(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023119613
(43)【公開日】2023-08-29
(54)【発明の名称】原稿管理装置及び原稿管理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 40/58 20200101AFI20230822BHJP
G06F 40/279 20200101ALI20230822BHJP
【FI】
G06F40/58
G06F40/279
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022022540
(22)【出願日】2022-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】591036457
【氏名又は名称】三菱電機エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩本 周三
(72)【発明者】
【氏名】河口 純一
(72)【発明者】
【氏名】彦坂 聖哉
【テーマコード(参考)】
5B091
【Fターム(参考)】
5B091BA03
5B091DA02
(57)【要約】
【課題】重複文章である2つ以上の文章のうち、いずれか1つの文章の翻訳だけを依頼することができるようにする。
【解決手段】翻訳対象の原稿に記載されている複数の文章の中から、互いに同じ内容が記載されている2つ以上の文章を重複文章として検索する重複文章検索部3と、原稿に記載されている複数の文章のうち、重複文章検索部3により検索された重複文章以外の文章と、重複文章検索部3により検索された重複文章である2つ以上の文章のうちのいずれか1つの文章とを翻訳依頼原稿に記載する原文記載部4とを備えるように、原稿管理装置32を構成した。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
翻訳対象の原稿に記載されている複数の文章の中から、互いに同じ内容が記載されている2つ以上の文章を重複文章として検索する重複文章検索部と、
前記原稿に記載されている複数の文章のうち、前記重複文章検索部により検索された重複文章以外の文章と、前記重複文章検索部により検索された重複文章である2つ以上の文章のうちのいずれか1つの文章とを翻訳依頼原稿に記載する原文記載部と
を備えた原稿管理装置。
【請求項2】
前記翻訳対象の原稿に記載されている複数の文章のうち、前記重複文章検索部により検索された重複文章以外の文章に対する翻訳文と、前記重複文章検索部により検索された重複文章である2つ以上の文章のうちのいずれか1つの文章に対する翻訳文とを前記翻訳依頼原稿の翻訳欄に記載する翻訳文記載部を備えたことを特徴とする請求項1記載の原稿管理装置。
【請求項3】
前記翻訳対象の原稿に記載されている複数の文章のそれぞれに段落番号を付与する段落番号付与部を備え、
前記原文記載部は、
前記重複文章検索部により検索された重複文章である2つ以上の文章の中で、前記翻訳依頼原稿に記載した1つの文章に付与されている段落番号を、前記1つの文章以外の文章に対応する、前記翻訳依頼原稿の原文欄に記載することを特徴とする請求項1記載の原稿管理装置。
【請求項4】
前記翻訳対象の原稿に記載されている複数の文章のうち、前記重複文章検索部により検索された重複文章以外の文章に対する翻訳文を、前記重複文章以外の文章に対応する、前記翻訳依頼原稿の翻訳欄に記載し、前記重複文章検索部により検索された重複文章である2つ以上の文章のうちのいずれか1つの文章に対する翻訳文を、前記1つの文章に対応する、前記翻訳依頼原稿の翻訳欄と、前記原文欄に段落番号が記載されている文章に対応する、前記翻訳依頼原稿の翻訳欄とに記載する翻訳文記載部を備えたことを特徴とする請求項3記載の原稿管理装置。
【請求項5】
前記重複文章検索部は、
前記翻訳対象の原稿に記載されている複数の文章のそれぞれに含まれている1つ以上の文の中から、互いに同じ内容が記載されている2つ以上の文を重複文として検索し、
前記原文記載部は、
前記翻訳対象の原稿に記載されている複数の文章のそれぞれに含まれている文のうち、前記重複文章検索部により検索された重複文以外の文と、前記重複文章検索部により検索された重複文である2つ以上の文のうちのいずれか1つの文とを前記翻訳依頼原稿に記載することを特徴とする請求項1記載の原稿管理装置。
【請求項6】
前記翻訳対象の原稿に記載されている複数の文章のそれぞれに含まれている1つ以上の文のうち、前記重複文章検索部により検索された重複文以外の文に対する翻訳文と、前記重複文章検索部により検索された重複文である2つ以上の文のうちのいずれか1つの文に対する翻訳文とを前記翻訳依頼原稿の翻訳欄に記載する翻訳文記載部を備えたことを特徴とする請求項5記載の原稿管理装置。
【請求項7】
文章を登録する文章登録部を備え、
前記原文記載部は、
前記文章登録部に登録されている文章の中に、前記重複文章検索部により検索された重複文章である2つ以上の文章のうちのいずれか1つの文章が存在していれば、前記1つの文章の識別情報を、前記重複文章である2つ以上の文章のそれぞれに対応する、前記翻訳依頼原稿の原文欄に記載することを特徴とする請求項1記載の原稿管理装置。
【請求項8】
前記翻訳対象の原稿に記載されている複数の文章のうち、前記重複文章検索部により検索された重複文章以外の文章に対する翻訳文を、前記重複文章以外の文章に対応する、前記翻訳依頼原稿の翻訳欄に記載し、前記重複文章検索部により検索された重複文章である2つ以上の文章のそれぞれに対する翻訳文を、前記原文欄に前記識別情報が記載されているそれぞれの文章に対応する、前記翻訳依頼原稿の翻訳欄に記載する翻訳文記載部を備えたことを特徴とする請求項7記載の原稿管理装置。
【請求項9】
前記翻訳対象の原稿の作成を支援するための作成支援機能を有する原稿作成支援部を備え、
前記原稿作成支援部は、
