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特開2023-111170管理システム、管理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111170
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】管理システム、管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B65B 57/02 20060101AFI20230803BHJP
   B65B 3/04 20060101ALI20230803BHJP
【FI】
B65B57/02 D
B65B3/04
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022012872
(22)【出願日】2022-01-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】遠山 健司
(72)【発明者】
【氏名】北松 宗親
(72)【発明者】
【氏名】山口 智弘
【テーマコード(参考)】
3E118
【Fターム(参考)】
3E118AA07
3E118AB01
3E118BA10
3E118DA01
3E118EA01
3E118EA07
(57)【要約】
【課題】既存設備や既存容器へ容易に適用することが可能な管理システム、管理方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】充填機にて内容物が充填された後で接合して閉口される充填口を有する包装容器の前記充填口が前記内容物を充填されてから閉口されるまでの間に、前記包装容器の内側にある接合対象面を撮像可能に設けられた撮像装置によって撮像された、接合前の撮像画像を取得する取得部と、前記接合前の撮像画像に基づき、前記接合対象面へ付着した前記内容物によって前記接合対象面に接合不良が発生するか否かを解析する解析部と、解析結果の出力を制御する出力制御部と、を備える管理システム。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填機にて内容物が充填された後で接合して閉口される充填口を有する包装容器の前記充填口が前記内容物を充填されてから閉口されるまでの間に、前記包装容器の内側にある接合対象面を撮像可能に設けられた撮像装置によって撮像された、接合前の撮像画像を取得する取得部と、
前記接合前の撮像画像に基づき、前記接合対象面へ付着した前記内容物によって前記接合対象面に接合不良が発生するか否かを解析する解析部と、
解析結果の出力を制御する出力制御部と、
を備える管理システム。
【請求項2】
前記解析部は、前記接合前の撮像画像から前記接合対象面に付着した前記内容物を検出し、検出した前記内容物の付着状態と前記接合不良の発生との相関関係を示す相関情報に基づき、前記接合対象面に前記接合不良が発生するか否かを判定する、
請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記相関情報は、前記接合対象面に付着した前記内容物の数、大きさ、又は位置の少なくともいずれか1つを示す前記付着状態と前記接合不良の発生との相関関係を示す、
請求項2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記充填口を接合するために前記接合対象面に熱を加えることで前記接合対象面に生じたひずみの様子を示すひずみ画像を記憶する記憶部、
をさらに備え、
前記解析部は、前記ひずみ画像に基づき、前記接合前の撮像画像が示す前記接合対象面に生じている前記ひずみが前記接合対象面へ付着した前記内容物ではないと判定する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項5】
前記出力制御部から出力される前記解析結果に基づき、前記充填機の動作を制御する製造制御部、
をさらに備える請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項6】
前記製造制御部は、前記解析部によって前記接合対象面に前記接合不良が発生すると判定された場合、前記包装容器へ充填される前記内容物の充填流量又は搬送されている前記包装容器の搬送速度の少なくともいずれか一方を調整する、
請求項5に記載の管理システム。
【請求項7】
前記充填機の動作の制御後に前記撮像装置によって撮像された前記接合前の撮像画像と、前記接合前の撮像画像に基づく前記解析結果とに基づき、フィードバック情報を生成するフィードバック部、
をさらに備え、
前記製造制御部は、前記フィードバック情報に基づき、前記充填機の動作を制御する、
請求項5又は請求項6に記載の管理システム。
【請求項8】
前記取得部は、接合された前記充填口が前記撮像装置によって撮像された接合後の撮像画像を取得し、
前記解析部は、前記接合後の撮像画像に基づき、前記接合対象面の接合にズレが発生したか否かを解析する、
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項9】
前記撮像装置は、前記充填機において前記接合対象面の接合を行う接合装置に対して少なくとも2つ設けられ、
前記取得部は、少なくとも2つの前記撮像装置から前記撮像画像を取得する、
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項10】
前記撮像装置は、前記接合装置に対して設けられた照明装置によって照らされた状態の前記接合対象面を撮像する、
請求項9に記載の管理システム。
【請求項11】
取得部が、充填機にて内容物が充填された後で接合して閉口される充填口を有する包装容器の前記充填口が前記内容物を充填されてから閉口されるまでの間に、前記包装容器の内側にある接合対象面を撮像可能に設けられた撮像装置によって撮像された、接合前の撮像画像を取得する取得過程と、
前記接合前の撮像画像に基づき、前記接合対象面へ付着した前記内容物によって前記接合対象面に接合不良が発生するか否かを解析する解析過程と、
解析結果の出力を制御する出力制御過程と、
を含む管理方法。
【請求項12】
コンピュータを、
充填機にて内容物が充填された後で接合して閉口される充填口を有する包装容器の前記充填口が前記内容物を充填されてから閉口されるまでの間に、前記包装容器の内側にある接合対象面を撮像可能に設けられた撮像装置によって撮像された、接合前の撮像画像を取得する取得手段と、
