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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140379
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】加熱装置と被加熱物利用装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
G03G15/20 515
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022046181
(22)【出願日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137752
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 岳行
(74)【代理人】
【識別番号】100085040
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100108925
【弁理士】
【氏名又は名称】青谷 一雄
(74)【代理人】
【識別番号】100087343
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 智廣
(72)【発明者】
【氏名】大橋 孝
(72)【発明者】
【氏名】松原 崇史
(72)【発明者】
【氏名】石原 拓真
【テーマコード(参考)】
2H033
【Fターム(参考)】
2H033BA11
2H033BA12
2H033BA26
2H033BB03
2H033BB04
2H033BB12
2H033BB13
2H033BB15
2H033BB19
2H033BB21
2H033BB22
2H033BB36
2H033BE00
(57)【要約】
【課題】抵抗発熱層を有して回転する加熱ロールの抵抗発熱層への給電を、回転する加熱ロールの一部に所定の位置で接触させる給電部材を介して行う場合や軸受を加熱ロールの端部のうち接続給電体よりも外側になる部分に配置する場合に比べて、装置の大型化を招くこともなく安定して行うことができる加熱装置等を提供する。
【解決手段】加熱装置は、抵抗発熱層を有する加熱ロールと、加熱ロールを回転可能に支持する軸受と、加熱ロールの端部に取り付けられて抵抗発熱層に接続して給電する接続給電体とを備え、接続給電体は、加熱ロールと同心になるよう配置されて抵抗発熱層と導通可能に接続される円環状の枠と、枠内に一部が配置されて給電する給電軸と、枠の内周面と給電軸の外周面とに導通可能に接触して転動する複数の転動体とを有し、軸受は、加熱ロールの端部のうち軸方向において接続給電体よりも内側になる部分に取り付けられている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抵抗発熱層を有する加熱ロールと、
前記加熱ロールを回転可能に支持する軸受と、
前記加熱ロールの端部に取り付けられて前記抵抗発熱層に接続して給電する接続給電体と、
を備え、
前記接続給電体は、前記加熱ロールと同心になるよう配置されて前記抵抗発熱層と導通可能に接続される円環状の枠と、前記枠内に一部が配置されて給電する給電軸と、前記枠の内周面と前記給電軸の外周面とに導通可能に接触して転動する複数の転動体とを有し、
前記軸受は、前記加熱ロールの端部のうち軸方向において前記接続給電体よりも内側になる部分に取り付けられている加熱装置。
【請求項2】
前記軸受は、前記加熱ロールの軸方向において前記抵抗発熱層よりも外側になる部分に配置されている請求項1に記載の加熱装置。
【請求項3】
前記軸受は、前記加熱ロールの端部に樹脂製部材を介在させて取り付けられる請求項1または2に記載の加熱装置。
【請求項4】
前記加熱ロールは、前記抵抗発熱層と前記軸受の間になる当該加熱ロールの周方向に沿う部分に設けられて当該抵抗発熱層と導通可能に接続される給電層を有し、
前記給電層は、前記加熱ロールの周方向において間隔をあけた状態で当該加熱ロールの軸方向に対して前記軸受よりも外側になる部分にまで延びるよう設けられる複数の延長層を有している請求項1に記載の加熱装置。
【請求項5】
前記枠は、前記複数の延長層の少なくとも1つに接触する導電性の弾性部材を介して導通可能に接続されている請求項4に記載の加熱装置。
【請求項6】
前記枠は、前記加熱ロールの前記複数の延長層の少なくとも1つに接触して導通可能に接続される接続部を有している請求項4に記載の加熱装置。
【請求項7】
前記加熱ロールを回転させる動力を受ける動力受け部品を備え、
前記動力受け部品は、前記加熱ロールの端部のうち当該加熱ロールの軸方向において前記軸受よりも外側になる部分でかつ前記接続給電体よりも内側になる部分に配置される請求項1ないし6のいずれかの項に記載の加熱装置。
【請求項8】
シート状の被加熱物を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段で搬送される前記被加熱物を加熱する加熱装置と、
を備え、
前記加熱装置が請求項1ないし7のいずれかの項に記載の加熱装置で構成されている被加熱物利用装置。
【請求項9】
前記加熱装置は、シート状の被加熱物である記録媒体に未定着像を定着させる定着装置である請求項8に記載の被加熱物利用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、加熱装置と被加熱物利用装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、芯ローラの内周面に電気絶縁層、層状の抵抗発熱体がこの順に形成された加熱ロールを有する定着装置が記載されている。
また、特許文献1には、その加熱ロールに関して、抵抗発熱体の両端内周面部分に導電性のリング状受電部材を嵌装により固定して抵抗発熱体層と電気的に接続する一方で、受電部材に対して一対の導電性の給電部材を芯ローラの内側空間内でそれぞれバネにより押圧するように配置することにより、その受電部材と給電部材は、受電部材が芯ローラと一体的に回転しても、受電部材と給電部材との接触面で電気的な接続を保つよう構成したことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09-114315号公報(段落0019-0021、図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、抵抗発熱層を有して回転する加熱ロールの抵抗発熱層への給電を、回転する加熱ロールの一部に所定の位置で接触させる給電部材を介して行う場合や軸受を加熱ロールの端部のうち接続給電体よりも外側になる部分に配置する場合や接続給電体を軸受として機能させる構造にする場合に比べて、装置の大型化を招くこともなく安定して行うことができる加熱装置とそれを用いた被加熱物利用装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明(1)は、
抵抗発熱層を有する加熱ロールと、前記加熱ロールを回転可能に支持する軸受と、前記加熱ロールの端部に取り付けられて前記抵抗発熱層に接続して給電する接続給電体と、を備え、
