(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023130534
(43)【公開日】2023-09-21
(54)【発明の名称】端末装置、基地局装置、方法、および、集積回路
(51)【国際特許分類】
H04W 48/16 20090101AFI20230913BHJP
H04W 4/00 20180101ALI20230913BHJP
H04W 76/25 20180101ALI20230913BHJP
【FI】
H04W48/16
H04W4/00 110
H04W76/25
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020133692
(22)【出願日】2020-08-06
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100160783
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 裕之
(72)【発明者】
【氏名】坪井 秀和
(72)【発明者】
【氏名】山田 昇平
(72)【発明者】
【氏名】堀 貴子
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA13
5K067BB04
5K067BB21
5K067DD11
5K067DD17
5K067DD19
5K067EE04
5K067EE10
5K067EE24
5K067EE56
5K067HH22
5K067HH23
5K067JJ13
5K067JJ71
(57)【要約】
【課題】通信制御を効率的に行うことができる端末装置、基地局装置、方法、集積回路を提供すること。
【解決手段】端末装置が、第2のセルグループに適用される第1の設定と、第2の設定と、第1の情報を受信し、前記第1の情報として第1の値を受信した場合に、前記第1の設定を用いた再設定をおこない、前記第1の情報として第2の値を受信した場合に、前記第2の設定を用いた再設定をおこない、前記第1の情報に基づく再設定をおこなう場合に、前記第2のセルグループにおいてMACをリセットせずRLCを再確立する。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のセルグループと第2のセルグループとが設定される端末装置であって、
前記第2のセルグループに適用される第1の設定を受信し、前記第2のセルグループに適用される第2の設定を受信する受信部と、
前記第2のセルグループに適用される第2の設定を受信した場合に、前記第2のセルグループに適用される前記第1の設定および前記第2の設定を保持する保持部と、
無線リソース制御を行う制御部とを備え、
前記受信部は、第1の情報を受信し、
前記制御部は、前記第1の情報として第1の値を受信した場合に、前記第1の設定を用いた再設定をおこない、
前記第1の情報として第2の値を受信した場合に、前記第2の設定を用いた再設定をおこない、
前記第1の情報に基づいた再設定をおこなう場合に、前記第2のセルグループにおいてMACをリセットせずRLCを再確立する
端末装置。
【請求項2】
前記第1の設定と前記第2の設定は同一の情報要素で構成される
請求項1記載の端末装置。
【請求項3】
端末装置と通信する基地局装置であって、
第2のセルグループに適用される第1の設定を送信し、前記第2のセルグループに適用される第2の設定を送信する送信部と、
無線リソース制御を行う制御部とを備え、
前記送信部は、第1の情報を送信し、
前記制御部は、前記第1の情報として第1の値を送信することによって、前記端末装置に対して前記第1の設定を用いた再設定をおこなわせ、
前記第1の情報として第2の値を送信することによって、前記端末装置に対して前記第2の設定を用いた再設定をおこなわせ、
前記端末装置に前記第1の情報に基づいた再設定をおこなわせる場合に、前記端末装置が前記第2のセルグループにおいてMACをリセットせずRLCを再確立したとみなして無線リソース制御を行う
基地局装置。
【請求項4】
第1のセルグループと第2のセルグループとが設定される端末装置に適用される方法であって、
前記第2のセルグループに適用される第1の設定を受信するステップと、前記第2のセルグループに適用される第2の設定を受信するステップと、第1の情報を受信するステップと、
前記第2のセルグループに適用される第2の設定を受信した場合に、前記第2のセルグループに適用される前記第1の設定および前記第2の設定を保持するステップと、
無線リソース制御を行うステップとを備え、
前記第1の情報として第1の値を受信した場合に、前記第1の設定を用いた再設定をおこない、
前記第1の情報として第2の値を受信した場合に、前記第2の設定を用いた再設定をおこない、
前記第1の情報に基づいた再設定をおこなう場合に、前記第2のセルグループにおいてMACをリセットせずRLCを再確立する
方法。
【請求項5】
端末装置と通信する基地局装置に適用される方法であって、
第2のセルグループに適用される第1の設定を送信するステップと、前記第2のセルグループに適用される第2の設定を送信するステップと、第1の情報を送信するステップと、
無線リソース制御を行うステップとを備え、
前記第1の情報として第1の値を送信することによって、前記端末装置に対して前記第1の設定を用いた再設定をおこなわせ、
前記第1の情報として第2の値を送信することによって、前記端末装置に対して前記第2の設定を用いた再設定をおこなわせ、
前記端末装置に前記第1の情報に基づいた再設定をおこなわせる場合に、前記端末装置が前記第2のセルグループにおいてMACをリセットせずRLCを再確立したとみなして無線リソース制御を行う
方法。
【請求項6】
第1のセルグループと第2のセルグループとが設定される端末装置に実装される集積回路であって、
前記第2のセルグループに適用される第1の設定を受信する機能と、前記第2のセルグループに適用される第2の設定を受信する機能と、第1の情報を受信する機能と、
前記第2のセルグループに適用される第2の設定を受信した場合に、前記第2のセルグループに適用される前記第1の設定および前記第2の設定を保持する機能と、
無線リソース制御を行う機能とを前記端末装置に対して発揮させ、
前記第1の情報として第1の値を受信した場合に、前記第1の設定を用いた再設定をおこない、
前記第1の情報として第2の値を受信した場合に、前記第2の設定を用いた再設定をおこない、
前記第1の情報に基づいた再設定をおこなう場合に、前記第2のセルグループにおいてMACをリセットせずRLCを再確立する
集積回路。
【請求項7】
端末装置と通信する基地局装置に実装される集積回路であって、
第2のセルグループに適用される第1の設定を送信する機能と、前記第2のセルグループに適用される第2の設定を送信する機能と、第1の情報を送信する機能と、
無線リソース制御を行う機能とを前記基地局装置に対して発揮させ、
前記第1の情報として第1の値を送信することによって、前記端末装置に対して前記第1の設定を用いた再設定をおこなわせ、
前記第1の情報として第2の値を送信することによって、前記端末装置に対して前記第2の設定を用いた再設定をおこなわせ、
前記端末装置に前記第1の情報に基づいた再設定をおこなわせる場合に、前記端末装置が前記第2のセルグループにおいてMACをリセットせずRLCを再確立したとみなして無線リソース制御を行う
集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、基地局装置、方法、および、集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
セルラ-移動通信の無線アクセス方式および無線ネットワーク(以下、「Long Term Evolution(LTE:登録商標)」、または、「Evolved Universal Terrestrial Radio Access:EUTRA」と称する。)、及びコアネットワーク(以下、「Evolved Packet Core:EPC」)が、第3世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project:3GPP)において検討されている。EUTRAはE-UTRAとも称する。
【0003】
また、3GPPにおいて、第5世代のセルラ-システムに向けた無線アクセス方式および無線ネットワーク技術として、LTEの拡張技術であるLTE-Advanced Pro、および新しい無線アクセス技術であるNR(New Radio technology)の技術検討及び規格策定が行われている(非特許文献1)。また第5世代セルラーシステムに向けたコアネットワークである、5GC(5 Generation Core Network)の検討も行われている(非特許文献2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】3GPP RP-170855,”Work Item on New Radio (NR) Access Technology”
【非特許文献2】3GPP TS 23.501 v15.3.0,“System Architecture for the 5G System; Stage 2”
【非特許文献3】3GPP RP-182076, “WID on Multi-RAT Dual-Connectivity and Carrier Aggregation enhancements”
【非特許文献4】3GPP TS 36.300, v15.3.0,“Evolved Universal Terestrial Radio Access (E-UTRA)and Evolved Universal Terestrial Radio Access Network (E-UTRAN);Overall description; Stage 2”
【非特許文献5】3GPP TS 38.300v 15.3.0,“NR;NR and NG-RAN Overall description; Stage 2”
【非特許文献6】3GPP TS 36.321 v15.3.0,“Evolved Universal Terestrial Radio Access (E-UTRA);Medium Access Control (MAC) protocol specification”
【非特許文献7】3GPP TS 38.321 v15.3.0,“NR;Medium Access Control (MAC) protocol specification”
【非特許文献8】3GPP TS 36.331 v15.4.0,“Evolved Universal Terestrial Radio Access (E-UTRA);Radio Resource Control (RRC);Protocol specifications”
【非特許文献9】3GPP TS 38.331 v15.4.0,“NR;Radio Resource Control (RRC);Protocol specifications”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
NRの技術の一つとして、大容量のデータ通信を可能とするために、複数のセルグループを用いて一つまたは複数の基地局装置と端末装置とが通信するデュアルコネクティビティ(マルチコネクティビティとも称する)技術がある。このデュアルコネクティビティでは、それぞれのセルグループで通信を行うために、端末装置はそれぞれのセルグループにおいて自分宛のメッセージの有無をモニタする必要がある。端末装置は大容量のデータ通信が発生したときに低遅延で通信できるように、常に複数のセルグループのモニタを行う必要があり、多くの電力を消費する問題があった。そのため、一部のセルグループのモニタを低頻度で行う、または停止する技術(セルグループの休眠(Dormant)技術)の検討が開始された(非特許文献3)。
【0006】
セルグループの休眠において、現状では常に活性(Activate)状態であるセル(SpCell)をどのように扱うかが検討されている。
【0007】
本発明の一態様は、上記した事情に鑑みてなされたもので、通信制御を効率的に行うことができる端末装置、基地局装置、方法、集積回路を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記の目的を達成するために、本発明の一態様は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の第1の実施の様態は、第1のセルグループと第2のセルグループとが設定される端末装置であって、前記第2のセルグループに適用される第1の設定を受信し、前記第2のセルグループに適用される第2の設定を受信する受信部と、前記第2のセルグループに適用される第2の設定を受信した場合に、前記第2のセルグループに適用される前記第1の設定および前記第2の設定を保持する保持部と、無線リソース制御を行う制御部とを備え、前記受信部は、第1の情報を受信し、前記制御部は、前記第1の情報として第1の値を受信した場合に、前記第1の設定を用いた再設定をおこない、前記第1の情報として第2の値を受信した場合に、前記第2の設定を用いた再設定をおこない、前記第1の情報に基づいた再設定をおこなう場合に、前記第2のセルグループにおいてMACをリセットせずRLCを再確立する。
【0009】
(2)本発明の第2の実施の様態は、端末装置と通信する基地局装置であって、第2のセルグループに適用される第1の設定を送信し、前記第2のセルグループに適用される第2の設定を送信する送信部と、無線リソース制御を行う制御部とを備え、前記送信部は、第1の情報を送信し、前記制御部は、前記第1の情報として第1の値を送信することによって、前記端末装置に対して前記第1の設定を用いた再設定をおこなわせ、前記第1の情報として第2の値を送信することによって、前記端末装置に対して前記第2の設定を用いた再設定をおこなわせ、前記端末装置に前記第1の情報に基づいた再設定をおこなわせる場合に、前記端末装置が前記第2のセルグループにおいてMACをリセットせずRLCを再確立したとみなして無線リソース制御を行う。
【0010】
(3)本発明の第3の実施の様態は、第1のセルグループと第2のセルグループとが設定される端末装置に適用される方法であって、前記第2のセルグループに適用される第1の設定を受信するステップと、前記第2のセルグループに適用される第2の設定を受信するステップと、第1の情報を受信するステップと、
前記第2のセルグループに適用される第2の設定を受信した場合に、前記第2のセルグ
ループに適用される前記第1の設定および前記第2の設定を保持するステップと、無線リソース制御を行うステップとを備え、前記第1の情報として第1の値を受信した場合に、前記第1の設定を用いた再設定をおこない、前記第1の情報として第2の値を受信した場合に、前記第2の設定を用いた再設定をおこない、前記第1の情報に基づいた再設定をおこなう場合に、前記第2のセルグループにおいてMACをリセットせずRLCを再確立する。
【0011】
(4)本発明の第4の実施の様態は、端末装置と通信する基地局装置に適用される方法であって、第2のセルグループに適用される第1の設定を送信するステップと、前記第2のセルグループに適用される第2の設定を送信するステップと、第1の情報を送信するステップと、無線リソース制御を行うステップとを備え、前記第1の情報として第1の値を送信することによって、前記端末装置に対して前記第1の設定を用いた再設定をおこなわせ、前記第1の情報として第2の値を送信することによって、前記端末装置に対して前記第2の設定を用いた再設定をおこなわせ、前記端末装置に前記第1の情報に基づいた再設定をおこなわせる場合に、前記端末装置が前記第2のセルグループにおいてMACをリセットせずRLCを再確立したとみなして無線リソース制御を行う。
【0012】
(5)本発明の第5の実施の様態は、第1のセルグループと第2のセルグループとが設定される端末装置に実装される集積回路であって、前記第2のセルグループに適用される第1の設定を受信する機能と、前記第2のセルグループに適用される第2の設定を受信する機能と、第1の情報を受信する機能と、前記第2のセルグループに適用される第2の設定を受信した場合に、前記第2のセルグループに適用される前記第1の設定および前記第2の設定を保持する機能と、無線リソース制御を行う機能とを前記端末装置に対して発揮させ、前記第1の情報として第1の値を受信した場合に、前記第1の設定を用いた再設定をおこない、前記第1の情報として第2の値を受信した場合に、前記第2の設定を用いた再設定をおこない、前記第1の情報に基づいた再設定をおこなう場合に、前記第2のセルグループにおいてMACをリセットせずRLCを再確立する。
【0013】
(6)本発明の第6の実施の様態は、端末装置と通信する基地局装置に実装される集積回路であって、第2のセルグループに適用される第1の設定を送信する機能と、前記第2のセルグループに適用される第2の設定を送信する機能と、第1の情報を送信する機能と、無線リソース制御を行う機能とを前記基地局装置に対して発揮させ、前記第1の情報として第1の値を送信することによって、前記端末装置に対して前記第1の設定を用いた再設定をおこなわせ、前記第1の情報として第2の値を送信することによって、前記端末装置に対して前記第2の設定を用いた再設定をおこなわせ、前記端末装置に前記第1の情報に基づいた再設定をおこなわせる場合に、前記端末装置が前記第2のセルグループにおいてMACをリセットせずRLCを再確立したとみなして無線リソース制御を行う。
