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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023134909
(43)【公開日】2023-09-28
(54)【発明の名称】半導体装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/78 20060101AFI20230921BHJP
   H01L 29/12 20060101ALI20230921BHJP
   H01L 29/06 20060101ALI20230921BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20230921BHJP
【FI】
H01L29/78 652H
H01L29/78 653A
H01L29/78 652T
H01L29/06 301D
H01L29/06 301V
H01L29/78 652J
H01L29/78 658E
H01L29/78 658A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022039837
(22)【出願日】2022-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】水上 誠
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 拓馬
(72)【発明者】
【氏名】朝羽 俊介
(57)【要約】
【課題】スイッチング速度を向上可能な半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置は、第1電極と、前記第1電極上に設けられた第1導電形の第1半導体層と、前記第1半導体層上に設けられた第2導電形の第2導電形ピラーと、前記第1半導体層上に設けられ、第1導電形であり不純物濃度の平均値が前記第2導電形ピラーの不純物濃度の平均値よりも低い低濃度層と、第1導電形であり不純物濃度の平均値が前記第2導電形ピラーの不純物濃度の平均値よりも高い高濃度層と、を有する第1導電形ピラーと、前記第1導電形ピラー上に設けられた第2導電形の第2半導体層と、前記第2半導体層上に設けられた第1導電形の第3半導体層と、前記第2導電形ピラー及び前記第3半導体層に接続された第2電極と、第3電極と、前記第2半導体層と前記第3電極との間に配置された絶縁膜と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と、
前記第1電極上に設けられた第1導電形の第1半導体層と、
前記第1半導体層上に設けられた第2導電形の第2導電形ピラーと、
前記第1半導体層上に設けられ、第1導電形であり不純物濃度の平均値が前記第2導電形ピラーの不純物濃度の平均値よりも低い低濃度層と、第1導電形であり不純物濃度の平均値が前記第2導電形ピラーの不純物濃度の平均値よりも高い高濃度層と、を有する第1導電形ピラーと、
前記第1導電形ピラー上に設けられた第2導電形の第2半導体層と、
前記第2半導体層上に設けられた第1導電形の第3半導体層と、
前記第2導電形ピラー及び前記第3半導体層に接続された第2電極と、
第3電極と、
前記第2半導体層と前記第3電極との間に配置された絶縁膜と、
を備えた半導体装置。
【請求項2】
前記第1半導体層、前記第2半導体層、前記第3半導体層、前記低濃度層、前記高濃度層、及び、前記第2導電形ピラーは、炭化シリコンを含む請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記低濃度層の不純物濃度の最大値と最小値の差は、前記高濃度層の不純物濃度の最大値と最小値の差よりも小さい請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第2導電形ピラーの不純物濃度の最大値と最小値の差は、前記低濃度層の不純物濃度の最大値と最小値の差よりも大きく、前記高濃度層の不純物濃度の最大値と最小値の差よりも小さい請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記低濃度層及び前記高濃度層はそれぞれ複数設けられており、前記第1電極から前記第2電極に向かう第1方向に沿って交互に配列されている請求項1~4のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第2導電形ピラーは、前記第1方向に沿って配列された複数の第2導電形層を有し、
各前記第2導電形層は前記第1方向に沿って隣り合う1つの前記低濃度層及び1つの前記高濃度層からなる組に対応しており、
各前記第2導電形層において、前記第1方向に沿った不純物濃度プロファイルは、1つのピークを有し、
