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特開2023-10440情報基盤装置、匂い拡散方法、および、匂い拡散プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023010440
(43)【公開日】2023-01-20
(54)【発明の名称】情報基盤装置、匂い拡散方法、および、匂い拡散プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230113BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021114571
(22)【出願日】2021-07-09
(71)【出願人】
【識別番号】512288662
【氏名又は名称】株式会社SBX
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パラニアパン スチンドラ クマール
(72)【発明者】
【氏名】桑江 健
(72)【発明者】
【氏名】サミック ゴーシュ
(72)【発明者】
【氏名】ハード ニコラス ウイリアム
(72)【発明者】
【氏名】加藤 潤一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】カメラ等のアンビエントセンサにて収集されたターゲットユーザの反応データに基づいて、匂い拡散装置で放出される匂いに対するフィードバック制御をすることで、適切にパーソナライズされた匂いをターゲットユーザに提供する情報基盤装置、匂い拡散方法、および、匂い拡散プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】ユーザプロファイル、および、各ユーザの匂いに対する反応の履歴データに基づいて、匂い拡散装置での匂い拡散を制御するための匂い識別データを取得し、匂い拡散装置における当該匂い識別データに基づく匂い拡散を実行させ、周囲センサにて検出されたユーザの匂いに対する反応データに基づいて、履歴データを更新する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲センサ、および、制御部を備えた匂い拡散装置に通信可能に接続された、記憶部と制御部とを備えた情報基盤装置であって、
前記情報基盤装置の前記記憶部は、
ユーザのユーザプロファイルを記憶するプロファイル記憶手段と、
前記各ユーザの匂いに対する反応の履歴データを記憶する履歴記憶手段と、
を備え、
前記情報基盤装置の前記制御部は、
前記ユーザプロファイル、および、前記履歴データに基づいて、前記匂い拡散装置での匂い拡散を制御するための匂い識別データを取得する匂い識別取得手段と、
前記匂い識別データを前記匂い拡散装置に送信することで、前記匂い拡散装置における当該匂い識別データに基づく前記匂い拡散を実行させる拡散制御手段と、
前記周囲センサにて検出された前記ユーザの前記匂いに対する反応データを受信し、当該反応データに基づいて、前記履歴データを更新する履歴更新手段と、
を備えたことを特徴とする情報基盤装置。
【請求項2】
前記匂い識別取得手段は、
前記ユーザプロファイル、および、前記履歴データを教師データとして機械学習を実行することで、前記匂い拡散装置での前記匂い拡散を制御するための前記匂い識別データを取得することを特徴とする請求項1に記載の情報基盤装置。
【請求項3】
前記匂い識別データは、
前記匂いを構成する匂い要素毎の前記匂い拡散のタイミング、前記匂い要素毎の散布強度、前記匂い要素毎の拡散時間、および、前記匂い要素の構成比率が設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の情報基盤装置。
【請求項4】
前記散布強度は、
前記匂い拡散装置における前記匂い拡散時のファンスピードであることを特徴とする請求項3に記載の情報基盤装置。
【請求項5】
前記匂い拡散装置の前記制御部は、
前記周囲センサにて検出された前記反応データを受信し、エッジAIアルゴリズムを用いて、前記匂い識別データを微調整した微調整データを取得する微調整手段と、
前記微調整データに基づいて、前記匂い拡散を調整制御する調整制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の情報基盤装置。
【請求項6】
前記匂い拡散装置は、
所定数の前記匂いの吹出口部と、匂い要素を投入する前記所定数の投入口部と、前記所定数のファンと、吸気口部と、を有し、
前記吹出口部は、本体最上部に位置し、
前記投入口部は、底部に通気構造を有し、且つ、前記吹出口部の下部に位置し、
前記ファンは、前記投入口部の下部に位置し、
前記吸気口部は、前記ファンより下側の本体側面に位置し、
前記匂い拡散装置の前記制御部は、
前記匂い識別データに基づいて、前記ファンを駆動制御する駆動制御手段、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の情報基盤装置。
【請求項7】
前記所定数は、
4個であることを特徴とする請求項6に記載の情報基盤装置。
【請求項8】
前記プロファイル記憶手段は、
更に、前記ユーザのライフイベントデータを記憶し、
