(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023139458
(43)【公開日】2023-10-04
(54)【発明の名称】半導体デバイス
(51)【国際特許分類】
H01L 25/04 20230101AFI20230927BHJP
【FI】
H01L25/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022045005
(22)【出願日】2022-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】蔡 譽寧
(72)【発明者】
【氏名】高橋 佳子
(57)【要約】
【課題】 半導体デバイスの特性を向上する。
【解決手段】実施形態の半導体デバイスは、パッケージ部材60及び導電部72を含むパッケージ基板7と、パッケージ部材60内においてパッケージ基板7の第1の面上に設けられ、導電部72に接続された半導体パッケージ1と、パッケージ部材60内においてパッケージ基板7の前記第1の面上に設けられ、第1の端子21Aを有する第1の半導体チップ2Aと、パッケージ部材60内においてパッケージ基板7の第1の面上に設けられ、第2の端子21Bを有する第2の半導体チップ2Bと、パッケージ部材60内において、第1及び第2の端子21A,21Bを導電部72に接続する接続部品5と、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージ部材及び第1の導電部を含むパッケージ基板と、
前記パッケージ部材内において、前記パッケージ基板の第1の面上に設けられ、前記第1の導電部に接続された半導体パッケージと、
前記パッケージ部材内において、前記パッケージ基板の前記第1の面上に設けられ、第1の端子を有する第1の半導体チップと、
前記パッケージ部材内において、前記パッケージ基板の前記第1の面上に設けられ、第2の端子を有する第2の半導体チップと、
前記パッケージ部材内において、前記第1及び第2の端子を前記第1の導電部に接続する接続部品と、
を具備する半導体デバイス。
【請求項2】
前記接続部品は、
前記第1の端子上に設けられた第1の部分と、
前記第2の端子上に設けられた第2の部分と、
前記第1の導電部上に設けられた第3の部分と、
前記第1の部分の一端と前記第3の部分の一端との間に設けられた第4の部分と、
前記第2の部分の一端と前記第3の部分の他端との間に設けられた第5の部分と、
を含む
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記接続部品は、
前記パッケージ基板の表面に対して平行な第1の方向に延び、前記第1の端子と前記第2の端子とにまたがる第6の部分と、
前記第1の導電部と前記第6の部分との間に設けられた第7の部分と、
を含む
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記第1の半導体チップは、前記第1の面に対して平行な第1の方向において、前記第2の半導体チップと並び、
前記第1の導電部は、前記第1の半導体チップと前記第2の半導体チップとの間に設けられ、
前記パッケージ基板は、
第1のリード部と、前記第1のリード部と連続する第2のリード部と、を含む第2の導電部、
をさらに含み、
前記第1のリード部は、前記第1の面に対して垂直な第2の方向における前記半導体パッケージの下方を経由して、前記第1の方向において前記パッケージ基板の第1の端部側から前記パッケージ基板の第2の端部側に向かって延び、
前記第2のリード部は、前記第2の方向における前記半導体パッケージの下方を経由して、前記第1の面に対して平行で且つ前記第1の方向に交差する第3の方向において、前記第1のリード部から前記第1の導電部に向かって延びる、
請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記第1の半導体チップは、第3の端子を有し、
前記第2の半導体チップは、第4の端子を有し、
前記第3の端子は、第1のワイヤを介して、前記第1のリード部に接続され、
前記第4の端子は、第2のワイヤを介して、前記第1のリード部に接続される、
請求項4に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記パッケージ基板は、
前記第1の半導体チップが配置される第1のダイパッドと、
前記第2の半導体チップが配置される第2のダイパッドと、
前記半導体パッケージの第5の端子に接続される第3の導電部と、
前記半導体パッケージの第6の端子に接続される第4の導電部と、
前記第1の面に対して垂直な第2の方向において前記第1の面に対向する前記パッケージ基板の第2の面側に設けられ、前記第2の方向において前記第1のダイパッドと重なり、前記第1のダイパッドに接続される第1の接続端子と、
前記第2の面側に設けられ、前記第2の方向において前記第2のダイパッドと重なり、前記第2のダイパッドに接続される第2の接続端子と、
前記第2の面側に設けられ、前記第2の方向において前記第3の導電部と重なり、前記第3の導電部に接続される第3の接続端子と、
前記第2の面側に設けられ、前記第2の方向において前記第4の導電部と重なり、前記第4の導電部に接続される第4の接続端子と、
をさらに含む、
請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記第1の半導体チップは、前記第1の面に平行な第1の方向において前記第2の半導体チップと並び、
前記半導体パッケージは、前記第1の半導体チップと前記第2の半導体チップとの間の領域内に配置され、
前記第1及び第2の半導体チップは、前記半導体パッケージの中心を通過する線を対称軸として左右対称に、前記パッケージ基板上に配置される、
