▶ 株式会社三條機械製作所の特許一覧
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128917
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】印刷方法
(51)【国際特許分類】
B65H 23/188 20060101AFI20230907BHJP
B41J 15/16 20060101ALI20230907BHJP
B65H 27/00 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
B65H23/188
B41J15/16
B65H27/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022033604
(22)【出願日】2022-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000144614
【氏名又は名称】株式会社三條機械製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛
(72)【発明者】
【氏名】高橋 学
(72)【発明者】
【氏名】高橋 明也
【テーマコード(参考)】
2C060
3F104
3F105
【Fターム(参考)】
2C060CB41
3F104AA01
3F104JB02
3F105AA01
3F105AB03
3F105BA02
3F105CA15
(57)【要約】
【課題】帯状体がダンサーローラと接触した際に剥離部が形成され難く、且つ、剥離部が形成された場合にも皺が生じ難い、これまでにない印刷装置及び印刷方法を提供する。
【解決手段】搬送される長尺の帯状体1に印刷を行う印刷部2と、前記印刷部2の搬送方向上流側若しくは下流側に設けられ前記帯状体1がU字状に掛け回されるダンサーローラ3とを備えた印刷装置であって、前記帯状体1は第一層1aと、前記第一層1aに積層され少なくとも一部が該第一層1aに貼着されている第二層1bとを有し、前記ダンサーローラ3は前記帯状体1の前記第二層1b側に設けられ、さらに回転軸8を有し、この回転軸8を中心とする円周上に所定の間隔をおいて配され前記帯状体1の搬送方向と直交するように設けられる3つ以上の当接体4とを有し、前記当接体4は自転不能にして前記回転軸8を中心として公転するように構成する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される長尺の帯状体に印刷を行う印刷部と、前記印刷部の搬送方向上流側若しくは下流側に設けられ前記帯状体がU字状に掛け回されるダンサーローラとを備えた印刷装置であって、
前記帯状体は第一層と、前記第一層に積層され少なくとも一部が該第一層に貼着されている第二層とを有し、
前記ダンサーローラは前記帯状体の前記第二層側に設けられ、さらに回転軸を有し、この回転軸を中心とする円周上に所定の間隔をおいて配され前記帯状体の搬送方向と直交するように設けられる3つ以上の当接体とを有し、
前記当接体は自転不能にして前記回転軸を中心として公転するように構成されていることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
請求項1記載の印刷装置において、前記帯状体の搬送方向における前記当接体同士の間隔は、調整可能に構成されていることを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
請求項2記載の印刷装置において、前記帯状体の搬送方向における前記当接体同士の間隔の調整は、前記ダンサーローラの交換により行われることを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
請求項1~3いずれか1項に記載の印刷装置において、前記帯状体の搬送方向における前記当接体同士の間隔は等間隔に設けられていることを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
請求項1~4いずれか1項に記載の印刷装置において、前記帯状体の搬送方向における前記当接体同士の間隔は、20mm以上に設定されていることを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
請求項1~5いずれか1項に記載の印刷装置において、前記ダンサーローラは搬送される前記帯状体に従動して回転するように構成されていることを特徴とする印刷装置。
【請求項7】
請求項1~6いずれか1項に記載の印刷装置において、前記ダンサーローラを上下方向に移動させて前記帯状体に張力を付与する張力付与機構が設けられていることを特徴とする印刷装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の印刷装置の印刷部を使用して前記帯状体に印刷する印刷方法であって、
