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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023014596
(43)【公開日】2023-01-31
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/46 20060101AFI20230124BHJP
   E05D 13/00 20060101ALI20230124BHJP
【FI】
E06B3/46
E05D13/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021118627
(22)【出願日】2021-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】大東 正樹
【テーマコード(参考)】
2E014
2E032
【Fターム(参考)】
2E014FA01
2E014FA04
2E032FC04
2E032FD01
(57)【要約】
【課題】障子の上框や下框の強度を向上させることができる建具を提供すること。
【解決手段】建具1は、上枠21を有する枠体2と、枠体2内に配置され、横方向に移動可能な障子3,4と、を備え、上枠21は、障子3,4側に突出する突出レール211,212を有し、障子3,4の上框61,71は、上枠21側に向けて開放すると共に突出レール211,212の少なくとも一部を収容して障子3,4の横方向への移動をガイドするレール収容ガイド部314,414を有し、レール収容ガイド部314,414は、突出レール211,212の室内側X2の面が接触可能な面接触部318e,418eを有する振れ止め部318,418を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方又は下方に配置される枠を有する枠体と、
前記枠体内に配置され、横方向に移動可能な障子と、を備え、
前記枠は、前記障子側に向けて突出する突出レールを有し、
前記障子に設けられる前記枠側の框は、前記枠側に向けて開放すると共に前記突出レールの少なくとも一部を収容して前記障子の横方向への移動をガイドするレール収容ガイド部を有し、
前記レール収容ガイド部は、前記突出レールの室内側の面が接触可能な面接触部を有する振れ止め部を備える建具。
【請求項2】
前記振れ止め部は、ブロック状に形成され、前記框に着脱可能に取り付けられる、請求項1に記載の建具。
【請求項3】
前記振れ止め部は、前記面接触部に対して前記枠側に離れて配置され前記障子の移動方向に延びると共に前記突出レールの室内側の面が接触可能な線接触部を有する、請求項1に記載の建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上枠を有する枠体と、枠体内に配置される障子と、を備える建具が知られている(例えば、特許文献1参照)。上枠には、下方に突出する下方突出レールが形成されている。障子の上端部には、上枠の下方突出レールを収容するレール収容ガイドが形成されている。上枠の下方突出レールが、障子のレール収容ガイドに収容されてガイドされることで、障子は、枠体内を見付方向の左右方向にスライド移動可能である。障子は、上框及び縦框を有する框体と、框体内に配置される面材と、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-109099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の障子の左右方向の両端部には、縦框の上部に、振れ止め部材が設けられており、縦框の上部に設けられた振れ止め部材は、上枠に設けられた下方突出レールをガイドする。しかし、特許文献1に記載の障子の左右方向の中間においては、上框には、上枠に設けられた下方突出レールの振れを防止する部材が設けられていない。そのため障子の室外側に風の圧力が掛かった場合に、障子の上框が圧力を受けることができず、障子が枠体から倒れて脱落する可能性がある。そのため、障子の上框の強度を向上させることが望まれている。また、同様に、障子の下框の強度を向上させることも望まれている。
【0005】
