(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023125852
(43)【公開日】2023-09-07
(54)【発明の名称】利用管理装置及び利用管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0283 20230101AFI20230831BHJP
G06Q 20/28 20120101ALI20230831BHJP
【FI】
G06Q30/02 492
G06Q20/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022030191
(22)【出願日】2022-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】519179062
【氏名又は名称】ナップワン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】柿花 隆幸
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049BB01
5L055AA54
(57)【要約】
【課題】利便性に優れた利用管理装置及び利用管理システムを提供する。
【解決手段】利用管理装置3は、ユーザによる定額料金の支払を条件として、ユーザに対して、設定されている複数の期間のそれぞれについての所定の時間までの所定のサービスの利用を許可する利用許可部20と、所定の時間を超えた時間の利用について、ユーザに支払を求める従量料金を計算する料金計算部21と、を備えている。また、利用管理装置3は、所定の時間を設定する時間設定部22を備えている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる定額料金の支払を条件として、ユーザに対して、設定されている複数の期間のそれぞれについての所定の時間までの所定のサービスの利用を許可する利用許可手段と、
前記所定の時間を超えた時間の前記利用について、ユーザに支払を求める従量料金を計算する料金計算手段と、を備えていることを特徴とする
利用管理装置。
【請求項2】
前記所定の時間を設定する時間設定手段を備えていることを特徴とする
請求項1に記載の利用管理装置。
【請求項3】
ユーザによる前記所定のサービスの利用の履歴に基づいて、ユーザにとって好適な前記所定の時間を算出する好適時間算出手段を備えていることを特徴とする
請求項2に記載の利用管理装置。
【請求項4】
前記設定されている複数の期間のそれぞれについての前記利用を許可する回数を設定する回数設定手段を備えていることを特徴とする
請求項1~3のいずれかに記載の利用管理装置。
【請求項5】
前記従量料金の時間単価を設定する従量料金単価設定手段を備えていることを特徴とする
請求項1~4のいずれかに記載の利用管理装置。
【請求項6】
前記設定されている複数の期間のそれぞれについての前記従量料金の額の上限を設定する従量料金上限設定手段を備えていることを特徴とする
請求項1~5のいずれかに記載の利用管理装置。
【請求項7】
1又は複数のサービスを前記所定のサービスとして設定するサービス設定手段を備えていることを特徴とする
請求項1~6のいずれかに記載の利用管理装置。
【請求項8】
ユーザの本人確認を行う本人認証手段を備え、
前記利用許可手段は、前記本人認証手段による本人確認を条件として、前記利用を許可することを特徴とする
請求項1~7のいずれかに記載の利用管理装置。
【請求項9】
ユーザの体温確認を行う体温確認手段を備え、
前記利用許可手段は、ユーザの体温が所定の範囲内であることを条件として、前記利用を許可することを特徴とする
請求項1~8のいずれかに記載の利用管理装置。
【請求項10】
前記利用許可手段は、前記所定のサービスとは異なる他のサービスについてのユーザによる別途料金の支払を条件として、ユーザによる前記他のサービスの利用の間、前記所定の時間のカウントを停止することを特徴とする
請求項1~9のいずれかに記載の利用管理装置。
【請求項11】
請求項1~10のいずれかに記載の利用管理装置と、
ユーザに使用され、情報の入力及び表示並びに送受信が可能であるユーザ端末と、を備え、
前記ユーザ端末は、前記所定の時間までの残り時間、並びに、前記定額料金及び前記従量料金の合計額の少なくとも一方を表示することを特徴とする
