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特開2023-143085無線通信装置、無線通信システム、無線ビーム割り当て方法および無線ビーム割り当てプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023143085
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】無線通信装置、無線通信システム、無線ビーム割り当て方法および無線ビーム割り当てプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/0413 20170101AFI20230928BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20230928BHJP
   H04W 24/10 20090101ALI20230928BHJP
   H04B 7/06 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
H04B7/0413
H04W16/28
H04W24/10
H04B7/06 956
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022050280
(22)【出願日】2022-03-25
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和2年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/ポスト5G情報通信システムの開発/基地局装置間の相互接続性等の評価・検証技術の研究開発」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104190
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 昭徳
(72)【発明者】
【氏名】王 祥宇
(72)【発明者】
【氏名】小川 浩二
(72)【発明者】
【氏名】大塚 泰哲
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA23
5K067EE02
5K067EE10
5K067KK03
(57)【要約】
【課題】ビームテーブルを最適化できること。
【解決手段】DU101は、UE104との間で所定のビームで無線通信を行うRU103における無線リソース管理を行う。DU101は、複数のビームにそれぞれ収容する端末104を設定したビームテーブル120を格納するメモリと、ビームテーブル120を管理するリソース管理部130と、を含む。リソース管理部130は、システムの運用中、ビームテーブル120間で移動可能なUE5,6(104)と、移動可能なUE5,6(104)を収容可能な他のビームテーブル120とをそれぞれ判断し、移動可能なUE5,6(104)を他のビームテーブル120に移動させ、複数のビームテーブル120がそれぞれ収容するUE104の数を調整する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末との間で所定のビームで無線通信を行う基地局における無線リソース管理を行う無線通信装置であって、
複数のビームにそれぞれ収容する前記端末を設定したビームテーブルを格納するメモリと、
前記ビームテーブルを管理するリソース管理部と、を含み、
前記リソース管理部は、
システムの運用中、前記ビームテーブル間で移動可能な端末と、前記移動可能な端末を収容可能な他のビームテーブルとをそれぞれ判断し、
前記移動可能な端末を前記他のビームテーブルに移動させ、複数の前記ビームテーブルがそれぞれ収容する前記端末数を調整することを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
前記リソース管理部は、
所定周期毎に、各端末から報告された下り信号の受信品質を検出し、
安定した受信が行える第1閾値以下の下り受信品質となった端末があれば、当該端末を通信継続可能な受信品質を満たす他のビームテーブルに移動させる再割り当てを行うことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記リソース管理部は、
前記第1閾値以上の受信品質に相当する第2閾値を有し、
前記運用中に、所定のビームでの接続要求を行った端末が生じ、かつ当該端末のビームに対応する前記ビームテーブルに余裕がない場合、当該ビームテーブルに存在する前記第1閾値以上前記第2閾値以下の下り受信品質である端末の存在を判断し、当該端末を通信継続可能な他のビームテーブルに再割り当てし、
前記接続要求を行った端末を該当するビームのビームテーブルに割り当てることを特徴とする請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記リソース管理部は、
前記第1閾値以上の受信品質に相当する第2閾値を有し、
前記運用中に、現在使用しているビームの下り受信品質が劣化した端末が生じ、かつ当該端末が通信継続可能なビームの前記他のビームテーブルに余裕がない場合、当該ビームテーブルに存在する前記第1閾値以上前記第2閾値以下の下り受信品質である端末の存在を判断し、当該端末を通信継続可能な他のビームテーブルに再割り当てし、
前記受信品質が劣化した端末を通信継続可能なビームテーブルに割り当てることを特徴とする請求項2または3に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記リソース管理部は、
接続要求を行った端末あるいは下り受信品質が劣化した端末に割り当てたビームテーブルに余裕がない場合、当該ビームテーブルに存在する端末の通信状態を確認し、DRX(Discontinuous Reception)状態の端末を優先的に他のビームテーブルに再割り当てすることを特徴とする請求項3または4に記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記リソース管理部は、
再割り当ての前記端末数が複数の場合、再割り当て可能な他のビームテーブルのうち、収容数の空きが多い前記他のビームテーブルへの移動が可能な前記端末を優先的に再割り当て、または、再割り当ての各端末のビームの使用履歴に基づき、再割り当て実績のない前記ビームテーブルへの移動が可能な端末を優先的に再割り当て、または、再割り当ての各端末の受信品質を確認し、最も低い受信品質の端末を優先的に再割り当てすることを特徴とする請求項3または4に記載の無線通信装置。
【請求項7】
CU(Central Unit)と、DU(Distributed Unit)と、RU(Remote Unit)と、UE(User Equipment)とを含む無線通信システムにおいて、
前記DUは、複数のビームにそれぞれ収容する前記UEを設定したビームテーブルと、
前記ビームテーブルを管理するリソース管理部と、を含み、
前記リソース管理部は、
システムの運用中、前記ビームテーブル間で移動可能な端末と、前記移動可能なUEを収容可能な他のビームテーブルとをそれぞれ判断し、
前記移動可能なUEを前記他のビームテーブルに移動させ、複数の前記ビームテーブルがそれぞれ収容する前記UE数を調整することを特徴とする無線通信システム。
【請求項8】
さらに、前記DUに接続される検証ツールを含み、
前記DUに、前記検証ツールから前記UEの所定の受信品質に相当する情報が直接入力され、
前記リソース管理部は、前記受信品質に基づき、前記移動可能なUEを前記他のビームテーブルに移動させることを特徴とする請求項7に記載の無線通信システム。
【請求項9】
さらに、前記RUと前記DUとの間のフロントホールインタフェースに解析部が接続され、
前記DUに、前記解析部から前記UEの所定の受信品質に相当する情報が前記フロントホールインタフェースを介して入力され、
前記リソース管理部は、前記受信品質に基づき、前記移動可能なUEを前記他のビームテーブルに移動させることを特徴とする請求項7に記載の無線通信システム。
【請求項10】