本開示は、障子の上框や下框の強度を向上させることができる建具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、上方又は下方に配置される枠を有する枠体と、前記枠体内に配置され、横方向に移動可能な障子と、を備え、前記枠は、前記障子側に向けて突出する突出レールを有し、前記障子に設けられる前記枠側の框は、前記枠側に向けて開放すると共に前記突出レールの少なくとも一部を収容して前記障子の横方向への移動をガイドするレール収容ガイド部を有し、前記レール収容ガイド部は、前記突出レールの室内側の面が接触可能な面接触部を有する振れ止め部を備える建具に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態の引き違い窓を室内側から見た正面図である。
図2図1中のA-A線に沿う縦断面図である。
図3図1中のB-B線に沿う横断面図である。
図4】振れ止め部材の位置を示す斜視図である。
図5図2の部分拡大図である。
図6図5に示す状態から、外障子及び内障子が室外側に移動して、室外側レール及び室内側レールが室内側レール受け部に当接した状態を示す図である。
図7】第2実施形態の引き違い窓を室内側から見た正面図である。
図8図7中のC-C線に沿う縦断面図である。
図9】振れ止め部材及び振れ止めブロックが配置される位置を示す図である。
図10図9に示す状態から、外障子及び内障子が室内側に移動して、室外側レール及び室内側レールが振れ止めブロックに当接した状態を示す図である。
図11】振れ止め部材が内障子の縦框の上部及び内召し合わせ框の上部に取り付けられた状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。第1実施形態の建具を構成する引き違い窓1について説明する。本明細書において、「見付方向」とは、建物の壁に形成された開口部に納められた引き違い窓1における面材35,45の面方向を意味し、「見込方向」とは、上記面材35,45の厚さ方向(即ち、奥行き方向)を意味する。「見込方向」は室内外方向でもある。「見付面」は、引き違い窓1における室外側及び室内側に面するそれぞれの面を意味し、「見込面」は、引き違い窓1において室内外方向に延びる面を意味する。図面において、引き違い窓1の室外側を室外側X1とし、引き違い窓1の室内側を室内側X2とする。
【0009】
引き違い窓1は、図1図3に示すように、図示しない建物躯体の開口部に取り付けられる枠体2と、枠体2の内側に、室外側X1に配置される外障子3と、室内側X2に配置される内障子4との2枚の障子、及び外障子3の室外側X1に配置される1枚の網戸51をそれぞれ納めることによって構成される。外障子3及び内障子4は、枠体2内を見付方向の左右方向(横方向)にスライド移動可能である。
【0010】
枠体2は、上枠21(枠)、下枠22及び左右一対の縦枠23,24を矩形に枠組みすることによって構成される。上枠21は、枠体2の上方に配置される。下枠22は、枠体2の下方に配置される。図2に示すように、上枠21には、室外側レール211(突出レール)及び室内側レール212(突出レール)が設けられる。上枠21は、室外側レール211の室外側に、網戸レール213を有する。室外側レール211は、上枠21の室外側に配置され、上枠21から外障子3側に向けて下方に突出する。室内側レール212は、上枠21の室内側に配置され、上枠21から内障子4側に向けて下方に突出する。
【0011】
下枠22には、室外側レール221及び室内側レール222が設けられる。下枠22は、室外側レール221の室外側X1に、網戸レール223を有する。
【0012】
網戸51は、上枠21及び下枠22の網戸レール213,223に左右方向に移動可能に係合している。
【0013】
枠体2の構成についてさらに詳述する。図2に示すように、上枠21は、枠体本体である金属枠体214の内側表面に、樹脂カバー材215,216を取り付けた複合構造を有する。そのため、断熱性及び防露性に優れる。
【0014】
樹脂カバー材215は、上枠21における室外側レール211と室内側レール212との間に配置される。樹脂カバー材216は、上枠21における室内側レール212の室内側X2の部分を含んで構成され、室内側レール212の室内側面から金属枠体214の内側表面にかけて設けられている。樹脂カバー材216は、金属枠体214の室内側端部214aよりも室内側X2に突出するアングル部2161を有する。樹脂カバー材215,216は、上枠21の延びる方向の全長に亘って設けられている。
【0015】
図2に示すように、下枠22は、枠体本体である金属枠体224の内側表面に、樹脂カバー材226,227を取り付けた複合構造を有する。そのため、断熱性及び防露性に優れる。金属枠体224は、室外側レール221と室内側レール222との間で、室外側金属枠体2241と室内側金属枠体2242とに分割されている。室外側金属枠体2241と室内側金属枠体2242は、樹脂連結材2243によって連結されている。
