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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023106146
(43)【公開日】2023-08-01
(54)【発明の名称】鉄道線路検出装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20230725BHJP
   B61L 25/06 20060101ALI20230725BHJP
   B61L 23/04 20060101ALI20230725BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20230725BHJP
【FI】
G06T7/00 650Z
B61L25/06 Z
B61L23/04
B60L3/00 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022007295
(22)【出願日】2022-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100213654
【弁理士】
【氏名又は名称】成瀬 晃樹
(72)【発明者】
【氏名】二神 拓也
(72)【発明者】
【氏名】高橋 雄介
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 美彦
(72)【発明者】
【氏名】小林 広幸
(72)【発明者】
【氏名】岩井 将一
(72)【発明者】
【氏名】加藤 紀康
(72)【発明者】
【氏名】瀬川 泰誠
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 博章
【テーマコード(参考)】
5H125
5L096
【Fターム(参考)】
5H125AA05
5H125EE61
5L096CA02
5L096DA02
5L096EA13
5L096EA33
5L096FA66
5L096FA67
5L096FA69
5L096GA51
5L096HA08
5L096KA04
5L096MA07
(57)【要約】
【課題】鉄道の分岐線路をより高精度に検出することができる鉄道線路検出装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】本実施形態による鉄道線路検出装置は、線路検出部と、クラスタリング部と、を備える。線路検出部は、鉄道車両の進行方向を撮影した画像から鉄道車両の1つの経路の線路を検出する線路検出を、予め設定された複数の検出パラメータの数に応じて、複数回実行する。クラスタリング部は、線路検出部による複数の線路検出結果を複数のクラスタに分類することにより、画像内の線路の分岐を検出する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道車両の進行方向を撮影した画像から前記鉄道車両の1つの経路の線路を検出する線路検出を、予め設定された複数の検出パラメータの数に応じて、複数回実行する線路検出部と、
前記線路検出部による複数の線路検出結果を複数のクラスタに分類することにより、前記画像内の線路の分岐を検出するクラスタリング部と、
を備える、鉄道線路分岐検出装置。
【請求項2】
前記クラスタリング部は、前記鉄道車両の位置に基づいて、複数の前記線路検出結果を、前記鉄道車両の進行予定経路における線路の分岐数に応じた数のクラスタに分類する、請求項1に記載の鉄道線路分岐検出装置。
【請求項3】
前記クラスタリング部は、前記鉄道車両の位置に基づく前記分岐数がゼロである場合、前記線路検出結果の分類を停止する、請求項2に記載の鉄道線路分岐検出装置。
【請求項4】
前記クラスタリング部は、線路幅に応じた分類パラメータに基づいて、複数の前記線路検出結果を複数のクラスタに分類する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の鉄道線路分岐検出装置。
【請求項5】
前記クラスタリング部は、前記画像上の前記線路検出結果の位置情報に基づいて、複数の前記線路検出結果を複数のクラスタに分類する、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の鉄道線路分岐検出装置。
【請求項6】
前記クラスタリング部は、
線路幅に基づいて、前記線路検出結果の前記位置情報を補正し、
前記位置情報の補正が行われた複数の前記線路検出結果を複数のクラスタに分類する、請求項5に記載の鉄道線路分岐検出装置。
【請求項7】
前記クラスタリング部は、前記画像の手前側と、前記画像の奧側と、の間で前記線路幅を正規化するように、前記線路検出結果の前記位置情報を補正する、請求項6に記載の鉄道線路分岐検出装置。
【請求項8】
