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特開2023-117511検査結果帳票作成システム、検査結果帳票作成プログラム、検査結果帳票作成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023117511
(43)【公開日】2023-08-24
(54)【発明の名称】検査結果帳票作成システム、検査結果帳票作成プログラム、検査結果帳票作成方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230817BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALI20230817BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022020112
(22)【出願日】2022-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】322000708
【氏名又は名称】株式会社中央工研
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】弁理士法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】布山 豊三
(72)【発明者】
【氏名】西元 宏任
(72)【発明者】
【氏名】倉嶋 孝至
(72)【発明者】
【氏名】小林 佑多
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC07
5L049CC15
5L049EE02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】検査者による見間違いや入力間違いの有無についての確認が可能であって、検査結果に対する信頼性を向上させた検査結果帳票作成システム、検査結果帳票作成プログラム及び検査結果帳票作成方法を提供する。
【解決手段】検査結果帳票作成システム100において、制御部50は、ディスプレイ20に表示された図面データZMDと検査項目データKKMDに検査者により直接入力された追加データTKDを追加して作成した検査結果データKKDを記憶部10に記憶させ、カメラ30により撮影された撮影データSTDを記憶部10に記憶させ、図面データZMD及び追加データTKDに基づいて作成された清書図面データSZMDを検査結果データKKDに紐づけし、撮影データSTDを清書図面データSZMDに紐づけし、検査結果データKKD、清書図面データSZMD及び撮影データSTDに基づいて検査対象物の検査結果帳票データKKCHDを作成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象物の形状をあらわす図面データと、前記検査対象物における検査項目が前記検査対象物ごとに記載された検査項目データが予め記憶された記憶部と、
少なくとも前記図面データおよび前記検査項目データを表示するディスプレイと、
静止画または動画のうち少なくとも一方を撮影する撮影部と、
前記記憶部、前記ディスプレイおよび前記撮影部の動作をそれぞれ制御する制御部と、を具備し、
前記制御部は、
前記ディスプレイに表示された前記図面データおよび前記検査項目データの各々に検査者が前記ディスプレイに表示された入力機能によって直接入力した追加データを追加して作成した検査結果データを前記記憶部に記憶させる検査結果データ作成機能と、
前記撮影部により撮影された前記検査対象物の撮影データを前記記憶部に記憶させる撮影データ追加機能と、
前記図面データおよび前記図面データに対する前記追加データをCADソフトにより清書した清書図面データを前記検査結果データに紐づけする清書図面データ紐づけ機能と、
前記撮影データを前記清書図面データに紐づけする撮影データ紐づけ機能と、
前記検査結果データ、前記清書図面データおよび前記撮影データに基づいて前記検査対象物の検査結果帳票データを作成する検査結果帳票データ作成機能と、をそれぞれ実行することを特徴とする検査結果帳票作成システム。
【請求項2】
前記撮影データ紐づけ機能は、前記清書図面データに前記撮影データの撮影方向を反映させることを特徴とする請求項1記載の検査結果帳票作成システム。
【請求項3】
現在位置情報が取得可能な現在位置情報取得部をさらに具備し、
前記制御部は、前記現在位置情報取得部が取得した前記現在位置情報に基づいて現在位置を前記ディスプレイに表示した地図に表示させる現在位置表示機能をさらに実行することを特徴とする請求項1または2記載の検査結果帳票作成システム。
【請求項4】
前記記憶部には、前記検査項目データおよび前記検査項目データに対する前記追加データの入力内容に紐づけされた評価指標がさらに記憶されており、
前記制御部は、前記検査項目データに対応する前記追加データに紐づけられた前記評価指標に基づいて前記検査対象物の健全度を前記検査対象物への紐づけ、または、前記検査結果帳票データに反映させる健全度判断機能をさらに実行することを特徴とする請求項1~3のうちのいずれか一項に記載の検査結果帳票作成システム。
【請求項5】
検査対象物の形状をあらわす図面データと、前記検査対象物における検査項目が前記検査対象物ごとに記載された検査項目データが予め記憶された記憶部と、
