(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140037
(43)【公開日】2023-10-04
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 29/06 20060101AFI20230927BHJP
H01L 29/872 20060101ALI20230927BHJP
H01L 29/12 20060101ALI20230927BHJP
H01L 29/739 20060101ALI20230927BHJP
H01L 29/78 20060101ALI20230927BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20230927BHJP
H01L 29/861 20060101ALI20230927BHJP
【FI】
H01L29/78 652P
H01L29/86 301F
H01L29/86 301E
H01L29/86 301D
H01L29/78 652T
H01L29/78 655F
H01L29/78 652F
H01L29/78 652S
H01L29/78 658A
H01L29/06 301G
H01L29/06 301V
H01L29/91 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022045873
(22)【出願日】2022-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】朝羽 俊介
(72)【発明者】
【氏名】河野 洋志
(57)【要約】 (修正有)
【課題】終活性領域を囲む終端領域の耐圧を向上させて高耐圧化する半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置1は、活性領域ARと、活性領域を囲む終端領域TRを有する第1導電形の第1半導体層11と、第1電極20と、活性領域において、第1電極との間に第1半導体層が位置するように設けられた第2電極30と、第1半導体層と第2電極との間に設けられ、第1電極から第2電極に向かう第1方向において第1層厚を有する第2導電形の第2半導体層13と、終端領域において、第2半導体層を囲むように設けられ、第1方向において第1層厚よりも長い第2層厚を有する第2導電形の第3半導体層15と、第2半導体層及び第3半導体層を囲み、且つ、第1方向において第2層厚よりも短い第3層厚を有する第2導電形の第4半導体層17と、第1半導体層との間に第3半導体層及び第4半導体層が位置する第2導電形の第5半導体層19と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性領域と、前記活性領域を囲む終端領域を有する第1導電形の第1半導体層と、
前記第1半導体層と電気的に接続された第1電極と、
前記活性領域において、前記第1電極との間に前記第1半導体層が位置するように設けられ、前記第1半導体層と電気的に接続された第2電極と、
前記第1半導体層と前記第2電極との間に設けられ、前記第1電極から前記第2電極に向かう第1方向において第1層厚を有する第2導電形の第2半導体層と、
前記終端領域において、前記第2半導体層を囲むように設けられ、前記第1方向において前記第1層厚よりも長い第2層厚を有する第2導電形の第3半導体層と、
前記終端領域において、前記第2半導体層および前記第3半導体層を囲むように設けられ、前記第3半導体層から離間し、且つ第1方向において前記第2層厚よりも短い第3層厚を有する第2導電形の第4半導体層と、
前記第1半導体層との間に前記第3半導体層および前記第4半導体層が位置するように設けられ、前記第2半導体層、前記第3半導体層および前記第4半導体層と電気的に接続された第2導電形の第5半導体層と、
を有する半導体装置。
【請求項2】
前記第1方向に直交する第2方向において、前記第2半導体層と前記第3半導体層との間に、前記第1半導体層の一部が設けられる請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2半導体層の前記第1層厚は、前記第4半導体層の前記第3層厚と同じである、請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第2半導体層の前記第1層厚は、前記第4半導体層の前記第3層厚よりも長い、請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第3半導体層と前記第4半導体層との間に設けられる別の第4半導体層をさらに有し、
前記第2方向における前記第3半導体層と前記別の第4半導体層との間の第1間隔は、前記第2方向における前記第4半導体層と前記別の第4半導体層との間の第2間隔と同じである、請求項1乃至4のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第3半導体層と前記第4半導体層との間に設けられる別の第4半導体層をさらに有し、