各前記高濃度層において、前記第1方向に沿った不純物濃度プロファイルは、1つのピークを有する請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第2導電形ピラーにおいて、前記第1方向に沿った不純物濃度プロファイルは平坦であり、
各前記高濃度層において、前記第1方向に沿った不純物濃度プロファイルは、1つのピークを有する請求項5に記載の半導体装置。
【請求項8】
第1導電形の第1半導体層の上層部分における第1部分に第2導電形不純物を導入すると共に、前記上層部分における前記第1部分よりも浅い第2部分に第1導電形不純物を導入する工程と、
前記第1半導体層上に第1導電形のエピタキシャル層を形成する工程と、
前記エピタキシャル層における前記第1部分に接する第3部分に第2導電形不純物を導入すると共に、前記エピタキシャル層における前記第3部分よりも浅い第4部分に第1導電形不純物を導入する工程と、
前記エピタキシャル層上に第2導電形の第2半導体層を形成する工程と、
前記第2半導体層上に第1導電形の第3半導体層を形成する工程と、
前記第2半導体層に接する絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜を介して前記第2半導体層に対向する第3電極を形成する工程と、
前記第1半導体層に接続される第1電極を形成すると共に、前記第3部分及び前記第3半導体層に接続される第2電極を形成する工程と、
を備えた半導体装置の製造方法。
【請求項9】
第1導電形の第1半導体層の上層部分に第1導電形不純物を導入する工程と、
前記第1半導体層上に第1導電形の第1エピタキシャル層を形成する工程と、
前記第1エピタキシャル層の上層部分に第1導電形不純物を導入する工程と、
前記第1エピタキシャル層を貫通し前記第1半導体層の内部に到達する穴を形成する工程と、
前記穴内に第2導電形の第2エピタキシャル層を形成する工程と、
前記第1エピタキシャル層上に第2導電形の第2半導体層を形成する工程と、
前記第2半導体層上に第1導電形の第3半導体層を形成する工程と、
前記第2半導体層に接する絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜を介して前記第2半導体層に対向する第3電極を形成する工程と、
前記第1半導体層に接続される第1電極を形成すると共に、前記第2エピタキシャル層及び前記第3半導体層に接続される第2電極を形成する工程と、
を備えた半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコンに替えて炭化シリコンを用いた電力用半導体装置が開発されている。炭化シリコンを用いた半導体装置は、シリコンを用いた半導体装置と比べて強い電界に耐えられるため、耐圧とオン抵抗とのバランスを改善できる。このような半導体装置においても、スイッチング速度の向上が要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-129532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態の目的は、スイッチング速度を向上可能な半導体装置及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る半導体装置は、第1電極と、前記第1電極上に設けられた第1導電形の第1半導体層と、前記第1半導体層上に設けられた第2導電形の第2導電形ピラーと、前記第1半導体層上に設けられ、第1導電形であり不純物濃度の平均値が前記第2導電形ピラーの不純物濃度の平均値よりも低い低濃度層と、第1導電形であり不純物濃度の平均値が前記第2導電形ピラーの不純物濃度の平均値よりも高い高濃度層と、を有する第1導電形ピラーと、前記第1導電形ピラー上に設けられた第2導電形の第2半導体層と、前記第2半導体層上に設けられた第1導電形の第3半導体層と、前記第2導電形ピラー及び前記第3半導体層に接続された第2電極と、第3電極と、前記第2半導体層と前記第3電極との間に配置された絶縁膜と、を備える。
【0006】
実施形態に係る半導体装置の製造方法は、第1導電形の第1半導体層の上層部分における第1部分に第2導電形不純物を導入すると共に、前記上層部分における前記第1部分よりも浅い第2部分に第1導電形不純物を導入する工程と、前記第1半導体層上に第1導電形のエピタキシャル層を形成する工程と、前記エピタキシャル層における前記第1部分に接する第3部分に第2導電形不純物を導入すると共に、前記エピタキシャル層における前記第3部分よりも浅い第4部分に第1導電形不純物を導入する工程と、前記エピタキシャル層上に第2導電形の第2半導体層を形成する工程と、前記第2半導体層上に第1導電形の第3半導体層を形成する工程と、前記第2半導体層に接する絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜を介して前記第2半導体層に対向する第3電極を形成する工程と、前記第1半導体層に接続される第1電極を形成すると共に、前記第3部分及び前記第3半導体層に接続される第2電極を形成する工程と、を備える。