前記当接体との接触により前記第二層が前記第一層から浮き上がるように剥離した剥離部の搬送方向長さを確認する確認工程と、
前記当接体同士の間隔を前記確認した前記剥離部の搬送方向長さより大きい間隔とする間隔調整工程とを含むことを特徴とする印刷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置及び印刷方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、長尺の帯状体(被印刷部材。ウェブ)を正送りと逆送りとを繰り返しながら正送り方向へ移送する搬送装置と、帯状体の表面に印刷をする印刷装置とを備えた間欠送り式の印刷装置等においては、搬送される帯状体の張力を調整するため、帯状体がU字状に掛け回されるダンサーローラが用いられている(特許文献1等参照)。
【0003】
ところで、帯状体が、剥離紙Aに剥離可能にラベル紙Bが貼着されているラベル複層紙であり、ラベル紙Bが比較的剥離し易い構成である場合、例えば、ラベル紙Bの全体ではなく一部にしか粘着剤が設けられていなかったり、粘着剤が弱粘性である場合には、
図9に図示したように、ダンサーローラCとの接触により、ラベル紙Bが浮き上がるように剥離した剥離部Dが形成される場合がある(ダンサーローラCに掛け回される部分は、外回りの剥離紙側が伸び、内回りのラベル紙側が縮むことでラベル紙Bが余り、ダンサーローラCとの接触により浮き上がり易い。)。
【0004】
この場合、ダンサーローラCの回転に伴い、剥離部DがダンサーローラCにより押しつぶされることで皺が生じ、不良品となる。
【0005】
そのため、従来は、ダンサーローラの径を大きくして(ローラの曲面Rを大きくして)ダンサーローラに掛け回されるラベル複層紙の曲がりを緩やかにすることで、ラベル紙の剥離を防止している。しかしながら、ダンサーローラを径大化することによる剥離防止効果は未だ十分ではなく、また、ダンサーローラを径大化するとそれだけ重くなり、印刷装置の最高運転速度が低下することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述のような現状に鑑みなされたもので、帯状体がダンサーローラと接触した際に剥離部が形成され難く、且つ、剥離部が形成された場合にも皺が生じ難い、これまでにない印刷装置及び印刷方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0009】
搬送される長尺の帯状体1に印刷を行う印刷部2と、前記印刷部2の搬送方向上流側若しくは下流側に設けられ前記帯状体1がU字状に掛け回されるダンサーローラ3とを備えた印刷装置であって、
前記帯状体1は第一層1aと、前記第一層1aに積層され少なくとも一部が該第一層1aに貼着されている第二層1bとを有し、
前記ダンサーローラ3は前記帯状体1の前記第二層1b側に設けられ、さらに回転軸8を有し、この回転軸8を中心とする円周上に所定の間隔をおいて配され前記帯状体1の搬送方向と直交するように設けられる3つ以上の当接体4とを有し、
前記当接体4は自転不能にして前記回転軸8を中心として公転するように構成されていることを特徴とする印刷装置に係るものである。
【0010】
また、請求項1記載の印刷装置において、前記帯状体1の搬送方向における前記当接体4同士の間隔は、調整可能に構成されていることを特徴とする印刷装置に係るものである。
【0011】
また、請求項2記載の印刷装置において、前記帯状体1の搬送方向における前記当接体4同士の間隔の調整は、前記ダンサーローラ3の交換により行われることを特徴とする印刷装置に係るものである。
【0012】
また、請求項1~3いずれか1項に記載の印刷装置において、前記帯状体1の搬送方向における前記当接体4同士の間隔は等間隔に設けられていることを特徴とする印刷装置に係るものである。
【0013】
また、請求項1~4いずれか1項に記載の印刷装置において、前記帯状体1の搬送方向における前記当接体4同士の間隔は、20mm以上に設定されていることを特徴とする印刷装置に係るものである。
【0014】
また、請求項1~5いずれか1項に記載の印刷装置において、前記ダンサーローラ3は搬送される前記帯状体1に従動して回転するように構成されていることを特徴とする印刷装置に係るものである。
【0015】
また、請求項1~6いずれか1項に記載の印刷装置において、前記ダンサーローラ3を上下方向に移動させて前記帯状体1に張力を付与する張力付与機構が設けられていることを特徴とする印刷装置に係るものである。
【0016】
また、請求項1~7のいずれか1項に記載の印刷装置の印刷部2を使用して前記帯状体1に印刷する印刷方法であって、