前記接合前の撮像画像に基づき、前記接合対象面へ付着した前記内容物によって前記接合対象面に接合不良が発生するか否かを解析する解析手段と、
解析結果の出力を制御する出力制御手段と、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理システム、管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、包装容器において充填口から内容物を充填した際に、充填口の接合部に内容物が付着することによる接合不良を解消するための技術が各種提案されている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、液状の内容物が包装容器の充填口のシール部に付着することを防止することが可能な技術が開示されている。また、下記特許文献2には、液体を充填する際や容器を密閉する際に、充填口であるトップシール部のシーラントに内容物の液体が付着することを防止するために、ヒートシールに支障をきたすことのない撥水シーラントを用いる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-262463号公報
【特許文献2】特開2016-179841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の技術を用いる場合、充填機の大がかりな改良が必要であった。上記特許文献2の技術を用いる場合、シール部の組成を変更する必要があった。このように、いずれの技術も既存設備や既存容器への適用が困難であった。
【0006】
上述の課題を鑑み、本発明の目的は、既存設備や既存容器への適用が容易で、包装容器の接合不良を解消することが可能な管理システム、管理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る管理システムは、充填機にて内容物が充填された後で接合して閉口される充填口を有する包装容器の前記充填口が前記内容物を充填されてから閉口されるまでの間に、前記包装容器の内側にある接合対象面を撮像可能に設けられた撮像装置によって撮像された、接合前の撮像画像を取得する取得部と、前記接合前の撮像画像に基づき、前記接合対象面へ付着した前記内容物によって前記接合対象面に接合不良が発生するか否かを解析する解析部と、解析結果の出力を制御する出力制御部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る管理方法は、取得部が、充填機にて内容物が充填された後で接合して閉口される充填口を有する包装容器の前記充填口が前記内容物を充填されてから閉口されるまでの間に、前記包装容器の内側にある接合対象面を撮像可能に設けられた撮像装置によって撮像された、接合前の撮像画像を取得する取得過程と、前記接合前の撮像画像に基づき、前記接合対象面へ付着した前記内容物によって前記接合対象面に接合不良が発生するか否かを解析する解析過程と、解析結果の出力を制御する出力制御過程と、を含む。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、充填機にて内容物が充填された後で接合して閉口される充填口を有する包装容器の前記充填口が前記内容物を充填されてから閉口されるまでの間に、前記包装容器の内側にある接合対象面を撮像可能に設けられた撮像装置によって撮像された、接合前の撮像画像を取得する取得手段と、前記接合前の撮像画像に基づき、前記接合対象面へ付着した前記内容物によって前記接合対象面に接合不良が発生するか否かを解析する解析手段と、解析結果の出力を制御する出力制御手段と、として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、既存設備や既存容器への適用が容易で、包装容器の接合不良を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施形態に係る管理システムの構成の一例を示す図である。
図2】第1の実施形態に係るゲーベルトップ型の包装容器の一例を示す図である。
図3】第1の実施形態に係るトップシール装置の構成の一例を示す図である。
図4】第1の実施形態に係る接合前の撮像画像の一例を示す図である。
図5】第1の実施形態に係る管理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図6】第1の実施形態に係るひずみ画像の一例を示す図である。
図7】第1の実施形態に係る処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8】第2の実施形態に係る管理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図9】第2の実施形態に係る処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
【0013】
<<1.第1の実施形態>>
図1から図7を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0014】
<1-1.管理システムの構成>
図1から図4を参照して、本実施形態に係る管理システム1の構成について説明する。図1は、第1の実施形態に係る管理システム1の構成の一例を示す図である。
図1に示すように、管理システム1は、充填機10と、管理装置20とを備える。充填機10と管理装置20は、ネットワークNWを介して、通信可能に接続されている。
【0015】
(1)管理システム1
管理システム1は、包装容器へ内容物を充填する工程(以下、「充填工程」とも称される)の管理を行うためのシステムである。ユーザは、管理システム1によって、充填工程にて内容物が充填された包装容器における内容物の漏れの発生について管理することができる。
第1の実施形態に係る包装容器は、内容物が充填された後で接合することで閉口される充填口を有する紙容器である。包装容器には、例えば、ゲーベルトップ型、ブリックパック(登録商標)型、四面体型などの種類がある。また、包装容器には、注出用の口栓が設けられていないシール剥離開封方式の容器と、プラスチック製の注出用の口栓が設けられた口栓開封方式の容器とがある。
以下、第1の実施形態では、包装容器がゲーベルトップ型で口栓開封方式の包装容器である例について説明するが、かかる例に限定されない。
