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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023110507
(43)【公開日】2023-08-09
(54)【発明の名称】棚板および収納構造
(51)【国際特許分類】
   A47B 96/02 20060101AFI20230802BHJP
   A47B 96/06 20060101ALI20230802BHJP
【FI】
A47B96/02 E
A47B96/02 F
A47B96/06 B
A47B96/06 J
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022012001
(22)【出願日】2022-01-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-18
(71)【出願人】
【識別番号】000204985
【氏名又は名称】大建工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷口 雄祐
(72)【発明者】
【氏名】内村 恵美
(72)【発明者】
【氏名】井上 彰
(57)【要約】
【課題】棚板の撓みに対する強度を向上させる。
【解決手段】棚板20は、棚面部30と、4つの側壁部41~44と、4つの側壁部41~44の先端部から内側に延びる4つの延出部51~54を備える。4つの延出部51~54は、互いに対向する第1延出部51および第2延出部52と、第1延出部51および第2延出部52の対向方向と直交する方向において互いに対向する第3延出部53および第4延出部54とにより構成される。第1延出部51は、第1棚受部15に支持される。第2延出部52は、第2棚受部16に支持される。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向において間隔を空けて互いに対向する第1および第2棚受部に支持される棚板であって、
矩形板状の棚面部と、
前記棚面部の4つの辺部から前記棚面部に対して垂直な方向に延びる4つの側壁部と、
前記4つの側壁部の先端部から内側に延びる4つの延出部とを備え、
前記4つの延出部は、互いに対向する第1および第2延出部と、前記第1および第2延出部の対向方向と直交する方向において互いに対向する第3および第4延出部とにより構成され、
前記第1延出部は、前記第1棚受部に支持され、
前記第2延出部は、前記第2棚受部に支持される
ことを特徴とする棚板。
【請求項2】
請求項1の棚板において、
前記第3延出部は、延出方向と直交する幅方向における両端部が前記第1および第2延出部の延出方向と直交する幅方向における一端部の外面に重なり、
前記第4延出部は、延出方向と直交する幅方向における両端部が前記第1および第2延出部の延出方向と直交する幅方向における他端部の外面に重なり、
前記第1延出部において、前記第1棚受部に支持される部分は、前記第3延出部と重なる部分と前記第4延出部と重なる部分との間に位置し、
前記第2延出部において、前記第2棚受部に支持される部分は、前記第3延出部と重なる部分と前記第4延出部と重なる部分との間に位置する
ことを特徴とする棚板。
【請求項3】
請求項1または2の棚板において、
前記第1延出部に設けられる第1隆起部と、
前記第2延出部に設けられる第2隆起部とを備え、
前記第1棚受部は、前記第1および第2棚受部の対向方向と直交し且つ水平方向に沿う方向に並び、前記第1延出部を支持する第1および第2棚受具を含み、
前記第2棚受部は、前記第1および第2棚受部の対向方向と直交し且つ水平方向に沿う方向に並び、前記第2延出部を支持する第3および第4棚受具を含み、
前記第1延出部において、前記第1棚受具に支持される部分は、前記第3延出部と重なる部分と前記第1隆起部との間に位置し、前記第2棚受具に支持される部分は、前記第1隆起部と前記第4延出部と重なる部分との間に位置し、
前記第2延出部において、前記第3棚受具に支持される部分は、前記第3延出部と重なる部分と前記第2隆起部との間に位置し、前記第4棚受具に支持される部分は、前記第2隆起部と前記第4延出部と重なる部分との間に位置する
ことを特徴とする棚板。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1つの棚板において、
前記棚面部と前記4つの側壁部と前記4つの延出部は、1枚の板部材により構成される
ことを特徴とする棚板。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1つの棚板において、
前記棚面部と前記4つの側壁部と前記4つの延出部は、金属製である
ことを特徴とする棚板。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1つの棚板において、
前記棚面部には、前記棚面部の厚み方向に貫通する複数の貫通孔が設けられる
ことを特徴とする棚板。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1つの棚板において、
前記第1延出部において前記第1棚受部に支持される部分に設けられる第1滑止部と、
前記第2延出部において前記第2棚受部に支持される部分に設けられる第2滑止部とを備える
ことを特徴とする棚板。
【請求項8】
水平方向において互いに対向する第1および第2側面と背面とに囲まれた収納空間内に設けられる収納構造であって、
前記第1側面に設けられる第1棚受部と、
前記第2側面に設けられる第2棚受部と、
前記第1および第2棚受部に支持される棚板とを備え、
前記棚板は、請求項1~7のいずれか1つの棚板である
ことを特徴とする収納構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棚板および収納構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、2つの側板と背板と天板と棚板とを備えた収納ユニットが開示されている。棚板は、2つの側板に取り付けられた棚受け部品により、鉛直方向の下方から支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-045734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような棚板は、撓みに対する強度が十分ではない。
