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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023001073
(43)【公開日】2023-01-04
(54)【発明の名称】基板処理装置及び基板処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20221222BHJP
   H05H 1/46 20060101ALN20221222BHJP
【FI】
H01L21/302 101D
H05H1/46 B
H05H1/46 L
H05H1/46 M
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096377
(22)【出願日】2022-06-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0078399
(32)【優先日】2021-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】518162784
【氏名又は名称】セメス カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,ユン ソク
(72)【発明者】
【氏名】チョ,スン-チョン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ユン サン
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
【Fターム(参考)】
2G084BB11
2G084CC12
2G084CC13
2G084CC14
2G084CC33
2G084DD02
2G084DD03
2G084DD04
2G084DD14
2G084DD19
2G084DD37
2G084DD38
2G084DD44
2G084DD63
2G084FF02
2G084FF31
2G084FF32
2G084FF35
5F004AA16
5F004BB02
5F004BB14
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB23
5F004BB25
5F004BB26
5F004BB29
5F004BC06
5F004BC08
5F004FA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】基板を効率的に処理することができる基板処理装置及び基板処理方法を提供する。
【解決手段】基板処理装置は、基板Wを処理する内部空間が形成される工程チャンバー100と、内部空間をプラズマ発生空間520と処理空間102に分割するイオンブロッカー530と、処理空間で基板を支持する基板支持ユニット200と、処理空間を排気する排気ユニットと、イオンブロッカーより上部に位置され、イオンブロッカーを透過して基板にアニールのためのエネルギーを伝達するアニールソースと、プラズマ発生空間に工程ガスを供給する、ガス供給管310及びバルブ部材311を含むガス供給ユニットと、を含む。イオンブロッカーは、円板形状のマイクロ波が透過可能である素材からなり、複数の貫通ホールが形成された本体と、本体の上面又は下面の中でいずれか1つ以上に第1厚さ以下に提供される透明伝導膜と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する装置において、
基板を処理する内部空間が形成される工程チャンバーと、
前記内部空間をプラズマ発生空間と処理空間に分割するイオンブロッカーと、
前記処理空間で基板を支持する基板支持ユニットと、
前記処理空間を排気する排気ユニットと、
前記イオンブロッカーより上部に位置され、前記イオンブロッカーを透過して前記基板にアニールのためのエネルギーを伝達するアニールソースと、
前記プラズマ発生空間に工程ガスを供給するガス供給ユニットと、を含み、
前記イオンブロッカーは、
円板形状のマイクロ波が透過可能である素材で提供され、複数の貫通ホールが形成された本体と、
前記本体の上面又は下面の中でいずれか1つ以上に第1厚さ以下に提供される透明伝導膜と、を含む基板処理装置。
【請求項2】
前記透明伝導膜は、
ITO(indium tin oxide)、AZO、FTO、ATO、SnO、ZnO、IrO、RuO、グラフェン、metal nanowire、及びCNTの中でいずれか1つであるか、或いはそれ以上の混合物質、又は多重重畳によって成される請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記イオンブロッカーは、接地される請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記本体は、クォーツ素材で提供される請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記アニールソースは、
前記プラズマ発生空間の一側に配置されるアンテナ、前記アンテナと前記プラズマ発生空間との間に位置する透過板を有するアンテナユニットと、
前記アンテナユニットに設定されたマイクロ波を印加するマイクロ波印加ユニットと、で成される請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記アニールソースは、
ランプ又はレーザーを伝達するための光学系である請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記プラズマ発生空間に印加された工程ガスをプラズマに励起させるエネルギーを前記プラズマ発生空間に印加するプラズマソースと、
制御器と、をさらに含み、
前記制御器は、
前記基板が前記処理空間が搬入され、前記処理空間が第1雰囲気に転換されれば、前記ガス供給ユニット及び前記プラズマソースを制御して、前記プラズマ発生空間で前記工程ガスをプラズマに励起させて第1工程を遂行する請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項8】
