(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023117384
(43)【公開日】2023-08-23
(54)【発明の名称】サスペンション取付け構造体を備えた自動車用前部フレームアセンブリ
(51)【国際特許分類】
B62D 25/20 20060101AFI20230816BHJP
F16F 7/00 20060101ALI20230816BHJP
B62D 25/08 20060101ALI20230816BHJP
B62D 21/15 20060101ALI20230816BHJP
【FI】
B62D25/20 C
F16F7/00 K
B62D25/08 E
B62D21/15 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023008870
(22)【出願日】2023-01-24
(31)【優先権主張番号】102022000002435
(32)【優先日】2022-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】519463178
【氏名又は名称】フェラーリ エッセ.ピー.アー.
【氏名又は名称原語表記】FERRARI S.p.A.
【住所又は居所原語表記】Via Emilia Est, 1163, 41100 MODENA, Italy
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダニエレ テスタ
【テーマコード(参考)】
3D203
3J066
【Fターム(参考)】
3D203BB16
3D203BB17
3D203BC03
3D203CA08
3D203CA23
3D203CA40
3D203CA75
3D203CB09
3D203CB30
3D203DA12
3D203DA13
3D203DA22
3D203DA38
3D203DA72
3D203DA83
3D203DA88
3J066AA02
3J066AA23
3J066BB01
3J066BE01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】制動装置によって発生する熱を打ち消すためのダクトの寸法、設計制約、重量、及びコストを低減する。
【解決手段】自動車用の前部フレームアセンブリは、サスペンション取付け構造体(12)と、自動車のサスペンション(3)と、自動車の前部衝突を吸収するための吸収部品とを含み、吸収部品は、サスペンション取付け構造体(12)に対して固定され、サスペンション取付け構造体(12)の反対側にある一方の端部で終了するまで、第1のまっすぐな軸線に沿ってサスペンション取付け構造体(12)に対して突出するように延在し、アセンブリが、第1の軸に沿って端部で得られた入口開口部(21)と、第1の軸線を横切る第2の軸線に沿って、サスペンション取付け構造体(12)で得られた出口開口部(22)との間で、吸収部品及びサスペンション取付け構造体(12)を通って連続して延在する流路(20)を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車(1)用の前部フレームアセンブリ(11)であって、
前記自動車(1)の車室を画定するボディセル(2)に固定可能な、サスペンション取付け構造体(12)と、
前記サスペンション取付け構造体(12)に対して固定され、サスペンション(3)を配置するための領域において、前記自動車(1)の前記サスペンション(3)が前記サスペンション取付け構造体(12)に結合できるように構成された、1つ又はそれ以上の取付け部品(19)と、
前記自動車(1)の前方衝突を吸収するための吸収部品(16)であって、前記サスペンション取付け構造体(12)に対して固定され、第1のまっすぐな軸線(D)に沿って前記サスペンション取付け構造体(12)に対して突出するように延在し、前記サスペンション取付け構造体(12)の反対側にある端部(16a)で終了する、吸収部品(16)と、を備え、
前記第1の軸線(D)に沿って、前記端部(16a)で得られた入口開口部(21)と、前記サスペンション(3)を配置するための前記領域に向かって前記第1の軸(D)を横断する第2の軸線(H)に沿って、前記サスペンション取付け構造体(12)で得られた出口開口部(22)との間で、前記吸収部品(16)及び前記サスペンション取付け構造体(12)を通って連続して延在する、流路(20)を備えることを特徴とする、前部フレームアセンブリ(11)。
【請求項2】
