(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023010531
(43)【公開日】2023-01-20
(54)【発明の名称】決済システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/20 20120101AFI20230113BHJP
G06Q 20/18 20120101ALI20230113BHJP
G06Q 30/0238 20230101ALI20230113BHJP
G06Q 30/0207 20230101ALI20230113BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20230113BHJP
【FI】
G06Q20/20
G06Q20/18
G06Q30/02 376
G06Q30/02 374
G07G1/12 321L
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021213537
(22)【出願日】2021-12-27
(31)【優先権主張番号】P 2021113927
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】717007181
【氏名又は名称】Advanced Medical InfoTec株式会社
(72)【発明者】
【氏名】川崎 智子
(72)【発明者】
【氏名】相坂 真仁
(72)【発明者】
【氏名】川崎 功
【テーマコード(参考)】
3E142
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
3E142CA17
3E142DA08
3E142FA03
3E142FA04
3E142FA05
3E142FA12
3E142FA28
3E142FA50
3E142GA02
3E142GA03
3E142JA03
5L049BB07
5L055AA38
5L055AA42
(57)【要約】
【課題】決済時に1つの物理デバイスまたはアプリケーションを提示または接触することにより、利用者が予め登録した決済手段のなかから、適切な決済手段が選択され、決済が行われる方法及びシステムを提供する。
【解決手段】
自動決済システムに、利用者が1つないし複数の決済手段の登録を行い、決済手段登録サーバーへのアクセス情報が記録された決済デバイスを相手端末に提示または接触することにより、自動決済システムに登録された決済手段で決済が行える決済システムを提供する。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が希望する好適なベネフィットを利用者に提供することを目的とし
前記ベネフィットを提供できる決済手段を選定する決済手段選定システムにおいて、
利用者が所有する複数の決済手段が登録された情報を利用することを特徴とし
利用者は自ら設定した利用者が望む好適なベネフィットの情報を利用することを特徴とし
好適なベネフィットの情報は、取得したキャンペーン情報を利用することを特徴とし
利用者が希望する好適となるベネフィットを提供できる決済手段の選定には、
前記3つの情報を利用する決済手段選定処理を使用することを特徴とし
個人情報選定システムが選定した決済手段の決済事業者へ決済依頼データを送付することにより、
決済事業者で決済が行われることを特徴とする
個人情報選定システムにある決済手段選定システム
【請求項2】
請求項1に記載の決済手段選定システムにおける利用者は自ら設定した利用者が望む好適なベネフィットの情報には、
決済を行う店舗に限定した決済手段の設定情報、
優先して取得したい決済手段に付帯しているポイントの設定情報、
優先して利用するベネフィットの設定情報、
の3つの情報があり、
決済を行う店舗に限定した決済手段の設定情報は、
利用者が決済を行う店舗に限定した決済手段が設定されていることを特徴とし
優先して取得したい決済手段に付帯しているポイントの設定情報は、
利用者が優先して取得したい決済手段に付帯しているポイントが設定されていることを特徴とし
優先して利用するベネフィットの設定情報は、
利用者が優先して利用するベネフィットが設定されていることを特徴とし
この利用者が自ら設定した情報とキャンペーン情報とを利用して好適な決済手段を選定することを特徴とする
請求項1に記載の個人情報選定システムにある決済手段選定システム
【請求項3】
請求項1また2に記載の決済手段選定システムにおいて
個人情報選定システムが利用者に提供した決済媒体は、
利用者が所有する複数の決済手段の情報が個人情報データベースに登録され、複数の決済手段の情報が紐づいている1つの決済媒体であることを特徴とし、
複数の決済手段の情報が紐づいている1つの決済媒体を利用して店舗で決済を行うと
決済媒体に紐づいている複数の決済手段のうちの1つが選ばれ決済が行われることを特徴とする
個人情報選定システムにある決済手段選定システム
【請求項4】
請求項1に記載の決済依頼データは、
店舗から決済事業者に送られてきたかのように決済手段選定システムが情報の内容を変えて決済事業者で決済を行うことを目的とする
前記情報は店舗から個人情報選定システムに送られてきた決済取引依頼データを変換した入替決済取引依頼データであり、
個人情報選定システムから決済事業者へ送る入替決済取引依頼データの内容は、
店舗端末が送信した決済取引依頼データ内の決済事業者が個人情報選定システムになっている、
そのため、決済手段選定システムが選定した決済事業者に入れ替えた内容であることを特徴とし、
個人情報選定システムは、決済手段選定システムが選定した決済事業者へ入替決済取引依頼データを送信することを特徴とし
個人情報選定システムから入替決済依頼データを受け取った決済事業者は、入替決済依頼データの内容から、利用者が店舗端末の店舗で決済を行ったかのように処理され、
店舗端末が直接決済事業者へ送信した決済取引依頼データと変わらないことから決済処理が行えることを特徴とした
請求項1から3のいずれかに記載の個人情報選定システムにある決済手段選定システム
【請求項5】
流出したパスワードは変更できるが、流出したら一切変更ができない個人情報である顔や指紋の情報を、利用者認証を行う沢山の事業者に複数預けることを止めることを(避けることを)目的とし
複数ある決済事業者が、顔や指紋の情報を利用者から集める事をせずとも、認証システムの開発をせずとも、
顔や指紋の情報による利用者認証を個人情報選定システムが代行するビジネスモデルであることを特徴とし
個人情報選定システムが代行する利用者認証は、個人情報選定システムが利用する個人情報データベースにある利用者の個人情報(生体情報)を利用することを特徴とし
個人情報選定システムが利用する個人情報データベースにある利用者の個人情報を使用して利用者の認証の代行を行う事から、
利用者は、店舗で顔や指紋を使って決済を行う利用者の利用者認証を個人情報選定システムが代行し決済事業者へ決済依頼をするサービスである事を特徴とし
従来の決済事業者が発行した決済手段とその基礎情報をそのまま利用することができ、さらに利用者は顔や指紋の情報を新たに決済事業者へ提供することなしに、
すなわち利用者と決済事業者は認証の代行により従来と変わらずに決済処理が行える顔や指紋の情報を使用した認証サービスを提供することを特徴とした
請求項1から4のいずれかに記載の決済手段選定システムを利用した
利用者認証を個人情報選定システムが代行するビジネスモデルを実現する
個人情報選定システムにある決済手段選定システム
【請求項6】
利用者が複数所有している決済手段の決済事業者が発行する複数の利用明細の確認が1回にまとめてできることを目的とし
決済手段選定システムの個人情報データベースにある利用履歴の情報を利用して、
月毎に帳票することで決済手段選定システムに登録した全ての決済手段から選定された利用明細をまとめた一括利用明細書になる事を特徴とし
前記利用履歴の情報は、一括利用明細書を作成することができる情報であることを特徴とした
請求項1から4のいずれかに記載の決済手段選定システムを利用し
決済事業者の代わりに一括利用明細書の作成と提供を行うサービスのビジネスモデルを実現する
個人情報選定システムにある決済手段選定システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、統合決済システムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今では、クレジットカードやデビットカード、非接触ICカード、QRコード(登録商標)等のキャッシュレス決済が普及してきている。キャッシュレス決済は、専用カードなど物理的なデバイスまたは、端末上のアプリケーションを用いてバーコードを表示させるなどして行われている。(例えば、特許文献1)
また、従来のキャッシュレス決済は、契約店舗に設置された端末から決済事業者の決済システムに決済情報を送付することにより行われている。(例えば、特許文献3)
【0003】
しかし、決済手段毎に異なる物理デバイスやアプリケーションを利用して決済を行う必要があった。また、クレジットカードや電子マネー、暗号通貨など様々な決済手段を1つにまとめる技術として「Apple Pay(商標)」「Google Pay(商標)」などが存在するが、決済時に決済手段を選択する必要がある。(例えば、非特許文献1)したがって、1つの物理デバイスまたはアプリケーションを利用し、決済時に決済手段を選択せずに決済が行える技術が要求されている。
【0004】
生体情報を用いた本人を特定する方法として、顔の情報を用いて本人の特定を行われる技術が知られている。(例えば、特許文献2)また、本人と特定された顔のデータを用いて決済が行われている。(例えば、非特許文献2)
【0005】
組み合わせの最適化を行う方法として、人工知能技術のうちニューラルネットワークを用いた方法が知られている。(例えば、非特許文献2)
【0006】
組み合わせの最適化を行う方法として、量子コンピューティング技術のうち量子アニーリングを用いた方法が知られている。(例えば、非特許文献4)また、量子コンピューティング技術を利用すると従来のコンピュータであるノイマン型コンピュータに比べより多くの複数の入力変数に対する計算を同時に進めることができることも知られている。(例えば、非特許文献5)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2019-12538号公報
【特許文献2】特開2020-119615号公報
【特許文献3】特開2021-086344号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】“iPhone、iPod touch、Apple Watch で Wallet を使う方法”、[online]、Apple、[2020年10月21日検索]、インターネット<URL:https://support.apple.com/ja-jp/HT204003>
【非特許文献2】“中国決済の王、「アリペイ」が「顔認証支払い」を導入”、[online]、2020年10月14日、いつも、[2020年10月19日検索]、インターネット<URL:https://itsumo365.co.jp/blog/post-2612/>
【非特許文献3】ティモシー ルル、外3名、”組合せ最適化問題を効率的に解くための新しいアナログニューラルネットワーク ”、[online]、2019年1月31日、東京大学生産技術研究所、[2020年9月24日検索]、インターネット<URL:https://www.iis.u-tokyo.ac.jp/ja/news/3042/>
【非特許文献4】西森秀稔、“量子アニーリング”、[online]、東京工業大学科学技術創成研究院量子コンピューティング研究ユニット、[2020年9月24日検索]、インターネット<URL:http://www.qa.iir.titech.ac.jp/~nishimori/QA/q-annealing.html>
【非特許文献5】“世界を一変させうる量子コンピュータ”、[online]、2019年1月11日、ベイカレント・コンサルティング、[2020年10月2日検索]、インターネット<URL:https://digital.baycurrent.co.jp/article/archives/43>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、決済時に1つの物理デバイスまたはアプリケーションを提示または接触することにより、利用者が予め登録した決済手段のなかから、適切な決済手段が選択され、決済が行われる方法及びシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
利用者が希望する好適なベネフィットを利用者に提供することを目的としている、前記ベネフィットを提供できる決済手段を選定する決済手段選定システムがある。このシステムは、「利用者が所有する複数の決済手段が登録された情報」と「利用者は自ら設定した利用者が望む好適なベネフィットの情報」と「利用者は自ら設定した利用者が望む好適なベネフィットの情報」との3つ情報を利用する。決済手段選定システムは、この3つの情報を利用する決済手段選定処理を使用して決済手段の選定を行う。
個人情報選定システムは、選定した決済手段の決済事業者へ決済依頼データを送付することにより、決済事業者で決済が行われる。
【0011】
決済手段選定システムが利用する、利用者は自ら設定した利用者が望む好適なベネフィットの情報には、「決済を行う店舗に限定した決済手段の設定情報」と「優先して取得したい決済手段に付帯しているポイントの設定情報」と「優先して利用するベネフィットの設定情報」との3つの情報がある。
決済を行う店舗に限定した決済手段の設定情報には、利用者が決済を行う店舗に限定した決済手段が設定されている。
優先して取得したい決済手段に付帯しているポイントの設定情報には、利用者が優先して取得したい決済手段に付帯しているポイントが設定されている。
優先して利用するベネフィットの設定情報には、利用者が優先して利用するベネフィットが設定されている。
決済手段選定システムは、利用者は自ら設定した利用者が望む好適なベネフィットの情報を利用して好適な決済手段を選定する。
【0012】
個人情報選定システムが利用者に提供した決済媒体は、利用者が所有する複数の決済手段の情報が個人情報データベースに登録され、複数の決済手段の情報が紐づいている1つの決済媒体である。利用者が、この複数の決済手段の情報が紐づいている1つの決済媒体を利用して店舗で決済を行うと、決済媒体に紐づいている複数の決済手段のうちの1つが選ばれ決済が行われる。
【0013】
店舗から決済事業者に送られてきたかのように決済手段選定システムが情報の内容を変えて決済事業者で決済を行ために、前記情報は店舗から個人情報選定システムに送られてきた決済取引依頼データを変換した入替決済取引依頼データに変換する。
個人情報選定システムから決済事業者へ送る入替決済取引依頼データの内容は、店舗端末が送信した決済取引依頼データ内の決済事業者が個人情報選定システムになっている。
入替決済取引依頼データは、決済手段選定システムが選定した決済事業者に入れ替えた内容である。
個人情報選定システムは、決済手段選定システムが選定した決済事業者へ入替決済取引依頼データを送信する。個人情報選定システムから入替決済依頼データを受け取った決済事業者は、入替決済依頼データの内容から、利用者が店舗端末の店舗で決済を行ったかのように処理され、店舗端末が直接決済事業者へ送信した決済取引依頼データと変わらないことから決済処理が行える。
【0014】
流出したパスワードは変更できるが、流出したら一切変更ができない個人情報である顔や指紋の情報を、利用者認証を行う沢山の事業者に複数預けることを止めることを(避けることを)目的とする。複数ある決済事業者が、顔や指紋の情報を利用者から集める事をせずとも、認証システムの開発をせずとも、顔や指紋の情報による利用者認証を個人情報選定システムが代行するビジネスモデルを提案する。
個人情報選定システムが代行する利用者認証は、個人情報選定システムが利用する個人情報データベースにある利用者の個人情報(生体情報)を利用する。
個人情報選定システムが利用する個人情報データベースにある利用者の個人情報を使用して利用者の認証の代行を行う事から、利用者は、店舗で顔や指紋を使って決済を行う利用者の利用者認証を個人情報選定システムが代行し決済事業者へ決済依頼をするサービスである。決済手段選定システムは、従来の決済事業者が発行した決済手段とその基礎情報をそのまま利用することができ、さらに利用者は顔や指紋の情報を新たに決済事業者へ提供することなしに、すなわち利用者と決済事業者は認証の代行により従来と変わらずに決済処理が行える顔や指紋の情報を使用した認証サービスを提供する。
【0015】
利用者が複数所有している決済手段の決済事業者が発行する複数の利用明細の確認が1回にまとめてできるビジネスモデルを提案する。
決済手段選定システムの個人情報データベースにある利用履歴の情報を利用して、月毎に帳票することで決済手段選定システムに登録した全ての決済手段から選定された利用明細をまとめた一括利用明細書になる。この利用履歴の情報は、一括利用明細書を作成することができる情報となっている。
【0016】
利用者が希望する好適なベネフィットを利用者に提供することを目的としている、前記ベネフィットを提供できるポイントサービスを選定するポイントサービス選定システムがある。このシステムは、「利用者が所有する複数のポイントサービスが登録された情報」と「利用者は自ら設定した利用者が望む好適なベネフィットの情報」と「利用者は自ら設定した利用者が望む好適なベネフィットの情報」との3つ情報を利用する。ポイントサービス選定システムは、この3つの情報を利用するポイントサービス選定処理を使用してポイントサービスの選定を行う。
個人情報選定システムは、選定したポイントサービスのポイント事業者へポイント取引依頼データを送付することにより、ポイント事業者でポイントの付与が行われる。
【0017】
ポイントサービス選定システムが利用する、利用者は自ら設定した利用者が望む好適なベネフィットの情報には、「ポイントサービスの利用を行う店舗に限定したポイントサービスの設定情報」と「優先して取得したい決済手段に付帯しているポイントの設定情報」と「優先して貯めるポイントの設定情報」との2つの情報がある。
ポイントサービスの利用を行う店舗に限定したポイントサービスの設定情報には、利用者がポイントサービスの利用を行う店舗に限定したポイントサービスが設定されている。
優先して貯めるポイントの設定情報には、利用者が優先してポイントを貯めるポイントサービスが設定されている。
ポイントサービス選定システムは、利用者は自ら設定した利用者が望む好適なベネフィットの情報を利用して好適なポイントサービスを選定する。
【0018】
個人情報選定システムが利用者に提供したポイント媒体は、利用者が所有する複数のポイントサービスの情報が個人情報データベースに登録され、複数のポイントサービスの情報が紐づいている1つのポイント媒体である。この複数のポイントサービスの情報が紐づいている1つのポイント媒体を利用して店舗でポイントサービスの利用を行うと、ポイント媒体に紐づいている複数のポイントサービスのうちの1つが選ばれポイントの利用が行われる。
【0019】
ポイントサービス選定システムを利用したポイントサービスの共通プラットフォームによるビジネスの展開を行うことを目的とする。このポイントサービス選定システムには、新たにポイントサービスを始める実施者のためのポイントプラットフォームシステムがある。
このポイントプラットフォームシステムは、前記ポイントプラットフォームシステムを利用する複数の実施者のポイントサービスを統合または乗り入れが行える、ポイントの共通化の仕組みを提供することができる。ポイントの共通化により、ポイントサービスを提供する実施者にとっては、ポイントサービスを提供する他の実施者の顧客を自身の顧客となることが期待でき、利用者にとっては、1つのポイントを複数の実施者で利用できるため利用者の利便性拡大が期待できるビジネスモデルを提供する。
【0020】
新たにポイントサービスを始めたい事業者が容易にポイントサービスの開始ができるようにすることを目的とするポイントプラットフォームシステムには、ポイントサービスを開始するためのポイントサービス申請ページがある。新たにポイントサービスを始めたい事業者は、ポイントサービス申請ページにポイントサービスの初期値の情報を入力する。ポイントプラットフォームシステムは、入力された初期値の情報を用いてポイントサービスの立ち上げを行う。
【0021】
個人情報選定システムを利用している利用者が施設を利用する時に、利用者が望む支援を利用者に対して施設側又は事業者が提供することを目的とした情報表示システムがある。
利用者が店舗や施設を利用する際、店舗や施設の受付や利用カウンターにある店舗端末または入店時にカメラが付いた店舗端末により取得した顔や指紋の情報を用いて個人情報選定システムの利用者認証システムにより本人確認を行う。本人確認が行われ利用者本人と特定されると、登録されている決済手段での会計処理(決済処理)が行われる。しかし、店舗や施設を利用した会計計算処理が行われていないため会計計算処理が終了するまで
会計処理(決済処理)が保留される。
利用者が利用する店舗や施設で支援を受けたい内容の情報が予め設定登録している店舗や施設を利用する際に利用者が登録した支援を受けたい内容を店舗や施設または、店舗や施設の関係者が利用する。利用者が登録した支援を受けたい内容は、店舗や施設または、店舗や施設の関係者が使用している情報表示端末に表示させることで利用者が登録した支援を受けたい内容を店舗や施設または、店舗や施設の関係者に把握してもらう。
利用者が店舗や施設の利用が終了し利用者の会計計算処理が終了したことにより保留中の会計処理(決済処理)が再開され、自動で決済が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】第一実施形態に係る自動決済システムの構成について説明するための図である
【
図3】決済媒体を用いて決済を行うシーケンス図である
【
図4】量子コンピュータを利用した例を示す図である
【
図6】利用者本人と比較し一致していれば決済を行うシーケンス図である
【
図7】生体情報を利用した利用者本人特定のシーケンス図である
【
図8】利用者の病院内での動きと受付での決済のイメージ図である
【
図9】病院内での利用者の動きと診察終了後の決済のイメージ図である
【
図10】利用者が予約していた場合の認証のシーケンス図である
【
図11】決済の共通プラットフォームのイメージを示す図である
【
図13】第一実施形態の決済の流れの模式図を示す図である
【
図15】利用者識別を個人情報選定システムで行う図である
【
図16】複数の決済事業者が生体認証による決済を行った場合の図である
【
図17】決済事業者ごとに専用カメラを用意した場合の図である
【
図18】生体認証の代行を行うことでスムースな生体認証を行う場合の図である
【
図19】第二実施形態に係る自動ポイント付与システムの構成について説明するための図である。
【
図20】ポイント情報のとりまとめたイメージ図である。
【
図22】第三実施形態に係る情報表示システムの構成について説明するための図である。
【
図23】医療機関や空港、宿泊施設、飲食店などのシステムが一体となったシステムのイメージ図である。
【
図24】決済取引依頼データの書き換えを示す図である
【
図27】第二実施形態のポイントサービスの利用の流れの模式図を示す図である
【
図28】個人情報選定システムの構成を示す図である
【
図30】小売店側から見たポイントサービスの利用の流れを示す図である
【
図33】ポイントサービス申請ページの例の図である
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本開示の個人情報選定システム4、決済手段選定システム1、ポイントサービス選定システム2及び情報表示システム3の構成及び機能について、図面を参照して説明する。説明において同様の要素には同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
【0024】
[第一実施形態]