【0005】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたもので、その目的は、棚板の撓み強度(撓みに対する強度)を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、水平方向において間隔を空けて互いに対向する第1および第2棚受部に支持される棚板であって、矩形板状の棚面部と、前記棚面部の4つの辺部から前記棚面部に対して垂直な方向に延びる4つの側壁部と、前記4つの側壁部の先端部から内側に延びる4つの延出部とを備え、前記4つの延出部は、互いに対向する第1および第2延出部と、前記第1および第2延出部の対向方向と直交する方向において互いに対向する第3および第4延出部とにより構成され、前記第1延出部は、前記第1棚受部に支持され、前記第2延出部は、前記第2棚受部に支持される。
【0007】
第1の発明では、棚板の4辺の各々の断面(辺と交差する断面)の形状をコの字状にすることができる。これにより、棚板の撓みに対する強度を向上させることができる。
【0008】
また、第1の発明では、第1延出部は、第1棚受部に支持される。第2延出部は、第2棚受部に支持される。このような構成により、第1および第2棚受部と接触する部分の面積(支持面積)の確保を容易にすることができる。これにより、棚板の支持の安定性を向上させることができる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、前記第3延出部は、延出方向と直交する幅方向における両端部が前記第1および第2延出部の延出方向と直交する幅方向における一端部の外面に重なり、前記第4延出部は、延出方向と直交する幅方向における両端部が前記第1および第2延出部の延出方向と直交する幅方向における他端部の外面に重なり、前記第1延出部において、前記第1棚受部に支持される部分は、前記第3延出部と重なる部分と前記第4延出部と重なる部分との間に位置し、前記第2延出部において、前記第2棚受部に支持される部分は、前記第3延出部と重なる部分と前記第4延出部と重なる部分との間に位置することを特徴とする棚板である。
【0010】
第2の発明では、第1延出部において、第1棚受部に支持される部分は、第3延出部と重なる部分(第1延出部の外面に第3延出部の端部が重なる部分)と第4延出部と重なる部分(第1延出部の外面に第4延出部の端部が重なる部分)との間に位置する。第2延出部において、第2棚受部に支持される部分は、第3延出部と重なる部分(第2延出部の外面に第3延出部の端部が重なる部分)と第4延出部と重なる部分(第2延出部の外面に第4延出部の端部が重なる部分)との間に位置する。このような構成により、第1および第2棚受部の対向方向と直交し且つ水平方向に沿う方向に棚板がずれようとした場合に、第1延出部を支持する第1棚受部が「第1延出部の外面に重なる第3延出部の端部(または第4延出部の端部)」と接触し、第2延出部を支持する第2棚受部が「第2延出部の外面に重なる第3延出部の端部(または第4延出部の端部)」と接触し、その結果、棚板の移動が阻害される。これにより、棚板のずれを低減することができる。
【0011】
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記第1延出部に設けられる第1隆起部と、前記第2延出部に設けられる第2隆起部とを備え、前記第1棚受部は、前記第1および第2棚受部の対向方向と直交し且つ水平方向に沿う方向に並び、前記第1延出部を支持する第1および第2棚受具を含み、前記第2棚受部は、前記第1および第2棚受部の対向方向と直交し且つ水平方向に沿う方向に並び、前記第2延出部を支持する第3および第4棚受具を含み、前記第1延出部において、前記第1棚受具に支持される部分は、前記第3延出部と重なる部分と前記第1隆起部との間に位置し、前記第2棚受具に支持される部分は、前記第1隆起部と前記第4延出部と重なる部分との間に位置し、前記第2延出部において、前記第3棚受具に支持される部分は、前記第3延出部と重なる部分と前記第2隆起部との間に位置し、前記第4棚受具に支持される部分は、前記第2隆起部と前記第4延出部と重なる部分との間に位置することを特徴とする棚板である。
【0012】
第3の発明では、第1および第2棚受部の対向方向と直交し且つ水平方向に沿う方向に棚板がずれようとした場合に、第1延出部を支持する第1棚受具または第2棚受具が「第1延出部に設けられた第1隆起部」に接触すると、棚板の移動が阻害される。これと同様に、第1および第2棚受部の対向方向と直交し且つ水平方向に沿う方向に棚板がずれようとした場合に、第2延出部を支持する第3棚受具または第4棚受具が「第2延出部に設けられた第2隆起部」に接触すると、棚板の移動が阻害される。これにより、棚板のずれを低減することができる。
【0013】
第4の発明は、第1~第3の発明のいずれか1つにおいて、前記棚面部と前記4つの側壁部と前記4つの延出部は、1枚の板部材により構成されることを特徴とする棚板である。
【0014】
第4の発明では、棚板を1枚の板部材により構成することができる。これにより、棚板を低コストで簡単に製造することができる。
【0015】
第5の発明は、第1~第4の発明のいずれか1つにおいて、前記棚面部と前記4つの側壁部と前記4つの延出部は、金属製であることを特徴とする棚板である。
【0016】
第5の発明では、棚板を金属製にすることができる。これにより、棚板の撓みに対する強度の確保を容易にすることができる。
【0017】
第6の発明は、第1~第5の発明のいずれか1つにおいて、前記棚面部には、前記棚面部の厚み方向に貫通する複数の貫通孔が設けられることを特徴とする棚板である。
【0018】
第6の発明では、複数の貫通孔を設けることにより、通気性および通水性を向上させることができる。
【0019】
第7の発明は、第1~第6の発明のいずれか1つにおいて、前記第1延出部において前記第1棚受部に支持される部分に設けられる第1滑止部と、前記第2延出部において前記第2棚受部に支持される部分に設けられる第2滑止部とを備えることを特徴とする棚板である。
