(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131226
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】情報読取装置
(51)【国際特許分類】
G06V 30/24 20220101AFI20230914BHJP
G06V 30/00 20220101ALI20230914BHJP
H04N 1/04 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
G06K9/62 650A
G06K9/00 M
H04N1/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022035827
(22)【出願日】2022-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】000104652
【氏名又は名称】キヤノン電子株式会社
(72)【発明者】
【氏名】奥村 晴彦
【テーマコード(参考)】
5B064
5C072
【Fターム(参考)】
5B064BA01
5B064BA03
5B064DA10
5B064FA02
5C072AA01
5C072BA13
5C072EA04
5C072NA01
5C072UA13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】シートに印字された磁気インク文字を認識する際、シートに折り目がある場合でも文字の誤読の虞を減少させる情報読取装置を提供する。
【解決手段】情報読取装置300は、磁気インク文字が印字されたシートに印字された磁気インク文字の磁気データを検出し、磁気データから磁気インク文字を認識するMICR処理部13と、シートに印字された磁気インク文字を光学的に読み取ることによって画像データを取得し、画像データから磁気インク文字を認識するOCR処理部22と、シートを撮像して得たシート画像の合焦状態又はシートまでの距離の変化から、シートの折り目を検出する折り目検出処理部51とを備える。CPU31は、折り目が検出されなかった場合には、MICR処理部13で磁気インク文字の認識を行い、折り目が検出された場合には、MICR処理部13及びOCR処理部22の両方で磁気インク文字の認識を行うように制御する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気インク文字が印字されたシートを搬送路に沿って搬送する搬送部と、
前記シートに印字された磁気インク文字の磁気データを検出し、前記磁気データから磁気インク文字を認識する磁気インク文字認識部と、
前記シートに印字された磁気インク文字を光学的に読み取ることによって画像データを取得し、前記画像データから前記磁気インク文字を認識する光学文字認識部と、
前記シートを撮像して得たシート画像の合焦状態、又は前記シートまでの距離の変化から、前記シートの折り目を検出する折り目検出部と、
前記磁気インク文字認識部、前記光学文字認識部及び前記折り目検出部を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記折り目検出部で折り目が検出されなかった場合には、前記磁気インク文字認識部で磁気インク文字の認識を行い、前記折り目検出部で折り目が検出された場合には、前記磁気インク文字認識部及び前記光学文字認識部の両方で磁気インク文字の認識を行うように制御することを特徴とする情報読取装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記折り目検出部で折り目が検出されなかった場合であって、前記磁気インク文字認識部で磁気インク文字が認識できなかったときには、前記光学文字認識部で磁気インク文字の認識を行うように制御する請求項1に記載の情報読取装置。
【請求項3】
更に、報知部を有し、前記制御部は、前記磁気インク文字認識部及び前記光学文字認識部のいずれにおいても、磁気インク文字が認識できなかったときに、前記報知部から使用者に警告を報知することを特徴とする請求項2に記載の情報読取装置。
【請求項4】
更に、前記搬送路を搬送されたシートが排紙される第1及び第2の排紙ポケットを有し、前記制御部は、前記磁気インク文字認識部及び前記光学文字認識部のいずれかにおいて、磁気インク文字が認識できたときに、前記第1の排紙ポケットにシートを排紙し、前記磁気インク文字認識部及び前記光学文字認識部のいずれにおいても、磁気インク文字が認識できなかったときに、前記第2の排紙ポケットにシートを排紙するように、前記搬送部を制御することを特徴とする請求項2又は3に記載の情報読取装置。
【請求項5】
前記折り目検出部は、前記シートの搬送方向において、前記磁気インク文字認識部よりも前記搬送路の上流側に配置されたことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の情報読取装置。
【請求項6】
前記折り目検出部は、前記シート画像の変化を追跡するトラッキングセンサを有し、前記トラッキングセンサは、前記シート画像から得られた特徴点の数に基づいて折り目を検出することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の情報読取装置。
【請求項7】