内容物は、例えば、液体、個体、粉体などである。以下、第1の実施形態では、内容物が液体である例について説明するが、かかる例に限定されない。
【0016】
ここで、図2を参照して、第1の実施形態に係る包装容器について説明する。図2は、第1の実施形態に係るゲーベルトップ型の包装容器30の一例を示す図である。図2には、ゲーベルトップ型の包装容器30の展開図が示されている。なお、図2に示す展開図は、ゲーベルトップ型の包装容器30の内側を示しているものとする。
【0017】
図2に示すように、包装容器30は、胴部31と、ボトム部32と、トップ部33とを備えた容器である。トップ部33の上端には、容器を密封するために形成された垂直な合掌シール面であるトップシール部34を備える。このトップシール部34は、トップ部33の矩形状トップ板33a~33cと、当該矩形状トップ板33a~33cの上部に連設されて対向する重ね合わせトップシール板34a~34cと、当該重ね合わせトップシール板34a~34cの対向内面の突き合わせ部に突き合わせて折り込まれる折込み二等辺三角トップ板33d及び33eと、二等辺三角トップ板33d及び33eの上部に連設された折込みトップシール板34d~34gとを備える。矩形状トップ板33bには、注出口35が設けられており、注出口35の外側には口栓が接合される。
重ね合わせトップシール板34a~34cと折込みトップシール板34d~34gは、加熱によって溶融した表面のフィルム(例えばシーラント)同士を接着することで接合される。この接合によって、包装容器は密閉される。即ち、トップシール部34が接合されていない場合、トップシール部34がある包装容器30の上端は、開口した状態である。内容物は、開口した状態であるトップシール部34から充填される。即ち、開口した状態であるトップシール部34は、内容物の充填口である。充填口は、内容物が充填された後でトップシール部34の接合対象面を接合して閉口される。
本実施形態では、接合対象面を接合することは、「シール」とも称される。接着剤を使わず、接合対象面の表面にあるフィルムを熱によって溶融し、フィルム同士を接着させることで接合対象面を接合することは、「ヒートシール」とも称される。接合対象面の接合を容易にするための接着剤や添加物を接合対象面に付与することもある。包装容器30のボトム部32を接合することは、「ボトムシール」とも称される。包装容器30のトップシール部34を接合することは、「トップシール」とも称される。注出口35の外側に口栓を接合することが、「口栓シール」とも称される。トップシール部34の内側にある重ね合わせトップシール板34a~34cと折込みトップシール板34d~34gは、接合対象面である。
【0018】
(2)充填機10
充填機10は、包装容器へ内容物を充填する装置である。図1に示すように、充填機10は、操作端末100と、マガジン装置110と、ボトムシール装置120と、口栓供給装置130と、口栓シール装置140と、トップ仮折装置150と、充填装置160と、ホットエアー装置170と、トップシール装置180(接合装置の一例)とを備える。
【0019】
(2-1)操作端末100
操作端末100は、ユーザが操作する端末である。ユーザは、操作端末100を操作して、充填機10の稼働を制御する。
【0020】
(2-2)マガジン装置110
マガジン装置110は、内容物を充填する包装容器30をセットする装置である。ユーザが操作端末100を操作して充填機10が稼働すると、マガジン装置110にセットされた包装容器30は、充填機10内のボトムシール装置120へ搬送される。
【0021】
(2-3)ボトムシール装置120
ボトムシール装置120は、ボトムシールを行う装置である。ボトムシール装置120は、マガジン装置110から搬送された包装容器30のボトム部32を接合する。ボトムシールされた包装容器30は、口栓供給装置130へ搬送される。
【0022】
(2-4)口栓供給装置130
口栓供給装置130は、口栓を供給する装置である。口栓供給装置130は、ボトムシール装置120から搬送された包装容器30に口栓を供給する。口栓が供給された包装容器30は、口栓シール装置140へ搬送される。
【0023】
(2-5)口栓シール装置140
口栓シール装置140は、口栓シールを行う装置である。口栓シール装置140は、例えば、超音波によって、口栓供給装置130から搬送された包装容器30に口栓を接合する。口栓シールされた包装容器30は、トップ仮折装置150へ搬送される。
【0024】
(2-6)トップ仮折装置150
トップ仮折装置150は、包装容器30のトップ部33を仮折する装置である。トップ仮折装置150は、口栓シール装置140から搬送された包装容器30のトップ部33を仮折する。トップ部33を仮折された包装容器30は、充填装置160へ搬送される。
【0025】
(2-7)充填装置160
充填装置160は、包装容器30に内容物を充填する装置である。充填装置160は、トップ仮折装置150から搬送された包装容器30に対して、包装容器30の上端の開口している部分(充填口)から内容物を充填する。内容物が充填された包装容器30は、ホットエアー装置170へ搬送される。
【0026】
(2-8)ホットエアー装置170
ホットエアー装置170は、接合対象面にホットエアーをあてる装置である。ホットエアー装置170は、充填装置160から搬送された包装容器30の接合対象面(トップシール板34a~34cと折込みトップシール板34d~34g)に対して、ホットエアーをあてる。これにより、包装容器30の接合対象面は溶融され、シール(接合)可能な状態となる。ホットエアーをあてられた包装容器30は、トップシール装置180へ搬送される。
なお、接合対象面には、充填口を接合するためにホットエアーをあてられることで、ひずみ(うねり)が生じる場合がある。接合対象面に生じるひずみの形状のパターン(以下、「ヒートパターン」とも称される)は、どの包装容器30に対しても同様である。
【0027】
(2-9)トップシール装置180
トップシール装置180は、トップシールを行う装置である。トップシール装置180は、ホットエアー装置170から搬送された包装容器30の接合対象面同士を接着させることで、トップシール部34を接合する。トップシールされた包装容器30は、排出装置190へ搬送される。
【0028】
ここで、図3を参照して、第1の実施形態に係るトップシール装置180の構成について説明する。図3は、第1の実施形態に係るトップシール装置180の構成の一例を示す図である。