【0020】
第7の発明では、第1滑止部は、第1延出部と第1棚受部との間に配置さる。第2滑止部は、第2延出部と第2棚受部との間に配置される。このような構成により、棚板の水平方向の移動を阻害することができる。これにより、棚板のずれを低減することができる。
【0021】
第8の発明は、水平方向において互いに対向する第1および第2側面と背面とに囲まれた収納空間内に設けられる収納構造であって、前記第1側面に設けられる第1棚受部と、前記第2側面に設けられる第2棚受部と、前記第1および第2棚受部に支持される棚板とを備え、前記棚板は、第1~第7の発明のいずれか1つの棚板である。
【0022】
第8の発明では、収納構造を構成する棚板の撓みに対する強度を向上させることができる。また、棚板の支持の安定性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、棚板の撓みに対する強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施形態の収納ユニットの構成を例示する正面図である。
図2】実施形態の収納ユニットの構成を例示する断面図である。
図3】実施形態の棚板の外観を例示する斜視図である。
図4】実施形態の棚板の構成を例示する底面図である。
図5】実施形態の収納ユニットの構成を例示する断面図である。
図6】実施形態の収納ユニットの構成を例示する別の断面図である。
図7】実施形態の変形例の収納ユニットの構成を例示する断面図である。
図8】実施形態の変形例の収納ユニットの構成を例示する別の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して実施の形態を詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
【0026】
(収納ユニット)
図1および図2は、実施形態の収納ユニット10の構成を例示する。図2は、図1のII-II線における断面図である。この例では、収納ユニット10は、住宅の玄関スペースに設けられ、玄関スペースの床(玄関床)から離れた状態で、玄関スペースの壁(玄関壁)に固定される。
【0027】
なお、以下では、説明の便宜上、図1の上側、下側、左側、右側をそれぞれ、「上」、「下」、「左」、「右」として説明する。また、図1の紙面と直交する方向において、手前側を「前」とし、奥側を「後」として説明する。これらの方向は、設置された収納ユニット10を正面からみた場合の方向に対応する。
【0028】
また、左右方向および前後方向は、水平方向の一例である。例えば、前後方向(または左右方向)は、左右方向(または前後方向)と直交し且つ水平方向に沿う方向である。上下方向は、左右方向および前後方向の両方と直交する方向である。
【0029】
収納ユニット10は、第1側板11と、第2側板12と、天板13と、棚板20とを備える。第1側板11と第2側板12と天板13は、木製であってもよいし、金属製であってもよいし、樹脂製であってもよい。金属の例としては、アルミニウム、スチール、ステンレスなどが挙げられる。
【0030】
〔側板〕
第1側板11および第2側板12は、左右方向において間隔を空けて互いに対向する。第1側板11および第2側板12の各々は、上下方向に延びる矩形板状に形成され、その厚み方向が左右方向を向くように配置される。第1側板11および第2側板12は、玄関床から離れた状態で、玄関壁に固定されている。例えば、第1側板11および第2側板12は、L字金具(図示省略)により玄関壁に固定される。
【0031】
〔棚受部〕
また、第1側板11の内面には、第1棚受部15が設けられる。第2側板12の内面には、第2棚受部16が設けられる。第1棚受部15および第2棚受部16は、左右方向において間隔を空けて互いに対向する。
【0032】
この例では、第1棚受部15は、第1棚受具15aと、第2棚受具15bとを含む。第1棚受具15aおよび第2棚受具15bは、前後方向(第1棚受部15および第2棚受部16の対向方向と直交し且つ水平方向に沿う方向)に並び、第1延出部51を支持する。
【0033】
具体的には、第1側板11の内面には、第1棚柱11aと、第2棚柱11bとが設けられる。第1棚柱11aおよび第2棚柱11bは、前後方向に並んで配置され、上下方向に延びる。第1棚柱11aは、第1側板11の前端部に沿うように上下方向に延び、第2棚柱11bは、第1側板11の後端部に沿うように上下方向に延びる。
【0034】
そして、第1棚受具15aは、第1棚柱11aに着脱可能に取り付けられる。第2棚受具15bは、第2棚柱11bに着脱可能に取り付けられる。第1棚受具15aおよび第2棚受具15bの取り付け位置を変更することにより、第1棚受具15aおよび第2棚受具15bの高さ位置(すなわち第1棚受部15の高さ位置)を変更することができる。
【0035】
同様に、この例では、第2棚受部16は、第3棚受具16aと、第4棚受具16bとを含む。第3棚受具16aおよび第4棚受具16bは、前後方向(第1棚受部15および第2棚受部16の対向方向と直交し且つ水平方向に沿う方向)に並び、第2延出部52を支持する。
【0036】
具体的には、第2側板12の内面には、第3棚柱12aと、第4棚柱12bとが設けられる。第3棚柱12aおよび第4棚柱12bは、前後方向に並んで配置され、上下方向に延びる。第3棚柱12aは、第2側板12の前端部に沿うように上下方向に延び、第4棚柱12bは、第2側板12の後端部に沿うように上下方向に延びる。
【0037】
そして、第3棚受具16aは、第3棚柱12aに着脱可能に取り付けられる。第4棚受具16bは、第4棚柱12bに着脱可能に取り付けられる。第3棚受具16aおよび第4棚受具16bの取り付け位置を変更することにより、第3棚受具16aおよび第4棚受具16bの高さ位置(すなわち第2棚受部16の高さ位置)を変更することができる。
【0038】
また、第1側板11の下端部には、第1側板11を支持する第1アジャスタ11cが設けられる。第2側板12の下端部には、第2側板12を支持する第2アジャスタ12cが設けられる。第1アジャスタ11cおよび第2アジャスタ12cは、上下方向の長さを調整可能である。
【0039】
〔天板〕
