(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023001458
(43)【公開日】2023-01-06
(54)【発明の名称】自走式ロボットシステム、及び物品管理方法
(51)【国際特許分類】
G05D 1/08 20060101AFI20221226BHJP
A47L 9/28 20060101ALI20221226BHJP
G05D 1/02 20200101ALI20221226BHJP
【FI】
G05D1/08 Z
A47L9/28 E
G05D1/02 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021102196
(22)【出願日】2021-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】梅原 尚子
(72)【発明者】
【氏名】本田 廉治
(72)【発明者】
【氏名】津坂 優子
【テーマコード(参考)】
3B057
5H301
【Fターム(参考)】
3B057DA00
3B057DE01
5H301AA10
5H301BB10
5H301CC10
5H301GG09
5H301GG12
5H301GG17
5H301KK06
(57)【要約】
【課題】物品が予め登録された位置と異なる位置に存在することをユーザに知らせることで、ユーザによる物品の置き忘れ及び紛失を低減することができる自走式ロボットシステムを提供する。
【解決手段】自走式ロボットシステム100は、所定の空間を自律的に走行する自走式ロボット10を備える自走式ロボットシステムであって、自走式ロボット10の本体の周囲で検知された物品の識別子と位置とを示す物品情報を取得する物品情報取得部11と、所定の空間の地図を示す地図情報を取得する地図情報取得部12と、地図上での本体の現在位置を示す自己位置を算出する自己位置算出部13と、物品情報及び自己位置に基づいて、物品が予め登録された位置と異なる位置に存在するか否かを判定する判定部33と、物品が予め登録された位置と異なる位置に存在すると判定された場合に、ユーザに通知情報を提示する提示部25と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の空間を自律的に走行する自走式ロボットを備える自走式ロボットシステムであって、
前記自走式ロボットの本体の周囲で検知された物品の識別子と位置とを示す物品情報を取得する物品情報取得部と、
前記所定の空間の地図を示す地図情報を取得する地図情報取得部と、
前記地図上での前記本体の現在位置を示す自己位置を算出する自己位置算出部と、
前記物品情報及び前記自己位置に基づいて、前記物品が予め登録された位置と異なる位置に存在するか否かを判定する判定部と、
前記物品が予め登録された位置と異なる位置に存在すると判定された場合に、ユーザに通知情報を提示する提示部と、
を備える、
自走式ロボットシステム。
【請求項2】
前記通知情報は、画像情報及び音響情報の少なくともいずれかである、
請求項1に記載の自走式ロボットシステム。
【請求項3】
前記自走式ロボットシステムは、さらに、
前記物品情報と、前記自走式ロボットの制御情報とが紐づけられて格納された制御情報データベースと、
前記自走式ロボットの動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記物品が予め登録された位置と異なる位置に存在すると判定された場合に、前記制御情報データベースに格納された前記制御情報に基づいて、前記自走式ロボットの動作を制御する、
請求項1又は2に記載の自走式ロボットシステム。
【請求項4】
前記制御部は、前記制御情報に基づいて、前記物品を予め登録された位置又は当該位置の周辺へ移動させるように前記自走式ロボットの動作を制御する、
請求項3に記載の自走式ロボットシステム。
【請求項5】
前記自走式ロボットシステムは、さらに、前記通知情報を生成する通知情報生成部を備え、
前記通知情報生成部は、前記物品が予め登録された位置と異なる位置に存在すると判定された場合、当該判定の内容、前記物品の名称、及び、前記物品が検知された位置の少なくともいずれかを含む通知情報を生成し、
前記提示部は、前記通知情報生成部により生成された前記通知情報を前記ユーザに提示する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の自走式ロボットシステム。
【請求項6】
前記自走式ロボットシステムは、さらに、予め登録された位置と異なる位置に存在すると判定された物品の前記物品情報と、前記物品が検知された位置及び日時とが紐づけられて格納された履歴情報データベースを備え、
前記通知情報生成部は、さらに、前記履歴情報データベースに基づいて、前記物品が所定期間に検知された回数及び位置を含む通知情報を生成する、
請求項5に記載の自走式ロボットシステム。
【請求項7】
前記自走式ロボットは、掃除機能を備える自走式掃除機である、
請求項1~6のいずれか1項に記載の自走式ロボットシステム。
【請求項8】
所定の空間を自律的に走行する自走式ロボットの本体の周囲で検知された物品の識別子と位置とを示す物品情報を取得する物品情報取得ステップと、
前記所定の空間の地図を示す地図情報を取得する地図情報取得ステップと、
前記地図上での前記本体の現在位置を示す自己位置を算出する自己位置算出ステップと、
前記物品情報及び前記自己位置に基づいて、前記物品が予め登録された位置と異なる位置に存在するか否かを判定する判定ステップと、
前記物品が予め登録された位置と異なる位置に存在すると判定された場合に、ユーザに通知情報を提示する提示ステップと、
を含む、
物品管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自走式ロボットシステム、物品管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、物品の探索要求を取得すると、当該物品に関する物品情報をデータベースに送信し、データベースで抽出された当該物品の無線タグ番号を有する物品を探索し、探索した物品の位置情報を出力する物品探索システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の物品探索システムでは、ユーザが検索したい物品を個別に指定する必要があるため、手間がかかる。また、当該物品探索システムでは、物品が普段配置されている場所と異なる場所に存在していることにユーザが気づいていない場合、当該物品を検索することができない。
【0005】