【0014】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一態様によれば、端末装置は、効率的な通信制御処理を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の各実施の形態に係る通信システムの概略図。
【
図2】本発明の各実施の形態における、E-UTRAにおける端末装置と基地局装置のUP及びCPのプロトコルスタック図。
【
図3】本発明の各実施の形態における、NRにおける端末装置と基地局装置のUP及びCPのプロトコルスタック図。
【
図4】本発明の各実施の形態におけるRRC208及び/又はRRC308における、各種設定のための手順のフローの一例を示す図
【
図5】本発明の各実施の形態における端末装置の構成を示すブロック図。
【
図6】本発明の各実施の形態における基地局装置の構成を示すブロック図。
【
図7】本発明の実施の形態におけるNRでのセルグループ設定に関する情報要素の一例。
【
図8】本発明の実施の形態におけるE-UTRAでのセルグループ設定に関する情報要素の一例。
【
図9】本発明の実施の形態におけるSCGの休眠に関する処理の一例。
【
図10】本発明の実施の形態におけるSCGの休眠に関する処理の一例。
【
図11】本発明の実施の形態におけるSCGの休眠に関する処理の一例。
【
図12】本発明の実施の形態におけるSCGの休眠に関する処理の一例。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
LTE(およびLTE-A Pro)とNRは、異なる無線アクセス技術(Radio
Access Technology:RAT)として定義されてもよい。また、NRとMulti Radio Dual connectivityで接続可能なLTEは、従来のLTEと区別されてもよい。また、コアネットワークが5GCであるLTEは、コアネットワークがEPCである従来のLTEと区別されてもよい。本実施形態はNR、LTEおよび他のRATに適用されてよい。以下の説明では、LTEおよびNRに関連する用語を用いて説明するが、本実施形態は他の用語を用いる他の技術において適用されてもよい。また本実施形態でのE-UTRAという用語は、LTEという用語に置き換えられてもよいし、LTEという用語はE-UTRAという用語に置き換えられてもよい。
【0019】
図1は本発明の各実施の形態に係る通信システムの概略図である。
【0020】
E-UTRA100は非特許文献4等に記載の無線アクセス技術であり、1つ又は複数の周波数帯域で構成するセルグループ(Cell Group:CG)から成る。eNB(E-UTRAN Node B)102は、E-UTRA100の基地局装置である。EPC(Evolved Packet Core)104は、非特許文献14等に記載のコア網であり、E-UTRA100用のコア網として設計された。インタフェース112はeNB102とEPC104の間のインタフェース(interface)であり、制御信号が通る制御プレーン(Control Plane:CP)と、そのユーザデータが通るユーザプレーン(User Plane:UP)が存在する。
【0021】
NR106は非特許文献5等に記載の無線アクセス技術であり、1つ又は複数の周波数帯域で構成するセルグループ(Cell Group:CG)から成る。gNB(g Node B)108は、NR106の基地局装置である。5GC110は、非特許文献2等に記載のコア網であり、NR106用のコア網として設計されているが、5GC110に接続する機能をもつE-UTRA100用のコア網として使われてもよい。以下E-UTRA100とは5GC110に接続する機能をもつE-UTRA100を含んでもよい。
【0022】
インタフェース114はeNB102と5GC110の間のインタフェース、インタフェース116はgNB108と5GC110の間のインタフェース、インタフェース118はgNB108とEPC104の間のインタフェース、インタフェース120はeNB102とgNB108の間のインタフェース、インタフェース124はEPC104と5GC110間のインタフェースである。インタフェース114、インタフェース116、インタフェース118、インタフェース120、及びインタフェース124等はCPのみ、又はUPのみ、又はCP及びUP両方を通すインタフェースであってもよい。また、インタフェース114、インタフェース116、インタフェース118、インタフェース120、及びインタフェース124等は、通信事業者が提供する通信システムに応じて存在しない場合があってもよい。
【0023】
UE122はE-UTRA100及びNR106の内の一部または全てに対応した端末装置である。非特許文献4、及び非特許文献5の内の一部または全てに記載の通り、UE122が、E-UTRA100及びNR106の内の一部または全てを介してコア網と接続する際、UE122と、E-UTRA100及びNR106の内の一部または全てとの間に、無線ベアラ(RB:Radio Bearer)と呼ばれる論理経路が確立される。CPに用いられる無線ベアラは、シグナリング無線ベアラ(SRB:Signaling Radio Bearer)と呼ばれ、UPに用いられる無線ベアラは、データ無線ベアラ(DRB Data Radio Bearer)と呼ばれる。
【0024】
図2は本発明の各実施の形態における、E-UTRA無線アクセス層(無線アクセスレイヤ)における端末装置と基地局装置のUP及びCPのプロトコルスタック(Protocol Stack)図である。
【0025】
図2(A)はE-UTRA100においてUE122がeNB102と通信を行う際に用いるUPのプロトコルスタック図である。
【0026】
PHY(Physical layer)200は、無線物理層(無線物理レイヤ)であり、物理チャネル(Physical Channel)を利用して上位層(上位レイヤ)に伝送サービスを提供する。PHY200は、後述する上位のMAC(Medium
Access Control layer)202とトランスポートチャネル(Transport Channel)で接続される。トランスポートチャネルを介して、MAC202とPHY200の間でデ-タが移動する。UE122とeNB102のPHY間において、無線物理チャネルを介してデ-タの送受信が行われる。
【0027】
MAC202は、多様な論理チャネル(ロジカルチャネル:Logical Channel)を多様なトランスポートチャネルにマッピングを行う媒体アクセス制御層(媒体アクセス制御レイヤ)である。MAC202は、後述する上位のRLC(Radio Link Control layer)204と、論理チャネル(ロジカルチャネル)で接続される。論理チャネルは、伝送される情報の種類によって大きく分けられ、制御情報を伝送する制御チャネルとユ-ザ情報を伝送するトラフィックチャネルに分けられる。MAC202は、間欠受送信(DRX・DTX)を行うためにPHY200の制御を行う機能、ランダムアクセス(Random Access)手順を実行する機能、送信電力の情報を通知する機能、HARQ制御を行う機能などを持ってもよい。また、MAC302は、RRCレイヤで設定されたセルの活性状態を制御する機能を持ってもよい(非特許文献6)。
【0028】
RLC204は、後述する上位のPDCP(Packet Data Convergence Protocol Layer)206から受信したデ-タを分割(Segmentation)し、下位層(下位レイヤ)が適切にデ-タ送信できるようにデ-タサイズを調節する無線リンク制御層(無線リンク制御レイヤ)である。
【0029】
PDCP206は、IPパケット(IP Packet)等のユーザデータを無線区間で効率的に伝送するためのパケットデータ収束プロトコル層(パケットデータ収束プロトコルレイヤ)である。PDCP206は、制御情報の圧縮を行うヘッダ圧縮機能を持ってもよい。また、PDCP206は、デ-タの暗号化の機能も持ってもよい。
【0030】
なお、MAC202、RLC204、PDCP206において処理されたデータの事を、それぞれMAC PDU(Protocol Data Unit)、RLC PDU、PDCP PDUと呼ぶ。また、MAC202、RLC204、PDCP206に上位層から渡されるデータ、又は上位層に渡すデータの事を、それぞれMAC SDU(Service Data Unit)、RLC SDU、PDCP SDUと呼ぶ。また分割されたRLC SDUの事をRLC SDUセグメントと呼ぶ。
【0031】
図2(B)はE-UTRA100において、UE122がeNB102、および認証やモビリティマネージメントなどの機能を提供する論理ノードであるMME(Mobility Management Entity)と通信を行う際に用いるCPのプロトコルスタック図である。
【0032】
CPのプロトコルスタックには、PHY200、MAC202、RLC204、PDCP206に加え、RRC(Radio Resource Control layer)208、およびNAS(non Access Strarum)210が存在する。RRC208は、RRC接続の確立、再確立、一時停止(suspend)、一時停止解除(resume)等の処理や、RRC接続の再設定、例えば無線ベアラ(Radio Bearer:RB)及びセルグループ(Cell Group)の確立、変更、解放等の設定を行い、論理チャネル、トランスポートチャネル及び物理チャネルの制御などを行う他、ハンドオーバ及び測定(Measurement:メジャメント)の設定などを行う、無線リンク制御層(無線リンク制御レイヤ)である。RBは、シグナリグ無線ベアラ(Signaling Radio Bearer:SRB)とデ-タ無線ベアラ(Data Radio Bearer:DRB)とに分けられてもよく、SRBは、制御情報であるRRCメッセージを送信する経路として利用されてもよい。DRBは、ユーザデータを送信する経路として利用されてもよい。eNB102とUE122のRRC208間で各RBの設定が行われてもよい。またRBのうちRLC204と論理チャネル(ロジカルチャネル)で構成される部分をRLCベアラと称してもよい。また、MMEとUE122との間の信号を運ぶNAS層(NASレイヤ)に対して、UE122とeNB102との間の信号及びデータを運ぶPHY200、MAC202、RLC204、PDCP206、RRC208の一部の層(レイヤ)あるいはすべての層(レイヤ)をAS(Access Strarum)層(ASレイヤ)と称してよい。
【0033】
前述のMAC202、RLC204、PDCP206、及びRRC208の機能分類は一例であり、各機能の一部あるいは全部が実装されなくてもよい。また、各層の機能の一部あるいは全部が他の層に含まれてもよい。
【0034】
なお、IPレイヤ、及びIPレイヤより上のTCP(Transmission Control Protocol)層(TCPレイヤ)、UDP(User Datagram Protocol)層(UDPレイヤ)、アプリケーション層(アプリケーションレイヤ)などは、PDCPレイヤの上位層(上位レイヤ)となる(不図示)。またRRCレイヤやNAS(non Access Strarum)レイヤもPDCPレイヤの上位レイヤとなる(不図示)。言い換えれば、PDCPレイヤはRRCレイヤ、NASレイヤ、IPレイヤ、及びIPレイヤより上のTCP(Transmission Control Protocol)レイヤ、UDP(User Datagram Protocol)レイヤ、アプリケーションレイヤの下位層(下位レイヤ)となる。
【0035】
図3は本発明の各実施の形態における、NR無線アクセスレイヤにおける端末装置と基地局装置のUP及びCPのプロトコルスタック(Protocol Stack)図である。
【0036】
図3(A)はNR106においてUE122がgNB108と通信を行う際に用いるUPのプロトコルスタック図である。
【0037】
PHY(Physical layer)300は、NRの無線物理層(無線物理レイヤ)であり、物理チャネル(Physical Channel)を利用して上位層に伝送サービスを提供してもよい。PHY300は、後述する上位のMAC(Medium Access Control layer)302とトランスポートチャネル(Transport Channel)で接続されてもよい。トランスポートチャネルを介して、MAC302とPHY300の間でデ-タが移動してもよい。UE122とgNB108のPHY間において、無線物理チャネルを介してデ-タの送受信が行われてもよい。
【0038】
ここで、物理チャネルについて説明する。
【0039】
端末装置と基地局装置との無線通信では、以下の物理チャネルが用いられてよい。
【0040】
PBCH(物理報知チャネル:Physical Broadcast CHannel)
PDCCH(物理下りリンク制御チャネル:Physical Downlink Control CHannel)
PDSCH(物理下りリンク共用チャネル:Physical Downlink Shared CHannel)
PUCCH(物理上りリンク制御チャネル:Physical Uplink Control CHannel)
PUSCH(物理上りリンク共用チャネル:Physical Uplink Shared CHannel)
PRACH(物理ランダムアクセスチャネル:Physical Random Access CHannel)
【0041】
PBCHは、端末装置が必要とするシステム情報を報知するために用いられる。
【0042】
また、NRにおいて、PBCHは、同期信号のブロック(SS/PBCHブロックとも称する)の周期内の時間インデックス(SSB-Index)を報知するために用いられてよい。
【0043】
PDCCHは、下りリンクの無線通信(基地局装置から端末装置への無線通信)において、下りリンク制御情報(Downlink Control Information:DCI)を送信する(または運ぶ)ために用いられる。ここで、下りリンク制御情報の送信に対して、1つまたは複数のDCI(DCIフォーマットと称してもよい)が定義される。すなわち、下りリンク制御情報に対するフィールドがDCIとして定義され、情報ビットへマップされる。PDCCHは、PDCCH候補において送信される。端末装置は、サービングセルにおいてPDCCH候補(candidate)のセットをモニタする。モニタするとは、あるDCIフォーマットに応じてPDCCHのデコードを試みることを意味する。あるDCIフォーマットは、サービングセルにおけるPUSCHのスケジューリングのために用いられてもよい。PUSCHは、ユーザデータの送信や、RRCメッセージの送信などのために使われてよい。
【0044】
PUCCHは、上りリンクの無線通信(端末装置から基地局装置への無線通信)において、上りリンク制御情報(Uplink Control Information:UCI)を送信するために用いられてよい。ここで、上りリンク制御情報には、下りリンクのチャネルの状態を示すために用いられるチャネル状態情報(CSI:Channel State Information)が含まれてもよい。また、上りリンク制御情報には、UL-SCHリソースを要求するために用いられるスケジューリング要求(SR:Scheduling Request)が含まれてもよい。また、上りリンク制御情報には、HARQ-ACK(Hybrid Automatic Repeat request ACKnowledgement)が含まれてもよい。
【0045】
PDSCHは、MAC層からの下りリンクデータ(DL-SCH:Downlink Shared CHannel)の送信に用いられてよい。また、下りリンクの場合にはシステム情報(SI:System Information)やランダムアクセス応答(RAR:Random Access Response)などの送信にも用いられる。
【0046】
PUSCHは、MAC層からの上りリンクデータ(UL-SCH:Uplink Shared CHannel)または上りリンクデータと共にHARQ-ACKおよび/またはCSIを送信するために用いられてもよい。またPUSCHは、CSIのみ、または、HARQ-ACKおよびCSIのみを送信するために用いられてもよい。すなわちPUSCHは、UCIのみを送信するために用いられてもよい。また、PDSCHまたはPUSCHは、RRCシグナリング(RRCメッセージとも称する)、およびMAC制御要素(MAC CE)を送信するために用いられてもよい。ここで、PDSCHにおいて、基地局装置から送信されるRRCシグナリングは、セル内における複数の端末装置に対して共通のシグナリングであってもよい。また、基地局装置から送信されるRRCシグナリングは、ある端末装置に対して専用のシグナリング(dedicated signalingとも称する)であってもよい。すなわち、端末装置固有(UEスペシフィック)の情報は、ある端末装置に対して専用のシグナリングを用いて送信されてもよい。また、PUSCHは、上りリンクにおいてUEの能力(UE Capability)の送信に用いられてもよい。