天板13は、第1側板11の上端部と第2側板12の上端部との間に掛け渡される。天板13は、左右方向に延びる矩形板状に形成され、その厚み方向が上下方向を向くように配置される。
【0040】
〔棚板〕
棚板20は、第1側板11の下端部と第2側板12の下端部との間に掛け渡される。棚板20は、第1棚受部15および第2棚受部16に支持される。第1棚受部15および第2棚受部16の高さ位置を変更することにより、棚板20の高さ位置を変更することができる。この例では、棚板20は、収納ユニット10の最下段の棚板であり、玄関床から離れた状態で支持される。
【0041】
〔収納空間〕
以上のような構成により、収納ユニット10内には、第1側板11と第2側板12と玄関壁とに囲まれた収納空間が形成される。この収納空間は、水平方向において互いに対向する第1および第2側面と背面とに囲まれた収納空間の一例である。第1側板11の内面は、収納空間に面する第1側面の一例である。第2側板12の内面は、収納空間に面する第2側面の一例である。玄関壁の壁面は、収納空間に面する背面の一例である。
【0042】
〔収納構造〕
収納ユニット10内の収納空間には、収納構造が設けられる。この収納構造は、第1棚受部15と、第2棚受部16と、棚板20とを備える。この例では、収納構造は、第1棚受部15と第2棚受部16と棚板20とに加えて、第1側板11の内面に設けられて第1棚受部15が着脱可能に取り付けられる棚柱(具体的には第1棚柱11aおよび第2棚柱11b)と、第2側板12の内面に設けられて第2棚受部16が着脱可能に取り付けられる棚柱(具体的には第3棚柱12aおよび第4棚柱12b)とを備える。
【0043】
〔棚板の詳細〕
次に、図3図6を参照して、棚板20の構成について説明する。図5は、図1のV-V断面線における断面図に対応する。図6は、図2のVI-VI線における断面図に対応する。なお、図3および図6では、後述する第1隆起部71および第2隆起部72の図示を省略している。また、以下では、棚板20が第1棚受部15および第2棚受部16に支持されることで棚板20が設置されている場合(状態)を「設置時」と記載する。
【0044】
棚板20は、棚面部30と、4つの側壁部41~44と、4つの延出部51~54とを備える。この例では、棚板20を構成する棚面部30と4つの側壁部41~44と4つの延出部51~54は、金属製である。すなわち、棚板20は、金属製である。このような金属の例としては、アルミニウム、スチール、ステンレスなどが挙げられる。
【0045】
〈棚面部〉
棚面部30は、矩形板状に形成される。棚面部30の長手方向は、設置時に左右方向となる方向であり、棚面部30の短手方向は、設置時に前後方向となる方向である。棚面部30の厚み方向は、設置時に上下方向となる方向である。
【0046】
また、棚面部30には、棚面部30の厚み方向に貫通する複数の貫通孔31が設けられる。例えば、貫通孔31は、パンチング加工により形成される。この例では、棚面部30には、貫通孔31が形成される形成領域と、貫通孔31が形成されない非形成領域とが設けられる。具体的には、非形成領域は、棚面部30の4つの辺に沿う領域と、棚面部30の長手方向に延びる中心線に沿う領域と、棚面部30の短手方向に延びる中心線に沿う領域に設けられる。言い換えると、平面視(棚面部30の厚み方向に視た場合)において、「棚面部30の周縁領域」と「棚面部30の中心において交差する略十字状の領域」とが非形成領域となる。形成領域は、棚面部30の全領域のうち非形成領域を除く残りの領域に設けられる。貫通孔31は、形成領域において行列状(千鳥状)に配置される。このように、棚面部30に非形成領域を設けることにより、貫通孔31の形成に起因する棚面部30の強度の低下を抑制することができる。
【0047】
〈側壁部〉
4つの側壁部41~44は、棚面部30の4つの辺部から棚面部30に対して垂直な方向(設置時に上下方向となる方向)に延びる。4つの側壁部41~44は、互いに対向する第1側壁部41および第2側壁部42と、第1側壁部41および第2側壁部42の対向方向と直交する方向において互いに対向する第3側壁部43および第4側壁部44とにより構成される。
【0048】
この例では、4つの側壁部41~44の各々は、矩形板状に形成される。第1側壁部41および第2側壁部42は、棚面部30の長手方向(設置時に左右方向となる方向)において間隔を空けて互いに対向し、それぞれの厚み方向が第1側壁部41および第2側壁部42の対向方向に沿うように配置される。第3側壁部43および第4側壁部44は、棚面部30の短手方向(設置時において前後方向となる方向)において間隔を空けて互いに対向し、それぞれの厚み方向が第3側壁部43および第4側壁部44の対向方向に沿うように配置される。
【0049】
〈延出部〉
4つの延出部51~54は、4つの側壁部41~44の先端部から内側に延びる。4つの延出部51~54の各々は、棚面部30に対して垂直な方向において棚面部30と間隔を空けて対向する。4つの延出部51~54は、互いに対向する第1延出部51および第2延出部52と、第1延出部51および第2延出部52の対向方向と直交する方向において互いに対向する第3延出部53および第4延出部54とにより構成される。
【0050】
この例では、4つの延出部51~54の各々は、矩形板状に形成され、その厚み方向が棚面部30に対して垂直な方向に沿うように配置される。第1延出部51および第2延出部52は、棚面部30の長手方向(設置時に左右方向となる方向)において間隔を空けて互いに対向する。第3延出部53および第4延出部54は、棚面部30の短手方向(設置時に前後方向となる方向)において間隔を空けて互いに対向する。
【0051】
図4に示すように、第1延出部51および第2延出部52の延出方向は、設置時に左右方向となる方向であり、第1延出部51および第2延出部52の延出方向の幅方向(延出方向と直交する方向)は、設置時に前後方向となる方向である。第3延出部53および第4延出部54の延出方向は、設置時に前後方向となる方向であり、第3延出部53および第4延出部54の幅方向は、設置時に左右方向となる方向である。
【0052】
第1延出部51は、第1棚受部15に支持される。具体的には、第1延出部51は、第1棚受部15の棚受面に載置されることで、第1棚受部15に支持される。
【0053】