そこで、本開示は、物品が予め登録された位置と異なる位置に存在することをユーザに知らせることで、ユーザによる物品の置き忘れ及び紛失を低減することができる自走式ロボットシステム、及び、物品管理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る自走式ロボットシステムは、所定の空間を自律的に走行する自走式ロボットを備える自走式ロボットシステムであって、前記自走式ロボットの本体の周囲で検知された物品の識別子と位置とを示す物品情報を取得する物品情報取得部と、前記所定の空間の地図を示す地図情報を取得する地図情報取得部と、前記地図上での前記本体の現在位置を示す自己位置を算出する自己位置算出部と、前記物品情報及び前記自己位置に基づいて、前記物品が予め登録された位置と異なる位置に存在するか否かを判定する判定部と、前記物品が予め登録された位置と異なる位置に存在すると判定された場合に、ユーザに通知情報を提示する提示部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、物品が予め登録された位置と異なる位置に存在することをユーザに知らせることで、ユーザによる物品の置き忘れ及び紛失を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態1に係る自走式ロボットシステムの概要を説明するための図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1に係る自走式ロボットシステムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態1に係る自走式ロボットシステムの動作の第1の例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、ユーザによる指示の入力の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、制御結果を通知する通知情報の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施の形態1に係る自走式ロボットシステムの動作の第2の例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、実施の形態2に係る自走式ロボットシステムの構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、請求の範囲を限定する主旨ではない。また、各図は、必ずしも厳密に図示したものではない。各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化する場合がある。
【0010】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略、または、簡略化される場合がある。
【0011】
なお、以下において、略円形状、略矩形状及び略多角形状等の要素の形状を示す用語は、厳格な意味のみを表すのではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する。
【0012】
(実施の形態1)
[概要]
まず、自走式ロボットシステムの概要について説明する。
図1は、実施の形態1に係る自走式ロボットシステムの概要を説明するための図である。
【0013】
自走式ロボットシステム100は、自走式ロボット10の周囲で検知された物品の物品情報を取得し、取得された物品情報と、自走式ロボットの本体の自己位置とに基づいて、当該物品が予め登録された位置(以下、登録位置ともいう)と異なる位置にあると判定された場合に、その旨をユーザに通知するシステムである。自走式ロボットシステム100は、例えば、自走式ロボット10と、携帯端末20と、サーバ30とを備える。物品情報は、例えば、物品の識別子(いわゆる、ID)と位置とを示す情報である。位置を示す情報は、ユーザにより予め登録された、所定の空間における物品の位置(言い換えると、所帝の空間において当該物品があるべき位置)を示す位置情報(以下、登録位置情報ともいう)である。なお、自走式ロボット10は、物品の識別子を取得し、取得された物品の識別子に紐づけられた物品の登録位置情報を取得することで、物品情報を取得してもよい。この場合、自走式ロボットシステム100は、物品の識別子と物品の登録位置情報とが紐づけられたデータベースを備えてもよい。
【0014】
自走式ロボット10は、所定の空間を自律的に走行しながら物品情報を取得する自走式ロボットであり、自走式ロボットが有する機能は特に限定されない。自走式ロボット10は、例えば、掃除機能を備える自走式掃除機であってもよい。
【0015】
また、携帯端末20は、ユーザが所持する携帯型の情報端末であり、例えば、スマートフォン、又は、タブレット端末などである。例えば、携帯端末20は、自走式ロボット10へユーザの指示を送信するため、及び、ユーザへの通知を受信するために使用される。
【0016】
また、サーバ30は、ユーザが携帯端末20を介して通知を受けるための情報処理を行うコンピュータ装置である。サーバ30は、2つ以上のコンピュータ装置から構成されてもよい。
【0017】
続いて、物品について説明する。
図1では、網掛けが付されていない正方形は、ユーザによって予め位置情報が登録されていない物品を表しており、網掛けが付された正方形は、ユーザによって予め位置情報が登録されている物品を表している。また、斜線が付された正方形は、ユーザによって予め登録された位置と異なる位置に存在する物品を表している。
【0018】
物品は、例えば、ユーザが見失いやすい(言い換えると、置き忘れしやすい)物品である。具体的には、物品は、鍵、社員証、定期券、時計、財布、通帳、印鑑、パスポート、衣類、帽子、調味料、文具、本、ノート、又は、ライターなどである。物品には、タグが取り付けられている。タグの種類は、例えば、電子タグ、バーコード、QRコード(登録商標)、ARマーカなどが挙げられる。電子タグは、例えば、RF(Radio Frequency)タグ、IC(Intergrated Circuit)タグ、非接触タグ、又は無線タグとも呼ばれる。タグは、例えば、シールのように物品に直接取り付けられてもよいし、タグが取り付けられたキーホルダなどを物品に付けることで物品に間接的に取り付けられてもよい。
【0019】
例えば、
図1では、位置Bで検知された物品(図中の斜線が付された正方形)は、破線枠で示される位置Aに存在する物品として予め登録されているが、登録された位置と異なる位置に存在する。この場合、自走式ロボットシステム100は、自走式ロボット10の自己位置に基づいて、当該物品が検知された位置を推定し、推定された物品の位置と登録された位置とが異なるか否かを判定してもよい。
【0020】
[構成]
続いて、自走式ロボットシステム100の構成について説明する。
図2は、実施の形態1に係る自走式ロボットシステム100の構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
図2に示されるように、自走式ロボットシステム100は、例えば、自走式ロボット10と、携帯端末20と、サーバ30とを備える。
【0022】
[自走式ロボット10]
上述したように、自走式ロボット10は、自走式ロボット10は、所定の空間を自律的に走行しながら物品情報を取得する自走式ロボットであり、自走式ロボットが有する機能は特に限定されない。自走式ロボット10は、例えば、掃除機能を備える自走式掃除機であってもよい。この場合、自走式ロボット10は所定の空間を掃除しながら物品情報などを取得する。
【0023】
自走式ロボット10は、例えば、物品情報取得部11と、地図情報取得部12と、自己位置算出部13と、制御部14と、記憶部15と、通信部16と、入力受付部17と、センサ部18と、走行部19とを備える。
【0024】