端末との間で所定のビームで無線通信を行う基地局における無線ビーム管理を行う無線通信装置が行う無線ビーム割り当て方法であって、
システムの運用中、複数のビームにそれぞれ収容する前記端末を設定したビームテーブル間で移動可能な端末と、前記移動可能な端末を収容可能な他のビームテーブルとをそれぞれ判断し、
前記移動可能な端末を前記他のビームテーブルに移動させ、複数の前記ビームテーブルがそれぞれ収容する前記端末数を調整する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする無線ビーム割り当て方法。
【請求項11】
端末との間で所定のビームで無線通信を行う基地局における無線ビーム管理を行う無線通信装置が行う無線ビーム割り当てプログラムであって、
システムの運用中、複数のビームにそれぞれ収容する前記端末を設定したビームテーブル間で移動可能な端末と、前記移動可能な端末を収容可能な他のビームテーブルとをそれぞれ判断し、
前記移動可能な端末を前記他のビームテーブルに移動させ、複数の前記ビームテーブルがそれぞれ収容する前記端末数を調整する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする無線ビーム割り当てプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置、無線通信システム、無線ビーム割り当て方法および無線ビーム割り当てプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
5G(5th Generation)の移動通信システムにおいて、RAN構成するノードは、CU、DU、RUに分類される。RANはRadio Access Network、CUはCentral Unit、DUはDistributed Unit、RUはRemote Unitの略である。
【0003】
DUとRUは、フロントホールインタフェースを介して接続され、無線機を有するRUをDUが制御する。RUでは、アンテナの位相や振幅制御により指向性を持たせたビームの制御を可能とする。ここで、RUの各ビームに収容される移動端末(UE:User Equipment)には制限がある。この制限により、DUにおいてUEを収容するビームを決定する際に、最適なビームへの割り当てができないと、ユーザに対する高品質なサービスが妨げられてしまう。
【0004】
ビーム割り当ての先行技術としては、例えば、基地局が端末からの送信ビーム毎に信号の受信品質を測定し、アンテナ部単位でビームをグループ化し、ビーム単位で端末の送信ビームの電力制御を行う技術がある。また、例えば、基地局が端末の移動傾向に応じて端末へデータを送信するためのビーム・グループを予測する技術がある。また、例えば、基地局がビームフォーミングした候補ビームを端末に送信し、複数の測定ブロック毎に端末で測定された受信電力が所定の条件を満たすビームの識別情報と受信電力情報を受信して適切なビームを選択する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2019/155578号
【特許文献2】特開2020-156074号公報
【特許文献3】特開2020-053897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術では、サービスに使用するリソースが輻輳により利用不可能であった場合は、該当するUEのサービス利用を拒否することになる。例えば、DUにおけるビームIDテーブルが収容するUEの数が上限に達していると、上限に達したビームIDテーブルへの新たなUEの割り当ておよび他のビームIDテーブルへのUEの再割り当てができなくなる。
【0007】
ユーザの満足度向上は、いずれの移動通信事業者にとっても必須とされており、UEのユーザが必要とするサービス利用を常に受け入れることが重要となる。一方で、実際にサービスを利用しているUEの無線品質が劣化し、他のビームIDへの再割り当てが望ましい事象が発生している場合もある。従来技術では、輻輳や無線品質の変動等に対応してビームIDテーブルへのUEの収容を最適化するビームテーブル管理が行えなかった。
【0008】
一つの側面では、本発明は、ビームテーブルを最適化できることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面によれば、端末との間で所定のビームで無線通信を行う基地局における無線リソース管理を行う無線通信装置であって、複数のビームにそれぞれ収容する前記端末を設定したビームテーブルと、前記ビームテーブルを管理するリソース管理部と、を含み、前記リソース管理部は、システムの運用中、前記ビームテーブル間で移動可能な端末と、前記移動可能な端末を収容可能な他のビームテーブルとをそれぞれ判断し、前記移動可能な端末を前記他のビームテーブルに移動させ、複数の前記ビームテーブルがそれぞれ収容する前記端末数を調整することを要件とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、ビームテーブルを最適化できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施の形態にかかる無線通信システムの構成例を示す図である。
図2図2は、DUおよびRUの機能構成例を示すブロック図である。
図3図3は、DUのハードウェア構成例を示す図である。
図4図4は、周期的なリソースの再割り当て処理例のフローチャートである。
図5図5は、新規に接続要求するUEに対する即時のリソース割り当て処理例のフローチャートである。
図6図6は、ビーム切り替えを要するUEに対する即時のリソース再割り当て処理例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に図面を参照して、開示の無線通信装置、無線通信システム、無線ビーム割り当て方法および無線ビーム割り当てプログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
(実施の形態にかかる無線ビーム割り当て方法の一実施例)
図1は、実施の形態にかかる無線通信システムの構成例を示す図である。無線通信システム100は、実施の形態の無線通信装置であるDU101と、CU(制御局)102と、RU(基地局)103と、UE(端末)104とを含み構成される。
【0014】
DU101とRU103は、フロントホール111のインタフェース(IF)により接続されている。DU101とRU103は、フロントホール111を介して制御信号およびデータ信号の送受信を行う。RU103は、アンテナを介してUE104との間でRF(Radio Frequency)の送受信を行う。
【0015】
複数のDU101は、F1AP(F1 Application Protocol)112のIFによりCU102に接続されている。DU101とCU102は、F1AP112を介して制御信号およびデータ信号の送受信を行う。CU102は、NGAP(NG Application Protocol)113のIFを介して外部のコアネットワーク115に接続されている。
【0016】
DU101は、配下のRU103単位でビームテーブル120を管理する。ビームテーブル120は、RU103のビーム毎に割り当てられるUE104を管理する。ビームテーブル120は、ビーム#1~#n別のn個のレコード120-1~120-nを有する。n個のレコード120-1~120-nは、n個のビームテーブル120に相当する。n個のビームテーブル120は、例えば、それぞれビームの放射方向が異なる。RU103は、DU101のビームテーブル120の設定および制御に基づきUE104に対するビーム送信を行う。
【0017】
RU103の一つのアンテナで制御されるビーム数には上限があり、5GのSub6帯ではnが最大8ビーム、mmW帯ではnが最大64ビームまで使用することが可能である。
【0018】
n個のビームテーブル120(120-1~120-n)がそれぞれ収容するUE104の個数は、リソース制限により限りが生じる。図1では、便宜上、一つのビームテーブル120(例えば、120-1)あたり収容可能なUE104の個数が3台である例を示す。この場合、例えば、ビームテーブル120-1は、既に3台のUE104(UE1,UE4,UE6)を収容しており、ビーム#1に該当する新規あるいは移動のUE104が生じても余裕がなく収容ができない状態である。