利用管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用管理装置及び利用管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の時間帯毎に追加料金を請求するという追加料金体系を採用する業務を支援するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のシステムでは、複数の時間帯の全期間にわたってユーザの利用意欲が喚起されることはなく、また、定額利用の時間制限からユーザの意向で解放されるような管理はできず、利便性が悪かった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、利便性に優れた利用管理装置及び利用管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、ユーザによる定額料金の支払を条件として、ユーザに対して、設定されている複数の期間のそれぞれについての所定の時間までの所定のサービスの利用を許可する利用許可手段(例えば、後述する利用許可部20)と、前記所定の時間を超えた時間の前記利用について、ユーザに支払を求める従量料金を計算する料金計算手段(例えば、後述する料金計算部21)と、を備えていることを特徴とする利用管理装置(例えば、後述する利用管理装置3)である。
【0007】
本発明によれば、ユーザは、設定されている複数(例えば、1か月31日間相当の31個)の期間(例えば、毎日)のそれぞれに、定額料金の支払により、所定の時間(例えば、60分間)までの利用が可能になると共に、従量料金の支払により、所定の時間(例えば、60分間)を超えた時間(例えば、61分以降の時間)の利用が可能になる。すなわち、本発明によれば、ユーザは、定額料金の支払により利用可能な期間を複数回得ることができ、また、必要に応じて、従量料金の追加での支払により、延長での利用が可能になる。このように、本発明によれば、ユーザは、従量料金の追加での支払による利用の後に、再び定額料金の支払による利用の機会が得られるので、複数の期間の全体にわたって利用意欲が喚起され、また、定額利用の時間制限から解放される。
【0008】
(2)本発明はまた、前記所定の時間を設定する時間設定手段(例えば、後述する時間設定部22)を備えていることを特徴とする上記(1)に記載の利用管理装置である。
【0009】
本発明によれば、利用の内容に応じた所定の時間の短縮や延長が可能であることから、定額料金の支払にかかるユーザの無駄遣いの印象を抑制することができる。
【0010】
(3)本発明はまた、ユーザによる前記所定のサービスの利用の履歴に基づいて、ユーザにとって好適な前記所定の時間を算出する好適時間算出手段(例えば、後述する好適時間算出部29)を備えていることを特徴とする上記(2)に記載の利用管理装置である。
【0011】
本発明によれば、定額料金の支払による利用の実績に応じたユーザに好適な所定の時間のプランを提案することでユーザの利便性が高まるので、結果として、サービスの提供側もユーザの満足度を高めるという利益になる。
【0012】
(4)本発明はまた、前記設定されている複数の期間のそれぞれについての前記利用を許可する回数を設定する回数設定手段(例えば、後述する回数設定部23)を備えていることを特徴とする上記(1)~(3)のいずれかに記載の利用管理装置である。
【0013】
本発明によれば、定額料金の支払による利用部分に残存がある場合に、2回目以降の利用を許可することで、ユーザの利用意欲を喚起することができる。
【0014】
(5)本発明はまた、前記従量料金の時間単価を設定する従量料金単価設定手段(例えば、後述する従量料金単価設定部24)を備えていることを特徴とする上記(1)~(4)のいずれかに記載の利用管理装置である。
【0015】
本発明によれば、閑散期の従量料金の時間単価を、定額料金の時間単価(例えば、3円/分)より安い額(例えば、2円/分)に設定することで、ユーザの追加での利用を促し、利用を促進するコントロールが可能となる。また、本発明によれば、繁忙期の従量料金の時間単価を、定額料金の時間単価(例えば、3円/分)より高い額(例えば、4円/分)に設定することで、ユーザの追加での利用を抑制し、利用を抑制するコントロールが可能となる。
【0016】
(6)本発明はまた、前記設定されている複数の期間のそれぞれについての前記従量料金の額の上限を設定する従量料金上限設定手段(例えば、後述する従量料金上限設定部25)を備えていることを特徴とする上記(1)~(5)のいずれかに記載の利用管理装置である。
