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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145823
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】入力装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/03 20060101AFI20231004BHJP
   G06F 3/0338 20130101ALI20231004BHJP
   G06F 3/0362 20130101ALI20231004BHJP
【FI】
G06F3/03 400F
G06F3/0338 411
G06F3/0362 461
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022052681
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】591036457
【氏名又は名称】三菱電機エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武村 勇
(72)【発明者】
【氏名】青木 良太
(72)【発明者】
【氏名】坂本 龍磨
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 真輔
(72)【発明者】
【氏名】田中 宏男
【テーマコード(参考)】
5B087
【Fターム(参考)】
5B087AB05
5B087BC13
(57)【要約】
【課題】タッチパネル式ディスプレイの裏面に、操作ノブの横スライド構造を設けない入力装置を提供する。
【解決手段】入力装置は、タッチパネル式ディスプレイ11の前面11a上に配置される操作ノブ21と、タッチパネル式ディスプレイ11の縦方向一端に設けられる意匠部材12と、意匠部材12内に設けられ、操作ノブ21をタッチパネル式ディスプレイ11の横方向にスライド移動可能に支持する横スライドレール13とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネル式ディスプレイの前面上に配置される操作ノブと、
前記タッチパネル式ディスプレイの縦方向一端に設けられる意匠部材と、
前記意匠部材内に設けられ、前記操作ノブを前記タッチパネル式ディスプレイの横方向にスライド移動可能に支持する横スライドレールとを備える
ことを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記操作ノブは、
前記タッチパネル式ディスプレイの前面との間に隙間を有して配置される操作部材と、
前記横スライドレールにスライド移動可能に支持される横スライド部材と、
前記横スライド部材に固定される固定部材と、
前記固定部材に対して縦方向に移動可能に支持される縦可動部材と、
前記操作部材と接続し、前記縦可動部材に対して横方向に移動可能に支持される横可動部材と、
前記縦可動部材と前記横可動部材とを保持する押さえ部材と、
前記縦可動部材に設けられ、前記横可動部材を前記操作ノブのセンタ位置に向けて付勢する第1付勢部材と、
前記固定部材に設けられ、前記縦可動部材を前記操作ノブのセンタ位置に向けて付勢する第2付勢部材とを備える
ことを特徴とする請求項1記載の入力装置。
【請求項3】
前記縦可動部材は、前記横可動部材と共に縦方向に移動する
ことを特徴とする請求項2記載の入力装置。
【請求項4】
前記第1付勢部材は、
基端が前記縦可動部材に支持され、先端が前記横可動部材に対して横方向両側から当接する板ばねである
ことを特徴とする請求項2記載の入力装置。
【請求項5】
前記第2付勢部材は、
基端が前記固定部材に支持され、先端が前記縦可動部材に対して縦方向両側から当接する板ばねである
ことを特徴とする請求項2記載の入力装置。
【請求項6】
前記操作ノブは、
前記タッチパネル式ディスプレイの前面との間に隙間を有して配置される操作部材と、
前記横スライドレールにスライド移動可能に支持される横スライド部材と、
前記操作部材に固定される縦可動部材と、
前記横スライド部材に固定される支持部材と、
前記縦可動部材を縦方向に移動可能に支持し、前記支持部材に対して横方向に支持される横可動部材と、