請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記半導体パッケージは、光結合デバイスを含み、
前記第1及び第2の半導体チップのそれぞれは、トランジスタを含む、
請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の半導体デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
サイズの縮小及びデバイスの高機能化のために、様々なパッケージ構造の半導体デバイスが、提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3439587号明細書
【特許文献2】特開平4-356974号公報
【特許文献3】特開平5-110410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体デバイスの特性を向上する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の半導体デバイスは、パッケージ部材及び第1の導電部を含むパッケージ基板と、前記パッケージ部材内において、前記パッケージ基板の第1の面上に設けられ、前記第1の導電部に接続された半導体パッケージと、前記パッケージ部材内において、前記パッケージ基板の前記第1の面上に設けられ、第1の端子を有する第1の半導体チップと、前記パッケージ部材内において、前記パッケージ基板の前記第1の面上に設けられ、第2の端子を有する第2の半導体チップと、前記パッケージ部材内において、前記第1及び第2の端子を前記第1の導電部に接続する接続部品と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施形態の半導体デバイスを含む機器を示す模式図。
【
図2】第1の実施形態の半導体デバイスの構造例を示す鳥瞰図。
【
図3】第1の実施形態の半導体デバイスの構造例を示す平面図。
【
図4】第1の実施形態の半導体デバイスの構造例を示す平面図。
【
図5】第1の実施形態の半導体デバイスの構造例を示す断面図。
【
図6】第1の実施形態の半導体デバイスの回路構成を示す回路図。
【
図7】第2の実施形態の半導体デバイスの構造例を示す鳥瞰図。
【
図8】第2の実施形態の半導体デバイスの構造例を示す断面図。
【
図9】実施形態の半導体デバイスの変形例を示す鳥瞰図。
【
図10】実施形態の半導体デバイスの変形例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、
図1乃至
図10を参照しながら、実施形態の半導体デバイスについて詳細に説明する。以下の説明において、同一の機能及び構成を有する要素については、同一符号を付す。
また、以下の各実施形態において、末尾に区別化のための数字/英字を伴った参照符号を付された構成要素(例えば、回路、配線、各種の電圧及び信号など)が、相互に区別されなくとも良い場合、末尾の数字/英字が省略された記載(参照符号)が用いられる。
【0008】
[実施形態]
(1)第1の実施形態
図1乃至
図6を参照して、第1の実施形態の半導体デバイスについて説明する。
【0009】
(構成例)
図1は、本実施形態の半導体デバイス100を含む機器を説明するための模式図である。
【0010】
図1に示されるように、本実施形態の半導体デバイス100は、或る電気機器EA内に設けられている。例えば、電気機器EAは、産業機械、電力変換装置、車載装置、家電装置、音響装置、映像装置、通信装置又は計算機システムなどである。
【0011】
半導体デバイス100は、1つ以上の他のデバイス(例えば、別の半導体デバイス又は電子部品)800,801と共に、モジュール基板(マザーボード又はプリント配線基板ともよばれる)900上に配置される。
【0012】
モジュール基板900は、複数の配線91,92,93及び複数の端子95,96を含む。
複数の配線91,92,93は、モジュール基板900の表面上又はモジュール基板900の内部内に設けられている。配線91,92,93のそれぞれは、複数の端子(コネクタ、ソケット又はスロット)95,96のうち対応する1つ以上の端子、又は、モジュール基板900上のデバイス100,800,801に、接続される。端子95,96のそれぞれに、各種の電圧(例えば、電源電圧又はグランド電圧)又は信号のうち対応するいずれか1つが、供給される。
【0013】
半導体デバイス100は、モジュール基板900の複数の配線91,92に接続される。例えば、半導体デバイス100は、モジュール基板900上において、配線91を介して端子95に接続されたり、配線92を介して半導体デバイス800(又は電子部品801)に接続されたりする。
【0014】
半導体デバイス800は、例えば、半導体集積回路、又は、ディスクリートデバイスを含む。尚、半導体デバイス800は、複数のチップ及び複数の受動素子によってモジュール化された装置であってもよい。電子部品801は、例えば、キャパシタ、インダクタ、抵抗体、及びスイッチなどのような受動素子である。
【0015】
半導体デバイス800及び電子部品801は、配線93を介して端子96に接続されたり、他の配線を介して互いに接続されたりする。
【0016】
図2は、本実施形態の半導体デバイス100の構造を説明するための模式的な鳥瞰図である。
図3は、本実施形態の半導体デバイス100の表面(一方の主面)側の構造を模式的に示す平面図である。
図4は、本実施形態の半導体デバイス100の裏面(他方の主面)側の構造を模式的に示す平面図である。
図5は、本実施形態の半導体デバイス100の断面構造を模式的に示す断面図である。
図5において、
図3のV-V線に沿う断面が示されている。
図6は、本実施形態の半導体デバイス100の回路構成を説明するための回路図である。
【0017】
図2乃至