前記折り目検出部は、前記シートまでの距離を測定する測距イメージセンサを有することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の情報読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小切手や手形等のシートに印字されている磁気インク文字を認識する手段を備えた情報読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
店舗での支払いや、銀行での取引などにおいては、小切手等を用いて決済が行われることがある。小切手による精算処理では、小切手の下欄に印刷された金融機関番号、支店番号、口座番号、金額等の磁気インク文字を読み取り、読み取ったデータを所定の機関に照会し、小切手の有効性を確認する。そのため小切手の精算処理において磁気インク文字の読取精度はとても重要となってくる。
【0003】
磁気インク文字を読み取るための装置として、磁気インク文字認識(Magnetic Ink Character Recognition、以下MICRと記す場合がある)処理部を備えた情報読取装置が知られている。MICR処理部は、磁気インク文字に含まれる磁気データを読み取って検出信号波形として出力し、出力された検出信号波形を基に文字を認識する。
【0004】
このような情報読取装置において、何等かの原因で磁気データが正しく読み取られないと、文字を誤って認識する、所謂誤読が生じる虞があった。これに対し、特許文献1には、MICRによる誤読の虞が所定の確度を超えるとき、MICRで認識された文字を、光学文字認識(Optical Character Recognition、以下OCRと記す場合がある)によって検証する情報読取装置が記載されている。
【0005】
また、引用文献1には、別の実施形態として、小切手の「折れ」を検知した場合に、文字切り出し位置を光学的処理に基づいて補正した上で、MICRを再試行する情報読取装置が記載されている。
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の特許文献1に記載の情報読取装置において、小切手に「折れ」があった場合には、磁気データの波形が変化してしまうため、誤読の虞の確度を正確に判断できないことが考えられる。一方、特許文献1の別の実施形態における「折れ」の検知は、光学的に検知した黒ドットの分布と磁気データの波形が相違した場合に、「折れ」があったと想定するもので、小切手の「折れ」自体を直接検知するものではない。また、「折れ」を検知した場合に、文字の切り出し位置を補正してMICRを再試行しても、磁気データの波形は変化したままなので、文字の誤読の虞を排除することは出来なかった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題に鑑み、本発明の情報読取装置は、磁気インク文字が印字されたシートを搬送路に沿って搬送する搬送部と、前記シートに印字された磁気インク文字の磁気データを検出し、前記磁気データから磁気インク文字を認識する磁気インク文字認識部と、前記シートに印字された磁気インク文字を光学的に読み取ることによって画像データを取得し、前記画像データから前記磁気インク文字を認識する光学文字認識部と、前記シートを撮像して得たシート画像の合焦状態、又は前記シートまでの距離の変化から、前記シートの折り目を検出する折り目検出部と、前記磁気インク文字認識部、前記光学文字認識部及び前記折り目検出部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記折り目検出部で折り目が検出されなかった場合には、前記磁気インク文字認識部で磁気インク文字の認識を行い、前記折り目検出部で折り目が検出された場合には、前記磁気インク文字認識部及び前記光学文字認識部の両方で磁気インク文字の認識を行うように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、小切手の折り目そのものを直接検知して、折り目が検知された場合に、OCRによる文字認識を行うため、折り目の影響による文字の誤読の虞を減少させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態の情報読取装置の使用形態の一例を示す概略斜視図。
【
図2】磁気インク文字が印字されたシートの一例である小切手の構成を示す概略平面図。
【
図3】磁気インク文字の形状の一例であるE13Bフォント文字の一覧を示す図。
【
図4】磁気インク文字の形状とその文字から検出される信号波形の一例を示す概略図。
【
図5】本発明の一実施形態の情報読取装置の内部構成を示す概略断面図。
【
図6】本実施形態の情報読取装置の制御系を示すブロック図。
【
図7】本実施形態における文字認識処理の流れを説明するフローチャート。
【
図8】本実施形態における折り目検出センサの構成を概略的に示す部分断面図。
【
図9】本実施形態における折り目検出センサの駆動回路を示すブロック図。
【
図10】折り目検出センサ(トラッキングセンサ)で検出されるシート画像の変化を示す概略図。
【
図11】本実施形態における折り目検出の原理を説明するための概略図。
【
図12】折り目による合焦状態の変化を示す概略図。
【
図13】測距イメージセンサを折り目検出センサとして用いた構成を示す概略図。
【
図14】
図13のセンサにおけるパルス信号の波形を示すタイミングチャート。
【
