(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023011556
(43)【公開日】2023-01-24
(54)【発明の名称】劣化したLIDAR範囲測定精度を検出するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
G01S 7/497 20060101AFI20230117BHJP
G01S 7/486 20200101ALI20230117BHJP
【FI】
G01S7/497
G01S7/486
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022155077
(22)【出願日】2022-09-28
(62)【分割の表示】P 2021549225の分割
【原出願日】2020-03-05
(31)【優先権主張番号】62/814,236
(32)【優先日】2019-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】317015065
【氏名又は名称】ウェイモ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】ガッサン,ブレイズ
(72)【発明者】
【氏名】オスボルン,スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】モートン,ピーター
(57)【要約】
【課題】劣化したLIDAR範囲測定精度を検出するための方法およびシステムを提供する。
【解決手段】1つの例示的な方法は、光検出測距(LIDAR)デバイスの視野(FOV)内の角度範囲を繰り返しスキャンすることを含む。この方法はまた、角度範囲のスキャンごとに、捕捉された複数の光パルスを検出することを含む。この方法はまた、角度範囲の第1のスキャンを、第1のスキャンの後続の第2のスキャンと比較することを含む。この方法はまた、比較に基づいて、第1のスキャンまたは第2のスキャン中の光検出器の飽和回復期間の開始を検出することを含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光検出測距(LIDAR)デバイスの視野(FOV)内の角度範囲を繰り返しスキャンすることと、
前記角度範囲のスキャンごとに、複数の連続的な検出期間中に前記LIDARデバイスの光検出器で捕捉された複数の光パルスを検出することであって、前記光検出器は、前記スキャンの前記複数の連続的な検出期間の各々の間、前記角度範囲内の異なる角度からの光を捕捉するように構成されている、検出することと、
前記光検出器を使用して取得された前記角度範囲の第1のスキャンを、前記第1のスキャンの後続の第2のスキャンと比較することと、
前記比較に基づいて、前記第1のスキャンまたは前記第2のスキャン中の前記光検出器の飽和回復期間の開始を検出することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記LIDARデバイスから前記FOVに向かって1つ以上の光パルスを放出することをさらに含み、前記検出された複数の光パルスは、前記FOVから前記LIDARデバイスに反射されて戻る前記1つ以上の放出された光パルスの反射部分を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記光検出器の前記飽和回復期間中に取得された前記角度範囲の1つ以上のスキャンを識別することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のスキャンを前記第2のスキャンと比較することは、前記第1のスキャン中に検出された第1の光パルスについての前記光検出器からの第1の出力によって示される第1の光強度測定値を、前記第2のスキャン中に検出された第2の光パルスについての前記光検出器からの第2の出力によって示される第2の光強度測定値と比較することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の光強度測定値を前記第2の光強度測定値と比較することは、前記第1の光強度測定値および前記第2の光強度測定値のそれぞれの最大値を比較することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記飽和回復期間の開始を検出することは、閾値差を超過する前記それぞれの最大値の差に基づく、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記検出された複数の光パルスのうちの検出された光パルスについての前記光検出器からの出力によって示される光強度測定値に少なくとも基づいて、前記LIDARデバイスから前記FOVに向かって放出され、前記検出された光パルスとして、前記FOVから前記LIDARデバイスに向かって少なくとも部分的に反射されて戻る、放出された光パルスの飛行時間を判定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記検出された光パルスが、前記飽和回復期間中に前記光検出器で検出されたかどうかを判定することをさらに含み、前記飛行時間を判定することは、前記検出された光パルスが、前記飽和回復期間中に検出されたかどうかの前記判定にさらに基づく、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記LIDARデバイスの前記FOV内の異物破片(FOD)を、前記LIDARデバイスからのデータによって示される前記FODの少なくとも見かけのサイズがFOD検出閾値未満であることに基づいて検出することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記検出された複数の光パルスについての前記光検出器からの出力によって示される少なくとも光強度測定値に基づいて、前記FOVの三次元(3D)表現を生成することと、
前記FOVの前記生成された3D表現から前記FODを除外することと、をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記飽和回復期間の前記開始を検出することに応答して、前記光検出器の前記飽和回復期間中に取得された前記角度範囲の1つ以上のスキャンの前記FOD検出閾値を調整することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
光検出測距(LIDAR)デバイスであって、
光検出器と、
視野(FOV)から前記LIDARデバイスによって受信された光を前記光検出器上に向けるように構成された1つ以上の光学素子と、
前記LIDARデバイスに、
前記FOV内の角度範囲にわたって前記光検出器を繰り返しスキャンすることと、
前記角度範囲のスキャンごとに、複数の検出期間中に前記光検出器で捕捉された複数の光パルスを検出することであって、前記光検出器は、前記スキャンの前記複数の検出期間の各々の間、前記角度範囲内の異なる角度からの光を捕捉するように構成されている、検出することと、
前記光検出器を使用して取得された前記角度範囲の第1のスキャンを、前記第1のスキャンの後続の第2のスキャンと比較することと、
前記比較に基づいて、前記光検出器の飽和回復期間の開始を検出することと、を含む動作を実行させるように構成されたコントローラと、を含む、LIDARデバイス。
【請求項13】
前記FOVに向かって1つ以上の光パルスを放出するように構成された光エミッタをさらに含み、前記検出された複数の光パルスは、前記FOVから前記LIDARデバイスに向かって反射されて戻る前記1つ以上の放出された光パルスの反射部分に対応する、請求項12に記載のLIDARデバイス。
【請求項14】
前記1つ以上の光学素子は、
回転ミラーを含み、前記回転ミラーは、異なる角度から前記LIDARデバイスによって受信された前記光を、前記回転ミラーの対応する回転位置に基づいて前記光検出器に向けるように構成されている、請求項12に記載のLIDARデバイス。
【請求項15】
光検出測距(LIDAR)デバイスから、視野(FOV)内の角度範囲の複数のスキャンの指示を受信することであって、前記LIDARデバイスは、前記LIDARデバイスの光検出器を使用して前記角度範囲を繰り返しスキャンするように構成されている、受信することと、
前記角度範囲のスキャンごとに、前記角度範囲内の異なる角度で受信された複数の光パルスを識別することであって、前記複数の光パルスは、前記スキャンの異なる検出期間中に前記光検出器で捕捉される、識別することと、
前記光検出器を使用して取得された前記角度範囲の第1のスキャンを、前記第1のスキャンの後続の第2のスキャンと比較することと、
前記比較に基づいて、前記光検出器の飽和回復期間中に取得された前記複数のスキャンのうちの1つ以上のスキャンを識別することと、を含む、方法。
【請求項16】
前記第1のスキャンを前記第2のスキャンと比較することは、前記第1のスキャン中に検出された第1の光パルスについての前記光検出器からの第1の出力によって示される第1の光強度測定値を、前記第2のスキャン中に検出された第2の光パルスについての前記光検出器からの第2の出力によって示される第2の光強度測定値と比較することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の光強度測定値を前記第2の光強度測定値と比較することは、前記第1の光強度測定値および前記第2の光強度測定値のそれぞれの最大値を比較することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記LIDARデバイスの前記FOV内の異物破片(FOD)を、前記LIDARデバイスからのデータによって示される前記FODの少なくとも見かけのサイズがFOD検出閾値未満であることに基づいて検出することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記検出された複数の光パルスについての前記光検出器からの出力によって示される少なくとも光強度測定値に基づいて、前記FOVの三次元(3D)表現を生成することと、
前記FOVの前記生成された3D表現から前記FODを除外することと、をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記光検出器の前記飽和回復期間中に取得された前記角度範囲の前記識別された1つ以上のスキャンの前記FOD検出閾値を調整することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年3月5日に出願された米国仮特許出願第62/814,236号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
数ある中でもとりわけ、光検出測距(LIDAR)センサ、電波探知測距(RADAR)センサ、および音波探知測距(SONAR)センサなどのアクティブセンサは、周辺環境に向けて信号を放出し、放出された信号の反射を検知することによって、周辺環境をスキャンすることができるセンサである。
【0003】
例えば、LIDARセンサは、環境における反射表面を示す「点群」を組み立てるように、シーン全体をスキャンしながら環境特徴までの距離を判定することができる。点群の個々の点は、例えば、レーザーパルスを送信し、環境における物体から反射された戻りパルスがあればそれを検知し、その後、パルスの送信とその反射パルスの受信との間の時間遅延に従って物体までの距離を測定することによって判定することができる。その結果、例えば、環境における反射特徴の位置を示す点の三次元マップを生成することができる。
【発明の概要】
【0004】
一例では、方法が提供される。この方法は、光検出測距デバイスの視野(FOV)内の角度範囲を繰り返しスキャンすることを含む。この方法はまた、角度範囲のスキャンごとに、複数の連続的な検出期間中に複数の光パルスを検出することを含む。光検出器は、スキャンの複数の連続的な検出期間の各々の間に、角度範囲内の異なる角度からの光を捕捉するように構成され得る。この方法はまた、光検出器を使用して取得された角度範囲の第1のスキャンを、第1のスキャンの後続の第2のスキャンと比較することを含む。この方法はまた、比較に基づいて、第1のスキャンまたは第2のスキャン中の光検出器の飽和回復期間の開始を検出することを含む。
【0005】
別の例では、光検出測距(LIDAR)デバイスが提供される。LIDARデバイスは、光検出器と、視野(FOV)からLIDARデバイスによって受信された光を光検出器上に向けるように構成された1つ以上の光学素子と、を含む。LIDARデバイスはまた、LIDARデバイスに動作を実行させるように構成されたコントローラを含む。動作は、FOV内の角度範囲にわたって光検出器を繰り返しスキャンすることを含む。動作はまた、角度範囲のスキャンごとに、複数の検出期間中に光検出器で捕捉された複数の光パルスを検出することを含む。光検出器は、スキャンの複数の検出期間の各々の間に、角度範囲内の異なる角度を形成する光を捕捉するように構成され得る。動作はまた、光検出器を使用して取得された角度範囲の第1のスキャンを、第1のスキャンの後続の第2のスキャンと比較することを含む。動作はまた、比較に基づいて、光検出器の飽和回復期間の開始を検出することを含む。
【0006】
さらに別の例では、方法が提供される。この方法は、光検出測距(LIDAR)デバイスから、視野(FOV)内の角度範囲の複数のスキャンの指示を受信することを含む。LIDARデバイスは、LIDARデバイスの光検出器を使用して角度範囲を繰り返しスキャンするように構成され得る。この方法はまた、角度範囲のスキャンごとに、角度範囲内の異なる角度で受信された複数の光パルスを識別することを含む。複数の光パルスは、スキャンの異なる検出期間中に光検出器で捕捉され得る。この方法はまた、光検出器を使用して取得された角度範囲の第1のスキャンを、第1のスキャンの後続の第2のスキャンと比較することを含む。この方法はまた、比較に基づいて、光検出器の飽和回復期間中に取得された複数のスキャンのうちの1つ以上のスキャンを識別することを含む。
【0007】
提供される方法は、コンピュータで実施することができる。この意味で、各方法について、少なくとも1つのコンピューティング装置によって実行されると、その方法が実行されるようにするコンピュータ可読命令が提供され得る。
【0008】
さらに別の例では、システムが提供される。このシステムは、光検出測距デバイスの視野(FOV)内の角度範囲を、LIDARデバイスの光検出器で繰り返しスキャンするための手段を備える。このシステムはまた、角度範囲のスキャンごとに、複数の連続的な検出期間中に複数の光パルスを検出するための手段を備える。光検出器は、スキャンの複数の連続的な検出期間の各々の間に、角度範囲内の異なる角度からの光を捕捉するように構成され得る。このシステムはまた、光検出器を使用して取得された角度範囲の第1のスキャンを、第1のスキャンの後続の第2のスキャンと比較するための手段を備える。このシステムはまた、比較に基づいて、第1のスキャンまたは第2のスキャン中の光検出器の飽和回復期間の開始を検出するための手段を備える。
【0009】
さらに別の例では、システムが提供される。このシステムは、光検出測距(LIDAR)デバイスから、視野(FOV)内の角度範囲の複数のスキャンの指示を受信するための手段を備える。LIDARデバイスは、LIDARデバイスの光検出器を使用して角度範囲を繰り返しスキャンするように構成され得る。このシステムはまた、角度範囲のスキャンごとに、角度範囲内の異なる角度で受信された複数の光パルスを識別するための手段を備える。複数の角度は、スキャンの異なる検出期間中に光検出器で捕捉され得る。このシステムはまた、光検出器を使用して取得された角度範囲の第1のスキャンを、第1のスキャンの後続の第2のスキャンと比較するための手段を備える。このシステムはまた、比較に基づいて、光検出器の飽和回復期間中に取得された複数のスキャンのうちの1つ以上のスキャンを識別するための手段を備える。
【0010】
これらの態様ならびに他の態様、利点、および代替物は、当業者には、以下の詳細な説明を添付の図面を適宜参照して読み取ることにより明らかになるであろう。さらに、本概要の項および本文書の他の場所で提供される記載は、限定ではなく例として請求される主題を例解することを意図していることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】例示的な実施形態による、システムの簡素化したブロック図である。
【
図2A】例示的な実施形態による、LIDARデバイスを示す。
【