図5に示されるように、本実施形態の半導体デバイス100は、1つの半導体パッケージ(パッケージデバイスともよばれる)1と、2つの半導体チップ2(2A,2B)と、を含む。本実施形態の半導体デバイス100は、表面実装型デバイス(SMD)である。
【0018】
1つの半導体パッケージ1及び半導体チップ2A,2Bは、パッケージ基板7上に設けられている。半導体パッケージ1及び半導体チップ2A,2Bは、パッケージ基板7上において、パッケージ部材(絶縁性樹脂、封止樹脂、又はモールド樹脂ともよばれる)60に覆われている。尚、
図2において、視認性の確保のため、パッケージ部材60は、一点鎖線の枠で示されている。
本実施形態の半導体デバイス100は、半導体パッケージ1に関して、パッケージインパッケージ(PiP)構造を有する。
【0019】
パッケージ基板7は、基板部材79、リードフレーム70、複数のダイパッド71A,71B、複数の電極72,73,74、及び複数の端子75A,75B,76,77を含む。
【0020】
基板部材79は、絶縁体である。例えば、基板部材79は、絶縁性の有機物(例えば、ポリイミド)、又は、絶縁性のセラミックである。基板部材79は、パッケージ基板7内において、リードフレーム70、ダイパッド71A,71B、電極72,73,74、及び端子75A,75B,76,77を支持している。
【0021】
リードフレーム70、ダイパッド71A,71B、電極72,73,74、及び端子75A,75B,76,77は、互いに分離される。
リードフレーム70、ダイパッド71A,71B、電極72,73,74、及び端子75A,75B,76,77は、銅(Cu)を含む。
【0022】
リードフレーム70は、電極73,74が設けられた領域と電極72が設けられた領域との間の領域内に、配置される。
リードフレーム70の上面は、基板部材79から露出している。
リードフレーム70は、第1のリード部701及び第2のリード部702を含む。2つのリード部701,702は、連続した1つの導電体である。
【0023】
第1のリード部701は、Z方向から見て、X方向に延在する四角形状(ライン状)の形状を有する。第2のリード部702は、Z方向から見て、Y方向に延在する四角形状(ライン状)の形状を有する。リードフレーム70は、Z方向から見て、T字状(又はT字に類似した形状)を有する。尚、X方向は、パッケージ基板7の表面に対して平行な方向である。例えば、X方向は、2つの半導体チップ2A,2Bが並ぶ方向に平行である。Y方向は、パッケージ基板7の表面に対して平行な方向で、且つ、X方向に交差(例えば、直交)する方向である。Z方向は、パッケージ基板7の表面に対して垂直な方向である。
【0024】
第1のリード部701は、X方向におけるパッケージ基板7の一方の端部側から他方の端部側に向かって、延在する。X方向における第1のリード部701の一端は、X方向におけるパッケージ基板7の一方の端部の近傍に位置する。X方向における第1のリード部701の他端は、X方向におけるパッケージ基板7の他方の端部の近傍に位置する。
第1のリード部701は、半導体パッケージ1のZ方向における下方の領域を通過する。第1のリード部701は、Z方向から見て、半導体パッケージ1と部分的に重なっている。例えば、第1のリード部701は、半導体パッケージ1と直接接触しない。
【0025】
第2のリード部702の一端は、第1のリード部701に接続される。第2のリード部702は、半導体パッケージ1のZ方向における下方の領域を通過して、第1のリード部701から半導体パッケージ1の接続端子13A側に向かって延在する。第2のリード部702は、Y方向に延在する。
【0026】
尚、リードフレーム70は、リード部、パッド、導電部、配線、又は接続部材ともよばれる。
【0027】
2つのダイパッド71(71A,71B)の上面は、基板部材79から露出している。ダイパッド71Aは、ダイパッド71Bから分離される。ダイパッド71は、半導体チップ2の搭載部として機能するとともに、半導体チップ2に対する接続部材(電極、パッド)として機能する。例えば、ダイパッド71(71A,71B)は、ベース部、マウント部、又はステージともよばれる。
【0028】
2つのダイパッド71A,71Bは、電極72を挟んでX方向に並んでいる。ダイパッド71A,71Bは、Y方向においてリード部701と隣り合う。
例えば、2つのダイパッド71A,71Bは、Y方向に沿い且つパッケージ基板7の中心を通過する線を対称軸として左右対称に、パッケージ基板7内に配置される。
【0029】
電極72は、パッケージ基板7のY方向における一端側に設けられている。電極72は、Z方向から見て、Y方向において半導体パッケージ1と並んでいる。電極72は、X方向において、ダイパッド71A,71Bの間の領域内に設けられている。電極72の上面は、基板部材79から露出している。
【0030】
電極72は、2つの部分(電極部ともよばれる)720,721を含む。部分720は、Z方向から見て、四角形状の平面形状を有する。部分721は、Z方向から見て、フック状の平面形状を有する。部分720及び部分721は、1つの連続した導電体である。
【0031】
部分720は、X方向において2つのダイパッド71間に設けられている。
【0032】
部分721は、X方向においてリード部702と隣り合う。但し、部分721(及び部分720)は、リード部702から分離される。
【0033】
電極73,74は、パッケージ基板7のY方向における他端側に設けられている。電極73,74は、リードフレーム70を挟んで、電極72に対向する。
【0034】
電極73,74の上面は、基板部材79から露出している。電極73,74は、Z方向から見て、四角形状の平面形状を有する。
電極73は、電極74から分離される。
【0035】
尚、電極72,73,74は、リード部、パッド、導電部、又は接続部材ともよばれる。
【0036】
