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特開2023-146135表示制御プログラム、表示制御方法、及び表示制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023146135
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】表示制御プログラム、表示制御方法、及び表示制御装置
(51)【国際特許分類】
   G01S 5/02 20100101AFI20231004BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
G01S5/02 Z
G01C21/26 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022053163
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】鶴橋 諒
【テーマコード(参考)】
2F129
5J062
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129BB07
2F129BB08
2F129BB09
2F129BB33
2F129EE78
2F129FF02
2F129FF09
2F129FF11
2F129FF12
2F129FF15
2F129FF20
2F129FF62
2F129HH02
2F129HH04
2F129HH12
2F129HH18
2F129HH19
2F129HH20
2F129HH21
5J062BB05
5J062CC18
5J062FF01
5J062HH05
5J062HH08
(57)【要約】
【課題】端末の現実の位置を高精度に含む範囲を表示する表示制御プログラム、表示制御方法、及び表示制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】表示制御プログラムは、測位対象範囲で実測した端末の実測位置と、前記端末について複数の電波発信機が発信する電波に基づいて推定した推定位置との複数の誤差を算出し、位置情報表示の対象となる対象端末の前記推定位置を表示する際に、前記対象端末の前記推定位置に対して、前記複数の誤差に基づいて特定される誤差範囲を示す範囲情報を重畳した画面を表示する、処理をコンピュータに実行させる。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測位対象範囲で実測した端末の実測位置と、前記端末について複数の電波発信機が発信する電波に基づいて推定した推定位置との複数の誤差を算出し、
位置情報表示の対象となる対象端末の前記推定位置を表示する際に、前記対象端末の前記推定位置に対して、前記複数の誤差に基づいて特定される誤差範囲を示す範囲情報を重畳した画面を表示する、
処理をコンピュータに実行させるための表示制御プログラム。
【請求項2】
前記表示する処理は、前記推定位置と、前記複数の誤差に基づいて特定される誤差の傾向とに基づいて、半径が異なり、それぞれの半径が異なる誤差の指標値に対応する複数の円範囲を生成し、前記対象端末の前記推定位置に対して、前記円範囲を重畳した画面を表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御プログラム。
【請求項3】
前記表示する処理は、前記複数の誤差に時間経過に応じた所定の重みを付与し、前記推定位置と、前記所定の重みを付与した前記誤差の傾向とに基づいて、前記複数の円範囲を生成し、前記対象端末の前記推定位置に対して、前記円範囲を重畳した画面を表示する、
ことを特徴とする請求項2に記載の表示制御プログラム。
【請求項4】
前記算出する処理は、前記実測位置と、前記測位対象範囲に設置された複数の無線基地局が発信する電波に基づいて推定した前記推定位置との前記誤差を算出する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の表示制御プログラム。
【請求項5】
前記端末の前記実測位置は、前記測位対象範囲に設置された複数のビーコン発信機の中で前記端末が検知した特定のビーコン発信機の設置位置であり、
前記算出する処理は、前記設置位置と、前記測位対象範囲に設置された複数の無線基地局が発信する電波に基づいて推定した前記推定位置との前記誤差を算出する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の表示制御プログラム。
【請求項6】
前記算出する処理は、前記測位対象範囲を分割した複数の領域毎に前記誤差を算出する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の表示制御プログラム。
【請求項7】
測位対象範囲で実測した端末の実測位置と、前記端末について複数の電波発信機が発信する電波に基づいて推定した推定位置との複数の誤差を算出し、
