブは、前記アダプタの外周面の表面積の50%以上を覆う、
請求項1~11のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項13】
前記グローブは、光拡散性を有する、
請求項1~12のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項14】
前記グローブは、前記アダプタの前記少なくとも一部を囲むように形成されている、
請求項1~13のいずれか一項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に照明器具に関し、より詳細には、ポールに取り付けられる照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の街路灯は、灯具本体(照明器具)と、ポールと、を備える。灯具本体は、筒状のグローブと、グローブを支持する外郭(器具本体)とを備えている。外郭の底部には、ポールの上端部を挿入固定する筒状の取付金具(アダプタ)が設けられている。この取付金具の上部はグローブ内に開口するとともに、当該上部にはポール内に延出する配線支持体が固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、アダプタが目立ちにくい照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る照明器具は、器具本体と、光源と、グローブと、を備える。前記器具本体は、基部と、アダプタと、を有する。前記アダプタは、前記基部と連結され、ポールに取り付けられる。前記光源は、前記器具本体に取り付けられる。前記グローブは、前記光源から出射される光を透過させ、前記アダプタの少なくとも一部を覆う。
【発明の効果】
【0006】
本開示は、アダプタが目立ちにくいという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る照明器具の断面図である。
【
図3】
図3は、同上の照明器具の斜視図であって、グローブの図示を省略した図である。
【
図4】
図4は、同上の照明器具の分解斜視図である。
【
図5】
図5は、同上の照明器具のアダプタの下方から見た斜視図である。
【
図6】
図6は、実施形態2に係る照明器具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
下記の各実施形態においては、本開示の照明器具について、図面を用いて説明する。ただし、下記の各実施形態は、本開示の様々な実施形態の一部に過ぎない。下記の各実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の各実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0009】
(実施形態1)
(概要)
図1に示す、本実施形態の照明器具1は、例えば、街路灯として用いられる。照明器具1は、ポールP1に取り付けられる。より詳細には、ポールP1は、例えば、棒状に形成され、水平面に対して垂直に立てられ、ポールP1の上端に、照明器具1が取り付けられる。なお、ポールP1の向きは、水平面に対して垂直な向き(鉛直方向)に限定されず、鉛直方向に対して傾いていてもよい。また、ポールP1が、鉛直方向に長さを有する棒状の本体と、本体から鉛直方向と交差する方向に突出するアームと、を有する場合に、照明器具1は、本体の先端に取り付けられてもよいし、アームの先端に取り付けられてもよい。つまり、照明器具1の使用方向は、特に限定されない。本実施形態では、水平面に対して垂直な向きに立てられた棒状のポールP1の上端に、照明器具1が取り付けられるとする。
【0010】
本実施形態の照明器具1は、器具本体2と、光源6と、グローブ5と、を備える。器具本体2は、基部3と、アダプタ4と、を有する。アダプタ4は、基部3と連結され、ポールP1に取り付けられる。光源6は、器具本体2に取り付けられる。グローブ5は、光源6から出射される光を透過させ、アダプタ4の少なくとも一部を覆う。
【0011】
本実施形態によれば、アダプタ4の少なくとも一部がグローブ5に覆われるので、アダプタ4が目立ちにくい。また、グローブ5ではない別の部材を新たに設け、この部材によりアダプタ4を覆う場合と比較して、照明器具1の部材点数を削減できる。
