(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023104779
(43)【公開日】2023-07-28
(54)【発明の名称】コネクタ及び電子機器
(51)【国際特許分類】
H01R 12/73 20110101AFI20230721BHJP
【FI】
H01R12/73
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022005976
(22)【出願日】2022-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100132045
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 伸
(74)【代理人】
【識別番号】100202326
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 大佑
(72)【発明者】
【氏名】堀野 慎太郎
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AA01
5E223AB01
5E223AB41
5E223AB43
5E223AC23
5E223BA01
5E223BA07
5E223BA08
5E223BB01
5E223BB12
5E223CB22
5E223CB31
5E223CB38
5E223CD01
5E223CD02
5E223DA05
5E223DB08
5E223DB11
5E223DB25
5E223DB33
5E223DB36
5E223EA03
5E223EC02
5E223EC31
(57)【要約】
【課題】小型低背化された状態であっても接続対象物との接触信頼性及び作業性を両立することができるコネクタを提供する。
【解決手段】本開示に係るコネクタ10は、外周を形成する外周壁23を有するインシュレータ20と、外周壁23に取り付けられている第1金具40bと、を備え、第1金具40bは、外周壁23に沿って配置されている基部42bと、基部42bから外周壁23の内側に延出する第1延出部49b1と、第1延出部49b1と異なる位置から外周壁23の内側に延出し、互いに対向する一対の第2延出部49b2と、を有し、第1延出部49b1は、嵌合状態で接続対象物50の第2金具80と接触して外周壁23に向けて弾性変形し、第2延出部49b2は、嵌合状態で第2金具80と係合する係合部49b3を有する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続対象物と嵌合するコネクタであって、
前記コネクタの外周を形成する外周壁を有するインシュレータと、
前記外周壁に取り付けられている第1金具と、
を備え、
前記第1金具は、
前記外周壁に沿って配置されている基部と、
前記基部から前記外周壁の内側に延出する第1延出部と、
前記基部において前記第1延出部と異なる位置から前記外周壁の内側に延出し、互いに対向する一対の第2延出部と、
を有し、
前記第1延出部は、前記接続対象物と前記コネクタとが互いに嵌合した嵌合状態で前記接続対象物の第2金具と接触して前記外周壁に向けて弾性変形し、
前記第2延出部は、前記嵌合状態で前記第2金具と係合する係合部を有する、
コネクタ。
【請求項2】
前記外周壁は、長手壁と短手壁とを有し、
前記第1延出部及び前記第2延出部は、前記長手壁に位置する、
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記第1延出部と前記第2延出部とは、互いに隣接する、
請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記第1延出部は、前記長手壁において前記第2延出部よりも前記短手壁側に位置する、
請求項2又は3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記インシュレータは、前記外周壁に囲まれる嵌合凸部を有し、
前記第2延出部は、前記嵌合凸部と対向する、
請求項2乃至4のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記第1延出部は、前記長手壁に沿って前記第2延出部よりも幅広である、
請求項2乃至5のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記インシュレータは、前記第1延出部において前記外周壁側を向く表面が前記嵌合状態で接触する被接触部を有する、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記被接触部は、前記接続対象物と前記コネクタとの嵌合側に対して前記嵌合側と反対側で前記外周壁のより内側に形成されている、
請求項7に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記被接触部は、前記外周壁において前記嵌合側と反対側に向かうにつれて前記外周壁の内側に傾斜する傾斜面を有する、
請求項8に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記第1延出部において前記被接触部と接触する角部は、R形状を有する、
請求項7乃至9のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記係合部は、前記第2延出部の表面において前記外周壁と反対側に突出する凸部を有する、
請求項1乃至10のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項12】
前記接続対象物と前記コネクタとの嵌合方向で前記凸部の突出方向の先端と同一位置にある前記第1延出部の部分は、非嵌合状態で前記先端よりも前記外周壁と反対側に位置し、前記嵌合状態で前記先端よりも前記外周壁側に位置する、
請求項11に記載のコネクタ。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか1項に記載のコネクタを備える電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタ及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、互いに異なる回路基板に実装され、これらの回路基板を電気的に接続するためのコネクタ及び接続対象物を含むコネクタモジュールに関する技術が広く知られている。例えば、特許文献1には、回路基板に搭載されたリセプタクルコネクタが開示されている。このようなリセプタクルコネクタは、相手側のコネクタとの着脱をスムーズに行うことができると共に、繰り返し着脱しても劣化が生じにくく安定した接触が得られるタブ端子を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、スマートフォンを初めとするモバイル機器などの電子機器に対して軽薄短小化が要求されている。これに伴い、このような電子機器の内部に搭載されるコネクタに対しても小型低背化が要求されている。例えば、特許文献1に記載のようなリセプタクルコネクタが低背化すると、ハウジングの外周壁に取り付けられている金具から外周壁の内側に延出する弾性接触片の長さが短くなる。弾性接触片が短小化すると弾性接触片のばね弾性が低下する。すなわち、弾性接触片は、弾性変形しにくくなる。
【0005】
一方で、このような弾性接触片の表面には、例えば嵌合作業時にクリック感を出すため、又は相手側のコネクタの金具と点接触させるために凸部が形成されることがある。弾性接触片にこのような凸部が形成されると、嵌合途中での弾性変形量が凸部の分だけ大きくなる。このような状態で、コネクタと接続対象物との間で嵌合及び抜去が繰り返し行われると、短小化してばね弾性が低下した弾性接触片は劣化しやすくなる。
【0006】
弾性接触片が劣化すると、弾性接触片から接続対象物へ加わる接圧が低下し、金具と接続対象物との間の接触信頼性が低下する。これにより、嵌合状態でのコネクタと接続対象物との間の導通性能及びコネクタによる接続対象物の保持力が低下する。その他にも、コネクタと接続対象物とが互いに嵌合するときのクリック感、及び嵌合状態でコネクタから接続対象物を抜去するときの抜去力が小さくなるといった問題が生じていた。すなわち、嵌合から抜去に至るまでの作業性が低下していた。
【0007】
このような問題点に鑑みてなされた本開示の目的は、小型低背化された状態であっても接続対象物との接触信頼性及び作業性を両立することができるコネクタ及び電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本開示の一実施形態に係るコネクタは、
接続対象物と嵌合するコネクタであって、
前記コネクタの外周を形成する外周壁を有するインシュレータと、
前記外周壁に取り付けられている第1金具と、
を備え、
前記第1金具は、
前記外周壁に沿って配置されている基部と、
前記基部から前記外周壁の内側に延出する第1延出部と、
前記基部において前記第1延出部と異なる位置から前記外周壁の内側に延出し、互いに対向する一対の第2延出部と、
を有し、
前記第1延出部は、前記接続対象物と前記コネクタとが互いに嵌合した嵌合状態で前記接続対象物の第2金具と接触して前記外周壁に向けて弾性変形し、
前記第2延出部は、前記嵌合状態で前記第2金具と係合する係合部を有する。
【0009】
上記課題を解決するために、本開示の一実施形態に係る電子機器は、
上記のコネクタを備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一実施形態に係るコネクタ及び電子機器によれば、小型低背化された状態であっても接続対象物との接触信頼性及び作業性を両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施形態に係るコネクタと接続対象物とが互いに接続されている状態のコネクタモジュールを上面視で示した外観斜視図である。
【
図2】一実施形態に係るコネクタと接続対象物とが互いに分離している状態のコネクタモジュールを上面視で示した外観斜視図である。
【
図3】
図1のコネクタ単体を上面視で示した外観斜視図である。