第2延出部52は、第2棚受部16に支持される。具体的には、第2延出部52は、第2棚受部16の棚受面に載置されることで、第2棚受部16に支持される。
【0054】
第3延出部53の幅方向(設置時に前後方向となる方向)における両端部は、第1延出部51および第2延出部52の幅方向(設置時に左右方向となる方向)における一端部の外面に重なる。この例では、第3延出部53の幅方向における両端部は、第1延出部51および第2延出部52の幅方向における一端部の外面に固定(例えばビス止め)される。
【0055】
なお、第3延出部53の外面は、第3延出部53の棚面部30から遠い側の面である。第1延出部51の端部の外面に第3延出部53の端部が重なることにより、段差部が形成される。これと同様に、第2延出部52の端部の外面に第3延出部53の端部が重なることにより、段差部が形成される。
【0056】
第4延出部54の幅方向(設置時に前後方向となる方向)における両端部は、第1延出部51および第2延出部52の幅方向(設置時に左右方向となる方向)における他端部の外面に重なる。この例では、第4延出部54の幅方向における両端部は、第1延出部51および第2延出部52の幅方向における他端部の外面に固定(例えばビス止め)される。
【0057】
なお、第4延出部54の外面は、第4延出部54の棚面部30から遠い側の面である。第1延出部51の端部の外面に第4延出部54の端部が重なることにより、段差部が形成される。これと同様に、第2延出部52の端部の外面に第4延出部54の端部が重なることにより、段差部が形成される。
【0058】
また、第1延出部51において、第1棚受部15に支持される部分は、第3延出部53と重なる部分(第1延出部51の外面に第3延出部53の端部が重なる部分)と第4延出部54と重なる部分(第1延出部51の外面に第4延出部54の端部が重なる部分)との間に位置する。
【0059】
なお、この例では、第1延出部51は、第1棚受具15aおよび第2棚受具15bに支持される。第1棚受具15aおよび第2棚受具15bの各々は、第1延出部51が載置される棚受面を有し、その棚受面が上方を向くように配置される。例えば、第1棚受具15aおよび第2棚受具15bの各々は、金属製のL字状の部材である。なお、第1棚受具15aおよび第2棚受具15bの各々は、樹脂製であってもよい。
【0060】
図4に示すように、第1延出部51において、第1棚受具15aに支持される部分は、第1延出部51の幅方向における一端部(設置時に前端部となる端部)寄りに位置し、第2棚受具15bに支持される部分は、第1延出部51の幅方向における他端部(設置時に後端部となる端部)寄りに位置する。
【0061】
また、第2延出部52において、第2棚受部16に支持される部分は、第3延出部53と重なる部分(第2延出部52の外面に第3延出部53の端部が重なる部分)と第4延出部54と重なる部分(第2延出部52の外面に第4延出部54の端部が重なる部分)との間に位置する。
【0062】
なお、この例では、第2延出部52は、第3棚受具16aおよび第4棚受具16bに支持される。第3棚受具16aおよび第4棚受具16bの各々は、第2延出部52が載置される棚受面を有し、その棚受面が上方を向くように配置される。例えば、第3棚受具16aおよび第4棚受具16bの各々は、金属製のL字状の部材である。
【0063】
図4に示すように、第2延出部52において、第3棚受具16aに支持される部分は、第2延出部52の幅方向における一端部(設置時に前端部となる端部)寄りに位置し、第4棚受具16bに支持される部分は、第2延出部52の幅方向における他端部(設置時に後端部となる端部)寄りに位置する。
【0064】
〔棚板のずれ低減〕
後方に棚板20がずれようとした場合、第1延出部51を支持する第1棚受具15aが「第1延出部51の幅方向における一端部(設置時に前端部となる端部)の外面に重なる第3延出部53の端部」と接触し、棚板20の移動が阻害される。これと同様に、後方に棚板20がずれようとした場合、第2延出部52を支持する第3棚受具16aが「第2延出部52の幅方向における一端部(設置時に前端部となる端部)の外面に重なる第3延出部53の端部」と接触し、棚板20の移動が阻害される。これにより、棚板20のずれが低減される。
【0065】
前方に棚板20がずれようとした場合、第1延出部51を支持する第2棚受具15bが「第1延出部51の幅方向における他端部(設置時に後端部となる端部)の外面に重なる第4延出部54の端部」と接触し、棚板20の移動が阻害される。これと同様に、前方に棚板20がずれようとした場合、第2延出部52を支持する第4棚受具16bが「第2延出部52の幅方向における他端部(設置時に後端部となる端部)の外面に重なる第4延出部54の端部」と接触し、棚板20の移動が阻害される。これにより、棚板20のずれが低減される。
【0066】
〔棚板の製造〕
この例では、棚板20を構成する棚面部30と4つの側壁部41~44と4つの延出部51~54は、1枚の板部材により構成される。すなわち、棚板20は、1つの板部材により構成される。
【0067】
具体的には、棚板20を構成する板部材は、矩形板状の平面部60と、平面部60の4つの辺部から延びる4つの側面部61~64とを有する。4つの側面部61~64の各々は、矩形板状に形成される。4つの側面部61~64は、平面部60の長手方向において平面部60を挟んで互いに対向する第1側面部61および第2側面部62と、平面部60の短手方向(第1側面部61および第2側面部62の対向方向と直交する方向)において平面部60を挟んで互いに対向する第3側面部63および第4側面部64とにより構成される。
【0068】
そして、上記の板部材を次のように加工することで、棚板20が製造される。なお、加工前の板部材において、4つの側面部61~64は、平面部60と面一な状態であり、4つの側面部61~64の厚み方向は、平面部60の厚み方向と同方向である。
【0069】
まず、板部材の4つの側面部61~64を、平面部60の4つの辺部から平面部60に対して垂直な方向に折り曲げる。これにより、4つの側面部61~64は、平面部60と面一な状態から平面部60に対して起立した状態となる。
【0070】