図16】折り目検出センサの配置を説明するための概略図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、図面を用いて本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、全ての図面を通して、同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0012】
図1は、本実施形態の情報読取装置の使用形態の一例を示す概略斜視図である。
図1において、本実施形態の情報読取装置300は、通信ケーブル302を介してホスト装置301に接続されている。ホスト装置301は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)から構成され、情報読取装置300の読み取り制御を行うアプリケーションやスキャナデバイスドライバ等を備えている。磁気インク文字が印字されたシートの束は、シート積載台100に積載される。このシート束は、不図示の搬送部によって1枚ずつ搬送路110内を搬送され、第1及び第2の排紙ポケット102及び103に排紙される。搬送路110の途中には、不図示の磁気データ検出部及び画像読取センサが設けられ、これらで検出されたデータに基づいて認識された文字情報は、通信ケーブル302を経由してホスト装置301に転送される。
【0013】
<小切手の構成>
図2は、磁気インク文字が印字されたシートの一例である小切手の構成を示す概略平面図である。
図2に示すように、シート90の所定の領域91には、規格化された磁気インク文字の文字列が印字されている。領域91は、
図2の左側から「補助自行欄II」、「補助自行欄I」、「交換所欄(交換番号、機関コード)」、「自行データ欄(店No・手形No・口座No)」、「金額欄」に分けられ、各欄に磁気インク文字が印字されている。磁気インク文字の文字列の順とは逆に右側から左側に向かって読取処理されるものとして説明する。シート(小切手)90の領域91には、規格化された数値だけでなく、記号も印字されている。また、シート(小切手)90は取り扱う銀行、支店などによっても印字情報が異なり、印字される情報はこれに限ったものではない。
【0014】
<磁気インク文字の形状>
磁気インク文字としては、例えば、E13B、CMC7などが用いられる。
図3には、磁気インク文字の形状の一例として、E13Bフォント文字の一覧を示す。ここで、文字サイズ、文字間隔は規格で規定されている。
【0015】
<磁気インク文字からの出力波形>
図4は、磁気インク文字を後述する磁気データ検出部で検出した場合に、出力される検出信号波形の一例を示す概略図である。
図4の上半分には、文字形状の例として磁気インク文字「8」の形状を示し、下半分にはこの文字「8」を検出した場合の、検出信号波形(出力波形)を示す。出力波形の図において、縦軸は信号振幅、横軸は時間軸を示す。文字が「8」の場合p1、p2の位置では出力波形はプラス側に出力され、p3の位置でマイナス側に出力される。また、p4の位置ではプラス側に出力され、p5、p6の位置ではマイナス側に出力される。文字によってピークの発生するタイミングと出力レベルが異なるため、各文字の出力波形の特徴から文字を認識することができる。
【0016】
<情報読取装置の構成>
図5は、本実施形態の情報読取装置の内部構成を示す概略断面図である。
図5において、
図1と同一の部材には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。情報読取装置300のシート積載台100には、
図2に示すシート(小切手)90が複数枚セットされている。このシート90は一枚ずつ搬送路110を搬送され、第1及び第2の排紙ポケット102及び103のいずれかに排紙される。情報読取装置300の動作は、より詳細には下記のように行われる。
【0017】
シート積載台100に積載されたシート90の束は、押圧板(押圧部材)101によって給紙ローラ104に押し当てられる。押圧板101は、装置本体に回動可能に設けられ、バネ111によって給紙ローラ104側に付勢されている。給紙ローラ104に押し当てられたシート90は、給紙ローラ104の回転に伴って、給送ローラ105と分離ローラ107との間に送られ、給送ローラ105の回転に伴って、搬送路110に給送される。ここで、シート90が束で送られてきた場合も、分離ローラ107の働きによって、一枚ずつに分離される。シート90の搬送方向を、矢印Dで示す。
【0018】
搬送路110に給送されたシート90は、搬送ローラ201a及び201bから成る第1搬送ローラ対と、搬送ローラ202a及び202bから成る第2搬送ローラ対とによって搬送路内を搬送される。シートの搬送方向Dに沿って、第1の搬送ローラ対は上流側に、第2の搬送ローラ対は下流側に配置されている。これらの搬送ローラ対は、同一の回転速度で回転することによって、シート90を一定速で搬送する。
【0019】
搬送路110を搬送されているシート90は、搬送路110に面して配置された折り目検出センサ109によって、折り目の有無が検知される。また、搬送路110に面して、磁気センサ等から構成される磁気データ検出部106が配置されている。この磁気データ検出部106は、搬送されるシート90に印字された磁気インク文字の磁気データを検出し、検出信号波形を出力する。搬送路110を挟んで磁気データ検出部106と対向する位置には、シート90を磁気データ検出部106に押し当てるローラ207が設けられている。