前記接続給電体は、前記加熱ロールと同心になるよう配置されて前記抵抗発熱層と導通可能に接続される円環状の枠と、前記枠内に一部が配置されて給電する給電軸と、前記枠の内周面と前記給電軸の外周面とに導通可能に接触して転動する複数の転動体とを有し、
前記軸受は、前記加熱ロールの端部のうち軸方向において前記接続給電体よりも内側になる部分に取り付けられている加熱装置である。
【0006】
この発明(2)は、上記発明(1)の加熱装置において、
前記軸受は、前記加熱ロールの軸方向において前記抵抗発熱層よりも外側になる部分に配置されている加熱装置である。
【0007】
この発明(3)は、上記発明(1)または(2)の加熱装置において、
前記軸受は、前記加熱ロールの端部に樹脂製部材を介在させて取り付けられている加熱装置である。
【0008】
この発明(4)は、上記発明(1)の加熱装置において、
前記加熱ロールは、前記抵抗発熱層と前記軸受の間になる当該加熱ロールの周方向に沿う部分に設けられて当該抵抗発熱層と導通可能に接続される給電層を有し、
前記給電層は、前記加熱ロールの周方向において間隔をあけた状態で当該加熱ロールの軸方向に対して前記軸受よりも外側になる部分にまで延びるよう設けられる複数の延長層を有している加熱装置である。
【0009】
この発明(5)は、上記発明(4)の加熱装置において、
前記枠は、前記複数の延長層の少なくとも1つに接触する導電性の弾性部材を介して導通可能に接続されている加熱装置である。
この発明(6)は、上記発明(4)の加熱装置において、
前記枠は、前記加熱ロールの前記複数の延長層の少なくとも1つに接触して導通可能に接続される接続部を有している加熱装置である。
【0010】
この発明(7)は、上記発明(1)から(6)のいずれかの加熱装置において、
前記加熱ロールを回転させる動力を受ける動力受け部品を備え、
前記動力受け部品は、前記加熱ロールの端部のうち当該加熱ロールの軸方向において前記軸受よりも外側になる部分でかつ前記接続給電体よりも内側になる部分に配置されている加熱装置である。
【0011】
また、この発明(8)は、
シート状の被加熱物を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段で搬送される前記被加熱物を加熱する加熱装置と、
を備え、
前記加熱装置が上記発明(1)から(7)のいずれかの加熱装置で構成されている被加熱物利用装置である。
【0012】
この発明(9)は、上記発明(8)の被加熱物利用装置において、
前記加熱装置は、シート状の被加熱物である記録媒体に未定着像を定着させる定着装置である被加熱物利用装置である。
【発明の効果】
【0013】
上記発明(1)の加熱装置によれば、抵抗発熱層を有して回転する加熱ロールの抵抗発熱層への給電を、回転する加熱ロールの一部に所定の位置で接触させる給電部材を介して行う場合や軸受を加熱ロールの端部のうち接続給電体よりも外側になる部分に配置する場合や接続給電体を軸受として機能させる構造にする場合に比べて、装置の大型化を招くこともなく安定して行うことができる。
【0014】
上記発明(2)によれば、軸受が加熱ロールの軸方向において抵抗発熱層と重複する部分に配置される場合に比べて、抵抗発熱層の熱が軸受に移動して加熱ロールの軸方向における温度分布が悪化することを抑制することができる。
【0015】
上記発明(3)によれば、軸受を加熱ロールの端部に樹脂製部材を介在させることなく取り付ける場合に比べて、軸受の取り付け時に加熱ロールの端部が損傷するおそれを少なくすることができる。
【0016】
上記発明(4)によれば、加熱ロールにおける抵抗発熱層と通電可能に接続される給電層が上記複数の延長層を有していない場合に比べて、加熱ロールの端部に軸受を配置しても抵抗発熱層に対する給電を行うことができる。
【0017】
上記発明(5)によれば、枠と給電層との間の接続を、給電層の損傷回避や接続給電体の着脱性向上を確保しつつ的確に接続することができる。
上記発明(6)によれば、枠と給電層との間を容易に接続することができる。
【0018】
上記発明(7)によれば、動力受け部品が、加熱ロールの端部のうちその軸方向において軸受よりも外側になる部分でかつ接続給電体よりも内側になる部分とは異なる部分に配置される場合に比べて、抵抗発熱層の熱が動力受け部品に移動して加熱ロールの軸方向における温度分布が悪化することを抑制することができる。
【0019】
上記発明(8)の被加熱物利用装置によれば、加熱装置において、抵抗発熱層を有して回転する加熱ロールの抵抗発熱層への給電を、回転する加熱ロールの一部に所定の位置で接触させる給電部材を介して行う加熱装置を備える場合や軸受を加熱ロールの端部のうち接続給電体よりも外側になる部分に配置する場合や接続給電体を軸受として機能させる構造にする場合に比べて、加熱装置の大型化を招くこともなく安定して行うことができ、加熱装置による被加熱物の加熱も安定させることができる。
【0020】
上記発明(9)によれば、加熱ロールの抵抗発熱層への安定した給電がされて定着装置による定着も安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1の実施の形態に係る被加熱物利用装置の一例である画像形成装置の概要図である。
図2】第1の実施の形態に係る加熱装置の一例である定着装置の概要図である。
図3図2の定着装置の一部の概要図である。
図4】(A)は加熱ロールの概略断面図、(B)は(A)のB-B線に沿う概略断面図である。
図5】加熱ロールの一端側に接続給電体が取り付けられた状態の斜視図である。
図6図5の加熱ロールおよび接続給電体の一部切除した状態の斜視図である。
図7図5の加熱ロールと接続給電体を分離しているときの斜視図である。
図8】(A)は接続給電体の一部切除した状態の斜視図、(B)は(A)の接続給電体の一部品(カバー)を取り外したときの内部部品の斜視図である。
図9】(A)は図8(B)の内部部品から一部品(枠)を取り外したときに残る部品の斜視図、(B)は(A)の部品から一部品(給電軸)を取り除いたときに残る部品の斜視図である。
図10図5の加熱ロールの一端側に接続給電体が取り付けられた状態の概略断面図である。
図11図5の加熱ロールと接続給電体を分離したときの概略断面図である。
図12】(A)は加熱ロールと接続給電体における構成の一部を示す断面概要図、(B)は加熱ロールと接続給電体における他の構成の一部を示す断面概要図である。
図13】加熱ロールにおける構成の一部を示す断面概要図である。
図14】(A)は加熱ロールに取り付けたときの接続給電体の状態を示す概要図、(B)は(A)の接続給電体の他の状態を示す概要図である。
図15】第2の実施の形態に係る加熱装置の一例である定着装置の概要図である。
図16図15の定着装置の一部の概要図である。
図17】第3の実施の形態に係る加熱装置と被加熱物利用装置の一例である加熱乾燥装置の概要図である。
図18】変形例の枠を適用した場合の接続給電体と加熱ロールとの状態を示す断面概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
【0023】
第1の実施の形態.