前記第3半導体層と前記別の第4半導体層との間の第1間隔は、前記第4半導体層と前記別の第4半導体層との間の第2間隔よりも狭い、請求項1乃至4のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第3半導体層は、前記第2半導体層に直接つながるように設けられる、請求項1記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の高耐圧化には、活性領域を囲む終端領域の耐圧を向上させることが重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態は、終端領域の耐圧向上を可能とする半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る半導体装置は、活性領域と、前記活性領域を囲む終端領域を有する第1導電形の第1半導体層と、前記第1半導体層と電気的に接続された第1電極と、前記活性領域において、前記第1電極との間に前記第1半導体層が位置するように設けられ、前記第1半導体層と電気的に接続された第2電極と、前記第1半導体層と前記第2電極との間に設けられ、前記第1電極から前記第2電極に向かう第1方向において第1層厚を有する第2導電形の第2半導体層と、前記終端領域において、前記第2半導体層を囲むように設けられ、前記第1方向において前記第1層厚よりも長い第2層厚を有する第2導電形の第3半導体層と、前記終端領域において、前記第2半導体層および前記第3半導体層を囲むように設けられ、前記第3半導体層から離間し、且つ第1方向において前記第2層厚よりも短い第3層厚を有する第2導電形の第4半導体層と、前記第1半導体層との間に前記第3半導体層および前記第4半導体層が位置するように設けられ、前記第2半導体層、前記第3半導体層および前記第4半導体層と電気的に接続された第2導電形の第5半導体層と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施形態に係る半導体装置を示す模式断面図である。
【
図2】実施形態に係る半導体装置を示す模式平面図である。
【
図3】実施形態に係る半導体装置の製造過程を示す模式断面図である。
【
図4】実施形態の変形例に係る半導体装置を示す模式断面図である。
【
図5】実施形態の他の変形例に係る半導体装置を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。図面中の同一部分には、同一番号を付してその詳しい説明は適宜省略し、異なる部分について説明する。なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
【0008】
さらに、各図中に示すX軸、Y軸およびZ軸を用いて各部分の配置および構成を説明する。X軸、Y軸、Z軸は、相互に直交し、それぞれX方向、Y方向、Z方向を表す。また、Z方向を上方、その反対方向を下方として説明する場合がある。
【0009】
図1は、実施形態に係る半導体装置1を示す模式断面図である。半導体装置1は、例えば、ショットキーバリアダイオード(SBD)である。なお、実施形態は、SBDに限定される訳ではなく、例えば、MOSトランジスタ、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などであってもよい。
【0010】
図1に示すように、半導体装置1は、半導体部10と、第1電極20と、第2電極30と、を備える。半導体部10は、例えば、炭化シリコン(SiC)である。第1電極20は、例えば、カソード電極である。第2電極30は、例えば、ショットキー電極である。
【0011】
半導体部10は、第1電極20と第2電極30との間に設けられる。第1電極20は、半導体部10の裏面10B上に設けられる。第2電極30は、半導体部10の裏面10Bとは反対側の表面10F上に設けられる。
【0012】
半導体部10は、例えば、活性領域ARと、終端領域TRと、を含む。活性領域ARは、例えば、第2電極30の下方に位置する。終端領域TRは、例えば、表面10F内において、活性領域ARを囲むように設けられる。
【0013】
半導体部10は、第1導電形の第1半導体層11と、第2導電形の第2半導体層13と、第2導電形の第3半導体層15と、第2導電形の第4半導体層17と、第2導電形の第5半導体層19と、第1導電形の第6半導体層21と、を含む。以下、第1導電形をn形、第2導電形をp形として説明する。
【0014】
第1半導体層11は、第1電極20と第2電極30との間において、活性領域ARから終端領域TRに延在する。第2半導体層13は、第1半導体層11と第2電極20との間に複数設けられる。
【0015】
第1半導体層11は、複数の第2半導体層13間中に延在し、第2電極30に接する延在部11exを含む。延在部11exは、X方向において、第2半導体層13間に位置する。第2電極30は、第1半導体層11の延在部11exに、例えば、ショットキー接続される。また、第2電極30は、半導体部10の表面10Fにおいて、第2半導体層13に接続される。第2電極30は、第2半導体層13に、例えば、オーミック接続される。
【0016】
半導体部10は、終端領域TRに設けられる所謂リサーフ構造を有する。実施形態に係るリサーフ構造は、ガードリングを含む構造(Guard Ring asisted RESURF)である。すなわち、半導体部10は、終端領域TRに設けられ、第3半導体層15と、第4半導体層17と、第5半導体層19と、を含むリサーフ構造を有する。第3半導体層15および第4半導体層17は、ガードリングとして機能し、リサーフ構造の主部である第5半導体層19に接続される。