【0012】
(詳細)
(1)全体構成
図1に示すように、照明器具1は、本体ユニット10と、光源6と、を備える。本体ユニット10は、少なくとも器具本体2と、グローブ5と、を含む。本実施形態では、光源6は複数(4つ)設けられる。つまり、照明器具1は、複数の光源6を備える。
【0013】
また、照明器具1は、器具本体2、グローブ5、及び、複数の光源6に加えて、固定部材7、第1シール81、第2シール82、張力止め具83、及び、落下防止具84(
図2参照)を更に備える。固定部材7、第1シール81、第2シール82、張力止め具83、及び、落下防止具84は、本体ユニット10に含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。
【0014】
本実施形態では、固定部材7は複数(4つ)設けられる。つまり、照明器具1は、複数の固定部材7を備える。複数の固定部材7は、複数の光源6と一対一で対応する。各固定部材7には、対応する光源6が固定されている。
【0015】
(2)基部
図1、
図3、
図4に示すように、基部3は、連結部31と、天板部32と、複数のフィン33と、を有する。基部3には、複数の光源6が取り付けられる。
【0016】
天板部32は、連結部31と一体成形された部材である。天板部32及び連結部31は、例えば、アルミニウムを材料とし、ダイキャストにより製造される。また、複数のフィン33も、天板部32及び連結部31と一体成型された部材である。複数のフィン33、天板部32及び連結部31は、例えば、アルミニウムを材料とし、ダイキャストにより製造される。
【0017】
連結部31の形状は、柱状である。“柱状”に該当する形状の一例は、円柱形状、角柱形状、及び、円錐台形状等である。また、“柱状”の部材の内部は、空洞であってもよい。本実施形態の連結部31の外形形状は、四角柱状である。連結部31の内部は、空洞である。連結部31の4つの側面310は、鉛直方向に沿っている。ただし、4つの側面310は、鉛直方向に対して若干傾いている。連結部31は、下側ほど細くなるように形成されている。つまり、連結部31の幅は、下側ほど短い。
【0018】
連結部31には、複数の光源6が取り付けられる。より詳細には、各光源6は、対応する固定部材7に取り付けられており、各固定部材7が連結部31に取り付けられる。つまり、連結部31には、複数の固定部材7を介して複数の光源6が取り付けられる。
【0019】
連結部31の4つの側面310はそれぞれ、配置面に相当する。つまり、器具本体2は、配置面を含む。配置面は、ポールP1の軸方向(上下方向)に沿った面であって光源6が配置される面である。つまり、基部3の少なくとも一部(連結部31)は、柱状に形成されており、連結部31の側面310には、光源6が配置される。より詳細には、4つの側面310の各々には、固定部材7が配置され、固定部材7上に光源6が配置される。
【0020】
連結部31は、アダプタ4と連結される。より詳細には、連結部31の下端に、アダプタ4が接した状態で、連結部31がアダプタ4と連結される。連結部31とアダプタ4とは、ねじ止めにより固定される。すなわち、連結部31とアダプタ4とにそれぞれ設けられた複数の孔に、ねじ21(
図1参照)が通される。
【0021】
天板部32の形状は、円盤状である。天板部32は、上下方向と交差する方向に広がっている。
【0022】
天板部32は、連結部31の第1端(上端)につながっている。つまり、天板部32は、連結部31のうちアダプタ4と連結された側とは反対側につながっている。天板部32は、連結部31からポールP1の軸方向(上下方向)と交差する方向(水平方向)に突出している。つまり、天板部32は、連結部31よりも外側へ突出している。下から見て、天板部32の外縁は、連結部31の外縁よりも外側に位置する。天板部32は、連結部31を上から覆っている。
【0023】
天板部32は、グローブ5の第1端部52(上端)が挿入される溝部320(
図1参照)を有する。溝部320は、天板部32の外縁に沿って、円状に形成されている。天板部32は、溝部320において下方に開口している。
【0024】