【0007】
実施形態に係る半導体装置の製造方法は、第1導電形の第1半導体層の上層部分に第1導電形不純物を導入する工程と、前記第1半導体層上に第1導電形の第1エピタキシャル層を形成する工程と、前記第1エピタキシャル層の上層部分に第1導電形不純物を導入する工程と、前記第1エピタキシャル層を貫通し前記第1半導体層の内部に到達する穴を形成する工程と、前記穴内に第2導電形の第2エピタキシャル層を形成する工程と、前記第1エピタキシャル層上に第2導電形の第2半導体層を形成する工程と、前記第2半導体層上に第1導電形の第3半導体層を形成する工程と、前記第2半導体層に接する絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜を介して前記第2半導体層に対向する第3電極を形成する工程と、前記第1半導体層に接続される第1電極を形成すると共に、前記第2エピタキシャル層及び前記第3半導体層に接続される第2電極を形成する工程と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
図2図2(a)は、横軸に窒素濃度をとり縦軸に図1に示す線Aに沿った位置をとってn形ピラーの窒素濃度プロファイルを示すグラフであり、図2(b)は、横軸にアルミニウム濃度をとり縦軸に図1に示す線Bに沿った位置をとってp形ピラーのアルミニウム濃度プロファイルを示すグラフである。
図3図3(a)~(d)は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
図4図4(a)~(c)は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
図5図5は、第1の実施形態の第1の変形例に係る半導体装置を示す断面図である。
図6図6は、第1の実施形態の第2の変形例に係る半導体装置を示す断面図である。
図7図7は、第1の実施形態の第3の変形例に係る半導体装置を示す断面図である。
図8図8は、第1の実施形態の第4の変形例に係る半導体装置を示す断面図である。
図9図9は、第2の実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
図10図10(a)は、横軸に窒素濃度をとり縦軸に図9に示す線Cに沿った位置をとってn形ピラーの窒素濃度プロファイルを示すグラフであり、図10(b)は、横軸にアルミニウム濃度をとり縦軸に図9に示す線Dに沿った位置をとってp形ピラーのアルミニウム濃度プロファイルを示すグラフである。
図11図11(a)~(d)は、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
図12図12(a)~(c)は、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
図2(a)は、横軸に窒素濃度をとり縦軸に図1に示す線Aに沿った位置をとってn形ピラーの窒素濃度プロファイルを示すグラフであり、図2(b)は、横軸にアルミニウム濃度をとり縦軸に図1に示す線Bに沿った位置をとってp形ピラーのアルミニウム濃度プロファイルを示すグラフである。
なお、各図は模式的なものであり、適宜簡略化されている。また、図間において、各構成要素の寸法比は厳密に一致しているとは限らない。後述する他の図についても同様である。
【0010】
図1に示すように、本実施形態に係る半導体装置1は、トレンチゲート型のMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor:金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)である。半導体装置1においては、ドレイン電極10(第1電極)と、半導体部分20と、ソース電極40(第2電極)と、ゲート電極50(第3電極)と、ゲート絶縁膜60(絶縁膜)が設けられている。
【0011】
以下、本明細書においては、説明の便宜上、XYZ直交座標系を採用する。ドレイン電極10とソース電極40とを結ぶ方向を「Z方向」とし、ゲート電極50が延びる方向を「Y方向」とし、Z方向及びY方向に直交する方向を「X方向」とする。また、Z方向のうち、ドレイン電極10からソース電極40に向かう方向を「上」ともいい、その反対方向を「下」ともいうが、この表現も便宜的なものであり、重力の方向とは無関係である。
【0012】
ドレイン電極10及びソース電極40は、XY平面に沿って拡がる板状である。半導体部分20はドレイン電極10上に配置されている。ソース電極40は半導体部分20上に配置されている。ゲート電極50は半導体部分20の内部に配置されている。ゲート電極50は複数設けられており、X方向に沿って配列されている。各ゲート電極50はY方向に延びている。各ゲート電極50は半導体部分20上に設けられたゲートパッド(図示せず)に接続されており、外部より電圧が印加される。ゲート絶縁膜60はゲート電極50と半導体部分20との間に配置されており、ゲート電極50を半導体部分20から絶縁している。