【0019】
実施の形態では、ビームテーブル120のリソースが有限であり、ビーム数に制限が生じる構成において、DU101は、複数のビームテーブル120に対するビームの再割り当てを行い、ビームテーブル120を最適化する。
【0020】
DU101は、リソースであるビームテーブル120の最適化処理として以下の(1)~(3)の処理をそれぞれ実施する。DU101は、(1)の処理を、システムの運用中に所定周期毎に行い、(2)、(3)の処理は、(1)の運用中、それぞれのタイミング(契機)で個別に行う。
【0021】
(1)周期的なリソースの再割り当て
DU101は、周期的にUE104からの報告、例えば、下りリファレンス信号のSIR(Signal to Interference Radio)等による受信品質を確認する。そして、DU101は、安定した受信が行える閾値(第1閾値)よりも受信品質が低く、受信品質の劣化を検出した際には、該当ビームテーブル120内に存在するUE104に対して、再割り当て制御を実行する。
【0022】
DU101は、例えば、UE104の各ビーム単位で、そのビームを安定的に使用継続可能と見做せる受信品質(レベル)を閾値として設定する。そして、DU101は、例えば、再割り当て対象のUE104について、安定した受信品質を確保できる他のビームテーブル120に移動させる。
【0023】
より具体的には、DU101は、再割り当ての対象UE数は、該当ビームテーブル120の使用率により判断し、一定の使用率に到達するまで、再割り当て対象UE104を選択し、再割り当てを実行する。再割り当て対象UE104を選択する際、DRX状態のUE104、再割り当て先候補のビームテーブル120の空き状況、または再割り当て先候補のビームテーブル120の使用履歴を確認する。DRXは、Discontinuous Receptionの略である。
【0024】
UE104の状態は、例えば、Active、Inactive、DRXである。ActiveはUE104が上下リソースを割り当てられ通信できる状態を示す。InactiveはRRC_INACTIVE等を含むRRCレイヤ、NASレイヤの休止状態を示す。DRXはデバイスエネルギー消費節減のため、間欠的な信号受信により、受信していない間は一部の機能を停止させる状態を示す。
【0025】
DU101は、再割り当て対象UE104を選択する際、DRX状態、再割り当て先候補の空きが多いビームテーブル120への移動、再割り当て先候補での割り当て実績のないビームテーブル120への移動のUE104を優先的に再割り当ての対象とする。
【0026】
例えば、DU101は、ビームテーブル120内のUE状態を確認し、Active状態とDRX状態のUE104が存在したとする。DRX状態はActive状態よりもデータ通信が抑えられた間欠受信によるスリープ状態を持つことから、DU101は、DRX状態のUE104を優先的に再割当対象UE104として決定する。
【0027】
再割り当て対象UE104が選択された後、DU101は、該当UE104によって報告された測定結果から、現在使用しているビームよりも安定した受信品質を確保できるビームがあれば、該当ビームへの移動を決定する。そして、候補として決定した他のビームテーブル120の空き状況を確認し、空きがあれば、再割り当てを実行する。空きがなければ、他のUE104を次候補として選択し、再度、再割り当て処理を実行する。そして、DU101は、n個のビームテーブル120がそれぞれ一定の使用率になるまで再割り当て処理を繰り返すことにより、受信品質の維持と輻輳状態の均一化を図る。
【0028】
例えば、図1には、ビームテーブル120のリソースを管理するDU101のリソース管理部130は、DRX状態のUE104を再割り当ての対象とした例を示す。この場合、リソース管理部130は、UE収容制限に余裕がないビーム#1のビームテーブル120-1でDRX状態のUE6を検知したとする。この場合、リソース管理部130は、UE6を他のビーム#2~#nのうち、安定した受信品質を確保できるビームのビームテーブル120、例えば、ビーム#2(ビームテーブル120-2)に移動させる。また、リソース管理部130は、ビーム#2のビームテーブル120-2でDRX状態のUE5を検知する。この場合、リソース管理部130は、UE5を例えば、ビーム#n(ビームテーブル120-n)に移動させる。これにより、DU101は、n個のビームテーブル120それぞれの使用率(UE数)を均一化する調整を行う。
【0029】
また、DU101は、再割り当て対象のUE104の数が複数の場合、再割り当て可能な他のビームテーブル120のうち、収容数の空きが多い他のビームテーブル120への移動が可能なUE104を優先的に再割り当てしてもよい。また、DU101は、再割り当て対象のUE104の数が複数の場合、再割り当て対象のUE104のビームの使用履歴に基づき、再割り当て実績のないビームテーブル120への移動が可能なUE104を優先的に再割り当てしてもよい。また、DU101は、再割り当て対象のUE104の数が複数の場合、再割り当て対象のUE104の受信品質を確認し、最も低い受信品質のUE104を優先的に再割り当てしてもよい。
【0030】
この周期的なリソースの再割り当て処理は、図1に示すように、DU101に検証ツール140を接続して行うこともできる。移動体通信事業者またはベンダによって行われる、フィールドトライアルやシステムテスト等において検証を行う場合、試験者が検証ツール140を用いて意図した下り受信品質を検証ツールからDU101に入力してもよい。このように、周期的なリソースの再割り当て処理において、UE104から受信品質の通知に代えて、検証ツール140から試験者が意図した受信品質の情報をDU101に入力する。これにより、実際の無線区間での該当UE104の受信品質の測定等を行うことなく、効率的な試験の実施が可能となる。
【0031】
また、この周期的なリソースの再割り当て処理は、RU103とDU101間のフロントホール111を解析するための汎用ツールであるフロントホール解析部150を用いて行うこともできる。フロントホール解析部150は、通知される受信品質を試験者が意図した受信品質に上書きした情報をDU101に入力する。これにより、実際の無線区間での該当UEの受信品質を用いることなく、効率的な試験の実施が可能となる。
【0032】
(2)新規に接続要求するUE104に対する即時のリソース割り当て
上述した(1)による周期的なリソースの再割り当てを実施する周期間隔は、運用条件により短期から長期にわたって任意に設定することができる。このため、周期間隔が長期の場合には、ビームテーブル120の均一化を図る前に、新規のUE104の接続要求が生じ、その際、該当ビームテーブル120に新規UE104収容の余裕がない場合があり得る。
【0033】
これに対応して、DU101は、UE104からの接続要求を契機に、該当ビームテーブル120内に存在するUE104の受信品質を確認し、閾値より低い受信品質のUE104を再割り当て候補として再割り当てを行う。
【0034】
一方、周期間隔が短期の場合においてもビームテーブル120のリソースに空きがないこともあり得る。これは、下りリファレンス信号の確認に使用する閾値以下のUE104が存在しないケース等で生じる。この場合、新規に接続を要求するUE104に対する接続を拒否した場合、サービス満足度の低下が危惧されることになる。
【0035】
このため、実施の形態では、DU101は、閾値を複数の異なる段階に設定する。DU101は、(2)新規に接続要求するUE104に対する即時のリソース割り当ての処理では、(1)周期的なリソースの再割り当て処理で使用する安定した受信が行える閾値(第1閾値)よりも高いレベルの閾値(第2閾値)を使用する(第1閾値<第2閾値)。例えば、第2閾値のSIRは、第1閾値のSIRよりも高い。そして、DU101は、受信品質の確認に用いる第2閾値を複数設定し、最も低いレベルから段階的に高いレベルに上げていき、最も受信品質が良いUE104を再割り当ての対象とする。
【0036】