前記匂い識別取得手段は、
前記ユーザプロファイル、前記ライフイベントデータ、および、前記履歴データに基づいて、前記匂い拡散装置での前記匂い拡散を制御するための前記匂い識別データを取得することを特徴とする請求項1に記載の情報基盤装置。
【請求項9】
前記周囲センサは、
カメラ、マイク、および/または、環境センサであることを特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載の情報基盤装置。
【請求項10】
周囲センサ、および、制御部を備えた匂い拡散装置に通信可能に接続された、記憶部と制御部とを備えた情報基盤装置に実行させるための匂い拡散方法であって、
前記情報基盤装置の前記記憶部は、
ユーザのユーザプロファイルを記憶するプロファイル記憶手段と、
前記各ユーザの匂いに対する反応の履歴データを記憶する履歴記憶手段と、
を備え、
前記情報基盤装置の前記制御部で実行させる、
前記ユーザプロファイル、および、前記履歴データに基づいて、前記匂い拡散装置での匂い拡散を制御するための匂い識別データを取得する匂い識別取得ステップと、
前記匂い識別データを前記匂い拡散装置に送信することで、前記匂い拡散装置における当該匂い識別データに基づく前記匂い拡散を実行させる拡散制御ステップと、
前記周囲センサにて検出された前記ユーザの前記匂いに対する反応データを受信し、当該反応データに基づいて、前記履歴データを更新する履歴更新ステップと、
を含むことを特徴とする匂い拡散方法。
【請求項11】
周囲センサ、および、制御部を備えた匂い拡散装置に通信可能に接続された、記憶部と制御部とを備えた情報基盤装置に実行させるための匂い拡散プログラムであって、
前記情報基盤装置の前記記憶部は、
ユーザのユーザプロファイルを記憶するプロファイル記憶手段と、
前記各ユーザの匂いに対する反応の履歴データを記憶する履歴記憶手段と、
を備え、
前記情報基盤装置の前記制御部において、
前記ユーザプロファイル、および、前記履歴データに基づいて、前記匂い拡散装置での匂い拡散を制御するための匂い識別データを取得する匂い識別取得ステップと、
前記匂い識別データを前記匂い拡散装置に送信することで、前記匂い拡散装置における当該匂い識別データに基づく前記匂い拡散を実行させる拡散制御ステップと、
前記周囲センサにて検出された前記ユーザの前記匂いに対する反応データを受信し、当該反応データに基づいて、前記履歴データを更新する履歴更新ステップと、
を実行させるための匂い拡散プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報基盤装置、匂い拡散方法、および、匂い拡散プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、香り配信サーバにて、各利用者の属性情報に基づいて、利用者毎の香りの再現データが生成され、香りの再現データが送信された利用者端末にて、利用者端末に接続した香りのシートを複数の区画に設けた香り発生装置が制御されて香りが発生する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-076874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の発明においては、発生させた香りに対する利用者の反応に基づく、再現データ生成に対するフィードバックが反映されないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、カメラ等のアンビエントセンサにて収集されたターゲットユーザの反応データに基づいて、匂い拡散装置で放出される匂いに対するフィードバック制御をすることで、適切にパーソナライズされた匂いをターゲットユーザに提供する情報基盤装置、匂い拡散方法、および、匂い拡散プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報基盤装置は、周囲センサ、および、制御部を備えた匂い拡散装置に通信可能に接続された、記憶部と制御部とを備えた情報基盤装置であって、前記情報基盤装置の前記記憶部は、ユーザのユーザプロファイルを記憶するプロファイル記憶手段と、前記各ユーザの匂いに対する反応の履歴データを記憶する履歴記憶手段と、を備え、前記情報基盤装置の前記制御部は、前記ユーザプロファイル、および、前記履歴データに基づいて、前記匂い拡散装置での匂い拡散を制御するための匂い識別データを取得する匂い識別取得手段と、前記匂い識別データを前記匂い拡散装置に送信することで、前記匂い拡散装置における当該匂い識別データに基づく前記匂い拡散を実行させる拡散制御手段と、前記周囲センサにて検出された前記ユーザの前記匂いに対する反応データを受信し、当該反応データに基づいて、前記履歴データを更新する履歴更新手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る情報基盤装置において、前記匂い識別取得手段は、前記ユーザプロファイル、および、前記履歴データを教師データとして機械学習を実行することで、前記匂い拡散装置での前記匂い拡散を制御するための前記匂い識別データを取得することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