特許文献3に記載のように、従来のキャッシュレス決済では、小売店などの契約店舗の店舗側システムから決済に関する情報として決済取引依頼データ24が決済事業者131の決済システムへ送られている。この決済取引依頼データ24により決済事業者131では決済が行われている。この決済取引依頼データ24には、決済ID及び支払方法に加えて、ユーザーに請求する請求金額情報が付加されている。従来の決済の流れの例として
図2のようになる。既存の決済事業者131には、「クレジットカードなどの後払い決済を提供する決済事業者」「デビットカードなどの即時払い決済を提供する決済事業者」「プリベイドカードなどの前払い決済を提供する決済事業者」などがある。
【0025】
以降の説明で出てくる店舗端末や利用者端末は、従来一般的に使われている物をそのまま利用するものであり本考案による物ではない。
図12に、従来のキャッシュレス決済に用いられている機器を説明する。
利用者が利用する利用者端末15や、決済を行う店舗端末16は、POS端末等の一般に利用されている決済端末で構成されている。また、利用者端末15及び店舗端末16は、ハードウェアとして、スマートフォン,パーソナルコンピュータ,タブレット端末及びウェアラブル端末のなど。を使用して従来より導入コストを抑えて使用している物もある。
店舗端末16は、指紋などの生体情報の読み取り装置やICカード,磁気カード,バーコードリダーなどの決済に用いるデバイス読み取り装置が接続できるまたは内蔵しているハードウェアで構成されている物もある。
また、店舗端末16は、指紋などの生体情報の読み取り装置から読み取った情報から認証システムにより個人を特定するようにもなってきている。ここで説明した内容が従来一般的に使われているキャッシュレス決済の構成となっており、本考案ではこの構成をそのまま使用するものとなっている。
図1は、本考案のシステムの概略図で、通信ネットワーク19を介して、本考案のシステムである、個人情報選定システム4と従来のキャッシュレス決済に用いられている機器であり
図1は、本考案のシステムの概略図である。本考案のシステムは、通信ネットワーク19を介して、個人情報選定システム4と従来のキャッシュレス決済に用いられている機器である利用者が利用する利用者端末15や、決済を行う店舗端末16が接続している。個人情報選定システム4内には、決済手段選定システム1や利用者認証システム14などがある。個人情報選定システム4内の各システムなどについて順次説明してく。
【0026】
本考案の詳細を順次説明していく。
図13のように小売店の契約店舗の店舗側システムにある店舗端末16から決済事業者131との間に個人情報選定システム4が位置している。小売店などの契約店舗の店舗側システムにある店舗端末16は、利用者の決済時に、決済の依頼内容が記載されている決済取引依頼データ24が送信される。本考案を使用した場合、小売店などの契約店舗の店舗側システムにある店舗端末16から送信される決済取引依頼データ24の送信先は、個人情報選定システム4である。また、個人情報選定システム4に送信される決済取引依頼データ24の情報の中に記載されている内容には、決済事業者名が個人情報選定システム4となっている。
ここで、本考案を利用するために必要なカード又は媒体について説明する。
従来、決済を行うには、決済事業者が発行したカード又は媒体を利用することになる。このカード又は媒体には、磁気ストライプやバーコード、QRコード(登録商標)が記載 表示 されているカード媒体による物と、バーコードやQRコードの無形情報をデバイスで表示させて利用する物とがある。 本考案においても、従来の方法と同様に媒体を利用する。本考案専用(個人情報選定システム4専用)のバーコードやQRコード、磁気ストライプの媒体や表示機器(スマートフォン)を利用する。すなわち、本考案専用のバーコードやQRコード、磁気ストライプを利用した決済システムは、個人情報選定システム4という決済事業者であると認識される。これらバーコードやQRコード、磁気ストライプは既存技術である。
個人情報選定システム4にある決済手段選定システム1は、受信した決済取引依頼データ24からどの決済手段で決済を行ったら良いかを利用者にとって最も好適な決済手段の選定処理を行う。
決済手段選定システム1により、選定した決済手段を提供している決済事業者131へ決済を行うための決済取引データとして決済取引依頼データ24を作成し送信し、決済を依頼する。決済事業者131が個人情報選定システム4から受け取った決済取引依頼データ24は、利用者が決済した小売店の店舗端末16から送信される決済取引依頼データ24と同じ、従来通りの決済取引依頼データ24内容となっている。
以後、決済事業者131へ決済を行うための決済取引データも決済取引依頼データ24と称する。
本考案は、決済取引依頼データ24を受け取った決済事業者131は、従来通りの決済が行われる事と、利用者にとっては好適な決済手段の選定により決済が行われるものである。
利用者にとっての好適な決済手段の選定を提供するビジネスモデルである。
なお、本考案の決済事業者131は、従来の決済事業者131を利用する。あくまで、本考案のシステムは、従来の決済の形態を変えずに契約店舗と決済事業者131の間で動作するものとなっている。
【0027】
本考案による個人情報の選定を行うには、利用者が所有している個人情報を決済手段選定システム1に登録することで、本考案が利用できる「決済媒体21」が利用者に渡されることになる。利用者は、端末を利用して個人情報を決済手段選定システム1に接続を行い、利用者が所有している決済手段の情報をそれぞれ登録する。登録する内容は、決済手段情報として後の説明に記載しているためここでは省略する。登録された情報は、利用者情報の決済手段情報として個人情報データベース141に保存(登録)される。
例えば、利用者が5つの決済手段を決済手段選定システム1に登録した場合、利用者に渡された「決済媒体21」には5つの決済手段が決済手段選定システム1上で紐づいている形になる。
利用者は決済時に「決済媒体21」を使用することで決済手段選定システム1が利用でき、好適な決済手段が選定され決済が行われることになる。
【0028】
本考案のシステムは、利用者が決済時に「決済媒体21」を用いて小売店などに設置された店舗端末16で決済に使用することにより、店舗端末16から決済取引依頼データ24が決済手段選定システム1に送られてくる。
決済手段選定システム1は、店舗端末16から決済取引依頼データ24が送られてくると、利用者が所有している決済手段の情報が予め登録されている個人情報データベース141の中から利用者の個人情報から好適な決済手段の算出選定処理を行い、好適な決済手段を選定する。
決済手段選定システム1は、個人情報データベース141にある情報から選定した決済手段に紐づけて登録されている決済事業者131に対して決済取引依頼データ24の送信処理により決済の依頼を行う。本考案の決済を小売店側から見た決済の流れの例を
図30に示す。
図30のように、小売店側から決済の流れは、決済事業者131(決済事業者A、決済事業者B、決済事業者C)と同等に、個人情報選定システム4が位置づけされている。
個人情報選定システム4には、小売店などから決済取引依頼データ24が送られてくる。個人情報選定システム4内にある決済手段選定システム1は、小売店から届いた決済取引依頼データ24の情報を参照し、どの決済事業者131の決済手段にしたら良いかを選定処理する。決済選定システム1が選定した決済手段の決済事業者131に対して、小売店から届いた決済取引依頼データ24の情報を送り決済の依頼を行う。
本考案の決済の流れの模式図を
図13に示す。
【0029】
ここでは、暗号通貨とデジタル通貨を利用した決済について説明する。
本考案で暗号通貨を利用した決済について説明する。
特許作成時点で、小売店での決済時に暗号通貨によるウオレットを使用して支払いができる店舗はまだ少ない。また、クレジットカードを使用して引落時にウオレットから暗号通貨で引き落とされるクレジットカードが出始めている。本考案では、どちらの形態による暗号通貨支払いでも対応できる。初めに、小売店でウオレットを使用して決済を行う場合、本考案を利用方法について説明する。最初に利用者は、決済手段選定システム1に、利用者が所有しているウオレットの情報を登録する必要がある。更に「利用者が自ら設定する情報」にウオレットで決済を行う設定する必要がある。決済手段選定システム1は、決済手段情報に登録されている決済手段の中から選定するため、暗号通貨で決済を行う店舗を予め登録しておく必要がある。店舗にある店舗端末16で「決済媒体21」を使用して決済を行うと、決済取引依頼データ24を決済手段選定システム1が受信する。決済取引依頼データ24の中の情報から、利用者が暗号通貨で決済を行う店舗として設定しておいた店舗と判明すると、決済手段選定システム1は利用者が決済手段情報に登録してあるウオレット事業者へ決済取引依頼データ24を送信し決済の依頼を行う。これにより利用者が設定した店舗では暗号通貨での決済が行われる。また、暗号通貨での決済にはレートというリスクが発生する。いつでも暗号通貨での決済が利用者にレート上のメリットがある訳ではない。レートの良い時に決済ができるようにする仕組みとして、特許6799837による暗号通貨の資産状況を利用することができる。この仕組みを取り入れることにより、レートの良い時に通貨の引落(交換)が行われる。
次に、本考案でデジタル通貨を利用した決済について説明する。
デジタル通貨の場合も、暗号通貨の場合と同様に決済手段選定システム1に、利用者が所有しているデジタル通貨を所管する金融機関または中央銀行の情報を登録する必要がある。法定通貨とデジタル通貨が混在して使用できる期間で、デジタル通貨による決済を行いたいのであれば、「利用者が自ら設定する情報」にデジタル通貨で決済を行う設定をする必要がある。又は、デジタル通貨での決済を行う店舗を決めて設定しておくだけでデジタル通貨での決済が行われる。
店舗にある店舗端末16で「決済媒体21」を使用して決済を行うと、決済取引依頼データ24を決済手段選定システム1が受信する。決済取引依頼データ24の中の情報から、利用者がデジタル通貨で決済を行う店舗として設定しておいた店舗と判明すると、決済手段選定システム1は利用者が決済手段情報に登録してあるデジタル通貨を所管する金融機関または中央銀行へ決済取引依頼データ24を送信し決済の依頼を行う。これにより利用者が設定した店舗ではデジタル通貨での決済が行われる。決済取引依頼データ24は、デジタル通貨での決済は、情報の内容が変わる恐れがある。しかしながら情報の授受方法に関しては変わらないと推測している。
【0030】
ここでは、インターネット上のECサイトで、本考案を利用した決済の流れについて説明する。利用者が、インターネット上のECサイトで、本考案を利用した決済を利用する場合は、ECサイトを利用するには、ECサイト上に利用者の決済手段(クレジットカードの情報)を登録又は決済時に入力して買物を行っている。この決済手段の登録又は決済時の入力に、「決済媒体21」の情報を登録又は入力することでECサイトでの決済が行われる。
利用者が、ECサイトに「決済媒体21」の情報を登録又は入力により決済を行うと、ECサイトから直接または決済代行事業者132を経由して決済手段選定システム1に決済取引依頼データ43が送られる。決済取引データ43が送られてきた決済手段選定システム1は、利用者が登録している決済手段の中から好適な決済手段を選定して、選定した決済手段の決済事業者131に決済の依頼を行う。
【0031】
本考案の決済手段選定システム1内にある2つのデータベースについて順次説明していく。
決済手段選定システム1を利用者が利用するにあたり、決済手段選定システム1内には個人情報データベース141と、キャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222がある。個人情報データベース141には、個人の基礎情報、決済手段情報22、利用者が自ら設定する情報、利用履歴の情報が保存されている。キャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222には、決済事業者キャンペーン情報、店舗小売店キャンペーン情報が保存されている。各情報の説明は、情報の使用時に説明を記載する。本考案のデータベース構成を
図29に示す。
【0032】
個人情報データベース141について説明する。個人情報データベース141は、利用者の個人情報をキーとし、利用者所有の決済媒体23に関係する様々な詳細情報や、利用者に関する様々な個人情報が4つの分類で保存されている。
1つ目は利用者が自ら登録する個人の基礎情報、2つ目は利用者が所有している決済手段に関わる情報や紐づいている情報の決済手段情報22、3つ目は利用者が自ら設定する情報、4つ目は利用者が本考案を利用し決済を行った利用履歴の情報に分類される。
1つ目の利用者が自ら登録する個人の基礎情報については、個人の基本的な情報や、認証のための生体情報、識別情報、就労先情報、収入情報、資産情報、家族構成情報、利用者が求めるベネフィット情報や、決済手段を利用する事から知れる生活思考情報、その他の様々な情報を利用者から個人情報選定システム4に提供してもらう事となる。また、保険証番号、診察券番号、会員番号、マイナンバー、免許証番号、年金番号、パスポート番号など、行政やその他機関が発行する利用者を特定できる文字列情報もこの情報に含まれる。
ここの記載した情報を1つ1つ登録することは大変な作業となる。システムにある情報を活用し応用することで、利用者による個人情報の登録を省くことができる。例えば、利用者による基礎情報の登録することを省略することができる。出願人考案の特願2021―114925を用いることにより、医療情報にある医療情報システムから個人の基礎情報を利用することにより、利用者の基礎情報登録が省略できる。
また、利用者による就労先や家族構成の情報を登録することを省略することができる。出願人考案の特許第6886209号を用いることにより、企業内の健康管理システムから就労先や家族構成の各情報を利用する事ができる。これにより利用者は就労先や家族構成の情報を登録することは無くなる。
このほかにも、利用者による生体情報や識別情報の登録することを省略することができる。出願人考案の特許第6910016号を使用することで、この考案にある 医療情報システムから、認証や識別に使う情報の指紋、顔、声紋、虹彩、 の各情報を利用することができる。これにより利用者は生体情報や識別情報を登録することは無くなる。
利用者による資産情報の登録することを省略することができる。
出願人考案の特許第6799837号を使用することで、この考案にあるシステムから暗号資産の資産状況の情報を利用することができる。これにより利用者は資産情報を登録することは無くなる。
2つ目の利用者が所有している決済手段に関する決済手段情報22について説明する。決済手段情報22には、「決済手段の情報」と「決済手段契約(保有) 情報」とがある。
決済手段の情報は、クレジットカード情報やデビットカード情報、銀行口座情報、決済媒体に残額情報を持たないプリベイド決済情報、バーコード決済情報、暗号通貨情報、デジタル人民元等の権限ある発行体が発行するデジタル通貨(主要国電子通貨)、銀行や民間企業などが発行するデジタル通貨など現金以外で決済に利用できる決済手段で決済を行うために必要な情報である。
決済手段情報22に保存されている決済を行うために必要な情報の例として、クレジットカード情報に保存されている情報と銀行口座情報に保存されている情報を示す。
クレジットカード情報には、クレジットカードのカード番号、決済事業者、有効期限、カードステイタス種類、カードに表示されている氏名、契約者名、PIN、セキュリティコード、年会費、与信枠、年間利用料などの情報が保存されている。銀行口座情報には、銀行名や支店名、口座番号などの情報が保存されている。
決済手段情報22に保存されているクレジットカード情報や銀行口座情報以外の情報にも、クレジットカード情報や銀行口座情報と同等の決済を行うために必要な情報が保存されている。
「決済手段契約(保有) 情報には、保有している決済手段の「支払い条件」や「ポイント付与条件」などの、決済手段の利用開始時に利用者と決済事業社との間で取り決めた(契約した)内容の情報となっている。
決済媒体に残額情報を持たないプリベイド決済情報に該当する決済サービスは、Kyash社のKyash Card(商標)やKDDI社のau PAY プリペイドカードのように、クレジットカードを同様に使用できるプリベイドカードやTマネー社のTマネーなどが該当する。
決済手段情報22には、外国で発行された決済手段、例えば、外国で発行されたクレジットカードで、日本の市場で使える決済手段であれば決済手段の情報も決済手段選定システム1に保存することで決済手段選定システム1が利用できる。
また、決済に利用する通貨は日本円に限らず、外国の法定通貨でもよい。
3つ目の利用者が自ら設定する情報について説明する。
個人情報データベース141には、利用者が自ら設定する情報がある。
この、利用者が自ら設定する情報は、決済を行う店舗に限定した決済手段の設定情報、優先して取得したい決済手段に付帯しているポイントの設定情報、優先して利用するベネフィットの設定情報がある。
他にも、決済を行う地域に限定した決済手段の設定情報、決済を行う店舗と曜日に限定した決済手段の設定情報、優先して利用する決済手段の設定情報、優先したい決済内容による高還元率の設定情報、優先したい決済内容によって得られるベネフィットの設定情報、等の利用者が自ら設定した情報が保存されている。
簡単な例をあげると、
決済を行う店舗に限定した決済手段の設定とは、決済事業者によってはグループ会社や提携している店舗、特にコンビニで決済を行うと高還元率が得られる店舗限定があるためその設定をする。
優先して取得したい決済手段に付帯しているポイントの決済手段の設定とは、決済手段Aのポイントを主に集めているので優先に選定したい設定をする。
優先して利用するベネフィットの設定とは、ホテルの予約時の決済に利用すると客室がグレードアップされたり、旅行に行く支払いを旅行代理店の窓口やWEBサイトで決済すると5%割引を受けたり、旅行保険が無償で付加されたり、海外で商品を購入する時に決済媒体を利用することで購入した商品が盗難や紛失、破損した場合の保証を受けられるので設定をする。
決済を行う地域に限定した決済手段とは、決済事業者によっては地域を指定した決済で高還元率が得られるので設定をする。
決済を行う店舗と曜日に限定した決済手段とは、スーパーや小売店で毎週水曜日に5%還元されたり、月に一度数%のキャッシュバックを受けられるので設定をする。
これらのように決済媒体や決済事業者による数多くのベネフィットがあるため、予め利用者が自ら設定しておくことが便利である情報となる。
1つ目から3つめの情報は、利用者が利用者端末15を用いてシステムに情報の設定登録を行う情報である。
4つ目の利用者が本考案を利用し決済を行った利用履歴の情報について説明する。
決済手段選定システム1を利用した履歴の決済利用年月日時、決済場所、利用決済金額、選定された決済手段(後述する決済選択システム13により選定された決済手段)、決済事業者等の情報を利用した履歴として、保存する。これらの情報を決済毎に蓄積し保存した情報が利用履歴の情報である。
【0033】
キャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222について説明する。
キャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222は、決済事業者が企画するキャンペーンがあり、決済事業者の決済媒体を利用することで発生する様々な好適内容のベネフィットが得られるキャンペーンが行われる。決済事業者のキャンペーンは、期間を決めた期間限定キャンペーンや、店舗を限定したキャンペーンや決済する商品を限定した限定したキャンペーンや決済場所(店舗)や商品を限定せずに決済を行えば良いだけのキャンペーンがあり、それにより得られるベネフィットは様々である。これらキャンペーンは定期または不定期で行われる物もある。これらの決済事業者による様々なキャンペーンの詳細情報が、決済事業者キャンペーン情報として「キャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222」に保存されている。
さらに、決済事業者の企画によるキャンペーンとは違い、店舗や小売店または製品を販売する企業が独自に売上促進や製品の販売促進を目的として企画するキャンペーンもある。このキャンペーンも定期または不定期で行われる。これらの店舗や小売店または製品を販売する企業により企画される様々なキャンペーンの詳細情報が、店舗小売店キャンペーン情報として「キャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222」に保存されている。
この決済事業者キャンペーン情報と店舗小売店キャンペーン情報の保存は、情報が新しく取得されれば追加保存される。
これら決済事業者や店舗小売店によるキャンペーンの情報を入手するには、外部ネットワークにある外部システムから入手する。
キャンペーンの情報やベネフィットの情報を提供している例として、AIクレジット社の「AI-Credit(登録商標)」などがある。
【0034】
決済媒体21の種類について説明する。
本開示の個人情報選定システム4を利用して決済を行うには、本開示システムが提供する決済媒体21を利用する必要がある。個人情報選定システム4から利用者に渡される3種類の決済媒体21について説明する。決済媒体21の種類は3種類を想定している。
1つ目の決済媒体21の種類は、今まで説明してきたように従来のクレジットカードと同等に従来からある決済手段と同一の仕様・形式による媒体である。「クレジットカードやデビットカードなど既存の物理デバイスと同様の仕様のカードとなっている。
また、この媒体は、スマートリングなど、物理的な媒体に既存の決済規格に準拠している電子機器が埋め込まれたものでもよい。スマートリングの一例として、EVERING社のEVERING(商標)などがある。さらに、既存の決済規格に準拠して作成された生体に埋め込める電子機器でもよい。
2つ目の決済媒体21の種類は、従来のコード決済などのように利用者が所有する利用者端末15の1種である携帯端末上の画面上にコード情報を表示し、決済ができるコード決済手段と同一の仕様・形式による無形物の媒体がある。さらに、従来のバーチャルクレジットカード決済などのように利用者が所有する携帯端末上の画面上にコード情報を表示し、決済ができるバーチャルクレジットカード決済手段と同一の仕様・形式による無形物の媒体とがある。バーチャルクレジットカードとは、「三井住友カード(CL)」(商標)のように、物理カードが発行されずオンライン上(インターネット上)でしか決済が行えないクレジットカードのことを示す。
利用の応用として上記2つの決済媒体21は、既存技術である「Apple Pay(商標)やGoogle Pay(商標)といった携帯端末で稼働するアプリの上で複数の決済手段を登録すること決済ができる外部サービスを利用することで従来の決済媒体の仕様と全く同じである決済媒体21も画面上に表示させ従来と全く同じ利用がそのままできる。
3つ目の決済媒体21の種類は、利用者の顔など人体の一部や音声を利用した媒体である。すなわち、利用者自身が決済媒体となっている。
この方法は、非特許文献2に記載のように、物理デバイスなど、利用者とシステムに保存された認証のための個人情報をと紐づけるもがなくても、利用者を顔認証すると決済が行える手法の応用となっている。本開示のシステムでは、店舗端末16において顔で決済を選択した場合に、店舗端末16にあるカメラで利用者の顔取得し、個人情報選定システム4が本人と認証することで決済手段が選択され決済が行える。また、店舗端末16において顔で決済を選択した場合としてが、店舗端末16の前に立つことにより「顔で決済」が自動で選択されるようにしてもよい。利用者の顔以外にも虹彩などの人体の一部や利用者の音声でもよい。
【0035】
店舗端末16での決済時において、本開示システムが提供する決済媒体21を店舗端末16に提示または接触することにより決済が行える。この方法は、従来の決済システムの方法と同じハードウェアの店舗端末16と全く同じ物を利用している。
この決済手法は、従来の決済であれば、店舗端末16と決済事業者131又は決済代行事業社132とが直接決済情報のやり取り(授受)を行うのに対し、本考案の個人情報選定システム4は、利用者及び小売店またはなど契約店舗と、決済事業者131又は決済代行事業社132との間に位置する。決済デバイス21を使用しない限り、何も行わないトンネル会社の位置付けであり、決済デバイス21を使用した時のみ機能するものである。
