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特開2023-107120ゴミ箱の監視システム、センサユニット、および情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023107120
(43)【公開日】2023-08-02
(54)【発明の名称】ゴミ箱の監視システム、センサユニット、および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   B65F 1/00 20060101AFI20230726BHJP
   B65F 1/14 20060101ALI20230726BHJP
【FI】
B65F1/00 Z
B65F1/14 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022008249
(22)【出願日】2022-01-21
(71)【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】増市 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】蒲谷 隆史
(72)【発明者】
【氏名】松原 渉
【テーマコード(参考)】
3E023
【Fターム(参考)】
3E023AA14
3E023AA20
3E023LA10
(57)【要約】
【課題】正しいゴミの量を安定して特定する。
【解決手段】ゴミ箱(T1)の監視システム(9)は、ゴミ箱(T1)の内側上面に取り付けられ、ゴミ箱(T1)に収容されているゴミまでの距離を検知する赤外線センサ(10)および超音波センサ(11)と、赤外線センサ(10)および超音波センサ(11)の少なくとも何れかの検知結果に基づいてゴミ箱(T1)に収容されているゴミの量を特定する情報処理装置3と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴミ箱の内側上面に取り付けられ、前記ゴミ箱に収容されているゴミまでの距離を検知する光センサと、
前記内側上面に取り付けられ、前記ゴミ箱に収容されているゴミまでの距離を検知する超音波センサと、
前記光センサおよび前記超音波センサの少なくとも何れかの検知結果に基づいて前記ゴミ箱に収容されているゴミの量を特定する情報処理装置と、を含むゴミ箱の監視システム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、前記光センサが検知した距離と、前記超音波センサが検知した距離のうち、所定期間に検知された距離の変化量がより大きい方のセンサで検知された距離から前記ゴミ箱に収容されているゴミの量を特定する、請求項1に記載の監視システム。
【請求項3】
前記情報処理装置は、前記光センサが所定期間に検知した距離の変化量と、前記超音波センサが前記所定期間に検知した距離の変化量との何れかが所定閾値以上である場合に、距離の変化量が当該所定閾値未満であったセンサで検知された距離から前記ゴミ箱に収容されているゴミの量を特定する、請求項1または2に記載の監視システム。
【請求項4】
前記情報処理装置は、前記光センサが所定期間に検知した距離の変化量と、前記超音波センサが前記所定期間に検知した距離の変化量との差が所定閾値以下である場合に、前記光センサおよび前記超音波センサが検知した距離のうちの小さい方の距離から前記ゴミ箱に収容されているゴミの量を特定する、請求項1に記載の監視システム。
【請求項5】
前記情報処理装置は、前記光センサおよび前記超音波センサの前記所定期間における検知結果が蓄積されるまでは、前記光センサおよび前記超音波センサが検知した距離のうちの小さい方の距離から前記ゴミ箱に収容されているゴミの量を特定する、請求項4に記載の監視システム。
【請求項6】
前記光センサおよび前記超音波センサのオンとオフとを切り替える切替装置を備える、請求項1から5の何れか1項に記載の監視システム。
【請求項7】
前記切替装置は、前記ゴミ箱にゴミが収容されていない初期状態において、前記ゴミ箱の内面底部が前記光センサおよび前記超音波センサの何れかの測定範囲外となっている場合、前記光センサおよび前記超音波センサのうち測定範囲外となっている方をオフにする、請求項6に記載の監視システム。
【請求項8】
前記切替装置は、前記ゴミ箱にゴミが収容されていない初期状態において、前記光センサおよび前記超音波センサの検知した距離の差が所定閾値以下である場合に、前記光センサをオフにする、請求項6に記載の監視システム。
【請求項9】
前記切替装置は、前記光センサおよび超音波センサのうちオンになっている方により検知された距離が所定距離以下となったときに、前記光センサおよび前記超音波センサのうちオフにしていた方をオンにする、請求項7または8に記載の監視システム。
【請求項10】
前記ゴミ箱に収容されるゴミが、前記光センサおよび前記超音波センサの何れか一方の検知精度が他種のゴミと比べて低い所定の種類のゴミである場合に、
前記切替装置は、前記光センサが検知した距離と、前記超音波センサが検知した距離のうち、所定期間に検知された距離の変化量が小さい方のセンサをオフにする、請求項7から9の何れか1項に記載の監視システム。
【請求項11】
前記光センサおよび前記超音波センサは、1つのセンサユニットとして前記ゴミ箱に取り付けられており、
前記センサユニットには加速度センサが含まれており、
前記情報処理装置は、前記加速度センサの検知結果に基づいて、前記光センサおよび前記超音波センサの少なくとも何れかの検知結果から、前記ゴミ箱に収容されているゴミの量を特定する、請求項1から10の何れか1項に記載の監視システム。
【請求項12】
前記加速度センサの検知結果が前記ゴミ箱が動いていないことを示すとき、前記光センサおよび前記超音波センサの前記検知結果を前記情報処理装置に送信し、前記加速度センサの検知結果が前記ゴミ箱が動いていることを示すとき、前記光センサおよび前記超音波センサの前記検知結果を前記情報処理装置に送信しない、送信制御装置を備える、請求項11に記載の監視システム。
【請求項13】
前記情報処理装置は、前記加速度センサの検知結果が示す前記センサユニットの水平面に対する傾きに応じて前記光センサの検知した距離を補正する、請求項11または12に記載の監視システム。
【請求項14】
温度および湿度の少なくとも一方を検知するセンサを含み、
前記情報処理装置は、前記センサの検知結果を用いて前記超音波センサの検知した距離を補正する、請求項1から13の何れか1項に記載の監視システム。
【請求項15】
前記情報処理装置は、前記ゴミ箱にゴミが収容されていない初期状態において、前記光センサの検知する距離と、前記超音波センサが検知する距離との誤差が許容範囲内となるように前記超音波センサの検知閾値を調整する、請求項1から14の何れか1項に記載の監視システム。
【請求項16】
前記光センサおよび前記超音波センサのオンとオフとを切り替える切替装置を備え、
前記切替装置は、前記検知閾値が調整された場合には、少なくとも当該調整が行われた距離の区間において、前記光センサおよび前記超音波センサの両方をオンにする、請求項15に記載の監視システム。
【請求項17】
前記光センサおよび前記超音波センサのオンとオフとを切り替える切替装置を備え、
前記切替装置は、前記検知閾値が調整されても前記誤差が許容範囲内とならない場合には、前記超音波センサをオフにする、請求項15に記載の監視システム。
【請求項18】
ゴミ箱の内側上面に取り付けられ、
前記ゴミ箱に収容されているゴミまでの距離を検知する光センサと、
前記ゴミ箱に収容されているゴミまでの距離を検知する超音波センサと、
前記光センサおよび前記超音波センサの少なくとも何れかの検知結果を、当該検知結果に基づいて前記ゴミ箱に収容されているゴミの量を特定する情報処理装置に送信する送信装置と、を備えたセンサユニット。
【請求項19】
ゴミ箱の内側上面に取り付けられ、前記ゴミ箱に収容されているゴミまでの距離を検知する光センサの検知結果、および、前記内側上面に取り付けられ、前記ゴミ箱に収容されているゴミまでの距離を検知する超音波センサの検知結果を取得する検知結果取得部と、
前記光センサおよび前記超音波センサの少なくとも何れかの検知結果に基づいて前記ゴミ箱に収容されているゴミの量を特定するゴミ量特定部と、を備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴミ箱の監視システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴミ箱に収容されているゴミの量を自動で検知するゴミ箱の監視システムが従来技術として知られている。例えば、下記の特許文献1には、ゴミが所定の高さまで蓄積されたことを検知するゴミ検知センサと、ゴミ検知センサによる検知情報を取得してゴミの蓄積状態を監視する監視装置と、監視装置が送信する信号に基づいてゴミの蓄積状態を通報する通報装置とを備えるゴミ箱監視システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-206333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような従来技術には、ゴミの量の算出精度という点で改善の余地がある。具体的には、特許文献1のゴミ箱監視システムで使用されるゴミ検知センサは、水平方向に検知波を発信することにより、ゴミが所定の高さまで蓄積されたことを検知するものであるから、ゴミがその高さに到達するまではゴミの量は全く不明である。このため、例えば想定以上にゴミの蓄積ペースが速いような場合には、通報装置の通報後に回収に行くと既にゴミがあふれているといった事態が生じ得る。