【0016】
樹脂カバー材226は、下枠22における室外側レール221と室内側レール222との間に配置される。詳しくは、樹脂カバー材226は、樹脂連結材2243よりも室外側X1の室外側金属枠体2241の内側表面に配置される。樹脂カバー材227は、下枠22における室内側レール222よりも室内側X2に配置される。樹脂カバー材226,227は、下枠22の延びる方向の全長に亘って設けられている。
【0017】
図3に示すように、外障子3の戸先側に配置される縦枠23は、枠体本体である金属枠体231の内側表面に、樹脂カバー材232を取り付けた複合構造を有する。そのため、断熱性及び防露性に優れる。樹脂カバー材232は、縦枠23の内側表面において、閉状態の外障子3よりも室内側X2に配置される。樹脂カバー材232は、金属枠体231の室内側端部231aよりも室内側X2に突出するアングル部2321を有する。樹脂カバー材232は、縦枠23の延びる方向の全長に亘って設けられている。
【0018】
図3に示すように、内障子4の戸先側に配置される縦枠24は、枠体本体である金属枠体241の内側表面に、樹脂カバー材242を取り付けた複合構造を有する。そのため、断熱性及び防露性に優れる。樹脂カバー材242は、縦枠24の内側表面において、閉状態の内障子4よりも室内側X2に配置される。樹脂カバー材242は、金属枠体241の室内側端部241aよりも室内側X2に突出するアングル部2421を有する。樹脂カバー材242は、縦枠24の延びる方向の全長に亘って設けられている。
【0019】
図1図3に示すように、外障子3は、上框31(框)、下框32、戸先側に配置される縦框33及び戸尻側に配置される縦框である外召し合わせ框34を矩形に框組した框体30の内側に、3枚のガラスからなる面材35が納められることによって構成される。外障子3は、上枠21及び下枠22の室外側レール211,221に左右方向に移動可能に係合している。外障子3の下框32には、下枠22の室外側レール221上を転動する戸車36が設けられる。上框31は、外障子3に設けられる上枠21側の框である。下框32は、内障子4に設けられる下枠22側の框である。
【0020】
内障子4は、上框41(框)、下框42、戸先側に配置される縦框43及び戸尻側に配置される内召し合わせ框44を矩形に框組した框体40の内側に、3枚のガラスからなる面材45が納められることによって構成される。内障子4は、上枠21及び下枠22の室内側レール212,222に左右方向に移動可能に係合している。内障子4の下框42には、下枠22の室内側レール222上を転動する戸車46が設けられる。上框41は、内障子4に設けられる上枠21側の框である。下框42は、内障子4に設けられる下枠22側の框である。
【0021】
図2及び図3に示すように、外障子3の上框31、下框32、縦框33及び外召し合わせ框34は、金属框材311,321,331,341の室内側X2に、樹脂框材312、322、332,342を取り付けた複合構造をそれぞれ有する。内障子4の上框41、下框42、縦框43及び内召し合わせ框44は、金属框材411,421,431,441の室内側X2に、樹脂框材412,422,432,442を取り付けた複合構造をそれぞれ有する。これによって、外障子3及び内障子4は、断熱性及び防露性に優れる。
【0022】
図4に示すように、外障子3の縦框33の上部、外障子3の外召し合わせ框34の上部、内障子4の縦框43の上部及び内召し合わせ框44の上部には、それぞれ、振れ止め部材52が配置される。
【0023】
図4に示すように、振れ止め部材52の左右方向の長さは、障子3の縦框33の上部、外障子3の外召し合わせ框34の上部、内障子4の縦框43の上部及び内召し合わせ框44の上部において、障子3の縦框33、外召し合わせ框34、内障子4の縦框43、内召し合わせ框44の左右方向の幅よりも短く形成される。
【0024】
振れ止め部材52は、図2に示すように、上方が開放して形成される断面視U字状に形成される。振れ止め部材52は、U字状の上端において下方側から上方側に向かうに従って見込方向の中央に向かって見込方向の間隔が狭くなるように傾斜する一対の傾斜面部521を有する。
【0025】