パッケージ基板7の表面に対して平行な方向におけるリードフレーム70、ダイパッド71及び電極72,73,74間のスペースは、パッケージ部材60によって埋め込まれてもよいし、基板部材79によって埋め込まれてもよい。
【0037】
本実施形態において、端子(以下では、外部接続端子とよばれる)75(75A,75B),76,77は、パッケージ基板7の裏面側に設けられている。外部接続端子75,76,77は、半導体デバイス100を他のデバイス(又はモジュール基板上の配線、又はモジュール基板の端子)に接続するための端子である。例えば、外部接続端子75,76,77は、基板部材79内の開口部内に設けられている。
【0038】
外部接続端子75Aは、ダイパッド71AとZ方向に重なる位置に設けられている。外部接続端子75Bは、ダイパッド71AとZ方向に重なる位置に設けられている。
【0039】
外部接続端子75は、Z方向から見て、四角形状の平面形状を有する。
外部接続端子75は、パッケージ基板7の裏面側において基板部材79から露出している。外部接続端子75がWF(Wetable flank)構造を有するように、外部接続端子75の側面が、パッケージ基板7の側面から露出していてもよい。
【0040】
図5の例において、外部接続端子75は、ダイパッド71に直接接続(接触)される。但し、外部接続端子75は、基板部材79内に設けられたコンタクト部を介して、パッケージ基板7の表面側のダイパッド71と電気的に接続されてもよい。外部接続端子75は、ダイパッド71と連続した1つの導電体でもよい。
【0041】
外部接続端子76は、Z方向において電極73と部分的に重なるように、パッケージ基板7の裏面側に設けられている。
図5の例において、外部接続端子76は、電極73に直接接続(接触)される。但し、外部接続端子76は、基板部材79内に設けられたコンタクト部(図示せず)を介して、パッケージ基板7の表面側の電極73と電気的に接続されてもよい。外部接続端子76は、電極73と連続した1つの導電体でもよい。
【0042】
外部接続端子77は、Z方向において電極74と部分的に重なるように、パッケージ基板7の裏面側に設けられている。
図5の例において、外部接続端子77は、電極74に直接接続(接触)される。但し、外部接続端子77は、基板部材79内に設けられたコンタクト部(図示せず)を介して、パッケージ基板7の表面側の電極74と電気的に接続されてもよい。外部接続端子77は、電極74と連続した1つの導電体でもよい。
【0043】
外部接続端子76,77は、Z方向から見て、四角形状の平面形状を有する。
外部接続端子76,77は、パッケージ基板7の裏面側において基板部材79から露出している。各外部接続端子76,77がWF構造を有するように、外部接続端子76,77の側面が、パッケージ基板7の側面から露出していてもよい。
【0044】
尚、パッケージ基板7の表面側のリードフレーム70、ダイパッド71、及び電極72,73,74が、表面電極(又は、表面パッド)とよばれ、パッケージ基板7の裏面側の外部接続端子75,76,77が、裏面電極(又は、裏面パッド)とよばれてもよい。
【0045】
半導体パッケージ1は、パッケージ基板7の表面上に設けられている。半導体パッケージ1は、Z方向において、リードフレーム70の上方に配置される。半導体パッケージ1は、X方向に並ぶ2つの半導体チップ2A,2B間の領域内に、配置される。半導体パッケージ1の或る部分が、X方向において2つの半導体チップ2A,2B間に挟まれている。例えば、半導体パッケージ1は、パッケージ基板7の中央の領域内に配置される。
【0046】
半導体パッケージ1は、パッケージ部材19内において、第1の回路部10と、第2の回路部11と、を含む。例えば、パッケージ部材19は、遮光層を含む絶縁体である。
【0047】
半導体パッケージ1は、回路部10,11に接続された4つの接続端子(接続ノード又はリード部ともよばれる)13A,13B,13C,13Dを有する。接続端子13A,13Bは、半導体パッケージ1のY方向における一端側に設けられている。接続端子13C,13Dは、半導体パッケージ1のY方向における他端側に設けられている。
【0048】
接続端子13Aは、例えば、導電性ペースト又は半田などの導電性部材(図示せず)を介して、リードフレーム70の第2のリード部702に接続される。
接続端子13Bは、導電性部材を介して、電極72の部分721に接続される。
接続端子13Cは、導電性部材を介して、電極73に接続される。
接続端子13Dは、導電性部材を介して、電極74に接続される。
【0049】
ここで、第2のリード部702の幅方向(X方向)の寸法W2は、第1のリード部701の幅方向(Y方向)の寸法W1より小さい。このように、リードフレーム70における接続端子13Aに接続される部分702のサイズが、小さくされる。これによって、本実施形態において、導電性部材(半田又は導電性ペースト)の濡れによる導電性部材の広がりを、抑制できる。この結果として、導電性部材の広がりに起因する接続部間のショート(例えば、接続端子13Aと電極72とのショート、又は、接続端子13Aとダイパッド71Bとのショート)が、防止される。これに伴って、接続部間の間隔が縮小でき、パッケージ基板7の面積が、縮小され得る。
【0050】
また、電極72における、接続端子13Bに接続される部分721は、フック状の形状を有している。これによって、部分721と部分720との間の一部分に、スリットが形成される。これによって、導電性部材の濡れによる導電性部材の広がりが、抑制できる。この結果として、導電性部材の広がりに起因する端子間のショート(例えば、接続端子13Bとダイパッド71Bとのショート)が、防止される。
【0051】
半導体チップ2Aは、パッケージ基板7の表面において、ダイパッド71A上に設けられている。半導体チップ2Bは、パッケージ基板7の表面において、ダイパッド71B上に設けられている。