【0013】
半導体部分20は、炭化シリコン(SiC)を含み、例えば、炭化シリコンの単結晶からなる。半導体部分20には、ドナー又はアクセプタとなる不純物が局所的に導入されており、各部分の導電形がn形又はp形とされている。ドナーとなる不純物は例えば窒素(N)であり、アクセプタとなる不純物は例えばアルミニウム(Al)である。ゲート絶縁膜60は酸化シリコン(SiO)を含む。なお、本明細書においては、半導体部分20を第1導電形にする不純物を「第1導電形不純物」ともいい、第2導電形にする不純物を「第2導電形不純物」ともいう。例えば、第1導電形がn形である場合は、第1導電形不純物はドナーとなる不純物であり、例えば窒素である。第2導電形がp形である場合は、第2導電形不純物はアクセプタとなる不純物であり、例えばアルミニウムである。
【0014】
半導体部分20においては、ドレイン層21、ドリフト層22、n形ピラー23(第1導電形ピラー)、p形ピラー24(第2導電形ピラー)、n形層25、p形層26、ベース層27(第2半導体層)、ソース層28(第3半導体層)、コンタクト層29が設けられている。例えば、ドレイン層21の導電形はn形である。ドリフト層22の導電形はn形である。n形ピラー23の導電形は全体としてn形である。p形ピラー24の導電形はp形である。n形層25の導電形はn形である。p形層26の導電形はp形である。ベース層27の導電形はp形である。ソース層28の導電形はn形である。コンタクト層29の導電形はp形である。
【0015】
なお、導電形を表す文字「n」及び「p」に付した上付きの記号は不純物濃度の相対的な高低を表す。n形については、不純物濃度が高い順に、「n形」、「n形」、「n形」である。p形についても同様である。また、本明細書において「不純物濃度」とは、半導体の導通に寄与する実効的な不純物濃度をいい、ある領域にドナーとなる不純物とアクセプタとなる不純物の双方が含まれている場合は、相殺分を除いた濃度をいう。
【0016】
形のドレイン層21は、ドレイン電極10上に配置されており、ドレイン電極10に接し、ドレイン電極10に接続されている。なお、本明細書において「接続」とは、電気的な接続をいう。n形のドリフト層22はドレイン層21上に配置され、ドレイン層21に接し、ドレイン層21に接続されている。ドリフト層22の不純物濃度はドレイン層21の不純物濃度よりも低い。ドレイン層21及びドリフト層22により、第1半導体層を構成している。
【0017】
n形ピラー23及びp形ピラー24はドリフト層22上に配置されており、ドリフト層22に接している。n形ピラー23及びp形ピラー24は、それぞれ複数設けられている。複数のn形ピラー23及び複数のp形ピラー24により、スーパージャンクション(SJ)構造体30が構成されている。各n形ピラー23及び各p形ピラー24は、SJ構造体30の下面及び上面の双方に露出している。
【0018】
例えば、図1に示す例では、各n形ピラー23及び各p形ピラー24の形状は、YZ平面に沿って拡がる板状であり、n形ピラー23とp形ピラー24は例えばX方向に沿って交互に配列されている。これにより、n形ピラー23とp形ピラー24との接触面には、pn界面が形成されている。
【0019】
なお、SJ構造体30におけるn形ピラー23及びp形ピラー24の配列は上述の例には限定されない。例えば、n形ピラー23とp形ピラー24はY方向に沿って交互に配列されていてもよい。また、n形ピラー23及びp形ピラー24の形状がZ方向に延びる柱状であり、Z方向から見て千鳥状に配列されていてもよい。更に、Z方向から見て1つの格子状のp形ピラー24内に、Z方向に延びる複数の柱状のn形ピラー23が配置されていてもよく、Z方向から見て1つの格子状のn形ピラー23内に、Z方向に延びる複数の柱状のp形ピラー24が配置されていてもよい。但し、いずれの配列においても、SJ構造体30全体としては、ドナーとなる不純物量とアクセプタとなる不純物量は相互に略等しくなっている。
【0020】
n形ピラー23においては、導電形がn形の低濃度層31と、導電形がn形の高濃度層32がZ方向に沿って交互に配列されている。n形ピラー23の最下部には低濃度層31が配置され、n形ピラー23の最上部には高濃度層32が配置されている。高濃度層32の不純物濃度の平均値は低濃度層31の不純物濃度の平均値よりも高い。
【0021】
図2(a)に示すように、低濃度層31においてはZ方向に沿った窒素濃度のプロファイルがほぼ平坦であり、高濃度層32においてはZ方向に沿った窒素濃度のプロファイルに1つのピークが存在する。このため、低濃度層31における窒素濃度の最大値と最小値の差は、高濃度層32における窒素濃度の最大値と最小値の差よりも小さい。
【0022】
図1に示すように、p形ピラー24においては、複数のp形層33がZ方向に沿って配列されている。各p形層33は、Z方向において隣り合う1つの低濃度層31及び1つの高濃度層32からなる組に対応している。p形層33の不純物濃度の平均値は、n形ピラー23の低濃度層31の不純物濃度の平均値よりも高く、n形ピラー23の高濃度層32の不純物濃度の平均値よりも低い。