【0017】
本発明によれば、設定されている複数の期間のそれぞれについての従量料金の額の上限を設定することで、ヘビーユーザを優遇することとなり、結果として、ヘビーユーザの満足度を高めることができる。
【0018】
(7)本発明はまた、1又は複数のサービスを前記所定のサービスとして設定するサービス設定手段(例えば、後述するサービス設定部26)を備えていることを特徴とする上記(1)~(6)のいずれかに記載の利用管理装置である。
【0019】
本発明によれば、複数のサービスを所定のサービスとして設定することで、特定のサービスに特化した利用はしない代わりに複数のサービスを好きな時に利用したいユーザの期待に応えることができる。
【0020】
(8)本発明はまた、ユーザの本人確認を行う本人認証手段(例えば、後述する本人認証部27)を備え、前記利用許可手段は、前記本人認証手段による本人確認を条件として、前記利用を許可することを特徴とする上記(1)~(7)のいずれかに記載の利用管理装置である。
【0021】
本発明によれば、円滑な本人確認を行うことができ、結果として、円滑に利用を許可することができる。
【0022】
(9)本発明はまた、ユーザの体温確認を行う体温確認手段(例えば、後述する体温確認部28)を備え、前記利用許可手段は、ユーザの体温が所定の範囲内であることを条件として、前記利用を許可することを特徴とする上記(1)~(8)のいずれかに記載の利用管理装置である。
【0023】
本発明によれば、体調不良のユーザによる利用を許可しないので、感染予防ができ、また、ユーザの無駄な利用を回避することができる。
【0024】
(10)本発明はまた、前記利用許可手段は、前記所定のサービスとは異なる他のサービスについてのユーザによる別途料金の支払を条件として、ユーザによる前記他のサービスの利用の間、前記所定の時間のカウントを停止することを特徴とする上記(1)~(9)のいずれかに記載の利用管理装置である。
【0025】
本発明によれば、他のサービスの利用を促進しつつ、定額料金との二重支払を回避できるので、サービス提供側及びユーザ側の双方の利益となる。
【0026】
(11)本発明はまた、上記(1)~(10)のいずれかに記載の利用管理装置と、ユーザに使用され、情報の入力及び表示並びに送受信が可能であるユーザ端末と、を備え、前記ユーザ端末は、前記所定の時間までの残り時間、並びに、前記定額料金及び前記従量料金の合計額の少なくとも一方を表示することを特徴とする利用管理システムである。
【0027】
本発明によれば、ユーザが利用時間及び支払額の少なくとも一方を把握できるので、ユーザが安心して利用することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、利便性に優れた利用管理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の実施形態に係る利用管理装置を備えているネットワークシステムの構成を示す概略図である。
【
図2】ネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【
図3】利用管理装置によるチェックインの処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図4】利用管理装置によるチェックアウトの処理の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る利用管理装置3を備えているネットワークシステム1について詳細に説明する。
【0031】
まず、
図1及び
図2を用いて、利用管理装置3を備えているネットワークシステム1の構成について説明する。
図1は、利用管理装置3を備えているネットワークシステム1の構成を示す概略図である。
図2は、ネットワークシステム1の構成を示すブロック図である。
【0032】
図1に示すネットワークシステム1は、インターネットを利用したシステムであり、料金の支払を条件として、ユーザに対して、所定のサービス(例えば、スポーツジムやフィットネスクラブ)の利用を許可する。このネットワークシステム1によれば、ユーザは、定額料金の支払を条件として、設定されている複数(例えば、1か月31日間相当の31個、1週間相当の7個、又は1年間相当の365個)の期間(例えば、毎日)のそれぞれについて、所定の時間(例えば、60分間)まで、所定のサービスを利用することができる。また、ネットワークシステム1によれば、ユーザは、所定の時間(例えば、60分間)を超えた時間(例えば、61分以降の時間)についても、所定のサービスを利用することができるが、従量料金の支払が必要となる。