【
図4】
図3のコネクタを分解して上面視で示した外観斜視図である。
【
図5】
図3の一点鎖線囲み部Vを拡大して第1インシュレータのみを示した拡大図である。
【
図6】
図3の一点鎖線囲み部Vを拡大して示した拡大図である。
【
図7】
図6のコネクタを下面視で示した拡大図である。
【
図8】
図1の接続対象物単体を上面視で示した外観斜視図である。
【
図9】
図1のIX-IX矢線に沿った断面図である。
【
図11】
図1のXI-XI矢線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら本開示の一実施形態について詳細に説明する。以下の説明中の前後、左右、及び上下の方向は、図中の矢印の方向を基準とする。各矢印の方向は、
図1乃至
図7及び
図9乃至
図11において、異なる図面同士で互いに整合している。図面によっては、簡便な図示を目的として、後述する回路基板CB1及びCB2の図示を省略する。
【0013】
図1は、一実施形態に係るコネクタ10と接続対象物50とが互いに接続されている状態のコネクタモジュール1を上面視で示した外観斜視図である。
図2は、一実施形態に係るコネクタ10と接続対象物50とが互いに分離している状態のコネクタモジュール1を上面視で示した外観斜視図である。
【0014】
例えば
図2に示すとおり、コネクタモジュール1は、互いに接続可能なコネクタ10及び接続対象物50を有する。コネクタ10は、第1インシュレータ20と、第1インシュレータ20に取り付けられている第1コンタクト30と、を有する。コネクタ10は、第1インシュレータ20に取り付けられている第1金具40b及び第2金具40aを有する。
【0015】
接続対象物50は、コネクタ10と接続可能である。接続対象物50は、コネクタ10と接続対象物50とが接続する接続状態で第1インシュレータ20と嵌合する第2インシュレータ60を有する。接続対象物50は、第2インシュレータ60に取り付けられている第2コンタクト70を有する。第2コンタクト70は、第1インシュレータ20と第2インシュレータ60とが嵌合する嵌合状態で第1コンタクト30と接触する。接続対象物50は、第2インシュレータ60に取り付けられている第2金具80を有する。第2金具80は、嵌合状態で第1金具40bと接触する。このとき、第1金具40bは弾性変形する。
【0016】
以下では、例えば、一実施形態に係るコネクタ10はリセプタクルコネクタであり、接続対象物50はプラグコネクタであるとして説明する。すなわち、第1インシュレータ20と第2インシュレータ60とが互いに嵌合する嵌合状態において、第1コンタクト30が弾性変形するコネクタ10をリセプタクルコネクタとし、第2コンタクト70が弾性変形しない接続対象物50をプラグコネクタとして説明する。コネクタ10及び接続対象物50の種類は、これらに限定されない。例えば、コネクタ10がプラグコネクタの役割を果たし、接続対象物50がリセプタクルコネクタの役割を果たしてもよい。
【0017】
接続対象物50は、上記に限定されず、プラグコネクタ及びリセプタクルコネクタ以外の任意の対象物であってもよい。例えば、接続対象物50は、フレキシブルプリント回路基板(FPC)、フレキシブルフラットケーブル、リジッド基板、又は任意の回路基板のカードエッジであってもよい。
【0018】
以下では、コネクタ10及び接続対象物50は、回路基板CB1及びCB2にそれぞれ実装されるとして説明する。コネクタ10及び接続対象物50は、互いに接続されている接続状態で、回路基板CB1と回路基板CB2とを電気的に接続する。回路基板CB1及びCB2は、リジッド基板であってよいし、又はそれ以外の任意の回路基板であってもよい。例えば、回路基板CB1及びCB2の少なくとも一方は、FPCであってもよい。
【0019】
以下では、コネクタ10及び接続対象物50は、回路基板CB1及びCB2に対して垂直方向に互いに接続されるとして説明する。すなわち、コネクタ10及び接続対象物50は、一例として上下方向に沿って互いに接続される。接続方法は、これに限定されない。コネクタ10及び接続対象物50は、回路基板CB1及びCB2に対して平行方向に互いに接続されてもよいし、実装されている回路基板に対して一方が垂直方向となるように、かつ実装されている回路基板に対して他方が平行方向となるように、互いに接続されてもよい。
【0020】
本明細書において、「長手方向」は、一例として左右方向に対応する。「短手方向」は、一例として前後方向に対応する。「突出方向」は、一例として前後方向に対応する。「嵌合方向」は、一例として上下方向に対応する。「嵌合側」は、一例として上側に対応する。「嵌合側と反対側」は、一例として下側に対応する。「回路基板CB1側」は、一例として下側に対応する。
【0021】
図3は、
図1のコネクタ10単体を上面視で示した外観斜視図である。コネクタ10は、一例として、第1コンタクト30及び第1金具40bが第1インシュレータ20に圧入され、第2金具40aと第1インシュレータ20とがインサート成形により一体的に成形されることで得られる。
【0022】
図4は、
図3のコネクタ10を分解して上面視で示した外観斜視図である。実際には、第2金具40aと第1インシュレータ20とはインサート成形により一体的に成形されているが、
図4では理解を容易にするために、第1インシュレータ20と第2金具40aとを仮想的に分離してそれぞれ単体で示している。
【0023】
コネクタ10を構成する第1インシュレータ20は、絶縁性かつ耐熱性の合成樹脂材料によって形成されている。第1インシュレータ20は、左右方向に板状に延在する。第1インシュレータ20は、下部を構成する底板部21を有する。第1インシュレータ20は、底板部21の前後左右の中央部から上方に突出する嵌合凸部22を有する。第1インシュレータ20は、嵌合凸部22の周囲を囲む外周壁23を有する。外周壁23は、コネクタ10の外周を形成する。外周壁23は、前後左右の4方向から嵌合凸部22を囲む。外周壁23は、短手壁23aと長手壁23bとを有する。短手壁23aは、前後方向に延在する。長手壁23bは、左右方向に延在する。
【0024】
第1インシュレータ20は、長手壁23bの前後方向の内面、底板部21、及び嵌合凸部22の前後方向の内面にわたって形成されている第1コンタクト取付溝24を有する。第1コンタクト取付溝24には、第1コンタクト30が取り付けられる。第1コンタクト取付溝24は、第1コンタクト30の数に対応させて複数形成されている。複数の第1コンタクト取付溝24は、第1コンタクト30の配列方向に沿って配列されている。
【0025】
図5は、
図3の一点鎖線囲み部Vを拡大して第1インシュレータ20のみを示した拡大図である。
図5を参照しながら、第1インシュレータ20の第2金具保持部25及び第1金具取付部26の構成について詳細に説明する。
【0026】
第1インシュレータ20は、嵌合凸部22の左右方向の端部から底板部21を介して短手壁23aまで延在する第2金具保持部25を有する。第2金具保持部25は、嵌合凸部22の左右方向の端部において凹設されている第1部分251を有する。第2金具保持部25は、底板部21を貫通するように形成されている第2部分252を有する。第2金具保持部25は、短手壁23aの下面において凹設されている第3部分253を有する。第2金具保持部25には、第2金具40aが取り付けられる。第2金具保持部25は、左右方向に沿って嵌合凸部22と短手壁23aとを接続するように延在する。
【0027】
第1インシュレータ20は、長手壁23bの左右方向の端部及び短手壁23aにわたって形成されている第1金具取付部26を有する。第1金具取付部26には、第1金具40bが取り付けられる。
【0028】
第1金具取付部26は、短手壁23aの前後方向中央部に形成され、左右方向の外側に突出する第1壁部261を有する。第1壁部261の下面には、第2金具保持部25の第3部分253が凹設されている。第1金具取付部26は、第1インシュレータ20の角において短手壁23aから長手壁23bにわたって形成されている第2壁部262を有する。第1金具取付部26は、第2壁部262と左右方向に離間し、長手壁23bにおいて形成されている第3壁部263を有する。第1壁部261、第2壁部262、及び第3壁部263は、第1インシュレータ20において前後左右方向の矩形状の最外形を形成する。
【0029】
第1金具取付部26は、第1壁部261と第2壁部262との間に形成されている第1取付溝264を有する。第1金具取付部26は、第2壁部262と第3壁部263との間に形成されている第2取付溝265を有する。
【0030】
第1金具取付部26は、第3壁部263と短手壁23aとの間で左右方向に直線状に延在し、上下方向の高さが長手壁23bにおける他の部分よりも一段低くなる第4壁部266を有する。第1金具取付部26は、第4壁部266から外周壁23の内側に連続して形成されている被接触部267を有する。
【0031】
被接触部267は、接続対象物50とコネクタ10との嵌合側に対して嵌合側と反対側で外周壁23のより内側に形成されている。例えば、被接触部267は、第4壁部266、すなわち長手壁23bにおいて接続対象物50とコネクタ10との嵌合側と反対側に向かうにつれて外周壁23の内側に傾斜する傾斜面267aを有する。傾斜面267aを含む被接触部267は、短手壁23aから短手壁23aと第3壁部263との間の位置に至るまで第4壁部266に沿って左右方向に延在する。第1金具取付部26は、被接触部267と第3壁部263との間に形成されている凹部268を有する。
【0032】
第1コンタクト30は、例えば、ばね弾性を備えた、リン青銅、ベリリウム銅、若しくはチタン銅を含む銅合金又はコルソン系銅合金の薄板を順送金型(スタンピング)を用いて
図4に示す形状に成形加工したものである。第1コンタクト30の表面には、ニッケルめっきで下地を形成した後に、金又は錫などによるめっきが施されている。
【0033】
第1コンタクト30は、前後方向の外側にL字状に延出する実装部31を有する。第1コンタクト30は、実装部31の上端部から上方に向けて連続する係止部32を有する。係止部32は、実装部31よりも左右方向に幅広に形成されている。第1コンタクト30は、係止部32から上方に向けてU字状に突出する湾曲部33を有する。
【0034】