位置情報表示の対象となる対象端末の前記推定位置を表示する際に、前記対象端末の前記推定位置に対して、前記複数の誤差に基づいて特定される誤差範囲を示す範囲情報を重畳した画面を表示する、
処理をコンピュータが実行する表示制御方法。
【請求項8】
測位対象範囲で実測した端末の実測位置と、前記端末について複数の電波発信機が発信する電波に基づいて推定した推定位置との複数の誤差を算出する算出手段と、
位置情報表示の対象となる対象端末の前記推定位置を表示する際に、前記対象端末の前記推定位置に対して、前記複数の誤差に基づいて特定される誤差範囲を示す範囲情報を重畳した画面を表示する表示手段と、
を有する表示制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は表示制御プログラム、表示制御方法、及び表示制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信を行う無線デバイスの位置を、無線デバイスと3台以上の無線アクセスポイントとの距離に基づき推定することが知られている。また、推定された位置が、無線デバイスの実際の位置と大きく異なる場合も知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
その他、推定に対する信頼性のレベルを信頼円によって示す技術も知られている。この技術では、モバイル機器の実際の位置が信頼円によって囲まれた領域内に存在する。したがって、信頼円の半径が小さいほど、モバイル機器の実際の位置が高い信頼性で表され、逆に、信頼円の半径が大きいほど、小さな信頼性で表される(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-001833号公報
【特許文献2】特表2015-504517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、無線デバイスやモバイル機器といった端末から推定された位置が実際の位置と異なれば、推定された位置をそのまま画面に表示しても、画面上に現れる位置は実際の位置と異なる位置を提示する。このため、この画面を閲覧するユーザは画面上に現れる位置を確認しても、実際の位置を正確に把握することは困難である。これにより、ユーザが例えば画面上に現れる位置を参考にして端末を所持する人物に会いに行っても、位置の相違により、ユーザがその人物に出会えない可能性がある。
【0006】
そこで、1つの側面では、端末の現実の位置を高精度に含む範囲を表示する表示制御プログラム、表示制御方法、及び表示制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの実施態様では、表示制御プログラムは、測位対象範囲で実測した端末の実測位置と、前記端末について複数の電波発信機が発信する電波に基づいて推定した推定位置との複数の誤差を算出し、位置情報表示の対象となる対象端末の前記推定位置を表示する際に、前記対象端末の前記推定位置に対して、前記複数の誤差に基づいて特定される誤差範囲を示す範囲情報を重畳した画面を表示する、処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0008】
端末の現実の位置を高精度に含む範囲を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は第1実施形態に係る表示制御システムの一例を説明する図である。
図2図2は表示制御サーバのハードウェア構成の一例である。
図3図3は第1実施形態に係る表示制御サーバの機能構成の一例である。
図4図4(a)はフロアマスタ情報の一例である。図4(b)はエリアマスタ情報の一例である。図4(c)は基準端末マスタ情報の一例である。
図5図5(a)は位置情報の一例である。図5(b)は位置履歴情報の一例である。図5(c)はエリア誤差情報の一例である。
図6図6は第1実施形態における推定位置のばらつきの一例を説明する図である。
図7図7は表示制御サーバが事前に実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図8図8は表示制御サーバが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図9図9は推定位置と予想端末範囲が重畳した画面の表示例である。
図10図10は第2実施形態に係る表示制御システムの一例を説明する図である。
図11図11は第2実施形態における推定位置のばらつきの一例を説明する図である。
図12図12は第2実施形態に係る表示制御サーバの機能構成の一例である。
図13図13(a)はビーコンマスタ情報の一例である。図13(b)はビーコン検知情報の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本件を実施するための形態について図面を参照して説明する。
【0011】
(第1実施形態)