前記クラスタリング部は、複数の前記位置情報の間を補間した補間位置情報に基づいて、複数の前記線路検出結果を複数のクラスタに分類する、請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の鉄道線路分岐検出装置。
【請求項9】
前記クラスタリング部は、分割された前記位置情報の一部ごとに、複数の前記線路検出結果の間の距離を演算することにより、複数の前記線路検出結果を複数のクラスタに分類する、請求項5から請求項8のいずれか一項に記載の鉄道線路分岐検出装置。
【請求項10】
前記クラスタリング部は、全ての前記位置情報に対して、複数の前記線路検出結果の間の距離を一括で演算することにより、複数の前記線路検出結果を複数のクラスタに分類する、請求項5から請求項8のいずれか一項に記載の鉄道線路分岐検出装置。
【請求項11】
少なくとも1つの前記線路検出結果を出力する線路検出結果出力部をさらに備える、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の鉄道線路分岐検出装置。
【請求項12】
前記線路検出結果出力部は、前記鉄道車両の位置に基づいて、前記鉄道車両の進行予定経路に対応するクラスタにおける少なくとも1つの前記線路検出結果を出力する、請求項11に記載の鉄道線路分岐検出装置。
【請求項13】
前記クラスタリング部は、分類されたクラスタの中心に最も近い前記線路検出結果を、前記線路検出結果出力部に出力させる、請求項11または請求項12に記載の鉄道線路分岐検出装置。
【請求項14】
コンピュータに、
鉄道車両の進行方向を撮影した画像から前記鉄道車両の1つの経路の線路を検出する線路検出を、予め設定された複数の検出パラメータの数に応じて、複数回実行させ、
複数の線路検出結果を複数のクラスタに分類することにより、前記画像内の線路の分岐を検出させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明による実施形態は、鉄道線路検出装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両の前方を撮影するカメラが撮像した画像を用いて、鉄道車両と接触する可能性のある障害物を監視する前方障害物検知システムが存在する。前方に存在する物体が障害物に分類されるか否かを判定するために、撮影した画像から鉄道車両の走行予定の線路を検出する処理の高精度化が求められている。鉄道車両は停止するまでの制動距離が長いため、より遠方の線路を高精度かつ高速に検出することが求められる。また、線路に分岐が存在する分岐線路は、高精度に検出することが難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-179798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
鉄道の分岐線路をより高精度に検出することができる鉄道線路検出装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態による鉄道線路検出装置は、線路検出部と、クラスタリング部と、を備える。線路検出部は、鉄道車両の進行方向を撮影した画像から鉄道車両の1つの経路の線路を検出する線路検出を、予め設定された複数の検出パラメータの数に応じて、複数回実行する。クラスタリング部は、線路検出部による複数の線路検出結果を複数のクラスタに分類することにより、画像内の線路の分岐を検出する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態による運転支援装置の構成の一例を示すブロック図。
図2】第1実施形態による鉄道線路分岐検出装置の機能構成の一例を示すブロック図。
図3】第1実施形態による鉄道線路分岐検出装置の動作の一例を示すフローチャート。
図4】第1実施形態による線路検出実行部が取得する複数の線路検出結果を可視化した例を示す図。
図5】第1実施形態による線路検出実行部が取得する線路検出結果のデータ構造の一例を示す図
図6】第1実施形態による線路検出結果クラスタリング部が複数の線路検出結果を分類する処理の一例を示す図。
図7】第1実施形態による線路検出結果クラスタリング部におけるクラスタリングの方法の一例を示す図。
図8】第1実施形態による線路検出結果クラスタリング部における分類パラメータの一例を示す図。
図9】第1実施形態による線路検出結果クラスタリング部における前処理の一例を示す図。
図10】第2実施形態による線路検出結果クラスタリング部におけるクラスタリングの方法の一例を示す図。
図11】第3実施形態による線路検出結果クラスタリング部におけるクラスタリングの方法の一例を示す図。