振れ止め部材52は、室外側レール211及び室内側レール212を収容してガイドすることで、外障子3及び内障子4の振れを抑制する。振れ止め部材52には、上方が開放された部分に、室外側レール211及び室内側レール212が配置されることで、外障子3及び内障子4が枠体2内を見付方向にスライド移動する際において、外障子3及び内障子4の室内外方向への振れが規制される。これにより、外障子3及び内障子4の両端部において、外障子3及び内障子4の枠体2に対するガタツキを抑制できる。
【0026】
次に、外障子3の上框31及び内障子4の上框41が、室外側レール211及び室内側レール212にガイドされる構成について説明する。図5に示すように、外障子3は、室外側レール211により、外障子3の上框31に形成される上部レールガイド314(レール収容ガイド)にガイドされて移動されることで、枠体2内を見付方向の左右方向に移動可能である。内障子4は、室内側レール212により、内障子4の上框41に形成される上部レールガイド414(レール収容ガイド)にガイドされて移動されることで、枠体2内を見付方向の左右方向に移動可能である。
【0027】
上框31,41は、図5に示すように、下部に形成される面材飲み込み部313,413と、上部に形成される上部レールガイド314,414と、を有する。面材飲み込み部313,413は、下方に開放する溝状に形成される。面材飲み込み部313,413には、面材35,45の上端部が配置される。
【0028】
上部レールガイド314,414は、上方に向けて開放する。上部レールガイド314,414には、外障子3の室外側レール211の下部側及び内障子4の室内側レール212の下部側が収容(配置)される。上部レールガイド314,414は、外障子3の室外側レール211の下部側及び内障子4の室内側レール212の下部側の少なくとも一部を収容して、外障子3,内障子4の左右方向(横方向)へのスライド移動をガイドする。
【0029】
上部レールガイド314,414は、図5に示すように、上框31,41の金属框材311,411において、上方の上枠21側に向けて開放して形成される。上部レールガイド314,414は、上方に向けて開放するU字状の開放枠315,415と、開放枠315,415の室外側X1の室外側縦板315a,415aの上端部の室内側X2の面に形成される気密材取付溝316,416と、開放枠315,415の室内側X2の上部に形成される室内側レール受け部318,418(振れ止め部)と、を有する。
【0030】
気密材取付溝316,416には、気密材317,417が設けられている。気密材317,417は、気密材取付溝316,416に配置される取付部317a,417aと、取付部317a,417aから室内側X2に突出する突出片317b,417bと、を有する。突出片317b,417bは、外障子3及び内障子4が室内側X2に移動した場合に、室外側レール211及び室内側レール212の室外側の面に当接する。これにより、突出片317b,417bは、室外側レール211及び室内側レール212に当接して気密を確保する。
【0031】
室内側レール受け部318,418は、開放枠315,415の室内側X2の室内側縦板315b,415bの上端部に形成され室外側X1に向けて開放する断面視コ字状のコ字状部分318a,418aと、コ字状部分318a,418aの下辺318b,418bの室外側X1の端部から下方に延びる上下方向延在直線状部分318d,418dと、から形成される。
【0032】
室内側レール受け部318,418は、上下方向延在直線状部分318d,418dの上端部に室外側X1を向いて形成される面接触部318e,418eと、コ字状部分318a,418aの上辺318c,418cの室外側X1の端部により形成される線接触部318f,418fと、を有する。面接触部318e,418e及び線接触部318f,418fは、上框31,41の金属框材311,411の一部として構成され、上框31,41の金属框材311,411に一体で形成される。
【0033】
面接触部318e,418eは、図5に示すように、左右方向に沿って見た場合に上下方向及び左右方向に延びる面状に形成される。面接触部318e,418eには、図6に示すように、外障子3及び内障子4が室外側X1に移動した場合に、室外側レール211の下部側の室内側X2の面及び室内側レール212の下部側の室内側X2の面に面接触する。
【0034】