図1に示すように、第1実施形態に係る表示制御システムST1は、携帯端末10と複数のアクセスポイント51,・・・,55と表示制御サーバ100とを含んでいる。携帯端末10は無線通信機能と携帯性を備える端末装置である。図1では、携帯端末10の一例としてスマートフォンが示されているが、携帯端末10はスマートフォンに限定されず、ノート型のPC(Personal Computer)やタブレット端末などであってもよい。携帯端末10は測位対象範囲である屋内のフロアFLにおける様々な位置に設置される。
【0012】
なお、本実施形態では、フロアFLの長手方向をX軸方向とし、フロアFLの短手方向をY軸方向としている。フロアFLは互いに重複しない矩形の複数のエリアA,・・・,エリアDに分割されている。したがって、携帯端末10はフロアFLにおけるエリアA,・・・,エリアDのそれぞれの所定位置に順に設置される。また、フロアFLはその中央に共用部を有する。共用部は、例えば階段、エレベータ、トイレ、廊下などを含んでいる。フロアFLにおける共用部以外の領域には会議室や執務室が配置される。
【0013】
アクセスポイント51,・・・,55は電波発信機(具体的には無線基地局)の一例である。アクセスポイント51,・・・,55はいずれもフロアFL内における様々な位置に設置される。なお、アクセスポイント51,・・・,55はいずれもフロアFL外に設置されていてもよい。また、アクセスポイント51,・・・,55の一部がフロアFL内に設置され、アクセスポイント51,・・・,55の残部がフロアFL外に設置されていてもよい。アクセスポイント51,・・・,55はいずれも携帯端末10の位置を測位する位置測位サーバ200と接続されている。アクセスポイント51,・・・,55はいずれもWi-Fi(登録商標)といった無線通信規格を利用した電波を発信する。電波はアクセスポイント51,・・・,55のMAC(Media Access Control)アドレスやSSID(Service Set Identifier)などを含んでいる。携帯端末10はアクセスポイント51,・・・,55のそれぞれから発信される電波を受信し、受信した電波の電波強度を測定する。
【0014】
位置測位サーバ200は携帯端末10が測定した電波強度をMACアドレスなどと共に取得し、取得した電波強度に基づいて、携帯端末10とアクセスポイント51,・・・,55とのそれぞれの距離を推定する。位置測位サーバ200は、推定した複数の距離(具体的には3つの距離)に基づいて、携帯端末10の位置を推定する。位置測位サーバ200は推定した携帯端末10の位置を推定位置としてMACアドレスや推定日時などと関連付けて管理する。
【0015】
位置測位サーバ200は第1通信ネットワークNW1を介して情報連携サーバ300とも接続されている。第1通信ネットワークは例えばLAN(Local Area Network)を含んでいる。LANは有線LANと無線LANのいずれか一方又は両方を含んでいる。情報連携サーバ300は位置測位サーバ200が管理する推定位置や推定日時、MACアドレスなどを含む位置情報を収集する。情報連携サーバ300は収集した位置情報を、第2通信ネットワークNW2を介して表示制御サーバ100に定期的に送信する。情報連携サーバ300を介して表示制御サーバ100は位置測位サーバ200と連携する。なお、第2通信ネットワークNW2はLANであってもよいし、インターネットであってもよい。
【0016】
表示制御サーバ100は、表示制御装置の一例であって、例えばクラウドCL上に配置される。表示制御サーバ100は情報連携サーバ300から送信された位置情報を定期的に受信して管理する。詳細は後述するが、表示制御サーバ100は、携帯端末10が設置された現実(又は実際)の位置を測定した実測位置も管理する。このため、表示制御サーバ100は実測位置と位置情報に含まれる推定位置とに基づいて、携帯端末10の実測位置と推定位置との誤差を算出することができる。特に、表示制御サーバ100はこの誤差をエリアA,・・・,エリアDごとに算出する。
【0017】
表示制御サーバ100は算出した誤差をエリア誤差として管理する。ここで、表示制御サーバ100はユーザ端末20からフロアFL内に滞在する人物(以下、フロア利用者という)を検索する検索要求を、第2通信ネットワークNW2を介して受け付けることができる。表示制御サーバ100は検索要求を受け付けると、そのフロア利用者が所持する携帯端末(不図示)の推定位置を表示する。この携帯端末は位置情報表示(具体的には、推定位置情報表示)の対象となる対象端末の一例である。表示制御サーバ100は推定位置を表示する際に、この携帯端末の推定位置に対して、エリア誤差に基づいて特定される誤差範囲を示す範囲情報を生成する。具体的には、表示制御サーバ100はエリア誤差の傾向(すなわち、エリア誤差の発生状況)に応じた円形の予想端末範囲を生成する。したがって、例えばエリアAの誤差の傾向とエリアDの誤差の傾向が異なれば、エリアAとエリアDで異なる大きさの予想端末範囲が生成される。表示制御サーバ100は予想端末範囲を生成すると、推定位置に対して予想端末範囲を重畳した画面をユーザ端末20に表示する。複数のエリア誤差に基づいて特定される誤差範囲を示すエリアごとの予想端末範囲が範囲情報として生成されるため、予想端末範囲は端末の現実の位置を高精度に含むことになる。これにより、ユーザ端末20を操作するユーザが画面上に現れる推定位置と予想端末範囲を参考にして検索対象のフロア利用者に会いに行けば、ユーザがそのフロア利用者に出会える可能性が増大する。