少なくとも前記図面データおよび前記検査項目データが表示可能なディスプレイと、
静止画または動画のうち少なくとも一方を撮影する撮影部と、
前記記憶部、前記ディスプレイおよび前記撮影部の動作をそれぞれ制御する制御部と、を具備する検査結果帳票作成システムにおいて、
前記制御部に、
前記ディスプレイに表示された前記図面データおよび前記検査項目データの各々に検査者が前記ディスプレイに表示された入力機能によって直接入力した追加データを追加して作成した検査結果データを前記記憶部に記憶させる検査結果データ作成機能と、
前記撮影部により撮影された前記検査対象物の撮影データを前記記憶部に記憶させる撮影データ追加機能と、
前記図面データおよび前記図面データに対する前記追加データをCADソフトにより清書された清書図面データを前記検査結果データに紐づけする清書図面データ紐づけ機能と、
前記撮影データを前記清書図面データに紐づけする撮影データ紐づけ機能と、
前記検査結果データ、前記清書図面データおよび前記撮影データに基づいて前記検査対象物の検査結果帳票データを作成する検査結果帳票データ作成機能と、をそれぞれ実行させることを特徴とする検査結果帳票作成プログラム。
【請求項6】
前記撮影データ紐づけ機能は、前記清書図面データに前記撮影データの撮影方向を反映させることを特徴とする請求項5記載の検査結果帳票作成プログラム。
【請求項7】
前記検査結果帳票作成システムは、現在位置情報が取得可能な現在位置情報取得部をさらに具備しており、
前記制御部に、前記現在位置情報取得部が取得した前記現在位置情報に基づいて現在位置を前記ディスプレイに表示した地図に表示させる現在位置表示機能を実行させることを特徴とする請求項5または6記載の検査結果帳票作成プログラム。
【請求項8】
前記検査結果帳票作成システムは、前記記憶部に前記検査項目データに対する前記追加データの入力内容に紐づけされた評価指標がさらに記憶されており、
前記制御部に、前記検査項目データに対応する前記追加データに紐づけられた前記評価指標に基づいて前記検査対象物の健全度を前記検査対象物への紐づけ、または、前記検査結果帳票データに反映させる健全度判断機能をさらに実行させることを特徴とする請求項5~7のうちのいずれか一項に記載の検査結果帳票作成プログラム。
【請求項9】
検査対象物の形状をあらわす図面データと、前記検査対象物における検査項目が前記検査対象物ごとに記載された検査項目データが予め記憶された記憶部と、
少なくとも前記図面データおよび前記検査項目データが表示可能なディスプレイと、
静止画または動画のうち少なくとも一方を撮影する撮影部と、
前記記憶部、前記ディスプレイおよび前記撮影部の動作をそれぞれ制御する制御部と、を具備する検査結果帳票作成システムを用いた検査結果帳票作成方法であって、
検査者が、前記記憶部から前記ディスプレイに前記検査対象物に対応する前記図面データを表示させる工程と、
前記検査者が、前記図面データおよび前記検査項目データの各々に対し、前記検査対象物の現在の状態を追加データとして前記ディスプレイに表示された入力機能によって直接入力する工程と、
前記制御部が、前記図面データ、前記検査項目データ、および前記追加データに基づいて検査結果データを作成すると共に前記記憶部に前記検査結果データを記憶させる工程と、
前記制御部が、前記検査者が前記撮影部により撮影した前記検査対象物の撮影データを前記記憶部に記憶させる工程と、
前記検査者が、前記図面データおよび前記図面データに対する前記追加データをCADソフトによって清書図面データを作成すると共に、前記検査結果データに前記清書図面データを紐づけする工程と、
前記検査者が、前記撮影データを前記清書図面データに紐づけする工程と、
前記制御部が、前記検査結果データ、前記清書図面データおよび前記撮影データに基づいて前記検査対象物の検査結果帳票データを作成する工程と、を具備することを特徴とする検査結果帳票作成方法。
【請求項10】
前記検査者が、前記清書図面データに前記撮影データの撮影方向を反映させる工程をさらに有していることを特徴とする請求項9記載の検査結果帳票作成方法。
【請求項11】
前記検査結果帳票作成システムは、現在位置情報が取得可能な現在位置情報取得部をさらに具備し、
前記制御部が、前記現在位置情報取得部が取得した前記現在位置情報に基づいて現在位置を前記ディスプレイに表示した地図に表示させる工程をさらに有していることを特徴とする請求項9または10記載の検査結果帳票作成方法。
【請求項12】
前記検査結果帳票作成システムは、前記検査項目データに対する前記追加データの入力内容に紐づけされた評価指標が前記記憶部にさらに記憶されており、
前記制御部が、前記検査項目データに対応する前記追加データに紐づけられた前記評価指標に基づいて前記検査対象物の健全度を前記検査対象物への紐づけ、または、前記検査結果帳票データに反映させる工程をさらに有していることを特徴とする請求項9~11のうちのいずれか一項に記載の検査結果帳票作成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査結果帳票作成システム、検査結果帳票作成プログラム、検査結果帳票作成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