図1には、第1の実施の形態に係る被加熱物利用装置1が示されている。図2には、第1の実施の形態に係る加熱装置5が示されている。
以下の説明では、図面に矢印Xで示す方向を装置の幅方向、矢印Yで示す方向を装置の高さ方向、矢印Zで示す方向を上記幅方向および高さ方向のそれぞれに直交する装置の奥行方向とする。図面中の矢印Xと矢印Zの交差部に付した丸印は、装置の奥行方向である矢印Zが図面(紙面)と直交して下方に向いていることを示している。
【0024】
第1の実施の形態に係る被加熱物利用装置1は、シート状の被加熱物9を利用する装置である。この被加熱物利用装置1はその一例である画像形成装置1Aとして構成されている。
また、第1の実施の形態に係る加熱装置5は、シート状の被加熱物9を少なくとも加熱する装置である。この加熱装置5はその一例である定着装置5Aとして構成されている。
【0025】
(被加熱物利用装置)
被加熱物利用装置1の一例である画像形成装置1Aは、シート状の被加熱物9に粉体の現像剤からなる像を形成した後に加熱して画像を形成する装置である。シート状の被加熱物9としては、その一例である記録媒体9Aが適用される。
【0026】
画像形成装置1Aは、図1に示されるように、所要の外観形状からなる筐体10を有しており、その筐体10の内部空間に、像形成装置2、媒体供給装置4、媒体搬送装置45、定着装置5A等を配置して構成されている。図1における一点鎖線は、筐体10内で記録媒体9Aが媒体搬送装置45により搬送されるときの主な搬送経路を示している。
【0027】
像形成装置2は、現像剤としてのトナーで構成されるトナー像を形成して記録媒体9Aに転写する装置である。この像形成装置2は、例えば電子写真方式等の画像形成方式を採用する装置として構成されており、矢印Aで示す方向に回転する感光ドラム21の周囲に、帯電装置22、露光装置23、現像装置24、転写装置25、清掃装置26等の機器を配置して構成されている。
【0028】
このうち、感光ドラム21は、像保持手段の一例であり、像形成面および像保持面となる感光層を有するドラム形態からなる感光体である。帯電装置22は、感光ドラム21の外周面(像形成面)を所要の表面電位に帯電させる装置である。この帯電装置22は、例えば感光ドラム21の外周面の像形成面に接触させるとともに帯電電流が供給されるロール形態等からなる帯電部材を備えて構成されている。
【0029】
露光装置23は、感光ドラム21の帯電後の外周面に画像情報に基づく露光をして静電潜像を形成する装置である。この露光装置23は、外部から入力される画像情報が図示しない画像処理手段等で所要の処理が施されて生成される画像信号を受けて作動する。画像情報とは、例えば、文字、図形、写真、模様等の形成すべき画像に関係する情報である。現像装置24は、感光ドラム21の外周面に形成された静電潜像を対応する所定の色(例えばブラック)の現像剤(トナー)により現像して単色のトナー像として顕像化する装置である。
【0030】
次に、転写装置25は、感光ドラム21の外周面に形成されたトナー像を記録媒体9Aに静電的に転写させる装置である。この転写装置25は、感光ドラム21の外周面に接触するとともに転写電流が供給されるロール形態等からなる転写部材を備えて構成されている。清掃装置26は、感光ドラム21の外周面に付着する不要なトナー、紙粉等の不要物を除去して感光ドラム21の外周面を清掃する装置である。
像形成装置2においては、感光ドラム21と転写装置25が対向する部位がトナー像の転写を行う転写位置TPになる。
【0031】
媒体供給装置4は、像形成装置2における転写位置TPに供給すべき記録媒体9Aを収容して送り出す装置である。この媒体供給装置4は、記録媒体9Aを収容する収容体41と、記録媒体9Aを1つずつ送り出す単数又は複数の送出装置43等の機器を配置して構成されている。収容体41および送出装置43は、単数に限らず、複数適用してもよい。
記録媒体9Aとしては、筐体10内での媒体搬送装置45による搬送が可能であってトナー像の転写および熱定着が可能なシート状の記録媒体であればよく、その材質、形態等については特に制約されるものでない。この画像形成装置1Aでは、記録媒体9Aとして、所定のサイズに裁断された普通紙、コート紙、フィルム、箔、シート状布等の記録媒体や、封筒等の記録媒体を使用する。
【0032】
媒体搬送装置45は、記録媒体9A等の被加熱物9を搬送する搬送手段の一例である装置である。この画像形成装置1Aにおける媒体搬送装置45は、筐体10内で記録媒体9Aを所要の箇所までそれぞれ搬送する装置として構成されている。
媒体搬送装置45は、筐体10内において、記録媒体9Aを媒体供給装置4から像形成装置2における転写位置TPまで搬送する供給路と、像形成装置2における転写位置TPから定着装置5Aまで搬送する中継路と、定着装置5Aから筐体10の側面部等に設けられる排出口12まで搬送する排出路等を形成するよう配置されている。
また、媒体搬送装置45は、具体的には、記録媒体9Aを挟持して搬送する一対の搬送ロール46(46a~46d)や、記録媒体9Aの搬送先を案内する搬送空間等を形成する案内通路部材47等を、所要の位置に所要の数量で配置して構成されている。
【0033】
加熱装置5の一例である定着装置5Aは、像形成装置2の転写位置TPで転写された未定着像のトナー像を記録媒体9Aに定着させるために加熱および加圧の処理をする装置である。この定着装置5Aは、記録媒体9Aの導入口50aおよび排出口50bが設けられた筐体50の内部空間に、加熱用回転体51、加圧用回転体61等の機器を配置して構成されている。
また、定着装置5Aでは、図1図2に示されるように、加熱用回転体51と加圧用回転体61が接触して回転するよう配置されており、その接触する部分を通過する記録媒体9Aおよびトナー像を加熱および加圧する定着処理部FNとして構成している。
定着装置5Aの詳細については後述する。
【0034】
そして、画像形成装置1Aでは、例えば次のようにして画像の形成が行われる。
【0035】
すなわち、画像形成装置1Aでは、画像を形成する動作の指令を図示しない制御手段が受けると、像形成装置2において帯電動作、露光動作、現像動作および転写動作が実行される一方で、媒体供給装置4において所要の記録媒体9Aを送り出して媒体搬送装置45の供給路により転写位置TPまで搬送して供給する動作が実行される。
【0036】
これにより、感光ドラム21上に画像情報に応じたトナー像が形成される一方で、そのトナー像が媒体供給装置4から媒体搬送装置45を介して転写位置TPまで供給された記録媒体9Aに転写される。またこの際、トナー像が転写された記録媒体9Aは、回転する感光ドラム21と転写装置25に挟まれた状態で感光ドラム21から剥離された後、媒体搬送装置45の中継路により加熱装置5にむけて送られる。
【0037】
続いて、画像形成装置1Aでは、定着装置5Aにおいて、図2に示されるように、トナー像92の転写された記録媒体9Aを加熱用回転体51と加圧用回転体61が接触する部分の定着処理部FNに導入して通過させる定着動作が実行される。これにより、定着装置5Aでは、記録媒体9A上の未定着のトナー像92が加圧下で加熱されて記録媒体9Aに溶融して定着される。
【0038】
定着後の記録媒体9Aは、定着装置5Aにおける加熱用回転体51と加圧用回転体61に挟まれた状態で筐体50から排出された後、媒体搬送装置45の排出路により排出口12まで搬送され、最後に搬送ロール46dにより筐体10の一部に設けられた図示しない排紙収容部に送り出されて収容される。
【0039】