線接触部318f,418fは、図5に示すように、外障子3及び内障子4の移動方向である左右方向に延びる線状に形成される。線接触部318f,418fは、面接触部318e,418eに対して上枠21側の上方に離れて配置される。線接触部318f,418fは、左右方向に沿って見た場合に点により形成され、面接触部318e,418eの面を上下側に延長して延びる鉛直面と同一平面上に配置される。線接触部318f,418fは、図6に示すように、外障子3及び内障子4が室外側X1に移動した場合に、室外側レール211の下部側の室内側の面及び室内側レール212の下部側の室内側X2の面が線接触可能である。
【0035】
以上のように構成される室内側レール受け部318,418は、面接触部318e,418eと線接触部318f,418fとを有することで、例えば風圧などで外障子3及び内障子4が室外側に移動した場合に、図6に示すように、室外側レール211及び室内側レール212は、面接触部318e,418eと線接触部318f,418fとに真直ぐに当たる。そのため、外障子3及び内障子4からの力をしっかりと受けることができる。これにより、外障子3及び内障子4の耐風圧を向上させることができる。
【0036】
第1実施形態によれば、以下の効果が奏される。本実施形態の引き違い窓1は、上枠21を有する枠体2と、枠体2内に配置され、左右方向に移動可能な外障子3及び内障子4と、を備え、上枠21は、下方(外障子3側及び内障子4側)に突出する室外側レール211及び室内側レール212を有し、外障子3及び内障子4の上框31,41は、上方(上枠21側)に向けて開放すると共に室外側レール211及び室内側レール212の少なくとも一部を収容して外障子3及び内障子4の左右方向への移動をガイドする上部レールガイド314,414を有し、上部レールガイド314,414は、室外側レール211及び室内側レール212の室内側X2の面が接触可能な面接触部318e,418eを有する振れ止め部318,418を備える。
【0037】
そのため、外障子3及び内障子4が室外側X1に移動した場合に、室外側レール211及び室内側レール212が面接触部318e,418eに面接触で当たることで、外障子3及び内障子4からの力をしっかりと受けることができる。これにより、外障子3及び内障子4の耐風圧を向上させることができる。
【0038】
また、本実施形態においては、室内側レール受け部318,418は、面接触部318e,418eに対して上枠21側に離れて配置され外障子3及び内障子4の移動方向に延びると共に室外側レール211及び室内側レール212の室内側X2の面が接触可能な線接触部318f,418fを有する。これにより、外障子3及び内障子4が室内側X2に移動した場合に、室外側レール211及び室内側レール212が面接触部318e,418eと線接触部318f,418fとに当たることで、外障子3及び内障子4からの力を一層しっかりと受けることができる。これにより、外障子3及び内障子4の耐風圧を一層向上させることができる。
【0039】
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態で説明しない点については、第1実施形態の説明を援用できる。第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同様の符号を付けて、その説明を省略する。
【0040】
第2実施形態の引き違い窓1Aは、図7に示すように、図示しない建物躯体の開口部に取り付けられる枠体2Aと、枠体2Aの内側に、室外側X1に配置される外障子6と、室内側X2に配置される内障子7と、を備える。
【0041】
図7に示すように、外障子6は、上框61(框)、下框62、戸先側に配置される縦框63及び戸尻側に配置される縦框である外召し合わせ框64を矩形に框組した框体60の内側に、2枚のガラスからなる面材65が納められることによって構成される。
【0042】
内障子7は、上框71(框)、下框72、戸先側に配置される縦框73及び戸尻側に配置される内召し合わせ框74を矩形に框組した框体70の内側に、2枚のガラスからなる面材75が納められることによって構成される。
【0043】
図8に示すように、外障子6の上框61は、金属框材611の室内側X2に、樹脂框材612を取り付けた複合構造を有する。内障子7の上框71は、金属框材711の室内側X2に、樹脂框材712を取り付けた複合構造を有する。これによって、外障子6及び内障子7は、断熱性及び防露性に優れる。
【0044】
上框61,71は、図8に示すように、下部に形成される面材飲み込み部613,713と、上部に形成される上部レールガイド614,714と、を有する。面材飲み込み部613,713は、下方に開放する溝状に形成される。面材飲み込み部613,713には、面材65,75の上端部が配置される。