複数のフィン33は、天板部32から突出している。より詳細には、複数のフィン33は、天板部32の上面から突出している。複数のフィン33は、天板部32の中心の周りに放射状に配置されている。
【0025】
複数の光源6で発生する熱は、連結部31及び天板部32を介して複数のフィン33へ伝達される。複数のフィン33が設けられていることにより、基部3の表面積が比較的大きいため、放熱効率が高くなる。
【0026】
(3)アダプタ
図1、
図3~
図5に示すように、アダプタ4は、筒部41と、鍔部42と、上底部43と、複数(3つ)の取付部44と、を有する。
【0027】
筒部41の形状は、筒状である。より詳細には、筒部41の形状は、円筒状である。筒部41の軸方向は、上下方向に沿っている。筒部41は、第1部位411と、第2部位412と、を含む。第1部位411は、第2部位412の上端につながっている。第1部位411は、上側ほど直径が小さくなる円筒状に形成されている。第2部位412は、上端から下端にかけて直径が略一定の円筒状に形成されている。筒部41は、下端に開口部401を有する。
【0028】
鍔部42の形状は、円環状である。鍔部42は、筒部41の外縁から水平方向に沿って突出している。つまり、鍔部42は、筒部41よりも外側へ突出している。
【0029】
鍔部42は、グローブ5の第2端部53(下端)が挿入される溝部420(
図1参照)を有する。溝部420は、鍔部42の外縁に沿って、円状に形成されている。鍔部42は、溝部420において上方に開口している。
【0030】
上底部43は、筒部41の上端を覆っている。上底部43は、開口部430を有する。開口部430は、電線W1(
図1参照)を通すための孔である。
【0031】
アダプタ4は、連結部31の下に配置されている。アダプタ4の上端部分である上底部43が、連結部31の下端部分に連結されている。
【0032】
連結部31とアダプタ4とは、回転を伴わずに連結可能である。本実施形態では、一例として、上述の通り、連結部31とアダプタ4とは、ねじ止めにより固定(連結)される。
【0033】
アダプタ4は、ポールP1を挿入可能に開放された第1端と、第1端とは反対側の第2端と、を含む筒状に形成されている。本実施形態では、筒部41の下端が第1端に相当し、上底部43が第2端に相当する。
【0034】
図1、
図5に示すように、複数(3つ)の取付部44は、アダプタ4(筒部41)の内周部に位置する。複数の取付部44は、アダプタ4をポールP1に取り付けるための構成である。複数の取付部44は、アダプタ4の周方向に並んでいる。各取付部44は、第1取付部441と、第2取付部442と、第3取付部443と、を含む。
【0035】
第1取付部441、第2取付部442及び第3取付部443の各々は、L字状の表面を有する。第1取付部441、第2取付部442及び第3取付部443の組は、階段状の構造を形成している。第1取付部441よりも第2取付部442の方がアダプタ4の中心側へ突出している。第2取付部442よりも第3取付部443の方がアダプタ4の中心側へ突出している。また、第1取付部441よりも第2取付部442の方が上方に設けられている。第2取付部442よりも第3取付部443の方が上方に設けられている。
【0036】
アダプタ4は、幅寸法がそれぞれ異なる複数のポールP1の中から任意に選択された1つのポールP1に取付け可能である。本実施形態では、ポールP1の形状は円筒状であって、ポールP1の幅寸法とは、ポールP1の直径を意味する。本実施形態のアダプタ4は、第1、第2、第3の幅寸法のポールP1に取付け可能である。第1の幅寸法は、第2の幅寸法よりも大きい。第2の幅寸法は、第3の幅寸法よりも大きい。
【0037】
図1は、第1の幅寸法のポールP1にアダプタ4が取り付けられた状態を表している。第1の幅寸法のポールP1は、複数の取付部44の各々の第1取付部441の表面に接する。つまり、ポールP1の上端と、ポールP1の外周面のうち上端付近の部位と、が複数の取付部44の各々の第1取付部441の表面に接する。この状態で、ポールP1にアダプタ4が取り付けられる。すなわち、アダプタ4の外周面に設けられた複数の孔にそれぞれ、ねじ22(
図1参照)が通され、ねじ22の接圧によりアダプタ4がポールP1に対して固定される。
【0038】