【0033】
例えば、スポーツジムAの利用について、定額料金の時間単価が1分あたり3円で、従量料金の時間単価が、閑散期が1分あたり2円で、平常期が1分あたり3円で、繁忙期が1分あたり4円である場合を例に説明する。この場合、ユーザは、5,580円(=3円×60[分間]×31[日間])の定額料金の支払を条件として、1か月間、毎日60分間までスポーツジムAを利用することができる。また、ユーザは、60分を超えた時間についても、スポーツジムAを利用することができるが、従量料金として、閑散期は1分あたり2円の支払が、平常期は1分あたり3円の支払が、繁忙期は1分あたり4円の支払がそれぞれ必要となる。
【0034】
あるいは、スポーツジムAの利用について、定額料金の時間単価が1分あたり3円で、従量料金の時間単価が1分あたり2円であり、また、スポーツジムBの利用について、定額料金の時間単価が1分あたり4.5円で、従量料金の時間単価が1分あたり3.5円である場合を例に説明する。この場合、ユーザは、8,370円(=3円×90[分間]×31[日間]=4.5円×60[分間]×31[日間])の定額料金の支払を条件として、1か月間、毎日90分間までスポーツジムAを利用することができ、あるいは、1か月間、毎日60分間までスポーツジムBを利用することができる。ただし、ユーザは、1か月のうち21日間、毎日90分までスポーツジムAを利用した場合には、残りの10日間、毎日60分までスポーツジムBを利用することができる。
【0035】
ネットワークシステム1が扱う所定のサービスとしては、例えば、スポーツジムやフィットネスクラブの利用が想定される。このようなサービスとしては、種々の分野のものを採用することができ、他には、国内の宿、国内旅行補助、レジャー・日帰り湯、ホテルレストラン・プレミアム、グルメ・レストラン、映画、エンターテイメント、海外ホテル、ツアー・航空券、レンタカー、車購入、お買得速報、スポーツ、育児サービス、介護サービス、ショッピング、ライフサポート、住宅サービス、学び、ビジネスサポート、ゴルフ場予約、VIPの宴などが挙げられる。
【0036】
具体的に、ネットワークシステム1は、インターネット2と、利用管理装置3と、複数のユーザ端末4と、複数のサービス提供者端末5と、を備えている。
【0037】
利用管理装置3は、インターネット2に接続されたサーバであり、システム提供者又はその委託者によって管理される。この利用管理装置3は、情報の入出力が可能であると共に、複数のユーザの各々が利用する複数のユーザ端末4、及び複数のサービス提供者の各々が利用する複数のサービス提供者端末5との情報の送受信が可能である。また、利用管理装置3は、ユーザによる料金の支払を条件として、ユーザに対して所定のサービスの利用を許可する。
【0038】
複数のユーザ端末4は、それぞれ、インターネット2に接続されている一般的な携帯通信端末であり、例えば、スマートフォンやタブレット等が想定される。これら複数のユーザ端末4は、それぞれ、複数のユーザの各々に携帯される。また、複数のユーザ端末4は、それぞれ、情報の入出力が可能であると共に、利用管理装置3との情報の送受信が可能である。さらに、複数のユーザ端末4は、それぞれ、サービス提供者端末5に表示された二次元コード(QRコード(登録商標))をチェックインに関する情報又はチェックアウトに関する情報として読み込んで、当該情報にユーザIDを紐づけてから、当該情報を利用管理装置3に入力する。さらに、複数のユーザ端末4は、それぞれ、チェックインに関する情報を利用管理装置3に入力することで、当該利用管理装置3から利用の許否の通知を受ける。
【0039】
また、複数のユーザ端末4は、それぞれ、所定の情報を利用管理装置3に入力することで、当該利用管理装置3から、ユーザにとって支払金額がお得となる所定の時間(サービスプラン)に関する情報を取得し、当該情報を表示する。さらに、複数のユーザ端末4は、それぞれ、所定の情報を利用管理装置3に入力することで、当該利用管理装置3から、所定の時間までの残り時間、並びに、定額料金及び従量料金の合計額の少なくとも一方に関する情報を取得し、当該情報を表示する。
【0040】