図2D】LIDARデバイスの別の部分断面図を示す。
【
図3】例示的な実施形態による、車両の簡素化したブロック図である。
【
図4】例示的な実施形態による、方法のフローチャートである。
【
図5】例示的な実施形態による、LIDARデバイスのFOV内の角度範囲を繰り返しスキャンする光検出器によって示される光強度測定値の概念図である。
【
図6】例示的な実施形態による、別の方法のフローチャートである。
【
図7】例示的な実施形態による、LIDARデバイスを使用してスキャンされたFOVの点群表現の概念図である。
【
図8】例示的な実施形態による、さらに別の方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書では、例示的な実装形態について説明する。「例示的」という単語は、本明細書では「例、事例、または例解としての役割を果たす」ことを意味するために使用されることを理解されたい。本明細書で「例示的」または「例解的」として説明される実装形態または機能は、他の実装形態または機能よりも好ましいまたは有利であると必ずしも解釈されるべきではない。図において、特に文脈で指示しない限り、同様の記号は典型的に、同様の構成要素を指している。本明細書で説明される実装形態の例は、限定することを意味するものではない。本明細書に概して記載され、図面に例解される本開示の態様は、多種多様な異なる構成で配置し、置き換え、組み合わせ、分離し、かつ設計することができることが、容易に理解される。
【0013】
I.概要
いくつかの実装形態では、LIDARデバイスによって検出された反射された光パルスごとに測定された受信時間は、光パルスの特定の部分(例えば、始まり、ピーク、終わりなど)に対応し得る。一実装形態では、受信時間は、反射された光パルスの最大またはピーク光強度が検出されたときのピーク時間の推定値に対応し得る。例えば、LIDARデバイスの光検出器からの出力信号の時間微分のゼロ交差するときの時間を監視して、反射された光パルスがその最大値(例えば、光パルスのピーク光強度)にあるときのピーク時間を検出することができる。いくつかの例では、ゼロ交差は、出力信号の時間微分が閾値を下回ったときに基づいて(例えば、コンパレータを使用して)検出され得る。このようにして、例えば、出力信号内のノイズによって引き起こされる誤検出を低減することができる。したがって、例えば、コンパレータからの出力を使用して、検出された光パルスの受信時間判定、ならびにその受信時間での検出された光パルスの推定ピーク光強度のアナログデジタル変換をトリガすることができる。
【0014】
しかしながら、このような検出閾値の使用は、測定エラーに関連付けられている可能性がある。例えば、出力信号の時間微分は、実際のゼロ交差が発生する少し前に閾値を下回り、それによって実際の受信時間を過小推定する可能性がある。同様に、放出された光パルスの放出時間と物体によって反射された反射された光パルスの受信時間との間の飛行時間に基づいて物体までの範囲を計算するときに、範囲測定エラーが導入され得る。さらに、検出された光パルスの強度が減少するにつれて範囲測定エラーの大きさが増加する。したがって、LIDARデバイスから同じ距離または範囲で離れているが、反射率が異なる物体は、異なる計算された範囲にあるように見え得る。この強度に依存する範囲エラーは、しばしば「範囲歩行エラー」と呼ばれる。
【0015】
範囲歩行エラーを補償するために、範囲エラーを検出された光パルスの測定された光強度に関連付ける較正データ(例えば、ルックアップテーブルなど)を、LIDARデバイス(および/またはLIDARデバイス内の各受信機)について判定することができる。
【0016】
しかしながら、いくつかのシナリオでは、光検出器によって示される光強度測定値の精度が一時的に劣化する場合がある。例として、光検出器は、所定のセンサ応答挙動に従って、光検出器に入射する光の強度に基づいて変動する出力信号(例えば、電圧、電流など)を提供するように構成され得る(例えば、出力信号は、入射光の強度などに比例し得る)。しかしながら、光検出器の実際の応答挙動は、予想センサ応答挙動、または所定のセンサ応答挙動から逸脱することがある。
【0017】
1つのシナリオでは、光検出器は、比較的高強度の入射光(例えば、再帰反射器からの反射された光パルス)を受信する場合に飽和状態になる可能性がある。光検出器が飽和状態になった後、光検出器の実際のセンサ応答挙動は、本明細書では「飽和回復期間」と称し得る短期間の間、予想応答挙動から逸脱し得る。例えば、飽和回復期間中、光検出器からの出力信号は、飽和回復期間外で検出されるときよりも比較的低い光強度値に対応し得る。この場合、飽和回復期間中に測定された光パルスは、代わりに飽和回復期間外で測定された場合よりも概して不鮮明に見え得る。同様に、飽和回復期間中に測定された光パルスは、これらの光パルスを反射した実際の物体よりも不鮮明な物体に反射したと見なされ得る。物体のこの知覚された不鮮明な反射率の結果、これらの検出された光パルスの飛行時間計算に範囲エラーが導入され得る(例えば、光パルスの受信時間を補正するための不正確な範囲歩行エラー推定値)。
【0018】
本明細書のいくつかの例示的な実装形態は、劣化したLIDAR範囲測定精度の検出および軽減に関する。
【0019】
1つの例示的な方法は、LIDARデバイスの視野(FOV)内の角度範囲を繰り返しスキャンすることを含む。例えば、LIDARデバイスは、範囲の最小角度と範囲の最大角度との間の異なる角度での第1のスキャン中にLIDARデバイスによって受信された入射光を光検出器上へステアリングするように構成されたビームステアリング光学系を含み得る。次に、後続の第2のスキャンにおいて、同じビームステアリング光学系は、入射光を同様の方法で光検出器上へステアリングするように構成され得、以下同様である。このようにして、例えば、その同じ特定の角度範囲からLIDARデバイスに到着する光パルスは、一連の検出期間中に光検出器を使用して繰り返し監視することができる。
【0020】
1つの特定の実施形態では、LIDARデバイスの垂直FOVのピッチ角範囲からの光を、光検出器上へ(例えば、回転ミラーなどを介して)繰り返しステアリングすることができる。他の実施形態では、繰り返しスキャンされる角度範囲は、光検出器が繰り返しスキャンされるFOV内のヨー角の範囲または角度の任意の他のシーケンスに対応し得る。
【0021】
いくつかの例では、この方法はまた、角度範囲の第1のスキャンを、第1のスキャンの後続の第2のスキャンと比較することと、比較に基づいて、光検出器の飽和回復期間の開始を検出することと、を含む。
【0022】
例として、LIDARデバイスは、同じ角度範囲を頻繁に(例えば、毎秒数十回、数百回、数千回またはそれよりも多い回数など)スキャンするように構成され得る。この例では、2つの連続するスキャンの間のその角度範囲における反射表面の反射率の突然の変化は、2つの連続するスキャンにおいて光検出器によって示される光強度測定値の突然の変化を引き起こす飽和イベントの発生よりも可能性が低い。したがって、この例では、飽和回復期間の開始を検出するための根拠として、突然の変化について連続スキャンの光強度測定値を監視することができる。
【0023】
例示的な実施形態では、第1のスキャン中に測定されたすべての光パルスピーク強度の最大値を、角度範囲の第2の後続のスキャン中に測定された光パルスピーク強度の対応する最大値と比較することができる。各スキャンの最大値は、スキャンされた角度範囲内で最も明るい物体(例えば、最も高い反射率の物体)に対応し得る。2つの最大値の差が閾値差(例えば、60%、または任意の他の閾値差)よりも大きい場合、LIDARデバイス(またはLIDARデバイスからのデータを処理する他のコンピュータ)は、第1のスキャンまたは第2のスキャン中に光検出器が飽和回復期間に入ったと判定することができる。
【0024】
追加的に、いくつかの例では、この方法はまた、飽和回復期間中に光検出器を使用して取得された角度範囲の1つ以上のスキャンを識別することを含み得る。例えば、LIDARデバイスは、飛行時間計算および/または飽和回復期間中に検出された光パルスについて収集されたデータを使用する他のスキャン計算を調整するために、1つ以上のスキャンにフラグを立てることができる。
【0025】
一例では、この方法はまた、LIDARデバイスからのデータに基づいてFOVの点群表現を生成することを含み得る。これらの例では、この方法はまた、飽和回復期間中に光検出器を使用して取得された、識別された1つ以上のスキャンについて異物破片(FOD)検出閾値(例えば、環境内の小さな物体または他の破片を識別および/または点群表現で表されることから除外するために使用される閾値)を調整することを含み得る。例えば、FOD検出閾値を一時的に増加させて、飽和回復期間に関連付けられた範囲測定エラーに起因して物体(例えば、点群内の隆起、波紋、突起など)のように見えるデータポイントの点群をフィルタリングできる。
【0026】
別の例では、この方法は、飽和回復期間中に検出された光パルスの飛行時間計算を調整することを含み得る。例えば、飽和回復期間中に検出された光パルスの範囲測定値を計算するために第1の強度範囲較正マッピングを使用することができ、飽和回復期間外で検出された光パルスの範囲測定値を計算するために第2の異なる強度範囲較正マッピングを使用することができる。他の例も、同様に可能である。
【0027】
II.例示的なシステムおよびデバイス
本開示の例示的なセンサの非網羅的なリストは、数ある中でもとりわけ、LIDARセンサ、RADARセンサ、SONARセンサ、アクティブIRカメラ、および/またはマイクロ波カメラを含む。そのために、本明細書のいくつかの例示的なセンサは、信号(例えば、可視光信号、赤外光信号、無線周波数信号、マイクロ波信号、音信号など)を放出し、次に周囲環境からの放出された信号の反射を検出するアクティブセンサを含み得る。
【0028】
図1は、例示的な実施形態による、システム100の簡略化されたブロック図である。図示のように、システム100は、電源装置102、コントローラ104、回転プラットフォーム110、静止プラットフォーム112、1つ以上のアクチュエータ114、1つ以上のエンコーダ116、回転リンク118、送信機120、受信機130、1つ以上の光学素子140、ハウジング150、および1つ以上の洗浄装置160を含む。いくつかの実施形態において、システム100は、より多くの、より少ない、または異なる構成要素を含んでいてもよい。追加的に、示された構成要素は、任意の数の方法で組み合わされ、または分割され得る。
【0029】
電源装置102は、システム100の様々な構成要素に電力を供給、受信、および/または分配するように構成され得る。そのために、電源装置102は、システム100内に配設され、任意の実現可能な方法でシステム100の様々な構成要素に接続されて、それらの構成要素に電力を供給するための電源(例えば、バッテリーセルなど)を含んでもよいか、または別様にその形態をとってもよい。追加的に、または代替的に、電源装置102は、(例えば、システム100が取り付けられている車両に配置された電源からなど)1つ以上の外部電源から電力を受け、受けた電力をシステム100の様々な構成要素に送信するように構成された電源アダプタを含んでもよいか、または別様にその形態をとってもよい。
【0030】
コントローラ104は、システム100の特定の動作を容易にするように構成された1つ以上の電子構成要素および/またはシステムを含み得る。コントローラ104は、任意の実現可能な方法でシステム100内に配設することができる。一実施形態では、コントローラ104は、少なくとも部分的に、回転リンク118の中央空洞領域内に配設されてもよい。
【0031】
いくつかの例では、コントローラ104は、システム100の様々な構成要素への制御信号の転送および/またはシステム100の様々な構成要素からコントローラ104へのデータの転送に使用される配線を含むか、そうでなければそれに結合され得る。例えば、コントローラ104が受信するデータは、数ある可能性の中でもとりわけ、受信機130による信号の検出を示すセンサデータを含み得る。さらに、コントローラ104によって送信される制御信号は、数ある可能性の中でもとりわけ、送信機120による信号の放出を制御すること、受信機130による信号の検出を制御すること、および/または回転プラットフォーム110を回転させるようにアクチュエータ114を制御することなどによって、システム100の様々な構成要素を動作してもよい。
【0032】
示されるように、コントローラ104は、1つ以上のプロセッサ106およびデータストレージ108を含んでいてもよい。いくつかの例では、データストレージ108は、プロセッサ106によって実行可能なプログラム命令を格納して、システム100に本明細書に記載の様々な動作を実施させてもよい。そのために、プロセッサ106は、1つ以上の汎用プロセッサおよび/または1つ以上の専用プロセッサを備えていてもよい。コントローラ104が2つ以上のプロセッサを含む限り、そのようなプロセッサは、別々にまたは組み合わせて動作することができる。次に、データストレージ108は、光学的、磁気的、および/または有機的ストレージなどの1つ以上の揮発性および/または1つ以上の不揮発性ストレージの構成要素を備えていてもよく、データストレージ108は、任意で、全体的または部分的にプロセッサと統合されてもよい。
【0033】
場合によっては、コントローラ104は、外部コントローラとシステム100の様々な構成要素との間の制御信号および/またはデータの転送を容易にするのに役立つように、外部コントローラなど(例えば、車両、ロボット、またはシステム100が取り付けられる他の機械装置に配置されたコンピューティングシステム)と通信してもよい。追加的に、または代替的に、いくつかの例において、コントローラ104は、本明細書で記載される1つ以上の動作を実施するように配線された回路網を含み得る。例えば、コントローラ104は、送信機120によるパルスまたは他の信号の放出をトリガするためのパルスタイミング信号を提供する、1つ以上のパルサー回路を含み得る。追加的に、または代替的に、いくつかの例において、コントローラ104は、1つ以上の専用プロセッサ、サーボ、または他のタイプのコントローラを含み得る。例えば、コントローラ104は、特定の周波数または位相で回転プラットフォームを回転させるアクチュエータ114を操作する、比例積分微分(PID)コントローラまたは他の制御ループフィードバック機構を含み得る。他の例も、同様に可能である。
【0034】
回転プラットフォーム110は、軸を中心に回転するように構成され得る。そのために、回転プラットフォーム110を、その上に取り付けられた1つ以上の構成要素を支持するのに好適な任意の固体材料から形成することができる。例えば、送信機120および受信機130は、これらの構成要素の各々が回転プラットフォーム110の回転に基づいて環境に対して移動するように、回転プラットフォーム110上に配置され得る。特に、これらの構成要素は、システム100が様々な方向から情報を取得し得るように、軸を中心に回転させることができる。例えば、回転軸が垂直軸である場合、システム100のポインティング方向は、垂直軸を中心に回転プラットフォーム110を作動させることによって水平に調整することができる。
【0035】
静止プラットフォーム112は、任意の形状または形態をとってもよく、様々な構造、例えば、車両の上部、ロボットプラットフォーム、組み立てライン機械、またはその周辺環境をスキャンするシステム100を採用する、任意の他のシステムなどに結合するように構成されてもよい。また、静止プラットフォームの結合は、任意の実行可能なコネクタ構成(例えば、ボルト、ねじなど)を介して実行され得る。
【0036】
アクチュエータ114は、モータ、空気圧アクチュエータ、油圧ピストン、および/または圧電アクチュエータ、および/または任意の他のタイプのアクチュエータを含んでいてもよい。一例では、アクチュエータ114は、回転プラットフォーム110の回転軸を中心に回転プラットフォーム110を作動させるように構成された第1のアクチュエータを含んでいてもよい。別の例では、アクチュエータ114は、システム100の1つ以上の構成要素を異なる回転軸を中心に回転させるように構成された第2のアクチュエータを含んでいてもよい。例えば、第2のアクチュエータは、光学素子(例えば、ミラーなど)を第2の軸(例えば、水平軸など)を中心に回転させて、放出される光パルスの方向(例えば、垂直など)を調整してもよい。さらに別の例では、アクチュエータ114は、システム100の1つ以上の構成要素を傾斜させる(または別様に移動させる)ように構成された第3のアクチュエータを含んでいてもよい。例えば、第3のアクチュエータは、他の可能性の中でも、放出された光パルスの光路に沿ってフィルタまたは他のタイプの光学素子140を移動または交換するために使用することができるか、または回転プラットフォームを(例えば、システム100などによってスキャンされた視野(FOV)の範囲を調整するために)傾けるために使用することができる。