【0018】
以下、表示制御システムST1の詳細について説明する。
【0019】
まず、図2を参照して、表示制御方法を実行する表示制御サーバ100のハードウェア構成について説明する。なお、位置測位サーバ200及び情報連携サーバ300は基本的に表示制御サーバ100と同様のハードウェア構成を有するため、詳細な説明は省略する。
【0020】
表示制御サーバ100は、プロセッサとしてのCPU(Central Processing Unit)100Aと、メモリとしてのRAM(Random Access Memory)100B及びROM(Read Only Memory)100Cを含んでいる。表示制御サーバ100は、ネットワークI/F(インタフェース)100D及びHDD(Hard Disk Drive)100Eを含んでいる。HDD(Hard Disk Drive)100Eに代えて、SSD(Solid State Drive)を採用してもよい。
【0021】
表示制御サーバ100は、必要に応じて、入力I/F100F、出力I/F100G、入出力I/F100H、ドライブ装置100Iの少なくとも1つを含んでいてもよい。CPU100Aからドライブ装置100Iまでは、内部バス100Jによって互いに接続されている。すなわち、表示制御サーバ100はコンピュータによって実現することができる。
【0022】
入力I/F100Fには入力装置710が接続される。入力装置710としては例えばキーボードやマウス、タッチパネルなどがある。出力I/F100Gには表示装置720が接続される。表示装置720としては例えば液晶ディスプレイなどがある。入出力I/F100Hには半導体メモリ730が接続される。半導体メモリ730としては、例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリやフラッシュメモリなどがある。入出力I/F100Hは半導体メモリ730に記憶された表示制御プログラムを読み取る。入力I/F100F及び入出力I/F100Hは例えばUSBポートを備えている。出力I/F100Gは例えばディスプレイポートを備えている。
【0023】
ドライブ装置100Iには可搬型記録媒体740が挿入される。可搬型記録媒体740としては、例えばCD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)といったリムーバブルディスクがある。ドライブ装置100Iは可搬型記録媒体740に記録された表示制御プログラムを読み込む。ネットワークI/F100Dは例えばLAN(Local Area Network)ポートや通信回路などを備えている。通信回路は有線通信回路と無線通信回路のいずれか一方又は両方を含んでいる。ネットワークI/F100Dは第2通信ネットワークNW2と接続されている。
【0024】
RAM100BにはROM100C、HDD100E、半導体メモリ730の少なくとも1つに記憶された表示制御プログラムがCPU100Aによって一時的に格納される。RAM100Bには可搬型記録媒体740に記録された表示制御プログラムがCPU100Aによって一時的に格納される。格納された表示制御プログラムをCPU100Aが実行することにより、CPU100Aは後述する各種の機能を実現し、また、後述する各種の処理を実行する。なお、表示制御プログラムは後述するフローチャートに応じたものとすればよい。
【0025】
図3乃至図6を参照して、表示制御サーバ100の機能構成について説明する。なお、図3では表示制御サーバ100の機能の要部が示されている。
【0026】
図3に示すように、表示制御サーバ100は記憶部110、処理部120、及び通信部130を備えている。記憶部110は上述したRAM100BとHDD100Eのいずれか一方又は両方によって実現することができる。処理部120は上述したCPU100Aによって実現することができる。通信部130は上述したネットワークI/F100Dによって実現することができる。
【0027】
記憶部110、処理部120、及び通信部130は互いに接続されている。記憶部110はフロアマスタ記憶部111及びエリアマスタ記憶部112を含んでいる。記憶部110は実測位置記憶部113及び推定位置記憶部114を含んでいる。記憶部110は位置履歴記憶部115及びエリア誤差記憶部116を含んでいる。処理部120は誤差算出部121及び画面表示部122を含んでいる。誤差算出部121は算出手段の一例である。画面表示部122は表示手段の一例である。
【0028】
フロアマスタ記憶部111はフロアFLに関するフロアマスタ情報を記憶する。フロアマスタ情報は、図4(a)に示すように、フロアID、フロアサイズ、及びフロアマップ画像を含んでいる。フロアID、フロアサイズ、及びフロアマップ画像は互いに関連付いている。フロアIDはフロアFLを識別する識別子である。フロアサイズはフロアFLの床面積である。フロアマップ画像はフロアFLを模式化した静止画である。フロアマスタ情報は表示制御システムST1を管理する管理者によって事前に登録される。