前記縦可動部材、前記横可動部材、及び、前記支持部材の周囲に設けられ、前記縦可動部材、前記横可動部材、及び、前記支持部材をそれらの内側に向けて付勢する付勢部材とを備える
ことを特徴とする請求項1記載の入力装置。
【請求項7】
前記横可動部材は、前記縦可動部材と共に縦方向に移動する
ことを特徴とする請求項6記載の入力装置。
【請求項8】
前記付勢部材は、環状の弾性ゴムである
ことを特徴とする請求項6記載の入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、ナビゲーション装置、オーディオ装置、及び、センターディスプレイ等の車載機器が搭載されている。この車載機器の入力装置には、運転時における乗員の視線移動の軽減等を目的として、操作用のノブ(以下、操作ノブと称す)が採用されることが多くある。このような、従来の入力装置は、例えば、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6921237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される入力装置においては、操作ノブが、静電容量式のタッチパネルが一体化されたディスプレイ(以下、「タッチパネル式ディスプレイ」と称す)の前面上を横方向にスライド移動可能に支持されている。この操作ノブは、意匠部材における湾曲した縁部に沿って移動する必要があるため、振り子型の横スライド構造を用いて支持されている。
【0005】
しかしながら、上記横スライド構造は、タッチパネル式ディスプレイの裏面に設けられているため、入力装置の厚さを増大させてしまう。この結果、特許文献1に開示される入力装置においては、その設置位置に制約が生じてしまう。
【0006】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、タッチパネル式ディスプレイの裏面に、操作ノブの横スライドを設けない入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る入力装置は、タッチパネル式ディスプレイの前面上に配置される操作ノブと、タッチパネル式ディスプレイの縦方向一端に設けられる意匠部材と、意匠部材内に設けられ、操作ノブをタッチパネル式ディスプレイの横方向にスライド移動可能に支持する横スライドレールとを備えるものである。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、入力装置は、タッチパネル式ディスプレイの裏面に、操作ノブの横スライド構造を設けない。この結果、入力装置は、その設置位置の自由度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る入力装置の斜視図である。
図2】実施の形態1に係る入力装置の構成を示す図である。図2Aは、入力装置の正面図である。図2Bは、入力装置の側面図である。
図3】実施の形態1に係る操作ノブの正面図である。
図4】実施の形態1に係る操作ノブの斜視図である。
図5】実施の形態1に係る操作ノブの分解斜視図である。
図6図6Aは、操作ノブがセンタ位置に配置されたときの斜視図である。図6Bは、図6Aの要部拡大図である
図7図7Aは、操作ノブがセンタ位置から縦方向に向けて小さく移動したときの図である。図7Bは、図7Aの要部拡大図である。
図8図8Aは、操作ノブがセンタ位置から横方向に向けて小さく移動したときの図である。図8Bは、図8Aの要部拡大図である。
図9】実施の形態2に係る操作ノブの斜視図である。
図10】実施の形態2に係る操作ノブの分解斜視図である。
図11図11Aは、操作ノブがセンタ位置に配置されたときの斜視図である。図11Bは、図11Aの要部拡大図である。
図12図12Aは、操作ノブがセンタ位置から縦方向に向けて小さく移動したときの図である。図12Bは、図12Aの要部拡大図である。
図13図13Aは、操作ノブがセンタ位置から横方向に向けて小さく移動したときの図である。図13Bは、図13Aの要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
実施の形態1.
実施の形態1に係る操作ノブ21について、図1から図8を用いて説明する。
【0012】
