IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社LIXILグループの特許一覧

<>
  • 特開-改装建具の施工方法 図1
  • 特開-改装建具の施工方法 図2
  • 特開-改装建具の施工方法 図3
  • 特開-改装建具の施工方法 図4
  • 特開-改装建具の施工方法 図5
  • 特開-改装建具の施工方法 図6
  • 特開-改装建具の施工方法 図7
  • 特開-改装建具の施工方法 図8
  • 特開-改装建具の施工方法 図9
  • 特開-改装建具の施工方法 図10
  • 特開-改装建具の施工方法 図11
  • 特開-改装建具の施工方法 図12
  • 特開-改装建具の施工方法 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023013171
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】改装建具の施工方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/70 20060101AFI20230119BHJP
   E06B 3/76 20060101ALI20230119BHJP
   E06B 7/04 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
E06B3/70 Z
E06B3/76
E06B7/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021117154
(22)【出願日】2021-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】大前 貴義
(72)【発明者】
【氏名】谷本 悠輔
【テーマコード(参考)】
2E016
2E036
【Fターム(参考)】
2E016HA00
2E016HA01
2E016HA05
2E016JA11
2E016KA01
2E016LA01
2E016LB02
2E016LB03
2E016LB09
2E016LC02
2E016MA11
2E016MA25
2E016NA07
2E016PA03
2E016PA06
2E016RA02
2E016RA05
2E036JA03
2E036JC03
2E036KA04
2E036KA08
2E036KB01
2E036KB05
2E036LA06
(57)【要約】
【課題】枠体の開口面積が小さくなることを抑制できる改装建具の施工方法を提供すること。
【解決手段】改装建具1A,1Bの施工方法は、既設のドア枠体2から既設のドア本体3を取り外す既設ドア取り外し工程と、既設ドア取り外し工程の後に、既設のドア本体3が有する機能とは異なる機能を有する新設のドア本体4,5を、既設のドア枠体2に取り付ける新設ドア取り付け工程と、を含む。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設のドア枠体から既設のドア本体を取り外す既設ドア取り外し工程と、
前記既設ドア取り外し工程の後に、前記既設のドア本体が有する機能とは異なる機能を有する新設のドア本体を、前記既設のドア枠体に取り付ける新設ドア取り付け工程と、を含む改装建具の施工方法。
【請求項2】
前記新設のドア本体における前記既設のドア本体が有する機能とは異なる機能は、前記既設のドア本体よりも断熱性が高い高断熱機能、前記既設のドア本体が採風機能を備えていない場合における採風機能、及び、前記既設のドア本体よりも施解錠の操作性が向上された操作性向上機能のいずれか一以上の機能である、請求項1に記載の改装建具の施工方法。
【請求項3】
前記高断熱機能を備える前記新設のドア本体は、該新設のドア本体の室外側に配置される室外側鋼板と、該新設のドア本体の室内側に配置される室内側鋼板と、前記室外側鋼板と前記室内側鋼板との間に配置される断熱材と、を有する、請求項2に記載の改装建具の施工方法。
【請求項4】
前記採風機能を備える新設のドア本体は、採風窓を有する、請求項2又は3に記載の改装建具の施工方法。
【請求項5】