また、他の幅寸法のポールP1に対しても、第1の幅寸法のポールP1に対するのと同様にして、アダプタ4が取り付けられる。第2の幅寸法のポールP1は、複数の取付部44の各々の第2取付部442の表面に接する。この状態で、アダプタ4とポールP1とがねじ止めされることで、ポールP1にアダプタ4が取り付けられる。また、第3の幅寸法のポールP1は、複数の取付部44の各々の第3取付部443の表面に接する。この状態で、アダプタ4とポールP1とがねじ止めされることで、ポールP1にアダプタ4が取り付けられる。
【0039】
このように、アダプタ4は、アダプタ4の内周部に位置し、第1の幅寸法のポールP1に取付可能な第1取付部441と、アダプタ4の内周部に位置し、第2の幅寸法のポールP1に取付可能な第2取付部442と、を有する。第2の幅寸法は、第1の幅寸法とは異なる寸法である。第2取付部442は、第1取付部441と、アダプタ4のうち基部3側の端(上端)と、の間に位置する。さらに、アダプタ4は、アダプタ4の内周部に位置し、第3の幅寸法のポールP1に取付可能な第3取付部443を有する。第3取付部443は、第2取付部442と、アダプタ4のうち基部3側の端(上端)と、の間に位置する。
【0040】
(4)グローブ
図1、
図2、
図4に示すように、グローブ5は、アダプタ4の少なくとも一部を囲むように形成されている。グローブ5の形状は、筒状である。より詳細には、グローブ5の形状は、円筒状である。
【0041】
図1に示すように、グローブ5は、グローブ本体51と、第1端部52と、第2端部53と、を有する。グローブ本体51、第1端部52及び第2端部53の各々の形状は、筒状(より詳細には、円筒状)である。第1端部52は、グローブ本体51の軸方向の第1端(上端)に設けられている。第2端部53は、グローブ本体51の軸方向の第2端(下端)に設けられている。第1端部52及び第2端部53は、グローブ本体51よりも厚さが小さい。
【0042】
グローブ5は、アダプタ4の少なくとも一部を覆う。グローブ5は、アダプタ4の外周面の表面積の50%以上を覆うことが好ましい。本実施形態では、グローブ5は、アダプタ4のうち、鍔部42より上の領域を覆っている。また、グローブ5は、アダプタ4のうち、鍔部42より上の領域を囲んでいる。
【0043】
さらに、グローブ5は、光源6と対向する位置に配置されている。つまり、グローブ5は、光源6から出射される光の経路上に配置されている。グローブ5は、透明又は半透明である。グローブ5は、光源6を覆い、光源6から出射される光を透過する。
【0044】
グローブ5は、光源6から出射される光のうち一部を散乱し得る。言い換えると、グローブ5は、光拡散性を有する。例えば、グローブ5は、アクリル樹脂等の透明な樹脂材料に、フィラーと呼ばれる微小な拡散剤を混合して成形することで製造される。あるいは、グローブ5は、アクリル樹脂等を材料として形成された樹脂製品の内面又は外面に、光を拡散する拡散剤を塗布することで製造される。あるいは、グローブ5は、上記樹脂製品に、光を拡散するための複数の微小な窪みを形成することで製造される。
【0045】
グローブ5は、基部3の天板部32と、アダプタ4と、の間に挟まれている。これにより、グローブ5が器具本体2に取り付けられている。より詳細には、グローブ5の第1端部52は、天板部32の溝部320(
図1参照)に挿入されている。グローブ5の第2端部53は、アダプタ4の溝部420(
図1参照)に挿入されている。これにより、グローブ5は、天板部32とアダプタ4との間に挟まれている。
【0046】
第1シール81及び第2シール82は、例えば、シリコーンゴムを材料として形成されている。第1シール81及び第2シール82の形状は、環状である。第1端部52と溝部320の内面との間には、第1シール81が挟まれている。これにより、天板部32とグローブ5との間の隙間から水等の異物が侵入する可能性が低減される。第2端部53と溝部420の内面との間には、第2シール82が挟まれている。これにより、アダプタ4とグローブ5との間の隙間から水等の異物が侵入する可能性が低減される。
【0047】
(5)固定部材
図1、
図4に示すように、複数の固定部材7の各々は、載置部71と、曲部72と、を有する。固定部材7は、固定部材7の材料となる板材に曲げ加工をすることで形成される。上記板材のうち、曲げがなされた箇所を境界として一方側の部位が載置部71であり、他方側の部位が曲部72である。