【0037】
エンコーダ116は、任意のタイプのエンコーダ(例えば、機械的エンコーダ、光学的エンコーダ、磁気的エンコーダ、容量性エンコーダなど)を含み得る。一般に、エンコーダ116は、軸を中心に回転するデバイスの回転位置測定値を提供するように構成され得る。一例では、エンコーダ116は、回転プラットフォーム110に結合されて、プラットフォーム110の回転軸を中心としたプラットフォーム110の回転位置を測定する第1のエンコーダを含み得る。別の例では、エンコーダ116は、ミラー(または他の光学素子140)に結合されて、ミラーの回転軸を中心としたミラーの回転位置を測定する第2のエンコーダを含み得る。
【0038】
回転リンク118は、静止プラットフォーム112を回転プラットフォーム110に直接的に、または間接的に結合する。そのために、回転リンク118は、静止プラットフォーム112に対する軸を中心とした回転プラットフォーム110の回転を提供する任意の形状、形態、および材料をとることができる。例えば、回転リンク118は、アクチュエータ114からの作動に基づいて回転するシャフトなどの形態を取り得、それにより、アクチュエータ114から回転プラットフォーム110に機械力を伝達する。一実施形態では、回転リンク118は、システム100の1つ以上の構成要素を配設することができる中央空洞を有することができる。いくつかの例では、回転リンク118はまた、静止プラットフォーム112と回転プラットフォーム110(および/または送信機120および受信機130などのその上の構成要素)との間でデータおよび/または命令を転送するための通信リンクを提供し得る。
【0039】
送信機120は、システム100の環境に向けて信号を送信するように構成されてもよい。示されるように、送信機120は、1つ以上のエミッタ122を含み得る。エミッタ122は、システム100の構成に応じて、様々なタイプのエミッタを含んでいてもよい。
【0040】
システム100がLIDARデバイスとして構成される場合には、第1の例において、送信機120は、波長範囲内の波長を有する1つ以上の光ビームおよび/またはパルスを放出する、1つ以上の光エミッタ122を含んでいてもよい。波長範囲は、例えば、電磁スペクトルの紫外、可視、および/または赤外部分にあり得る。いくつかの例において、波長範囲は、レーザーによって提供されるような、狭い波長範囲とすることができる。例示的な光エミッタ122の非網羅的なリストは、レーザーダイオード、ダイオードバー、発光ダイオード(LED)、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード(PLED)、発光ポリマー(LEP)、液晶ディスプレイ(LCD)、微小電気機械システム(MEMS)、ファイバーレーザー、ならびに/または選択的に光を送信し、反射し、および/もしくは放出して、複数の放出された光ビームおよび/もしくはパルスを提供するように構成された任意の他のデバイスを含む。
【0041】
システム100がアクティブ赤外線(IR)カメラとして構成される、第2の例において、送信機120は、シーンを照明するためにIR放射を放出するように構成された1つ以上のエミッタ122を含んでいてもよい。そのために、送信機120は、IR放射を提供するように構成された任意のタイプのエミッタ(例えば、光源など)を含み得る。
【0042】
システム100がRADARデバイスとして構成される第3の例では、送信機120は、変調された無線周波数(RF)信号をシステム100の環境に向けて放出するおよび/または向けるように構成された、1つ以上のアンテナ、導波路、および/または他のタイプのRADAR信号エミッタ122を含み得る。
【0043】
システム100がSONARデバイスとして構成される第4の例では、送信機120は、変調された音信号をシステム100の環境に向けて放出するように構成された、圧電トランスデューサ、磁歪トランスデューサ、静電トランスデューサ、および/または他のタイプのSONAR信号エミッタ122などの1つ以上の音響トランスデューサを含み得る。いくつかの実装形態において、音響トランスデューサは、特定の波長範囲(例えば、超低周波、超音波など)内で音信号を放出するように構成することができる。他の例も、同様に可能である。
【0044】
いくつかの実装形態では、システム100(および/または送信機120)は、システム100のFOVを画定する、相対的な空間配置において複数の信号(例えば、光ビーム、IR信号、RF波、音波など)を放出するように構成され得る。例えば、各ビーム(または信号)は、FOVの一部に向けて伝搬するように構成され得る。この例において、複数の隣接する(および/または部分的に重なる)ビームは、システム100によって実施されるスキャン動作中にFOVの複数のそれぞれの部分をスキャンするように方向付けてもよい。他の例も、同様に可能である。
【0045】
受信機130は、送信機120によって放出された信号の反射を検知するように構成された1つ以上の検出器132を含み得る。
【0046】
システム100がRADARデバイスとして構成される第1の例では、受信機130は、送信機120によって送信されたRF信号の反射を検出するように構成された1つ以上のアンテナ(すなわち、検出器132)を含み得る。そのために、いくつかの実施形態では、送信機120および受信機130の1つ以上のアンテナは、同じ物理アンテナ構造として物理的に実装することができる。
【0047】
システム100がSONARデバイスとして構成される第2の例では、受信機130は、送信機120によって放出された音信号の反射を検出するように構成された1つ以上の音センサ110(例えば、マイクロフォンなど)を含み得る。
【0048】
システム100がアクティブIRカメラとして構成される第3の例では、受信機130は、送信機120によって送信され、受信機130に向かってシーンに反射するIR光の光源波長を検出するように構成された1つ以上の光検出器132(例えば、電化結合デバイス(CCD)など)を含み得る。
【0049】
システム100がLIDARデバイスとして構成される第4の例では、受信機130は、環境からシステム100に戻る、送信機120によって放出された光パルスまたはビームの反射を捕捉および検出するように配置された1つ以上の光検出器132を含み得る。光検出器132の例には、フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード(APD)、シリコンフォトマルチプライヤ(SiPM)、シングルフォトンアバランシェダイオード(SPAD)、マルチピクセルフォトンカウンタ(MPPC)、フォトトランジスタ、カメラ、アクティブピクセルセンサ(APS)、電荷結合素子が(CCD)、極低温検出器、および/または他の光センサを含んでいてもよい。そのために、受信機130は、送信機120によって放出された光と同じ波長範囲の波長を有する光を検知するように構成されてもよい。このようにして、例えば、システム100は、システム100によって発生された受信光を、環境内の外部光源によって発生された他の光から区別してもよい。
【0050】
いくつかの実装形態では、受信機130は、互いに接続された感知要素のアレイを含む検出器を含んでいてもよい。例えば、システム100がLIDARデバイスとして構成されている場合、複数の光感知要素を並列に接続して、単一の検出要素の検出領域より大きな光検出領域を有する光検出器アレイ(例えば、アレイ内の個々の検出器の感知面の組み合わせなど)を提供することができる。光検出器アレイは、様々な方法で配置することができる。例えば、アレイの個々の検出器は、1つ以上の基板(例えば、プリント回路基板(PCB)、フレキシブルPCBなど)上に配設し、システム100の光学レンズ(例えば、光学素子140)の光路に沿って進行する、入射光を検知するように配置することができる。また、そのような光検出器アレイは、任意の実行可能な方法で整列された任意の実行可能な数の検出器を含んでいてもよい。
【0051】
いくつかの例において、システム100は、システム100(および/または送信機120および受信機130)の回転速度を変更することによって、水平スキャン分解能を選択または調整することができる。追加的に、または代替的に、水平スキャン分解能は、送信機120によって放出される信号のパルス速度を調整することによって修正することができる。第1の例において、送信機120は、毎秒15,650パルスのパルス速度でパルスを放出し、パルスを放出しながら10Hz(すなわち、毎秒10回の完全な360°回転)で回転するように構成され得る。この例において、受信機130は、0.23°の水平角分解能(例えば、連続するパルス間の水平角分離)を有し得る。第2の例において、システム100が毎秒15,650パルスのパルス速度を維持しながら、代わりに20Hzで回転される場合、水平角分解能は、0.46°になり得る。第3の例において、送信機120が10Hzの回転速度を維持しながら毎秒31,300パルスの速度でパルスを放出する場合、水平角分解能は、0.115°になり得る。いくつかの例において、システム100は、システム100の完全な360°回転未満内で特定の範囲の視野をスキャンするように、代替的に構成されてもよい。他の実装形態も、同様に可能である。
【0052】
上記のパルス速度、角分解能、回転数、および視野範囲は、単なる例であり、したがって、これらのスキャン特性の各々は、システム100の様々な用途に従って変わり得ることに留意されたい。
【0053】
光学素子140は、送信機120および/または受信機130に任意に含まれるか、または別様に結合され得る。一例では、光学素子140は、エミッタ122)によって放出された光をシーン(またはその中の領域)に向けるように配置することができる。別の例では、光学素子140は、シーン(またはその中の領域)から検出器132に向かって光を集束させるように配置することができる。そのため、光学素子140は、物理的空間を通る光の伝搬を導くように、および/または光の特定の特性を調整するように配置された、フィルタ、アパーチャ、ミラー、導波路、レンズ、または他のタイプの光学構成要素の任意の実行可能な組み合わせを含んでいてもよい。
【0054】
これにより、コントローラ104は、アクチュエータ114を操作して、環境に関する情報を取得するように回転プラットフォーム110を様々な方法で回転させることができる。一例では、回転プラットフォーム110は、いずれかの方向に回転させることができる。別の例では、回転プラットフォーム110は、システム100が環境の360°視野をスキャンするように、完全な回転を実行し得る。さらに、回転プラットフォーム110は、システム100に様々なリフレッシュレートで環境をスキャンさせるように、様々な周波数で回転することができる。一実施形態では、システム100は、10Hz(例えば、システム100の毎秒10回の完全な回転)など、3~30Hzのリフレッシュレートを有するように構成され得る。他のリフレッシュレートも、同様に可能である。
【0055】
代替的に、または追加的に、システム100は、(送信機120によって放出された)放出信号の指向方向を様々な方法で調整するように構成されてもよい。一実装形態では、送信機120の信号エミッタ(例えば、光源、アンテナ、音響トランスデューサなど)は、フェーズドアレイ構成または他のタイプのビームステアリング構成に従って動作することができる。
【0056】
システム100がLIDARデバイスとして構成される第1の例では、送信機120の光源またはエミッタは、光源によって放出された光波の位相を制御するフェーズドアレイ光学系に結合され得る。例えば、コントローラ104は、フェーズドアレイ光学系(例えば、フェーズドアレイビームステアリング)を調整して、(例えば、回転プラットフォーム110が回転していない場合でも)送信機120によって放出される光信号の有効指向方向を変更するように構成することができる。
【0057】
システム100がRADARデバイスとして構成される第2の例では、送信機120はアンテナのアレイを含んでもよく、コントローラ104は、アレイ内の個々のアンテナごとにそれぞれの位相シフト制御信号を提供して、アレイからの組み合わされたRF信号の指向方向を修正することができる(例えば、フェーズドアレイビームステアリング)。
【0058】
システム100がSONARデバイスとして構成される第3の例では、送信機120は、音響トランスデューサのアレイを含んでもよく、コントローラ104は、音響トランスデューサのアレイを(例えば、位相シフト制御信号、フェーズドアレイビームステアリングなどを介して)同様に操作し、(例えば、回転プラットフォーム110が回転していない場合などでも)アレイによって放出される、組み合わされた音信号の目標指向方向を達成し得る。
【0059】
ハウジング150は、任意の形状、形態、および材料をとることができ、システム100の1つ以上の構成要素を収容するように構成することができる。一例において、ハウジング150は、ドーム型のハウジングとすることができる。さらに、いくつかの例において、ハウジング150は、少なくとも部分的に不透明な材料で構成されてもよいか、または含んでもよく、これにより、少なくとも一部の信号がハウジング150の内部空間に入るのをブロックすることが可能であり、したがって、システム100の1つ以上の構成要素への周囲信号の熱およびノイズの影響を緩和するのに役立ち得る。ハウジング150の他の構成も、可能である。
【0060】
いくつかの例において、ハウジング150は、ハウジング150が回転プラットフォーム110の回転に基づいて回転するように構成されるように、回転プラットフォーム110に結合され得る。これらの例において、送信機120、受信機130、および場合によってはシステム100の他の構成要素は、各々、ハウジング150内に配設されてもよい。このようにして、送信機120および受信機130は、ハウジング150内に配設されている間、ハウジング150とともに回転し得る。他の例において、ハウジング150は、ハウジング150が回転プラットフォーム110によって回転される他の構成要素とともに回転しないように、静止プラットフォーム112または他の構造に結合され得る。
【0061】
図示のように、ハウジング150は、任意選択で、第1の光学窓152および第2の光学窓154を含み得る。したがって、いくつかの例では、ハウジング150は、ハウジング内に配設された1つ以上の構成要素(例えば、送信機120、受信機130など)が、光学窓152および154を通って伝播する光を除いて、環境内の外部光から光学的に絶縁されている光共振器を画定し得る。例えば、この配置では、システム100(例えば、LIDAR構成などにある)は、送信機120によって送信された信号および/または受信機130によって受信された送信信号の反射との外部光(例えば、ノイズなど)からの干渉を低減し得る。
【0062】
そのために、いくつかの実施形態では、光学窓152および154は、エミッタ122によって放出された光の波長および/または1つ以上の他の波長に対して透過的である材料を含み得る。例えば、光学窓152および154の各々は、数ある中でもとりわけ、ガラス基板またはプラスチック基板から形成され得る。追加的に、いくつかの例では、光学窓152および154の各々は、エミッタ122によって送信された光の波長を選択的に送信し、一方で、他の波長の送信を低減するフィルタを含み得るか、またはそれに結合され得る。光学窓152および154は、様々な厚さを有し得る。一実施形態では、光学窓152および154は、1ミリメートル~2ミリメートルの厚さを有し得る。他の厚さも、同様に可能である。
【0063】
いくつかの例では、第2の光学窓154は、第1の光学窓152からハウジング150の反対側に位置し得る。
【0064】
洗浄装置160は、任意選択でシステム100内に含まれて、システム100の1つ以上の構成要素(例えば、光学素子140など)の洗浄を容易にし得る。そのために、洗浄装置160は、1つ以上の洗浄機構を含み得る。第1の例示的な洗浄装置160は、システム100の1つ以上の構成要素(例えば、光学素子140、ハウジング150など)に液体を堆積させるように構成された液体スプレーを含み得る。例えば、液体は、光学構成要素の表面に配設された詰まり(例えば、汚れ、ほこりなど)を溶解または機械的に除去することを試みるために適用され得る。第2の例示的な洗浄装置160は、光学構成要素の表面上の詰まりにガスを適用するように構成された高圧ガスポンプを含み得る。第3の例示的な洗浄装置160は、システム100内の構成要素の表面から詰まりを除去することを試みるように構成されたワイパー(例えば、フロントガラスワイパーと同様の)を含み得る。他の例も可能である。