【0020】
第1及び第2搬送ローラ対の間は、シート90が一定速で搬送されるため、シートの状態が検知し易いこと、及び出来るだけ上流側で情報を取得して搬送制御にフィードバックさせるために、様々なセンサが密集して配置されている。本実施形態においては、シート90を検知するレジストセンサ(シート検知手段)112及びシート90が重送して搬送されていることを検知する重送検知センサ113が配置されている。
【0021】
第2搬送ローラ対を通過したシート90は、第2搬送ローラ対より下流に設けられたいくつかの搬送ローラによって、更に下流に搬送される。そして、画像読取センサ108でシート90に印字された磁気インク文字が光学的に読み取られる。画像読取センサ108を通過したシート90は、切り替えフラッパ127によって、後述する条件に応じて振り分けられ、第1の排紙ポケット102或いは第2の排紙ポケット103に排紙される。
【0022】
<情報読取装置の制御系>
図6は、本実施形態の情報読取装置の制御系を示すブロック図である。
図6において、
図1及び
図5と同一の部材には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0023】
図6において、情報読取装置300は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)31を備える。CPU31は、データ/アドレスバス33を介して、磁気インク文字認識(MICR)制御部10、折り目検出制御部50、光学文字認識(OCR)制御部20と接続されている。更に、CPU31は、給紙搬送制御部40、メモリ34及び表示部35と接続されている。また、情報読取装置300は、外部インターフェイス32を介して外部のホスト装置301と通信可能に構成されている。
【0024】
MICR制御部10は、
図5で説明した磁気データ検出部106を有する。この磁気データ検出部106で検出された磁気データ(出力波形)は、磁気データ処理部11で電気信号の増幅及びA/D変換や平滑化等の処理が行われた後、MICR処理部13に出力される。MICR処理部13では、MICR辞書テーブル記憶部12に記憶されたMICR辞書テーブルを参照して、出力波形を解析し、MICR処理を行う。MICR処理部13で認識された文字情報は、データ/アドレスバス33を介してCPU31に送られる。
【0025】
折り目検出制御部50においては、搬送路110を搬送されるシートの折り目を検出する。折り目検出制御部50は、折り目検出センサ109を有する。折り目検出センサ109において、折り目を検出する原理に関しては、後述する。折り目検出センサ109からの出力は、折り目検出処理部51でデジタルデータに変換され、折り目情報として、データ/アドレスバス33を経由してCPU31に出力される。
【0026】
OCR制御部20は、
図5で説明した画像読取センサ108を有し、搬送路110を搬送されるシートに印字された磁気インク文字を光学的に読み取る。画像読取センサ108は、例えばCIS(Contact Image Sensor)やCCD(Charge Coupled Device)で構成される。画像読取センサ108の出力信号は、画像データ処理部21で各種処理を施され、OCR処理部22に入力される。OCR処理部22は、OCR辞書テーブル記憶部23に保存されたテンプレートに基づき、画像データから磁気インク文字の認識を行う。
【0027】
給紙搬送制御部40は、CPU31の指示により、
図5に示す給紙ローラ104、給送ローラ105、分離ローラ107、第1、第2搬送ローラ対及び更に下流に設けられたいくつかの搬送ローラの駆動系を制御し、シートを搬送する。また、給紙搬送制御部40は、切り替えフラッパ127の駆動系を制御し、シートを第1の排紙ポケット102或いは第2の排紙ポケット103(
図5参照)に排紙する。
【0028】
表示部35は、情報読取装置300の異常を報知する機能を有する。本実施形態においては、後述するように、MICR及びOCRのいずれにおいても、磁気インク文字が認識できなかったときに、オペレータ(使用者)に警告を報知する。この警告によって、オペレータ(使用者)は、磁気インク文字の認識が行えなかったシート(小切手)の存在を知ることができる。表示部35は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示パネルでも良いし、LED(Light Emitting Diode)でも良い。また、本実施形態では、表示部35は、情報読取装置300に設けられているが、ホスト装置301のモニター上に警告を報知するようにしても良い。
【0029】
<文字認識処理の流れ>
図7は、本実施形態における文字認識処理の流れを説明するフローチャートである。まず、ステップS701において、CPU31からの指示で、給紙搬送制御部40が各ローラの駆動系を動作させ、シートの搬送を開始する(
図5及び
図6参照)。続いて、ステップS702において、折り目検出センサ109を用いて、搬送路を搬送されているシート90の折り目を検出する。そして、ステップS703において、折り目が検出された場合(判断がYESの場合)には、ステップS709に進み、折り目が検出されなかった場合(判断がNOの場合)には、ステップS704に進む。
【0030】