【0045】
上部レールガイド614,714は、上方に向けて開放する。上部レールガイド614,714には、外障子6の室外側レール211の下部側及び内障子7の室内側レール212の下部側が収容(配置)される。上部レールガイド614,714は、外障子6の室外側レール211の下部側及び内障子7の室内側レール212の下部側の少なくとも一部を収容して、外障子6,内障子7の左右方向(横方向)へのスライド移動をガイドする。
【0046】
上部レールガイド614,714は、図8に示すように、上框61,71の金属框材611,711において、上方に向けて開放して形成される。上部レールガイド614,714は、上方に向けて開放するU字状の開放枠615,715と、開放枠615,715の室外側X1の室外側縦板615a,715aの上端部の室内側X2の面に形成される気密材取付溝616,716と、開放枠615,715の室内側X2の室内側縦板615b,715bの上部に形成される室内側上端構成部618,718と、を有する。
【0047】
気密材取付溝616,716には、気密材617,717が設けられている。気密材617,717は、気密材取付溝616,716に配置される取付部617a,717aと、取付部617a,717aから室内側X2に突出する突出片617b,717bと、を有する。突出片617b,717bは、外障子6及び内障子7が室内側X2に移動した場合に、室外側レール211及び室内側レール212の室外側の面に当接する。これにより、突出片617b,717bは、室外側レール211及び室内側レール212に当接して気密を確保する。
【0048】
室内側上端構成部618,718は、上端に形成され上下方向に延びる上端突出部618a,718aと、上端突出部618a,718aの下端から室外側X1に下り傾斜で形成される下り傾斜部618b,718bと、を有する。上端突出部618a,718aには、樹脂框材612,712が係合される。
【0049】
上部レールガイド614,714には、図9に示すように、複数の振れ止めブロック8(振れ止め部)が取り付けられる。複数の振れ止めブロック8は、ブロック状に形成され、上框61,71の左右方向の任意の位置に着脱可能に取り付けられる。複数の振れ止めブロック8は、上框61,71の金属框材611,711とは別体で構成される。本実施形態においては、複数の振れ止めブロック8は、図7に示すように、例えば、外障子6において上框61の左右方向に離れた位置に3個設けられ、内障子7において上框71の左右方向に離れた位置に3個設けられている。
【0050】
なお、振れ止めブロック8の数は限定されない。例えば、振れ止めブロック8を1個、2個又は4個以上設けてもよい。高い耐風圧性能を必要とする場合には、振れ止めブロック8の数を増やすことができる。振れ止めブロック8は後付けで取り付けることが可能であるため、振れ止めブロック8の数を調整できる自由度を有している。
【0051】
振れ止めブロック8は、図8及び図9に示すように、左右方向に所定幅を有して形成され、上方が開放した形状に形成される。振れ止めブロック8は、例えば、樹脂材料で形成される。なお、振れ止めブロック8を金属材料で形成してもよい。振れ止めブロック8は、上框61,71の上部レールガイド614,714に、後付けで取り付けることが可能である。
【0052】
振れ止めブロック8は、上框61,71の上部レールガイド614,714の内部に着脱可能に取り付けられる。振れ止めブロック8は、下方側に形成され弾性変形可能なU字状係止部81と、U字状係止部81の室内側X2の上端部の室外側X1に形成される面接触部82と、を有する。U字状係止部81は、振れ止めブロック8を上部レールガイド614,714に取り付ける場合に、上部レールガイド614,714の内部において弾性反発により室内外方向に広がることで、上部レールガイド614,714の下方側に係止される。
【0053】
面接触部82は、室外側レール211及び室内側レール212の室内側の面に対向して配置される。本実施形態においては、面接触部82は、図8に示すように、左右方向に沿って見た場合に上下方向に幅を有し室外側X1に突出する。面接触部82の室外側X1の端面は、上下方向に延びる面状に形成される。面接触部82には、図10に示すように、外障子6及び内障子7が室外側X1に移動した場合に、室外側レール211の下端部及び室内側レール212の下端部の室内側X2の面に面接触する。
【0054】