【0047】
PRACHは、ランダムアクセスプリアンブルを送信するために用いられてもよい。PRACHは、初期コネクション確立(initial connection establishment)プロシージャ、ハンドオーバプロシージャ、コネクション再確立(connection re-establishment)プロシージャ、上りリンク送信に対する同期(タイミング調整)、およびPUSCH(UL-SCH)リソースの要求を示すために用いられてもよい。
【0048】
MAC302は、多様な論理チャネル(ロジカルチャネル:Logical Channel)を多様なトランスポートチャネルにマッピングを行う媒体アクセス制御層(媒体アクセス制御レイヤ)である。MAC302は、後述する上位のRLC(Radio Link Control layer)304と、論理チャネル(ロジカルチャネル)で接続されてもよい。論理チャネルは、伝送される情報の種類によって大きく分けられ、制御情報を伝送する制御チャネルとユ-ザ情報を伝送するトラフィックチャネルに分けられてもよい。MAC302は、間欠受送信(DRX・DTX)を行うためにPHY300の制御を行う機能、ランダムアクセス(Random Access)手順を実行する機能、送信電力の情報を通知する機能、HARQ制御を行う機能などを持ってもよい。また、MAC302は、RRCレイヤで設定されたセルの活性状態を制御する機能を持ってもよい(非特許文献7)。
【0049】
RLC304は、後述する上位のPDCP(Packet Data Convergence Protocol Layer)306から受信したデ-タを分割(Segmentation)し、下位層が適切にデ-タ送信できるようにデ-タサイズを調節する無線リンク制御層(無線リンク制御レイヤ)である。
【0050】
PDCP306は、IPパケット(IP Packet)等のユーザデータを無線区間で効率的に伝送するパケットデータ収束プロトコル層(パケットデータ収束プロトコル層)である。PDCP306は、制御情報の圧縮を行うヘッダ圧縮機能を持ってもよい。また、PDCP306は、デ-タの暗号化、データの完全性保護の機能も持ってもよい。
【0051】
SDAP(Service Data Adaptation Protocol)310は、5GC110から基地局装置を介して端末装置に送られるダウンリンクのQoSフローとDRBとの対応付け(マッピング:mapping)、及び端末装置から基地局装置を介して5GC110に送られるアップリンクのQoSフローと、DRBとのマッピングを行い、マッピングルール情報を格納する機能を持もつ、サービスデータ適応プロトコル層(サービスデータ適応プロトコルレイヤ)である。
【0052】
なお、MAC302、RLC304、PDCP306、SDAP310において処理されたデータの事を、それぞれMAC PDU(Protocol Data Unit)、RLC PDU、PDCP PDU、SDAP PDUと呼ぶ。また、MAC302、RLC304、PDCP306、SDAP310に上位層から渡されるデータ、又は上位層に渡すデータの事を、それぞれMAC SDU(Service Data Unit)、RLC SDU、PDCP SDU、SDAP SDUと呼ぶ。また、分割されたRLC SDUの事をRLC SDUセグメントと呼ぶ。
【0053】
図3(B)はNR106において、UE122がgNB108、および認証やモビリティマネージメントなどの機能を提供する論理ノードであるAMF(Access and Mobility Management function)と通信を行う際に用いるCPのプロトコルスタック図である。
【0054】
CPのプロトコルスタックには、PHY300、MAC302、RLC304、PDCP306に加え、RRC(Radio Resource Control layer)308、およびNAS(non Access Strarum)312が存在する。RRC308は、RRC接続の確立、再確立、一時停止(suspend)、一時停止解除(resume)等の処理や、RRC接続の再設定、例えば無線ベアラ(Radio Bearer:RB)及びセルグループ(Cell Group)の確立、変更、解放等の設定を行い、論理チャネル、トランスポートチャネル及び物理チャネルの制御などを行う他、ハンドオーバ及び測定(Measurement:メジャメント)の設定などを行う、無線リンク制御層(無線リンク制御レイヤ)である。RBは、シグナリグ無線ベアラ(Signaling Radio Bearer:SRB)とデ-タ無線ベアラ(Data Radio Bearer:DRB)とに分けられてもよく、SRBは、制御情報であるRRCメッセージを送信する経路として利用されてもよい。DRBは、ユーザデータを送信する経路として利用されてもよい。gNB108とUE122のRRC308間で各RBの設定が行われてもよい。またRBのうちRLC304と論理チャネル(ロジカルチャネル)で構成される部分をRLCベアラと称してもよい。また、AMFとUE122との間の信号を運ぶNASレイヤに対して、UE122とgNB108との間の信号及びデータを運ぶPHY300、MAC302、RLC304、PDCP306、RRC308、SDAP310の一部のレイヤあるいはすべてのレイヤをAS(Access Strarum)レイヤと称してよい。
【0055】
前述のMAC302、RLC304、PDCP306、SDAP310、及びRRC308の機能分類は一例であり、各機能の一部あるいは全部が実装されなくてもよい。また、各層(各レイヤ)の機能の一部あるいは全部が他の層(レイヤ)に含まれてもよい。
【0056】
なお、AS層の上位層(不図示)を非特許文献2に記載の通り、PDU層(PDUレイヤ)と呼んでもよい。PDUレイヤには、IPレイヤ、及びIPレイヤより上のTCP(Transmission Control Protocol)レイヤ、UDP(User Datagram Protocol)レイヤ、その他の層のうちの何れか又は全てが含まれてもよい。アプリケーションレイヤはPDU層の上位層であってもよいし、PDU層に含まれていてもよい。なお、PDU層は、AS層のユーザプレーンに対する上位層であってもよい。またRRCレイヤやNAS(non Access Strarum)レイヤもSDAPレイヤ及びPDCPレイヤの内のいずれかまたは全ての上位レイヤとなってもよい(不図示)。言い換えれば、SDAPレイヤ及びPDCPレイヤの内のいずれかまたは全てはRRCレイヤ、NASレイヤ、IPレイヤ、及びIPレイヤより上のTCP(Transmission Control Protocol)レイヤ、UDP(User Datagram Protocol)レイヤ、及びアプリケーションレイヤの内のいずれかまたは全ての下位レイヤとなる。
【0057】
なお、端末装置の物理層、MAC層、RLC層、PDCP層、及びSDAP層は、端末装置のRRC層により確立、設定、及び制御のうちの何れか又は全てが行われてもよい。また端末装置のRRC層は、基地局装置のRRC層から送信されるRRCのメッセージに従って、物理層、MAC層、RLC層、PDCP層、及びSDAP層を確立、及び/又は設定してもよい。また、MAC層(MACレイヤ)、RLC層(RLCレイヤ)、PDCP層(PDCPレイヤ)、SDAP層(SDAPレイヤ)を、それぞれMAC副層(MACサブレイヤ)、RLC副層(RLCサブレイヤ)、PDCP副層(PDCPサブレイヤ)、SDAP副層(SDAPサブレイヤ)と呼んでもよい。
【0058】
なお、端末装置、及び基地局装置の内のいずれかまたは全てに設定されるASレイヤに属する各層、又は各層の機能の事を、エンティティと呼んでもよい。即ち、端末装置、及び基地局装置の内のいずれかまたは全てに、確立、設定、及び制御のうちの何れか又は全てが行われる、物理層(PHY層)、MAC層、RLC層、PDCP層、SDAP層、及びRRC層の事、又は各層の機能の事を、物理エンティティ(PHYエンティティ)、MACエンティティ、RLCエンティティ、PDCPエンティティ、SDAPエンティティ、及びRRCエンティティと、それぞれ呼んでもよい。また、各層のエンティティは、各層に一つ又は複数含まれていてもよい。また、PDCPエンティティ、及びRLCエンティティは、無線ベアラ毎に、確立、設定、及び制御のうちの何れか又は全てが行われてもよい。また、MACエンティティはセルグループ毎に、確立、設定、及び制御のうちの何れか又は全てが行われてもよい。また、SDAPエンティティはPDUセッション毎に、確立、設定、及び制御のうちの何れか又は全てが行われてもよい。
【0059】
なお、本発明の各実施の形態では、以下E-UTRAのプロトコルとNRのプロトコルを区別するため、MAC202、RLC204、PDCP206、及びRRC208を、それぞれE-UTRA用MAC又はLTE用MAC、E-UTRA用RLC又はLTE用RLC、E-UTRA用PDCP又はLTE用PDCP、及びE-UTRA用RRC又はLTE用RRCと呼ぶ事もある。また、MAC302、RLC304、PDCP306、RRC308を、それぞれNR用MAC、NR用RLC、NR用RLC、及びNR用RRCと呼ぶ事もある。又は、E-UTRA PDCP又はLTE PDCP、NR PDCPなどとスペースを用いて記述する場合もある。
【0060】
また、
図1に示す通り、eNB102、gNB108、EPC104、5GC110は、インタフェース112、インタフェース116、インタフェース118、インタフェース120、及びインタフェース114を介して繋がってもよい。このため、多様な通信システムに対応するため、
図2のRRC208は、
図3のRRC308に置き換えられてもよい。また
図2のPDCP206は、
図3のPDCP306に置き換えられてもよい。また、
図3のRRC308は、
図2のRRC208の機能を含んでもよい。また
図3のPDCP306は、
図2のPDCP206であってもよい。また、E-UTRA100において、UE122がeNB102と通信する場合であってもPDCPとしてNR PDCPが使われてもよい。
【0061】
次にLTE及びNRにおけるUE122の状態遷移について説明する。EPC、又は5GCに接続するUE122は、RRC接続が設立されている(RRC connection has been established)とき、RRC_CONNECTED状態であってよい。RRC接続が設立されている状態とは、UE122が、後述のUEコンテキストの一部又は全てを保持している状態を含んでもよい。またRRC接続が設立されている状態とは、UE122がユニキャストデータを送信、及び/又は受信できる状態を含んでもよい。また、UE122は、RRC接続が休止しているとき、(もしUE122が5GCに接続しているなら)RRC_INACTIVE状態であってよい。もし、それらのケースでないなら、UE122は、RRC_IDLE状態であってよい。
【0062】
なお、EPCに接続するUE122は、RRC_INACTIVE状態を持たないが、E-UTRANによってRRC接続の休止が開始されてもよい。この場合、RRC接続が休止されるとき、UE122はUEのASコンテキストと復帰に用いる識別子(resumeIdentity)を保持してRRC_IDLE状態に遷移する。UE122がUEのASコンテキストを保持しており、かつE-UTRANによってRRC接続の復帰が許可(Permit)されており、かつUE122がRRC_IDLE状態からRRC_CONNECTED状態に遷移する必要があるとき、休止されたRRC接続の復帰が上位レイヤ(例えばNASレイヤ)によって開始されてよい。
【0063】
すなわち、EPCに接続するUE122と、5GCに接続するUE122とで、休止の定義が異なってよい。また、UE122がEPCに接続している場合(RRC_IDLE状態で休止している場合)と、UE122が5GCに接続している場合(RRC_INACTIVE状態で休止している場合)とで、UE122が休止から復帰する手順のすべてあるいは一部が異なってよい。
【0064】
なお、RRC_CONNECTED状態、RRC_INACTIVE状態、RRC_IDLE状態の事をそれぞれ、接続状態(connected mode)、非活性状態(inactive mode)、休止状態(idle mode)と呼んでもよいし、RRC接続状態(RRC connected mode)、RRC非活性状態(RRC inactive mode)、RRC休止状態(RRC idle mode)と呼んでもよい。
【0065】
UE122が保持するUEのASコンテキストは、現在のRRC設定、現在のセキュリティコンテキスト、ROHC(RObust Header Compression)状態を含むPDCP状態、接続元(Source)のPCellで使われていたC-RNTI(Cell Radio Network Temporary Identifier)、セル識別子(cellIdentity)、接続元のPCellの物理セル識別子、のすべてあるいは一部を含む情報であってよい。なお、eNB102およびgNB108の内のいずれかまたは全ての保持するUEのASコンテキストは、UE122が保持するUEのASコンテキストと同じ情報を含んでもよいし、UE122が保持するUEのASコンテキストに含まれる情報とは異なる情報が含まれてもよい。
【0066】
図4は、本発明の各実施の形態におけるRRC208及び/又は(and/or)RRC308における、各種設定のための手順(procedure)のフローの一例を示す図である。
図4は、基地局装置(eNB102及び/又はgNB108)から端末装置(UE122)にRRCメッセージが送られる場合のフローの一例である。
【0067】
図4において、基地局装置はRRCメッセージを作成する(ステップS400)。基地局装置におけるRRCメッセージの作成は、基地局装置が報知情報(SI:System
Information)やページング情報を配信する際に行われてもよいし、基地局装置が特定の端末装置に対して処理を行わせる必要があると判断した際、例えばセキュリティに関する設定や、RRC接続(コネクション)の再設定(無線線ベアラの処理(確立、変更、解放など)や、セルグループの処理(確立、追加、変更、解放など)、メジャメント設定、ハンドオーバ設定など)、RRC接続状態の解放などの際に行われてもよい。RRCメッセージには各種情報通知や設定のための情報(パラメータ)が含まれる。RRCに関する仕様書(非特許文献8、非特許文献9)では、これらのパラメータは、フィールド及び/又は情報要素呼ばれ、ASN.1(Abstract Syntax Notation One)という記述方式を用いて記述される。
【0068】
RRCメッセージは、その他の目的のために作成されてもよい。例えば、RRCメッセージは、Dual Connectivity(DC)や、Multi-Radio Dual Connectivity(MR-DC)に関する設定に用いられてもよい。
【0069】
図4において、次に基地局装置は、作成したRRCメッセージを端末装置に送信する(ステップS402)。次に端末装置は受信した上述のRRCメッセージに従って、設定などの処理が必要な場合には処理を行う(ステップS404)。
【0070】
Dual Connectivity(DC)とは、2つの基地局装置(ノード)がそれぞれ構成するセルグループ、すなわちマスターノード(Master Node:MN)が構成するマスターセルグループ(Master Cell Group:MCG)及びセカンダリノード(Secondery Node:SN)が構成するセカンダリセルグループ(Secondery Cell Group:SCG)の両方の無線リソースを利用してデータ通信を行う技術であってもよい。また、マスターノードとセカンダリノードは同じノード(同じ基地局装置)であってもよい。またMR-DCとは、E-UTRAとNRの両方のRAT(Radio Access Technology)のセルをRAT毎にセルグループ化してUEに割り当て、MCGとSCGの両方の無線リソースを利用してデータ通信を行う技術であってもよい。MR-DCにおいて、マスターノードとは、MR-DCに係る主なRRC機能、例えば、セカンダリノードの追加、RBの確立、変更、及び解放、MCGの追加、変更、解放、ハンドオーバ等の機能、を持つ基地局であってもよく、セカンダリノードとは、一部のRRC機能、例えばSCGの変更、及び解放等、を持つ基地局であってもよい。
【0071】
MR-DCにおいて、マスターノード側のRATのRRCが、MCG及びSCG両方の設定を行うために用いられてもよい。例えばコア網がEPC104で、マスターノードがeNB102(拡張型eNB102とも称する)である場合のMR-DCであるEN-DC(E-UTRA-NR Dual Connectivity)、コア網が5GC110で、マスターノードがeNB102である場合のMR-DCであるNGEN-DC(NG-RAN E-UTRA-NR Dual Connectivity)において、E-UTRAのRRCメッセージがeNB102とUE122との間で送受信されてもよい。この場合RRCメッセージには、LTE(E-UTRA)の設定情報だけでなく、NRの設定情報が含まれてもよい。またeNB102からUE122に送信されるRRCメッセージは、eNB102からgNB108を経由してUE122に送信されてもよい。また、本RRCメッセージの構成は、非MR-DCであって、eNB102(拡張型eNB)がコア網として5GCを用いるE-UTRA/5GCに用いられてもよい。