本開示システムが提供する決済デバイス21を使用した決済の手順と決済情報の流れについて説明する。
基本的には従来の決済情報の流れに変わりはない。利用者の店舗での決済時に本開示システムが提供する決済媒体21を使用した場合のみに、店舗端末16は決済情報である決済取引依頼データ24を、個人情報選定システム4にある決済手段選定システム1に送られる。
これは、店舗端末16が本開示のシステムが提供する決済デバイス21を使用した決済においては、店舗端末16は、個人情報選定システム4を決済事業者が複数あるうちの1つと認識するため、従来と同様に決済情報である決済取引依頼データ24を個人情報選定システム4へ送信され従来の方式と変わらない。
図13に示した図が従来の方式と流れが変わらないことを示した図である。
決済の認証方法について説明する。
決済時に使用する認証方法は、決済事業者131が所有している自前の認証システムにより認証プロセスが行われている。決済事業者131内で認証システムが行う認証ロジックは、それぞれの決済事業者固有の技術でそれぞれが違った処理方法で行っている。この認証情報には、利用者のPIN情報や生体情報等が使用されている。この認証に使用する利用者の認証情報は、それぞれの決済事業者に保存されており、保存方法もそれぞれの決済事業者固有の方法となっている。
ここまで、決済時における認証方法も従来の方式や方法と全く変わらない。
認証方法自体従来と変わりないが、決済デバイス21を使用した決済の認証方法について説明する。店舗端末16は決済時に認証情報を取得する、例えばPIN情報や生体情報等を取得し、この取得した情報と、個人情報選定システム4にある利用者認証システム14は、個人情報データベース141に保存されている決済デバイス21の所有者の認証情報とにより、本人認証処理を行う。又は決済デバイス21を使用した利用者の本人特定を行う。
【0036】
生体認証を使用したビジネスモデルについて説明する。
一部の決済事業者においては、既に決済時に生体情報を使用した決済システムを構築し運営を行っている。利用者側の利便性を考えると、この生体認証を利用した認証と生体情報を使用した利用者特定識別による決済方法とが、社会でのキャッシュレス決済の常識となってもおかしくない。社会にある決済事業者が、それぞれ利用者の認証又は特定するために生体情報を持つことになる。さらに生体情報を利用した決済の認証システムを開発し組込むには相当な時間と開発費用を要することになる。多額の開発費を投じて生体認証や本院特定を行うシステムを投じても事業収益は変わらない。投じた開発費の回収に数年を要してしまう。利用者からすると、個人を特定する情報(個人情報)が、様々な決済事業者に所有されることになる。パスワードやPIN番号であれば、盗まれた場合に後から変更すれば良いが、生体情報にいたっては、変更が不可能である。利用者からすると生体情報の扱いは慎重に願いたいし多くの決済事業者に生体情報を提供したくないのが本音であろう。この説明を
図14に示す。
利用者と決済事業者は顔や指紋などの生体情報を使用した認証の代行により従来と変わらずに決済処理が行える。この例を
図15に示す。
本考案では、従来の方式を利用した決済システムのため、認証又は本人特定を行うシステムを実装することができる。もともと個人情報データベース141を実装している個人情報選定システム4にとっては、個人情報を扱うことから、サービスとして個人情報の管理を行い、法令に基づき個人情報の保管と第三者への提供が行える機関(例えば、情報銀行)としての役割を持つことになる。
個人情報選定システム4は、店舗に設置された店舗端末16で決済を行った決済取引依頼データ24を決済手段選定システム1で受信し、決済事業者へ渡している過程となっている。この過程の中で、店舗端末16と個人情報選定システム4との間で、生体情報を利用した利用者の生体認証又は特定を行うことで、決済事業者が改めて利用者の生体情報を使用した生体認証又は特定を行う必要はなくなる。決済事業者は従来の決済処理のままで良いことになる。決済手段選定システム1が扱う個人情報データベース141には、「認証のための生体情報」が保存されているためそれを利用することで利用者の認証は行える。
個人情報選定システム4は、決済事業者に対して生体情報を使った利用者認証を代行するサービスと、利用者に対して決済媒体21を使用しなくとも顔など生体で決済が行える代行サービスとを提供するビジネスモデルを行うことができる。
利用者の決済における利用者認証は、店舗端末16にあるカメラを利用して「カメラで撮った顔の情報と、従来の決済取引依頼データ24」とを決済手段選定システム1に送信する。「店舗端末16のカメラで撮った利用者の顔の情報と、従来の決済取引依頼データ24」を受け取った決済手段選定システム1は、個人情報データベース141にある利用者の「認証のための生体情報」と、店舗端末16から送られてきた「店舗端末16のカメラで撮った利用者の顔の情報」との2つを利用して利用者本人の特定を行う。本人特定が行えれば、次に好適なベネフィットが受けられる決済手段の選定処理を行う。選定処理により選定された決済手段の決済事業者に対して決済を依頼する入替決済取引依頼データ25を送信し決済を引き渡すことになる。ここからは従来通り、決済事業者が決済手続きを完了すると店舗端末16に対して決算完了の通知が送信され利用者の決済が完結したことになる。
このビジネスモデルは、利用者と決済事業者の双方にメリットがある。
利用者は、現在所有して決済媒体の情報が決済手段選定システム1に登録されており、この登録されている決済手段を決済時に利用者の顔を利用することで決済が行われる利便性を利用することができる。さらに好適なベネフィットが得られる決済手段の選定はそのまま利用できる。本来であれば、個人情報であり漏洩しても書き換えられない生体情報を所有している決済手段の数に相当する複数の決済事業者に対して、生体情報を提供しなければならないことが無くなる。
決済事業者は、認証の代行サービスを利用することで、決済事業者は生体認証システムの開発費の捻出を行う必要がなくなり、さらに個人情報である生体情報の管理と生体情報の漏洩といったリスク管理からも解放されることになる。
また、店舗側の店舗端末16にとってみれば、本来決済事業者ごとに利用者の顔を取得するための仕組みが違う。この仕組みを店舗端末16で吸収するには、高額なシステムになってしまう。1つの顔を取得する仕組みと、その情報を一か所に送る仕組みであれば店舗端末16の改修費は高額にならない。
さらに、
図16のように、複数の決済事業者が生体認証による決済を行った場合、
複数の決済事業者の生体認証による決済を行っている場合、
店舗端末にあるカメラを利用して利用者から顔の情報を取得した店舗端末は、この顔の情報から、この顔の情報をどの決済事業者へ送って良いか判断することができない。
顔の情報を複数の決済事業者の中からこの決済事業者へ送ると判断できるようにするには、
図17に示すように、生体認証による決済を行っている決済事業者ごとに専用カメラを用意すれば、単純に実現することができる。
しかし、生体情報での決済を行っている事業者の数だけカメラの台数が必要となり、高額なシステムとなってしまう。
図18に示すように、本開示の個人情報選定システム4が、
利用者や店舗端末と、決済事業者との間に入り、複数の決済事業者が行うはずである生体認証の代行を行うことでスムースな生体認証を行う流れの形態ができる。
個人情報選定システム4は、顔や指紋を使った利用者の認証を行うことと、利用者識別ができた利用者の好適な決済手段を選定し事業者の代わりに生体認証を行うことができる。
以上が、個人情報選定システム4におけるビジネスモデルの説明である。
【0037】
個人情報選定システム4にある決済手段選定システム1は、算出選定処理により選定された決済手段から、個人情報データベース141に保存されている選定した決済手段に紐づいている決済事業者131に対して、店舗端末16より受信した決済取引依頼データ24にある一部の情報を入れ替えることにより、選定された決済事業へ決済情報である決済取引依頼データ24を転送する必要がある。この情報の入れ替えは別途説明する。
決済手段選定システム1から決済情報である決済取引依頼データ24を受け取る決済事業者は、決済情報である決済取引依頼データ24に基づき決済処理を行う。決済処理の結果(決済結果情報)を決済手段選定システム1へ返信するのでは無く、受け取った決済情報である決済取引依頼データ24内の情報にある利用者が決済を行った決済店舗端末16へ従来の処理と同じに決済結果情報を送る。決済店舗端末16は決済事業者131から受け取った決済結果情報を従来通り処理をおこない利用者へレセプターを渡す。利用者や小売店またはなど契約店舗にとって従来の決済方法となんら変わりは無い。
【0038】
ここまで説明してきたように、本考案は利用者が所有している複数の決済手段に紐づいている個人情報を本システム(個人情報選定システム)に登録する(預ける)ことから始まり、この登録された個人情報を使用して好適な条件である個人情報を選定し決済を完結させ好適な特典を得る事を利用者へ提供する個人情報の選択である。
これは従来の銀行システムと変わらず、預金者が個人情報を提供して口座を開設し、口座に現金を預け、預金者の希望による定期預金や投信により銀行が預金者に利息や利益を還元する銀行スタイルと同様に、本考案では利用者の個人情報を提供して口座開設のように情報が登録できシステムが利用できるようになり、利用者が持つ現金の代わりに決済手段の情報を登録することで利息や利益の代わりに好適なベネフィットを得られるといった情報を利用した銀行業務のようなビジネスモデルでもある。
本開示の個人情報選定システム4又は決済手段選定システム1は、個人情報を鍵をとして構築するシステムであり、個人情報なしには成立しない。
【0039】
ここで、
図24を使用して、疑似決済からリアル決済へ変更するための決済取引依頼データの入れ替え(変換)についての説明をする。本開示システムが提供する決済媒体21を使用して利用者が小売店で決済を行った時に店舗端末16から個人情報選定システム4に送られてくる決済取引依頼データ24の情報は、本開示システムが提供する決済媒体21に登録された情報である。この情報は、個人情報選定システム4が疑似的な決済事業者として決済業務を行う疑似的な情報となっており、個人情報選定システム4に決済取引依頼データ24を送るための仕組みである。しかしながら個人情報選定システム4では決済業務は行わない。
実際に決済処理を行う事業者は、決済手段選定システム1にある決済選択システム13により算出選定処理にて選定された決済手段に対応している決済事業者が決済を行うことになる。この決済処理を行う決済事業者に対して、決済手段選定システム1が決済の依頼を行うことになる。この実際に決済処理を行う決済事業者へ決済の依頼するためには、店舗端末16から送られて来た決済取引依頼データ24内にある情報から、実際に決済処理を行う決済事業者の情報に入れ替えた入替決済取引依頼データ25を作成した上で、決済処理を行う決済事業者に対して入替決済取引依頼データ25を転送することになる。決済取引依頼データ24の一部の情報を入れ替える処理(変換処理)を決済変換システム12が行い決済取引依頼データ25を作る。
決済手段選定システム1は、決済処理を行う決済事業者へ入替決済取引依頼データ25を送ることで、疑似決済を行う個人情報選定システム1から実際に決済を行う決済事業者に決済処理が引き継がれたことになる。
決済取引依頼データ24から入替決済取引依頼データ25への情報の入れ替えには、個人情報データベース141に保存されている利用者の個人情報を使用する。個人情報選定システム4は、決済選択システム13による選定算出処理により選定された決済手段に紐づいている利用者の決済手段情報22と、決済を行う決済事業者の情報を個人情報データベース141から取り出して、決済取引依頼データ24にある一部の情報との入れ替え処理により、入替決済取引依頼データ25ができることになる。この情報の入れ替え処理は決済変換システム12が行う。決済変換システム12による入れ替え処理に使用する情報は、決済事業者、利用者、決済媒体番号、PIN等の情報の入れ替え処理となる。決済処理を依頼された決済事業者は、従来と同じプロセスで決済処理を行い、決済依頼をした店舗端末16へ決済結果を返信し決済を完結する。決済変換システム12による決済取引依頼データ24の情報の入れ替え又は変換は、クレジット系、プリペイド系、デビット系、バーコード系、暗号通貨、デジタル通貨系への変換が行える。
図24では、決済事業者、利用者、決済媒体番号、PINに相当する情報を店舗端末16から受信した決済取引依頼データ24内の情報を入れ替えて、選定された決済手段に該当する決済事業者Aへ情報を入れ替えた入替決済取引依頼データ25を送信している図である。決済事業者Aは、決済に問題が無ければ、この取引に対する返答データを小売店の店舗端末16へ返信し決済が完了となる。
【0040】
ここからは、データベース内の情報と、算出選定処理の処理内容について説明する。
決済手段選定システム1の重要な機能である、利用者が決済時に好適な決済手段とはどの決済手段が良いかを選定するための算出選定処理の内容と、その処理に使用する情報とデータベースについてである。
【0041】
決済選択システム13は、店舗端末16から送られて来た情報と、個人情報データベース141およびキャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222の2つのデータベースの情報を使用して算出選定処理を行う。
決済手段選定システム1内にある決済選択システム13は、「店舗端末16から受信した決済取引依頼データ24にある情報」と、「個人情報データベース141に保存されている利用者の個人情報」と、「キャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222に保存されている情報」の各情報を利用することにより、利用者が決済時に好適な決済手段で決済に使用する 算出選定処理を行う。
最初に、算出選定処理に使用する情報の中から、店舗端末16から送られて来た情報の説明をする。送られて来た情報とは、店舗端末16から送られてきた決済取引依頼データ24の情報である。
利用者が、決済時に好適な決済手段を導き出すための算出選定処理には、店舗端末16から受信した決済情報に含まれる決済取引依頼データ24の情報のうち、利用者情報と決済時間情報と決済場所情報(店舗)と決済金額情報と支払指定情報とを使用する。
次に、算出選定処理に使用する情報の中から「2つのデータベースの情報」の説明をする。
2つのデータベースの情報とは、決済手段選定システム1内にある「個人情報データベース141」と、「キャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222」内にある情報である。
個人情報データベース141に保存されている情報の中から、「ア,決済手段の情報」、「イ,決済手段契約(保有) 情報」、「ウ,ユーザー決済場所設定情報」、「エ,ベネフィット目的設定情報」、「オ,目標設定情報」とを使用する。
キャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222に保存されている情報の中から、「サ,決済事業者ベネフィット情報」、「シ,決済事業者会社キャンペーン情報」、「ス,店舗小売店キャンペーン情報」、とを使用するが、これらは期間や場所,決済合計金額などの一定条件下のみで適応される条件の情報となっている。
【0042】
ここで、重要な情報の説明をする。
決済選択システム13内にある、個人情報データベース141内に保存されている情報のうち、好適な決済手段を算出選定処理する上で重要な情報である3つの情報となっている。重要な3つの情報は、利用者が自ら設定する情報として「ウ,ユーザー決済場所設定情報」、「エ,ベネフィット目的設定情報」、「オ,目標設定情報」がある。
重要な情報1つ目、「ウ,ユーザー決済場所設定情報」は、利用する決済場所に対して決済手段を決めて利用者が自ら登録する情報である。利用者が、予め店舗(決済場所)毎に使用する決済手段は、コレと決めている情報を利用者が自ら登録する情報である。利用者は、この情報の登録を行わなくてもよい。
重要な情報2つ目、「エ,ベネフィット目的設定情報」は、決済手段とベネフィットとを対比して登録する情報である。利用者が所有している決済手段には、決済事業者との契約時に付帯されているベネフィットが決済手段毎に複数存在している。この契約時に付帯されているベネフィットのうち利用者が利用したいベネフィットを決めている場合に、決済内容及び決済場所とベネフィット内容の情報を結び付けて利用者が自ら登録する情報である。利用者は、この情報の登録を行わなくてもよい。
重要な情報3つ目、「オ,目標設定情報」は、利用者が所有している決済媒体21に登録している決済手段の中から一番の取得を目標とする情報を利用者が自ら登録する情報である。利用者設定情報として、利用者が所有している決済媒体デバイス23に付帯しているベネフィットの中から一番の取得を目標とする情報を利用者が自ら登録する情報である。この情報には、「決済事業者のポイントやマイルの取得」「決済事業者実施の割引やキャッシュバックなどの恩恵」「決済事業者のステータスや保証の希望」などがある。利用者は、この情報の登録を行わなくてもよい。
【0043】
決済手段選定処理は、
図25に示す4段階の処理により行う。
第1の処理は、利用者から決済場所による要望からの選定を行う。
利用者が利用者設定情報の1つであるユーザー決済場所設定情報として、受信した決済場所に対応した「決済手段」が利用者設定情報に登録して要るか否により処理が移っていく。
登録されている場合は、登録された決済手段を選択する(
図25の(1)の処理が選択される)。登録されていなければ次の第2の処理に移る。
第2の処理は、利用者が利用者設定情報の1つであるベネフィット目的設定情報として、「契約時に付帯されているベネフィットのうち利用者が利用したいベネフィット」の登録が行われているかの確認処理を行う。登録されている場合は、登録された決済手段を選択する(
図25の(2)の処理が選択される)。登録されていなければ次の第3の処理に移る。
第3の処理は、利用者が、利用者設定情報の1つである目標設定情報として、「決済事業者のポイントやマイルの取得」「決済事業者実施の割引やキャッシュバックなどの恩恵」「決済事業者のステータスや保証の希望」などのうちどの項目を優先するかを登録しているかの確認処理を行う。登録されている場合は、登録された項目に該当する決済手段を選択(
図25の(4)から(6)の処理を選択)する。前記のいずれの項目も登録されていない場合は、次の第4の処理(
図25の(3)の処理)に移る。
第4の処理は、利用者が自ら設定する情報として「ユーザー決済場所設定情報」、「ベネフィット目的設定情報」、「目標設定情報」の重要な3つの情報を全て設定していない場合の処理を説明する。
まず、決済選択システム13は、決済の情報として、店舗端末16から受信した決済取引依頼データ24にある情報として利用者情報と決済利用年月日時、決済場所(店舗)と、利用決済金額などを取得する。また、キャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222に保存されている情報である「決済事業者ベネフィット情報」、「決済事業者キャンペーン情報」、「店舗小売店キャンペーン情報」などの情報も取得する。「決済事業者ベネフィット情報」、「決済事業者キャンペーン情報」、「店舗小売店キャンペーン情報」などには、それぞれ「ポイントに関する情報」「ステータスや決済による保証などの情報」「割引やキャッシュバックなどの情報」に大別される情報が保存されている。
ここからは、『 決済事業者ベネフィット情報 』を用いて決済手段を選定する場合と『「決済事業者キャンペーン情報」「店舗小売店キャンペーン情報」』を用いて決済手段を選定する場合に分けて説明していく。
【0044】
『 決済事業者ベネフィット情報 』を用いて決済場所を選定する場合を説明する。
この場合における、キャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222に保存されている各情報の詳細情報は次のようなものがある。
ポイントに関する情報には、決済手段の発行時の条件(契約条件)として定められているポイントの還元率の情報や、特定の店舗では還元率が良くなるという情報、決済事業者が期間と条件を設定のうえポイントの還元率を変更する政策やボーナスポイントを付与する政策の情報などがある。(
図25の(7)に相当)
ステータスや決済による保証などの情報には、決済手段の契約条件に定められている年間で一定額以上利用した場合や年間で一定ポイント以上取得した場合に決済事業者の上級会員になれるという情報や、購入した物品に対する破損保険・盗難保険などの情報、旅行保険など決済を行うことで付与される保険の情報などがある。(
図25の(8)に相当)
割引やキャッシュバックなどの情報には、決済手段の契約条件に定められている一定の場所では決済金額の何割かを割引くもしくはキャッシュバックする情報や、期間と場所とを区切って決済金額の何割かを割引くもしくはキャッシュバックするという情報などがある。
(
図25の(9)に相当)
決済選択システム13は、決済取引依頼データ24の情報が「ポイントに関する情報」「ステータスや決済による保証などの情報」「割引やキャッシュバックなどの情報」の各情報に保存されている条件に該当するかの検索処理を利用者が所有し決済した店舗で利用できる決済手段全てに対して行う。決済選択システム13は、検索の結果、前記の情報に保存されている条件のうち、いずれかの条件に該当した決済手段を、選定する決済手段の候補とする。候補となった決済手段で該当した条件での還元率を算出する。決済選択システム13は、還元率の計算の結果を比較し、一番還元率が大きいものを『 決済事業者ベネフィット情報 』を用いて選定する場合の決済手段とする。還元率の説明及び、決済手段の最終的な選定は後述する。
【0045】
『「決済事業者キャンペーン情報」、「店舗小売店キャンペーン情報」』を用いて決済場所を選定する場合を説明する。
この場合における、キャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222に保存されている各情報の詳細情報は次のようなものがある。
ポイントに関する情報には、決済事業者や店舗などが、期間と条件を設定のうえポイントの還元率を変更する政策やボーナスポイントを付与する政策の情報などがある。(
図25の(10)に相当)
ステータスや決済による保証などの情報には、決済手段の発行時の条件として、決済事業者や店舗で年間一定額以上利用した場合や年間で一定ポイント以上取得した場合に店舗の上級会員になれるという情報や、店舗独自の購入した物品に対する破損保険・盗難保険などの情報などがある(
図25の(11)に相当)
割引やキャッシュバックなどの情報には、決済事業者や店舗側の政策として期間を区切り決済金額の何割かを割引くという情報などがある。(
図25の(12)に相当)
決済選択システム13は、決済取引依頼データ24の情報が「ポイントに関する情報」「ステータスや決済による保証などの情報」「割引やキャッシュバックなどの情報」の各情報に保存されている条件に該当するかの検索処理を利用者が所有し決済した店舗で利用できる決済手段全てに対して行う。決済選択システム13は、検索の結果、前記の情報に保存されている条件のうち、いずれかの条件に該当した決済手段を、選定する決済手段の候補とする。候補となった決済手段で該当した条件での還元率を算出する。決済選択システム13は、還元率の計算の結果を比較し、一番還元率が大きいものを『「決済事業者キャンペーン情報」、「店舗小売店キャンペーン情報」』を用いて選定する場合の決済手段とする。
還元率の説明及び、決済手段の最終的な選定は後述する。
【0046】
ここで、「ポイントに関する情報」「ステータスや決済による保証などの情報」「割引やキャッシュバックなどの情報」がそれぞれ示す還元率を説明する。
ポイントに関する情報の還元率は、当該決済で何%のポイントが還元されるかのことを示す。
ステータスや決済による保証などの情報の還元率のうち保障の場合の還元率は、万が一被害にあった際に決済金額に対しいくら保障されるかの割合を示す。簡単な例をあげると、海外旅行中に1万円で商品を購入し、商品が旅行中の盗難された場合において、1万円相当の保証が受けられる場合は、還元率10割となる。ステータスの還元率は、ステータス自体の金銭的価値が低いと判断し、還元率を0割とみなす。