図12】第4実施形態による線路検出結果クラスタリング部における特徴位置の補間の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。図面は模式的または概念的なものであり、各部分の比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。明細書と図面において、既出の図面に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
[構成]
図1は、第1実施形態による運転支援装置1の構成の一例を示すブロック図である。運転支援装置1は、線路R上を走行する鉄道車両RVに搭載されるシステムである。運転支援装置1は、鉄道車両RVの前方に位置する障害物を検出し、障害物の検知結果を運転士に通知する。運転支援装置1は、例えば、撮影装置10と、前方障害物検出装置20と、障害物判定結果通知装置30と、鉄道線路分岐検出装置40と、現在位置計測装置50と、GNSS(Global Navigation Satellite System)60とを備える。
【0009】
撮影装置10は、鉄道車両RVの前方を撮影するカメラによって構成され、撮影した画像を前方障害物検出装置20と鉄道線路分岐検出装置40に出力する。
【0010】
GNSS60は、衛星から受信した電波に基づいて鉄道車両RVの現在位置を測位する。GNSS60は、測位した鉄道車両RVの位置情報を現在位置計測装置50に出力する。
【0011】
現在位置計測装置50は、GNSS60から取得した現在位置情報と、線路データベースと、に基づいて鉄道車両RVの走行位置を取得する。現在位置計測装置50は、鉄道車両RVの走行位置を鉄道線路分岐検出装置40に出力する。
【0012】
鉄道線路分岐検出装置40は、撮影装置10から取得した画像と、現在位置計測装置50から取得した走行位置と、に基づいて、画像中に存在する線路Rの位置を検出する。鉄道線路分岐検出装置40は、分岐を含めて線路Rを検出する。鉄道線路分岐検出装置40は、線路Rの検出結果を前方障害物検出装置20に出力する。
【0013】
前方障害物検出装置20は、撮影装置10から取得した画像と、鉄道線路分岐検出装置40から取得した画像中の線路位置と、に基づいて、線路R中に存在する、走行中の鉄道車両RVと接触する可能性のある障害物を検出する。前方障害物検出装置20は、例えば、 機械学習等のAI(Artificial Intelligence)技術を用いた画像認識により、障害物を検出する。しかし、障害物の検出方法は、これに限られない。前方障害物検出装置20は、障害物の検出結果を障害物判定結果通知装置30に出力する。
【0014】
障害物判定結果通知装置30は、前方障害物検出装置20から取得した情報を参照して、例えば、運転乗務員、運転指令所、駅職務員、および、乗客に障害物の存在などを通知する。障害物判定結果通知装置30は、例えば、アクセルおよびブレーキを制御する、自動運転のため制御装置に、障害物の存在などを通知してもよい。
【0015】
図2は、第1実施形態による鉄道線路分岐検出装置40の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0016】
鉄道線路分岐検出装置40は、線路検出実行部401と、線路検出実行パラメータ保管部402と、線路検出結果クラスタリング部403と、線路分岐数取得部404と、線路データベース405と、線路検出結果出力部406と、運行情報データベース407とを備える。線路検出実行部401、線路検出結果クラスタリング部403、線路分岐数取得部404、線路検出結果出力部406のうち、一部または全部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサが記憶部(図示せず)に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。記憶部は、鉄道線路分岐検出装置40内に設けられてもよく、鉄道線路分岐検出装置40の外部に設けられてもよい。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアによって実現され、これらの機能部の機能を実現するための回路構成を有してもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
【0017】
線路検出実行部401は、撮影装置10が有する画像取得部101から取得した画像に基づいて単一の(分岐が存在することを仮定しない)線路検出を適用する。線路検出実行部401による線路検出は、例えば、特許第6776213号または特許第6903477号のような線路検出が単一の線路検出に相当する。線路検出実行部401は、線路検出実行パラメータ保管部402に記憶されているパラメータ(検出パラメータ)に基づいて線路検出を複数回実施して、複数の線路検出結果を取得する。線路検出実行部401は、複数回取得した線路検出結果を線路検出結果クラスタリング部403に出力する。
【0018】
