(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132901
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】改札システム、改札方法、および改札プログラム
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20230914BHJP
【FI】
G07B15/00 H
G07B15/00 501
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022038478
(22)【出願日】2022-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 直哉
【テーマコード(参考)】
3E127
【Fターム(参考)】
3E127AA03
3E127AA06
3E127BA45
3E127CA02
3E127CA37
3E127DA02
3E127DA30
3E127DA32
3E127DA33
3E127FA16
3E127FA21
3E127FA24
(57)【要約】
【課題】利用者の流動性を確保すること。
【解決手段】実施形態に係る改札システムであって、改札機の通路を撮影するカメラで撮影された撮影画像を取得する取得部と、撮影画像に基づいて第1の利用者の顔を認証する顔認証部と、撮影画像に基づいて第1の利用者をトラッキングし、第1の利用者をトラッキングできていると判定した場合に第2の利用者を検知したかどうか判定する制御装置と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
改札機の通路を撮影するカメラで撮影された撮影画像を取得する取得部と、
前記撮影画像に基づいて第1の利用者の顔を認証する顔認証部と、
前記撮影画像に基づいて前記第1の利用者をトラッキングし、前記第1の利用者をトラッキングできていると判定した場合に第2の利用者を検知したかどうか判定する制御装置と、
を備える、改札システム。
【請求項2】
前記第2の利用者を検知することは、前記第2の利用者の顔を検知することを備える、請求項1に記載の改札システム。
【請求項3】
前記第2の利用者の顔を検知することができないと判定した場合、前記制御装置は、前記第2の利用者の認証処理を中止する、請求項2に記載の改札システム。
【請求項4】
前記第2の利用者の顔を検知したと判定した場合、前記顔認証部は、前記第2の利用者の顔認証を実行する、請求項2に記載の改札システム。
【請求項5】
前記第2の利用者を検知することは、前記第2の利用者の体または荷物の少なくとも一方を検知することを備える、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の改札システム。
【請求項6】
前記利用者の体または荷物の少なくとも一方を検知した場合、前記制御装置は、前記第2の利用者の認証処理を中止する、請求項5に記載の改札システム。
【請求項7】
前記トラッキングは、第1の利用者の顔、体、およびに荷物を検知することを含む、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の改札システム。
【請求項8】
前記トラッキングができていないと判定した場合、前記制御装置は、第2の利用者の顔が検知できているかを判定する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の改札システム。
【請求項9】
改札機の通路を撮影するカメラで撮影された撮影画像を取得することと、
前記撮影画像に基づいて第1の利用者の顔を認証することと、
前記撮影画像に基づいて前記第1の利用者をトラッキングすることと、
前記第1の利用者をトラッキングできていると判定した場合に第2の利用者を検知したかどうか判定することと、
を備える、改札方法。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の前記改札システムの各部としてプロセッサを機能させる改札プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、改札システム、改札方法、および改札プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
改札機の入出場の際、改札機または改札機に接続されたサーバは、特定の人物が使用できる割引の譲渡対策として顔認証によって入出場の許可または不許可を判定する。
【0003】