【0048】
固定部材7は、例えば、金属を材料として形成される。固定部材7を構成する金属は、例えば、銅、アルミニウム、銅合金、又は、アルミニウム合金等である。
【0049】
載置部71には、光源6が載せ置かれる。さらに、光源6は、載置部71に固定される。光源6は、例えば、ねじ止めにより載置部71に固定される。
【0050】
曲部72は、載置部71の上端につながっている。曲部72は、載置部71に対して屈曲している。曲部72は、光源6を上から覆っている。
【0051】
(6)光源
図3、
図4に示すように、光源6は、例えば、発光モジュール61を有する。発光モジュール61は、発光ダイオード素子等の発光素子を含む。本実施形態の発光モジュール61は、COB(チップ・オン・ボード)タイプのモジュールである。さらに、光源6は、基板62と、ホルダ63と、を有する。
【0052】
発光モジュール61は、基板62に実装されている。ホルダ63は、基板62を保持している。また、ホルダ63は、固定部材7に固定される。ホルダ63は、例えば、ねじ止めにより固定部材7の載置部71に固定される。
【0053】
発光モジュール61の表面の法線方向は、水平方向に沿っている。光源6(発光モジュール61)は、ポールP1の軸方向(上下方向)と交差する方向に光を出射する。より詳細には、発光モジュール61は、水平方向に沿った方向に光を出射する。
【0054】
発光モジュール61に給電するための電線W1(
図1参照)は、例えば、ポールP1の内側に通される。電線W1は、例えば、ポールP1の内側を通って、ポールP1の上端から、アダプタ4の内側へ通される。さらに、電線W1は、アダプタ4の内側から、アダプタ4の上底部43の開口部430(
図1、
図4参照)を通って、基部3の連結部31の内側に通される。さらに、電線W1は、連結部31の内側から、連結部31に設けられた電線挿通孔を通って、連結部31とグローブ5との間の空間へ通され、光源6に設けられた端子に接続される。
【0055】
(7)張力止め具
張力止め具83(
図1参照)は、電線W1の張力止めをする。すなわち、張力止め具83は、電線W1を押さえることにより、電線W1に引っ張り力が加わった際の電線W1の脱落を抑制する。
【0056】
張力止め具83は、板部831と、複数(2つ)のピン832と、を有する。板部831は、ポールP1の軸方向(上下方向)に長さを有する。板部831の上端は、連結部31に固定される。板部831の上端は、例えば、ねじ止めにより連結部31に固定される。複数のピン832は、板部831に取り付けられている。複数のピン832は、上下方向に並んでいる。各ピン832は、電線W1を挟むことが可能である。各ピン832が電線W1を挟むことで、電線W1が張力止めされる。
【0057】
(8)落下防止具
図2に示す落下防止具84は、例えば、ワイヤと、棒材と、を有する。ワイヤの第1端は張力止め具83の板部831に取り付けられる。ワイヤの第2端は棒材に取り付けられる。棒材は、ポールP1の内部に吊り下げられている。
【0058】
照明器具1とポールP1との固定が解除され、照明器具1が落下しようとした場合に、落下防止具84の棒材が斜め向きになってポールP1内に引っ掛かる。つまり、棒材がつっかえ棒のように機能する。よって、照明器具1が地面まで落下する可能性を低減させることができる。
【0059】
(9)照明器具の組立方法
次に、照明器具1の組立方法の一例を、順を追って説明する。なお、以下の作業のうち一部が工場においてなされて、照明器具1の施工現場では残りの作業のみが作業者によりなされてもよい。
【0060】
まず、複数の固定部材7の各々に、対応する光源6を固定する。その後、複数の固定部材7を、基部3に取り付ける。すなわち、基部3の連結部31の4つの側面310に、4つの固定部材7を取り付ける。また、基部3に張力止め具83を取り付ける。
【0061】
次に、基部3の溝部320に、第1シール81と、グローブ5の第1端部52と、を挿入する。さらに、アダプタ4の溝部420に、第2シール82と、グローブ5の第2端部53と、を挿入する。このとき、アダプタ4の上端は、連結部31の下端に対向する位置に来る。
【0062】