すなわち、線路検出実行部(線路検出部)401は、鉄道車両RVの進行方向を撮影した画像Iから鉄道車両RVの1つの経路の線路Rを検出する線路検出を、予め設定された複数の検出パラメータの数に応じて、複数回実行する。尚、線路検出の詳細については、図4および図5を参照して、後で説明する。
【0019】
線路検出実行パラメータ保管部402は、線路検出実行部401を動作させるために必要なパラメータ群(パラメータセット)を記憶したデータベースである。
【0020】
線路分岐数取得部404は、現在位置計測装置50が有する現在位置取得部501から鉄道車両RVの走行位置を取得し、線路データベース405から走行中の線路Rの座標情報を取得する。線路分岐数取得部404は、現在撮影されている画像中に含まれる線路Rの分岐数を取得し、線路検出結果クラスタリング部403に出力する。
【0021】
線路検出結果クラスタリング部403は、線路分岐数取得部404から取得した分岐数に基づいて線路検出実行部401から取得した複数の線路検出結果を分類(統合)する。
【0022】
また、線路検出結果クラスタリング部(クラスタリング部)403は、線路検出実行部401による複数の線路検出結果を複数のクラスタに分類することにより、画像I内の線路Rの分岐を検出する。尚、クラスタリングの詳細については、図6図9を参照して、後で説明する。
【0023】
線路検出実行部401は、分岐先を全て網羅した複数の線路検出結果を取得するが、各分岐先に対して重複した線路検出結果が得られる可能性がある。そこで、線路検出結果クラスタリング部403は、各分岐先に対して重複を排除した線路検出結果を取得し、線路検出結果出力部406に出力する。
【0024】
運行情報データベース407は、鉄道車両RVの進行予定の線路Rに関する情報を記憶したデータベースである。運行情報データベース407は、現在位置取得部501から取得した鉄道車両の走行位置に基づいて進行する予定の分岐先を取得し、線路検出結果出力部406に出力する。
【0025】
線路検出結果出力部406は、運行情報データベース407からの分岐の進行先と、線路検出結果クラスタリング部403からの分岐先の線路R全てに対する検出結果と、を取得し、進行予定の分岐先に対する線路検出結果を、前方障害物検出装置20が有する物体衝突判定部201に出力する。
【0026】
すなわち、線路検出結果出力部406は、少なくとも1つの線路検出結果を出力する。より詳細には、線路検出結果出力部406は、鉄道車両RVの位置に基づいて、鉄道車両RVの進行予定経路に対応するクラスタにおける少なくとも1つの線路検出結果を出力する。また、線路検出結果クラスタリング部403は、分類されたクラスタの中心に最も近い線路検出結果を、線路検出結果出力部406に出力させる。クラスタの中心は、セントロイド(重心)とも呼ばれる場合がある。
【0027】
[処理フロー]
図3は、第1実施形態による鉄道線路分岐検出装置40の動作の一例を示すフローチャートである。
【0028】
ステップS001では、線路検出実行部401は、撮影装置10から鉄道車両RVの前方を撮影した画像を取得する。
【0029】
ステップS002とステップS003では、線路検出実行部401は、撮影装置10から取得した鉄道車両RVの前方を撮影した画像を入力とし、線路検出実行パラメータ保管部402に記憶されているパラメータ(検出パラメータ)に基づいて複数の線路検出結果を取得する。線路検出実行部401は、パラメータ群を変えて、線路検出を複数回行う。
【0030】
ステップS0004では、線路検出結果クラスタリング部403は、ステップS003で取得した複数の線路検出結果を分類し、各分岐先に対して重複する線路検出結果を排除する。線路検出結果クラスタリング部403は、複数の線路検出結果を分類する際に、線路分岐数取得部404から取得可能な、現在の車両位置からの撮影範囲中に含まれる線路分岐数を用いても良い。線路検出結果クラスタリング部403は、画像中の線路幅の情報を分類時に用いても良い。
【0031】
ステップS005では、現在位置取得部501から取得した鉄道車両の走行位置に基づいて進行する予定の分岐先を運行情報データベース407が取得し、線路検出結果出力部406に出力する。線路検出結果出力部406は、線路検出結果クラスタリング部403が分類した線路検出結果に対して線路検出結果出力部406が進行する予定の分岐先の線路検出結果を取得し、前方障害物検出装置20に出力する。
【0032】
ステップS006では、前方障害物検出装置20が線路検出結果出力部406から取得した線路検出結果に基づいて衝突する可能性を有した障害物を検出する。
【0033】
[単一の線路検出]
図4は、第1実施形態による線路検出実行部401が取得する複数の線路検出結果を可視化した例を示す図である。
【0034】