顔認証を行う場合、利用者が全く映らない状態でも顔と誤認識する可能性がある。さらに、入出場する意思のない利用者の顔を検知してしまう場合がある。例えば、ある境界線を通行者が越えたことをトリガにして、利用者の顔を撮影し、顔認証を行う技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
顔認証を行う際、1人目の利用者の陰に2人目の利用者がいるために2人目の利用者の顔をカメラで撮影できない場合がある。或いは、荷物等によりユーザの顔がカメラで撮影できない場合もある。一方、利用者は、カメラで顔が撮影できていないことを知る手段がない。そのため、顔認証を行うための利用者同士の適切な距離を保つことは困難である。
【0006】
この発明は、上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、利用者の顔を撮影できなかった場合に、改札機で利用者を止める可能性を低減することにより、利用者の流動性を確保することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る改札システムは、改札機の通路を撮影するカメラで撮影された撮影画像を取得する取得部と、前記撮影画像に基づいて第1の利用者の顔を認証する顔認証部と、前記撮影画像に基づいて前記第1の利用者をトラッキングし、前記第1の利用者をトラッキングできていると判定した場合に第2の利用者を検知したかどうか判定する制御装置と、を備えるようにしたものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る改札システムの構成例を示す概念図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る改札機の構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る中央サーバの構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、
図1に示される改札システムでの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、
図1に示される改札システムでの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら改札システム、改札方法、および改札プログラムについて詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、同一の番号を付した部分については同様の動作を行うものとして、重ねての説明を省略する。例えば、複数の同一または類似の要素が存在する場合に、各要素を区別せずに説明するために共通の符号を用いることがあるし、各要素を区別して説明するために当該共通の符号に加えて枝番号を用いることもある。
【0010】
図1は、実施形態に係る改札システム10の構成例を示す概念図である。
改札システム10は例えば、鉄道またはバス等の交通機関における改札機での入出場の制御を行うためのシステムである。また、改札システム10は、ライブ会場等の入出場等にも適用可能なのは勿論である。
【0011】
図1に示すように、改札システム10は、改札機20、カメラ21、媒体検知部22、ドア23、中央サーバ30等を有する。
【0012】
改札機20は、通路を通過(入場または出場)しようとする利用者(旅客)に対して通行を許可するかどうかを制御する。改札機20は、駅等の改札口に1台または複数台設置されていて良い。そして、これらの改札機20はそれぞれ、利用者を通行させる通路を形成する。また、改札機20は、ネットワークを介してまたは有線で中央サーバ30と接続可能であり、中央サーバ30との間で各種情報を送受信する。
【0013】
カメラ21は、改札機20に対応して設置される。例えば、カメラ21は、通路内を通過する利用者の顔が撮影可能になるような撮影範囲を確保できるように設置される。そのため、カメラ21は、改札機20上に設置されていても良いし、改札機20とは別の場所に設置されていても良い。ここで、
図1に示す例では、カメラ21は、改札機20とは別の場所に設置されている例を示している。
【0014】
媒体検知部22は、例えば、利用者が所持する媒体(例えば、ICカード乗車券、2次元コード、バーコード等)を用いて入出場処理を実行する改札機20上に設置される。そして、媒体検知部22は、利用者の媒体を検知し、媒体に記憶された情報を読み取る。例えば、利用者がICカード乗車券を媒体検知部22に翳した場合、媒体検知部22は、ICカード乗車券を検知し、ICカード乗車券との間で各種情報を送受信することができる。
【0015】
ドア23は、改札機20に設置され、利用者の通行を許可しない場合、物理的に利用者の通行を阻止する。