る情報基盤装置において、前記匂い識別データは、前記匂いを構成する匂い要素毎の前記匂い拡散のタイミング、前記匂い要素毎の散布強度、前記匂い要素毎の拡散時間、および、前記匂い要素の構成比率が設定されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る情報基盤装置において、前記散布強度は、前記匂い拡散装置における前記匂い拡散時のファンスピードであることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る情報基盤装置において、前記匂い拡散装置の前記制御部は、前記周囲センサにて検出された前記反応データを受信し、エッジAIアルゴリズムを用いて、前記匂い識別データを微調整した微調整データを取得する微調整手段と、前記微調整データに基づいて、前記匂い拡散を調整制御する調整制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る情報基盤装置において、前記匂い拡散装置は、所定数の前記匂いの吹出口部と、匂い要素を投入する前記所定数の投入口部と、前記所定数のファンと、吸気口部と、を有し、前記吹出口部は、本体最上部に位置し、前記投入口部は、底部に通気構造を有し、且つ、前記吹出口部の下部に位置し、前記ファンは、前記投入口部の下部に位置し、前記吸気口部は、前記ファンより下側の本体側面に位置し、前記匂い拡散装置の前記制御部は、前記匂い識別データに基づいて、前記ファンを駆動制御する駆動制御手段、を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る情報基盤装置において、前記所定数は、4個であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る情報基盤装置において、前記プロファイル記憶手段は、更に、前記ユーザのライフイベントデータを記憶し、前記匂い識別取得手段は、前記ユーザプロファイル、前記ライフイベントデータ、および、前記履歴データに基づいて、前記匂い拡散装置での前記匂い拡散を制御するための前記匂い識別データを取得することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る情報基盤装置において、前記周囲センサは、カメラ、マイク、および/または、環境センサであることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る匂い拡散方法は、周囲センサ、および、制御部を備えた匂い拡散装置に通信可能に接続された、記憶部と制御部とを備えた情報基盤装置に実行させるための匂い拡散方法であって、前記情報基盤装置の前記記憶部は、ユーザのユーザプロファイルを記憶するプロファイル記憶手段と、前記各ユーザの匂いに対する反応の履歴データを記憶する履歴記憶手段と、を備え、前記情報基盤装置の前記制御部で実行させる、前記ユーザプロファイル、および、前記履歴データに基づいて、前記匂い拡散装置での匂い拡散を制御するための匂い識別データを取得する匂い識別取得ステップと、前記匂い識別データを前記匂い拡散装置に送信することで、前記匂い拡散装置における当該匂い識別データに基づく前記匂い拡散を実行させる拡散制御ステップと、前記周囲センサにて検出された前記ユーザの前記匂いに対する反応データを受信し、当該反応データに基づいて、前記履歴データを更新する履歴更新ステップと、を含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る匂い拡散プログラムは、周囲センサ、および、制御部を備えた匂い拡散装置に通信可能に接続された、記憶部と制御部とを備えた情報基盤装置に実行させるための匂い拡散プログラムであって、前記情報基盤装置の前記記憶部は、ユーザのユーザプロファイルを記憶するプロファイル記憶手段と、前記各ユーザの匂いに対する反応の履歴データを記憶する履歴記憶手段と、を備え、前記情報基盤装置の前記制御部において、前記ユーザプロファイル、および、前記履歴データに基づいて、前記匂い拡散装置での匂い拡散を制御するための匂い識別データを取得する匂い識別取得ステップと、前記匂い識別データを前記匂い拡散装置に送信することで、前記匂い拡散装置における当該匂い識別データに基づく前記匂い拡散を実行させる拡散制御ステップと、前記周囲センサにて検出された前記ユーザの前記匂いに対する反応データを受信し、当該反応データに基づいて、前記履歴データを更新する履歴更新ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、気分と行動に対し有益な変化を促すことにより、コミュニケーション、社会への参加、認知機能の改善および促進を行うことを目的とした多感覚心理社会的介入時において、嗅覚に対し適切にパーソナライズした匂いを提供することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、周囲センサからの心理社会的介入中の人の反応を評価し、その履歴データおよびプロファイルデータに基づいて、対象ユーザに最適なタイミング、期間および構成の匂いを発生させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本実施形態における匂い拡散システムの一例を示す図である。
