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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023146512
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】部品搬送処理装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/26 20200101AFI20231004BHJP
   G01R 31/00 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
G01R31/26 Z
G01R31/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022053725
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】501410137
【氏名又は名称】アキム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112689
【弁理士】
【氏名又は名称】佐原 雅史
(74)【代理人】
【識別番号】100128934
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】今井 ▲しょう▼二郎
【テーマコード(参考)】
2G003
2G036
【Fターム(参考)】
2G003AC03
2G003AD01
2G003AG03
2G003AG11
2G003AH01
2G036AA18
2G036BA35
2G036CA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】部品の移載時や部品の出力特性の測定時の取り扱いの精度を向上可能な部品搬送処理装置を提供する。
【解決手段】搬送経路上において部品供給領域の下流側に位置する処理領域に配置されて、部品に対して所定の処理を施す処理装置70を備える部品搬送処理装置1である。処理装置70は、部品保持機構45によって部品が載置される載置台50と、載置台50に熱を移送する熱移送部材130と、載置台50に載置された部品に接触することで部品の出力特性を測定する測定部95と、を有し、載置台50には、部品を負圧によって載置台50側に吸引保持可能な吸引機構としての吸引路が設けられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を保持する部品保持機構を有し、搬送経路に沿って前記部品を搬送する搬送装置と、
前記搬送経路上の部品供給領域において、前記部品を前記部品保持機構に供給する部品供給装置と、
前記搬送経路上において前記部品供給領域の下流側に位置する処理領域に配置されて、前記部品に対して所定の処理を施す処理装置と、
前記搬送経路上において前記処理領域の下流側に位置する部品搬出領域に配置されて、前記部品を搬出する搬出装置と、
を備え、
前記処理装置は、
前記部品保持機構によって前記部品が載置される載置台と、
前記載置台に熱を移送する熱移送部材と、
前記載置台に載置された前記部品に接触することで該部品の出力特性を測定する測定部と、
を有し、
前記載置台における前記部品が載置される載置範囲には、前記部品を負圧によって前記載置台側に吸引保持可能な吸引機構が設けられている部品搬送処理装置。
【請求項2】
少なくとも前記部品が前記載置範囲に載置されるタイミング(以下、載置タイミング)、および、少なくとも前記測定部が前記部品の出力特性を測定するタイミング(以下、測定タイミング)のうちの少なくとも一方のタイミングで、前記吸引機構を動作させることで、前記部品を前記載置台に吸引保持させる制御装置をさらに備える請求項1に記載の部品搬送処理装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記載置タイミング及び前記測定タイミングの双方で、前記吸引機構により前記部品を前記載置台に吸引保持させるようにし、
更に、前記制御装置は、前記載置タイミングの後から前記測定タイミングの前までの少なくとも一部の期間、前記吸引機構による前記部品の吸引を停止又は低減させる請求項2に記載の部品搬送処理装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記載置タイミングにおいて、少なくとも前記部品が前記部品保持機構および前記載置範囲の双方に接触する状態から、前記部品が前記載置範囲に接触しかつ該部品が前記部品保持機構と離間する状態となるまでの間、前記吸引機構によって吸引を継続させる請求項2又は請求項3に記載の部品搬送処理装置。
【請求項5】
前記測定部は、
前記部品の電極に接触可能な測定プローブと、
前記測定プローブを前記電極に対して近接離間させるプローブ動作部と、
を有し、
前記制御装置は、前記測定タイミングとして、少なくとも前記測定プローブが前記電極に接触している最中の状態から、前記測定プローブが前記電極から離間するまでの間、前記吸引機構によって吸引を継続させる請求項2~4のいずれか一項に記載の部品搬送処理装置。
【請求項6】
前記制御装置は、前記測定部が前記部品に接触した状態で該部品の出力特性の測定が開始されてから完了するまでは、前記吸引機構によって吸引を行わせない請求項5に記載の部品搬送処理装置。
【請求項7】
前記制御装置は、前記載置範囲に前記部品が載置されない期間(以下、非載置期間)において、前記吸引機構による吸引を行う請求項1~6のいずれか一項に記載の部品搬送処理装置。
【請求項8】
前記載置台における前記部品が載置される載置範囲には、正圧気体を吐出可能な吐出機構が設けられており、
前記制御装置は、前記載置範囲に前記部品が載置されない期間(以下、非載置期間)において、前記吐出機構による吐出を行う請求項1~7のいずれか一項に記載の部品搬送処理装置。
【請求項9】