【0005】
このような問題を解決するための方法として、水平方向ではなく垂直方向に検知波を発信するようにゴミ検知センサを設けることが考えられる。しかしながら、ゴミ箱の内部には様々な種類・大きさのゴミが不規則に堆積していて高さが一定しない場合があり、また、ゴミ箱の内部にはゴミ袋やゴミ箱の内壁面といった検知誤差の原因となるものも存在する。このため、垂直方向に検知波を発信するようにゴミ検知センサを設けるだけでは、ゴミの量の安定した特定は難しいことが想定される。
【0006】
本発明の一態様は、正しいゴミの量を安定して特定することが可能なゴミ箱の監視システム等を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るゴミ箱の監視システムは、ゴミ箱の内側上面に取り付けられ、前記ゴミ箱に収容されているゴミまでの距離を検知する光センサと、前記内側上面に取り付けられ、前記ゴミ箱に収容されているゴミまでの距離を検知する超音波センサと、前記光センサおよび前記超音波センサの少なくとも何れかの検知結果に基づいて前記ゴミ箱に収容されているゴミの量を特定する情報処理装置と、を含む。
【0008】
本発明の別の態様に係るセンサユニットは、ゴミ箱の内側上面に取り付けられ、前記ゴミ箱に収容されているゴミまでの距離を検知する光センサと、前記ゴミ箱に収容されているゴミまでの距離を検知する超音波センサと、前記光センサおよび前記超音波センサの少なくとも何れかの検知結果を、当該検知結果に基づいて前記ゴミ箱に収容されているゴミの量を特定する情報処理装置に送信する送信装置と、を備える。
【0009】
本発明の別の態様に係る情報処理装置は、ゴミ箱の内側上面に取り付けられ、前記ゴミ箱に収容されているゴミまでの距離を検知する光センサの検知結果、および、前記内側上面に取り付けられ、前記ゴミ箱に収容されているゴミまでの距離を検知する超音波センサの検知結果を取得する検知結果取得部と、前記光センサおよび前記超音波センサの少なくとも何れかの検知結果に基づいて前記ゴミ箱に収容されているゴミの量を特定するゴミ量特定部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、正しいゴミの量を安定して特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係るゴミ箱の監視システムの構成例を示す図である。
図2】上記監視システムにおけるセンサユニットの要部構成の一例を示すブロック図である。
図3】上記監視システムにおける情報処理装置の要部構成の一例を示すブロック図である。
図4】上記センサユニットが取り付けられたゴミ箱を管理するための管理情報の例を示す図である。
図5】上記センサユニットにおける赤外線センサにより検知される距離の補正方法を説明する図である。
図6】上記センサユニットにおける超音波センサのプロファイルの調整例を示す図である。
図7】初期設定時に上記情報処理装置が実行する処理のうち主として上記赤外線センサに関連する処理の例を示すフローチャートである。
図8】初期設定時に上記情報処理装置が実行する処理のうち主として上記超音波センサに関連する処理の例を示すフローチャートである。
図9】定期測定時に上記センサユニットが実行する処理の例を示すフローチャートである。
図10】定期測定時に上記情報処理装置が実行する処理の例を示すフローチャートである。
図11】登録情報にゴミ種が含まれている場合に上記情報処理装置が実行する処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔システム構成〕
本実施形態に係るゴミ箱の監視システム9の構成を図1に基づいて説明する。図1は、ゴミ箱の監視システム9の構成例を示す図である。図示のように、監視システム9は、センサユニット1、中継器2、情報処理装置3、端末装置4、ディスプレイ5、および端末装置6を含む。
【0013】
センサユニット1は、ゴミ箱に収容されているゴミの量を特定するためのセンサを備えた装置である。センサユニット1は、検知方式がそれぞれ異なる2つの距離センサ、具体的には、赤外線を用いて距離を検知する赤外線センサ10と超音波を用いて距離を検知する超音波センサ11とを備えている。なお、赤外線センサ10の代わりに、赤外光以外の光により距離を検出する任意の光センサを適用することが可能である。よって、以下の説明における「赤外線センサ10」は、任意の「光センサ」に読み替えることができる。
【0014】
センサユニット1は、ゴミ箱の内側上面に取り付けて使用される。図1の例では、センサユニット1はゴミ箱T1の内側上面に取り付けられている。なお、上蓋を有するゴミ箱における上蓋の内側上面も「ゴミ箱の内側上面」に該当する。
【0015】
赤外線センサ10と超音波センサ11は、それらのセンサから鉛直下方側に向けて赤外線または超音波を放射し、その反射光または反射波を受信することにより、それらのセンサからゴミ箱T1内に収容されたゴミの表面までの距離を検知する。検知された距離は無線通信により中継器2に送信される。
【0016】
中継器2は、センサユニット1と情報処理装置3との間における通信を中継する装置である。簡略にするため図1にはセンサユニット1を1つのみ示しているが、監視システム9には複数のセンサユニット1を含めることができる。そして、中継器2は、それら複数のセンサユニット1と情報処理装置3との間における通信を中継することができる。
【0017】
なお、中継器2を設けることなく、センサユニット1と情報処理装置3とが直接通信する構成とすることも可能である。ただし、中継器2を設けることにより、センサユニット1の通信距離を短くしてセンサユニット1の消費電力を抑えることができるという利点があるため、センサユニット1の消費電力を抑えたい場合には中継器2を設けることが好ましい。
【0018】
情報処理装置3は、センサユニット1が備える2つのセンサ(具体的には赤外線センサ10と超音波センサ11)の少なくとも何れかの検知結果に基づいてゴミ箱T1に収容されているゴミの量を特定する。
【0019】
端末装置4とディスプレイ5および端末装置6は、何れも監視システム9のユーザが使用する装置である。より詳細には、端末装置4は例えばパーソナルコンピュータであり、端末装置6は例えばスマートフォンである。これらの装置は、例えばセンサユニット1をゴミ箱T1に設置した直後に行う初期設定や、ゴミ箱T1に収容されているゴミの量の確認に用いられる。無論、初期設定やゴミの量の確認に使用する端末装置は任意であり、図示の例に限られない。
【0020】
以上のように、監視システム9は、ゴミ箱T1の内側上面に取り付けられ、ゴミ箱T1に収容されているゴミまでの距離を検知する赤外線センサ10と、上記内側上面に取り付けられ、ゴミ箱T1に収容されているゴミまでの距離を検知する超音波センサ11と、赤外線センサ10および超音波センサ11の少なくとも何れかの検知結果に基づいてゴミ箱T1に収容されているゴミの量を特定する情報処理装置3と、を含む。
【0021】
上記の構成によれば、検知方式が異なる2種類のセンサの少なくとも何れかの検知結果に基づいてゴミ箱T1に収容されているゴミの量を算出する。これにより、一方の検知方式ではゴミまでの距離が正しく特定できない場合でも、他方の検知方式でゴミまでの距離を正しく特定できれば、ゴミ箱T1に収容されているゴミの量を正しく特定することが可能になる。したがって、上記の構成によれば、正しいゴミの量を安定して特定することが可能になる。
【0022】
また、「持続可能な開発目標(SDGs)」に「都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする」ことが定められている。上記の構成によれば、正しいゴミの量を安定して特定することが可能になり、これによりゴミ箱のゴミを適切なタイミングで効率よく回収することが可能になるので、SDGsの達成に貢献することができる。
【0023】
〔センサユニットの構成〕
図2に基づいてセンサユニット1の構成を説明する。図2は、センサユニット1の要部構成の一例を示すブロック図である。図示のように、センサユニット1は、上述した赤外線センサ10および超音波センサ11に加えて、加速度センサ12、温度センサ13、および湿度センサ14を備えている。また、センサユニット1は、センサユニット1の各部を統括して制御する制御装置である制御部15と、センサユニット1が他の装置と通信するための通信装置である通信部16と、センサユニット1が使用する各種データを記憶する記憶装置である記憶部17とを備えている。そして、制御部15には、検知結果取得部151と、送信制御部152と、切替部153とが含まれている。
【0024】