図3に示すように、トップシール装置180は、トップシール機構181と、撮像装置182と、照明装置183とを備える。
【0029】
(2-9-1)トップシール機構181
トップシール機構181は、包装容器30に対してトップシールを行うための機構である。図3の左図に示すように、包装容器30は、充填口を開口された状態でホットエアー装置170からトップシール機構181まで搬送されてくる。トップシール機構181は、例えば、搬送されてきた包装容器30のトップシール部34をアームで両側から挟み込んで圧をかけることで、トップシールする。これにより、図3の右図に示すように、トップシール部34の内側にある接合対象面同士が接着され、トップシール部34が接合する。
【0030】
(2-9-2)撮像装置182
撮像装置182は、接合対象面を撮像する装置である。包装容器30は、充填装置160にて内容物を充填され、ホットエアー装置170にて接合対象面にホットエアーをあてられ、充填口を開口された状態で搬送されてくる。撮像装置182は、包装容器30の充填口が内容物を充填されてから閉口されるまでの間に、包装容器30の内側にある接合対象面を撮像可能に設けられる。例えば図3に示すように、撮像装置182は、包装容器30の充填口よりも高い位置に設けられ、接合対象面を斜め上から撮像する。これにより、撮像装置182によって、接合対象面が接合される前の画像(以下、「接合前の撮像画像」とも称される)が撮像される。接合前の撮像画像は、ネットワークNWを介して、管理装置20へ送信される。なお、撮像装置182は、包装容器30が搬送されている際に接合対象面を撮像してもよいし、包装容器30が静止している際に接合対象面を撮像してもよい。
包装容器30のトップシール部34の全ての接合対象面を撮像するためには、少なくとも2つの撮像装置が必要である。よって、撮像装置182は、トップシール装置180に対して少なくとも2つ設けられる。
【0031】
(2-9-3)照明装置183
照明装置183は、接合対象面を照らす装置である。照明装置183は、撮像装置182と同様に、包装容器30の接合対象面に光を照射可能に設けられる。例えば図3に示すように、照明装置183は、包装容器30の充填口よりも高い位置に設けられ、接合対象面を斜め上から照射する。これにより、撮像装置182は、照明装置183によって照らされた状態の接合対象面を撮像することができる。接合対象面に光を照射することで、ひずみが生じている付近に影ができ、接合対象面に明暗が生じる。これにより、接合対象面に生じているひずみを検出しやすくすることができる。
【0032】
ここで、図4を参照して、第1の実施形態に係る接合前の撮像画像について説明する。図4は、第1の実施形態に係る接合前の撮像画像の一例を示す図である。
【0033】
図4には、一例として、重ね合わせトップシール板34aと重ね合わせトップシール板34cの面が接合対象面として撮像された画像が、接合前の撮像画像50として示されている。図4に示す接合前の撮像画像50より、重ね合わせトップシール板34aに付着物60が付着していることが分かる。
付着物60は、包装容器30に充填された内容物である。内容物は、包装容器30に充填された際にはねたり、充填されてから搬送されている最中にはねたりすることで、接合対象面に付着し、付着物60となる。
【0034】
付着物60の付着状態は、接合対象面の接合不良に影響する。接合不良は、例えば、接合されたトップシール部34に隙間が生じ、この隙間から内容物が漏れることである。付着状態の一例として、付着物60の数、大きさ、位置などが挙げられる。
例えば、付着物60の数が多かったり大きさが大きかったりすると、トップシール部34の接合が弱くなり、トップシール部34に隙間ができて内容物が漏れる可能性がある。
また、1つ1つの付着物60の大きさが大きくなくても、トップシール機構181によって圧をかけられた際に複数の付着物60が結合して1つの大きな付着物となり、トップシール部34に隙間ができて内容物が漏れる可能性がある。
また、付着物60が重ね合わせトップシール板34aと重ね合わせトップシール板34cとの境目の位置にあるとする。この場合、境目に沿って隙間ができて内容物が漏れる可能性がある。
また、複数の付着物60が接合対象面の下方から上方にかけて連なって付着しているとする。この場合、トップシール機構181によって圧をかけられた際にこれらの付着物60が結合して、接合対象面を下方から上方にかけて貫通する隙間でき、内容物が漏れる可能性がある。
【0035】
(2-10)排出装置190
排出装置190は、包装容器30を排出する装置である。排出装置190は、トップシール装置180から搬送された、内容物が充填されトップシールされた包装容器30を排出する。
【0036】
(3)管理装置20
管理装置20は、充填機10における充填工程を管理するコンピュータ装置である。管理装置20は、PC(Personal Computer)やサーバ装置などによって実現される。管理装置20は、中央処理装置を備え、入力装置(マウス、キーボード、タッチパネルなど)や出力装置(ディスプレイ(表示装置)、スピーカ(音声出力装置)など)を任意に備える。
【0037】
管理装置20は、充填機10から受信する情報に基づき、各種の処理を行う。例えば、管理装置20は、充填機10から受信する接合前の撮像画像に基づき、接合対象面に接合不良が発生するか否かを解析する。
【0038】
<1-2.管理装置の機能構成>
以上、第1の実施形態に係る管理システム1の構成について説明した。続いて、図5及び図6を参照して、第1の実施形態に係る管理装置20の機能構成について説明する。図5は、第1の実施形態に係る管理装置20の機能構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、管理装置20は、通信部210と、記憶部220と、制御部230とを備える。
【0039】
(1)通信部210
通信部210は、各種情報の送受信を行う機能を有する。例えば、通信部210は、ネットワークNWを介して、充填機10と通信を行う。
通信部210は、充填機10との通信において、接合前の撮像画像を受信し、解析結果を送信する。
【0040】
(2)記憶部220
記憶部220は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部220は、管理装置20がハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