前記作成支援機能として、過去に作成した文章の中から、いずれかの文章の選択を受け付けて、選択を受け付けた文章を前記翻訳対象の原稿に記載する自動補完機能を備えていることを特徴とする請求項1記載の原稿管理装置。
【請求項10】
重複文章検索部が、翻訳対象の原稿に記載されている複数の文章の中から、互いに同じ内容が記載されている2つ以上の文章を重複文章として検索し、
原文記載部が、前記原稿に記載されている複数の文章のうち、前記重複文章検索部により検索された重複文章以外の文章と、前記重複文章検索部により検索された重複文章である2つ以上の文章のうちのいずれか1つの文章とを翻訳依頼原稿に記載する
原稿管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、原稿管理装置及び原稿管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
文章を翻訳するための言語変換仲介システムがある(例えば、特許文献1を参照)。
当該言語変換仲介システムは、翻訳の依頼元のユーザである依頼元利用者が使用する依頼元端末と、翻訳の依頼先のユーザである依頼先利用者が使用する依頼先端末とを備えている。
依頼元端末は、翻訳対象の原稿に記載されている全ての文章を示す文章データを含む翻訳依頼要求を依頼先端末に送信する。依頼先端末は、依頼元端末から翻訳依頼要求を受信したとき、翻訳依頼要求を受信した旨をディスプレイに表示する。依頼先端末のディスプレイを見た依頼先利用者は、翻訳の依頼を受任する場合、依頼先端末を操作して、翻訳の依頼を受任した旨の返答を依頼元端末に送信する。その後、依頼先利用者は、依頼先端末を操作して、翻訳文を示す翻訳文データを依頼元端末に送信する。依頼元端末は、依頼先端末から翻訳文データを受信し、翻訳文をディスプレイに表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
翻訳対象の原稿に記載されている複数の文章の中には、互いに同じ内容が記載されている2つ以上の文章(以下「重複文章」という)が含まれていることがある。重複文章である2つ以上の文章に対する翻訳文は、通常、同じものであってよい。したがって、重複文章である2つ以上の文章のうち、いずれか1つの文章の翻訳だけを依頼し、残りの文章の翻訳を依頼しないことは、例えば、翻訳に要する費用を削減する上で有用である。
特許文献1に開示されている言語変換仲介システムでは、依頼元端末が、原稿に記載されている全ての文章を示す文章データを依頼先端末に送信している。したがって、当該言語変換仲介システムは、翻訳対象の原稿に重複文章である2つ以上の文章が含まれている場合にも、それらの重複文章のうち、いずれか1つの文章の翻訳だけを依頼するものではないという課題があった。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、重複文章である2つ以上の文章のうち、いずれか1つの文章の翻訳だけを依頼することができる原稿管理装置及び原稿管理方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る原稿管理装置は、翻訳対象の原稿に記載されている複数の文章の中から、互いに同じ内容が記載されている2つ以上の文章を重複文章として検索する重複文章検索部と、原稿に記載されている複数の文章のうち、重複文章検索部により検索された重複文章以外の文章と、重複文章検索部により検索された重複文章である2つ以上の文章のうちのいずれか1つの文章とを翻訳依頼原稿に記載する原文記載部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、重複文章である2つ以上の文章のうち、いずれか1つの文章の翻訳だけを依頼することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る原稿管理装置32を示す構成図である。
【
図2】実施の形態1に係る原稿管理装置32のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
【
図3】原稿管理装置32が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合のコンピュータのハードウェア構成図である。
【
図4】原稿管理装置32の処理手順である原稿管理方法を示すフローチャートである。
【
図5】それぞれの文章に付与される段落番号を示す説明図である。
【
図6】翻訳依頼原稿の原文欄の記載例を示す説明図である。
【
図7】翻訳依頼原稿の原文欄の記載例及び翻訳依頼原稿の翻訳欄の記載例を示す説明図である。
【
図8】実施の形態2に係る原稿管理装置32を示す構成図である。
【
図9】実施の形態2に係る原稿管理装置32のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
【
図10】文章登録部6により登録された文章の一例を示す説明図である。
【
図11】翻訳依頼原稿の原文欄の記載例を示す説明図である。
【
図12】翻訳依頼原稿の原文欄の記載例及び翻訳依頼原稿の翻訳欄の記載例を示す説明図である。
【
図13】実施の形態3に係る原稿管理装置32を示す構成図である。
【
図14】実施の形態3に係る原稿管理装置32のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示をより詳細に説明するために、本開示を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る原稿管理装置32を示す構成図である。
図2は、実施の形態1に係る原稿管理装置32のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図1に示す原稿管理装置32は、データ送受信部1、段落番号付与部2、重複文章検索部3、原文記載部4及び翻訳文記載部5を備えている。
【0011】
データ送受信部1は、例えば、