次に、基部3とアダプタ4とをねじ止めする。つまり、作業者は、アダプタ4の下端の開口部401から手を挿入して、基部3とアダプタ4とに挿入された複数のねじ21(
図1参照)を締める。これにより、基部3とアダプタ4とが固定され、かつ、天板部32とアダプタ4との間にグローブ5が挟まれて固定された状態となる。以上により、照明器具1の組立てが完了する。
【0063】
(10)ポールへの取付方法
次に、上記のように組み立てられた照明器具1を、ポールP1へ取り付ける手順の一例を説明する。
【0064】
作業者は、ポールP1の上端をアダプタ4の下端の開口部401に挿入する。ポールP1の上端は、各取付部44の第1取付部441、第2取付部442及び第3取付部443からなる3つの部位うち、ポールP1の直径に対応した部位に接する。これにより、ポールP1をそれ以上アダプタ4の内部へ押し込むことができない状態となる。この状態で、作業者は、ポールP1とアダプタ4とを複数のねじ22(
図1参照)により固定する。以上により、ポールP1への照明器具1の取付けが完了する。
【0065】
(11)利点
本実施形態によれば、アダプタ4の少なくとも一部がグローブ5に覆われるので、アダプタ4が目立ちにくい。具体的には、アダプタ4のうち下端付近の部位以外が、グローブ5に囲まれるので、アダプタ4のうち、グローブ5の外側から直接視認可能な部位は、アダプタ4のうち下端付近の部位のみとなる。これにより、照明器具1の意匠性の向上を図ることができる。
【0066】
また、グローブ5が光拡散性を有することにより、グローブ5越しにアダプタ4が視認され難いので、更なる意匠性の向上を図ることができる。
【0067】
また、グローブ5により、光源6を衝撃から保護することができる。
【0068】
また、グローブ5と天板部32及びアダプタ4との結合は、防水構造としている。具体的には、グローブ5と天板部32及びアダプタ4との結合には、第1シール81及び第2シール82を噛ませている。これにより、グローブ5の内側へ水が浸入して光源6に水が付着する可能性を低減させることができる。
【0069】
また、照明器具1にグローブ5ではない別の部材を新たに設け、この部材によりアダプタ4を覆う場合と比較して、照明器具1の部材点数を削減できる。
【0070】
また、アダプタ4の少なくとも一部がグローブ5の内側に収まっているので、アダプタ4の全体がグローブ5の下方に配置される場合と比較して、照明器具1の高さ寸法を小さくできる。
【0071】
また、光源6から出射される光がグローブ5を通して横向きに出射するように、光源6が配置されている。そのため、光源6が光を下向きに出射するように配置されている場合と比較して、光を遠くへ、つまり、広い範囲に照射できる。
【0072】
また、連結部31と天板部32とを一体化したことによって、照明器具1の部品点数を抑えた。連結部31と天板部32とを一体化する場合、天板部32を連結部31から取り外して連結部31の上から手を入れて結線を行うことができないので、下から結線を行う方式とした。
【0073】
(実施形態1の変形例)
以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
【0074】
光源6の個数は、4つに限定されず、1つ、2つ、3つ、又は、5つ以上であってもよい。固定部材7の個数も、4つに限定されず、1つ、2つ、3つ、又は、5つ以上であってもよい。
【0075】
グローブ5と天板部32との結合構造は、グローブ5の凹部に天板部32の凸部が挿入される構造であってもよい。
【0076】
グローブ5とアダプタ4との結合構造は、グローブ5の凹部にアダプタ4の凸部が挿入される構造であってもよい。
【0077】
グローブ5の形状は、円筒状に限定されず、例えば、半円筒状、又は、半球状であってもよい。
【0078】
(実施形態2)
以下、実施形態2に係る照明器具1Aについて、
図6を用いて説明する。実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。また、実施形態1の各変形例は、実施形態2にも適宜適用されてもよい。
【0079】
本実施形態は、(複数の)光源6がアダプタ4に取り付けられるという点で、実施形態1と相違する。また、基部3Aの形状においても実施形態1と相違する。
【0080】