【0065】
システム100のこの構成は、例示的な目的でのみ記載されており、限定することを意味するものではないことに留意されたい。上記のように、いくつかの例において、システム100は、示されているものよりも少ない構成要素で代替的に実装することができる。一例では、システム100は、回転プラットフォーム100なしで実装することができる。例えば、送信機120は、送信機120および受信機130を必ずしも回転させることなく、システム100の特定のFOV(例えば、水平および垂直)を画定するように空間的に配置された複数の信号を送信するように構成することができる。別の例では、ハウジング150は、(2つの光学窓152、154の代わりに)単一の光学窓を含むように構成され得る。例えば、システム100のLIDAR実装形態では、LIDAR100は、単一の光学窓のみを通して光パルスを送信することによって、所与のスキャン期間中にFOVの単一の完全なスキャンを取得することができる(すなわち、2つの別個の光学窓を通して光パルスを送信することによって同じFOVの2つのスキャンを同時に取得する代わりに)。他の例も、同様に可能である。
【0066】
図2Aは、例示的な実施形態による、LIDARデバイス200を示す。図示のように、LIDAR200は、システム100の回転プラットフォーム110、静止プラットフォーム112、およびハウジング150とそれぞれ同様である回転プラットフォーム210、静止プラットフォーム212、およびハウジング250を含む。
【0067】
LIDAR200は、環境に向かって光260を放出し、環境からLIDAR200に戻る放出された光の反射部分(例えば、反射された光270)を検出することによって環境をスキャンするように構成され得る。さらに、LIDAR200によってスキャンされるFOV(すなわち、放出された光260によって照射される領域)を調整するために、回転プラットフォーム210は、回転プラットフォーム210の回転軸を中心にハウジング250(およびその中に含まれる1つ以上の構成要素)を回転させるように構成され得る。例えば、プラットフォーム210の回転軸が垂直軸である場合、回転プラットフォーム210は、放出された光260の方向を水平に調整して、LIDAR200のFOVの水平範囲を画定し得る。
【0068】
図示のように、LIDAR200はまた、放出された光260がハウジング250から送信され、反射された光270がハウジング250に入る光学窓252を含む。図示されていないが、ハウジング250はまた、光学窓252からハウジング250の反対側に位置する別の光学窓を含み得る。したがって、ハウジング250は、ハウジング内に配設された1つ以上の構成要素(例えば、送信機、受信機など)が、1つ以上の光学窓を通って伝播する光を除いて、環境内の外部光から光学的に絶縁されている光共振器を画定し得る。例えば、この配置では、LIDAR200は、送信された信号260および/または反射された信号270との外部光(例えば、ノイズなど)からの干渉を低減し得る。
【0069】
そのために、いくつかの実施形態では、光学窓252は、放出された光270の波長および/または1つ以上の他の波長に対して透過的である材料を含み得る。例えば、光学窓252は、数ある中でもとりわけ、ガラス基板またはプラスチック基板から形成され得る。追加的に、いくつかの例では、光学窓252は、放出された光260の波長を選択的に送信し、一方で、光学窓252を通る他の波長の送信を低減するフィルタを含み得るか、またはそれに結合され得る。光学窓252は、様々な厚さを有し得る。一実施形態では、光学窓252は、1ミリメートル~2ミリメートルの厚さを有し得る。他の厚さも可能である。
【0070】
図2Bは、LIDAR200の部分断面図を示す。LIDAR200の構成要素のうちのいくつか(例えば、プラットフォーム212、ハウジング250、および光学窓252)は、説明の便宜上、
図2Bの図から省略されていることに留意されたい。
【0071】
図2Bに示すように、LIDARデバイス200はまた、システム100のアクチュエータ114と同様であり得るアクチュエータ214および218を含む。追加的に、図示のように、LIDAR200は、システム100の送信機120および受信機130とそれぞれ同様であり得る送信機220および受信機230を含む。追加的に、図示のように、LIDAR200は、システム100の光学素子140と同様であり得る1つ以上の光学素子(すなわち、送信レンズ240、受信レンズ242、およびミラー244)を含む。
【0072】
アクチュエータ214および218は、ステッピングモータ、電気モータ、燃焼モータ、パンケーキモータ、圧電アクチュエータ、またはシステム100のアクチュエータ114について説明したものなどの他のタイプのアクチュエータを含み得る。
【0073】
図示のように、アクチュエータ214は、第1の軸215を中心にミラー244を回転させるように構成され得、アクチュエータ218は、第2の軸219を中心に回転プラットフォーム210を回転させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、軸215は、LIDAR200の水平軸に対応し得、軸219は、LIDAR200の垂直軸に対応し得る(例えば、軸215および219は、互いに実質的に垂直に整列され得る)。
【0074】
例示的な動作では、LIDAR送信機220は、ミラー244から反射されてLIDAR200から離れて伝播する光を(例えば、
図2Aに示される放出された光260として)(送信レンズ240を介して)放出し得る。さらに、LIDAR200の環境から受信した光(
図2Aに示される光270を含む)は、ミラー244からLIDAR受信機230に向かって(レンズ242を介して)反射され得る。したがって、例えば、LIDAR200の垂直スキャン方向は、ミラー244を(例えば、水平軸215を中心に)回転させることにより制御することができ、LIDAR200の水平スキャン方向は、回転プラットフォーム210を使用して垂直軸(例えば、軸219)を中心にLIDAR200を回転させることにより制御することができる。
【0075】
この例では、送信機220が一連の光パルスをミラーに向けて放出している間にミラー244を回転させることができる。したがって、ミラーの軸215を中心とした回転位置に応じて、各光パルスを(例えば、垂直に)ステアリングすることができる。したがって、LIDAR200は、(例えば、軸215を中心としたミラー244の角度位置の範囲に基づいて)ミラー244によって提供される(垂直)ステアリング方向の範囲によって画定される垂直FOVをスキャンすることができる。いくつかの例では、LIDAR200は、1回以上の完全な回転でミラー244を回転させて、送信機220からの放出された光を(垂直に)ステアリングするように構成されてもよい。他の例では、LIDARデバイス200は、所与の角度範囲内でミラー244を回転させて、放出された光を特定の方向範囲に(垂直に)ステアリングするように構成されてもよい。したがって、LIDAR200は、ミラー244の回転を調整することにより、様々な垂直FOVをスキャンし得る。一実施形態では、LIDAR200の垂直FOVは、110°である。
【0076】
この例を続けると、プラットフォーム210は、その上に支持された構成要素(例えば、ミラー244、モータ214、レンズ240および242、送信機220、および受信機230)の配置を垂直軸(例えば、軸219)を中心に回転させるように構成され得る。したがって、LIDAR200は、プラットフォーム210を回転させて、(送信機220からの)放出された光を水平に(例えば、プラットフォーム210の回転軸219を中心に)ステアリングし得る。追加的に、プラットフォーム210の(軸219を中心とした)回転位置の範囲を制御して、LIDAR200の水平FOVを画定することができる。一実施形態では、プラットフォーム210は、画定された角度範囲(例えば、270°など)内で回転して、360°未満の水平FOVを提供し得る。しかしながら、任意の水平FOVをスキャンするために、他の回転量(例えば、360°、8°など)も可能である。
【0077】
図2Cは、LIDARデバイス200の部分断面図を示す。LIDAR200の構成要素のうちのいくつかは、説明の便宜上、
図2Cの図から省略されていることに留意されたい。
図2Cの断面図では、軸215は、ページに垂直であり得(かつページを通って延在し得る)。
【0078】
図2Cに示すように、LIDAR200はまた、光学窓252に対向して位置付けられている第2の光学窓254を含む。光学窓254は、光学窓252と同様であり得る。例えば、光学窓254は、ハウジング250によって画定された光共振器内に、および/または光共振器から光を透過するように構成され得る。
【0079】
図2Cに示すように、送信機220は、例えば、エミッタ122について説明した光源のいずれかを含み得るエミッタ222を含む。代替の実施形態では、送信機220は、2つ以上の光源を含み得る。エミッタ222は、1つ以上の光パルス260(例えば、レーザービームなど)を放出するように構成され得る。送信レンズ240は、エミッタ222から放出された光をミラー244に向ける(および/またはコリメートする)ように構成され得る。例えば、送信レンズ240は、エミッタからの光をコリメートして、LIDAR200から送信される光ビーム260のビーム幅(例えば、点線260aと点線260bとの間のビーム発散角)を画定し得る。
【0080】
図2Cに示すように、ミラー244は、3つの反射表面244a、244b、244c(例えば、三角ミラー)を含み得る。代替の例では、ミラー244は、代わりに、追加のまたはより少ない反射表面を含み得る。図示の例では、送信レンズ240を透過した放出された光は、その後、反射面244aから、矢印260で示される方向にLIDAR200の環境に向かって反射され得る。したがって、この例では、ミラー244が(例えば、軸215を中心に)回転すると、放出された光260は、矢印260によって示される方向とは異なる方向(例えば、ピッチ方向など)を有するようにステアリングされ得る。例えば、放出された光の方向260は、三角ミラー244の回転位置に基づいて調整することができる。
【0081】
追加的に、いくつかの例では、放出された光260は、軸215を中心としたミラー244の回転位置に応じて、光学窓252または光学窓254を通してハウジング250からステアリングされ得る。したがって、いくつかの例では、LIDAR200は、放出された光ビーム260を広い方向範囲内(例えば、垂直)に、および/またはハウジング250のいずれかの側(例えば、光学窓252および252が位置する側)からステアリングされるように構成され得る。
【0082】
図2Dは、LIDARデバイス200の別の部分断面図を示す。LIDAR200の構成要素のうちのいくつかは、説明の便宜上、
図2Dの図から省略されていることに留意されたい。図示のように、受信機230は、システム100の検出器112と同様であり得る1つ以上の光検出器232を含む。さらに、図示のように、受信機230は、受信レンズ246と検出器232との間にダイアフラム246を含む。
【0083】
ダイアフラム246は、検出器232に向けて送信するために、受信レンズ242によって集束された光の一部分を選択するように構成された1つ以上の光学素子(例えば、開口絞り、フィルタなど)を含み得る。
【0084】
例えば、受信レンズ242は、LIDAR200によってスキャンされたシーンから受信された光(例えば、窓252または窓254に入り、ミラー244によって反射されるシーンからの光)をダイアフラム246に向けて集束させるように構成され得る。上記の議論に沿って、検出器232は、送信機220によって照射された目標領域からの光を含む集束された光の一部を捕捉するように配置(または整列)され得る。これを容易にするために、例えば、ダイアフラム246は、目標領域に関連付けられた集束された光の一部分を、検出器232による検出のための発散光(例えば、反射された光270を含む)として開口を介して透過させるように位置付けおよび/またはサイズ決めされた開口を含み得る。
【0085】
LIDAR200の様々な構成要素、LIDAR200によって放出される光ビーム、および/またはLIDAR200によって受信される光ビームの様々な位置、形状、ならびにサイズは異なっていてよく、必ずしも一定の縮尺である必要はないが、説明の便宜上、
図2A~
図2Dに示すように図解されることに留意されたい。追加的に、LIDAR200は、代替的に、
図2A~
図2Dに示されている構成要素よりも追加の、より少ない、または異なる構成要素を含み得ることに留意されたい。
【0086】
1つの代替の実装形態では、ハウジング250は、(2つの光学窓252および254の代わりに)単一の光学窓を含むように構成され得る。例えば、LIDAR200は、LIDAR200のFOVの水平範囲に関連付けられるヨー角範囲にわたるハウジング250の各回転中に、LIDAR200のFOVの単一の完全なスキャンを取得するように構成され得る。この例では、LIDAR200は、ハウジング250の回転中に単一の光学窓を通して光パルスを送信して、所与のスキャン期間中のFOVの単一のスキャンを取得するように構成され得る(すなわち、所与のスキャン期間にわたって2つの別個の光学窓を通して同時に光パルスを送信することによって同じFOVの2つのスキャンを取得する代わりに)。
【0087】
別の代替の実装形態では、LIDAR200は、ミラー244の代わりに、またはミラー244に加えて、1つ以上の光学構成要素を含むビームステアリング装置を含み得る。この実装形態では、LIDAR200は、ビームステアリング光学素子の様々な配置を使用して、光学窓252および/または254を通して送信および/または受信された光ビームをステアリングすることによってシーンをスキャンするように構成され得る。
【0088】
本明細書に記載のいくつかの例示的な実装形態は、システム100、デバイス200、および/または他のタイプのセンサ(例えば、RADAR、SONAR、カメラ、他のアクティブセンサなど)などの少なくとも1つのセンサを含む車両を含む。しかしながら、本明細書に開示される例示的なセンサはまた、他の様々な目的のために使用することができ、任意の実行可能なシステムまたは配置に組み込まれるか、そうでなければ接続され得る。例えば、本明細書の例示的なLIDARデバイスは、組み立てライン設定で使用されて、組み立てラインで製造されている物体(例えば、製品)を監視することができる。他の例も、同様に可能である。
【0089】
本明細書のいくつかの例示的なLIDARデバイスは、従来の自動車、ならびに自律的または半自律的な動作モードを有する自動車を含む、任意のタイプの車両とともに使用することができる。さらに、「車両」という用語は、例えば、トラック、バン、セミトレーラートラック、オートバイ、ゴルフカート、オフロード車両、倉庫輸送車両、または農用車両、およびローラーコースター、トロリー、トラム、または列車などのトラックに乗る運搬機を含む、あらゆる移動物体を包含すると広く解釈されるべきである。
【0090】
図3は、例示的な実施形態による、車両300の簡略化されたブロック図である。図示のように、車両300は、推進システム302、センサシステム304、制御システム306、周辺機器308、およびコンピュータシステム310を含む。いくつかの実施形態では、車両300は、より多くの、より少ない、または異なるシステムを含み得、各システムは、より多くの、より少ない、または異なる構成要素を含み得る。追加的に、示されたシステムおよび構成要素は、あらゆる方法で組み合わされるか、または分割され得る。例えば、制御システム306およびコンピュータシステム310は、単一のシステムに組み合わせることができる。
【0091】
推進システム302は、車両300に動力運動を提供するように構成され得る。そのために、図示のように、推進システム302は、エンジン/モータ318、エネルギー源320、トランスミッション322、およびホイール/タイヤ324を含む。
【0092】