検査者による公共構造物の状態検査結果に基づいて検査対象物の検査結果帳票を作成するための建設検査支援装置、建設検査システムおよび建設検査支援プログラムは、例えば特許文献1(特開2011-48760号公報)に開示されているように公知である。特許文献1には、検査者が携帯端末に検査対象物の検査結果を入力して検査結果帳票を作成するのはもちろんのこと、検査対象物において発生しやすい不具合を予測し、検査者が携帯端末に検査結果を入力する前に検査者に注意を促すための構成も開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-48760号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている建設検査支援装置、建設検査システムおよび建設検査支援プログラムの構成は、不具合があった検査結果と、その検査結果に対応する検査情報とからなる不具合情報に基づいて、入力された検査対象物の検査時に発生しやすい不具合の予想を可能にしている。また、予想された不具合を検査対象物に紐づけすることができるが、検査結果が検査者により入力されたデータのみであるため、検査者の見間違えや入力間違い等に対する信頼性が不十分であるといった課題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明は上記課題を解決するためのものであり、その目的とするところは次のとおりである。すなわち、検査者による見間違いや入力間違いの有無についての確認が可能であって、検査結果に対する信頼性を向上させた検査結果帳票作成システム、検査結果帳票作成プログラム、検査結果帳票作成方法を提供することにある。
【0006】
上記課題を解決するため発明者が鋭意研究した結果、以下の構成に想到した。すなわち、本発明は、検査対象物の形状をあらわす図面データと、前記検査対象物における検査項目が前記検査対象物ごとに記載された検査項目データが予め記憶された記憶部と、少なくとも前記図面データおよび前記検査項目データを表示するディスプレイと、静止画または動画のうち少なくとも一方を撮影する撮影部と、前記記憶部、前記ディスプレイおよび前記撮影部の動作をそれぞれ制御する制御部と、を具備し、前記制御部は、前記ディスプレイに表示された前記図面データおよび前記検査項目データの各々に検査者が前記ディスプレイに表示された入力機能によって直接入力した追加データを追加して作成した検査結果データを前記記憶部に記憶させる検査結果データ作成機能と、前記撮影部により撮影された前記検査対象物の撮影データを前記記憶部に記憶させる撮影データ追加機能と、前記図面データおよび前記図面データに対する前記追加データをCADソフトにより清書した清書図面データを前記検査結果データに紐づけする清書図面データ紐づけ機能と、前記撮影データを前記清書図面データに紐づけする撮影データ紐づけ機能と、前記検査結果データ、前記清書図面データおよび前記撮影データに基づいて前記検査対象物の検査結果帳票データを作成する検査結果帳票データ作成機能と、をそれぞれ実行することを特徴とする検査結果帳票作成システムである。
【0007】
これにより、検査者により外業時に追加された追加データと検査対象物を撮影した撮影データとを紐づけして保存することにより、内業時において外業時の追加データの間違いの有無についての確認が可能であって、検査結果に対する信頼性を向上させた検査結果帳票作成システムを提供することができる。
【0008】
また、前記撮影データ紐づけ機能は、前記清書図面データに前記撮影データの撮影方向を反映させることが好ましい。
【0009】
これにより、清書図面データを確認すると共に、検査時における検査対象物の実際の状態も容易に確認することができる。
【0010】
また、現在位置情報が取得可能な現在位置情報取得部をさらに具備し、前記制御部は、前記現在位置情報取得部が取得した前記現在位置情報に基づいて現在位置を前記ディスプレイに表示した地図に表示させる現在位置表示機能をさらに実行することが好ましい。
【0011】
これにより、検査対象物が広範囲にわたって点在している際には、複数の検査者による分散検査を行っても、互いの検査者はそれぞれが検査している検査対象物を互いにディスプレイに表示された地図上で確認できる。よって、見通しの悪い場所の検査対象物であっても複数の検査者による重複検査を回避することが可能になる。
【0012】
また、前記記憶部には、前記検査項目データおよび前記検査項目データに対する前記追加データの入力内容に紐づけされた評価指標がさらに記憶されており、前記制御部は、前記検査項目データに対応する前記追加データに紐づけられた前記評価指標に基づいて前記検査対象物の健全度を前記検査対象物への紐づけ、または、前記検査結果帳票データに反映させる健全度判断機能をさらに実行することが好ましい。
【0013】
これにより、検査対象物に対するメンテナンス計画が立てやすくなると共に、次回以降の点検時においては、点検対象物の過去点検データとしての活用が可能になる。
【0014】