撮影装置10から取得した画像Iには、直進と右折する分岐線路が含まれている。線路検出実行部401は単一の線路を検出可能なため、線路検出実行パラメータ保管部402に記憶されているパラメータに基づいて線路検出を複数回(本図では3回)実施することで、検出結果A~Cのような結果が得られる。検出結果Aと検出結果Bは、直進する線路Rに対する線路検出結果を示す。一方、検出結果Cは、右折する線路Rに対する線路検出結果を示す。検出結果Aおよび検出結果Bについて、直進する線路Rに対して重複する線路検出結果が得られていることが分かる。
【0035】
図4に示すように、線路検出実行部401は、検出結果A~Cのそれぞれに対して、特徴位置CPl0~CPl4、CPr0~CPr4を特定する。特定された特徴位置CPr0~CPr4を連ねた線、および、特徴位置CPl0~CPl4を連ねた線のそれぞれは、線路Rに含まれる右側線路R1および左側線路R2として導出される。
【0036】
図5は、第1実施形態による線路検出実行部401が取得する線路検出結果のデータ構造の一例を示す図である。
【0037】
線路検出実行部401は、線路検出結果を特徴位置の点列として表し、線路検出結果クラスタリング部403に出力する。尚、図5には、検出結果A~Cのそれぞれついて、4点の座標値が示されている。しかし、図4に示す検出結果A~Cのそれぞれに対して、実際には、10点の特徴位置CPl0~CPl4、CPr0~CPr4の座標値が存在する。
【0038】
検出結果Aと検出結果Bは、いずれも、直進する線路に対する線路検出結果である。しかし、検出結果Aと検出結果Bとの間で、特徴位置の座標は、必ずしも同じ値になるとは限らない。これは、例えば、異なる検出パラメータによって線路検出が行われているためである。
【0039】
[単一の線路検出の方法]
線路検出実行部401は、例えば、特許第6903477号における単一の線路検出を、検出パラメータを変えて複数回行う。線路検出実行パラメータ保管部402に記憶されているパラメータは、例えば、特許第6903477号における探索範囲および探索角度(角度θ)等を含むパラメータ群である。この場合、或るパラメータ群には、他のパラメータ群と比較して、例えば、異なる探索範囲、または、異なる探索角度が記憶される。検出パラメータとして用いるパラメータ群を変更することにより、検出される単一の線路が変わる場合がある。尚、検出パラメータは、採用される単一の線路検出方法のアルゴリズムに応じて変更される。
【0040】
[クラスタリング]
図6は、第1実施形態による線路検出結果クラスタリング部403が複数の線路検出結果を分類する処理の一例を示す図である。
【0041】
図4に示すように、線路検出実行部401は、直進する線路に対して重複する結果を得た。そこで、線路検出結果クラスタリング部403は、類似する線路検出結果を分類し、重複する線路検出結果を除外する。図6に示す例では、検出結果Aが検出結果Bと重複するため除外され、検出結果B、Cが重なるよう表示されている。線路検出結果クラスタリング部403は、例えば、検出した線路間の距離を定義して、距離に応じて統合する処理を導入しても良い(図8を参照)。線路検出結果クラスタリング部403は、k平均法またはミーンシフト(Mean-Shift)法等の既存のクラスタリング処理を適用しても良い。
【0042】
[クラスタリングの方法]
図7は、第1実施形態による線路検出結果クラスタリング部403におけるクラスタリングの方法の一例を示す図である。図7は、画像I内で特徴位置CPl0~CPl2、CPr0~CPr2が特定された場合の例を示す。尚、特徴位置CPl0~CPl2と、特徴位置CPr0~CPr2と、の間における手前からn点目(n=1~3)のY座標は、略同じである。
【0043】
線路検出結果クラスタリング部403は、画像I上の線路検出結果の位置情報に基づいて、複数の線路検出結果を複数のクラスタに分類する。画像I上の線路検出結果の位置情報は、例えば、特徴位置CPl0~CPl2、CPr0~CPr2の画素位置である。線路検出結果クラスタリング部403は、例えば、画素位置のユークリッド距離を用いてクラスタリングを行う。
【0044】
線路検出結果クラスタリング部403は、分割された位置情報(画素位置)の一部ごとに、複数の線路検出結果の間の距離(例えば、ユークリッド距離)を演算することにより、複数の線路検出結果を複数のクラスタに分類する。
【0045】
図7に示す例では、1つの線路検出結果に、6点の特徴位置CPl0~CPl2、CPr0~CPr2が示されている。線路検出結果クラスタリング部403は、各点ごとに、クラスタリングを行う。
【0046】
線路検出結果クラスタリング部403は、例えば、特徴位置CPl2、特徴位置CPl1、特徴位置CPl0、特徴位置CPr2、特徴位置CPr1、および、特徴位置CPr0をこの順番に抽出してクラスタリングを行う。従って、図7に示す例では、線路検出結果クラスタリング部403は、1つの特徴位置のX座標およびY座標による2(1×2)次元データのクラスタリングを、6回行う。線路検出結果クラスタリング部403は、例えば、2次元ユークリッド距離の演算を6回行う。