図1は、実施の形態1に係る入力装置の斜視図である。図2は、実施の形態1に係る入力装置の構成を示す図である。図3は、実施の形態1に係る操作ノブ21の正面図である。
【0013】
図1に示す実施の形態1に係る入力装置は、車両に搭載される車載機器の入力装置を想定している。その車載機器は、例えば、ナビゲーション装置、オーディオ装置、及び、センターディスプレイ等である。このような、入力装置は、車室内のダッシュボードにおける運転席と助手席との間に設けられている。このため、入力装置は、運転席の運転者及び助手席の乗員(以下、「ユーザ」と称す)からの操作入力を受け付け可能となっている。
【0014】
図1から図3に示すように、入力装置は、全体として縦方向に長い装置となっている。また、入力装置は、縦方向を上下方向に合わせて設置される。入力装置は、タッチパネル式ディスプレイ11、意匠部材12、横スライドレール13、及び、操作ノブ21を備えている。
【0015】
タッチパネル式ディスプレイ11は、矩形平板状に形成されている。タッチパネル式ディスプレイ11は、長辺を縦方向に合わせて配置されている。タッチパネル式ディスプレイ11は、静電容量式のタッチパネルとディスプレイとを重ね合わせることで一体化したものである。このタッチパネル式ディスプレイ11の外周部には、フレーム11bが設けられている。また、タッチパネル式ディスプレイ11の前面11aは、タッチ操作面を構成するものであって、ユーザからのタッチ操作を受け付け可能となっている。
【0016】
意匠部材12は、タッチパネル式ディスプレイ11における縦方向一端となる下部に取り付けられている。また、意匠部材12は、タッチパネル式ディスプレイ11よりも前側に配置されている。この意匠部材12は、入力装置の横方向に延びる部材である。当該意匠部材12の長さは、タッチパネル式ディスプレイ11の下辺の長さよりも長い長さとなっている。
【0017】
横スライドレール13は、入力装置の横方向(幅方向)に延びる部材である。横スライドレール13は、意匠部材12に取り付けられており、当該意匠部材12の裏面側に配置されている。このため、横スライドレール13は、意匠部材12によって前方から覆われており、当該意匠部材12の裏面側に隠れている。
【0018】
操作ノブ21は、ユーザの移動操作によって、タッチパネル式ディスプレイ11に対して、横スライド移動、又は、縦移動、或いは、横移動する。また、操作ノブ21は、ユーザの回転操作によって、回転する。更に、操作ノブ21は、ユーザの押し込み操作によって、タッチパネル式ディスプレイ11の前面11aに接触する。このような、操作ノブ21は、横スライドレール13に対して、横方向にスライド移動可能に支持されている。この操作ノブ21は、タッチパネル式ディスプレイ11の前面11aと重ならない位置まで、左右両側に退避することができる。
【0019】
次に、操作ノブ21の構成について、図4及び図5を用いて説明する。図4は、実施の形態1に係る操作ノブ21の斜視図である。図5は、実施の形態1に係る操作ノブ21の分解斜視図である。
【0020】
図4及び図5に示すように、操作ノブ21は、操作部材31、連結部材32、横可動部材33、縦可動部材34、固定部材35、板ばね(第1付勢部材)36a,36b、板ばね(第2付勢部材)37a,37b、押さえ部材38、及び、横スライド部材39を有している。
【0021】
操作部材31は、ユーザが操作ノブ21を操作する際に、当該ユーザが把持する部位である。この操作部材31は、支持部31a及び回転操作部31bを有している。支持部31aは、回転操作部31bを回転可能に支持している。この回転操作部31bは、環状に形成されている。
【0022】
連結部材32は、上述した操作部材31と、後述する横可動部材33とを連結するものである。操作部材31と連結部材32とは、長尺ねじ41、スリーブ42、及び、ナット43を用いて接続されている。また、連結部材32と横可動部材33とは、ねじ44を用いて互いに固定されている。
【0023】
長尺ねじ41は、操作部材31における支持部31aの上面側から挿入される。ナット43は、横可動部材33における下面側に配置されており、当該ナット43には、長尺ねじ41が締め付けられている。このとき、スリーブ42は、操作部材31の支持部31aと横可動部材33との間に挟み込まれている。このスリーブ42には、長尺ねじ41が貫通している。このため、操作部材31と横可動部材33との間には、スリーブ42の長さの分だけ、隙間が形成される。そして、その隙間内には、タッチパネル式ディスプレイ11の下部が挿入されている。従って、操作ノブ21は、操作部材31の回転操作部31bがタッチパネル式ディスプレイ11の前面11aに向けて押圧させることで、当該前面11aと接触し、押しボタンとして機能する。