次に、平面部60に対して起立した状態の4つの側面部61~64のうち第1側面部61および第2側面部62の各々の先端部を内側に折り曲げる。具体的には、互いに対向する第1側面部61および第2側面部62の先端部を互いに近づく方向に折り曲げる。
【0071】
次に、平面部60に対して起立した状態の4つの側面部61~64のうち第3側面部63および第4側面部64の各々の先端部を内側に折り曲げる。具体的には、互いに対向する第3側面部63および第4側面部64の先端部を互いに近づく方向に折り曲げる。これにより、第3側面部63および第4側面部64の各々の先端部の一部が第1側面部61および第2側面部62の各々の先端部の一部の外面に重なる。
【0072】
以上の工程を経て、4つの側面部61~64は、平面部60の4つの辺部から平面部60に対して垂直な方向に折れ曲がり、先端部が内側に折れ曲がる。このようにして、棚板20の4つの側壁部41~44と4つの延出部51~54が形成され、棚板20が製造される。
【0073】
具体的には、板部材の平面部60は、棚板20の棚面部30を構成する。板部材の4つの側面部61~64の「内側に折れ曲がる先端部」は、棚板20の4つの延出部51~54を構成する。板部材の4つの側面部61~64の先端部を除く「平面部60に対して垂直な方向に折れ曲がる部分」は、棚板20の4つの側壁部41~44を構成する。
【0074】
〈隆起部〉
また、図4および図5に示すように、第1延出部51には、第1隆起部71が設けられる。第2延出部52には、第2隆起部72が設けられる。
【0075】
第1延出部51において、第1棚受具15aに支持される部分は、第3延出部53と重なる部分と第1隆起部71との間に位置し、第2棚受具15bに支持される部分は、第1隆起部71と第4延出部54と重なる部分との間に位置する。
【0076】
第2延出部52において、第3棚受具16aに支持される部分は、第3延出部53と重なる部分と第2隆起部72との間に位置し、第4棚受具16bに支持される部分は、第2隆起部72と第4延出部54と重なる部分との間に位置する。
【0077】
なお、この例では、第1隆起部71は、第1隆起部材71aと、第2隆起部材71bとを含む。図4に示すように、第1隆起部材71aは、第1延出部51の幅方向における一端部(設置時に前端部となる端部)寄りに配置され、第2隆起部材71bは、第1延出部51の幅方向における他端部(設置時に後端部となる端部)寄りに配置される。第1延出部51において、第1棚受具15aに支持される部分は、第3延出部53と重なる部分と第1隆起部材71aとの間に位置し、第2棚受具15bに支持される部分は、第2隆起部材71bと第4延出部54と重なる部分との間に位置する。例えば、第1隆起部材71aおよび第2隆起部材71bは、金属製の矩形板状の部材であり、第1延出部51の外面に固定(例えばビス止め)される。
【0078】
同様に、この例では、第2隆起部72は、第3隆起部材72aと、第4隆起部材72bとを含む。図4に示すように、第3隆起部材72aは、第2延出部52の幅方向における一端部(設置時に前端部となる端部)寄りに配置され、第4隆起部材72bは、第2延出部52の幅方向における他端部(設置時に後端部となる端部)寄りに配置される。第2延出部52において、第3棚受具16aに支持される部分は、第3延出部53と重なる部分と第3隆起部材72aとの間に位置し、第4棚受具16bに支持される部分は、第4隆起部材72bと第4延出部54と重なる部分との間に位置する。例えば、第3隆起部材72aおよび第4隆起部材72bは、金属製の矩形板状の部材であり、第2延出部52の外面に固定(例えばビス止め)される。
【0079】
なお、第1隆起部材71aは、樹脂製であってもよい。また、第1隆起部材71aを第1延出部51の外面に固定する手段は、接着剤による固定であってもよいし、両面テープによる固定であってもよいし、嵌合であってもよい。嵌合は、第1延出部51の外面および第1隆起部材71aの一方に設けられた被嵌合部(例えば孔または凹部)に、第1延出部51の外面および第1隆起部材71aの他方に設けられた嵌合部(例えば突起部)を嵌め込むという手段である。第2隆起部材71b、第3隆起部材72a、第4隆起部材72bについても、第1隆起部材71aと同様である。
【0080】
〔隆起部による棚板のずれ低減〕
前方に棚板20がずれようとした場合に、第1延出部51を支持する第1棚受具15aが「第1延出部51に設けられた第1隆起部材71a」に接触すると、棚板20の移動が阻害される。これと同様に、前方に棚板20がずれようとした場合に、第2延出部52を支持する第3棚受具16aが「第2延出部52に設けられた第3隆起部材72a」に接触すると、棚板20の移動が阻害される。これにより、棚板20のずれが低減される。
【0081】
後方に棚板20がずれようとした場合に、第1延出部51を支持する第2棚受具15bが「第1延出部51に設けられた第2隆起部材71b」に接触すると、棚板20の移動が阻害される。これと同様に、後方に棚板20がずれようとした場合に、第2延出部52を支持する第4棚受具16bが「第2延出部52に設けられた第4隆起部材72b」に接触すると、棚板20の移動が阻害される。これにより、棚板20のずれが低減される。
【0082】
〔実施形態の効果〕
以上のように、実施形態では、棚板20は、矩形板状の棚面部30と、棚面部30の4つの辺部から棚面部30に対して垂直な方向に延びる4つの側壁部41~44と、4つの側壁部41~44の先端部から内側に延びる4つの延出部51~54とを備える。
【0083】
上記の構成により、棚板20の4辺の各々の断面(辺と交差する断面)の形状をコの字状にすることができる。これにより、棚板20の撓みに対する強度を向上させることができる。
【0084】
また、実施形態では、第1延出部51は、第1棚受部15に支持される。第2延出部52は、第2棚受部16に支持される。
【0085】
上記の構成により、第1および第2棚受部と接触する部分の面積(支持面積)の確保を容易にすることができる。これにより、棚板の支持の安定性を向上させることができる。
【0086】
また、実施形態では、第3延出部53は、延出方向と直交する幅方向における両端部が第1延出部51および第2延出部52の延出方向と直交する幅方向における一端部の外面に重なる。第4延出部54は、延出方向と直交する幅方向における両端部が第1延出部51および第2延出部52の延出方向と直交する幅方向における他端部の外面に重なる。