前記操作性向上機能を備える新設のドア本体は、電気錠を有する、請求項2~4のいずれかに記載の改装建具の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、改装建具の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の開口に取り付ける建具に関して、リフォーム等で改装する方法として、カバー工法が採用されている。このカバー工法によって改装された改装建具では、建物の開口に取り付けられた既設枠に対して、その内周側を覆うように新設枠が取り付けられる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-33282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カバー工法により既設枠に新設枠を取り付けた改装建具においては、既設枠を覆うように新設枠を取り付けるため、枠体の開口面積が小さくなっていた。改装建具において、枠体の開口面積が小さくなることを抑制できることが求められている。
【0005】
本開示は、枠体の開口面積が小さくなることを抑制できる改装建具の施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、既設のドア枠体から既設のドア本体を取り外す既設ドア取り外し工程と、前記既設ドア取り外し工程の後に、前記既設のドア本体が有する機能とは異なる機能を有する新設のドア本体を、前記既設のドア枠体に取り付ける新設ドア取り付け工程と、を含む改装建具の施工方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態の既設枠に既設ドアが取り付けられた既設の建具を室外側から見た図である。
図2図1の縦断面図である。
図3図1の横断面図である。
図4図1の既設枠から既設ドアを取り外した状態を示す図である。
図5】高断熱機能を備えた新設ドアを既設枠に取り付ける状態を室外側から見た図である。
図6】高断熱機能を備えた新設ドアが既設枠に取り付けられた改装建具を示す図である。
図7図6の縦断面図である。
図8図6の横断面図である。
図9】採風機能を備えた新設ドアを既設枠に取り付ける状態を室外側から見た図である。
図10図9に示す採風機能を備えた新設ドアを室内側から見た図である。
図11】採風機能を備えた新設ドアが既設枠に取り付けられた改装建具を示す図である。
図12図11の縦断面図である。
図13図11の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、以下において左右方向とは、室内側から見た場合の左右方向を意味する。また、「見付方向」とは、ドア本体3の幅方向(すなわち、左右方向)を意味する。
【0009】
本実施形態の改装建具1A,1B(図6図11参照)は、既設の建具1(図1参照)の既設のドア枠体2から既設のドア本体3を取り外して(図4参照)、既設のドア枠体2に新設のドア本体4,5(図5図9参照)を取り付けることで構成される建具である。既設の建具1において、既設のドア枠体2を利用して、既設のドア本体3を、既設のドア本体3が有する機能とは異なる機能を有する新設のドア本体4,5に改装したい場合がある。このような場合に、使用される改装建具である。
【0010】
まず、既設の建具1について説明する。図1に示すように、既設の建具1は、既設のドア枠体2(既設の枠体)と、既設のドア本体3と、複数の丁番10と、を備える。なお、以下の説明において、「吊元側」とは、ドア本体3の吊元側を意味し、「戸先側」とは、ドア本体3の戸先側を意味する。
【0011】
既設のドア枠体2は、図1図3に示すように、建物に形成された躯体の開口部に固定されている。ドア枠体2は、横枠としての上枠21、下枠22、縦枠としての戸先側の縦枠23及び吊元側の縦枠24により矩形に枠組みされる。上枠21、下枠22、戸先側の縦枠23及び吊元側の縦枠24は、例えば、アルミニウム材を用いた押出成形でそれぞれ形成される。
【0012】
図2に示すように、上枠21は、断面方形の中空部211を有するホロー構造に形成され、その下面がドア本体3の上面に対向している。上枠21は、下方に延びる上枠パッキン取り付け部212を有する。上枠パッキン取り付け部212には、ドア本体3を傷つけないように受け止めるシールパッキン213が取り付けられている。