【0072】
また逆に、MR-DCにおいて、コア網が5GC110で、マスターノードがgNB108である場合のMR-DCであるNE-DC(NR-E-UTRA Dual Connectivity)において、NRのRRCメッセージがgNB108とUE122との間で送受信されてもよい。この場合のRRCメッセージには、NRの設定情報だけでなく、LTE(E-UTRA)の設定情報が含まれてもよい。またgNB108からUE122に送信されるRRCメッセージは、gNB108からeNB102を経由してUE122に送信されてもよい。
【0073】
なお、MR-DCを利用する場合に限らず、eNB102からUE122に送信されるE-UTRA用RRCメッセージに、NR用RRCメッセージが含まれていてもよいし、gNB108からUE122に送信されるNR用RRCメッセージに、E-UTRA用RRCメッセージが含まれていてもよい。
【0074】
図7は、
図4における、NRでのRRCコネクション再設定に関するメッセージに含まれる、セルグループ設定に関するフィールド及び情報要素うちの一部または全部を表すASN.1記述の一例である。また
図8は、
図4における、E-UTRAでのRRCコネクション再設定に関するメッセージに含まれる、セルグループ設定に関するフィールド及び情報要素うちの一部または全部を表すASN.1記述の一例である。
図7、
図8に限らず、本発明の実施の形態におけるASN.1の例で、<略>及び<中略>とは、ASN.1の表記の一部ではなく、他の情報を省略している事を示す。なお<略>又は<中略>という記載の無い所でも、情報要素が省略されていてもよい。なお本発明の実施の形態においてASN.1の例はASN.1表記方法に正しく従ったものではなく、本発明の実施形態におけるRRCコネクションの再設定に関するメッセージのパラメータの一例を表記したものであり、他の名称や他の表記が使われてもよい。またASN.1の例は、説明が煩雑になることを避けるために、本発明の一形態と密接に関連する主な情報に関する例のみを示す。なお、ASN.1で記述されるパラメータを、フィールド、情報要素等に区別せず、全て情報要素と言う場合がある。また本発明の実施の形態において、RRCメッセージに含まれる、ASN.1で記述されるフィールド、情報要素等のパラメータを、情報と言う場合もある。なおRRCコネクションの再設定に関するメッセージとは、NRにおけるRRC再設定メッセージであってもよいし、E-UTRAにおけるRRCコネクション再設定メッセージであってもよい。
【0075】
図7において、RRCReconfigurationメッセージに含まれるradioBearerConfigには、無線ベアラの設定が含まれてよい。masterCellGroupには、MCGがNRである場合のMCGに関する設定が含まれてよい。secondaryCellGroupには、SCGのセルから端末装置に通知される場合のSCGに関する設定が含まれてよい。mrdc-SecondaryCellGroupConfigには、MCGのセルから端末装置に通知される場合のSCGに関する設定が含まれてよい。
【0076】
上記masterCellGroup、secondaryCellGroup、および/または、mrdc-SecondaryCellGroupConfigには、値としてCellGroupConfig情報要素が含まれてもよい。
【0077】
CellGroupConfig情報要素は、セルグループに関する設定が含まれてよ
い。CellGroupConfig情報要素に含まれるcellGroupIdには、セルグループを識別するための識別子の情報が含まれてよい。mac-CellGroupConfigには、セルグループのMAC層に関する設定が含まれてよい。spCellConfigにはSpCellに関する設定が含まれてよい。sCellToAddModListには、セルグループに属するSCellの追加または変更に関する設定が含まれてよい。sCellToReleaseListには、セルグループに属するSCellの削除に関する情報が含まれてよい。
【0078】
図8において、RRCConnectionReconfigurationメッセージに含まれるsCellToReleaseList-r10には、MCGに属するSCellの削除に関する情報が含まれてよい。sCellToAddModList-r10には、MCGに属するSCellの追加または変更に関する設定が含まれてよい。scg-Configuration-r12には、SCGに関する設定が含まれてよい。scg-Configuration-r12に含まれるscg-ConfigPartSCG-r12には、SCGのSpCellに関する設定(pSCellToAddMod-r12など)、セルグループに属するSCellの追加または変更に関する設定(sCellToAddModListSCG-r12など)、および/またはセルグループに属するSCellの削除に関する情報(sCellToReleaseListSCG-r12など)が含まれてよい。また、ハンドオーバ時のSCellの追加または変更に関する設定、および/またはSCellを追加するときのSCellの追加または変更に関する設定に、SCellの初期状態を示す情報が含まれてもよい。例えば、活性状態(Activated)と休眠状態(Dormant)の何れかを示す情報がRRCメッセージに含まれてもよい。この情報が含まれる場合に、この情報に基づきSCellの初期状態を活性状態(Activated)または休眠状態(Dormant)に設定してもよい。この情報が含まれない場合にSCellの初期状態を不活性状態(Deactivated)にしてもよい。
【0079】
なお、上記各フィールドや情報要素は、上記用途に限定されなくてもよい。
【0080】
上記情報を含むRRCメッセージを基地局装置から受信した端末装置は、情報に基づき、MCGのSpCell(PCell)、MCGのSCell、SCGのSpCell(PSCell)、および/またはSCGのSCellの設定を行う。
【0081】
端末装置は、サービングセル(例えばPCellおよび/またはPSCell)において、ある種類の参照信号(例えばセル固有の参照信号(CRS))を用いて無線リンク監視を行なってもよい。また、端末装置は、サービングセル(例えばPCellおよび/またはPSCell)における無線リンク監視にどの参照信号を用いるかを示す設定(無線リンク監視設定:RadioLinkMonitoringConfig)を基地局装置から受け取り、設定された1つまたは複数の参照信号(ここではRLM-RSと称する)を用いて無線リンク監視を行なってもよい。また、端末装置は、その他の信号を用いて無線リンク監視を行なってもよい。端末装置の物理層処理部は、サービングセル(例えばPCellおよび/またはPSCell)において同期中となる条件を満たしている場合には、同期中を上位レイヤに通知してもよい。
【0082】
前記無線リンク監視設定には、監視の目的を示す情報と、参照信号を示す識別子情報とが含まれてよい。例えば、監視の目的には、無線リンク失敗を監視する目的、ビームの失敗を監視する目的、あるいはその両方の目的、などが含まれてよい。また、例えば、参照信号を示す識別子情報は、セルの同期信号ブロック(Synchronization Signal Block:SSB)の識別子(SSB-Index)を示す情報が含まれてよい。すなわち、参照信号には同期信号が含まれてよい。また、例えば、参照信号を
示す識別子情報は、端末装置に設定されたチャネル状態情報参照信号(CSI-RS)に紐づけられた識別子を示す情報が含まれてよい。
【0083】
SpCell(MCGにおけるPCell、およびSCGにおけるPSCell)において、端末装置のRRC層処理部は、各SpCellにおいて物理層処理部から通知される同期外を既定回数(N310回)連続して受け取った場合に当該SpCellのタイマー(T310)を開始(Start)あるいは再開始(Restart)してもよい。また、端末装置のRRC層処理部は、各SpCellにおいて既定回数(N311回)連続して同期中を受け取った場合に当該SpCellのタイマー(T310)を停止(Stop)してもよい。端末装置のRRC層処理部は、各SpCellのタイマー(T310)が満了(Expire)した場合に、SpCellがPCellであれば、アイドル状態への遷移あるいはRRC接続の再確立手順を実施するようにしてもよい。また、SpCellがPSCellであれば、SCG障害をネットワークに通知するためのSCG障害情報手順(SCG failure information procedure)を実行してよい。
【0084】
上記説明は端末装置に間欠受信(DRX)が設定されていない場合の例である。端末装置にDRXが設定されている場合、端末装置のRRC層処理部は、無線リンク品質を測定する期間や上位レイヤへの通知間隔をDRXが設定されていない場合と異なる値をとるように物理層処理部に対して設定してもよい。なお、DRXが設定されている場合であっても、上記タイマーが走っているときには、同期中を推定するための無線リンク品質を測定する期間や上位レイヤへの通知間隔を、DRXが設定されていない場合の値としてもよい。
【0085】
また、前記RLM-RSは明示的にあるいは暗黙的にネットワークから設定されない場合には未定義であってもよい。すなわち、端末装置は、ネットワーク(例えば基地局装置)からRLM-RSの設定がなされない場合には無線リンク監視をしなくてもよい。
【0086】
また、CRSを用いた無線リンク監視がEUTRAのセルで行われ、RLM-RSを用いた無線リンク監視がNRのセルで行われてよいが、これに限定されない。
【0087】
セルの活性化(Activation)および不活性化(Deactivation)について説明する。デュアルコネクティビティで通信する端末装置は、前述のRRCコネクションの再設定に関するメッセージによって、マスターセルグループ(MCG)の設定とセカンダリセルグループ(SCG)が設定される。各セルグループは、特別なセル(SpCell)とそれ以外の0個以上のセル(セカンダリセル:SCell)とで構成されてよい。MCGのSpCellはPCellとも称する。SCGのSpCellはPSCellとも称する。セルの不活性化は、SpCellには適用されず、SCellに適用されてよい。
【0088】
また、セルの不活性化は、PCellには適用されず、PSCellには適用されてもよい。この場合、セルの不活性化は、SpCellとSCellとで異なる処理であってもよい。
【0089】
非特許文献6および非特許文献7で示されるように、セルの活性化および不活性化はセルグループ毎に存在するMACエンティティで処理されてよい。端末装置に設定されたSCellは下記(A)および/または(B)によって活性化および/または不活性化されてよい。
(A)SCell活性化/不活性化を示すMAC CEの受信
(B)PUCCHが設定されていないSCellごとに設定されるタイマー(sCe
llDeactivationTimer)
【0090】
具体的には、端末装置は、MACエンティティはセルグループに設定されている各SCellに対して以下の処理(AD)をおこなってよい。
【0091】
(処理AD)
もし、SCellを活性化させるMAC CEを受信したら、処理(AD-1)を行う。そうでなく、もし、SCellを不活性化させるMAC CEを受信した、または、活性状態のSCellにおいてタイマー(sCellDeactivationTimer)が満了したら、処理(AD-2)を行う。もし、活性状態のSCellのPDCCHによって上りリンクグラントまたは下りリンク割り当てが通知されたら、または、あるサービングセルのPDCCHによって、活性状態のSCellに対する上りリンクグラントまたは下りリンク割り当てが通知されたら、または、設定された上りリンクグラントにおいてMAC PDUが送信された、または、設定された下りリンク割り当てにおいてMAC PDUが受信されたら、そのSCellに関連付けられたタイマー(sCellDeactivationTimer)を再スタートする。もし、SCellが不活性状態となったら、処理(AD-3)を行う。
【0092】
(処理AD-1)
【0093】
SCellを活性状態にして、下記(A)から(E)の一部または全部を含む通常のSCell動作(Operation)を適用(実施)する。
(A)このSCellにおけるサウンディング参照信号(SRS)の送信
(B)このSCellのためのチャネル状態情報(CSI)の報告
(C)このSCellにおけるPDCCHのモニタ
(D)このSCellに対するPDCCHのモニタ(他のサービングセルにおいてこのSCellに対するスケジュールが行われる場合)
(E)もしPUCCHが設定されていれば、このSCellにおけるPUCCH送信
【0094】
また、もし、NRにおいて、この活性化させるMAC CEを受信する前にこのSCellが不活性状態であったなら、下記(A)から(B)の一部または全部を実施する。
(A)RRCメッセージで設定されている下りリンクBWPの識別子(firstActiveDownlinkBWP-Id)で示されるBWPを活性化する
(B)RRCメッセージで設定されている上りリンクBWPの識別子(firstActiveUplinkBWP-Id)で示されるBWPを活性化する
【0095】
また、このSCellに対応付けられたタイマー(sCellDeactivationTimer)をスタート、または(すでにスタートしている場合は)再スタートする。
【0096】
(処理AD-2)
【0097】
このSCellを不活性化する。
【0098】
また、このSCellに対応付けられたタイマー(sCellDeactivationTimer)を停止する。
【0099】
このSCellに対応付けられたすべての活性化されたBWPを不活性化する。
【0100】
このSCellに対応付けられたHARQのバッファをフラッシュする。
【0101】
(処理AD-3)
下記(A)から(D)の一部または全部を実施する。
(A)このSCellでSRSを送信しない。
(B)このSCellのためのCSIを報告しない。
(C)このSCellでPUCCH,UL-SCH、および/またはRACHを送信しない。
(D)このSCellのPDCCH、および/またはこのSCellに対するPDCCHのモニタをしない。
【0102】
上記のように、MACエンティティが処理(AD)を行うことにより、SCellの活性化および不活性化が行われる。
【0103】
また前述のようにSCellが追加される場合にRRCメッセージによってSCellの初期状態が設定されてもよい。
【0104】
ここで、タイマー(sCellDeactivationTimer)について説明する。PUCCHが設定されないSCellに対しては、RRCメッセージによって、タイマー(sCellDeactivationTimer)の値(タイマーが満了したとみなされる時間に関する情報)が通知されてよい。例えば、RRCメッセージでタイマー(sCellDeactivationTimer)の値として40msを示す情報が通知された場合、上記処理(AD)において、タイマーをスタートまたは再スタートしてからタイマーが停止することなく通知された時間(ここでは40ms)が経過したしたときに、タイマーが満了したとみなされる。
【0105】
ここで、帯域部分(BWP)について説明する。
【0106】
BWPはサービングセルの帯域の一部あるいは全部の帯域であってよい。また、BWPはキャリアBWP(Carrier BWP)と呼称されてもよい。端末装置には、1つまたは複数のBWPが設定されてよい。あるBWPは初期セルサーチで検出された同期信号に対応づけられた報知情報に含まれる情報によって設定されてもよい。また、あるBWPは初期セルサーチを行う周波数に対応づけられた周波数帯域幅であってもよい。また、あるBWPはRRCシグナリング(例えばDedicated RRC signaling)で設定されてもよい。また、下りリンクのBWP(DL BWP)と上りリンクのBWP(UL BWP)とが個別に設定されてもよい。また、1つまたは複数の上りリンクのBWPが1つまたは複数の下りリンクのBWPと対応づけられてよい。また、上りリンクのBWPと下りリンクのBWPとの対応づけは既定の対応づけであってもよいし、RRCシグナリング(例えばDedicated RRC signaling)による対応付けでもよいし、物理層のシグナリング(例えば下りリンク制御チャネルで通知される下りリンク制御情報(DCI)による対応付けであってもよいし、それらの組み合わせであってもよい。
【0107】