記憶部220は、例えば、接合対象面に生じるヒートパターンの様子を示すひずみ画像を記憶する。このひずみ画像は、例えば、ユーザによって予め用意され、ユーザによって記憶部220に登録される。また、記憶部220は、通信部210が充填機10から受信した接合前の撮像画像や、当該撮像画像に基づく解析結果を記憶してもよい。
【0041】
ここで、図6を参照して、第1の実施形態に係るひずみ画像について説明する。図6は、第1の実施形態に係るひずみ画像の一例を示す図である。
【0042】
図6には、一例として、重ね合わせトップシール板34aと重ね合わせトップシール板34cの面が接合対象面として撮像された画像が、ひずみ画像70として示されている。図6に示すひずみ画像70より、重ね合わせトップシール板34aにひずみ80とひずみ81が生じていることが分かる。
接合対象面に生じたひずみは、接合対象面の接合不良に影響しない。そのため、接合前の撮像画像に写る接合対象面にひずみが生じており、このひずみが付着物として検出された場合、誤った解析結果が出力される可能性がある。そこで、あらかじめ各接合対象面に生じるひずみを示すひずみ画像を用意しておき、付着物の検出時に接合前の撮像画像と比較することで、接合前の撮像画像に写る接合対象面に生じているひずみを付着物であると誤検出することを防ぐことができる。
【0043】
(3)制御部230
制御部230は、管理装置20の動作全般を制御する機能を有する。制御部230は、例えば、管理装置20がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
図5に示すように、制御部230は、取得部231と、解析部232と、出力制御部233とを備える。
【0044】
(3-1)取得部231
取得部231は、接合前の撮像画像を取得する機能を有する。例えば、取得部231は、充填機10に設けられた少なくとも2つの撮像装置によって撮像された接合前の撮像画像を取得する。具体的に、取得部231は、通信部210がネットワークNWを介して充填機10から受信した接合前の撮像画像を取得する。取得部231は、取得した接合前の撮像画像を解析部232へ出力する。
【0045】
(3-2)解析部232
解析部232は、接合対象面に接合不良が発生するか否かを解析する機能を有する。例えば、解析部232は、取得部231によって取得された接合前の撮像画像に基づき、接合対象面へ付着した内容物によって接合対象面に接合不良が発生するか否かを解析する。解析部232は、解析結果を出力制御部233へ出力する。
【0046】
具体的に、解析部232は、接合前の撮像画像から接合対象面への付着物を検出する。例えば、解析部232は、接合前の撮像画像に対して二値化処理やフィルタリングなどの画像処理を行うことで付着物を検出し、付着物の付着状態(数、大きさ、位置など)を特定する。付着物の検出時、解析部232は、記憶部220に記憶されているひずみ画像に基づき、接合前の撮像画像が示す接合対象面に生じているひずみが接合対象面へ付着した付着物ではないと判定する。これにより、解析部232は、ひずみを付着物として検出することを防ぎ、解析の精度を向上することができる。
【0047】
解析部232は、検出した付着物の付着状態と接合不良の発生との相関関係を示す相関情報に基づき、接合対象面に接合不良が発生するか否かを判定する。
相関情報は、接合対象面における付着物の数、大きさ、又は位置の少なくともいずれか1つを示す付着状態と接合不良の発生との相関関係を示す。相関関係は、例えば、閾値によって示される。当該閾値は、ユーザが接合前の撮像画像とこの撮像画像が示す付着状態における接合不良の発生有無とに基づく相関分析を行うことで設定する値である。閾値は、例えば、接合不良の発生有無の境界となる付着物の数、大きさ、位置を示す値である。
例えば検出した付着物の数、大きさ、位置を示す数値が相関情報の示す閾値を超えている場合、解析部232は、接合対象面に接合不良が発生する(即ちNG)と判定する。一方、検出した付着物の数、大きさ、位置を示す数値が相関情報の示す閾値を超えていない場合、解析部232は、接合対象面に接合不良が発生しない(即ちOK)と判定する。
【0048】
(3-3)出力制御部233
出力制御部233は、解析結果の出力を制御する機能を有する。例えば、出力制御部233は、解析部232から入力された解析結果を通信部210から充填機10へ送信し、操作端末100に表示させる。これにより、ユーザは、操作端末100にて解析結果を確認することができる。また、ユーザは、解析結果として「NG」が操作端末100に表示された際には、充填機10の稼働を止めて、接合不良が発生すると判定された包装容器30を充填機10から取り除くことができる。
なお、検査結果と連動して包装容器30を排出する自動排出装置を充填機10に追加してもよい。これにより、包装容器30に接合不良が発生すると判定された場合に、充填機10の稼働を止めることなく当該包装容器30を充填機10から取り除くことも可能となる。
【0049】
<1-3.処理の流れ>
以上、第1の実施形態に係る管理装置20の機能構成について説明した。続いて、図7を参照して、第1の実施形態に係る処理の流れについて説明する。図7は、第1の実施形態に係る処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0050】
図7に示すように、まず、管理装置20の取得部231は、接合前の撮像画像を取得する(ステップS101)。具体的に、取得部231は、撮像装置182によって撮像され、ネットワークNWを介して通信部210が受信した接合前の撮像画像を取得する。
【0051】
次いで、管理装置20の取得部231は、ひずみ画像を取得する(ステップS202)。具体的に、取得部231は、管理装置20の記憶部220からひずみ画像を取得する。
【0052】
次いで、管理装置20の解析部232は、付着物を検出する処理を行う(ステップS203)。具体的に、まず、解析部232は、取得部231によって取得された接合前の撮像画像に対して画像処理を行う。解析部232は、画像処理後の撮像画像から付着物を検出する。この時、解析部232は、ひずみ画像に基づき、画像処理後の撮像画像に写る接合対象面に生じているひずみを検出対象から除外する。
【0053】
付着物の検出処理後、付着物が検出されたか否かを確認する(ステップS104)。付着物が検出された場合(ステップS104/YES)、解析部232は、処理をステップS105へ進める。一方、付着物が検出されなかった場合(ステップS104/NO)、解析部232は、処理をステップS106へ進める。