制御器をさらに含み、
前記制御器は、
前記基板が前記基板支持ユニットに続いて維持される状態で、前記ガス供給ユニットによる工程ガス供給を遮断し、前記アニールソースを制御して前記基板に前記アニールのためのエネルギーを印加する請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記アニールのためのエネルギーは、第1マイクロ波である請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記透明伝導膜がITO(indium tin oxide)素材で提供される場合、前記第1厚さは1μmである請求項9に記載の基板処理装置。
【請求項11】
基板を処理する方法において、
工程ガスをプラズマに励起し、前記プラズマの中でイオンをブロッキングするイオンブロッカーを通過したラジカルで基板を処理する第1工程と、
前記イオンブロッカーを透過した第1エネルギーを前記基板に印加する第2工程と、を含み、
前記イオンブロッカーは、光透過、熱透過、及びマイクロ波透過が可能である素材で提供する基板処理方法。
【請求項12】
前記第1工程と前記第2工程は、1つのチャンバーで行われる請求項11に記載の基板処理方法。
【請求項13】
前記イオンブロッカーは、接地される請求項11に記載の基板処理方法。
【請求項14】
円板形状の光透過、熱透過、及びマイクロ波透過可能である素材で提供される本体と、
前記本体の上面又は下面の中でいずれか1つ以上に第1厚さ以下にコーティングされる透明伝導膜を含む請求項11に記載の基板処理方法。
【請求項15】
前記透明伝導膜は、
ITO(indium tin oxide)、AZO、FTO、ATO、SnO、ZnO、IrO、RuO、グラフェン、metal nanowire、及びCNTの中でいずれか1つであるか、或いはそれ以上の混合物質、又は多重重畳によって成される請求項14に記載の基板処理方法。
【請求項16】
前記透明伝導膜がITO(indium tin oxide)素材で提供される場合、前記第1厚さは1μmである請求項14に記載の基板処理方法。
【請求項17】
前記第1エネルギーの印加は、前記工程ガスの供給が遮断された状態で行われる請求項11に記載の基板処理方法。
【請求項18】
前記第1エネルギーは、前記基板をアニールする請求項11に記載の基板処理方法。
【請求項19】
前記本体は、クォーツ素材で提供される請求項14に記載の基板処理方法。
【請求項20】
基板を処理する装置において、
基板を処理する内部空間が形成される工程チャンバーと、
円板形状に複数の貫通ホールが形成され、接地され、前記内部空間をプラズマ発生空間と処理空間に分割するイオンブロッカーと、
前記処理空間で基板を支持する基板支持ユニットと、
前記処理空間を排気する排気ユニットと、
前記イオンブロッカーより上部に配置されるアンテナ板、前記アンテナ板の下部に位置する透過板を有するアンテナユニットと、
前記アンテナユニットに設定されたマイクロ波を印加するマイクロ波印加ユニットと、
前記プラズマ発生空間に工程ガスを供給するガス供給ユニットと、を含み、
前記イオンブロッカーは、
クォーツ素材で提供される本体と、
前記本体の上面又は下面の中でいずれか1つ以上に第1厚さ以下にコーティングされITO(indium tin oxide)、AZO、FTO、ATO、SnO、ZnO、IrO、RuO、グラフェン、metal nanowire、及びCNTの中でいずれか1つであるか、或いはそれ以上の混合物質、又は多重重畳によって成された透明伝導膜と、を含む基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板処理装置及び基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板の処理工程にはプラズマが利用されることができる。例えば、蝕刻、蒸着、又はドライクリーニング工程にプラズマが使用されることができる。プラズマは非常に高い温度や、強い電界或いは高周波電磁界(RF Electromagnetic Fields)によって生成され、プラズマはイオンや電子、ラジカル等から成されたイオン化されたガス状態を言う。プラズマを利用したドライクリーニング、アッシング、又は蝕刻工程はプラズマに含まれたイオン又はラジカル粒子が基板と衝突することによって遂行される。これらの中でドライクリーニング工程は基板上に形成された自然酸化膜等を除去するための工程であって、除去しようとする薄膜の厚さが蝕刻工程に比べて非常に薄い。したがって、ラジカル、イオン、そして電子を全て多量含むプラズマで基板を処理する時、薄膜の高い蝕刻率によって基板上で除去しようとする自然酸化膜のみならず、その下部膜も損傷される。これを防止するために、特許文献1には接地されたイオンブロッカーを利用して電子とイオンを除いたラジカルのみを主に含むプラズマを利用して基板を処理する装置が開示される。
【0003】
そして、半導体素子を製造するためには、半導体ウエハで改質処理、アニーリング処理等の各種の熱処理を繰り返す。そして、半導体素子が高密度化、多層化及び高集積化することにつれ、その仕様が年ごとに難しくなっているので、これらの各種の熱処理した半導体ウエハ面内で均一性の向上及び膜質向上が要求される。
【0004】
半導体素子の製造過程でプラズマを利用する装置とアニーリング装置の間を移動する段階が伴われ、装置間の移動時間に応じてUPHに影響が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国特許公開第10-2001-0002743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一目的は基板を効率的に処理することができる基板処理装置を提供することにある。
【0007】
本発明の一目的は基板の上の半導体素子製造において、単位時間当たり生産量(UPH)を高めることができる基板処理装置を提供することにある。
本発明一目的は設備のフットプリントを減少させることができる基板処理装置を提供することにある。