【0024】
横可動部材33は、縦可動部材34に対して、横方向に移動可能に支持されている。この横可動部材33は、横摺動溝33aを有している(図5B参照)。横摺動溝33aは、横可動部材33の下面に形成されている。この横摺動溝33aは、横方向に延びている。
【0025】
縦可動部材34は、固定部材35に対して、縦方向に移動可能に支持されている。この縦可動部材34は、横ガイド部34a及び縦摺動部34bを有している。
【0026】
横ガイド部34aは、縦可動部材34の上面において、凸状に形成されている。この横ガイド部34aは、横方向に延びている。また、横ガイド部34aは、横可動部材33の横摺動溝33aと嵌合可能となっている。このため、横ガイド部34aは、横摺動溝33aを横方向に摺動可能に支持することができる。即ち、縦可動部材34は、横可動部材33を横方向に移動可能に支持している。
【0027】
板ばね36a,36bは、弾性変形可能な弾性部材である。板ばね36a,36bは、横可動部材33と縦可動部材34との間に設けられている。板ばね36a,36bの基端は、縦可動部材34に対して、ねじ45を用いて固定されている。このとき、板ばね36aの先端は、横可動部材33と当接して、当該横可動部材33を横方向の右側に向けて付勢している。また、板ばね36bの先端は、横可動部材33と当接して、当該横可動部材33を横方向の左側に向けて付勢している。従って、横可動部材33は、板ばね36a,36bの横方向両側からの付勢力によって、縦可動部材34における横方向のセンタ位置に配置される。
【0028】
縦摺動部34bは、縦可動部材34の下面において、凸状に形成されている。この縦摺動部34bは、縦方向に延びている。
【0029】
固定部材35は、横スライド部材39に対して、ねじ48を用いて固定されている。この固定部材35は、縦ガイド溝35aを有している。
【0030】
縦ガイド溝35aは、固定部材35の上面に形成されている。この縦ガイド溝35aは、縦方向に延びている。また、縦ガイド溝35aは、縦可動部材34の縦摺動部34bと嵌合可能となっている。このため、縦ガイド溝35aは、縦摺動部34bを縦方向に摺動可能に支持することができる。即ち、固定部材35は、縦可動部材34を縦方向に移動可能に支持している。
【0031】
板ばね37a,37bは、弾性変形可能な弾性部材である。板ばね37a,37bは、縦可動部材34と固定部材35との間に設けられている。板ばね37a,37bの基端は、固定部材35に対して、ねじ46を用いて固定されている。このとき、板ばね37aの先端は、縦可動部材34と当接して、当該縦可動部材34を縦方向の下側に向けて付勢している。また、板ばね37bの先端は、縦可動部材34と当接して、当該縦可動部材34を縦方向の上側に向けて付勢している。従って、縦可動部材34は、板ばね37a,37bの縦方向両側からの付勢力によって、固定部材35における縦方向のセンタ位置に配置される。
【0032】
押さえ部材38は、横可動部材33及び縦可動部材34を上方から押さえ付けて、保持するものである。この押さえ部材38は、横可動部材33の上面に接触し、固定部材35に対して、ねじ47を用いて固定されている。
【0033】
横スライド部材39は、横スライドレール13に対して、横方向にスライド移動可能に支持されている。
【0034】
次に、操作ノブ21の動作について、図6から図8を用いて説明する。図6は、操作ノブ21がセンタ位置に配置された状態を示す図である。図7は、操作ノブ21がセンタ位置から縦方向に向けて小さく移動した状態を示す図である。図8は、操作ノブ21がセンタ位置から横方向に向けて小さく移動した状態を示す図である。
【0035】
図6に示すように、ユーザが操作ノブ21を横方向及び縦方向に移動させない場合、横可動部材33及び縦可動部材34は、互いに操作ノブ21のセンタ位置に配置されている。具体的には、横可動部材33は、板ばね36a,36bの付勢力によって、センタ位置に位置決めされている。また、縦可動部材34は、板ばね37a,37bの付勢力によって、センタ位置に位置決めされている。