第1コンタクト30は、湾曲部33と連続し、S字状に形成されている弾性接触片34を有する。第1コンタクト30は、弾性接触片34の先端の屈曲部分において前後方向の外側に向いて形成されている弾性接触部35を有する。第1コンタクト30は、湾曲部33において弾性接触部35と前後方向に対向する位置に突設されている接触部36を有する。
【0035】
第2金具40aは、任意の金属材料の薄板を順送金型(スタンピング)を用いて
図4に示す形状に成形加工したものである。第2金具40aの加工方法は、抜き加工及び板厚方向への曲げ加工に基づく工程を含む。これに限定されず、第2金具40aは、後述する第1基部41aの前後左右方向及び上方向の各面が隙間なく連続するように絞り加工を含む工程により加工されてもよい。
【0036】
第2金具40aは、その全体形状がクランク状となるように形成されている。より具体的には、後述する爪部42a、第1基部41a、及び第2基部43aが、全体としてクランク状になるように一体的に形成されている。同様に、第1基部41a及び第2基部43aが、全体としてクランク状になるように一体的に形成されている。
【0037】
第2金具40aは、第1基部41aを有する。第1基部41aは、下方から上方に向けて直線状に延在し、その上端部において左右方向の一方側に向けて屈曲する。第1基部41aは、L字状に形成されている。第1基部41aは、後述する第2基部43aと爪部42aとを連結する。
【0038】
第2金具40aは、第1基部41aにおいて左右方向の一方側に延出する部分から左右方向の一方側にさらに延出する爪部42aを有する。爪部42aは、L字状に形成されている。例えば、爪部42aの先端42a1は、爪部42aの一方側の端部において下方に屈曲する。前後方向において、爪部42aは、第2金具40aの他の部分よりも幅狭である。例えば、爪部42aの前後方向の幅は、爪部42aと連続する第1基部41aの前後方向の幅よりも狭い。例えば、爪部42aの前後方向の幅は、後述する第2基部43a及び実装部44aのそれぞれの前後方向の幅よりも狭い。
【0039】
第2金具40aは、第1基部41aの下端部から左右方向の他方側に直線状に延出する第2基部43aを有する。第2基部43aの前後方向の幅は、第2基部43aと連続する第1基部41aの前後方向の幅と同一である。
【0040】
第2金具40aは、第2基部43aから前後方向に幅狭になるように左右方向の他方側に直線状に延出する実装部44aを有する。実装部44aは、第2基部43aから斜め下方に折れてから左右方向の他方側に直線状に延出する。実装部44aは、第2基部43aに対して一段下方に位置する。
【0041】
第1金具40bは、任意の金属材料の薄板を順送金型(スタンピング)を用いて
図4に示す形状に成形加工したものである。第1金具40bの加工方法は、抜き加工を行った後に板厚方向に屈曲させる工程を含む。これに限定されず、第1金具40bは、絞り加工を含む工程により加工されてもよい。
【0042】
第1金具40bは、前後方向に延在する第1基部41bを有する。第1金具40bは、第1基部41bの前後方向の両端部のそれぞれから左右方向の一方側に延出する第2基部42bを有する。第1金具40bは、第1基部41bの前部及び後部のそれぞれにおいて下方に直線状に延出する突出片43bを有する。前後方向に互いに離間する一対の突出片43bの対向する縁部と第1基部41bの下縁部とによって凹部が形成されている。第1金具40bは、突出片43bの下端に位置する第1実装部44bを有する。第1金具40bは、突出片43bにおいて他の部分よりも前後方向に幅広に形成されている第1係止部45bを有する。
【0043】
第1金具40bは、第1基部41bにおける左右方向の一方側の縁部で一対の第2基部42bの間に位置する部分の略全体から第1金具40bの内側に折れる折曲部46bを有する。
【0044】
第1金具40bは、第2基部42bにおいて前後方向外側の縁部から左右方向の略全体にわたり下方に向けて延出する第2係止部47bを有する。第2係止部47bは、第2基部42bよりも左右方向に幅広に形成されている。第1金具40bは、第2係止部47bの下端部において左右方向の略全体にわたり延在する第2実装部48bを有する。
【0045】
第1金具40bは、第2基部42bにおいて第2係止部47bと反対側の縁部から第1金具40bの内側に延出する第1延出部49b1を有する。第1延出部49b1は、第2基部42bの前後方向内側の縁部において左右方向の中央部から斜め下方に屈曲しながら延出する。第1延出部49b1は、第2係止部47bの上下方向の中央部に対応する位置まで延出する。第1延出部49b1は、上方から下方に向けて前後方向の内側に傾斜する。第1延出部49b1は、接続対象物50との接触による接圧が加わっていない自由状態から接圧が加わることで前後方向に沿って第2係止部47b側に弾性変形可能である。すなわち、第1延出部49b1は、ばね弾性を有する。
【0046】
第1金具40bは、第2基部42bにおいて第2係止部47bと反対側の縁部から第1金具40bの内側に延出する第2延出部49b2を有する。第2延出部49b2は、第2基部42bの前後方向内側の縁部において左右方向の一方側の端部から下方に屈曲しながら延出する。第2延出部49b2は、第1延出部49b1に対して左右方向の一方側で隣接する。第2延出部49b2は、第2係止部47bの上下方向の中央部に対応する位置まで延出する。第2延出部49b2は、上方から下方に向けて直線状に延出する。第2延出部49b2は、接続対象物50との接触による接圧が加わっていない自由状態から接圧が加わることで前後方向に沿って第2係止部47b側に若干弾性変形可能である。すなわち、第2延出部49b2は、ばね弾性を有する。ただし、第2延出部49b2は、第1延出部49b1よりも弾性変形しにくい。
【0047】
第1金具40bは、第2延出部49b2において第2係止部47bと反対側を向く前後方向の表面に形成されている係合部49b3を有する。係合部49b3は、第2延出部49b2の当該表面において第2係止部47bと反対側に突出する凸部を有する。
【0048】
図6は、
図3の一点鎖線囲み部Vを拡大して示した拡大図である。
図7は、
図6のコネクタ10を下面視で示した拡大図である。
【0049】
第1コンタクト30は、第1インシュレータ20の下方から圧入される。このとき、係止部32は、第1コンタクト取付溝24の左右方向の内壁面に係止する。これにより、第1コンタクト30は、第1コンタクト取付溝24に対して保持される。
【0050】
第1コンタクト30が第1インシュレータ20の第1コンタクト取付溝24に保持されると、弾性接触部35及び接触部36が嵌合凸部22と長手壁23bとの間で第1コンタクト取付溝24から露出する。このとき、弾性接触片34は、第1コンタクト取付溝24内において前後方向に弾性変形可能である。実装部31の前後方向の先端は、長手壁23bと略同一の前後位置にある。
【0051】
図6及び
図7にも示すとおり、第1金具40bと第2金具40aとは、互いに異なる部材である。すなわち、第1金具40bと第2金具40aとは、互いに分離している。第1金具40b及び第2金具40aは、互いに分離した状態で左右方向に対向する。第1金具40b及び第2金具40aの強度は、互いに異なる。すなわち、第1金具40b及び第2金具40aのうちの一方の強度は、他方の強度よりもさらに高い。例えば、第2金具40aの強度は、第1金具40bの強度よりもさらに高くてもよい。例えば、第2金具40aの材料の強度は、第1金具40bの材料の強度よりも高くてもよい。本明細書において、「強度」は、例えば引張強さを含む。
【0052】
第2金具40aの材料は、第1金具40bの材料と異なっていてもよい。例えば、第2金具40aの材料がステンレス鋼であり、第1金具40bの材料がリン青銅であってもよい。これに限定されず、第1金具40bの材料及び第2金具40aの材料は、第2金具40aの強度が第1金具40bの強度よりも高くなるような任意の組み合わせで候補となる材料群から選択されてもよい。本明細書において、「候補となる材料群」は、例えばステンレス鋼、リン青銅、鉄、コルソン銅、チタン銅、ベリリウム銅、及びアルミニウムなどを含む。
【0053】
第2金具40aの材料は、第2金具40aの強度が第1金具40bの強度よりも高くなるのであれば、第1金具40bの材料と同一であってもよい。例えば、第2金具40aの強度は、リン青銅などの同一の材料であっても、その合金番号、種類の記号、及び質別などが異なることで第1金具40bの強度よりも高くてもよい。例えば、第2金具40aの強度は、リン青銅などの同一の材料であっても、後述するとおり第2金具40aの板厚が第1金具40bの板厚よりも大きいことで第1金具40bの強度よりも高くてもよい。
【0054】
例えば、第1コンタクト30の強度は、第1金具40bの強度と略同一であってもよい。第2金具40aの強度は、第1金具40bに加えて第1コンタクト30の強度よりもさらに高くてもよい。第1金具40bの材料、第2金具40aの材料、及び第1コンタクト30の材料は、第1金具40b、第2金具40a、及び第1コンタクト30の間で以上のような強度関係が成立する任意の組み合わせで候補となる材料群から選択されてもよい。
【0055】
一対の第2金具40aは、コネクタ10の長手方向における嵌合凸部22の両端にそれぞれ取り付けられている。第2金具40aは、嵌合凸部22から第1金具40bが取り付けられている短手壁23aに至るまでコネクタ10の長手方向に沿って延在する。
【0056】
例えば、第2金具40aは、インサート成形により第1インシュレータ20の第2金具保持部25と一体的に成形される。このとき、第1基部41aは、嵌合凸部22の左右方向の端部においてその上面から側面にわたり嵌合凸部22と一体的に成形されている。例えば、第1基部41aは、第2金具保持部25の第1部分251と一体的に成形されている。第1基部41aは、嵌合凸部22の左右方向の端部全体を外側から覆う。
【0057】
爪部42aは、爪部42aの先端42a1が嵌合凸部22の内部に埋設されるように嵌合凸部22の上面側で嵌合凸部22と一体的に成形されている。爪部42aの上面は、第1インシュレータ20から露出する。例えば、爪部42aの上面は、嵌合凸部22の上面と同面である。これに限定されず、爪部42aの上面が、嵌合凸部22の上面よりも下方に位置してもよい。