複数のサービス提供者端末5は、それぞれ、インターネット2に接続されている一般的な通信端末であり、例えば、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン、あるいは専用端末等が想定される。これら複数のサービス提供者端末5は、それぞれ、サービスを提供する施設の出入口等に設置される。また、複数のサービス提供者端末5は、それぞれ、情報の入出力が可能であると共に、利用管理装置3との情報の送受信が可能である。さらに、複数のサービス提供者端末5は、それぞれ、通常のカメラ(図示省略)を内蔵し又は附属していることでユーザの顔の撮影が可能であると共に、サーマルカメラ(図示省略)を内蔵し又は附属していることでユーザの体温測定が可能である。さらに、複数のサービス提供者端末5は、それぞれ、チェックインに関する情報(サービス提供者ID、時刻、撮影した顔画像をアップロードしたURL、体温の情報等)、及びチェックアウトに関する情報(サービス提供者ID、時刻、撮影した顔画像をアップロードしたURL、体温の情報等)を二次元コード(QRコード(登録商標))にして表示する。
【0041】
図2に示すように、利用期間条件管理装置3は、CPU10と、RAM11と、ROM12と、記録部13と、通信部14と、等を備えている。
【0042】
CPU(Central Processing Unit)10は、各種プログラムを実行することによって、利用許可部(利用許可手段)20、料金計算部(料金計算手段)21、時間設定部(時間設定手段)22、回数設定部(回数設定手段)23、従量料金単価設定部(従量料金単価設定手段)24、従量料金上限設定部(従量料金上限設定手段)25、サービス設定部(サービス設定手段)26、本人認証部(本人認証手段)27、体温確認部(体温確認手段)28、好適時間算出部(好適時間算出手段)29等の各種機能を実現して、利用管理装置3を統括的に制御する。RAM(Random Access Memory)11は、CPU10の作業領域として使用される。ROM(Read Only Memory)12は、CPU10で実行される基本OSや各種プログラムを記憶している。
【0043】
記録部13は、各種情報を記録する。具体的に、記録部13には、ユーザ情報蓄積部30、サービス提供者情報蓄積部31、利用履歴情報蓄積部32、利用条件情報蓄積部33、計算情報蓄積部34及び決済情報蓄積部35等の各種領域が割り当てられている。通信部14は、複数のユーザ端末4の各々、及び複数のサービス提供者端末5の各々との情報の送受信を行う。
【0044】
利用許可部20は、ユーザ端末4からのチェックインに関する情報の入力を契機に動作する。この利用許可部20は、チェックインに関する情報、ユーザ情報、サービス提供者情報、利用履歴情報、並びに、本人認証部27及び体温確認部28の各々からの応答情報に基づいて、所定のサービスの利用の許否を判定する。具体的に、利用許可部20は、ユーザによる定額料金の支払を条件として、また、本人認証部27による本人確認を条件として、さらに、ユーザの体温が所定の範囲内(例えば、37度未満)であることを条件として、ユーザに対して、設定されている複数の期間のそれぞれについての所定のサービスの利用を許可する。
【0045】
この利用許可部20は、チェックインに関する情報を本人認証部27及び体温確認部28の各々に入力することで、本人認証部27及び体温確認部28の各々からの応答情報の入力を受ける。また、利用許可部20は、チェックインに関する情報を利用履歴情報として利用履歴情報蓄積部32に入力すると共に、判定した許否の情報を、通信部14を介してユーザ端末4に入力する。
【0046】
この利用許可部20は、所定のサービスとは異なる他のサービスについてのユーザによる別途料金の支払を条件として、ユーザによる他のサービスの利用の間、所定の時間のカウントを停止する。また、利用許可部20は、カウントを停止した時間に関する情報を利用履歴情報として利用履歴情報蓄積部32に入力する。
【0047】
料金計算部21は、ユーザ情報(契約内容等)に基づいて、定額料金を計算する。この料金計算部21は、ユーザ端末4からのチェックアウトに関する情報の入力を契機に、サービスの利用の時間、所定の時間までの残り時間、及び従量料金を計算する。具体的に、料金計算部21は、利用履歴情報(チェックインに関する情報、カウントを停止した時間に関する情報等)、チェックアウトに関する情報、利用条件情報及び計算情報に基づいて、サービスの利用の時間、及び所定の時間までの残り時間を計算すると共に、所定の時間を超えた時間の利用について、ユーザに支払を求める従量料金を計算する。また、料金計算部21は、チェックアウトに関する情報を利用履歴情報として利用履歴情報蓄積部32に入力すると共に、計算した定額料金及び従量料金の情報を決済情報として決済情報蓄積部35に入力する。さらに、料金計算部21は、計算した所定時間までの残り時間、並びに、定額料金及び従量料金の情報を、通信部14を介してユーザ端末4に入力する。