【0087】
そして、第1延出部51において、第1棚受部15に支持される部分は、第3延出部53と重なる部分(第1延出部51の外面に第3延出部53の端部が重なる部分)と第4延出部54と重なる部分(第1延出部51の外面に第4延出部54の端部が重なる部分)との間に位置する。第2延出部52において、第2棚受部16に支持される部分は、第3延出部53と重なる部分(第2延出部52の外面に第3延出部53の端部が重なる部分)と第4延出部54と重なる部分(第2延出部52の外面に第4延出部54の端部が重なる部分)との間に位置する。
【0088】
上記の構成により、前後方向に棚板20がずれようとした場合に、第1延出部51を支持する第1棚受部15が「第1延出部51の外面に重なる第3延出部53の端部(または第4延出部54の端部)」と接触し、第2延出部52を支持する第2棚受部16が「第2延出部52の外面に重なる第3延出部53の端部(または第4延出部54の端部)」と接触し、その結果、棚板20の移動が阻害される。これにより、棚板20のずれを低減することができる。
【0089】
また、実施形態では、棚面部30と4つの側壁部41~44と4つの延出部51~54は、1枚の板部材により構成される。
【0090】
上記の構成では、棚板20を1枚の板部材により構成することができる。これにより、棚板20を低コストで簡単に製造することができる。
【0091】
また、実施形態では、棚面部30と4つの側壁部41~44と4つの延出部51~54は、金属製である。
【0092】
上記の構成では、棚板20を金属製にすることができる。これにより、棚板20の撓みに対する強度の確保を容易にすることができる。また、棚板20を金属製にすることにより、棚板20が木製である場合よりも、棚板20の浸透性(水などの液体の浸透しやすさ)を低くすることができる。これにより、水などの液体の浸透による棚板20の腐朽を抑制することができるので、水に濡れた収納物(例えば靴や傘やアウトドア用品など)をそのまま棚板20に載置することができる。
【0093】
また、実施形態では、棚面部30には、棚面部30の厚み方向に貫通する複数の貫通孔31が設けられる。
【0094】
上記の構成により、通気性および通水性を向上させることができる。これにより、棚板20の水はけを良くすることができるので、水に濡れた収納物(例えば靴や傘やアウトドア用品など)をそのまま棚板20に載置することができる。
【0095】
また、実施形態では、第1延出部51には、第1隆起部71が設けられ、第2延出部52には、第2隆起部72が設けられる。第1棚受部15は、前後方向に並び第1延出部51を支持する第1棚受具15aおよび第2棚受具15bを含み、第2棚受部16は、前後方向に並び第2延出部52を支持する第3棚受具16aおよび第4棚受具16bを含む。
【0096】
そして、第1延出部51において、第1棚受具15aに支持される部分は、第3延出部53と重なる部分と第1隆起部71との間に位置し、第2棚受具15bに支持される部分は、第1隆起部71と第4延出部54と重なる部分との間に位置する。第2延出部52において、第3棚受具16aに支持される部分は、第3延出部53と重なる部分と第2隆起部72との間に位置し、第4棚受具16bに支持される部分は、第2隆起部72と第4延出部54と重なる部分との間に位置する。
【0097】
上記の構成では、前後方向に棚板20がずれようとした場合に、第1延出部51を支持する第1棚受具15aまたは第2棚受具15bが「第1延出部51に設けられた第1隆起部71」に接触すると、棚板20の移動が阻害される。これと同様に、前後方向に棚板20がずれようとした場合に、第2延出部52を支持する第3棚受具16aまたは第4棚受具16bが「第2延出部52に設けられた第2隆起部72」に接触すると、棚板20の移動が阻害される。これにより、棚板20のずれを低減することができる。
【0098】
(実施形態の変形例)
図6および図7は、実施形態の変形例の収納ユニット10の構成を例示する。図6および図7に示すように、第1延出部51に第1滑止部81が設けられてもよい。第2延出部52に第2滑止部82が設けられてもよい。なお、実施形態の変形例の棚板20のその他の構成は、実施形態の棚板20の構成と同様である。
【0099】
第1滑止部81は、第1延出部51において第1棚受部15(具体的には第1棚受具15aおよび第2棚受具15b)に支持される部分に設けられる。例えば、第1滑止部81は、第1延出部51の外面に固定されたゴム製のシート部材である。なお、第1滑止部81の厚みは、第3延出部53および第4延出部54の各々の厚みよりも薄い。
【0100】
第2滑止部82は、第2延出部52において第2棚受部16(具体的には第3棚受具16aおよび第4棚受具16b)に支持される部分に設けられる。例えば、第2滑止部82は、第2延出部52の外面に固定されたゴム製のシート部材である。なお、第2滑止部82の厚みは、第3延出部53および第4延出部54の各々の厚みよりも薄い。
【0101】
〔実施形態の変形例の効果〕
以上のように、実施形態の変形例では、第1滑止部81は、第1延出部51において第1棚受部15に支持される部分に設けられる。第2滑止部82は、第2延出部52において第2棚受部16に支持される部分に設けられる。
【0102】
上記の構成では、第1滑止部81は、第1延出部51と第1棚受部15との間に配置さる。第2滑止部82は、第2延出部52と第2棚受部16との間に配置される。このような構成により、棚板20の水平方向の移動を阻害することができる。これにより、棚板20のずれを低減することができる。
【0103】
(その他の実施形態)
なお、以上の説明では、棚板20(具体的には棚面部30と4つの側壁部41~44と4つの延出部51~54)が金属製である場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、棚板20は、樹脂製であってもよいし、その他の材料で構成されてもよい。
【0104】
また、以上の説明では、棚板20の棚面部30に非形成領域(貫通孔31が形成されない領域)が設けられる場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、棚板20の棚面部30に非形成領域が設けられなくてもよい。言い換えると、棚板20の棚面部30の全領域に貫通孔31が形成されてもよい。