前記流路(20)が、前記サスペンション取付け構造体(12)の内部にあり、前記出口開口部(22)で終了する、湾曲した端部(26)を含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記湾曲した端部(26)が分岐セグメントを含む、請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記分岐セグメントが、前記出口開口部(22)で終了する、請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記流路が、前記第1の軸線(D)に沿った、前記吸収部品(16)の長さに等しい長さにわたって、前記第1の軸線(D)に沿って延在する直線セグメント(25)を備える、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記端部(16a)で前記吸収部品(16)に固定され、前記入口開口部(21)を通って、前記流路(20)に空気を運ぶための通孔(23)を有する、クロスバー(18)を備える、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記サスペンション取付け構造体(12)に対して固定され、前記出口開口部(22)の周りに配置され、ディフューザ装置が前記出口開口部(22)と連通する位置で、前記ディフューザ装置を前記サスペンション取付け構造体(12)に固定できるように構成された、接合インターフェース(30)を更に備え、それにより、前記ディフューザ装置が、前記出口開口部(22)から流出する空気を、制動装置(13)に向けて導くことができる、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記吸収部品(16)が、桁材を含むか、又はそれよって画定される、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記サスペンション取付け構造体(12)が、例えばダイカストによって製造された単一部品である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項10】
自動車(1)であって、
車室と、
前記車室を画定するボディセル(2)と、
サスペンション(3)と、
前記サスペンション(3)によって支持されたホイールハブ(5)と、
前記ホイールハブ(5)を制動するように構成された制動装置(13)と、
請求項1から9のいずれか一項に記載の前部フレームアセンブリ(11)と、を備え、
前記前部フレームアセンブリ(11)のサスペンション取付け構造体(12)が、前記ボディセル(2)に固定され、前記サスペンション(3)が前記取付け部品(19)に結合され、前記第1の軸線(D)が前記自動車(1)の前進方向に平行であり、前記出口開口部(22)が前記制動装置(13)に面する、自動車(1)。
【請求項11】
前記サスペンション取付け構造体(12)に対して固定され、前記出口開口部(22)の周りに配置された、接合インターフェース(30)と、
ディフューザ装置であって、前記出口開口部(22)と連通する位置で、前記接合インターフェース(30)を介して前記サスペンション取付け構造体(12)に固定される、ディフューザ装置とを更に備え、
前記ディフューザ装置が、前記出口開口部(22)から流出する空気を、前記制動装置(13)に向けて導くように構成される、請求項10に記載の自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本特許出願は、2022年2月10日に出願されたイタリア特許出願第102022000002435号の優先権を主張し、その全開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、自動車、特にスポーツカー用のサスペンション取付け構造体を備える、前部フレームアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
知られているように、自動車の前部フレームは、本体構成部品、すなわちバンパーやボンネットなどの外装プレート、又は様々な連結ブラケットを支持すること、並びに、前部衝突、すなわち自動車の前進方向における衝突を吸収することの、両方の役割を果たす。
【0004】
特に、前部衝突を吸収するために、フレームは、具体的には、英語で「クラッシュボックス」としても知られる吸収ボックスを含み、この吸収ボックスは、前進方向に平行に延在する一対の桁材、及び、バンパーのすぐ後ろで各桁材の前端部に固定されたクロスバーを含む。
【0005】
場合によっては、この桁材は、特に、自動車の前部サスペンション用の取付け具を含む、英語で「ショックタワー」としても知られるサスペンション取付け構造体から、直接延びるものである。
【0006】
前部サスペンションは、自動車の前部ホイールハブをサスペンション取付け構造体に結合する。
【0007】
ホイールハブは、通常、しばしばディスクブレーキ、又はより一般的には、互いに接触することにより摩擦でホイールハブに制動トルクを発生させる構成部品を備える、制動装置によって制動される。
【0008】
制動装置は、車輪を制動するとき、構成部品が互いに接触する場合に、熱を発生させることが知られている。実際、この熱は、制動トルクの根底をなす摩擦力の、直接的な結果である。
【0009】
発生した熱は、前部ホイールハブの領域、並びに、前部サスペンション及びそのサスペンション取付け構造体にも及ぶ。
【0010】