エンジン/モータ318は、内燃機関、電気モータ、蒸気エンジン、およびスターリングエンジンの任意の組み合わせであり得るか、またはそれらを含み得る。他のモータおよびエンジンも、同様に可能である。いくつかの実施形態では、推進システム302は、複数のタイプのエンジンおよび/またはモータを含み得る。例えば、ガス-電気ハイブリッド車は、ガソリンエンジンおよび電気モータを含むことができる。他の例も可能である。
【0093】
エネルギー源320は、エンジン/モータ318に全体的または部分的に動力を供給するエネルギー源であり得る。すなわち、エンジン/モータ318は、エネルギー源320を機械的エネルギーに変換するように構成され得る。エネルギー源320の例は、ガソリン、ディーゼル、プロパン、他の圧縮ガスベースの燃料、エタノール、ソーラパネル、バッテリー、および/または他の電力源を含む。エネルギー源320は、追加的に、または代替的に、燃料タンク、バッテリー、コンデンサ、および/またはフライホイールの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、エネルギー源320は、車両300の他のシステムにもエネルギーを提供し得る。そのために、エネルギー源320は、追加的に、または代替的に、例えば、再充電可能なリチウムイオンまたは鉛酸バッテリーを含み得る。いくつかの実施形態では、エネルギー源320は、車両300の様々な構成要素に電力を提供するように構成されたバッテリーの1つ以上のバンクを含み得る。
【0094】
トランスミッション322は、機械的動力をエンジン/モータ318からホイール/タイヤ324に伝えるように構成され得る。そのために、トランスミッション322は、ギアボックス、クラッチ、ディファレンシャル、ドライブシャフト、および/または他の素子を含み得る。トランスミッション322が駆動シャフトを含む実施形態では、駆動シャフトは、ホイール/タイヤ324に結合されるように構成された1つ以上の車軸を含み得る。
【0095】
車両300のホイール/タイヤ324は、一輪車、自転車/オートバイ、三輪車、または乗用車/トラックの四輪車のフォーマットを含む様々なフォーマットで構成され得る。6つ以上のホイールを含むものなど、他のホイール/タイヤフォーマットも、可能である。いずれの場合でも、ホイール/タイヤ324は、他のホイール/タイヤ324に関して差動的に回転するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ホイール/タイヤ324は、トランスミッション322に固定的に取り付けられた少なくとも1つのホイールと、走行面と接触することができるホイールのリムに結合された少なくとも1つのタイヤとを含み得る。ホイール/タイヤ324は、金属とゴムの任意の組み合わせ、または他の材料の組み合わせを含み得る。推進システム302は、追加的に、または代替的に、示されているもの以外の構成要素を含み得る。
【0096】
センサシステム304は、車両300が位置している環境についての情報を感知するように構成されたいくつかのセンサと、センサの位置および/または配向を修正するように構成された1つ以上のアクチュエータ336とを含み得る。図示のように、センサシステム304は、全地球測位システム(GPS)326、慣性測定ユニット(IMU)328、RADARユニット330、レーザー距離計/LIDARユニット332、およびカメラ334を含む。センサシステム304は、例えば、車両300の内部システム(例えば、O2モニタ、燃料計、エンジンオイル温度など)を監視するセンサを含む、追加のセンサも含み得る。他のセンサも可能である。
【0097】
GPS326は、車両300の地理的場所を推定するように構成された任意のセンサ(例えば、場所センサ)であり得る。そのために、GPS326は、地球に対する車両300の位置を推定するように構成されたトランシーバを含み得る。
【0098】
IMU328は、慣性加速度に基づいて車両300の位置および配向の変化を感知するように構成されているセンサの任意の組み合わせであり得る。いくつかの実施形態では、センサの組み合わせは、例えば、加速度計、ジャイロスコープ、コンパスなどを含み得る。
【0099】
RADARユニット330は、無線信号を使用して車両300が位置している環境内の物体を感知するように構成されている任意のセンサであり得る。いくつかの実施形態では、物体を感知することに加えて、RADARユニット330は、物体の速度および/または向きを感知するように追加的に構成され得る。
【0100】
同様に、レーザー距離計またはLIDARユニット332は、レーザーを使用して車両300が位置している環境内の物体を感知するように構成されている任意のセンサであり得る。例えば、LIDARユニット332は、1つ以上のLIDARデバイスを含むことができ、これは、他の可能なLIDAR構成の中でも、システム100および/またはデバイス200と同様であり得る。
【0101】
カメラ334は、車両300が位置している環境の画像を撮像するように構成された任意のカメラ(例えば、スチルカメラ、ビデオカメラなど)であり得る。そのために、カメラ334は、上記の形態のいずれかをとることができる。
【0102】
制御システム306は、車両300および/またはその構成要素の1つ以上の動作を制御するように構成され得る。そのために、制御システム306は、ステアリングユニット338、スロットル340、ブレーキユニット342、センサフュージョンアルゴリズム344、コンピュータビジョンシステム346、ナビゲーションまたは経路設定システム348、および障害物回避システム350を含み得る。
【0103】
ステアリングユニット338は、車両300の向きを調整するように構成された機構の任意の組み合わせであり得る。スロットル340は、エンジン/モータ318、ひいては車両300の速度を制御するように構成された機構の任意の組み合わせであり得る。ステアリングユニット342は、車両300を減速させるように構成された機構の任意の組み合わせであり得る。例えば、ブレーキユニット342は、ホイール/タイヤ324を遅くするように、摩擦を使用し得る。別の例として、ブレーキユニット342は、ホイール/タイヤ324の運動エネルギーを電流に変換することができる。
【0104】
センサフュージョンアルゴリズム344は、センサシステム304からのデータを入力として受け入れるように構成されているアルゴリズム(またはアルゴリズムを格納しているコンピュータプログラム製品)であり得る。データは、例えば、センサシステム304で感知された情報を表すデータを含み得る。センサフュージョンアルゴリズム344は、例えば、カルマンフィルタ、ベイジアンネットワーク、機械学習アルゴリズム、本明細書の方法の機能のうちのいくつかのためのアルゴリズム、または任意の他のセンサフュージョンアルゴリズムを含み得る。センサフュージョンアルゴリズム344はさらに、例えば、車両300が位置している環境における個々の物体および/または特徴の評価、特定の状況の評価、および/または特定の状況に基づく可能な影響の評価を含む、センサシステム304からのデータに基づく様々な査定を提供するように構成され得る。他の査定も、同様に可能である。
【0105】
コンピュータビジョンシステム346は、例えば、交通信号機、および障害物を含む、車両300が位置している環境における物体および/または特徴を識別するために、カメラ334によって撮像された画像を処理および分析するように構成された任意のシステムであり得る。そのために、コンピュータビジョンシステム346は、物体認識アルゴリズム、運動からの構造(Structure From Motion)(SFM)アルゴリズム、ビデオ追跡、または他のコンピュータビジョン技術を使用し得る。いくつかの実施形態では、コンピュータビジョンシステム346は、環境をマッピングし、物体を追跡し、物体の速度を推定するなどのために追加的に構成され得る。
【0106】
ナビゲーションおよび経路設定システム348は、車両300の走行経路を判定するように構成された任意のシステムであり得る。ナビゲーションおよび経路設定システム348は、追加的に、車両300の動作中に、動的に車両300の走行経路を更新するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ナビゲーションおよび経路設定システム348は、車両300の走行経路を判定するために、センサフュージョンアルゴリズム344、GPS326、LIDARユニット332、および/または1つ以上の所定のマップからのデータを組み込むように構成され得る。
【0107】
障害物回避システム350は、車両300が位置している環境における障害物を識別、評価、および回避するか、または別様に通り抜けるように構成された任意のシステムであり得る。制御システム306は、追加的に、または代替的に、示されているもの以外の構成要素を含み得る。
【0108】
周辺機器308は、車両300が外部センサ、他の車両、外部コンピューティングデバイス、および/またはユーザと相互作用することを可能にするように構成され得る。そのために、周辺機器308は、例えば、無線通信システム352、タッチスクリーン354、マイクロフォン356、および/またはスピーカ358を含み得る。
【0109】
無線通信システム352は、直接、または通信ネットワークを介してのいずれかで1つ以上の他の車両、センサ、または他のエンティティに無線で結合するように構成された任意のシステムであり得る。そのために、無線通信システム352は、他の車両、センサ、サーバ、または他のエンティティと直接、または通信ネットワークを介してのいずれかで通信するためのアンテナまたはチップセットを含み得る。チップセットまたは無線通信システム352は、一般に、数ある可能性の中でもとりわけ、Bluetooth、IEEE802.11(任意のIEEE802.11改訂版を含む)に説明されている通信プロトコル、セルラー技術(GSM、CDMA、UMTS、EV-DO、WiMAX、またはLTEなど)、Zigbee、専用短距離通信(DSRC)、および無線周波数識別(RFID)通信などの1つ以上のタイプの無線通信(例えば、プロトコル)に従って通信するように配置され得る。
【0110】
タッチスクリーン354は、ユーザが車両300にコマンドを入力するために使用され得る。そのために、タッチスクリーン354は、数ある可能性の中でもとりわけ、容量性感知、抵抗感知、または表面音響波プロセスを介して、ユーザの指の位置および動きのうちの少なくとも1つを感知するように構成され得る。タッチスクリーン354は、タッチスクリーン表面に平行または平面的な方向、タッチスクリーン表面に垂直な方向、またはその両方における指の動きを感知することができ得、タッチスクリーン表面に加えられる圧力のレベルを感知することもでき得る。タッチスクリーン354は、1つ以上の半透明または透明の絶縁層と、1つ以上の半透明または透明の導電層とで形成され得る。タッチスクリーン354は、他の形態も同様に取り得る。
【0111】
マイクロフォン356は、車両300のユーザから音声(例えば、ボイスコマンドまたは他の音声入力)を受信するように構成され得る。同様に、スピーカ358は、ユーザに音声を出力するように構成され得る。
【0112】
コンピュータシステム310は、推進システム302、センサシステム304、制御システム306、および周辺機器308のうちの1つ以上に、データを送信する、それらからデータを受信する、それらと相互作用する、および/またはそれらを制御するように構成され得る。そのために、コンピュータシステム310は、システムバス、ネットワーク、および/または他の接続機構(図示せず)によって、推進システム302、センサシステム304、制御システム306、および周辺機器308のうちの1つ以上に通信可能にリンクされ得る。
【0113】
一例では、コンピュータシステム310は、燃料効率を改善するためにトランスミッション322の動作を制御するように構成され得る。別の例として、コンピュータシステム310は、カメラ334に環境の画像を撮像させるように構成され得る。さらに別の例として、コンピュータシステム310は、センサフュージョンアルゴリズム344に対応する命令を格納および実行するように構成され得る。さらに別の例として、コンピュータシステム310は、LIDARユニット332を使用して、車両300の周囲の環境の3D表現を判定するための命令を格納および実行するように構成され得る。したがって、例えば、コンピュータシステム310は、LIDARユニット332のコントローラとして機能することができる。他の例も、同様に可能である。
【0114】
図示のように、コンピュータシステム310は、プロセッサ312およびデータストレージ314を含む。プロセッサ312は、1つ以上の汎用プロセッサおよび/または1つ以上の専用プロセッサを備えていてもよい。プロセッサ312が2つ以上のプロセッサを含む限り、そのようなプロセッサは、別々にまたは組み合わせて動作することができる。
【0115】
次に、データストレージ314は、光学的、磁気的、および/または有機的ストレージなどの1つ以上の揮発性および/または1つ以上の不揮発性ストレージの構成要素を備えていてもよく、データストレージ314は、全体的または部分的にプロセッサ312と統合されてもよい。いくつかの実施形態では、データストレージ314は、プロセッサ312によって実行可能な命令316(例えば、プログラムロジック)を含み、車両300および/またはその構成要素(例えば、LIDARユニット332など)に、本明細書に説明される様々な動作を実行させる。データストレージ314は、推進システム302、センサシステム304、制御システム306、および/または周辺機器308のうちの1つ以上に、データを送信する、それらからデータを受信する、それらと相互作用する、および/またはそれらを制御するための命令を含む、追加の命令も同様に含み得る。
【0116】
いくつかの実施形態では、車両300は、示されているものに加えて、またはその代わりに、1つ以上の素子を含み得る。例えば、車両300は、1つ以上の追加のインターフェースおよび/または電源を含み得る。他の追加の構成要素も可能である。そのような実施形態では、データストレージ314はまた、追加の構成要素を制御および/またはそれらと通信するためにプロセッサ312によって実行可能な命令を含み得る。さらに、構成要素およびシステムの各々が車両300に統合されることが示されているが、いくつかの実施形態では、1つ以上の構成要素またはシステムは、有線または無線接続を使用して車両300に取り外し可能に取り付けられるか、または別様で(機械的または電気的に)接続され得る。車両300は、他の形態も同様に取り得る。
【0117】
III.例示的な方法
システム100およびLIDAR200について説明された例示的な配置は、限定することを意味するものではないことに留意されたい。したがって、本明細書に説明される方法およびプロセスは、LIDARデバイス200ならびに他のLIDAR配置を含む、様々な異なるLIDAR構成とともに使用することができる。一例では、本明細書に説明される方法は、2つの光学窓の代わりに単一の光学窓を含むLIDARデバイスとともに使用することができる。別の例では、本明細書の方法のLIDARデバイスは、光検出器上で、および/または異なる順序で、および/またはLIDAR200について説明されたものとは異なる光学構成要素を使用して異なる角度範囲を繰り返しスキャンする(例えば、水平角度の範囲などを繰り返しスキャンする)ように構成され得る。
【0118】
追加的に、いくつかの例では、本明細書に説明される方法およびプロセスは、システム100の説明にあるアクティブ感知システムのいずれか(例えば、SONAR、RADAR、LIDARなど)など、様々な異なるタイプのアクティブセンサとともに使用することができる。
【0119】
図4は、例示的な実施形態に従う、方法400のフローチャートである。方法400は、例えば、システム100、デバイス200、および/または車両300のうちのいずれかとともに使用することができる方法の実施形態を提示する。方法400は、ブロック402~408のうちの1つ以上によって示されるように、1つ以上の動作、機能、またはアクションを含み得る。ブロックは連続した順序で例示されているが、これらのブロックは、場合によっては、並行して、および/または本明細書で記載されたものとは異なる順序で実行され得る。また、様々なブロックは、より少ないブロックに組み合わされ、さらなるブロックに分割され、および/または所望の実装に基づいて除去されることができる。
【0120】