【0036】
なお、ユーザが操作ノブ21を横方向にスライド移動させる場合においても、横可動部材33及び縦可動部材34は、互いに操作ノブ21のセンタ位置に配置されている。ユーザが操作ノブ21を横方向にスライド移動させる場合、ユーザの操作ノブ21への操作力は、大きなものであり、ユーザが操作ノブ21を横方向及び縦方向に移動させる場合、ユーザの操作ノブ21への操作力は、小さいものとなっている。
【0037】
図7に示すように、ユーザが操作ノブ21に対して小さい操作力を縦方向(例えば、上方向)に与えた場合、縦可動部材34は、横可動部材33と一体となって、板ばね37aの付勢力に抗して、センタ位置から上方向に向けて移動する。即ち、縦可動部材34の縦摺動部34bが、固定部材35の縦ガイド溝35aに沿って上方向に向けて移動する。また、ユーザが上記小さい操作力を解除すると、縦可動部材34は、横可動部材33と一体となって、板ばね37aの付勢力によって、上方向からセンタ位置に戻る。即ち、縦可動部材34の縦摺動部34bが、固定部材35の縦ガイド溝35aに沿って上方向から移動し、センタ位置に戻る。
【0038】
図8に示すように、ユーザが操作ノブ21に対して小さい操作力を横方向(例えば、左方向)に与えた場合、横可動部材33は、縦可動部材34を移動させることなく、板ばね36aの付勢力に抗して、センタ位置から左方向に向けて移動する。即ち、横可動部材33の横摺動溝33aが、縦可動部材34の横ガイド部34aに沿って左方向に向けて移動する。また、ユーザが上記小さい操作力を解除すると、横可動部材33は、縦可動部材34を移動させることなく、板ばね36aの付勢力によって、左方向からセンタ位置に戻る。即ち、横可動部材33の横摺動溝33aが、縦可動部材34の横ガイド部34aに沿って左方向から移動し、センタ位置に戻る。
【0039】
以上、実施の形態1に係る入力装置は、タッチパネル式ディスプレイ11の前面11a上に配置される操作ノブ21と、タッチパネル式ディスプレイ11の縦方向一端に設けられる意匠部材12と、意匠部材12内に設けられ、操作ノブ21をタッチパネル式ディスプレイ11の横方向にスライド移動可能に支持する横スライドレール13とを備える。このため、入力装置は、タッチパネル式ディスプレイ11の裏面に、操作ノブ21の横スライド構造を設けない。この結果、入力装置は、その設置位置の自由度を向上させることができる。
【0040】
また、実施の形態1に係る操作ノブ21は、タッチパネル式ディスプレイ11の前面11aとの間に隙間を有して配置される操作部材31と、横スライドレール13にスライド移動可能に支持される横スライド部材39と、横スライド部材39に固定される固定部材35と、固定部材35に対して縦方向に移動可能に支持される縦可動部材34と、操作部材31と接続し、縦可動部材34に対して横方向に移動可能に支持される横可動部材33と、横可動部材33と縦可動部材34とを保持する押さえ部材38と、縦可動部材34に設けられ、横可動部材33を操作ノブ21のセンタ位置に向けて付勢する板ばね36a,36bと、固定部材35に設けられ、縦可動部材34を操作ノブ21のセンタ位置に向けて付勢する板ばね37a,37bとを備える。このため、入力装置は、操作ノブ21を縦方向及び横方向に小さく移動させることができる。この結果、入力装置は、操作ノブ21の操作性を向上させることができる。
【0041】
実施の形態2.
実施の形態2に係る操作ノブ22について、図9から図13を用いて説明する。実施の形態2に係る入力装置は、実施の形態1に係る入力装置の操作ノブ21に替えて、操作ノブ22を備えたものである。なお、上述した実施の形態1で説明した構成と同様の機能を有する構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0042】
操作ノブ22の構成について、図9及び図10を用いて説明する。図9は、実施の形態2に係る操作ノブ22の斜視図である。図10は、実施の形態2に係る操作ノブ22の分解斜視図である。
【0043】
図9及び図10に示すように、操作ノブ22は、操作部材31、連結部材32、横スライド部材39、カバー部材51、縦可動部材52、横可動部材53、支持部材54、固定部材55、及び、弾性ゴム(付勢部材)56を備えている。
【0044】