【0029】
エリアマスタ記憶部112はエリア(図1参照)に関するエリアマスタ情報を記憶する。エリアマスタ情報は、図4(b)に示すように、フロアID、エリアID、エリアの開始X座標、エリアの開始Y座標、エリアの終了X座標、及びエリアの終了Y座標を含んでいる。フロアID、エリアID、エリアの開始X座標、エリアの開始Y座標、エリアの終了X座標、及びエリアの終了Y座標は互いに関連付いている。エリアIDはエリアA,・・・,エリアDを識別する識別子である。エリアA,・・・,エリアDは、開始X座標及び開始Y座標で特定される開始座標と終了X座標及び終了Y座標で特定される終了座標を結ぶ対角線により定義される。例えば、エリアAは原点O(0,0)と座標C(20,10)を結ぶ対角線により定義される(図1参照)。エリアマスタ情報は上述した管理者によって事前に登録される。
【0030】
実測位置記憶部113はエリア誤差を算出する際の基準となる基準端末マスタ情報を記憶する。基準端末マスタ情報は、図4(c)に示すように、端末ID、フロアID,エリアID、携帯端末10の実測位置を表すX座標及びY座標、並びに携帯端末10のMACアドレスを含んでいる。端末ID、フロアID,エリアID、実測位置を表すX座標及びY座標、並びに携帯端末10のMACアドレスは互いに関連付いている。端末IDは携帯端末10を識別する識別子である。基準端末マスタ情報は上述した管理者によって事前に登録される。
【0031】
推定位置記憶部114は、表示制御サーバ100が情報連携サーバ300から受信した位置情報を、推定日時を除外して記憶する。位置情報は、図5(a)に示すように、携帯端末10のMACアドレス、フロアID、並びに携帯端末10の推定位置を表すX座標及びY座標を含んでいる。上述したように、推定位置は電波強度に基づいて推定された携帯端末10の位置である。このため、推定位置は実測位置と相違する。すなわち、携帯端末10の実測位置と推定位置との間には誤差がある。位置情報はフロアIDを含むため、表示制御サーバ100は携帯端末10の推定位置をフロアごとに管理する。
【0032】
位置履歴記憶部115は、表示制御サーバ100が情報連携サーバ300から受信した位置情報を位置履歴情報として記憶する。したがって、位置履歴情報は推定日時を含んでいる。具体的には、図5(b)に示すように、位置履歴情報は、携帯端末10のMACアドレス、フロアID、推定日時、並びに携帯端末10の推定位置を表すX座標及びY座標を含んでいる。
【0033】
ここで、図5(b)及び図6に示すように、携帯端末10が同じ実測位置Pに設置されていても、推定日時が異なれば、異なる推定位置Q1,・・・Q4が測位される。この理由は無線通信の通信環境の変化に起因する。通信環境の変化としては、例えば電波のゆらぎやフロア利用者の出入りなどが相当する。このように、通信環境が断続的に変化することにより、推定日時が変われば、携帯端末10が同じ実測位置Pに設置されていても、推定位置がばらついて測位される。なお、実測位置と様々な推定位置との誤差を算出すれば、誤差についても同様にばらつきが発生する。詳細は後述するが、本実施形態では、ばらついた誤差の傾向と推定位置とに基づいて、上述した予想端末範囲が生成される。
【0034】
エリア誤差記憶部116はエリア誤差情報を記憶する。エリア誤差情報は、図5(c)に示すように、エリアID、誤差MAX(最大値)、誤差MIN(最小値)、誤差Ave(平均値)、及び誤差Med(中央値)を含んでいる。誤差MAX、誤差MIN、誤差Ave、及び誤差Medはいずれもエリア誤差である。エリア誤差情報はエリアIDを含むため、エリア誤差記憶部116はエリア誤差情報をエリア単位に記憶する。誤差MAX、誤差MIN、誤差Ave、及び誤差Medはいずれも誤差距離Zと誤差角度θを組み合わせて含んでいる。誤差距離Zと誤差角度θはいずれも誤差算出部121によって算出される。
【0035】
例えば、図6に示すように、実測位置Pと推定位置Q1と平方根を利用した後述する第1算出式とに基づいて、誤差距離Zが算出される。実測位置Pと推定位置Q2,Q3,Q4との各誤差距離Zについても同様に算出される。位置情報の座標上の距離とフロアFLの現実の距離との対応関係を事前に調査しておくことで、座標上の距離からフロアFLでの現実の距離を算出することができる。また、実測位置Pと推定位置Q1と三角関数を利用した後述する第2算出式に基づいて、誤差角度θが算出される。実測位置Pと推定位置Q2,Q3,Q4との各誤差角度θについても同様に算出される。
【0036】
誤差算出部121は基準端末マスタ情報と基準端末マスタ情報のMACアドレスと同一のMACアドレスを含む位置履歴情報を取得し、基準端末マスタ情報の実測位置と位置履歴情報の推定位置との複数のエリア誤差を算出する。上述したように、誤差算出部121は誤差距離Zと誤差角度θを算出する。例えば、誤差算出部121は誤差距離Zを以下の第1算出式に基づいて算出する。また、誤差算出部121は誤差角度θを以下の第2算出式に基づいて算出する。誤差算出部121は、時間経過に伴う推定精度の低下によりエリア誤差が拡大することを回避するため、算出した誤差距離Zと誤差角度θの一方又は両方に時間経過に応じた所定の重みを付与してもよい。
