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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023012397
(43)【公開日】2023-01-25
(54)【発明の名称】車庫
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/04 20060101AFI20230118BHJP
   E04H 15/48 20060101ALI20230118BHJP
【FI】
E04H6/04 F
E04H15/48
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021116024
(22)【出願日】2021-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】521310934
【氏名又は名称】有限会社三協理化
(74)【代理人】
【識別番号】100108958
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 英一
(72)【発明者】
【氏名】吉野 光治
【テーマコード(参考)】
2E141
【Fターム(参考)】
2E141AA04
2E141BB05
2E141CC04
2E141DD12
2E141DD24
2E141EE36
(57)【要約】
【課題】 部品の共通化によりコストを低減する。
【解決手段】 本発明の車庫1は、複数本の門型フレーム2A、2Bの各脚部6を、左右の固定部3にそれぞれ前後へ回動自在に支持し、それらが前後方向へ拡開された状態でそれらの外側にカバーシート5を添設することにより、その拡開された態様で側面視略半円形の車格納用の閉空間Scを形成したり、後方側において後方端側の門型フレーム2Bから順にすべての門型フレームが略平行に積み上げられた態様となるように集合させることにより、前方に車入出用の開放空間を形成したりする。複数本の門型フレーム2A、2Bのうち、前記側面視略半円型の略前半部を構成する前方側門型フレーム群の門型フレーム2Aは、前記拡開時に前記略半円のうち該前方側門型フレーム群の門型フレーム2Aでカバーされる中心角の略補角の範囲内で前後に回動可能に支持された回動体15に対して、それぞれ回動自在に支持されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面視で略門型に形成された複数本の門型フレームの各脚部を、駐車場所の左右に設けた一対の固定部にそれぞれ左右方向に延びる脚部支軸を介して回動自在に支持するとともに、該各門型フレームの外側に、隣接する該門型フレーム毎に角度を変えて前後方向へ拡開された状態でカバーシートを添設することにより、その拡開された態様で側面視略半円形の車格納用の閉空間を形成するようにし、
前方端の門型フレーム側から後方端の門型フレーム側に前記門型フレームを回動させ、後方端側の前記門型フレームから順に前方端側の前記門型フレームまでを、平面視で互いの天井部が前後方向において略近接された状態で略平行に積み上げられた態様となるように集合させることにより、前方に車入出用の開放空間を形成するようにした車庫であって、
前記固定部は、前記複数本の門型フレームのうち、前記側面視略半円型の略前半部を構成する前方側門型フレーム群の門型フレームを支持する前方側支持部を含み、
前記前方側支持部は、前記駐車場所の前後方向の略中央において左右方向に延びる回動体支軸を介して、前記拡開時に前記略半円のうち該前方側門型フレーム群の門型フレームでカバーされる中心角の略補角の範囲内で前後に回動可能に支持された回動体を備え、
前記前方側門型フレーム群の門型フレームは、全てが互いに同一に形成されているとともに、前記回動体が最前端に回動した位置において前記拡開された態様になることが可能に各門型フレームの前記脚部が側面視で前記回動体支軸を中心とする放射状に延びるとともに前記脚部支軸の位置が該回動体支軸から略等間隔をおいた状態で、且つ、前記回動体が最後端に回動した位置において前記積み上げられた態様になることが可能に各脚部支軸の位置が互いに上下にずらされた状態で、前記回動体に支持されている車庫。
【請求項2】
前記固定部は、前記前方側支持部の後方に配設され、前記複数本の門型フレームのうち、前記側面視略半円型の略後半部を構成する後方側門型フレーム群の門型フレームを支持する後方側支持部を含み、