物品情報取得部11は、自走式ロボット10の本体の周囲で検知された物品に関する物品情報を取得する。より具体的には、物品情報取得部11は、物品に予め取り付けられたタグを検知することにより、タグに紐づけられた物品情報を取得する。例えば、物品情報取得部11は、カメラ(不図示)で撮像された物品の撮像画像に基づいて物品に取り付けられたタグを検知してもよく、物品に対して電波を発信して、発信された電波に対するタグからの応答信号を検知することにより物品に取り付けられたタグを検知してもよい。例えば、タグがバーコード、QRコード(登録商標)又はARマーカである場合、物品情報取得部11は、カメラで撮像された画像中に物品に取り付けられたタグを検知すると、当該タグにエンコードされた情報を読み取ることにより、当該物品の物品情報を取得してもよい。例えば、タグにエンコードされた情報が物品の物品情報である場合は、当該情報の読み取りが物品の物品情報の取得になる。また、例えば、タグにエンコードされた情報が、物品のID(Identification)である場合、当該IDに紐付けられた物品情報が格納された物品情報データベース(不図示)を参照し、物品情報を取得する。物品情報データベースは、記憶部15に格納されていてもよく、ネットワークを介して接続された外部の端末装置又はサーバ30に格納されていてもよい。また、例えば、タグが電子タグである場合、物品情報取得部11は、物品に電子タグが取り付けられていることを検知すると、電子タグと通信を行い、電子タグに記憶された識別子を読み取り、当該識別子に紐づけられた当該物品の物品情報を取得してもよい。この場合、物品情報は、サーバ30の記憶部35に格納されていてもよいし、電子タグに記憶されてもいてもよい。物品情報には、ユーザによって予め登録された、所定の空間における物品の位置を示す登録位置情報が含まれている。
【0025】
地図情報取得部12は、所定の空間の地図を示す地図情報を取得する。地図情報取得部12は、例えば、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)などの地図作成技術によって所定の空間の地図を作成してもよく、外部の装置(不図示)から入力された地図情報を、ネットワークを介して取得してもよい。また、地図情報は、予め記憶部15に格納されていてもよく、この場合、地図情報取得部12は、記憶部15から地図情報を読み出して取得してもよい。
【0026】
自己位置算出部13は、地図上での自走式ロボット10の本体の現在位置を示す自己位置を算出する。例えば、自己位置算出部13は、自走式ロボット10のセンサ部18が備える各種センサから得られるセンシングデータ及び、地図情報などに基づいて、SLAMにより地図上での自走式ロボット10の現在位置を算出する。各種センサは、例えば、LiDarなどの位置センサ、障害物センサ、距離センサ、加速度センサ、車輪オドメトリ、ジャイロセンサ、又は、カメラなどである。
【0027】
制御部14は、自走式ロボット10の動作を制御するための情報処理を行う。制御部14は、例えば、マイクロコントローラによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。例えば、制御部14は、物品が予め登録された位置と異なる位置に存在すると判定された場合に、制御情報データベース35aに当該物品の物品情報と紐付けられて格納された制御情報に基づいて、自走式ロボット10の動作を制御する。例えば、当該制御情報が物品を予め登録された位置又はその周辺へ移動させる指示を含む場合、制御部14は、当該制御情報に基づいて、例えば、自走式ロボット10が当該物品を本体で押しながら走行する、又は、当該物品を把持部(不図示)で把持して走行する制御を行う。
【0028】
記憶部15は、制御部14が自走式ロボット10の動作を制御するために実行するコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部15は、具体的には、半導体メモリ等によって実現される。
【0029】
通信部16は、自走式ロボット10が携帯端末20及びサーバ30と通信を行うための通信回路(通信モジュール)である。通信部16は、広域通信ネットワークを介して通信を行うための通信回路(通信モジュール)と、局所通信ネットワークを介して通信を行うための通信回路(通信モジュール)とを備えてもよい。通信部16は、例えば、無線通信を行う無線通信回路である。なお、通信部16が行う通信の通信規格については特に限定されない。
【0030】
入力受付部17は、ユーザによる操作入力を受け付ける入力インタフェースである。入力受付部17は、具体的には、ハードウェアボタンなどによって実現される。また、入力受付部17は、音声による入力を受け付けてもよい。この場合、入力受付部17は、例えば、マイクロフォンである。
【0031】
センサ部18は、複数のセンサを備える。センサ部18は、上述した各種センサの他に、例えば、衝突検出センサ、及び、床面検出センサなどを備える。制御部14は、センサ部18が備える各種センサから得られるセンシングデータ及び地図情報などに基づいて、自走式ロボット10の走行を制御する。
【0032】
走行部19は、自走式ロボット10の本体に配置され、本体を走行可能(移動可能ともいう)とする。走行部19は、例えば、一対の駆動ユニット(不図示)を備える。駆動ユニットは、自走式ロボット10の平面視における幅方向の中心に対して左側及び右側にそれぞれ1つずつ配置されている。なお、駆動ユニットの数は、2つに限られず、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
【0033】
例えば、駆動ユニットは、床面上を走行する車輪(不図示)と、車輪にトルクを与える走行用モータ(不図示)及び走行用モータを収容するハウジング(不図示)などを有する。一対の駆動ユニットの各車輪は、本体の下面に形成された凹部(不図示)に収容され、本体に対して回転できるように取り付けられている。また、自走式ロボット10は、キャスター(不図示)を補助輪として備えた対向二輪型であってもよい。この場合、走行部19は、一対の駆動ユニットのそれぞれの車輪の回転を独立して制御することで、前進、後退、左回転及び右回転など自走式ロボット10を自在に走行させることができる。自走式ロボット10は、前進若しくは後退しながら左回転又は右回転する場合には、前進時若しくは後退時に左折又は右折をする。一方、自走式ロボット10は、前進若しくは後退しない状態で左回転又は右回転する場合には、現地点で旋回する。このように、走行部19は、一対の駆動ユニットの動作を独立して制御することにより、本体を移動または旋回させる。走行部19は、制御部14の制御に基づいて走行用モータなどを動作させ、自走式ロボット10を走行させる。
【0034】
なお、図示していないが、自走式ロボット10が掃除機能を有する自走式掃除機である場合、自走式ロボット10は、さらに、掃除部を備えてもよい。掃除部は、自走式ロボット10の本体に配置され、本体の周辺の床を拭く、掃く又は塵埃を吸引する動作の少なくとも1つの掃除動作を実行する。掃除部は、例えば、床面に存在する塵埃などのごみを本体内に吸収できるように本体の底部に設けられた吸引口と、吸引口からゴミを吸引する吸引モータと、サイドブラシ及びメインブラシを回転させるブラシ回転モータ、これらのモータに電力を伝達する電力伝達部と、吸引したごみを収容するごみ収容部とを備える。また、掃除部は、本体の周辺の床面上のごみを掃いて吸引口及びメインブラシに向けてごみを掻き集めるサイドブラシを備えてもよい。サイドブラシの数は、2つでもよく、2つでもよく、3つ以上でもよい。