BWPは連続する物理無線ブロック(PRB:Physical Resource Block)のグループで構成されてよい。また、接続状態の端末装置に対して、各コンポーネントキャリアのBWP(1つまたは複数のBWP)のパラメータが設定されてよい。各コンポーネントキャリアのBWPのパラメータには、(A)サイクリックプレフィックスの種類、(B)サブキャリア間隔、(C)BWPの周波数位置(例えば、BWPの低周波数側の開始位置または中央周波数位置)(周波数位置は例えば、ARFCNが用いられてもよいし、サービングセルの特定のサブキャリアからのオフセットが用いられてもよい。また、オフセットの単位はサブキャリア単位であってもよいし、リソースブロック単位でもよい。また、ARFCNとオフセットの両方が設定されるかもしれない。)、(D)BWPの帯域幅(例えばPRB数)、(E)制御信号のリソース設定情報、(F)SSブロックの中心周波数位置(周波数位置は例えば、ARFCNが用いられてもよいし、サービングセルの特定のサブキャリアからのオフセットが用いられてもよい。また、オフセットの単位はサブキャリア単位であってもよいし、リソースブロック単位でもよい。また、ARFCNとオフセットの両方が設定されるかもしれない。)、の一部あるいは全部が含まれてよい。また、制御信号のリソース設定情報が、少なくともPCellおよび/またはPSCellの一部あるいは全部のBWPの設定に含まれてもよい。
【0108】
端末装置は、1つまたは複数の設定されたBWPのうち、アクティブなBWP(Active BWP)において送受信をおこなってよい。端末装置に対して、一つのサービングセルに対して設定された1つまたは複数のBWPのうち、ある時間において、最大で1つの上りリンクBWP、および/または最大で1つの下りリンクBWPとがアクティブなBWPとなるように設定されてもよい。活性化された下りリンクのBWPをAcitve
DL BWPとも称する。活性化された上りリンクBWPをActive UL BWPとも称する。
【0109】
次にBWPの不活性化について説明する。1つのサービングセルは、1つまたは複数のBWPが設定されてよい。サービングセルにおけるBWP切り替え(BWP switching)は、不活性化されたBWP(インアクティブ(Inactive)BWPとも称する)を活性化して、活性化されていたBWPを不活性化するために用いられる。
【0110】
BWP切り替えは、下りリンク割り当てまたは上りリンクグラントを示すPDCCH、タイマー(bwp-InactivityTimer)、RRCシグナリング、またはランダムアクセス手順の開始のためにMACエンティティそれ自身によって制御される。サービングセルのActive BWPは、RRCまたはPDCCHによって示される。
【0111】
次に休眠(Dormant)BWPについて説明する。休眠BWPへの入場(Entering)または休眠BWPからの退出(Leaving)は、BWP切り替えによってなされる。この制御はPDCCHによって、SCellごと、または休眠SCellグループ(Dormancy SCell Group)と呼ばれるグループごとに行われる。休眠SCellグループの設定は、RRCシグナリングによって示される。また、現在の仕様では休眠BWPはSCellにのみ適用される。なお、休眠BWPとはあるBWPを休眠状態に変化させるものではなく、UEに対して設定される1つまたは複数のBWPのうち、休眠用として設定される1つのBWPであると解釈してよい。また、休眠用としてUEに設定されるBWPは、複数あってもよい。
【0112】
あるBWPが休眠BWPであることは、BWPの設定に特定のパラメータが含まれないことによって示されてもよい。例えば、下りリンクBWPの設定に含まれる、UE固有(Specific)なPDCCHのパラメータを設定するための情報要素であるPDCCH-Config情報要素が含まれないことによって、そのBWPが休眠BWPであることを示してもよい。また、例えば、下りリンクBWPの設定に含まれる、UE固有(Specific)なPDCCHのパラメータを設定するための情報要素であるPDCCH-Config情報要素に含まれるパラメータの一部が設定されない(含まれない)ことによって、そのBWPが休眠BWPであることを示してもよい。例えば、あるBWPの設定として、PDCCH-Config情報要素によって設定される、どこで、および/またはどのように、PDCCHの候補を検索(Search)するかを定義するサーチスペースに関する設定の一部または全部が設定されない(含まれない)ことによって、そのBWPが休眠BWPであることを示してもよい。
【0113】
また、現在の仕様では、PCellやPSCellなどのSpCellおよびPUCC
Hの送信がおこなえるPUCCH SCellへの休眠BWPの設定はサポートされていない。
【0114】
ある設定された期間(アクティブ時間)の外で休眠BWPから退出することを示すPDCCHをSpCellで受信したUEは、予めRRCシグナリングで通知された第1の下りリンクBWP識別子で示される下りリンクBWPを活性化する。
【0115】
ある設定された期間(アクティブ時間)の内で休眠BWPから退出することを示すPDCCHをSpCellで受信したUEは、予めRRCシグナリングで通知された第2の下りリンクBWP識別子で示される下りリンクBWPを活性化する。
【0116】
休眠BWPに入場することを示すPDCCHを受信したUEは、予めRRCシグナリングで通知された第3の下りリンクBWP識別子(dormantDownlinkBWP-Id)で示される下りリンクBWPを活性化する。
【0117】
上記の休眠BWPへの入場と退出は、BWP切り替えによって行われ、新たなBWPを活性化する際に、それまで活性状態であったBWPが不活性化される。すなわち、休眠BWPから退出する場合、休眠BWPが不活性化され、休眠BWPに入場する場合、休眠BWPが活性化される。
【0118】
ここで、休眠BWPに入場することを示すPDCCHと休眠BWPから退場することを示すPDCCHについて説明する。
【0119】
例えば、SpCellにおいて間欠受信(DRX)が設定されているUEは、DRXのアクティブタイムの外において、あるDCIフォーマット(例えばDCIフォーマット2_6)を検出するためにSpCellのActive BWPでPDCCHをモニタしてもよい。前記DCIフォーマットのCRCはあるRNTI(例えばPS-RNTI)でスクランブルされていてもよい。休眠SCellグループが設定されたUEは、DCIフォーマット2_6のペイロードに含まれるビットマップ情報に基づき、Active DL BWPの切り替えを判断する。例えば、ビットマップのあるビットがひとつの休眠SCellグループに紐づけられ、ビットが1である場合に、Active DL BWPが休眠BWPであれば、あらかじめ設定された別のBWPにBWP切り替えを実行し、Active DL BWPが休眠BWPでなければ、そのBWPにとどまるようにしてもよい。また、ビットが0である場合に、Active DL BWPが休眠BWPになるようにBWP切り替えを実行してもよい。
【0120】
UEはDRXのアクティブタイムにおいて、DCIフォーマット2_6の検出を目的としたPDCCHのモニタをしなくてもよい。
【0121】
SpCellにおいて間欠受信(DRX)が設定されているUEは、DRXのアクティブタイムにおいて、あるDCIフォーマット(例えばDCIフォーマット0_1および1_1)を検出するためにSpCellのActive BWPでPDCCHをモニタしてもよい。前記DCIフォーマットのCRCはあるRNTI(例えばC-RNTIまたはMCS-C-RNTI)でスクランブルされていてもよい。休眠SCellグループが設定されたUEは、DCIフォーマット0_1またはDCIフォーマット1_1のペイロードに含まれるビットマップ情報に基づき、Active DL BWPの切り替えを判断する。例えば、ビットマップのあるビットがひとつの休眠SCellグループに紐づけられ、ビットが1である場合に、Active DL BWPが休眠BWPであれば、あらかじめ設定された別のBWPにBWP切り替えを実行し、Active DL BWPが休眠BWPでなければ、そのBWPにとどまるようにしてもよい。また、ビットが0である場合に、Active DL BWPが休眠BWPになるようにBWP切り替えを実行してもよい。また、前記「あらかじめ設定された別のBWP」は、DCIフォーマット2_6の説明で用いた「あらかじめ設定された別のBWP」とは異なるBWPであってよい。
【0122】
UEはDRXのアクティブタイムの外において、DCIフォーマット0_1およびDCIフォーマット1_1の検出を目的としたPDCCHのモニタをしなくてもよい。
【0123】
休眠BWPを抜けることを示すPDCCHをモニタすることとは、DRXのアクティブタイムの外でDCIフォーマット2_6の検出を目的としたPDCCHのモニタをし、DRXのアクティブタイムにおいて、DCIフォーマット0_1およびDCIフォーマット1_1の検出を目的としたPDCCHのモニタをすることであってよい。
【0124】
BWPが設定された活性化された各サービングセルにおいて、MACエンティティは、もし、BWPが活性化され(Active BWPであり)、そのBWPが休眠BWPでないなら、下記(A)から(H)の一部または全部を行う。
(A)そのBWPでUL-SCHを送信する。
(B)もしPRACHオケージョンが設定されているなら、そのBWPでRACHを送信する。
(C)そのBWPでPDCCHをモニタする。
(D)もしPUCCHが設定されているなら、そのBWPでPUCCHを送信する。
(E)そのBWPでCSIを報告する。
(F)もしSRSが設定されているなら、そのBWPでSRSを送信する。
(G)そのBWPでDL-SCHを受信する。
(H)そのBWPで設定されてサスペンドされた、グラントタイプ1のコンフィギュアード上りリンクグラントを初期化する。
【0125】
BWPが設定された活性化された各サービングセルにおいて、MACエンティティは、もし、BWPが活性化され(Active BWPであり)、そのBWPが休眠BWPであるなら、下記(A)から(G)の一部または全部を行う。
(A)このBWPのサービングセルのタイマー(bwp-InactivityTimer)が走っているなら止める。
(B)そのBWPのPDCCHをモニタしない。
(C)そのBWPのためのPDCCHをモニタしない。
(D)そのBWPでDL-SCHを受信しない。
(E)もしCSI測定が設定されていたら、そのBWPでCSI測定を実行する。
(F)すべての上りリンクの挙動(Behavior)を止める。すなわち、上りリンク送信を止め、そのセルに関連付けられたグラントタイプ1のコンフィギュアード上りリンクグラントをサスペンドし、そのセルに関連付けられたグラントタイプ2のコンフィギュアード上りリンクグラントをクリアする。
(G)もしビーム失敗に関する設定が設定されていたら、ビーム失敗(Beam Failure)を検出(Detect)し、もしビーム失敗が検出されたらビーム失敗回復(Beam Failure Recovery)を実行する。
【0126】
MACエンティティは、もし、BWPが不活性化されたら、下記(A)から(I)の一部または全部を行う。
(A)そのBWPでUL-SCHを送信しない。
(B)そのBWPでRACHを送信しない。
(C)そのBWPでPDCCHをモニタしない。
(D)そのBWPでPUCCHを送信しない。
(E)そのBWPでCSIを報告しない。
(F)そのBWPでSRSを送信しない。
(G)そのBWPでDL-SCHを受信しない。
(H)そのBWPで設定された、グラントタイプ2のコンフィギュアード上りリンクグラントをクリアする。
(I)その不活性化されたBWP(インアクティブBWP)のグラントタイプ1のコンフィギュアード上りリンクグラントをサスペンドする。
【0127】
次にBWPが設定されたUEにおけるランダムアクセス手順について説明する。あるサービングセルにおいてランダムアクセス手順を開始するときにMACエンティティはこのサービングセルの選択したキャリアにおいて、次の(A)から(E)の一部または全部の処理をおこなう。
(A)もし、PRACHを送信するリソース(オケージョン)が、Active UL BWPに対して設定されていなければ、(A1)Active UL BWPをRRCのパラメータ(initialUplinkBWP)によって示されるBWPに切り替え、(A2)もし、サービングセルがSpCellであれば、Active UL BWPをRRCのパラメータ(initialDownlinkBWP)によって示されるBWPに切り替える。
(B)もし、PRACHを送信するリソース(オケージョン)がActive UL
BWPに対して設定されていれば、もし、サービングセルがSpCellであり、Active DL BWPとActive UL BWPとが同じ識別子(bwp-Id)を持たなければ、Active DL BWPをActive UL BWPの識別子と同じ識別子のBWPに切り替える。
(C)もしこのサービングセルのActive DL BWPに対応付けられたタイマー(bwp-InactivityTimer)が走っていたらこのタイマーを止める。
(D)もしサービングセルがSCellなら、もしSpCellのActive DL BWPに対応付けられたタイマー(bwp-InactivityTimer)が走っていたらこのタイマーを止める。
(E)SpCellのActive DL BWPとこのサービングセルのActive UL BWP上でランダムアクセスプロシージャを実行する。
【0128】
次にタイマー(bwp-InactivityTimer)について説明する。タイマー(bwp-InactivityTimer)が設定された活性化されたサービングセル(Activated Serving Cell)の各々に対してMACエンティティは、次の(A)の処理をおこなう。
(A)もしデフォルト下りリンクBWPの識別子(defaultDownlinkBWP-Id)が設定されており、Active DL BWPが識別子(dormantDownlinkBWP-Id)で示されるBWPでない、または、もしデフォルト下りリンクBWPの識別子(defaultDownlinkBWP-Id)が設定されておらず、Active DL BWPがinitialDownlinkBWPでなく、Active DL BWPが識別子(dormantDownlinkBWP-Id)で示されるBWPでないなら、次の(B)および(D)の処理をおこなう。
(B)もし、Active DL BWPで、下りリンク割り当て(Assignment)または上りリンクグラントを示す、C-RNTIまたはCS-RNTIにアドレスされたPDCCHを受信した、または、もし、Active DL BWPのための、下りリンク割り当てまたは上りリンクグラントを示す、C-RNTIまたはCS-RNTIにアドレスされたPDCCHを受信した、または、もし、コンフィギュアード上りリンクグラントでMAC PDUが送信された、またはコンフィギュアード下りリンク割り当てでMAC PDUが受信されたなら、次の(C)の処理をおこなう。
(C)もし、このサービングセルに関連付けられたランダムアクセス手順が実行中で
ない、または、このサービングセルに関連付けられた実行中のランダムアクセス手順が、C-RNTIにアドレスされたPDCCHの受信によって成功裏に完了(Successfully completed)したら、Active DL BWPに関連付けられたbwp-InactivityTimerをスタートまたは再スタートする。
(D)もし、Active DL BWPに関連付けられたbwp-InactivityTimerが満了(Expire)したら、次の(E)の処理をおこなう。
(E)もし、defaultDownlinkBWP-Idが設定されていたら、このdefaultDownlinkBWP-Idで示されるBWPにBWP切り替えをおこない、そうでないなら、initialDownlinkBWPにBWP切り替えをおこなう。
【0129】
また、MACエンティティは、もし、BWP切り替えのためのPDCCHを受信し、Active DL BWPを切り替えたら、次の(A)の処理をおこなう。
(A)もしデフォルト下りリンクBWPの識別子(defaultDownlinkBWP-Id)が設定されており、切り替えたActive DL BWPが識別子(dormantDownlinkBWP-Id)で示されるBWPでない、かつ、もし切り替えたActive DL BWPがdormantDownlinkBWP-Idで示されるBWPでないなら、Active DL BWPに関連付けられたbwp-InactivityTimerをスタートまたは再スタートする。
【0130】
次にビーム失敗(Beam failure)の検出(Detection)およびリカバリ(Recovery)の手順について説明する。
【0131】
MACエンティティは、サービングセルごとにビーム失敗回復手順がRRCによって設定されてもよい。ビーム失敗は、下位レイヤ(PHY層)からMACエンティティに通知されるビーム失敗インスタンス通知をカウントすることによって検出される。MACエンティティはビーム失敗検出のために各サービングセルで下記の(A)、(B)、(C)の一部または全部の処理をおこなってよい。
(A)もし、下位レイヤからビーム失敗インスタンス通知を受信したら、タイマー(beamFailureDetectionTimer)をスタートまたは再スタートし、カウンター(BFI-COUNTER)を1加算する。もしBFI_COUNTERの値が設定された閾値(beamFailureInstanceMaxCount)以上であれば、下記の(A-1)の処理をおこなう。
(A-1)もし、サービングセルがSCellなら、このサービングセルに対するビーム失敗回復(BFR)をトリガし、そうでなければ、SpCellでランダムアクセス手順を開始する。