複数の光源6は、アダプタ4の筒部41に取り付けられる。より詳細には、各光源6は、対応する固定部材7に取り付けられており、各固定部材7が筒部41に取り付けられる。各固定部材7は、例えば、ねじ止めにより筒部41に固定される。
【0081】
複数の光源6(複数の固定部材7)は、筒部41の側面410に配置される。より詳細には、複数の光源6は、筒部41の第2部位412の外面に配置される。各光源6は、グローブ5に対向する。側面410は、ポールP1の軸方向に沿った面であって光源6が配置される面である配置面に相当する。
【0082】
本実施形態では、基部3Aは、複数の光源6を配置するスペースを有していなくてもよい。そのため、実施形態1と比較して、基部3Aの高さ寸法を小さくすることができる。具体的には、本実施形態では、基部3Aのうち連結部31の高さ寸法が、実施形態1と比較して小さい。また、連結部31の高さ寸法に合わせて、グローブ5の高さ寸法も実施形態1と比較して小さい。
【0083】
連結部31は、電線W1を通す通線スペース311を有している。電線W1は、アダプタ4の内側から、アダプタ4の上底部43の開口部430と、連結部31の通線スペース311と、を通って、アダプタ4とグローブ5との間の空間へ通され、光源6に設けられた端子に接続される。
【0084】
本実施形態によれば、実施形態1と比較して、照明器具1Aの高さ寸法を小さくすることができる。
【0085】
(実施形態2の変形例)
以下、実施形態2の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
【0086】
複数の光源6のうち一部の光源6が、基部3に取り付けられ、別の一部の光源6が、アダプタ4に取り付けられてもよい。
【0087】
実施形態1では、基部3の少なくとも一部(連結部31)は、柱状に形成されており、連結部31の側面310には、光源6が配置される。これに対して、実施形態2では、アダプタ4の少なくとも一部(筒部41)が柱状に形成されており、筒部41の側面410には、光源6が配置される。ここで、連結部31の側面310と、筒部41の側面410と、にそれぞれ、光源6が配置されてもよい。つまり、基部3とアダプタ4とのうち少なくとも一方の少なくとも一部は、柱状に形成されており、上記少なくとも一部の側面310(又は410)に、光源6が配置されてもよい。
【0088】
(まとめ)
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
【0089】
第1の態様に係る照明器具(1、1A)は、器具本体(2)と、光源(6)と、グローブ(5)と、を備える。器具本体(2)は、基部(3、3A)と、アダプタ(4)と、を有する。アダプタ(4)は、基部(3、3A)と連結され、ポール(P1)に取り付けられる。光源(6)は、器具本体(2)に取り付けられる。グローブ(5)は、光源(6)から出射される光を透過させ、アダプタ(4)の少なくとも一部を覆う。
【0090】
上記の構成によれば、アダプタ(4)の少なくとも一部がグローブ(5)に覆われるので、アダプタ(4)が目立ちにくい。また、グローブ(5)ではない別の部材を新たに設け、この部材によりアダプタ(4)を覆う場合と比較して、照明器具(1、1A)の部材点数を削減できる。
【0091】
また、第2の態様に係る照明器具(1、1A)では、第1の態様において、グローブ(5)は、光源(6)と対向する位置に配置されている。
【0092】
上記の構成によれば、光源(6)から出射される光がグローブ(5)から外部へ取り出されやすいので、照明器具(1、1A)の周囲を明るくできる。
【0093】
また、第3の態様に係る照明器具(1、1A)では、第1又は2の態様において、基部(3、3A)は、連結部(31)と、天板部(32)と、を有する。連結部(31)は、アダプタ(4)と連結される。天板部(32)は、連結部(31)からポール(P1)の軸方向と交差する方向に突出している。
【0094】
上記の構成によれば、天板部(32)が連結部(31)を覆っているので、天板部(32)の上から来る物体や水滴等に対して、連結部(31)を保護することができる。
【0095】
また、第4の態様に係る照明器具(1、1A)では、第3の態様において、天板部(32)は、連結部(31)と一体成形された部材である。
【0096】