【0016】
中央サーバ30は、改札機20と有線または無線により接続される。そして、中央サーバ30は、駅の構内、駅の管理室等に設置される。また、中央サーバ30は、改札機20から受信した各種情報により、顔認証等の各種認証を行うことができる。
【0017】
[第1の実施形態]
(構成)
次に、第1の実施形態に係る改札システム10における改札機20の構成について説明する。
【0018】
図2は、第1の実施形態に係る改札機20の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、改札機20は、制御装置201と、記憶部202と、通信部203と、媒体認証部204と、顔認証部205と、インタフェース206と、通行制御部207と、および通知部208と、を備える。
【0019】
制御装置201は、改札機20における各種動作を制御する。制御装置201は、プログラムを実行するプロセッサを有する。例えば、制御装置201は、プロセッサ、メモリおよびインタフェース等を備える。制御装置201は、プロセッサが記憶部202または制御装置201内のメモリに記憶するプログラムを実行することにより各種の処理を実行する。
【0020】
例えば、制御装置201は、取得部として動作する。制御装置201は、後述するインタフェース206を通じて、カメラ21から撮影画像を取得する。さらに制御装置201は、インタフェース206を通じて、媒体検知部22から各種情報を受信する。そして、制御装置201は、取得した各種情報を記憶部202に記憶させる。また、制御装置201は、後述する通信部203を通じて、取得した各種情報を中央サーバ30に送信して良い。
【0021】
例えば、制御装置201は、検知部として動作する。制御装置201は、カメラ21からの撮影画像から利用者の顔を検知する。ここで、制御装置201は、撮影画像から利用者の顔を検知するのみに限られず、利用者の体および荷物を検知することも可能である。
【0022】
さらに、制御装置201は、通行制御部として動作する。制御装置201は、通行制御部207を制御して利用者の通行を制御する。制御装置201は、媒体の認証または利用者の顔認証の少なくとも一方が成功した場合、利用者の通行(入場または出場)を許可する。一方、媒体認証または顔認証のいずれかが失敗した場合、制御装置201は、当該利用者を通行不可として通行制御部207を制御して利用者の通行を阻止する。
【0023】
記憶部202は、HDD(ハードディスクドライブ)或いはSSD(ソリッドステートドライブ)等の書き換え可能な不揮発性のメモリで構成する。記憶部202は、顔データベースを記憶する。顔データベースは、改札機20を利用する利用者が事前に登録した顔データのデータベースである。例えば、取得部として動作する制御装置201は、券売機に設置されたカメラ21によって撮影された顔画像に基づいて顔データを取得し、記憶部202の顔データベース2021に記憶させる。或いは、取得部として動作する制御装置201は、利用者が持つ携帯端末等で利用者自身の顔を撮影した顔画像を受信し、取得した顔画像に基づいて顔データを取得し、顔データベース2021に記憶させても良い。
【0024】
通信部203は、中央サーバ30と有線または無線で各種データの送受信を行うための通信モジュールを含む通信インタフェースである。通信部203は、中央サーバ30と各種情報を送受信する。通信モジュールは、中央サーバ30と通信可能なものであれば一般的な通信モジュールであって良い。
【0025】
媒体認証部204は、媒体検知部22が媒体から取得した情報を制御装置201から受信する。そして、媒体認証部204は、受信した情報に基づいて媒体を認証可能かどうか判定する。すなわち、媒体認証部204は、利用者の通行を許可して良いかどうかを判定する。
【0026】
顔認証部205は、カメラ21によって撮影された撮影画像から利用者の顔が検知されたことを示す顔検知情報を制御装置201から受信する。顔認証部205は、顔検知情報および顔データベースに基づいて顔認証を行う。顔認証は、例えば、制御装置201によって検知された利用者の顔のデータに対応するデータが顔データベース2021にあるかどうかによって実行される。顔認証部205は、認証結果を制御装置201に出力して良い。
【0027】
インタフェース206は、
図1で示したカメラ21および媒体検知部22との間で各種情報を送受信可能にするインタフェースである。ここで、インタフェースは、通信インタフェースを含んでも良い。例えば、カメラ21からの各種情報を無線で送受信することが可能であって良い。
【0028】