ステップS704では、磁気データ検出部106で、シートに印字された磁気インク文字の磁気データを取得する。続いてステップS705で、前ステップで取得した磁気データに基づいて、MICR制御部10においてMICR処理を行う。次に、ステップS706において、画像読取センサ108によって画像データを取得する。そして、ステップS707において、ステップS705のMICRで文字認識ができた場合(判断がYESの場合)には、ステップS708に進み、MICRで文字が認識できなかった場合(判断がNOの場合)には、ステップS713に進む。ステップS708においては、文字認識の結果を、CPU31に出力して、処理を終了する。また、搬送されたシート90は、給紙搬送制御部40で切り替えフラッパ127を制御することによって、第1の排紙ポケット102に排紙される。
【0031】
一方、ステップS713では、画像読取センサ108で取得した画像データに基づき、OCR制御部20において、OCR処理を行う。続いて、ステップS714で、OCR処理で文字認識が出来たか否かの判断を行う。OCR処理で文字認識ができた場合(判断がYESの場合)には、ステップS708で文字認識の結果をCPU31に出力し、処理を終了する。この場合も、搬送されたシート90は、第1の排紙ポケット102に排紙される。これに対し、OCR処理で文字認識が出来なかった場合(判断がNOの場合)には、ステップS715において、未読処理を行う。
【0032】
ステップS715の未読処理としては、表示部35によって、オペレータ(使用者)に未読のシートが発生したことを警告する報知を行う。また、搬送されたシート90は、給紙搬送制御部40で切り替えフラッパ127を制御することによって、第2の排紙ポケット103に排紙される。また、未読処理として、シートの画像を表示部35に表示する。この際、正常に認識できなかった文字を「@」で表示する等によって、オペレータが判別できるようにしても良い。
【0033】
一方、ステップS703において、折り目が検出された場合、ステップS709において、折り目位置の検出を行う。ここで、折り目検出制御部50は、シート90の端部から折り目92までのシートの移動量を積算することによって、折り目の位置を検出する(
図11参照)。続いて、ステップS710において、磁気データ検出部106で、シートに印字された磁気インク文字の磁気データを取得する。そして、ステップS711で、前ステップで取得した磁気データに基づいて、MICR制御部10においてMICR処理を行う。次に、ステップS712において、画像読取センサ108によって画像データを取得する。
【0034】
折り目が検出された場合には、磁気データ検出部106で取得した磁気データ(出力波形)が正常な状態から変形していることが考えられ、誤読の虞がある。そのため、ステップS713において、ステップS712で取得した画像データに基づき、OCR制御部20において、OCR処理を行う。続いて、ステップS714で、OCR処理で文字認識が出来たか否かの判断を行う。OCR処理で文字認識ができた場合には、ステップS708に進み、OCR処理で文字認識が出来なかった場合には、ステップS715に進む。この先の処理に関しては、先の説明と同一である。
【0035】
ステップS703で折り目が検出された場合の、ステップS714における判断には、ステップS711のMICR処理で文字認識ができた場合と、文字認識ができなかった場合が考えられる。文字認識ができなかった場合には、勿論OCRによって文字認識が行われる。これに対し、MICR処理で文字認識ができた場合には、OCR処理の結果と突き合わせ、認識した文字が一致した場合には、文字認識ができたと判断し、一致しなかった場合には、誤読の虞があるため、認識できなかったと判断する。
【0036】
以上説明したように、本実施形態においては、折り目が検出されなかった場合は、OCR処理に頼らずに文字認識を行うので、処理の負荷が少なく、高速に処理できる。一方、折り目が検出された場合は、OCR処理を併用して文字認識を行うので、誤読の虞を低減することができる。なお、本実施形態において、折り目が検出されなかった場合でもOCR処理を行う場合(ステップS707で判断がNOの場合)があるのは、磁気インク文字が傾いて印刷される、あるいは、かすれるなどして正常に文字認識できない場合があるためである。また、本実施形態において用いられるOCR処理の方法に関しては、公知のOCR処理を利用できる。
【0037】
<特許請求の範囲との対応>
本実施形態において、
図5に示す給紙ローラ104を始めとする各ローラとその駆動系、及び
図6に示す給紙搬送制御部40は、特許請求の範囲に記載の搬送部に対応する。同じく、本実施形態のMICR制御部10及びOCR制御部20は、特許請求の範囲の磁気インク文字認識部及び光学文字認識部にそれぞれ対応する。また、折り目検出制御部50は、折り目検出部に対応する。更に、本実施形態のCPU31及び表示部35は、特許請求の範囲の制御部及び報知部にそれぞれ対応する。
【0038】
<折り目検出センサの構成>
本実施形態においては、折り目検出センサ109として、トラッキングセンサを用いている。トラッキングセンサとは、物体の画像を撮像し、この画像の変化を追跡することによって、物体の相対的な移動を検出するものである。トラッキングセンサは、マウス等に用いられており、小型で、安価に手に入るため、非接触の折り目検出センサに好適である。
【0039】