【0048】
時間設定部22は、サービス提供者端末5からの所定の情報の入力に基づいて、設定されている複数の期間のそれぞれについての所定の時間を(例えば、1日60分間までと)設定する。この時間設定部22は、設定した所定の時間の情報を利用条件情報として利用条件情報蓄積部33に入力する。
【0049】
回数設定部23は、サービス提供者端末5からの所定の情報の入力に基づいて、設定されている複数の期間のそれぞれについての利用の回数を(例えば、1日1回までと)設定する。この回数設定部23は、設定した利用の回数の情報を利用条件情報として利用条件情報蓄積部33に入力する。
【0050】
従量料金単価設定部24は、サービス提供者端末5からの所定の情報の入力に基づいて、従量料金の時間単価を設定する。この従量料金単価設定部24は、設定した従量料金の時間単価の情報を計算情報として計算情報蓄積部34に入力する。
【0051】
従量料金上限設定部25は、サービス提供者端末5からの所定の情報の入力に基づいて、設定されている複数の期間のそれぞれについての従量料金の額の上限を(例えば、180分間相当の額と)設定する。この従量料金上限設定部25は、設定した従量料金の額の上限の情報を計算情報として計算情報蓄積部34に入力する。
【0052】
サービス設定部26は、サービス提供者端末5からの所定の情報の入力に基づいて、1又は複数のサービスを所定のサービスとして設定する。このサービス設定部26は、設定した所定のサービスをサービス提供者情報としてサービス提供者情報蓄積部31に入力する。
【0053】
本人認証部27は、利用許可部20からのチェックインに関する情報に基づいて、ユーザの本人確認を行う。具体的に、本人認証部27は、チェックインに関する情報に含まれるURLのウェブサイトにアクセスして顔画像(本人情報)を取得すると共に、ユーザ情報蓄積部30にアクセスして、チェックインに関する情報に含まれるユーザIDに対応する顔画像を取得する。その後、本人認証部27は、取得した2つの顔画像を用いてユーザの本人確認を行う。この本人認証部27は、本人確認の結果を応答情報として利用許可部20に入力する。
【0054】
体温確認部28は、利用許可部20からのチェックインに関する情報に基づいて、ユーザの体温が所定の範囲内(例えば、37度未満)であるかの確認を行う。この体温確認部28は、確認の結果を応答情報として利用許可部20に入力する。
【0055】
好適時間算出部29は、ユーザによる所定のサービスの利用の履歴に基づいて、ユーザにとって好適な所定の時間を算出する。具体的に、好適時間算出部29は、ユーザ端末4からの所定の入力があったことを契機に、利用履歴情報に基づいて、ユーザにとって支払金額がお得となる所定の時間を算出する。また、好適時間算出部29は、算出した結果を、通信部14を介してユーザ端末4に入力する。
【0056】
ユーザ情報蓄積部30は、サービスの利用に必要となるユーザ情報(ユーザID、ユーザの氏名、連絡先及び顔写真、契約内容(契約プラン、契約開始日、契約終了日等)をユーザIDに紐づけて蓄積する。ユーザ情報は、ユーザ端末4から入力される。
【0057】
サービス提供者情報蓄積部31は、サービスの提供に必要となるサービス提供者情報(サービス提供者ID、サービス提供者の名称及び連絡先等)をサービス提供者IDに紐づけて蓄積する。サービス提供者情報は、サービス提供者端末5から入力される。
【0058】
利用履歴情報蓄積部32は、ユーザの利用に関する利用履歴情報(ユーザID、利用したサービスのサービス提供者ID、チェックインに関する情報(チェックインの時刻)、チェックアウトに関する情報(チェックアウトの時刻)等)をユーザIDに紐づけて蓄積する。
【0059】
利用条件情報蓄積部33は、サービスの利用条件に関する利用条件情報(サービス提供者ID、定額料金の支払で利用可能となる所定の時間、定額料金の支払で利用可能となる複数の期間のそれぞれについての利用の回数等)をサービス提供者IDに紐づけて蓄積する。
【0060】