【0047】
尚、クラスタリングを行う特徴位置CPl0~CPl2、CPr0~CPr2の順番は、上記に限られない。
【0048】
[クラスタリングの分類パラメータ]
クラスタリングに用いられる分類パラメータは、選択するクラスタリングのアルゴリズムによって異なる。以下では、分岐数および線路幅が分類パラメータとして用いられる場合について説明する。分岐数が用いられるクラスタリングのアルゴリズムは、例えば、k平均法である。線路幅が用いられるクラスタリングのアルゴリズムは、例えば、ミーンシフト法である。
【0049】
[分岐数によるクラスタリング]
線路検出結果クラスタリング部403は、鉄道車両RVの位置に基づいて、複数の線路検出結果を、鉄道車両RVの進行予定経路における線路Rの分岐数に応じた数のクラスタに分類する。線路Rの分岐数は、図2を参照して説明したように、線路分岐数取得部404によって線路データベース405から取得される。鉄道車両RVの現在位置付近における分岐数が予め分かっている場合、クラスタリングの入力として分岐数を用いられてもよい。これにより、画像I内で分類するクラスタの数を予め決めることができる。この結果、クラスタリングの精度を向上させることができる。
【0050】
図4に示す例では、線路Rの分岐数は、1である。この場合、線路検出結果クラスタリング部403は、複数の線路検出結果(検出結果A~C)を、2つのクラスタに分類する。一方のクラスタでは、検出結果A、Bの線路Rは、真っ直ぐ延伸する。他方のクラスタでは、検出結果Cの線路Rは、途中まで検出結果A、Bと同様に真っ直ぐ延伸し、右に曲がって延伸する。
【0051】
また、線路検出結果クラスタリング部403は、鉄道車両RVの位置に基づく分岐数がゼロである場合、線路検出結果の分類を停止してもよい。これにより、分岐が存在しない位置では、分岐検出を行わないようにすることができる。
【0052】
[線路幅によるクラスタリング]
図8は、第1実施形態による線路検出結果クラスタリング部403における分類パラメータの一例を示す図である。
【0053】
線路検出結果クラスタリング部403は、線路幅Wrに応じた分類パラメータに基づいて、複数の線路検出結果を複数のクラスタに分類する。分類パラメータは、クラスタ間の距離である。
【0054】
図8に示す例では、2つの線路検出結果が示されている。2つの線路検出結果の間において、特徴位置CPl0のずれ幅(ユークリッド距離)Wcp0、および、特徴位置CPl1のずれ幅Wcp1は、線路幅Wrよりも小さい。一方、2つの線路検出結果の間において、特徴位置CPl2のずれ幅Wcp2は、線路幅Wrよりも大きい。
【0055】
線路Rの分岐、すなわち、2つの経路のクラスタが存在する場合、通常、2つの線路検出結果の間において、特徴位置に大きなずれが生じる。特徴位置のずれの閾値として、例えば、線路幅Wrを用いることができる。従って、図8に示す例では、線路検出結果クラスタリング部403は、2つの線路検出結果を、2つのクラスタに分類する。この結果、線路検出結果クラスタリング部403は、線路Rの分岐を検出する。
【0056】
尚、線路検出結果クラスタリング部403は、例えば、クラスタリング方法などに応じて、線路幅に所定の係数を乗算した値を、分類パラメータとして用いてもよい。
【0057】
[クラスタリングの前処理]
図9は、第1実施形態による線路検出結果クラスタリング部403における前処理の一例を示す図である。
【0058】
画像I上では、通常、鉄道車両RVから遠い位置における線路Rの線路幅は、鉄道車両RVから近い位置における線路Rの線路幅よりも小さく表示される。この場合、鉄道車両RVから遠い位置における線路Rの分岐検出が難しくなる可能性がある。これは、奧側における特徴位置のずれ幅(例えば、図8に示すずれ幅Wcp2)が、手前側における特徴位置のずれ幅(例えば、図8に示すずれ幅Wcp0)よりも、画像I上で小さく表示されるためである。すなわち、クラスタリングの結果が、手前側の特徴位置のずれ幅に大きく依存してしまう可能性がある。
【0059】
そこで、線路検出結果クラスタリング部403は、クラスタリングを行う前に、線路Rの検出結果の補正処理を行う。例えば、予め直線区間における線路Rの撮像結果を用いて、線路の検出結果を補正する。直線区間では、線路Rは、手前側から奧側にかけて、略同じ線路幅で、略直線状に延伸する。線路検出結果クラスタリング部403は、線路幅が手前側から奧側にかけて略一定になるように、特徴位置CPl0~CPl2、CPr0~CPr2を補正する。これにより、画像I上で鉄道車両RVから遠い位置における線路Rの分岐をより高精度に検出することができる
【0060】