【0017】
第3半導体層15および第4半導体層17は、それぞれ、半導体部10の表面10F側に設けられる。第3半導体層15および第4半導体層17は、表面10Fに沿った方向、例えば、X方向に並ぶ。第3半導体層15は、第2半導体層13と第4半導体層17との間に設けられる。第2半導体層13と第3半導体層15との間、および、第3半導体層15と第4半導体層17との間には、第1半導体層11の一部が延在している。
【0018】
終端領域TRには、少なくとも1つの第4半導体層17が設けられる。この例では、2つの第4半導体層17が設けられ、X方向に並ぶ。第4半導体層17は、第3半導体層15と別の第4半導体層17との間に位置する。第4半導体層17と別の第4半導体層17との間には、第1半導体層11の一部が延在している。
【0019】
第5半導体層19は、第1半導体層11上において、第2半導体層13、第3半導体層15および第4半導体層17に跨るように設けられる。第5半導体層19は、半導体部10の表面10Fに沿って、第1半導体層11、第3半導体層15および第4半導体層17のそれぞれの上に延在する。すなわち、Z方向において、第3半導体層15および第4半導体層17は、第1半導体層11と第5半導体層19との間に位置する。
【0020】
第6半導体層21は、第1半導体層11と第1電極20との間に位置する。第6半導体層21は、第1半導体層11の第1導電形不純物の濃度よりも高濃度の第1導電形不純物を含む。第1電極20は、第6半導体層21に、例えば、オーミック接続される。
【0021】
図1中に示す第1距離D1は、半導体部10の表面10Fと第2半導体層13の下端(第1半導体層11と第2半導体層13との境界)との間のZ方向の距離である。また、第2距離D2は、半導体部10の表面10Fと第3半導体層15の下端(第1半導体層11と第3半導体層15との境界)との間のZ方向の距離である。第3距離D3は、半導体部10の表面10Fと第4半導体層17の下端(第1半導体層11と第4半導体層17との境界)との間のZ方向の距離である。
【0022】
半導体装置1では、第1電極20と第2電極30との間に順方向電圧が印可されると、最初は、第2電極30と第1半導体層11との間のショットキー接続を介して、順方向電流が流れ出し、第1半導体層11と第2半導体層13との間のビルトインポテンシャルを超える電圧になると、第2半導体層13を介して、第1半導体層11から第2電極30に順方向電流が流れるようになる。これにより、順方向電圧を低減することができる。
【0023】
一方、第1電極20と第2電極30との間に逆方向電圧が印可されると、第1半導体層11中のキャリア(電子および正孔)が第1電極20および第3電極30に排出され、第1半導体層11が空乏化する。これに伴い、第1半導体層11中の電界が上昇する。この時、活性領域ARと終端領域TRとの境界における電界集中が顕著になり、アバランシェ降伏を生じさせる。リサーフ構造は、活性領域ARと終端領域TRとの境界における電界集中を抑制するように設けられる。
【0024】
実施形態に係るリサーフ構造において、第3半導体層15は、第2距離D2が第1距離D1および第3距離D3よりも長くなるように設けられる。これにより、第2半導体層13の終端領域TR側の下端における電界集中を緩和し、終端領域TRの耐圧を向上させることができる。
【0025】
図2は、実施形態に係る半導体装置1を示す模式平面図である。
図2は、半導体部10の表面10Fを示す平面図である。なお、
図1は、
図2中に示すA-A線に沿った断面図である。図中の破線は、第2半導体層13、第3半導体層15および第4半導体層17を表している。
【0026】
図2に示すように、第3半導体層15は、例えば、第1半導体層11の延在部11exおよび第2半導体層13を囲むように設けられる。第4半導体層17は、第3半導体層15の終端領域TR側を囲むように設けられる。第5半導体層19は、第2半導体層13を囲み、第2半導体層13から終端領域TRに延在するように設けられる。なお、実施形態は、この例に限定される訳ではなく、例えば、第3半導体層15および第4半導体層17は、相互に離間した複数の部分を、第2半導体層13を囲むように配置した構成であってもよい。
【0027】
図3(a)~(c)は、実施形態に係る半導体装置1の製造過程を示す模式断面図である。
図3(a)~(c)は、第2半導体層13、第3半導体層15、第4半導体層17および第5半導体層19の形成過程を表している。ここでは、第1距離D1を層厚D1、第2距離D2を層厚D2、第3距離D3を層厚D3として説明する。
【0028】
図3(a)に示すように、イオン注入マスクHM1を半導体部10の表面10F上に形成する。イオン注入マスクHM1は、半導体部10の表面10Fにおける第2半導体層13および第4半導体層17が形成される領域上に開口を有する。
【0029】
続いて、イオン注入マスクHM1の開口を介して、第2導電形不純物、例えば、アルミニウム(Al)をイオン注入する。第2導電形不純物は、例えば、300keVの注入エネルギーをもって、第1半導体層11中に導入される。第1半導体層11中にイオン注入された第2導電形不純物は、例えば、熱処理により活性化される。これにより、第2半導体層13および第4半導体層17が形成される。この場合、第2半導体層13のZ方向の層厚D1は、第4半導体層17のZ方向の層厚D3と同じである。