また、検査対象物の形状をあらわす図面データと、前記検査対象物における検査項目が前記検査対象物ごとに記載された検査項目データが予め記憶された記憶部と、少なくとも前記図面データおよび前記検査項目データが表示可能なディスプレイと、静止画または動画のうち少なくとも一方を撮影する撮影部と、前記記憶部、前記ディスプレイおよび前記撮影部の動作をそれぞれ制御する制御部と、を具備する検査結果帳票作成システムにおいて、前記制御部に、前記ディスプレイに表示された前記図面データおよび前記検査項目データの各々に検査者が前記ディスプレイに表示された入力機能によって直接入力した追加データを追加して作成した検査結果データを前記記憶部に記憶させる検査結果データ作成機能と、前記撮影部により撮影された前記検査対象物の撮影データを前記記憶部に記憶させる撮影データ追加機能と、前記図面データおよび前記図面データに対する前記追加データをCADソフトにより清書された清書図面データを前記検査結果データに紐づけする清書図面データ紐づけ機能と、前記撮影データを前記清書図面データに紐づけする撮影データ紐づけ機能と、前記検査結果データ、前記清書図面データおよび前記撮影データに基づいて前記検査対象物の検査結果帳票データを作成する検査結果帳票データ作成機能と、をそれぞれ実行させることを特徴とする検査結果帳票作成プログラムの発明もある。
【0015】
また、前記撮影データ紐づけ機能は、前記清書図面データに前記撮影データの撮影方向を反映させることが好ましい。
【0016】
また、前記検査結果帳票作成システムは、現在位置情報が取得可能な現在位置情報取得部をさらに具備しており、前記制御部に、前記現在位置情報取得部が取得した前記現在位置情報に基づいて現在位置を前記ディスプレイに表示した地図に表示させる現在位置表示機能を実行させることが好ましい。
【0017】
また、前記検査結果帳票作成システムは、前記記憶部に前記検査項目データに対する前記追加データの入力内容に紐づけされた評価指標がさらに記憶されており、前記制御部に、前記検査項目データに対応する前記追加データに紐づけられた前記評価指標に基づいて前記検査対象物の健全度を前記検査対象物への紐づけ、または、前記検査結果帳票データに反映させる健全度判断機能をさらに実行させることが好ましい。
【0018】
また、検査対象物の形状をあらわす図面データと、前記検査対象物における検査項目が前記検査対象物ごとに記載された検査項目データが予め記憶された記憶部と、少なくとも前記図面データおよび前記検査項目データが表示可能なディスプレイと、静止画または動画のうち少なくとも一方を撮影する撮影部と、前記記憶部、前記ディスプレイおよび前記撮影部の動作をそれぞれ制御する制御部と、を具備する検査結果帳票作成システムを用いた検査結果帳票作成方法であって、検査者が、前記記憶部から前記ディスプレイに前記検査対象物に対応する前記図面データを表示させる工程と、前記検査者が、前記図面データおよび前記検査項目データの各々に対し、前記検査対象物の現在の状態を追加データとして前記ディスプレイに表示された入力機能によって直接入力する工程と、前記制御部が、前記図面データ、前記検査項目データ、および前記追加データに基づいて検査結果データを作成すると共に前記記憶部に前記検査結果データを記憶させる工程と、前記制御部が、前記検査者が前記撮影部により撮影した前記検査対象物の撮影データを前記記憶部に記憶させる工程と、前記検査者が、前記図面データおよび前記図面データに対する前記追加データをCADソフトによって清書図面データを作成すると共に、前記検査結果データに前記清書図面データを紐づけする工程と、前記検査者が、前記撮影データを前記清書図面データに紐づけする工程と、前記制御部が、前記検査結果データ、前記清書図面データおよび前記撮影データに基づいて前記検査対象物の検査結果帳票データを作成する工程と、を具備することを特徴とする検査結果帳票作成方法としての発明もある。
【0019】
また、前記検査者が、前記清書図面データに前記撮影データの撮影方向を反映させる工程をさらに有していることが好ましい。
【0020】
また、前記検査結果帳票作成システムは、現在位置情報が取得可能な現在位置情報取得部をさらに具備し、前記制御部が、前記現在位置情報取得部が取得した前記現在位置情報に基づいて現在位置を前記ディスプレイに表示した地図に表示させる工程をさらに有していることが好ましい。
【0021】
また、前記検査結果帳票作成システムは、前記検査項目データに対する前記追加データの入力内容に紐づけされた評価指標が前記記憶部にさらに記憶されており、前記制御部が、前記検査項目データに対応する前記追加データに紐づけられた前記評価指標に基づいて前記検査対象物の健全度を前記検査対象物への紐づけ、または、前記検査結果帳票データに反映させる工程をさらに有していることが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、検査者により外業時に追加された追加データと検査対象物を撮影した撮影データとを紐づけして保存することにより、内業時において外業時の追加データの間違いの有無についての確認が可能であって、検査結果に対する信頼性を向上させた検査結果帳票作成システム、検査結果帳票作成プログラム、検査結果帳票作成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態に係る検査結果帳票作成システムの概略構成図である。
図2】検査者に選択された検査対象物に関する検査項目データのディスプレイ表示画面である。
図3】検査者に選択された検査対象物に関するスケッチ図面欄と図面データのディスプレイ表示画面である。
図4】本発明の実施形態に係る検査結果帳票作成方法における概略工程図である。
図5】検査者が図面データ内のテンプレート図をスケッチ用図面欄にコピーしてペーストする際の手順を示すディスプレイ表示画面である。
図6】検査者が検査項目データに対する入力欄に追加データを入力している際のディスプレイ表示画面である。