【0008】
本発明が解決しようとする課題が上述した課題に限定されることはなく、言及されなかった課題は本明細書及び添付された図面から本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は基板を処理する装置を提供する。一実施形態において、基板を処理する装置は、基板を処理する内部空間が形成される工程チャンバーと、前記内部空間をプラズマ発生空間と処理空間に分割するイオンブロッカーと、前記処理空間で基板を支持する基板支持ユニットと、前記処理空間を排気する排気ユニットと、前記イオンブロッカーより上部に位置され、前記イオンブロッカーを透過して前記基板にアニールのためのエネルギーを伝達するアニールソースと、前記プラズマ発生空間に工程ガスを供給するガス供給ユニットと、を含み、前記イオンブロッカーは、円板形状のマイクロ波が透過可能である素材で提供され、複数の貫通ホールが形成された本体と、前記本体の上面又は下面の中でいずれか1つ以上に第1厚さ以下に提供される透明伝導膜と、を含む。
【0010】
一実施形態において、前記透明伝導膜は、ITO(indiumtin oxide)、AZO、FTO、ATO、SnO、ZnO、IrO、RuO、グラフェン、metal nanowire、及びCNTの中でいずれか1つであるか、或いはそれ以上の混合物質、又は多重重畳によって成されたことであり得る。
【0011】
一実施形態において、前記イオンブロッカーは接地されることができる。
【0012】
一実施形態において、前記本体はクォーツ素材で提供されることができる。
【0013】
一実施形態において、前記アニールソースは、前記プラズマ発生空間の一側に配置されるアンテナ、前記アンテナと前記プラズマ発生空間との間に位置する透過板を有するアンテナユニット、及び前記アンテナユニットに設定されたマイクロ波を印加するマイクロ波印加ユニットで成されることができる。
【0014】
一実施形態において、前記アニールソースは、ランプ又はレーザーを伝達するための光学系であり得る。
【0015】
一実施形態において、前記プラズマ発生空間に印加された工程ガスをプラズマに励起させるエネルギーを前記プラズマ発生空間に印加するプラズマソースと、制御器と、をさらに含み、前記制御器は、前記基板が前記処理空間が搬入され、前記処理空間が第1雰囲気に転換されれば、前記ガス供給ユニット及び前記プラズマソースを制御して、前記プラズマ発生空間で前記工程ガスをプラズマに励起させて第1工程を遂行することができる。
【0016】
一実施形態において、制御器をさらに含み、前記制御器は、前記基板が前記基板支持ユニットに続いて維持される状態で、前記ガス供給ユニットによる工程ガス供給を遮断し、前記アニールソースを制御して前記基板に前記アニールのためのエネルギーを印加することができる。
【0017】
一実施形態において、前記アニールのためのエネルギーは第1マイクロ波であり得る。
【0018】
一実施形態において、前記透明伝導膜がITO(indium tin oxide)素材で提供される場合、前記第1厚さは1μmであり得る。
【0019】
本発明は基板を処理する方法を提供する。一実施形態において、基板を処理する方法は、工程ガスをプラズマに励起し、前記プラズマの中でイオンをブロッキングするイオンブロッカーを通過したラジカルで基板を処理する第1工程と、前記イオンブロッカーを透過した第1エネルギーを前記基板に印加する第2工程と、を含み、前記イオンブロッカーは光透過、熱透過及びマイクロ波透過が可能である素材で提供する。
【0020】
一実施形態において、前記第1工程と前記第2工程は1つのチャンバーで行われることができる。
【0021】
一実施形態において、前記イオンブロッカーは接地されることができる。
【0022】
一実施形態において、円板形状の光透過、熱透過、及びマイクロ波透過可能である素材で提供される本体と、前記本体の上面又は下面の中でいずれか1つ以上に第1厚さ以下にコーティングされる透明伝導膜と、を含むことができる。
【0023】
一実施形態において、前記透明伝導膜は、ITO(indium tin oxide)、AZO、FTO、ATO、SnO、ZnO、IrO、RuO、グラフェン、metal nanowire、及びCNTの中でいずれか1つであるか、或いはそれ以上の混合物質、又は多重重畳によって成されたことであり得る。
【0024】
一実施形態において、前記透明伝導膜がITO(indium tin oxide)素材で提供される場合、前記第1厚さは1μmであり得る。
【0025】
一実施形態において、前記第1エネルギーの印加は前記工程ガスの供給が遮断された状態で行われることができる。
【0026】
一実施形態において、前記第1エネルギーは前記基板をアニールすることができる。
【0027】
一実施形態において、前記本体はクォーツ素材で提供されることができる。
【0028】
本発明の他の観点による基板処理装置は、基板を処理する内部空間が形成される工程チャンバーと、円板形状に複数の貫通ホールが形成され、接地され、前記内部空間をプラズマ発生空間と処理空間に分割するイオンブロッカーと、前記処理空間で基板を支持する基板支持ユニットと、前記処理空間を排気する排気ユニットと、前記イオンブロッカーより上部に配置されるアンテナ板、前記アンテナ板の下部に位置する透過板を有するアンテナユニットと、前記アンテナユニットに設定されたマイクロ波を印加するマイクロ波印加ユニットと、前記プラズマ発生空間に工程ガスを供給するガス供給ユニットと、を含み、前記イオンブロッカーは、クォーツ素材で提供される本体と、前記本体の上面又は下面の中でいずれか1つ以上に第1厚さ以下にコーティングされ、ITO(indium tin oxide)、AZO、FTO、ATO、SnO、ZnO、IrO、RuO、グラフェン、metal nanowire、及びCNTの中でいずれか1つであるか、或いはそれ以上の混合物質、又は多重重畳によって成された透明伝導膜と、を含む。
【発明の効果】
【0029】
本発明の実施形態によれば、基板を効率的に処理することができる。
【0030】