【0054】
処理がステップS105へ進んだ場合、解析部232は、検出した付着物の付着状態を解析する(ステップS105)。具体的に、解析部232は、付着物の数、大きさ、位置などを特定する。解析部232は、特定した付着状態を示す数値と閾値とを比較し、接合対象面に接合不良は発生するか否かを判定する。
判定後、解析部232は、処理をステップS106へ進める。
【0055】
処理がステップS106へ進んだ場合、出力制御部233は、解析結果を出力する(ステップS106)。具体的に、出力制御部233は、解析結果を通信部210から充填機10の操作端末100へ送信し、表示させる。
ステップS104からステップS106へ処理が進んだ場合、出力制御部233は、接合対象面に接合不良が発生しない旨(即ちOK)を示す解析結果を送信する。
ステップS105からステップS106へ処理が進み、ステップS105にて接合対象面に接合不良は発生しないと判定された場合、出力制御部233は、接合対象面に接合不良が発生しない旨(即ちOK)を示す解析結果を送信する。
ステップS105からステップS106へ処理が進み、ステップS105にて接合対象面に接合不良が発生すると判定された場合、出力制御部233は、接合対象面に接合不良が発生する旨(即ちNG)を示す解析結果を送信する。
解析結果の出力後、管理装置20は、次の包装容器30について、処理をステップS101から繰り返す。
【0056】
以上説明したように、第1の実施形態に係る管理システム1は、取得部231と、解析部232と、出力制御部233とを備える。
取得部231は、充填機にて内容物が充填された後で接合して閉口される充填口を有する包装容器の充填口が内容物を充填されてから閉口されるまでの間に、包装容器の内側にある接合対象面を撮像可能に設けられた撮像装置によって撮像された、接合前の撮像画像を取得する。
解析部232は、接合前の撮像画像に基づき、接合対象面へ付着した内容物によって接合対象面に接合不良が発生するか否かを解析する。
出力制御部233は、解析結果の出力を制御する。
【0057】
かかる構成は、充填機10において接合前の撮像画像を撮像可能な位置に撮像装置182を設け、取得部231、解析部232、及び出力制御部233の機能を有する端末(例えばPC)を用意して接続するだけで実現可能である。
よって、第1の実施形態に係る管理システム1では、充填機の大がかりな改良や包装容器のシール部の組成を変更する必要はなく、管理システム1を既存設備や既存容器へ容易に適用することができる。
【0058】
よって、第1の実施形態にかかる管理システム1は、既存設備や既存容器への適用が容易で、包装容器の接合不良を解消することを可能とする。
【0059】
<<2.第2の実施形態>>
以上、本発明の第1の実施形態について説明した。続いて、図8及び図9を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。
上述した第1の実施形態では、管理装置20の解析部232による解析結果を操作端末100へ出力して表示させる例について説明したが、かかる例に限定されない。
第2の実施形態では、解析部232による解析結果を充填機10の動作の制御に用いる例について説明する。
なお、以下では、第1の実施形態における説明と重複する説明については、適宜省略する。
【0060】
<2-1.管理システムの構成>
第2の実施形態に係る管理システムの構成は、第1の実施形態に係る管理システム1の構成と同様であるため、その説明を省略する。
【0061】
<2-2.管理装置の機能構成>
以上、第2の実施形態に係る管理システム1の構成について説明した。続いて、図8を参照して、第2の実施形態に係る管理装置20aの機能構成について説明する。図8は、第2の実施形態に係る管理装置20aの機能構成の一例を示すブロック図である。
図8に示すように、管理装置20aは、通信部210aと、記憶部220aと、制御部230aとを備える。
【0062】
(1)通信部210a
第2の実施形態に係る通信部210aの機能は、第1の実施形態に係る通信部210と同様であるため、重複する説明は省略する。
通信部210aは、充填機10との通信において、充填機10の動作を制御するための情報を示す制御情報を送信する。
【0063】
(2)記憶部220a
第2の実施形態に係る記憶部220aの機能は、第1の実施形態に係る記憶部220と同様であるため、重複する説明は省略する。
記憶部220aは、制御情報や、制御情報に基づく制御結果や、制御結果に対するフィードバックを示すフィードバック情報などを記憶してもよい。
【0064】
(3)制御部230a
第2の実施形態に係る制御部230aは、第1の実施形態に係る制御部230の構成に加え、製造制御部234とフィードバック部235とをさらに備える。
【0065】
(3-1)取得部231
第2の実施形態に係る取得部231の機能は、第1の実施形態に係る取得部231の機能と同様であるため、その説明を省略する。
【0066】
(3-2)解析部232
第2の実施形態に係る解析部232の機能は、第1の実施形態に係る解析部232の機能と同様であるため、その説明を省略する。
【0067】
(3-3)出力制御部233a
第2の実施形態に係る出力制御部233aの機能は、第1の実施形態に係る出力制御部233の機能と同様であるため、重複する説明は省略する。
出力制御部233aは、解析部232から入力される解析結果を、製造制御部234へ出力する。
【0068】
(3-4)製造制御部234
製造制御部234は、充填機10の動作を制御する機能を有する。例えば、製造制御部234は、出力制御部233から出力される解析結果に基づき、充填機10の動作を制御する。
具体的に、製造制御部234は、解析部232によって接合対象面に接合不良が発生すると判定された場合、包装容器30へ充填される内容物の充填流量又は搬送されている包装容器の搬送速度の少なくともいずれか一方を調整する。この時、製造制御部234は、充填流量又は搬送速度の調整量を示す制御情報を生成し、通信部210から充填機10へ送信する。一例として、製造制御部234は、内容物がはねて接合対象面に付着することを防ぐために、内容物の充填時に内容物ができるだけはねないように充填流量を少なくしたり、包装容器30の搬送時に内容物ができるだけはねないように搬送速度を遅くしたりするよう、調整量を決定する。
【0069】