カバー部材51は、後述する、縦可動部材52、横可動部材53、支持部材54、及び、弾性ゴム56の周囲を覆い、保護するものである。このカバー部材51は、円形に形成されている。また、カバー部材51は、縦開口部51a及び横開口部51bを2つずつ有している。縦開口部51a及び横開口部51bは、カバー部材51における環状の側壁に開口しており、側壁の周方向において、略90度間隔で交互に配置されている。2つの縦開口部51aは、互いに対向しており、縦方向に開口している。2つの横開口部51bは、互いに開口しており、横方向に開口している。なお、図10においては、一方の縦開口部51a及び横開口部51bのみを図示している。
【0045】
縦可動部材52は、横可動部材53に対して、縦方向に移動可能に支持されている。縦可動部材52は、カバー部材51の天井面に取り付けられている。縦可動部材52は、カバー部材51の天井面に対して、ねじ61を用いて固定されている。ねじ61は、縦可動部材52、カバー部材51、及び、連結部材32を貫通し、当該連結部材32の外側で、ナット62に締結される。また、縦可動部材52は、縦摺動部52aを有している。この縦摺動部52aは、縦可動部材52に下面に凸状に設けられており、縦方向に延びている。
【0046】
横可動部材53は、支持部材54に対して、横方向に移動可能に支持されている。この横可動部材53は、略円形に形成されている。また、横可動部材53は、縦突出部53a、縦ガイド溝53b、横突出部53c、及び、横摺動溝53dを有している。
【0047】
縦突出部53aは、縦方向に延びており、横可動部材53の外周から突出している。この縦突出部53aは、カバー部材51の縦開口部51aを貫通し、当該縦開口部51aに摺動可能に支持されている。縦ガイド溝53bは、縦突出部53aの上面を形成する溝であって、縦方向に延びている。この縦ガイド溝53bは、縦可動部材52の縦摺動部52aと勘合し、当該縦摺動部52aを縦方向に摺動可能に支持している。
【0048】
横突出部53cは、横方向に延びており、横可動部材53の外周から突出している。この横突出部53cは、カバー部材51の横開口部51bを貫通し、当該横開口部51bに摺動可能に支持されている。横摺動溝53dは、横突出部53cの下面を形成する溝であって、横方向に延びている。
【0049】
即ち、縦ガイド溝53bは、横可動部材53の上面に形成される溝である。また、横摺動溝53dは、横可動部材53の下面に形成される溝である。このとき、縦突出部53aは、横突出部53cよりも高い位置に配置されている。
【0050】
支持部材54は、固定部材55に対して、ねじ63を用いて固定されている。ねじ63は、支持部材54を貫通し、固定部材55に締結される。また、支持部材54は、横ガイド部54aを有している。この横ガイド部54aは、支持部材54の上面に凸状に設けられており、横方向に延びている。横ガイド部54aは、横可動部材53の横摺動溝53dと嵌合可能となっている。このため、横ガイド部54aは、横摺動溝53dを横方向に摺動可能に支持することができる。
【0051】
固定部材55は、横スライド部材39に対して、ねじ64を用いて固定されている。
【0052】
弾性ゴム56は、弾性変形可能な弾性部材である。この弾性ゴム56は、環状に形成されている。また、弾性ゴム56の内径は、横可動部材53の外径以下の径寸法となっている。そして、弾性ゴム56は、横可動部材53の外周をその内側に向けて締め付けるように、当該外周に沿って設けられている。
【0053】
このとき、図11に示すように、弾性ゴム56は、横可動部材53の縦突出部53aの上側を通過し、縦可動部材52の縦摺動部52aの端面と接触している。また、弾性ゴム56は、横可動部材53の横突出部53cの下側を通過し、支持部材54の横ガイド部54aの端面と接触している。このため、縦可動部材52、横可動部材53、及び、支持部材54には、弾性ゴム56による径方向内側に向かう付勢力(弾性力)が作用している。
【0054】
次に、操作ノブ22の動作について、図11から図13を用いて説明する。図11は、操作ノブ22がセンタ位置に配置された状態を示す図である。図12は、操作ノブ22がセンタ位置から縦方向に向けて小さく移動した状態を示す図である。図13は、操作ノブ22がセンタ位置から横方向に向けて小さく移動した状態を示す図である。なお、図11から図13においては、カバー部材51が取り外された状態となっている。