割引やキャッシュバックなどの情報の還元率は、割引の場合は割引率を、キャッシュバックの場有は決済額の何割戻ってくるかの割合を示す。
決済選択システム13は、『「決済事業者ベネフィット情報」「決済事業者キャンペーン情報」』を用いて決済場所を選定する場合の決済手段と『 店舗小売店キャンペーン情報 』を用いて決済場所を選定する場合の決済手段とを比較し、より還元率が高いものを、決済手段として選定する。また、複数の条件に合致し複合して利用できる場合、複合した場合の条件で還元率を計算してもよい。(
図25の(7)から(12)が集まった好適判定処理のこと)
【0047】
第4の処理の例を示す。
キャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222に保存されている各情報の詳細情報は次のようなものがある。
ポイントやマイルの取得条件に関する情報には、店舗などが、期間と条件を設定のうえポイントの還元率を変更する政策やボーナスポイントを付与する政策の情報が保存されている。含まれる情報の例として、「一定期間内は、通常0.5%還元のところ1%還元とする」などがある。
決済手段のステータスや決済による保証などの情報には、決済手段の発行時の条件として、店舗で年間一定額以上利用した場合や年間で一定ポイント以上取得した場合に店舗の上級会員になれるという情報や、店舗独自の購入した物品に対する破損保険・盗難保険などの情報が含まれている。
割引やキャッシュバックなどの恩恵に関する情報には、店舗側の政策として期間を区切り決済金額の何割かを割引くという情報などが保存されている。含まれる情報の例として、「毎月特定の日にちに、決済金額5%割引く情報」などがある。
決済選択システム13は、決済取引依頼データ24にある情報が「ポイントやマイルの取得条件に関する情報」「決済手段のステータスや決済による保証などの情報」「割引やキャッシュバックなどの恩恵に関する情報」の各情報の条件に該当するかの検索処理を利用者が所有し決済した店舗で利用できる決済手段全てに対して行う。この検索は、たとえば、「ポイントやマイルの取得条件に関する情報における、還元率が良くなる条件に該当するか」「日時が、割引やキャッシュバックなどの恩恵に関する情報における割引対象条件に該当するか」などのことを示す。決済選択システム13は、前記検索処理で該当した決済手段の比較を、前述した『「決済事業者ベネフィット情報」「決済事業者キャンペーン情報」』を用いて決済場所を選定する場合で該当したものと合わせて行い、決済手段の選定を行う。
【0048】
決済手段の選択後、その決済手段が有効であるか、例えば、「クレジットカードの場合は、個人情報データベース141内の決済手段契約(保有) 情報を参照し、今回の決済金額を決済すると利用可能額の上限をオーバーしないか」「バーコード決済の場合は、残高が決済金額以上あるか」などの確認処理を行う。この処理の結果、決済可能であると判断した場合決済事業者131に決済の依頼を行う。決済不可能と判断された場合は、今回選択された決済手段を除外して再度算出処理を行う。
【0049】
決済選択システム13が個人情報データベース141及びキャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222に保管された情報を利用して決済手段の算出処理を行う方法の具体例を示す。
利用者は、決済手段情報22として4つの決済手段を個人情報データベース141に登録している。登録されている決済手段をここでは、決済手段α、決済手段β、決済手段γ、決済手段δとそれぞれ呼称することにする。この4つ決済手段に対して以下の設定や情報などが個人情報データベース141またはキャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222それぞれ登録されている。
利用者は、個人情報データベース141に利用者設定情報としてA店において決済手段αを優先して使用すると設定している。
利用者は、個人情報データベース141に利用者設定情報として決済手段βの上級会員資格取得のためのポイントを優先して貯めたいと設定している。
決済手段γは、C店が発行している決済手段となっている。また、店舗小売店キャンペーン情報としてC店において決済手段γを特定の曜日に使うと、1割引が行われる販売促進政策がキャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222に登録されている。
決済手段δは、決済事業者キャンペーン情報として合計で一定金額以上決済が行われれば、決済手段δのポイントサービスで決済金額の0.1%をボーナスポイントとして付与する(決済金額1000円あたり1ポイント付与する)という販売促進政策がキャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222に登録されている。なお、このポイントは1ポイント1円相当として利用することができる。
以下に様々な条件で選択される決済手段を示す。特に言及がない限り、すべての決済手段が使えるものとする。
例1(A店で決済を行うとした場合)
この場合は、A店において優先して使用すると設定している決済手段αが選択される。(上記処理のうち第1処理に該当)
例2(B店で決済を行うとした場合)
この場合は、A店ではないため決済手段αは選択されず、上級会員資格取得のためのポイントを貯めている決済手段βが選択される。(上記処理のうち第3処理に該当)
例3(決済手段βが使用できないC店で決済を行うとした場合)
C店では、決済手段αと決済手段γと決済δが使える。この場合は、A店ではないため決済手段αは選択されず、決済手段βは選択できないため、決済手段γもしくは、決済手段δのどちらかが選択されることとなる。決済手段γもしくは、決済手段δの選択は、決済を行おうとする日が、C店の店舗小売店キャンペーン情報に記載の割引日の場合は、決済手段δのボーナスポイントより、決済手段γの割引のほうが高い割引率のため、決済手段γが選択される。一方、決済を行おうとする日が、C店の店舗小売店キャンペーン情報に記載の割引日以外の場合は、決済手段δのボーナスポイントのほうが高い割引率のため、決済手段δが選択される。(上記処理のうち第4処理に該当)
【0050】
上記の例では、4つの決済手段を用いて説明した。第1から第3の処理を行っても、決済手段が見つからない場合、最大で登録している決済手段の数の中で比較し、決済手段を選定する処理を行う必要がある。
例えば、利用可能な決済手段を5つ所有し登録していた場合は、この5つ全てに対して、キャンペーン情報や利用者設定情報が無いかをデータベース内から取得し、最も利用者にとって好適なものを算出する。この場合、従来では利用者が選択した決済手段のみの処理に比べ、5倍の処理が必要となる。
仮に、5人の利用者が1人当たり5つの決済手段を登録しており、各々1回決済行為を行った場合25件の処理が発生する。これが、10人だと50件、100人だと500件となる。1人あたり5つの決済手段としたが、1人あたり10の決済手段が登録されていた場合、この件数が倍になる。すなわち、利用者が増えるほど、登録している決済手段の数が増えるほど処理する件数が指数関数的に増えていく。
指数関数的に処理の増加が予想されるシステムにおいて、対策を行わずにシステムを運用していると、いずれ処理能力の限界を迎えることとなる。今回の処理は、一般に組み合わせ最適化問題と呼ばれる処理である。この組み合わせ最適化問題を処理する方法として、人工知能を利用する方法や量子コンピューティングを利用する方法などが知られている。例えば、非特許文献3や非特許文献4などがある。量子コンピュータを用いた決済手段の算出の例を
図4に示す。
図4では、「人」「利用場所」「キャンペーン内容」の3要素を持ち用いて決済手段を自動算出している。算出は、量子ビットの「0」と「1」の重なり方の違いを利用して行っている。
【0051】
複数の決済手段が1つのデバイスにまとまることは、持ち歩く決済手段の数を減らすことになる。また、決済時に決済手段を選択する必要もなくなる。
例えば、利用者がクレジットカード3種類と電子マネーカード2種類を持っていたとすると、今までは5種類で合計5枚のカードを持つことになる。本システムを利用すると1つのデバイスにまとまる。店舗での決済時において、1つのデバイスの利用で、最も効率の良い決済手段が選択され、決済できるようになる。ここまで説明してきた決済の一連の流れを抽象化した図を
図5に示す。また、今まで説明してきた決済の一連の流れをフロー化したものを
図3に示す。
【0052】
ここで、利用者認証システム14を用いた利用者本人の特定処理について説明する。
まず、店舗端末16は、利用者の個人情報を取得すると、利用者認証システム14に利用者の個人情報を送る。利用者認証システム14は、店舗端末16で取得した利用者の個人情報と個人情報データベース141に保存してある個人情報とを比較する。比較の結果、一致した場合、利用者が利用者本人と特定する。前記した比較を1回目の比較とし、1回目の比較の後に、二回目の比較処理を行ってもよい。二回目の比較は、前記比較に用いた利用者の個人情報とは別の個人情報を用いて行う。利用者認証システム14は、二回目の比較用の利用者の個人情報の取得の要求を店舗端末16に送る。店舗端末16は、利用者認証システム14から要求された、二回目の比較用の利用者の個人情報を利用者から取得し、その取得した個人情報を利用者認証システム14に送る。利用者認証システム14は、二回目の比較用として取得した利用者の個人情報と利用者認証システム14内に保存してある利用者本人の個人情報とで二回目の比較処理を行う。二回目の比較を行い、比較し一致した場合、二種類の個人情報により利用者本人と特定されたことになる。この際、二回の比較に用いる個人情報の組み合わせは、任意の組み合わせでよい。利用者認証システム14は、利用者本人と特定したことを店舗端末16に通知する。店舗端末16は、決済手段登録サーバー12を介して決済選択システム13に決済を依頼する。決済選択システム13は、店舗端末16から決済の依頼を受け、決済処理を行う。決済の流れは
図3と同様のため説明を省略する。または、二回目の比較を行わず、一回目の比較で利用者の特定を行ってもよい。比較を二回行うことにより、なりすまし防止につながる。
図6に、二回比較を行う方法での、利用者本人の特定から決済を行うまでの処理の流れを示す
利用者認証システム14が利用者本人の比較に用いる利用者の個人情報は、利用者の生体情報やPINの情報などのことを示す。また、保険証番号、診察券番号、会員番号、マイナンバー、免許証番号、年金番号、パスポート番号など、行政やその他機関が発行する利用者を特定できる文字列情報で個人を特的できる情報も利用する。
【0053】
前記で説明した「利用者認証システム14を用いた利用者本人の特定処理」を利用したケースについて説明をする。
店舗にある店舗端末16の前に立つだけの簡易な方法で決済が行える。
図7は、簡易な方法での決済に必要な、生体情報を利用した認証の方法の流れを示す。
例えば、病院の受付に店舗端末16の一例である受付にある受付端末16aがある。
通院する利用者(患者)が、受付にある受付端末16aで受付処理が行われる。
診察が終了すると、会計で会計を行うことになる。会計では、患者の伝票をスキャンし院内の会計システムによる計算処理待ちで長い時間待つことになる。計算処理が終わり決済を行うことになる。
この会計時の決済処理に本考案を適用すると、会計にはカメラ機能が付いている会計端末16bと、利用者の認証を行う利用者認証システム14とを利用する。
さらに、決済媒体21を所有している利用者は、個人情報データベースに利用者の生体情報が保存されているため、この情報も利用する。
決済媒体21を所有している利用者(患者)は、会計時にカメラ機能が付いている会計端末16bが患者の顔を映し出し顔写真情報として個人情報選定システム4にある利用者認証システム14へ送信する。受信した顔写真情報は、利用者認証システム14による認証処理により利用者認証が行われる。利用者の認証が正しく行われると会計(決済)の処理が行われる。ここでの認証処理は、既に説明しているのでここでは省く。
このように、決済媒体21を所有している利用者は、顔を映し出すだけで医療機関での会計が行える。
また、会計場書でカメラ機能のついた会計端末16bにより患者の顔を映し出して顔情報から認証を行っていたが、さらに患者への利便性を上げる方法がある。
それは、医療機関の受付に、カメラ機能のついた受付端末16aを設置しこれを利用することで、会計場所に行って計算処理を待ち決済を行うことから解消ができる。
受付時にカメラ機能のついた受付端末16aが患者の顔を映し出し顔写真情報として個人情報選定システム4にある利用者認証システム14へ送信する。受信した顔写真情報は、利用者認証システム14による認証処理により利用者認証が行われる。ここで処理は一旦保留となる。患者の診察が終わり、患者の会計処理が終わるまで処理が保留となっている。患者の会計処理が終わると、保留となっていた利用者認証システム14は決済システム(会計システム)に対して利用者認証が正しく行われたことを通知する。このことを整理すると、受付時に前持って決済時の決済認証に必要な患者(利用者)の顔情報を取得して認証を行ってしまい、診察後の診察費の計算が終わったら決済までを自動で行ってしまう取り組みである。
さらに、受付時に必要な診察カードを工夫することができる。出願人考案の特願2021-201305の第5実施形態に開示の考案を利用する。この考案を利用することで、診察カードに決済媒体21を紐づけることにより、決済媒体21が診察カードとしての役割を果たすようになる。また、診察カードに、患者の顔の情報を紐づけることができる。このことにより医療機関への通院時に何も持たずに通院し、受付時に顔を映し出すだけで診療受付ができてしまい、決済の認証と両方が何も持たずに通院し顔だけで行えてしまう。
さらにこのことは、一部の病気を患わって患者には価値のある考案である。
【0054】
ここまでが、生体情報を利用した簡易な方法での決済となる。簡易な方法での決済を利用した利用者の病院内での動きのイメージを
図8に示す。
図8の利用者の動きより、さらに利用者の動きを短縮したイメージが
図9である。この利用者の動きを短縮するには、
図8で示した決済端末16bの前に立つ決済に代え、診察終了後に会計システムに診察が終えたことを通知し、利用者認証システム14で保留していた決済認証を再開し、決済を行うことで人の動きが短縮される。この処理の流れを
図10に示す。人の流れのイメージを
図9に示す。
図9を用いて説明した短縮されたこの人の動きは、生体情報の例として顔のデータを挙げたが、虹彩や指紋など別の生体情報で行ってもよい。また、
図6から
図8で示した生体情報を利用した簡易な方法での決済を例として上げたが、病院内での様々部署での個別受付や検査受付など、利用者の確認が必要な場合に利用してもよい。一部の病状を持った患者においては、医療機関内の移動でも負担となり動線は短い事にこしたことがない。診察が終わり会計システムの処理待ちから発生する受付付近での滞留や密が無くなることになる。この処理待ちは、患者数が増えることにより発生する。患者が増えたことにより、医療機関内にある情報システム内のトラフィックが増加し、結果、処理に時間がかかっているために発生している。患者の目線で考えると、歩く動線を短くすることには様々なメリットがある。決済を自動化することで医療機関内における金銭授受業務を行っている職員の削減にもつながっていく。
【0055】
ここまでの説明では、利用者の生体情報の取得を受付端末16aで行うとしたが、受付端末16aに限定されず、他の店舗端末16や何らかの方法で利用者の生体情報を取得できる機器でもよい。生体情報を取得できる機器とその機器で取得する生体情報の具体例としては、施設入口など施設内に設置したカメラを用いて人の顔の情報を取得するなどがあげられる。また、カメラで取得した画像に複数人の顔が映り込んでいるなど、複数の生体情報を同時に取得した場合、従来の顔認証技術を応用して、その中から利用者を割り出し、利用者と利用者以外との特定し、来院者を判別する機能を有してもよい。利用者本人と特定され、さらに、何らかの方法で取得した生体情報をもとに利用者の家族も来院していると特定できた場合、利用者が家族と来院したという来院者を判別する機能を有してもよい。
物忘れが日々発生する認知症などのこれからの社会において増えていくケースに対しての対策を行う必要がある。これを実現するために、
図6から
図10で説明してきた方法を利用すると、何も持たずに病院に行き受付を済ませられ、診察時に診察端末16cで決済を自動的に行い、診察後そのまま帰れるようにする。これが、人の動きを最も簡略したことによる受付と決済方法となり、この方法がこれからの社会において増えていくケースへの対策となる。物忘れが日々発生する認知症では、決済デバイス21や個人識別番号を示すもの(診察券など)やお財布を忘れる利用者(認知症患者や高齢者など)にも適応でき、こういった利用者に十分に配慮した決済手段となる。また、認証を二回行うことにより万が一認知症患者が決済媒体21など決済に用いる手段を紛失しても認証が2回あることからなりすましを防止することができる。また、第三者が使用しようとした場合、決済が行えないだけでなく、認知症患者が決済媒体21など決済に用いる手段を紛失したことを、システム側で感知することもできる。
予約者や決済媒体21や個人識別番号を示すもの(診察券など)を忘れる患者以外にも、定期または不定期に病院に通っている全ての患者に適応してもよい。
【0056】
図10の説明では、「利用者が受付端末16aに提示させた利用者の個人情報(顔)と、予め受付端末16aに保存してある利用者の認証に必要な情報との比較を行う。」としたが、これは端的に言うと、1度取得した個人情報を店舗端末16に保持しておき、次回以降(2回目以降)の利用時に店舗端末16内に保存した個人情報を用いて本人確認を行うことを示している。また、2回目以降の本人確認に利用する個人情報は、個人情報を容易に取得するために生体情報を用いるのが望ましい。2回目以降の本人確認に用いる店舗端末16は、利用者の生体情報を保存した店舗端末16だけでなく、利用者の生体情報を保存した店舗端末16にネットワーク19などの電磁気的手段を用いて接続している店舗端末16でもよい。2回目以降の利用時とは、店舗端末16内に保存した個人情報を用いて認証が行えた場合のことを示す。
【0057】
本開示のシステムは、外国で利用できる。本開示のシステムは、既存の決済媒体の仕様、例えば、クレジットカードと同様の仕様で作成された本開示システムが提供する決済媒体21を用いているため、外国でも、本シンステムを利用した決済ができる。なお、日本国内限定せず、外国からでも本シンステムの特徴である複数登録された決済手段の中から決済手段の選択処理がされ、本システムが利用できる。よって、訪日旅行客も本開示のシステムが利用できることになる。このことにより、本システムは、日本・外国で使える決済の共通プラットフォームとして利用することができる。
図11に、本システムにおける決済の共通プラットフォームのイメージを示す。
【0058】
従来のシステムと比較すると、特開2017-68580号に開示のシステムでは、携帯端末が店舗設置ビーコンの電波を受信し管理サーバーと通信の上、利用可能な決済手段を取得している。実際に利用する決済手段は、携帯端末に登録された決済手段でかつ、管理サーバーから取得した利用可能な決済手段が携帯端末に表示され、表示された決済手段のなかから利用者が利用可能な決済手段の中から利用者が選択している。
一方、本開示の決済システムでは、利用者が個人情報データベース141に登録した決済手段情報22のなかから決済手段選定システム1が決済手段を選択し、利用者が決済手段の選択を行わないとういう明確な違いがある。
また、国際公開2019/230986号に開示のシステムでは、管理データベースに保存された決済手段の中から自動で決済手段が選択され、決済が行われると記載されている。この自動処理は、利用者の端末と決済情報通知部との間の処理、すなわち、決済の処理には、利用者の端末が必要であるとしている。また、利用者の端末は、通信機能が必要であるとも記載されている。
一方、本開示の決済システムおいて、決済に用いる手段は、通信機能を有している端末の場合もあるが、磁気カードやICカードなど通信機能をもたないものを利用しても決済が行えるという明確な違いがある。
【0059】
ここからは、決済手段選定システム1の拡張例として、個人情報を利用した情報銀行としてのサービスの提供を説明していく。
本開示の個人情報選定システム4には、個人情報データベース141に多種多様の個人情報が保存されている。この個人情報を利用した情報銀行してのサービスの提供を行うことができる。
【0060】
1つ目の拡張例として、決済事業者131への個人情報の代行登録機能がある。この機能は、利用者が本考案の個人情報選定システム4を介して新たな決済手段を契約する際に、個人情報選定システム4から決済事業者131に対し、リアルな個人情報を渡さず、匿名化した個人情報を渡す。匿名化した個人情報を渡すことにより、利用者は、決済事業者131に正体を明かさずに新たな決済手段を契約することができる。例えば、個人情報選定システム4から決済事業者131に対し実名ではなく偽名で名前を送ることにより、偽名で契約をする。結果、決済事業者131から利用者に対して、実際の名前とは違う名前が記載された利用者所有の決済デバイス23が発行できる。
2つ目の拡張例として、決済事業者の代わりに一括利用明細書の作成と提供を行うサービスするビジネスモデルがある。個人情報データベース141に保存されている利用履歴の情報を利用する。
従来、利用者は、複数の決済手段を所有しているため、複数の決済事業者が発行する明細書を確認する手間が発生していた。
決済手段選定システム1にある、利用履歴の情報を利用することで手間を省くかできる。それには、利用履歴の情報を月ごとに並べ替え、帳票を使うことにより、利用者が所有している、決済手段全ての利用明細書、すなわち一括利用明細書ができる。利用者は、複数の明細書を確認せずに、この一括利用明細書を確認すればよくなる各決済事業者は明細書を発行する必要が無くなる。個人情報選定システム4は、利用者に一括利用明細書を提供し、事業者には、明細書の発行を代行するサービスを提供するビジネスモデルとなる。
3つ目の拡張例として、利用者の信用情報の管理機能がある。この機能は、利用者が決済を行える合計金額の上限の管理機能となっており、クレジットカードにおける「ご利用可能額」と同じ機能を持っている。また、この信用情報の管理機能で設定されている上限金額は、複数の決済事業者131の決済手段で共有する。例えば、本開示の個人情報選定システム4は、利用者の信用情報として決済の上限金額を100万円と設定したとする。複数の決済手段での決済の結果のうち、利用者が支払いを行っていない金額が100万円を超えると、個人情報選定システム4を用いた決済できなくなる。
4つ目の拡張として、個人情報データベース141に保管された情報を信託の基礎情報として活用する。例えば、利用者本人が病気や年齢などの理由により利用者の信用情報が決済手段の発行基準に満たししていない場合であって、利用者と家族との間で信託契約がある場合、個人情報選定システム4は、家族の信用情報を利用して決済媒体21を発行するなどに利用する。
5つ目の拡張として、個人情報の自動更新機能がある。本開示の個人情報選定システム4は、様々な場所、例えば病院や企業、決済事業者131などから情報が集まってくる。集まってくる情報には、本来利用者本人が決済事業者131等に対し情報が変わったという内容の連絡を行うべき情報も含まれる。連絡を行うべき情報として例えば、転居先の住所や転職先の企業名などがある。個人情報選定システム4が、集まってきた情報の中に更新すべき情報が存在した場合、自動で個人情報の更新を行う。
例えば、利用者が転職した場合、加入する健康保険が変わる。また、健康保険証には、事業所の名が記載されている。個人情報選定システム4は、健康保険証が変わったことを認識すると、健康保険証に記載の事業所名が転職先の企業名であると判断し、個人情報データベース141に保存されている利用者の勤務先の情報を更新する。
6つ目の拡張として、個人情報の販売機能がある。この機能は、個人情報選定システム4内に保管されている個人情報を匿名化して、決済事業者131などに販売する機能である。例えば、富裕層で資産を持っているが、決済手段を持っていない利用者がいるとする。個人情報選定システム4は、決済事業者131に対して、新しい利用者候補として、情報を販売する。この際、利用者保護などの目的や、決済事業者131が利用者に対して直接連絡しないようにするなどの目的のため、個人情報を匿名化して販売する。