本発明の実施形態によれば、基板の上の半導体素子製造において、単位時間当たり生産量(UPH)を高めることができる。
【0031】
本発明の実施形態によれば、設備のフットプリントを減少させることができる。
【0032】
本発明の効果が上述した効果によって限定されることはなく、言及されなかった効果は本明細書及び添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の一実施形態(第1実施形態)による基板処理装置を示す断面図である。
図2】本発明の一実施形態(第1実施形態)による基板処理装置がプラズマ処理を行う時の動作を示す断面図である。
図3】本発明の一実施形態(第1実施形態)による基板処理装置がアニール処理を行う時の動作を示す断面図である。
図4】本発明の一実施形態によるイオンブロッカー530の一部分を拡大した図面である。
図5】本発明の一実施形態(第2実施形態)による基板処理装置を示す断面図である。
図6】本発明の一実施形態(第2実施形態)による基板処理装置がプラズマ処理を行う時の動作を示す断面図である。
図7】本発明の一実施形態(第2実施形態)による基板処理装置がアニール処理を行う時の動作を示す断面図である。
図8】本発明の一実施形態(第3実施形態)による基板処理装置を示す断面図である。
図9】本発明の一実施形態(第4実施形態)による基板処理装置を示す断面図である。
図10】本発明の一実施形態(第5実施形態)による基板処理装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下では添付した図面を参考として本発明の実施形態に対して本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態に具現されることができ、ここで説明する実施形態に限定されない。また、本発明の望ましい実施形態を詳細に説明することにおいて、関連された公知機能又は構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすることができていると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。また、類似な機能及び作用をする部分に対しては図面の全体に亘って同一な符号を使用する。
【0035】
ある構成要素を‘含む’ということは、特別に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外することではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。具体的に、“含む”又は“有する”等の用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとすることがであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないことと理解されなければならない。
【0036】
単数の表現は文脈の上に明確に異なりに表現しない限り、複数の表現を含む。また、図面で要素の形状及びサイズ等はより明確な説明のために誇張されることができる。
【0037】
用語“及び/又は”は該当列挙された項目の中でいずれか1つ及び1つ以上のすべての組合を含む。また、本明細書で“連結される”という意味はA部材とB部材が直接連結される場合のみならず、A部材とB部材との間にC部材が介在されてA部材とB部材が間接連結される場合も意味する。
【0038】
本発明の実施形態は様々な形態に変形することができ、本発明の範囲が以下の実施形態に限定されることとして解釈されてはならない。本実施形態は当業界で平均的な知識を有する者に本発明をさらに完全に説明するために提供されることである。したがって、図面での要素の形状はより明確な説明を強調するために誇張されている。
【0039】
図1は本発明の一実施形態による基板処理装置を示す断面図である。図1を参照して説明する。基板処理装置10は工程チャンバー100、基板支持ユニット200、マイクロ波印加ユニット400、制御器600、そして排気バッフル700を含む。
【0040】
工程チャンバー100は内部に基板Wが処理される処理空間102を提供する。工程チャンバー100は円形の筒形状に提供される。工程チャンバー100は金属材質で提供される。例えば、工程チャンバー100はアルミニウム材質で提供されることができる。工程チャンバー100の一側壁には開口130が形成される。開口130は基板Wが搬出入可能な出入口130として提供される。出入口130はドア140によって開閉可能である。工程チャンバー100の底面には排気ポート150が設置される。排気ポート150は工程チャンバー100の中心軸と一致するように位置される。排気ポート150は処理空間102に発生された副産物が工程チャンバー100の外部に排出される排出口150として機能する。
【0041】
基板支持ユニット200は処理空間で基板Wを支持する。基板支持ユニット200は静電気力を利用して基板Wを支持する静電チャックESCで提供されることができる。選択的に、基板支持ユニット200は機械的なクランピングのような様々な方式に基板Wを支持することができる。
【0042】
支持ユニット200が静電チャックESCで提供される例を説明する。支持ユニット200は誘電板210、フォーカスリング252、エッジリング254、そして下部電極230を含む。誘電板210の上面には基板Wが直接置かれる。誘電板210は円板形状に提供される。誘電板210は基板Wより小さい半径を有することができる。誘電板210の内部にはチャッキング電極212が設置される。チャッキング電極212には電源(図示せず)が連結され、電源(図示せず)から電圧が印加される。チャッキング電極212は印加された電圧から基板Wが誘電板210に吸着されるように静電気力を提供する。誘電板210の内部には基板Wを加熱するヒーター214が設置される。ヒーター214はチャッキング電極212の下に位置されることができる。ヒーター214は螺旋形状のコイルで提供されることができる。例えば、誘電板210はセラミック材質で提供されることができる。
【0043】