【0035】
なお、図示していないが、自走式ロボット10は、検知された物品を予め登録された位置又はその周辺に移動させる際に物品を把持する把持部、又は、物品を載せる載置部を備えてもよい。
【0036】
[携帯端末20]
携帯端末20は、ユーザが所持する携帯型の情報端末であり、例えば、スマートフォン、又は、タブレット端末などである。例えば、携帯端末20は、自走式ロボット10へユーザの指示を送信するため、及び、ユーザへの通知を受信するために使用される。
【0037】
携帯端末20は、例えば、通信部21と、制御部22と、記憶部23と、入力受付部24と、提示部25とを備える。
【0038】
通信部21は、携帯端末20が自走式ロボット10及びサーバ30と通信を行うための通信回路(通信モジュール)である。通信部21は、広域通信ネットワークを介して通信を行うための通信回路(通信モジュール)と、局所通信ネットワークを介して通信を行うための通信回路(通信モジュール)とを備えてもよい。通信部21は、例えば、無線通信を行う無線通信回路である。なお、通信部21が行う通信の通信規格については特に限定されない。
【0039】
制御部22は、入力受付部24によって受け付けられた操作入力に基づいて、携帯端末20に関する各種情報処理を行う。制御部22は、例えば、マイクロコントローラによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0040】
記憶部23は、制御部22が実行するための専用のアプリケーションプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部23は、例えば、半導体メモリによって実現される。
【0041】
入力受付部24は、ユーザによる操作入力を受け付ける入力インタフェースである。入力受付部24は、具体的には、タッチパネルディスプレイなどによって実現される。例えば、入力受付部24がタッチパネルディスプレイを搭載している場合は、タッチパネルディスプレイが提示部25及び入力受付部24として機能する。なお、入力受付部24は、タッチパネルディスプレイに限らず、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、又は、メカニカルなスイッチなどであってもよい。また、入力受付部24は、マイクロフォンであってもよい。
【0042】
提示部25は、物品が予め登録された位置と異なる位置に存在すると判定された場合に、ユーザに通知情報を提示する。より具体的には、提示部25は、サーバ30の判定部33により物品が予め登録された位置と異なる位置に存在すると判定された場合に、通知情報生成部34により生成された通知情報をユーザに提示する。通知情報は、画像情報及び音響情報の少なくともいずれかである。通知情報は、物品が予め登録された位置と異なる位置に存在すると判定された場合の判定内容、及び、物品が検知された位置の少なくともいずれかを含んでもよい。また、通知情報は、物品が所定期間に検知された回数及び位置を含んでもよい。例えば、提示部25は、制御部22の制御に基づいて通知情報を画像として表示する表示装置と、通知情報を音声で出力する音声出力装置とを備えてもよい。表示装置は、例えば、液晶(LC)パネル又は有機EL(Electro Luminescence)パネルである。また、音声出力装置は、例えば、スピーカである。
【0043】
[サーバ30]
サーバ30は、ユーザが携帯端末20を介して通知を受けるための情報処理を行うコンピュータ装置である。サーバ30は、2つ以上のコンピュータ装置から構成されてもよい。
【0044】
サーバ30は、例えば、通信部31と、制御部32と、判定部33と、通知情報生成部34と、記憶部35とを備える。
【0045】
通信部31は、サーバ30が自走式ロボット10及び携帯端末20と通信を行うための通信回路(通信モジュール)である。通信部31は、インターネットなどの広域通信ネットワークを介して通信を行うための通信回路(言い換えれば、通信モジュール)と、局所通信ネットワークを介して通信を行うための通信回路(通信モジュール)とを備えてもよい。通信部31は、例えば、無線通信を行う無線通信回路であるが、有線通信を行う有線通信回路であってもよい。通信部31行う通信の規格については特に限定されない。
【0046】
制御部32は、自走式ロボット10から出力された情報及び携帯端末20から出力された指示に基づいてサーバ30に関する各種情報処理を行う。制御部32は、例えば、マイクロコントローラによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0047】
判定部33は、自走式ロボット10により出力された物品情報及び自己位置に基づいて、物品が予め登録された位置と異なる位置に存在するか否かを判定する。例えば、判定部33は、自己位置に基づいて当該物品が検知された位置を算出し、算出された位置情報と、物品情報に含まれる当該物品の登録位置情報とに基づいて、当該物品が予め登録された位置と異なる位置に存在するか否かを判定してもよい。
【0048】
通知情報生成部34は、物品が予め登録された位置と異なる位置に存在すると判定された場合、当該判定の内容、及び、物品が検知された位置の少なくともいずれかを含む通知情報を生成する。さらに、通知情報生成部34は、自走式ロボット10の本体の周囲で検知された物品の物品情報と、当該物品が検知された位置及び日時とが紐づけられて格納された履歴情報データベース35bに基づいて、当該物品が所定期間に検知された回数及び位置を含む通知情報を生成してもよい。通知情報は、画像情報及び音響情報の少なくともいずれかである。通知情報の詳細については後述する。
【0049】
記憶部35は、物品毎に当該物品が登録位置と異なる位置に存在すると判定された場合の自走式ロボット10の制御情報が格納された制御情報データベース35aと、自走式ロボット10が検知した物品の位置及び検知日時が格納された履歴情報データベース35bとが記憶される記憶装置である。記憶部35には、制御部32が実行するコンピュータプログラムなども記憶される。記憶部35は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)によって実現されるが、半導体メモリなどによって実現されてもよい。
【0050】
[動作]
続いて、実施の形態1に係る自走式ロボットシステム100の動作について説明する。
【0051】
[第1の例]
図3は、実施の形態1に係る自走式ロボットシステム100の動作の第1の例を示すフローチャートである。第1の例では、自走式ロボットシステム100は、検知された物品が予め登録された位置と異なる位置に存在すると判定された場合に、ユーザに通知情報を提示する。
【0052】
図示していないが、携帯端末20の入力受付部24がユーザにより入力された自走式ロボット10の走行開始命令を受け付けると、制御部22は、受け付けられた走行開始命令を、通信部21を介して自走式ロボット10に送信する。
【0053】