なお、図示は省略しているが、センサユニット1は、上記の構成に加えてバッテリを備えている。また、センサユニット1は、バッテリの電圧を検知する電圧検知部を備えていてもよい。この場合、センサユニット1は、バッテリの電圧を情報処理装置3に通知して、バッテリの状態についても管理させることができる。
【0025】
加速度センサ12は、加速度を検知するセンサである。加速度センサ12は、少なくとも三軸方向(互いに直交する3つの方向)の加速度を検知できるものとすることが好ましい。温度センサ13はセンサユニット1の周囲の温度を検知するセンサであり、湿度センサ14はセンサユニット1の周囲の湿度を検知するセンサである。
【0026】
検知結果取得部151は、上述した各センサ、すなわち、赤外線センサ10、超音波センサ11、加速度センサ12、温度センサ13、および湿度センサ14の検知結果を取得する。
【0027】
送信制御部152は、検知結果取得部151が取得する上述の検知結果を、中継器2経由で情報処理装置3に送信する。なお、送信制御部152は、中継器2を介さずに検知結果を情報処理装置3に送信してもよい。
【0028】
また、送信制御部152は、加速度センサ12の検知結果が、センサユニット1が取り付けられたゴミ箱が動いていないことを示すとき、赤外線センサ10および超音波センサ11の検知結果を情報処理装置3に送信する制御を行う。一方、加速度センサ12の検知結果が、センサユニット1が取り付けられたゴミ箱が動いていることを示すときには、赤外線センサ10および超音波センサ11の検知結果を情報処理装置3に送信しない。このような機能を有する送信制御部152を備えていることにより、センサユニット1は送信制御装置としても機能する。
【0029】
なお、加速度センサ12により検知するゴミ箱の動きについて、例えば、ゴミ箱のゴミ袋の交換が行われているときにはゴミ箱が動くことがある。また、例えば、センサユニット1がゴミ箱の可動部(例えば回転式の蓋の内側)に設けられている場合等には、ゴミの投入時に可動部が動くことがある。加速度センサ12によれば、このような動きが検知される。
【0030】
切替部153は、赤外線センサ10および超音波センサ11のオンとオフとを切り替える。切替部153を備えていることにより、センサユニット1はセンサのオンとオフとを切り替える切替装置としても機能する。
【0031】
なお、切替部153が赤外線センサ10をオンに設定している状態で定期測定のタイミングが到来したときには、検知結果取得部151は、赤外線センサ10を起動させて距離を検知させる。一方、切替部153が赤外線センサ10をオフに設定している状態で定期測定のタイミングが到来したときには、検知結果取得部151は、赤外線センサ10を起動させない。また、赤外線センサ10をオンに設定しているか否かにかかわらず、後述する初期設定時と、定期測定のタイミングを除く他の期間は、赤外線センサ10は停止させておき距離の検知は行わせない。超音波センサ11についても同様である。
【0032】
なお、定期測定のタイミングは、監視システム9のユーザが設定できるようにしてもよい。例えば、10分から1日(24時間)の範囲内で定期測定を行うように設定してもよく、この場合、初期設定の終了時または前回の定期測定時からの経過時間が設定された時間に到達したタイミングが定期測定のタイミングとなる。
【0033】
この構成によれば、赤外線センサ10および超音波センサ11の両方をオンにする必要がないときに、その一方をオフにすることが可能である。これにより、赤外線センサ10および超音波センサ11の合計駆動時間を短くすることができると共に、それらを駆動するための総消費電力を抑えることができる。特に、センサユニット1をバッテリ駆動とした場合には、総消費電力を抑えることができる点は大きな利点となる。
【0034】
以上のように、センサユニット1は、ゴミ箱の内側上面に取り付けられて使用されるものであり、ゴミ箱に収容されているゴミまでの距離を検知する赤外線センサ10と、ゴミ箱に収容されているゴミまでの距離を検知する超音波センサ11と、赤外線センサ10および超音波センサ11の少なくとも何れかの検知結果を、当該検知結果に基づいてゴミ箱に収容されているゴミの量を特定する情報処理装置3に送信する送信装置である通信部16と、を備えている。この構成によれば、正しいゴミの量を安定して特定することが可能になる。
【0035】
上述のとおり、赤外線センサ10および超音波センサ11は、1つのセンサユニット1としてゴミ箱に取り付けられる。また、センサユニット1には加速度センサ12が含まれている。そして、詳細は後述するが、情報処理装置3は、加速度センサ12の検知結果に基づいて、赤外線センサ10および超音波センサ11の少なくとも何れかの検知結果から、ゴミ箱に収容されているゴミの量を特定する。
【0036】
センサユニット1に含まれる加速度センサ12の検知結果は、ゴミ箱およびそれに取り付けられたセンサユニット1の揺れや、赤外線センサ10および超音波センサ11の水平面に対する傾きを示しており、このような情報は正確なゴミの量の特定に有用な情報である。したがって、加速度センサ12の検知結果に基づいてゴミ箱に収容されているゴミの量を特定する上記の構成によれば、より正確なゴミの量を特定することが可能になる。
【0037】
〔情報処理装置の構成〕
図3に基づいて情報処理装置3の構成を説明する。図3は、情報処理装置3の要部構成の一例を示すブロック図である。図示のように、情報処理装置3は、情報処理装置3の各部を統括して制御する制御部30と、情報処理装置3が使用する各種データを記憶する記憶部31を備えている。また、情報処理装置3は、情報処理装置3が他の装置と通信するための通信部32、情報処理装置3に対する各種データの入力を受け付ける入力部33、および情報処理装置3が各種データを出力するための出力部34を備えている。
【0038】
また、制御部30には、登録情報取得部301、切替制御部302、プロファイル設定部303、検知結果取得部304、第1補正部305、第2補正部306、ゴミ量特定部307、およびゴミ量通知部308が含まれている。そして、記憶部31には、管理情報311が記憶されている。
【0039】
登録情報取得部301は、ゴミ箱に関して登録すべき情報である登録情報を、端末装置4または端末装置6から通信部32を介して取得する。つまり、登録情報取得部301は、監視システム9のユーザが端末装置4や端末装置6等を介して入力する登録情報を取得する。
【0040】
上記登録情報の例としては、ゴミ箱の高さ、収容するゴミの種類などが挙げられる。登録情報取得部301は、取得した登録情報を記憶部31の管理情報311に追加する。管理情報311は、センサユニット1が取り付けられたゴミ箱を管理するための情報である。管理情報311の詳細は後記「管理情報の例」で説明する。
【0041】
切替制御部302は、センサユニット1を制御して、赤外線センサ10および超音波センサ11のオンとオフとを切り替えさせる。切替制御部302を備えていることにより、情報処理装置3はセンサのオンとオフとを切り替える切替装置としても機能する。この構成によれば、赤外線センサ10および超音波センサ11の両方をオンにする必要がないときに、その一方をオフにすることが可能であるから、赤外線センサ10および超音波センサ11の合計駆動時間を短くすることができると共に、それらを駆動するための総消費電力を抑えることができる。
【0042】
プロファイル設定部303は、超音波センサ11のプロファイルを調整する。プロファイルは、超音波センサ11の検出値から距離を特定するための閾値を示す情報である。プロファイルの調整方法については、後記「プロファイルの調整方法(超音波センサ)」で説明する。
【0043】
検知結果取得部304は、赤外線センサ10および超音波センサ11の検知結果を取得する。また、検知結果取得部304は、センサユニット1が備える他のセンサ、すなわち加速度センサ12、温度センサ13、および湿度センサ14の検知結果も取得する。具体的には、検知結果取得部304は、通信部32を介した通信により、センサユニット1で検知されるこれらの検知結果を中継器2経由で取得する。
【0044】
第1補正部305は、検知結果取得部304が取得する加速度センサ12の検知結果に基づいて赤外線センサ10の検知結果を補正する。赤外線センサ10の検知結果の補正方法については、後記「距離の補正方法(赤外線センサ)」で説明する。
【0045】
ところで、超音波の伝搬速度は温度の影響を受けて変化することが知られている。このため、超音波センサ11が検知する距離は温度の影響により変化する。そこで、第2補正部306は、検知結果取得部304が取得する温度センサ13の検知結果に基づいて超音波センサ11の検知結果を補正する。これにより、温度センサ13の検知した温度を用いて、超音波センサ11の検知した距離を補正できるから、超音波センサ11の検知結果からゴミの量を正確に特定することができる。
【0046】
また、超音波の伝搬速度は、湿度の影響を受けて変化することが知られている。このため、超音波センサ11が検知する距離は、湿度の影響によっても変化する。そこで、第2補正部306は、検知結果取得部304が取得する湿度センサ14の検知結果に基づいて超音波センサ11の検知結果を補正する。この場合、湿度センサ14の検知した湿度を用いて、超音波センサ11の検知した距離を補正できるから、超音波センサ11の検知結果からゴミの量を正確に特定することができる。