【0061】
[第二実施形態]
特許文献3に記載のように、従来のポイントサービスでは、小売店などの契約店舗の店舗側システムからポイントサービスの利用に関する情報としてポイント取引依頼データ43がポイント事業者331のポイントシステムへ送られている。このポイント取引依頼データ43によりポイント事業者331ではポイントサービスの利用が行われている。このポイント取引依頼データ43には、ポイントID及びポイントサービスに加えて、ユーザーに付与するポイントの情報が付加されている。従来のポイントサービスの流れの例として
図26のようになる。既存のポイント事業者331には、「汎用ポイントサービスを提供するポイント事業者」「クレジットカードなどの決済手段を提供するポイント事業者」「航空会社など顧客囲い込み手段の1つとしてポイントサービスを提供するポイント事業者」などがある。
【0062】
以降に説明する店舗端末や利用者端末は、従来一般的に使われている物をそのまま利用するものであり本考案による物ではない。
図12に、従来のポイントサービスに用いられている機器を説明する
利用者が利用する利用者端末15や、ポイントサービスの利用を行う店舗端末16は、POS端末等の一般に利用されている決済端末で構成されている。また、利用者端末15及び店舗端末16は、ハードウェアとして、スマートフォン,パーソナルコンピュータ,タブレット端末及びウェアラブル端末のなどを使用して従来より導入コストを抑えて使用している物もある。
店舗端末16は、指紋などの生体情報の読み取り装置やICカード,磁気カード,バーコードリダーなどのポイントサービスの利用に用いるデバイス読み取り装置が接続できるまたは内蔵しているハードウェアで構成されている物もある。
また、店舗端末16は、指紋などの生体情報の読み取り装置から読み取った情報から認証システムにより個人を特定するようにもなってきている。ここで説明した内容が従来一般的に使われているポイントサービスの構成となっており、本考案ではこの構成をそのまま使用するものとなっている。
図12は、第二実施形態に係るシステムの概略図で、通信ネットワーク19を介して、本考案のシステムの1つの個人情報選定システム4と従来のポイントサービスに用いられている機器である。本考案のシステムは、通信ネットワーク19を介して、個人情報選定システム4と従来のポイントサービスに用いられている機器である利用者が利用する利用者端末15や、ポイントサービスの利用を行う店舗端末16が接続している。個人情報選定システム4内には、ポイントサービス選定システム2や利用者認証システム14などがある。個人情報選定システム4内の各システムなどについて順次説明してく。
【0063】
本考案の概要は、一例として
図26で示した従来のポイントサービスの方法から一切の変更を行わないようになっている。
図27のように小売店などの契約店舗の店舗側システムにある店舗端末16とポイント事業者331との間に個人情報選定システム4が位置している。小売店などの契約店舗の店舗側システムにある店舗端末16は、利用者のポイントサービスの利用時に付与するポイントサービスの依頼内容が記載されているポイント取引依頼データ43が送信される。本考案を使用した場合、小売店などの契約店舗の店舗側システムにある店舗端末16から送信されるポイント取引依頼データ43の送信先は、個人情報選定システム4である。また、個人情報選定システム4に送信されるポイント取引依頼データ43に記載されている内容にはポイントサービス事業者名が個人情報選定システム4となっている。
【0064】
ここでは、本考案の構成について説明する。
本考案の個人情報選定システム4には、ポイントサービス選定システム2がシステムとして稼働している。
図28に示すように、このポイントサービス選定システム2は、3つのデータベースで構成されている。この3つのデータベースは、それぞれ、個人情報データベース141、キャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222、ポイントプラットフォームデータベース58となっている。
図29にデータベースの構成を示す。
【0065】
本考案のポイントサービス選定システム2が利用する3つのデータベースについて順次説明していく。ただし、ポイントプラットフォームデータベース58は、後述する。
個人情報データベース141には、個人の基礎情報、ポイント情報42、利用者が自ら設定する情報、ポイント履歴の情報が保存されている。
キャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222には、ポイント事業者キャンペーン情報、店舗小売店キャンペーン情報が保存されている。各情報の説明は、情報の使用時に記載する。
【0066】
個人情報データベース141について説明する。個人情報データベース141は、利用者の個人情報をキーとし、利用者所有のポイントサービスに関係する詳細情報や、利用者に関する様々な個人情報が4つの分類で保存されている。
1つ目は利用者が自ら登録する個人の基礎情報、2つ目は利用者が所有しているポイントサービスに関わる情報や紐づいている情報のポイント情報42、3つ目はポイントサービスに関して利用者が自ら設定する情報、4つ目は利用者が本考案を利用したポイント履歴の情報に分類される。
1つ目の利用者が自ら登録する個人の基礎情報については、個人の基本的な情報や、認証のための生体情報、識別情報、就労先情報、収入情報、資産情報、家族構成情報、利用者が求めるベネフィット情報や、ポイントサービスの利用手段を利用する事から知れる生活思考情報、その他の様々な情報を利用者から個人情報選定システム4に提供してもらう事となる。
第一実施形態での説明と同様に、システムにある情報を活用し応用することで、利用者による個人情報の登録を省くことができる。
2つ目の利用者が所有しているポイントサービスに関する情報のポイント情報42について説明する。ポイント情報42には、「ポイントサービスの情報」と「ポイントサービス契約(保有) 情報」とがある。
ポイントサービスの情報には、所有しているポイントサービスの情報として、ポイントサービス名称や、ポイント事業者、磁気型カードに記載されたID番号や、バーコードや、QRコードの情報や、各ポイント事業者に登録した個人IDなど、利用者がポイントサービスを利用するために必要な情報である。
ポイントサービス契約(保有) 情報には、保有しているポイントサービスの「ポイント付与条件」や「ポイント利用条件」などの、ポイントサービスの利用開始時に利用者とポイント事業社との間で取り決めた(契約した)内容の情報となっている。
3つ目の利用者が自ら設定する情報について説明する。
個人情報データベース141には、利用者が自ら設定する情報がある。
この、利用者が自ら設定する情報は、ポイントの利用を行う店舗に限定したポイントサービスの設定情報、優先して貯めるポイントの設定情報がある。
他にも、ポイントサービスの利用を行う地域に限定したポイントサービスの設定情報、ポイントサービスの利用を行う店舗と曜日に限定したポイントサービスの設定情報、優先して利用するポイントサービスの設定情報、優先したいポイントの利用内容による高還元率の設定情報、優先したいポイントの利用内容によって得られるベネフィットの設定情報、等の利用者が自ら設定した情報が保存されている。
簡単な例をあげると、ポイント事業者によってはグループ会社や提携している店舗での利用に限り高還元率のポイントを得られる物や、キャッシュバックをポイントで受け取れる物や、スーパーや小売店で毎週水曜日に5%還元(付加)されたり、月に一度数%のキャッシュバックを受けたり、 WEBサイトのモールで決済するとポイント2倍の付与を受けたり、 これらのようにポイントサービスを提供するポイント事業者による数多くのキャンペーンがあるため、予め利用者が自ら設定しておくことが便利である情報となる。
1つ目から3つ目の情報は、利用者が利用者端末15を用いてシステムに情報の設定登録を行う情報である。
4つ目の利用者が本考案を利用したポイント履歴の情報については、
本考案の利用履歴の情報を蓄積し、ポイント利用年月日時、ポイント利用場所(利用場所)、利用ポイント数、選定されたポイントサービス(後述するポイント付与システム33により選定されたポイントサービス)、ポイント事業者等のポイント履歴の情報がポイント履歴情報として保存されている。
【0067】
キャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222について説明する。
キャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222は、ポイント事業者が企画するキャンペーンがあり、好適なポイントを得られるキャンペーンが行われ、期間を決めた期間限定キャンペーンや、店舗を限定したキャンペーンなどがありそれにより得られるポイントは様々である。
ポイント事業者が企画するキャンペーンがあり、ポイント事業社のポイント媒体を利用することで好適なポイントを得られるキャンペーンがある。この場合も、ポイント事業者同様に期間を決めた期間限定キャンペーンや、店舗を限定したキャンペーンやポイントを付与する商品を限定した限定したキャンペーンやポイントサービスの利用場所(店舗)や商品を限定せずにポイントサービスの利用を行えば良いだけのキャンペーンがありそれにより得られるベネポイントは様々である。
これらキャンペーンは定期または不定期で行われる物もある。これらのポイント事業者による様々なキャンペーンの詳細情報が、ポイント事業者キャンペーン情報として「キャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222」に保存されている。
さらに、ポイント事業者の企画によるキャンペーンとは違い、店舗や小売店または製品を販売する企業が独自に売上促進や製品の販売促進を目的として企画するキャンペーンもある。このキャンペーンも定期または不定期で行われる。これらの店舗や小売店または製品を販売する企業により企画される様々なキャンペーンの詳細情報が、店舗小売店キャンペーン情報として「キャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222」に保存されている。キャンペーンの情報やベネフィットの情報を提供している例として、AIクレジット社の「AI-Credit(登録商標)」などがある。
【0068】
ここで、ポイントサービスを利用するために必要なカード又は媒体(ポイント媒体41)について説明する。
従来、ポイントサービスを利用する方法は、ポイント事業者が発行したポイントカード又は媒体をポイントサービスの利用時に提示し店舗端末16が情報を読み込むことで利用することができる。このカード又は媒体には、バーコードやQRコードが記載されているカード媒体による物と、バーコードやQRコードの無形情報をデバイス(スマートフォンやタブレット)で表示させて利用する物とになっている。
ポイントサービスの利用は、ポイントサービスの利用を行う前、又はポイントサービスの利用完了前にポイント事業者が発行したポイントカード又は媒体を店舗端末16に読み込ませることで、ポイントサービスを利用するポイント事業者を認識させることが必要となる。
本考案においても、従来の方法と同様にカード又は媒体をポイントサービスの利用時に提示して利用する。本考案専用のバーコードやQRコードが印刷されたポイント媒体を利用する。または、本考案専用のバーコードやQRコードの無形情報をデバイス(スマートフォンやタブレット)で表示させて利用する。
ここでは、本考案専用のバーコードやQRコードが印刷された媒体(カード)や、デバイス(スマートフォンやタブレット)で表示させたものを「ポイント媒体41」と呼ぶことにする。
すなわち、本考案専用のバーコードやQRコードをポイントサービスの利用時に店舗端末16に読み込ませることで、このバーコードやQRコードに該当するポイントサービスは、個人情報選定システム4というポイント事業者であると店舗端末16は認識することになる。ここで説明したバーコードやQRコードは既存技術である。
個人情報選定システム4にあるポイントサービス選定システム2は、受信したポイント取引依頼データ43からどのポイントサービスのポイントにしたら良いかを利用者にとって最も好適なポイントサービスの選定処理を行う。
ポイントサービス選定システム2により、選定したポイントサービスを手掛けるポイント事業者331へ利用者のポイントを付与してもらうためのポイント取引依頼データを際作成し送信し、ポイント付与を依頼する。ポイント事業者331が個人情報選定システム4から受け取ったポイント取引依頼データは、利用者がポイントサービスの利用をした小売店の店舗端末16から送信されるポイント取引依頼データ43と同じ従来通りのポイント取引依頼データ内容となって受け取る。
本考案は、ポイント取引依頼データを受け取ったポイント事業者331は、従来通りのポイントサービスが行われる事と、利用者にとっては好適なポイントサービスの選定によりポイントサービスの利用が行われるものである。
利用者にとっての好適なポイントシステムの選定を提供するビジネスモデルである。
なお、本考案のポイント事業者331は、従来のポイント事業者331を利用する。あくまで、本考案のシステムは、従来のポイントサービスの利用の形態を変えずに契約店舗とポイント事業者331の間で動作するものとなっている。
【0069】
ここから、利用者が本考案の個人情報選定システム4にあるポイントサービス選定システム2を利用する方法について説明する。
本考案による個人情報の選定を行うには、利用者が所有している個人情報をポイントサービス選定システム2に登録することで、本考案が利用できる「ポイント媒体41」が利用者に渡されることになる。利用者はポイントサービス利用時に「ポイント媒体41」を使用することでポイントサービス選定システム2が利用でき、好適なポイントサービスが選定されポイントサービスの利用が行われることになる。
【0070】
本考案のシステムは、利用者がポイントサービスの利用時に「ポイント媒体41」を用いて小売店などに設置された店舗端末16でポイントサービスを使用することにより、店舗端末16からポイント取引依頼データ43がポイントサービス選定システム2に送られてくる。
ポイントサービス選定システム2は、店舗端末16からポイント取引依頼データ43が送られてくると、利用者が所有しているポイントサービスの情報が予め登録されている個人情報データベース141の中から利用者の個人情報から好適なポイントサービスの算出選定処理を行い、好適なポイントサービスを選定する。
ポイントサービス選定システム2は、個人情報データベース141にある情報から選定したポイントサービスに紐づけて登録されているポイント事業者331に対してポイント取引依頼データ43の送信処理によりポイントサービスの利用の依頼を行う。
本考案のポイントサービスの利用の流れについて、小売店側から見た場合の例を
図30に示す。
図30のように、小売店側から見たポイントサービスの利用の流れは、事業者331(ポイント事業者A、ポイント事業者B、ポイント事業者C)と同等に、位置付けられている。
個人情報選定システム4には、小売店などからポイント取引依頼データ43が送られてくる。個人情報選定システム4内にあるポイントサービス選定システム2は、小売店から届いたポイント取引依頼データ43の情報を参照し、どのポイントサービスの事業社のポイントにしたら良いかを選定処理する。ポイントサービス選定システム2が選定したポイントサービスのポイント事業者に対して、小売店から届いたポイント取引依頼データ43の情報を送りポイントサービスの利用依頼を行う。
本考案のポイント付与の流れの模式図を
図27に示す。
【0071】
ここから、本考案のバーコード等を利用したポイントサービスの流れについて説明する。
利用者が、小売店などの店舗端末16で「ポイント媒体41」を使用してポイントサービスの利用を行うと、ポイント取引依頼データ43がポイントサービス選定システム2に送られる。ポイント取引依頼データ43が送られてきたポイントサービス選定システム2は、従来のポイントカードなどの時と同様にポイントサービスとしてバーコードによるポイント事業者331を選定して、選定したポイントサービスのポイント事業者331にポイントサービスの利用依頼を行う。
【0072】
ここからは、ポイントサービス選定システム2で処理されるポイントサービスの「選定」方法について説明する。
ポイントサービス選定システム2の重要な機能である、利用者がポイントサービスの利用時に好適なポイントを得られるポイントサービスは、どれが良いかを選定するための算出選定処理の内容について説明していく、さらにその処理に使用する情報とデータベースについて説明する。
【0073】
ポイント付与システム33は、店舗でのポイントサービスの利用時に店舗端末16から送られて来たポイント取引依頼データ43と、個人情報データベース141およびキャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222の2つのデータベースにある情報を使用して算出選定処理を行う。
ポイントサービス選定システム2内にあるポイント付与システム33は、「店舗端末16から受信したポイント取引依頼データ43にある情報」と、「個人情報データベース141に保存されている利用者の個人情報」と、「キャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222に保存されている情報」の各情報を利用することにより、利用者がポイントサービスの利用時に好適なポイントを得られるポイントサービスの算出選定処理を行う。
最初に、算出選定処理に使用する情報の中から、店舗端末16から送られて来た情報の説明をする。店舗端末16から送られてくる情報は、ポイント取引依頼データ43がある。
利用者が、ポイントサービスの利用時に好適なポイントサービスを導き出すための算出選定処理には、店舗端末16から受信したポイント取引依頼データ43の情報のうち、利用者情報とポイントサービスの利用時間情報とポイントサービスの利用場所情報(店舗)と付与ポイント数を使用する。
次に、
算出選定処理に使用する情報の中から「2つのデータベースの情報」の説明をする。
2つのデータベースの情報とは、ポイントサービス選定システム21内にある「個人情報データベース141」と、「キャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222」内にある情報である。
個人情報データベース141に保存されている情報の中から、「タ,ポイントの情報」、「チ,ポイント契約(保有) 情報」、「ツ,ユーザーポイント利用場所設定情報」、「テ,目標設定情報」とを使用する。
キャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222に保存されている情報の中から、「ハ,ポイント事業者キャンペーン情報」、「ヒ,店舗小売店キャンペーン情報」とを使用するが、これらは期間や場所,ポイント付与条件などの一定条件下のみで適応される条件の情報となっている。
【0074】
ここで、重要な情報の説明をする。
ポイント付与システム33内にある、個人情報データベース141内に保存されている情報のうち、好適なポイントサービスを算出選定処理する上で重要な情報である2つの情報となっている。重要な2つの情報は、利用者が自ら設定する情報として「ツ,ユーザーポイント利用場所設定情報」、「テ,目標設定情報」がある。
重要な情報1つ目、「ツ,ユーザーポイント利用場所設定情報」は、ポイントを利用する場所に対してポイントサービスを決めて利用者が自ら登録する情報である。利用者が、予め店舗(ポイントを利用する場所)毎に使用するポイントサービスは、コレと決めている情報を利用者が自ら登録する情報である。利用者は、この情報の登録を行わなくてもよい。
重要な情報2つ目、「テ,目標設定情報」は、利用者が所有しているポイントサービスに付帯しているベネフィットの中から一番の取得を目標とする情報を利用者が自ら登録する情報である。この情報には、「ポイント事業者のポイントやマイルの取得」「ポイント事業者のステータスや保証の希望」などがある。利用者は、この情報の登録を行わなくてもよい。
【0075】
ポイントサービス選定システム2内にあるポイント付与システム33は、利用者が所有する複数のポイントサービスの中から好適なポイントサービスを選ぶためのポイントサービス選定処理を行う。
ポイントサービス選定処理は、
図31に示す3段階で行う。
第1の処理は、利用者が設定したポイント利用場所による要望からの選定を行う。
利用者が利用者設定情報の1つであるユーザーポイント利用場所設定情報として、受信したポイントの利用場所に対応した「ポイントサービス」が利用者設定情報に登録して要るか否により処理が移っていく。
登録されている場合は、登録されたポイントサービスを選択する(
図31の(1)の処理が選択される)。登録されていなければ次の第2の処理に移る。
第2の処理は、利用者が、利用者設定情報の1つである目標設定情報として、「ポイント事業者のポイントやマイルの取得」を優先するかを登録しているかの確認処理を行う。登録されている場合は、登録されたポイントサービスを選択(
図31の(3)の処理を選択)する。前記のいずれの項目も登録されていない場合は、次の第3の処理(
図31の(2)の処理)に移る。
第3の処理は、利用者が自ら設定する情報として「ユーザーポイント利用場所設定情報」、「目標設定情報」の重要な2つの情報を全て設定していない場合の処理を説明する。
まず、ポイント付与システム33は、ポイントの情報として、店舗端末16から受信したポイント取引依頼データ24にある情報として利用者情報とポイント利用年月日時とポイント利用場所(店舗)と利用ポイント数などを取得する。また、キャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222に保存されている情報である「ポイント事業者キャンペーン情報」、「店舗小売店キャンペーン情報」などの情報も取得する。「ポイント事業者キャンペーン情報」、「店舗小売店キャンペーン情報」などには、「ポイントに関する情報」に大別される情報が保存されている。
【0076】
『「ポイント事業者キャンペーン情報」、「店舗小売店キャンペーン情報」』を用いてポイント利用場所を選定する場合を説明する。
この場合における、キャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222に保存されている各情報の詳細情報は次のようなものがある。
ポイントに関する情報には、店舗などが、期間と条件を設定のうえポイントの還元率を変更する政策やボーナスポイントを付与する政策の情報などがある。
ポイント付与システム33は、ポイント取引依頼データ43の情報が「ポイントに関する情報」の情報の条件に該当するかの検索処理を利用者が所有しポイントを利用しようとしている店舗で利用できるポイントサービス全てに対して行う。ポイント付与システム33は、検索の結果、前記の情報に保存されている条件のうち、いずれかかの条件に該当したポイントサービスを、選定するポイントサービスの候補とする。候補となったポイントサービスで該当した条件での還元率を算出する。ポイント付与システム33は、還元率の計算の結果を比較し、一番還元率が大きいものを『「ポイント事業者キャンペーン情報」、「店舗小売店キャンペーン情報」』を用いて選定する場合のポイントサービスとする。
【0077】
ここで、「ポイントに関する情報」が示す還元率を説明する。
ポイントに関する情報の還元率は、当該ポイントサービスの利用で何%のポイントが還元されるかのことを示す。
なお、複数の条件に合致し複合して利用できる場合、複合した場合の条件で還元率を計算してもよい。(
図31の(4)の好適判定処理のこと)
【0078】
ここで、インターネット上のECサイトで、本考案を利用したポイントサービスの利用の流れについて説明する。利用者が、インターネット上のECサイトで、本考案を利用したポイントサービスを利用する場合は、ポイントカードの情報に代え、「ポイント媒体41」の情報を入力することにより行える。利用者が、ECサイトに「ポイント媒体41」の情報を入力しポイントサービスの利用を行うと、ECサイトからポイントサービス選定システム2にポイント取引依頼データ43が送られる。ポイント取引データが送られてきたポイントサービス選定システム2は、利用者が登録しているポイントサービスの中から好適なポイントサービスを選定して、選定したポイントサービスのポイント事業者331にポイントサービスの利用依頼を行う。