すなわち、線路検出結果クラスタリング部403は、線路幅に基づいて、線路検出結果の位置情報(画素位置)を補正する。線路検出結果クラスタリング部403は、位置情報の補正が行われた複数の線路検出結果を複数のクラスタに分類する。より詳細には、線路検出結果クラスタリング部403は、画像Iの手前側と、画像Iの奧側と、の間で線路幅を正規化するように、線路検出結果の位置情報(画素位置)を補正する。
【0061】
以上のように、第1実施形態によれば、線路検出実行部401は、鉄道車両RVの進行方向を撮影した画像Iから鉄道車両RVの1つの経路の線路Rを検出する線路検出を、予め設定された複数の検出パラメータの数に応じて、複数回行う。線路検出結果クラスタリング部403は、複数の線路検出結果を複数のクラスタに分類することにより、画像I内の線路R分岐を検出する。これにより、線路Rの分岐をより高精度に検出することができる。
【0062】
通常、分岐が存在する場合、線路検出は難しくなる。線路の分岐を検出する他の方法として、例えば、機械学習を用いて分岐器の有無を検出する場合がある。しかし、この方法では、分岐(分岐器)が撮影された画像を用意して、機械学習を行う必要がある。すなわち、学習データが必要になり、導入コストが大きくなる場合がある。
【0063】
これに対して、第1実施形態では、単一の線路検出を拡張し、線路検出結果に基づいて、線路Rの分岐を検出することができる。この場合、機械学習のための学習データが不要であるため、導入コストが大きくなることを抑制することができる。
【0064】
尚、特許第6903477号の線路検出では、特徴位置CPl0~CPl2と、特徴位置CPr0~CPr2と、の間における手前からn点目(n=1~3)のY座標は、略同じである。クラスタリングのアルゴリズムによっては、Y座標が用いられず、X座標を用いたクラスタリングが行われても良い。この場合、線路検出結果クラスタリング部403は、1つの特徴位置のX座標による1(1×1)次元データのクラスタリングを、6回行う。線路検出結果クラスタリング部403は、例えば、1次元ユークリッド距離の演算を6回行う。
【0065】
また、線路検出実行部401は、単一の線路を検出する、他の線路検出方法を用いて線路検出を行ってもよい。
【0066】
また、線路検出結果の数は、図4に示す3つに限られない。1つの画像Iに対する線路検出結果の数が多いほど、例えば、外れ値が除去でき、より好ましい。
【0067】
(第2実施形態)
図10は、第2実施形態による線路検出結果クラスタリング部403におけるクラスタリングの方法の一例を示す図である。第2実施形態では、第1実施形態と比較して、クラスタリングの方法が異なっている。
【0068】
線路検出結果クラスタリング部403は、右側線路R1および左側線路R2の左右ペアの特徴位置ごとにクラスタリングを行う。
【0069】
線路検出結果クラスタリング部403は、例えば、特徴位置CPl2、CPr2のペアを抽出してクラスタリングを行う。次に、線路検出結果クラスタリング部403は、例えば、特徴位置CPl1、CPr1のペアを抽出してクラスタリングを行う。次に、線路検出結果クラスタリング部403は、例えば、特徴位置CPl0、CPr0のペアを抽出してクラスタリングを行う。従って、図10に示す例では、線路検出結果クラスタリング部403は、2つの特徴位置のX座標およびY座標による4(2×2)次元データのクラスタリングを、3回行う。線路検出結果クラスタリング部403は、例えば、4次元ユークリッド距離の演算を3回行う。
【0070】
尚、特許第6903477号の線路検出では、特徴位置CPl0~CPl2と、CPr0~CPr2と、の間における手前からn点目(n=1~3)のY座標は、略同じである。クラスタリングのアルゴリズムによっては、Y座標が用いられず、X座標を使ったクラスタリングが行われても良い。この場合、線路検出結果クラスタリング部403は、2つの特徴位置のX座標による2(2×1)次元データのクラスタリングを、3回行う。線路検出結果クラスタリング部403は、例えば、2次元ユークリッド距離の演算を3回行う。
【0071】
第2実施形態による鉄道線路分岐検出装置40のその他の構成は、第1実施形態による鉄道線路分岐検出装置40の対応する構成と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
【0072】
第2実施形態のように、クラスタリングの方法が変更されてもよい。第2実施形態による鉄道線路分岐検出装置40は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0073】
(第3実施形態)
図11は、第3実施形態による線路検出結果クラスタリング部403におけるクラスタリングの方法の一例を示す図である。第3実施形態では、第1実施形態と比較して、クラスタリングの方法が異なっている。
【0074】
線路検出結果クラスタリング部403は、全ての位置情報(画素位置)に対して、複数の線路検出結果の間の距離(例えば、ユークリッド距離)を一括で演算することにより、複数の線路検出結果を複数のクラスタに分類する。