カメラ21は、改札機20が起動、すなわち、利用者を通行させるかどうか判断が可能な状態になると、撮影を開始する。制御装置201は、撮影された撮影画像を取得し、利用者の顔検知を行う。また、制御装置201は、撮影画像を記憶部202に記憶させても良い。
【0029】
媒体検知部22は、改札機20が起動すると同時に起動する。媒体検知部22は、媒体を検知可能な場合、緑または青などの色で点灯し、認証可能であることを利用者に通知しても良い。一方、媒体の認証を中止する場合、消灯または赤で点灯し、利用者に認証ができないことを通知しても良い。
【0030】
通行制御部207は、改札機20横の通路を通行(入場または出場)する際に利用者の通行を制御する。通行制御部207は、制御装置201の指示に応じて利用者の通行を制御するように駆動する。例えば、通行制御部207は、ドア23およびドア23の開閉を制御する駆動機構を有する。通行制御部207は、利用者の通行(入場または出場)を阻止する場合にはドア23を閉鎖し、利用者の通行を許可する場合にはドア23を開放するように動作する。また、通行制御部207は、制御装置201により制御されても良い。
【0031】
通知部208は、ディスプレイ、スピーカ、ランプ等を備える。ディスプレイは、利用者に対して各種情報を表示する。そのため、ディスプレイは、改札機20を通行しようとする利用者が視認可能な位置に設けられる。例えば、ディスプレイは、制御装置201による制御の下、利用者に対する顔認証結果に基づく通行の可否を示す情報等を表示する。スピーカは、利用者が認識できるような音量で音を出力する。スピーカは、制御装置201による制御の下、通行が不可と判定された利用者にアラート等の音声を出力する。ランプは、利用者の通行が許可された場合、青色で点灯しても良いし、点灯しなくても良い。一方、利用者の通行が不可と判定された場合、赤色で点灯し、利用者に対して通行ができないことを知らせて良い。
【0032】
図3は、第1の実施形態に係る中央サーバ30の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、中央サーバ30は、制御装置301と、記憶部302と、通信部303と、媒体認証部304と、顔認証部305と、表示部306と、を備える。
【0033】
制御装置301は、中央サーバ30における各種動作を制御する。制御装置301は、プログラムを実行するプロセッサを有する。例えば、制御装置301は、プロセッサ、メモリおよびインタフェース等を備える。制御装置301は、プロセッサが記憶部302または制御装置301内のメモリに記憶するプログラムを実行することにより各種の処理を実行する。
【0034】
例えば、制御装置301は、改札機20の制御装置201で説明した動作と同じ動作を実行することが可能である。例えば、制御装置301は、後述する通信部303を通じて、通行制御部207を制御する情報を改札機20に送信することにより利用者の通行を制御する。制御装置301は、媒体の認証および利用者の顔認証のいずれか一方が成功した場合、利用者の通行(入場または出場)を許可する情報を改札機20に送信する。一方、媒体認証または顔認証のいずれかが失敗した場合、制御装置301は、当該利用者を通行不可とする情報を改札機20に送信する。当該情報を受けた改札機20の制御装置201は、通行制御部207を制御して利用者の通行を阻止する。
【0035】
記憶部302は、HDD或いはSSD等の書き換え可能な不揮発性のメモリで構成する。記憶部202は、顔データベース3021を記憶する。顔データベース3021は、改札機20を利用する利用者が事前に登録した顔データのデータベースである。ここで、顔データベース3021は、改札機20の記憶部202に記憶された顔データベース2021と同じデータを記憶しても良い。例えば、顔データは、券売機に設置されたカメラによって撮影された顔画像に基づいて取得される。或いは、利用者が持つ携帯端末等で利用者自身の顔を撮影した顔画像に基づいて取得される。
【0036】
通信部303は、改札機20と有線または無線で各種データの送受信を行うための通信ジュールを含む通信インタフェースである。通信部303は、改札機20と各種情報を送受信する。例えば、通信部303は、改札機20に配置されたカメラ21で撮影された撮影データを受信する。そして、通信部303は、受信した撮影データを記憶部302に記憶して良い。さらに、通信部303は、媒体検知部22が取得した情報を改札機20から受信する。そして、通信部303は、当該情報を媒体認証部304に出力すると共に記憶部302に記憶して良い。通信モジュールは、改札機20と通信可能なものであれば一般的な通信モジュールであって良い。
【0037】