下部電極230は誘電板210を支持する。下部電極230は誘電板210の下に位置され、誘電板210と固定結合される。下部電極230の上面はその中央領域が縁領域に比べて高くなるように段差付けた形状を有する。下部電極230はその上面の中央領域が誘電板210の底面に対応する面積を有する。下部電極230の内部には冷却流路232が形成される。冷却流路232は冷却流体が循環する通路として提供される。冷却流路232は下部電極230の内部で螺旋形状に提供されることができる。下部電極230には外部に位置された高周波電源が接続されるか、或いは接地されることができる。高周波電源は下部電極230に電力を印加し、基板に入射するイオンエネルギーを制御することができる。下部電極230は金属材質で提供されることができる。
【0044】
フォーカスリング252はプラズマを基板Wに集中させる。フォーカスリング252は誘電板210を囲む環状のリング形状に提供される。フォーカスリング252は誘電板210の縁領域に位置される。例えば、フォーカスリング250は導電性材質で提供されることができる。フォーカスリング252の上面は段差を有するように提供されることができる。フォーカスリング252の上面内側部は誘電板210の上面と同一な高さを有するように提供されて、基板Wの底面縁領域を支持する。
【0045】
エッジリング254はフォーカスリング252を囲む環状のリング形状に提供される。エッジリング254は下部電極230の縁領域でフォーカスリング252と隣接するように位置される。エッジリング254の上面はフォーカスリング252の上面に比べてその高さが高く提供される。エッジリング254は絶縁物質で提供されることができる。
【0046】
マイクロ波印加ユニット400は工程チャンバー100の反応空間101にマイクロ波を印加して反応空間101内のガスをプラズマに励起させるプラズマソースの一例として提供される。マイクロ波印加ユニット400は工程ガスを励起させてプラズマを発生させることができる。
【0047】
マイクロ波印加ユニット400はマイクロ波電源410、導波管420、マイクロ波アンテナ430、誘電体板470、冷却板480、及び透過板490を含む。
【0048】
マイクロ波電源410はマイクロ波を発生させる。導波管420はマイクロ波電源410に連結され、マイクロ波電源410で発生されたマイクロ波が伝達される通路を提供する。
【0049】
導波管420の先端内部にはマイクロ波アンテナ430が位置する。マイクロ波アンテナ430は導波管420を通じて伝達されたマイクロ波を工程チャンバー100の内部に印加する。例えば、マイクロ波アンテナ430はマイクロ波電源410が印加する電源を受けて反応空間101にマイクロ波を印加することができる。一例において、マイクロ波は2.45GHzの周波数で予め定まれたパワーのマイクロ波であり得る。マイクロ波電源410に印加されるパワーは数乃至数十kWであり得る。
【0050】
マイクロ波アンテナ430はアンテナ板431、アンテナロード433、外部導体434、マイクロ波アダプター436、コネクタ441、冷却板443、そしてアンテナ高さ調節部445を含む。
【0051】
アンテナ板431は厚さが薄い円板で提供され、複数のスロットホール432が形成される。スロットホール432をマイクロ波が透過する通路を提供する。スロットホール432は様々な形状に提供されることができる。スロットホール432は‘X’、‘+’、‘-’等の形状に提供されることができる。スロットホール432は互いに組み合わせて複数のリング形状に配置されることができる。リングは同一な中心を有し、互いに異なるサイズの半径を有する。
【0052】
アンテナロード433は円柱形状のロード(rod)で提供される。アンテナロード433はその長さ方向が上下方向に配置される。アンテナロード433はアンテナ板431の上部に位置し、下端部がアンテナ板431の中心に挿入固定される。アンテナロード433はマイクロ波をアンテナ板431に伝播する。
【0053】
外部導体434は導波管420の尖端部の下部に位置する。外部導体434の内部には導波管420の内部空間と連結される空間が上下方向に形成される。外部導体434の内部にはアンテナロード433の一部領域が位置する。
【0054】
導波管420の尖端部の内部にはマイクロ波アダプター436が位置する。マイクロ波アダプター436は上端部が下端部より大きい半径を有するコーン形状を有する。マイクロ波アダプター436の下端部には底面が開放された収容空間が形成される。
【0055】
収容空間にはコネクタ441が位置する。コネクタ441はリング形状に提供される。コネクタ441の外側面は収容空間の内側面に相応する半径を有する。コネクタ441の外側面は収容空間の内側面に接触されて固定位置する。コネクタ441は伝導性材質で提供されることができる。アンテナロード433の上端部は収容空間内に位置し、コネクタ441の内側領域に嵌められる。アンテナロード433の上端部はコネクタ441に無理に嵌合し、コネクタ441を通じてマイクロ波アダプター436と電気的に連結される。
【0056】
冷却板443はマイクロ波アダプター436の上端に結合される。冷却板443はマイクロ波アダプター436の上端部より大きい半径を有する板で提供されることができる。冷却板443はマイクロ波アダプター436より熱伝導性が優れた材質で提供されることができる。冷却板443は銅(Cu)又はアルミニウム(Al)材質で提供されることができる。冷却板443はマイクロ波アダプター436の冷却を促進して、マイクロ波アダプター436の熱変形を防止する。
【0057】
アンテナ高さ調節部445はマイクロ波アダプター436とアンテナロード433を連結する。そして、アンテナ高さ調節部445はマイクロ波アダプター436に対するアンテナ板431の相対高さが変更されるようにアンテナロード433を移動させる。アンテナ高さ調節部445はボルトを含む。ボルト445はマイクロ波アダプター436の上部から下部に上下方向にマイクロ波アダプター436に挿入され、下端部が収容空間に位置する。ボルト445はマイクロ波アダプター436の中心領域に挿入される。ボルト445の下端部はアンテナロード433の上端部に挿入される。アンテナロード433の上端部にはボルト445の下端部が挿入及び締結されるネジ溝が所定の深さに形成される。アンテナロード433はボルト445の回転によって上下方向に移動される。例えば、ボルト445を時計回りに回転する場合、アンテナロード433は上昇し、反時計回りに回転する場合、アンテナロード433は下降することができる。アンテナロード433の移動と共にアンテナ板431は上下方向に移動されることができる。