【0058】
第2金具40aは、コネクタ10の長手方向に平行な配列方向に沿って配置されている複数の第1コンタクト30のうち配列方向の端に位置する一の第1コンタクト30と配列方向に沿って重なる。例えば、
図6に示すとおり、第2金具40aの爪部42aが、配列方向の端に位置する一の第1コンタクト30と配列方向に沿って重なる。例えば、爪部42aにおいて左右方向に延在する部分の一部の左右位置が、一の第1コンタクト30の左右位置と同一になる。
【0059】
第2金具40aの爪部42aの先端42a1は、配列方向において、一の第1コンタクト30に隣接する他の第1コンタクト30と一の第1コンタクト30との間に位置する。例えば、爪部42aにおいて左右方向に延在する部分の一部も、屈曲して上下方向に延在する先端42a1と共に、配列方向において、一の第1コンタクト30と他の第1コンタクト30との間に位置する。
【0060】
第2基部43aは、底板部21及び短手壁23aと一体的に成形されている。第2基部43aは、第2金具保持部25の第2部分252と一体的に成形されている。実装部44aは、第2金具保持部25の第3部分253と一体的に成形されている。この状態で、実装部44aの左右方向の先端は、短手壁23aの第1壁部261から左右方向の外側に露出する。
【0061】
第2金具40aと第1インシュレータ20とがインサート成形により一体的に成形されると、第2基部43aは、コネクタ10の長手方向に沿って延在する。第2基部43aは、嵌合凸部22から、第1金具40bが取り付けられている短手壁23aに至るまで延在する。実装部44aの下面は、第1インシュレータ20の底板部21の底面よりも一段下方に位置する。実装部44aは、左右方向において、短手壁23aの直下に位置する。
【0062】
例えば、第1金具40bは、第1インシュレータ20の上方から圧入される。第1金具40bは、前後方向に互いに離間する一対の突出片43bの対向する縁部と第1基部41bの下縁部とによって形成されている凹部が第1壁部261を挟み込むように外周壁23に取り付けられている。
【0063】
このとき、第1係止部45bは、短手壁23aの左右方向の外側で第1金具取付部26の第1壁部261に係止する。前後方向に互いに離間する一対の突出片43bは、第1取付溝264に取り付けられる。同様に、第2係止部47bは、長手壁23bの前後方向の外側で第1金具取付部26の第2壁部262及び第3壁部263に係止する。第2係止部47bは、第2取付溝265に取り付けられる。以上により、第1金具40bは、第1金具取付部26に対して保持される。
【0064】
第1金具40bの第1基部41b及び第2基部42bは、外周壁23に沿って配置されている。より具体的には、第1基部41bは、短手壁23aに沿って配置されている。第2基部42bは、長手壁23bに沿って配置されている。第1延出部49b1は、第2基部42bから外周壁23の内側に延出する。第2延出部49b2は、第2基部42bにおいて第1延出部49b1と異なる位置から外周壁23の内側に延出する。
【0065】
第1延出部49b1及び第2延出部49b2は、長手壁23bに位置する。第1延出部49b1と第2延出部49b2とは、長手壁23bに沿って左右方向に互いに隣接する。第1延出部49b1は、長手壁23bにおいて第2延出部49b2よりも短手壁23a側に位置する。すなわち、第1延出部49b1は、長手壁23bにおいて第2延出部49b2よりも左右方向の外側に位置する。
【0066】
第2延出部49b2は、第1インシュレータ20の嵌合凸部22と前後方向に対向する。すなわち、第2延出部49b2の少なくとも一部は、前後方向から見たときに嵌合凸部22の左右方向の端部と重なる。
図6では、一例として、第2延出部49b2の全体が、前後方向から見たときに嵌合凸部22の左右方向の端部と重なる。前後方向に沿って所定の間隔で離間する一対の長手壁23bに位置する一対の第2延出部49b2は、嵌合凸部22の左右方向の端部を介して前後方向に互いに対向する。一対の第2延出部49b2は、第1金具40bにおいて互いに同一の左右位置及び上下位置に形成されている。
【0067】
第2延出部49b2の係合部49b3に含まれる凸部は、第2延出部49b2の表面において外周壁23と反対側に突出する。一対の第2延出部49b2において互いに対向する一対の係合部49b3の凸部は、嵌合凸部22の左右方向の端部を介して前後方向に互いに対向する。一対の係合部49b3は、第1金具40bにおいて互いに同一の左右位置及び上下位置に形成されている。
【0068】
第1延出部49b1及び第2延出部49b2は、長手壁23bに沿って互いに略同一の幅で形成されている。第1延出部49b1の左右幅及び第2延出部49b2の左右幅は、互いに略同一である。第1延出部49b1の板厚及び第2延出部49b2の板厚は、互いに略同一である。
【0069】
第1金具40bは、第1インシュレータ20の第1金具取付部26に保持されると、短手壁23aの全体及び長手壁23bの左右方向の端部を覆う。このとき、第1金具40bは、第2金具40aの第2基部43aを、前後両側及び左右方向の外側から囲む。より具体的には、第1金具40bの第2基部42bが、第2金具40aの第2基部43aに対して前後両側に配置されている。第1金具40bの第1基部41b、突出片43b、及び折曲部46bが、第2金具40aの第2基部43aにおける左右方向の外端部及び実装部44aと左右方向に重なるように配置されている。
【0070】
第1実装部44bは、短手壁23aの左右方向の外面に沿って配置されている。第1実装部44bは、短手壁23aの下端部よりも下方に延出する。第1実装部44bは、コネクタ10の短手方向において第2金具40aの実装部44aの両側に配置されている。すなわち、一対の第1実装部44bは、第2金具40aの実装部44aを前後方向の両側から挟むように位置している。例えば、一対の第1実装部44bは、第2金具40aの実装部44aに対して前後方向に対称となる位置にそれぞれ配置されている。
【0071】
第2実装部48bは、長手壁23bの前後方向の外面に沿って配置されている。第2実装部48bは、長手壁23bの下端部よりも下方に延出する。第2実装部48bは、コネクタ10の短手方向において第2金具40aの両側に配置されている。すなわち、一対の第2実装部48bは、第2金具40aの第2基部43aを前後方向の両側から挟むように位置している。例えば、一対の第2実装部48bは、第2基部43aに対して前後方向に対称となる位置にそれぞれ配置されている。
【0072】
以上のような構造のコネクタ10では、回路基板CB1の実装面に形成された回路パターンに対して、第1コンタクト30の実装部31がはんだ付けされる。当該実装面に形成されたパターンに対して、第2金具40aの実装部44a並びに第1金具40bの第1実装部44b及び第2実装部48bがはんだ付けされる。以上により、各実装部が回路基板CB1に実装されることで、コネクタ10は、回路基板CB1に実装される。回路基板CB1の実装面には、例えば、CPU(Central Processing Unit)、コントローラ、及びメモリなどのコネクタ10とは別の電子部品が実装される。
【0073】
続いて、接続対象物50の構成について
図8を主に参照しながら説明する。
【0074】
図8は、
図1の接続対象物50単体を上面視で示した外観斜視図である。接続対象物50は、一例として、第2コンタクト70と第2インシュレータ60とがインサート成形により一体的に成形され、第2金具80が第2インシュレータ60に対して上方から圧入されることで得られる。
【0075】
第2インシュレータ60は、絶縁性かつ耐熱性の合成樹脂材料を射出成形した、左右方向に延在する板状部材である。第2インシュレータ60は、下部を構成する底板部61を有する。第2インシュレータ60は、底板部61の前後左右の外周に沿って上方に突出する環状の外周壁62を有する。外周壁62は、短手壁62aと長手壁62bとを有する。短手壁62aは、前後方向に延在する。長手壁62bは、左右方向に延在する。第2インシュレータ60は、外周壁62によって前後左右の4方向から囲まれる嵌合凹部63を有する。
【0076】
第2インシュレータ60は、長手壁62b及び底板部61にわたって形成されている第2コンタクト保持部64を有する。第2コンタクト保持部64には、第2コンタクト70が取り付けられる。第2インシュレータ60は、長手壁62bの左右方向の端部から短手壁62aにわたり形成されている金具保持部65を有する。金具保持部65には、第2金具80が取り付けられる。
【0077】
第2コンタクト70は、例えば、リン青銅、ベリリウム銅、若しくはチタン銅を含む銅合金又はコルソン系銅合金の薄板を順送金型(スタンピング)を用いて図に示す形状に成形加工したものである。第2コンタクト70の表面には、ニッケルめっきで下地を形成した後に、金又は錫などによるめっきが施されている。
【0078】
第2コンタクト70は、前後方向の外側にL字状に延出する実装部71を有する。第2コンタクト70は、実装部71から上方に向けてU字状に延出する湾曲部72を有する。第2コンタクト70は、湾曲部72の前後両側において前後方向の側面を含むように構成される一対の接触部73を有する。
【0079】
第2コンタクト70は、インサート成形により第2インシュレータ60の第2コンタクト保持部64と一体的に成形される。このとき、一対の接触部73は、長手壁62bの前後両側に沿ってそれぞれ配置されている。実装部71は、底板部61を貫通して前後方向の外側に延出する。実装部71の前後方向の先端は、長手壁62bよりも前後方向の外側に位置する。
【0080】
第2金具80は、任意の金属材料の薄板を順送金型(スタンピング)を用いて図に示す形状に成形加工したものである。第2金具80の加工方法は、抜き加工を行った後に板厚方向に屈曲させる工程を含む。
【0081】
第2金具80は、第2金具80において前後方向及び左右方向に沿った上面を含む基部81を有する。第2金具80は、基部81において前後方向に沿った部分の左右方向の外縁部から屈曲しながら下方に延出する第1実装部82を有する。第2金具80は、基部81において前後方向に沿った部分の左右方向の内縁部から屈曲しながら下方に延出する第1係止部83を有する。