製造制御部234は、フィードバック情報に基づき、充填機10の動作を制御する。製造制御部234は、充填機10の動作の制御後に、解析部232による解析結果が接合対象面に接合不良が発生する旨(即ちNG)を示している場合、フィードバック制御を行う。具体的に、製造制御部234は、解析結果に基づき充填機10を制御した結果に対するフィードバックを示すフィードバック情報に基づき、充填流量又は搬送速度の調整量を再調整する。
製造制御部234は、再調整した調整量を示す制御情報を生成して、通信部210から充填機10へ送信する。
【0070】
製造制御部234は、解析部232による解析結果が接合対象面に接合不良が発生する旨(即ちNG)を示さなくなるまで、フィードバック制御を繰り返す。これにより、製造制御部234は、包装容器30の接合対象面に接合不良が生じないように充填機10の動作を最適に制御することができる。また、ユーザが手動で充填機10の動作を制御する手間を軽減することができる。
【0071】
(3-5)フィードバック部235
フィードバック部235は、フィードバック情報を生成する機能を有する。例えば、フィードバック部235は、充填機10の動作の制御後に撮像装置182によって撮像された接合前の撮像画像と、当該接合前の撮像画像に基づく解析結果に基づき、フィードバック情報を生成する。
具体的に、充填機10の動作の制御後に接合対象面に接合不良が発生した(即ち解析結果がNGを示す)場合、フィードバック部235は、接合不良が発生した包装容器30の接合前の撮像画像に基づき、充填機10を前回動作させた際の制御情報を調整するためのフィードバック情報を生成する。一例として、フィードバック部235は、充填流量をさらに少なくしたり、搬送速度をさらに遅くしたりするようフィードバック情報を生成する。
一方、充填機10の動作の制御後に接合対象面に接合不良が発生しなかった(即ち解析結果がOKを示す)場合、フィードバック部235は、フィードバック情報を生成しない。これにより、製造制御部234によるフィードバック制御は終了する。
【0072】
<2-3.処理の流れ>
以上、第2の実施形態に係る管理装置20aの機能構成について説明した。続いて、図9を参照して、第2の実施形態に係る処理の流れについて説明する。図9は、第2の実施形態に係る処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0073】
図9に示すステップS201からステップS205の処理は、第1の実施形態にて図7を参照して説明したステップS101からステップS105の処理と同様であるため、重複する説明は省略する。
ステップS204にて付着物が検出されなかった場合(ステップS204/NO)、管理装置20は、次の包装容器30について、処理をステップS201から繰り返す。
【0074】
ステップS205の後、出力制御部233は、解析部232による解析結果を製造制御部234へ出力する(ステップS206)。
製造制御部234は、解析結果を確認する(ステップS207)。解析結果がNGを示す場合(ステップS207/YES)、製造制御部234は、処理をステップS208へ進める。一方、解析結果がOKを示す場合(ステップS207/NO)、管理装置20は、次の包装容器30について、処理をステップS201から繰り返す。
【0075】
処理がステップS208へ進んだ場合、製造制御部234は、充填機10の動作を制御する(ステップS208)。具体的に、製造制御部234は、充填流量又は搬送速度の調整量を示す制御情報を生成し、通信部210から充填機10へ送信する。
【0076】
充填機10の制御後、製造制御部234は、解析部232による解析結果を取得する(ステップS209)。この解析結果は、充填機10の制御後にステップS201からステップS205と同様の解析によって得られる結果である。
製造制御部234は、解析結果を確認する(ステップS210)。解析結果がNGを示す場合(ステップS210/YES)、管理装置20は、処理をステップS211へ進める。一方、解析結果がOKを示す場合(ステップS210/NO)、管理装置20は、次の包装容器30について、処理をステップS201から繰り返す。
【0077】
処理がステップS211へ進んだ場合、フィードバック部235は、フィードバック情報を生成する(ステップS211)。フィードバック情報の生成後、管理装置20は、処理をステップS208へ戻し、フィードバック情報を用いた充填機10の制御を製造制御部234に行わせる。
【0078】
以上説明したように、第2の実施形態に係る管理システムは、第1の実施形態に係る管理システム1と同様に、充填機10において接合前の撮像画像を撮像可能な位置に撮像装置182を設け、取得部231、解析部232、出力制御部233、製造制御部234、及びフィードバック部235の機能を有する端末(例えばPC)を用意して接続するだけで実現可能である。
よって、第2の実施形態に係る管理システムでは、充填機の大がかりな改良や包装容器のシール部の組成を変更する必要はなく、管理システムを既存設備や既存容器へ容易に適用することができる。
【0079】
よって、第2の実施形態にかかる管理システムは、既存設備や既存容器への適用が容易で、包装容器の接合不良を解消することを可能とする。
【0080】
<<3.変形例>>
以上、本発明の実施形態について説明した。続いて、本発明の実施形態の変形例について説明する。なお、以下に説明する各変形例は、単独で本発明の実施形態に適用されてもよいし、組み合わせで本発明の実施形態に適用されてもよい。また、各変形例は、本発明の実施形態で説明した構成に代えて適用されてもよいし、本発明の実施形態で説明した構成に対して追加的に適用されてもよい。
【0081】
上述の実施形態では、管理装置20及び管理装置20aが充填機10とは独立した装置である例を一例に説明したが、かかる例に限定されない。例えば、管理装置20及び管理装置20aが有する機能の一部又は全部が、充填機10が備える制御装置などによって実現されてもよい。
【0082】
上述した管理装置20及び管理装置20aは、各種のズレを検出する機能を有してもよい。各種のズレは、例えば、接合のズレ、口栓のズレ、折込みのズレなどである。この場合、取得部231は、接合対象面の接合後に撮像装置182によって撮像された、ズレの検出対象が少なくとも写る画像(以下、「接合後の撮像画像」とも称される)を取得する。一例として、接合のズレを検出する場合、取得部231は、接合された充填口が少なくとも写る画像を、接合後の撮像画像として取得する。