計算情報蓄積部34は、従量料金の計算に必要となる計算情報(サービス提供者ID、従量料金の時間単価、従量料金の額の上限等)をサービス提供者IDに紐づけて蓄積する。
【0061】
決済情報蓄積部35は、ユーザによる決済に必要となる決済情報をユーザIDに紐づけて蓄積する。
【0062】
次に、
図3を用いて、利用管理装置3によるチェックインの処理の流れについて説明する。
図3は、利用管理装置3によるチェックインの処理の流れを説明するフローチャートである。
【0063】
利用管理装置3は、ユーザ端末4からのチェックインに関する情報の入力を契機にチェックインの処理を実行する。
図3に示すように、利用管理装置3は、チェックインの処理として、契約確認ステップS11と、利用回数確認ステップS12と、本人確認ステップS13と、体温確認ステップS14と、利用許可ステップS15と、利用拒否ステップS16と、を実行する。
【0064】
契約確認ステップS11は、利用の許否の判定に先立ち、チェックインに関する情報及びユーザ情報等に基づいて、契約の有無及び内容を確認するステップである。契約確認ステップS11において、契約が確認できた場合(ステップS11でYESの場合)、利用回数確認ステップS12に進む。契約確認ステップS11において、契約が確認できなかった場合(ステップS11でNOの場合)、利用拒否ステップS16に進む。
【0065】
利用回数確認ステップS12は、利用履歴情報等に基づいて、該当期間における利用を許可する回数(例えば、1日1回)に達していないかを確認するステップである。利用回数確認ステップS12において、該当期間における利用を許可する回数に達していない場合(ステップS12でYESの場合)、本人確認ステップS13に進む。利用回数確認ステップS12において、該当期間における利用を許可する回数に達している場合(ステップS12でNOの場合)、利用拒否ステップS16に進む。
【0066】
本人確認ステップS13は、チェックインに関する情報及びユーザ情報等に基づいて、本人確認を行うステップである。本人確認ステップS13において、本人確認ができた場合(ステップS13でYESの場合)、体温確認ステップS14に進む。本人確認ステップS13において、本人確認ができなかった場合(ステップS13でNOの場合)、利用拒否ステップS16に進む。
【0067】
体温確認ステップS14は、チェックインに関する情報等に基づいて、ユーザの体温が所定の範囲内(例えば、37度未満)であるかの確認を行うステップである。体温確認ステップS14において、ユーザの体温が所定の範囲内であることが確認できた場合(ステップS14でYESの場合)、利用許可ステップS15に進む。体温確認ステップS14において、ユーザの体温が所定の範囲内であることが確認できなかった場合(ステップS14でNOの場合)、利用拒否ステップS16に進む。
【0068】
利用許可ステップS15は、全ての条件を満たすものとして、ユーザ端末4に対して、所定のサービスの利用を許可する通知を出すステップである。この利用許可ステップS15の実行によって、チェックインの処理が終了する。
【0069】
利用拒否ステップS16は、条件を満たさないものとして、ユーザ端末4に対して、所定のサービスの利用を拒否する通知を出すステップである。この利用拒否ステップS16の実行によって、チェックインの処理が終了する。
【0070】
次に、
図4を用いて、利用管理装置3によるチェックアウトの処理の流れについて説明する。
図4は、利用管理装置3によるチェックアウトの処理の流れを説明するフローチャートである。
【0071】
利用管理装置3は、ユーザ端末4からのチェックアウトに関する情報の入力を契機にチェックアウトの処理を実行する。
図4に示すように、利用管理装置3は、チェックアウトの処理として、利用時間確認ステップS21と、従量料金計算ステップS22と、を実行する。
【0072】
利用時間確認ステップS21は、チェックアウトに関する情報及び利用履歴情報等に基づいて、利用時間が所定の時間に達していないかを確認するステップである。利用時間確認ステップS21において、利用時間が所定の時間に達していない場合(ステップS21でYESの場合)、チェックアウトの処理が終了する。利用時間確認ステップS21において、利用時間が所定の時間に達している場合(ステップS21でNOの場合)、従量料金計算ステップに進む。
【0073】
従量料金計算ステップS22は、利用履歴情報及びチェックアウトに関する情報等に基づいて、ユーザに支払を求める従量料金を計算するステップである。この従量料金計算ステップS22の実行によって、チェックアウトの処理が終了する。