前記当接体4との接触により前記第二層1bが前記第一層1aから浮き上がるように剥離した剥離部6の搬送方向長さを確認する確認工程と、
前記当接体4同士の間隔を前記確認した前記剥離部6の搬送方向長さより大きい間隔とする間隔調整工程とを含むことを特徴とする印刷方法に係るものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明は上述のように構成したから、帯状体がダンサーローラと接触した際に剥離部が形成され難く、且つ、剥離部が形成された場合にも皺が生じ難い、これまでにない印刷装置及び印刷方法となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】本実施例の要部の拡大概略説明側面図である。
【
図3】本実施例の要部の拡大概略説明側面図である。
【
図4】本実施例の要部の拡大概略説明側面図である。
【
図5】本実施例の要部の拡大概略説明側面図である。
【
図6】ダンサーローラの構成例を示す概略説明図である。
【
図7】第二層の粘着剤のパターン例を示す概略説明図である。
【
図8】ダンサーローラの別例を示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0020】
搬送される印刷対象の帯状体1の弛みを解消するために、ダンサーローラ3により帯状体1に適宜張力が付与される。
【0021】
ここで、ダンサーローラ3の当接体4は、ダンサーローラ3に掛け回される湾曲部分で帯状体1全体にわたって接触せず、帯状体1の第二層1bと断続的に接触するため、それだけ接触面積が小さくなり第二層1bが第一層1aから浮き上がるように剥離した剥離部6が生じ難く、皺の発生が可及的に防止されることになる。
【0022】
さらに、剥離部6が生じた場合でも、例えば当接体4同士の間隔を剥離部6の搬送方向長さより大きくしておくことで、剥離部6を当接体4間において逃がすことができ、よって、ダンサーローラ3の回転に伴い当接体4により剥離部6が押しつぶされることも可及的に防止され、この点でも皺の発生が可及的に防止されることになる。
【0023】
すなわち、ダンサーローラ3の搬送上流側で第一層1a側のローラで支持されていた帯状体1が、第二層1b側がダンサーローラ3に接するように迂回搬送され、この第二層1bと当接体4との接触により剥離部6が生じた場合、例えば
図2の左上位置の当接体4及び剥離部6(ドット柄部分)に着目すると、帯状体1の搬送に伴い剥離部6を保持したままダンサーローラ3が回転し(
図2→
図3→
図4)、ダンサーローラ3を通過すると(当接体4との接触、外回りの第一層1a側の伸び及び内回りの第二層1b側の縮みが解消して)剥離部6は消失する(
図5)。したがって、ダンサーローラ3により剥離部6が押しつぶされることがなく、剥離部6に起因する皺は発生しない。
【実施例0024】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0025】
本実施例は、
図1に図示したように、搬送される長尺の帯状体1に複数の印刷ユニット2aが所定間隔で並設された印刷部2で印刷し、加工部5で打ち抜きやラミネート等の加工を施し、巻取り部(図示省略)で巻き取る印刷装置である。
【0026】
本実施例では印刷部2の搬送方向上流側及び下流側に夫々ダンサーローラ3が設けられている。すなわち、ダンサーローラ3は繰り出し部12と印刷部2との間、印刷部2と加工部5との間に夫々設けられている。なお、いずれか一方に設けられる構成でも同様である。
【0027】
図1中、符号11は原反、13はダンサーローラ3の上流側フィードローラ、14はダンサーローラ3の下流側フィードローラ、15はガイドローラ、16はフィードローラである。
【0028】
ダンサーローラ3は、上流側支持ローラ13及び下流側支持ローラ14に対して下方位置に設けられ、帯状体1はダンサーローラ3を迂回するように上向きU字状に掛け回される。なお、「U字状」とは、U字だけでなく、それに近似する形状を含む概念である。また、上向きU字状に限らず、下向きU字状等その他の向きのU字状に掛け回される構成としても良い。
【0029】
前記帯状体1は第一層1aと、前記第一層1aに積層され少なくとも一部が該第一層1aに貼着されている第二層1bとを有する。本実施例の帯状体1は、第一層1aが剥離紙、その上の第二層1bがラベル紙であるラベル複層紙である。なお、三層以上のものを採用しても良い。
【0030】
本実施例の帯状体1としては、剥離部6が生じる可能性が高いものでも採用することができる。例えば第二層1b(裏面全体)に設けられる粘着剤として弱粘性(粘着力が2N/10mm以下)のものを採用したものや、第二層1bの裏面に部分的に粘着剤を設けたもの(粘着剤は弱粘性でも粘着力が2N/10mmを超えるものでも良い)でも採用できる。