以上の一連の動作により、1枚の記録媒体9Aの片面に単色の画像を形成する基本的な画像形成動作が完了する。
【0040】
(加熱装置)
次に、加熱装置5の一例である定着装置5Aについて詳しく説明する。
【0041】
第1の実施の形態に係る定着装置5Aは、図2図3等に示されるように、上記加熱用回転体51としてベルト-ニップ形態の加熱ユニット52を適用する一方で、上記加圧用回転体61としてロール形態の加圧ロール62を適用して構成されている。
【0042】
加熱ユニット52は、加熱ロール53、支持部材54、定着ベルト55、調整支持ロール56等を備えたユニットとして構成されている。
【0043】
まず、加熱ロール53は、図4に示されるように、円筒状のロール基材531の外周面に、電気絶縁層532、通電により発熱する抵抗発熱層533、および表面層534をこの順に積層して設けた構造のロール体である。
【0044】
ロール基材531は、アルミニウム、鉄等の金属材料からなる肉厚が0.2~1.0mm程度の円筒体である。
電気絶縁層532は、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の電気絶縁性(非導電性)を有する材料で形成される絶縁膜である。電気絶縁層532は、ロール基材531の外周面のほぼ全域に形成される。
【0045】
抵抗発熱層533は、通電により発熱する層である。
この抵抗発熱層533は、加熱ロール53のうち記録媒体9Aの搬送時における最大幅の寸法よりも広い部分に形成される。換言すると、抵抗発熱層533は、図4に示されるように、ロール基材531の外周面のうち加熱ロール53の軸方向Jにおける両端部53b、53cを除いた中央側の部分53aに形成される。両端部53b、53cは、加熱ロール53の軸方向Jの各ロール端53eから中央側に所要の幅でそれぞれ入り込んだ部分(区域)である。
【0046】
また、抵抗発熱層533は、例えば、銀パラジウム、金パラジウム、カーボン金属フィラー混合物等の材料からなる層又は膜として形成される。ちなみに、抵抗発熱層533は、例えば、均一な層厚にする等の観点から、型流し込み塗布方法により形成される。
さらに、抵抗発熱層533は、図4等に示されるように、加熱ロール53の両端部53b,53cに加熱ロール53の軸方向Jと直交する周方向に沿って所要の幅で設けられる給電層535を介して給電時に通電されるようになっている。給電層535は、例えば、ベリリウム銅、銀ペースト等の材料からなる材料からなる層又は膜として形成される。
【0047】
表面層534は、非導電性や良好な熱伝導性を有するとともに、抵抗発熱層533を保護する保護性能を有する層である。この表面層534は、定着ベルト55への回転動力を伝えるためのタック力や後述する潤滑剤に対する濡れ性を有する層であることが好ましく、この観点から離型性の低い材料で構成される。離型性の低い材料としては、例えば、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の材料が適用される。
【0048】
また、加熱ロール53は、図3に示されるように、その軸方向Jの両端部53b、53cに接続して抵抗発熱層533に給電する接続給電体70がそれぞれ取り付けられている。接続給電体70は、電源装置17と接続されており、加熱が必要な時期になると電源装置17から所要の電流等が供給される。
接続給電体70の詳細については後述する。
【0049】
また、加熱ロール53は、図3に示されるように、加熱ロール53の軸方向Jにおける両端部53b,53cの一部に軸受65が配置されている。これにより、加熱ロール53は、軸受65を介して筐体50の側面支持部50c,50dの上部側に回転可能に取り付けられている。
【0050】
さらに、加熱ロール53は、図3に示されるように、加熱ロール53の一方の端部53bの一部に動力受け部品の一例としてのギア67が配置されている。また、ギア67には、図示しない回転駆動装置からの回転動力を伝達する伝達ギア18が噛み合って接続されている。これにより、加熱ロール53は、伝達ギア18からの回転動力がギア67により入力されて所定の方向Bに回転駆動するようになっている。
【0051】
次に、定着ベルト55は、加熱ロール53により加熱されて定着処理部FNにおいて記録媒体9Aのトナー像92が転写された面と接触して加熱を行うものである。
【0052】
この定着ベルト55としては、可撓性や耐熱性を有する無端状の熱伝導用ベルトであって、例えば、円筒状のベルト基材の外周面に弾性層と離型層がこの順で形成された積層構造のベルトが適用される。ベルト基材としては、ポリイミド、ポリアミド等の合成樹脂からなる円筒状の部材が用いられる。弾性層としては、シリコーンゴム等の弾性材料からなる層が形成される。離型層としては、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂材料からなる層が形成される。
また、定着ベルト55は、図2に示されるように、加熱ロール53に加えて支持部材54と調整支持ロール56とに掛け回されるように取り付けられ、その状態において矢印Cで示す方向に回転させられるようになっている。
【0053】
支持部材54は、定着ベルト55の内周面に接触して配置されて加熱処理が行われる定着処理部FNを支持および形成する部材である。定着処理部FNは、定着ベルト55の支持部材54で支持されている外周面部分に形成される加熱定着用の処理部である。
この支持部材54は、加熱ロール53の軸方向Jと平行して延びた状態で配置される中空構造の板状の支持本体と、その支持本体のうち定着ベルト55の内周面と接触する面部にパット部材を取り付けた構造体として構成されている。
また、支持部材54は、支持本体の両端部のうち定着ベルト55の両端から外側に突出した部分が筐体50の側面支持部50c,50d等に取り付けられることで配置される。
【0054】
調整支持ロール56は、定着ベルト55の掛け回した状態を所要の張力を付与しながら所望の形態に保持するとともに、定着ベルト55の回転走行の状態を安定されるための調整を行うロールである。
【0055】
また、加熱ユニット52は、図2に示されるように、定着ベルト55の内周面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布機器57や、加熱ロール53の表面温度を測定する温度センサ59が配置されている。
また、加熱ユニット52においては、図3に示されるように、複数の温度センサ59a~59dを加熱ロール53の軸方向Jにおける加熱領域のうち所定の場所(例えば中央側の領域と端部側の領域)に配置して当該加熱領域の複数の領域の表面温度を測定し、その測定結果を制御装置15に送信している。一方、制御装置15においては、その測定結果を参照して電源装置17の出力等の動作を制御している。
これにより、加熱ユニット52では、加熱ロール53の発熱の状態が調整され、最終的に定着処理部FNにおける加熱の状態が調整されるようになっている。
【0056】
次に、加圧ロール62は、図2に示されるように、円柱状又は円筒状のロール基材621の外周面に弾性離型層622を設けた構造のロール体である。
【0057】
この加圧ロール62は、図2に示されるように、加熱ユニット52における支持部材54に向き合う位置で、ロール基材621の両端部から突出する軸部623に装着する軸受66を介して、筐体50の側面支持部50c,50dの下部側に回転可能に取り付けられている。