図2図2は、本実施形態における匂い拡散システムの構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、本実施形態における匂い拡散システムの処理の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、本実施形態における匂い拡散処理の一例を示す図である。
図5図5は、本実施形態における匂い拡散処理の一例を示す図である。
図6図6は、本実施形態における匂い拡散処理の一例を示す図である。
図7図7は、本実施形態におけるフィードバック制御の一例を示す図である。
図8図8は、本実施形態における匂い拡散装置の一例を示す平面正面斜視図である。
図9図9は、本実施形態における匂い拡散装置の一例を示す平面背面斜視図である。
図10図10は、本実施形態における匂い拡散装置の一例を示す底面平面斜視図である。
図11図11は、本実施形態における匂い拡散装置の一例を示す平面図である。
図12図12は、本実施形態における匂い拡散装置の一例を示す底面図である。
図13図13は、本実施形態における匂い拡散装置の一例を示す正面図である。
図14図14は、本実施形態における匂い拡散装置の一例を示す背面図である。
図15図15は、本実施形態における匂い拡散装置の一例を示す右側面図である。
図16図16は、本実施形態における匂い拡散装置の一例を示す左側面図である。
図17図17は、本実施形態における匂い拡散装置の一例を示す平面正面斜視図である。
図18図18は、本実施形態における匂い拡散装置の一例を示す底面正面斜視図である。
図19図19は、本実施形態における匂い拡散装置の一例を示す底面図である。
図20図20は、本実施形態における制御基板の一例を示す図である。
図21図21は、本実施形態における制御基板の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0020】
[1.概要]
まず、図1を参照して、本発明の概要を説明する。図1は、本実施形態における匂い拡散システムの一例を示す図である。
【0021】
図1に示すように、本実施形態においては、心理社会的介入を目的とした匂い拡散装置から放出される匂い刺激、および/または、マルチメディアコンテンツ再生装置にて提示されるコンテンツ(画像、動画、音楽…)である音・視覚等刺激に対する末端ユーザの反応が、カメラ、マイク等の周囲センサにて検出され、情報プラットフォームに実装された周囲センサドライバ、データ収集モジュール、AI分析モジュール、匂い拡散管理部および/もしくはマルチメディアコンテンツ処理装置管理部、ならびに、装置ドライバにて当該反応が評価され、その履歴データおよびプロファイルデータに基づいて、匂いの兆候のタイミング、期間および構成を設定した匂い識別データが作成され、当該匂い識別データが匂い拡散装置に送信され、匂い拡散装置にて適切にパーソナライズされた匂いが放出される。ここで、本実施形態においては、末端ユーザのポジティブな行動変化を引き出すためのAI(Artificial Intelligence)アルゴリズムが利用され、適切な持続時間および匂いの調合の組み合わせが特定される。ここで、このAIアルゴリズムは、ユーザプロファイル、過去の社会活動、ならびに、カメラ等の環境センサおよびその他のIoT(Internet of Things)を通じて収集される反応データに基づいて、強化サイクルの中で機械学習が実行される。
【0022】
[2.匂い拡散システムの構成]
本実施形態に係る匂い拡散装置100、情報基盤装置200、および、周囲センサ600を通信可能に接続した匂い拡散システムの構成の一例について、図2を参照して説明する。図2は、本実施形態における匂い拡散システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0023】
[匂い拡散装置100の構成]
図2において、匂い拡散装置100は、匂い要素(例えば、匂いビーズ、または、匂いカートリッジ等)をセットし、空気を送り出すことによって匂いを拡散させるディフューザ等であってもよい。
【0024】
匂い拡散装置100は、制御部(マイクロコンピュータ部)102と記憶部106とを備えており、匂い拡散装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0025】
匂い拡散装置100は、他の装置とネットワーク300を介して通信可能に接続し、他の装置とデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、匂い拡散装置100と情報基盤装置200と周囲センサ600とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えば、インターネット、Bluetooth(登録商標)、赤外線、および/または、Wi-Fi(登録商標)を含むLAN(Local Area Network)等である。ここで、周囲センサ600は、カメラ、マイク、ならびに/または、周辺の温度を測定する温度センサ、周辺の湿度を測定する湿度センサおよび/もしくは皮膚温度の変化を測定するサーモグラフィを含む環境センサ等であってもよい。