なお、本実施形態においては、面接触部82を、左右方向に沿って見た場合に上下方向に幅を有し左右方向に延びる平面状に形成したが、これに限定されない。面接触部82は、変形可能に構成される場合には、室外側レール211の下端部及び室内側レール212の下端部の室内側X2の面に押圧される前に平面状に形成されていなくても、外障子6及び内障子7が室外側X1に移動した場合に、室外側レール211の下端部及び室内側レール212の下端部の室内側X2の面に押圧されることで、変形して面接触すればよい。
【0055】
以上のように構成される振れ止めブロック8は、面接触部82を有することで、外障子6及び内障子7が室内側X2に移動した場合に、図10に示すように、室外側レール211及び室内側レール212が面接触して、外障子6及び内障子7からの力をしっかりと受けることができる。これにより、外障子6及び内障子7の耐風圧を向上させることができる。また、振れ止めブロック8は、後付けで、上框61,71に取り付けることができるため、適宜、取り付ける数を調整したり、取り付ける位置を調整できる。よって、振れ止めブロック8を容易に取り扱うことができる。
【0056】
図9及び図11に示すように、外障子6の縦框63の上部、外障子6の外召し合わせ框64の上部、内障子7の縦框73の上部及び内召し合わせ框74の上部には、第1実施形態(図4参照)と同様に、それぞれ、振れ止め部材52が配置される。第2実施形態の振れ止め部材52は、第1実施形態の振れ止め部材52と同様の位置に配置され、同様の形状で形成される。
【0057】
振れ止め部材52は、図11に示すように、上方が開放して形成される断面視U字状に形成される。振れ止め部材52は、U字状の上端において下方側から上方側に向かうに従って見込方向の中央に向かって見込方向の間隔が狭くなるように傾斜する一対の傾斜面部521を有する。
【0058】
振れ止め部材52は、外障子6及び内障子7の振れを抑制する。振れ止め部材52は、室外側レール211及び室内側レール212を収容してガイドする。
【0059】
振れ止め部材52には、上方が開放された部分に、室外側レール211及び室内側レール212が配置されることで、外障子3及び内障子4が枠体2内を見付方向にスライド移動する際において、外障子6及び内障子7の室内外方向への移動が規制される。これにより、外障子6及び内障子7の枠体2Aに対するガタツキを抑制できる。
【0060】
なお、図7では、振れ止め部材52の図示を省略している。図9に示すように、振れ止め部材52は、外障子6の縦框63の上部、外障子6の外召し合わせ框64の上部、内障子7の縦框73の上部及び内召し合わせ框74の上部に設けられており、前述した振れ止めブロック8は、外障子6の上框61及び内障子7の上框71に設けられている。つまり、振れ止め部材52と前述した振れ止めブロック8とでは、外障子6及び内障子7の上部において、左右方向の配置位置が異なっている。振れ止めブロック8を上框61,71の上部レールガイド614,714に設けることで、外障子6及び内障子7の左右方向の途中において力を受けることができる。これにより、外障子6及び内障子7の耐風圧を向上させることできる。
【0061】
第2実施形態によれば、以下の効果が奏される。本実施形態の引き違い窓1Aにおいては、振れ止めブロック8は、ブロック状に形成され、上框61,71に着脱可能に取り付けられる。これにより、振れ止めブロック8を上框61,71に容易に取り付けることができ、かつ、取り扱いが容易である。
【0062】
以上、本開示の好ましい一実施形態について説明したが、本開示は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0063】
前記実施形態においては、振れ止め部(振れ止めブロック8、室内側レール受け部318,418)を、障子3,4の上框31,41,61,71の上部レールガイド314,414,614,714(レール収容ガイド部)に設けたが、これに限定されない。振れ止め部を、障子の下框に設けてもよい。
【符号の説明】
【0064】
2 枠体、21 上枠(枠)、3,6 外障子(障子)、4,7 内障子(障子)、8 振れ止めブロック(振れ止め部)、31,41,61,71 上框(框)、211 室外側レール(突出レール)、212 室内側レール(突出レール)、314,414 上部レールガイド(レール収容ガイド部)、318,418 室内側レール受け部(振れ止め部)、318e,418e 面接触部、318f,418f 線接触部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11