【0031】
例えば、粘着剤が設けられた粘着部20と粘着剤が設けられない非粘着部21の配置パターンとしては、例えば
図7に図示したようなものがある。
図7(a)は帯状体1の左右両端部分に粘着部20を設け、中央部に非粘着部21を設けた例、
図7(b)は左右両側部分と中央部分に粘着部20を設け、粘着部20間に夫々非粘着部21を設けた例である。例えば粘着部20の幅は、帯状体1の全幅Wの5%~15%程度とすることができ、各粘着部20の幅は夫々同一に限らず異ならせることもできる。
【0032】
ダンサーローラ3は帯状体1の第二層1b側に設けられ、さらに回転軸8を有し、この回転軸8を中心とする円周上に所定の間隔をおいて配され前記帯状体1の搬送方向と直交するように設けられる3つ以上の当接体4とを有する。
【0033】
また、前記当接体4は自転不能にして前記回転軸8を中心として公転するように構成されている。すなわち、前記ダンサーローラ3は搬送される前記帯状体1に従動して回転するように構成されている。
【0034】
具体的には、本実施例のダンサーローラ3は、帯状体1の左右両側に配される支持体7と、この左右一対の支持体7間に架設される当接体4とで構成されている。支持体7は回転軸8を中心として回転するように構成され、当接体4は支持体7に回転不能に固定されている。
図6中、符号17は当接体4を固定するためのボルトである。
【0035】
また、当接体4は本実施例では断面円形の中実棒体としているが、中空の筒体を採用しても良い。この当接体4は、帯状体1の搬送方向における当接体4同士の間隔(隣接する当接体4の中心から中心までの距離X)が夫々等間隔となるように設けられている。
【0036】
本実施例の支持体7は、120°等配に設けられた三方向に延びる腕部を有する三又状とし、各腕部に夫々当接体4を固定して3本の当接体4を120°等配で設けた構成としている。なお、ダンサーローラ3の径(支持体7の大きさ若しくは当接体4の取付位置)は適宜設定できるから、
図6に図示したように四又状(当接体4を90°等配で4本設ける構成)や五又状(当接体4を72°等配で5本設ける構成)などとしても良い。
図6では(a)と同様の間隔を確保するために、(b)及び(c)はダンサーローラ3を径大化した場合を例示している。
【0037】
なお、本実施例のダンサーローラ3は、当接体4を別体の支持体8に設けた構成としているが、これらを一体に成形した
図8に図示したような三角星形や、四角星形、五角星形等の断面概略多角星形のダンサーローラとするなど、種々の構成を採用可能である。
【0038】
本実施例の前記帯状体1の搬送方向における前記当接体4同士の間隔は、調整可能に構成されている。具体的には、前記帯状体1の搬送方向における前記当接体4同士の間隔の調整は、前記ダンサーローラ3の交換により行われる。なお、交換による調整に限らず、例えば、当接体4の支持体7への取付位置を変更できるように構成して間隔調整を行えるように構成しても良い。
【0039】
前記当接体4同士の間隔は、剥離部6の大きさに応じて適宜設定できるが、例えば、前記帯状体1の搬送方向における前記当接体4同士の間隔は、少なくとも20mm以上(好ましくは40mm以上、さらに好ましくは50mm以上)となるように設定する。
【0040】
本実施例では、前記ダンサーローラ3を上下方向に移動させて前記帯状体1に張力を付与する張力付与機構が設けられている。具体的には、前記支持体7を下方に引っ張るバネ機構(図示省略)が設けられている。また、ダンサーローラ3の自重で張力を付与する構成としても良い。なお、張力付与機構を用いない構成としても良い(ダンサーローラ3は張力を付与する目的以外で使用することもできる。)。
【0041】
上述の構成の印刷装置においては、前記当接体4との接触により前記第二層1bが前記第一層1aから浮き上がるように剥離した剥離部6の搬送方向長さを確認する確認工程と、前記当接体4同士の間隔を前記確認した前記剥離部6の搬送方向長さより大きい間隔とする間隔調整工程とにより、当接体4同士の間隔を剥離部6が押しつぶされない間隔とした上で、本印刷工程を行うことで、より確実に剥離部6に起因する皺が生じないようにすることができる。
【0042】
すなわち、本印刷工程を行う前に、適当な(当接体4同士の間隔が十分広いと想定される)ダンサーローラ3をセットした状態で予備的に印刷を行い、剥離部6の搬送方向長さ(剥離始端から剥離終端までの距離Y)を把握した上で、必要に応じて、当接体4の間隔(前記距離X)を、前記剥離部6の搬送方向長さよりやや大きい間隔に調整することで、剥離部6が形成された場合でも該剥離部6が押しつぶされない構成とすることができる(剥離部6の大きさは粘着剤の粘着力、粘着剤の配置パターン、当接体4の当接度合いなどにより異なるが、同一条件であれば、ある程度前記距離Yの範囲は予測でき、これを許容し得る前記距離Xを設定する。)。