【0013】
下枠22は、上枠21に対向して配置され、段差状に形成される。下枠22は、上方に延びる下枠パッキン取り付け部221を有する。下枠パッキン取り付け部221には、ドア本体3を傷つけないように受け止めるシールパッキン222が取り付けられている。
【0014】
図3に示すように、左右の縦枠23、24は、断面方形の中空部231,241を有するホロー構造に形成され、その内側の側面がドア本体3の室内外方向に延びる端面に対向している。左右の縦枠23、24は、それぞれ、ドア本体4の内側に向かって延びる縦枠パッキン取り付け部232、242を有する。縦枠パッキン取り付け部232、242には、シールパッキン233,243が取り付けられている。
【0015】
図1に示すように、既設のドア枠体2の吊元側の縦枠24には、複数の枠側丁番27が設けられる。枠側丁番27は、ドア本体3のドア側丁番37が取り付けられる位置に配置される。ドア枠体2の吊元側の縦枠24に、ドア本体3のドア側丁番37が取り付けられることで、ドア本体3をドア枠体2に対して開閉するように支持する丁番10を構成する。
【0016】
既設のドア枠体2の戸先側の縦枠23には、鍵受け部(図示せず)が設けられる。鍵受け部は、ドア本体3に設けられた上シリンダー錠391(後述)及び下シリンダー錠392(後述)が操作された場合に、デッドボルトや鎌錠などを受ける凹部などにより構成される。
【0017】
既設のドア本体3は、図1に示すように、ドア枠体2の内側に吊り込まれる開き戸である。複数の丁番10により、ドア枠体2にドア本体3が開閉可能(回動可能)に支持される。
【0018】
図1図3に示すように、ドア本体3は、上框31、下框32、縦框33及び縦框34によって矩形に框組みされた框体30と、框体30の内側に配置される3つの縦材35と、2枚のガラス36と、を備える。図1に示すように、2枚のガラス36は、それぞれ、ドア本体3に設けられた2つの開口部3aそれぞれに配置される。
【0019】
図2に示すように、上框31は、断面方形の2つの中空部311,312を有するホロー構造に形成される。上框31の下方側開放部には、ガラス36の上端部が配置される。下框32は、断面方形の2つの中空部321,322を有するホロー構造に形成される。下框32の上方側開放部には、ガラス36の下端部が配置される。
【0020】
図3に示すように、戸先側の縦框33は、断面方形の1つの中空部331を有するホロー構造に形成される。戸先側の縦框33の内側には、端部縦材351が係合して配置される。吊元側の縦框34は、断面方形の1つの中空部341を有するホロー構造に形成される。吊元側の縦框34の内側には、端部縦材351が係合して配置される。
【0021】
3つの縦材35のうちの2つの端部縦材351,351は、框体30内において、左右方向の両端部に配置され、上下方向に延びる。3つの縦材35のうちの1つの中間縦材352は、2つの端部縦材351,351の間の領域を左右方向の左右の2つの開口部3aに仕切るように、2つの端部縦材351,351の間の左右方向の途中において、上下方向に延びる。框体30及び縦材35は、例えば、アルミニウム等の金属材料により形成される。
【0022】
上框31、下框32、端部縦材351及び中間縦材352の内側には、ガラス36が保持されている。上框31、下框32、端部縦材351及び中間縦材352の内側には、ガラス36が保持されている。
【0023】
ドア本体3の吊元側の端部には、図1に示すように、上下方向に離間して3つのドア側丁番37が設けられている。ドア側丁番37が、枠側丁番27に取り付けられることで、ドア本体3を、丁番10(ドア側丁番37)を介して、ドア枠体2に開閉可能に取り付けることができる。
【0024】
ドア本体3の戸先側の縦框33の室外側には、上シリンダー錠391、下シリンダー錠392及び室外側ハンドル393が取り付けられている。
【0025】
室外側ハンドル393は、ドア本体3の室外側の戸先側に配置される。室外側から室外側ハンドル393を把持してドア本体3を室外側に引くことで、ドア本体3を、丁番10を中心に回動させて開放することができる。
【0026】