次いで、自走式ロボット10の制御部14は、通信部16を介して走行開始命令を取得する(S11)と、走行部19の動作の制御を開始する。これにより、自走式ロボット10は、走行を開始する(S12)。
【0054】
次いで、自走式ロボット10の制御部14は、走行終了命令を取得したか否かを判定し(S13)、走行終了命令を取得したと判定した場合(S13でYes)、走行を終了する。
【0055】
一方、制御部14は、走行終了命令を取得していないと判定した場合(S13でNo)、物品情報取得部11によって自走式ロボット10の本体の周囲で検知された物品の物品情報を取得されたか否かを判定する(S14)。このとき、物品情報取得部11は、自己位置算出部13で算出された自走式ロボット10の自己位置に基づいて、検知された物品の位置を算出してもよい。また、例えば、物品情報取得部11は、物品に予め取り付けられた電子タグ(例えば、RFタグ)から発信される信号強度及び方向に基づいて、物品の位置を算出してもよい。制御部14は、物品情報取得部11によって物品情報が取得されていないと判定された場合(S14でNo)、ステップS13の処理を行う。
【0056】
一方、制御部14は、物品情報取得部11によって物品情報が取得されたと判定された場合(S14でYes)、当該物品の位置が予め登録されているか否かを判定する(S15)。例えば、制御部14は、ステップS14で取得された物品情報に当該物品の登録位置情報が含まれる場合に、当該物品の位置が予め登録されていると判定し、ステップS14で取得された物品情報に当該物品の登録位置情報が含まれない場合に、当該物品の位置が予め登録されていないと判定してもよい。また、制御部14は、記憶部15に格納された物品情報データベース(不図示)を参照して、当該物品の位置が予め登録されているか否かを判定してもよい。例えば、物品情報データベースには、物品に取り付けられたタグのタグIDと、物品の識別子(いわゆる、ID)と、物品の登録位置情報とが紐づけられて格納されている。制御部14は、物品情報データベース内に、タグID又は物品の識別子に紐づけられた登録位置情報が格納されているか否かを判定することにより、当該物品の位置が予め登録されているか否かを判定してもよい。制御部14は、物品の位置が予め登録されていないと判定した場合(S15でNo)、ステップS13の処理を行う。
【0057】
一方、自走式ロボット10の制御部14によって物品の位置が予め登録されていると判定された場合(S15でYes)、サーバ30の判定部33は、物品が予め登録された位置と異なる位置に存在するか否かを判定する(S16)。例えば、制御部14は、物品の位置が予め登録されていると判定された場合(S15でYes)、自走式ロボット10の本体の周囲で検知された物品の物品情報、及び、当該物品が検知された位置を示す位置情報(検知位置情報ともいう)をサーバ30に送信する。サーバ30の制御部32は、通信部31を介して物品情報及び検知位置情報を取得すると、取得した情報を判定部33に送信する。判定部33は、取得した情報に基づいて、物品が予め登録された位置と異なる位置に存在するか否かを判定する。制御部32は、判定部33によって物品が予め登録された位置と異なる位置に存在しない、つまり、物品が予め登録された位置に存在すると判定された場合(S16でNo)、通信部31を介して自走式ロボット10にステップS13の処理を行う指示を送信する。そして、自走式ロボット10の制御部14は、サーバ30から送信された指示に従ってステップS13の処理を行う。
【0058】
一方、サーバ30の制御部32は、判定部33によって物品が予め登録された位置と異なる位置に存在すると判定された場合(S16でYes)、通知情報生成部34に通知情報を生成させる。通知情報生成部34は、例えば、判定の内容、物品の名称、及び、物品が検知された位置(検知位置)の少なくともいずれかを含む通知情報を生成する。さらに、通知情報生成部34は、履歴情報データベース35bに基づいて(より詳細には、履歴情報データベース35bに格納されている過去の履歴情報に基づいて)、物品が所定期間(例えば、1週間、又は、1か月などユーザに指定された期間)に検知された回数及び位置を含む通知情報を生成してもよい。通知情報生成部34によって通知情報が生成されると、サーバ30の制御部32は、通知情報生成部34によって生成された通知情報をユーザに提示する指示を、通信部31を介して携帯端末20に送信する。携帯端末20は、取得した指示に従って、提示部25に通知情報を提示し、ユーザに通知情報を提示する(S17)。
【0059】
続いて、自走式ロボット10の制御部14は、走行終了命令を取得したか否かを判定し(ステップS13)、走行終了命令を取得したと判定された場合(S13でYes)、充電器などの所定の位置(不図示)まで自走式ロボット10を移動させて走行を終了する(S18)。一方、制御部14は、走行終了命令を取得していないと判定された場合(S13でNo)、ステップS14の処理を行う。
【0060】
以下、ステップS17でユーザに提示される通知情報の一例について、
図4を参照しながら説明する。
図4は、通知情報の一例である通知情報P1を示す図である。
図4に示されるように、例えば、携帯端末20は、提示部25として、表示部25a(例えば、ディスプレイ)及び音声出力部25b(例えば、スピーカ)を備えており、入力受付部24として、タッチパネル24a、マイクロフォン24b、及び、カメラ24cとを備えている。
【0061】
通知情報P1は、画像情報のみで構成されている。通知情報P1には、例えば、所定の空間の地図と、自走式ロボット10が検知した物品と、地図上での自走式ロボット10の現在位置、登録位置2と異なる位置に存在すると判定された物品1の検知位置、及び、物品1の登録位置2が含まれている。通知情報P1では、例えば、検知された物品1及び物品1の登録位置2を示すマークが点滅表示されてもよく、当該マークが赤色などの色が付された状態で表示されてもよい。さらに、通知情報P1には、文字情報が表示されてもよい。例えば、通知情報P1では、物品1のマークの下側に物品1の名称が表示されてもよいし、さらに、判定の内容を示すメッセージが表示されてもよい。また、例えば、通知情報P1では、物品1のマークは物品の種類を示すイラストであってもよい。例えば、物品1が腕時計である場合、物品1のマークは時計のイラストであってもよい。これにより、ユーザは一目で物品1を認識することができる。
【0062】
なお、図示していないが、通知情報P1は、検知された物品1の名称と、物品1が検知された位置(検知位置)と、物品1の登録位置2との関係性を示す表であってもよい。この場合、例えば、ステップS13~ステップS17の処理が繰り返される度に、上記関係性が表に追加されてもよい。
【0063】
なお、通知情報P1は、画像情報であるが、例えば、音響情報を含んでもよい。音響情報は、例えば、ピピッなどの音、メロディ、又は、音声メッセージであってもよい。
【0064】
続いて、ステップS17でユーザに提示される通知情報の他の例について説明する。
図5は、通知情報の他の例である通知情報P2を示す図である。通知情報P2は、画像情報及び音響情報で構成される点、及び、履歴情報データベース35bに基づく情報を含む点で、通知情報P1と異なる。以下、通知情報P1と異なる点を中心に説明する。
【0065】