<第1算出式>
誤差距離Z=√((実測位置を表すX座標-推定位置を表すX座標)+(実測位置を表すY座標-推定位置を表すY座標)
<第2算出式>
誤差角度θ=tan-1((実測位置を表すX座標-推定位置を表すX座標)/(実測位置を表すY座標-推定位置を表すY座標))
【0037】
誤差算出部121は誤差距離Zと誤差角度θを算出すると、誤差距離Zの最大値と誤差角度θの最大値をエリア誤差の1つとしてエリア誤差記憶部116に登録する。同様に、誤差算出部121は誤差距離Zの最小値と誤差角度θの最小値をエリア誤差の1つとしてエリア誤差記憶部116に登録する。また、誤差算出部121は誤差距離Zと誤差角度θのそれぞれの平均値を算出し、算出した平均値をエリア誤差の1つとしてエリア誤差記憶部116に登録する。さらに、誤差算出部121は誤差距離Zと誤差角度θのそれぞれの中央値を特定し、特定した中央値をエリア誤差の1つとしてエリア誤差記憶部116に登録する。
【0038】
画面表示部122は、推定位置に対して、誤差の傾向(具体的には誤差の最大値や平均値など)に応じた予想端末範囲を重畳した画面をユーザ端末20に表示する。より詳しくは、画面表示部122はユーザ端末20から上述した検索要求を受け付けると、検索要求に検索対象として含まれるフロア利用者の位置情報とエリアマスタ情報が有するエリアの定義とに基づいて、フロアIDとエリアIDとを特定する。画面表示部122はフロアIDを特定すると、特定したフロアIDを含む位置情報を取得し、位置情報が含む推定位置を抽出する。
【0039】
また、画面表示部122はエリアIDを特定すると、誤差エリア情報が含むエリア誤差を抽出する。画面表示部122は推定位置とエリア誤差を抽出すると、推定位置を中心に誤差の指標値に対応する複数の円範囲を生成する。具体的には、画面表示部122は誤差の最大値、最小値、平均値、中央値といった指標値をそれぞれ半径とする同心円の予想端末範囲をエリアごとに生成する。予想端末範囲を生成すると、推定位置とエリア特有の予想端末範囲が重畳した画面をユーザ端末20に表示する。ユーザはユーザ端末20に表示される画面を確認することにより、携帯端末を所持するフロア利用者の現実の位置を容易に予想することができる。
【0040】
次に、図7乃至図9を参照して、表示制御サーバ100の動作について説明する。
【0041】
まず、図7に示すように、処理部120はマスタ情報を受信するまで待機する(ステップS1:NO)。マスタ情報は管理者が操作するマスタ端末(不図示)から送信される。マスタ情報は、上述したフロアマスタ情報、エリアマスタ情報、及び基準端末マスタ情報を含んでいる。マスタ情報を受信すると(ステップS1:YES)、処理部120はマスタ情報を記憶部110に登録する(ステップS2)。より詳しくは、処理部120はフロアマスタ情報をフロアマスタ記憶部111に登録する。処理部120はエリアマスタ情報をエリアマスタ記憶部112に登録する。処理部120は基準端末マスタ情報を実測位置記憶部113に登録する。
【0042】
マスタ情報が登録されると、図8に示すように、誤差算出部121は位置情報を定期的に受信する(ステップS11)。位置情報を受信する度に、誤差算出部121は位置情報を登録する(ステップS12)。より詳しくは、誤差算出部121は推定日時を除外した位置情報を推定位置記憶部114に登録する。また、誤差算出部121は推定日時を含む位置情報を位置履歴情報として位置履歴記憶部115に登録する。
【0043】
位置情報を登録すると、誤差算出部121はその位置情報の推定位置を抽出する(ステップS13)。推定位置を抽出すると、誤差算出部121は実測位置を抽出する(ステップS14)。より詳しくは、誤差算出部121は抽出した推定位置と関連付けられたMACアドレスに基づいて、そのMACアドレスと同一のMACアドレスを含む基準端末マスタ情報を取得する。そして、誤差算出部121は取得した基準端末マスタ情報に含まれる実測位置を抽出する。
【0044】
実測位置を抽出すると、誤差算出部121はエリアごとのエリア誤差を算出する(ステップS15)。より詳しくは、誤差算出部121は抽出した実測位置、推定位置、第1算出式、及び第2算出式に基づいて、誤差距離Z及び誤差角度θを算出し、誤差距離Z及び誤差角度θの最大値、最小値、中央値を特定する。また、誤差算出部121は算出した誤差距離Z及び誤差角度θの平均値を算出する。エリア誤差を算出すると、誤差算出部121は算出したエリア誤差をエリアIDと関連付けてエリア誤差記憶部116に登録する(ステップS16)。
【0045】
誤差算出部121がエリア誤差を登録すると、画面表示部122はユーザ端末20からの検索要求を受け付けるまで待機する(ステップS17:NO)。検索要求を受け付けると、画面表示部122は画面をユーザ端末20に表示して(ステップS18)、処理を終了する。
【0046】