【0030】
図3(b)に示すように、イオン注入マスクHM1を除去した後、イオン注入マスクHM2を半導体部10の表面10F上に形成する。イオン注入マスクHM2は、半導体部10の表面10Fにおける第3半導体層15が形成される領域上に開口を有する。
【0031】
続いて、イオン注入マスクHM2の開口を介して、第2導電形不純物、例えば、アルミニウム(Al)をイオン注入する。第2導電形不純物は、例えば、750keVの注入エネルギーをもって、第1半導体層11中に導入される。
【0032】
第1半導体層11中にイオン注入された第2導電形不純物は、例えば、熱処理により活性化される。これにより、第1半導体層11中に第3半導体層15が形成される。第3半導体層15のZ方向の層厚D2は、第2半導体層13の層厚D1および第4半導体層17の層厚D3よりも厚い。
【0033】
図3(c)に示すように、イオン注入マスクHM2を除去した後、イオン注入マスクHM3を半導体部10の表面10F上に形成する。イオン注入マスクHM3は、半導体部10の表面10Fにおける第5半導体層19が形成される領域上に開口を有する。
【0034】
続いて、イオン注入マスクHM3の開口を介して、第2導電形不純物、例えば、アルミニウム(Al)をイオン注入する。第2導電形不純物は、例えば、100keVの注入エネルギーをもって、第1半導体層11中に導入される。第1半導体層11中にイオン注入された第2導電形不純物は、例えば、熱処理により活性化される。これにより、第5半導体層19が形成される。第5半導体層19のZ方向の層厚D4は、第2半導体層13の層厚D1、第3半導体層15の層厚D2および第4半導体層17の層厚D3よりも薄い。
【0035】
図4(a)および(b)は、実施形態の変形例に係る半導体装置2、3を示す模式断面図である。
図4(a)および(b)は、それぞれ、
図2中に示すA-A線に沿った断面図である。
【0036】
図4(a)に示すように、半導体部10の表面10Fと第4半導体層17の下端との間の第3距離D3は、表面10Fと第2半導体層13との間の第1距離D1より短くてもよい。このような構造は、第4半導体層17を第2半導体層13とは別のイオン注入により形成することにより実現できる。
【0037】
図4(b)に示すように、3つの第4半導体層17をX方向に並べて配置してもよい。このように、第4半導体層17の数は任意であり、4つ以上の第4半導体層17を配置してもよい。
【0038】
第1距離D1は、第2半導体層13の活性領域ARにおける最適な厚さを有するように設けられる。すなわち、第1距離D1の最適な値に対し、第2距離D2は、第1距離D1よりも長い。第3距離D3は、少なくとも、第2距離D2よりも短ければよく、この例に示すように、第1距離D1よりも短く設けられる。また、第2半導体層13の終端領域TR側の下端における電界集中を緩和できれば、第3距離D3は、第1距離D1よりも長くてもよい。
【0039】
図5(a)および(b)は、実施形態の他の変形例に係る半導体装置4、5を示す模式断面図である。
図5(a)および(b)は、それぞれ、
図2中に示すA-A線に沿った断面図である。
【0040】
図5(a)に示すように、この例では、3つの第4半導体層17が設けられる。第3半導体層15と、それに近接する第4半導体層17との間の第1間隔W1は、隣り合う第4半導体層17間の第2間隔W2、第3間隔W3よりも狭い。さらに、隣り合う第4半導体層17間の第2間隔W2は、第3半導体層15からより遠い位置において隣り合う第4半導体層17間の第3間隔W3よりも狭い。
【0041】
このように、活性領域ARから終端領域TRに向かう方向、すなわち、X方向における複数の第4半導体層17間の間隔は、例えば、第3半導体層15から遠ざかる程、広くなるように設定してもよい。これにより、第2導電形不純物の空間的な平均濃度が活性領域ARから遠ざかるほど低下するため、第4半導体層のそれぞれに均等に電界を分配することが可能となり、終端領域TRの外縁における耐圧を向上させることができる。
【0042】
さらに、第2半導体層13と第3半導体層15の間の第4間隔W4は、第1間隔W1と同じでも良いし、第1間隔W1と異なっていてもよい。実施形態は上記の例に限定される訳ではなく、第1間隔W1~第4間隔W4は、任意に設定される。複数の第4半導体層17の配置は、例えば、第1間隔W1、第2間隔W2および第3間隔W3が等しい等間隔であってもよい。
【0043】
図5(b)に示すように、第1半導体層11は、第2半導体層13と第3半導体層15との間に位置する部分を含まず、第3半導体層15が第2半導体層13につながるように設けてもよい。これにより、第4間隔W4の制御が不要となり、製造過程が容易になる。また、終端領域TRの幅を狭くすることもできる。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
1、2、3、4、5…半導体装置、 10…半導体部、 10B…裏面、 10F…表面、 11…第1半導体層、 11ex…延在部、 13…第2半導体層、 15…第3半導体層、 17…第4半導体層、 19…第5半導体層、 20…第1電極、 21…第6半導体層、 30…第2電極、 AR…活性領域、 HM1、HM2、HM3…イオン注入マスク、 TR…終端領域