【0026】
匂い拡散装置100の本体には、所定数の匂いの吹出口部120と匂い要素を投入する所定数の投入口部122と所定数のファン124と吸気口部126と電源ボタン部128と電池格納部130と本体カバー132とを備えている。ここで、吹出口部120は、本体最上部に位置し、投入口部122は、底部に通気構造を有し、且つ、吹出口部120の下部に位置し、ファン124は、投入口部122の下部に位置し、吸気口部126は、ファン124より下側の本体側面に位置し、電源ボタン部128は、本体側面に位置し、電池格納部130は、本体最下部に位置してもよい。ここで、所定数は、4個等であってもよい。
【0027】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、および/または、ファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、および/または、SSD(Solid State Drive)等を用いることができる。記憶部106は、エッジAIアルゴリズム等のアルゴリズムを記憶していてもよい。
【0028】
制御部102は、匂い拡散装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、駆動制御部102aと微調整部102bと調整制御部102cとを備えている。
【0029】
駆動制御部(パルス幅変調(PWM:Pulse-Width Modulation)ファン制御部)102aは、ファン124を駆動制御する。ここで、駆動制御部102aは、匂い拡散装置100での匂い拡散を制御するための匂い識別データに基づいて、ファン124を駆動制御してもよい。
【0030】
微調整部102bは、匂い識別データを微調整した微調整データを取得する。ここで、微調整部102bは、周囲センサ600にて検出された反応データを受信し、エッジAIアルゴリズムを用いて、匂い識別データを微調整した微調整データを取得してもよい。
【0031】
調整制御部102cは、吹出口部120からの匂い拡散を調整制御する。ここで、調整制御部102cは、微調整データに基づいて、吹出口部120からの匂い拡散を調整制御してもよい。
【0032】
[情報基盤装置200の構成]
図2において、情報基盤装置(情報プラットフォーム)200は、パーソナルコンピュータ、または、ワークステーション等の情報処理装置であってもよい。情報基盤装置200は、制御部202と記憶部206と入出力部212とを備えており、情報基盤装置200が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。情報基盤装置200は、ネットワーク300を介して、匂い拡散装置100および周囲センサ600と相互に通信可能に接続されている。
【0033】
入出力部212は、データの入出力(I/O)を行う機能を有していてもよい。ここで、入出力部212は、例えば、キー入力部、タッチパネル、コントロールパッド(例えば、タッチパッド、および、ゲームパッド等)、マウス、キーボード、および/または、音声認証に利用可能なマイク等であってもよい。また、入出力部212は、アプリケーション等の(入出力)情報を表示する表示部(例えば、液晶または有機EL等から構成されるディスプレイ、モニタ、および/または、タッチパネル等)であってもよい。また、入出力部212は、音声情報を音声として出力する音声出力部(例えば、スピーカ等)であってもよい。また、入出力部212は、指紋センサ、および/または、静脈センサ等の生体センサであってもよい。
【0034】
記憶部206には、各種のデータベース、テーブル、および/または、ファイルなどが格納される。記憶部206には、OSと協働してCPUに命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部206は、RAM、ROM、HDD、および/または、SSD等のストレージ手段であり、各種のデータベースやテーブルを格納する。記憶部206は、機能概念的に、プロファイルデータベース206aと履歴データベース206bとを備えている。
【0035】
プロファイルデータベース206aは、ユーザのユーザプロファイルを記憶する。ここで、ユーザプロファイルは、ユーザの興味データ、および/または、個人データ等を含んでいてもよい。また、プロファイルデータベース206aは、ユーザのライフイベントデータを記憶していてもよい。
【0036】
履歴データベース206bは、各ユーザの匂いに対する反応の履歴データを記憶する。ここで、履歴データは、マルチメディアコンテンツ(例えば、写真、ビデオおよび/または音声等)に対する反応データの履歴であってもよい。例えば、履歴データは、気分の高まる反応を見せたマルチメディアコンテンツ、過去に取得された匂い識別データおよび刺激に対する反応データの履歴、ならびに/または、心理社会介入を目的としたデジタルソフトウェアからの取得された過去の履歴データ等を含んでいてもよい。
【0037】
制御部202は、情報基盤装置200を統括的に制御するCPU等である。制御部202は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部202は、機能概念的に、匂い識別取得部202aと拡散制御部202bと履歴更新部202cとを備えている。