したがって、熱が及ぶ領域、特に互いに接触する制動装置の構成部品は、通常、自動車の外部からの新鮮な空気を、その領域、及び互いに接触するその構成部品に振り向けることによって冷却される。
【0011】
この目的のために、前部フレームはまた、桁材の傍らにそれぞれ延在し、それらの桁材の寸法と同様の寸法を有する、2つのダクトを含む。
【0012】
各ダクトは、2つの対向する端部を有し、一方の端部は、クロスバー上の通気口で終端し、他方の端部は、冷却されるべき領域に向かって空気を拡散させるように構成された、ディフューザで終端する。
【0013】
クロスバー上の通気口は、ディフューザと位置合わせされたバンパー上の別の通気口に対応するため、自動車の移動に伴って、自動車の外部の空気が整列した通気口を通過し、したがってダクトに沿って進み、ディフューザを介して冷却されるべき領域に広がる。
【0014】
制動装置によって発生する熱を打ち消すために不可欠であるとはいえ、これらのダクトはかなりかさばり、重量、コスト、及び前部フレームの設計自由度の点で不利なものである。
【0015】
上記のことに照らし、特に寸法、設計制約、重量、及びコストを低減することによって、公知の自動車を改善する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、制動装置によって発生する熱を引き続き効果的に抑制しつつ、好ましくは単純かつ信頼性の高い方法で、上記の必要を満たすことである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この目的は、請求項1に記載の自動車用前部フレームアセンブリによって達成される。
【0018】
各従属請求項は、本発明の特定の実施形態を定義する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明をよりよく理解するために、その一実施形態を、非限定的な例として、添付の図面を参照して以下に説明する。
【0020】
【
図1】本発明によるフレームアセンブリを備える、自動車の前部の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1において、参照番号1は、全体として自動車を示すために使用される。
【0022】
あらゆる自動車と同様に、自動車1は、通常の前進方向を有し、少なくとも1人の運転者、及び場合によって1人又はそれ以上の同乗者を収容する車室を含む。
【0023】
自動車1は、車室を画定する、又は取り囲む、ボディセル2を備える。例えば、このボディセル2は、一体構造であってもよい。更に、ボディセルは、炭素繊維を含む、又は炭素繊維で作製することができる。
【0024】
自動車1は、サスペンション3、ナックル4、ホイールハブ5、アクスルシャフト6、及びステアリングギア又はステアリングボックス7といった典型的な構成要素の、少なくとも1つ、いくつか、又はすべてを更に備える。
【0025】
ホイールハブ5は、ナックル4に固定される部分、並びに、前進方向に対して横方向の軸線Aの周りで回転する部分を有する。
【0026】
固定される部分はナックル4によって支持され、一方、回転部分は、アクスルシャフト6によって回転駆動することができるように、アクスルシャフト6に結合される。
【0027】
アクスルシャフト6は、軸線Aに平行であるが、必ずしも一致しない、まっすぐな軸線Bに沿って延在する。
【0028】
ステアリングボックス7は、軸線A、Bに平行な、更なるまっすぐな軸線Cに沿って、又は横方向に、より正確には、前進方向に直交して延在する。
【0029】
ステアリングボックス7は、ホイールハブ5に結合された周知の装置であり、ホイールハブ5の固定部分を操舵する機能、特に、自動車1のハンドル(図示せず)の回転運動を、ホイールハブ5の固定部分を操舵するのに有用な、軸線Cに沿った直線運動に変換する機能を有する。
【0030】
実際、ステアリングボックス7は、より一般的には、例えばハンドルも含み、ホイールハブ5の固定部分を操舵するように構成された、自動車1のステアリングユニットの一部である。
【0031】
更に、自動車1は、ホイールハブ5、又はより正確には、その回転部分を制動するように構成された、制動装置13を備える。
【0032】
制動装置13は、ホイールハブ5の回転部分に対して固定された第1の制動部品14、例えばディスク、並びに、ホイールハブ5の固定部分又はナックル4によって支持された、第2の制動部品15、例えばブレーキキャリパを備える。
【0033】
第2の制動部品15は、例えば、第1の制動部品14と接触するように、図示しない公知のアクチュエータを介して作動させることができ、したがって、制動部品14、15間の接触によって生じる摩擦力に起因して、ホイールハブ5の回転部分に制動トルクを発生させる。
【0034】
更に、自動車1は、特にボディセル2に対して固定され、例えば自動車1の本体構成部品、すなわちバンパー8、フェンダ9、ボンネット10などの外装パネル又は外装プレートを支持するのに役立つ、前部フレームアセンブリ11を備える。
【0035】