【0082】
第2金具80は、基部81において左右方向に沿った部分の前後方向の外縁部から屈曲しながら下方に延出する第2係止部84を有する。第2金具80は、第2係止部84の前後方向の外面に突設されている凸部85を有する。第2金具80は、第2係止部84の下端に位置する第2実装部86を有する。第2金具80は、第1係止部83及び第2係止部84が第2インシュレータ60の金具保持部65に係止することで第2インシュレータ60に取り付けられている。
【0083】
以上のような構造の接続対象物50では、回路基板CB2の実装面に形成された回路パターンに対して、第2コンタクト70の実装部71がはんだ付けされる。当該実装面に形成されたパターンに対して、第2金具80の第1実装部82及び第2実装部86がはんだ付けされる。以上により、接続対象物50は、回路基板CB2に対して実装される。回路基板CB2の実装面には、例えば、通信モジュールなどの接続対象物50とは別の電子部品が実装される。
【0084】
図9乃至
図11を参照しながら、コネクタ10と接続対象物50とが接続し、第1インシュレータ20と第2インシュレータ60とが嵌合する嵌合状態でのコネクタモジュール1の構成について主に説明する。
図9は、
図1のIX-IX矢線に沿った断面図である。
【0085】
例えば、
図8に示す接続対象物50の上下方向の向きを逆にした状態で、コネクタ10と接続対象物50との前後位置及び左右位置を略一致させながら、互いを上下方向に対向させる。そして、接続対象物50を下方に移動させる。これにより、コネクタ10と接続対象物50とが互いに接続され、コネクタモジュール1の接続状態が得られる。このとき、第1インシュレータ20の嵌合凸部22と第2インシュレータ60の嵌合凹部63とが互いに嵌合する。コネクタ10は、接続対象物50と嵌合する。
【0086】
嵌合状態において、第1コンタクト30の弾性接触部35と第2コンタクト70の接触部73とが接触し、ばね弾性を有する弾性接触片34が前後方向の内側に弾性変形する。嵌合状態において、第1コンタクト30の接触部36と第2コンタクト70の接触部73とが接触する。第1コンタクト30と第2コンタクト70とは、弾性接触部35及び接触部73と接触部36及び接触部73とによって前後両側の2箇所で接触する。
【0087】
【0088】
嵌合状態において、第1金具40bの第1延出部49b1と第2金具80の第2係止部84とが接触する。このとき、ばね弾性を有する第1延出部49b1は、前後方向の外側に弾性変形する。すなわち、第1延出部49b1は、接続対象物50とコネクタ10とが互いに嵌合した嵌合状態で第2金具80と接触して第1インシュレータ20の外周壁23に向けて弾性変形する。第1金具40bと第2金具80とは、第1延出部49b1及び第2係止部84によって前後両側の2箇所で接触する。
【0089】
嵌合状態で第1延出部49b1が外周壁23に向けて弾性変形すると、第1インシュレータ20の被接触部267は、第1延出部49b1において外周壁23側を向く表面と接触する。より具体的には、被接触部267の傾斜面267aは、第1延出部49b1において外周壁23側を向く表面の下縁部と接触する。このように、第1延出部49b1の先端における外周壁23側の角部は、非嵌合状態で被接触部267の傾斜面267aと離間し、嵌合状態で被接触部267の傾斜面267aと接触する。
【0090】
接続対象物50の第2金具80は、外周壁23側に弾性変形した第1延出部49b1から外周壁23と反対側に向けた付勢力を受ける。外周壁23側に弾性変形して被接触部267と接触した第1延出部49b1は、被接触部267の傾斜面267aから抗力を受ける。このような付勢力と抗力とによって、第2金具80に対する第1金具40bの接圧が得られる。
【0091】
図10において二点鎖線で示すとおり、接続対象物50とコネクタ10との嵌合方向で第2延出部49b2の凸部の突出方向の先端と同一位置にある第1延出部49b1の部分Pは、接続対象物50とコネクタ10とが互いに嵌合していない非嵌合状態で凸部の突出方向の先端よりも外周壁23と反対側に位置する。すなわち、第1延出部49b1は、第1金具40bにおいて左右方向に沿った構成部の中で、非嵌合状態で前後方向の最も内側に位置する。
【0092】
一方で、第1延出部49b1の部分Pは、接続対象物50とコネクタ10とが互いに嵌合する嵌合状態で第2延出部49b2の凸部の突出方向の先端よりも外周壁23側に位置する。係合部49b3に含まれる凸部の突出方向の先端は、対応する上下位置にある第1延出部49b1の部分Pよりも第2金具80側に位置する。
【0093】
第2金具40aの第2基部43aの上面は、底板部21の上面と同面である。第2基部43aの上面は、底板部21の第2部分252から上方に露出する。第2基部43aの上面は、第2金具80の基部81と上下方向に若干離間しながら対向する。
【0094】
図11は、
図1のXI-XI矢線に沿った断面図である。
【0095】
第2延出部49b2の係合部49b3は、嵌合状態で第2金具80の凸部85と係合する。より具体的には、非嵌合状態から接続対象物50がコネクタ10に対して下方に移動すると、接続対象物50の凸部85が係合部49b3の凸部と嵌合側から接触する。接続対象物50がコネクタ10に対してさらに下方に移動すると、凸部85が係合部49b3の凸部と接触しながら下方へと移動する。このとき、第2延出部49b2は、係合部49b3の凸部と凸部85との前後方向の重なり幅だけ外周壁23側に向けて若干弾性変形する。第2延出部49b2の自由端は、外周壁23に向けて若干変位して、第1インシュレータ20の凹部268に受け入れられる。
【0096】
接続対象物50がコネクタ10に対してさらに下方に移動すると、凸部85が係合部49b3の凸部を乗り越えて、互いに非接触となる。このとき、第2延出部49b2は、外周壁23側に向けて弾性変形していない自由状態に戻る。第2延出部49b2の自由端は、非嵌合状態での位置と同一の位置に戻る。
【0097】
以上のように、係合部49b3と凸部85との係合とは、嵌合途中で互いに接触したのちに一方が他方を乗り越えて互いに係り合った状態を意味する。係合部49b3と凸部85との係合状態において、第2延出部49b2と第2金具80とは、互いに接触していなくてもよいし、接触していてもよい。
図11では一例として、第2係止部84及び凸部85を含む第2金具80と係合部49b3を含む第2延出部49b2とは、嵌合状態で互いに若干離間しており接触していない。
【0098】
図10及び
図11では、第2金具40aの板厚は、第1金具40bの板厚と略同一であるか、又は第1金具40bの板厚よりも小さい。これに限定されず、第2金具40aの板厚は、例えば第2金具40aと第1金具40bとが同一の材料により形成されるような場合であっても第2金具40aの強度が第1金具40bの強度よりも高くなるように、第1金具40bの板厚よりも大きくてもよい。
【0099】
以上のような一実施形態に係るコネクタ10によれば、小型低背化された状態であっても接続対象物50との接触信頼性及び作業性を両立することができる。例えば、小型低背化された状態であってもコネクタ10と接続対象物50との嵌合から抜去に至るまでの作業性が向上する。
【0100】
コネクタ10では、弾性変形する第1延出部49b1と係合部49b3を有する第2延出部49b2とが第1金具40bの基部において互いに異なる位置に形成されている。これにより、弾性接触片に凸部が一体的に形成されている従来のコネクタと比較して、第1延出部49b1の嵌合途中での弾性変形量が低減する。したがって、コネクタ10の小型低背化に伴って第1延出部49b1が短小化しばね弾性が低下していたとしても、コネクタ10と接続対象物50との間の嵌合及び抜去の繰り返しに伴う第1延出部49b1の劣化が抑制される。
【0101】
第1延出部49b1の劣化が抑制されることで、第1延出部49b1から接続対象物50へ加わる接圧がより長期的に維持される。これにより、嵌合状態でのコネクタ10と接続対象物50との間の導通性能及びコネクタ10による接続対象物50の保持力がより長期的に維持される。加えて、第1延出部49b1とは異なる位置に形成されている第2延出部49b2の係合部49b3によって、コネクタ10と接続対象物50とが互いに嵌合するときのクリック感、及び嵌合状態でコネクタ10から接続対象物50を抜去するときの抜去力もより長期的に維持される。すなわち、コネクタ10は、小型低背化された状態であっても、第1延出部49b1による保持力並びに第2延出部49b2の係合部49b3によるクリック感及び抜去力のより長期的な維持の両立を可能にする。
【0102】
コネクタ10では、第1延出部49b1及び第2延出部49b2が第1金具40bにおいて別体として形成されていることで、上記のクリック感及び抜去力を向上させるための第2延出部49b2及び係合部49b3の調整が容易となる。すなわち、第1金具40bから接続対象物50へ加える接圧に大きく依存することなく、クリック感及び抜去力のみを主に考慮しながら第2延出部49b2及び係合部49b3の調整が可能となる。
【0103】
コネクタ10では、第1延出部49b1及び第2延出部49b2が第1金具40bにおいて別体として形成されていることで、上記の接圧を向上させるための第1延出部49b1の調整が容易となる。すなわち、クリック感及び抜去力に大きく依存することなく、第1金具40bから接続対象物50へ加える接圧のみを主に考慮しながら第1延出部49b1の調整が可能となる。
【0104】
仮に、係合部49b3を有する第2延出部49b2が劣化しても、第2延出部49b2は、接続対象物50の第2金具80と接触していなくてもよいし、接触していてもよいので、第1金具40bから接続対象物50へ加える接圧に大きな影響を与えない。第2延出部49b2の状態に依存することなく、第1延出部49b1における接続対象物50の第2金具80との接触によりコネクタ10と接続対象物50との間の接触信頼性が維持される。したがって、このような接触信頼性と、クリック感及び抜去力に基づく作業性と、を両立することができる。
【0105】