【0058】
誘電体板470はアンテナ板431の上部に位置する。誘電体板470はアルミナ、石英等の誘電体で提供される。マイクロ波アンテナ430で垂直方向に伝播されたマイクロ波は誘電体板470の半径方向に伝播される。誘電体板470に伝播されたマイクロ波は波長が圧縮され、共振される。共振されたマイクロ波はアンテナ板431のスロットホール432に透過される。
【0059】
誘電体板470の上部には冷却板480が提供される。冷却板480は誘電体板470を冷却する。冷却板480はアルミニウム材質で提供されることができる。冷却板480は内部に形成された冷却流路(図示せず)に冷却流体を流して誘電体板470を冷却することができる。冷却方式は水冷式及び空冷式を含む。
【0060】
アンテナ板431の下部には透過板490が提供される。透過板490はアルミナ、石英等の誘電体で提供される。アンテナ板431のスロットホール432を透過したマイクロ波は透過板490を経て工程チャンバー100の内部に放射される。放射されたマイクロ波の電界によって工程チャンバー100内に供給された工程ガスはプラズマ状態に励起される。透過板490の上面はアンテナ板431の底面と所定の間隔に離隔されることができる。
【0061】
アンテナ高さ調節部445はマイクロ波アダプター436に対するアンテナ板431の相対高さが変更されるようにアンテナロード433を上下方向に移動させることができる。アンテナ高さ調節部445はアンテナロード433を上下方向に移動させて、アンテナ板431と透過板490との間を適切な間隔に維持させることができる。
【0062】
透過板490とイオンブロッカー530との間にはプラズマ発生空間520が形成される。プラズマ発生空間520は工程ガスを供給するガス供給ユニット300と連結される。
【0063】
ガス供給ユニット300はガス供給管310、バルブ部材311を含む。ガス供給ユニットが供給する工程ガスは単一成分のガスであるか、或いは2成分以上の混合ガスで提供されることができる。
【0064】
プラズマ発生空間520に流入された工程ガスはマイクロ波によってプラズマ状態に遷移される。工程ガスはプラズマ状態でイオン、電子、ラジカルに分解される。プラズマはイオンブロッカー530を通過して処理空間102に移動する。
【0065】
イオンブロッカー530は本体531に透明伝導膜532(Transparent Conductive Oxide;TCO)がコーティングされて提供される。透明伝導膜532は第1厚さ以下に提供される。第1厚さは決定された材質に対してマイクロ波が透過可能である厚さである。第1厚さは透明伝導膜532で決定される材質に応じて異なる。本説明で透過可能であるということは透過性に大きい影響を及ばないことである。一例として、透明伝導膜532がITOで提供されれば、第1厚さは1μmであり得る。イオンブロッカー530は板形状に提供される。例えば、イオンブロッカー530は円板形状を有することができる。図4は本発明の一実施形態によるイオンブロッカー530の一部分を拡大した図面である。図4をさらに参照して説明する。イオンブロッカー530の本体531はマイクロ波が透過可能である素材で提供される提供される。本体531の一例としてクォーツが提供されることができる。透明伝導膜532は本体531の上面にコーティングされて提供されることができる。透明伝導膜532は本体531の下面にコーティングされて提供されることができる。透明伝導膜532は本体531の上面及び下面にコーティングされて提供されることができる。透明伝導膜532は基板Wを加熱するためのマイクロ波が透過可能である厚さに提供される。一例において、透明伝導膜532はITO(indium tin oxide)であり得る。また、TCOはAZO、FTO、ATO、SnO、ZnO、IrO、RuO、グラフェン、metal nanowire、CNTの中でいずれか1つであるか、或いはそれ以上の混合物質、又は多重に重畳によって成されることができる。イオンブロッカー530は接地されるように提供される。イオンブロッカー530はイオンはイオンブロッカー530を通過できないようにブロッキングし、ラジカルは通過するように機能する。また、イオンブロッカー530のTCOはマイクロ波が透過する厚さに提供される。マイクロ波印加ユニット400によって印加されるマイクロ波はイオンブロッカー530を通過することができる。
【0066】
イオンブロッカー530には多数の貫通ホールが形成される。貫通ホールはイオンブロッカー530の上下方向に形成される。イオンブロッカー530はその底面が処理空間に露出される。イオンブロッカー530はプラズマ発生空間520と処理空間102との間に提供され、プラズマ発生空間520と処理空間102の境界をなす。プラズマ発生空間520で発生されたプラズマのラジカルはイオンブロッカー530の貫通ホールを通過し、イオン及び電子はイオンブロッカー530によって処理空間102に行くことができなく、ブロッキング(blocking)される。イオンブロッカー530は基板支持ユニット200の上に位置される。イオンブロッカー530は誘電板210と対向するように位置される。イオンブロッカー530を通過したプラズマは工程チャンバー100内の処理空間102に均一に供給される。
【0067】
排気バッフル700は処理空間でプラズマを領域別に均一に排気させる。排気バッフル700は処理空間102で工程チャンバー100の内側壁と基板支持ユニット200との間に位置される。排気バッフル700は環状のリング形状に提供される。排気バッフル700には複数の貫通ホール702が形成される。貫通ホール702は上下方向に向かうように提供される。貫通ホール702は排気バッフル700の円周方向に沿って配列される。貫通ホール702はスリット形状を有し、排気バッフル700の半径方向に向かう長さ方向を有する。