図2に示すデータ送受信回路11によって実現される。
データ送受信部1は、例えば、文章作成用端末31から、翻訳対象の原稿に記載されている複数の文章を示す文章データを取得する。文章作成用端末31は、原稿作成者が例えば原稿を作成する際に使用する端末である。
データ送受信部1は、文章データを段落番号付与部2及び重複文章検索部3のそれぞれに出力する。
データ送受信部1は、原文記載部4から、翻訳依頼原稿を示す依頼原稿データを取得し、依頼原稿データを文章作成用端末31に出力する。
データ送受信部1は、文章作成用端末31から、翻訳文を示す翻訳文データを取得し、翻訳文データを翻訳文記載部5に出力する。
【0012】
段落番号付与部2は、例えば、
図2に示す段落番号付与回路12によって実現される。
段落番号付与部2は、データ送受信部1から、文章データを取得する。
段落番号付与部2は、文章データが示すそれぞれの文章に段落番号を付与する。
段落番号付与部2は、段落番号付きの文章を示す文章データを原文記載部4及び翻訳文記載部5のそれぞれに出力する。
【0013】
重複文章検索部3は、例えば、
図2に示す重複文章検索回路13によって実現される。
重複文章検索部3は、データ送受信部1から、文章データを取得する。
重複文章検索部3は、文章データが示す複数の文章の中から、互いに同じ内容が記載されている2つ以上の文章を重複文章として検索する。
重複文章検索部3は、重複文章の検索結果を原文記載部4及び翻訳文記載部5のそれぞれに出力する。
【0014】
原文記載部4は、例えば、
図2に示す原文記載回路14によって実現される。
原文記載部4は、段落番号付与部2から、段落番号付きの文章を示す文章データを取得する。
原文記載部4は、文章データが示す複数の文章のうち、重複文章検索部3により検索された重複文章以外の文章を、重複文章以外の文章に対応する、翻訳依頼原稿の原文欄に記載する。
また、原文記載部4は、重複文章検索部3により検索された重複文章である2つ以上の文章のうちのいずれか1つの文章を、1つの文章に対応する、翻訳依頼原稿の原文欄に記載する。
さらに、原文記載部4は、重複文章検索部3により検索された重複文章である2つ以上の文章の中で、原文欄に記載した1つの文章に付与されている段落番号を、1つの文章以外の文章に対応する、翻訳依頼原稿の原文欄に記載する。
【0015】
翻訳文記載部5は、例えば、
図2に示す翻訳文記載回路15によって実現される。
翻訳文記載部5は、段落番号付与部2から、段落番号付きの文章を示す文章データを取得し、データ送受信部1から、翻訳文を示す翻訳文データを取得する。
翻訳文記載部5は、原稿に記載されている複数の文章のうち、重複文章検索部3により検索された重複文章以外の文章に対する翻訳文を、重複文章以外の文章に対応する、翻訳依頼原稿の翻訳欄に記載する。
また、翻訳文記載部5は、重複文章検索部3により検索された重複文章である2つ以上の文章のうちのいずれか1つの文章に対する翻訳文を、1つの文章に対応する、翻訳依頼原稿の翻訳欄に記載する。
さらに、翻訳文記載部5は、いずれか1つの文章に対する翻訳文を、原文欄に段落番号が記載されている文章に対応する、翻訳依頼原稿の翻訳欄に記載する。
【0016】
図1では、原稿管理装置32の構成要素であるデータ送受信部1、段落番号付与部2、重複文章検索部3、原文記載部4及び翻訳文記載部5のそれぞれが、
図2に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、原稿管理装置32が、データ送受信回路11、段落番号付与回路12、重複文章検索回路13、原文記載回路14及び翻訳文記載回路15によって実現されるものを想定している。
データ送受信回路11、段落番号付与回路12、重複文章検索回路13、原文記載回路14及び翻訳文記載回路15のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
【0017】
原稿管理装置32の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、原稿管理装置32が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
ソフトウェア又はファームウェアは、プログラムとして、コンピュータのメモリに格納される。コンピュータは、プログラムを実行するハードウェアを意味し、例えば、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)が該当する。
【0018】
図3は、原稿管理装置32が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合のコンピュータのハードウェア構成図である。
原稿管理装置32が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、データ送受信部1、段落番号付与部2、重複文章検索部3、原文記載部4及び翻訳文記載部5におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムがメモリ21に格納される。そして、コンピュータのプロセッサ22がメモリ21に格納されているプログラムを実行する。
【0019】
また、
図2では、原稿管理装置32の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアによって実現される例を示し、
図3では、原稿管理装置32がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、原稿管理装置32における一部の構成要素が専用のハードウェアによって実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェア等によって実現されるものであってもよい。
【0020】
次に、
図1に示す原稿管理装置32の動作について説明する。