前記吸引機構における負圧を案内する吸引経路が、前記吐出機構の前記正圧気体の供給経路を兼ねる請求項8に記載の部品搬送処理装置。
【請求項10】
前記載置台の前記載置範囲には、前記部品と係合可能な載置部が設けられ、かつ、前記吸引機構として前記載置部に連通する吸引路が形成される請求項1から9のいずれか一項に記載の部品搬送処理装置。
【請求項11】
前記載置部は、前記載置台の上面から凹むとともに前記部品を収容可能な収容凹部であり、
前記吸引路は、前記収容凹部の内側面および底面のうちの少なくとも一方に開口している請求項10に記載の部品搬送処理装置。
【請求項12】
前記載置部は、上方から下方に向かって前記部品を案内する傾斜面を有する請求項10又は11に記載の部品搬送処理装置。
【請求項13】
前記載置台には、複数の前記載置部が設けられ、
前記吸引路が複数の前記載置部の各々に対して形成され、
複数の前記吸引路は、互いに独立している請求項10~12のいずれか一項に記載の部品搬送処理装置。
【請求項14】
前記吸引路における前記載置部側の第一端とは反対側の第二端は、前記載置台の表面に開口しており、
前記載置台の周囲に配置され、前記吸引路の前記第二端に対してポンプによって負圧を導入するための負圧導入路をさらに備える請求項10~13のいずれか一項に記載の部品搬送処理装置。
【請求項15】
前記負圧導入路として、
前記部品が前記載置範囲に載置されるタイミングで前記吸引路に負圧を導入する載置側負圧導入路、および、前記測定部によって前記部品の出力特性が測定されるタイミングで前記吸引路に負圧を導入する測定側負圧導入路を、別々に備える請求項14に記載の部品搬送処理装置。
【請求項16】
前記処理装置は、前記載置台の前記載置部を移動させる移動機構をさらに有し、
前記移動機構は、少なくとも、
前記部品保持機構が前記載置部に前記部品を搬入する位置となる載置位置から、前記測定部によって前記部品の出力特性が測定される測定位置まで、前記載置部を移動させるようになっており、
前記載置側負圧導入路は前記載置位置の近傍に配置され、前記測定側負圧導入路は前記測定位置の近傍に配置される請求項15に記載の部品搬送処理装置。
【請求項17】
前記移動機構は、前記載置台を鉛直方向に沿って延びる軸線を中心に回転させることで前記載置位置と前記測定位置との間で前記部品を移動させる回転駆動部を有し、
前記載置側負圧導入路と前記測定側負圧導入路とは、前記軸線回りに互いに離れた位置に配置されている請求項16に記載の部品搬送処理装置。
【請求項18】
前記搬送装置は、複数の前記部品保持機構によって複数の前記部品を保持して、環状の前記搬送経路の一部に沿って、複数の前記部品を搬送するターレット型回転搬送装置であり、
前記載置台は、前記搬送装置の周方向に並んで複数設けられている請求項1から17のいずれか一項に記載の部品搬送処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、様々な部品を処理する工程、例えば電子部品の温度特性を検査する検査工程に好適な部品搬送処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水晶振動子やサーミスタ素子は、温度に対してその物性を大きく変化させるため、部品として出荷する前に、温度特性の評価、検査をすることが必要である。これらの部品は、大量に使用され、且つ、極めて小さなパッケージに実装されており、検査装置と呼ばれる自動で特性を測定、評価する装置で検査される。
【0003】
この種の検査装置(以下、部品搬送処理装置とする)は例えば特許文献1に記載されており、搬送装置により部品を搬送し、その搬送経路上に測定装置を配置して順次検査をおこなっていく構造となっている。具体的には、部品保持機構によって保持された検査対象の部品を載置プレート上に載置し、部品に測定装置のプローブを接触させることで部品の温度特性が検査されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-66397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、検査対象の部品は非常に小さく軽いものであるため、従来の部品搬送処理装置においては載置プレートに部品を載置する際に静電気等の影響によって部品保持機構に部品が吸着してしまい、部品保持機構から載置プレートの所定の位置およびタイミングで部品を移載することができない場合がある。同様に測定プローブを部品に接触させて部品の温度特性を検査した後、測定プローブを部品から離間させる際にも静電気等の影響によって部品が測定プローブに吸着してしまい、予期せず部品が載置プレートから脱落してしまう場合がある。
【0006】
そこで本発明は、部品の移載時や部品の出力特性の測定時の取り扱いの精度を向上可能な部品搬送処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る部品搬送処理装置は、部品を保持する部品保持機構を有し、搬送経路に沿って前記部品を搬送する搬送装置と、前記搬送経路上の部品供給領域において、前記部品を前記部品保持機構に供給する部品供給装置と、前記搬送経路上において前記部品供給領域の下流側に位置する処理領域に配置されて、前記部品に対して所定の処理を施す処理装置と、前記搬送経路上において前記処理領域の下流側に位置する部品搬出領域に配置されて、前記部品を搬出する搬出装置と、を備え、前記処理装置は、前記部品保持機構によって前記部品が載置される載置台と、前記載置台に熱を移送する熱移送部材と、前記載置台に載置された前記部品に接触することで該部品の出力特性を測定する測定部と、を有し、前記載置台における前記部品が載置される載置範囲には、前記部品を負圧によって前記載置台側に吸引保持可能な吸引機構が設けられている。
【0008】