加えて、方法400ならびに本明細書で開示される他のプロセスおよび方法について、フローチャートは、本実施形態のうちの1つの可能な実装形態の機能および動作を示す。これに関して、各ブロックは、モジュール、セグメント、製造もしくは動作プロセスの一部、またはプログラムコードの一部を表し得、それにはプロセス内の特定の論理機能またはステップを実施するためのプロセッサによって実行可能な1つ以上の命令が含まれる。プログラムコードは、例えば、ディスクまたはハードドライブを含むストレージデバイスのような任意のタイプのコンピュータ可読媒体に格納され得る。コンピュータ可読媒体は、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、およびランダムアクセスメモリ(RAM)のような、データを短期間にわたって格納するコンピュータ可読媒体などの非一時的なコンピュータ可読媒体を含み得る。コンピュータ可読媒体は、例えば、リードオンリーメモリ(ROM)、光ディスクまたは磁気ディスク、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)のような補助ストレージまたは永続長期ストレージなどの非一時的なコンピュータ可読媒体も含み得る。コンピュータ可読媒体は、任意の他の揮発性または不揮発性ストレージシステムとすることもできる。コンピュータ可読媒体は、例えば、コンピュータ可読ストレージ媒体、または有形のストレージデバイスであると考えられ得る。
【0121】
加えて、方法400ならびに本明細書で開示される他のプロセスおよび方法について、
図4の各ブロックは、プロセス内の特定の論理機能を実行するように配線された回路を表し得る。
【0122】
ブロック402において、方法400は、光検出測距(LIDAR)デバイスの視野(FOV)内の角度範囲を、LIDARデバイスの光検出器で繰り返しスキャンすることを含む。
【0123】
第1の例では、
図2Dに戻って参照すると、LIDAR200は、軸215を中心にミラー244を回転させて、LIDAR200のFOV内のピッチ角範囲を繰り返しスキャンして、LIDAR200の垂直FOV内の異なるピッチ方向(例えば、-74度~+21度に延在するピッチ角にわたる、またはLIDAR200の任意の他の垂直FOVなど)から受信したシーンからの光を反射させるように構成され得る。
【0124】
第2の例では、ブロック402での角度範囲は、代替的に、LIDAR200の垂直FOVのサブセットに対応してもよい。例えば、角度範囲は、-45度~-74度の角度(または垂直FOVの任意の他のサブセット)に対応するように選択することができる。
【0125】
第3の例では、ブロック402での角度範囲は、ヨー角の範囲に対応し得る。例えば、第1のヨー角から第2のヨー角への回転プラットフォーム210の回転中にLIDAR200が受信する光パルスのヨー角の範囲は、ブロック402での角度の範囲として選択することができる。他の例も可能である。
【0126】
ブロック404において、方法400は、角度範囲のスキャンごとに、光検出器で捕捉された複数の光パルスを検出することを含む。
【0127】
第1の例では、
図2Cに戻って参照すると、光エミッタ222は、ミラー244を介して、FOVに向かって一連の光パルス260を放出することができる。次に
図2Dを参照すると、FOVから戻る放出された光パルスの反射部分は、ブロック404で検出される複数の光パルスとして、ミラー244によって検出器232に向かってステアリングされ得る。
【0128】
第2の例では、方法400のLIDARデバイスは、代替的に、ミラー244によってステアリングされない1つ以上の光パルスを放出してもよい。例えば、エミッタ222とは異なるエミッタ(
図2Cには図示せず)を使用して、ブロック402の角度範囲と少なくとも部分的に重なるFOVの一部分に向かって1つ以上の光パルスを放出することができる。この場合、ブロック404の光検出器は、次に、FOVの照射部分の異なる角度からの1つ以上の放出された光パルスの反射部分を検出することができる。
【0129】
第3の例では、方法400のLIDARデバイスは、光パルスを放出することなく角度範囲をスキャン(して、例えば、外部デバイスなどによって放出された入射光パルスを検出)するように構成され得る。他の例も可能である。
【0130】
いくつかの例では、方法400は、LIDARデバイスからFOVに向かって1つ以上の光パルスを放出することを含み得る。これらの例では、ブロック404で検出された複数の光パルスは、上記の議論に沿って、FOVからLIDARデバイスに反射されて戻る1つ以上の放出された光パルスの反射部分を含み得る。
【0131】
いくつかの例では、方法400は、複数の連続的な検出期間中にブロック404で複数の光パルスを検出することを含み得る。これらの例では、光検出器は、スキャンの複数の連続的な検出期間の各々の間に、角度範囲内の異なる角度からの光を捕捉するように構成され得る。
【0132】
例えば、
図2Dに戻って参照すると、光検出器232は、複数の連続的な検出期間中に、FOV内の異なる角度からミラー244によってステアリングされる入射光を継続的にスキャンするように構成され得る。例えば、
図2Cに戻って参照すると、各光パルスがエミッタ222によって放出された後、光検出器232は、所定の時間(すなわち、検出期間)、放出された光パルスの反射を聞くことができる。この場合、エミッタ222は、次に、FOVに向かって(例えば、ミラー244の回転のために)異なる角度で第2の光パルスを放出することができ、光検出器232は、次に、第2の光パルスが放出された後の第2の検出期間中に第2の放出された光パルスの反射を聞くことができ、以下同様である。
【0133】
ブロック406において、方法400は、角度範囲の第1のスキャンを、第1のスキャンの後続の第2のスキャンと比較することを含む。
【0134】
例えば、
図2Dに戻って参照すると、角度範囲の各スキャンは、ミラー244を回転させてLIDAR200の垂直FOVの両端間で異なる角度から光をステアリングすることによって取得されるLIDAR200のFOVの垂直スキャンに対応し得る。この例では、角度範囲の第2のスキャンは、ミラー244を回転させて垂直FOV内の同じピッチ角からの光を光検出器232に向けることによって取得される同じ角度範囲の第2の後続のスキャンに対応し得、以下同様である。
【0135】
この例では、各スキャン中に、光検出器232は、垂直FOVにわたる異なるピッチ角から到着する光パルスを検出することができる。次に、LIDAR200は、各入射光パルスの光強度(例えば、ピーク強度など)(ならびにパルスの対応する受信時間)を測定することができる。この例では、各スキャン中に測定された光強度は、ブロック406で互いに比較することができる。例えば、第1のスキャンにおいて角度範囲にわたって測定された任意の検出された光パルスの最大光強度値を、第2のスキャン中に角度範囲にわたって測定された任意の検出された光パルスの最大光強度値と比較することができる。代替的に、または追加的に、例えば、各スキャン中に検出された光パルスの他の特性を互いに比較することができる(例えば、範囲、受信時間など)。
【0136】
したがって、いくつかの例では、ブロック406での第1のスキャンと第2のスキャンとの比較は、上記の議論に沿って、第1のスキャン中に検出された第1の光パルスについての光検出器からの第1の出力によって示される第1の光強度測定値を、第2のスキャン中に検出された第2の光パルスについての光検出器形態の第2の出力によって示される第2の光強度測定値と比較することを含む。追加的に、いくつかの例では、第1の光強度測定値を第2の光強度測定値と比較することは、上記の議論に沿って、第1の光強度測定値および第2の光強度測定値のそれぞれの最大値を比較することを含み得る。
【0137】
ブロック408において、方法400は、光検出器の飽和回復期間の開始を検出することを含む。
【0138】
第1の例では、ブロック408での飽和回復期間の開始の検出は、ブロック406での比較に基づいている。
【0139】
例えば、上記の例を続けると、ブロック406での比較が、第1のスキャンおよび第2のスキャンにおける光強度測定値のそれぞれの最大値間の不一致を示す場合、方法400のシステムは、光検出器が飽和回復期間に入ったと判定することができる。一例では、飽和回復期間の開始の検出は、それぞれの最大値の差が閾値差(例えば、60%)よりも大きいことに基づき得る。この例では、方法400のシステムは、次に、第2のスキャンで検出された光パルスが第1のスキャンで検出された光パルスよりも著しく不鮮明であると判定することができ、これは、第2のスキャンは、光検出器が飽和回復期間にある間に取得されたことを示し得る。したがって、いくつかの実装形態では、ブロック408での飽和回復期間の開始の検出は、上記の議論に沿って、それぞれの最大値(すなわち、第1のスキャンでの第1の光強度測定値および第2のスキャンでの第2の光強度測定値の最大値)の差が閾値差(例えば、40%、50%、60%、70%、または任意の他の閾値差)よりも大きいことに基づき得る。
【0140】
代替的に、または追加的に、第2の例では、方法400はまた、ブロック402で角度範囲を繰り返しスキャンしながら、光検出器の供給電圧(または電力消費または出力電流)を監視することと、光検出器の供給電圧(または電力消費または出力電流)の閾値変化の検出に基づいて、ブロック408で飽和回復期間の開始を検出することと、を含む。例えば、光検出器は、飽和状態に入るときに比較的高い電流を送信するSiPMまたは他のタイプのデバイスを含み得る。
【0141】
代替的に、または追加的に、第3の例では、方法400はまた、ブロック402で角度範囲を繰り返しスキャンしながら、光検出器の温度を監視することと、光検出器の温度の閾値変化の検出に基づいて、ブロック408で飽和回復期間の開始を検出することと、を含む。例えば、光検出器は、飽和状態に入るときに熱エネルギーを送信するSiPMまたは他のタイプのデバイスを含み得る。また、LIDARデバイスは、光検出器の温度を測定して飽和状態(および飽和回復期間)の開始を検出する温度センサを含み得る。
【0142】
代替的に、または追加的に、第4の例では、方法400はまた、ブロック402で角度範囲を繰り返しスキャンしながら、光検出器のブレークダウン電圧を監視することと、光検出器の破壊電圧の閾値変化の検出に基づいて、ブロック408で飽和回復期間の開始を検出することと、を含む。他の例も可能である。
【0143】
いくつかの例では、方法400はまた、LIDARデバイスからFOVに向かって放出され、ブロック404で検出される複数の光パルスのうちの検出された光パルスとして、FOVからLIDARデバイスに向かって少なくとも部分的に反射されて戻る、放出された光パルスの飛行時間を、検出された光パルスについての光検出器からの出力によって示される光強度測定値に少なくとも基づいて判定することを含み得る。
【0144】
例として、方法400のシステム(例えば、システム100、LIDAR200など)は、光検出器に結合され、出力信号に示される検出された光パルスのピークまたはその付近で光検出器の出力信号(例えば、電圧、電流など)の収集をトリガするように構成された回路を含み得る。例えば、回路は、光検出器からの出力信号の時間微分が小さな閾値(例えば、0~0.1など)を横断するときにアナログデジタルコンバータ(ADC)からの出力の収集をトリガするコンパレータを含み得る。コンパレータが収集をトリガするときに収集されるADC値は、ピークに到達する前の光パルスの強度に対応し得る。このエラー(例えば、「範囲歩行エラー」)を補正するために、方法400のシステムは、強度測定を範囲エラー(または範囲歩行エラー)と関連付ける較正データ(例えば、データストレージ108、314などに格納されている)を使用して、検出された光パルスのピークの受信時間(および/または検出された光パルスの判定された飛行時間)をより正確に推定することができる。
【0145】
いくつかの例では、方法400はまた、検出された光パルスが、飽和回復期間中に光検出器で検出されたかどうかを判定することを含み得る。これらの例では、検出された光パルスの飛行時間の判定は、検出された光パルスが、飽和回復期間中に検出されたかどうかの判定にも基づき得る。上記の例を続けると、検出された光パルスが飽和回復期間中に検出された場合、方法400のシステムは、異なる較正データを使用して、飽和回復期間中に収集された測定値に適した範囲値または範囲歩行エラー値で光強度測定値をマッピングすることができる。
【0146】
図5は、例示的な実施形態による、LIDARデバイスのFOV内の角度範囲を繰り返しスキャンする光検出器によって示される光強度測定値の概念図である。具体的には、
図5のグラフの各点は、光検出器による角度範囲の単一のスキャン中の光強度測定値の最大値を表し得る。例示の目的のために、垂直軸の値(すなわち、スキャンの最大光強度測定値)は、0.5~1.1の値に正規化されている。水平軸の値は、同じ光検出器による角度範囲の連続スキャンのシーケンスにおける各スキャンの順序を表す。
【0147】
図2Dに戻って参照すると、例として、
図5のグラフの各点は、LIDAR200の垂直FOVの完全な単一のスキャン中に任意のピッチ角から検出された任意の光パルスについて、光検出器232の出力によって示される最大光強度測定値(すなわち、スキャン中に最も明るいおよび/または最も近い物体からLIDAR200に反射された光パルスの強度など)を表し得る。
【0148】
図5に示すように、各スキャンの最大光強度測定値のほとんどは、約1.0の正規化された値を有している。しかしながら、いくつかのスキャンでは、最大測定強度は、前のスキャンでの最大測定強度に比べて著しく減少する。例えば、スキャン502の間、光検出器による最大強度測定値は、1.0の正規化された値に近かった。しかしながら、後続のスキャン504では、スキャン504中に検出された測定された光強度の最大値は著しく低かった(約0.65の正規化された値)。追加的に、スキャン504後の1つ以上の後続のスキャンにおいて、光検出器によって、同じスキャンされた角度範囲にわたる検出された光パルスの比較的低い最大強度測定値も示された。光検出器のこの「不鮮明になる(dimming)」挙動は、光検出器が、少なくともスキャン504および1つ以上の他の後続のスキャン中、飽和回復期間中に動作していたことを示し得る。
【0149】
本開示によれば、本明細書のいくつかの例示的な方法は、
図5のスキャンを実行する光検出器の飽和回復期間の開始を、同じ角度範囲の連続スキャン(例えば、スキャン502および504)において光検出器によって示される光強度測定値の比較に基づいて検出することを含み得る。
【0150】
上記のように、本明細書のいくつかの例示的な方法は、2つの連続するスキャンにおける光強度測定値の最大値の差が閾値差よりも大きいことに基づいて、飽和回復期間の開始を検出し得る。例えば、
図5では、閾値差は、スキャン502と504との間では超過する可能性があるが、スキャン506とスキャン506に先行するスキャンとの間ではない。
【0151】
他の例では、本明細書の例示的な方法は、スキャン中に測定された光強度の最大値が検出閾値未満であることに基づいて、飽和回復期間の開始を検出することを含み得る。例えば、
図5では、検出閾値は、0.7の正規化された最大光強度値に対応し得る。この例では、スキャン504は、飽和回復期間の開始の検出をトリガし得るが、スキャン506での最大測定値は検出閾値を上回っている(例えば、約0.9の正規化された値)ことに起因して、スキャン506はそのような検出をトリガしない。
【0152】
他の閾値差および/または検出閾値も、同様に可能である。
【0153】
図6は、例示的な実施形態による、別の方法600のフローチャートである。方法600は、例えば、システム100、デバイス200、車両300、および/または方法400のうちのいずれかとともに使用することができる方法の実施形態を提示する。方法600は、ブロック602~606のうちの1つ以上によって図示のように、1つ以上の動作、機能、またはアクションを含み得る。ブロックは連続した順序で示されているが、これらのブロックは、いくつかの例では、並行に、かつ/または本明細書で説明された順序とは異なる順序で実施され得る。また、様々なブロックは、より少ないブロックに組み合わされ、さらなるブロックに分割され、および/または所望の実装に基づいて除去されることができる。
【0154】
ブロック602において、方法600は、光検出測距(LIDAR)デバイスの視野(FOV)内の角度範囲にわたって光検出器を繰り返しスキャンすることを含む。
【0155】
例えば、