図4は、原稿管理装置32の処理手順である原稿管理方法を示すフローチャートである。
原稿作成者は、例えば、文章作成用端末31を操作して、複数の文章を含んでいる翻訳対象の原稿を作成する。
文章作成用端末31は、翻訳対象の原稿に記載されている複数の文章を示す文章データを原稿管理装置32に出力する。
【0021】
原稿管理装置32のデータ送受信部1は、文章作成用端末31から、文章データを取得する(
図4のステップST1)。
データ送受信部1は、文章データを段落番号付与部2及び重複文章検索部3のそれぞれに出力する。
【0022】
段落番号付与部2は、データ送受信部1から、文章データを取得する。
段落番号付与部2は、
図5に示すように、文章データが示すそれぞれの文章に段落番号を付与する(
図4のステップST2)。それぞれの文章に段落番号を付与する処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
図5は、それぞれの文章に付与される段落番号を示す説明図である。
図5では、原稿に記載されている複数の文章のうち、例えば、「本書は、お客様が○○を簡単にご利用いただくためのものです。」という文章には、段落番号として、“001”が付与されている。また、複数の文章のうち、例えば、「火災、やけど、けが、感電などの原因になります。」という文章には、段落番号として、“003”が付与されている。
段落番号付与部2は、段落番号付きの文章を示す文章データを原文記載部4及び翻訳文記載部5のそれぞれに出力する。
【0023】
重複文章検索部3は、データ送受信部1から、文章データを取得する。
重複文章検索部3は、文章データが示す複数の文章の中から、互いに同じ内容が記載されている2つ以上の文章を重複文章として検索する(
図4のステップST3)。
図5の例では、段落番号として、“003”が付与されている文章と、“005”が付与されている文章とが、重複文章として検索される。
重複文章検索部3は、重複文章の検索結果を原文記載部4及び翻訳文記載部5のそれぞれに出力する。
図1に示す原稿管理装置32では、重複文章検索部3が、1つの重複文章として、互いに同じ内容が記載されている2つの文章を検索している。しかし、これは一例に過ぎず、重複文章検索部3が、1つの重複文章として、互いに同じ内容が記載されている3つ以上の文章を検索してもよい。
図1に示す原稿管理装置32では、重複文章検索部3が、1つの重複文章として、互いに同じ内容が記載されている2つの文章を検索している。翻訳対象の原稿に含まれている文章が、“A”,“B”,“B”,“C”,“D”,“D”,“E”・・・のような場合、1つの重複文章として、2つの文章“B”を検索し、もう1つの重複文章として、2つの文章“D”を検索してもよい。
図1に示す原稿管理装置32では、重複文章検索部3が、互いの内容が完全に同一である2つ以上の文章を重複文章として検索している。しかし、これは一例に過ぎず、重複文章検索部3が、文章の意味内容が同じであれば、句読点が有る文章と句読点が無い文章とを重複文章として検索するようにしてもよいし、表記が漢字である文章と表記が平仮名である文章とを重複文章として検索するようにしてもよい。
【0024】
原文記載部4は、段落番号付与部2から、段落番号付きの文章を示す文章データを取得し、重複文章検索部3から、重複文章の検索結果を取得する。
原文記載部4は、
図6に示すように、文章データが示す複数の文章のうち、重複文章検索部3により検索された重複文章以外の文章を、重複文章以外の文章に対応する、翻訳依頼原稿の原文欄に記載する(
図4のステップST4)。
図6は、翻訳依頼原稿の原文欄の記載例を示す説明図である。
図6の例では、「本書は、お客様が○○を簡単にご利用いただくためのものです。」という文章が、“001”の段落番号に対応する文章の原文欄に記載されている。また、「○○をご利用の前に、本書をご覧になり、正しくお取り扱いください。」という文章が、“002”の段落番号に対応する文章の原文欄に記載されている。また、「microUSB端子や充電端子に水などの液体(飲料水、汗、海水など)を入れないでください。」という文章が、“004”の段落番号に対応する文章の原文欄に記載されている。
【0025】
また、原文記載部4は、重複文章検索部3により重複文章が検索されていれば、重複文章である2つ以上の文章のうちのいずれか1つの文章を、1つの文章に対応する、翻訳依頼原稿の原文欄に記載する(
図4のステップST5)。
図6の例では、「火災、やけど、けが、感電などの原因になります。」という文章が、“003”の段落番号に対応する文章の原文欄に記載されている。
原文記載部4は、重複文章である2つ以上の文章の中で、原文欄に記載した1つの文章に付与されている段落番号を、1つの文章以外の文章に対応する、翻訳依頼原稿の原文欄に記載する(
図4のステップST6)。
図6の例では、原文欄に記載した1つの文章に付与されている段落番号は、“003”であり、“003”の段落番号が、“005”の段落番号に対応する文章の原文欄に記載されている。
また、原文記載部4は、原文欄に記載した1つの文章に付与されている段落番号を、1つの文章以外の文章に対応する、翻訳依頼原稿の翻訳欄に記載する。
原文記載部4は、原文欄に文章等が記載されている翻訳依頼原稿を示す依頼原稿データをデータ送受信部1に出力する。
なお、原文記載部4は、重複文章検索部3により重複文章が検索されていなければ、ステップST5,ST6の処理を行わない。
【0026】
データ送受信部1は、原文記載部4から依頼原稿データを取得し、依頼原稿データを文章作成用端末31に出力する。
文章作成用端末31は、データ送受信部1から出力された依頼原稿データを受信し、翻訳依頼原稿の原文欄に記載されている文章をディスプレイに表示する。
原稿作成者は、ディスプレイに表示されている文章を確認し、当該文章に問題がなければ、文章作成用端末31を操作して、文章作成用端末31から、当該文章の翻訳依頼を、例えば、翻訳会社の端末に送信させる。翻訳依頼には依頼原稿データが含まれている。