【0074】
このように、利用管理装置3によれば、ユーザは、設定されている複数(例えば、1か月31日間相当の31個)の期間(例えば、毎日)のそれぞれに、定額料金の支払により、所定の時間(例えば、60分間)までの利用が可能になると共に、従量料金の支払により、所定の時間(例えば、60分間)を超えた時間(例えば、61分以降の時間)の利用が可能になる。すなわち、利用管理装置3によれば、ユーザは、定額料金の支払により利用可能な期間を複数回得ることができ、また、必要に応じて、従量料金の追加での支払により、延長での利用が可能になる。このように、利用管理装置3によれば、ユーザは、従量料金の追加での支払による利用の後に、再び定額料金の支払による利用の機会が与えられるので、複数の期間の全体にわたって利用意欲が喚起され、また、定額利用の時間制限から解放される。
【0075】
また、利用管理装置3によれば、利用の内容に応じた所定の時間の短縮や延長が可能であることから、定額料金の支払にかかるユーザの無駄遣いの印象を抑制することができる。
【0076】
また、利用管理装置3によれば、定額料金の支払による利用部分に残存がある場合に、2回目以降の利用を許可することで、ユーザの利用意欲を喚起することができる。
【0077】
また、利用管理装置3によれば、閑散期の従量料金の時間単価を、定額料金の時間単価(例えば、3円/分)より安い額(例えば、2円/分)に設定することで、ユーザの追加での利用を促し、利用を促進するコントロールが可能となる。また、利用管理装置3によれば、繁忙期の従量料金の時間単価を、定額料金の時間単価(例えば、3円/分)より高い額(例えば、4円/分)に設定することで、ユーザの追加での利用を抑制し、利用を抑制するコントロールが可能となる。
【0078】
また、利用管理装置3によれば、設定されている複数の期間における従量料金の合計額の上限を設定することで、ヘビーユーザを優遇することとなり、結果として、ヘビーユーザの満足度を高めることができる。
【0079】
また、利用管理装置3によれば、複数のサービスを所定のサービスとして設定することで、特定のサービスに特化した利用はしない代わりに複数のサービスを好きな時に利用したいユーザの期待に応えることができる。
【0080】
また、利用管理装置3によれば、円滑な本人確認を行うことができ、結果として、円滑に利用を許可することができる。
【0081】
また、利用管理装置3によれば、体調不良のユーザによる利用を許可しないので、感染予防ができ、また、ユーザの無駄な利用を回避することができる。
【0082】
このように、本実施形態によれば、利便性に優れた利用管理装置3を提供することができる。
【0083】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更及び変形が可能である。
【0084】
例えば、上記実施形態では、顔画像によって本人認証が行われる場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されず、本人認証は、顔画像に代えて、指紋、手のひら、ビーコン、NFC、QRコード、バーコード、RFID等によって行われるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0085】
1 ネットワークシステム
2 インターネット
3 利用管理装置
4 ユーザ端末
5 サービス提供者端末
10 CPU
11 RAM
12 ROM
13 記録部
14 通信部
20 利用許可部(利用許可手段)
21 料金計算部(料金計算手段)
22 時間設定部(時間設定手段)
23 回数設定部(回数設定手段)
24 従量料金単価設定部(従量料金単価設定手段)
25 従量料金上限設定部(従量料金上限設定手段)
26 サービス設定部(サービス設定手段)
27 本人認証部(本人認証手段)
28 体温確認部(体温確認手段)
29 好適時間算出部(好適時間算出手段)
30 ユーザ情報蓄積部
31 サービス提供者情報蓄積部
32 利用履歴情報蓄積部
33 利用条件情報蓄積部
34 計算情報蓄積部
35 決済情報蓄積部
S11 契約確認ステップ
S12 利用回数確認ステップ
S13 本人確認ステップ
S14 体温確認ステップ
S15 利用許可ステップ
S16 利用拒否ステップ
S21 利用時間確認ステップ
S22 従量料金計算ステップ