第1延出部49b1及び第2延出部49b2が長手壁23bに位置することで、第1金具40bは、短手方向に接続対象物50を挟むことができる。したがって、第1金具40bは、長手方向に接続対象物50を挟むときよりも、接続対象物50をより安定して支持又は保持することができる。例えば、コネクタ10は、第1金具40bの第1延出部49b1及び第2延出部49b2が嵌合途中で接続対象物50を短手方向に挟みながら接続対象物50と接触することで、接続対象物50を安定して支持することができる。例えば、コネクタ10は、第1金具40bの第1延出部49b1が嵌合状態で接続対象物50を短手方向に挟みながら接続対象物50と接触することで、接続対象物50を安定して保持することができる。
【0106】
第1延出部49b1と第2延出部49b2とが互いに隣接することで、第1延出部49b1は、嵌合途中でクリック感を与える第2延出部49b2の係合部49b3の隣で接続対象物50を支持することができる。コネクタ10は、嵌合途中において、第2延出部49b2の隣で第1延出部49b1が接続対象物50を支持しながら第2延出部49b2によりクリック感を安定して与えることができる。
【0107】
第1延出部49b1は、長手壁23bにおいて第2延出部49b2よりも短手壁23a側に位置する。これにより、例えば、接続対象物50をコネクタ10に嵌合させるときに接続対象物50がコネクタ10に対して上下方向に垂直な水平面内で若干斜めに傾いていたとしても、第1延出部49b1が接続対象物50に最初に接触することが可能となる。したがって、第1延出部49b1は、ガイドのように機能して、接続対象物50を外周壁23の内部の正しい位置に誘い込むことができる。すなわち、コネクタ10に対する接続対象物50の嵌合の正確性及び作業性が向上する。
【0108】
加えて、接続対象物50をコネクタ10に嵌合させるときに、第2延出部49b2に形成されている係合部49b3の凸部が接続対象物50に最初に接触しないので、係合部49b3の凸部の破損が抑制される。すなわち、第1延出部49b1による係合部49b3の凸部に対する保護効果も得られる。
【0109】
第2延出部49b2が嵌合凸部22と対向することで、第1延出部49b1及び第2延出部49b2が配置されている長手壁23bの左右方向の長さが短縮化可能である。コネクタ10のように第1延出部49b1及び第2延出部49b2を含む2つの延出部が長手壁23bに配置されているような場合、長手壁23bがコネクタ10の長手方向に沿って長くなる傾向にある。このような場合であっても、コネクタ10では、2つの延出部のうちの少なくとも1つを嵌合凸部22と長手方向に重ねることで、長手方向の長さが短縮化可能である。
【0110】
第1インシュレータ20が被接触部267を有することで、嵌合状態で外周壁23に向けて弾性変形した第1延出部49b1は、被接触部267と接触する。これにより、外周壁23側に弾性変形した第1延出部49b1から生じる外周壁23と反対側に向けた付勢力と、外周壁23側に弾性変形して被接触部267と接触した第1延出部49b1が受ける抗力と、によって第2金具80に対する第1金具40bの接圧が増大する。すなわち、コネクタ10は、接続対象物50をより強固に保持することができる。
【0111】
被接触部267は、傾斜面267aを有することで、底板部21に対して垂直な平面として形成されている場合と比較して、外周壁23側に弾性変形する第1延出部49b1と嵌合途中のより早い段階で接触することができる。これにより、コネクタ10は、接続対象物50の保持に関する上述した効果をより顕著に奏する。
【0112】
コネクタ10は、係合部49b3が凸部を有することで、接続対象物50と嵌合するときに接続対象物50の第2金具80の凸部85と係合部49b3の凸部において係合して、クリック感を向上させることができる。加えて、コネクタ10は、嵌合状態でコネクタ10から接続対象物50を抜去するときの抜去力を向上させることもできる。
【0113】
コネクタ10では、嵌合方向で係合部49b3の凸部の突出方向の先端と同一位置にある第1延出部49b1の部分Pは、非嵌合状態で当該先端よりも外周壁23と反対側に位置し、嵌合状態で当該先端よりも外周壁23側に位置する。これにより、例えば、接続対象物50をコネクタ10に嵌合させるときに接続対象物50がコネクタ10に対して上下方向に垂直な水平面内で若干斜めに傾いていたとしても、第1延出部49b1が接続対象物50に最初に接触することが可能となる。したがって、第1延出部49b1は、ガイドのように機能して、接続対象物50を外周壁23の内部の正しい位置に誘い込むことができる。すなわち、コネクタ10に対する接続対象物50の嵌合の正確性及び作業性が向上する。
【0114】
加えて、接続対象物50をコネクタ10に嵌合させるときに、第2延出部49b2に形成されている係合部49b3の凸部が接続対象物50に最初に接触しないので、係合部49b3の凸部の破損が抑制される。すなわち、第1延出部49b1による係合部49b3の凸部に対する保護効果も得られる。
【0115】
コネクタ10では、嵌合凸部22に取り付けられている第2金具40aと外周壁23に取り付けられている第1金具40bとが互いに異なる部材である。これにより、金具が一体的に形成されている従来技術と比較して、嵌合途中において、金具と接続対象物50との接触による影響が低減する。例えば、嵌合凸部22及び外周壁23の一方側で金具と接続対象物50とが互いに接触しても、当該接触による他方側への影響が抑制される。これにより、第1金具40b及び第2金具40aを含む金具の破損が抑制される。金具の破損が抑制されることで、金具が取り付けられている第1インシュレータ20の破損も抑制される。結果として、コネクタ10の製品としての信頼性が向上する。
【0116】
仮に、コネクタ10に対する接続対象物50の位置がずれている状態で嵌合が行われ、その途中で外周壁23側の第1金具40bに接続対象物50が接触して第1金具40b及び外周壁23が左右方向外側へ倒れるように変形しても、嵌合凸部22側への影響が抑制される。すなわち、第1金具40bと第2金具40aとが互いに異なる部材であることで、第2金具40aの変形が抑制される。仮に、嵌合途中で嵌合凸部22側の第2金具40aに接続対象物50が接触して第2金具40a及び嵌合凸部22が左右方向内側へ凹むように変形しても、外周壁23側への影響が抑制される。すなわち、第1金具40bと第2金具40aとが互いに異なる部材であることで、第1金具40bの変形が抑制される。このように嵌合凸部22及び外周壁23の一方側でそれぞれの金具が独立別個の挙動を示す。したがって、他方側への挙動の伝達が抑制される。結果として、金具全体で所望の機能が安定して発揮できるため、破損が抑制される。
【0117】
以上のように金具及び第1インシュレータ20の破損が抑制されることで、コネクタ10と接続対象物50との間で、嵌合途中及び嵌合後におけるコンタクトの配列方向、すなわちコネクタ10の長手方向への位置ずれが抑制される。これにより、第1コンタクト30及び第2コンタクト70同士の導通が本来の設計に従って正確に実現される。加えて、嵌合後におけるコネクタモジュール1のがたつきが抑制される。すなわち、コネクタ10及び接続対象物50の一方に対する他方の位置規制の機能が維持される。結果として、一方が他方から抜けにくくなり、コネクタモジュール1の製品としての信頼性が向上する。
【0118】
コネクタ10では、第1金具40bと第2金具40aとが互いに異なる部材であることで、第1金具40b及び第2金具40aのうちの一方の強度を他方の強度よりもさらに高くすることが可能となる。コネクタ10では、例えば嵌合凸部22及び外周壁23のような互いに異なる場所において異なる目的で取り付けられている第1金具40b及び第2金具40aに対して、その場所及び目的に適合した適切な強度で各金具を形成することが可能である。例えば、従来技術のように金具が一体的に形成されていると、嵌合凸部22及び外周壁23の一方側で金具の強度を低減せざるを得ないような場合に、他方側においても必然的に金具の強度が低下することとなる。
【0119】
例えば、嵌合凸部22に取り付けられている第2金具40aについては嵌合凸部22の堅牢性の向上が主な目的である。一方で、外周壁23に取り付けられている第1金具40bについては嵌合状態で第2金具80と接触させて導通を得ることを主な目的としている。当該目的のために、第1金具40bには弾性変形可能な第1延出部49b1が形成されている。
【0120】
したがって、第1金具40bは、ばね性が得られるような強度の材料によって形成される一方で、第2金具40aは、より強度の高い材料によって形成されることが好ましい。コネクタ10では、第1金具40b及び第2金具40aに対してそれぞれの目的に適合した適切な強度で各金具を形成可能である。例えば、従来技術のように金具が一体的に形成されていると、外周壁側に弾性変形可能な接触片が形成されることで金具全体の強度が必然的に低下することとなり、嵌合凸部の堅牢性も低下することとなる。
【0121】
第2金具40aの材料が第1金具40bの材料と異なることで、第1金具40b及び第2金具40aのうちの一方の強度が他方の強度よりも高くなるように各金具を容易に形成可能である。例えば、上述した第1金具40b及び第2金具40aに対する目的に合わせて各金具の材料を適切に選択することが可能となる。
【0122】
第2金具40aの材料の強度が第1金具40bの材料の強度よりも高いことで、第2金具40aが取り付けられている嵌合凸部22の堅牢性が向上する。したがって、第2金具40aが取り付けられている第1インシュレータ20の嵌合凸部22の破損が抑制される。結果として、コネクタ10の製品としての信頼性が向上する。
【0123】
第2金具40aの板厚が第1金具40bの板厚よりも大きいことで、仮に第1金具40bと第2金具40aとが同一の材料により形成されるような場合であっても第2金具40aの強度が第1金具40bの強度よりも高くなる。これにより、第2金具40aが取り付けられている嵌合凸部22の堅牢性が上記と同様に向上する。
【0124】
一対の第2金具40aがコネクタ10の長手方向における嵌合凸部22の両端にそれぞれ取り付けられていることで、嵌合凸部22の両端において嵌合凸部22の堅牢性が向上する。したがって、一対の第2金具40aが取り付けられている第1インシュレータ20の嵌合凸部22の破損がさらに抑制される。結果として、コネクタ10の製品としての信頼性がさらに向上する。
【0125】