図8は、トラッキングセンサを折り目検出センサとして用いた構成を、概略的に示す部分断面図である。折り目検出センサ(トラッキングセンサ)109は、イメージセンサ(撮像素子)120、光源121及びレンズ122を有している。光源121から発した光は、シート90aを照明する。照明されたシート90aの画像は、レンズ122によってイメージセンサ120上に結像され、シート画像が取得される。折り目検出センサ(トラッキングセンサ)109は、シート90aから所定距離離れた位置に配置されている。これによって、シート90aの種類等に依らずにシート画像を取得することができる。
【0040】
光源121として、半導体レーザ、またはLEDを備えたものを用いることが好ましい。特に、半導体レーザを備えたものは、より詳細にシート90aの折り目を検出することが可能である。
図8では、砲弾型のパッケージを図示したが、
より小型に構成するため、パッケージ化されていない垂直共振器面発光レーザ(VCSEL:Vertically Cavity Surface LASER)または小型チップタイプのLEDを用いても良い。
【0041】
図9は、折り目検出センサ(トラッキングセンサ)109の駆動回路を示すブロック図である。
図9において、デジタル・シグナル・プロセッサ(Digital Signal Processor、以下DSPと記す)133は、画像の取得開始をタイミングジェネレータ(Timing Generator、以下TGと記す)131に指示する。指示されたTG131は駆動部134を介して光源121を点灯させて、シートを照明する。また、TG131は、イメージセンサ(撮像素子)120を駆動してシートの画像信号を取得する。イメージセンサ120で取得された画像信号は、アナログ・フロント・エンド(AFE:Analog Front End)132において、アナログ・デジタル(A/D)変換され、DSP133に入力される。DSP133では、入力されたデジタル画像信号に基づいて、シートの折り目を検出する。つまり、所謂システム・オン・チップ(SoC)を構成している。
【0042】
本実施形態において、折り目検出センサ(トラッキングセンサ)109は、折り目の検出だけでなく、
図7のステップS709で説明した折り目位置の検出にも用いられている。この原理を以下に説明する。
図10は、トラッキングセンサで検出されるシート画像の変化を示す概略図である。一例として、1マス=1画素で、5×5=25マスの画像を示す。ここでは、ある時刻(t=0)に撮像された画像と、時刻がt´だけ経過した時点での画像を示している。黒マスがどの様に移動しているかを比較して、時刻0からt´までの移動量を算出する。
図10の例では、右に1マス移動したと判定する。シート90の端部から折り目までの移動量を積算することで、シート上の折れ目92の位置を検出することができる(
図11参照)。本実施形態では、移動量の積算はDSP133で行っている。
【0043】
<折り目検出の原理>
一方、トラッキングセンサは、画像の鮮明さを示すIQ(image quality)値を出力する機能を備えている。本実施形態では、この機能を利用して折り目の検出を行うものである。このような折り目検出の原理を、
図11を用いて説明する。
図11(a)において、シート(小切手)90は矢印Dの方向に搬送される。シート90の領域91には、磁気インク文字の文字列が印字されている。この文字列は、通常、印字された面を右から左に読み取られる。
図11(a)においては、文字の読み取り順と時間の経過の方向を合わせるため、シート90を裏から見た図を示している。つまり、
図11(a)を紙面上方から見ると、シート90の裏面の領域91に磁気インク文字が印字されている。ここで、このシート90には、破線で示す折り目92が付いている。
【0044】
図11(b)は、
図11(a)の矢印D方向に搬送されるシート90が、折り目検出センサ(トラッキングセンサ)109を通過したときの、センサ出力を示すグラフである。
図11(b)において、横軸は時間、縦軸は折り目検出センサ(トラッキングセンサ)109の出力(IQ値)を示す。ここで、IQ値とは、ある時点の画像の特徴点の数を示している。画像の特徴点とは、例えば、シート表面の繊維による凹凸や、シート表面の傷等である。取得した画像の焦点が合っていて画像が鮮明ならば、IQ値は高くなる。これは、焦点が合っていれば、取得した画像の多くの部分で特徴点が検出できるからである。一方、焦点が外れて画像が不鮮明になると、取得した画像の特徴点が減少し、IQ値は低くなる。IQ値は、例えば、取得した画素の近傍画素との濃度差を、取得画像全体で積算することによって求められる。
【0045】
シート全体が白であっても、先述のようなシート表面の繊維による凹凸等により、IQ値は高くなる。また、シート全体が黒であっても、同様に画像には濃淡が存在し、ある程度のIQ値が得られる。一方、
図8に示すように、折り目92aがあると、シート90aとイメージセンサ120との距離が、L1からL2に変化する。
図12(a)に示すように、レンズ122は距離L1のとき、イメージセンサ120上にシート90aの画像が結像するように構成されている。そのため、
図12(b)のように、折り目92aによって距離がL2に変化すると、イメージセンサ120上の像は、焦点が外れて(合焦状態ではなくなり)、画像が不鮮明になる。そして、画像が不鮮明になることで、各画素の出力差が少なくなり、特徴点が減少して、IQ値が低下する。したがって、IQ値を検出することで、折り目を検出することができる。
【0046】