また、DU101は、再割り当て対象UE104を選択する際、DRX状態のUE104、再割り当て先候補のビームテーブル120の空き状況、または再割り当て先候補のビームテーブル120の使用履歴を確認する。そしてDU101は、DRX状態、再割り当て先候補の空きが多いビームテーブル120への移動、再割り当て先候補での割り当て実績のないビームテーブル120への移動のUE104を優先的に対象としてもよい。
【0037】
例えば、図1の例では、ビームテーブル120のリソースを管理するDU101のリソース管理部130は、新規のUE7のビームは、UE収容制限に余裕がない状態のビーム#1(ビームテーブル120-1)であるとする。この場合、リソース管理部130は、再割り当てによりビームテーブル120-1でDRX状態のUE6を他のビーム#2~#nのうち安定した受信品質を確保できるビームのビームテーブル120、例えば、ビーム#2(ビームテーブル120-2)に移動させる。また、リソース管理部130は、ビームテーブル120-2でDRX状態のUE5を他のビーム#1、#3~#nのうち、安定した受信品質を確保できるビームのビームテーブル120、例えば、ビーム#n(ビームテーブル120-n)に移動させる。そして、リソース管理部130は、新規のUE7をビーム#1(ビームテーブル120-1)に割り当てる。これにより、DU101は、新規に接続要求するUE7(104)に対する即時のリソース割り当てを行うことができる。
【0038】
この(2)新規に接続要求するUE104に対する即時のリソース割り当ての処理は、図1に示すように、DU101に検証ツール140を接続して行うこともできる。この場合、検証ツール140は、割り当て先のビームテーブル120の空き状況に余裕がない検証のために、割り当て先のビームテーブル120を故意的に余裕がないFull状態にする制御を行う。
【0039】
(3)ビーム切り替えを要するUE104に対する即時のリソース再割り当て
上述した(1)による周期的なリソースの再割り当てを実施する周期間隔は、運用条件により短期から長期にわたって任意に設定することができる。このため、周期間隔が長期の場合には、ビームテーブル120の均一化を図る前に、既存のUE104において現在使用しているビームの品質劣化により他のビームへの切り替えが発生することがあり得る。
【0040】
これに対応して、DU101は、UE104からの接続要求を契機に、該当ビームテーブル120内に存在するUE104の受信品質を確認し、閾値より低い受信品質のUE104を再割り当て候補として制御する。
【0041】
一方、周期間隔が短期の場合でもビームテーブル120のリソースに空きがないこともあり、これはリファレンス信号の確認に使用する閾値以下のUE104が存在しないケース等で生じる。この場合、既存のUE104が現在使用しているビームの品質劣化により他のビームへの切り替えが発生しても、このUE104のビーム切り替えが成されず、該当UEのサービス継続が困難となり、サービス中断が生じると、サービス満足度の低下が危惧される。
【0042】
これに対応して、実施の形態では、DU101は、閾値を複数の異なる段階に設定する。DU101は、(3)ビーム切り替えを要するUE104に対する即時のリソース再割り当ての処理では、上記(1)周期的なリソースの再割り当て処理での下りリファレンス信号の確認で使用する閾値(第1閾値)よりも高いレベルの閾値(第2閾値)を使用する。そして、DU101は、受信品質の確認に用いる第2閾値を最も低いレベルから段階的に高いレベルに上げていき、最も受信品質が良いUE104を再割り当ての対象とする。
【0043】
また、DU101は、再割り当て対象UE104を選択する際、DRX状態のUE104、再割り当て先候補のビームテーブル120の空き状況、または再割り当て先候補のビームテーブル120の使用履歴を確認する。そして、DU101は、DRX状態、再割り当て先候補の空きが多いビームテーブル120への移動、再割り当て先候補での割り当て実績のないビームテーブル120への移動のUE104を優先的に対象としてもよい。
【0044】
例えば、図1の例では、ビーム#2のビームテーブル120-2のUE2が、UE収容制限に余裕がない状態のビーム#1のビームテーブル120-1へのビーム切り替えが必要であるとする。この場合、DU101のリソース管理部130は、例えば、ビーム#1のビームテーブル120-1でDRX状態のUE6を他のビーム#2~#nのうち、安定した受信品質を確保できるビーム#2(ビームテーブル120-2)に移動させる。これにより、リソース管理部130は、ビーム切り替えが必要なUE2をビーム#1(ビームテーブル120-1)に移動させることができる。
【0045】
この(3)ビーム切り替えを要するUE104に対する即時のリソース再割り当て処理は、図1に示すように、DU101に検証ツール140を接続して行うこともできる。この場合、検証ツール140は、割り当て先のビームテーブル120の空き状況に余裕がない検証のために、割り当て先のビームテーブル120を故意的にFullにする制御を行う。
【0046】
以上のように、実施の形態のDU101は、ビームテーブル120内に存在するUE104の下りリファレンス信号の受信品質を周期的に閾値と比較し、閾値以下の受信品質であった場合、UE104の測定結果からより安定した高い受信品質のビームを選択する。そして、DU101は、選択したビームテーブル120へのUE104の再割り当て処理を実行する。これにより、DU101のビームテーブル120を最適化できる。同時に、RU103において、有限のビームを無用に占有しているUE104を最適化でき、新規UE104等の接続がつながりやすいネットワーク運用を実現し、ユーザ満足度を向上できるようになる。
【0047】
また、DU101に接続される検証ツール140は、UE104の状態、およびUE104が配置されるビームテーブル120の情報をDU101に直接設定し、試験者が意図した試験を実施することもできる。例えば、検証ツール140の操作により、ビームテーブル120に設定したUE104の状態をActive、またはDRXに変更してもよい。これにより、検証ツール140を用いて再割り当て対象の優先度を制御し、ビームテーブル120に設定するUE104の情報を変更、追加または削除することでビームテーブル120に収容するUE104の数を制御してもよい。
【0048】
(無線通信装置の機能構成例)
図2は、DUおよびRUの機能構成例を示すブロック図である。DU101は、RU103の上位ノードである。また、RU103はDU101の下位ノードである。
【0049】
DU101は、メモリ201と、ビームテーブル管理部202と、リファレンス信号算出部203と、再割当判定部204と、下位IF部205とを含む。
【0050】
ビームテーブル管理部202は、メモリ201、リファレンス信号算出部203、再割当判定部204に接続される。ビームテーブル管理部202は、ビーム毎に割り当てたビームテーブル120のUE104のUE情報をメモリ201で管理する。
【0051】
リファレンス信号算出部203は、メモリ201、ビームテーブル管理部202、下位IF部205に接続される。リファレンス信号算出部203は、RU103から取得したリファレンス信号の受信品質、例えば、SIRを算出し、メモリ201に出力する。
【0052】
メモリ201は、ビームテーブル管理部202、リファレンス信号算出部203、再割当判定部204に接続される。メモリ201は、RU103から通知された下りリファレンス信号情報と、DU101が管理するビームテーブル120の情報を保持する。
【0053】
再割当判定部204は、メモリ201、ビームテーブル管理部202に接続される。再割当判定部204は、予め設定した所定周期毎に、下りリファレンス信号が所定の閾値より劣化し、かつメモリ201の該当ビームテーブル120の使用率が輻輳しているUE104を他のビームへ切り替えるか否かの再割り当ての判定を行う。下位IF部205は、RU103と接続するフロントホール111のインタフェースを終端し、リファレンス信号算出部203に下りリファレンス信号を出力する。
【0054】