【0052】
2つの半導体チップ2A,2Bは、X方向において、半導体パッケージ1を部分的に挟んでいる。例えば、半導体チップ2A,2Bは、半導体パッケージ1のX-Y平面における中心を通過する線(パッケージ基板7のX-Y平面における中心を通過する線)AXを対称軸として、左右対称のレイアウトで、パッケージ基板7の表面上に配置される。対称軸としての線AXは、Y方向に沿う。
【0053】
例えば、半導体チップ2Aは、線AXとパッケージ基板7のX方向における一方の端部との間の領域において、リードフレーム70と電極72に囲まれた領域内に設けられている。例えば、半導体チップ2Bは、線AXとパッケージ基板7のX方向における他方の端部との間の領域において、リードフレーム70と電極72に囲まれた領域内に設けられている。
【0054】
例えば、半導体チップ2A,2Bは、リードフレーム70のリード部701とパッケージ基板7のY方向における一方の端部(電極72が設けられた側の端部)との間の領域内に設けられている。
【0055】
左右対称のレイアウトを有する半導体チップ2A,2Bにおいて、半導体チップ2Aの中心を通過するY方向に沿う線と線AXとの間の間隔Daは、半導体チップ2Bの中心を通過するY方向に沿う線と線AXとの間の間隔Dbと、実質的に等しい。
【0056】
左右対称のレイアウトを有する半導体チップ2A,2Bにおいて、Y方向における半導体チップ2Aの端部とパッケージ基板7の端部との間の間隔Dcは、Y方向における半導体チップ2Bの端部とパッケージ基板7の端部との間の間隔Ddと、実質的に等しい。
【0057】
半導体チップ2A,2Bは、半導体素子のベアチップ(ベアダイ)である。半導体チップ2A,2Bは、パッケージ部材60によって、パッケージ基板7上において封止される。
半導体チップ2A,2Bのサイズは、半導体パッケージ1のサイズより小さい。例えば、Z方向における半導体チップ2A,2Bの寸法(厚さ、高さ)は、Z方向における半導体パッケージ1の寸法より小さい
【0058】
半導体チップ2Aは、素子部200A及び配線層(例えば、多層配線構造)を含むチップ部材25Aを有する。半導体チップ2Aは、チップ部材25A内に、複数のパッド(接続端子、接続ノード又は電極ともよばれる)20A,21A,23Aを有する。パッド20A,21A,23Aは、チップ部材25A内において、素子部200Aに接続される。素子部200A内の半導体基板上に、素子が形成される。
【0059】
パッド20A,21Aは、チップ部材25Aの上面側に設けられている。パッド23Aは、チップ部材25Aの下面側に設けられている。チップ部材25Aの下面は、ダイパッド71A側の面である。チップ部材25Aの上面は、Z方向においてチップ部材25Aの下面に対向する。
【0060】
パッド20Aは、ボンディングワイヤ80Aによって、リードフレーム70のリード部701に接続される。例えば、パッド20Aは、リード部701のX方向における一端側の部分に接続される。
【0061】
パッド21Aは、接続部品(以下では、コネクタとよばれる)5によって、電極72の部分720に接続される。これによって、パッド21Aは、コネクタ5及び電極72を介して、半導体パッケージ1に電気的に接続される。
【0062】
パッド23Aは、半田又は導電性ペーストのような導電性部材69Aを介して、ダイパッド71Aに接続される。これによって、パッド23Aは、ダイパッド71Aを介して、外部接続端子75Aに接続される。
【0063】
半導体チップ2Bは、素子部200B(及び配線層)を含むチップ部材25Bを有する。半導体チップ2Bは、チップ部材25B内に、複数のパッド(接続ノード、接続端子又は電極ともよばれる)20B,21B,23Bを有する。パッド20B,21B,23Bは、チップ部材25B内において、素子部200Bに接続される。素子部200B内の半導体基板上に、素子が形成される。
【0064】
パッド20B,21Bは、チップ部材25Bの上面側に設けられている。パッド23Bは、チップ部材25Bの下面側に設けられている。チップ部材25Bの下面は、ダイパッド71B側の面である。チップ部材25Bの上面は、Z方向においてチップ部材25Bの下面に対向する。
【0065】
パッド20Bは、ボンディングワイヤ80Bによって、パッド20Aと共通に、リードフレーム70のリード部701に接続される。例えば、パッド20Bは、リード部701のX方向における他端側の部分に接続される。
【0066】
パッド21Bは、コネクタ5によって、パッド21Aと共通に、電極72の部分720に接続される。これによって、パッド21Bは、コネクタ5及び電極72を介して、半導体パッケージ1に電気的に接続される。
【0067】
パッド23Bは、導電性部材69Bを介して、ダイパッド71Bに接続される。これによって、パッド23Bは、ダイパッド71Bを介して外部接続端子75Bに接続される。
【0068】
例えば、本実施形態の半導体デバイス100は、フォトリレーである。
【0069】
この場合において、半導体パッケージ1は、フォトカプラ(光結合デバイス)である。フォトカプラは、光結合型絶縁回路を含む。
【0070】
各半導体チップ2は、半導体素子である。例えば、半導体チップ2は、例えば、電界効果トランジスタである。より具体的な一例としては、半導体チップ2は、MOSトランジスタ(例えば、パワーMOSトランジスタ)である。
【0071】
半導体パッケージ1及び2つの半導体チップ2は、各種の接続部材5,70,72を介して、互いに電気的に接続される。
【0072】
図6に示されるように、フォトカプラ1は、光結合型絶縁回路の構成要素として、発光素子10と、受光素子11とを含む。
【0073】
発光素子10は、例えば、LED(Light Emitting Diode)である。