【0038】
匂い識別取得部202aは、匂い拡散装置100での匂い拡散を制御するための匂い識別データを取得する。ここで、匂い識別取得部202aは、ユーザプロファイル、および、履歴データに基づいて、匂い拡散装置100での匂い拡散を制御するための匂い識別データを取得してもよい。また、匂い識別取得部202aは、ユーザプロファイル、および、履歴データを教師データとして機械学習を実行することで、匂い拡散装置100での匂い拡散を制御するための匂い識別データを取得してもよい。また、匂い識別データは、匂いを構成する匂い要素毎の匂い拡散のタイミング、匂い要素毎の散布強度、匂い要素毎の拡散時間、および、匂い要素の構成比率(組み合わせ)が設定されていてもよい。ここで、散布強度は、匂い拡散装置100における匂い拡散時のファンスピードであってもよい。また、匂い識別取得部202aは、ユーザプロファイル、ライフイベントデータ、および、履歴データに基づいて、匂い拡散装置100での匂い拡散を制御するための匂い識別データを取得してもよい。
【0039】
拡散制御部202bは、匂い拡散装置100における匂い識別データに基づく匂い拡散を実行させる。ここで、拡散制御部202bは、匂い識別データを匂い拡散装置100に送信することで、匂い拡散装置100における当該匂い識別データに基づく匂い拡散を実行させてもよい。
【0040】
履歴更新部202cは、履歴データを更新する。ここで、履歴更新部202cは、周囲センサ600にて検出されたユーザの匂いに対する反応データを受信し、当該反応データに基づいて、履歴データを更新してもよい。
【0041】
[3.匂い拡散システムの処理]
本実施形態に係る匂い拡散システムの処理の一例について、図3から図21を参照して説明する。図3は、本実施形態における匂い拡散システムの処理の一例を示すフローチャートである。
【0042】
図3に示すように、情報基盤装置200の匂い識別取得部202aは、プロファイルデータベース206aに記憶されたユーザプロファイルおよびライフイベントデータ、ならびに、履歴データベース206bに記憶された履歴データを教師データとして機械学習を実行することで、匂いを構成する匂い要素毎の匂い拡散のタイミング、匂い要素毎の匂い拡散装置100における匂い拡散時のファンスピード、匂い要素毎の拡散時間および匂い要素の構成比率が設定された、匂い拡散装置100での匂い拡散を制御するための匂い識別データを取得する(ステップSA-1)。
【0043】
そして、情報基盤装置200の拡散制御部202bは、匂い識別データを匂い拡散装置100に送信し、匂い拡散装置100の駆動制御部102aは、受信した匂い識別データに基づいて、ファン124を駆動制御することで、吹出口部120からの匂い識別データに基づく匂い拡散を実行する(ステップSA-2)。
【0044】
そして、周囲センサ600は、ユーザの匂いに対する反応データを検出し、当該反応データを情報基盤装置200および匂い拡散装置100に送信する(ステップSA-3)。
【0045】
そして、匂い拡散装置100の微調整部102bは、周囲センサ600から受信した反応データに基づいて、エッジAIアルゴリズムを用いて、匂い識別データを微調整した微調整データを取得する(ステップSA-4)。
【0046】
そして、匂い拡散装置100の調整制御部102cは、微調整データに基づいて、吹出口部120からの匂い拡散を調整制御する(ステップSA-5)。
【0047】
そして、情報基盤装置200の履歴更新部202cは、周囲センサ600にて検出された反応データを受信し、当該反応データに基づいて、履歴データベース206bに記憶された履歴データを更新し(ステップSA-6)、処理を終了する。
【0048】
ここで、図4から図7を参照して、本実施形態における匂い拡散処理の具体例について説明する。図4から図6は、本実施形態における匂い拡散処理の一例を示す図である。図7は、本実施形態におけるフィードバック制御の一例を示す図である。
【0049】
図4に示すように、本実施形態においては、(0)情報プラットフォーム200に記憶されたユーザプロファイル、ライフイベントデータ、履歴データおよびアプリケーションログに基づいて、(1)最適な匂い識別データ(個別匂い指紋)算出用機械学習により取得された個別匂い指紋が匂い拡散装置100に送信され、(2)送信された個別匂い指紋が匂い拡散装置100にあるエッジAIアルゴリズムにより微調整されて、最終的な拡散速度、匂いのタイミングおよび持続時間等が設定された個別匂い指紋が計算され、(3)当該個別匂い指紋に基づいて、匂い拡散装置100からターゲットに対し匂いが拡散される。そして、図4に示すように、本実施形態においては、(4)匂い拡散後に、周囲センサ600によって検出されたデータが個別匂い指紋への反応データとして収集され、収集された反応データが情報プラットフォーム200に送信され、(5)情報プラットフォーム200に保存される。更に、図4に示すように、本実施形態においては、(6)反応データに基づいて、自動的に強化フィードバックサイクルの中で、匂い拡散装置100にて自動的に個別匂い指紋の計算がされ、微調整された匂いが拡散されることで、ターゲットの気分の高揚が改善される。このように、本実施形態においては、AIアルゴリズムがこれらパーソナライズされた匂い識別データの作成のために使用されてもよい。