図2Dに戻って参照すると、光検出器232は、上記の議論に沿って、ステアリングミラー244をピッチ軸215を中心に回転させることによって、LIDAR200の垂直FOV内の角度範囲内の異なるピッチ角にわたってスキャンされ得る。代替的に、または追加的に、光検出器232は、上記の議論に沿って、プラットフォーム210をヨー軸219を中心に回転させることによって、LIDAR200の水平FOV内の角度範囲内の異なるヨー角にわたってスキャンされ得る。
【0156】
したがって、いくつかの例では、LIDARデバイス(例えば、LIDAR200)は、角度範囲からの光を光検出器(例えば、光検出器232)に向けるように構成された1つ以上の光学素子(例えば、ミラー244、受信レンズ242など)を含み得る。
【0157】
ブロック604において、方法600は、角度範囲のスキャンごとに、光検出器で捕捉された複数の光パルスを検出することを含む。例えば、ブロック604は、方法400のブロック404と同様であり得る。
【0158】
ブロック606において、方法600は、光検出器による角度範囲の第1のスキャンを、第1のスキャンの後続の第2のスキャンと比較することを含む。例えば、ブロック606は、方法400のブロック406と同様であり得る。
【0159】
ブロック608において、方法600は、光検出器を使用して取得された光強度測定値の測定精度の劣化を検出することを含む。
【0160】
いくつかの例では、ブロック608での劣化の検出は、ブロック606での比較に基づいている。例えば、
図5に戻って参照すると、ブロック606での第1のスキャンは、スキャン502に対応し得、第2のスキャンは、スキャン504に対応し得る。この例では、方法400のシステムまたはデバイスは、スキャン502および504のそれぞれの最大光パルス強度測定値の閾値変化が、同じ角度範囲のスキャン502および504を実行する光検出器(または、光検出器からの測定値を収集する、ADC、コンパレータなどの他の回路)の測定精度の潜在的な物理的な劣化を示すことを判定し得る。別の例として、第2のスキャンの最大光強度測定値が第1のスキャンと比較して閾値よりも多く増加する場合、方法600のシステムまたはデバイスはまた、光検出器(または光検出器から測定値を収集する、ADC、コンパレータなどの他の回路)の潜在的な欠陥に関連付けられる劣化を検出し得る。
【0161】
他の例では、ブロック608での劣化の検出は、温度、供給電圧、電力消費、および/または方法400のブロック408で説明される光検出器の飽和状態を検出するための他のインジケータのいずれかに基づき得る。
【0162】
いくつかの例では、方法600は、LIDARデバイスを含む車両の動作命令を生成することを含む。例えば、車両300は、方法600のLIDARデバイスを(例えば、LIDARユニット332の一部として)含み得る。したがって、例えば、コンピュータシステム310は、LIDARデバイス(および/またはセンサシステム304の1つ以上の他のセンサ)からのデータを使用して、車両300を動作させるための動作命令を生成することができる。そのために、生成された動作命令は、他の例の中でもとりわけ、環境内の車両300をナビゲートするためのナビゲーション命令(例えば、ナビゲーション/経路設定システム348、障害物回避システム350など)、センサシステム304の1つ以上の構成要素を動作させるための命令(例えば、それぞれのセンサによってスキャンされたFOVを調整するなど)など、制御システム306に関連して説明された機能のいずれかに関連し得る。
【0163】
いくつかの例では、方法600は、ブロック608での劣化の検出に応答して(および/または光検出器の飽和回復期間の開始の検出に応答して)生成された動作命令を修正することを含む。第1の例では、車両300は、光検出器が飽和回復期間にある間にスキャンされたFOVの一部分(の少なくとも一部)をスキャンするようにセンサシステム304の別のセンサを選択または割り当てることができる。第2の例では、車両300は、LIDARデバイスの信頼性が確認可能となるまで車両を停止するようにナビゲーション命令(例えば、自律モードで車両をナビゲートするために前に生成された)を修正することができる。第3の例では、車両300は、車両300のユーザに表示するためのメッセージを(例えば、タッチスクリーン354を介して)提供することができる(例えば、メッセージは、LIDARデバイスが機能不全であることなどをユーザに警告することができる)。第4の例では、車両300は、無線通信システム352を操作して、検出された劣化を、車両300の較正および/または保守要求を処理する遠隔サーバに報告することができる。他の例も可能である。
【0164】
したがって、いくつかの例では、本明細書の車両は、方法600のLIDARデバイスによって収集されたセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、自律モードまたは半自律モードで動作するように構成され得る。これらの例では、車両の1つ以上の動作を調整して、光検出器および/またはLIDARデバイスの劣化および/または飽和回復期間の開始の検出および/または識別を説明することができる。
【0165】
いくつかの例では、方法600は、光検出器の飽和回復期間中に取得される角度範囲の1つ以上のスキャンを識別することを含む。例えば、
図5に戻って参照すると、スキャン504および1つ以上の他の後続のスキャンは、閾値未満(例えば、0.8の正規化された値未満など)の最大測定強度値を有することに基づいて、飽和回復期間中に取得された1つ以上のスキャンとして識別され得る。
【0166】
図7は、例示的な実施形態による、LIDARデバイスを使用してスキャンされたFOVの点群表現700の概念図である。例えば、点群700内の各点は、方法400のブロック404および/または方法600のブロック604で説明された、検出された複数の光パルスの対応する検出された光パルスを反射した反射表面までの距離を表すように(例えば、飛行時間計算を介して)判定され得る。
【0167】
例示的なシナリオでは、点群700は、車両300の側面に位置付けられたLIDARによってスキャンされたFOVに対応し得る。このシナリオでは、点群700は、車両300に隣接する所与の車両および所与の車両の下の道路を示し得る。上記の議論に沿って、光検出器が飽和回復期間にある間に収集されたデータに基づいて計算された点群内の点は、所与の車両の下の道路の一部分702を表す点などの不正確な場所を有する可能性がある。例えば、所与の車両の側面にある光沢のある再帰反射器(例えば、道路鋲再帰反射器など)は、一部分702をスキャンしている間に、光検出器を飽和させ、飽和回復期間に入らせる可能性がある。他の例も可能である。
【0168】
図8は、例示的な実施形態による、さらに別の方法800のフローチャートである。方法800は、例えば、システム100、デバイス200、車両300、および/または方法400、600のうちのいずれかとともに使用され得る方法の実施形態を提示する。方法800は、ブロック802~808のうちの1つ以上によって例解されるように、1つ以上の動作、機能、またはアクションを含み得る。ブロックは連続した順序で例解されているが、これらのブロックは、場合によっては、並行に、および/または本明細書で説明された順序とは異なる順序で実施され得る。また、様々なブロックは、より少ないブロックに組み合わされ、さらなるブロックに分割され、および/または所望の実装に基づいて除去されることができる。
【0169】
ブロック802において、方法800は、LIDARデバイスから、FOV内の角度範囲の複数のスキャンの指示を受信することを含む。LIDARデバイスは、LIDARデバイスの光検出器を使用して角度範囲を繰り返しスキャンするように構成され得る。
【0170】
例えば、
図3に戻って参照すると、コンピュータシステム310は、方法400のブロック402および/または方法600のブロック602での議論に沿ってLIDAR332によって取得される、LIDAR332からの複数のスキャンを示すデータを受信することができる。
【0171】
ブロック804において、方法800は、角度範囲のスキャンごとに、角度範囲内の異なる角度で受信された複数の光パルスを識別することを含む。例えば、複数の光パルスは、角度範囲のスキャンごとに、FOVの異なる角度から光検出器で捕捉され得る。例えば、ブロック804は、方法400のブロック404および/または方法600のブロック604と同様であり得る。
【0172】
ブロック806において、方法800は、角度範囲の第1のスキャンを、第1のスキャンの後続の第2のスキャンと比較することを含む。例えば、ブロック806は、方法400のブロック406および/または方法600のブロック606と同様であり得る。
【0173】
ブロック808において、方法800は、光検出器の飽和回復期間中に取得された複数のスキャンのうちの1つ以上のスキャンを識別することを含む。
【0174】
いくつかの例では、ブロック808での1つ以上のスキャンの識別は、ブロック806での比較に基づいている。例えば、
図5に戻って参照すると、スキャン504および1つ以上の他の後続のスキャンは、閾値未満(例えば、0.8の正規化された値未満など)の最大測定強度値を有することに基づいて、飽和回復期間中に取得された1つ以上のスキャンとして識別され得る。
【0175】
他の例では、ブロック808での1つ以上のスキャンの識別は、温度、供給電圧、出力電流、電力消費、ブレークダウン電圧、および/または光検出器の飽和状態を検出するための方法400のブロック408および/または方法600のブロック608で説明される他のインジケータのいずれかを監視することに基づき得る。
【0176】
いくつかの例では、方法800は、LIDARデバイスのFOV内の異物破片(FOD)を、LIDARデバイスからのデータによって示されるFODの少なくとも見かけのサイズがFOD検出閾値未満であることに基づいて検出することを含む。例えば、
図7に戻って参照すると、点群700に示される所与の車両の下の道路上の小さな物体(例えば、5センチメートルのFOD検出閾値または任意の他のFOD閾値よりも小さい)は、FODとして識別され得る。
【0177】
いくつかの例では、方法800は、ブロック804で検出された複数の光パルスについての光検出器からの出力によって示される少なくとも光強度測定値に基づいて、FOVの三次元(3D)表現を生成することを含む。例えば、コンピュータシステム(例えば、車両300のコンピュータシステム310)は、LIDARデバイスからのデータを処理して、
図7の点群表現700を生成することができる。さらに、方法400のブロック408での議論に沿って、点群700内の各点は、その点の検出された光パルスについて光検出器によって示される対応する光強度測定値に基づいて、「範囲歩行エラー」または「範囲エラー」を説明する飛行時間計算を使用して判定される、検出された複数の光パルスのうちの1つを反射する反射表面までの距離を表すことができる。
【0178】
これらの例では、方法800はまた、任意選択で、生成された3D表現から異物破片(FOD)を除外することを含み得る。例えば、FOD検出閾値(例えば、5センチメートルの高さ、または任意の他のFOD検出閾値)未満の小さな物体を、FOVの生成された3D表現から除去することができる。
【0179】
いくつかの例では、方法800はまた、任意選択で、ブロック808で識別された1つ以上のスキャン(光検出器の飽和回復期間中に取得された1つ以上のスキャン)のFOD検出閾値を調整することを含み得る。例えば、
図7に戻って参照すると、点群700の領域702に関連付けられた1つ以上のスキャンについて、FOD検出閾値を増加させることができる(例えば、5センチメートルから10センチメートル、または任意の他の元のおよび調整されたFOD検出閾値)。このようにして、例えば、領域702の点群700によって表される道路の見かけの隆起」は、道路の実際の隆起ではなく、むしろ飽和回復期間中の光検出器の劣化した測定精度によって引き起こされたアーティファクトである可能性が高いため、生成された3D表現から除去または除外することができる。
【0180】
いくつかの例では、方法800は、方法400のブロック408および方法600のブロック608での議論に沿って、光検出器の飽和回復期間の開始を検出することを含み得る。これらの例では、方法800のシステムは、FOD検出に関連するシステムの1つ以上の動作を調整することができる。
【0181】
第1の例では、方法800は、飽和回復期間の開始を検出することに応答して、FOD検出閾値を調整することを含み得る。例えば、LIDARデバイスのコントローラ(例えば、システム100のコントローラ100)は、上記の議論に沿って、複数のスキャン(例えば、
図5に示されるスキャン502および504)の最大強度測定値を比較することによって、飽和回復期間の開始を検出することができる。次に、コントローラ104は、LIDARデバイスからのデータを使用してFOVの3D表現を生成するコンピュータシステム(例えば、車両300のコンピュータシステム310)に信号を送信することができる。信号の受信に応答して、コンピュータシステムは、光検出器が飽和回復期間(例えば、スキャン504および1つ以上の他の後続のスキャン)にある間に受信された、検出された光パルスに使用されるFOD検出閾値を調整することができる。
【0182】
いくつかのシナリオでは、FOD検出閾値を調整すると、FOD誤検出を低減することを容易にすることができる。例えば、
図7に戻って参照すると、点群700の一部分702は、車両のホイールの下の地面に「隆起」が存在することを示し得る。しかしながら、このシナリオでは、「隆起」は(地面上の実際の物体ではなく)点群データの歪みに対応している可能性がある。例えば、「隆起」歪みは、飽和回復期間中に検出された光パルスの飛行時間計算のエラーに関連している可能性がある。したがって、上記の例を続けると、コンピュータシステムは、調整されたFOD検出閾値を使用して、地面の「隆起」がFODとして識別されることを除外することができる。
【0183】
第2の例では、方法800は、飽和回復期間の開始の所与の時間に基づいて、飽和回復期間中に発生するブロック808での1つ以上のスキャンを識別することを含み得る。例えば、
図5に戻って参照すると、方法800のシステムは、連続するスキャン502および504の最大光強度値の差が差閾値を超過することに起因して、飽和回復期間の開始の所与の時間がスキャン504の所与の時間であると判定することができる。次に、システムは、ブロック808で識別された1つ以上のスキャンとして、スキャン504の所与の時間の後の閾値期間内に発生するスキャン504および1つ以上の後続のスキャンを選択することができる。さらに、例えば、システムは、識別された1つ以上のスキャンに関連付けられる任意のFOD検出を、検出器飽和イベントに関連する潜在的に誤ったFOD検出として除外する(または1つ以上のスキャンに使用されるFOD検出閾値を調整する)ことができる。
【0184】
第3の例では、方法800は、角度範囲の連続スキャンによって示される見かけの地面の高さの差に基づいて、さらに飽和回復期間の開始を検出することに基づいて、FODを検出することを含み得る。例えば、
図7に戻って参照すると、地面の高さが比較的急激に増加すると(すなわち、点群700の一部分702内の道路の隆起の始まり)、FODの検出がトリガされ得る。しかしながら、この場合、地面の高さのその比較的急激な増加の検出の時間が飽和回復期間の開始の所与の時間と同時に起こる場合、方法800のシステムは、それおよび/または飽和回復期間の開始からの所定数のスキャン(例えば、スキャン504および1つ以上の後続のスキャン)に関連付けられる1つ以上の後続のFOD検出を潜在的に誤ったFOD検出として除外することができる。さらに、この場合、システムは、所定数のスキャンの後に発生する1つ以上の他のFOD検出を、潜在的に真のFOD検出として識別することができる。例えば、飽和回復期間の後期の部分中で発生するFOD検出は、潜在的に真のFOD検出として依然として識別することができる(例えば、飽和回復期間の後期の部分中の連続スキャンによって示されるそれぞれの見かけの地面の高さの差が差閾値を超過する場合)。例えば、このプロセスを通じて、システムは、飽和回復期間中にスキャンされた場合でも、FOD(例えば、地面上の丸太など)を検出することができる。
【0185】
第4の例では、方法800は、第1のスキャンまたは第2のスキャンのうちの1つに基づいて、飽和回復期間中にFODを検出することを含み得る。例えば、方法800のシステムは、飽和回復期間中に、角度範囲の単一のスキャン(例えば、点群内の点の単一の垂直線など)に基づいて、道路の「隆起」の存在を検出しようと試みることができる。このようにして、システムは、飽和回復期間に関連付けられる距離オフセットエラーの影響を軽減することができる。例えば、単一のスキャンによって示される隣接するデータポイントは、(同じ角度範囲の2つの完全なスキャン中に同じ隆起が2回スキャンされるより長い期間と比較して)比較的短い期間内に光検出器によって検出される一連の連続的な光パルスに基づき得る。