(B)もし、このサービングセルに対する、beamFailureDetectionTimerが満了した、または、もし、beamFailureDetectionTimer、beamFailureInstanceMaxCount、および/またはビーム失敗検出のための参照信号の設定が上位レイヤによって変更されたら、BFI_COUNTERを0に設定する。
(C)もし、サービングセルがSpCellであり、ランダムアクセス手順が成功裏に完了したら、BFI_COUNTERを0に設定し、タイマー(beamFailureRecoveryTimer)を停止し、ビーム失敗回復手順が成功裏に完了したとみなす。そうでなく、もし、サービングセルがSCellで、SCellのビーム失敗回復のための情報(例えばSCell BFR MAC CEに含まれる情報)を送信するための、新しい上りリンクグラントを示すC-RNTIにアドレスされたPDCCHを受信したら、または、SCellが不活性状態であれば、BFI_COUNTERを0に設定し、ビーム失敗回復手順が成功裏に完了したとみなし、このサービングセルに対してトリガされたすべてのビーム失敗回復(BFR)をキャンセルする。
【0132】
MACエンティティは、もし、ビーム失敗回復手順によって少なくとも1つのビーム失敗回復(BFR)がトリガされており、それがキャンセルされていないのであれば、下記の(A)の処理をおこなう。
(A)もし、UL-SCHリソースが論理チャネルの優先度を考慮したうえでSCellのBFR MAC CEとそのサブヘッダを含めることができるのであれば、SCellのBFR MAC CEとそのサブヘッダを含める。そうでなければ、もし、UL-SCHリソースが論理チャネルの優先度を考慮したうえでSCellのトランケートしたBFR MAC CEとそのサブヘッダを含めることができるのであれば、SCellのトランケートしたBFR MAC CEとそのサブヘッダを含める。そうでなければ、SCellビーム失敗回復のためのスケジューリングリクエストをトリガする。
【0133】
SCellの休眠は、このSCellにおいて休眠BWPを活性化することによっておこなわれる。また、SCellを休眠した状態であっても、このSCellにおけるCSIの測定、自動増幅制御(Automatic Gain Control:AGC)、およびビーム失敗回復を含むビーム制御(ビームマネジメント)はおこなわれてよい。
【0134】
次にSCGの休眠(Dormant)について説明する。
【0135】
LTEおよび/またはNRにおいて、SCGが休眠している状態は、RRC_CONNECTED状態に含まれてもよい。
【0136】
LTEおよび/またはNRにおいて、SCGが休眠している状態とは、端末装置が、そのSCGのSpCell(PSCell)において下記(A)から(E)の一部または全部を実施する状態であってよい。
(A)このSpCellでSRSを送信しない。
(B)このSpCellのためのCSIを報告しない。
(C)このSpCellでPUCCH、UL-SCH、および/またはRACHを送信しない。
(D)このSpCellのPDCCH、および/またはこのSpCellに対するPDCCHをモニタしない。
(E)このSpCellで間欠受信(DRX)を行う。
【0137】
また、SCGが休眠している状態とは、前記(A)から(E)、および下記(F)から(H)、の一部または全部の処理を実施する状態であってよい。
(F)このSpCellで休眠BWPに設定されたBWPを活性化されたBWP(Active BWP)とする。
(G)このSpCellの活性化された休眠BWPにおいて休眠BWPを抜けることを示すPDCCHのみモニタする。
(H)このSpCellの活性化された休眠BWPにおいてC-RNTIをPDCCHでモニタしない。
【0138】
SCGの休眠は、SCG suspension、SCG suspendedと称してもよい。
【0139】
また、SCGが休眠している状態(SCGが休眠状態に入場した状態)とは、端末装置に適用されるパラメータ(フィールドとも称する)の値として第1の値と第2の値が基地局装置から通知され、このうちの第2の値が端末装置の設定に適用された状態であってもよい。また、基地局装置からSCG suspendを示す情報を受信することに基づき、前記第2の値が端末装置の設定に適用されてもよい。
【0140】
また、SCGが休眠状態から退場した状態とは、端末装置に適用されるパラメータ(フィールドとも称する)の値として第1の値と第2の値が基地局装置から通知され、このうちの第1の値が端末装置の設定に適用された状態であってもよい。また、基地局装置からSCG non-suspendを示す情報を受信することに基づき、前記第1の値が端末装置の設定に適用されてもよい。
【0141】
LTEおよび/またはNRにおいて、端末装置は、以下の(A)から(H)の一部または全部に基づいて、SCGの休眠を判断および/または実行してよい。なお、下記(A)から(F)のメッセージや制御要素は、当該SCG以外のセルグループから端末装置に通知されてもよい。
【0142】
SCGの休眠は、休眠SCG(Dormant SCG)への入場(Entering)と称してもよい。また、SCGの休眠とは、当該セルグループのSpCellの休眠BWPが活性化されることであってもよい。
(A)SCGの休眠を指示するRRCメッセージの受信
(B)SCGの休眠を指示するMAC制御要素の受信
(C)SpCellの休眠を指示するRRCメッセージの受信
(D)SpCellの休眠を指示するMAC制御要素の受信
(E)その他のRRCメッセージの受信
(F)その他のMAC制御要素の受信
(G)SCGの休眠に関するタイマーの満了
(H)PSCellの休眠に関するタイマーの満了
【0143】
LTEおよび/またはNRにおいて、端末装置は、以下の(A)から(H)の一部または全部に基づいて、SCGの休眠状態からの復帰(Resume)を判断および/または実行してよい。なお、下記(A)から(F)のメッセージや制御要素は、当該SCG以外のセルグループから端末装置に通知されてもよい。
【0144】
SCGの休眠状態からの復帰は、休眠SCGからの退出(Leaving)と称してもよい。また、SCGの休眠状態からの復帰とは、当該セルグループのSpCellにおいて休眠BWPから他の(休眠BWPでない)BWPにBWPスイッチすることであってもよい。
(A)SCGの休眠状態からの復帰を指示するRRCメッセージの受信
(B)SCGの休眠状態からの復帰を指示するMAC制御要素の受信
(C)SpCellの休眠状態からの復帰を指示するRRCメッセージの受信
(D)SpCellの休眠状態からの復帰を指示するMAC制御要素の受信
(E)その他のRRCメッセージの受信
(F)その他のMAC制御要素の受信
(G)SCGの休眠に関するタイマー
(H)PSCellの休眠に関するタイマー
【0145】
SCGの休眠を実行する端末装置は、当該SCGにおいて、以下の(A)から(F)の一部または全部の処理を実行してよい。
(A)すべてのSCellを不活性状態とする。
(B)活性状態のSCellに関連付けられたタイマー(sCellDeactivationTimer)のすべてが満了したとみなす。
(C)休眠状態のSCellに関連付けられたタイマー(sCellDeactivationTimer)のすべてが満了したとみなす。
(D)すべてのSCellに関連付けられたタイマー(sCellDeactiva
tionTimer)をスタートまたは再スタートしない。
(E)SCellを活性化させるMAC CEを無視する。例えば、前記処理(AD)において、SCellを活性化させるMAC CEを受信して、かつ、SCGの休眠を指示されてない(またはSCGの休眠状態でない)場合に、処理(AD-1)を行う。
(F)前記処理(AD-2)を実行する。例えば、前記処理(AD)において、SCGの休眠を指示された(またはSCGの休眠状態となった)場合に、処理(AD-2)を行う。
【0146】
また、SCGの休眠を実行する端末装置は、当該SCGにおいて、上記(A)から(F)、および下記(G)から(O)の一部または全部の処理を実行してよい。
(G)RRCメッセージによって通知され保持している第2の設定を適用する(再設定する)。
(H)当該SCGにおけるSRB、および/またはDRBの一部または全部の送信を休止(suspend)する。
(I)当該SCGにおけるSRB、および/またはDRBの一部または全部を休止(suspend)し、休止した無線ベアラに対応付けられた論理チャネルのデータを送信しない。
(J)Split SRBおよび/またはSplit DRBのプライマリパスをMCGに変更する。
(K)PDCP Duplicationが設定されている場合にPDCP Duplicationを不活性化(Deactivate)する。
(L)当該SCGのMACをリセットしない。または、当該SCGのMACをリセットし、第2の設定に含まれるMACに関する設定を用いてMACを再設定する。
(M)当該SCGの各RLCを再確立する。
(N)当該SCGのPDCPでデータリカバリーを実行する。
(O)BSRやPHRの周期的な報告に用いられるタイマーを休止、または停止する。または、このタイマーの設定を解放する。
【0147】
ここで、送信PDCPエンティティが複数のRLCエンティティと対応付けられて(Associateされて)いる場合に、もしPDCP duplicationが活性化されており、かつPDCP PDUがPDCP Data PDUであるなら、このPDUを複製(Duplicate)して複数のRLCエンティティに提出(Submit)し、そうでないなら、このPDUをプライマリのRLCエンティティまたはセカンダリのRLCエンティティに提出してよい。
【0148】
PDCPのデータリカバリーがPDCPの上位レイヤから要求された送信PDCPエンティティは、AM DRBに対して、再確立または解放されたRLCエンティティに対して提出した、成功裏に配送されたと確認できていないすべてのPDCP Data PDUの再送を実行してよい。
【0149】
RLCの再確立がRLCの上位レイヤから要求された場合、端末装置は、(1)すべてのRLC SDU、RLC SDU segment、およびRLC PDUを破棄(Discard)し、(2)すべてのタイマーを停止してリセットし、(3)すべての状態変数を初期値にリセットしてよい。
【0150】
SCGの休眠状態からの復帰を実行する端末装置は、当該SCGにおいて、以下の(A)から(C)の一部または全部の処理を実行してよい。
(A)すべてのSCellを活性状態とするために、処理(AD-1)を実行する。
(B)すべてのSCellを不活性状態のままとする。ただし、休眠状態ではないので、例えば、前記処理(AD)において、SCellを活性化させるMAC CEを受信
した場合、SCGの休眠を指示されてない(またはSCGの休眠状態でない)ので、処理(AD-1)を行うようにしてもよい。
(C)SCGの休眠状態からの復帰をRRCメッセージに基づいて実行する場合、このRRCメッセージに、一部または全部のSCellに対するランダムアクセスに関するパラメータが含まれるなら、通知されたパラメータに基づき、対象のSCellにおいてランダムアクセス手順を開始する。
【0151】
また、SCGの休眠状態からの復帰を実行する端末装置は、当該SCGにおいて、上記(A)から(C)、および下記(D)から(L)の一部または全部の処理を実行してよい。
(D)RRCメッセージによって通知され保持している第1の設定を適用する(再設定する)。
(E)当該SCGにおけるSRB、および/またはDRBの一部または全部の送信をレジュームする。
(F)当該SCGにおけるSRB、および/またはDRBの一部または全部をレジュームする。
(G)Split SRBおよび/またはSplit DRBのプライマリパスを休止前の状態に変更する。または、第1の設定に含まれる設定を用いてこのプライマリパスを再設定する。
(H)PDCP Duplicationが設定されている場合にPDCP Duplicationを活性化(Activate)する。
(I)当該SCGのMACをリセットしない。または、当該SCGのMACをリセットし、第1の設定に含まれるMACに関する設定を用いてMACを再設定する。
(J)当該SCGの各RLCを再確立する。
(K)当該SCGのPDCPでデータリカバリーを実行する。
(L)BSRやPHRの周期的な報告に用いられるタイマーをレジューム、または再スタートする。または、第1の設定に含まれる設定を用いてこのタイマーを再設定する。
【0152】
第1の設定と第2の設定の一例について説明する。
【0153】
例えば、第1の設定は、基地局装置からRRCメッセージを受信したときに、直ちに端末装置に適用される(再設定する)設定の一部であってよい。また、第1の設定は、端末装置に保持され、他のトリガ(例えばSCGの休眠から退場するとき)に基づいて、端末装置に再度適用されてもよい。
【0154】
また、第2の設定は、基地局装置からRRCメッセージを受信したときに、端末装置に保持される設定であり、他のトリガ(例えばSCGの休眠に入場するとき)に基づいて、端末装置に適用される設定であってよい。
【0155】
第1の設定と第2の設定は、セルグループに関する設定(情報要素)の一部または全部を含んでよい。例えば、セルグループの設定(CellGroupConfig情報要素)に含まれる以下の(A)から(B)の一部または全部の設定が含まれてよい。
(A)DRXの設定を含むセルグループのMACの設定(MAC-CellGroupConfig)
(B)帯域部分やPUCCHの設定を含むSpCellおよび/またはSCellに関する設定(SpCellConfig、SCellConfig)
【0156】
上記DRXの設定には、DRXのサイクルに関する設定が含まれてもよい。例えば、第1の設定にはDRXのショートサイクルの設定として640msまでの何れかの値が設定され、第2の設定にはDRXのショートサイクルの設定として第1の設定で設定されるシ
ョートサイクルよりも大きい値が設定されるようにしてもよい。DRXの設定として、第1の設定では、CellGroupConfig情報要素に含まれるMAC-CellGroupConfigに含まれる設定が用いられてもよい。DRXの設定として、第2の設定では、CellGroupConfig情報要素に含まれるSCG休眠設定に関する情報要素に含まれる設定が用いられてもよい。
【0157】
DRXの設定や部分帯域の情報など、SCGの休眠に入場する際に適用されるパラメータの値がSCG休眠設定に関する情報要素に含まれ、このSCG休眠設定に関する情報要素が、第2の設定として、CellGroupConfig情報要素に含まれるようにしてもよい。
【0158】
また、SCGの休眠に入場する際に適用されるDRXの設定は、既存のMAC-CellGroupConfigに含まれ、SCGの休眠に入場する際に適用される部分帯域の設定は、既存のSpCellConfigに含まれるようにしてもよい。
【0159】
また、上記帯域部分の設定には、例えば、第1の設定と第2の設定とで異なるDRXの設定が含まれるようにしてもよい。これにより、SCGの休眠で用いられるBWPに対するDRXの設定が可能となる。第2の設定の部分帯域の設定にDRXの設定が含まれ、第1の設定として、MACの設定に含まれるDRXの設定が使われてもよい。
【0160】
図9は実施の形態の一例を示す図である。
図9において、UE122は、eNB102またはgNB108からSCGを休眠状態(第1の状態)とすることを通知するメッセージ(RRCメッセージ)を受信する(ステップS902)。UE122は、上記通知に基づき、SCGのSpCell(第2のセル)以外のセル(すなわちSCell)を不活性状態となるように制御する。
【0161】
上記の動作により、SCGを休眠させる処理において、当該SCGのSCellの状態を不活性状態に変更するためのMAC CEを独立して送信することなく、効率的な状態変更が可能となる。また、SCGの休眠がRRCメッセージに基づいて実行される場合、従来では、初期状態の設定はRRC層でおこない、状態変更はMAC層でおこなっていたが、上記の動作により、RRC層の指示とMAC層の指示のミスマッチを回避しつつ効率的にSCGの状態変更を行うことができる。
【0162】
ここで、休眠BWPを抜けることを示すPDCCHについて説明する。
【0163】
例えば、SpCellが休眠状態(休眠BWPが活性化されている状態)において、UEは、あるDCIフォーマット(例えばDCIフォーマット2_6)を検出するためにSpCellのActive BWPでPDCCHをモニタしてもよい。前記DCIフォーマットのCRCはあるRNTI(例えばPS-RNTI)でスクランブルされていてもよい。休眠SCellグループが設定されたUEは、DCIフォーマット2_6のペイロードに含まれるビットマップ情報に基づき、Active DL BWPの切り替えを判断する。例えば、ビットマップのあるビットがひとつの休眠SCellグループに紐づけられ、ビットが1である場合に、Active DL BWPが休眠BWPであれば、あらかじめ設定された別のBWPにBWP切り替えを実行し、Active DL BWPが休眠BWPでなければ、そのBWPにとどまるようにしてもよい。また、ビットが0である場合に、Active DL BWPが休眠BWPになるようにBWP切り替えを実行してもよい。
【0164】
もし、SpCellの休眠状態において、SpCellで間欠受信が設定されるシステムである場合、UEはDRXのアクティブタイムにおいて、DCIフォーマット2_6の