【0050】
また、図5に示すように、本実施形態においては、情報プラットフォーム200に実装されたAIによりユーザプロファイル、ライフイベントデータ、アプリケーションログおよび履歴データを教師データとして個別匂い指紋(PSF:Personalized Smell Fingerprint)モデル訓練が実行され(ステップSB-1)、PSFモデルが構築され(ステップSB-2)、当該PSFモデルを使って初期PSFが算出される(ステップSB-3)。そして、図6に示すように、本実施形態においては、情報プラットフォーム200から匂い拡散装置100にPSFが送信され(ステップSB-4)、匂い拡散装置100にてPSFに基づく匂いが放出される(ステップSB-5)。そして、図6に示すように、本実施形態においては、周囲センサ600にてPSFに基づく匂いに対する反応(気分高揚効果)が記録され(ステップSB-6)、周囲センサ600から匂い拡散装置100への匂いミックス微調整のためのPSFモデルの短期フィードバックがされ、且つ、周囲センサ600から情報プラットフォーム200へのPSFモデル再訓練および改良のためのフィードバックがされる。このように、本実施形態においては、反応データに基づいて、強化フィードバックサイクルの中でAIによる個別の匂い識別データの適応・計算が実行されることで、ヒトの気分が改善され、且つ、反応データが情報プラットフォーム200に蓄積される。
【0051】
また、図6に示すように、本実施形態においては、(1)情報プラットフォーム200内でユーザXの匂い識別データ(匂い識別信号)が匂い拡散ドライバに送信され、(2)匂い拡散ドライバにより(プライベート/パブリック)ネットワーク300を介して匂い識別信号が送信され、(3)匂い拡散装置100にて受信された匂い識別信号に基づいて、匂い拡散装置100の制御基板に実装されたエッジAIアルゴリズムにより匂い識別信号が微調整され、(4)微調整後の匂い識別信号に基づく匂いの拡散速度、匂いのタイミングおよび匂いの持続時間に基づいて、特定の匂いビーズ/匂いカートリッジに対応するファン124の速度および作動時間が制御され、ユーザXに向けた匂い放出により、匂いが拡散される。
【0052】
ここで、図7に示すように、本実施形態においては、初期PSFとして、コーヒーの匂いについて駆動25秒後を開始時間とし、駆動5分後を終了時間とし、15%のファンスピードとし、クッキーの匂いについて駆動25秒後を開始時間とし、駆動5分後を終了時間とし、55%のファンスピードとし、タバコの匂いについて駆動2分後を開始時間とし、駆動10分後を終了時間とし、25%のファンスピードとし、リンゴの匂いについて駆動5分後を開始時間とし、駆動10分後を終了時間とし、5%のファンスピードとして設定された初期PSFによる匂い放出に対するターゲットユーザの反応が計測され、AIによりPSFが更新され、コーヒーの匂いについて駆動10分後を開始時間とし、駆動20分後を終了時間とし、2%のファンスピードとし、クッキーの匂いについて駆動10秒後を開始時間とし、駆動20分後を終了時間とし、2%のファンスピードとし、タバコの匂いについて駆動10分後を開始時間とし、駆動20分後を終了時間とし、65%のファンスピードとし、リンゴの匂いについて駆動10分後を開始時間とし、駆動20分後を終了時間とし、40%のファンスピードとして設定された更新PSFによる匂い放出に対するターゲットユーザの反応が計測され、AIによりPSFが再度更新されるフィードバック制御が実行されてもよい。
【0053】
また、図8から図21を参照して、本実施形態における匂い拡散装置100の一例について説明する。図8は、本実施形態における匂い拡散装置100の一例を示す平面正面斜視図である。図9は、本実施形態における匂い拡散装置100の一例を示す平面背面斜視図である。図10は、本実施形態における匂い拡散装置100の一例を示す底面平面斜視図である。図11は、本実施形態における匂い拡散装置100の一例を示す平面図である。図12は、本実施形態における匂い拡散装置100の一例を示す底面図である。図13は、本実施形態における匂い拡散装置100の一例を示す正面図である。図14は、本実施形態における匂い拡散装置100の一例を示す背面図である。図15は、本実施形態における匂い拡散装置100の一例を示す右側面図である。図16は、本実施形態における匂い拡散装置100の一例を示す左側面図である。図17は、本実施形態における匂い拡散装置100の一例を示す平面正面斜視図である。図18は、本実施形態における匂い拡散装置100の一例を示す底面正面斜視図である。図19は、本実施形態における匂い拡散装置100の一例を示す底面図である。図20は、本実施形態における制御基板の一例を示す図である。図21は、本実施形態における制御基板の一例を示す図である。
【0054】