また上記の部品搬送処理装置は、少なくとも前記部品が前記載置範囲に載置されるタイミング(以下、載置タイミング)、および、少なくとも前記測定部が前記部品の出力特性を測定するタイミング(以下、測定タイミング)のうちの少なくとも一方のタイミングで、前記吸引機構を動作させることで、前記部品を前記載置台に吸引保持させる制御装置をさらに備えてもよい。
【0009】
また上記の部品搬送処理装置において、前記制御装置は、前記載置タイミング及び前記測定タイミングの双方で、前記吸引機構により前記部品を前記載置台に吸引保持させるようにし、更に、前記制御装置は、前記載置タイミングの後から前記測定タイミングの前までの少なくとも一部の期間、前記吸引機構による前記部品の吸引を停止又は低減させてもよい。
【0010】
また上記の部品搬送処理装置において、前記制御装置は、前記載置タイミングにおいて、少なくとも前記部品が前記部品保持機構および前記載置範囲の双方に接触する状態から、前記部品が前記載置範囲に接触しかつ該部品が前記部品保持機構と離間する状態となるまでの間、前記吸引機構によって吸引を継続させてもよい。
【0011】
また上記の部品搬送処理装置において、前記測定部は、前記部品の電極に接触可能な測定プローブと、前記測定プローブを前記電極に対して近接離間させるプローブ動作部と、を有し、前記制御装置は、前記測定タイミングとして、少なくとも前記測定プローブが前記電極に接触している最中の状態から、前記測定プローブが前記電極から離間するまでの間、前記吸引機構によって吸引を継続させてもよい。
【0012】
また上記の部品搬送処理装置において、前記制御装置は、前記測定部が前記部品に接触した状態で該部品の出力特性の測定が開始されてから完了するまでは、前記吸引機構によって吸引を行わせないようにしてもよい。
【0013】
また上記の部品搬送処理装置において、前記制御装置は、前記載置範囲に前記部品が載置されない期間(以下、非載置期間)において、前記吸引機構による吸引を行うようにしてもよい。
【0014】
また上記の部品搬送処理装置において、前記載置台における前記部品が載置される載置範囲には、正圧気体を吐出可能な吐出機構が設けられており、前記制御装置は、前記載置範囲に前記部品が載置されない期間(以下、非載置期間)において、前記吐出機構による吐出を行うようにしてもよい。
【0015】
また上記の部品搬送処理装置では、前記吸引機構における負圧を案内する吸引経路が、前記吐出機構の前記正圧気体の供給経路を兼ねてもよい。
【0016】
また上記の部品搬送処理装置において、前記載置台の前記載置範囲には、前記部品と係合可能な載置部が設けられ、かつ、前記吸引機構として前記載置部に連通する吸引路が形成されてもよい。
【0017】
また上記の部品搬送処理装置において、前記載置部は、前記載置台の上面から凹むとともに前記部品を収容可能な収容凹部であり、前記吸引路は、前記収容凹部の内側面および底面のうちの少なくとも一方に開口してもよい。
【0018】
また上記の部品搬送処理装置において、前記載置部は、上方から下方に向かって前記部品を案内する傾斜面を有してもよい。
【0019】
また上記の部品搬送処理装置において、前記載置台には、複数の前記載置部が設けられ、前記吸引路が複数の前記載置部の各々に対して形成され、複数の前記吸引路は、互いに独立していてもよい。
【0020】
また上記の部品搬送処理装置において、前記吸引路における前記載置部側の第一端とは反対側の第二端は、前記載置台の表面に開口しており、前記載置台の周囲に配置され、前記吸引路の前記第二端に対してポンプによって負圧を導入するための負圧導入路をさらに備えてもよい。
【0021】
また上記の部品搬送処理装置では、前記負圧導入路として、前記部品が前記載置範囲に載置されるタイミングで前記吸引路に負圧を導入する載置側負圧導入路、および、前記測定部によって前記部品の出力特性が測定されるタイミングで前記吸引路に負圧を導入する測定側負圧導入路を、別々に備えてもよい。
【0022】
また上記の部品搬送処理装置において、前記処理装置は、前記載置台の前記載置部を移動させる移動機構をさらに有し、前記移動機構は、少なくとも、前記部品保持機構が前記載置部に前記部品を搬入する位置となる載置位置から、前記測定部によって前記部品の出力特性が測定される測定位置まで、前記載置部を移動させるようになっており、前記載置側負圧導入路は前記載置位置の近傍に配置され、前記測定側負圧導入路は前記測定位置の近傍に配置されてもよい。
【0023】
また上記の部品搬送処理装置において、前記移動機構は、前記載置台を鉛直方向に沿って延びる軸線を中心に回転させることで前記載置位置と前記測定位置との間で前記部品を移動させる回転駆動部を有し、前記載置側負圧導入路と前記測定側負圧導入路とは、前記軸線回りに互いに離れた位置に配置されてもよい。
【0024】
また上記の部品搬送処理装置において、前記搬送装置は、複数の前記部品保持機構によって複数の前記部品を保持して、環状の前記搬送経路の一部に沿って、複数の前記部品を搬送するターレット型回転搬送装置であり、前記載置台は、前記搬送装置の周方向に並んで複数設けられてもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明の部品搬送処理装置によれば、部品の移載時や部品特性の測定時の取り扱いの精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施形態に係る部品搬送処理装置の平面図である。
図2】本発明の実施形態に係る部品搬送処理装置の側面図である。
図3】上記部品搬送処理装置における処理装置の側面図である。
図4】上記処理装置における載置台の平面図である。
図5】上記処理装置の要部の縦断面図である。
図6】上記処理装置の載置台の縦断面図であって、吸引機構による空気の吸引の様子を示す図である。
図7】(A)~(D)は上記処理装置の載置台の縦断面図であって、載置位置における部品の載置手順を示す部分拡大図である。
図8】(A)~(D)は上記処理装置の載置台の縦断面図であって、測定位置における部品の測定手順を示す部分拡大図である。