検出を目的としたPDCCHのモニタをしなくてもよい。
【0165】
もし、SpCellの休眠状態において、SpCellで間欠受信が設定されるシステムである場合、SpCellにおいて間欠受信(DRX)が設定されているUEは、DRXのアクティブタイムにおいて、あるDCIフォーマット(例えばDCIフォーマット0_1および1_1)を検出するためにSpCellのActive BWPでPDCCHをモニタしてもよい。前記DCIフォーマットのCRCはあるRNTI(例えばC-RNTIまたはMCS-C-RNTI)でスクランブルされていてもよい。休眠SCellグループが設定されたUEは、DCIフォーマット0_1またはDCIフォーマット1_1のペイロードに含まれるビットマップ情報に基づき、Active DL BWPの切り替えを判断する。例えば、ビットマップのあるビットがひとつの休眠SCellグループに紐づけられ、ビットが1である場合に、Active DL BWPが休眠BWPであれば、あらかじめ設定された別のBWPにBWP切り替えを実行し、Active DL
BWPが休眠BWPでなければ、そのBWPにとどまるようにしてもよい。また、ビットが0である場合に、Active DL BWPが休眠BWPになるようにBWP切り替えを実行してもよい。また、前記「あらかじめ設定された別のBWP」は、DCIフォーマット2_6の説明で用いた「あらかじめ設定された別のBWP」とは異なるBWPであってよい。
【0166】
UEはDRXのアクティブタイムの外において、DCIフォーマット0_1およびDCIフォーマット1_1の検出を目的としたPDCCHのモニタをしなくてもよい。
【0167】
休眠BWPを抜けることを示すPDCCHをモニタすることとは、DCIフォーマット2_6の検出を目的としたPDCCHのモニタをすることであってよい。その際に、他のDCIフォーマットを検出する目的としたPDCCHのモニタをしなくてもよい。
【0168】
もし、SpCellの休眠状態において、SpCellで間欠受信が設定されるシステムである場合、休眠BWPを抜けることを示すPDCCHをモニタすることとは、DRXのアクティブタイムの外でDCIフォーマット2_6の検出を目的としたPDCCHのモニタをし、DRXのアクティブタイムにおいて、DCIフォーマット0_1およびDCIフォーマット1_1の検出を目的としたPDCCHのモニタをすることであってよい。その際に、他のDCIフォーマットを検出する目的としたPDCCHのモニタをしなくてもよい。
【0169】
SCGが休眠状態であるときには、SCGにおいてすべての上りリンク送信が停止されていてもよい。この場合、そのSCGに関する情報は、他のセルグループ(例えばMCG)において送信されてもよい。または、そのSCGに関する情報は、休眠状態から退出したそのSCGにおいて送信されてもよい。また、SCGが休眠状態であるときには、SCGにおいて一部、またはすべての上りリンク送信が許可されていてもよい。ここでは、SCGが休眠状態であるときに、SCGにおいて上りリンク送信を行う例について説明する。
【0170】
例えば、休眠状態のSCGのSpCellにおいて、ビーム失敗回復を含むビーム制御(ビームマネジメント)が行われる場合のビーム失敗回復について説明する。
【0171】
MACエンティティは、サービングセルごとにビーム失敗回復手順がRRCによって設定されてもよい。なお、休眠状態のSCGではSpCellでのみビーム失敗回復手順が設定および/または実行(Perform)されてもよいし、休眠状態のSCGではSpCellおよび一部または全部のSCellでビーム失敗回復手順が設定および/または実行(Perform)されてもよい。ビーム失敗は、下位レイヤ(PHY層)からMA
Cエンティティに通知されるビーム失敗インスタンス通知をカウントすることによって検出される。MACエンティティはビーム失敗検出のために各サービングセルで下記の(A)、(B)、(C)の一部または全部の処理をおこなってよい。
(A)もし、下位レイヤからビーム失敗インスタンス通知を受信したら、タイマー(beamFailureDetectionTimer)をスタートまたは再スタートし、カウンター(BFI-COUNTER)を1加算する。もしBFI_COUNTERの値が設定された閾値(beamFailureInstanceMaxCount)以上であれば、下記の(A-1)の処理をおこなう。
(A-1)もし、サービングセルがSCellなら、このサービングセルに対するビーム失敗回復(BFR)をトリガし、そうでなければ、SpCellでランダムアクセス手順を開始する。なお、SCellでビーム回復をトリガしない場合は、ここでSCellに対するビーム失敗回復をトリガしなくてもよい。すなわち、サービングセルがSpCellである場合にのみ、SpCellでランダムアクセス手順を開始する処理をおこなってよい。
(B)もし、このサービングセルに対する、beamFailureDetectionTimerが満了した、または、もし、beamFailureDetectionTimer、beamFailureInstanceMaxCount、および/またはビーム失敗検出のための参照信号の設定が上位レイヤによって変更されたら、BFI_COUNTERを0に設定する。
(C)もし、サービングセルがSpCellであり、ランダムアクセス手順が成功裏に完了したら、BFI_COUNTERを0に設定し、タイマー(beamFailureRecoveryTimer)を停止し、ビーム失敗回復手順が成功裏に完了したとみなす。そうでなく、もし、サービングセルがSCellで、SCellのビーム失敗回復のための情報(例えばSCell BFR MAC CEに含まれる情報)を送信するための、新しい上りリンクグラントを示すC-RNTIにアドレスされたPDCCHを受信したら、または、SCellが不活性状態であれば、BFI_COUNTERを0に設定し、ビーム失敗回復手順が成功裏に完了したとみなし、このサービングセルに対してトリガされたすべてのビーム失敗回復(BFR)をキャンセルする。
【0172】
MACエンティティは、もし、ビーム失敗回復手順によって少なくとも1つのビーム失敗回復(BFR)がトリガされており、それがキャンセルされていないのであれば、必要に応じて、SCellビーム失敗回復のためのスケジューリングリクエストをトリガする。
【0173】
スケジューリングリクエストがトリガされたときに、当該SCGのMACエンティティは、もし、保留中(Pending)のスケジューリングリクエストのための有効なPUCCHリソースが設定されていなかったら、SpCellにおいてランダムアクセス手順を開始する。
【0174】
前述のように、MACエンティティによるMAC CEを含むMAC PDUを送信するためのスケジューリングリクエストのトリガによって、またはMACエンティティによってダイレクトに、SpCell(PSCell)におけるランダムアクセス手順が休眠中のSCGにおいて開始される場合がある。このとき、MAC PDUにはMAC SDUが含まれないかもしれない。
【0175】
また一方で、ユーザデータやRRCメッセージなどの上位レイヤからのデータ(MAC
SDU)を含むMAC PDUを送信するためのスケジューリングリクエストのトリガによって、SpCell(PSCell)におけるランダムアクセス手順が休眠中のSCGにおいて開始される場合があってもよい。
【0176】
ここで、あるセルグループのSpCellにおいて、UL-SCHの送信とRACHの送信が可能である状態を第1の状態とする。第1の状態は、前記セルグループのSpCellにおいて、RACHの送信が可能である、および/またはUL-SCH送信のための上りリンクグラントを示すC-RNTI、MCS-C-RNTI、および/またはCS-RNTIにアドレスされたPDCCHをモニタする状態であってもよい。また、第1の状態は、前記セルグループのSpCellで第1のBWPが活性化されており、前記第1のBWPにおいて上りリンクグラントを示すC-RNTI、MCS-C-RNTI、および/またはCS-RNTIにアドレスされたPDCCHをモニタする状態であってもよい。さらに、第1の状態は、前記第1のBWPに対するチャネル状態情報(CSI)の測定を実行する状態であってもよい。また、第1の状態は、間欠受信(DRX)が設定された状態であってもよい。
【0177】
UL-SCH送信のための上りリンクグラントを示すC-RNTI、MCS-C-RNTI、および/またはCS-RNTIにアドレスされたPDCCHをモニタする状態とは、前記セルグループのSpCellのActive BWPが休眠BWPでない状態であることを含んでよい。また、第1の状態は、前記セルグループ(SCG)が休眠状態から復帰した状態であってよい。また、第1の状態は、前記セルグループ(SCG)が休眠状態でない状態であってよい。
【0178】
また、例えば、第1の状態は、MAC SDUが含まれるMAC PDUを送信するためにトリガされたスケジューリングリクエストに起因するランダムアクセス手順が開始される場合に、第2の状態から遷移する状態であってもよい。また、例えば、第1の状態は、RRCエンティティから休眠状態からの復帰が指示された場合に、第2の状態から遷移する状態であってもよい。また、例えば、第1の状態は、休眠BWPを抜ける(休眠BWPから退出する)ことを示すPDCCHをモニタしない状態であってもよい。
【0179】
あるセルグループのSpCellにおいて、UL-SCHの送信とRACHの送信が停止された状態を第2の状態とする。第2の状態は、前記セルグループのSpCellにおいて、RACHを送信しない、および/またはUL-SCH送信のための上りリンクグラントを示すC-RNTI、MCS-C-RNTI、および/またはCS-RNTIにアドレスされたPDCCHをモニタしない状態であってもよい。また、第2の状態は、前記セルグループのSpCellで第2のBWPが活性化されており、前記第2のBWPにおいて、UL-SCH送信のための上りリンクグラントを示すC-RNTI、MCS-C-RNTI、および/またはCS-RNTIにアドレスされたPDCCHおよび休眠BWPを抜けることを示すPDCCHをモニタしない状態であってもよい。また、第2の状態は、前記セルグループのSpCellで第2のBWPが活性化されており、前記第2のBWPにおいて、休眠BWPを抜けることを示すPDCCHのみをモニタする状態であってもよい。さらに、第2の状態は、前記第2のBWPに対するチャネル状態情報(CSI)の測定を実行する状態であってもよい。
【0180】
第2の状態とは、SpCellのActive BWPが休眠BWPである状態であってよい。
【0181】
あるセルグループのSpCellにおいて、限られたUL-SCHの送信と、RACHの送信とが可能である状態を第3の状態とする。第3の状態は、前記セルグループのSpCellにおいて、RACHの送信が可能であり、限られたUL-SCH送信のために、上りリンクグラントを示すC-RNTI、MCS-C-RNTI、および/またはCS-RNTIにアドレスされたPDCCHをモニタする状態であってもよい。第3の状態は、前記セルグループ(SCG)が休眠状態から復帰した第1の状態の一部であってもよいし、前記セルグループ(SCG)が休眠状態から復帰した第1の状態とは異なる状態であってもよい。
【0182】
例えば、第3の状態は、MACエンティティによってトリガされたランダムアクセス手順が開始される場合に、第2の状態から遷移する状態であってもよい。また、例えば、第3の状態は、BFI_COUNTERの値が設定された閾値以上となった場合に、第2の状態から遷移する状態であってもよい。また、例えば、第3の状態は、BFI_COUNTERの値が設定された閾値以上となり、PSCellでランダムアクセス手順が開始される場合に、第2の状態から遷移する状態であってもよい。また、例えば、第3の状態は、BFI_COUNTERの値が設定された閾値以上となり、SCellでBFRがトリガされる場合に、第2の状態から遷移する状態であってもよい。
【0183】
また、第3の状態は、前記セルグループのSpCellで第3のBWPが活性化されており、前記第3のBWPにおいて、休眠BWPを抜けることを示すPDCCHをモニタする状態であってもよい。さらに、第3の状態は、前記第3のBWPにおいて、上りリンクグラントを示すC-RNTI、MCS-C-RNTI、および/またはCS-RNTIにアドレスされたPDCCHをモニタしない状態であってもよい。さらに、第3の状態は、前記第3のBWPに対するチャネル状態情報(CSI)の測定を実行する状態であってもよい。UEが前記第3のBWPにおいて自局に対する休眠BWPを抜けることを示すPDCCHを受信した場合、あらかじめ設定されたBWP(例えば第1のBWP)にBWPをスイッチしてもよい。
【0184】
また、例えば、第3の状態は、MAC SDUが含まれないMAC PDUを送信するためにトリガされたスケジューリングリクエストに起因するランダムアクセス手順が開始される場合に、第2の状態から遷移する状態であってもよい。また、例えば、第3の状態は、特定のMAC CEを含むMAC PDUを送信するためにトリガされたスケジューリングリクエストに起因するランダムアクセス手順が開始される場合に、第2の状態から遷移する状態であってもよい。特定のMAC CEにはBFR MAC CEが含まれてもよい。また、例えば、第3の状態は、特定のMAC CEを含むMAC PDUにMAC SDUが含まれない場合に、第2の状態から遷移する状態であってもよい。
【0185】
例えば、
図10に示すように、UEは、休眠状態のSCGにおいてランダムアクセス手順を開始するかを判断し(ステップS1000)、ランダムアクセスを開始する場合にActive BWPを別のBWP(例えば第3のBWP)に切り替えてもよい(ステップS1002)。
【0186】
また、例えば、第3の状態は、上りリンクグラントを要求するためのランダムアクセス手順を行う場合に、第2の状態から遷移する状態であってもよい。
【0187】
UEには、SCGの休眠状態から復帰して第1の状態となるときにActiveになるBWP(第1のBWP)と、第2の状態でActiveになるBWP(第2のBWP)と第3の状態でActiveになるBWP(第3のBWP)とが独立して設定されてもよい。また、第1から第3のBWPのそれぞれには、1つ以上のBWPが設定されてもよい。また、第1から第3のBWPのそれぞれは、下りリンクのBWPおよび/または上りリンクのBWPで構成されてよい。
【0188】
第1の状態に遷移することと、第1のBWPがActiveになることとは同じ意味であってもよい。第2の状態に遷移することと、第2のBWPがActiveになることとは同じ意味であってもよい。第3の状態に遷移することと、第3のBWPがActiveになることとは同じ意味であってもよい。
【0189】
第1の状態に遷移することと、第1のBWP以外のBWPが不活性化されたBWPになることとは同じ意味であってもよい。第2の状態に遷移することと、第2のBWP以外のBWPが活性化されたBWPになることとは同じ意味であってもよい。第3の状態に遷移することと、第3のBWP以外のBWPが活性化されたBWPになることとは同じ意味であってもよい。
【0190】
第1から第3のBWPの一部または全部はRRCメッセージによってUEに設定されてもよい。第2のBWPの設定には、前述のようにPDCCHのモニタに必要なパラメータの一部または全部が含まれなくてもよい。第2のBWPの設定には上りリンクのBWPの設定が含まれなくてもよい。第3のBWPの設定には、少なくともランダムアクセスプリアンブルの返答(ランダムアクセスレスポンス)を受信するためのPDCCHのモニタに必要なパラメータが含まれてよい。第3のBWPの設定に上りリンクのBWPの設定が含まれてもよい。上りリンクのBWPの設定にはランダムアクセスプリアンブルの送信に必要な情報が含まれてもよい。
【0191】
また、別の一例として、SCGの休眠状態は上記第3の状態であってもよい。すなわち、SCGが休眠状態に入場することと、第3の状態に遷移することとが同じ意味であってもよい。この場合、第2の状態はSCGの休眠状態とは異なる別の状態として定義されてもよいし、第2の状態が存在しなくてもよい。
【0192】
これにより、SCGの休眠状態においても必要な上りリンクの送信をトリガすることが可能となる。また、SCGの休眠状態において、必要な信号のみをモニタすることで省電力化が可能となる。
【0193】
MCG失敗について説明する。このプロシージャの目的は、ネットワークにUEが遭遇したMCG失敗(すなわちMCG無線リンク失敗)について知らせることであってよい。SRB2のAS層のセキュリティが活性状態であり、少なくとも一つのDRBがセットアップされている、RRC_CONNECTEDのUEは、再確立することなくRRC接続を維持するために、高速MCGリンクリカバリー手順を開始してもよい。
【0194】
図11に示すように、スプリットSRB1またはSRB3が設定されているUEは、以下の(A)から(D)の一部または全部の条件が満たされ、かつ(E)の条件が満たされるときに(ステップS1100)、MCG失敗を報告する手順を開始してよい(ステップS1102)。
(A)MCGおよびSCG両方の送信がサスペンドされていない
(B)タイマーT316が設定されている
(C)SCGが第4の状態でない
(D)SCGのSpCellのアクティブBWPが休眠BWPでない