上シリンダー錠391及び下シリンダー錠392は、室外側ハンドル393の上下にそれぞれ配置される。上シリンダー錠391及び下シリンダー錠392は、鍵を挿入して回転させることができる。上シリンダー錠391及び下シリンダー錠392を回転させることで図示しないデットボルトを操作できる。デットボルトを操作することで建具1を施錠できる。
【0027】
ここで、以上のように構成された既設の建具1において、既設のドア本体3について、既設のドア本体3が有する機能とは異なる機能を有する新設のドア本体としたい場合がある。この場合に、従来のカバー工法などにより既設枠を新設枠により覆うことで改装を行うと、新設枠が既設枠の内側に配置されて、ドア枠体の開口面積が狭くなる。
【0028】
これに対して、以下の第1改装例及び第2改装例において、例えば、既設のドア枠体2に、新設のドア枠体を取り付けずに、既設のドア本体3よりも断熱性が高い高断熱機能を備える新設のドア本体4や、採風機能を備える新設のドア本体5を取り付ける。これにより、既設のドア本体3が有する機能とは異なる機能(高断熱機能や採風機能)を備えたドア本体4,5を実現する。
【0029】
第1改装例について説明する。第1改装例においては、図4に示すように、既設のドア枠体2から既設のドア本体3を取り外して(既設ドア取り外し工程)、その後、図5及び図6に示すように、既設のドア本体3を取り外した既設のドア枠体2に、既設のドア本体よりも断熱性が高い高断熱機能を有する新設のドア本体4を取り付ける(新設ドア取り付け工程)。これにより、図6に示すように、新設の高断熱機能を有するドア本体4を備える改装建具1Aとすることができる。第1改装例の新設のドア本体4は、既設のドア本体3よりも断熱性が高い高断熱機能を有する。
【0030】
高断熱機能を備える新設のドア本体4は、図6に示すように、既設のドア枠体2の内側に開閉可能に嵌め込まれる。具体的には、高断熱機能を備える新設のドア本体5は、丁番10Aによって、既設のドア枠体2の内側に吊り込まれる。
【0031】
新設の高断熱機能を有するドア本体4は、図7及び図8に示すように、上材41、下材42、縦材43及び縦材44によって矩形に枠組みされた枠材40と、ドア本体4の室外側に配置される金属製の室外側鋼板451と、ドア本体4の室内側に配置される金属製の室内側鋼板452と、枠材40、室外側鋼板451及び室内側鋼板452で囲まれる空間に設けられる断熱材453と、を備える。ドア本体4は、室外側鋼板451及び室内側鋼板452の間に配置される断熱材453を設けることで、高断熱機能を有する。断熱材453は、例えば、発泡ポリスチレンにより形成される。
【0032】
ドア本体4の吊元側の端部には、図5及び図6に示すように、上下方向に離間して3つのドア側丁番47が設けられている。ドア側丁番47が、枠側丁番27に取り付けられることで、図6に示すように、ドア本体4を、丁番10A(ドア側丁番47)を介して、ドア枠体2に開閉可能に取り付けることができる。
【0033】
ドア本体4の戸先側の室外側には、上シリンダー錠491、下シリンダー錠492及び室外側ハンドル493が取り付けられている。
【0034】
室外側ハンドル493は、ドア本体4の室外側の戸先側に配置される。室外側から室外側ハンドル493を把持してドア本体4を室外側に引くことで、ドア本体4を、丁番10Aを中心に回動させて開放することができる。
【0035】
上シリンダー錠491及び下シリンダー錠492は、室外側ハンドル493の上下にそれぞれ配置される。上シリンダー錠491及び下シリンダー錠492は、鍵を挿入して回転させることができる。上シリンダー錠491及び下シリンダー錠492を回転させることで図示しないデットボルトを操作できる。デットボルトを操作することで改装建具1Aを施錠できる。
【0036】
上シリンダー錠491及び下シリンダー錠492により操作されるデッドボルトは、少なくとも、既設のドア枠体2において使用できるように、同一位置に設けられている。なお、新設のドア本体4は、少なくとも、既設のドア枠体2に設けられた錠受け部(図示せず)に対応できる錠構造を備えていればよい。
【0037】
既設のドア枠体2に新設の高断熱機能を有するドア本体4を取り付ける場合には、図5に示すように、新設の高断熱機能を有するドア本体4のドア側丁番47を、枠側丁番27に取り付ける。これにより、丁番10Aによって開閉可能に、吊元側の縦枠24に開閉可能に取り付けることができ、既設のドア枠体2に新設の高断熱機能を有するドア本体4を取り付けることができる。