図11の説明に戻ると、時刻ts1にシート90の先端部が折り目検出センサ109に到達すると、シート90に焦点が合うので、a1に示すようにIQ値がIQ3と高くなる。続いて、a4に示すように、磁気インク文字が印字されたエリア1が折り目検出センサ109に到達すると、IQ値が多少変動するので、この様子を四角で囲ったb1で表している。同様に、エリア2及びエリア3においても、b2及びb3に示すようなIQ値が検出される。これに対し、時刻ts2に、折り目92が折り目検出センサ109の検出位置に来ると、先述のように焦点が外れ(合焦状態ではなくなり)、特徴点が検出されなくなるため、a2に示すように、IQ値はIQ0となる。
【0047】
その後、折り目検出センサ109がエリア3を抜けると、a5に示すように、IQ値はIQ3となる。更に、時刻ts3において、シートの後端部が折り目検出センサを抜けると、a3に示すように、IQ値はIQ0となる。ここで、折り目検出センサ109の閾値を、IQ1と予め設定しておき、IQ値がIQ1を下回ったときに、折り目があったと判定する。
【0048】
上記の閾値IQ1は、レベルIQ2に基づき、IQ0とIQ2との間に設定される。ここで、IQ2は、シート90の種類による変動や、製品のセンサ出力のばらつき等により、最も低いIQ値となるレベルである。印刷された文字の黒い部分や、シート90全体が黒い背景のシートであったとしても、焦点が合っていれば、先述のように特徴点が検出でき、ある程度のIQ値が得られる。IQ2のレベルは、製品で用いる用紙のうち、最もIQ値が低くなる用紙に基づいて決定する。例えば、用紙としては紙厚、表面性、背景色等を考慮する。この際、マージンを考慮してIQ2のレベルを低めに決定してもよい。折り目を検出する閾値IQ1は、IQ2よりも低い値に設定する。IQ1の値は固定値でも良いし、製品毎に最もIQ値が低くなる用紙を用いて測定し、製品毎のばらつき分を考慮して補正するようにしてもよい。この補正は、製造時に行っても良いし、ユーザーやサービスマンが設定できるようにしてもよい。
【0049】
次に、折り目92の位置を検出する方法について説明する。
図11(c)は、磁気データ検出部(磁気センサ)106の出力を示すグラフである(
図6参照)。
図11(c)の横軸は時間、縦軸は磁気センサの出力を示す。先に説明した折り目検出センサ109と磁気データ検出部(磁気センサ)106とは、シートの搬送方向に異なる位置に設けられているが、
図11においては、便宜的にシート90がそれぞれのセンサ(検出部)に到達した時刻を揃えて示している。シート90の磁気インク文字が印字されたエリア1~エリア3が磁気センサを通過すると、
図4に示したような出力波形が検出されるが、ここではc1~c3のように四角で囲った領域として簡略化して示した。
【0050】
図11(c)において、時刻ts1にシート90の先端が磁気センサにかかるが、ここでは磁気センサから出力波形は検出されていない。時刻tm1において、エリア1が磁気センサに到達すると、c1に示すように磁気センサによって出力波形が検出される。ここで、磁気インク文字は、エリア1の右側(
図11では裏面から見ているので、左側)に印字された文字から順次読み出される。次に、c2に示すように、エリア2の右側に印字された文字から順次読み出される。この際、時刻ts2に折り目92の位置に印字された文字が対応することが、後述する方法で検知される。続いて、c3に示すように、エリア3に印字された文字が読み出され、時刻tm2にエリア3の読み取りを終了した後、時刻ts3においてシート90が磁気センサを抜ける。
【0051】
ここで、シート90の右端(
図11では裏面から見ているので、左端)から、磁気インク文字が印字される位置は、仕様で決められている。また、シートの搬送速度は既知であるので、
図11(c)の時間ts1に対する時間tm1は仕様から算出することができる。同様に、磁気センサで出力波形c1が観測され始めた時刻tm1と、折り目92が検出された時刻ts2から、シートの移動量を算出することで、シート90上の折り目92の位置を求めることができる。
【0052】
また、シート90の左端(
図11では右端)から、磁気インク文字が印字される位置は、仕様で決められている。そのため、
図11(c)の時刻ts3に対する時刻tm2は仕様から算出することができる。そして、同じように、折り目92が検出された時刻ts2と、出力波形c3が観測された最後の時刻tm2からシートの移動量を算出することで、シート90上の折り目92の位置を求めることができる。
【0053】
このように、シートのどちらの端からでも、折り目の位置を検出することができ、そのことによって、磁気インク文字のどの文字に折り目が重なるかを検知することができる。そして、折り目が重なると判断された磁気インク文字に対して、
図7のステップS713で説明したようなOCR処理を行なえば良い。磁気インク文字が印字される位置は、仕様の位置から多少ずれることがある。そのため、折り目の位置に対して、その前後の文字も誤読の虞があると判断される。そのため、折り目の位置に対して、その前後の文字もOCRを併用するようにしてもよい。
【0054】
また、
図11(a)に示すエリア1とエリア2の間に折り目が存在した場合、
図11(b)のb1とb2の間に閾値IQ1を下回るIQ値が観測される。この場合、磁気インク文字が印字されていないエリアであり、折り目があっても誤読の虞は無いので、OCRの併用及びオペレータ(使用者)への報知を行わないように処理としてもよい。この場合には、OCRを行う必要がなくなるので、処理が高速化できる。