上記の構成によれば、天板部(32)が連結部(31)とは別個の部材である場合と比較して、照明器具(1、1A)の部材点数を削減できる。
【0097】
また、第5の態様に係る照明器具(1、1A)では、第3又は4の態様において、グローブ(5)は、天板部(32)とアダプタ(4)との間に挟まれている。
【0098】
上記の構成によれば、グローブ(5)を安定的に取り付けることができる。
【0099】
また、第6の態様に係る照明器具(1、1A)では、第1~5の態様のいずれか1つにおいて、アダプタ(4)は、ポール(P1)を挿入可能に開放された第1端と、第1端とは反対側の第2端と、を含む筒状に形成されている。
【0100】
上記の構成によれば、ポール(P1)をアダプタ(4)に挿入することで、ポール(P1)とアダプタ(4)との取付けが安定する。
【0101】
また、第7の態様に係る照明器具(1、1A)では、第6の態様において、アダプタ(4)は、第1取付部(441)と、第2取付部(442)と、を有する。第1取付部(441)は、アダプタ(4)の内周部に位置し、第1の幅寸法のポール(P1)に取付可能である。第2取付部(442)は、アダプタ(4)の内周部に位置し、第2の幅寸法のポール(P1)に取付可能である。第2の幅寸法は、第1の幅寸法とは異なる寸法である。
【0102】
上記の構成によれば、2通りの(あるいは3通り以上の)幅寸法のポール(P1)のうちどれにでも、アダプタ(4)を取付可能となる。
【0103】
また、第8の態様に係る照明器具(1、1A)では、第1~7の態様のいずれか1つにおいて、光源(6)は、ポール(P1)の軸方向と交差する方向に光を出射する。
【0104】
上記の構成によれば、光源(6)がポール(P1)の軸方向に光を出射する場合と比較して、光源(6)から出射される光を遠くに照射できる。
【0105】
また、第9の態様に係る照明器具(1、1A)では、第8の態様において、器具本体(2)は、ポール(P1)の軸方向に沿った面であって光源(6)が配置される面である配置面(側面310、410)を含む。
【0106】
上記の構成によれば、光源(6)から光が、ポール(P1)の軸方向と交差する方向に出射されやすくなる。
【0107】
また、第10の態様に係る照明器具(1、1A)では、第8又は9の態様において、基部(3、3A)とアダプタ(4)とのうち少なくとも一方の少なくとも一部は、柱状に形成されており、上記少なくとも一部の側面(310、410)に、光源(6)が配置される。
【0108】
上記の構成によれば、光源(6)から光が、ポール(P1)の軸方向と交差する方向に出射されやすくなる。
【0109】
また、第11の態様に係る照明器具(1A)では、第1~10の態様のいずれか1つにおいて、光源(6)は、アダプタ(4)に取り付けられる。
【0110】
上記の構成によれば、基部(3、3A)の高さを低くできるので、照明器具(1、1A)の高さが低くなるように照明器具(1、1A)を設計しやすい。
【0111】
また、第12の態様に係る照明器具(1、1A)では、第1~11の態様のいずれか1つにおいて、グローブ(5)は、アダプタ(4)の外周面の表面積の50%以上を覆う。
【0112】
上記の構成によれば、アダプタ(4)が目立ちにくい。
【0113】
また、第13の態様に係る照明器具(1、1A)では、第1~12の態様のいずれか1つにおいて、グローブ(5)は、光拡散性を有する。
【0114】
上記の構成によれば、グローブ(5)越しにアダプタ(4)が見えにくくなる。
【0115】
また、第14の態様に係る照明器具(1、1A)では、第1~13の態様のいずれか1つにおいて、グローブ(5)は、アダプタ(4)の少なくとも一部を囲むように形成されている。
【0116】
上記の構成によれば、アダプタ(4)がグローブ(5)に囲まれるので、アダプタ(4)が更に目立ちにくい。
【0117】
第1の態様以外の構成については、照明器具(1、1A)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0118】
1、1A 照明器具
2 器具本体
3、3A 基部
4 アダプタ
5 グローブ
6 光源
31 連結部
32 天板部
310 側面(配置面)
410 側面(配置面)
441 第1取付部
442 第2取付部
P1 ポール