翻訳会社の端末は、依頼原稿データを含む翻訳依頼を受信する。
その後、翻訳会社の端末は、依頼原稿データの原文欄に記載されている原文に対応する翻訳文を示す翻訳文データを文章作成用端末31に送信する。
文章作成用端末31は、翻訳会社の端末から、翻訳文データを受信し、翻訳文データを原稿管理装置32に出力する。
原稿管理装置32のデータ送受信部1は、文章作成用端末31から翻訳文データを取得し、翻訳文データを翻訳文記載部5に出力する。
【0027】
翻訳文記載部5は、段落番号付与部2から、段落番号付きの文章を示す文章データを取得し、重複文章検索部3から、重複文章の検索結果を取得する。
翻訳文記載部5は、データ送受信部1から、翻訳文データを取得する。
翻訳文記載部5は、
図7に示すように、原稿に記載されている複数の文章のうち、重複文章検索部3により検索された重複文章以外の文章に対する翻訳文を、重複文章以外の文章に対応する、翻訳依頼原稿の翻訳欄に記載する(
図4のステップST7)。
図7は、翻訳依頼原稿の原文欄の記載例及び翻訳依頼原稿の翻訳欄の記載例を示す説明図である。
図7では、重複文章以外の文章に対する翻訳文の例として、「This manual is intended to make it easier for you to use ○○.」という英語の翻訳文が、“001”の段落番号に対応する文章の翻訳欄(英語)に記載されている。また、仏語の翻訳文が、“001”の段落番号に対応する文章の翻訳欄(仏語)に記載されている。
図7の例では、2つの言語の翻訳文が翻訳欄に記載されている。しかし、これは一例に過ぎず、1つの言語の翻訳文のみが翻訳欄に記載されていてもよいし、3つ以上の言語の翻訳文が翻訳欄に記載されていてもよい。
【0028】
また、翻訳文記載部5は、重複文章検索部3により重複文章が検索されていれば、重複文章である2つ以上の文章のうちのいずれか1つの文章に対する翻訳文を、1つの文章に対応する、翻訳依頼原稿の翻訳欄に記載する(
図4のステップST8)。
図7では、重複文章である2つ以上の文章のうちのいずれか1つの文章に対する翻訳文の例として、「Doing so may result in fire,burns,injury,or electric shock.」という英語の翻訳文が、“003”の段落番号に対応する文章の翻訳欄(英語)に記載されている。また、仏語の翻訳文が、“003”の段落番号に対応する文章の翻訳欄(仏語)に記載されている。
【0029】
さらに、翻訳文記載部5は、いずれか1つの文章に対する翻訳文を、原文欄に段落番号が記載されている文章に対応する、翻訳依頼原稿の翻訳欄に記載する(
図4のステップST9)。
ここでは、翻訳文記載部5が、いずれか1つの文章に対する翻訳文を、原文欄に段落番号が記載されている文章に対応する、翻訳依頼原稿の翻訳欄に記載している。しかし、これは一例に過ぎず、
図7に示すように、翻訳依頼原稿の翻訳欄には、当該段落番号が記載されているままであってもよい。
翻訳文記載部5は、重複文章検索部3により重複文章が検索されていなければ、ステップST8,ST9の処理を行わない。
【0030】
以上の実施の形態1では、翻訳対象の原稿に記載されている複数の文章の中から、互いに同じ内容が記載されている2つ以上の文章を重複文章として検索する重複文章検索部3と、原稿に記載されている複数の文章のうち、重複文章検索部3により検索された重複文章以外の文章と、重複文章検索部3により検索された重複文章である2つ以上の文章のうちのいずれか1つの文章とを翻訳依頼原稿に記載する原文記載部4とを備えるように、原稿管理装置32を構成した。したがって、原稿管理装置32は、重複文章である2つ以上の文章のうち、いずれか1つの文章の翻訳だけを依頼することができる。
【0031】
図1に示す原稿管理装置32では、重複文章検索部3が、翻訳対象の原稿に記載されている複数の文章の中から、互いに同じ内容が記載されている2つ以上の文章を重複文章として検索している。翻訳対象の原稿に記載されているそれぞれの文章は、1つの文、又は、2つ以上の文を含んでいる。このため、重複文章検索部3は、文章単位に、重複文章を検索するものに限るものではなく、翻訳対象の原稿に記載されている複数の文章のそれぞれに含まれている1つ以上の文の中から、互いに同じ内容が記載されている2つ以上の文を重複文として検索するようにしてもよい。
原文記載部4は、重複文章検索部3によって、文単位に重複文が検索される場合、原稿に記載されている複数の文章のそれぞれに含まれている1つ以上の文のうち、重複文以外の文を、重複文以外の文に対応する、翻訳依頼原稿の原文欄に記載する。また、原文記載部4は、重複文章検索部3により検索された重複文である2つ以上の文のうちのいずれか1つの文を、1つの文に対応する、翻訳依頼原稿の原文欄に記載する。さらに、原文記載部4は、重複文である2つ以上の文の中で、原文欄に記載した1つの文に付与されている段落番号を、1つの文以外の文に対応する、翻訳依頼原稿の原文欄に記載する。
翻訳文記載部5は、重複文章検索部3によって、文単位に重複文が検索される場合、原稿に記載されている複数の文章のそれぞれに含まれている1つ以上の文のうち、重複文以外の文に対する翻訳文を、重複文以外の文に対応する、翻訳依頼原稿の翻訳欄に記載する。また、翻訳文記載部5は、重複文章検索部3により検索された重複文である2つ以上の文のうちのいずれか1つの文に対する翻訳文を、1つの文に対応する、翻訳依頼原稿の翻訳欄に記載する。さらに、翻訳文記載部5は、いずれか1つの文に対する翻訳文を、原文欄に段落番号が記載されている文に対応する、翻訳依頼原稿の翻訳欄に記載する。
重複文章検索部3が、文単位に、重複文を検索することで、文章単位では検索されない文を重複文として検索することができる。重複文章検索部3が、文単位に、重複文を検索することで、文章単位に、重複文章を検索する場合よりも、例えば、翻訳するワード数を削減して、翻訳費用を下げることができる。
【0032】
実施の形態2.