コネクタ10では、第2金具40aが回路基板CB1に実装される実装部44aを有することで、第2金具40aの堅牢性が向上する。すなわち、第2金具40aに対して荷重がかかったとしても、その変形が抑制され、嵌合途中においてもコネクタ10の形状及び寸法精度が維持される。例えば、第2金具40aが取り付けられている嵌合凸部22の堅牢性が向上する。したがって、嵌合凸部22の変形などの破損が抑制され、上述したコネクタ10の長手方向への位置ずれ及びがたつきに関する効果が得られる。
【0126】
実装部44aが回路基板CB1側の底面を含むことで、第2金具40aに働く外力を実装部44aにおいて受け止めることができる。すなわち、実装部44aが回路基板CB1に実装されることで第2金具40aが回路基板CB1に対して固定され、第2金具40aに外力が働いたとしてもその衝撃が実装部44aにおいて吸収される。したがって、コネクタ10の長手方向に沿った第2金具40aの堅牢性が向上する。これにより、コネクタ10の長手方向に沿った嵌合凸部22の堅牢性も向上する。
【0127】
第2金具40aが、複数の第1コンタクト30のうち配列方向の端に位置する一の第1コンタクト30と配列方向に沿って重なることで、コネクタ10の長手方向の幅が短縮化される。これにより、コネクタモジュール1の長手方向の幅が短縮化され、コネクタモジュール1が小型化される。加えて、コネクタモジュール1が外力に対しても強くなる。
【0128】
第2金具40aの爪部42aの先端42a1は、配列方向において、一の第1コンタクト30と他の第1コンタクト30との間に位置する。これにより、爪部42aの任意の先端構造が、第1コンタクト取付溝24が形成されておらず第1インシュレータ20において肉厚が大きい部分に配置される。したがって、第1インシュレータ20に対する爪部42aの先端42a1の保持強度が向上する。これにより、第1インシュレータ20に対する第2金具40aの保持強度が向上する。一方で、爪部42aの任意の先端構造が第1インシュレータ20において肉厚が大きい部分に配置されることで、第1コンタクト取付溝24が形成されている部分と重なるように爪部42aの先端構造が配置される場合と比較して、第1インシュレータ20の嵌合凸部22の剛性の低下が抑制される。
【0129】
爪部42aがL字状に形成され、爪部42aの先端42a1が嵌合凸部22の内部に埋設されていることで、爪部42aの捲れが抑制される。したがって、第1インシュレータ20に対する爪部42aの保持強度が向上する。これにより、第1インシュレータ20に対する第2金具40aの保持強度が向上する。
【0130】
第1基部41a及び第2基部43aが全体としてクランク状になるように一体的に形成されていることで、嵌合凸部22の端部及び底板部21の形状に沿って第2金具40aの全体が第1インシュレータ20と一体化される。したがって、第1インシュレータ20に対する第2金具40aの保持強度が向上する。
【0131】
コネクタ10の短手方向において、爪部42aが第2金具40aの他の部分よりも幅狭であることで、爪部42aと一体化している箇所において第1インシュレータ20の肉厚が増大する。例えば、爪部42aが配列方向の端に位置する一の第1コンタクト30と配列方向に沿って重なり、第1コンタクト取付溝24が対応する箇所に形成されていたとしても、爪部42aが幅狭に形成されていることで、第1インシュレータ20の強度が維持される。結果として、コネクタ10の堅牢性が向上する。
【0132】
第2金具40aの第2基部43aが、嵌合凸部22から第1金具40bが取り付けられている短手壁23aに至るまでコネクタ10の長手方向に沿って延在することで、コネクタ10の長手方向に沿った第2金具40aの堅牢性が向上する。これにより、コネクタ10の長手方向に沿った嵌合凸部22の堅牢性も向上する。加えて、コネクタ10の長手方向に互いに離間する短手壁23aと嵌合凸部22との間で上記と同様の効果が得られる。すなわち、嵌合凸部22及び短手壁23aの一方側で金具と接続対象物50とが互いに接触しても、当該接触による他方側への影響が抑制される。
【0133】
第1金具40bの第1実装部44bは、コネクタ10の短手方向において第2金具40aの両側に配置されている。第1金具40bの第2実装部48bは、コネクタ10の短手方向において第2金具40aの両側に配置されている。以上により、第1金具40bの回路基板CB1に対する実装強度が向上する。これにより、第1金具40b及び短手壁23aの左右方向に沿った堅牢性が向上する。
【0134】
一対の第1実装部44bが、実装部44aと略同一の左右位置に配置されていることで、3つの実装部が前後方向に沿った直線上に位置する。これにより、回路基板CB1に対するコネクタ10の実装強度が向上する。例えば、接続対象物50がコネクタ10に対して上下方向を軸として所定の角度でずれた状態で嵌合が行われたとしても、回路基板CB1に対するコネクタ10の実装が維持される。同様に、嵌合後においてコネクタ10が実装されている回路基板CB1が回転したとしても、回路基板CB1に対するコネクタ10の実装が維持される。したがって、回路基板CB1に実装されているコネクタ10の堅牢性が向上する。
【0135】
第1金具40bの一部が第2金具40aの第2基部43aに対してコネクタ10の短手方向の両側に配置されていることで、第1インシュレータ20に対する第1金具40bの取付領域が増大する。したがって、第1インシュレータ20に対する第1金具40bの取付強度が向上する。
【0136】
一対の第1金具40bが一対の短手壁23aにそれぞれ取り付けられていることで、外周壁23の左右方向の両端において短手壁23aの堅牢性が向上する。したがって、一対の第1金具40bが取り付けられている第1インシュレータ20の短手壁23aの破損がさらに抑制される。結果として、コネクタ10の製品としての信頼性がさらに向上する。
【0137】
第1金具40bは、嵌合状態で第2金具80と接触する弾性変形可能な第1延出部49b1を有することで、第1延出部49b1における弾性力により第2金具80との接続状態を安定的に維持することが可能である。したがって、第1金具40bと第2金具80との導通が嵌合状態で安定的に維持される。
【0138】
第1金具40b及び第2金具40aが互いに分離した状態で左右方向に対向することで、コネクタ10と接続対象物50とが互いに嵌合する嵌合状態で、接続対象物50の第2金具80が第1金具40bと第2金具40aとの間に位置することが可能となる。このように、第1金具40bが嵌合状態で第2金具40aと共に第2金具80を挟むように位置することで、嵌合後におけるコネクタモジュール1のがたつきが抑制される。すなわち、嵌合途中においてコネクタ10の形状及び寸法精度が維持され、コネクタ10及び接続対象物50の一方に対する他方の位置規制の機能が嵌合後においても維持される。結果として、一方が他方から抜けにくくなり、コネクタモジュール1の製品としての信頼性が向上する。
【0139】
第2金具40aと第1インシュレータ20とがインサート成形により一体的に成形されていることで、第2金具40a及び嵌合凸部22の堅牢性がさらに向上する。第2金具40aの第2基部43aが第2金具保持部25の第2部分252において底板部21で第1インシュレータ20と一体的に成形されていることで、第2金具40aと第1インシュレータ20との接触面積が増大する。これにより、第1インシュレータ20に対する第2金具40aのインサート成形による保持強度が向上する。したがって、第2金具40a及び嵌合凸部22の堅牢性がさらに向上する。
【0140】
本開示は、その精神又はその本質的な特徴から離れることなく、上述した実施形態以外の他の所定の形態で実現できることは当業者にとって明白である。したがって、先の記述は例示的であり、これに限定されない。開示の範囲は、先の記述によってではなく、付加した請求項によって定義される。あらゆる変更のうちその均等の範囲内にあるいくつかの変更は、その中に包含されるとする。
【0141】
例えば、上述した各構成部の形状、配置、向き、及び個数は、上記の説明及び図面における図示の内容に限定されない。各構成部の形状、配置、向き、及び個数は、その機能を実現できるのであれば、任意に構成されてもよい。
【0142】
例えば、コネクタ10において、第1金具40b及び第1コンタクト30の少なくとも一方が圧入ではなくインサート成形により第1インシュレータ20と一体的に成形されてもよい。例えば、コネクタ10において、第2金具40aがインサート成形ではなく圧入により第1インシュレータ20に取り付けられていてもよい。
【0143】
上記実施形態では、第1延出部49b1は、第1金具40bにおいて一対形成されていると説明したが、これに限定されない。第1延出部49b1は、第1金具40bにおいて二対以上で任意の位置に形成されていてもよいし、対として形成されずに1つ以上の任意の数で任意の位置に形成されていてもよい。第2延出部49b2は、第1金具40bにおいて一対形成されていると説明したが、これに限定されない。第2延出部49b2は、第1金具40bにおいて二対以上で任意の位置に形成されていてもよい。
【0144】
上記実施形態では、第1延出部49b1及び第2延出部49b2は、長手壁23bに位置すると説明したが、これに限定されない。第1延出部49b1及び第2延出部49b2の少なくとも一方は、長手壁23bに代えて、又は加えて、短手壁23aに位置してもよい。
【0145】
上記実施形態では、第1延出部49b1と第2延出部49b2とは、互いに隣接すると説明したが、これに限定されない。第1延出部49b1と第2延出部49b2とは、互いに隣接していなくてもよい。
【0146】
上記実施形態では、第1延出部49b1は、長手壁23bにおいて第2延出部49b2よりも短手壁23a側に位置すると説明したが、これに限定されない。第1延出部49b1は、長手壁23bにおいて第2延出部49b2よりも短手壁23aと反対側に位置してもよい。
【0147】
上記実施形態では、第2延出部49b2は、嵌合凸部22と対向すると説明したが、これに限定されない。第2延出部49b2は、嵌合凸部22と対向しなくてもよい。例えば、第2延出部49b2に代えて第1延出部49b1が嵌合凸部22と対向してもよい。例えば、第2延出部49b2に加えて第1延出部49b1も嵌合凸部22と対向しなくてもよい。