【0068】
制御器600は基板処理装置を制御することができる。制御器600は以下では説明する基板処理方法を基板処理装置が遂行できるように基板処理装置の減圧部材123、基板支持ユニット200、ガス供給ユニット300、そしてマイクロ波印加ユニット400の中で少なくともいずれか1つを制御することができる。また、制御器600は基板処理装置の制御を実行するマイクロプロセッサー(コンピュータ)で成されるプロセスコントローラと、オペレータが基板処理装置を管理するためにコマンド入力操作等を行うキーボードや、基板処理装置の稼動状況を可視化して表示するディスプレー等で成されるユーザインターフェイスと、基板処理装置で実行される処理をプロセスコントローラの制御で実行するための制御プログラムや、各種データ及び処理条件に応じて各構成部に処理を実行させるためのプログラム、即ち処理レシピが格納された格納部を具備することができる。また、ユーザインターフェイス及び格納部はプロセスコントローラに接続されていることができる。処理レシピは格納部の中で記憶媒体に記憶されていることができ、記憶媒体は、ハードディスクであってもよく、CD-ROM、DVD等の可搬性ディスクや、フラッシュメモリ等の半導体メモリであってもよい。
【0069】
図2は本発明の一実施形態による基板処理装置が第1工程であるプラズマ処理を行う時の動作を示す断面図である。図2を参照する。基板Wが処理空間102に搬入され、支持ユニット200上に置かれる後、ドア140を閉じる。処理空間102の内の雰囲気が所望の雰囲気に形成されれば、ガス供給ユニット300のバルブ部材311を開放状態に制御してプラズマ発生空間520に工程ガスを供給する。また、マイクロ波電源410をオン状態に制御して工程ガスにマイクロ波を印加し、工程ガスをプラズマに励起させる。プラズマのラジカルRはイオンブロッカー530の貫通ホールを通過して処理空間102に流入される。イオンはイオンブロッカー530にブロッキング(blocking)されて貫通ホールを通過することができない。処理空間102に流入されたラジカルRは基板Wを処理する。
【0070】
図3は本発明の一実施形態による基板処理装置が第2工程であるアニール処理を行う時の動作を示す断面図である。図3を参照する。処理空間102の内の雰囲気が所望の雰囲気に形成されれば、マイクロ波電源410をオン状態に制御して基板Wにアニールのためのマイクロ波を伝達する。マイクロ波はイオンブロッカー530を通過して基板Wに伝達される。基板に伝達されるマイクロ波は基板Wに対するアニール処理が可能であるマイクロ波である。この時、ガス供給ユニット300のバルブ部材311は閉鎖状態に制御する。
【0071】
図5は本発明の一実施形態(第2実施形態)による基板処理装置を示す断面図である。図5を参照して説明する。第2実施形態の説明において、第1実施形態の構成と同一であることは第1実施形態を説明した図1乃至図3を参照した説明に代わる。
【0072】
プラズマ発生空間520は円筒型の石英チャンバー630によって定義される。プラズマ発生空間520の外部には、プラズマ発生空間520で磁界を生成するためのアンテナ610が巻かれて提供される。アンテナ610の一例として、シリンドリカルアンテナ(cylindrical antenna)が提供される。アンテナ610は電源640と電気的に接続される。電源640からの電流がアンテナ610に流れれば、プラズマ発生空間520に電界が形成される。アンテナ610から印加された電界はプラズマ発生空間620に印加された工程ガスをプラズマに励起する。アンテナ610と電源640はプラズマソースとして機能する。
【0073】
図6は本発明の一実施形態(第2実施形態)による基板処理装置がプラズマ処理を行う時の動作を示す断面図である。図6を参照する。基板Wが処理空間102に搬入され、支持ユニット200上に置かれる後、ドア140を閉じる。処理空間102の内の雰囲気が所望の雰囲気に形成されれば、ガス供給ユニット300のバルブ部材311を開放状態に制御してプラズマ発生空間520に工程ガスを供給する。また、アンテナ610に印加される電源640をオン状態に制御して工程ガスに磁界を印加し、工程ガスをプラズマに励起させる。プラズマのラジカルRはイオンブロッカー530の貫通ホールを通過して処理空間102に流入される。イオンはイオンブロッカー530にブロッキング(blocking)されて貫通ホールを通過することができない。処理空間102に流入されたラジカルRは基板Wを処理する。
【0074】
図7は本発明の一実施形態(第2実施形態)による基板処理装置がアニール処理を行う時の動作を示す断面図である。図7を参照する。処理空間102の内の雰囲気が所望の雰囲気に形成されれば、マイクロ波電源410をオン状態に制御して基板Wにアニールのためのマイクロ波を伝達する。マイクロ波はイオンブロッカー530を通過して基板Wに伝達される。基板に伝達されるマイクロ波は基板Wに対するアニール処理が可能であるマイクロ波である。この時、電源640をオフ状態にし、ガス供給ユニット300のバルブ部材311は閉鎖状態に制御する。
【0075】
図8は本発明の一実施形態(第3実施形態)による基板処理装置を示す断面図である。図8を参照して説明する。第3実施形態の説明において、第2実施形態の構成と同一であることは第2実施形態を説明した図5乃至図6を参照した説明に代わる。基板Wをアニールするための熱源としてランプ1410が提供される。ランプ1410はフラッシュランプであり得る。ランプ1410から発散された光を基板Wに向かって反射させる反射板1415をさらに含むことができる。
【0076】
第3実施形態による基板処理方法は、処理空間102の内の雰囲気が所望の雰囲気に形成されれば、ガス供給ユニット300のバルブ部材311を開放状態に制御してプラズマ発生空間520に工程ガスを供給する。また、アンテナ610に印加される電源640をオン状態に制御して工程ガスに磁界を印加し、工程ガスをプラズマに励起させる。プラズマのラジカルRはイオンブロッカー530の貫通ホールを通過して処理空間102に流入される。イオンはイオンブロッカー530にブロッキング(blocking)されて貫通ホールを通過することができない。処理空間102に流入されたラジカルRは基板Wを処理する。