【0105】
また、以上の説明では、収納ユニット10の第1側板11および第2側板12に第1棚受部15および第2棚受部16が設けられる場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、第1棚受部15および第2棚受部16は、玄関壁などの他の構造体に設けられてもよい。
【0106】
また、以上の説明では、収納ユニット10が住宅の玄関スペースに設けられる場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、収納ユニット10は、住宅の居室、その他の場所に設けられてもよい。
【0107】
また、以上の説明では、棚板20が収納ユニット10の最下段の棚板である場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、棚板20は、収納ユニット10の天板であってもよいし、収納ユニット10の最下段ではない他の段の棚板であってもよい。言い換えると、棚板20の構造は、収納ユニット10の天板13に適用されてもよいし、収納ユニット10の最下段ではない他の段の棚板に適用されてもよい。
【0108】
また、以上の説明では、棚板20を備える収納構造が設けられる収納空間の例として収納ユニット10内の収納空間を例に挙げたが、これに限定されない。収納構造は、収納ユニット10内の収納空間ではない他の収納空間に設けられてもよい。
【0109】
また、以上の実施形態を適宜組み合わせて実施してもよい。以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、この発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0110】
以上説明したように、本発明は、棚板および収納ユニットとして有用である。
【符号の説明】
【0111】
10 収納ユニット
11 第1側板
12 第2側板
13 天板
15 第1棚受部
15a 第1棚受具
15b 第2棚受具
16 第2棚受部
16a 第3棚受具
16b 第4棚受具
20 棚板
30 棚面部
31 貫通孔
41 第1側壁部
42 第2側壁部
43 第3側壁部
44 第4側壁部
51 第1延出部
52 第2延出部
53 第3延出部
54 第4延出部
60 平面部
61 第1側面部
62 第2側面部
63 第3側面部
64 第4側面部
71 第1隆起部
72 第2隆起部
81 第1滑止部
82 第2滑止部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-05-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向において間隔を空けて互いに対向する第1および第2棚受部に支持される棚板であって、
矩形板状の棚面部と、
前記棚面部の4つの辺部から前記棚面部に対して垂直な方向に延びる4つの側壁部と、
前記4つの側壁部の先端部から内側に延びる4つの延出部とを備え、
前記4つの延出部は、互いに対向する第1および第2延出部と、前記第1および第2延出部の対向方向と直交する方向において互いに対向する第3および第4延出部とにより構成され、
前記第1延出部は、前記第1棚受部に支持され、
前記第2延出部は、前記第2棚受部に支持され
前記第3延出部は、延出方向と直交する幅方向における両端部が前記第1および第2延出部の延出方向と直交する幅方向における一端部の外面に重なり、
前記第4延出部は、延出方向と直交する幅方向における両端部が前記第1および第2延出部の延出方向と直交する幅方向における他端部の外面に重なり、
前記第1延出部において、前記第1棚受部に支持される部分は、前記第3延出部と重なる部分と前記第4延出部と重なる部分との間に位置し、
前記第2延出部において、前記第2棚受部に支持される部分は、前記第3延出部と重なる部分と前記第4延出部と重なる部分との間に位置する
ことを特徴とする棚板。
【請求項2】
請求項1の棚板において、
前記第1延出部に設けられる第1隆起部と、
前記第2延出部に設けられる第2隆起部とを備え、
前記第1棚受部は、前記第1および第2棚受部の対向方向と直交し且つ水平方向に沿う方向に並び、前記第1延出部を支持する第1および第2棚受具を含み、
前記第2棚受部は、前記第1および第2棚受部の対向方向と直交し且つ水平方向に沿う方向に並び、前記第2延出部を支持する第3および第4棚受具を含み、
前記第1延出部において、前記第1棚受具に支持される部分は、前記第3延出部と重なる部分と前記第1隆起部との間に位置し、前記第2棚受具に支持される部分は、前記第1隆起部と前記第4延出部と重なる部分との間に位置し、
前記第2延出部において、前記第3棚受具に支持される部分は、前記第3延出部と重なる部分と前記第2隆起部との間に位置し、前記第4棚受具に支持される部分は、前記第2隆起部と前記第4延出部と重なる部分との間に位置する
ことを特徴とする棚板。
【請求項3】
請求項1または2の棚板において、
前記棚面部と前記4つの側壁部と前記4つの延出部は、1枚の板部材により構成される
ことを特徴とする棚板。
【請求項4】
請求項1~のいずれか1つの棚板において、
前記棚面部と前記4つの側壁部と前記4つの延出部は、金属製である
ことを特徴とする棚板。
【請求項5】
請求項1~のいずれか1つの棚板において、
前記棚面部には、前記棚面部の厚み方向に貫通する複数の貫通孔が設けられる
ことを特徴とする棚板。
【請求項6】
請求項1~のいずれか1つの棚板において、
前記第1延出部において前記第1棚受部に支持される部分に設けられる第1滑止部と、
前記第2延出部において前記第2棚受部に支持される部分に設けられる第2滑止部とを備える
ことを特徴とする棚板。
【請求項7】
水平方向において互いに対向する第1および第2側面と背面とに囲まれた収納空間内に設けられる収納構造であって、
前記第1側面に設けられる第1棚受部と、
前記第2側面に設けられる第2棚受部と、
前記第1および第2棚受部に支持される棚板とを備え、
前記棚板は、請求項1~のいずれか1つの棚板である
ことを特徴とする収納構造。