【0043】
例えば、剥離部6の搬送方向長さは、予備的に印刷した際の剥離部6を実際に測定して確認しても良いし、予めセットされた当接体4同士の間隔で十分か否か目視確認することで把握しても良い。当接体4同士の間隔が狭い場合には、より当接体4同士の間隔が広いダンサーローラ3に交換したり、当接体4の取付位置を変更することで間隔を調整する。
【0044】
本実施例は上述のように構成したから、ダンサーローラ3の当接体4は、ダンサーローラ3に掛け回される湾曲部分で帯状体1全体にわたって接触せず、帯状体1の第二層1bと断続的に接触するため、それだけ接触面積が小さくなり第二層1bが第一層1aから浮き上がるように剥離した剥離部6が生じ難く、皺の発生が可及的に防止されることになる。
【0045】
さらに、剥離部6が生じた場合でも、例えば当接体4同士の間隔を剥離部6の搬送方向長さより大きくしておくことで、剥離部6を当接体4間において逃がすことができ、よって、ダンサーローラ3の回転に伴い当接体4により剥離部6が押しつぶされることも可及的に防止され、この点でも皺の発生が可及的に防止されることになる。
【0046】
よって、本実施例は、帯状体1がダンサーローラ3と接触した際に剥離部6が形成され難く、且つ、剥離部6が形成された場合にも皺が生じ難い、これまでにない印刷装置となる。
【符号の説明】
【0047】
1 帯状体
1a 第一層
1b 第二層
2 印刷部
3 ダンサーローラ
4 当接体
6 剥離部
8 回転軸
【手続補正書】
【提出日】2023-08-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される長尺の帯状体に印刷を行う印刷部と、前記印刷部の搬送方向上流側若しくは下流側に設けられ前記帯状体がU字状に掛け回されるダンサーローラとを備え、前記帯状体は、第一層及び前記第一層に積層され少なくとも一部が該第一層に貼着されている第二層を有し、前記ダンサーローラは、回転軸を有し前記帯状体の前記第二層側に設けられるとともに、前記回転軸を中心とする円周上に所定の間隔をおいて配され前記帯状体の搬送方向と直交するように設けられる3つ以上の当接体を有し、前記当接体は自転不能にして前記回転軸を中心として公転するように構成されている印刷装置の前記印刷部を使用して前記帯状体に印刷する印刷方法であって、
前記当接体との接触により前記第二層が前記第一層から浮き上がるように剥離した剥離部の搬送方向長さを確認する確認工程と、
前記当接体同士の間隔を前記確認した前記剥離部の搬送方向長さより大きい間隔とする間隔調整工程とを含むことを特徴とする印刷方法。
【請求項2】
請求項1記載の印刷方法において、前記印刷装置を使用して印刷する前記帯状体の搬送方向における前記当接体同士の間隔は、調整可能に構成されていることを特徴とする印刷方法。
【請求項3】
請求項2記載の印刷方法において、前記印刷装置を使用して印刷する前記帯状体の搬送方向における前記当接体同士の間隔の調整は、前記ダンサーローラの交換により行われることを特徴とする印刷方法。
【請求項4】
請求項1~3いずれか1項に記載の印刷方法において、前記印刷装置を使用して印刷する前記帯状体の搬送方向における前記当接体同士の間隔は等間隔に設けられていることを特徴とする印刷方法。
【請求項5】
請求項1~4いずれか1項に記載の印刷方法において、前記印刷装置を使用して印刷する前記帯状体の搬送方向における前記当接体同士の間隔は、20mm以上に設定されていることを特徴とする印刷方法。
【請求項6】
請求項1~5いずれか1項に記載の印刷方法において、前記印刷装置の前記ダンサーローラは搬送される前記帯状体に従動して回転するように構成されていることを特徴とする印刷方法。
【請求項7】
請求項1~6いずれか1項に記載の印刷方法において、前記印刷装置には前記ダンサーローラを上下方向に移動させて前記帯状体に張力を付与する張力付与機構が設けられていることを特徴とする印刷方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、長尺の帯状体(被印刷部材。ウェブ)を正送りと逆送りとを繰り返しながら正送り方向へ移送する搬送装置と、帯状体の表面に印刷をする印刷装置とを備えた間欠送り式の印刷装置等においては、搬送される帯状体の張力を調整するため、帯状体がU字状に掛け回されるダンサーローラが用いられている(特許文献1等参照)。
【0003】
ところで、帯状体が、剥離紙Aに剥離可能にラベル紙Bが貼着されているラベル複層紙であり、ラベル紙Bが比較的剥離し易い構成である場合、例えば、ラベル紙Bの全体ではなく一部にしか粘着剤が設けられていなかったり、粘着剤が弱粘性である場合には、