媒体認証部304は、制御装置301の制御の下、改札機20の媒体検知部22で取得した情報を改札機20から取得する。そして、媒体認証部304は、取得した情報に基づいて利用者の通行を許可して良いかどうかを判定する。さらに媒体認証部304は、通信部303を通じて、当該判定結果を改札機20に送信する。
【0038】
顔認証部305は、通信部303から取得した撮影画像から利用者の顔が検知されたことを示す顔検知情報を制御装置301から受信する。顔認証部205は、顔検知情報および顔データベース3031に基づいて顔認証を行う。顔認証は、例えば、制御装置201によって検知された利用者の顔のデータに対応するデータが顔データベース2021にあるかどうかによって実行される。顔認証部305は、認証結果を制御装置301に出力して良い。そして、制御装置301は、通信部303を通じて、当該結果を改札機20に送信して良い。
【0039】
表示部306は、例えば液晶、有機EL等を使用した表示デバイスであり、制御装置301の制御の下、音声、文字、および画像等を表示する。すなわち、表示部306は、中央サーバ30を管理する管理者に各種情報を表示することが可能である。
【0040】
(動作)
図4は、
図1に示される改札システム10での処理手順の一例を示すフローチャートである。
改札機20の制御装置201、媒体認証部204、および顔認証部205が記憶部202に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの動作が実現される。なお、中央サーバ30の制御装置301、顔認証部305が記憶部302に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの一部の動作を実現しても良い。
【0041】
なお、各利用者は、媒体のIDに紐付けられた利用者の顔データをアプリケーションまたはウェブを利用して事前に登録している、或いは、利用者の顔データは、券売機によって撮影され、券売機によって発券された媒体のIDと紐付けられているものとする。そして、当該顔データは、改札機20および中央サーバに送信され、改札機20の記憶部202の顔データベース2021または中央サーバ30の記憶部302の顔データベース3031の少なくとも一方に登録されているものとする。
【0042】
また、改札機20の記憶部202または中央サーバ30の記憶部302は、改札機20を通行可能な媒体のIDを記憶していても良い。
【0043】
最初に、制御装置201がカメラによって撮影された撮影画像から利用者(第1の利用者)の顔を検知すると、このフローチャートが開始される。制御装置201が利用者の顔を検知したことを示す顔検知情報を顔認証部205に出力する。ここで、制御装置201は、利用者ののみならず、利用者の体および荷物も検知して良い。なお、このフローチャートは、媒体検知部22が媒体を検知し、制御装置201が検知情報を受信したことにより開始しても良い。
【0044】
顔認証部205は、1人目の利用者を認証する(ステップST101)。顔認証部205は、顔検知情報に基づいて、利用者の顔データを取得する。そして、顔認証部205は、取得した顔データと記憶部202の顔データベース2021に記憶されたデータとを比較する。顔データに対応したデータが顔データベース2021にあった場合、顔認証部205は、1人目の利用者を認証する。顔認証部205は、制御装置201に1人目の利用者を認証したことを示す顔認証情報を出力して良い。以下の説明では、一方、顔データに対応したデータが顔データベース2021になかった場合、顔認証部205は、1人目の利用者の認証が失敗したと判定し、顔不認証情報を制御装置201に出力して良い。この場合、制御装置201は、通行制御部207にドア23を閉鎖させる指示を出力して1人目の利用者の通行を許可しないようにして良い。
【0045】
なお、媒体検知部22が媒体を検知した場合、制御装置201は、媒体検知部22が媒体から取得した媒体情報を受信する。そして、制御装置201は、当該各種情報を媒体認証部204に出力する。媒体認証部204は、媒体情報に基づいて1人目の利用者を認証する。また、この場合、制御装置201は、カメラ21によって撮影された撮影画像を取得し、取得した撮影画像から第1の利用者の顔、体、および荷物等を検知して良い。
【0046】
以下の説明では、簡単化のため、顔認証部205が1人目の利用者の認証に成功した場合についてを説明する。
【0047】
制御装置201は、1人目の利用者をトラッキングする(ステップST102)。制御装置201は、カメラ21で撮影された撮影データから取得可能な1人目の利用者を認証済み利用者として、カメラ21で撮影された撮影画像から1人目の利用者の顔をトラッキングする。また、トラッキングの対象として、1人目の利用者の体または荷物の少なくとも一方を含めて良い。