【0079】
利用するポイントの選定において、複数のポイントサービスの中から最も効率の良いポイントの利用方法を見つけるために人工知能技術を利用してもよい。また、複数の利用者が同じタイミングでポイント利用を行うなどポイントサービス選定システム2内で複数の処理を同時に行うために量子コンピューティング技術を用いてもよい。複数のポイント情報の中から最も効率の良いポイントの利用方法を見つけるために人工知能技術を利用としたが、人工知能技術に代えて、量子コンピューティング技術を用いて複数のポイント情報の中から最も効率の良いポイントサービスの利用方法を見つけてもよい。
図16にポイント情報42を取りまとめたイメージを示す。
【0080】
複数のポイント情報が1つのデバイスにまとまることは、持ち歩くポイント情報の数を減らすことになる。また、ポイント利用時にポイントサービスを選択する必要もなくなる。例えば、利用者がポイントカード5種類を持っていたとすると、今までは5種類で5枚のカードを持つことになる。本システムを利用するとこれが1つデバイスにまとまる。店舗でのポイント利用時において、1つのデバイスの利用で、最も効率の良いポイントサービスが選択されて、ポイントサービスを利用できるようになる。
【0081】
従来のシステムと比較すると、国際公開2008/126131号に開示のシステムでは、マルチカードに複数のポイントカードを登録するとしている。また、使用するポイントカードは、登録されたポイントカードのうち、利用者が予め設定している優先してポイントを貯めたいポイントカードや優先して貯めたいポイントに交換できるポイントカードが自動的に選ばれるとされている。
一方、本開示のポイントシステム2は、その時々に実施されているキャンペーンなどの情報を踏まえ、システムが選択する処理を行い、ポイント付与処理または減算処理の過程で利用者が有利となるポイントが選択されるという明確な違いがある。
【0082】
医療機関が実施者となっているポイントサービス で付与したポイントの使用法は、「商品の購入時にポイントの減算を行い購入額の全部または一部とする」や「役務の提供を受ける際にポイントの減算を行い利用額の全部または一部とする」の他、ポイントを減算して役務の提供を受けてもよい。役務の提供は一例であり、これに限定するものではない。
【0083】
外国で付与されたポイントを日本で利用する時または日本で付与されたポイントを外国で利用する時は、法定通貨に換算して使用すると為替レートのなど影響をうけるため難しい。そのため、一定ポイント貯めることにより一定の条件を満たした商品・役務と交換できるようにしてもよい。外国で付与されたポイントを日本で利用と日本で付与されたポイントを外国で利用との両方が行えるようになることにより、国際的なポイント基盤となり、ポイントサービスの国際プラットフォームとなる。
【0084】
例を用いて、ポイントサービスの国際プラットフォームを説明する。
日本で貯めたポイントの外国での利用時の例を示す。日本及び外国で展開しているコーヒーショップがある。このコーヒーショップでは、日本及び外国でポイントサービスを行える。日本でコーヒーショップを利用しポイントを貯めていたとする。外国へ渡航しそのコーヒーショップを利用する際、日本で貯めたポイントを一定量減算することにより、指定のドリンクと交換という形で利用できる。
外国で貯めたポイントの日本での利用の例を示す。訪日し、日本でそのコーヒーショップを利用も、日本で付与されたポイントの外国での利用時と同様にポイントの利用が行える。
【0085】
従来のポイントサービスは、システムの構築(開発)と運用に多くの資金が必要なため、資金力のある事業者(企業)でしか行えなかった。
一方、店舗や商店会などの小規模な団体では、資金的な都合から独自でポイントサービスを行うことができない。例をあげると、紙にスタンプを押して、全てのスタンプが溜まったらベネフィットを受けられるような形態が主流であった。
小規模な団体がポイントサービスを利用するには、大手ポイントサービス事業者が行っている汎用ポイントサービスを利用する手段しかなく、小規模な団体 には特段のメリット(収益)がない。そのため、開発・構築・運用のコストがかからない方法の共通基盤を用いたポイントシステムが店舗や商店会などの小規模な団体では期待されている。医療分野においては、固定客(患者)を抱えておくためにもポイントの利用が期待できる業態であると考える。
特に、医療分野においては、独自のポイントサービスの構築に費用をかけることは難しく、ポイント事業者による利用を始めても、医療機関はポイント事業者に支払う手数料の分、特に収益があがる訳ではない。支払いに応じたポイントを提供するだけでなく、様々な内容に応じてポイントを患者に提供できることが理想である。例えば、BMIの値が高い患者に対してBMIの値が標準値まで下がったらポイントを付与したり、高齢者に向けて開催している健康増進のセミナーに参加してもらえるとポイントを付与したり、来院時にポイントを付与したり、毎日のウォーキングをスマートデバイスで管理しデータの状況によりポイントを付与したりするなどの自由度があるものが望まれる。決済金額に応じたポイントでは無く、対価に応じたポイント提供など、医療機関側にポイント提供の自由度があるものが望まれる。そこで、ポイントシステムをサービスとして利用できるポイントサービスの共通基盤を用いたポイントシステムが作られることが期待されている。
医療分野でポイントサービスが期待されている理由は、利用者(患者)がポイントサービスを行っている医療機関をかかりつけの医療機関として定着してもらえる医者の信頼とポイントの付与により、病院と患者とのつながりが強くなることを目的とし、医療機関の収益の確保が次の医療社会では必要である。
【0086】
本考案のポイントプラットフォームシステム55は、公共ネットワーク(通信ネットワーク19)を利用しクラウドのようなシステムで稼働し、これからポイントサービスを導入したい店舗や商店会や事業者に対してポイントシステムを始められるサービスを提供するものである。
ポイントプラットフォームシステム55は、ポイントシステムをサービスとして提供し、医療機関や店舗や商店会などの小規模な団体での利用がサービスに申し込むことで簡単にポイントサービスが始められる。そして手持ちのタブレット端末やパーソナルコンピュータ,POSレジなどからサーバーに対しネットワーク越しに接続することによりポイントサービスが提供できる。医療機関や店舗や商店会などの小規模な団体が、ポイントを提供できるようになる。
ポイントプラットフォームシステム55が提供するポイントサービスを利用することにより、開発費が発生しないことから、低コストでポイントサービスを始めることができるようになる。
さらに、決済金額に対応したポイントの付与では無く、ポイントサービスを始めるサービスの実施者(サービスを利用しポイントの付与を始める実施者)の判断で顧客に付与できる自由度のあるポイントサービスの構築運用が行えるようになる。
小規模な団体などの店舗独自や商店会、フランチャイズチェーン店や、クリニックなどでもポイントサービスを立ち上げてポイントの提供を始めることが可能となる。
ポイントシステムの共通基盤となるポイントプラットフォームシステム55には、複数の実施者がそれぞれ立ち上げたポイントサービスが複数稼働していることになる。
【0087】
ポイントサービスの共通プラットフォームであるポイントプラットフォームシステム55を用いて運用しているポイントサービスのメリットの1つとしては、事業者間又は実施者同士との話し合いにより、事業者が立ち上げたポイントサービスと他の実施者により稼働しているポイントサービスとの間でポイントの乗り入れやポイントを統合することでポイントの共通化ができる。
ポイントの「乗り入れ」を例で説明する。例で説明すると、医療機関Aで始めたメディカルポイントと、商店街にあるドラッグストアBが始めたドラッグポイントと、街にある調剤薬局C(院外薬局C)が始めたファーマポイントとを、それぞれの実施者との話し合いや合意により、各ポイントの双方乗り入れを可能とした。ポイントの双方乗り入れをすることで利用者の利便性があがることになる。これにより、利用者Dさんは、医療機関Aで貯めたメディカルポイント100Pと、調剤薬局C(院外薬局C)で貯めたファーマポイント200Pとの2つのポイントを合算した300Pを利用して、ドラッグストアBでの買い物に左記のポイント300Pを利用して決済(買物)ができるようにすることができる。
これは、お互いの実施者がポイントプラットフォームシステム55にアクセスし利用しているそれぞれのポイントサービスの双方乗り入れを可能にすることに合意したボタンをオンにすることで行える。システム上では付与されたポイントの消費を合同で行う取り決めに合意をすることで可能となる。
また、実施者が立ち上げたポイントサービスを他の実施者が立ち上げたポイントサービスと統合することもできる。双方の実施者の同意によりポイントシステムを統合することができる。付与済のポイントも統合される。統合の例として、A医療機関で始めたメディカルポイントと、街のC調剤薬局(院外薬局)が始めたファーマポイントとを統合させて、双方で同じポイントのMFポイントとして新しく統合させたポイントシステムが利用できる。利用者Aさんは、ファーマポイント100Pと、メディカルポイント500Pを保有していた、統合により新名称のMFポイントが600Pとなる。
この統合に設定する方法の例も、お互いの実施者がポイントプラットフォームシステム55にアクセスし利用しているポイントサービスをどのポイントサービスとの統合を行うかを指定して統合ボタンにより統合を可能にすることが行える。システム上では今までに付与されたポイントと新しく付与されるポイントとの付与から消費までを双方の実施者が合同で行う取り決めに合意をすることで統合が可能となる。ポイントの統合の例を
図32に示す。
これらの、「乗り入れ」や「統合」によるポイントの共通化により、お互いの顧客層の拡大を目的としている。共通プラットフォームを用いたポイントサービスの実施者は、自らの事業の繁栄を目的として過剰な投資を行わないようにする必要がある。共通ポイントプラットフォームでは、利用者の決済金額に相当する手数料をポイント事業者へ支払うものとは違い、ポイントサービスを始める実施者(例えば医療機関や小売店)が、発行できるポイント数の上限を決め上限に合わせた金額の投資を行うサービスとなる。
発行できるポイント数に合わせた金額を投資することでポイントサービスが行える。
投資金額に見合った対価を得られるかを、「自らが発行したポイントがどこで使われるか」や「他のポイントサービスで発行されたポイントが自らのポイントとして使われるか」などの情報をもとに判断する機能があってもよい。
共通ポイントプラットフォームは、ポイントプラットフォームシステム55上に複数のポイントサービスが構築運用しているシステムで、タブレット端末やPOSレジなど手持ちの機材を用いて誰でも簡単に利用できる。
各ポイントサービスは、ネットワーク19を介して利用者端末15や店舗端末16と接続している。店舗等は、利用者端末15や店舗端末16を利用してポイントサービスを提供する。
【0088】
医療機関や店舗や商店会などの小規模な団体が、新しくポイントサービスを始めたい場合の流れについて説明する。
医療機関や店舗や商店会などの小規模な団体が、ポイントサービスを始めるには、ポイントプラットフォームシステム55に接続して利用の申請を行うことで利用ができる。
ポイントサービスの利用を申請する例として、端末とネットワークを利用してWEBにあるポイントサービス申請ページにて申請するための諸情報を入力し、サービス利用料などの引落し情報を設定し、ポイントサービスを開始するための初期値の情報を設定する。この初期値となる情報の入力を行い登録することでポイントサービスを始めることができる。初期値の情報とは、ポイントサービス実施者の名称、ポイントサービスの名称、何に対してポイントを与える対象、ポイント付与上限情報、実施者のポイントサービス投資額(ポイント発行数)の情報で、利用申請時に入力を行いポイントプラットフォームデータベース58の利用実施者情報に保存する。
ポイントサービス申請ページの例を
図33に示す。
【0089】
実施者によるポイントサービスを利用している利用者は、ポイントサービス選定システム2に利用者が所有している実施者によるポイントサービスを登録することができる。この登録によりポイントサービス選定システム2は、好適なポイントサービスを選定することができる。実施者によるポイントサービスをポイントサービス選定システム2に登録することで、個人情報選定システムより渡されるポイント媒体41がある。これを店舗での決済時に使用することで選定が行われる。
ポイントサービス選定システム2による選定方法は、既に説明している。
【0090】
ポイントサービス選定システム2は、利用者がどこでポイントを利用したかという情報(利用履歴情報)や、ポイントプラットフォームシステム55にある実施者によるポイントサービスで付与されたポイントがどこで使われたかの情報(利用履歴情報)を取得する機能を有してもよい。
【0091】
ポイントの共通プラットフォームで運用しているポイントサービスでの利用者がどこでポイントを利用したかという情報の取得の例としては、利用者が、実施者によるポイントサービスのポイントを店舗で利用すると、利用した店舗とポイントが付与されたのか、それとも減算されたのかなどのポイントを利用した方法がポイントプラットフォームシステム55 に通知されその情報を取得し利用履歴情報としてポイントプラットフォームデータベース58に保存し蓄積される。
【0092】
ポイントプラットフォームシステム55 で運用している実施者のポイントサービスで付与したポイントがどこで使われたという利用履歴情報の例としては、実施者Aのポイントサービスが が利用者Cさんに100P(ポイント)を付与しており、実施者Aのポイントサービスと実施者Bのポイントサービスが統合されている。 利用者Cさんが20Pを利用した。 ポイントプラットフォームシステム55は、どこの店舗で20P減算されたかと、何ポイント減算された値の情報を、ポイントプラットフォームシステム55は実施者Aのポイントサービスに情報を授受される。実施者Aのポイントサービスは、実施者Aのポイントサービスを利用している利用者Cさんの利用履歴情報として保存し蓄積される。
ここまで説明してきた、ポイントプラットフォームシステム55を利用することにより、ポイントの共有化によるビジネスモデルとすることができる。このビジネスモデルを利用することにより、ポイントサービスを提供する実施者とっては、ポイントサービスを提供する他の実施者の顧客を自身の顧客となることが期待できる。一方、利用者は、1つのポイントを複数の実施者で利用できるため利用者の利便性拡大につながる。
【0093】
第一実施形態及び第二実施形態での開示で説明した、決済手段選定システム及びポイントサービス選定システム2は、を、連携させて使用することでシステム的にも利用者にとっても効率は上がる。 また、決済デバイス21 と、ポイントデバイス41を統合した決済とポイントの両方が選定される共通デバイス61を利用することもできる。
また、
図6から
図10を用いて説明した生体情報を利用した一連の機能を、共通デバイス61の一つ機能としてもよい。決済デバイス21とびポイントデバイス41とが統合され、共通デバイス61とした例を
図21に示す
【0094】
第一実施形態及び第二実施形態の開示で使用する人口知能技術は、ニューラルネットワーク技術を用いる。ニューラルネットワーク技術を利用することは、膨大な数の離散的な組合せから最適な解を見つけられるという特徴から、本開示技術に最適である。ニューラルネットワーク技術に限定されず、その他の人口知能技術でもよい。
【0095】
第一実施形態及び第二実施形態の開示で使用する量子コンピューティング技術は、量子アニーリング法を用いる。量子アニーリング法を利用することは、量子効果を制御して、多変数1価関数(目的関数)の最小値を探す問題(組み合せ最適化問題)を解くという特徴から、本開示技術に最適である。また、量子コンピューティング技術は、量子ビットの重ね合わせたまま処理が行え、ノイマン型コンピュータに比べると同一の処理回数でより多くの処理を行えるという特徴も有しいている。このためノイマン型コンピュータに比べより多くの処理を同時に行える。量子アニーリング法に限定されず、その他の量子コンピューティング技術でもよい。
【0096】
[第三実施形態]
個人情報選定システム4は、利用者3が施設を利用する時に、利用者3が望む支援を施設側又は事業者に対して提供する。このことにより、施設側又は事業者は、利用者3が望む支援を利用者からの申告が無くても行うことができる。
このサポートは、個人情報選定システム4内にある、情報表示システム3にて行われる。
【0097】
本考案は、従来から決済で使用されている機器を使用する。
図22は、第三実施形態に係る情報表示システム3の構成について説明するための図である。
図22で示すように、情報表示システム3は、それぞれ通信ネットワーク19に接続された、利用者認証システム14、利用者対応システム52、利用者対応データベース53、利用者端末15、店舗端末16、情報表示端末72を有している。店舗端末16は、POS端末などがある。利用者端末15、店舗端末16及び情報表示端末72は、例えば、ハードウェアとして、スマートフォン,パーソナルコンピュータ,タブレット端末及びウェアラブル端末のうちいずれかとすることができる。また、店舗端末16は、読み取り装置が接続できるまたは内蔵している前記ハードウェアとすることができる。
【0098】
本考案の情報表示システム3内にあるデータベースについて説明していく。
情報表示システム3が利用する個人情報データベース141と利用者対応データベース53がある。
個人情報データベース141にある個人の基礎情報、利用者特徴情報を利用する。利用者対応データベース53にある、利用者サポート情報が保存されている。各情報の説明は、情報の使用時に説明を記載する。本開示のデータベースと情報の構成を
図29に示す。
【0099】
個人情報データベース141にある個人の基礎情報は、利用者自らが登録する情報となっている。個人の基礎情報には、個人の基本的な情報や、認証のための生体情報、識別情報、就労先情報、収入情報、資産情報、家族構成情報がある。
【0100】
個人情報データベース141にある利用者特徴情報には、利用者の既往歴や現在罹患している病気、予防接種歴、感染症抗体検査結果、利用者がもっている障がいの情報、利用者が理解できる言語情報などが記録保存されている。ここでいう障がいとは、身体障がい、知的障がいまたは精神障がいの内容のことを示す。また、利用者特徴情報には、利用者が支援を受けたい場所と支援を受けたい内容の情報の支援内容情報も記録保存しておくこともできる。この利用者特徴情報は、利用者本人や利用者の家族が利用者端末15で登録する。また、利用者が受診した医療機関が登録することもできる。医療機関が行う利用者特徴情報の登録は、利用者が第一実施形態に記載の個人情報選定システムから渡された決済媒体又は顔を利用した決済を行った医療機関が行うことができる。決済が行われた医療機関は、利用者の病状や必要な支援の内容を登録することができる。
さらに、利用者特徴情報は、医療機関が利用する外部のシステムからも取得することもできる。外部のシステムの例として、出願人考案の特許第6558669号に開示の地域医療連携システムがある。この考案にある地域医療連携システムに接続し、地域医療連携システムが利用するデータベースから利用者特徴情報に相当する情報を取得すると、利用者や医療機関が情報を登録せずとも支援を受けることができる。
【0101】
利用者対応データベース53に保存されている利用者サポート情報には、利用者がもっている障がいの情報、利用者が理解できる言語情報など、利用者特徴情報に対応した支援内容が保存されている。
利用者サポート情報の例をいくつか示す。
利用者特徴情報に「下肢障害」と記録されている場合の対応として、「車椅子でのサポート」が利用者サポート情報に保存されている。
利用者特徴情報に「聴覚障害」と記録されている場合の対応として、「平易な文章で筆談でのサポート」が利用者サポート情報に保存されている。
利用者特徴情報に「日本語苦手」「母語がドイツ語」と2つ記録されている場合の対応として、「母語(ドイツ語)で対応、不可能なら優しい日本語で対応」が利用者サポート情報に保存されている。
【0102】
情報表示端末72に支援内容を表示させる方法を説明する。利用者が、店舗や施設の受付や利用カウンター(例えば、ホテルのカウンターやレストランの受付、空港のチェックインカウンターなど)にある店舗端末16または、入店時にカメラが付いた店舗端末16において
図6で説明した方法と同様の方法で利用者本人の特定作業を行う。この際、利用者認証システム14は、会計処理(決済処理)を開始する。決済処理を開始しても、店舗や施設を利用した会計計算処理が行われていないため会計処理(決済処理)は行えない。そのため、利用者が施設の利用やサービスの利用が終わり、会計計算処理が終わるまで会計処理(決済処理)を保留しておく。店舗端末16は、利用者本人と特定された利用者の情報を利用者対応システム52に送る。利用者対応システム52は、店舗端末16から送られてきたユーザー情報をもとに、個人情報データベース141を参照し、利用者特徴情報が登録の有無の確認を行う。利用者特徴情報に支援内容情報が登録されている場合、登録されている支援内容情報を情報表示端末72に送る。支援内容情報を受信した情報表示端末72は、送られてきた支援内容情報を画面上に表示する。店舗や施設、店舗や施設を運営する関係者は、本開示の情報表示システム3を利用し、情報表示端末72に表示された利用者などが登録した支援内容情報を確認することで、利用者が望む支援の内容を把握することができる。
情報表示システム3が、情報表示端末72に送る内容は、直接的な支援内容と、間接的な支援内容が必要と分かる内容とのどちらでもよい。直接的な支援内容とは、必要な支援内容がそのまま表示されること。間接的な支援内容とは、「支援内容に合わせた数字またはキーワードの表示」などがあげられる。
間接的な支援内容で表示する理由としては、利用者特徴情報に記載されている情報が、機微な個人情報に該当し、利用者の病名というデリケートな情報を第三者の目に触れさせないようにする目的がある。しかし、支援を行う者は、利用者の病名がわからないと、必要な支援内容もわからない。そこで、支援を行う者へ、数字やキーワードで病名を伝える。
【0103】
情報表示システム3は、利用者が施設の利用やサービスの利用が終わり、会計計算処理が完了すると、第一実施形態で開示した決済手段選定システムを利用した決済を自動で行う。
【0104】
ここまで、情報表示端末に表示させる支援内容は、利用者などが登録した受けたい支援内容の支援内容情報としていた。しかしながら、利用者特徴情報に保存されている障がいや病気、利用者が理解できる言語情報などの情報と、利用者対応データベース53に保存されている利用者サポート情報とを用いて支援内容の支援内容情報を表示させてもよい。
【0105】
ここまで、情報表示システム3のシステムの内容について説明してきた。情報表示システム3が扱い、事業者が利用者の支援を行うために扱う利用者の個人情報には、病歴や障がいの情報、または、病気の特定ができる情報が含まれている。病歴や障がいの情報は、一般に他人に知られたくない情報となる。そのため、本開示の情報表示システム3を含む個人情報選定システム4は、取得し保存している個人情報を適切に管理するため、サービスとして個人情報の管理を行い、法令に基づき個人情報の保管と第三者への提供が行える機関(例えば、情報銀行)である必要がある。
【0106】
ここからは本開示の情報表示システム3とホテルなどで従来から使用されているものの違いについて説明してく。
従来ホテルなどでは、利用者から事前に申告を受けた内容又はその場で必要な内容で支援を行い、お客様から申告を受けた支援内容や、その場で行った支援内容をホテルのデータベースに保存し次回お客様への支援を事前にチェックしお客様を迎える準備をするシステムが利用されている。
前述したように利用者が希望する支援の内容には、病気に関連する情報など一般に他人に知られたくない情報が多く含まれている。そのため、従来あるホテルのシステムでは、個人情報に該当する情報が含まれるため厳重に取り扱う必要がある情報が多く保存されていることになる。結果、厳重に取り扱う必要がある情報を適切に保管するために、個人情報保護法に準拠した方法で保管するという、煩わしい業務を行う必要がある。