図9に図示したように、ダンサーローラCとの接触により、ラベル紙Bが浮き上がるように剥離した剥離部Dが形成される場合がある(ダンサーローラCに掛け回される部分は、外回りの剥離紙側が伸び、内回りのラベル紙側が縮むことでラベル紙Bが余り、ダンサーローラCとの接触により浮き上がり易い。)。
【0004】
この場合、ダンサーローラCの回転に伴い、剥離部DがダンサーローラCにより押しつぶされることで皺が生じ、不良品となる。
【0005】
そのため、従来は、ダンサーローラの径を大きくして(ローラの曲面Rを大きくして)ダンサーローラに掛け回されるラベル複層紙の曲がりを緩やかにすることで、ラベル紙の剥離を防止している。しかしながら、ダンサーローラを径大化することによる剥離防止効果は未だ十分ではなく、また、ダンサーローラを径大化するとそれだけ重くなり、印刷装置の最高運転速度が低下することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述のような現状に鑑みなされたもので、帯状体がダンサーローラと接触した際に剥離部が形成され難く、且つ、剥離部が形成された場合にも皺が生じ難い、これまでにない印刷方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0009】
搬送される長尺の帯状体1に印刷を行う印刷部2と、前記印刷部2の搬送方向上流側若しくは下流側に設けられ前記帯状体1がU字状に掛け回されるダンサーローラ3とを備え、前記帯状体1は、第一層1a及び前記第一層1aに積層され少なくとも一部が該第一層1aに貼着されている第二層1bを有し、前記ダンサーローラ3は、回転軸8を有し前記帯状体1の前記第二層1b側に設けられるとともに、前記回転軸8を中心とする円周上に所定の間隔をおいて配され前記帯状体1の搬送方向と直交するように設けられる3つ以上の当接体4を有し、前記当接体4は自転不能にして前記回転軸8を中心として公転するように構成されている印刷装置の前記印刷部2を使用して前記帯状体1に印刷する印刷方法であって、
前記当接体4との接触により前記第二層1bが前記第一層1aから浮き上がるように剥離した剥離部6の搬送方向長さを確認する確認工程と、
前記当接体4同士の間隔を前記確認した前記剥離部6の搬送方向長さより大きい間隔とする間隔調整工程とを含むことを特徴とする印刷方法に係るものである。
【0010】
また、請求項1記載の印刷方法において、前記印刷装置を使用して印刷する前記帯状体1の搬送方向における前記当接体4同士の間隔は、調整可能に構成されていることを特徴とする印刷方法に係るものである。
【0011】
また、請求項2記載の印刷方法において、前記印刷装置を使用して印刷する前記帯状体1の搬送方向における前記当接体4同士の間隔の調整は、前記ダンサーローラ3の交換により行われることを特徴とする印刷方法に係るものである。
【0012】
また、請求項1~3いずれか1項に記載の印刷方法において、前記印刷装置を使用して印刷する前記帯状体1の搬送方向における前記当接体4同士の間隔は等間隔に設けられていることを特徴とする印刷方法に係るものである。
【0013】
また、請求項1~4いずれか1項に記載の印刷方法において、前記印刷装置を使用して印刷する前記帯状体1の搬送方向における前記当接体4同士の間隔は、20mm以上に設定されていることを特徴とする印刷方法に係るものである。
【0014】
また、請求項1~5いずれか1項に記載の印刷方法において、前記印刷装置の前記ダンサーローラ3は搬送される前記帯状体1に従動して回転するように構成されていることを特徴とする印刷方法に係るものである。
【0015】
また、請求項1~6いずれか1項に記載の印刷方法において、前記印刷装置には前記ダンサーローラ3を上下方向に移動させて前記帯状体1に張力を付与する張力付与機構が設けられていることを特徴とする印刷方法に係るものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明は上述のように構成したから、帯状体がダンサーローラと接触した際に剥離部が形成され難く、且つ、剥離部が形成された場合にも皺が生じ難い、これまでにない印刷方法となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図2】本実施例の要部の拡大概略説明側面図である。
【
図3】本実施例の要部の拡大概略説明側面図である。
【
図4】本実施例の要部の拡大概略説明側面図である。
【
図5】本実施例の要部の拡大概略説明側面図である。
【
図6】ダンサーローラの構成例を示す概略説明図である。
【
図7】第二層の粘着剤のパターン例を示す概略説明図である。
【
図8】ダンサーローラの別例を示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0019】
搬送される印刷対象の帯状体1の弛みを解消するために、ダンサーローラ3により帯状体1に適宜張力が付与される。