前記後方側門型フレーム群の門型フレームは、前記積み上げられた態様において平面視でその天井部と前記前方側門型フレーム群の門型フレームの天井部とが互いに略近接された状態になることが可能に前記前方側門型フレーム群の門型フレームよりも相対的に短い前記脚部を有するようにして全てが互いに同一に形成されているとともに、前記拡開された態様になることが可能に前記脚部支軸の位置が同態様における該門型フレームの前後の並びに従って互いに前後にずらされた状態で、且つ、前記積み上げられた態様になることが可能に各脚部支軸の位置が互いに上下にずらされた状態で、前記後方端側支持部に支持されている請求項1記載の車庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳み可能に構成された車庫に関するものである。
【背景技術】
【0002】
背景技術としては、特許文献1に記載されている折りたたみ式簡易車庫を例示する。図8に示すように、この車庫は、2本の細長い板状の基礎フレーム101を平行に敷設し、該基礎フレーム101の間の前方及び後方部に車両の車輪が乗上げる踏み板102を調節自在に渡設し、前記基礎フレーム101の略中央部に取り付けた支承板103に複数のアーチ状骨枠104の両側基端部104aをそれぞれ回動自在に枢着し、これらアーチ状骨枠104にカバーシート105を被設している。支承板103にはアーチ状骨枠104の基端部104aを回動自在に枢着するための軸穴103aがあけられている。該軸穴103aはアーチ状骨枠104の数に応じた個所にあけられており、しかも多少傾斜した状態(開口側により近いアーチ状骨枠104用の軸穴103aがより高い位置になった状態)にほぼ等間隔に配列されている。それにより、前記アーチ状骨枠104を折り畳んだ時、各アーチ状骨枠104が整然と重なった状態に折り畳むことができるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実願昭57-29437号(実開昭58-132003号)のマイクロフィルム
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1の車庫は、開口側により近いアーチ状骨枠104用の軸穴103aがより高い位置になった状態になっているため、次の課題がある。
(1)開口側に最も近いアーチ状骨枠104用の軸穴103aが最も高い位置となるため、該最も近いアーチ状骨枠104の基端部104a側と地面との間に、大きめの隙間が生じてしまう。
(2)互いに隣接するアーチ状骨枠104のうち、車庫を展開した状態で開口側に傾いた状態となるもの同士の前後方向の間隔が狭いと、相対的に開口側のアーチ状骨枠104の基端部104aに、その反開口側のアーチ状骨枠104が干渉してしまうため、両者の軸穴103aの前後方向の間隔を広めに確保する必要がある。そのため、折り畳んだときに全てのアーチ状骨枠104が重なるようにするためには、開口側により近いアーチ状骨枠104ほどその両端側の脚部を長く形成しなければならず、各アーチ状骨枠104を同一に形成することができない。それゆえ、アーチ状骨枠104の数を増やせば増やすほどサイズの異なるアーチ状骨枠104が増え、それらの製造や組立のコストが増大してしまう。だからといって、アーチ状骨枠104の数を減らすと車庫の強度が低減してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、第1の発明の車庫は、
正面視で略門型に形成された複数本の門型フレームの各脚部を、駐車場所の左右に設けた一対の固定部にそれぞれ左右方向に延びる脚部支軸を介して回動自在に支持するとともに、該各門型フレームの外側に、隣接する該門型フレーム毎に角度を変えて前後方向へ拡開された状態でカバーシートを添設することにより、その拡開された態様で側面視略半円形の車格納用の閉空間を形成するようにし、
前方端の門型フレーム側から後方端の門型フレーム側に前記門型フレームを回動させ、後方端側の前記門型フレームから順に前方端側の前記門型フレームまでを、平面視で互いの天井部が前後方向において略近接された状態で略平行に積み上げられた態様となるように集合させることにより、前方に車入出用の開放空間を形成するようにした車庫であって、
前記固定部は、前記複数本の門型フレームのうち、前記側面視略半円型の略前半部を構成する前方側門型フレーム群の門型フレームを支持する前方側支持部を含み、
前記前方側支持部は、前記駐車場所の前後方向の略中央において左右方向に延びる回動体支軸を介して、前記拡開時に前記略半円のうち該前方側門型フレーム群の門型フレームでカバーされる中心角の略補角の範囲内で前後に回動可能に支持された回動体を備え、
