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特開2023-120653門柱、門柱設置構造及び門柱設置方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023120653
(43)【公開日】2023-08-30
(54)【発明の名称】門柱、門柱設置構造及び門柱設置方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 11/02 20060101AFI20230823BHJP
【FI】
E06B11/02 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022023616
(22)【出願日】2022-02-18
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】520164840
【氏名又は名称】株式会社ヒロノクラフト
(74)【代理人】
【識別番号】110002686
【氏名又は名称】協明国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】美安 良一
【テーマコード(参考)】
2E038
【Fターム(参考)】
2E038AA03
2E038BA01
2E038BA02
2E038CB02
2E038DH04
2E038DH07
2E038DK08
(57)【要約】
【課題】強度及び内部空間の設計の自由度に優れた門柱、門柱設置構造及び門柱設置方法を提供する。
【解決手段】下方に向けて開口した中空状の外郭部20を有する門柱10であって、外郭部は、金属で製され、前板部と後板部とを備え、外郭部内の下部には、前板部21と後板部22とをつなぐ複数の金属製の棒材16が溶接されている。外郭部は、略直方体形状とされ、平板状の金属板を加工してなる1または複数の加工板体をもとに溶接にて形成されているものとしてもよい。外郭部は縞板材で製されているものとしてもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下方に向けて開口した中空状の外郭部を有する門柱であって、
前記外郭部は、金属で製され、前板部と後板部とを備え、
前記外郭部内の下部には、該前板部と該後板部とをつなぐ複数の金属製の棒材が溶接されていることを特徴とする門柱。
【請求項2】
請求項1において、
前記外郭部は、略直方体形状とされ、平板状の金属板を加工してなる1または複数の加工板体をもとに溶接にて形成されていることを特徴とする門柱。
【請求項3】
請求項2において、
前記外郭部は、相互に略同一形状の前記加工板体を2つ用いてなり、
前記加工板体は、方形平板部と、該方形平板部の3辺側に連成された側壁板部とを備え、
前記2つの加工板体の前記側壁板部の端面同士が溶接されていることを特徴とする門柱。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項において、
前記外郭部は縞板材で製されていることを特徴とする門柱。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項において、
前記前板部及び前記後板部のそれぞれの下部には、鉄筋が挿通される挿通孔が開設されていることを特徴とする門柱。
【請求項6】
請求項5の門柱を用いた門柱設置構造であって、
前記門柱の前後方向に貫通するように鉄筋が前記挿通孔に挿通された状態で、前記鉄筋及び前記挿通孔を含む前記門柱の下部内外部分が地中においてセメント系材料で固定され、埋設されていることを特徴とする門柱設置構造。
【請求項7】
請求項5の門柱を設置する門柱設置方法であって、
前記門柱の前後方向に貫通するように鉄筋を前記挿通孔に挿通し、
前記鉄筋及び前記挿通孔を含む前記門柱の下部内外部分を門柱施工穴に配した状態で、該下部内外部分をセメント系材料で固定させることを特徴とする門柱設置方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、戸建て家屋等の前方等に設置される門柱、門柱設置構造及び門柱設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、インターホンや郵便受け、宅配ボックス等を備えた多機能型の門柱が種々提案されている。例えば特許文献1に記載の門柱は、外郭部の中空内部に仕切り壁が形成されており、その仕切り壁により仕切られた空間が種々の目的に使用される内部構造となっている。これらの仕切り壁は桝目を形成するように縦横に設けられており、補強用のリブとしても作用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08-13963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記特許文献1の門柱は、外郭部が合成樹脂製の前板部と後板部とを接合してなるため、仕切り壁がなければ強度が低下し、経年により外郭部に変形や反り、ずれ、分離等の障害が生じるおそれがある。