【0047】
さらに、第2補正部306は、温度センサ13と湿度センサ14の両方の検知結果に基づいて超音波センサ11の検知結果を補正してもよい。これにより、温度と湿度の両方の影響を加味した補正が行われるから、超音波センサ11の検知結果からゴミの量をさらに正確に特定することができる。
【0048】
ゴミ量特定部307は、赤外線センサ10および超音波センサ11の少なくとも何れかの検知結果に基づいてゴミ箱に収容されているゴミの量を特定する。より詳細には、ゴミ量特定部307は、ゴミ箱に収容されているゴミの量を示す指標値を算出する。この指標値はゴミ箱に収容されているゴミの量を示すものであればよい。
【0049】
例えば、ゴミ量特定部307は、100×(D-d)/Dの値を上記指標値として算出してもよい。なお、上記dは、ゴミが収容されているときに赤外線センサ10または超音波センサ11で検知された距離をdである。また、上記Dは、ゴミが収容されていないときに赤外線センサ10または超音波センサ11で検知された距離(つまりゴミ箱の底部からセンサユニット1の取付位置までの距離)である。
【0050】
ゴミ量通知部308は、ゴミ量特定部307の特定したゴミの量が、予め設定された上限値を超えたときに、監視システム9のユーザにその旨を通知する。例えば、ゴミ量通知部308は、通信部32を介して端末装置4および端末装置6の少なくとも一方に上記の通知を行ってもよい。また、ゴミ量通知部308は、ゴミ量特定部307がゴミの量を特定したときに、特定されたゴミの量を監視システム9のユーザに通知してもよい。
【0051】
以上のように、情報処理装置3は、ゴミ箱の内側上面に取り付けられ、ゴミ箱に収容されているゴミまでの距離を検知する赤外線センサ10の検知結果、および、上記内側上面に取り付けられ、ゴミ箱に収容されているゴミまでの距離を検知する超音波センサ11の検知結果を取得する検知結果取得部304と、赤外線センサ10および超音波センサ11の少なくとも何れかの検知結果に基づいてゴミ箱に収容されているゴミの量を特定するゴミ量特定部307と、を備える。よって、正しいゴミの量を安定して特定することが可能になる。
【0052】
〔管理情報の例〕
図4は、管理情報311の例を示す図である。図4に示す管理情報311は、監視システム9に含まれる各センサユニット1について、そのセンサユニット1と、そのセンサユニット1が取り付けられているゴミ箱に関する情報を含んでいる。
【0053】
具体的には、図4に示す管理情報311は、センサユニット1のID(識別情報)と、センサユニット1が取り付けられたゴミ箱T1の登録情報と、傾きと、赤外線センサ10、超音波センサ11、温度センサ13、および湿度センサ14の検知結果と、それらの検知結果から算出されたゴミの量(ゴミ量)とを含む。
【0054】
登録情報は、登録情報取得部301が取得する情報であり、上述のように監視システム9のユーザにより入力される。図5の登録情報には、ゴミ箱の高さと、収容するゴミの種類が含まれている。ゴミ箱の高さは、ゴミ箱の外側底部から外側頂部までの高さであってもよいし、ゴミ箱の内側底面から内側上面までの高さであってもよい。また、ゴミ箱の高さの代わりに、センサユニット1の取付位置の高さ(ゴミ箱の内側底面からセンサユニット1までの距離)を登録情報としてもよい。この他にも、例えば、センサユニット1の測定条件等を登録情報に含めてもよい。
【0055】
図4に示す管理情報311に含まれる「傾き」は、センサユニット1の水平面に対する傾斜角度を示すものであり、次項目「距離の補正方法(赤外線センサ)」で説明するように加速度センサ12の検知結果に基づいて特定される。また、「傾き」には、その傾きの特定に用いた加速度センサ12の検知結果が得られた日時を示すタイムスタンプ情報が対応付けられている。
【0056】
図4に示す管理情報311に含まれる各センサの検知結果には、その検知結果が得られた日時を示すタイムスタンプ情報が対応付けられている。例えば、図4において、センサユニットIDが「0001」のセンサユニット1については、赤外線センサの検知結果[Dir1]に対し、2021/12/20/10:00とのタイムスタンプ情報が対応付けられている。このように管理情報311には、各センサの検知結果が時系列データとして記録され、蓄積されていく。
【0057】
また、図4に示す管理情報311に含まれる「ゴミ量」は、上述のようにゴミ量特定部307により特定され、記録されるものである。なお、ゴミ量についてもタイムスタンプ情報を対応付けて記録してもよいし、ゴミ量については新たにゴミ量が特定されたときに先に記録されていたゴミ量を上書きし、最新のゴミ量のみを記録するようにしてもよい。
【0058】
〔距離の補正方法(赤外線センサ)〕
赤外線センサ10により検知される距離の補正方法について図5に基づいて説明する。図5は、赤外線センサ10により検知される距離の補正方法を説明する図である。図5の例では、センサユニット1は、取付装置7を介してゴミ箱T2の内側上面に取り付けられている。取付装置7は、赤外線センサ10からの赤外線の出射方向を調整できるように、センサユニット1の保持角度を調整可能な構成となっている。
【0059】
図5に示すように、赤外線センサ10が検知した、センサユニット1とゴミ箱T2の内側底面との距離Dは、実際の距離Hと異なる可能性がある。これは、取付装置7を介さずにセンサユニット1をゴミ箱T2の内部上面に取り付けた場合も同様である。
【0060】
そこで、第1補正部305は、センサユニット1に設けられた加速度センサ12が検知する、少なくとも3軸方向の加速度から、センサユニット1の水平面に対する傾きθを特定する。第1補正部305は、特定した傾きθを管理情報311に記録してもよい。そして、第1補正部305は、この傾きθに基づいて赤外線センサ10が検知する距離Dを補正する。具体的には、第1補正部305は、次式(1)により実際の距離Hを算出する。
【0061】
H=D×cosθ ・・・(1)
また、ゴミ箱T2にゴミが収容されている状態においても同様の補正が行われる。つまり、第1補正部305は、赤外線センサ10が検知するゴミまでの距離Dと、加速度センサ12の検知結果から特定した傾きθを、上記式(1)に代入して、当該距離Dをセンサユニット1からゴミ表面までの実際の距離Hに補正する。なお、傾きθは、距離を検知する毎にそのときの加速度センサ12の検知結果から特定してもよいし、最初に傾きθを特定した後は、その値を引き続き適用してもよい。
【0062】
以上のように、情報処理装置3は、加速度センサ12の検知結果が示すセンサユニット1の水平面に対する傾きθに応じて赤外線センサ10の検知した距離を補正する。この構成によれば、センサユニット1が水平面に対して傾いた状態で取り付けられた場合であっても、赤外線センサ10の検知結果からセンサユニット1の取付位置の高さやゴミの量を正確に特定することができる。
【0063】
〔プロファイルの調整方法(超音波センサ)〕
超音波センサ11のプロファイルの調整方法について図6に基づいて説明する。図6は、超音波センサ11のプロファイルの調整例を示す図である。図6に示すグラフA1は、初期設定時における超音波センサ11の検出値の遷移を示している。また、図6に示すグラフA2は初期設定のプロファイルを示し、グラフA3は調整後のプロファイルを示している。
【0064】
グラフA2は、超音波センサ11の検出値から距離を特定するための閾値を示している。つまり、グラフA1とグラフA2が最初に交わる点から、超音波センサ11からゴミ箱に収容されているゴミまでの距離が特定される。図6の例では、当該距離はd1である。グラフA1の値は一般に測定距離が長くなるにつれて減衰するから、グラフA2は、段階的に値が小さくなるように設定されている。
【0065】
ここで、図6に示すグラフA1は、距離d1付近にピークを有すると共に、距離d2付近にもピークを有している。このうち、距離d1付近のピークは、ゴミ箱の底部ではなく、ゴミ箱に装着されたゴミ袋などに反射した超音波が検知されたものである。プロファイル設定部303は、赤外線センサ10により検知された距離や、管理情報311に示されるゴミ箱の高さ等の情報から、距離d1が誤りであると判定することができる。
【0066】
距離d1が誤りであると判定した場合、プロファイル設定部303は、グラフA2を調整して検知結果が距離d1とならないようにする。図6の例では、プロファイル設定部303は、グラフA1の距離d1付近における閾値がピークを超える大きさとなるように調整したグラフA3を生成している。このグラフA3に示されるプロファイルを適用した場合、グラフA1とグラフA3が最初に交わる点から、超音波センサ11からゴミ箱に収容されているゴミまでの距離がd2と特定される。
【0067】
〔初期設定時の処理の流れ(赤外線センサ関連)〕
初期設定時に情報処理装置3が実行する処理のうち主として赤外線センサ10に関連する処理の流れを図7に基づいて説明する。図7は、初期設定時に行われる処理の例を示すフローチャートである。なお、初期設定はゴミ箱にゴミが収容されていない状態で行われる。初期設定は、例えば、センサユニット1をゴミ箱に取り付けたときに、その取り付けを行ったユーザが端末装置6を用いて開始する。
【0068】