図2には不図示であるが、DU101は、図1に記載のリソース管理部130を含む。このリソース管理部130は、DU101の各種リソースを制御する。実施の形態では、リソース管理部130は、ビームテーブル管理部202によるビームテーブル120の管理、および再割当判定部204による再割り当て判定の処理を含み、ビームテーブル120を最適化する。
【0055】
RU103は、メモリ211と、ビームテーブル管理部212と、リファレンス信号取得部213と、上位IF部214とを含む。
【0056】
リファレンス信号取得部213は、メモリ211、上位IF部214に接続される。リファレンス信号取得部213は、RU103におけるリファレンス信号を読み出し、上位IF部214に出力する。ビームテーブル管理部212は、メモリ211、上位IF部214に接続される。ビームテーブル管理部212は、メモリ211上でビーム毎に割り当てたビームテーブル120のUE104のUE情報を管理する。上位IF部214は、DU101と接続するフロントホール111のインタフェースを終端し、リファレンス信号をDU101に出力する。メモリ211は、RU103が取得したリファレンス信号情報と、DU101により割り当てられたビームテーブル120の情報を保持する。
【0057】
(無線通信装置のハードウェア構成例)
図3は、DUのハードウェア構成例を示す図である。無線通信装置であるDU101は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ301と、メモリ302と、ネットワークIF303と、記録媒体IF304と、記録媒体305とを有する。また、各構成部は、バス300によってそれぞれ接続される。
【0058】
ここで、プロセッサ301は、DU101全体の制御を司る制御部である。プロセッサ301は、複数のコアを有していてもよい。メモリ302は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMが制御プログラムを記憶し、ROMがアプリケーションプログラムを記憶し、RAMがプロセッサ301のワークエリアとして使用される。メモリ302に記憶されるプログラムは、プロセッサ301にロードされることで、コーディングされている処理をプロセッサ301に実行させる。
【0059】
ネットワークIF303は、通信回線を通じてネットワークNWに接続され、ネットワークNWを介して他の通信装置に接続される。他の通信装置は、例えば、図1に示したCU102、RU103であり、ネットワークNWは、例えば、F1AP(112)、フロントホール(111)のネットワークに相当する。そして、ネットワークIF303は、ネットワークNWと装置内部とのインタフェースを司り、他の通信装置からのデータの入出力を制御する。
【0060】
記録媒体IF304は、プロセッサ301の制御に従って記録媒体305に対するデータのリード/ライトを制御する。記録媒体305は、記録媒体IF304の制御で書き込まれたデータを記憶する。
【0061】
なお、DU101は、上述した構成部のほかに、例えば、入力装置、ディスプレイなどを、IFを介して接続可能としてもよい。
【0062】
図3に記載のプロセッサ301は、プログラム実行により、図2に示したDU101のビームテーブル管理部202と、リファレンス信号算出部203と、再割当判定部204の機能を実現できる。また、図3に記載のネットワークIF303は、図2に示したDU101の下位IF部205に相当する。また、図1に示したビームテーブル120は、図2に記載のメモリ201、および図3に記載のメモリ302や記録媒体305を用いて構成できる。
【0063】
RU103、およびCU102についても、図3同様のハードウェアにより構成できる。図2に示したRU103のビームテーブル管理部212と、リファレンス信号取得部213の機能は、図3に記載のプロセッサ301のプログラム実行により実現できる。また、図3に記載のネットワークIF303は、図2に示したRU103の上位IF部214に相当する。また、図2に記載のメモリ211は、図3に記載のメモリ302や記録媒体305を用いて構成できる。
【0064】
(ビームテーブルの最適化処理例)
次に、DU101が実施するリソースであるビームテーブル120の最適化処理例について説明する。
【0065】
(1)周期的なリソースの再割り当て処理
図4は、周期的なリソースの再割り当て処理例のフローチャートである。図4に示す処理は、無線通信システム100の運用中、DU101の制御部(プロセッサ301)が所定周期毎に実施する。はじめに、DU101は、UE104からの報告、例えば、下りリファレンス信号を測定する(ステップS401)。例えば、DU101は、SIRによる受信品質を測定する。
【0066】
次に、DU101は、下りリファレンス信号のSIRが閾値を下回っているか否かを判断する(ステップS402)。判断結果、下りリファレンス信号のSIRが安定した受信が行える閾値を下回っていれば(ステップS402:Yes)、DU101は、ステップS403の処理に移行する。一方、下りリファレンス信号のSIRが閾値を下回っていなければ(ステップS402:No)、DU101は、以上の処理を終了する。
【0067】
ステップS403では、DU101は、ビームテーブル120の選択履歴を読み出す(S403)。次に、DU101は、ビームテーブル120を再選択する(ステップS404)。
【0068】
ステップS403,ステップS404では、DU101は、DRX状態、再割り当て先候補の空きが多いビームテーブル120への移動、再割り当て先候補での割り当て実績のないビームテーブル120への移動のUE104を優先的に再割り当ての対象にできる。例えば、図4の処理例では、再割り当て対象のUE104の数が複数の場合、再割り当て対象のUE104のビームの使用履歴に基づき、再割り当て実績のないビームテーブル120への移動が可能なUE104を優先的に再割り当ての対象として選択する。
【0069】
次に、DU101は、再選択先のビームテーブル120に空きがあるか否かを判断する(ステップS405)。ステップS405の判断結果、再選択先のビームテーブル120に空きがあれば(ステップS405:Yes)、DU101は、ステップS406の処理に移行する。一方、再選択先のビームテーブル120に空きがなければ(ステップS405:No)、DU101は、ステップS402の処理に戻る。
【0070】
ステップS406では、DU101は、対象のUE104を新規ビームテーブル120へ割り当てる(ステップS406)。次に、DU101は、対象のUE104の元のビームテーブル120のリソースを解放し(ステップS407)、以上の処理を終了する。
【0071】
図4に示した周期的なリソースの再割り当て処理では、DU101は、設定された閾値よりも下りリファレンス信号の受信品質が低い場合、受信品質の劣化に基づき、該当ビームテーブル120内に存在するUE104に対して、再割り当て制御を行う。DU101は、ビームテーブル120の再割り当て時、例えば、DRX状態のUE104、再割り当て先候補のビームテーブル120の空き状況、または再割り当て先候補のビームテーブル120の使用履歴を確認する。そして、DU101は、DRX状態、再割り当て先候補の空きが多いビームテーブル120への移動、再割り当て先候補での割り当て実績のないビームテーブル120への移動のUE104を優先的に再割り当ての対象とする。
【0072】
そして、再割り当て対象UE104が選択された後、DU101は、該当UE104によって報告された測定結果から、現在使用しているビームよりも安定した受信品質を確保できるビームがあれば、該当ビームへのUE104の移動を決定する。そして、候補として決定した他のビームテーブル120の空き状況を確認し、空きがあれば、再割り当てを実行する。空きがなければ、他のUE104を次候補として選択し、再度、再割り当て処理を実行する。そして、DU101は、n個のビームテーブル120がそれぞれ一定の使用率になるまで再割り当て処理を繰り返す。これにより、DU101は、所定周期毎に、n個のビームテーブル120それぞれの使用率(UE数)を均一化させることができる。
【0073】