【0023】
図2(b)に示すように、各p形層33においてはZ方向に沿ったアルミニウム濃度プロファイルに1つのピークが存在する。但し、n形ピラー23に含有された窒素量とp形ピラー24に含有されたアルミニウム量は略等しいため、各p形層33におけるアルミニウム濃度のピークはn形ピラー23の高濃度層32における窒素濃度のピークよりも低い。p形ピラー24を構成する複数のp形層33において、ピークの形状は互いに類似している。このため、p形ピラー24のアルミニウム濃度の最大値と最小値の差は、n形ピラー23の低濃度層31の窒素濃度の最大値と最小値の差よりも大きく、高濃度層32の窒素濃度の最大値と最小値の差よりも小さい。
【0024】
なお、各層の不純物濃度の平均値、最大値及び最小値は、例えば、以下の方法によって決定することができる。対象となる層においてZ方向に沿って等間隔に配列された10点において不純物濃度を測定し、得られた10個の測定値の平均値をその層の不純物濃度の「平均値」とし、10個の測定値の最大値をその層の不純物濃度の「最大値」とし、10個の測定値の最小値をその層の不純物濃度の「最小値」とする。
【0025】
図1に示すように、n形層25はn形ピラー23上に配置されている。p形層26はp形ピラー24上に配置されている。p形のベース層27はn形層25上及びp形層26上に配置され、n形層25及びp形層26に接している。n形のソース層28は、ベース層27上の一部に配置されている。ソース層28はベース層27に接している。ソース層28は複数設けられており、X方向に沿って配列されている。各ソース層28はY方向に延びている。p形のコンタクト層29は、ベース層27上の他の一部に配置されている。コンタクト層29はベース層27及びソース層28に接している。コンタクト層29は複数設けられており、X方向に沿って配列されている。各コンタクト層29はY方向に延びている。
【0026】
ソース電極40は、ソース層28上及びコンタクト層29上に配置され、ソース層28及びコンタクト層29に接続されている。ゲート電極50は、n形層25の上部内、ベース層27の内部、及び、ソース層28の内部に配置されている。換言すれば、ゲート電極50は、ソース層28及びベース層27をZ方向に貫通し、その下端はn形層25の上部内に位置している。ゲート絶縁膜60はゲート電極50を覆っており、ゲート電極50に接している。ゲート絶縁膜60は、n形層25とゲート電極50との間、ベース層27とゲート電極50との間、及び、ソース層28とゲート電極50との間に配置されている。
【0027】
但し、n形ピラー23及びp形ピラー24、n形層25、p形層26、ベース層27、ソース層28及びコンタクト層29、並びに、ゲート電極50及びゲート絶縁膜60の位置関係は、上述の例には限定されない。これらの位置関係は、p形ピラー24がソース電極40に接続され、且つ、ゲート電極50に閾値よりも高い電位を印加したときに、ベース層27の一部に反転層が形成され、ソース層28から反転層を介してn形ピラー23に繋がる電流経路が形成されるような位置関係になっていればよい。
【0028】
次に、本実施形態に係る半導体装置1の製造方法について説明する。
図3(a)~(d)及び図4(a)~(c)は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【0029】
先ず、炭化シリコンからなり、導電形がn形の半導体基板を用意する。この半導体基板は完成後の半導体装置1においてドレイン層21となる部分である。
【0030】
次に、図3(a)に示すように、半導体基板の上面を起点して、炭化シリコンからなり導電形がn形のエピタキシャル層71をエピタキシャル成長させる。これにより、半導体基板上にエピタキシャル層71を形成する。エピタキシャル層71においては、ドナーとなる不純物、例えば、窒素が均一に含有されている。
【0031】
次に、図3(b)に示すように、エピタキシャル層71の上層部分における部分81に、アクセプタとなる不純物、例えばアルミニウムをイオン注入する。部分81はp形ピラー24の下部となる部分である。例えば部分81は複数設けられており、X方向に沿って配列されている。各部分81はY方向に延びている。
【0032】
次に、図3(c)に示すように、エピタキシャル層71の上層部分における部分82に、ドナーとなる不純物、例えば、窒素をイオン注入する。部分82は部分81に接しており、部分81よりも浅い。部分82はn形ピラー23の下部となる部分である。例えば部分82は複数設けられており、X方向に沿って配列されている。各部分82はY方向に延びている。Z方向において、部分82の上面は部分81の上面と略同じ位置にあり、エピタキシャル層71の上面と一致する。一方、部分82の下面は部分81の下面よりも上方にある。なお、図3(b)に示す工程と図3(c)に示す工程の順序は逆でもよい。
【0033】