図7】検査者がスケッチ用図面欄に貼り付けたテンプレート図に対する追加データをスケッチ入力している際のディスプレイ表示画面である。
図8】すべての検査項目データの入力欄に追加データの入力完了状態における検査項目データ(検査結果データの1ページ目)のディスプレイ表示画面である。
図9図8の画面を下スクロールした状態(検査結果データの2ページ目)のディスプレイ表示画面である。
図10図9をCADソフトにより清書した清書図面データ(検査結果データの3ページ目)のディスプレイ表示画面である。
図11】近隣検査対象物の配置状態を示す平面図(検査結果データの4ページ目)である。
図12図10に示す清書図面データ中の矢印にリンクされた撮影データの一覧その1(検査結果データの5ページ目)である。
図13図10に示す清書図面データ中の矢印にリンクされた撮影データの一覧その2(検査結果データの6ページ目)である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1に示すように、本実施形態における検査結果帳票作成システム100は、記憶部10と、ディスプレイ20と、撮影部としてのカメラ30と、現在位置情報取得部40と、これら構成の動作を制御する制御部50と、を具備している。このような検査結果帳票作成システム100としては、いわゆるタブレット端末を例示することができる。なお、本実施形態における検査結果帳票作成システム100は、現在位置情報取得部40の構成を有しているが、現在位置情報取得部40の構成は省略することもできる。
【0025】
本実施形態における記憶部10は、タブレット端末の不揮発性メモリやネットワーク上に設けられたストレージ等を例示することができる。記憶部10には、検査結果帳票作成プログラムPGM、検査対象物の形状をあらわす図面データZMD、検査対象物における検査項目KKが検査対象物ごとに記載された検査項目データKKMD、後述する中分類グループCBGの現状評価を行うための評価指標HSHと、検査対象物の健全度KZDを判断するための健全度判断データKZDDが予め記憶されている。また記憶部10には、ディスプレイ20に表示された入力キー(入力部)によって入力された図面データZMDおよび検査項目データKKMDへの追加データTKDやカメラ30により撮影された撮影データSTDが記憶可能である。ここでは、記憶部10に評価指標HSHや健全度判断データKZDDが予め記憶されているが、評価指標HSHや健全度判断データKZDDの記憶部10への記憶は省略することもできる。
【0026】
検査結果帳票作成プログラムPGMは、本発明に係る検査結果帳票作成方法に沿って、タブレット端末等における制御部50が、記憶部10に記憶されている各種データ、カメラ30により撮影された撮影データSTD、検査者により入力された追加データTKDおよび操作内容に基づいて特定の処理動作を実行させるためのものである。本実施形態における検査結果帳票作成プログラムPGMは、予めタブレット端末の記憶部10にインストールされた状態になっているが、記録媒体やネットワーク上のストレージに読み取りまたはダウンロード可能な状態で検査結果帳票作成システム100とは独立させた状態で流通させることもできる。
【0027】
図面データZMDは、検査対象物の形状をあらわすものであって、検査対象物ごとに正面図、平面図、パース図等のうちの少なくとも一図面がテンプレート図TMPZとして予め記憶部10に記憶されている。図3に示すように、それぞれのテンプレート図TMPZに検査対象物の名称が表示されていてもよい。また、記憶部10に記憶されている図面データZMDは、検査対象物の名称に紐づけされていてもよい。これにより、検査者がディスプレイ20に表示された入力機能により検査対象物検索欄に検査対象物の名称またはその一部を入力することにより、制御部50が入力された文字列に紐づけられた図面データZMD(テンプレート図TMPZ)をディスプレイ20に出力させることもできる。ディスプレイ20に表示された入力機能としては、スクリーンキーボード等の公知の構成を用いることができる。
【0028】
検査項目データKKMDは、図2および図3に示すように、検査対象物ごとに表形式で作成されている。検査項目データKKMDには、点検実施に関する点検データTD、検査対象物の基本データKD、地図データおよび座標データからなる検査対象物の位置データIDと、前回の調査時に撮影した検査対象物の代表写真データDSDが含まれており、検査項目KK、入力欄NRR、前回点検時データZTDおよびスケッチ用図面欄SKZRが設けられている。検査項目データKKMDの表には、図3に示すように検査対象物に対応する図面データZMDの中から選択されたテンプレート図TMPZをペースト(貼り付け)するためのスケッチ用図面欄SKZRが設けられている。本実施形態における検査項目データKKMDのように、互いに関連する複数の検査項目KKにより中分類グループCBGが形成された形態を採用することもできる。また、図示はしないが、関連する複数の中分類グループCBGにより単数または複数の大分類グループを構成することもできる。また、図2に示すように、前回点検時データZTDを今回点検の入力欄NRRに並べて表示することもできる。
【0029】