前記前方側門型フレーム群の門型フレームは、全てが互いに同一に形成されているとともに、前記回動体が最前端に回動した位置において前記拡開された態様になることが可能に各門型フレームの前記脚部が側面視で前記回動体支軸を中心とする放射状に延びるとともに前記脚部支軸の位置が該回動体支軸から略等間隔をおいた状態で、且つ、前記回動体が最後端に回動した位置において前記積み上げられた態様になることが可能に各脚部支軸の位置が互いに上下にずらされた状態で、前記回動体に支持されている。
【0006】
前記平面視で互いの天井部が前後方向において略近接された状態とは、前後方向において前記門型フレームの天井部の位置が、互いに一致している状態だけでなく、互いにずれている状態を含むことを意味している。なお、前記門型フレームの天井部のこの位置のずれは、より小さい方が、平面視での占有スペースが、より狭くなる点で好ましい。
【0007】
前記固定部としては、特に限定されないが、次の態様を例示する。
(1)前記駐車場所に固定手段により固定されている態様。前記固定手段としては、特に限定されないが、アンカーボルト、アンカープレート、アンカーナット等の固定具を介して終車場所に埋設されたコンクリートに固定する手段を例示する。
(2)車が前記駐車場所に格納されたときに、該車の車輪が乗り上げる部分を備え、車の重量により前記駐車場所に位置保持するように構成されている態様。
【0008】
この構成によれば、前記前方側門型フレーム群の門型フレームを、前記回動体を介して前記前方側支持部に支持し、前記拡開された態様及び前記積み上げられた態様のそれぞれで、該回動体を最前端側及び最後端側に回動させた位置にするようにしている。そして、前記拡開された態様では、各門型フレームの前記脚部が側面視で前記回動体支軸を中心とする放射状に延びるとともに前記脚部支軸の位置が該回動体支軸から略等間隔をおいた状態となり、最前方の前記門型フレームの前記脚部支軸の位置が低くなるので、該門型フレームと前記駐車場所の表面との間の隙間を狭くすることができる。また、前記積み上げられた態様では、前記各門型フレームの脚部支軸の位置が互いに上下にずらされた状態となるので、後方端側の前記門型フレームから順に前方端側の前記門型フレームまでを、略平行に積み上げることができる。このとき、背景技術とは異なり、前記各門型フレームの脚部支軸の位置を前後方向に大きくずらす必要がなく、互いに略近接した位置に設けることができるので、互いに同一の前記門型フレームを使用しても、前記積み上げられた態様のときに、平面視で互いの天井部が前後方向において略近接された状態にすることができる。このように、本発明によれば、前記前方側門型フレーム群の門型フレームとして、互いに同一のものを使用しており、それによる部品の共通化によりコストを低減できる。
【0009】
第2の発明の車庫は、前記第1の発明において、
前記固定部は、前記前方側支持部の後方に配設され、前記複数本の門型フレームのうち、前記側面視略半円型の略後半部を構成する後方側門型フレーム群の門型フレームを支持する後方側支持部を含み、
前記後方側門型フレーム群の門型フレームは、前記積み上げられた態様において平面視でその天井部と前記前方側門型フレーム群の門型フレームの天井部とが互いに略近接された状態になることが可能に前記前方側門型フレーム群の門型フレームよりも相対的に短い前記脚部を有するようにして全てが互いに同一に形成されているとともに、前記拡開された態様になることが可能に前記脚部支軸の位置が同態様における該門型フレームの前後の並びに従って互いに前後にずらされた状態で、且つ、前記積み上げられた態様になることが可能に各脚部支軸の位置が互いに上下にずらされた状態で、前記後方側支持部に支持されている態様を例示する。
【0010】
この構成によれば、前記後方側門型フレーム群の門型フレームを前記拡開された態様と前記積み上げられた態様との間で相互に移行可能にすることができる。また、背景技術とは異なり、前記各門型フレームの脚部支軸の位置を前後方向に大きくずらす必要がなく、互いに略近接した位置に設けることができるので、互いに同一の前記門型フレームを使用しても、前記積み上げられた態様のときに、平面視で互いの天井部が前後方向において略近接された状態にすることができる。このように、本発明によれば、前記後方側門型フレーム群の門型フレームとして、互いに同一のものを使用しており、それによる部品の共通化によりコストを低減できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る車庫によれば、部品の共通化によりコストを低減できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明を具体化した一実施形態に係る車庫であって、門型フレームが拡開された態様を示す側面図である。
図2】同態様の平面図である。
図3】同態様の固定部の拡大図であり、(a)は平面図、(b)は側面図を示している。