これにより、図9に示すように、ユーザ端末20の表示装置21には画面が出現する。図9では表示装置21に表示される画面の一部が拡大されている。画面上には検索対象のフロア利用者が所持する携帯端末の推定位置Qdと推定位置Qdを中心とする予想端末範囲25が重畳して表示される。予想端末範囲25は誤差の最大値に応じた半径の円範囲25Aや最小値に応じた半径の円範囲25Bなど複数の同心円を含んでいる。円範囲25A,25Bを異なる色で表示してもよい。検索対象のフロア利用者が所持する携帯端末の現実の位置Pdは、画面上では表示されないものの、予想端末範囲25内に含まれる。予想端末範囲25が推定位置Qdに重畳して表示されることで、推定位置Qが画面上で単独に表示される場合に比べて、ユーザは検索対象のフロア利用者が滞在する位置を容易に予想することができる。なお、上述した予想端末範囲25は、円範囲に必ずしも限定されなくても良く、円形と異なる形状の予想端末範囲を表示することも考えられる。
【0047】
以上説明したように、第1実施形態では、携帯端末10がフロアFLにおける各エリアの所定位置に設置されて、推定位置を含む位置情報が収集される。一方で、携帯端末10が設置された所定位置は実測されるため、そのエリアにおける位置は高い精度で測位される。このような推定位置と実測位置とに基づいてエリア特有のエリア誤差が算出されるため、後述する第2実施形態に比べて、表示制御サーバ100は精度の高いエリア特有の予想端末範囲25を表示することができる。
【0048】
特に、エリア誤差は携帯端末10が設置された位置の数の分だけ一定量収集される。したがって、フロアFLのフロア利用者の利用者数に依存してエリア誤差が収集される後述する第2実施形態の場合に比べて、フロアFLの利用者数に関わらずに、エリア誤差を収集することができる。このため、フロアFLの利用者がフロアFLの広さに対して少ない場合には、第2実施形態に比べて、第1実施形態の方が有益である。
【0049】
(第2実施形態)
続いて、図10乃至図13を参照して、本件の第2実施形態について説明する。なお、図10図11及び図13において、第1実施形態で説明した表示制御システムST1及び表示制御サーバ100と同様の構成には同一の又は対応する符号を付し、その説明を省略する。
【0050】
まず、図10に示すように、第2実施形態に係る表示制御システムST2は、複数のアクセスポイント51,・・・,55と、複数のビーコン発信機61,・・・,64と表示制御サーバ100とを含んでいる。ビーコン発信機61,・・・,64はビーコンと呼ばれる電波を発信する。このように、第2実施形態では、複数のアクセスポイント51,・・・,55と、複数のビーコン発信機61,・・・,64とを併用する。
【0051】
ビーコン発信機61,・・・,64はエリアA,・・・,エリアDのそれぞれに設置される。ビーコン発信機61,・・・,64が設置された位置である設置位置は事前に実測される。図1では、エリアA,・・・,エリアDのそれぞれにビーコン発信機61,・・・,64が設置されているが、1つのエリア(例えばエリアA)に2台以上のビーコン発信機が設置されていてもよい。
【0052】
ビーコン発信機61,・・・,64はいずれも互いの電波が干渉しない電波強度に設定されている。例えば、ビーコン発信機61,・・・,64は電波の到達範囲が1m(メートル)や3mなど半径数mの範囲に設定されている。ビーコン発信機61,・・・,64が発信する電波の到達範囲内にフロア利用者70が所持する携帯端末10が進入すると、携帯端末10はその電波を検知する。携帯端末10は電波を検知すると、検知した電波に含まれるビーコンIDを携帯端末10のMACアドレス及び電波の検知日時と関連付けてビーコン検知情報として表示制御サーバ100に送信する。ビーコン検知情報は例えばアクセスポイント51,・・・,55のいずれかを介して表示制御サーバ100に送信される。
【0053】
例えば、フロア利用者70がエリアCからエリアAに移動し、ビーコン発信機61が発信する電波の到達範囲内にフロア利用者70の携帯端末10が進入すると、携帯端末10はビーコン発信機61の電波を検知する。詳細は後述するが、携帯端末10が電波を検知してビーコン検知情報を送信すると、表示制御サーバ100は携帯端末10の現実の位置をビーコン発信機61の設置位置を実測した実測位置として取り扱う。ビーコン発信機62,63,64についてもビーコン発信機61の場合と同様である。このように、第2実施形態では、携帯端末10の現実の位置をビーコン発信機61・・・,64の実測位置として取り扱っている。このため、第2実施形態は、携帯端末10を所定位置に設置し、その所定位置を実測した第1実施形態と相違する。このように、第2実施形態では、ビーコン発信機61・・・,64の実測位置が携帯端末10の現実の位置として取り扱われるため、携帯端末10の現実の位置にばらつきが発生する。
【0054】
例えば、ビーコン発信機61の周囲をフロア利用者70が移動すると、図11に示すように、フロア利用者70が所持する携帯端末10の現実の位置は位置P1、位置P2、位置P3の順に変化する。しかしながら、第2実施形態では、携帯端末10の現実の位置が位置P1、位置P2、位置P3の順に変化しても、ビーコン発信機61の実測位置が携帯端末10の現実の位置として取り扱われる。このため、携帯端末10の現実の位置が異なっていても、ビーコン発信機61の実測位置Rが携帯端末10の現実の位置として取り扱われる。