また、加圧ロール62は、軸受66が支持部材54に対して接近および離間する方向に変位し得るよう側面支持部50c,50dに取り付けられているとともに、その軸受66に図示しないスプリング等の付勢部材により支持部材54に向く所定の圧力が加えられている。これにより、加圧ロール62は、定着ベルト55を支持部材54(のパット部材)に所定の圧力で押し付けて通過させるようになっている。
【0058】
そして、定着装置5Aでは、定着動作等を実行する時期になると、加熱ユニット52における加熱ロール53の抵抗発熱層533が通電により発熱して加熱ロール53を所要の温度に保つよう発熱し始め、その発熱により加熱ロール53が加熱され始める。
また、定着装置5Aでは、加熱ロール53が矢印Bで示す方向に回転し始め、この回転駆動により加圧ロール62が矢印Cで示す方向に従動回転し始めるとともに定着ベルト55が加熱ロール53と同じ矢印Bで示す方向に回転し始める。
これにより、定着装置5Aは、定着ベルト55が加熱ロール53により加熱されながら定着処理部FNを通過するように回転して、定着動作が可能な状態になる。
【0059】
<加熱装置の更なる詳細な構成>
定着装置5Aにおいては、図3に示されるように、軸受65が、加熱ロール53の軸方向Jにおける両端部53b,53cのうち接続給電体70よりも内側になる部分(軸方向Jの中央寄りの位置)に配置されている。
軸受65としては、例えば、ボールベアリング等の転がり軸受等が適用される。軸受65としてボールベアリングを適用する場合は、加熱ロール53から高熱が移動してもボールの転動を長期にわたり良好に確保できる等の観点からすると、内部に充填する潤滑オイルとして高耐熱性のオイルを使用することが好ましい。
【0060】
また、軸受65は、図13に示されるように、加熱ロール53の両端部53b,53cのうち軸方向Jにおいて抵抗発熱層533よりも外側になる部分(ロール端53e寄りの位置)に配置されている。第1の実施形態における軸受65は、加熱ロール53の軸方向Jにおいて抵抗発熱層533との間に給電層535を挟んだ位置関係になるよう取り付けられている。
【0061】
さらに、軸受65は、加熱ロール53の両端部53b,53cに樹脂製部材68を介在させて圧入するよう取り付けられている。樹脂製部材68は、加熱ロール53の両端部53b,53cに外側から嵌め入れることができる円環状の部材である。また、樹脂製部材68は、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリイミド、PEEK等の樹脂材料を用いて形成されている。
これにより、定着装置5Aでは、軸受65を加熱ロール53の両端部53b,53cに樹脂製部材68を介在させることなく取り付ける場合に比べると、軸受65の取り付け時に加熱ロール53の両端部53b,53cが表面層534等の層も含めて損傷するおそれが少なくなる。
【0062】
また、定着装置5Aにおいては、図3図5図10等に示されるように、ギア67が、加熱ロール53の端部53bのうち軸方向Jにおいて軸受65よりも外側になる部分であるとともに接続給電体70よりも内側になる部分に配置されている。
【0063】
ギア67としては、外周面にギア歯が形成された円環状のものが適用される。ギア67は、図7図11図12(B)等に示されるように、その内周面に、加熱ロール53の端部53bの周方向に対する位置固定をするための固定キー675が設けられている。固定キー675は、ギア67の内周面から回転中心に向けて突出する直方体状の突起部として形成されている。第1の実施形態では固定キー675を2つ設けているが、その数については特に限定されない。
【0064】
一方、加熱ロール53の端部53bには、図7図12(B)等に示されるように、固定キー675を嵌め入れるキー溝539が設けられている。キー溝539は、加熱ロール53の端部53bのロール端53eから軸方向Jに沿って所要の幅および長さで切り込んだ切欠き状の溝として形成されている。
ギア67は、加熱ロール53の端部53bに嵌め入れるよう取り付け、固定キー675をキー溝539に嵌め入れることで、加熱ロール53に装着される。
【0065】
次に、定着装置5Aにおける加熱ロール53の両端部53b,53cにそれぞれ取り付ける接続給電体70について説明する。
【0066】
接続給電体70は、図6図11等に示されるように、円環状の枠71と、給電軸72と、複数の転動体73と、非導電性のカバー75とを有している。
【0067】
円環状の枠71は、図6図10図11等に示されるように、加熱ロール53と同心になるよう配置されて抵抗発熱層533と導通可能に接続される部品である。
【0068】
枠71は、加熱ロール53の両端部53b,53cに対して間隔をあけて配置される。枠71は、本体部711と突出接続部712とを有する形状からなる部品として構成されている。
【0069】
本体部711は、加熱ロール53の直径よりも大きい直径(外径)からなる円環の形状であって、所定の幅からなる外周面71aおよび内周面71bを有する形状で形成されている部分である。
突出接続部712は、本体部711の周方向の一部に、加熱ロール53の両端部53b,53cにむけて突出する形状で形成されている部分である。
また、突出接続部712は、図10に示されるように、枠71と加熱ロール53の給電層535(の延長層536)との間を通電可能に接続する導電性の弾性部材76の一方の端部を取り付ける部分として使用される。導電性の弾性部材76としては、例えば、導電性を有する板ばね等が使用される。
この枠71は、例えば、純銅、黄銅、リン青銅、ニッケル等の材料を用いて、導電性を有する部材として形成されている。枠71は、金や錫のメッキを施してもよい。
【0070】
給電軸72は、図6図8図10図11等に示されるように、その一部721が枠71内に配置されて給電する軸である。
【0071】
給電軸72は、枠71の内径よりも小さい外径からなる円筒状の形状からなる軸として構成されている。
給電軸72は、その一部721を枠71内の空間に同心になるよう存在させた状態で配置される。その一方で、給電軸72は、その一部721を除く残り部分722を外部に露出させた状態で配置される。また、給電軸72は、その残り部分722の一部が例えば筐体50の側面支持部50c、50dに固定して取り付けられる。これにより、給電軸72は、固定された軸(回転しない軸)として使用される。
給電軸72の一部721には、図9等に示されるように、他の部分よりも大径の部分723が形成されている。この大径の部分723は、転動体73を軸方向にずれることなく安定して回動させるようにするために形成される部分である。
給電軸72は、例えば、純銅、黄銅、リン青銅、ニッケル等の材料を用いて、導電性を有する軸として形成されている。給電軸72は、金や錫のメッキを施してもよい。
【0072】
給電軸72は、その残り部分722に、電源装置17から出力される給電用の電流等が伝えられる。図10図11図14(B)等に示されるように、給電軸72は、例えば、その残り部分722に設けた取付け孔725に接続端子726を介して給電用の電流等が伝えられるようになっている。
【0073】
複数の転動体73は、枠71の内周面71bと給電軸72の外周面72aとに導通可能に接触して転動する部品である。
【0074】
第1の実施形態における転動体73は、5つのロール状の部材が適用されている。転動体73は、枠71の内周面71bと給電軸72の外周面72aとの間隙に配置されて転動するので、その隙間の寸法とほぼ同じ外径からロール状または球状の部材として構成されている。転動体73は、少なくともその外周面部が導電性を有する部品として形成されている。