図9】上記処理装置における載置台の変形例を示す平面図である。
図10】(A)~(C)は上記処理装置の載置台の変形例の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
【0028】
図面は本発明を実施する形態の一例であって、図中、同一の符号を付した部分は同一物を表わす。なお、各図において一部の構成を適宜省略して、図面を簡略化する。そして、部の大きさ、形状、厚みなどを適宜誇張して表現する。
【0029】
<全体構成>
本発明の一実施形態に係る部品搬送処理装置1について説明する。本実施形態の部品搬送処理装置1は、部品を搬送しつつその特性等を評価するものであり、具体的には、電子部品(例えばサーミスタ素子など)について、出力の温度依存性等を評価するために用いられる。
【0030】
図1に示すように部品搬送処理装置1は、部品を搬送する搬送装置10と、搬送装置10に部品を供給する部品供給装置65と、部品に対して所定の処理を施す処理装置70と、処理装置70に設けられた吸引機構500と、処理後の部品を搬出する搬出装置5と、搬送装置10、部品供給装置65、処理装置70、吸引機構500、および搬出装置5を制御する制御装置25(図2参照)とを備えている。
【0031】
<搬送装置>
【0032】
本実施形態の搬送装置10は、円盤状をなすターレット型の回転搬送装置であって、環状の搬送経路T(同図に破線で示す)の一部に沿って、複数の部品を搬送可能となっている。具体的には図2に示すように、搬送装置10は、水平面方向に広がるターレットテーブル12と、ターレットテーブル12を鉛直方向に延びる軸線回りに回転可能に支持するターレットテーブル回転軸15と、ターレットテーブル回転軸15を回転駆動するターレットテーブル駆動装置20とを有する。さらに搬送装置10は、ターレットテーブル12の周縁において、ターレットテーブル回転軸15の周方向に等間隔に固定配置される複数の部品保持機構45を有する。ターレットテーブル12は鉛直方向には移動不可となっている。
【0033】
図1に戻って、各々の部品保持機構45は、後述する部品供給領域51、処理領域52、部品搬出領域53において、後述する昇降付勢機構40と協働して、部品の回収(保持)、及び/または、解放を行う。また複数の部品保持機構45は互いに同期されて周方向(例えば、図1において反時計回りの方向R)に部品を移動させ、環状の搬送経路Tに沿って複数の部品を同時搬送する。
【0034】
具体的には図2に示すように各々の部品保持機構45は、部品保持具145と、部品保持具145を鉛直方向に昇降させる保持具昇降部147と、部品保持具145の平面方向の位置を調整する部品保持具位置決め機構180とを有する。
【0035】
部品保持具145は、後述する載置台50から部品を吸着保持して取り出したり、また、部品を載置台50へ解放(載置)したりする。部品保持具145は、例えば、部品を吸着して保持し、あるいは吸着を解除して部品を解放可能なノズルである。具体的には、部品保持具145は中空のチューブ状(円筒状)をなし、それぞれがダイヤフラムポンプ(図示省略)に接続されている。ダイヤフラムポンプは、後述する制御装置25によって制御され、部品を吸着する場合には部品保持具145の内部空間を減圧(負圧を導入)し、部品を解放する場合には部品保持具145の内部空間を部品搬送処理装置1の雰囲気圧力(大気圧)に戻す。
【0036】
保持具昇降部147は部品保持具145を鉛直方向に案内する。また保持具昇降部147に隣接して昇降付勢機構40が設けられている。昇降付勢機構40としては、モータおよび斜板カムを有する構造や、エアシリンダ、油圧シリンダ、および電磁ソレノイド等の直動動力源を有する構造などを採用可能である。昇降付勢機構40は搬送装置10とは独立して設けられる架台35に設けられている。
【0037】
そして保持具昇降部147が、下降した昇降付勢機構40に当接して昇降付勢機構40によって下方に付勢されると、保持具昇降部147が部品保持具145を鉛直方向下向きに案内する。また昇降付勢機構40が上昇すると保持具昇降部147は、自ら内蔵する付勢手段(例えばバネ)によって、部品保持具145を上昇するように案内する。
【0038】
部品保持具位置決め機構180は、鉛直方向に昇降可能な部品保持具位置決め用係合部182と、部品保持具位置決め用係合部182を昇降させる係合部昇降機構181と、部品保持具位置決め用係合部182を水平面方向に移動させる係合部平面移動機構184を有する。
【0039】
部品保持具位置決め用係合部182は、鉛直方向に延びるピン状をなしている。部品保持具145による部品の保持または解放に先立って、部品保持具位置決め用係合部182が降下されて、後述する部品保持具位置決め孔104に係合されることで、部品保持具145が位置決めされる。
【0040】
係合部平面移動機構184は、ターレットテーブル12に対して部品保持具位置決め機構180および部品保持具145を水平面方向に移動可能とする。例えば、係合部平面移動機構184は、ターレットテーブル12の表面(上面)に設けられたスライド部品222(例えば転動自在のボール状部材)と、このスライド部品222を介してターレットテーブル12上に配置されてターレットテーブル12に対して水平面方向に移動自在な平面移動体183などにより構成される。
【0041】
係合部昇降機構181は、平面移動体183に対して鉛直方向に移動自在に搭載される。係合部昇降機構181に外力が付勢されない状態では、係合部昇降機構181は不図示の付勢手段により鉛直方向上向きに付勢されている。係合部昇降機構181に対して鉛直方向に移動自在に保持具昇降部147が搭載されている。保持具昇降部147に外力が付与されていない状態では、保持具昇降部147は不図示の付勢手段により鉛直方向上向きに付勢されている。係合部昇降機構181における上向きの付勢力は、保持具昇降部147における上向きの付勢力と比較して小さい。
【0042】