要するに、この種の門柱は、屋外に設置されるため、耐久性や強度を維持、安定させるためには仕切り壁をなくしたり、極端に少なくしたりすることはできない。前記特許文献1の門柱は仕切り壁を必須とした内部構造であるため、内部空間の設計の自由度がきわめて低いと言える。また前記特許文献1の門柱は、宅配ボックス等を取り付けた際の耐久性や強度が考慮されたものとはいえない。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮して提案されたもので、その目的は、耐久性、強度及び内部空間の設計の自由度に優れた門柱、門柱設置構造及び門柱設置方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の門柱は、下方に向けて開口した中空状の外郭部を有する門柱であって、前記外郭部は、金属で製され、前板部と後板部とを備え、前記外郭部内の下部には、該前板部と該後板部とをつなぐ複数の金属製の棒材が溶接されていることを特徴とする。
【0007】
本発明の門柱設置構造は、前記門柱の前後方向に貫通するように鉄筋が前記挿通孔に挿通された状態で、前記鉄筋及び前記挿通孔を含む前記門柱の下部内外部分が地中においてセメント系材料で固定され、埋設されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の門柱設置方法は、前記門柱の前後方向に貫通するように鉄筋を前記挿通孔に挿通し、前記鉄筋及び前記挿通孔を含む前記門柱の下部内外部分を門柱施工穴に配し、前記門柱施工穴にセメント系材料を流し込むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は前述した構成、手順とされているため、門柱を耐久性、強度及び内部空間の設計の自由度に優れたものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】(a)は本発明の一実施形態に係る門柱の概略斜視図及び一部拡大正面図、(b)は(a)のX-X線矢視断面図である。
図2】(a)は同門柱の正面図、(b)は同側面図、(c)は同平面図である。
図3】(a)は同背面図、(b)は同底面図である。
図4】(a)は図1(a)のY-Y線矢視分解断面図、(b)は同門柱の構成部材である加工板体の加工前の展開図である。
図5】(a)は同門柱の設置構造(設置方法)を示す模式的部分平面図、(b)は(a)のZ-Z線矢視断面図である。
図6】郵便受けや宅配ボックスが付加された門柱の設置状態を示す正面図である。
図7】同門柱の側面図である。
図8】(a)~(c)は、同門柱に宅配ボックスが付加されていない変形例を示す図であり、(a)は同門柱の正面図、(b)は同側面図、(c)は同平面図である。
図9】他の実施形態(第2実施形態)に係る門柱の正面図である。
図10】同門柱の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施の形態について添付図面をもとに説明する。
まず、門柱10、10Aの基本構成を図1図4及び図9図10をもとに記述する。
本門柱10、10Aは、下方に向けて開口した中空状の外郭部20を有する。外郭部20は、金属で製されており、前板部21と後板部22とを備えている。外郭部20内の下部には、前板部21と後板部22とをつなぐ複数の金属製の棒材16が溶接されている。以下では、門柱10、10Aの前板部21、後板部22の並ぶ方向を前後(奥行き、見込み)方向と規定して説明する。
なお門柱10、10Aは、門扉を取り付けて使用されるものであってもよいし、門扉を取り付けずに立設されるものであってもよい。また門柱10、10Aは外壁に連設されるものであってもよいし、独立した状態に立設されるものであってもよい。
【0012】
次に、図1図7を参照しながら、一実施形態に係る門柱10の詳細の構成及び設置構造、設置方法について説明する。なお、本門柱10は図2及び図3等に示すように表面に縞模様が施されているが、図1の斜視図では説明の都合上、縞模様の図示を省略する。
【0013】
門柱10の外郭部20は、図1に示すように石板のような厚みの薄い略直方体形状とされ、正面部11、背面部12、天面部13及び2つの側面部14を備えている。底面部は開口している。門柱10の外表面にはモニュメントのような意匠性を創出するために、例えば長さ30~50mm、幅2~5mm程度の細長状の突起が連続してなす縞模様が加工されている。金属板としては、好適には圧延成形された縞板材(縞鋼板(チェッカープレート))が用いられればよく、またはアルミ縞板が用いられてもよい。なお、このような模様に代えて他の模様でもよく、また表面模様のない鋼板、アルミ板等の金属板を用いてもよい。また門柱10の外表面は、塗装により光沢があるものとしてもよいし、マットな質感に仕上げてもよい。門柱10の高さ寸法は約1750mm、幅寸法は約800mm、奥行き寸法は約150mmとされる。本実施形態の門柱10は、このように前後(見込み)方向の寸法(奥行き)が小さい壁型門柱とされる。