本開示の情報表示システム3の場合は、利用者3が利用する複数の場所それぞれ受けたい支援内容を申告せず、支援内容情報をデータベースに登録するだけでよくなる。また、ホテルなどの事業者にとっては、自分たちで情報を持つ必要が無くなるため、個人情報保護法に準拠した方法で保管するという煩わしい業務を行う必要がなくなる。
【0107】
ここからは、本開示の情報表示システム3の利用例を記載していく。
例1では、病院内での利用のうち、支援対象の利用者を見ただけで支援内容が想像できる例を説明する。
例2では、病院内での利用のうち、支援対象の利用者を見ても支援内容が想像できない例を説明する。
例3では、飲食店での利用の例を説明する。
例4では、ホテルなどの宿泊施設での利用の例を説明する。
例5では、空港及び飛行機での利用の例を説明する。
〈例1〉足が不自由な方への支援
利用者は、下肢障がいにより、杖をついて短距離なら歩くことはできるが、中長距離の移動は車いすでの移動が好ましい。利用者特徴情報の支援内容情報には、車いす支援と記録されている。利用者が、病院受付においてある店舗端末16において、診察番号と顔の情報を利用者認証システム14に送ることに、本人確認が行われ、受付手続きが実施される。受付手続きが実施されると同時に店舗端末16から利用者対応システム52に利用者の情報が送られる。利用者対応システム52は、個人情報データベース141の利用者特徴情報を参照し、車いす支援という支援内容が記録されていた。利用者対応システム52は、利用者を支援する実施者である受付担当者及び案内担当者の情報表示端末72に対して、「受付の店舗端末16の前に居る利用者は車いすが必要」という内容のメッセージを送る。
〈例2〉認知症を患っている方への支援病名は、個人情報のため安易に公開できない。認知症は一般的に、物忘れ、物の紛失、判断力や記憶力の欠落、暴言、無気力、幻想を抱くなどの症状があり、診察券やお金などを持たずに来院することがしばしばある。
利用者は、認知症を患っており、物忘れの症状がある。また、初めて接する人は、利用者が認知症であることを知らずに接しており、利用者の家族などから知らされない限り認知症であることがわからない。利用者は、認知症を患っており、物忘れの症状がある。この利用者の利用者特徴情報には、認知症と物忘れとが記録されている。利用者が、病院受付においてある店舗端末16の前に立つと、店舗端末16は利用者の顔の情報を取得する。取得した顔の情報は、利用者認証システム14に送られる利用者認証システム14は、店舗端末16から送られてきた顔の情報と個人の基礎情報に登録されている顔のデータと比較により、本人確認が行われ、受付手続きが実施される。受付手続きが実施されると同時に店舗端末16から利用者対応システム52に利用者のユーザー情報が送られる。利用者対応システム52は、個人情報データベース141の利用者特徴情報を参照し、利用者が認知症及び物忘れという利用者特徴情報を取得する。利用者対応システム52は、個人情報データベース141の利用者特徴情報から取得した情報をもとに、利用者サポート情報参照し必要な支援内容を確認したところ、物忘れに対して要案内という支援内容が記録されていた。
利用者対応システム52は、利用者を支援する実施者である受付担当者及び案内担当者の情報表示端末72に対して、「受付の店舗端末16の前に居る利用者は案内が必要」という内容のメッセージを送る。この際、支援する実施者の情報表示端末72に利用者の顔写真を表示するなどをして、支援が必要な利用者を特定できるようにしてもよい。記載の例では、受付での支援について記載したが、受付以外にも、検査時や決済時など病院内の要所要所に適応してもよい。
〈例3〉飲食店での利用を例にあげる。利用者が飲食店に来店し、来店されて初めて利用者が車椅子を利用する客だと判明すると店内に入店してもテーブル間隔が狭くリザーブされているテーブルまでたどりつけない場合がある。また利用者がアレルギーを持っているとする。この場合に、用意された料理にパン又はライスのいずれかを選択することになっている時、利用者が小麦アレルギーまたは米アレルギーの場合は食事ができなくなり残念な思いをするのは利用者である。さらに利用者が慢性患者で処方薬を服用している場合に、食前又は食後に薬を服用する。そういった利用者の場合は、食事に柑橘系のスィーツやドリンクは提供できないが、提供してしまうケースが多い。こういった飲食店としてのNGな出来事を防ぐためにも事前に情報を取得しておくことで、飲食店側は利用者に食事のひと時を楽しんでもらうことができる。外部のサイト(例えば、一休、ホットペッパー)を利用して予約をする事で利用者の個人情報にある利用者特徴情報を飲食店側は利用者の望む支援を閲覧できる。
予約せずに直接飲食店を来店した際には、会計場所(受付場所)でカメラに顔を近づけるだけで、利用者認証が完了する。このことにより飲食店側は、利用者が望む支援に目を通すことができる。利用者の食事が終わって追加オーダーがあっても無くても食事が終われば、食事利用の計算が終わるため決済が自動で終わる。この時にベネフィットが得られる店舗として決済手段選定システムに店舗を設定されていれば、その決済手段が自動で選ばれている。
〈例4〉ホテルの宿泊を例にあげる。利用者が予約サイトを利用して決済を行うと、利用者が望む内容を見ることができる。必要があれば予め準備をする時間もホテル側には取れることになる。またホテルでの利用者のチュエックイン時にカウンターに設置したカメラがあればデポジットの際に利用者の顔を利用して認証が行われるために、利用者が望む内容をホテル側は知ることができる。また一緒に宿泊する家族に外見上はわからない病状をわずらった家族がいる事とその支援内容が登録されていれば、ホテル側はそれに合わせて対応を行うことができる。
ホテル内での食事の時は、既に飲食店の例で説明したように、メニューの料理内容やドリンク、テーブルのチャージにおいても利用者に合わせた施し行うことができる。また客室の選択でも、利用者が車椅子を利用している事が事前に分かれば保護具のついた客室を利用者のためにキープしておくことができる。当日では難しい場合もある。チェックインの時に利用者認証が行われているためにチェックアウト時にチェックアウトデスクに並ばなくても決済が自動で行われるので、そのままホテルを出ることができる。客室やホテルレストラン利用の計算が終われば自動で決済が終わる。チェックインの時にチェックインデスクで利用者の顔や決済媒体で認証が行われると、決済手段選定システムはホテルでの決済で好適なベネフィットが得られる決済手段が選定される。この決済手段を利用していることがホテル側でわかると、決済手段に補足している好適なベネフィットをホテル側が利用者に与えて、予約した部屋よりワンランク上の客室にホテル側が変更してくれる。
〈例5〉空港及び飛行機の利用を例にあげる。利用者が、航空会社のチケットを購入する際に決済媒体を利用して購入を行う。利用者が、航空会社のチケットを購入すると情報表示システムより利用者の望む支援を航空会社は把握することができる。搭乗チケットの決済を行った時点で、航空会社に利用者が望む対応が送られることになる。〇月〇日の〇〇行〇時発〇便に乗る利用者が望む支援内容を把握することができる。利用者によっては、人工骨(金属)を入れているために保安検査で金属反応してしまうケースがある。また人工心臓(ペースメーカ)を入れている場合も保安検査機が反応してしまう。こういった保安検査に関する対応を利用者が情報表示システムの支援内容情報に登録していれば航空会社では事前に対応することができる。利用者が車椅子を利用している事を情報表示システムに設定し登録していれば、航空会社側は、利用者が搭乗する日までに準拠する計画を立てることができる。利用者に対する保安検査での検査対応や、飛行機を沖止めにせず搭乗ゲートから車椅子で搭乗できるように予定を組み替えることができる。
従来であれば、空港のチェックインカウンターに利用者が来て、初めて利用者が車椅子であることがわかり、航空会社側の対応が後手になっていた。
また、利用者が飛行機の客室内に持ち込む医療器具(酸素ボンベやCPAPなど)の情報を支援内容情報に登録していれば、航空会社側は、医療器具の設置場所の調整なども計画を立てることができる。
【0108】
第一実施形態、第二実施形態及び第三実施形態に記載の、決済手段登録サーバー12、利用者認証サーバー14、ポイント情報管理サーバー31、利用者情報記録サーバー32、利用者情報サーバー51、利用者対応サーバー52など利用者の個人情報が含まれるサーバーは、データを個人から預託され、他の事業者とのマッチングや匿名加工したうえでの情報提供を行う機関(情報銀行)や医療機関などの個人情報を扱える機関内に設置をする。
【0109】
本開示の個人情報選定システム4と医療機関が利用するシステム(例えば、出願人考案の特許第6558669号に開示の地域医療連携システム)とが連携することにより、
図23に示すような、情報銀行を中心とした医療業界と空港や宿泊施設など他の業界とが一体となったシステムになることが期待できる。
【符号の説明】
【0110】
1 決済手段選定システム
2 ポイントサービス選定システム
3 情報表示システム
4 個人情報選定システム
12 決済変換システム
13 決済選択システム
131 決済事業者
132 決済代行事業者
14 利用者認証システム
141 個人情報データベース
15 利用者端末
16 店舗端末
19 通信ネットワーク
21 本開示システムが提供する決済媒体
22 決済手段情報
23 利用者所有の決済媒体
24 決済取引依頼データ
25 入替決済取引依頼データ
222 キャンペーン情報及びベネフィット情報データベース
32 利用者情報記録システム
33 ポイント付与システム
331 ポイント事業者
332 ポイント付与代行事業者
34 ポイント付与管理システム
41 ポイント媒体
42 ポイント情報
43 ポイント取引依頼データ
52 利用者対応システム
53 利用者対応データベース
55 ポイントプラットフォームシステム
57 ポイントサービス作成画面
58 ポイントプラットフォームデータベース
61 共通デバイス
72 情報表示端末
【手続補正書】
【提出日】2022-06-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が所有する決済手段に付帯するベネフィットの中から利用者に好適なベネフィットが提供できる決済手段を選定することを目的とする
決済手段選定システムにおいて、
利用者が所有する複数の決済手段が登録された情報を利用し、
利用者が所有する決済手段に付帯するベネフィットの情報が保存されたキャンペーン情報及びベネフィット情報データベースからベネフィットの情報を決済手段選定システムが利用することを特徴とし、
決済媒体に付帯しているベネフィット以外のキャンペーンの情報は、ネットワーク上の外部サイトのシステムと連携して前記情報を取得し、
好適なベネフィットを提供できる決済手段の選定を、前記情報を利用して決済手段選定処理を実行し、
利用者が所有する決済手段に付帯するベネフィットの情報と決済媒体に付帯しているベネフィット以外のキャンペーンの情報とを利用して 決済手段選定処理のうち第4の処理の実行により、前記2つの情報の中から利用者にとって好適なベネフィットが得られる決済手段を選定されたことを特徴とし、
個人情報選定システムは、決済手段選定システムが選定した決済手段を提供している決済事業者へ決済取引依頼データを送信し、
決済取引依頼データを受信した決済事業者側で決済が行われることを特徴とする
個人情報選定システム及び決済手段選定システム
【請求項2】
個人情報選定システムは、請求項1に記載の決済取引依頼データを店舗から決済事業者に送られてきた情報と同じように情報を書き換えて(変換)決済事業者に送信することにより、決済事業者が決済を行えることを目的とし、
前記情報は、店舗から個人情報選定システムに送られてきた決済取引依頼データを変換した入替決済取引依頼データであり、
個人情報選定システムから決済事業者へ送る入替決済取引依頼データの情報の内容は、決済事業者名が個人情報選定システムから、決済手段選定システムが選定した決済手段を提供する決済事業者名に入れ替えた情報であることを特徴とし、
個人情報選定システムは、決済手段選定システムが選定した決済事業者へ入替決済取引依頼データを送信することを特徴とし、
店舗端末が個人情報選定システムに決済取引依頼データを送信し、好適な決済手段を選定した決済手段を提供する決済事業者名に入れ替えた入替決済依頼データと、
店舗端末が直接決済事業者へ送信する決済取引依頼データとが同等のデータであることを特徴とし、
決済事業者は、個人情報選定システムから受信した入替決済依頼データを使用することで、従来店舗端末から直接送られてくる決済取引依頼データと同様に決済処理が行える個人情報選定システム及び決済手段選定システム
【請求項3】
流出した文字ベースのパスワードは変更できるが、流出したら一切変更ができない個人情報である顔や指紋の情報を、利用者認証を行う沢山の事業者に複数預けることを止めることを(避けることを)目的とし
複数ある決済事業者が、顔や指紋の情報を利用者から集める事をせずとも、認証システムの開発をせずとも、顔や指紋の情報による利用者認証を個人情報選定システムが代行するビジネスモデルであり、
個人情報選定システムが代行する利用者認証は、個人情報選定システムが利用する個人情報データベースにある利用者の個人情報(生体情報)を利用し、
個人情報選定システムが利用する個人情報データベースにある利用者の個人情報を使用して利用者の認証の代行を行う事から、
本考案は、店舗で顔や指紋を使って決済を行う利用者の利用者認証を個人情報選定システムが代行し、本人確認後、その旨の認証可否の情報を決済事業者に送る認証の代行を決済事業者に代わって行サービスを決済事業者に提供する仕組みを有するサービスである事を特徴とし、
利用者が所有している複数の決済手段に対して利用者の生体情報を複数の決済事業者に提供することが生じるが、
本考案の個人情報選定システムには、個人情報データベースがあり、前記データベースには、従来の決済事業者が発行した決済手段とその基礎情報とが保存されており、前記2つ情報をそのまま利用することができ、
前記2つ情報に保存されている利用者の顔や指紋の情報(生体情報)を認証した結果を決済事業者へ提供することにより、
決済事業者は、利用者の生体情報を利用した認証を行う必要がなくなり、
利用者は、決済事業者に認証情報を提供せずに従来通りに生体認証が行われる
すなわち個人情報選定システムは、決済事業者に代わって生体認証を代行する顔や指紋の情報を使用した認証サービスを提供することを特徴とした
請求項1または2に記載の個人情報選定システム及び決済手段選定システムを利用した
利用者は、複数の決済事業者に生体情報を提供せずとも生体認証が行え、
さらに、決済事業者は、利用者の生体情報を保有せずに、利用者の生体認証の結果の可否情報を取得し決済が行える、複数の利用者と複数の決済事業者とが利用できる決済を行うために必要な生体情報を利用した利用者認証を個人情報選定システムが代行するサービスとして提供するビジネスモデルを実現する個人情報選定システム及び決済手段選定システム
【請求項4】
利用者が複数所有している決済手段の決済事業者が提供する利用明細が1つにまとまった総合利用履歴として代用できるサービスを提供することを目的とし、
個人情報選定システムを利用する毎に、個人情報データベースには、利用履歴の情報が蓄積されており、
前記利用履歴の情報には、少なくとも決済場所と決済金額と選定した決済手段と利用決済日時とが蓄積されており、
前記利用履歴の情報は、決済手段選定システムを利用することにより自動で発生する情報であるため、新たに情報を取得せずともすべての決済事業者の利用履歴がまとまった総合利用履歴として利用することができ、
利用者に対して総合利用履歴を提供し、利用明細書の代用として利用できるサービスと複数の決済事業者に対して利用明細書の提供の代行を行うサービスのビジネスモデルを実現する請求項1から3のいずれかに記載の個人情報選定システム及び決済手段選定システム
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
本考案による個人情報の選定を行うには、利用者が所有している個人情報を決済手段選定システム1に登録することで、本考案が利用できる「決済媒体21」が利用者に渡されることになる。利用者は、端末を利用して個人情報を決済手段選定システム1に接続を行い、利用者が所有している決済手段の情報をそれぞれ登録する。登録する内容は、決済手段情報として後の説明に記載しているためここでは省略する。登録された情報は、利用者情報の決済手段情報として個人情報データベース141に保存(登録)される。
例えば、利用者が5つの決済手段を決済手段選定システム1に登録した場合、利用者に渡された「決済媒体21」には「5つの決済手段が決済手段選定システム1上で紐づいている」形になる。前記「5つの決済手段が決済手段選定システム1上で紐づいている」とは、1つの決済媒体21に決済手段Aが紐づいており、決済媒体21にと決済手段Bとが紐づいている。よって、決済手段Aと決済手段Bとは紐づいていない。
利用者は決済時に「決済媒体21」を使用することで決済手段選定システム1が利用でき、好適な決済手段が選定され決済が行われることになる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
キャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222について説明する。
キャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222は、決済事業者が企画するキャンペーンがあり、決済事業者の決済媒体を利用することで発生する様々な好適内容のベネフィットが得られるキャンペーンが行われる。決済事業者のキャンペーンは、期間を決めた期間限定キャンペーンや、店舗を限定したキャンペーンや決済する商品を限定した限定したキャンペーンや決済場所(店舗)や商品を限定せずに決済を行えば良いだけのキャンペーンがあり、それにより得られるベネフィットは様々である。これらキャンペーンは定期または不定期で行われる物もある。これらの決済事業者による様々なキャンペーンの詳細情報が、決済事業者キャンペーン情報として「キャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222」に蓄積され保存されている。
さらに、決済事業者の企画によるキャンペーンとは違い、店舗や小売店または製品を販売する企業が独自に売上促進や製品の販売促進を目的として企画するキャンペーンもある。このキャンペーンも定期または不定期で行われる。これらの店舗や小売店または製品を販売する企業により企画される様々なキャンペーンの詳細情報が、店舗小売店キャンペーン情報として「キャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222」に蓄積され保存されている。
これら決済事業者や店舗小売店によるキャンペーンの情報は、外部ネットワークにある外部システム(キャッシュレス決済還元率マップサイト)が提供している。決済手段選定システム1は、キャッシュレス決済還元率マップサイトと接続し、決済事業者や店舗小売店によるキャンペーンの情報を連携して取得する。取得したキャンペーンの情報は、決済手段選定システム1がキャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222に蓄積し保存する。決済手段選定システム1は、キャッシュレス決済還元率マップサイトから取得したキャンペーンの情報とキャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222に保存されているキャンペーンの情報との差分を抽出し、キャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222にアペンドする。2つの情報の差分は、追加された新しいキャンペーンの情報がキャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222に追加して蓄積している。
キャンペーンの情報やベネフィットの情報を提供しているキャッシュレス決済還元率マップサイトの例として、AIクレジット社の「AI-Credit(登録商標)」などがある。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
生体認証を使用したビジネスモデルについて説明する。
一部の決済事業者においては、既に決済時に生体情報を使用した決済システムを構築し運営を行っている。利用者側の利便性を考えると、この生体認証を利用した認証と生体情報を使用した利用者特定識別による決済方法とが、社会でのキャッシュレス決済の常識となってもおかしくない。社会にある決済事業者が、それぞれ利用者の認証又は特定するために生体情報を持つことになる。さらに生体情報を利用した決済の認証システムを開発し組込むには相当な時間と開発費用を要することになる。多額の開発費を投じて生体認証や本院特定を行うシステムを投じても事業収益は変わらない。投じた開発費の回収に数年を要してしまう。利用者からすると、個人を特定する情報(個人情報)が、様々な決済事業者に所有されることになる。パスワードやPIN番号
といった文字ベースのものであれば、盗まれた場合に後から変更すれば良いが、生体情報にいたっては、変更が不可能である。利用者からすると生体情報の扱いは慎重に願いたいし多くの決済事業者に生体情報を提供したくないのが本音であろう。この説明を
図14に示す。
利用者と決済事業者は顔や指紋などの生体情報を使用した認証の代行により従来と変わらずに決済処理が行える。この例を
図15に示す。
本考案では、従来の方式を利用した決済システムのため、認証又は本人特定を行うシステムを実装することができる。もともと個人情報データベース141を実装している個人情報選定システム4にとっては、個人情報を扱うことから、サービスとして個人情報の管理を行い、法令に基づき個人情報の保管と第三者への提供が行える機関(例えば、情報銀行)としての役割を持つことになる。
個人情報選定システム4は、店舗に設置された店舗端末16で決済を行った決済取引依頼データ24を決済手段選定システム1で受信し、決済事業者へ渡している過程となっている。この過程の中で、店舗端末16と個人情報選定システム4との間で、生体情報を利用した利用者の生体認証又は特定を行うことで、決済事業者が改めて利用者の生体情報を使用した生体認証又は特定を行う必要はなくなる。決済事業者は従来の決済処理のままで良いことになる。決済手段選定システム1が扱う個人情報データベース141には、「認証のための生体情報」が保存されているためそれを利用することで利用者の認証は行える。
個人情報選定システム4は、決済事業者に対して生体情報を使った利用者認証を代行するサービスと、利用者に対して決済媒体21を使用しなくとも顔など生体で決済が行える代行サービスとを提供するビジネスモデルを行うことができる。
利用者の決済における利用者認証は、店舗端末16にあるカメラを利用して「カメラで撮った顔の情報と、従来の決済取引依頼データ24」とを決済手段選定システム1に送信する。「店舗端末16のカメラで撮った利用者の顔の情報と、従来の決済取引依頼データ24」を受け取った決済手段選定システム1は、個人情報データベース141にある利用者の「認証のための生体情報」と、店舗端末16から送られてきた「店舗端末16のカメラで撮った利用者の顔の情報」との2つを利用して利用者本人の特定を行う。本人特定が行えれば、次に好適なベネフィットが受けられる決済手段の選定処理を行う。選定処理により選定された決済手段の決済事業者に対して決済を依頼する入替決済取引依頼データ25を送信し決済を引き渡すことになる。ここからは従来通り、決済事業者が決済手続きを完了すると店舗端末16に対して決算完了の通知が送信され利用者の決済が完結したことになる。
このビジネスモデルは、利用者と決済事業者の双方にメリットがある。
利用者は、現在所有して決済媒体の情報が決済手段選定システム1に登録されており、この登録されている決済手段を決済時に利用者の顔を利用することで決済が行われる利便性を利用することができる。さらに好適なベネフィットが得られる決済手段の選定はそのまま利用できる。本来であれば、個人情報であり漏洩しても書き換えられない生体情報を所有している決済手段の数に相当する複数の決済事業者に対して、生体情報を提供しなければならないことが無くなる。