図4】同門型フレームを示す図であり、(a)は前方側門型フレーム群の門型フレームの正面図、(b)は同門型フレームの側面図、(c)は後方側門型フレーム群の門型フレームの正面図、(d)は同門型フレームの側面図である。
図5】同車庫であって、門型フレームが積み上げられた態様を示す側面図である。
図6】同態様の平面図である。
図7】同態様の固定部の拡大図であり、(a)は平面図、(b)は側面図を示している。
図8】背景技術の車庫を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1図7は本発明を具体化した一実施形態の車庫1を示している。この車庫1は、正面視で略門型に形成された複数本の門型フレーム2A,2Bの各脚部6を、駐車場所の左右に設けた一対の固定部3にそれぞれ左右方向に延びる脚部支軸4を介して回動自在に支持するとともに、該各門型フレーム2A,2Bの外側に、隣接する該門型フレーム2A,2B毎に角度を変えて前後方向へ拡開された状態でカバーシート5を添設している。そして、その拡開された態様(図1図3参照)で側面視略半円形の車C格納用の閉空間Scを形成するようにしている。また、前方端の門型フレーム2A側から後方端の門型フレーム2B側に門型フレーム2A,2Bを回動させ、後方端側の門型フレーム2Bから順に前方端側の門型フレーム2Aまでを、平面視で互いの天井部7が前後方向において略近接された状態で略平行に積み上げられた態様(図5図7参照)となるように集合させることにより、前方に車C入出用の開放空間Soを形成するようにしている。
【0014】
固定部3は、基板10、前方側支持部11、及び、後方側支持部12を備えている。
【0015】
本例の基板10には、駐車場所Pに設けられたアンカーボルト等の固定手段13により駐車場所Pに固定するための取付穴10aが設けられている(図3(b)、図7(b)参照)。
【0016】
前方側支持部11は、複数本の門型フレーム2A,2Bのうち、前記側面視略半円型の略前半部を構成する前方側門型フレーム群の門型フレーム2Aを、回動体15を介して支持するように構成されている。回動体15は、駐車場所Pの前後方向の略中央において左右方向に延びる回動体支軸15aを介して、前記拡開時に前記略半円のうち該前方側門型フレーム群の門型フレーム2Aでカバーされる中心角α[°](図3(b)参照)の略補角(180-α)[°]の範囲内で前後に回動可能に基板に支持されている。
【0017】
前方側門型フレーム群の門型フレーム2A(図4(a)、(b)参照)は、全てが互いに同一に形成されているとともに、回動体15が最前端に回動した位置において前記拡開された態様になることが可能に各門型フレーム2Aの脚部6が側面視で回動体支軸15aを中心とする放射状に延びるとともに脚部支軸4の位置が該回動体支軸15aから略等間隔をおいた状態(図3(b)参照)で、且つ、回動体15が最後端に回動した位置において前記積み上げられた態様になることが可能に各脚部支軸4の位置が互いに上下にずらされた状態(図7(b)参照)で、回動体15に支持されている。
【0018】
後方側支持部12は、前方側支持部11の後方に配設され、複数本の門型フレーム2A,2Bのうち、前記側面視略半円型の略後半部を構成する後方側門型フレーム群の門型フレーム2Bを支持するように構成されている。
【0019】
後方側門型フレーム群の門型フレーム2B(図4(c)、(d)参照)は、前記積み上げられた態様において平面視でその天井部7と前方側門型フレーム群の門型フレーム2Aの天井部7とが互いに略近接された状態になることが可能に前方側門型フレーム群の門型フレーム2Aよりも相対的に短い脚部6を有するようにして全てが互いに同一に形成されているとともに、前記拡開された態様になることが可能に脚部支軸4の位置が同態様における該門型フレーム2Bの前後の並びに従って互いに前後にずらされた状態(図3(b)参照)で、且つ、前記積み上げられた態様になることが可能に各脚部支軸4の位置が互いに上下にずらされた状態(図7(b)参照)で、後方側支持部12に支持されている。また、本例の門型フレーム2Bの左右方向における外側の幅は、門型フレーム2Aの左右方向における内側の幅よりも狭く形成されている。
【0020】
カバーシート5としては、特に限定されないが、風雨や埃等を防ぐことが可能な公知のシートを適宜採用することができる。
【0021】