【0038】
第2改装例について説明する。第2改装例においては、図4に示すように、既設のドア枠体2から既設のドア本体3を取り外して(既設ドア取り外し工程)、その後、図9に示すように、既設のドア本体3を取り外した既設のドア枠体2に、既設のドア本体3が有する機能とは異なる機能である採風機能を有する新設のドア本体5(図10参照)を取り付ける(新設ドア取り付け工程)。これにより、図11に示すように、新設の採風機能を有するドア本体5を備える改装建具1Bとすることができる。第2改装例の新設のドア本体5は、採風機能を有する。既設のドア本体3から取り外した既設のドア本体3は、採風機能を備えていない。
【0039】
採風機能を備える新設のドア本体5は、図11に示すように、既設のドア枠体2の内側に開閉可能に嵌め込まれる。具体的には、採風機能を備える新設のドア本体5は、丁番10Bによって、既設のドア枠体2の内側に吊り込まれる。
【0040】
新設の採風機能を備えるドア本体5は、図10に示すように、縦辷り出しタイプの採風障子53(採風窓)を備え、採風障子53を開放すれば、ドア本体5を開放することなく室内の通気・換気(採風)が可能になる。
【0041】
採風機能を備える新設のドア本体5は、図12及び図13に示すように、ドア本体5の四周を囲んで配置される框体51と、ドア本体5の吊元側に形成される開口部52と、開口部52に固定され開口部枠体54と、開口部枠体54に嵌め込まれる採風障子53と、室外側面材551と、室内側面材552と、室外側面材551と室内側面材552との間に配置される断熱材553と、室内側面材552において開口部52の左右方向の両脇に配置される一対の額縁部材554と、格子56と、を備える。ドア本体5は、採風障子53を備えることで採風機能を有すると共に、室外側面材551と室内側面材552との間に断熱材553を備えることで断熱機能を有する。
【0042】
框体51は、ドア本体5の四周を囲んで配置される。框体51は、横框としての上框511、下框512、縦框としての戸先側の縦框513及び吊元側の縦框514により矩形に框組みされる。開口部52は、図10に示すように、框体51の内側であって、ドア本体5の見付方向(左右方向)の中心よりも吊元側に形成される。
【0043】
開口部52の周囲には、開口部枠体54が設けられる。開口部枠体54は、横枠としての開口部上枠541及び開口部下枠542と、縦枠としての戸先側の開口部縦枠543及び吊元側の開口部縦枠544により矩形に枠組みされる。開口部52の内部には、採風障子53が嵌め込まれる。
【0044】
採風障子53は、矩形に框組された採風框体531と、採風框体531の内側に嵌め込まれるガラス532と、把手533(図10参照)と、を備える。採風障子53は、縦辷り出しタイプの障子であり、採風障子53を開放すれば、ドア本体5を開放することなく室内の通気・換気(採風)が可能になる。開口部枠体54及び開口部枠体54に適合する採風障子53等を含んで、縦辷り出し窓50が構成される。
【0045】
室外側面材551は、ドア本体5の室外側の表面に配置される。室内側面材552は、ドア本体5の室内側の表面に配置される。室外側面材551と室内側面材552との間には、断熱材553が配置される。断熱材553は、例えば、発泡ポリスチレンにより形成される。
【0046】
格子56は、採風障子53の室外側に配置される。格子56は、2本の縦格子561と、水平材562と、を有する。2本の縦格子561は、ドア本体5の上端から下端に亘って延設される。水平材562は、縦格子561の採風障子53側に配置され、縦格子561の高さ方向の略中央部において、縦格子561と直角に交差する。
【0047】
ドア本体5の吊元側の端部には、上下方向に離間して3つのドア側丁番57が設けられている。ドア側丁番57が、枠側丁番27に取り付けられることで、ドア本体5を、丁番10B(ドア側丁番57)を介して、ドア枠体2に開閉可能に取り付けることができる。
【0048】
ドア本体5の戸先側の室外側には、図9に示すように、上シリンダー錠591、下シリンダー錠592及び室外側ハンドル593が取り付けられている。ドア本体5の戸先側の室内側には、図10に示すように、上サムターン595、下サムターン596及び室内側ハンドル597が取り付けられている。