【0075】
また、この5つの転動体73は、図9等に示されるように、保持体(リテーナ)74に等間隔に配置されてかつ回転可能に保持されている。
保持体74は、リング状の本体部741と5つの回転軸743とを有する形状の部材である。本体部741は、枠71の内径よりも小さい外径からなるとともに給電軸72の外径よりも大きい内径からなるリング状に形成されている。5つの回転軸743は、本体部741の片面のうち正五角形の頂点に該当する位置に立設された転動体73用の軸として形成されている。
また、保持体74は、その回転軸743に転動体73を回転可能に保持している。保持体74は、その回転軸743も含めて非導電性の部品として形成されている。
保持体74は、枠71内に存在するよう配置されている。また、保持体74は、接続給電体70の完成状態では転動体73が枠71と給電軸72との間に存在して保持された状態になるので、枠71と給電軸72に対しては接触しない非接触の状態に保たれる。
【0076】
非導電性のカバー75は、給電軸72の一部721を除いた部分722を露出させた状態で枠71および転動体73を保持して覆う非導電性の覆い部品である。
【0077】
カバー75は、例えば、2つの分割カバー部75A,75Bとして分割された構成になっており、その使用時に図示しないネジ等の固定手段により固定して合体させるようになっている。図7中の線DLは、2つの分割カバー部75A,75Bを合体させたときの分割境界線である。
【0078】
また、カバー75は、全体では円筒状の形状になっている。カバー75は、図8(A)に示されるように、その内部に、枠71を嵌め入れて保持する枠保持部752と、給電軸72の一部721の端部を嵌め入れて保持する軸保持部753と、加熱ロール53の両端部53b,53cの末端部を嵌め入れて保持するロール保持部754と、軸保持部753とロール保持部754の間に小径の狭い境界部755とが設けられている。
さらに、カバー75は、図7等に示されるように、その外周部に、導電性の弾性部材76を枠71の突出接続部712と接続して取り付けて収容するための取付け凹部757が設けられている。
【0079】
取付け凹部757には、突出接続部712に導通可能に接続されているネジ等の部材に接続する弾性部材76を取り付けて固定する止め金具77が配置されている。第1の実施形態における導電性の弾性部材76としては、止め金具77に取り付ける側の端部が二股形状からなる板ばねを適用している。
【0080】
また、接続給電体70は、加熱ロール53の両端部53b,53cへの着脱可能な取り付けを行うため、図11図12等に示されるように、カバー75に、凸部を有する部分の一例である取付け部80が設けられている。
また、これに対応して加熱ロール53の両端部53b,53cには、取付け部80が係止される係止用の孔538が設けられている。
【0081】
取付け部80は、図12等に示されるように、カバー75のロール保持部754の所定の部分に配置されて外部にむけて突出する板状の本体部81と、本体部81の先端側の部分においてカバー内側(カバー外周面とは反対側)にむいて突出する第一凸部82を有する突出構造部として形成されている。本体部81は、第一凸部82がある側と反対側に隙間が存在して弾性変形し得るようになっている。また、第一凸部82は、加熱ロール53の両端部53b,53cにおける係止用の孔538に嵌め入れられるよう突出する形状からなる部分である。
この取付け部80は、カバー75と一体に設けたものであっても、あるいは、カバー75とは別体の部品として作製してカバー75に取り付けたものであってもよい。
なお、カバー75には、図7に示されるように、取付け部80が設けられる部分の近傍に外周面から貫通する長孔758が設けられている。この長孔758は、取付け部80の第一凸部82を加熱ロール53における係止用の孔538に嵌め込むときに押し込む作業をするための孔である。
【0082】
さらに、接続給電体70は、加熱ロール53の両端部53b,53cにおける周方向への位置決めをした状態での取り付けを行うため、図11図12等に示されるように、カバー75に、加熱ロール53の両端部53b,53cにあるキー溝539に嵌め入れる第二凸部85が、凸部を有する部分の他の例として設けられている。
【0083】
第二凸部85は、カバー75のロール保持部754の所定の部分に、カバー内側(カバー外周面とは反対側)にむいて突出する突出部として形成される。第二凸部85は、図7図12(B)に示されるように、キー溝539のうちギア67の固定キー675が嵌め入れた後に残る余剰部分539nに嵌め入れることができる形状および寸法からなる突出部として形成される。
一方、加熱ロール53においては、図13に示されるように、給電層535に、加熱ロール53の周方向において間隔をあけた状態で軸方向Jに対して軸受65よりも外側になる部分までに延びる複数の延長層536を通電可能に設けている。
【0084】
延長層536は、給電層535から軸受65(実際には樹脂製部材68)およびギア67の下方(内側)を通過して延びる状態で形成される。第1の実施形態では延長層536を4つまたは5つ設けているが、この数はこれに限定されない。延長層536は、給電層535と同じ材料を用いて形成されるか、または別の導電性の材料を用いて形成される。
また、延長層536は、その外面側に非導電性の表面層が形成される。この非導電性の表面層は、表面層534と同じ材料を用いて形成されるが、別の非導電性の材料を用いて形成してもよい。
【0085】
この延長層536の少なくとも1つには、接続給電体70の枠71との間に配置される上記導電性の弾性部材76の一端が導通可能に接続される。
【0086】
接続給電体70は、例えば、次の手順で組み立てられる。
【0087】
まず、保持体74に保持された複数の転動体73の外側周囲に、枠71を嵌め込むように配置する。また、保持体74に保持された複数の転動体73の内側空間内に、給電軸72の一部721を嵌め入れて配置する。この組み立て作業は、反対の順番で行っても、あるいは同時に行ってもよい。
この組み立て作業により、図8(B)に示されるように、複数の転動体73が、枠71と給電軸72との間の空間内に存在するとともに、枠71の内周面71bと給電軸72の外周面72aに接触して回動し得る状態になった部品群が得られる。
【0088】
続いて、上記の部品群に、カバー75を取り付ける。カバー75は、分割された2つの分割カバー部75A,75Bを枠71、給電軸72の一部721、および、転動体73とそれを保持する保持体74を覆うよう仮止めした後、図示しないネジ等の固定手段により2つの分割カバー部75A,75Bどうしを接合させて一体にする。
【0089】
以上により、図7に示されるような外観からなる接続給電体70が得られる。
【0090】
この接続給電体70は、給電軸72の一部721以外の残りの部分722が、カバー75で覆われず外部に露出した状態になる。その一方で、接続給電体70は、枠71と給電軸72の一部721と転動体73と保持体74が、カバー75により覆われた状態になる。また、接続給電体70は、枠71と給電軸72の一部721とが、カバー75の枠保持部752と軸保持部753にそれぞれ保持された状態になる。
この完成した接続給電体70においては、例えば給電軸72を固定した状態を想定した場合、枠71およびカバー75が、転動する転動体73を介在させた状態で給電軸72に対して回転可能な構造体になる。
【0091】
そして、定着装置5Aでは、図3図5等に示されるように、加熱ロール53の両端部53b,53cに接続給電体70がそれぞれ取り付けられる。