【0055】
一方で、携帯端末10の現実の位置が位置P1、位置P2、位置P3の順に変化すると、アクセスポイント51,52などからの電波の電波強度に応じて推定される位置は推定位置Q1、推定位置Q2、推定位置Q3の順に変化する。このように、推定位置Q1,Q2,Q3はばらつく。第2実施形態では、このようなビーコン発信機61の実測位置Rと推定位置Q1,Q2,Q3に基づいてエリア誤差が算出される。例えば、実測位置Rと推定位置Q1と第1実施形態で説明した第1算出式と第2算出式とに基づいて、誤差距離Zと誤差角度θが算出される。
【0056】
図12に示すように、表示制御サーバ100の記憶部110は、第1実施形態で説明した位置履歴記憶部115に代えて、ビーコン検知記憶部117を含んでいる。また、図13(a)に示すように、実測位置記憶部113は、第1実施形態で説明した基準端末マスタ情報に代えて、ビーコンマスタ情報を記憶する。ビーコンマスタ情報は、ビーコンID、フロアID,エリアID、並びにビーコン発信機61,・・・,64の実測位置を表すX座標及びY座標を含んでいる。ビーコンID、フロアID,エリアID、並びに実測位置を表すX座標及びY座標は互いに関連付いている。ビーコンIDはビーコン発信機61,・・・,64を識別する識別子である。ビーコンマスタ情報は第1実施形態で説明した管理者によって事前に登録される。
【0057】
ビーコン検知記憶部117は表示制御サーバ100が携帯端末10から受信したビーコン検知情報を記憶する。ビーコン検知情報は、図13(b)に示すように、電波を検知した携帯端末10のMACアドレス、ビーコンID、及び電波の検知日時を含んでいる。MACアドレス、ビーコンID、及び検知日時は互いに関連付いている。なお、電波を検知した携帯端末10のMACアドレス、ビーコンID、及び電波の検知日時はいずれもビーコン検知情報に含まれている。
【0058】
ここで、第1実施形態で説明したように、誤差算出部121が位置情報を登録すると、誤差算出部121はその位置情報に含まれる推定位置とMACアドレスを抽出する。MACアドレスを抽出すると、誤差算出部121は抽出したMACアドレスと同一のMACアドレスを含むビーコン検知情報を取得する。また、ビーコン検知情報を取得すると、誤差算出部121はビーコン検知情報に含まれるビーコンIDに基づいて、そのビーコンIDと同一のビーコンIDを含むビーコンマスタ情報を取得する。そして、誤差算出部121は取得したビーコンマスタ情報に含まれる実測位置を抽出する。
【0059】
このように、誤差算出部121は推定位置と実測位置を抽出できるため、第1実施形態と同様に、エリア誤差を算出して登録することができる。したがって、ユーザ端末20からの検索要求を受け付けると、画面表示部122は画面をユーザ端末20に表示することができる。これにより、ユーザ端末20の表示装置21には画面が出現する(図9参照)。
【0060】
以上説明したように、第2実施形態では、第1実施形態と異なり、ビーコン発信機61,・・・,64ごとに複数のフロア利用者70の携帯端末10が対応するため、同じエリア、同じ時間に対する複数のエリア誤差が収集される。すなわち、同じエリア、同じ時間であれば、フロアFLのフロア利用者70の利用者数に比例してエリア誤差が収集される。言い換えれば、フロア利用者70が所持する携帯端末10の端末数に比例してエリア誤差が収集される。したがって、携帯端末10の端末数が増大すれば、複数の携帯端末10のそれぞれから位置情報やビーコン検知情報を収集することができる。このように、複数の携帯端末10のそれぞれから位置情報やビーコン検知情報を収集できれば、収集した位置情報やビーコン検知情報を利用して、個々の携帯端末10に対して様々な調査を行うことができる。
【0061】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明に係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、表示制御サーバ100は物理的なサーバで実現してもよいし、仮想的なサーバで実現してもよい。また、表示制御サーバ100をクラウドCL上に配置したが、表示制御サーバ100はオンプレミスで配置してもよい。
【符号の説明】
【0062】
10 携帯端末
51,52,53,54,55 アクセスポイント
61,62,63,64 ビーコン発信機
100 表示制御サーバ
110 記憶部
111 フロアマスタ記憶部
112 エリアマスタ記憶部
113 実測位置記憶部
114 推定位置記憶部
115 位置履歴記憶部
116 エリア誤差記憶部
117 ビーコン検知記憶部
120 処理部
121 誤差算出部
122 画面表示部
200 位置測位サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13