次に、図3(d)に示すように、エピタキシャル層71の上面を起点として、炭化シリコンからなり導電形がn形のエピタキシャル層72をエピタキシャル成長させる。これにより、エピタキシャル層71上にエピタキシャル層72を形成する。エピタキシャル層72においては、ドナーとなる不純物、例えば、窒素が均一に含有されている。
【0034】
次に、図4(a)に示すように、エピタキシャル層72の部分83に、アクセプタとなる不純物、例えばアルミニウムをイオン注入する。部分83は部分81の直上に位置し、部分81に接している。次に、エピタキシャル層72の部分84に、ドナーとなる不純物、例えば、窒素をイオン注入する。部分84は部分82の直上域に位置し、部分83に接している。また、部分84は部分83よりも浅い。このため、部分84は部分82から離隔している。Z方向において、部分84の上面は部分83の上面と略同じ位置にあり、エピタキシャル層72の上面と一致する。一方、部分84の下面は部分83の下面よりも上方にある。なお、部分83にアルミニウムを導入する工程と部分84に窒素を導入する工程の順序は逆でもよい。
【0035】
次に、図4(b)に示すように、エピタキシャル層72の上面を起点として、炭化シリコンからなり導電形がn形のエピタキシャル層73をエピタキシャル成長させる。これにより、エピタキシャル層72上にエピタキシャル層73を形成する。エピタキシャル層73においては、ドナーとなる不純物、例えば、窒素が均一に含有されている。
【0036】
次に、図4(c)に示すように、エピタキシャル層73の部分85に、アクセプタとなる不純物、例えばアルミニウムをイオン注入する。部分85は部分83の直上に位置し、部分83に接している。次に、エピタキシャル層73の部分86に、ドナーとなる不純物、例えば、窒素をイオン注入する。部分86は部分84の直上域に位置し、部分85に接している。また、部分86は部分85よりも浅い。このため、部分86は部分84から離隔している。Z方向において、部分86の上面は部分85の上面と略同じ位置にあり、エピタキシャル層73の上面と一致する。一方、部分86の下面は部分85の下面よりも上方にある。なお、部分85にアルミニウムを導入する工程と部分86に窒素を導入する工程の順序は逆でもよい。
【0037】
以後同様に、上述の炭化シリコンからなり導電形がn形のエピタキシャル層を形成する工程と、このエピタキシャル層の一部にアクセプタとなる不純物を導入する工程と、このエピタキシャル層の他の一部にドナーとなる不純物を導入する工程とを、任意の回数繰り返してもよい。
【0038】
各部に導入した不純物を活性化させることにより、エピタキシャル層71における上層部分を除く部分がn形のドリフト層22となる。また、部分81、83及び85がそれぞれp形層33となる。Z方向に沿って一列に配列されたp形層33により、p形ピラー23が形成される。一方、エピタキシャル層71~73におけるp形ピラー23の間に位置する部分がn形ピラー23となる。n形ピラー23のうち、部分82、84及び86がそれぞれ高濃度層32となり、それ以外の部分が低濃度層31となる。
【0039】
次に、図1に示すように、エピタキシャル層72の部分86上にn形層25を形成すると共に、部分85上にp形層26を形成する。次に、n形層25上及びp形層26上にp形のベース層27を形成する。次に、ベース層27上にn形のソース層28を形成すると共に、p形のコンタクト層29を形成する。このようにして、半導体部分20が形成される。
【0040】
次に、半導体部分20の上面にトレンチ90を形成する。例えば、トレンチ90はn形ピラー23の直上域に形成し、その下端はn形層25内に到達させる。次に、トレンチ90の内面にゲート絶縁膜60を形成する。次に、トレンチ90内であってゲート絶縁膜60の内面上にゲート電極50を形成する。ゲート電極50はゲート絶縁膜60を介してn形層25、ベース層27及びソース層28に対向する。
【0041】
次に、半導体基板(ドレイン層21)の下面上にドレイン電極10を形成すると共に、ソース層28上及びコンタクト層29上にソース電極40を形成する。ドレイン電極10はドレイン層21に接続され、ドレイン層21を介してドリフト層22、n形ピラー23及びn形層25に接続される。ソース電極40はソース層28及びコンタクト層29に接続され、コンタクト層29を介してベース層27、p形層26及びp形ピラー24に接続される。このようにして、本実施形態に係る半導体装置1が製造される。
【0042】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態に係る半導体装置1においては、半導体部分20が炭化シリコンにより形成されているため、シリコンにより形成されている場合と比較して、オフ状態においてより強い電界に耐えることができる。このため、所定の耐圧を確保しつつ、オン抵抗を低減できる。また、半導体装置1はスーパージャンクション構造を採用しているため、オフ状態においてn形ピラー23とp形ピラー24との界面から発生した空乏層がX方向に拡がり一体化し、SJ構造体30の略全体が空乏化する。これにより、より高い耐圧を実現できる。