発光素子10の一方のノード(例えば、カソード)は、接続端子13Cに接続される。発光素子の他方のノード(例えば、アノード)は、接続端子13Dに接続される。接続端子13C,13Dは、フォトカプラ1の入力端子である。接続端子13C,13Dに、フォトリレー100を制御するための入力電圧が、パッケージ基板7の電極73,74及び外部接続端子76,77を介して印加される。
【0074】
受光素子11は、例えば、フォトダイオードアレイである。受光素子11は、例えば、直列に接続された数個~数十個のフォトダイオード110を含む。受光素子11は、フォトトランジスタでもよい。
【0075】
受光素子11の一方のノード(例えば、カソード)は、接続端子13Bに接続される。受光素子11の他方のノード(例えば、アノード)は、接続端子13Aに接続される。接続端子13A,13Bは、フォトカプラ1の出力端子である。
【0076】
MOSトランジスタ2A,2Bは、例えば、エンハンスメント型のnチャネルMOSトランジスタである。MOSトランジスタ2A,2Bは、フォトリレー100の信号の伝送の制御に用いられる。フォトリレー100によって伝送される信号は、直流信号でもよいし、交流信号でもよい。
【0077】
MOSトランジスタ2Aのゲート(G)は、パッド20Aに接続される。MOSトランジスタ2Aのソース(S)は、パッド21Aに接続される。MOSトランジスタ2Aのドレイン(D)は、パッド23Aに接続される。
【0078】
MOSトランジスタ2Bのゲート(G)は、パッド20Bに接続される。MOSトランジスタ2Bのソース(S)は、パッド21Bに接続される。MOSトランジスタ2Bのドレイン(D)は、パッド23Bに接続される。
【0079】
MOSトランジスタ2Aのゲート及びMOSトランジスタ2Bのゲートは、ボンディングワイヤ80、リードフレーム70を介して、受光素子11のアノード13Aに共通に接続される。
【0080】
MOSトランジスタ2Aのソース及びMOSトランジスタ2Bのソースは、コネクタ5及び電極72を介して、受光素子11のカソード13Bに共通に接続される。
【0081】
MOSトランジスタ2Aのドレインは、ダイパッド71Aを介して、外部接続端子75Aに接続される。MOSトランジスタ2Bのドレインは、ダイパッド71Bを介して、外部接続端子75Bに接続される。
【0082】
外部接続端子76,77が、本実施形態の半導体デバイス100としてのフォトリレーの入力端子となる。外部接続端子75A,75Bが、本実施形態の半導体デバイス100としてのフォトリレーの出力端子となる。
【0083】
フォトカプラ1において、発光素子10は、外部接続端子76,77印加された電圧に応じて、光を出力する。このように、発光素子10は、電気信号を、光信号に変換する。
【0084】
受光素子11は、発光素子10からの光信号を受ける。受光素子11は、受光した光信号に応じて、7V~10数Vの電圧を発生する。このように、受光素子11は、光信号を電気信号に変換する。受光素子11は、発生した電圧を、MOSトランジスタ2のゲート電圧として、リードフレーム70及びボンディングワイヤ80を介して、MOSトランジスタ2に供給する。
【0085】
MOSトランジスタ2A,2Bのそれぞれは、受光素子11によって発生した電圧に応じて駆動される。MOSトランジスタ2A,2Bは、ゲートに印加された電圧に応じて、電流を出力する。したがって、MOSトランジスタ2A,2Bがオン状態である場合、フォトリレー100は、信号を伝送する。
【0086】
フォトカプラ1において、発光素子10がオフ状態となると、受光素子11からの電圧の出力が、停止される。それゆえ、MOSトランジスタ2A,2Bは、オフ状態となる。 この結果として、フォトリレー100の出力端子75A,75Bは、電気的に非導通状態とされる。したがって、MOSトランジスタ2A,2Bがオフ状態である場合、フォトリレー100は、信号を伝送しない。
【0087】
このように、本実施形態の半導体デバイス100としてのフォトリレーは、動作する。
【0088】
図2乃至
図5に戻って、半導体デバイス100の構造について、説明する。
【0089】
本実施形態において、コネクタ5が、2つの半導体チップ2A,2Bのパッド21A,21B(例えば、MOSトランジスタ2A,2Bのソース)を、パッケージ基板7上の電極72に接続する。
【0090】
コネクタ5は、板状の導電体である。コネクタ5は、例えば、銅を含む。
コネクタ5は、Y方向から見て、凹状の断面形状を有している。コネクタ5は、第1、第2、第3、第4及び第5の板部50A,50B,51,52A,52Bを含む。第1乃至第5の板部50A,50B,51,52A,52Bは、連続した1つの導電層(例えば、銅板)である。
【0091】
第1、第2及び第3の板部50A,50B,51は、パッケージ基板7の表面に対して平行な方向に広がる。Z方向における第3の板部51の位置は、Z方向における第1及び第2の板部50A,50Bの位置よりも下方(パッケージ基板7側)である。第1及び第2の板部50A,50Bは、パッケージ基板7の表面に対して平行な方向(例えば、X方向)において、隣り合う。X方向における第3の板部51の位置は、コネクタ5の中央に位置する。
【0092】
第4及び第5の板部52A,52Bは、パッケージ基板7の表面に対して縦方向(例えば、垂直な方向)に広がる。例えば、第4及び第5の板部52A,52Bは、Z方向において或る角度で傾斜している。第4及び第5の板部52A,52Bは、パッケージ基板7の表面に対して平行な方向(例えば、X方向)において、隣り合う。
【0093】
第4の板部52Aは、第1の板部50Aと第3の板部51との間に設けられている。第5の板部52Bは、第2の板部50Bと第3の板部51との間に設けられている。
【0094】