また、中分類グループCBGに含まれている検査項目データKKMDに対応する観察結果(変状レベル)や計測値(数量1,数量2)である追加データTKDに基づく中分類グループCBGに対する評価を行うための評価指標HSHを設定しておくこともできる。中分類グループ評価機能としての制御部50は、予め設定された評価指標HSHに基づいて検査項目データKKMDへの検査者による追加データTKDの入力内容に対応する評価記号または評価値をそれぞれの中分類グループCBGに対応する所定箇所に自動入力する。ここでは評価指標HSHについての具体的な評価基準についての説明は省略しているが、評価指標HSHは、検査対象物における過去の検査結果等に基づいて任意の評価基準を設定することができる。
【0030】
健全度判断データKZDDは、検査対象物に対応する検査項目データKKMDの追加データTKD(ここでは検査項目データKKMDにおける変状レベルの分類記号)に基づいて検査対象物に対する健全度KZDを判断するための判断基準となるものである。後述ずる図9に示すように、健全度判断データKZDDにより判断された健全度KZDは、それぞれの検査対象物に紐づけられた状態で記憶部10に記憶することができる。なお、本実施形態においては、表1に示すように、それぞれの検査項目データKKMDの変状レベルの分類記号に基づいて3段階の健全度KZDに分類される判断基準が設定されているが、健全度KZDは3段階分類に限定されるものではない。健全度判断データKZDDは、任意段階数の段階評価や具体的な数値を算出する判断基準を採用することもできる。
【表1】
【0031】
本実施形態におけるカメラ30は、検査結果帳票作成システム100を構成するタブレット端末に内蔵され静止画撮影および動画撮影が可能であるが、タブレット端末とは別体のカメラ30を採用することもできる。タブレット端末とは別体のカメラ30を採用した場合には、カメラ30により撮影された撮影データSTDは、有線接続または無線接続によりタブレット端末の記憶部10に記憶させることができる。
【0032】
本実施形態における現在位置情報取得部40は、タブレット端末に内蔵されているGPS受信機により構成することができる。ここでは現在位置情報取得部40としてGPS受信機を例示しているが、通信衛星から送信されるタブレット端末の現在位置を示す現在位置情報を受信することができればよく、具体的な現在位置情報の種類は特に限定されるものではない。現在位置情報取得部40が取得した現在位置情報に基づいて現在位置表示機能としての制御部50がディスプレイ20に地図データを表示すると共に、この地図データ上に現在位置を表示する。ディスプレイ20に表示する地図データは、現在位置情報に基づいてインターネットや予め記憶部10に記憶させておくことができ、制御部50によって予め設定した縮尺でディスプレイ20に表示される。検査者がディスプレイ20に表示された地図データに対していわゆるピンチ操作することで、地図データの縮尺を適宜調整することもできる。
【0033】
本実施形態における制御部50としては、タブレット端末のCPUを例示することができる。制御部50は、予め記憶部10に記憶されている検査結果帳票作成プログラムPGMおよび検査結果帳票作成システム100としてのタブレット端末の検査者による操作内容に基づいて記憶部10、ディスプレイ20、カメラ30、現在位置情報取得部40の動作制御を行う。
【0034】
次に、以上に説明した検査結果帳票作成システム100が用いられた検査結果帳票作成方法について説明を行う。図4は本実施形態に係る検査結果帳票作成方法における概略工程図である。検査者は、検査結果帳票作成システム100としてのタブレット端末を携帯して検査対象物がある検査現場に赴く(S-1)。検査者は、必要に応じてタブレット端末の現在位置情報取得部40を起動しておくことで、ディスプレイ20に表示された地図データ上に表示された現在位置を確認しながら移動を行い、検査対象物の位置に赴くことができる。地図データには検査対象物の位置情報も併せて表示されているので、検査者は土地勘のない場所であっても容易に検査対象物に到着することができる。
【0035】
検査者が検査対象物に到着した後、検査者は、ディスプレイ20に表示されている検査対象物のアイコンをクリックして選択(S-2)する。すると制御部50は、図2および図3に示すように、検査者に選択された検査対象物に関する検査項目データKKMDおよび図面データZMDを記憶部10から読み出すと共にディスプレイ20に表示(S-3)させる工程を実行する。なお、図3図2を下方にスクロールさせた状態のディスプレイ20の表示を示している。
【0036】
検査者は、図5に示すように、ディスプレイ20に表示された複数のテンプレート図TMPZからなる図面データZMDから検査対象物をあらわすテンプレート図TMPZをコピーまたはドラッグし、スケッチ用図面欄SKZRにペーストまたはドロップする(S-4)。検査者は、検査項目KKについての観察結果(変状レベル)や関連数値の計測値をディスプレイ20に表示させた入力機能(ディスプレイキーボードや手描き用ペン等に代表される手描きツール)を用いて追加データTKDの入力を行う。具体的には、検査者が図6および図7に示すように検査対象物の現在の状態を追加データTKDとして検査項目データKKMDの表およびスケッチ用図面欄SKZRのテンプレート図TMPZに直接入力(S-5)する工程を実行する。なお、本実施形態におけるスケッチ用図面欄SKZRは、テンプレート図TMPZを貼り付ける背景が方眼紙状になっているため、テンプレート図TMPZに対する検査対象物のスケッチが容易に行うことができる。