【0055】
図11に示すように、ユーザが操作ノブ22を縦方向及び横方向に移動させない場合、縦可動部材52及び横可動部材53は、互いに操作ノブ22のセンタ位置に配置されている。具体的には、縦可動部材52及び横可動部材53は、弾性ゴム56の付勢力によって、センタ位置に位置決めされている。
【0056】
なお、ユーザが操作ノブ22を横方向にスライド移動させる場合においても、縦可動部材52及び横可動部材53は、互いに操作ノブ22のセンタ位置に配置されている。ユーザが操作ノブ22を横方向にスライド移動させる場合、ユーザの操作ノブ22への操作力は、大きなものであり、ユーザが操作ノブ22を縦方向及び横方向に移動させる場合、ユーザの操作ノブ22への操作力は、小さいものとなっている。
【0057】
図12に示すように、ユーザが操作ノブ22に対して小さい操作力を縦方向(例えば、上方向)に与えた場合、縦可動部材52は、横可動部材53を移動させることなく、弾性ゴム56の付勢力に抗して、センタ位置から上方向に向けて移動する。即ち、縦可動部材52の縦摺動部52aが、横可動部材53の縦ガイド溝53bに沿って上方向に向けて移動する。また、ユーザが上記小さい操作力を解除すると、縦可動部材52は、横可動部材53を移動させることなく、弾性ゴム56の付勢力によって、上方向からセンタ位置に戻る。即ち、縦可動部材52の縦摺動部52aが、横可動部材53の縦ガイド溝53bに沿って上方向から移動し、センタ位置に戻る。
【0058】
図13に示すように、ユーザが操作ノブ22に対して小さい操作力を横方向(例えば、左方向)に与えた場合、横可動部材53は、縦可動部材52と一体となって、弾性ゴム56の付勢力に抗して、センタ位置から左方向に向けて移動する。即ち、横可動部材53の横摺動溝53dが、支持部材54の横ガイド部54aに沿って左方向に向けて移動する。また、ユーザが上記小さい操作力を解除すると、横可動部材53は、縦可動部材52と一体となって、弾性ゴム56の付勢力によって、左方向からセンタ位置に戻る。即ち、横可動部材53の横摺動溝53dが、支持部材54の横ガイド部54aに沿って左方向から移動し、センタ位置に戻る。
【0059】
以上、実施の形態2に係る操作ノブ22は、タッチパネル式ディスプレイ11の前面11aとの間に隙間を有して配置される操作部材31と、横スライドレール13にスライド移動可能に支持される横スライド部材39と、操作部材31に固定される縦可動部材52と、横スライド部材39に固定される支持部材54と、縦可動部材52を縦方向に移動可能に支持し、支持部材54に対して横方向に支持される横可動部材53と、縦可動部材52、横可動部材53、及び、支持部材54の周囲に設けられ、当該縦可動部材52、横可動部材53、及び、支持部材54をそれらの内側に向けて付勢する弾性ゴム56とを備える。このため、入力装置は、操作ノブ22を縦方向及び横方向に小さく移動させることができる。この結果、入力装置は、操作ノブ22の操作性を向上させることができる。
【0060】
なお、本開示は、その開示の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、或いは、各実施の形態における任意の構成要素の変形、若しくは、各実施の形態における任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0061】
11 タッチパネル式ディスプレイ、11a 前面、11b フレーム、12 意匠部材、13 横スライドレール、21,22 操作ノブ、31 操作部材、31a 支持部、31b 回転操作部、32 連結部材、33 横可動部材、33a 横摺動溝、34 縦可動部材、34a 横ガイド部、34b 縦摺動部、35 固定部材、35a 縦ガイド溝、36a,36b,37a,37b 板ばね、38 押さえ部材、39 横スライド部材、41 長尺ねじ、42 スリーブ、43 ナット、44~48 ねじ、51 カバー部材、51a 縦開口部、51b 横開口部、52 縦可動部材、52a 縦摺動部、53 横可動部材、53a 縦突出部、53b 縦ガイド溝、53c 横突出部、53d 横摺動溝、54 支持部材、54a 横ガイド部、55 固定部材、56 弾性ゴム、61 ねじ、62 ナット、63,64 ねじ。
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図13