第1の板部50AのX方向における一端は、半田又は導電性ペーストのような導電性部材67Aを介して、半導体チップ2Aのパッド21Aに接続される。第1の板部50Aは、Z方向において、部分的に(又は全体的に)パッド21Aと重なる。パッド21Aの上面は、第1の板部50Aに覆われる。
【0095】
第1の板部50AのX方向における他端は、第4の板部52AのZ方向における一端に接続される。第4の板部52AのZ方向における他端は、第3の板部51のX方向における一端に接続される。第3の板部51のX方向における一端は、半導体チップ2A側の端部、及び、ダイパッド71A側の端部である。
【0096】
第2の板部50BのX方向における一端は、導電性部材67Bを介して、半導体チップ2Bのパッド21Bに接続される。第2の板部50Bは、Z方向において、部分的に(又は全体的に)パッド21Bと重なる。パッド21Bの上面は、第2の板部50Bに覆われる。
【0097】
第2の板部50BのX方向における他端は、第5の板部52BのZ方向における一端に接続される。第5の板部52BのZ方向における他端は、第3の板部51のX方向における他端に接続される。第3の板部51のX方向における他端は、半導体チップ2B側の端部、及び、ダイパッド71B側の端部である。
【0098】
第3の板部51は、導電性部材68を介して電極72に接続される。第3の板部は、Z方向において、電極72の部分720と重なる。
【0099】
板状のコネクタ5の体積及びコネクタの幅方向(Y方向)における断面積は、ボンディングワイヤの体積及び断面積より大きい。
【0100】
それゆえ、本実施形態の半導体デバイス100は、コネクタ5によって、比較的大きな電流値を有する電流を、半導体パッケージ1と半導体チップ2との間に流すことができる。
【0101】
尚、本実施形態の半導体デバイス100は、フォトリレーに限定されない。
半導体パッケージ1は、フォトカプラに限定されない。例えば、半導体パッケージ1は、トランジスタのようなディスクリートデバイスでもよいし、半導体回路(例えば、集積回路)でもよい。
半導体チップ2の半導体素子は、電界効果トランジスタに限定されない。例えば、半導体チップ2は、バイポーラトランジスタ又はIGBT(Insulated gate bipolar transistor)を含み得る。半導体チップ2は、半導体回路でもよい。
【0102】
(まとめ)
本実施形態の半導体デバイス100において、半導体パッケージ1及び複数の半導体チップ2が、パッケージ基板7上に設けられている。
半導体パッケージ1及び複数の半導体チップ2が、パッケージ基板7上において、パッケージ部材(樹脂)60に覆われている。
【0103】
このように、本実施形態において、光デバイスを含む半導体パッケージ1は、パッケージ部材19に加えて、さらに別のパッケージ部材60によって二重に覆われる。
この一方で、半導体チップ2は、ベアチップであって、パッケージ基板7上のパッケージ部材60のみに覆われている。
【0104】
それゆえ、本実施形態において、封止された状態のデバイス1と封止されない状態のデバイス2とが、同じパッケージ基板7上に設けられている。
これによって、本実施形態の半導体デバイス100は、パッケージ基板7上のデバイス1,2が封止される際に、デバイス1,2を封止するパッケージ部材60の材料に関する制約が、緩和できる。それゆえ、本実施形態の半導体デバイス100は、比較的容易に二重モールド構造を実現できる。
【0105】
また、本実施形態において、非パッケージ状態のベアチップ(半導体チップ2)の使用により、半導体デバイス100内の空間利用率の低下が、抑制され得る。この結果として、本実施形態の半導体デバイス100は、パッケージ構造の自由度が高くなる。したがって、本実施形態の半導体デバイス100は、半導体デバイスの小型化に貢献できる。
【0106】
本実施形態のように、半導体デバイス100を構成する半導体素子が半導体チップの状態で或る面積のパッケージ基板7上に搭載された場合、半導体素子がパッケージの状態で同じ面積のパッケージ基板7上に搭載された場合に比較して、半導体素子のサイズが、大きくできる。これによって、本実施形態の半導体デバイス100は、オン抵抗を低減できる。
【0107】
本実施形態において、パッケージ基板7の外部接続端子75,76,77は、パッケージ基板7の裏面側に設けられている。これによって、本実施形態の半導体デバイス100は、モジュール基板900上における半導体デバイス100の実装面積を、低減できる。
【0108】
本実施形態において、パッケージ基板7は、リードフレーム70を含んでいる。リードフレーム70は、パッケージ基板7の導電部(配線)として、所定の形状(配線パターン)を有して、パッケージ基板7内に設けられている。
これによって、本実施形態の半導体デバイス100は、パッケージ基板7の導電部とパッケージ基板7上に設けられるデバイス1,2との接続を、簡素化できる。
【0109】
本実施形態において、2つの半導体チップ2A,2Bは、半導体パッケージ1に対して左右対称のレイアウトで、パッケージ基板7上に配置される。これによって、本実施形態の半導体デバイス100は、2つの半導体チップ2A,2Bに対して実質的に均等に、半導体パッケージ1からの信号電圧を、供給できる。
この結果として、本実施形態の半導体デバイス100は、半導体デバイス100の動作を安定化できる。
【0110】
また、本実施形態の半導体デバイス100は、パッケージ基板7上における2つの半導体チップ2A,2Bの左右対称のレイアウトによって、半導体デバイス100の小型化(例えば、面積の縮小)に貢献できる。
【0111】
本実施形態において、板状の接続部品(コネクタ)5が、複数の半導体チップ2をパッケージ基板7の電極72に電気的に接続する。接続部品5の体積及び断面積の増加によって、接続部品5(及び電極72)を介して半導体チップ2と半導体パッケージ1との間に流れる電流が、増加され得る。