【0037】
本実施形態における追加データTKDは、少なくとも、検査項目KKに対する観察結果や計測値の入力データとスケッチ用図面欄SKZRのテンプレート図TMPZに手描きツールを用いた書き込みデータによって構成されている。検査結果データ作成機能としての制御部50は、検査項目データKKMD、テンプレート図TMPZ(図面データZMD)および追加データTKDに基づいて図8および図9に示す検査結果データKKDを作成し、検査対象物と紐づけした状態で記憶部10に記憶(S-6)させる工程を実行する。
【0038】
検査結果データKKDを作成する際においては、中分類グループ評価機能としての制御部50によって、それぞれの中分類グループCBGに対する現状評価を行うこともできる。中分類グループ評価機能としての制御部50は、それぞれの中分類グループCBGに属する検査項目データKKMDに対応する追加データTKDに紐づけされた評価指標HSHに基づいて、中分類グループCBGに対する現状評価を付与(S-7)する工程を実行することもできる。なお、本明細書においては、中分類グループCBGに対する現状評価の結果は図示していない。そして、健全度判断機能としての制御部50は、先述にあるとおり、表1に示した健全度判断データKZDDに基づいて検査対象物の健全度KZDを図9に示すように検査結果データKKD(検査対象物)に紐づけして記憶部10に記憶(S-8)させる処理を実行することもできる。
【0039】
続いて検査者は、タブレット端末のカメラ30を操作し、追加データTKDの根拠となる検査対象物の外観状態を撮影(S-9)する。すると撮影データ追加機能としての制御部50は、検査者が撮影した撮影データSTDを記憶部10に記憶(S-10)させる工程を実行する。なお、記憶部10に記憶させる撮影データSTDは、制御部50が撮影データSTDをディスプレイ20に表示させた後に検査者により選択されたものを制御部50が記憶部10に記憶させるようにしてもよい。これにより、撮影データSTDの品質を向上させることができる点において好都合である。また、撮影データ追加機能としての制御部50は、撮影データSTDを検査対象物に紐づけした状態で記憶部10に記憶させることもできる。なお、検査対象物の追加データTKDの根拠となる検査対象物の外観状態の撮影データSTDの撮影は、検査者が検査対象物に到着してから現地における検査対象物の検査が終了するまでの間における任意のタイミングで行うことができる。
【0040】
検査者がタブレット端末のディスプレイ20に表示させた検査完了ボタン(図示はせず)をタップすると、制御部50は、現在の検査対象物に対する現地検査を完了(S-11)させる処理を実行する。このとき、制御部50は、既に現地調査が完了した検査対象物をあらわすアイコン(図示はせず)の表示を、現地検査開始前の表示状態とは異なる検査完了表示(S-12)にすることもできる。この後制御部50は、現在位置情報取得部40が受信した現在位置情報に基づいてディスプレイ20に地図データおよびタブレット端末の現在位置を表示させる処理を実行してもよい(図示はせず)。このとき制御部50は、同じ検査現場で現地検査を行っている他の検査者が携帯しているタブレット端末の現在位置を自身の現在位置とは異なる表示方法により表示させることもできる。これにより検査者が複数のグループで周辺区域内の検査対象物を手分けして検査を行う際に、見通しの悪い検査現場であっても、異なる検査者による同一検査対象物の検査(重複検査)を防ぐことができる点において好都合である。
【0041】
そして検査者は、全ての検査対象物に対する現地検査が完了するまで(S-1)から(S-12)までの工程を繰り返し実行する。以上に説明した(S-1)から(S-12)までの工程が現地検査(外業)工程となる。
【0042】
現地検査工程が終了した後、検査者または作業者(以下、内業者という)による内業が行われる。内業者は、それぞれの検査対象物に紐づけられた検査結果データKKDを記憶部10から読み出してディスプレイ20に表示させる。このときタブレット端末に接続した別体のディスプレイモニタに検査結果データKKDを表示させることもできる。内業者は、テンプレート図TMPZおよびこれに対する追加データTKDをCADソフトにより清書して、図10に示すような清書図面データSZMDの作成(S-13)する工程を行う。このようにして作成された清書図面データSZMDは、検査者または内業者の操作に基づいて清書図面データ紐づけ機能としての制御部50によって検査結果データKKDに紐づけされた状態で記憶部10に記憶(S-14)させる工程が行われる。
【0043】
内業者は、記憶部10から撮影データSTDを読み出すと共にディスプレイ20に表示し、図10に示されているように表示された撮影データSTDの撮影方向を清書図面データSZMDに矢印等を用いて表示(S-15)する。内業者による清書図面データSZMDへの操作に基づいて撮影データ紐づけ機能としての制御部50は、清書図面データSZMDにおいて撮影方向を表示している部分に撮影データSTDをリンク等によって紐づけする工程(S-16)を実行する。この工程を行うことにより、清書図面データSZMD中の矢印またはNo.をクリックすると、後述する図12および図13にまとめられた撮影データSTDの一覧において該当する撮影データSTDの部分をディスプレイ20に拡大表示させたり、該当する撮影データSTDをディスプレイ20に拡大表示させることができる。