実施の形態2では、文章を登録する文章登録部6を備える原稿管理装置32について説明する。
【0033】
図8は、実施の形態2に係る原稿管理装置32を示す構成図である。
図8において、
図1と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
図9は、実施の形態2に係る原稿管理装置32のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図9において、
図2と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
図8に示す原稿管理装置32は、データ送受信部1、段落番号付与部2、重複文章検索部3、文章登録部6、原文記載部7及び翻訳文記載部8を備えている。
【0034】
文章登録部6は、例えば、
図9に示す文章登録回路16によって実現される。
文章登録部6は、重複文章検索部3によって過去に検索された重複文章である2つ以上の文章のうちのいずれか1つの文章を登録する。文章登録部6により登録された文章には、識別情報が付加される。
図8に示す原稿管理装置32は、文章登録部6を備えている。しかし、これは一例に過ぎず、文章登録部6が原稿管理装置32の外部に設けられていてもよい。
【0035】
原文記載部7は、例えば、
図9に示す原文記載回路17によって実現される。
原文記載部7は、
図1に示す原文記載部4と同様に、文章データが示す複数の文章のうち、重複文章検索部3により検索された重複文章以外の文章を、重複文章以外の文章に対応する、翻訳依頼原稿の原文欄に記載する。
原文記載部7は、文章登録部6に登録されている文章の中に、重複文章検索部3により検索された重複文章である2つ以上の文章のうちのいずれか1つの文章が存在していれば、当該1つの文章の識別情報を、重複文章である2つ以上の文章のそれぞれに対応する、翻訳依頼原稿の原文欄に記載する。
原文記載部7は、文章登録部6に登録されている文章の中に、重複文章検索部3により検索された重複文章である2つ以上の文章のうちのいずれか1つの文章が存在していなければ、当該1つの文章を文章登録部6に登録する。また、原文記載部7は、当該1つの文章の識別情報を、重複文章である2つ以上の文章のそれぞれに対応する、翻訳依頼原稿の原文欄に記載する。
【0036】
翻訳文記載部8は、例えば、
図9に示す翻訳文記載回路18によって実現される。
翻訳文記載部8は、データ送受信部1から、翻訳文を示す翻訳文データを取得する。
翻訳文記載部8は、
図1に示す翻訳文記載部5と同様に、原稿に記載されている複数の文章のうち、重複文章検索部3により検索された重複文章以外の文章に対する翻訳文を、重複文章以外の文章に対応する、翻訳依頼原稿の翻訳欄に記載する。
翻訳文記載部8は、重複文章検索部3により検索された重複文章である2つ以上の文章のそれぞれに対する翻訳文を、原文欄に識別情報が記載されている文章に対応する、翻訳依頼原稿の翻訳欄に記載する。
【0037】
図8では、原稿管理装置32の構成要素であるデータ送受信部1、段落番号付与部2、重複文章検索部3、文章登録部6、原文記載部7及び翻訳文記載部8のそれぞれが、
図9に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、原稿管理装置32が、データ送受信回路11、段落番号付与回路12、重複文章検索回路13、文章登録回路16、原文記載回路17及び翻訳文記載回路18によって実現されるものを想定している。
【0038】
文章登録回路16は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、あるいは、DVD(Digital Versatile Disc)が該当する。
データ送受信回路11、段落番号付与回路12、重複文章検索回路13、原文記載回路17及び翻訳文記載回路18のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
【0039】
原稿管理装置32の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、原稿管理装置32が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
原稿管理装置32が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、文章登録部6が
図3に示すメモリ21上に構成される。データ送受信部1、段落番号付与部2、重複文章検索部3、原文記載部7及び翻訳文記載部8におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムがメモリ21に格納される。そして、
図3に示すプロセッサ22がメモリ21に格納されているプログラムを実行する。
【0040】
また、
図9では、原稿管理装置32の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアによって実現される例を示し、
図3では、原稿管理装置32がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、原稿管理装置32における一部の構成要素が専用のハードウェアによって実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェア等によって実現されるものであってもよい。
【0041】
次に、
図8に示す原稿管理装置32の動作について説明する。文章登録部6、原文記載部7及び翻訳文記載部8以外は、
図1に示す原稿管理装置32と同様であるため、ここでは、文章登録部6、原文記載部7及び翻訳文記載部8の動作のみを説明する。