この結果として、本実施形態の半導体デバイス100は、半導体チップ2及び半導体デバイス100のオン抵抗を低減できる。本実施形態の半導体デバイス100は、半導体デバイス100から出力される電流を大きくできる。
【0112】
また、大きい電流が流れる接続部品5の表面積は、ボンディングワイヤの表面積より大きい。この結果として、本実施形態の半導体デバイス100は、半導体チップ2及び半導体デバイス100の放熱特性が、向上する。
【0113】
本実施形態において、接続部品5による半導体チップ2とパッケージ基板7との接続によって、パッケージ基板7上における構成要素の実装工程のプロセスが、簡略化できる。
【0114】
本実施形態によれば、接続部品5(及びリードフレーム70)の使用によって、パッケージ基板7上における半導体パッケージ1及び半導体チップ2の位置ずれに対する受容性及び許容性が、向上する。
【0115】
本実施形態の半導体デバイス100は、半導体デバイス100の組み立て工程における半導体パッケージ1及び半導体チップ2のパッケージ基板7上の実装の自由度(例えば、実装の順序の調整)を向上できる。
【0116】
本実施形態のように、接続部品5が凹状の断面構造を有するように板状の導電体によって形成される場合、半導体デバイス100の製造コストを、低減できる。
【0117】
以上のように、本実施形態の半導体デバイス100は、特性が改善される。
【0118】
(2)第2の実施形態
図7及び
図8を参照して、第2の実施形態の半導体デバイスについて説明する。
【0119】
図7は、本実施形態の半導体デバイス100の構造を説明するための模式的な鳥瞰図である。
図8は、本実施形態の半導体デバイス100の断面構造を模式的に示す断面図である。
【0120】
図7及び
図8に示されるように、本実施形態の半導体デバイス100は、コネクタ(接続部品)5Aの構造が、第1の実施形態の半導体デバイス100のコネクタ5の構造と異なる。
【0121】
コネクタ5Aは、第1の部分55と、第2の部分56と、を含む。第1の部分55は、第2の部分56と連続する1つの導電体である。コネクタ5Aは、銅を含む。
【0122】
第1の部分55は、X-Y平面に沿って延在する。第1の部分55は、2つの半導体チップ2A,2Bにまたがる。第1の部分55は、半田又は導電性ペーストのような導電性部材67A,67Bによって、半導体チップ2A,2Bのパッド21A,21Bにそれぞれ接続される。
【0123】
第2の部分56は、第1の部分55と電極72との間に設けられている。第2の部分56は、導電性部材68によって、電極72に接続される。
【0124】
コネクタ5Aは、Y方向から見た断面において、T字状の断面形状を有する。
【0125】
本実施形態において、コネクタ5Aは、より大きい体積を確保できる。
コネクタ5Aの体積の増加に起因して、コネクタ5Aの放熱特性が、向上する。
【0126】
また、コネクタ5Aの体積(断面積)の増加によって、半導体チップ2と電極72との間に流れる電流が、増加される。
この結果として、本実施形態の半導体デバイス100は、オン抵抗を低減できる。
【0127】
したがって、本実施形態の半導体デバイス100は、特性が改善される。
【0128】
(3)変形例
図9及び
図10を参照して、実施形態の半導体デバイスの変形例について説明する。
【0129】
図9は、実施形態の半導体デバイス100の変形例の一例を説明するための模式的な鳥瞰図である。
図10は、本実施形態の半導体デバイス100の変形例の一例を説明するための断面図である。
【0130】
図9及び
図10に示されるように、本変形例の半導体デバイス100において、各半導体チップ2A,2Bは、ボンディングワイヤ89(89A,89B)によって、パッケージ基板7の電極72に接続される。
【0131】
半導体チップ2Aのパッド21Aは、複数のボンディングワイヤ89Aを介して、電極72に接続される。複数のボンディングワイヤ89Aは、パッド21Aと電極72との間に並列に接続される。
【0132】
半導体チップ2Bのパッド21Bは、複数のボンディングワイヤ89Bを介して、電極72に接続される。複数のボンディングワイヤ89Bは、パッド21Bと電極72との間に並列に接続される。
【0133】
複数のボンディングワイヤ89は、パッド20とリードフレーム70とを接続するためのワイヤボンディング工程と同じ工程によって、パッド21及び電極72にボンディングされる。
【0134】
尚、半導体チップ2のパッド20が、ボンディングワイヤ80の代わりに、板状の接続部品(コネクタ)を用いて、リードフレーム70に接続されてもよい。
【0135】
(4) その他
実施形態において、半導体デバイス100が、光結合デバイスと複数の半導体素子とを含む例が示されている。但し、実施形態の半導体デバイス100は、半導体パッケージ1と複数の半導体チップ2とを含む構造を有していれば、半導体パッケージ1のデバイスの種類、及び、半導体チップ2のデバイスの種類は、限定されない。
【0136】
実施形態の半導体デバイス100に含まれる半導体パッケージ1の数は、2つ以上でもよい。また、実施形態の半導体デバイス100に含まれる半導体チップ2の数は、3つ以上でもよい。
実施形態の半導体デバイス100において、パッケージ基板7の表面側に、半導体パッケージ1及び半導体チップ2が、設けられている。但し、パッケージ基板7の表面及び裏面の両方に、半導体パッケージ、半導体チップ及び各種の導電部が、設けられてもよい。
【0137】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0138】
100:半導体デバイス、1:半導体パッケージ、2A,2B:半導体チップ、20A,20B,21A,21B,23A,23B:パッド、5:接続部品、7:パッケージ基板、70:リードフレーム、71A,71B:ダイパッド、72,73,74:電極、75A,75B,77,78:外部接続端子。