通知情報P2は、画像情報として、通知情報P1の内容に加え、物品1が検知された位置を通知するメッセージP21aと、自走式ロボット10の制御情報を通知するメッセージP22と、履歴情報データベース35bに基づく情報P23(例えば、物品1が所定期間に検知された回数)とを含む。また、通知情報P2は、音響情報として、物品1が検知された位置を通知する音声メッセージP21bを含んでもよい。
【0066】
なお、図示していないが、ステップS17の後に、携帯端末20の入力受付部24によってユーザの指示入力を受け付けられると、自走式ロボット10の制御部14は、当該指示に従って、自走式ロボット10の動作を制御してもよい。
図6及び
図7を参照しながら、ユーザの指示入力の一例と、当該指示に従って自走式ロボット10の動作が制御された場合の通知情報の一例について説明する。
図6は、ユーザによる指示の入力の一例を示す図である。
図7は、制御結果を通知する通知情報の一例を示す図である。
【0067】
例えば、
図6に示されるように、表示部25aに通知情報P1が表示されると、ユーザは、通知情報P1に含まれる物品1を指でタッチして物品1の登録位置2に向かってドラッグする。このとき、タッチパネル24aは、ユーザによる物品1の選択指示の入力と、選択された物品1を登録位置2に移動させる指示の入力とを受け付ける。
【0068】
通知情報生成部34は、入力受付部24によって受け付けられた入力指示に基づいて自走式ロボット10の動作が制御された場合に、ユーザに制御結果を通知する通知情報P3を生成してもよい。例えば、
図7に示されるように、通知情報P3には、制御結果として自走式ロボット10が物品1を登録位置2又はその周辺に移動させたことを示す画像情報と、指示に従って動作したことを通知するメッセージP31とが含まれてもよい。
【0069】
[第2の例]
図8は、実施の形態1に係る自走式ロボットシステム100の動作の第2の例を示すフローチャートである。第1の例では、検知された物品が予め登録された位置と異なる位置に存在すると判定された場合に、都度、ユーザに通知情報を提示するが、第2の例では、自走式ロボット10が走行終了命令を取得した後に、まとめてユーザに通知情報を提示する点で第1の例と異なる。
図8のステップS11~ステップS16は、
図7のステップS11~ステップS16と同様の処理を示すため、ここでの説明を省略する。以下、ステップS16後の処理(ステップS21~ステップS23)について説明する。
【0070】
サーバ30の制御部32は、判定部33によって物品が予め登録された位置と異なる位置に存在すると判定された場合(S16でYes)、当該物品の物品情報と、当該物品が検知された位置(つまり、当該物品の検知位置)及び日時とを紐づけて履歴情報データベース35bに格納する(S21)。
【0071】
続いて、自走式ロボット10の制御部14は、走行終了命令を取得したか否かを判定し(ステップS13)、走行終了命令を取得したと判定された場合(S13でYes)、充電器などの所定の位置(不図示)まで自走式ロボット10を移動させて走行を終了する(S18)。一方、制御部14は、走行終了命令を取得していないと判定された場合(S13でNo)、ステップS14の処理を行う。
【0072】
自走式ロボット10が走行を終了すると(S18)、サーバ30の制御部32は、通知情報生成部34に通知情報を生成させる(S22)。通知情報生成部34は、履歴情報データベース35bを参照し、自走式ロボット10の走行中(ステップS12~ステップS18)に検知され、かつ、登録位置と異なる位置に存在すると判定された全ての物品について、判定の内容、物品の名称、及び、当該物品が検知された位置(検知位置)の少なくともいずれかを含む通知情報を生成する。さらに、通知情報生成部34は、履歴情報データベース35bに基づいて(より詳細には、履歴情報データベース35bに格納されている過去の履歴情報に基づいて)、当該物品が所定期間(例えば、1週間、又は、1か月などユーザに指定された期間)に検知された回数及び位置を含む通知情報を生成してもよい。通知情報生成部34によって通知情報が生成されると、サーバ30の制御部32は、通知情報生成部34によって生成された通知情報をユーザに提示する指示を、通信部31を介して携帯端末20に送信する。携帯端末20は、取得した指示に従って、提示部25に通知情報を提示し、ユーザに通知情報を提示する(S23)。
【0073】
なお、
図8に示されていないが、ステップS16とステップS21との間に、以下の処理が行われてもよい。例えば、サーバ30の制御部32は、物品が予め登録された位置と異なる位置に存在すると判定された場合に(S16でYes)、制御情報データベース35aに格納された制御情報に基づいて、自走式ロボット10の動作を制御する指示を自走式ロボット10に送信してもよい。自走式ロボット10の制御部14は、サーバ30から送信された指示を取得すると、当該指示に従って、自走式ロボット10の動作を制御する。
【0074】
以下、ステップS23でユーザに提示される通知情報の一例について、
図9を参照しながら説明する。
図9は、通知情報の一例である通知情報P4を示す図である。
【0075】
通知情報P4は、画像情報のみで構成されている。通知情報P4には、例えば、所定の空間の地図と、自走式ロボット10が検知した物品と、登録位置と異なる位置に存在すると判定された物品の検知位置、及び、当該物品の登録位置が含まれている。
図9では、物品1と物品1の登録位置2とが対応しており、物品1aと物品1aの登録位置2aとが対応しており、物品1bと物品1bの登録位置2bとが対応しており、物品1cと物品1cの登録位置2cとが対応している。通知情報P4では、例えば、登録位置と異なる位置で検知された物品のそれぞれについて、物品と当該物品の登録位置とが対応して示されるように、同じ色で表示されてもよく、順次点滅表示されてもよい。さらに、通知情報P4には、文字情報が表示されてもよい。例えば、通知情報P4では、物品1、1a、1b、1cのそれぞれのマークの下側に各物品の名称が表示されてもよいし、さらに、判定の内容を示すメッセージが表示されてもよい。
【0076】
なお、
図9に示されるように、ユーザが通知情報P4を指でタップすると、通知情報P4の表示態様が変更されてもよい。表示態様は、例えば、地図上に物品の位置などが視覚的に示される態様であってもよく、表形式で表示される態様であってもよい。
図10は、通知情報の他の例である通知情報P5を示す図である。
【0077】
図10に示されるように、通知情報P5は、物品の名称と、当該物品が検知された位置(検知位置)と、当該物品の登録位置2との関係性と、当該物品が所定期間に検知された回数とを対応付けた表であってもよい。
【0078】
なお、通知情報P4、P5は、画像情報である例を示したが、音響情報を含んでもよい。音響情報は、例えば、検知結果を読み上げる音声メッセージであってもよい。
【0079】
[効果等]
以上説明したように、実施の形態1に係る自走式ロボットシステム100は、所定の空間を自律的に走行する自走式ロボット10を備える自走式ロボットシステムであって、自走式ロボット10の本体の周囲で検知された物品の識別子と位置とを示す物品情報を取得する物品情報取得部11と、所定の空間の地図を示す地図情報を取得する地図情報取得部12と、地図上での本体の現在位置を示す自己位置を算出する自己位置算出部13と、物品情報及び自己位置に基づいて、物品が予め登録された位置と異なる位置に存在するか否かを判定する判定部33と、物品が予め登録された位置と異なる位置に存在すると判定された場合に、ユーザに通知情報を提示する提示部25と、を備える。