S11では、登録情報取得部301が登録情報を取得し、取得した登録情報を管理情報311に記録する。登録情報は、センサユニット1をゴミ箱に取り付けたユーザにより端末装置6から入力されてもよい。また、登録情報は、例えば図4に示したようなゴミ箱の高さや収容するゴミの種類等を示すものであってもよい。
【0069】
S12では、切替制御部302は、ゴミ箱の底部が赤外線センサ10の測定範囲内であるか否かを判定する。具体的には、切替制御部302は、S11で取得された登録情報に示されるゴミ箱の高さが、赤外線センサ10が測定可能な最大距離よりも大きければ測定範囲外と判定し、最大距離以下であれば測定範囲内と判定する。なお、赤外線センサ10が測定可能な最大距離は予め情報処理装置3の記憶部31等に記録しておけばよい。S12で測定範囲内であると判定された場合(S12でYES)にはS13に進む。一方、測定範囲外であると判定された場合(S12でNO)にはS18に進む。
【0070】
S18では、切替制御部302は、赤外線センサ10をオフにする。具体的には、切替制御部302は、赤外線センサ10をオフにするようにセンサユニット1に指示する。そして、この指示を受信したセンサユニット1では、切替部153が赤外線センサ10をオフにする。切替部153が赤外線センサ10をオフにしている期間は、検知結果取得部151は、定期測定のタイミングになっても赤外線センサ10を起動させない。S18の処理の終了により、図7の処理は終了し、その後は、予め設定された周期で定期測定が行われる。
【0071】
S13では、検知結果取得部304が、センサユニット1に測定の実行を要求する。そして、S14では、検知結果取得部304は、センサユニット1が備える各種センサの検知結果を受信する。具体的には、検知結果取得部304は、赤外線センサ10および加速度センサ12の各検知結果を受信し、これらの検知結果を現在の日時を示すタイムスタンプ情報と共に管理情報311に記録する。
【0072】
S15では、第1補正部305が赤外線センサ10の検知した距離を補正すると共に、第2補正部306が超音波センサ11の検知した距離を補正する。具体的には、第1補正部305は、S14で受信した加速度センサ12の検知結果から赤外線センサ10の傾斜角度(センサユニット1の水平面に対する傾きθ)を特定し、特定した傾斜角度のコサインの値を赤外線センサ10の検知した距離に乗じることにより赤外線センサ10の検知した距離を補正する。
【0073】
S16では、切替制御部302が、S15の補正後の赤外線センサ10の検知結果が正常であるか否かを判定する。具体的には、切替制御部302は、S11で取得された登録情報に示されるゴミ箱の高さと、S15の補正後の赤外線センサ10の検知距離との差が予め定められた正常範囲内であるかを判定する。ここで正常ではないと判定された場合(S16でNO)にはS17に進み、正常であると判定された場合(S16でYES)にはS18に進む。
【0074】
S17では、切替制御部302は、赤外線センサ10の検知結果が正常ではないことを示す警告の通知を行う。通知先は、図1に示した端末装置4あるいは6のような、初期設定を行うユーザが使用する装置とすればよい。通知の内容は、赤外線センサ10の検知結果が正常ではないことを示すものであればよい。例えば、切替制御部302は、文字や音声により、赤外線センサ10の検知結果が正常ではないことを示すメッセージや、赤外線センサ10の取付状態の確認および調整を求めるメッセージを端末装置4あるいは6に出力させてもよい。これにより図7の処理は終了する。この場合、赤外線センサ10の取付状態の調整後に再度初期設定が行われる。
【0075】
このように、切替制御部302は、ゴミ箱にゴミが収容されていない初期状態において、ゴミ箱の内面底部が赤外線センサ10の測定範囲外となっている場合、赤外線センサ10をオフにしてもよい。これにより、初期状態においてゴミ箱の内面底部が測定範囲外となっているセンサをオンにするという無駄が発生しないようにすることができる。
【0076】
なお、S12において、超音波センサ11ではなく赤外線センサ10が測定範囲外であるか否かを判定しているのは、一般に、赤外線センサと超音波センサでは、赤外線センサの方が測定可能な最大距離が短いためである。赤外線センサ10と超音波センサ11以外のセンサの組み合わせを適用した場合には、2種類のセンサの何れか一方が測定範囲外となっている場合に、測定範囲外となっている方をオフにすればよい。
【0077】
〔初期設定時の処理の流れ(超音波センサ関連)〕
初期設定時に情報処理装置3が実行する処理のうち主として超音波センサ11に関連する処理の流れを図8に基づいて説明する。図8は、初期設定時に行われる処理の例を示すフローチャートである。図8の処理は、図7のS11の後の任意のタイミングで行えばよい。
【0078】
S31では、プロファイル設定部303が、超音波センサ11のプロファイルの初期設定を行う。具体的には、プロファイル設定部303は、適用すべきプロファイルをセンサユニット1に通知する。例えば、プロファイル設定部303は、図6のグラフA2に示されるプロファイルを初期設定のプロファイルとしてセンサユニット1に通知してもよい。
【0079】
この通知を受信したセンサユニット1では、検知結果取得部151が、当該プロファイルを用いて超音波センサ11による検知結果を取得するようになる。つまり、検知結果取得部151は、超音波センサ11の検出値がプロファイルに示される検知閾値以上となったときの距離を、超音波センサ11の検知結果として取得するようになる。
【0080】
なお、検知結果取得部151は、検知閾値以上となったときの距離を取得する代わりに、超音波センサ11の一連の検出値(例えば、図6のグラフA1に示されるような一連の検出値)を取得してもよい。そして、送信制御部152は、それら一連の検出値を情報処理装置3に送信してもよい。この場合、プロファイルに基づく距離の検知は情報処理装置3側で行われる。これは、定期測定時においても同様である。
【0081】
S32では、検知結果取得部304が、センサユニット1に対して距離の測定要求を行う。この測定要求を受信したセンサユニット1では、検知結果取得部151が、赤外線センサ10、超音波センサ11、加速度センサ12、温度センサ13、および湿度センサ14に測定を実行させ、その結果を取得する。そして、送信制御部152が、それらの検知結果を情報処理装置3に送信する。
【0082】
S33では、検知結果取得部304は、センサユニット1から距離の検知結果を受信する。上述のように、この検知結果には、赤外線センサ10および超音波センサ11による距離の検知結果に加えて、加速度センサ12、温度センサ13、および湿度センサ14の検知結果も含まれている。
【0083】
S34では、第1補正部305が赤外線センサ10の検知した距離を補正し、第2補正部306が超音波センサ11の検知した距離を補正する。上述のように、赤外線センサ10の検知した距離の補正には、加速度センサ12の検知結果から特定した傾斜角度θを用いる。また、超音波センサ11の検知した距離の補正には、温度センサ13が検知した温度と湿度センサ14が検知した湿度を用いる。
【0084】
なお、図7のS12~S14の処理の代わりに、図8のS31~S34の処理を実行してもよい。この場合、超音波センサ11に関するS35~S41の処理を、赤外線センサ10に関するS15~S18の処理と並行で行うことも可能である。
【0085】
S35では、プロファイル設定部303が、赤外線センサ10の検知した距離(S34における補正後のもの)と、超音波センサ11の検知した距離(同じくS34における補正後のもの)との誤差が許容範囲内であるか否かを判定する。具体的には、プロファイル設定部303は、誤差の上限を示す所定の閾値と、各センサの検知した距離の差とを比較することによりS35の判定を行う。なお、プロファイル設定部303は、各センサの検知した距離の差の代わりに、超音波センサ11の検知した距離と、登録情報に示される、センサユニット1の取付位置の高さ(ゴミ箱の内部底面から超音波センサ11までの距離に相当)との差を算出してもよい。S35でNOと判定された場合にはS36の処理に進み、S35でYESと判定された場合にはS39の処理に進む。
【0086】
S36では、プロファイル設定部303は、プロファイルの設定を終了するか否かを判定する。プロファイルの設定の終了条件は予め定めておけばよい。例えば、プロファイルの変更回数が所定の上限値に達したときにプロファイルの設定を終了するようにしてもよいし、誤差が大きすぎる場合にプロファイルの設定を終了するようにしてもよい。S36でYESと判定された場合にはS38の処理に進み、S36でNOと判定された場合にはS37の処理に進む。
【0087】
S37では、プロファイル設定部303は、プロファイルの調整を行う。具体的には、プロファイル設定部303は、S31と同様に、調整後のプロファイルをセンサユニット1に通知し、これによりセンサユニット1において調整後のプロファイルが適用される。プロファイルの調整方法は特に限定されない。例えば、予め複数のプロファイルを用意しておいてもよい。この場合、プロファイル設定部303は、それらを順次適用する形でプロファイルを調整することができる。また、プロファイル設定部303は、図6に基づいて説明したように、誤検知が発生した距離およびその周辺の距離についての閾値を大きくする形でプロファイルを調整してもよい。この後、処理はS32に戻る。