従って、昇降付勢機構40によって、保持具昇降部147を下方に付勢すると、まず、係合部昇降機構181が優先的に下降して下死点で停止し、その後、停止した係合部昇降機構181に対して、保持具昇降部147が単独で下降するようになっている。これにより、部品保持具145は、部品保持具位置決め用係合部とは別のタイミングで独立して昇降自在となっている。
【0043】
<部品供給装置>
【0044】
図1に戻って、部品供給装置65は例えばパーツフィーダであって、部品供給領域51において部品を搬送装置10の部品保持機構45に供給する。ここで部品供給領域51とは、搬送経路T上における上流側に位置する領域のことを意味する。
【0045】
<処理装置>
【0046】
処理装置70は、搬送経路T上の処理領域52において部品に対して所定の処理(例えば出力特性の測定)を行なうものである。本実施形態では処理装置70は温度特性の測定を行う。ここで処理領域52とは、搬送経路Tにおける部品供給領域51の下流側に位置する領域のことを意味する。処理装置70は、ターレットテーブル回転軸15の周方向に沿って間隔をあけて配置された複数の処理領域52において、一つずつ設けられている。よって処理装置70は、ターレットテーブル回転軸15の周方向に沿って間隔をあけて複数配置されている。
【0047】
図3に示すように各々の処理装置70は、部品が載置される載置台50と、載置台50に熱を移送する熱移送部材130と、載置台50に載置された部品を移動させる移動機構125と、載置台50に載置された部品の温度特性の測定を行う測定部95とを有する。本実施形態では各々の処理装置70はそれぞれ独立して異なる処理を行うことができる。具体的には例えば、それぞれの処理装置70は、部品を処理装置70毎に異なる設定温度(付近)になるように制御(昇温または冷却)するとともに、当該設定温度における部品の温度特性を測定する。
【0048】
<載置台>
【0049】
図3および図4に示すように載置台50は本実施形態では円盤状をなしている。また載置台50には、部品がそれぞれ個別に載置される複数の載置範囲50Xに、載置部100が設けられている。載置部100は、載置台50の周方向に沿って均等間隔で配置される。本実施形態の載置部100は、載置台50の上面に開口して上面から下方に凹むように形成された収容凹部となっている。載置部100の内寸は、部品の外寸と略一致するとよい。
【0050】
載置部100の外周側には、周方向に並ぶ複数のプローブ位置決め孔103が載置台50に形成されている。プローブ位置決め孔103は、本実施形態では各載置部100に個々に(1対1で)対応して載置部100と同数設けられる。ここで本実施形態では、複数の処理装置70において、載置台50は同サイズで載置部100の数も同数となっている。
【0051】
<吸引機構>
【0052】
図3に示すように吸引機構500は、載置部100に載置された部品を、載置台50側に吸引保持可能とする。本実施形態では吸引機構500として、載置台50に形成される複数の吸引路80を有する。図6に拡大して示すように、吸引路80は、載置部100の底面100aにその第一端80aが開口するとともに、第一端80aとは反対側の第二端80bが載置台50の外周面に開口する。各吸引路80は載置部100毎に一つずつ独立して形成され、各載置部100の底面と外周面を連通させている。
【0053】
図4及び図5に示すように、吸引機構500は、各載置台50に対して、負圧導入路81、導入切換え弁82を有する。負圧導入路81の第一端(下流端)は、回転が停止した載置台50の吸引路80の第二端80bに近接し、対向するように配置されている。これにより、負圧導入路81と吸引路80は、負圧を案内するための一つの導管となる。この負圧導入路81の第一端とは反対側の第二端(上流端)に導入切換え弁82が設けられている。導入切換え弁82は、負圧供給路83を介して負圧発生源となるポンプPPに接続される。なお、負圧導入路81の第一端には例えば吸引ノズルを設けておくことも好ましい。負圧導入路81は、例えばチューブ式の配管であり、載置台50毎に設けられている。
【0054】
本実施形態では負圧導入路81として、載置台50における後述する載置位置P1に固定配置される載置側負圧導入路81Aと、後述する測定位置P2に固定配置される測定側負圧導入路81Bを有する。載置側負圧導入路81Aと測定側負圧導入路81Bとは、各載置台50において周方向に離れた位置に配置されている。すなわち本実施形態の各載置台50には、複数(ここでは一対)の負圧導入路81A,81Bが配置されていることになる。負圧導入路81に負圧を供給するポンプPPは、例えばダイヤフラムポンプ等を採用可能である。なお、図1では図示の都合上、一つの処理装置70のみに対して、負圧導入路81、導入切換え弁82、負圧供給路83が設けられる状態を示しているが、実際には全ての処理装置70に負圧導入路、導入切換え弁、負圧供給路がそれぞれ設けられる。一方、ポンプPPは、複数の処理装置70で共有される態様を示しているが、個別に設けても良い。
【0055】
図3及び図4に戻って、導入切換え弁82は、載置側負圧導入路81Aに配置される載置側導入切換え弁82Aと、測定側負圧導入路81Bに配置される測定側導入切換え弁82Bを有する。この導入切換え弁82は、後述する制御装置25によって制御される。載置側導入切換え弁82Aは、載置側負圧導入路81Aに対する負圧の導入のON・OFFを切り替えることで、吸引路80を介して、載置位置P1に停止する載置部100の凹部底面に対する負圧のON・OFFを切り替える。測定側導入切換え弁82Bは、測定側負圧導入路81Bに対する負圧の導入のON・OFFを切り替えることで、吸引路80を介して、測定位置P2に停止する載置部100の凹部底面に対する負圧のON・OFFを切り替える。ここで負圧とは、載置台50が設置された環境の雰囲気圧力よりも低い圧力を意味する。
【0056】
<熱移送部材>
【0057】