また、図4のステップS401に示すDU101の下りリファレンス信号測定は、検証ツール140を用いて試験項目に即したレベルの下りリファレンス信号をDU101に通知することにより開始してもよい。この場合、検証ツール140から試験者が意図した受信品質の情報をDU101に入力する。これにより、実際の無線区間での該当UE104の受信品質を用いることなく、効率的な試験の実施が可能となる。
【0074】
また、図4のステップS401に示すDU101の下りリファレンス信号測定は、フロントホール解析部150を用いて試験項目に即したレベルの下りリファレンス信号をDU101に通知することにより開始してもよい。この場合、フロントホール解析部150は、通知される受信品質を試験者が意図した受信品質に上書きした情報をDU101に入力する。これにより、実際の無線区間での該当UEの受信品質を用いることなく、効率的な試験の実施が可能となる。
【0075】
(2)新規に接続要求するUE104に対する即時のリソース割り当て処理
図5は、新規に接続要求するUEに対する即時のリソース割り当て処理例のフローチャートである。図5に示す処理は、図4に示した無線通信システム100の運用中の処理において、新規UE104アクセスが生じる毎にDU101の制御部(プロセッサ301)が実施する。図5に示す処理により、再割り当て先のビームを選択する際、周期間隔内でのUE104からの新規の接続要求に対応する。
【0076】
はじめに、DU101は、新規UE104のアクセスがあると(ステップS501)、新規UE104に対するリソース割当プロセスを実施する(ステップS502)。このリソース割当プロセスは、ビーム選択処理を含む。
【0077】
そして、DU101は、新規UE104の割り当て先ビームテーブル120のUE収容制限に余裕があるか否かを判断する(ステップS503)。ステップS503の判断結果、新規UE104の割り当て先ビームテーブル120のUE収容制限に余裕があれば(ステップS503:Yes)、DU101は、ステップS511の処理に移行する。一方、新規UE104の割り当て先ビームテーブル120のUE収容制限に余裕がなければ(ステップS503:No)、DU101は、ステップS504の処理に移行する。
【0078】
ステップS504では、DU101は、該当の割り当て先のビームテーブル120にDRXのUE104があるか否かを判断する(ステップS504)。ステップS504の判断結果、該当ビームテーブル120にDRXのUE104あれば(ステップS504:Yes)、DU101は、ステップS508の処理に移行する。一方、該当ビームテーブル120にDRXのUE104がなければ(ステップS504:No)、ステップS505の処理に移行する。
【0079】
ステップS505では、DU101は、再割当対象のActiveのUE104を選択する(ステップS505)。次に、DU101は、このActiveのUE104を他のビームテーブル120へ割り当てる(ステップS506)。次に、DU101は、該当の割り当て先のビームテーブル120のリソースを解放し(ステップS507)、ステップS511の処理に移行する。
【0080】
ステップS508では、DU101は、再割当対象のDRXのUE104を選択する(ステップS508)。次に、DU101は、このDRXのUE104を他のビームテーブル120へ割り当てる(ステップS509)。次に、DU101は、該当の割り当て先のビームテーブル120のリソースを解放し(ステップS510)、ステップS511の処理に移行する。
【0081】
ステップS511では、DU101は、該当する割り当て先ビームテーブル120に新規UE104を割り当て(ステップS511)、以上の処理を終了する。
【0082】
図5に示した処理では、DU101は、ステップS505、およびS508における再割り当て対象のUE104の選択時、図4に示した周期的なリソースの再割り当て処理で使用する閾値(第1閾値)よりも高いレベルの閾値(第2閾値)を使用する。そして、DU101は、ステップS505,ステップS508の処理において、受信品質の確認に用いる閾値を最も低いレベルから段階的に高いレベルに上げていく。そして、DU101は,再割り当て対象となるUE104を検出すると、該当UE104を対象として、再割り当て制御を実行する。
【0083】
また、図5に示した処理では、再割り当て対象UE104を選択する際、再割り当て先候補のビームテーブル120に空きがなく、DRXのUE104がない場合、ステップS505以下の処理でActiveのUE104を選択している。
【0084】
このように、DU101は、再割り当て対象UE104を選択する際、DRX状態のUE、再割り当て先候補のビームテーブル120の空き状況、または再割り当て先候補のビームテーブル120の使用履歴を確認する。そして、DU101は、DRX状態、再割り当て先候補の空きが多いビームテーブル120への移動、再割り当て先候補での割り当て実績のないビームテーブル120への移動のUEを優先的に対象とすることができる。これにより、DU101は、新規に接続要求するUE104を収容するビームテーブル120の余裕がない場合であっても、この新規のUE104に対する即時のリソース割り当てを行うことができるようになる。
【0085】
また、図5の処理は、検証ツール140を用いて開始することもできる。この場合、検証ツール140は割り当て先のビームテーブル120の空き状況に余裕がない検証を行うために、検証ツール140によりDU101の新規のUE104の割り当て先のビームテーブル120を故意的に余裕がないFull状態にする制御を行う。これにより、実際の無線区間での該当UE104の受信品質を用いることなく、効率的な試験の実施が可能となる。
【0086】
(3)ビーム切り替えを要するUE104に対する即時のリソース再割り当て
図6は、ビーム切り替えを要するUEに対する即時のリソース再割り当て処理例のフローチャートである。図6に示す処理は、図4に示した無線通信システム100の運用中の処理において、受信品質の劣化等によりビーム切り替えを要するUE104が生じる毎にDU101の制御部(プロセッサ301)が実施する。図6に示す処理により、再割り当て先のビームを選択する際、周期間隔内でのUE104のビーム切り替えに対応する。
【0087】
はじめに、DU101は、下りリファレンス信号劣化が生じたUE104を検出すると(ステップS601)、この信号劣化したUE104に対するリソース割当プロセスを実施する(ステップS602)。このリソース割当プロセスは、ビーム選択処理を含む。
【0088】
そして、DU101は、信号劣化したUE104の割り当て先ビームテーブル120のUE収容制限に余裕があるか否かを判断する(ステップS603)。ステップS603の判断結果、信号劣化したUE104の割り当て先ビームテーブル120のUE収容制限に余裕があれば(ステップS603:Yes)、DU101は、ステップS611の処理に移行する。一方、信号劣化したUE104の割り当て先ビームテーブル120のUE収容制限に余裕がなければ(ステップS603:No)、DU101は、ステップS604の処理に移行する。
【0089】
ステップS604では、DU101は、該当の割り当て先のビームテーブル120にDRXのUE104があるか否かを判断する(ステップS604)。ステップS604の判断結果、該当ビームテーブル120にDRXのUE104があれば(ステップS604:Yes)、DU101は、ステップS608の処理に移行する。一方、該当ビームテーブル120にDRXのUE104がなければ(ステップS604:No)、ステップS605の処理に移行する。
【0090】
ステップS605では、DU101は、再割当対象のActiveのUE104を選択する(ステップS605)。次に、DU101は、このActiveのUE104を他のビームテーブル120へ割り当てる(ステップS606)。次に、DU101は、該当の割り当て先のビームテーブル120のリソースを解放し(ステップS607)、ステップS611の処理に移行する。
【0091】
ステップS608では、DU101は、再割当対象のDRXのUE104を選択する(ステップS608)。次に、DU101は、このDRXのUE104を他のビームテーブル120へ割り当てる(ステップS609)。次に、DU101は、該当の割り当て先のビームテーブル120のリソースを解放し(ステップS610)、ステップS611の処理に移行する。