図8図9図11および図17に示すように、本実施形態における匂い拡散装置100は、匂いビーズの吹出口部120から、ファン124によって空気を送り出し香りを拡散するディフューザである。ここで、図17に示すように、本実施形態における匂い拡散装置100の吹出口部120は、取り外し可能で、それを取り外すことにより、容易に投入口部122において匂ビーズの投入および抜去をすることができる。また、図8図9図11および図17に示すように、本実施形態における匂い拡散装置100は、吹出口部120を4つ備え、各所に電動のファン124が取り付けられ、これらが独立して稼働可能であり、各ファン124から出る風量を制御して香りの拡散の度合いを制御している。これにより、本実施形態における匂い拡散システムにおいては、香りの混合、ならびに、香りの強さのコントールが行われる。
【0055】
また、図8から図10および図15から図18に示すように、本実施形態における匂い拡散装置100の側面には、吸気口部126が設置されていることにより、ファン124による送風がスムーズに行われると共に、これにより匂い拡散装置100内部の熱の排出も合わせて行われる。また、図9図11図12図14から図16および図19に示すように、本実施形態における匂い拡散装置100は、リチウム電池で稼働し、本体側面にある電源ボタン部128により電源のON/OFFがされる。また、図10図18および図19に示すように、本実施形態における匂い拡散装置100は、底面から本体カバー132を外すことにより、電池格納部130でのリチウム電池の格納・取り出しが可能であり、取り出されたリチウム電池が匂い拡散装置100と別の充電装置にて充電される。
【0056】
更に、本実施形態における匂い拡散装置100は、カメラおよび/または環境センサ等の周囲センサ600が取り付けられていてもよく、周囲センサ600により実地環境の計測が行われ、香りの拡散の度合い、および、利用者の状態が取得され、次の拡散へのフィードバックが迅速に行われるようにしてもよい。
【0057】
また、図20および図21に示すように、本実施形態における匂い拡散装置100には、(ディフューザ)制御基板が取り付けられており、制御基板には、マイクロコンピュータ部102、および、PWMファン制御部102a(PWMファンコントローラ回路)が備えられ、マイクロコンピュータ部102は、外部との通信により制御信号を受け取りファン124の制御を行い、PWMファン制御部102aは、マイクロコンピュータ部102から入力されたPWM信号をパワーMOSFETに接続することで、出力電圧を制御することにより、ファン124の風量を制御している。
【0058】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0059】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0060】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0061】
また、匂い拡散装置100および情報基盤装置200等に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0062】
例えば、匂い拡散装置100および情報基盤装置200等が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて匂い拡散装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0063】
また、このコンピュータプログラムは、匂い拡散装置100および情報基盤装置200等に対して任意のネットワーク300を介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0064】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0065】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0066】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0067】
また、情報基盤装置200等は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、情報基盤装置200等は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0068】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、情報技術、ならびに、医療機器および芳香器等の機械製造等の様々な分野において有用である。
【符号の説明】
【0070】
100 匂い拡散装置
102 制御部
102a 駆動制御部
102b 微調整部
102c 調整制御部
106 記憶部
120 吹出口部
122 投入口部
124 ファン
126 吸気口部
128 電源ボタン部
130 電池格納部
132 本体カバー
200 情報基盤装置
202 制御部
202a 匂い識別取得部
202b 拡散制御部
202c 履歴更新部
206 記憶部
206a プロファイルデータベース
206b 履歴データベース
212 入出力部
300 ネットワーク
600 周囲センサ
図1
図2
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