【0043】
そして、半導体装置1においては、n形ピラー23に低濃度層31と高濃度層32が設けられているため、ターンオフ時の空乏層の結合が緩やかである。すなわち、空乏層は高濃度層32よりも低濃度層31において拡がりやすいため、n形ピラー23のX方向両側から拡がってきた空乏層同士は、先に低濃度層31において接触し、その後、高濃度層32において接触する。これにより、空乏層同士を同時に接触させる場合と比較して、ターンオフ時にドレイン電極10とソース電極40との間の容量変化が緩やかになり、出力電流のリンギングが抑制される。この結果、リンギングの収束に要する時間が短くなり、半導体装置1のスイッチング速度が向上する。
【0044】
一方、p形ピラー24においては、n形ピラー23と比較して、Z方向に沿った不純物濃度のプロファイルが均一である。これにより、ターンオフ時にp形ピラー24内において、空乏化されていないZ方向に延びる領域を長時間維持し、電子よりも移動度が低い正孔の排出経路を確保することができる。これによっても、半導体装置1のスイッチング速度が向上する。
【0045】
また、半導体装置1においては、半導体材料として炭化シリコンを用いているため、不純物のイオン注入時及び活性化時に、不純物が拡散しにくい。このため、図3(a)~図4(c)に示す工程により、不純物濃度の分布が比較的均一なp形ピラー24を形成しつつ、n形ピラー23において、低濃度層31と高濃度層32を容易に作り分けることができる。これにより、工程数の増加を抑えつつ、半導体装置1を製造することができる。
【0046】
更に、本実施形態においては、高濃度層32及びp形層33をイオン注入によって形成しているため、エピタキシャル成長によって形成する場合と比較して、不純物の導入量を精度よく制御することができる。
【0047】
更にまた、同じ加速電圧でイオン注入を行う場合、アルミニウムは窒素よりも深く注入される。このため、相対的に深いp形層33と相対的に浅い高濃度層32を同じ加速電圧のイオン注入によって形成することができる。換言すれば、本実施形態においては、Z方向に隣り合う高濃度層32同士を接触させる必要がないため、使用するイオン注入装置の性能に応じてp形層33をできるだけ厚く形成することができ、イオン注入の回数を減らすことができる。この結果、半導体装置1の製造コストを低減できる。
【0048】
<第1の実施形態の第1の変形例>
図5は、本変形例に係る半導体装置を示す断面図である。
図5に示すように、本変形例に係る半導体装置1aは、第1の実施形態に係る半導体装置1(図1参照)と比較して、n形ピラー23の上部と下部のみに高濃度層32が設けられており、Z方向中央部には高濃度層32が設けられていない点が異なっている。
【0049】
なお、n形ピラー23における高濃度層32でない部分は、低濃度層31となっている。本変形例においても、n形ピラー23の不純物量とp形ピラー24の不純物量とは略等しくなっている。後述する他の変形例についても同様である。本変形例における上記以外の構成、製造方法及び作用効果は、第1の実施形態と同様である。
【0050】
<第1の実施形態の第2の変形例>
図6は、本変形例に係る半導体装置を示す断面図である。
図6に示すように、本変形例に係る半導体装置1bは、第1の実施形態に係る半導体装置1(図1参照)と比較して、n形ピラー23の上部のみに高濃度層32が設けられている点が異なっている。本変形例における上記以外の構成、製造方法及び作用効果は、第1の実施形態と同様である。
【0051】
<第1の実施形態の第3の変形例>
図7は、本変形例に係る半導体装置を示す断面図である。
図7に示すように、本変形例に係る半導体装置1cは、第1の実施形態に係る半導体装置1(図1参照)と比較して、n形ピラー23のZ方向中央部のみに高濃度層32が設けられている点が異なっている。本変形例における上記以外の構成、製造方法及び作用効果は、第1の実施形態と同様である。
【0052】
<第1の実施形態の第4の変形例>
図8は、本変形例に係る半導体装置を示す断面図である。
図8に示すように、本変形例に係る半導体装置1dは、第1の実施形態に係る半導体装置1(図1参照)と比較して、n形ピラー23の下部のみに高濃度層32が設けられている点が異なっている。本変形例における上記以外の構成、製造方法及び作用効果は、第1の実施形態と同様である。
【0053】
<第2の実施形態>
図9は、本実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
図10(a)は、横軸に窒素濃度をとり縦軸に図9に示す線Cに沿った位置をとってn形ピラーの窒素濃度プロファイルを示すグラフであり、図10(b)は、横軸にアルミニウム濃度をとり縦軸に図9に示す線Dに沿った位置をとってp形ピラーのアルミニウム濃度プロファイルを示すグラフである。