【0088】
このように、情報処理装置3は、ゴミ箱にゴミが収容されていない初期状態において、赤外線センサ10の検知する距離と、超音波センサ11が検知する距離との誤差が許容範囲内となるように超音波センサ11の検知閾値すなわちプロファイルを調整する処理を行ってもよい。一般に、超音波センサ11が放射する超音波は比較的広い範囲に拡がるため、検知閾値を調整して、ゴミ箱の内側面などで反射した反射波を、ゴミ箱の底部やゴミ表面で反射した反射波と誤検知しないようにするという作業が必要になる。上記の構成によれば、このような作業を自動化することができる。
【0089】
S38では、切替制御部302が、超音波センサ11をオフにする。具体的には、切替制御部302は、超音波センサ11をオフにするようにセンサユニット1に指示し、これにより、センサユニット1では切替部153が超音波センサ11をオフにする。この後、処理はS41に進む。
【0090】
このように、切替制御部302および切替部153(切替装置として機能する情報処理装置3およびセンサユニット1)は、超音波センサ11の検知閾値が調整されても誤差が許容範囲内とならない場合には、超音波センサ11をオフにしてもよい。これにより、検知閾値の調整ではカバーできないような信頼性の低い超音波センサ11の検知結果に基づいて、誤ったゴミの量を特定してしまうことを防ぐことができる。
【0091】
一方、S35でYESと判定された場合、すなわち赤外線センサ10の検知した距離と、超音波センサ11の検知した距離との誤差が許容範囲内となった場合には、S39の処理が行われる。S39では、切替制御部302が、超音波センサ11のプロファイルの調整が行われたか否か、より詳細には図6の例のように、誤検知が発生した距離およびその周辺の距離についての閾値を大きくする調整が行われたか否かを判定する。
【0092】
S39でNOと判定された場合にはS40の処理に進む。ここで、初期状態からしばらくの間は、ゴミ箱はゴミの収容余力が相対的に大きいため、2つのセンサによりゴミの量を正確に検知することの必要性は相対的に低い。特に、2つのセンサの検知結果が何れも正しいと考えられる場合には2つのセンサの両方をオンにする必要性は低い。このため、S40では、切替制御部302は、超音波センサ11よりも消費電力の大きい赤外線センサ10の方をオフにする。これにより、2つのセンサの両方をオンにする必要性が低い状況において、より消費電力の大きい赤外線センサ10をオンにしておくという無駄が発生しないようにすることができる。なお、S40における処理の具体的内容は図7のS18と同様である。この後、処理はS41に進む。
【0093】
一方、S39でYESと判定された場合には、S40の処理は行わずにS41の処理に進む。つまり、この場合、赤外線センサ10と超音波センサ11の何れもオフにすることなく初期設定が終了することになる。この場合、少なくとも次回の定期測定時には、赤外線センサ10と超音波センサ11の両方がオンになる。
【0094】
このように、切替制御部302および切替部153(切替装置として機能する情報処理装置3およびセンサユニット1)は、超音波センサ11の検知閾値が調整された場合には、赤外線センサ10および超音波センサ11の両方をオンにしてもよい。これは、検知閾値を調整して誤差を許容範囲内とした場合、その調整により超音波センサ11では距離が検出されなくなる区間が生じ得るためである。つまり、赤外線センサ10および超音波センサ11の両方をオンにすることにより、検知閾値を調整したことにより超音波センサ11では距離が検出されなくなる区間は赤外線センサ10でカバーし、何れのセンサでも距離が検出できない区間が生じることを防ぐことができる。なお、検知閾値が調整された場合、必ずしも全ての距離の区間で両方のセンサをオンにしておく必要はなく、少なくとも当該調整が行われた距離の区間において両方のセンサをオンにしておけばよい。
【0095】
S41では、プロファイル設定部303は、プロファイルの設定が終了したことを監視システム9のユーザに通知し、これにより図8の処理は終了する。通知先は、図1に示した端末装置4あるいは6のような、初期設定を行うユーザが使用する装置とすればよい。
【0096】
なお、プロファイルの設定について、検知結果取得部304は、予め用意された複数種類のプロファイルをそれぞれ適用した測定をセンサユニット1に実行させてもよい。この場合、プロファイル設定部303は、各プロファイルを適用したときの距離の誤差を算出し、誤差が最も小さかったプロファイルを適用してもよい。また、この場合、何れのプロファイルを適用したときの誤差も許容範囲とならなければ、切替制御部302は超音波センサ11をオフにしてもよい。一方、何れかのプロファイルを適用したときの誤差が許容範囲となった場合には、切替制御部302は赤外線センサ10をオフにしてもよい。
【0097】
〔定期測定時の処理の流れ(センサユニット側)〕
定期測定時にセンサユニット1が実行する処理の流れを図9に基づいて説明する。図9は、定期測定時にセンサユニット1が実行する処理の例を示すフローチャートである。
【0098】
S51では、検知結果取得部151が、加速度センサ12の検知結果を取得し、続くS52では、送信制御部152が、S51の検知結果に基づき、距離の検知結果を情報処理装置3に送信するか否かを判定する。
【0099】
具体的には、送信制御部152は、加速度センサ12の検知結果が、ゴミ箱が動いていることを示している場合には、距離の検知結果を送信しないと判定する。一方、送信制御部152は、加速度センサ12の検知結果が、ゴミ箱が動いていないと判定した場合には距離の検知結果を送信すると判定する。ゴミ箱が動いているか否かは、例えば加速度センサ12の検知結果が所定の閾値を超えているか否かにより判定可能である。S52でNOと判定された場合にはS53の処理に進み、S52でYESと判定された場合にはS54の処理に進む。
【0100】
S53では、検知結果取得部151は所定時間待機する。この後、処理はS51に戻り、検知結果取得部151は再度加速度センサの検知結果を取得する。所定時間は予め定めておけばよい。例えば、定期測定の時間間隔の10%の時間を所定時間としてもよい。
【0101】
S54では、送信制御部152は、距離の検知結果を送信する。具体的には、検知結果取得部151が、赤外線センサ10および超音波センサ11のうち切替部153がオンに設定している方を起動させて、当該センサの検知結果を取得し、送信制御部152は、その検知結果を情報処理装置3に送信する。また、送信制御部152は、赤外線センサ10の検知結果を送信する場合には、その補正に用いる加速度センサ12の検知結果についても送信してもよい。また、検知結果取得部151は、超音波センサ11を起動させる場合には、温度センサ13および湿度センサ14も起動させてそれらの検知結果を取得し、送信制御部152は、それらの検知結果についても情報処理装置3に送信する。
【0102】
以上のように、送信制御部152(送信制御装置として機能するセンサユニット1)は、加速度センサ12の検知結果がゴミ箱が動いていないことを示すとき、赤外線センサ10および超音波センサ11の検知結果を情報処理装置3に送信する。また、送信制御部152(送信制御装置として機能するセンサユニット1)は、加速度センサ12の検知結果がゴミ箱が動いていることを示すとき、赤外線センサ10および超音波センサ11の検知結果を情報処理装置3に送信しない。この構成によれば、ゴミ箱が動いているときに検知された信頼性の低い検知結果を情報処理装置3に送信しないので、そのような信頼性の低い検知結果に基づいて、誤ったゴミの量を特定してしまうことを防ぐことができる。
【0103】
S55では、切替部153は、赤外線センサ10がオフであるか否かを確認する。赤外線センサ10がオフである場合(S55でYES)にはS56に進む。一方、赤外線センサ10がオンである場合(S55でNO)には図9の処理は終了する。
【0104】
S56では、切替部153は、超音波センサ11が検知した距離が所定距離以下であるか否かを判定する。ここで超音波センサ11が検知した距離が所定距離以下であると判定された場合(S56でYES)にはS57に進む。一方、超音波センサ11が検知した距離が所定距離より大きいと判定された場合(S56でNO)には図9の処理は終了する。
【0105】
S57では、切替部153は、赤外線センサ10をオンにして、図9の処理を終了する。このように、切替部153(切替装置として機能するセンサユニット1)は、ゴミ箱内に収容されているゴミの量が増え、超音波センサ11により検知された距離が所定距離以下となった段階で、オフにしていた赤外線センサ10をオンにしてもよい。なお、所定距離は予め定めておけばよい。例えば、ゴミ箱に収容されたゴミの量が、当該ゴミ箱の最大収容量の50%に達したときに赤外線センサ10をオンにする場合、超音波センサ11からゴミ箱の内側底面までの距離の1/2を所定距離としてもよい。
【0106】