【0042】
文章登録部6は、
図10に示すように、重複文章検索部3によって過去に検索された重複文章である2つ以上の文章のうちのいずれか1つの文章を登録する。文章登録部6により登録された文章には、識別情報が付加されている。
図10は、文章登録部6により登録された文章の一例を示す説明図である。
図10の例では、「火災、やけど、けが、感電などの原因になります。」という文章が登録されている。当該文章には、“Δ029”という識別情報が付加されている。
また、
図10の例では、「水濡れやほこりなどにご注意ください。」という文章が登録されている。当該文章には、“Δ030”という識別情報が付加されている。
また、
図10の例では、「常温(5℃~35℃)で動作しますが、低温時や電池容量により動作が制限されることがあります。」という文章が登録されている。当該文章には、“Δ031”という識別情報が付加されている。
図10の例では、文章登録部6には、登録された文章に対する翻訳文も登録されている。
【0043】
原文記載部7は、段落番号付与部2から、段落番号付きの文章を示す文章データを取得し、重複文章検索部3から、重複文章の検索結果を取得する。
原文記載部7は、
図11に示すように、文章データが示す複数の文章のうち、重複文章検索部3により検索された重複文章以外の文章を、重複文章以外の文章に対応する、翻訳依頼原稿の原文欄に記載する。
図11は、翻訳依頼原稿の原文欄の記載例を示す説明図である。
図11の例では、「本書は、お客様が○○を簡単にご利用いただくためのものです。」という文章が、“001”の段落番号に対応する文章の原文欄に記載されている。また、「○○をご利用の前に、本書をご覧になり、正しくお取り扱いください。」という文章が、“002”の段落番号に対応する文章の原文欄に記載されている。また、「microUSB端子や充電端子に水などの液体(飲料水、汗、海水など)を入れないでください。」という文章が、“004”の段落番号に対応する文章の原文欄に記載されている。
【0044】
原文記載部7は、文章登録部6に登録されている文章の中に、重複文章検索部3により検索された重複文章である2つ以上の文章のうちのいずれか1つの文章が存在していれば、当該1つの文章の識別情報を、重複文章である2つ以上の文章のそれぞれに対応する、翻訳依頼原稿の原文欄に記載する。
図11の例では、“Δ029”の識別情報が、“003”の段落番号に対応する文章の原文欄と、“005”の段落番号に対応する文章の原文欄とに記載されている。
また、原文記載部7は、当該1つの文章の識別情報を、重複文章である2つ以上の文章のそれぞれに対応する、翻訳依頼原稿の翻訳欄に記載する。
【0045】
原文記載部7は、文章登録部6に登録されている文章の中に、重複文章検索部3により検索された重複文章である2つ以上の文章のうちのいずれか1つの文章が存在していなければ、当該1つの文章を文章登録部6に登録する。また、原文記載部7は、当該1つの文章の識別情報を、重複文章である2つ以上の文章のそれぞれに対応する、翻訳依頼原稿の原文欄に記載する。
【0046】
翻訳会社の端末は、文章登録部6にアクセス可能であれば、文章登録部6に登録されている文章を取得することができる。また、翻訳会社の端末は、文章登録部6に登録されている文章に対応する翻訳文を取得することができる。さらに、翻訳会社の端末は、文章登録部6に登録されている文章に対応する翻訳文を文章登録部6に登録することもできる。
【0047】
翻訳文記載部8は、段落番号付与部2から、段落番号付きの文章を示す文章データを取得し、重複文章検索部3から、重複文章の検索結果を取得する。
翻訳文記載部8は、データ送受信部1から、翻訳文を示す翻訳文データを取得する。
翻訳文記載部5は、
図12に示すように、原稿に記載されている複数の文章のうち、重複文章検索部3により検索された重複文章以外の文章に対する翻訳文を、重複文章以外の文章に対応する、翻訳依頼原稿の翻訳欄に記載する。
図12は、翻訳依頼原稿の原文欄の記載例及び翻訳依頼原稿の翻訳欄の記載例を示す説明図である。
図12では、重複文章以外の文章に対する翻訳文の例として、「This manual is intended to make it easier for you to use ○○.」という英語の翻訳文が、“001”の段落番号に対応する文章の翻訳欄(英語)に記載されている。また、仏語の翻訳文が、“001”の段落番号に対応する文章の翻訳欄(仏語)に記載されている。
【0048】
翻訳文記載部8は、重複文章検索部3により検索された重複文章である2つ以上の文章のそれぞれに対する翻訳文を、原文欄に識別情報が記載されている文章に対応する、翻訳依頼原稿の翻訳欄に記載する。
ここでは、翻訳文記載部8が、重複文章である2つ以上の文章のそれぞれに対する翻訳文を、原文欄に識別情報が記載されている文章に対応する、翻訳依頼原稿の翻訳欄に記載している。しかし、これは一例に過ぎず、
図12に示すように、翻訳依頼原稿の翻訳欄には、当該識別情報が記載されているままであってもよい。
【0049】
以上の実施の形態2では、文章を登録する文章登録部6を備え、原文記載部7が、文章登録部6に登録されている文章の中に、重複文章検索部3により検索された重複文章である2つ以上の文章のうちのいずれか1つの文章が存在していれば、1つの文章の識別情報を、重複文章である2つ以上の文章のそれぞれに対応する、翻訳依頼原稿の原文欄に記載するように、
図8に示す原稿管理装置32を構成した。したがって、
図8に示す原稿管理装置32は、
図1に示す原稿管理装置32と同様に、重複文章である2つ以上の文章のうち、いずれか1つの文章の翻訳だけを依頼することができる。
【0050】
実施の形態3.