次に、本例の車庫1の使用方法の一例について説明する。図1図3に示す前記拡開された態様から、図5図7に示す前記積み上げられた態様にするには、まず、図1に示すように利用者Uは、車庫1の前側に駐車場所へ向かって立ち、前方側門型フレーム群の最前方側の門型フレーム2Aを持ち上げて、後方側に向けて回動させる。すると、その回動に伴って、同群におけるその隣の門型フレーム2Aから最後方側の門型フレーム2Aまでが順次回動されて行き、それらが互いに略平行な状態となる。そして、その状態の前方側門型フレーム群の門型フレーム2Aをさらに後方へ回動させると、回動体15が後方へ回動する。すると、その回動体15の回動に伴って、後方側門型フレーム群における最前方の門型フレーム2Bから最後方側の門型フレーム2Bまでが後方へ回動されて行き、回動体15が最後端側に回動されて、図5に示すように最終的に前記積み上げられた態様になる。すると、駐車場所Pの前方に車入出用の開放空間Soが形成されるので、ここから車Cを駐車場所Pに入出することができるようになる。
【0022】
その一方、図5図7に示す前記積み上げられた態様から、図1図3に示す前記拡開された態様にするには、まず、利用者Uは、車庫1の後ろ側に駐車場所Pへ向かって立ち、前方側門型フレーム群の最前方側の門型フレーム2Aを持ち上げて、前方側に向けて回動させる。すると、その回動に伴って、同群におけるその隣の門型フレーム2Aから後方側門型フレーム群における最後方側の門型フレーム2Bまでがそれらを互いに連結するカバーシート5を介して順次回動されて行く。この門型フレーム2A,2Bの回動の最中に、回動体15も最前端側に回動され、最終的に前記拡開された態様になる。すると、カバーシート5及び複数の門型フレーム2A,2Bの内側に、側面視略半円形の車C格納用の閉空間Scが形成され、ここに車Cを保管することができるようになる。
【0023】
以上のように構成された本例の車庫1によれば、前方側門型フレーム群の門型フレーム2Aを、回動体15を介して前方側支持部11に支持し、前記拡開された態様及び前記積み上げられた態様のそれぞれで、該回動体15を最前端側及び最後端側に回動させた位置にするようにしている。そして、前記拡開された態様では、各門型フレーム2Aの脚部6が側面視で回動体支軸15aを中心とする放射状に延びるとともに脚部支軸4の位置が該回動体支軸15aから略等間隔をおいた状態となり、最前方の門型フレーム2Aの脚部支軸4の位置が低くなるので、該門型フレーム2Aと駐車場所Pの表面との間の隙間を狭くすることができる。また、前記積み上げられた態様では、各門型フレーム2Aの脚部支軸4の位置が互いに上下にずらされた状態となるので、後方端側の門型フレーム2Aから順に前方端側の門型フレーム2Aまでを、略平行に積み上げることができる。このとき、背景技術とは異なり、各門型フレーム2Aの脚部支軸4の位置を前後方向に大きくずらす必要がなく、互いに略近接した位置に設けることができるので、互いに同一の門型フレーム2Aを使用しても、前記積み上げられた態様のときに、平面視で互いの天井部7が前後方向において略近接された状態にすることができる。このように、本発明によれば、前方側門型フレーム群の門型フレーム2Aとして、互いに同一のものを使用しており、それによる部品の共通化によりコストを低減できる。
【0024】
また、本例の車庫1によれば、後方側門型フレーム群の門型フレーム2Bを前記拡開された態様と前記積み上げられた態様との間で相互に移行可能にすることができる。また、背景技術とは異なり、各門型フレーム2Bの脚部支軸4の位置を前後方向に大きくずらす必要がなく、互いに略近接した位置に設けることができるので、互いに同一の門型フレーム2Bを使用しても、前記積み上げられた態様のときに、平面視で互いの天井部7が前後方向において略近接された状態にすることができる。このように、本発明によれば、後方側門型フレーム群の門型フレーム2Bとして、互いに同一のものを使用しており、それによる部品の共通化によりコストを低減できる。
【0025】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
(1)前方側門型フレーム群の門型フレーム2A又は/及び後方側門型フレーム群の門型フレーム2Bの数、形状、サイズ等を適宜変更すること。
(2)固定部3は、車Cが駐車場所Pに格納されたときに、該車Cの車輪が乗り上げる部分を備え、車Cの重量により駐車場所Pに位置保持するように構成されている態様に変更すること。
【符号の説明】
【0026】
1 車庫
2A 前方側門型フレーム群の門型フレーム
2B 後方側門型フレーム群の門型フレーム
3 固定部
4 脚部支軸
5 カバーシート
6 脚部
7 天井部
10 基板
10a 取付穴
11 前方側支持部
12 後方側支持部
13 固定手段
15 回動体
15a 回動体支軸
C 車
P 駐車場所
Sc 閉空間
So 開放空間
U 利用者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8