【0020】
ここで、ダンサーローラ3の当接体4は、ダンサーローラ3に掛け回される湾曲部分で帯状体1全体にわたって接触せず、帯状体1の第二層1bと断続的に接触するため、それだけ接触面積が小さくなり第二層1bが第一層1aから浮き上がるように剥離した剥離部6が生じ難く、皺の発生が可及的に防止されることになる。
【0021】
さらに、剥離部6が生じた場合でも、例えば当接体4同士の間隔を剥離部6の搬送方向長さより大きくしておくことで、剥離部6を当接体4間において逃がすことができ、よって、ダンサーローラ3の回転に伴い当接体4により剥離部6が押しつぶされることも可及的に防止され、この点でも皺の発生が可及的に防止されることになる。
【0022】
すなわち、ダンサーローラ3の搬送上流側で第一層1a側のローラで支持されていた帯状体1が、第二層1b側がダンサーローラ3に接するように迂回搬送され、この第二層1bと当接体4との接触により剥離部6が生じた場合、例えば
図2の左上位置の当接体4及び剥離部6(ドット柄部分)に着目すると、帯状体1の搬送に伴い剥離部6を保持したままダンサーローラ3が回転し(
図2→
図3→
図4)、ダンサーローラ3を通過すると(当接体4との接触、外回りの第一層1a側の伸び及び内回りの第二層1b側の縮みが解消して)剥離部6は消失する(
図5)。したがって、ダンサーローラ3により剥離部6が押しつぶされることがなく、剥離部6に起因する皺は発生しない。
【実施例0023】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0024】
本実施例は、
図1に図示したように、搬送される長尺の帯状体1に複数の印刷ユニット2aが所定間隔で並設された印刷部2で印刷し、加工部5で打ち抜きやラミネート等の加工を施し、巻取り部(図示省略)で巻き取る印刷装置である。
【0025】
本実施例では印刷部2の搬送方向上流側及び下流側に夫々ダンサーローラ3が設けられている。すなわち、ダンサーローラ3は繰り出し部12と印刷部2との間、印刷部2と加工部5との間に夫々設けられている。なお、いずれか一方に設けられる構成でも同様である。
【0026】
図1中、符号11は原反、13はダンサーローラ3の上流側フィードローラ、14はダンサーローラ3の下流側フィードローラ、15はガイドローラ、16はフィードローラである。
【0027】
ダンサーローラ3は、上流側支持ローラ13及び下流側支持ローラ14に対して下方位置に設けられ、帯状体1はダンサーローラ3を迂回するように上向きU字状に掛け回される。なお、「U字状」とは、U字だけでなく、それに近似する形状を含む概念である。また、上向きU字状に限らず、下向きU字状等その他の向きのU字状に掛け回される構成としても良い。
【0028】
前記帯状体1は第一層1aと、前記第一層1aに積層され少なくとも一部が該第一層1aに貼着されている第二層1bとを有する。本実施例の帯状体1は、第一層1aが剥離紙、その上の第二層1bがラベル紙であるラベル複層紙である。なお、三層以上のものを採用しても良い。
【0029】
本実施例の帯状体1としては、剥離部6が生じる可能性が高いものでも採用することができる。例えば第二層1b(裏面全体)に設けられる粘着剤として弱粘性(粘着力が2N/10mm以下)のものを採用したものや、第二層1bの裏面に部分的に粘着剤を設けたもの(粘着剤は弱粘性でも粘着力が2N/10mmを超えるものでも良い)でも採用できる。
【0030】
例えば、粘着剤が設けられた粘着部20と粘着剤が設けられない非粘着部21の配置パターンとしては、例えば
図7に図示したようなものがある。
図7(a)は帯状体1の左右両端部分に粘着部20を設け、中央部に非粘着部21を設けた例、
図7(b)は左右両側部分と中央部分に粘着部20を設け、粘着部20間に夫々非粘着部21を設けた例である。例えば粘着部20の幅は、帯状体1の全幅Wの5%~15%程度とすることができ、各粘着部20の幅は夫々同一に限らず異ならせることもできる。
【0031】
ダンサーローラ3は帯状体1の第二層1b側に設けられ、さらに回転軸8を有し、この回転軸8を中心とする円周上に所定の間隔をおいて配され前記帯状体1の搬送方向と直交するように設けられる3つ以上の当接体4とを有する。
【0032】
また、前記当接体4は自転不能にして前記回転軸8を中心として公転するように構成されている。すなわち、前記ダンサーローラ3は搬送される前記帯状体1に従動して回転するように構成されている。
【0033】
具体的には、本実施例のダンサーローラ3は、帯状体1の左右両側に配される支持体7と、この左右一対の支持体7間に架設される当接体4とで構成されている。支持体7は回転軸8を中心として回転するように構成され、当接体4は支持体7に回転不能に固定されている。
図6中、符号17は当接体4を固定するためのボルトである。