解析部232は、接合後の撮像画像に基づき、接合対象面の接合にズレが発生したか否かを解析し、接合のズレを検出する。
【0083】
以上、本発明の実施形態の変形例について説明した。
なお、上述した実施形態における管理システム1の一部又は全部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0084】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0085】
1…管理システム、10…充填機、20,20a…管理装置、30…包装容器、31…胴部、32…ボトム部、33…トップ部、33a,33c…矩形状トップ板、33d,33e…二等辺三角トップ板、34…トップシール部、34a,34g…トップシール板、35…注出口、50…撮像画像、60…付着物、70…画像、100…操作端末、110…マガジン装置、120…ボトムシール装置、130…口栓供給装置、140…口栓シール装置、150…トップ仮折装置、160…充填装置、170…ホットエアー装置、180…トップシール装置、181…トップシール機構、182…撮像装置、183…照明装置、190…排出装置、210,210a…通信部、220,220a…記憶部、230,230a…制御部、231…取得部、232…解析部、233,233a…出力制御部、234…製造制御部、235…フィードバック部、NW…ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2022-06-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填機にて内容物が充填された後で接合して閉口される充填口を有する包装容器の前記充填口が前記内容物を充填されてから閉口されるまでの間に、前記包装容器の内側にある接合対象面を撮像可能に設けられた撮像装置によって撮像された、接合前の撮像画像を取得する取得部と、
前記接合前の撮像画像に基づき、前記接合対象面へ付着した前記内容物によって前記接合対象面に接合不良が発生するか否かを解析する解析部と、
解析結果の出力を制御する出力制御部と、
を備える管理システム。
【請求項2】
前記解析部は、前記接合前の撮像画像から前記接合対象面に付着した前記内容物を検出し、検出した前記内容物の付着状態に基づき、前記内容物が付着した前記接合対象面に接合不良が発生するか否かを解析する、
請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記解析部は、検出した前記内容物の付着状態と前記接合不良の発生との相関関係を示す相関情報に基づき、前記接合対象面に前記接合不良が発生するか否かを判定する、
請求項に記載の管理システム。
【請求項4】
前記相関情報は、前記接合対象面に付着した前記内容物の数、大きさ、又は位置の少なくともいずれか1つを示す前記付着状態と前記接合不良の発生との相関関係を示す、
請求項に記載の管理システム。
【請求項5】
ユーザによって予め用意される、前記充填口を接合するために前記接合対象面に熱を加えることで前記接合対象面に生じたひずみの様子を示すひずみ画像を記憶する記憶部、
をさらに備え、
前記解析部は、前記ひずみ画像に基づき、前記接合対象面が熱を加えられてから接合される前に撮像された前記接合前の撮像画像が示す前記接合対象面に生じている前記ひずみが前記接合対象面へ付着した前記内容物ではないと判定する、
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項6】
前記出力制御部から出力される前記解析結果に基づき、前記充填機の動作を制御する製造制御部、
をさらに備える請求項1から請求項のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項7】
前記製造制御部は、前記解析部によって前記接合対象面に前記接合不良が発生すると判定された場合、前記包装容器へ充填される前記内容物の充填流量又は搬送されている前記包装容器の搬送速度の少なくともいずれか一方を調整する、
請求項に記載の管理システム。
【請求項8】
前記充填機の動作の制御後に前記撮像装置によって撮像された前記接合前の撮像画像と、前記接合前の撮像画像に基づく前記解析結果とに基づき、フィードバック情報を生成するフィードバック部、
をさらに備え、
前記製造制御部は、前記フィードバック情報に基づき、前記充填機の動作を制御する、
請求項又は請求項に記載の管理システム。
【請求項9】
前記取得部は、接合された前記充填口が前記撮像装置によって撮像された接合後の撮像画像を取得し、
前記解析部は、前記接合後の撮像画像に基づき、前記接合対象面の接合にズレが発生したか否かを解析する、
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項10】
前記撮像装置は、前記充填機において前記接合対象面の接合を行う接合装置に対して少なくとも2つ設けられ、
前記取得部は、少なくとも2つの前記撮像装置から前記撮像画像を取得する、
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項11】
前記撮像装置は、前記接合装置に対して設けられた照明装置によって照らされた状態の前記接合対象面を撮像する、
請求項10に記載の管理システム。
【請求項12】
取得部が、充填機にて内容物が充填された後で接合して閉口される充填口を有する包装容器の前記充填口が前記内容物を充填されてから閉口されるまでの間に、前記包装容器の内側にある接合対象面を撮像可能に設けられた撮像装置によって撮像された、接合前の撮像画像を取得する取得過程と、
前記接合前の撮像画像に基づき、前記接合対象面へ付着した前記内容物によって前記接合対象面に接合不良が発生するか否かを解析する解析過程と、
解析結果の出力を制御する出力制御過程と、
を含む管理方法。
【請求項13】
コンピュータを、
充填機にて内容物が充填された後で接合して閉口される充填口を有する包装容器の前記充填口が前記内容物を充填されてから閉口されるまでの間に、前記包装容器の内側にある接合対象面を撮像可能に設けられた撮像装置によって撮像された、接合前の撮像画像を取得する取得手段と、
前記接合前の撮像画像に基づき、前記接合対象面へ付着した前記内容物によって前記接合対象面に接合不良が発生するか否かを解析する解析手段と、
解析結果の出力を制御する出力制御手段と、
として機能させるためのプログラム。