【0092】
この際、接続給電体70は、図8(A)、図10等に示されるように、カバー75のロール保持部754に加熱ロール53の両端部53b,53cが差し込まれる。
このとき、図10に示されるように、カバー75のロール保持部754の一部に設けられた取付け部80の第一凸部82が、加熱ロール53の両端部53b,53cにある係止用の孔538に嵌め入れられて係止される。これにより、接続給電体70は、加熱ロール53の両端部53b,53cに取り付けられて一体化した状態になる。また、このときの接続給電体70は、第一凸部82が係止用の孔538に係止されることで、加熱ロール53の周方向および軸方向Jに対して固定された状態に保たれる。
【0093】
またこのとき、図10に示されるように、カバー75のロール保持部754の一部に設けられた第二凸部85が、加熱ロール53の両端部53b,53cにあるキー溝539の余剰部分539nに嵌め入れられる。これにより、接続給電体70は、加熱ロール53の両端部53b,53cに取り付けられて周方向への位置決めおよび固定がなされた状態になる。
【0094】
続いて、定着装置5Aでは、図5等に示されるように、加熱ロール53の両端部53b,53cと接続給電体70との間に、導電性の弾性部材76が取り付けられる。
【0095】
この際、導電性の弾性部材76は、その一端を、加熱ロール53の両端部53b,53cのロール端53e付近まで延びる給電層535の複数の延長層536の1つに接触させた状態にしたうえで、その他端を、カバー75の取付け凹部757にある止め金具77に固定した状態にする。
これにより、接続給電体70における枠71(の突出接続部712)と加熱ロール53における給電層535の延長層536は、図10に示されるように、導電性の弾性部材76を介して導通可能に接続された状態になる。
【0096】
接続給電体70が取り付けられた加熱ロール53は、図3に示されるように、軸受65を介して筐体50の側面支持部50c,50dに回転可能に取り付けられる。このときの加熱ロール53は、図3図5に示されるように、ギア67が伝達ギア18と噛み合わされて回転動力を受けることが可能な状態にされる。
また、このときの接続給電体70は、図10図14(B)に示されるように、給電軸72が接続端子726を介して給電用の電源装置17に接続される。また、このときの接続給電体70は、給電軸72が、例えば筐体50の側面支持部50c,50dに回転しないよう固定される。
【0097】
そして、定着装置5Aでは、伝達ギア18からギア67を通して回転動力が入力されると、加熱ロール53が矢印Bで示す方向に回転するが、そのとき接続給電体70も給電軸72を除いて枠71とカバー75が矢印Bで示す方向に回転する。このとき転動体73は、矢印Bで示す方向に転動しながら移動する。
【0098】
この際、接続給電体70は、図14(A)に示されるように、取付け部80の第一凸部82が加熱ロール53側の係止用の孔538に嵌め入られるとともに第二凸部85が加熱ロール53側のキー溝539の余剰部分539nに嵌め入れられているので、枠71とカバー75が加熱ロール53と一体になって矢印Bで示す方向に同期して回転する。
【0099】
また、定着装置5Aでは、図10図14(B)に示されるように、電源装置17からの給電用の電流が接続端子726を介して送られると、その電流が給電軸72から転動体73、枠71の順に流れた後、導電性の弾性部材76を介して加熱ロール53における給電層535の延長層536に流れ、最後に、給電層535を通して抵抗発熱層533に流れて給電される。
この定着装置5Aの給電においては、回転する加熱ロール53の一部に給電部材を所定の位置(定位置)で摺擦させるよう接触させ続けることがない。
【0100】
ちなみに、接続給電体70の加熱ロール53からの取り外しは、次のようにして行われる。
はじめに、導電性の弾性部材76を取り外す。続いて、カバー75を取り外す。この際、本実施の形態におけるカバー75は、固定手段による固定を解除した後に分割された部分をそれぞれ取り外すことになる。また、この取り外し作業のときカバー75にある取付け部80の第一凸部82が、加熱ロール53側にある係止用の孔538から引き抜かれて離脱する。最後に、接続給電体70を加熱ロール53の両端部53b,53cから離れる方向に引いて引き抜く。これにより、接続給電体70は、加熱ロール53から容易に取り外される。
【0101】
以上説明した定着装置5Aでは、回転する加熱ロール53の抵抗発熱層533への給電が、回転する加熱ロール53の一部に所定の位置で接触させる給電部材を介して行う場合や軸受65を接続給電体70に配置または加熱ロール53の両端部53b,53cのうち接続給電体70よりも外側になる部分(中央寄りの位置)に配置する場合に比べると、装置の大型化を招くこともなく安定して行われる。
【0102】
ここで、例えば、軸受65を加熱ロール53の両端部53b,53cのうち接続給電体70よりも外側になる部分に配置した場合には、加熱ロール53の両端部53b,53cを支持する軸受65どうしの間隔が広くなって軸受65を取り付ける筐体50も大きくする必要があるため、定着装置5Aが大型化しやすくなる。しかも、この場合は、軸受65どうしの間隔が広くなって加熱ロール53に加わる荷重による負荷も増えるため、加熱ロール53自体を強度の高い材料で構成する必要が生じてコスト高を招きやすくなる。
また、接続給電体70を軸受として機能させる構造にした場合には、加熱ロール53に加えられる荷重に耐えるための構造や機械的強度が必要になるので、接続給電体70が大型化しやすくなり、ひいては定着装置5Aも大型化せざるを得なくなる。
【0103】
また、定着装置5Aでは、軸受65が加熱ロール53の軸方向Jにおいて抵抗発熱層533よりも外側になる部分に配置されている。このため、軸受65が抵抗発熱層533と重複する部分に配置される場合に比べると、抵抗発熱層533で発生する熱が軸受65に移動して加熱ロール53の軸方向Jにおける温度分布が悪化することが抑制される。
【0104】
また、定着装置5Aでは、加熱ロール53における抵抗発熱層533と通電可能に接続される給電層535が複数の延長層536を有している。このため、その複数の延長層536を有していない場合に比べると、加熱ロール53の両端部53b,53cに軸受65を配置しても抵抗発熱層533に対する給電を行うことができる。
【0105】
また、定着装置5Aでは、接続給電体70における枠71と加熱ロール53における給電層535との間を導電性の弾性部材76を介して導電可能に接続している。このため、その枠71と給電層535との間が、給電層535の損傷を回避することや接続給電体70の加熱ロール53への着脱性を向上させることを確保しつつ、的確に接続される。
【0106】
さらに、定着装置5Aでは、ギア67が、加熱ロール53の一方の端部53bのうちその軸方向Jにおいて軸受65よりも外側になる部分でかつ接続給電体70よりも内側になる部分に配置されている。このため、ギア67が上記部分とは異なる部分に配置される場合に比べると、抵抗発熱層533で発生する熱がギア67に移動して加熱ロール53の軸方向Jにおける温度分布が悪化することを抑制することができる。
【0107】
そして、この定着装置5Aで構成される定着装置を備えた画像形成装置1Aでは、定着装置5Aにおける加熱ロールの53の抵抗発熱層533への安定した給電がされるので、定着装置5Aによる熱定着も安定するようになる。
【0108】
第2の実施の形態.