【0186】
IV.結論
図に示されている特定の配置は、限定と見なされるべきではない。他の実装形態は、所与の図に示される各要素を多かれ少なかれ含み得ることを理解されたい。さらに、例解される要素のうちのいくつかは、組み合わされ、または省略され得る。なおさらには、例示的な実装形態は、図に例解されていない要素を含み得る。追加的に、様々な態様および実装形態が本明細書において開示されているが、他の態様および実装形態は、当業者には明らかであろう。本明細書において開示される様々な態様および実装形態は、例解を目的とするものであり、限定することを意図するものではなく、真の範囲および趣旨は、以下の特許請求の範囲により示される。本明細書において提示される主題の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の実装形態が、利用され得、他の変更が、行われ得る。本明細書に概して記載され、図面に例解される本開示の態様は、多種多様な異なる構成で配置され、置き換えられ、組み合わされ、分離され、および設計され得ることが、容易に理解される。
【0187】
本明細書は、条項1~20の形式で表される次の主題を含む。1.光検出測距(LIDAR)デバイスの視野(FOV)内の角度範囲を繰り返しスキャンすることと、角度範囲のスキャンごとに、複数の連続的な検出期間中にLIDARデバイスの光検出器で捕捉された複数の光パルスを検出することであって、光検出器は、スキャンの複数の連続的な検出期間の各々の間、角度範囲内の異なる角度からの光を捕捉するように構成されている、検出することと、光検出器を使用して取得された角度範囲の第1のスキャンを、第1のスキャンの後続の第2のスキャンと比較することと、比較に基づいて、第1のスキャンまたは第2のスキャン中の光検出器の飽和回復期間の開始を検出することと、を含む、方法。2.LIDARデバイスからFOVに向かって1つ以上の光パルスを放出することをさらに含み、検出された複数の光パルスは、FOVからLIDARデバイスに反射されて戻る1つ以上の放出された光パルスの反射部分を含む、条項1に記載の方法。3.光検出器の飽和回復期間中に取得された角度範囲の1つ以上のスキャンを識別することをさらに含む、条項1または2に記載の方法。4.第1のスキャンを第2のスキャンと比較することは、第1のスキャン中に検出された第1の光パルスについての光検出器からの第1の出力によって示される第1の光強度測定値を、第2のスキャン中に検出された第2の光パルスについての光検出器からの第2の出力によって示される第2の光強度測定値と比較することを含む、条項1~3のいずれか一条項に記載の方法。5.第1の光強度測定値を第2の光強度測定値と比較することは、第1の光強度測定値および第2の光強度測定値のそれぞれの最大値を比較することを含む、条項4に記載の方法。6.飽和回復期間の開始を検出することは、閾値差を超過するそれぞれの最大値の差に基づいている、条項5に記載の方法。7.検出された複数の光パルスのうちの検出された光パルスについての光検出器からの出力によって示される光強度測定値に少なくとも基づいて、LIDARデバイスからFOVに向かって放出され、検出された光パルスとして、FOVからLIDARデバイスに向かって少なくとも部分的に反射されて戻る、放出された光パルスの飛行時間を判定することをさらに含む、条項1~6のいずれか一条項に記載の方法。8.検出された光パルスが、飽和回復期間中に光検出器で検出されたかどうかを判定することをさらに含み、飛行時間を判定することは、検出された光パルスが飽和回復期間中に検出されたかどうかの判定にさらに基づいている、条項7に記載の方法。9.LIDARデバイスのFOV内の異物破片(FOD)を、LIDARデバイスからのデータによって示されるFODの少なくとも見かけのサイズがFOD検出閾値未満であることに基づいて検出することをさらに含む、条項1~8のいずれか一条項に記載の方法。10.検出された複数の光パルスについての光検出器からの出力によって示される少なくとも光強度測定値に基づいて、FOVの三次元(3D)表現を生成することと、FOVの生成された3D表現からFODを除外することと、をさらに含む、条項9に記載の方法。11.飽和回復期間の開始を検出することに応答して、光検出器の飽和回復期間中に取得された角度範囲の1つ以上のスキャンのFOD検出閾値を調整することをさらに含む、条項9または10に記載の方法。12.光検出測距(LIDAR)デバイスであって、光検出器と、視野(FOV)からLIDARデバイスによって受信された光を光検出器上に向けるように構成された1つ以上の光学素子と、FOV内の角度範囲にわたって光検出器を繰り返しスキャンすることと、角度範囲のスキャンごとに、複数の検出期間中に光検出器で捕捉された複数の光パルスを検出することであって、光検出器は、スキャンの複数の検出期間の各々の間、角度範囲内の異なる角度からの光を捕捉するように構成されている、検出することと、光検出器を使用して取得された角度範囲の第1のスキャンを、第1のスキャンの後続の第2のスキャンと比較することと、比較に基づいて、光検出器の飽和回復期間の開始を検出することと、を含む動作をLIDARデバイスに実行させるように構成されたコントローラと、を含む、LIDARデバイス。13.FOVに向かって1つ以上の光パルスを放出するように構成された光エミッタをさらに含み、検出された複数の光パルスは、FOVからLIDARデバイスに向かって反射されて戻る1つ以上の放出された光パルスの反射部分に対応する、条項12に記載のLIDARデバイス。14.1つ以上の光学素子は、回転ミラーを含み、回転ミラーは、異なる角度からLIDARデバイスによって受信された光を、回転ミラーの対応する回転位置に基づいて光検出器に向けるように構成されている、条項12または13に記載のLIDARデバイス。15.光検出測距(LIDAR)デバイスから、視野(FOV)内の角度範囲の複数のスキャンの指示を受信することであって、LIDARデバイスは、LIDARデバイスの光検出器を使用して角度範囲を繰り返しスキャンするように構成されている、受信することと、角度範囲のスキャンごとに、角度範囲内の異なる角度で受信された複数の光パルスを識別することであって、複数の光パルスは、スキャンの異なる検出期間中に光検出器で捕捉される、識別することと、光検出器を使用して取得された角度範囲の第1のスキャンを、第1のスキャンの後続の第2のスキャンと比較することと、比較に基づいて、光検出器の飽和回復期間中に取得された複数のスキャンのうちの1つ以上のスキャンを識別することと、を含む、方法。16.第1のスキャンを第2のスキャンと比較することは、第1のスキャン中に検出された第1の光パルスについての光検出器からの第1の出力によって示される第1の光強度測定値を、第2のスキャン中に検出された第2の光パルスについての光検出器からの第2の出力によって示される第2の光強度測定値と比較することを含む、条項15に記載の方法。17.第1の光強度測定値を第2の光強度測定値と比較することは、第1の光強度測定値および第2の光強度測定値のそれぞれの最大値を比較することを含む、条項16に記載の方法。18.LIDARデバイスのFOV内の異物破片(FOD)を、LIDARデバイスからのデータによって示されるFODの少なくとも見かけのサイズがFOD検出閾値未満であることに基づいて検出することをさらに含む、条項15~17のいずれか一条項に記載の方法。19.検出された複数の光パルスについての光検出器からの出力によって示される少なくとも光強度測定値に基づいて、FOVの三次元(3D)表現を生成することと、FOVの生成された3D表現からFODを除外することと、をさらに含む、条項18に記載の方法。20.光検出器の飽和回復期間中に取得された角度範囲の識別された1つ以上のスキャンのFOD検出閾値を調整することをさらに含む、条項18または19に記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】2022-11-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光検出測距(LIDAR)デバイスによって取得された、視野(FOV)内の角度範囲の複数のスキャンに基づいて点群を生成することであって、各スキャンは、複数の連続的な検出期間中に前記LIDARデバイスの光検出器で捕捉された複数の光パルスを検出することを含み、前記点群は、複数のデータ点を含み、各データ点は、前記FOV内の、対応する検出された光パルスを反射した反射表面までの距離を表す、点群を生成することと、
前記複数のスキャンのうちの第1のスキャンを、前記第1のスキャンに続いて取得された第2のスキャンと比較することと、
前記比較に基づいて、前記光検出器の飽和回復期間を検出することと、
前記飽和回復期間中に検出された1つ以上の光パルスに対応する1つ以上のデータ点を前記点群から除外することで、調整された点群を取得することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のスキャンを前記第2のスキャンと比較することは、前記第1のスキャン中に検出された第1の光パルスについての前記光検出器からの第1の出力によって示される第1の光強度測定値を、前記第2のスキャン中に検出された第2の光パルスについての前記光検出器からの第2の出力によって示される第2の光強度測定値と比較することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の光強度測定値を前記第2の光強度測定値と比較することは、前記第1の光強度測定値の第1スキャン最大値と、前記第2の光強度測定値の第2スキャン最大値とを比較することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記飽和回復期間を検出することは、前記第1スキャン最大値と前記第2スキャン最大値との差が閾値差を超過すると判定することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記飽和回復期間を検出することは、前記第2スキャン最大値が前記第1スキャン最大値より小さいと判定することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記飽和回復期間を検出することは、前記第2スキャン最大値が閾値より小さいと判定することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記LIDARデバイスは、車両に結合されており、
前記調整された点群に基づいて前記車両を動作させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
光検出測距(LIDAR)デバイスと、
プロセッサおよびデータストレージを含むコンピュータシステムと、
を含むシステムであって、
前記データストレージは、
前記LIDARデバイスによって取得された、視野(FOV)内の角度範囲の複数のスキャンに基づいて点群を生成することであって、各スキャンは、複数の連続的な検出期間中に前記LIDARデバイスの光検出器で捕捉された複数の光パルスを検出することを含み、前記点群は、複数のデータ点を含み、各データ点は、前記FOV内の、対応する検出された光パルスを反射した反射表面までの距離を表す、点群を生成することと、
前記複数のスキャンのうちの第1のスキャンを、前記第1のスキャンに続いて取得された第2のスキャンと比較することと、
前記比較に基づいて、前記光検出器の飽和回復期間を検出することと、
前記飽和回復期間中に検出された1つ以上の光パルスに対応する1つ以上のデータ点を前記点群から除外することで、調整された点群を取得することと、
を含む動作を行うために前記プロセッサによって実行可能な命令を含む、システム。
【請求項9】
前記第1のスキャンを前記第2のスキャンと比較することは、前記第1のスキャン中に検出された第1の光パルスについての前記光検出器からの第1の出力によって示される第1の光強度測定値を、前記第2のスキャン中に検出された第2の光パルスについての前記光検出器からの第2の出力によって示される第2の光強度測定値と比較することを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の光強度測定値を前記第2の光強度測定値と比較することは、前記第1の光強度測定値の第1スキャン最大値と、前記第2の光強度測定値の第2スキャン最大値とを比較することを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記飽和回復期間を検出することは、前記第1スキャン最大値と前記第2スキャン最大値との差が閾値差を超過すると判定することを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記飽和回復期間を検出することは、前記第2スキャン最大値が前記第1スキャン最大値より小さいと判定することを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記飽和回復期間を検出することは、前記第2スキャン最大値が閾値より小さいと判定することを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記LIDARデバイスは、車両に結合されており、
前記動作は、前記調整された点群に基づいて前記車両を動作させることをさらに含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項15】
命令を格納する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
前記命令は、
光検出測距(LIDAR)デバイスによって取得された、視野(FOV)内の角度範囲の複数のスキャンに基づいて点群を生成することであって、各スキャンは、複数の連続的な検出期間中に前記LIDARデバイスの光検出器で捕捉された複数の光パルスを検出することを含み、前記点群は、複数のデータ点を含み、各データ点は、前記FOV内の、対応する検出された光パルスを反射した反射表面までの距離を表す、点群を生成することと、
前記複数のスキャンのうちの第1のスキャンを、前記第1のスキャンに続いて取得された第2のスキャンと比較することと、
前記比較に基づいて、前記光検出器の飽和回復期間を検出することと、
前記飽和回復期間中に検出された1つ以上の光パルスに対応する1つ以上のデータ点を前記点群から除外することで、調整された点群を取得することと、
を含む動作を行うためにプロセッサによって実行可能な命令である、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記第1のスキャンを前記第2のスキャンと比較することは、前記第1のスキャン中に検出された第1の光パルスについての前記光検出器からの第1の出力によって示される第1の光強度測定値を、前記第2のスキャン中に検出された第2の光パルスについての前記光検出器からの第2の出力によって示される第2の光強度測定値と比較することを含む、請求項15に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記第1の光強度測定値を前記第2の光強度測定値と比較することは、前記第1の光強度測定値の第1スキャン最大値と、前記第2の光強度測定値の第2スキャン最大値とを比較することを含む、請求項16に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記飽和回復期間を検出することは、前記第1スキャン最大値と前記第2スキャン最大値との差が閾値差を超過すると判定することを含む、請求項17に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記飽和回復期間を検出することは、前記第2スキャン最大値が前記第1スキャン最大値より小さいと判定することを含む、請求項17に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記飽和回復期間を検出することは、前記第2スキャン最大値が閾値より小さいと判定することを含む、請求項17に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【外国語明細書】