図5に示すように熱移送部材130は、各々の載置台50の背面側(下側)に隣接して配置され、載置台50に熱を移送する。熱移送部材130の構造は特に限定されるものではないが、載置台50と略同型(略円盤状)であるとよく、複数に分散配置されていてもよい。なお、熱伝達効率を向上させるため、載置台50と熱移送部材130とは面接触していることが好ましく、載置台50と熱移送部材130との間に熱伝導性シートなどを介在させてもよい。熱移送部材130は、例えば、載置台50の背面から離れる方向、すなわち下方に向かって順に並んで配置された熱伝達プレート130Aとペルチェ素子130Bと熱交換部135とを有している。
【0058】
そして熱移送部材130によって、各載置台50の全体が均一(単一)の温度となるように制御される。熱伝達プレート130Aを温度監視し、その監視結果を利用してペルチェ素子130Bの出力を制御する。例えば載置台50の温度を降下させて、常温よりも低い温度に部品を制御したい場合には、熱移送部材130の載置台50側が低温となり、熱交換部135側が高温になる。その場合は、熱交換部135から熱が放熱されやすいように、熱交換部135をファン(不図示)で空冷したり、外部に設けられた熱交換器であるチラー(不図示)から冷水を供給して水冷したりしてもよい。逆に載置台50の温度を上昇させて、部品を常温よりも高い温度に制御したい場合には、熱移送部材130の載置台50側が高温に、熱交換部135側が低温になる。この場合には、熱交換部135に熱水を接触させて温めることも考えられる。
【0059】
これらの温度制御は、温度制御装置137によって行なわれる。温度制御装置137は、CPU、RAM、ROM(EEPROMを含む)、ハードディスクドライブ等の記憶装置などから構成される。CPUはいわゆる中央演算処理装置であり、各種プログラムが実行されて様々な機能を実現する。RAMはCPUの作業領域、記憶領域として使用され、ROMはCPUで実行されるオペレーティングシステムやプログラムを記憶する。なお、これらは汎用制御装置を用いても良い。温度制御装置137による温度制御は、例えばPID制御によって行われる。
【0060】
さらに熱移送部材130は、載置台50とともに下方から支持台119によって支持されている。支持台119の上面は、熱移送部材130および載置台50と重ならない(熱移送部材130および載置台50から露出する)領域を有している。この領域において、かつ、後述する載置台50における載置位置P1の近傍において支持台119には部品保持具位置決め孔104が形成されている。部品保持具位置決め孔104は、載置位置P1に配置された載置部100に対応して、この載置部100の外周側に設けられている。
【0061】
<移動機構>
【0062】
移動機構125は支持台119に支持されているとともに、熱移送部材130と載置台50とを一体として回転軸55と、回転軸55を該回転軸55の軸線を中心として回転させる回転駆動部60とを有する。回転軸55の軸線は鉛直方向に延びている。移動機構125は載置台50を回転させることで収容凹部(載置部100)を周方向に移動させ、収容凹部に収容された部品を周方向に移動させる。本実施形態では載置台50の回転方向R1(図4参照)はターレットテーブル12の回転方向R(図1参照)とは反対方向となっている。なお、この回転方向Rの方向は、いずれの方向であっても構わない。
【0063】
具体的には図4に戻って、移動機構125は部品保持機構45によって部品が載置される載置台50における載置位置P1と、部品の出力特性が測定される載置台50における測定位置P2との間で、収容凹部(載置部100)に載置された部品を移動させる。載置位置P1とは、部品保持機構45から部品が解放されて載置台50に部品が載置される載置台50上の位置である。測定位置P2とは、後述する測定部95(図3参照)によって部品の出力特性の測定が行われる載置台50上の位置である。
【0064】
さらに移動機構125は、測定位置P2から取り出し位置P3まで載置台50に載置された部品を移動させる。取り出し位置P3は、出力特性を測定済の部品が部品保持機構45によって載置台50から取り出される位置であって、ここでは載置位置P1に一致させている。しかし、回転方向Rにおける載置位置P1の手前側(上流側)に取り出し位置P3を設けても良い。この場合、各々の部品保持機構45が、2つの部品保持具145を備えるダブルノズル構造とすることで、一方の吸引ノズルを取り出し位置P3に停止させると同時に、他方の吸引ノズルを載置位置P1に停止させることで、測定済みの部品の取り出し動作と、未測定の部品の載置動作を同時に実行することができる。
【0065】
更に、取り出し位置P3における部品の取り出しタイミングにおいて、少なくとも、部品保持具145が部品に接触する前から接触するまでの間、吸引機構によって部品の吸引を行い、部品保持具145と部品が接触した後に吸引解除することが好ましい。部品を取り出すために、部品保持具145が部品に向かって接近(下降)すると、その途中で静電気が作用して部品が部品保持具145に向かって浮上し、部品保持具145の部品保持姿勢が誤った状態となる場合がある。上述のように、取り出し位置P3においても部品の吸引を行うことで、静電気による部品の自発的な浮上を抑制できる。
【0066】
本実施形態では載置位置P1と測定位置P2とは載置台50の周方向に180度離れている。よって、時計回りに載置位置P1から測定位置P2までの半周分の載置部100に配置されている部品は測定前の部品であり、部品が測定位置P2に位置すると後述する測定部95(図3参照)によって部品の出力特性が測定される。なお載置位置P1と測定位置P2との位置関係は特に限定されない。本実施形態では、複数の処理装置70間において、それぞれの載置台50は等速で回転させられる。
【0067】
<測定部>
【0068】
図3に戻って、測定部95は、測定位置P2において部品に所定の行為(ここでは出力特性の測定行為)を行う。測定部95は、部品の電極(不図示)に電気的な接触を行う測定プローブ110と、測定プローブ110を昇降させるプローブ昇降部111と、測定プローブ110の水平面方向の位置を調整するプローブ位置決め機構200とを有する。