【0092】
ステップS611では、DU101は、該当する割り当て先ビームテーブル120に該当のビーム切り替えを要するUE104を割り当て(ステップS611)、以上の処理を終了する。
【0093】
図6に示した処理では、DU101は、ステップS605、およびS608における再割り当て対象のUE104の選択時、図4に示した周期的なリソースの再割り当て処理で使用する閾値(第1閾値)よりも高いレベルの閾値(第2閾値)を使用する。そして、DU101は、ステップS605,ステップS608の処理において、受信品質の確認に用いる閾値を最も低いレベルから段階的に高いレベルに上げていく。そして、DU101は、再割り当て対象となるUE104を検出すると、該当UE104を対象として、再割り当て制御を実行する。
【0094】
また、図6に示す処理では、再割り当て対象UE104を選択する際、再割り当て先候補のビームテーブル120に空きがなく、DRXのUE104がない場合、ステップS605以下の処理でActiveのUE104を選択している。
【0095】
このように、DU101は、再割り当て対象UE104を選択する際、DRX状態のUE、再割り当て先候補のビームテーブル120の空き状況、または再割り当て先候補のビームテーブル120の使用履歴を確認する。そして、DU101は、DRX状態、再割り当て先候補の空きが多いビームテーブル120への移動、再割り当て先候補での割り当て実績のないビームテーブル120への移動のUEを優先的に対象とすることができる。これにより、DU101は、信号劣化しビーム切り替えを要するUE104を収容するビームテーブル120の余裕がない場合であっても、このビーム切り替えが必要なUE104に対する即時のリソース割り当てを行うことができるようになる。
【0096】
また、図6の処理は、検証ツール140を用いて開始することもできる。この場合、検証ツール140は、割り当て先のビームテーブル120の空き状況に余裕がない検証を行うために、検証ツール140によりDU101の新規のUE104の割り当て先のビームテーブル120を故意的に余裕がないFull状態にする制御を行う。これにより、実際の無線区間での該当UE104の受信品質を用いることなく、効率的な試験の実施が可能となる。
【0097】
以上説明した実施の形態の無線通信装置は、端末との間で所定のビームで無線通信を行う基地局における無線リソース管理を行う。無線通信装置は、複数のビームにそれぞれ収容する端末を設定したビームテーブルと、ビームテーブルを管理するリソース管理部と、を含む。リソース管理部は、システムの運用中、ビームテーブル間で移動可能な端末と、移動可能な端末を収容可能な他のビームテーブルとをそれぞれ判断する。リソース管理部は、移動可能な端末を他のビームテーブルに移動させる。これにより、複数のビームテーブルがそれぞれ収容する端末数を均一化させる調整ができる。また、無線通信装置(DU)が管理する基地局(RU)において有限のビームを無用に占有しているUEを他のビームに移動させることで、つながりやすいネットワーク運用を実現でき、ユーザ満足度を向上できるようになる。
【0098】
また、無線通信装置は、リソース管理部が所定周期毎に、各端末から報告された下り信号の受信品質を検出する。リソース管理部は、安定した受信が行える第1閾値以下の下り受信品質となった端末があれば、当該端末を通信継続可能な受信品質を満たす他のビームテーブルに移動させる再割り当てを行う。これにより、受信品質を用いて再割り当ての端末が通信継続可能な状態でビームテーブルを最適化できるようになる。
【0099】
また、無線通信装置は、リソース管理部が第1閾値以上の受信品質に相当する第2閾値を有する。リソース管理部は、運用中に、所定のビームでの接続要求を行った端末が生じ、かつ当該端末のビームに対応するビームテーブルに余裕がない場合、第1閾値以上第2閾値以下の下り受信品質である端末の存在を判断する。リソース管理部は、当該端末を通信継続可能な他のビームテーブルに再割り当てし、接続要求を行った端末を該当するビームのビームテーブルに割り当てる。これにより、運用中の第1閾値よりも高い第2閾値の端末は、受信品質劣化することなく、他のビームテーブルに移動でき、かつ、接続要求を行った端末を即時にビームテーブルに割り当て通信可能にできる。
【0100】
また、無線通信装置は、リソース管理部が第1閾値以上の受信品質に相当する第2閾値を有する。リソース管理部は、運用中に、現在使用しているビームの下り受信品質が劣化した端末が生じ、かつ当該端末が通信継続可能なビームの他のビームテーブルに余裕がない場合、第1閾値以上第2閾値以下の下り受信品質である端末の存在を判断する。リソース管理部は、当該端末を通信継続可能な他のビームテーブルに再割り当てし、受信品質が劣化した端末を通信継続可能なビームテーブルに割り当てる。これにより、運用中の第1閾値よりも高い第2閾値の端末は、受信品質劣化することなく、他のビームテーブルに移動して通信継続できるようになる。
【0101】
また、無線通信装置は、リソース管理部が接続要求を行った端末あるいは下り受信品質が劣化した端末に割り当てたビームテーブルに余裕がない場合、当該ビームテーブルに存在する端末の通信状態を確認し、DRX状態の端末を優先的に他のビームテーブルに再割り当てする。DRX状態はActive状態よりもデータ通信が抑えられた間欠受信によるスリープ状態を持つことから、DRX状態のUEを優先的に選択することで再割り当てを効率的に行えるようになる。
【0102】
また、無線通信装置は、リソース管理部が再割り当てする端末数が複数の場合、再割り当て可能な他のビームテーブルのうち、収容数の空きが多い他のビームテーブルへの移動が可能な端末を優先的に再割り当てする。このように、再割り当ての処理対象として選択される端末数が複数であった場合、より空きの多いビームテーブルへの端末の再割り当てを優先し、再割当対象の端末を決定することで、再割り当て先のビームテーブルの輻輳を回避することができる。
【0103】
また、無線通信装置は、リソース管理部が再割り当てする端末数が複数の場合、当該再割り当ての各端末のビームの使用履歴に基づき、再割り当て実績のないビームテーブルへの移動が可能な端末を優先的に再割り当てする。このように、再割り当ての処理対象として選択される端末数が複数であった場合、選択したビームテーブルの使用履歴を参照し、割り当て実績のない端末を優先的に決定することで、再割り当て先のビームテーブルの輻輳を回避することができる。
【0104】
また、無線通信装置は、リソース管理部が再割り当ての端末数が複数の場合、当該再割り当ての各端末の受信品質を確認し、最も低い受信品質の端末を優先的に再割り当てする。これにより、再割り当て先のビームテーブルの輻輳を回避し、再割り当ての処理を効率的に行えるようになる。
【0105】
また、無線通信装置には、検証ツールが接続され、検証ツールから端末の所定の受信品質に相当する情報が直接入力されることとしてもよい。これにより、端末からの下り信号の受信品質の報告を受けることなく、検証ツールを操作してビームテーブルの最適化の処理を簡単に実施できるようになる。
【0106】
また、無線通信装置には、基地局との間の通信インタフェースに解析部が接続され、解析部から端末の所定の受信品質に相当する情報が通信インタフェースを介して入力されることとしてもよい。これにより、端末からの下り信号の受信品質の報告を受けることなく、解析部を操作してビームテーブルの最適化の処理を簡単に実施できるようになる。
【0107】
また、無線通信装置には、検証ツールが接続され、検証ツールからビームテーブルに収容される各端末の情報を変更、追加または削除可能にすることもできる。これにより、検証ツールを用いて再割り当て対象の優先度を制御し、ビームテーブルに設定する端末の情報を変更、追加または削除する等によりビームテーブルに収容する端末の数を制御することができる。
【0108】