【0034】
また、当接体4は本実施例では断面円形の中実棒体としているが、中空の筒体を採用しても良い。この当接体4は、帯状体1の搬送方向における当接体4同士の間隔(隣接する当接体4の中心から中心までの距離X)が夫々等間隔となるように設けられている。
【0035】
本実施例の支持体7は、120°等配に設けられた三方向に延びる腕部を有する三又状とし、各腕部に夫々当接体4を固定して3本の当接体4を120°等配で設けた構成としている。なお、ダンサーローラ3の径(支持体7の大きさ若しくは当接体4の取付位置)は適宜設定できるから、
図6に図示したように四又状(当接体4を90°等配で4本設ける構成)や五又状(当接体4を72°等配で5本設ける構成)などとしても良い。
図6では(a)と同様の間隔を確保するために、(b)及び(c)はダンサーローラ3を径大化した場合を例示している。
【0036】
なお、本実施例のダンサーローラ3は、当接体4を別体の支持体8に設けた構成としているが、これらを一体に成形した
図8に図示したような三角星形や、四角星形、五角星形等の断面概略多角星形のダンサーローラとするなど、種々の構成を採用可能である。
【0037】
本実施例の前記帯状体1の搬送方向における前記当接体4同士の間隔は、調整可能に構成されている。具体的には、前記帯状体1の搬送方向における前記当接体4同士の間隔の調整は、前記ダンサーローラ3の交換により行われる。なお、交換による調整に限らず、例えば、当接体4の支持体7への取付位置を変更できるように構成して間隔調整を行えるように構成しても良い。
【0038】
前記当接体4同士の間隔は、剥離部6の大きさに応じて適宜設定できるが、例えば、前記帯状体1の搬送方向における前記当接体4同士の間隔は、少なくとも20mm以上(好ましくは40mm以上、さらに好ましくは50mm以上)となるように設定する。
【0039】
本実施例では、前記ダンサーローラ3を上下方向に移動させて前記帯状体1に張力を付与する張力付与機構が設けられている。具体的には、前記支持体7を下方に引っ張るバネ機構(図示省略)が設けられている。また、ダンサーローラ3の自重で張力を付与する構成としても良い。なお、張力付与機構を用いない構成としても良い(ダンサーローラ3は張力を付与する目的以外で使用することもできる。)。
【0040】
上述の構成の印刷装置においては、前記当接体4との接触により前記第二層1bが前記第一層1aから浮き上がるように剥離した剥離部6の搬送方向長さを確認する確認工程と、前記当接体4同士の間隔を前記確認した前記剥離部6の搬送方向長さより大きい間隔とする間隔調整工程とにより、当接体4同士の間隔を剥離部6が押しつぶされない間隔とした上で、本印刷工程を行うことで、より確実に剥離部6に起因する皺が生じないようにすることができる。
【0041】
すなわち、本印刷工程を行う前に、適当な(当接体4同士の間隔が十分広いと想定される)ダンサーローラ3をセットした状態で予備的に印刷を行い、剥離部6の搬送方向長さ(剥離始端から剥離終端までの距離Y)を把握した上で、必要に応じて、当接体4の間隔(前記距離X)を、前記剥離部6の搬送方向長さよりやや大きい間隔に調整することで、剥離部6が形成された場合でも該剥離部6が押しつぶされない構成とすることができる(剥離部6の大きさは粘着剤の粘着力、粘着剤の配置パターン、当接体4の当接度合いなどにより異なるが、同一条件であれば、ある程度前記距離Yの範囲は予測でき、これを許容し得る前記距離Xを設定する。)。
【0042】
例えば、剥離部6の搬送方向長さは、予備的に印刷した際の剥離部6を実際に測定して確認しても良いし、予めセットされた当接体4同士の間隔で十分か否か目視確認することで把握しても良い。当接体4同士の間隔が狭い場合には、より当接体4同士の間隔が広いダンサーローラ3に交換したり、当接体4の取付位置を変更することで間隔を調整する。
【0043】
本実施例は上述のように構成したから、ダンサーローラ3の当接体4は、ダンサーローラ3に掛け回される湾曲部分で帯状体1全体にわたって接触せず、帯状体1の第二層1bと断続的に接触するため、それだけ接触面積が小さくなり第二層1bが第一層1aから浮き上がるように剥離した剥離部6が生じ難く、皺の発生が可及的に防止されることになる。
【0044】
さらに、剥離部6が生じた場合でも、例えば当接体4同士の間隔を剥離部6の搬送方向長さより大きくしておくことで、剥離部6を当接体4間において逃がすことができ、よって、ダンサーローラ3の回転に伴い当接体4により剥離部6が押しつぶされることも可及的に防止され、この点でも皺の発生が可及的に防止されることになる。
【0045】
よって、本実施例は、帯状体1がダンサーローラ3と接触した際に剥離部6が形成され難く、且つ、剥離部6が形成された場合にも皺が生じ難い、これまでにない印刷装置となる。