【0080】
これにより、自走式ロボットシステム100は、物品が予め登録された位置と異なる位置に存在することをユーザに知らせることで、ユーザによる物品の置き忘れ及び紛失を低減することができる。
【0081】
例えば、実施の形態1に係る自走式ロボットシステム100では、通知情報は、画像情報及び音響情報の少なくともいずれかである。
【0082】
これにより、自走式ロボットシステム100は、ユーザへ効果的に通知情報を提示することができる。
【0083】
例えば、実施の形態1に係る自走式ロボットシステム100は、さらに、物品情報と、自走式ロボット10の制御情報とが紐づけられて格納された制御情報データベース35aと、自走式ロボット10の動作を制御する制御部14と、を備え、制御部14は、物品が予め登録された位置と異なる位置に存在すると判定された場合に、制御情報データベース35aに格納された制御情報に基づいて、自走式ロボット10の動作を制御する。
【0084】
これにより、自走式ロボットシステム100は、物品毎に予め登録された制御情報に基づいて自走式ロボット10の動作を制御することができるため、物品毎にユーザの要望に沿った対処を行うことができる。
【0085】
例えば、実施の形態1に係る自走式ロボットシステム100では、制御部14は、制御情報に基づいて、物品を予め登録された位置又は当該位置の周辺へ移動させるように自走式ロボット10の動作を制御する。
【0086】
これにより、自走式ロボットシステム100は、物品が予め登録された位置又は当該位置の周辺に移動されるため、ユーザが物品を探す必要がなくなる。そのため、自走式ロボットシステム100によれば、ユーザの手間が少なくなるため、利便性が向上する。
【0087】
例えば、実施の形態1に係る自走式ロボットシステム100は、さらに、通知情報を生成する通知情報生成部34を備え、通知情報生成部34は、物品が予め登録された位置と異なる位置に存在すると判定された場合、当該判定の内容、物品の名称、及び、物品が検知された位置の少なくともいずれかを含む通知情報を生成し、提示部25は、通知情報生成部34により生成された通知情報をユーザに提示する。
【0088】
これにより、自走式ロボットシステム100は、予め登録された位置と異なる位置で検知された物品があることをユーザに通知することができる。
【0089】
例えば、実施の形態1に係る自走式ロボットシステム100は、さらに、予め登録された位置と異なる位置に存在すると判定された物品の物品情報と、物品が検知された位置及び日時とが紐づけられて格納された履歴情報データベース35bを備え、通知情報生成部34は、さらに、履歴情報データベース35bに基づいて、物品が所定期間に検知された回数及び位置を含む通知情報を生成する。
【0090】
これにより、自走式ロボットシステム100は、予め登録された位置と異なる位置で検知された物品が置き忘れ又は紛失されやすい物品であるか否か、及び、何処に置き忘れていることが多いかなどの傾向を、ユーザへ通知することができる。
【0091】
例えば、実施の形態1に係る自走式ロボットシステム100では、自走式ロボット10は、掃除機能を備える自走式掃除機である。
【0092】
これにより、自走式ロボットシステム100は、自走式ロボット10が所定の空間を掃除する際に、当該ロボットが移動可能な範囲(例えば、ベッドの下などの狭いスペースまで)を隅々まで動き回るため、物品情報を取得しやすくなる。また、自走式ロボットシステム100は、自走式ロボット10が所定の空間を掃除しながら物品情報を取得することができるため、効率が良い。
【0093】
また、実施の形態1に係る物品管理方法は、所定の空間を自律的に走行する自走式ロボット10の本体の周囲で検知された物品の識別子と位置とを示す物品情報を取得する物品情報取得ステップと、所定の空間の地図を示す地図情報を取得する地図情報取得ステップと、地図上での本体の現在位置を示す自己位置を算出する自己位置算出ステップと、物品情報及び自己位置に基づいて、物品が予め登録された位置と異なる位置に存在するか否かを判定する判定ステップと、物品が予め登録された位置と異なる位置に存在すると判定された場合に、ユーザに通知情報を提示する提示ステップと、を含む。
【0094】
これにより、物品管理方法は、物品が予め登録された位置と異なる位置に存在することをユーザに知らせることで、ユーザによる物品の置き忘れ及び紛失を低減することができる。
【0095】
(実施の形態2)
続いて、実施の形態2に係る自走式ロボットシステムについて説明する。
図11は、実施の形態2に係る自走式ロボットシステム100aの構成の一例を示すブロック図である。
【0096】
実施の形態1では、自走式ロボットシステム100は、自走式ロボット10によって取得された物品情報に基づいてサーバ30によって物品が登録位置と異なる位置に存在するか否かの判定などが行われる例を説明した。実施の形態2では、自走式ロボットシステム100aは、自走式ロボット10aが実施の形態1におけるサーバ30の機能を有し、上記の判定、及び、通知情報の生成などを行う点で、実施の形態1と異なる。以下、実施の形態1と異なる点を中心に説明し、重複する内容については説明を省略又は簡略化する。
【0097】
[構成]
まず、自走式ロボットシステム100aの構成について
図11を参照しながら説明する。自走式ロボットシステム100aは、例えば、自走式ロボット10aと、携帯端末20とを備える。自走式ロボット10aは、実施の形態1におけるサーバ30が備える機能を有する。例えば、自走式ロボット10aは、自走式ロボット10が備える構成に加えて、判定部133と、通知情報生成部134と、記憶部15aに格納された制御情報データベース135a及び履歴情報データベース135bとを備える。
【0098】
通信部16は、自走式ロボット10aが携帯端末20と通信を行うための通信回路(通信モジュール)である。通信部16は、広域通信ネットワークを介して通信を行うための通信回路(通信モジュール)と、局所通信ネットワークを介して通信を行うための通信回路(通信モジュール)とを備えてもよい。通信部16は、例えば、無線通信を行う無線通信回路である。なお、通信部16が行う通信の通信規格については特に限定されない。
【0099】
判定部133、通知情報生成部134、制御情報データベース135a及び履歴情報データベース135bは、それぞれ、
図2に示される判定部33、通知情報生成部34、制御情報データベース35a及び履歴情報データベース35bに対応する。
【0100】
[動作]
続いて、実施の形態2に係る自走式ロボットシステム100aの動作について実施の形態1と異なる点について説明する。
【0101】
[第1の例]
図3を再び参照しながら、実施の形態2に係る自走式ロボットシステム100aの動作の第1の例について説明する。実施の形態2では、ステップS13~ステップS17の処理において、サーバ30が行った処理を自走式ロボット10aが行う。以下、実施の形態1と異なる点について説明する。