実施の形態3では、翻訳対象の原稿の作成を支援する原稿作成支援部9を備える原稿管理装置32について説明する。
【0051】
図13は、実施の形態3に係る原稿管理装置32を示す構成図である。
図13において、
図1及び
図8と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
図14は、実施の形態3に係る原稿管理装置32のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図14において、
図2及び
図9と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
図13に示す原稿管理装置32は、データ送受信部1、段落番号付与部2、重複文章検索部3、原文記載部4、翻訳文記載部5及び原稿作成支援部9を備えている。
【0052】
原稿作成支援部9は、例えば、
図14に示す原稿作成支援回路19によって実現される。
原稿作成支援部9は、翻訳対象の原稿の作成を支援するための作成支援機能を有している。
原稿作成支援部9は、作成支援機能として、過去に作成した文章の中から、いずれかの文章の選択を受け付けて、選択を受け付けた文章を翻訳対象の原稿に記載する自動補完機能を備えている。自動補完機能は、オートコンプリート機能と呼ばれることがある。
【0053】
図13に示す原稿管理装置32は、原稿作成支援部9が
図1に示す原稿管理装置32に適用されているものである。しかし、これは一例に過ぎず、原稿作成支援部9が
図8に示す原稿管理装置32に適用されているものであってもよい。
【0054】
図13では、原稿管理装置32の構成要素であるデータ送受信部1、段落番号付与部2、重複文章検索部3、原文記載部4、翻訳文記載部5及び原稿作成支援部9のそれぞれが、
図14に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、原稿管理装置32が、データ送受信回路11、段落番号付与回路12、重複文章検索回路13、原文記載回路14、翻訳文記載回路15及び原稿作成支援回路19によって実現されるものを想定している。
データ送受信回路11、段落番号付与回路12、重複文章検索回路13、原文記載回路14、翻訳文記載回路15及び原稿作成支援回路19のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
【0055】
原稿管理装置32の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、原稿管理装置32が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
原稿管理装置32が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、データ送受信部1、段落番号付与部2、重複文章検索部3、原文記載部4、翻訳文記載部5及び原稿作成支援部9におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムが
図3に示すメモリ21に格納される。そして、
図3に示すプロセッサ22がメモリ21に格納されているプログラムを実行する。
【0056】
また、
図14では、原稿管理装置32の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアによって実現される例を示し、
図3では、原稿管理装置32がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、原稿管理装置32における一部の構成要素が専用のハードウェアによって実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェア等によって実現されるものであってもよい。
【0057】
次に、
図13に示す原稿管理装置32の動作について説明する。原稿作成支援部9以外は、
図1に示す原稿管理装置32と同様であるため、ここでは、原稿作成支援部9の動作のみを説明する。
【0058】
ここでは、説明の便宜上、原稿作成支援部9は、文章作成用端末31から、過去に、例えば、「本書は、お客様が○○を簡単にご利用いただくためのものです。」という文章を含む原稿を示す文章データを取得したことがあるものとする。
原稿作成支援部9は、原稿作成者が文章作成用端末31を操作して、例えば、「本書」という文字列の書き込みを行えば、自動補完機能を実行することで、先頭に「本書」を含む文章として、「本書は、お客様が○○を簡単にご利用いただくためのものです。」という文章を文章作成用端末31のディスプレイに表示させる。
原稿作成支援部9は、原稿作成者が文章作成用端末31を操作して、「本書は、お客様が○○を簡単にご利用いただくためのものです。」という文章を選択すれば、当該文章を含む原稿を示す文章データを作成する。
ここでは、原稿作成支援部9が、1つの文章を文章作成用端末31のディスプレイに表示させている。しかし、これは一例に過ぎず、原稿作成支援部9が、先頭に「本書」を含む文章として、互いに異なる複数の文章を文章作成用端末31のディスプレイに表示させ、複数の文章の中から、いずれかの文章を選択させるようにしてもよい。
【0059】
以上の実施の形態3では、翻訳対象の原稿の作成を支援するための作成支援機能を有する原稿作成支援部9を備え、原稿作成支援部9が、作成支援機能として、過去に作成した文章の中から、いずれかの文章の選択を受け付けて、選択を受け付けた文章を翻訳対象の原稿に記載する自動補完機能を備えているように、原稿管理装置32を構成した。したがって、原稿管理装置32は、原稿作成者による原稿の作成の手間を削減することができる。また、文章の表記のゆれを削減することができる。
【0060】
なお、本開示は、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0061】
1 データ送受信部、2 段落番号付与部、3 重複文章検索部、4 原文記載部、5 翻訳文記載部、6 文章登録部、7 原文記載部、8 翻訳文記載部、9 原稿作成支援部、11 データ送受信回路、12 段落番号付与回路、13 重複文章検索回路、14 原文記載回路、15 翻訳文記載回路、16 文章登録回路、17 原文記載回路、18 翻訳文記載回路、19 原稿作成支援回路、21 メモリ、22 プロセッサ、31 文章作成用端末、32 原稿管理装置。