【0048】
制御装置201は、1人目の利用者をトラッキングできているかどうかを判定する(ステップST103)。制御装置201は、撮影データから1人目の利用者をトラッキングできているかどうかを判定する。1人目の利用者の顔がトラッキングできなくなったと判定した場合、処理はステップST104に進む。一方、トラッキングの対象である1人目の利用者の顔がトラッキングできていると判定した場合、処理は、ステップST106に進む。
【0049】
制御装置201は、撮影画像から2人目の利用者の顔を検知したかを判定する(ステップST104)。制御装置201は、記憶部202に記憶されたまたはカメラ21から受信した撮影画像に基づいて次の利用者である2人目の利用者の顔を検知したかを判定する。2人目の顔を検知した場合、制御装置201は、検知したことを示す顔検知情報を顔認証部205に出力する。一方、2人目の利用者の顔を検知しない場合、処理は、ステップST104に再度戻る。すなわち、制御装置201は、2人目の利用者の顔を検知できるまでステップST104で説明した判定を続ける。
【0050】
顔認証部205は、2人目の利用者の認証を開始する(ステップST105)。顔認証部205は、顔認証情報に基づいて2人目の利用者の顔データを取得する。そして、顔認証部205は、ステップST101と同様に、顔データを顔データベース2021に記憶されたデータと比較する。比較の結果、顔データに対応するデータがあると判定された場合、顔認証部205は、2人目の利用者を認証することになる。
図4では、処理が終了する例を示しているが、処理は、2人目の利用者を1人目の利用者としてステップST102に戻っても良い。
【0051】
制御装置201は、1人目の利用者以外の顔を検知したかどうか判定する(ステップST106)。制御装置201は、撮影データから1人目の利用者以外の顔を検知したかどうかを判定する。例えば、1人目の利用者の後ろに2人目の利用者の顔を検知した場合、制御装置201は、2人目の利用者の顔を検知したことを示す第2の検知情報を顔認証部205に出力する。そして、処理は、ステップST105に進む。一方、1人目の利用者以外の顔を検知できない場合、撮影画像において、1人目の利用者(顔、体、または荷物)が映り込んでいることによって発生する死角に2人目の利用者の顔がある可能性がある。この場合、処理は、ステップST107に進む。
【0052】
制御装置201は、認証処理を中止する(ステップST107)。2人目の認証処理を中止する場合、制御装置201は、通行制御部207にドア23を閉じる信号を出力してドア23を閉じるようにしてよい。さらに制御装置201は、通知部208に認証処理を中止する情報を出力してよい。通知部208は、通知部208のディスプレイに利用者の顔が検知できていないことを表示するための情報を表示してよい。通知部208は、通知部208のランプが赤で点灯するまたは消灯する等してよい。そして、処理は、ステップST103に戻る。すなわち、制御装置201は、1人目の利用者をトラッキングできているかどうか判定することになる。
【0053】
なお、処理がステップST103に戻ってステップST106で1人目の利用者以外の顔を検知できた場合、制御装置201は、認証処理を再開することになる。すなわち、制御装置201は、通行制御部207にドアを開ける信号を出力すると共に、認証処理を再開したことを示す情報を通知部208に出力して良い。通知部208は、ディスプレイに利用者の顔が検知できたことを表示し、ランプの色を青または緑等を点灯させるようにしてよい。
【0054】
また、
図4で示したフローチャートの例では、改札機20が実行する例を示したが、中央サーバ30が各ステップを実行しても良い。この場合、改札機20は、カメラ21および媒体検知部22で取得した情報を中央サーバ30に送信する。そして、中央サーバ30の各部が
図4で示した処理を実行し、処理結果を改札機20に送信すればよい。
【0055】
(第1の実施形態の作用効果)
以上説明した実施形態によれば、1人目の利用者がトラッキングされている間、2人目の利用者の顔が認識されない限り、認証処理を中止し、認証処理が中止されていることを2人目の利用者に通知する。これにより、2人目の利用者は、顔がカメラ21に写っていないことを認識することができる。
【0056】
通知に従って2人目の利用者は、カメラ21に顔が映るように1人目の利用者との間隔を調整することになる。これにより、利用者間の間隔が適正な間隔になり、2人目の顔を検知し、認証することができるようになる。
【0057】
[第2の実施形態]
(構成)