【0148】
上記実施形態では、第1延出部49b1及び第2延出部49b2は、長手壁23bに沿って互いに略同一の幅で形成されていると説明したが、これに限定されない。第1延出部49b1は、長手壁23bに沿って第2延出部49b2よりも幅広であってもよい。これにより、第1延出部49b1から接続対象物50の第2金具80に加わる接圧が増大する。
【0149】
上記実施形態では、第1インシュレータ20が被接触部267を有すると説明したが、これに限定されない。第1インシュレータ20は被接触部267のような構成を有さなくてもい。すなわち、第1金具40bの第1延出部49b1は、嵌合状態で第1インシュレータ20と接触しなくてもよい。
【0150】
上記実施形態では、被接触部267は、長手壁23bにおいて接続対象物50とコネクタ10との嵌合側と反対側に向かうにつれて長手壁23bの内側に傾斜する傾斜面267aを有すると説明したが、これに限定されない。被接触部267は、接続対象物50とコネクタ10との嵌合側に対して嵌合側と反対側で外周壁23のより内側に形成されている任意の他の構成を有してもよい。例えば、被接触部267は、傾斜面267aのように外周壁23の内側に連続的に傾斜する構成に代えて、接続対象物50とコネクタ10との嵌合側と反対側に向かうにつれて階段状に変化する構成を有してもよい。
【0151】
被接触部267は、接続対象物50とコネクタ10との嵌合側に対して嵌合側と反対側で外周壁23のより内側に形成されていなくてもよい。例えば、被接触部267は、傾斜面267aに代えて、底板部21に対して垂直な平面を有してもよい。被接触部267は、当該垂直な平面及び傾斜面267aに代えて、任意の曲率で形成されている曲面により山状に盛り上がるように形成されていてもよい。また、被接触部267は、長手壁23bに代えて、又は加えて、短手壁23aに形成されていてもよい。
【0152】
上記実施形態では、第1延出部49b1において被接触部267と接触する外周壁23側の角部は、直角に形成されていると説明したが、これに限定されない。当該角部は、R形状を有してもよい。これにより、被接触部267における第1金具40bと第1インシュレータ20との接触に伴う第1インシュレータ20の破損が抑制される。したがって、第1延出部49b1から接続対象物50へ加わる接圧がより長期的に維持される。コネクタ10の堅牢性が向上し、コネクタ10の製品としての信頼性が向上する。
【0153】
上記実施形態では、係合部49b3は、第2延出部49b2の表面において外周壁23と反対側に突出する凸部を有すると説明したが、これに限定されない。係合部49b3は、第2金具80と係合して嵌合の際にクリック感を与えることができる任意の構造を有してもよい。例えば、係合部49b3は、第2金具80の凸部85に係合する凹部又は貫通孔を有してもよい。
【0154】
上記実施形態では、第1延出部49b1の部分Pは、非嵌合状態で係合部49b3の凸部の突出方向の先端よりも外周壁23と反対側に位置し、嵌合状態で当該先端よりも外周壁23側に位置すると説明したが、これに限定されない。例えば、第1延出部49b1の部分Pは、非嵌合状態で係合部49b3の凸部の突出方向の先端よりも外周壁23側に位置してもよい。
【0155】
上記実施形態では、第1金具40bと第2金具40aとが互いに分離していると説明したが、これに限定されない。第1金具40bと第2金具40aとは互いに分離せず、接続されていてもよい。このとき、第1金具40b及び第2金具40aは、一体化されている金具全体の中で、それぞれの強度が互いに異なるように形成されていてもよい。例えば、第1金具40b及び第2金具40aを含む一体化された金具は、傾斜機能材料により形成されていてもよい。より具体的には、第2金具40aの材料は、その強度が第1金具40bの材料の強度よりも高くなるように、第1金具40bの材料と異なる材料であってもよい。例えば、第1金具40b及び第2金具40aを含む一体化された金具は、板厚が変化するように形成されていてもよい。より具体的には、第2金具40aの板厚は、第1金具40bの板厚よりも大きくてもよい。
【0156】
上記実施形態では、第2金具40aの強度が第1金具40bの強度よりもさらに高いと説明したが、これに限定されない。第1金具40bの強度が第2金具40aの強度よりもさらに高くてもよい。
【0157】
上記実施形態では、第2金具40aの強度が第1金具40bの強度よりも高くなるように、第2金具40aの板厚が第1金具40bの板厚よりも大きくてもよいと説明したが、これに限定されない。例えば、第2金具40aの板厚が第1金具40bの板厚よりも小さくても、第2金具40aの強度が第1金具40bの強度よりも高くてもよい。逆に、第2金具40aの板厚が第1金具40bの板厚よりも大きくても、第2金具40aの強度が第1金具40bの強度よりも低くてもよい。
【0158】
上記実施形態では、第2金具40aは、一の第1コンタクト30と配列方向に沿って重なると説明したが、これに限定されない。コネクタ10の長手方向の小型化が実現可能であれば、第2金具40aは、一の第1コンタクト30と配列方向に沿って重なっていなくてもよい。
【0159】
上記実施形態では、第2金具40aの爪部42aの先端42a1は、配列方向において、一の第1コンタクト30と他の第1コンタクト30との間に位置すると説明したが、これに限定されない。第1インシュレータ20に対する爪部42aの先端42a1の保持強度が維持可能であれば、第2金具40aの爪部42aの先端42a1は、例えば第1コンタクト30の取付位置と同一の左右位置にあってもよい。
【0160】
上記実施形態では、爪部42aがL字状に形成され、爪部42aの先端42a1が嵌合凸部22の内部に埋設されていると説明したが、これに限定されない。第1インシュレータ20に対する爪部42aの保持強度が維持可能であれば、爪部42aはL字状ではなく任意の形状で形成されていてもよい。同様に、爪部42aの先端42a1は嵌合凸部22の内部に埋設されていなくてもよい。
【0161】
上記実施形態では、コネクタ10の短手方向において、爪部42aは、第2金具40aの他の部分よりも幅狭であると説明したが、これに限定されない。第1インシュレータ20の強度が維持されるのであれば、爪部42aは、第2金具40aの他の部分と同一の幅であってもよい。
【0162】
上記実施形態では、第2基部43aは、嵌合凸部22から、第1金具40bが取り付けられている短手壁23aに至るまで延在すると説明したが、これに限定されない。コネクタ10の長手方向に沿った第2金具40aの堅牢性が向上するのであれば、第2基部43aは、嵌合凸部22から任意の長さで短手壁23aに向けて延在してもよい。
【0163】
上記実施形態では、実装部44aは、短手壁23aの直下に位置すると説明したが、これに限定されない。実装部44aは、第2金具40aにおいて外力が働きやすい位置に近接するように、嵌合凸部22に隣接する位置にあってもよい。
【0164】
上記実施形態では、第1金具40bは、短手壁23aに取り付けられていると説明したが、これに限定されない。例えば、第1金具40bは、短手壁23aに取り付けられておらず、長手壁23bのみに取り付けられていてもよい。
【0165】
上記実施形態では、第1金具40bの第1実装部44bは、コネクタ10の短手方向において第2金具40aの両側に配置され、第2実装部48bは、コネクタ10の短手方向において第2金具40aの両側に配置されていると説明したが、これに限定されない。第1実装部44b及び第2実装部48bの一方が、コネクタ10の短手方向において第2金具40aの両側に配置されていてもよい。第1実装部44bは、2つではなく1つのみ又は3つ以上形成されていてもよい。同様に、第2実装部48bは、2つではなく1つのみ又は3つ以上形成されていてもよい。
【0166】
以上のようなコネクタモジュール1、コネクタ10、又は接続対象物50は、回路基板CB1及び回路基板CB2を含んだ電子機器に搭載される。電子機器は、例えば、スマートフォンなどの任意の通信端末機器、並びにパーソナルコンピュータ、コピー機、プリンタ、ファクシミリ、及び複合機などの任意の情報処理機器を含む。電子機器は、例えば、カメラ、レーダ、ドライブレコーダ、及びエンジンコントロールユニットなどの任意の車載機器を含む。電子機器は、例えば、カーナビゲーションシステム、先進運転支援システム、又はセキュリティシステムなどの車載システムにおいて使用される任意の他の車載機器を含む。その他、電子機器は、任意の産業機器を含む。
【0167】
このような電子機器では、コネクタ10において、小型低背化された状態であっても接続対象物50との接触信頼性及び作業性を両立することができる。したがって、電子機器の製造工程における作業性が向上する。
【符号の説明】
【0168】
1 コネクタモジュール
10 コネクタ
20 第1インシュレータ(インシュレータ)
21 底板部
22 嵌合凸部
23 外周壁
23a 短手壁
23b 長手壁
24 第1コンタクト取付溝
25 第2金具保持部
251 第1部分
252 第2部分
253 第3部分
26 第1金具取付部
261 第1壁部
262 第2壁部
263 第3壁部
264 第1取付溝
265 第2取付溝
266 第4壁部
267 被接触部
267a 傾斜面
268 凹部
30 第1コンタクト
31 実装部
32 係止部
33 湾曲部
34 弾性接触片
35 弾性接触部
36 接触部
40a 第2金具
41a 第1基部
42a 爪部
42a1 先端
43a 第2基部
44a 実装部
40b 第1金具(第1金具)
41b 第1基部(基部)
42b 第2基部(基部)
43b 突出片
44b 第1実装部
45b 第1係止部
46b 折曲部
47b 第2係止部
48b 第2実装部
49b1 第1延出部
49b2 第2延出部
49b3 係合部
50 接続対象物
60 第2インシュレータ
61 底板部
62 外周壁
62a 短手壁
62b 長手壁
63 嵌合凹部
64 第2コンタクト保持部
65 金具保持部
70 第2コンタクト
71 実装部
72 湾曲部
73 接触部
80 第2金具(第2金具)
81 基部
82 第1実装部
83 第1係止部
84 第2係止部
85 凸部
86 第2実装部
CB1 回路基板
CB2 回路基板
P 部分