なお、以下の説明において、第1の実施形態と同様な部分については、適宜説明を省略する。
【0054】
図9に示すように、本実施形態に係る半導体装置2は、第1の実施形態に係る半導体装置1(図1参照)と比較して、各p形ピラー24に複数のp形層33が設けられておらず、連続的に形成されている点が異なっている。このため、図10(b)に示すように、半導体装置2のp形ピラー24におけるZ方向に沿ったアルミニウム濃度のプロファイルは、略均一である。
【0055】
一方、図9に示すように、半導体装置2の各n形ピラー23においては、第1の実施形態と同様に、低濃度層31と高濃度層32がZ方向に沿って交互に配列されている。このため、図10(a)に示すように、半導体装置2のn形ピラー23におけるZ方向に沿った窒素濃度のプロファイルは、低濃度層31においてはp形ピラー24と同様に均一であり、高濃度層32においてはピークがあり不均一である。
【0056】
次に、本実施形態に係る半導体装置2の製造方法について説明する。
図11(a)~(d)及び図12(a)~(c)は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【0057】
先ず、第1の実施形態と同様に、炭化シリコンからなり、導電形がn形の半導体基板を用意する。
次に、図11(a)に示すように、半導体基板上に炭化シリコンからなり導電形がn形のエピタキシャル層71を形成する。エピタキシャル層71においては、ドナーとなる不純物、例えば、窒素が均一に含有されている。後述するエピタキシャル層72及び73についても同様である。
【0058】
次に、図11(b)に示すように、エピタキシャル層71の上層部分87に窒素をイオン注入する。
次に、図11(c)に示すように、エピタキシャル層71上に炭化シリコンからなり導電形がn形のエピタキシャル層72を形成する。
次に、図11(d)に示すように、エピタキシャル層72の上層部分88に窒素をイオン注入する。
【0059】
次に、図12(a)に示すように、エピタキシャル層72上に炭化シリコンからなり導電形がn形のエピタキシャル層73を形成する。次に、エピタキシャル層73の上層部分89に窒素をイオン注入する。
【0060】
以後同様に、上述の炭化シリコンからなり導電形がn形のエピタキシャル層を形成する工程と、このエピタキシャル層の上層部分にドナーとなる不純物を導入する工程とを、任意の回数繰り返してもよい。
【0061】
次に、図12(b)に示すように、エピタキシャル層71~73に穴74を形成する。穴74には、エピタキシャル層73及び72を貫通させ、エピタキシャル層71の内部に到達させる。
【0062】
次に、図12(c)に示すように、穴74内に、炭化シリコンからなり導電形がp形のエピタキシャル層75を成長させる。エピタキシャル層75においては、アクセプタとなる不純物、例えば、アルミニウムが均一に含有されている。
【0063】
各部に導入した不純物を活性化させることにより、エピタキシャル層75がp形ピラー24となる。また、エピタキシャル層71~73におけるp形ピラー24の間に位置する部分が、n形ピラー23となる。n形ピラー23のうち、上層部分87~89はそれぞれ高濃度層32となり、それ以外の部分が低濃度層31となる。以後の工程は、第1の実施形態と同様である。
【0064】
本実施形態によれば、第1の実施形態と比較して、p形ピラー24の不純物濃度をより均一にすることができる。これにより、ターンオフ時の正孔の排出経路をより確実に確保することができる。本実施形態における上記以外の構成、製造方法及び作用効果は、第1の実施形態と同様である。
【0065】
以上説明した実施形態及びその変形例によれば、スイッチング速度を向上可能な半導体装置及びその製造方法を実現することができる。
【0066】
以上、本発明のいくつかの実施形態及びその変形例を説明したが、これらの実施形態及びその変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態及びその変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明及びその等価物の範囲に含まれる。また、前述の実施形態及びその変形例は、相互に組み合わせて実施することもできる。
【符号の説明】
【0067】
1、1a、1b、1c、1d、2:半導体装置
10:ドレイン電極
20:半導体部分
21:ドレイン層
22:ドリフト層
23:n形ピラー
24:p形ピラー
25:n形層
26:p形層
27:ベース層
28:ソース層
29:コンタクト層
30:スーパージャンクション(SJ)構造体
31:低濃度層
32:高濃度層
33:p形層
40:ソース電極
50:ゲート電極
60:ゲート絶縁膜
71、72、73:エピタキシャル層
74:穴
75:エピタキシャル層
81、82、83、84、85、86:部分
87、88、89:上層部分
90:トレンチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12