【0014】
本実施形態に係る門柱10は、正面部11が建物の正面方向と同じ方向を向くように設置され、例えば戸建て住宅の建物の前側に、道路等に面するように設置される。この外郭部20は、2つの加工板体30を有し、一方の加工板体30が前板部21を構成し、他方の加工板体30が後板部22を構成する。加工板体30は、方形平板部31と、方形平板部31の3辺側に連成された3つの側壁板部32とを備えている(図1図4参照)。
外郭部20は、平板状の金属板を加工してなる複数の加工板体30をもとに溶接にて形成され、天面部13、側面部14の前後(奥行き)方向の略中央に、長手方向に走る継ぎ目18ができるように、加工板体30を接ぎ合わせて形成されている。
【0015】
前板部21の加工板体30の方形平板部31には、郵便受け用開口24a、宅配ボックス用開口25、インターホン取り付け孔26及び門柱10を設置固定するための鉄筋45(図5(b)参照)を挿通させる2つの挿通孔23が開設されている。後板部22の加工板体30の方形平板部31には、郵便受け取り付け開口24b、宅配ボックス用開口25及び門柱10を設置固定するための鉄筋45を挿通させる2つの挿通孔23が開設されている。また、後板部22には宅配ボックス53(図6参照)を支持する支持台35が設けられてもよい(図2(b)の2点鎖線参照)。表札27は郵便受け用開口24aの上部に取り付けられる(図6参照)。
【0016】
加工板体30は、図4(b)の展開図に示したような形状の縞鋼板を加工してなる。この縞鋼板の厚みは1.5mm~5mm程度とされ、1.5mm~2.3mmとすれば、加工性がよく門柱10として耐久性及び強度に優れたものとすることができる。縞鋼板の厚みが5mmを超えると門柱10の重量が大きくなり、取り扱いしにくいものとなる。また縞鋼板の厚みが1.4mm以下となると薄すぎて門柱としての強度に不安があるものとなる。方形平板部31に宅配ボックス用開口25、挿通孔23等の加工をした後、3片の側壁板部32を折り曲げ、側壁板部32同士を溶接することで、3辺に側壁を有する加工板体30(前板部21、後板部22)が形成される。
【0017】
2つの加工板体30は、側壁板部32の端面同士を突き合わせるように溶接にて相互に連結されているとともに、内部空間17の下部では、3本の棒材16を介して溶接にて加工板体30同士が連結されている。側壁板部32同士の連結により門柱10の天面部13及び2つの側面部14が形成されている。3本の棒材16は本例のように天面部13に略平行に並べることが望ましいが、高さ位置を異ならせてもよい。
【0018】
上記構成の門柱10は、金属板をもとに以上のように簡易に形成でき、かつ強固に仕上げることができる。また門柱10の底面は後述するように、門柱10を設置する際にセメント系材料が内部空間17にも入り込むように底面が開口している。したがって、一般的に底板部を有さず天面部13だけでは下部や全体の強度が低下するおそれがあるが、本門柱10には金属の複数の棒材16で前板部21、後板部22間を連結しているため、これらが底面部の代わりとなり得、これらにより補強されて、外郭部20の変形や反り、ずれ、分離等の経年による障害の発生が抑制される。
【0019】
また、外郭部20が金属製であり、かつ補強用の棒材16が下部に設けてあるため、内部空間17の中央部分には補強構造を設けなくてもよく、耐久性、強度及び内部空間17の設計の自由度に優れたものとなり、内部空間17を自由に利用することができる。例えば、図例のものより、さらに大きな宅配ボックス53を設けてもよいし、宅配ボックス53を別の位置に設けてもよい。また例えば方形平板部31に開口部を形成し、そこに開閉自在な扉体を設ければ、内部空間17を収容空間として使用することもできる。
【0020】
また、外郭部20の表面には縞模様が表れているため、シンプルな構成でありながら、スタイリッシュで美観にも優れた門柱10とすることができる。また天面部13や側面部14には、溶接による継ぎ目18が表れるが、両加工板体30間で図例のように規則的な縞模様をずれることなく連続させれば、どこからみても美観性に優れた門柱10とすることができる。
【0021】
さらに2つの加工板体30間の溶接は平面の天面部13、側面部14においてなされるため、溶接作業がしやすく、上下方向を誤ることなく、門柱10の製造を効率的に行うことができる。また、略同一形状の加工板体30,30を用いるため、部材の在庫管理もしやすい。
【0022】
次に、この門柱10の設置方法及び設置構造について、図5図7を参照しながら説明する。この門柱10は下部を土中に埋設して設置される。埋設される部位はすくなくとも挿通孔23を含む、下端から20~30cm程度の部位とされる。