【0044】
つづいて検査結果帳票データ作成機能としての制御部50は、検査対象物に対応する検査結果データKKD、清書図面データSZMDおよび撮影データSTDに基づいて図8から図13に示すような検査結果帳票データKKCHDを作成(S-17)する工程を実行する。内業においては、(S-13)から(S-17)までの工程により、特定の検査対象物に対応する検査結果帳票データKKCHDが作成される。内業者はすべての検査対象物に対応する検査結果帳票データKKCHDを作成するまで、(S-13)から(S-17)までの工程を繰り返し実行すればよい。
【0045】
以上に本実施形態における検査結果帳票作成システム100、検査結果帳票作成プログラムPGMおよび検査結果帳票作成方法についてそれぞれ説明をしたが、本発明は以上の実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態における検査結果帳票作成システム100は、スタンドアロン型のタブレット端末単体で各種のデータ処理を実行しているが、この形態に限定されるものではない。スタンドアロン型のパーソナルコンピュータや、タブレット端末またはパーソナルコンピュータおよびタブレット端末またはパーソナルコンピュータと通信可能なサーバコンピュータによって検査結果帳票作成システム100を構成することもできる。タブレット端末またはパーソナルコンピュータおよびタブレット端末またはパーソナルコンピュータと通信可能なサーバコンピュータによって検査結果帳票作成システム100を構成した場合には、現地検査(外業)と内業とを分業することができ、現地検査が完了した検査対象物から直ちに内業を開始することができる点において好都合である。
【0046】
また、以上の実施形態においては、位置情報取得部40が取得した位置情報に基づいて、検査結果帳票作成システム100の現在位置を現在位置が含まれる所要範囲の地図を表示すると共に、表示した地図に検査結果帳票作成システム100の位置を重ねて表示させる現在位置表示機能を有しているが、この機能は省略することもできる。
【0047】
また、以上の実施形態においては、撮影データ紐づけ機能として制御部50は、清書図面データSZMDに撮影データSTDの検査対象物の撮影方向を表示すると共に、撮影方向の表示に撮影データSTDを紐づけしているがこの形態に限定されるものではない。要は、検査対象物の追加データTKDの裏付けとなる撮影データSTDが清書図面データSZMDと紐づけされた状態で記憶部10に記憶されていればよいのである。
【0048】
また、以上の実施形態においては、それぞれの検査対象物の検査項目データKKMDに対応する追加データTKDに紐づけされた評価指標HSHに基づいて、現状評価機能としての制御部50が中分類グループCBGに対する現状評価を付与すると共に、健全度判断機能としての制御部50が健全度判断データKZDDに基づいて検査対象物の健全度KZDを評価する形態について説明しているが、この形態に限定されるものではない。中分類グループCBGに対する現状評価を行う工程を省略することもできる。
【0049】
また、本実施形態においては、スケッチ用図面欄SKZRに図面データZMDのテンプレート図TMPZをペーストまたはドラッグアンドドロップ(貼り付け)した後も、図面データZMDがディスプレイ20に表示されている状態を例示しているが、スケッチ用図面欄SKZRに図面データZMDのテンプレート図TMPZを貼り付けした後は、図面データZMDの画面を閉じることもできる。さらに、本実施形態におけるスケッチ用図面欄SKZRは方眼紙状の背景になっている形態について説明したがスケッチ用図面欄SKZRは無地の背景を採用することもできる。
【0050】
また、本実施形態においては、検査結果帳票作成システム100、検査結果帳票作成プログラムPGMおよび検査結果帳票作成方法の適用例として、公共構造物に対する検査結果帳票を作成する実施形態について説明しているが、本発明の適用先は以上の実施形態に限定されるものではなく、工場内における機械や施設の点検等の分野においても適用することが可能である。
【0051】
そして以上に説明した変形例の他、実施形態において説明した変形例等を適宜組み合わせた形態を採用することも可能である。
【符号の説明】
【0052】
10:記憶部
20:ディスプレイ
30:カメラ(撮影部)
40:現在位置情報取得部
50:制御部
100:検査結果帳票作成システム
PGM:検査結果帳票作成プログラム
ZMD:図面データ,TMPZ:テンプレート図
KKMD:検査項目データ,TD:点検データ,KD:検査対象物の基本データ,
ID:位置データ,DSD:代表写真データ,KK:検査項目,NRR:入力欄,
ZTD:前回点検時データ,SKZR:スケッチ用図面欄
CBG:中分類グループ
KKD:検査結果データ
HSH:評価指標,KZDD:健全度判断データ,KZD:健全度
TKD:追加データ
STD:撮影データ
SZMD:清書図面データ
KKCHD:検査結果帳票データ
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
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図10
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図13