このアセンブリ11は、英語で「ショックタワー」とも呼ばれる、サスペンション取付け構造体12を含む。
【0036】
この構造体12は、例えば、特にボルトなどのねじ部材を備える、離脱可能な締結装置28によって、ボディセル2に対して固定される。すなわち、構造体12はボディセル2に固定される。
【0037】
構造体12は、サスペンション3を支持する役割を果たす。実際、アセンブリ11はまた、サスペンション3を配置するための領域内で、サスペンション3を構造体12に結合できるように構成された、複数の取付け部品、又は取付け部19を備える。この領域は、ナックル4、ホイールハブ5、及び制動装置13のそれぞれを配置するのに適している、と考えることもできる。
【0038】
取付け部19は、構造体12の領域内に配置され、概してその構造の一部とすることができる。
【0039】
構造体12は、好ましくは、例えば鋳造技術、又はより正確にはダイカスト技術を使用して作製された、単一部品とすることができる。
【0040】
したがって、
図1及び
図2に示す実施形態では、アセンブリ11は、実際には、好ましくは互いに同一のものであり、前進方向及び水平方向に直交する方向の、ボディセル2の横方向端部に配置された、2つの構造体12を含む。簡潔にするために、以下の説明では構造体12の一方のみに言及するが、記載されたすべての教示は、構造体12の他方のものにも適用されると理解される。
【0041】
サスペンション3は、ナックル4、したがってホイールハブ5を支持する。更に、サスペンション3は、特に構造体12に対して可動自在に、取付け部19を介して構造体12に結合される。更に、ナックル4は、サスペンション3に対して可動自在である。
【0042】
アセンブリ11は、自動車1の前方衝突を吸収するための少なくとも1つの吸収部品16を備える。この吸収部品16は、自動車1の前進方向に平行に延在する桁材、すなわち、特に箱形の梁を備えるか、又はより正確には桁材である。
【0043】
この部品16は、構造体12とは異なるものである。
【0044】
更に、部品16は、構造体12に対して、すなわち構造に固定されている。
【0045】
部品16は、自動車1の前進方向に平行な、まっすぐな軸線Dに沿って延在する。
【0046】
部品16は、構造体12から伸長する。すなわち、構造体12に対して、特にバンパー8に向かって突出する、又は突出するように伸長し、構造体12の反対側にある1つの端部16aで終了する。具体的には、部品16は、構造体12から直接伸長する。すなわち、構造体12から直接突出するか、又は突出するように伸長する。
【0047】
実際には、アセンブリ11は、好ましくは前述したものと同一であり、他方の構造体12から軸線Dに平行に突出する、別の吸収部品17も含むが、これについては詳細な説明は行わない。
【0048】
簡潔にするために、以下の説明では、吸収部品16、17のうち、吸収部品16のみについて言及するが、記載されたすべての教示は、吸収部品17にも適用されると理解される。
【0049】
実際には、それぞれが構造体12を伴う、吸収部品16及び吸収部品17によって画定される、アセンブリ11の2つの部分は、互いに同一のものであってもよく、すなわち同じ特性を有することができる。より正確には、一方の部分の各特性は、他方の部分に適用することができる。
【0050】
更に、アセンブリ11は、自動車1の前方衝突を吸収するための、第3の吸収部品18を備える。吸収部品18は、自動車1の前進方向に対して横方向に延在し、より正確には、特に水平に直交するクロスバー、すなわち梁、特に箱形梁を含むか、又はむしろそのものある。
【0051】
部品18は、部品16及び17にそれぞれ固定された、2つの端部18a、18bを有する。
【0052】
端部18aは、端部16aに固定されている。
【0053】
要素16、17、18は、それぞれアセンブリ11の吸収ボックスの一部である。吸収ボックスは、英語で「クラッシュボックス」とも呼ばれる。
【0054】
アセンブリ11は、軸線Dに沿って端部16aで得られた入口開口部21と、サスペンション3を配置するための領域に向かって、又は制動装置13に向かって、軸線Hに沿って構造体12内で得られた出口開口部22との間で、吸収部品16及び構造体12を通って連続して延在する、流路20を備える。
【0055】
具体的には、軸線Hは、軸線Dに対して横方向であり、又はより正確には直交する。
【0056】
吸収部品18、より正確には端部18aは、特に軸線Dに沿って、入口開口部21を通って流路20に空気を搬送するのに適した、通孔23を有する。
【0057】
より具体的には、通孔23は、軸線Dに沿って開口部21と位置合わせされる。
【0058】
実際には、通孔23は、開口部21に隣接する、又は一致する。
【0059】
同様に、バンパー8は、特に軸線Dに沿って、通孔23に空気を搬送するのに適した、通孔24を有する。
【0060】
より具体的には、通孔24は、軸線Dに沿って通孔23と位置合わせされる。
【0061】
実際には、通孔24は、通孔23に隣接する、又は一致する。
【0062】