この構成によれば、蓄積されたゴミの量がある程度増えた段階から正しいゴミの量を安定して特定することが可能な状態に自動的に切り替えることができる。また、超音波センサ11により検知された距離が所定距離より大きい場合には赤外線センサ10のオフを維持することにより、総消費電力の抑制を維持することができる。なお、切替部153は、超音波センサ11の方をオフにしていた場合に、赤外線センサ10により検知された距離が所定距離以下となった段階で、オフにしていた超音波センサ11をオンにしてもよい。
【0107】
〔定期測定時の処理の流れ(情報処理装置側)〕
定期測定時に情報処理装置3が実行する処理の流れを図10に基づいて説明する。図10は、定期測定時に情報処理装置3が実行する処理の例を示すフローチャートである。なお、図10には、赤外線センサ10および超音波センサ11の両方がオンに設定されている場合の処理の流れを示している。赤外線センサ10および超音波センサ11の何れかがオフに設定されているときには、オフにされているセンサの検知結果は受信されない。よって、この場合、ゴミ量特定部307は、赤外線センサ10および超音波センサ11のうちオンにされている方の検知結果を用いてゴミの量を特定する。
【0108】
S71では、検知結果取得部304は、センサユニット1から距離の検知結果を受信する。この検知結果には、赤外線センサ10および超音波センサ11による距離の検知結果に加えて、加速度センサ12、温度センサ13、および湿度センサ14の検知結果も含まれている。
【0109】
S72では、S71で受信した検知結果に示される距離の補正が行われる。具体的には、第1補正部305が、赤外線センサ10によって検知された距離を補正する。また、第2補正部306が、超音波センサ11によって検知された距離を補正する。上述のように、赤外線センサ10の検知した距離の補正には、加速度センサ12の検知結果から特定した傾斜角度θが用いられる。また、超音波センサ11の検知した距離の補正には、温度センサ13が検知した温度と湿度センサ14が検知した湿度が用いられる。
【0110】
S73では、ゴミ量特定部307は、赤外線センサ10によって検知された距離(S72で補正後のもの)と、超音波センサ11によって検知された距離(S72で補正後のもの)との差が閾値以下であるか否かを判定する。上記閾値は誤差の上限を示す。上記差が閾値以下であると判定された場合(S73でYES)にはS74の処理に進み、上記差が閾値よりも大きいと判定された場合(S73でNO)にはS75の処理に進む。
【0111】
S74では、ゴミ量特定部307は、赤外線センサ10および超音波センサ11の何れかによって検知された距離(S72で補正後のもの)からゴミの量を特定して、図10の処理を終了する。何れのセンサの検知距離を用いるかは予め定めておけばよい。補正後の距離の差が閾値以下であるから、何れのセンサの検知距離を用いても特定されるゴミの量に大きな差は生じない。
【0112】
S75では、ゴミ量特定部307は、記憶部31の管理情報311を参照して、所定期間の距離の検知結果が蓄積されているかを判定する。ここで所定期間の距離の検知結果が蓄積されていると判定された場合(S75でYES)にはS76の処理に進み、所定期間の検知結果が蓄積されていないと判定された場合(S75でNO)にはS81の処理に進む。なお、所定期間は予め定めておけばよい。例えば、ゴミ量特定部307は、実行した定期測定の回数が所定回数に達していれば所定期間の検知結果が蓄積されていると判定してもよい。
【0113】
S81では、ゴミ量特定部307は、各センサで検知した距離(S72で補正後のもの)のうち、小さい方の距離からゴミの量を特定して、図10の処理を終了する。このように、ゴミ量特定部307は、赤外線センサ10および超音波センサ11の所定期間における検知結果が蓄積されるまで、つまりS75でNOと判定されている期間は、赤外線センサ10および超音波センサ11が検知した距離(S72で補正後のもの)のうちの小さい方の距離からゴミ箱に収容されているゴミの量を特定してもよい。
【0114】
ここで、ゴミ箱に収容されているゴミの種類によっては、センサによって検知される当該ゴミまでの距離が実際よりも大きめの値になることがある。例えば、光を透過する透明なゴミは赤外線センサ10で検知しにくいため、透明なゴミが投入されたときには、赤外線センサ10の検知距離は実際より大きめの値となることがある。同様に、超音波を吸収する素材でできたゴミは超音波センサ11で検知しにくいため、超音波を吸収する素材のゴミが投入されたときには、超音波センサ11の検知距離は実際より大きめの値となることがある。この点、上記の構成によれば、赤外線センサ10および超音波センサ11の検知結果が所定期間分蓄積されるまでは、赤外線センサ10および超音波センサ11が検知した距離のうちの小さい方の距離からゴミ箱に収容されているゴミの量を特定するから、センサによって検知されるゴミまでの距離が実際よりも大きめの値になったとしても、正しいゴミの量を特定することができる。
【0115】
S76では、ゴミ量特定部307は、上記所定期間に各センサで検知された距離の変化量を算出する。具体的には、ゴミ量特定部307は、管理情報311に記録されている赤外線センサ10の検知距離の変化量を算出すると共に、同じく管理情報311に記録されている超音波センサ11の検知距離の変化量を算出する。変化量の算出に用いる距離は第1補正部305と第2補正部306により補正された距離であってもよい。
【0116】
S77では、ゴミ量特定部307は、S76で算出した変化量の何れかが過大であるか否かを判定する。具体的には、ゴミ量特定部307は、算出した変化量の何れかが所定閾値以上である場合に過大である(S77でYES)と判定し、算出した変化量の何れもが所定閾値未満である場合に過大ではない(S77でNO)と判定する。S77でYESと判定された場合にはS78に進み、NOと判定された場合にはS79に進む。なお、S76で算出した変化量の両方が過大であった場合、ゴミ量特定部307は、測定エラーとしてゴミ量を特定することなく図10の処理を終了してもよいし、S74の処理によりゴミの量を特定してもよい。
【0117】
S78では、ゴミ量特定部307は、変化量が過大ではなかった方のセンサで検知された距離(S72で補正後のもの)からゴミの量を特定して、図10の処理を終了する。このように、ゴミ量特定部307は、赤外線センサ10が所定期間に検知した距離の変化量と、超音波センサ11が上記所定期間に検知した距離の変化量との何れかが過大(所定閾値以上)である場合に、距離の変化量が過大ではない(所定閾値未満である)センサで検知された距離からゴミ箱に収容されているゴミの量を特定してもよい。
【0118】
ここで、ゴミの投入時等にゴミ箱の縁やその近辺でゴミ袋が内側にせり出すことがあり、このようなゴミ袋の突出部がセンサにより検知されると、実際のゴミ表面までの距離よりも短い測定値が得られる。この点、上記の構成によれば、ゴミ袋のせり出し等の要因で一方のセンサの検知結果がゴミの量を正しく表さない値となった場合でも、正しいゴミの量を特定することができる。
【0119】
S79では、ゴミ量特定部307は、S76で算出した変化量の差が閾値以下であるか否かを判定する。上記差が閾値よりも大きいと判定された場合(S79でNO)にはS80の処理に進み、上記差が閾値以下であると判定された場合(S79でYES)にはS81の処理に進む。上述のように、S81では、赤外線センサ10および超音波センサ11が検知した距離(S72で補正後のもの)のうちの小さい方の距離からゴミ箱に収容されているゴミの量を特定する。
【0120】
このように、ゴミ量特定部307は、赤外線センサ10が所定期間に検知した距離の変化量と、超音波センサ11が上記所定期間に検知した距離の変化量との差が所定閾値以下である場合(S79でYES)に、赤外線センサ10および超音波センサ11が検知した距離のうちの小さい方の距離からゴミ箱に収容されているゴミの量を特定してもよい。
【0121】
ここで、同じ期間に検知方式が異なる2種類のセンサがそれぞれ検知した距離の変化量の差が所定閾値以下である場合には、何れのセンサもある程度正確な距離を検知できていると考えられる。一方、上述のように、センサの検知方式によって、センサにより検知されるゴミまでの距離が実際よりも大きめの値になることがある。この点、上記の構成によれば、赤外線センサ10および超音波センサ11の何れかが検知した距離が実際よりも大きめの値となった場合でも、正しいゴミの量を特定することができる。
【0122】
S80では、ゴミ量特定部307は、変化量が大きい方のセンサで検知された距離(S72で補正後のもの)からゴミの量を特定して、図10の処理を終了する。このように、ゴミ量特定部307は、赤外線センサ10が検知した距離(S72で補正後のもの)と、超音波センサ11が検知した距離(S72で補正後のもの)のうち、所定期間に検知された距離の変化量がより大きい方のセンサで検知された距離からゴミ箱に収容されているゴミの量を特定してもよい。
【0123】
ここで、ゴミ箱に収容されるゴミの量は、通常は経時的に増加するから、同じ所定期間に赤外線センサ10および超音波センサ11が検知した距離の変化量が相違する場合、変化量が小さいセンサの検知結果が誤りである可能性が高い。この点、上記の構成によれば、所定期間に検知された距離の変化量がより大きい方のセンサで検知された距離からゴミ箱に収容されているゴミの量を特定するから、一方のセンサの検知結果が誤りである場合でも、正しいゴミの量を特定することが可能になる。