【0075】
線路検出結果クラスタリング部403は、例えば、特徴位置CPl0~CPl2、CPr0~CPr2の全点を抽出してクラスタリングを行う。従って、図11に示す例では、線路検出結果クラスタリング部403は、6つの特徴位置のX座標およびY座標による12(6×2)次元のクラスタリングを、1回行う。線路検出結果クラスタリング部403は、例えば、12次元ユークリッド距離の演算を1回行う。
【0076】
尚、特許第6903477号の線路検出では、特徴位置CPl0~CPl2と、特徴位置CPr0~CPr2と、の間における手前からn点目(n=1~3)のY座標は、略同じである。クラスタリングのアルゴリズムによっては、Y座標が用いられず、X座標を使ったクラスタリングが行われても良い。この場合、線路検出結果クラスタリング部403は、6つの特徴位置のX座標による6(6×1)次元データのクラスタリングを、1回行う。線路検出結果クラスタリング部403は、例えば、6次元ユークリッド距離の演算を1回行う。
【0077】
第3実施形態による鉄道線路分岐検出装置40のその他の構成は、第1実施形態による鉄道線路分岐検出装置40の対応する構成と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
【0078】
第3実施形態のように、クラスタリングの方法が変更されてもよい。第3実施形態による鉄道線路分岐検出装置40は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0079】
(第4実施形態)
図12は、第4実施形態による線路検出結果クラスタリング部403における特徴位置CPl0~CPl2、CPr0~CPr2の補間の一例を示す図である。第4実施形態は、特徴位置CPl0~CPl2、CPr0~CPr2を補間してクラスタリングが行われる点で、第1実施形態とは異なっている。
【0080】
特許第6903477号の線路検出では、特徴位置CPl0~CPl2と、特徴位置CPr0~CPr2と、の間における手前からn点目(n=1~3)のY座標は、略同じである。しかし、例えば、線路検出の方法によっては、Y座標の値が大きく異なる場合がある。この場合、線路検出結果クラスタリング部403は、複数の位置情報(座標位置)の間を補間した補間位置情報に基づいて、複数の線路検出結果を複数のクラスタに分類する。線路検出結果クラスタリング部403は、例えば、スプライン補間を行い、特徴位置の座標を補間する。
【0081】
図12に示す例では、線路検出結果クラスタリング部403は、特徴位置CPl0~CPl2を補間して、左側線路R2の補間位置情報を演算する。同様に、線路検出結果クラスタリング部403は、特徴位置CPr0~CPr2を補間して、右側線路R1の補間位置情報を演算する。線路検出結果クラスタリング部403は、例えば、0、1、2、・・・、Y’をY座標とする、左側線路R2の補間位置情報のX座標を演算する。尚、Y’は、所定の整数である。線路検出結果クラスタリング部403は、0、1、2、・・・、Y’をY座標とする、右側線路R1の補間位置情報のX座標を演算する。
【0082】
線路検出結果クラスタリング部403は、特徴位置として、左側線路R2および右側線路R1のそれぞれにおけるY’+1個の補間位置情報を用いて、クラスタリングを行う。
【0083】
第4実施形態による鉄道線路分岐検出装置40のその他の構成は、第1実施形態による鉄道線路分岐検出装置40の対応する構成と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
【0084】
第4実施形態のように、特徴位置CPl0~CPl2、CPr0~CPr2を補間してクラスタリングが行われてもよい。第4実施形態による鉄道線路分岐検出装置40は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。尚、第4実施形態による鉄道線路分岐検出装置40に、第2実施形態または第3実施形態を組み合わせてもよい。すなわち、クラスタリングの方法が変更されてもよい。
【0085】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0086】
1 運転支援装置、40 鉄道線路分岐検出装置、401 線路検出実行部、402 線路検出実行パラメータ保管部、403 線路検出結果クラスタリング部、404 線路分岐数取得部、405 線路データベース、406 線路検出結果出力部、407 運行情報データベース、CPl0~CPl4 特徴位置、CPr0~CPr4 特徴位置、I 画像、R 線路、RV 鉄道車両、Wcp0~Wcp2 ずれ幅、Wr 線路幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12