図15および図16には、第2の実施の形態に係る加熱装置5の他の一例である定着装置5Bが示されている。
【0109】
第2の実施の形態に係る定着装置5Bは、図15等に示されるように、第1の実施の形態に係る定着装置5Aと比べた場合、加熱用回転体51としてベルト-ニップ形態の加熱ユニット52に代えて加熱ロール53を単独で用い、その加熱ロール53を加圧用回転体61としての加圧ロール62に直接接触させて定着処理部FNを形成するロールニップ形式の定着装置にしている点で異なるが、その他については同じ構成になっている。
このため以下の説明と図面では、共通する同じ構成部分については第1の実施の形態で用いた符号を同様に付し、その説明を必要な場合を除いて省略する。
【0110】
この定着装置5Bでは、図16に示されるように、加熱ロール53の両端部53b,53cに第1の実施形態における接続給電体70および軸受65を同様に取り付けている。また、定着装置5Bでは、図16に示されるように、加熱ロール53の一方の端部53bに第1の実施形態におけるギア67を同様に取り付けている。
そして、定着装置5Bは、接続給電体70、軸受65およびギア67が取り付けられた加熱ロール53に加圧ロール62を直接接触させて定着処理部FNを形成している。
【0111】
この定着装置5Bでは、定着動作等を実行する時期になると、加熱ロール53の抵抗発熱層533が通電により発熱して加熱ロール53を所要の温度に保つよう発熱し始め、その発熱により加熱ロール53が加熱され始める。
また、定着装置5Bでは、加熱ロール53が矢印Bで示す方向に回転し始め、この回転駆動により加圧ロール62が矢印Cで示す方向に従動回転し始める。
これにより、定着装置5Bは、加熱ロール53が加熱されながら定着処理部FNを通過するように回転して、定着動作が可能な状態になる。
【0112】
そして、定着装置5Bにおいても、第1の実施形態に係る定着装置5Aの場合と同様に、回転する加熱ロール53の抵抗発熱層533への給電を、装置の大型化を招くこともなく安定して行われる。
また、この定着装置5Bにおいては、第1の実施形態に係る定着装置5Aの場合と同様に、上記した他の作用効果も得られる。
【0113】
第3の実施の形態.
図17には、第3の実施の形態に係る加熱装置5のさらに別の例である加熱装置5Cとその加熱装置5Cを用いた被加熱物利用装置1の他の例である加熱乾燥装置1Bが示されている。
【0114】
第3の実施の形態に係る加熱装置5Cは、第1の実施の形態に係る定着装置5Aと比べた場合、定着ベルト55を加熱ベルト55Bに変更した点で異なるが、その他については同じ構成になっている。
このため、以下の説明と図面では、共通する同じ構成部分については第1の実施の形態で用いた符号を同様に付し、その説明を必要な場合を除いて省略する。
【0115】
加熱装置5Cは、加熱ベルト55Bとして良好な熱伝導性を有するベルトが適用され、例えば、ポリイミド、ポリアミド等の合成樹脂からなる円筒状のベルト基材からなるベルトが使用される。なお、加熱ベルト55Bとしては、上記定着ベルト55を使用しても構わない。
また、加熱装置5Cでは、加熱ベルト55Bの支持部材54で支持されている部分と加圧ロール62とが圧接する部分が加熱乾燥処理を行う乾燥処理部DNとして構成されている。
【0116】
そして、加熱装置5Cを用いる加熱乾燥装置1Bは、被加熱物9として加熱乾燥を要するシート状物9Bを加熱装置5Cの乾燥処理部DNに導入して通過させるよう搬送するシート搬送装置45Bを備えている。シート搬送装置45Bは、一対の搬送ロール48と案内部材49等で構成されている。シート状物9Bとしては、例えば、上記した記録媒体9A等が挙げられる。
【0117】
この加熱装置5Cにおいても、第1の実施形態に係る定着装置5Aの場合と同様に、回転する加熱ロール53の抵抗発熱層533への給電を、装置の大型化を招くこともなく安定して行われる。
また、この加熱装置5Cにおいては、第1の実施形態に係る定着装置5Aの場合と同様に、上記した他の作用効果も得られる。
さらに、加熱乾燥装置1Bでは、加熱装置5Cにおける加熱ロールの53の抵抗発熱層533への安定した給電がされるので、加熱装置5Cによる加熱乾燥が安定するようになる。
【0118】
変形例.
この発明は、上記各実施の形態で例示した構成例に限定されるものではなく、課題の解決手段として記載した発明の要旨を変更しない限りにおいて必要な変更や組み合わせ等をして変形されることができる。この発明は、例えば、以下に挙げるような変形例も含むものである。
【0119】
接続給電体70における枠71は、導電性の弾性部材76により延長層536と導通可能に接続することに代えて、図18に例示されるように、加熱ロール53における給電層535の複数の延長層536の少なくとも1つに直接接触して導通可能に接続される接続部78を有するものであってもよい。この接続部78は、枠71の製作時に一体で形成したものや、あるいは、別の部材として枠71に固定するものとして形成される。
このような接続部78を有する枠71を適用した場合は、枠71と給電層535との間を、接続給電体70の組み立て時に別の部材を取り付ける作業を要することなく容易に接続することができる。
【0120】
接続給電体70は、加熱ロール53における給電層535の複数の延長層536のすべてに接続するため、その延長層536の数に対応する数の導電性の弾性部材76や枠71の突出接続部712を装備するように構成することや、あるいは、その延長層536の数に対応する数の上記接続部78を装備するように構成してもよい。
【0121】
接続給電体70は、転動体73として、枠71の内周面71bと給電軸72の外周面72aとに導通可能に接触して転動すれば、球体(ボール)を採用してもよい。
【0122】
上記定着装置5A,5Bや加熱装置5Cにおいては、加熱ユニット52における調整支持ロール56を省略することも可能である。また、それらの加圧用回転体61は、ロール形態の加圧ロール62に代えて、例えば、ベルト-ニップ形態の加圧用回転体を適用してもよい。さらに、動力受け部品としては、ギア67に代えて、駆動伝達用のタイミングベルトを受けるプーリ等の部品を適用してもよい。
【0123】
また、第1の実施の形態等では、画像形成装置1Aとして単色の画像を形成する構成例を示したが、画像形成装置としては複数色のトナーを組み合わせた多色画像を形成する装置であってもよく、その形式等について特に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0124】
1 …被加熱物利用装置
1A…画像形成装置(被加熱物利用装置の一例)
1B…加熱乾燥装置(被加熱物利用装置の一例)
5,5C…加熱装置
5A,5B…定着装置(加熱装置の一例)
9 …シート状の被加熱物
9A…記録媒体(シート状の被加熱物の一例)
9B…シート状物(シート状の被加熱物の一例)
53…加熱ロール
53b,53c…加熱ロールの端部
533…抵抗発熱層
535…給電層
536…延長層
67…ギア(動力受け部品の一例)
68…樹脂製部材
70…接続給電体
71…枠
72…給電軸
73…転動体
76…導電性の弾性部材
78…接続部
J …軸方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図18