【0049】
室外側ハンドル593は、ドア本体5の室外側の戸先側に配置される。室外側から室外側ハンドル593を把持してドア本体5を室外側に引くことで、ドア本体5を、丁番10Bを中心に回動させて開放することができる。
【0050】
上シリンダー錠591及び下シリンダー錠592は、室外側ハンドル593の上下にそれぞれ配置される。上シリンダー錠591及び下シリンダー錠592は、鍵を挿入して回転させることができる。上シリンダー錠591及び下シリンダー錠592を回転させることで図示しないデットボルトを操作できる。デットボルトを操作することで改装建具1Bを施錠できる。
【0051】
室内側ハンドル597は、ドア本体5の室内側の戸先側に配置される。室内側から室内側ハンドル597を把持して引くことで、ドア本体5を、丁番10Bを中心に回動させて開放することができる。
【0052】
上サムターン595及び下サムターン596は、室内側ハンドル597の上下にそれぞれ配置される。上サムターン595及び下サムターン596を回転させることによっても、図示しないデットボルトを操作して、改装建具1Bを施錠できる。
【0053】
上シリンダー錠591、下シリンダー錠592、上サムターン595及び下サムターン596により操作されるデッドボルトは、少なくとも、既設のドア枠体2において使用できるように、同一位置に設けられている。なお、新設のドア本体5は、少なくとも、既設のドア枠体2に設けられた錠受け部(図示せず)に対応できる錠構造を備えていればよい。
【0054】
既設のドア枠体2に新設の採風機能を有するドア本体5を取り付ける場合には、新設の採風機能を有するドア本体5を、ドア側丁番57を枠側丁番27に取り付ける。これにより、丁番10Bによって開閉可能に、吊元側の縦枠24に開閉可能に取り付けることができ、既設のドア枠体2に新設の採風機能を有するドア本体5を取り付けることができる。
【0055】
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。本実施形態の改装建具1A,1Bの施工方法は、既設のドア枠体2から既設のドア本体3を取り外す既設ドア取り外し工程と、その後に、既設のドア本体3が有する機能とは異なる機能を有する新設のドア本体4,5を、既設のドア枠体2に取り付ける新設ドア取り付け工程と、を含む。
【0056】
そのため、既設のドア枠体2を使用することで、既設枠を覆うように新設枠を取り付けることを行わないため、既設のドア本体3が有する機能とは異なる機能を有する新設のドア本体4,5を備えつつ、ドア枠体2の開口面積が小さくなることを抑制できる。また、既設のドア枠体2を使用することで、既設枠を覆うように新設枠を取り付けることを行わないため、カバー工法を利用して既設枠に新設枠を取り付けるよりも、製造コストを低減できる。また、新設のドア本体4,5に交換するだけの簡単な作業で、例えば、既設のドア本体3よりも断熱性が高い高断熱機能を有する新設のドア本体4を備えた改装建具1Aとすることや、採風機能を有する新設のドア本体5を備えた改装建具1Bとすることができる。
【0057】
なお、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれる。
【0058】
例えば、前記実施形態では、既設のドア枠体2に、既設のドア本体3よりも断熱性が高い高断熱機能を有する新設のドア本体4を取り付けたり、既設のドア本体3が有していない採風機能を有する新設のドア本体5を取り付けることで、新たな機能を有するドア本体としたが、これに限定されない。例えば、既設のドア枠に、既設のドア本体3よりも施解錠の操作性が向上された操作性向上機能を有する電子錠を備える新設のドア本体を取り付けるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0059】
1A,1B 改装建具、2 既設のドア枠、3 既設のドア本体、4,5 新設のドア本体、53 採風障子(採風窓)、451 室外側鋼板、452 室内側鋼板452、453 断熱材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13