【0055】
<他の折り目検出センサの例>
先述の実施形態では、トラッキングセンサを折り目検出センサとして用いたが、他のセンサを用いても良い。この例を以下に説明する。
図13は、測距イメージセンサを折り目検出センサとして用いた構成を示す概略図である。この折り目検出センサは、CPU140、TG141、光源142、光源142の駆動部145、測距イメージセンサ143及び距離検出部144で構成される。CPU140からTG141へ、シートまでの距離の計測が指示されると、TG141は距離計測に必要な信号を駆動部145に出力する。駆動部145はTG141からの信号を基に、光源142をパルス発光する。光源142から発した光は、シート90で反射し、測距イメージセンサ143に入射する。距離検出部144は、TG141からの信号と、測距イメージセンサ143からの信号に基づいて距離を検出する。そして、距離検出部144は検出した距離情報をCPU140に出力する。
【0056】
図14は、距離検出部144における距離検出の原理を説明するタイミングチャートである。TG141からの出力パルスと、測距イメージセンサ143からの出力パルスを比較し、遅れ時間tdを検出する。この遅れ時間tdに基づいて、光源142から測距イメージセンサ143までの距離Lを算出する。シート90に折り目がある場合、距離Lが変化するので、折り目を検出することが可能となる。ここで、駆動部145からの信号に対する光源142における発光遅延時間と、測距イメージセンサ143からの出力遅延時間を、あらかじめ求めておいても良い。この遅延時間を用いて、遅れ時間tdを補正することで、距離Lをより正確に算出することができる。
【0057】
図13で説明したように、測距イメージセンサを折り目検出センサに用いた場合、距離Lの変化を求めるために、距離Lを長くする必要がある。また光は、1nsecに約30cm進むので、この折り目検出センサをコンパクトに構成するには、psecオーダーの変化を検出する必要がある。このため、測距イメージセンサを用いた場合には、求められる回路精度が高くなり、結果としてコスト高になることも考えられる。
【0058】
<折り目検出センサの配置>
次に、折り目検出センサの配置に関して説明する。折り目検出センサは、折り目が検出できればよいので、搬送路中のどこに配置してもかまわない。しかし、以下に示すような場合、折り目検出センサを特定の位置に配置することが好ましい。例えば、
図15は、シート90bに磁気インク文字91bが印字され、折り目92bがある状態のシートである。このように、折り目は必ずしもシートの中央に存在するとは限らない。また、必ずシートの端部まで達しているとも限らない。
図15に示すような場合、折り目検出センサ109は、
図16で説明するように配置されることが望まれる。
【0059】
図16は、折り目検出センサの配置を説明するための概略図である。シート90bのような折り目を検出する場合、折り目検出センサ109を、シートの搬送方向に、磁気データ検出部(磁気センサ)106と同一線上に配置するとよい。ここで、搬送路110に対して、折り目検出センサ109のセンターと、磁気データ検出部(磁気センサ)106のセンターとの高さは、
図16のBに示すように、同等の高さとなる。このようにすることで、
図15のような折り目92bに対しても、良好に検出することができる。
【0060】
また、折り目検出センサ109を、シートの搬送方向に関し、磁気データ検出部(磁気センサ)106よりも上流側(
図16の矢印Aの方向)に配置することが望ましい。この構成とすることで、シートの折り目検出をMICR処理よりも早く処理することができ、装置の高速化が可能である。折り目検出センサは、使用するセンサによっては、サイズが大きくなることがあり、装置外側に配置すると装置全体が大型化する問題がある。装置の小型化を考慮すると、
図5に示すように、折り目検出センサ109を、搬送路110の内側に配置することが望ましい。
【0061】
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態を詳細に説明したが、本発明はこの実施形態に限ることなく、種々の変形、応用が可能である。例えば、先の実施形態では、MICR処理及びOCR処理を情報読取装置内で行っている。ただ、これに代えて、情報読取装置300からデータをホスト装置301に送り、これらの処理をホスト装置301で行うようにしても良い(
図6参照)。この場合、ホスト装置を含めたシステムが本発明の情報読取装置に対応する。また、折り目の検出に関しても、トラッキングセンサで画像信号の取得のみを行い、不図示の画像信号処理デバイスを別途用意して、この画像信号処理デバイスで折り目を検出するようにしても良い。
【0062】
更に、先述の実施形態では、シートの一方の側から折り目を検出したが、折り目検出センサを、搬送路を挟んだ両側に設け、シートの表裏の両方向から折り目を検出するようにしても良い。この構成によって、折り目の検出精度を向上させることができる。本発明は、特許請求の範囲を逸脱しない限りにおいて、このような種々の改良や変更を行った情報読取装置を全て包含するものである。
【符号の説明】
【0063】
10 MICR制御部
20 OCR制御部
50 折り目検出制御部
106 磁気データ検出部
108 画像読取センサ
109 折り目検出センサ