決済事業者は、認証の代行サービスを利用することで、決済事業者は生体認証システムの開発費の捻出を行う必要がなくなり、さらに個人情報である生体情報の管理と生体情報の漏洩といったリスク管理からも解放されることになる。
また、店舗側の店舗端末16にとってみれば、本来決済事業者ごとに利用者の顔を取得するための仕組みが違う。この仕組みを店舗端末16で吸収するには、高額なシステムになってしまう。1つの顔を取得する仕組みと、その情報を一か所に送る仕組みであれば店舗端末16の改修費は高額にならない。
さらに、
図16のように、複数の決済事業者が生体認証による決済を行った場合、
店舗端末にあるカメラを利用して利用者から顔の情報を取得した店舗端末は、この顔の情報から、この顔の情報をどの決済事業者へ送って良いか判断することができない。
顔の情報を複数の決済事業者の中からこの決済事業者へ送ると判断できるようにするには、
図17に示すように、生体認証による決済を行っている決済事業者ごとに専用カメラを用意すれば、単純に実現することができる。
しかし、生体情報での決済を行っている事業者の数だけカメラの台数が必要となり、高額なシステムとなってしまう。
図18に示すように、本開示の個人情報選定システム4が、
利用者や店舗端末と、決済事業者との間に入り、複数の決済事業者が行うはずである生体認証の代行を行うことでスムースな生体認証を行う流れの形態ができる。
個人情報選定システム4は、顔や指紋を使った利用者の認証を行うことと、利用者識別ができた利用者の好適な決済手段を選定し事業者の代わりに生体認証を行うことができる。
以上が、個人情報選定システム4におけるビジネスモデルの説明である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0049】
決済選択システム13が個人情報データベース141及びキャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222に保管された情報を利用して決済手段の算出処理を行う方法についてA店,B店,C店の三店舗を用いて決済手段の選定の具体例を示す。
利用者は、決済手段情報22として4つの決済手段を個人情報データベース141に登録している。登録されている決済手段をここでは、決済手段α、決済手段β、決済手段γ、決済手段δとそれぞれ呼称することにする。この4つ決済手段に対して以下の設定や情報などが個人情報データベース141またはキャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222それぞれ登録されている。
利用者は、個人情報データベース141に利用者設定情報としてA店において決済手段αを優先して使用すると設定している。
利用者は、個人情報データベース141に利用者設定情報として決済手段βの上級会員資格取得のためのポイントを優先して貯めたいと設定している。また、B店で優先して使用する決済手段を設定していない。
決済手段γは、C店が発行している決済手段となっている。また、店舗小売店キャンペーン情報としてC店において決済手段γを特定の曜日に使うと、1割引が行われる販売促進政策がキャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222に登録されている。
決済手段δは、決済事業者キャンペーン情報として合計で一定金額以上決済が行われれば、決済手段δのポイントサービスで決済金額の0.1%をボーナスポイントとして付与する(決済金額1000円あたり1ポイント付与する)という販売促進政策がキャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222に登録されている。なお、このポイントは1ポイント1円相当として利用することができる。
以下に決済選択システム13が実行する決済手段選定処理により様々な条件で選択される決済手段を示す。特に言及がない限り、すべての決済手段が使えるものとする。
決済選択システム13は、店舗端末16から受信した決済取引依頼データ24の中の情報から利用者情報K1と決済利用年月日時K2、決済場所(店舗)K3、利用決済金額K4などを取得しメモリ(記憶)する。
キャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222より各情報を抜出し記憶する、
「決済事業者ベネフィット情報」から「ポイントに関する情報」A1、「ステータスや決済による保証などの情報」A2、「割引やキャッシュバックなどの情報」A3を取得し記憶する但し情報が設定されて無い物はNEGATIVEとして記憶する。
次に、
「決済事業者キャンペーン情報」から、「ポイントに関する情報」B1「ステータスや決済による保証などの情報」B2、「割引やキャッシュバックなどの情報」B3を取得し記憶する但し情報が設定されて無い物はNEGATIVEとして記憶する。
さらに、
「店舗小売店キャンペーン情報」から、「ポイントに関する情報」C1、「ステータスや決済による保証などの情報」C2、「割引やキャッシュバックなどの情報」C3を取得し記憶する但し情報が設定されて無い物はNEGATIVEとして記憶する。
例1(A店で決済を行うとした場合)
この場合は、A店において優先して使用すると設定している決済手段αが選択される。(
上記処理のうち第1処理に該当)
この例における処理は、記憶したK1情報から、K1に該当する情報を取得する。
取得する情報は、
個人情報データベース141から、K1に該当する利用者設定情報の中からとしてA店すなわちK3に関する決済手段の情報Z1を取得する。利用者設定情報の中にK3が含まれている場合(ACTIVE)と、情報の無い(NEGATIVE)な場合がある。
K3の情報が登録されているために、
A店(K3)で使用する決済手段がZ1として登録されている。このZ1に登録されている情報を取得し記憶する。決済選択システム13は好適な選定(利用者が望むもの)として、記憶したZ1が決済初段として選定される。
例2(B店で決済を行うとした場合)
この場合は、A店ではないため決済手段αは選択されず、上級会員資格取得のためのポイントを貯めている決済手段βが選択される。(上記処理のうち第3処理に該当)
この例における処理は、記憶したK1情報から、K1に該当する情報を取得する。
個人情報データベース141から、K1に該当する利用者設定情報の中からB店すなわちK3の情報は無い(NEGATIVE)である。
よってK3の決済場所に関係ない第2処理へ移る。
個人情報データベース141から、K1に該当する利用者設定情報の中から、K1のベネフィットに関する情報Y1を取得し記憶する。
記憶したY1に情報が含まれている場合(ACTIVE)と、情報の無い(NEGATIVE)な場合がある。
今回は、を例に「上級会員資格取得のためのポイントを貯めている」という設定で説明していく。
Y1に情報が無い(NEGATIVE)となる。
よってY1のベネフィットに関係ない第3処理へ移る。
個人情報データベース141から、K1に該当する利用者設定情報の中から、目標設定に関する情報X1を取得し記憶する。
記憶したX1に情報が含まれている場合(ACTIVE)と、情報の無い(NEGATIVE)な場合がある。
今回は、情報の無い(NEGATIVE)となり、次に
個人情報データベース141から、K1に該当する利用者設定情報の中から、「目標設定の種類」に関する情報W1を取得し記憶する。
W1の情報には「上級会員資格取得のためのポイントを貯めている」から、決済手段を探す処理に移る。個人情報データベース141から、利用者が登録した決済手段の中から上級会員資格取得のためのポイントが決済金金額K4から取得できるポイントを決済手段毎に算出してそれぞれW2-1、W2-2、W2-3・・・として記憶していき、最大のポイントを得られるW2―〇となった決済手段を選定したW2の決済手段βとして選定結果となる。
例3(決済手段βが使用できないC店で決済を行うとした場合)
C店では、決済手段αと決済手段γと決済手段δが使える。この場合は、A店ではないため決済手段αは選択されず、決済手段βは選択できないため、決済手段γもしくは、決済手段δのどちらかが選択されることとなる。決済手段γもしくは、決済手段δの選択は、決済を行おうとする日によって決定する。が、C店の店舗小売店キャンペーン情報に記載の割引日の場合は、決済手段δのボーナスポイントより、決済手段γの割引のほうが高い割引率のため、決済手段γが選択される。一方、決済を行おうとする日が、C店の店舗小売店キャンペーン情報に記載の割引日以外の場合は、決済手段δのボーナスポイントのほうが高い割引率のため、決済手段δが選択される。(上記処理のうち第4処理に該当)
この例における処理は、記憶したK1情報から、K1に該当する情報を取得する。
個人情報データベース141から、K1に該当する利用者設定情報の中からとしてC店すなわちK3に関する決済手段の情報Z1を取得する。利用者設定情報の中にK3が含まれている場合(ACTIVE)と、情報の無い(NEGATIVE)な場合がある。
K3の情報が登録されているために、C店(K3)で使用する決済手段がZ1として登録されている。このZ1に登録されている情報を取得し記憶する。このZ1には、決済手段αと決済手段γと決済手段δが記憶されている。
このZ1に記憶されている情報の中から好適な決済手段を探すことになる。
この処理は、第4処理となり、好適なキャンペーンの有無や内容を比較していく事になる。
キャンペーンの情報が保存されているキャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222から、K3及びK2に該当するキャンペーンの情報として、
「決済事業者キャンペーン情報」から、A1、A2、A3を
「決済事業者キャンペーン情報」から、B1、B2、B3を
「店舗小売店キャンペーン情報」から、C1、C2、C3を
使用して処理をしていく。
決済金額K4から取得できる数値をA1、A2、A3、B1、B2、B3、C1、C2、C3を決済手段毎に決済する。
Z1にある決済手段α、決済手段γ、決済手段δを使用した時に得られる処理を、それぞれ
決済手段αはA1-1、A2-1、A3-1、B1-1、B2-1、B3-1、C1-1、C2-1、C3-1
決済手段γはA1-2、A2-2、A3-2、B1-2、B2-2、B3-2、C1-2、C2-2、C3-2
決済手段δはA1-3、A2-3、A3-3、B1-3、B2-3、B3-3、C1-3、C2-3、C3-3
として計算結果が記憶される。
今回の例では、
K2の情報から日時又は曜日におけるキャンペーンに該当する場合、割引が受けられるW2として決済手段γが選択される。
K2の情報から日時又は曜日におけるキャンペーンに該当しない場合、ボーナスポントが得られるW2として決済手段δが選定される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0060】
1つ目の拡張例として、決済事業者131への個人情報の代行登録機能がある。この機能は、利用者が本考案の個人情報選定システム4を介して新たな決済手段を契約する際に、個人情報選定システム4から決済事業者131に対し、リアルな個人情報を渡さず、匿名化した個人情報を渡す。匿名化した個人情報を渡すことにより、利用者は、決済事業者131に正体を明かさずに新たな決済手段を契約することができる。例えば、個人情報選定システム4から決済事業者131に対し実名ではなく偽名で名前を送ることにより、偽名で契約をする。結果、決済事業者131から利用者に対して、実際の名前とは違う名前が記載された利用者所有の決済デバイス23が発行できる。
2つ目の拡張例として、決済事業者の代わりに総合利用履歴の作成と提供を行うサービスするビジネスモデルがある。個人情報データベース141に保存されている利用履歴の情報を利用する。
従来、利用者は、複数の決済手段を所有しているため、複数の決済事業者が作成した利用明細書を確認する手間が発生していた。
決済手段選定システム1にある、利用履歴の情報を利用することで手間を省くかできる。決済手段選定システム1を利用することにより利用履歴の情報が自動で発生する。利用履歴の情報は、決済手段選定システム1が生成した情報であり、個人情報データベース141に蓄積される。利用履歴の情報の中には、利用者が所有する全ての決済手段を利用した情報が蓄積されている。利用者が所有する全ての決済手段を利用した情報が蓄積された情報は、すなわち総合利用履歴の情報となる。利用者は、各決済事業者が発行するそれぞれの利用明細書をそれぞれ確認することから、この総合利用履歴を利用明細書の代用として1度に確認すればよくなる。各決済事業者は、利用者が決済手段選定システム1を利用している場合、総合利用履歴を利用すれば 利用者に対して利用明細書を作成する必要が無くなる。個人情報選定システム4は、利用者に対して決済に利用した決済手段の利用履歴の情報が1つの情報(総合利用履歴だけで)で確認できる総合利用履歴を提供するサービスと、事業者には、利用明細書の作成を代行するサービスとを提供するビジネスモデルとなる。
3つ目の拡張例として、利用者の信用情報の管理機能がある。この機能は、利用者が決済を行える合計金額の上限の管理機能となっており、クレジットカードにおける「ご利用可能額」と同じ機能を持っている。また、この信用情報の管理機能で設定されている上限金額は、複数の決済事業者131の決済手段で共有する。例えば、本開示の個人情報選定システム4は、利用者の信用情報として決済の上限金額を100万円と設定したとする。複数の決済手段での決済の結果のうち、利用者が支払いを行っていない金額が100万円を超えると、個人情報選定システム4を用いた決済できなくなる。
4つ目の拡張として、個人情報データベース141に保管された情報を信託の基礎情報として活用する。例えば、利用者本人が病気や年齢などの理由により利用者の信用情報が決済手段の発行基準に満たししていない場合であって、利用者と家族との間で信託契約がある場合、個人情報選定システム4は、家族の信用情報を利用して決済媒体21を発行するなどに利用する。
5つ目の拡張として、個人情報の自動更新機能がある。本開示の個人情報選定システム4は、様々な場所、例えば病院や企業、決済事業者131などから情報が集まってくる。集まってくる情報には、本来利用者本人が決済事業者131等に対し情報が変わったという内容の連絡を行うべき情報も含まれる。連絡を行うべき情報として例えば、転居先の住所や転職先の企業名などがある。個人情報選定システム4が、集まってきた情報の中に更新すべき情報が存在した場合、自動で個人情報の更新を行う。
例えば、利用者が転職した場合、加入する健康保険が変わる。また、健康保険証には、事業所の名が記載されている。個人情報選定システム4は、健康保険証が変わったことを認識すると、健康保険証に記載の事業所名が転職先の企業名であると判断し、個人情報データベース141に保存されている利用者の勤務先の情報を更新する。
6つ目の拡張として、個人情報の販売機能がある。この機能は、個人情報選定システム4内に保管されている個人情報を匿名化して、決済事業者131などに販売する機能である。例えば、富裕層で資産を持っているが、決済手段を持っていない利用者がいるとする。個人情報選定システム4は、決済事業者131に対して、新しい利用者候補として、情報を販売する。この際、利用者保護などの目的や、決済事業者131が利用者に対して直接連絡しないようにするなどの目的のため、個人情報を匿名化して販売する。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が所有する決済手段に付帯するベネフィットの中から利用者に好適なベネフィットが提供できる決済手段を選定することを目的とする決済手段選定システムがあり、
前記決済手段選定システムにより入替決済取引依頼データが作成され、
前記入替決済取引依頼データは、個人情報選定システムが決済事業者に提供することにより従来通り決済を行えることを目的とし、
前記決済手段選定システムは、
決済媒体に付帯しているベネフィット以外のキャンペーンの情報は、ネットワーク上の外部サイトのシステムと連携して前記情報を取得し、
好適なベネフィットを提供できる決済手段の選定を、前記情報を利用して決済手段選定処理を実行し、
利用者が所有する決済手段に付帯するベネフィットの情報と決済媒体に付帯しているベネフィット以外のキャンペーンの情報とを利用した第1の処理から第4の処理までの決済手段選定処理を行い、第4の処理の結果から、利用者にとって好適なベネフィットが得られる決済手段を選定できるシステムであり、
個人情報選定システムは、決済手段選定システムが選定した決済手段を提供している決済事業者へ決済取引依頼データを送信し、
決済取引依頼データを受信した決済事業者側で決済が行えるシステムであり、
店舗から個人情報選定システムに送られてきた決済取引依頼データを変換した入替決済取引依頼データであり、
前記入替決済取引依頼データは、決済事業者の情報を「個人情報選定システム」から、「決済手段選定システムが選定した決済手段を提供する決済事業者に該当する情報」に入れ替えたデータであることを特徴とし、
店舗端末が個人情報選定システムに決済取引依頼データを送信し、好適な決済手段を選定した決済手段を提供する決済事業者に該当する情報に入れ替えた入替決済取引依頼データと、
店舗端末が直接決済事業者へ送信する決済取引依頼データとが同等のデータであり、
決済事業者は、個人情報選定システムから受信した入替決済取引依頼データを使用することで、従来店舗端末から直接送られてくる決済取引依頼データと同様に決済処理が行える個人情報選定システム及び決済手段選定システム
【請求項2】
流出した文字ベースのパスワードは変更できるが、流出したら一切変更ができない個人情報である顔や指紋の情報を、利用者認証を行う沢山の事業者に複数預けることを止めることを(避けることを)目的とし
複数ある決済事業者が、顔や指紋の情報を利用者から集める事をせずとも、認証システムの開発をせずとも、顔や指紋の情報による利用者認証を個人情報選定システムが代行するビジネスモデルであり、
個人情報選定システムが代行する利用者認証は、個人情報選定システムが利用する個人情報データベースにある利用者の個人情報(生体情報)を利用し、
個人情報選定システムが利用する個人情報データベースにある利用者の個人情報を使用して利用者の認証の代行を行う事から、
本考案は、店舗で顔や指紋を使って決済を行う利用者の利用者認証を個人情報選定システムが代行し、本人確認後、その旨の認証結果の可否情報を決済事業者に提供する仕組みを有する認証代行サービスである事を特徴とし、
利用者が所有している複数の決済手段に対して利用者の生体情報を複数の決済事業者に提供することが生じるが、
本考案の個人情報選定システムには、個人情報データベースがあり、前記データベースには、従来の決済事業者が発行した決済手段の情報と利用者の基礎情報とが保存されており、
前記2つの情報に保存されている利用者の顔や指紋の情報(生体情報)を認証した可否の結果情報を決済事業者へ提供することにより、
決済事業者は、利用者の生体情報を利用した認証処理を行う必要がなくなり、
利用者は、決済事業者に認証情報を提供しなくても生体認証が行われる
すなわち個人情報選定システムは、顔や指紋の情報を使用した生体認証の処理を決済事業者に代わって代行し、認証結果の可否情報を決済事業者に提供する仕組みを有する認証代行サービスを提供することを特徴とし、
請求項1に記載の個人情報選定システム及び決済手段選定システムを利用した
利用者は、複数の決済事業者にそれぞれ生体情報を提供せず個人情報選定システムだけに生体情報を提供することで生体認証が行え、
さらに、決済事業者は、利用者の生体情報を保有せずに、利用者の生体認証の結果の可否情報を個人情報選定システムから提供されることにより決済が行える、複数の利用者と複数の決済事業者とが利用できる決済を行うために必要な生体情報を保存し、保存した生体情報を利用した利用者認証を代行するサービスとして提供するビジネスモデルを実現する個人情報選定システム及び決済手段選定システム
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
本考案による個人情報の選定を行うには、利用者が所有している個人情報を決済手段選定システム1に登録することで、本考案が利用できる「決済媒体21」が利用者に渡されることになる。利用者は、端末を利用して個人情報を決済手段選定システム1に接続を行い、利用者が所有している決済手段の情報をそれぞれ登録する。登録する内容は、決済手段情報として後の説明に記載しているためここでは省略する。登録された情報は、利用者情報の決済手段情報として個人情報データベース141に保存(登録)される。
例えば、利用者が5つの決済手段を決済手段選定システム1に登録した場合、利用者に渡された「決済媒体21」には「5つの決済手段が決済手段選定システム1上で紐づいている」形になる。前記「5つの決済手段が決済手段選定システム1上で紐づいている」の意味は、1つの決済媒体21に決済手段Aが紐づいており、さらに、決済媒体21に決済手段Bとが紐づいている意味である。よって、決済手段Aと決済手段Bとは紐づいていない。
利用者は決済時に「決済媒体21」を使用することで決済手段選定システム1が利用でき、好適な決済手段が選定され決済が行われることになる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
決済手段選定処理は、
図25に示す4段階の処理により行う。
決済選択システム13が行う第1の処理は、
利用者から決済場所による決済手段の要望から、その決済場所での決済手段の選定を行う処理である。
利用者が利用者設定情報の1つであるユーザー決済場所設定情報として、受信した決済取引依頼データ24にある決済場所に対応した「決済手段」が利用者設定情報に登録して要るか否により
処理が変わる。
決済手段が登録されている場合は、登録された決済手段を選択する
処理を行う(
図25の(1)の処理が選択される)。
決済手段が登録されていなければ次の第2の処理に移る。
決済選択システム13が行う第2の処理は、利用者が利用者設定情報の1つであるベネフィット目的設定情報として、「契約時に付帯されているベネフィットのうち利用者が利用したいベネフィット」の登録が行われているかの確認処理を行う。
決済手段が登録されている場合は、登録された決済手段を選択する
処理を行う(
図25の(2)の処理が選択される)。
決済手段が登録されていなければ次の第3の処理に移る。
決済選択システム13が行う第3の処理は、利用者が、利用者設定情報の1つである目標設定情報として、「決済事業者のポイントやマイルの取得」「決済事業者実施の割引やキャッシュバックなどの恩恵」「決済事業者のステータスや保証の希望」などのうちどの項目を優先するかを登録しているかの確認処理を行う。
決済手段が登録されている場合は、登録された項目に該当する決済手段を選択
する処理を行う(
図25の(4)から(6)の処理を選択)。前記のいずれの項目も登録されていない場合は、次の第4の処理(
図25の(3)の処理)に移る。
ここから決済選択システム13が行う第4の処理
について説明する。この処理は、利用者が自ら設定する情報として「ユーザー決済場所設定情報」、「ベネフィット目的設定情報」、「目標設定情報」の重要な3つの情報
があり、この情報の全てに利用者が設定していない場合にこの処理が実行される。
まず、決済選択システム13は、決済の情報として、店舗端末16から受信した決済取引依頼データ24
に含まれる情報を取得する。この決済取引依頼データ24に情報には、利用者情報と決済利用年月日時、決済場所(店舗)と、利用決済金額など
が入っている。また、キャンペーン情報及びベネフィット情報データベース222に保存されている情報
の中から「決済事業者ベネフィット情報」、「決済事業者キャンペーン情報」、「店舗小売店キャンペーン情報」などの情報も取得する。「決済事業者ベネフィット情報」、「決済事業者キャンペーン情報」、「店舗小売店キャンペーン情報」などには、「ポイントに関する情報」「ステータスや決済による保証などの情報」「割引やキャッシュバックなどの情報」に大別される情報が
それぞれ保存されている。
ここからは、『 決済事業者ベネフィット情報 』を用いて決済手段を選定する場合と『「決済事業者キャンペーン情報」「店舗小売店キャンペーン情報」』を用いて決済手段を選定する場合に分けて説明していく。