第2の実施形態に係る構成は、
図1~
図3を参照して説明した第1の実施形態と同じであるため、ここでの説明を省略する。
【0058】
(動作)
図5は、
図1に示される改札システム10での処理手順の一例を示すフローチャートである。
改札機20の制御装置201、媒体認証部204、および顔認証部205が記憶部202に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの動作が実現される。なお、中央サーバ30の制御装置301、顔認証部305が記憶部302に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの一部の動作を実現しても良い。
【0059】
図5の開始のタイミング、ステップST201~ステップST205は、
図4を参照して説明した開始のタイミング、ステップST101~ステップST105と同じであるため、これらの説明を省略する。
【0060】
制御装置201は、1人目の利用者以外の体または荷物を検知したかどうか判定する(ステップST206)。制御装置201は、撮影データから1人目の利用者以外の体または荷物を検知したかどうかを判定する。例えば、1人目の利用者の後ろに2人目の利用者の顔は検知できないが、体または荷物を検知した場合、制御装置201は、2人目の利用者がいると判定する。この場合、処理は、ステップST207に進む。一方、2人目の体または荷物を検知できない場合、処理は、ステップST203に戻る。
【0061】
ステップST207は、
図4を参照して説明したステップST207と同じであるため、これらの説明を省略する。
【0062】
制御装置201は、2人目の利用者の顔を検知したかどうかを判定する(ステップST208)。制御装置201は、撮影データから2人目の利用者の顔を検知したかどうかを判定する。例えば、2人目の利用者がカメラ21で顔が撮影可能な場所に移動した場合、制御装置201は、2人目の利用者の顔を検知したことを示す第2の検知情報を顔認証部205に出力する。そして、処理は、ステップST205に進む。一方、2人目の利用者の顔を検知できない場合、処理はステップST203に戻る。この場合、すなわち、制御装置201は、認証処理を中止しつつ、1人目の利用者をトラッキングできているかどうか判定することになる。
【0063】
(第2の実施形態の作用効果)
以上説明した実施形態によれば、2人目の利用者の体または荷物を検知したが、顔を検知できない場合、1人目の背後のカメラ21で撮影できない死角に2人目の利用者がいる可能性が高い。そこで、認証処理を中止し、認証処理が中止されていることを2人目の利用者に通知する。これにより、2人目の利用者は、顔がカメラ21に写っていないことを認識することができる。
【0064】
通知に従って2人目の利用者は、カメラ21に顔が映るように1人目の利用者との間隔を調整することになる。これにより、利用者間の間隔が適正な間隔になり、2人目の顔を検知し、認証することができるようになる。
【0065】
また、
図5で示したフローチャートの例では、改札機20が実行する例を示したが、中央サーバ30が各ステップを実行しても良い。この場合、改札機20は、カメラ21および媒体検知部22で取得した情報を中央サーバ30に送信する。そして、中央サーバ30の各部が
図5で示した処理を実行し、処理結果を改札機20に送信すればよい。
【0066】
[他の実施形態]
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、第1の実施形態および第2の実施形態を組み合わせても良い。例えば、1人目の顔を検知できない場合にすぐに認証処理を中止するのではなく、ステップST206で説明した判定を行っても良い。例えば、1人目の利用者以外の体または荷物を検知できない場合、処理は、ステップST103に戻るようにして良い。
【0067】
要するに、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施しても良く、その場合組み合わせた効果が得られる。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。
【符号の説明】
【0068】
10…改札システム
20…改札機
201…制御装置
202…記憶部
2021…顔データベース
203…通信部
204…媒体認証部
205…顔認証部
206…インタフェース
207…通行制御部
208…通知部
21…カメラ
22…媒体検知部
23…ドア
30…中央サーバ
301…制御装置
302…記憶部
3021…顔データベース
303…通信部
304…媒体認証部
305…顔認証部
306…表示部