なお、本発明の実施の形態で説明した無線ビーム割り当て方法は、予め用意されたプログラムを無線通信装置のプロセッサに実行させることにより実現することができる。本方法は、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、フラッシュメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また本方法は、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
【0109】
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0110】
(付記1)端末との間で所定のビームで無線通信を行う基地局における無線リソース管理を行う無線通信装置であって、
複数のビームにそれぞれ収容する前記端末を設定したビームテーブルを格納するメモリと、
前記ビームテーブルを管理するリソース管理部と、を含み、
前記リソース管理部は、
システムの運用中、前記ビームテーブル間で移動可能な端末と、前記移動可能な端末を収容可能な他のビームテーブルとをそれぞれ判断し、
前記移動可能な端末を前記他のビームテーブルに移動させ、複数の前記ビームテーブルがそれぞれ収容する前記端末数を調整することを特徴とする無線通信装置。
【0111】
(付記2)前記リソース管理部は、
所定周期毎に、各端末から報告された下り信号の受信品質を検出し、
安定した受信が行える第1閾値以下の下り受信品質となった端末があれば、当該端末を通信継続可能な受信品質を満たす他のビームテーブルに移動させる再割り当てを行うことを特徴とする付記1に記載の無線通信装置。
【0112】
(付記3)前記リソース管理部は、
前記第1閾値以上の受信品質に相当する第2閾値を有し、
前記運用中に、所定のビームでの接続要求を行った端末が生じ、かつ当該端末のビームに対応する前記ビームテーブルに余裕がない場合、当該ビームテーブルに存在する前記第1閾値以上前記第2閾値以下の下り受信品質である端末の存在を判断し、当該端末を通信継続可能な他のビームテーブルに再割り当てし、
前記接続要求を行った端末を該当するビームのビームテーブルに割り当てることを特徴とする付記2に記載の無線通信装置。
【0113】
(付記4)前記リソース管理部は、
前記第1閾値以上の受信品質に相当する第2閾値を有し、
前記運用中に、現在使用しているビームの下り受信品質が劣化した端末が生じ、かつ当該端末が通信継続可能なビームの前記他のビームテーブルに余裕がない場合、当該ビームテーブルに存在する前記第1閾値以上前記第2閾値以下の下り受信品質である端末の存在を判断し、当該端末を通信継続可能な他のビームテーブルに再割り当てし、
前記受信品質が劣化した端末を通信継続可能なビームテーブルに割り当てることを特徴とする付記2または3に記載の無線通信装置。
【0114】
(付記5)前記リソース管理部は、
接続要求を行った端末あるいは下り受信品質が劣化した端末に割り当てたビームテーブルに余裕がない場合、当該ビームテーブルに存在する端末の通信状態を確認し、DRX(Discontinuous Reception)状態の端末を優先的に他のビームテーブルに再割り当てすることを特徴とする付記3または4に記載の無線通信装置。
【0115】
(付記6)前記リソース管理部は、再割り当ての前記端末数が複数の場合、再割り当て可能な他のビームテーブルのうち、収容数の空きが多い前記他のビームテーブルへの移動が可能な前記端末を優先的に再割り当てすることを特徴とする付記3または4に記載の無線通信装置。
【0116】
(付記7)前記リソース管理部は、再割り当ての前記端末数が複数の場合、当該再割り当ての各端末のビームの使用履歴に基づき、再割り当て実績のない前記ビームテーブルへの移動が可能な端末を優先的に再割り当てすることを特徴とする付記3または4に記載の無線通信装置。
【0117】
(付記8)前記リソース管理部は、再割り当ての前記端末数が複数の場合、当該再割り当ての各端末の受信品質を確認し、最も低い受信品質の端末を優先的に再割り当てすることを特徴とする付記3または4に記載の無線通信装置。
【0118】
(付記9)検証ツールが接続され、
前記検証ツールから前記端末の所定の前記受信品質に相当する情報が直接入力されることを特徴とする付記2~8のいずれか一つに記載の無線通信装置。
【0119】
(付記10)前記基地局との間の通信インタフェースに解析部が接続され、
前記解析部から前記端末の所定の前記受信品質に相当する情報が前記通信インタフェースを介して入力されることを特徴とする付記2~8のいずれか一つに記載の無線通信装置。
【0120】
(付記11)検証ツールが接続され、
前記検証ツールから前記ビームテーブルに収容される各端末の情報を変更、追加または削除可能なことを特徴とする付記1~8のいずれか一つに記載の無線通信装置。
【0121】
(付記12)CU(Central Unit)と、DU(Distributed Unit)と、RU(Remote Unit)と、UE(User Equipment)とを含む無線通信システムにおいて、
前記DUは、複数のビームにそれぞれ収容する前記UEを設定したビームテーブルと、
前記ビームテーブルを管理するリソース管理部と、を含み、
前記リソース管理部は、
システムの運用中、前記ビームテーブル間で移動可能な端末と、前記移動可能なUEを収容可能な他のビームテーブルとをそれぞれ判断し、
前記移動可能なUEを前記他のビームテーブルに移動させ、複数の前記ビームテーブルがそれぞれ収容する前記UE数を調整することを特徴とする無線通信システム。
【0122】
(付記13)さらに、前記DUに接続される検証ツールを含み、
前記DUに、前記検証ツールから前記UEの所定の受信品質に相当する情報が直接入力され、
前記リソース管理部は、前記受信品質に基づき、前記移動可能なUEを前記他のビームテーブルに移動させることを特徴とする付記12に記載の無線通信システム。
【0123】
(付記14)さらに、前記RUと前記DUとの間のフロントホールインタフェースに解析部が接続され、
前記DUに、前記解析部から前記UEの所定の受信品質に相当する情報が前記フロントホールインタフェースを介して入力され、
前記リソース管理部は、前記受信品質に基づき、前記移動可能なUEを前記他のビームテーブルに移動させることを特徴とする付記12に記載の無線通信システム。
【0124】
(付記15)端末との間で所定のビームで無線通信を行う基地局における無線ビーム管理を行う無線通信装置が行う無線ビーム割り当て方法であって、
システムの運用中、複数のビームにそれぞれ収容する前記端末を設定したビームテーブル間で移動可能な端末と、前記移動可能な端末を収容可能な他のビームテーブルとをそれぞれ判断し、
前記移動可能な端末を前記他のビームテーブルに移動させ、複数の前記ビームテーブルがそれぞれ収容する前記端末数を調整する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする無線ビーム割り当て方法。
【0125】
(付記16)端末との間で所定のビームで無線通信を行う基地局における無線ビーム管理を行う無線通信装置が行う無線ビーム割り当てプログラムであって、
システムの運用中、複数のビームにそれぞれ収容する前記端末を設定したビームテーブル間で移動可能な端末と、前記移動可能な端末を収容可能な他のビームテーブルとをそれぞれ判断し、
前記移動可能な端末を前記他のビームテーブルに移動させ、複数の前記ビームテーブルがそれぞれ収容する前記端末数を調整する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする無線ビーム割り当てプログラム。
【符号の説明】
【0126】
100 無線通信システム
101 無線通信装置(DU)
102 制御局(CU)
103 基地局(RU)
104 端末(UE)
111 フロントホール
115 コアネットワーク
120 ビームテーブル
130 リソース管理部
140 検証ツール
150 フロントホール解析部
201,211 メモリ
202,212 ビームテーブル管理部
203 リファレンス信号算出部
204 再割当判定部
205 下位IF部
213 リファレンス信号取得部
214 上位IF部
301 プロセッサ
302 メモリ
303 ネットワークIF
305 記録媒体
NW ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6