設置方法は次の手順とされる。
【0023】
(1)まず、門柱10の設置個所に、図5(a)に示すようなH字状の門柱施工穴40を設ける(図5(a)参照)。門柱施工穴40は中央溝42と2本の縦溝41とを有する。中央溝42は、門柱10の幅方向の両端部を除く中央部が配される溝である。2本の縦溝41は、門柱10の挿通孔23を含む両端部が配される溝である。図5中の43で示された区画は、門柱施工穴40を除く残土部である。
【0024】
(2)(1)の門柱施工穴40の形成作業に相前後して、門柱10の外郭部20の2箇所の挿通孔23に前後方向に鉄筋45を挿通しておく。なお、セメント系材料によるアンカー効果を高めて、後述する門柱10の固定作業中やセメント系材料の硬化後にずれが生じないように、挿通孔23の外側で、図5(b)に示すように鉄筋45の一部に湾曲部を形成しておくことが望ましい。
また、インターホン51の電線コード(不図示)は、保護チューブ(不図示)で覆った状態にしておき、その電線コードを門柱10の下端の開口より引き出しておけばよい。
【0025】
(3)次に、門柱施工穴40に、門柱10を仮置きするためのセメント系材料を、門柱10の下部近傍の、両縦溝41及び中央溝42を含む部位(図5(a)(b)においてクロスハッチングを付した部位)に流し込む。この場合、セメント系材料は、門柱10を仮置きしたときに挿通孔23が埋まる程度の高さまで流し込むことが望ましいが、セメント系材料の本注入の際に挿通孔23を隠すようにしてもよい。
セメント系材料としては、セメント、モルタル、コンクリートが挙げられるが、強固な設置構造とするためにコンクリートを用いることが望ましい。
【0026】
(4)そして、門柱10の幅方向の両端部(挿通孔23及び鉄筋45)が門柱施工穴40の縦溝41に配されるように、門柱10を中央溝42に仮置きする(図5(a)参照)。仮置きは、門柱10の下部の挿通孔23がセメント系材料に埋まるように、かつ水平状態となるようにすればよい。このように仮置きすることで鉄筋45や挿通孔23はおおむねセメント系材料に埋まった状態となる。
また、この仮置きでセメント系材料が外郭部20の内部の下部空間に入り込んでいく。なお、挿通孔23から内部空間17にセメント系材料が入り込むように、大きめの挿通孔23を設けておいてもよい。
また、電線コードは電源まで配線できるように取り出しておけばよい。
【0027】
(5)門柱10を仮置きした状態で、門柱施工穴40に鉄筋45及び挿通孔23が露出しない程度に、さらにセメント系材料を流し込む。なお図例では。棒材16も埋まるようにセメント系材料が注入されている。この後、セメント系材料を硬化させる(図5(b)参照)。
セメント系材料はこのように縦溝41に注ぎ込むとともに、中央溝42の門柱10との隙間を埋めるように中央溝42にも注ぎ込めばよい。なお、宅配ボックス用開口25から内部空間17にセメント系材料を注ぎ込むようにしてもよい。なお、棒材16もセメント系材料に埋まるようにしてもよい。
こうしてセメント系材料が硬化することで、強固な鉄筋・セメント系材料造の門柱設置構造が形成される。
【0028】
(6)門柱10が設置された状態で門柱施工穴40の表面に、セメント系材料や残土部43が露出しないように土や砂利等を敷き詰める。
【0029】
以上の門柱設置方法を要約すれば、門柱10の前後方向に貫通するように鉄筋45を挿通孔23に挿通し、鉄筋45及び挿通孔23を含む門柱10の下部内外部分を門柱施工穴40に配した状態で、下部内外部分をセメント系材料で固定させる手順とされる。このように設置された門柱10の設置構造は、門柱10の前後方向に貫通するように鉄筋45が挿通孔23に挿通された状態で、鉄筋45及び挿通孔23を含む門柱10の下部内外部分が地中においてセメント系材料で固定され、埋設されたものとされる。
以上に説明した門柱設置方法によれば、門柱10が下方に向けた開口を有しているため、門柱10の下部内外部分が連通するようにセメント系材料で固められ、強固な設置構造が実現される。
【0030】
図6は、門柱10の下部が地中に埋設した設置状態を示す正面図である。図7は同側面図である。門柱10にはインターホン51、郵便受け52及び宅配ボックス53が装着され、郵便受け52及び宅配ボックス53の各後部は外郭部20の背面側より後方に突出している。なお、門柱10の正面には郵便受け52のカバーが取り付けられている(図6参照)。また、宅配ボックス53は支持台35に支持されている(図7参照)。
【0031】
図8は、門柱10に宅配ボックス53が付加されていない変形例を示す図であり、(a)は同門柱の正面図、(b)は同側面図、(c)は同平面図である。底面図の図示は省略するが、図3(b)の底面図と同様であり、本門柱10は、下方に向けて開口した中空状の外郭部20を有し、外郭部20内の下部には、前板部21と後板部22とをつなぐ複数の金属製の棒材16が溶接されている。図8に示す例は、宅配ボックス53が付加されていないため、前板部21の加工板体30の方形平板部31には、宅配ボックス用開口25が開設されていない点が上記の例と異なるが、その他は、同様である。 図8において、表札27、郵便受け52、インターホン51は図例に限定されないため、点線で示している。