【0069】
測定プローブ110はプローブ昇降部111によって保持されている。測定プローブ110は、プローブ昇降部111を介して、プローブ位置決め機構200によって平面方向に位置調整される。結果、測定プローブ110はプローブ昇降部111によって載置台50の上面に対して垂直方向(鉛直方向)に昇降したり、プローブ位置決め機構200によって載置台50の面方向(水平面方向)に移動したりして、測定位置P2にある部品の電極に上方から接触可能となっている。
【0070】
プローブ位置決め機構200は、載置台50(又は載置台50の基準位置となる部材)と係合して、載置台50を基準とした相対位置を調整するプローブ位置決め用係合部210と、プローブ位置決め用係合部210を昇降させる係合部昇降機構211と、プローブ位置決め用係合部210を水平面方向に移動させる係合部平面移動機構201とを有する。なお、係合部昇降機構211や係合部平面移動機構201による移動は、測定プローブ110(プローブ昇降部111)が部品と接触する前に先行して行われる。具体的には、プローブ位置決め用係合部210によるプローブ位置決め孔103との係合が完了してから、測定プローブ110(プローブ昇降部111)が部品と接触する。
【0071】
係合部平面移動機構201は、床面に固定載置される測定部支持台99に対して、水平面方向に移動可能となっている。例えば、係合部平面移動機構201は、測定部支持台99に配置されるスライド部品202(例えば転動自在のボール状部材)と、このスライド部品202を介して測定部支持台99上に配置されて測定部支持台99に対して水平面方向に移動自在な平面移動体203とを有する。
【0072】
係合部昇降機構211は、平面移動体203に対して、鉛直方向に移動自在に搭載される。プローブ昇降部111は、係合部昇降機構211に対して、鉛直方向に移動自在に搭載される。測定時には、まず係合部昇降機構211によってプローブ位置決め用係合部210を所定位置(プローブ位置決め孔103)に降下させて位置決めを行なった後に、プローブ昇降部111が測定プローブ110のみを降下させる。
【0073】
<搬出装置>
【0074】
図1に戻って、搬出装置5は、搬送経路Tにおける処理領域52の下流側に位置する部品搬出領域53に配置されている。すなわち搬出装置5は、搬送経路Tの上流側から下流側に向かって複数の処理装置70を順次経由することで複数回にわたって出力特性の測定が行われた部品を搬出する。例えば搬出装置5は供給リール(不図示)を有している。供給リールに巻かれている梱包用の樹脂テープに向けて、部品保持機構45によって部品が搬出され、部品がパッケージングされるようになっている。
【0075】
<制御装置>
【0076】
制御装置25は、CPU、RAM、ROM、ハードディスクドライブ等の記憶装置などから構成され、搬送装置10による部品の搬送制御、部品保持機構45による部品の解放・回収制御、部品の処理(出力測定)制御、吸引機構500における負圧制御などの各種制御を実行する。CPUはいわゆる中央演算処理装置であり、各種プログラムが実行されて様々な機能を実現する。RAMはCPUの作業領域、記憶領域として使用され、ROMはCPUで実行されるオペレーティングシステムやプログラムを記憶する。
【0077】
次に図6図8を参照して、各処理装置70において、制御装置25によって載置台50に対象部品Xを載置してから、載置台50から同じ対象部品Xを取り出すまでの制御手順について説明する。
【0078】
まず載置位置P1(図4参照)の収容凹部(載置部100)に対象部品Xを載置するタイミング(以下、載置タイミング)の動作工程を図7に示す。図7(A)は、部品保持機構45が対象部品Xを載置位置P1まで移送した状態を示す。ここでは対象部品Xが載置部(載置範囲)100の上方に位置決めされる。次の図7(B)は、部品保持機構45が下降して、載置台50の載置位置P1にある収容凹部(載置部100)に対象部品Xを載置した状態を示す。この状態では、部品保持機構45の部品保持具(ノズル)145の負圧が解除されて、部品保持具(ノズル)145から対象部品Xが解放される。次いで図7(C)では、部品保持機構45のみが上昇して対象部品Xから部品保持具(ノズル)145が離反する。結果、対象部品Xを収容凹部(載置部100)に残存させる。図7(D)は、載置位置P1において図7(C)から所定時間が経過した状態を示している。
【0079】
制御装置25は、「載置台50に対象部品Xが載置される載置タイミング」で載置側切換え弁82Aを動作させ、載置側負圧導入路81Aおよび吸引路80を介して、載置位置P1にある対象部品Xを、載置台50側に吸引保持させる。
【0080】
本実施形態において、「対象部品Xが載置台50に載置されるタイミングで吸引路80による対象部品Xを吸引保持する」という概念には、少なくとも、図7(B)に示すように、対象部品Xが部品保持機構45の部品保持具(ノズル)145および載置台50の双方に接触する状態(双方接触状態)の途中から、図7(C)に示すように、対象部品Xが載置台50に残存し、かつ、部品保持機構45の部品保持具(ノズル)145が対象部品Xから離間する状態(載置完了状態)となるまでの時間に亘って吸引状態(負圧印加状態)を継続することを含む。同様に、「対象部品Xが載置台50に載置されるタイミングで吸引路80による対象部品Xを吸引保持する」という概念は、部品保持機構45の部品保持具(ノズル)145の上昇開始前から上昇開始後の時間に亘って吸引状態(負圧印加状態)を継続することを含む。
【0081】
更に「対象部品Xが載置台50に載置されるタイミングで吸引路80による対象部品Xを吸引保持する」の広い概念には、図7(A)に示すように、部品Xが部品保持機構45に接触し、かつ載置台50には非接触の状態(載置台50へ部品を載置する前の状態、即ち、上記双方接触状態となる前の状態)から、図7(B)の状態を経て、図7(C)に示すように、部品Xが載置台50に残存し、かつ、部品保持機構45の部品保持具(ノズル)145が部品Xから離間する状態(載置完了状態)となるまでの時間に亘って吸引状態(負圧印加状態)を継続することを含むことができる。