【0077】
基板Wに対するラジカルを利用した処理が完了されれば、電源640をオフ状態にし、ガス供給ユニット300のバルブ部材311は閉鎖状態に制御する。処理空間102の内の雰囲気が所望の雰囲気に形成されれば、ランプ1410をオン状態に制御して基板Wにアニールのための光エネルギーを伝達する。光エネルギーはイオンブロッカー530を通過して基板Wに伝達される。
【0078】
図9は本発明の一実施形態(第4実施形態)による基板処理装置を示す断面図である。図9を参照して説明する。第4実施形態の説明において、第3実施形態の構成と同一であることは第3実施形態を説明した図8を参照した説明に代わる。基板Wをアニールするための熱源としてレーザー光学系2400が提供される。レーザー光学系2400はレーザー発生装置とレーザー発生装置から放出されたレーザーを基板Wに伝達させる光学モジュールを含む。光学モジュールは複数のレンズの組み合わせで構成されることができる。
【0079】
第4実施形態による基板処理方法は、処理空間102の内の雰囲気が所望の雰囲気に形成されれば、ガス供給ユニット300のバルブ部材311を開放状態に制御してプラズマ発生空間520に工程ガスを供給する。また、アンテナ610に印加される電源640をオン状態に制御して工程ガスに磁界を印加し、工程ガスをプラズマに励起させる。プラズマのラジカルRはイオンブロッカー530の貫通ホールを通過して処理空間102に流入される。イオンはイオンブロッカー530にブロッキング(blocking)されて貫通ホールを通過することができない。処理空間102に流入されたラジカルRは基板Wを処理する。
【0080】
基板Wに対するラジカルを利用した処理が完了されれば、電源640をオフ状態にし、ガス供給ユニット300のバルブ部材311は閉鎖状態に制御する。処理空間102の内の雰囲気が所望の雰囲気に形成されれば、レーザー光学系2400をオン状態に制御して基板Wにアニールのための光エネルギーを伝達する。光エネルギーはイオンブロッカー530を通過して基板Wに伝達される。
【0081】
図10は本発明の一実施形態(第5実施形態)による基板処理装置を示す断面図である。図10を参照して説明する。第5実施形態の説明において、第3実施形態の構成と同一であることは第3実施形態を説明した図8を参照した説明に代わる。工程ガスをプラズマに励起するためのプラズマソースとしてCCPタイプが提供される。上部電極2610は透明電極を含んで、光透過、熱透過及び電子波透過が可能であることで提供される。上部電極2610を構成する透明電極は上述したイオンブロッカーと類似な条件で提供される。透明電極には高周波電源640による高周波電力が印加される。
【0082】
第5実施形態による基板処理方法は、処理空間102の内の雰囲気が所望の雰囲気に形成されれば、ガス供給ユニット300のバルブ部材311を開放状態に制御してプラズマ発生空間520に工程ガスを供給する。また、上部電極2610に印加される電源640をオン状態に制御して工程ガスに電界を印加し、工程ガスをプラズマに励起させる。プラズマのラジカルRはイオンブロッカー530の貫通ホールを通過して処理空間102に流入される。イオンはイオンブロッカー530にブロッキング(blocking)されて貫通ホールを通過することができない。処理空間102に流入されたラジカルRは基板Wを処理する。
【0083】
基板Wに対するラジカルを利用した処理が完了されれば、電源640をオフ状態にし、ガス供給ユニット300のバルブ部材311は閉鎖状態に制御する。処理空間102の内の雰囲気が所望の雰囲気に形成されれば、ランプ1410をオン状態に制御して基板Wにアニールのための光エネルギーを伝達する。光エネルギーはイオンブロッカー530を通過して基板Wに伝達される。
【0084】
本発明の実施形態を通じた構成から、ラジカルドライクリーニング(radical dry cleaning)とアニーリング(annealing)を1つの工程チャンバー100ですることができる。本発明の実施形態による基板処理装置はisotropic ALE(t-ALE)に適用することができる。本発明の実施形態による基板処理装置によれば、別のアニーリングチャンバーが提供されなくとも十分であるので、設備のフットプリントを減少させることができる。そして、プラズマを利用する装置とアニーリング装置との間を移動する段階が不要であるので、装置間の移動時間が除去されて、UPHを高めることができる。
【0085】
以上の詳細な説明は本発明を例示するものである。また、前述した内容は本発明の好ましい実施形態を例として説明することであり、本発明は多様な他の組合、変更、及び環境で使用することができる。即ち、本明細書に開示された発明の概念の範囲、前述した開示内容と均等な範囲、及び/又は当業界の技術又は知識の範囲内で変更又は修正が可能である。前述した実施形態は本発明の技術的思想を具現するための最善の状態を説明することであり、本発明の具体的な適用分野及び用途で要求される様々な変更も可能である。したがって、以上の発明の詳細な説明は開示された実施状態に本発明を制限しようとする意図ではない。添付された請求の範囲は他の実施状態も含むことと解析されなければならない。
【符号の説明】
【0086】
100 工程チャンバー
200 基板支持ユニット
400 マイクロ波印加ユニット
410 マイクロ波電源
420 導波管
430 マイクロ波アンテナ
431 アンテナ板
433 アンテナロード
434 外部導体
436 マイクロ波アダプター
441 コネクタ
443 冷却板
445 アンテナ高さ調節部
470 誘電体板
480 冷却板
490 透過板
520 プラズマ発生空間
530 イオンブロッカー
600 制御器
700 排気バッフル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10