(E)タイマーT316が走っていない状態でMCGの無線リンク失敗を検出したとき
【0195】
なお、MCG失敗を報告する手順が開始されると、SRB0以外のすべてのSRBとDRBのためのMCG送信がサスペンドされる。また、SCG失敗を報告する手順が開始されると、すべてのSRBとDRBのためのSCG送信がサスペンドされる。
【0196】
タイマーT316とは、MCG失敗情報メッセージを送信するときに開始するタイマーであり、このタイマーは、MCGでの送信が回復したとき、RRCReleaseメッセージを受信したとき、または再確立手順を開始するときに停止する。
【0197】
第4の状態とは、そのセルグループのSpCellで第4のBWPが活性化されており
、前記第4のBWPにおいて、休眠BWPを抜けることを示すPDCCHのみをモニタし、かつ前記第4のBWPに対するチャネル状態情報(CSI)の測定を実行する状態であってよい。また、第4の状態とは、そのセルグループのSpCellで第4のBWPが活性化されており、前記第4のBWPにおいて、C-RNTIをPDCCHでモニタせず、かつ前記第4のBWPに対するチャネル状態情報(CSI)の測定を実行する状態であってよい。また、第4の状態は、前述の第3の状態であってもよい。
【0198】
MCG失敗を報告する手順が開始されると、UEは、SRB0以外のすべてのSRBとDRBのためのMCG送信をサスペンドし、MCGのMACをリセットし、MCG失敗情報メッセージの送信を開始する。
【0199】
これにより、SCGの休眠状態を考慮して、MCG失敗を報告する手順を制御することができる。
【0200】
また、MCG失敗の別の一例を説明する。この例においてUEは、SCGのSpCellのアクティブBWPが休眠BWPであるときにはSCGの送信がサスペンドされたとみなす。
【0201】
スプリットSRB1またはSRB3が設定されているUEは、以下の(A)から(B)の一部または全部の条件が満たされ、かつ(C)の条件が満たされるときに、前記第3の状態、または前記第1の状態に遷移してMCG失敗を報告する手順を開始してよい。
(A)MCGおよびSCG両方の送信がサスペンドされていない
(B)タイマーT316が設定されている
(C)タイマーT316が走っていない状態でMCGの無線リンク失敗を検出したとき
【0202】
これにより、新たな条件を追加することなくMCG失敗を報告する手順を制御することができる。
【0203】
図12は実施の形態の一例を示す図である。
図12において、UE122は、eNB102またはgNB108から第1の設定および第2の設定を受信する(ステップS1200)。前記第1の設定と前記第2の設定は、それぞれ別のRRCメッセージによって通知されてもよいし、1つのRRCメッセージの中に前記第1の設定と前記第2の設定とが含まれた形で通知されてもよい。
【0204】
UE122は、eNB102またはgNB108から第1の情報を受信し、前記第1の情報として第1の値を受信した場合に、前記第1の設定を用いた再設定をおこない、前記第1の情報として第2の値を受信した場合に、前記第2の設定を用いた再設定をおこなう(ステップS1202)。
【0205】
このように第1の情報によって、例えば、UE122がSCG suspendに入場するときと退場するときに予め通知された複数の設定の何れを用いて再設定するかを示すことができ、頻繁に入場と退場を繰り返す場合に効率的に制御することができる。
【0206】
前記第1の情報に基づいた再設定をおこなう場合に、前記第2のセルグループにおいてMACをリセットしないようにしてもよい。また、このときにRLCを再確立するようにしてもよい。また、このときにPDCPのデータリカバリーを実行するようにしてもよい。また、これらの処理は、前記第1の情報に特定の値が含まれる場合に実行するようにしてもよい。
【0207】
このように処理することにより、例えば、SCG suspendに入場した際に、同期状態を維持するためのビーム制御などは継続しておこなうことができる。
【0208】
また、前記第1の情報に基づいた再設定をおこなう場合に、前記第2のセルグループにおいてMACで用いられるタイマーの一部を休止、停止、または解放してもよい。例えば、周期的にバッファの状態をレポートするためのタイマーや、周期的にパワーヘッドルームをレポートするためのタイマーなど、周期的な報告のためのタイマーを動作させないことにより、SCG suspendにおける不要な上りリンク送信を抑制することができる。
【0209】
このように処理することにより、例えば、SCG suspendに入場するときに、同期状態を維持するためのビーム制御などは継続しておこなうことができる。また、例えば、SCG suspendから退場するときに、同期状態を維持するためのビーム制御などを継続しておこなうことができる。
【0210】
図5は本発明の各実施の形態における端末装置(UE122)の構成を示すブロック図である。なお、説明が煩雑になることを避けるために、
図5では、本発明の一形態と密接に関連する主な構成部のみを示す。
【0211】
図5に示すUE122は、基地局装置よりRRCメッセージ等を受信する受信部500、及び受信したメッセージに含まれる各種情報要素(IE:Information Element)、各種フィールド、及び各種条件等の内の一部または全ての設定情報に従って処理を行う処理部502、および基地局装置にRRCメッセージ等を送信する送信部504から成る。上述の基地局装置とは、eNB102である場合もあるし、gNB108である場合もある。また、処理部502には様々な層(例えば、物理層、MAC層、RLC層、PDCP層、RRC層、およびNAS層)の機能の一部または全部が含まれてよい。すなわち、処理部502は、物理層処理部、MAC層処理部、RLC層処理部、PDCP層処理部、RRC層処理部、およびNAS層処理部の一部または全部が含まれてよい。
【0212】
また、前記処理部502には、UE122の1つまたは複数のパラメータに対して適用(再設定)される第1の設定および第2の設定を保持する保持部が含まれてよい。また、前記処理部502には、様々な層の機能の一部または全部の処理を制御する制御部が含まれてよい。
【0213】
図6は本発明の各実施の形態における基地局装置の構成を示すブロック図である。なお、説明が煩雑になることを避けるために、
図6では、本発明と密接に関連する主な構成部のみを示す。上述の基地局装置とは、eNB102である場合もあるし、gNB108である場合もある。
【0214】
図6に示す基地局装置は、UE122へRRCメッセージ等を送信する送信部600、及び各種情報要素(IE:Information Element)、各種フィールド、及び各種条件等の内の一部または全ての設定情報を含めたRRCメッセージを作成し、UE122に送信する事により、UE122の処理部502に処理を行わせる処理部602、およびUE122からRRCメッセージ等を受信する受信部604を含んで構成される。また、処理部602には様々な層(例えば、物理層、MAC層、RLC層、PDCP層、RRC層、およびNAS層)の機能の一部または全部が含まれてよい。すなわち、処理部602は、物理層処理部、MAC層処理部、RLC層処理部、PDCP層処理部、RRC層処理部、およびNAS層処理部の一部または全部が含まれてよい。
【0215】
また上記説明における各処理の例、又は各処理のフローの例において、ステップの一部または全ては実行されなくてもよい。また上記説明における各処理の例、又は各処理のフローの例において、ステップの順番は異なってもよい。また上記説明における各処理の例、又は各処理のフローの例において、各ステップ内の一部または全ての処理は実行されなくてもよい。また上記説明における各処理の例、又は各処理のフローの例において、各ステップ内の処理の順番は異なってもよい。
【0216】
以下、本発明の実施形態における、端末装置の種々の態様について説明する。
【0217】
(1)本発明の第1の実施の様態は、第1のセルグループと第2のセルグループとが設定される端末装置であって、前記第2のセルグループに適用される第1の設定を受信し、前記第2のセルグループに適用される第2の設定を受信する受信部と、前記第2のセルグループに適用される第2の設定を受信した場合に、前記第2のセルグループに適用される前記第1の設定および前記第2の設定を保持する保持部と、無線リソース制御を行う制御部とを備え、前記受信部は、第1の情報を受信し、前記制御部は、前記第1の情報として第1の値を受信した場合に、前記第1の設定を用いた再設定をおこない、前記第1の情報として第2の値を受信した場合に、前記第2の設定を用いた再設定をおこない、前記第1の情報に基づいた再設定をおこなう場合に、前記第2のセルグループにおいてMACをリセットせずRLCを再確立する。
【0218】
(2)第1の実施の様態において、前記第1の設定と前記第2の設定が同一の情報要素で構成される。
【0219】
(3)本発明の第2の実施の様態は、端末装置と通信する基地局装置であって、第2のセルグループに適用される第1の設定を送信し、前記第2のセルグループに適用される第2の設定を送信する送信部と、無線リソース制御を行う制御部とを備え、前記送信部は、第1の情報を送信し、前記制御部は、前記第1の情報として第1の値を送信することによって、前記端末装置に対して前記第1の設定を用いた再設定をおこなわせ、前記第1の情報として第2の値を送信することによって、前記端末装置に対して前記第2の設定を用いた再設定をおこなわせ、前記端末装置に前記第1の情報に基づいた再設定をおこなわせる場合に、前記端末装置が前記第2のセルグループにおいてMACをリセットせずRLCを再確立したとみなして無線リソース制御を行う。
【0220】
(4)本発明の第3の実施の様態は、第1のセルグループと第2のセルグループとが設定される端末装置に適用される方法であって、前記第2のセルグループに適用される第1の設定を受信するステップと、前記第2のセルグループに適用される第2の設定を受信するステップと、第1の情報を受信するステップと、
前記第2のセルグループに適用される第2の設定を受信した場合に、前記第2のセルグループに適用される前記第1の設定および前記第2の設定を保持するステップと、無線リソース制御を行うステップとを備え、前記第1の情報として第1の値を受信した場合に、前記第1の設定を用いた再設定をおこない、前記第1の情報として第2の値を受信した場合に、前記第2の設定を用いた再設定をおこない、前記第1の情報に基づいた再設定をおこなう場合に、前記第2のセルグループにおいてMACをリセットせずRLCを再確立する。
【0221】
(5)本発明の第4の実施の様態は、端末装置と通信する基地局装置に適用される方法であって、第2のセルグループに適用される第1の設定を送信するステップと、前記第2のセルグループに適用される第2の設定を送信するステップと、第1の情報を送信するステップと、無線リソース制御を行うステップとを備え、前記第1の情報として第1の値を送信することによって、前記端末装置に対して前記第1の設定を用いた再設定をおこなわ
せ、前記第1の情報として第2の値を送信することによって、前記端末装置に対して前記第2の設定を用いた再設定をおこなわせ、前記端末装置に前記第1の情報に基づいた再設定をおこなわせる場合に、前記端末装置が前記第2のセルグループにおいてMACをリセットせずRLCを再確立したとみなして無線リソース制御を行う。
【0222】
(6)本発明の第5の実施の様態は、第1のセルグループと第2のセルグループとが設定される端末装置に実装される集積回路であって、前記第2のセルグループに適用される第1の設定を受信する機能と、前記第2のセルグループに適用される第2の設定を受信する機能と、第1の情報を受信する機能と、前記第2のセルグループに適用される第2の設定を受信した場合に、前記第2のセルグループに適用される前記第1の設定および前記第2の設定を保持する機能と、無線リソース制御を行う機能とを前記端末装置に対して発揮させ、前記第1の情報として第1の値を受信した場合に、前記第1の設定を用いた再設定をおこない、前記第1の情報として第2の値を受信した場合に、前記第2の設定を用いた再設定をおこない、前記第1の情報に基づいた再設定をおこなう場合に、前記第2のセルグループにおいてMACをリセットせずRLCを再確立する。
【0223】
(7)本発明の第6の実施の様態は、端末装置と通信する基地局装置に実装される集積回路であって、第2のセルグループに適用される第1の設定を送信する機能と、前記第2のセルグループに適用される第2の設定を送信する機能と、第1の情報を送信する機能と、無線リソース制御を行う機能とを前記基地局装置に対して発揮させ、前記第1の情報として第1の値を送信することによって、前記端末装置に対して前記第1の設定を用いた再設定をおこなわせ、前記第1の情報として第2の値を送信することによって、前記端末装置に対して前記第2の設定を用いた再設定をおこなわせ、前記端末装置に前記第1の情報に基づいた再設定をおこなわせる場合に、前記端末装置が前記第2のセルグループにおいてMACをリセットせずRLCを再確立したとみなして無線リソース制御を行う。
【0224】
本発明に関わる装置で動作するプログラムは、本発明に関わる上述した実施形態の機能を実現するように、Central Processing Unit(CPU)等を制御してコンピュ-タを機能させるプログラムであってもよい。プログラムあるいはプログラムによって取り扱われる情報は、処理時に一時的にRandom Access Memory(RAM)などの揮発性メモリに読み込まれ、あるいはフラッシュメモリなどの不揮発性メモリやHard Disk Drive(HDD)に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
【0225】
なお、上述した実施形態における装置の一部、をコンピュ-タで実現するようにしてもよい。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュ-タが読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュ-タシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。ここでいう「コンピュ-タシステム」とは、装置に内蔵されたコンピュ-タシステムであって、オペレ-ティングシステムや周辺機器等のハ-ドウェアを含むものとする。また、「コンピュ-タが読み取り可能な記録媒体」とは、半導体記録媒体、光記録媒体、磁気記録媒体等のいずれであってもよい。
【0226】
さらに「コンピュ-タが読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュ-タシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュ-タシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0227】
また、上述した実施形態に用いた装置の各機能ブロック、または諸特徴は、電気回路、すなわち典型的には集積回路あるいは複数の集積回路で実装または実行され得る。本明細書で述べられた機能を実行するように設計された電気回路は、汎用用途プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、またはこれらを組み合わせたものを含んでよい。汎用用途プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいし、代わりにプロセッサは従来型のプロセッサ、コントロ-ラ、マイクロコントロ-ラ、またはステ-トマシンであってもよい。汎用用途プロセッサ、または前述した各回路は、デジタル回路で構成されていてもよいし、アナログ回路で構成されていてもよい。また、半導体技術の進歩により現在の集積回路に代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
【0228】
なお、本願発明は上述の実施形態に限定されるものではない。実施形態では、装置の一例を記載したが、本願発明は、これに限定されるものではなく、屋内外に設置される据え置き型、または非可動型の電子機器、たとえば、AV機器、キッチン機器、掃除・洗濯機器、空調機器、オフィス機器、自動販売機、その他生活機器などの端末装置もしくは通信装置に適用出来る。
【0229】
以上、この発明の実施形態に関して図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、本発明は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記実施形態に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も含まれる。
【符号の説明】
【0230】
100 E-UTRA
102 eNB
104 EPC
106 NR
108 gNB
110 5GC
112、114、116,118、120、124 インタフェース
122 UE
200、300 PHY
202、302 MAC
204、304 RLC
206、306 PDCP
208、308 RRC
310 SDAP
210、312 NAS
500,604 受信部
502、602 処理部
504、600 送信部