【0102】
例えば、ステップS15で自走式ロボット10aの制御部14によって物品の位置が予め登録されていると判定された場合(S15でYes)、自走式ロボット10aの判定部133は、物品が予め登録された位置と異なる位置に存在するか否かを判定する(S16)。判定部133によって物品が予め登録された位置と異なる位置に存在しない、つまり、物品が予め登録された位置に存在すると判定された場合(S16でNo)、制御部14は、ステップS13の処理を行う。一方、判定部133によって物品が予め登録された位置と異なる位置に存在すると判定された場合(S16でYes)、制御部14は、通知情報生成部134に通知情報を生成させる。通知情報生成部134によって通知情報が生成されると、制御部14は、通知情報生成部134によって生成された通知情報をユーザに提示する指示を、通信部16を介して携帯端末20に送信する。携帯端末20は、取得した指示に従って、提示部25に通知情報を提示し、ユーザに通知情報を提示する(S17)。
【0103】
[第2の例]
続いて、
図8を再び参照しながら、実施の形態2に係る自走式ロボットシステム100aの動作の第2の例について、実施の形態1と異なる点について説明する。
【0104】
自走式ロボット10aの制御部14は、判定部133によって物品が予め登録された位置と異なる位置に存在すると判定された場合(S16でYes)、当該物品の物品情報と、当該物品が検知された位置(つまり、当該物品の検知位置)及び日時とを紐づけて履歴情報データベース135bに格納する(S21)。
【0105】
自走式ロボット10aが走行を終了すると(S18)、制御部14は、通知情報生成部134に通知情報を生成させる(S22)。通知情報生成部134は、履歴情報データベース135bを参照し、自走式ロボット10aの走行中(ステップS12~ステップS18)に検知され、かつ、登録位置と異なる位置に存在すると判定された全ての物品について、判定の内容、物品の名称、及び、当該物品が検知された位置(検知位置)の少なくともいずれかを含む通知情報を生成する。さらに、通知情報生成部134は、履歴情報データベース135bに基づいて(より詳細には、履歴情報データベース135bに格納されている過去の履歴情報に基づいて)、当該物品が所定期間(例えば、1週間、又は、1か月などユーザに指定された期間)に検知された回数及び位置を含む通知情報を生成してもよい。通知情報生成部134によって通知情報が生成されると、制御部14は、通知情報生成部134によって生成された通知情報をユーザに提示する指示を、通信部16を介して携帯端末20に送信する。携帯端末20は、取得した指示に従って、提示部25に通知情報を提示し、ユーザに通知情報を提示する(S23)。
【0106】
なお、
図8に示されていないが、ステップS16とステップS21との間に、以下の処理が行われてもよい。例えば、制御部14は、物品が予め登録された位置と異なる位置に存在すると判定された場合に(S16でYes)、制御情報データベース135aに格納された制御情報に基づいて、当該物品を予め登録された位置又は当該位置の周辺へ移動させるように自走式ロボット10aの動作を制御してもよい。
【0107】
[効果等]
以上説明したように、実施の形態2に係る自走式ロボットシステム100aでは、自走式ロボット10aが実施の形態1におけるサーバ30が備える構成を備えるため、自走式ロボット10aがサーバ30と通信をする必要がなくなる。そのため、自走式ロボットシステム100aは、例えば、通信遅延などの影響を受けにくくなる。
【0108】
(他の実施の形態)
以上、本開示の1つ又は複数の態様に係る自走式ロボットシステム及び物品管理方法について、上記の実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構成される形態も、本開示の1つ又は複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0109】
例えば、実施の形態1において、自走式ロボット10は提示部を備えてもよい。この場合、提示部は、スピーカ及びランプの少なくともいずれかであってもよい。例えば、提示部がスピーカである場合、制御部14はスピーカに音声を出力させて通知情報をユーザに提示してもよい。また、例えば、提示部がランプである場合、制御部14はランプを点灯させて登録位置と異なる位置で物品を検知したことをユーザへ通知してもよい。これにより、例えばユーザが携帯端末20を所持していない場合でも、登録位置と異なる位置で物品を検知したことをユーザへ通知することができる。
【0110】
また、例えば、実施の形態1において、自走式ロボット10は、サーバ30が備える機能を有してもよい。これにより、例えば、通信状態に応じて自走式ロボット10及びサーバ30のいずれかで判定処理などが行われるため、滞りなくユーザへ通知することができる。
【0111】
また、上記実施の形態に係る自走式ロボットシステム及び物品管理方等に含まれるそれぞれの処理部は、典型的に集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
【0112】
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0113】
なお、上記実施の形態において、それぞれの構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、それぞれの構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。それぞれの構成要素は、CPU又はプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリ等の記憶媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0114】
また、上記で用いた数字は、全て本開示を具体的に説明するために例示するものであり、本開示の実施の形態は例示された数字に制限されない。
【0115】
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
【0116】
また、フローチャートにおけるそれぞれのステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本開示は、自走式ロボットを備える自走式ロボットシステムに広く利用可能である。
【符号の説明】
【0118】
1、1a、1b、1c 物品
2、2a、2b、2c 登録位置
10、10a 自走式ロボット
11 物品情報取得部
12 地図情報取得部
13 自己位置算出部
14 制御部
15、15a 記憶部
16 通信部
17 入力受付部
18 センサ部
19 走行部
20 携帯端末
21 通信部
22 制御部
23 記憶部
24 入力受付部
24a タッチパネル
24b マイクロフォン
24c カメラ
25 提示部
25a 表示部
25b 音声出力部
30 サーバ
31 通信部
32 制御部
33 判定部
34 通知情報生成部
35 記憶部
35a 制御情報データベース
35b 履歴情報データベース
133 判定部
134 通知情報生成部
135a 制御情報データベース
135b 履歴情報データベース