【0124】
〔まとめ〕
図7および図8に基づいて説明したように、初期設定時には下記のような処理を行ってもよい。なお、下記の(2)(3)は定期測定時にも行ってもよい。
(1)入力された登録情報から、ゴミ箱の底部が赤外線センサ10の検知範囲外であると判定される場合に赤外線センサ10をオフにする(図7のS12でNOの場合にS18の処理を実行する)。
(2)加速度センサ12の検知結果から特定される、センサユニット1の水平面に対する傾きに応じて赤外線センサ10の検知距離を補正する(図7のS15)。また、この補正と同様の処理により、センサユニット1の水平面に対する傾きに応じて超音波センサ11の検知距離を補正することもできる。
(3)温度センサ13および湿度センサ14の検知結果に基づいて超音波センサ11の検知距離を補正する(図8のS34)。
(4)超音波センサ11の最適なプロファイル(誤差を許容範囲内に収めることができるプロファイル)を設定することができない場合に超音波センサ11をオフにする(図8のS35でNOかつS36でYESのときにS38の処理を実行する)。
(5)赤外線センサ10と超音波センサ11の検知距離(補正後のもの)を比較し、それらの誤差から使用するプロファイルを決定する(図8のS35でYESと判定されたときのプロファイルを適用する)。
(6)超音波センサ11のプロファイルの調整を行った場合には赤外線センサ10をオフにしない(図8のS39でYESの場合にはS40の処理を実行しない)。
(7)赤外線センサ10と超音波センサ11の検知距離(補正後のもの)の誤差が許容範囲内であれば、ゴミの堆積量が一定以上となるまで赤外線センサ10をオフにする。言い換えれば、赤外線センサ10と超音波センサ11の検知距離の誤差が許容範囲内であれば赤外線センサ10をオフにし、ゴミの堆積量が一定以上となったときに赤外線センサ10をオンにする(図8のS35でYESの場合にS40の処理を実行する。また、図9のS56でYESと判定されたときにS57の処理を実行する)。
【0125】
また、図9および図10に基づいて説明したように、定期測定時には下記のような処理を行ってもよい。
(8)加速度センサ12の値を確認し、赤外線センサ10および超音波センサ11が揺れていないと判断できるときに測定を行う(図9のS52でYESのときにS54の処理を行う)。
(9)赤外線センサ10と超音波センサ11の検知距離(補正後のもの)に閾値以上の差がある場合、所定期間に検知された距離の変化量が大きい方のセンサで検知された距離を採用する(図10のS73でYESの場合にS80の処理を実行する)。ただし、所定期間の検知結果が蓄積されていなければ、赤外線センサ10と超音波センサ11の検知距離のうちより小さい方の距離を採用する(S75でNOの場合にはS81の処理を実行する)。
(10)赤外線センサ10と超音波センサ11の検知距離(補正後のもの)に閾値以上の差があり、所定期間に検知された距離の変化量の差が閾値以下である場合、赤外線センサ10と超音波センサ11の検知距離のうちより小さい方の距離を採用する(S75でNO、かつS75でYES、かつS79でYESの場合にS81の処理を実行する)。ただし、所定期間に検知された距離の変化量の何れかが過大であれば(S77でYESの場合)、変化量が過大ではなかった方の距離を採用する(S78)。
【0126】
〔ゴミ種を考慮した処理の例〕
図4に示した管理情報311のように、登録情報にゴミ種が含まれている場合には、ゴミ種を考慮した処理を行ってもよい。これについて図11に基づいて説明する。図11は、登録情報にゴミ種が含まれている場合に情報処理装置3が実行する処理の例を示すフローチャートである。なお、図11の処理は、定期測定時に行ってもよく、この場合、例えば図10のS75でYESと判定された後に行ってもよい。
【0127】
S91では、切替制御部302は、記憶部31の管理情報311を参照して、対象のゴミ箱のゴミ種が所定のゴミ種であるか否かを判定する。所定のゴミ種である場合(S91でYES)、S92に進む。一方、所定のゴミ種ではない場合(S91でNO)、図11に示す処理を終了する。
【0128】
ここで、所定のゴミ種とは、赤外線センサ10および超音波センサ11の何れか一方の検知精度が他種のゴミと比べて低い所定の種類のゴミである。例えば、光を透過する透明なゴミは赤外線センサ10で検知しにくいため、透明なものが多いプラスチックゴミを所定のゴミ種に設定してもよい。また、超音波を吸収する素材のゴミは超音波センサ11で検知しにくいため、そのような素材を含むゴミ種を所定のゴミ種に設定してもよい。
【0129】
S92では、切替制御部302は、所定期間に各センサ(赤外線センサ10および超音波センサ11)で検知された距離の変化量を算出する。この距離は、第1補正部305および第2補正部306が補正した距離であってもよい。なお、定期測定時に図11の処理を行う場合、図10のS76で算出された変化量を利用してもよく、この場合、S92の処理は省略される。
【0130】
S93では、切替制御部302は、S92で算出した変化量が小さい方のセンサをオフにして、図11の処理を終了する。具体的には、切替制御部302は、赤外線センサ10および超音波センサ11のうち、算出した変化量が小さい方のセンサをオフにするようにセンサユニット1に指示する。そして、この指示を受信したセンサユニット1では、指示対象のセンサをオフにする。
【0131】
このように、初期設定時以外にも情報処理装置3側から赤外線センサ10および超音波センサ11のオンとオフの制御を行なえるようにしてもよい。ただし、この場合、センサユニット1の通信部16を起動させておく必要がある。
【0132】
そこで、センサユニット1の消費電力を低減するという観点から、図11の処理は、センサユニット1が行うようにしてもよい。この場合、センサユニット1は、ゴミ種を示す登録情報と、定期測定した各センサの検知結果を記憶部17に記録しておけばよい。これにより、切替部153は、上記のS91~S93の処理を実行することができる。
【0133】
以上のように、切替制御部302(切替装置として機能する情報処理装置3)と、切替部153(切替装置として機能するセンサユニット1)は、ゴミ箱に収容されるゴミが、赤外線センサ10および超音波センサ11の何れか一方の検知精度が他種のゴミと比べて低い所定の種類のゴミである場合に、赤外線センサ10が検知した距離と、超音波センサ11が検知した距離のうち、所定期間に検知された距離の変化量が小さい方のセンサをオフにしてもよい。
【0134】
ここで、一方のセンサの検知精度が低い所定の種類のゴミを収容するゴミ箱であれば、そのゴミ種の検知精度が低いセンサの検知する距離の変化量が、他方のセンサの検知する距離の変化量よりも小さくなる可能性が高い。この点、上記の構成によれば、ゴミ箱に収容されるゴミが、上記所定の種類のゴミである場合に、所定期間に検知された距離の変化量が小さい方のセンサをオフにするから、ゴミ種の影響で一方のセンサの検知結果の信頼性が低くなっている場合に、そのセンサを自動的にオフにすることができる。
【0135】
〔変形例〕
ゴミ量特定部307は、赤外線センサ10および超音波センサ11の両方の検知結果を用いてゴミ量を特定してもよい。例えば、ゴミ量特定部307は、赤外線センサ10が検知した距離と、超音波センサ11が検知した距離の平均値を、それらのセンサからゴミまでの距離としてゴミ量を特定してもよい。これは、例えば蓋が透明で本体が不透明なプラスチック容器等を収容するゴミ箱のゴミ量の特定に有効である。
【0136】
上述の実施形態で説明した各処理の実行主体は任意であり、上述の例に限られない。つまり、相互に通信可能な複数の装置により、情報処理装置3を含む監視システム9と同様の機能を有する監視システムを構築することができる。例えば、図3に示す各ブロックを複数の装置に分散して設けることにより、監視システム9と同様の機能を有する監視システムを構築することができる。
【0137】
〔ソフトウェアによる実現例〕
センサユニット1および情報処理装置3(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に制御部15および制御部30に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0138】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0139】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0140】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0141】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0142】
1 センサユニット(切替装置、送信制御装置)
10 赤外線センサ(光センサ)
11 超音波センサ
12 加速度センサ
13 温度センサ
14 湿度センサ
3 情報処理装置(切替装置)
304 検知結果取得部
307 ゴミ量特定部
9 監視システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11