【0032】
図8の変形例における門柱10においても、外郭部20が金属製であり、かつ補強用の棒材16が下部に設けてあるため、内部空間17の中央部分には補強構造を設けなくてもよく、耐久性、強度及び内部空間17の設計の自由度に優れたものとなり、内部空間17を自由に利用することができる。また、外郭部20の表面には縞模様が表れ、宅配ボックスが付加されていないので、一層シンプルな構成でありながら、スタイリッシュで美観にも優れた門柱10とすることができる。また天面部13や側面部14には、溶接による継ぎ目18が表れるが、両加工板体30間で図例のように規則的な縞模様をずれることなく連続させれば、どこからみても美観性に優れた門柱10とすることができることは上記の例と同様である。
【0033】
次に、他の実施形態に係る門柱10Aについて、図9及び図10を参照しながら説明する。なお、本門柱10Aにも外郭部20として縞板材が用いてもよい。この門柱10Aは図1のものと同様、多機能型門柱とされるが、図9及び図10に示すように一方の側面部14が正面となるように設置される。つまり、その一方の側面部14に郵便受け用開口24a、インターホン取り付け孔26が開設されており、表札27もその側面部14に設置される。この門柱10Aは、外郭部20を構成する前板部21、後板部22についても、それらを構成する加工板体30A、30Bが図1のものと異なる。
【0034】
図10に示すように、外郭部20を構成する2つの加工板体30A、30Bは、いずれも、横断面視でL字形とされる。具体的には、前板部21を構成する一方の加工板体30Aは、方形平板部31と1つの側壁板部32とを有し、側壁板部32が折曲された形状とされる。この側壁板部32が門柱10の正面側の側面部14を構成する。側壁板部32には郵便受け用開口24aが形成されている。
【0035】
また、図10に示すように、後板部22を構成する他方の加工板体30Bは、方形平板部31と2つの側壁板部32とを有し、側壁板部32が折曲され、側壁板部32同士が溶接されている。一方の側壁板部32は門柱10の天面部13を構成し、他方の側壁板部32は門柱10の背面側の側面部14を構成する。この側面部14には、郵便受け52の後部が後方に突出するように郵便受け用切り欠き24cが形成されている。
【0036】
2つの加工板体30A、30Bは、方形平板部31と相手側の側壁板部32とが溶接されて連結されるとともに、内部空間17の下部では、3本の棒材16を介して溶接にて連結されている。つまり、溶接による継ぎ目18は外郭部20の角部にできる。
【0037】
この門柱10は、溶接による継ぎ目18が正面部11、背面部12、天面部13、側面部14等の面にはできないため、側面部14を正面に配した場合に継ぎ目18が目立つことはなく、美観に優れている。
【0038】
以上に説明した門柱10、10Aはいずれも、外郭部20を略直方体形状としたものであるが、これには限定されず、種々の形状、例えば円筒、楕円筒等でもよく、すくなくとも前板部21と後板部22が有するものであればよい。また門柱10、10Aの寸法、横寸法と縦寸法の比率も図例や前記寸法には限定されず、表札27、郵便受け52、宅配ボックス53、インターホン51の構成、大きさや位置、形状も図例に限定されない。例えば、宅配ボックス53がない場合は、表札27や郵便受け52の位置は、図8に示す例よりも下方側であってもよい。郵便受け52の上方にポストカバーを設置してもよい。また、3つ以上の加工板体30よりなる外郭部20を用いたものであってもよく、または1つの加工板体30よりなる外郭部20を用いたものであってもよい。また、門柱10、10Aの正面を照らすための照明を設置してもよい。照明は例えば、表札27を照らすように門柱10、10Aの上部に設けてもよいし、門柱10の正面全体をライトアップするように地面に設置してもよい。
【符号の説明】
【0039】
10、10A 門柱
11 正面部
12 背面部
13 天面部
14 側面部
16 棒材
17 内部空間
18 継ぎ目
20 外郭部
21 前板部
22 後板部
23 挿通孔
24a 郵便受け用開口
24b 郵便受け取り付け開口
24c 郵便受け用切り欠き
25 宅配ボックス用開口
26 インターホン取り付け孔
27 表札
30 加工板体
30A、30B 加工板体
31 方形平板部
32 側壁板部
35 支持台
40 門柱設置穴
41 縦溝
42 中央溝
43 残土部
45 鉄筋
51 インターホン
52 郵便受け
53 宅配ボックス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10