流路20は、特に少なくとも2つのセグメント25、26を含む、方向27に沿って延在し、そのうちのセグメント25は、軸線Dと平行であるか、又はより正確に一致する。セグメント26は、例えば、軸線Dと軸線Hとの間の接続部であり、すなわち、軸線D、Hを接続するものである。
【0063】
より具体的には、流路20は、セグメント25、26によって画定される。
【0064】
セグメント25は、流路20の直線部である。この直線部は、軸線Dに沿って延在し、特に軸線Dに沿って、吸収部品16の長さに等しい長さにわたって延在する。
【0065】
言い換えれば、この直線部は、開口部21から構造体12まで延在する。
【0066】
したがって、吸収部品16は管状であり、軸線Dに沿って、セグメント25と左右に横断する。
【0067】
セグメント26は、完全に構造体12内に延在し、開口部22で終了する、湾曲した端部である。
【0068】
より一般的には、流路20は、セグメント26全体より縮小された、湾曲した端部を含むことができる。いずれの場合も、この湾曲した端部は構造体12の内部にあり、開口部22で終端する。
【0069】
流路20は、軸線Hに沿って開口部22で終了する直線の端部、並びに、開口部21又はセグメント25と直線端の部との間の、湾曲した中間部分を含み得るため、これは厳密に限定的なものではない。
【0070】
好ましくは、湾曲した端部は、開口部22で終了する端部セグメント、又は端部セグメントとセグメント25との間の中間セグメントなどの、分岐セグメントを含む。
【0071】
このことは、厳密に限定的なものではない。実際には、概して、流路20は、場合によっては直線状又は湾曲状の、1つ又はそれ以上の分岐セグメントを含むことができる。それぞれの分岐セグメントは、吸収部品16又は構造体12を通って、延在することができる。
【0072】
この場合、セグメント26全体が分岐するのだが、その一方の端部のみが開口部22まで分岐する可能性もある。
【0073】
したがって、分岐セグメントは、特に開口部22で終了する。
【0074】
図2に示すように、好ましくは、湾曲した端部は、開口部22に向かう湾曲した端部に沿って、増加する半径を有する接続部29に接続された、壁部31、32によって画定される。
【0075】
好都合には、アセンブリ11は、構造体12に対して固定され、開口部22の周囲に配置された、接合インターフェース30を更に備える。
【0076】
特に、接合インターフェース30は、構造体12に固定された、ブラケットを備える。より具体的には、ブラケットは、開口部22を完全に包囲する、又は密閉する、フレームを画定する。
【0077】
接合インターフェース30は、それ自体知られており図示されていない、ディフューザ装置を構造体12に固定できるように構成される。ディフューザ装置の機能は、開口部22から流出する空気を、制動装置13に向けて導くことである。
【0078】
説明の冒頭で上述したように、従来技術では、ディフューザ装置は、通常、吸収部品16及び構造体12を通じて得られた開口部ではなく、むしろ構造体12及び吸収部品16のそれぞれから完全に分離された、専用ダクトの出口開口部から流出する空気を導くために使用される。このダクトは、流路20とは明らかに異なり、アセンブリ11には存在せず、より全体的には自動車1には存在しない。
【0079】
特に、ディフューザ装置は、ディフューザ装置がその機能を果たすことができるように、ディフューザ装置が開口部22と連通する位置で、接合インターフェース30によって、構造体12に固定することができる。
【0080】
例えば、ディフューザ装置は、ねじ部材などの既知の締結装置によって、インターフェースに結合することができる。
【0081】
同様に、接合インターフェース30は、ねじ部材などの既知の締結装置によって、構造体12に固定することができる。
【0082】
本発明によるアセンブリ11の利点は、上記のことから明らかである。
【0083】
実際に、アセンブリ11は、吸収部品16及び構造体12と一体化された、流路20をもたらす。したがって、公知の自動車制動装置の、冷却専用の典型的な流路はもはや必要なく、その結果、スペース、コスト、及び重量が節約される。
【0084】
特に、吸収部品16が、通常は元々箱型梁を含むことができるため、流路20を構築することは単純であり、したがって、梁の内側にセグメント25を得るために、開口部21を得るだけで十分である。
【0085】
更に、セグメント26は、鋳造、又はより正確には、ダイカストによる構造体12の製造中に、簡単に作製することもできる。
【0086】
最後に、流路20の形状は、自動車1の外部から、制動装置13に空気を効果的に搬送するように、最適化される。
【0087】
最後に、特許請求の範囲によって定義される保護の範囲から逸脱することなく、本発明によるアセンブリ11に修正及び変形を加えることができることは明らかである。
【0088】
特に、本明細書に記載及び図示された構成要素の数及び形状は異なっていてもよく、具体的には、大きな自由度もって変更することができる。
【外国語明細書】