【0082】
一方で図7(A)の状態では、吸引路80の負圧印加を停止して、周囲の空気を吸引しないようにすることで、下降中の対象部品Xの姿勢を不安定にさせないようにし、図7(B)の状態になってから、吸引路80による吸引を開始することも好ましい。更に制御装置25は、図7(C)の状態の後、所定時間経過したら、素早く、図7(D)に示すように載置側切換え弁82Aを動作させて、載置側負圧導入路81Aおよび吸引路80による負圧吸引を終了させることが好ましい。即ち「対象部品Xが載置台50に載置されるタイミングで吸引路80による対象部品Xを吸引保持する」の狭い概念には、上記双方接触状態となった後に、吸引路80による対象部品Xの吸引を開始し、載置完了状態となった後、且つ後述する「測定タイミング」に移行する前に、一端、吸引路80による対象部品Xの吸引を停止することを含む。
【0083】
以上のようにすると、部品保持具(ノズル)145が上昇する際に、静電気等によって、対象部品Xが部品保持具(ノズル)145と一緒に上昇することを回避できる。
【0084】
その後、制御装置25は、移動機構125(図3参照)を動作させて載置台50を回転させることで、載置位置P1の対象部品Xを測定プローブ110の直下となる測定位置P2(図4参照)まで移動させてから載置台50の回転を停止させる。この対象部品Xが、載置位置P1から測定位置P2まで移動する間の少なくとも一部区間では、吸引路80による負圧吸引を行わない(或いは、吸引力を極力小さくする)ことが望ましい。特に本実施形態では、載置位置P1と測定位置P2を除いた載置位置P1から測定位置P2までの全移動区間において、吸引路80による負圧吸引を行わないようにしている。吸引路80による吸引を行うと、対象部品Xの周囲に気流が形成されるため、対象部品Xの温度制御に誤差が生じやすくなるからである。なお、この部品Xが載置位置P1から測定位置P2まで移動する間も、順次、他の部品Xが載置位置P1と測定位置P2に順次位置決めされるので、その都度、載置台50の回転が停止する。
【0085】
測定位置P2まで対象部品Xが移動したら、測定プローブ110を降下させて、測定プローブ110を対象部品Xの電極に接触させることで、測定部95によって部品Xの出力特性が測定される(以下、測定タイミングと称する)。この測定タイミングにおける測定工程を図8に示す。
【0086】
図8(A)は、対象部品Xが載置位置P2まで移送された状態を示す。この状態では、測定プローブ110が対象部品Xの上方の離れた位置に待機している。次の図8(B)は、測定プローブ110が下降して、測定プローブ110が対象部品Xの電極に接触して、対象部品Xの出力特性を測定する(測定実施中状態)。次の図8(C)は、測定プローブ110による対象部品Xの出力特性の測定が完了した状態を示す(測定完了直後状態)。測定完了直後状態は、外見上は、測定プローブ110が対象部品Xの電極に接触しているため、測定実施中状態と同じである。図8(D)は、測定プローブ110のみが上昇して、測定プローブ110が対象部品Xから離反した状態(プローブ離反状態)を示す。結果、対象部品Xは収容凹部(載置部100)に残存する。
【0087】
その後、制御装置25は載置台50を再び回転させて、次の部品Xが測定プローブ110の直下となる測定位置P2に移動されて、その部品Xの出力特性が測定される。
【0088】
そして制御装置25は、測定位置P2において「測定タイミング」で測定側切換え弁82Bを動作させ、測定側負圧導入路81Bおよび吸引路80を介して、測定位置P2にある部品Xを載置台50側に吸引保持させる。
【0089】
本実施形態において「測定部95によって部品Xの出力特性が測定されるタイミングで吸引路80による対象部品Xを吸引保持する」という概念には、少なくとも、図8(C)に示すように、測定プローブ110が対象部品Xの電極に接触しているものの、既に出力特性の測定を完了させた状態(測定完了直後状態)から、図8(D)に示すように、測定プローブ110が上昇して対象部品Xの電極から離間する状態(プローブ離反状態)となるまでの時間に亘って吸引状態(負圧印加状態)を継続することを含む。「測定部95によって部品Xの出力特性が測定されるタイミングで吸引路80による対象部品Xを吸引保持する」という概念を換言すると、測定プローブ110による測定完了後において、測定プローブ110の上昇開始前から上昇開始後の時間に亘って吸引状態(負圧印加状態)を継続することを含む。
【0090】
この「測定部95によって部品Xの出力特性が測定されるタイミングで吸引路80による対象部品Xを吸引保持する」の広い概念には、図8(B)の測定プローブ110が対象部品Xの電極に接触して出力特性を測定中の状態(測定実施中状態)に吸引路80による対象部品Xを吸引保持することを含めても良く、測定実施中の対象部品Xの姿勢を安定させることができる。一方で、吸引路80の負圧によって生じる空気対流の影響に鑑みて、図8(B)の測定実施中状態は、吸引路80の負圧を停止しておくことが好ましい。
【0091】
「測定部95によって部品Xの出力特性が測定されるタイミングで吸引路80による対象部品Xを吸引保持する」の更に広い概念には、図8(A)の状態、即ち、測定プローブ110が対象部品Xに接触する前の状態において、吸引路80を介して吸引を開始することを含めても良い。測定プローブ110の下降途中で、静電気等によって測定プローブ110側に対象部品Xが吸引浮上する事態を抑制できる。この場合、測定実施中状態になったら、空気対流の影響を抑制するために吸引を一時停止することも可能である。
【0092】
「測定部95によって部品Xの出力特性が測定されるタイミングで吸引路80による対象部品Xを吸引保持する」の一層広い概念には、測定プローブ110が部品Xに接触する前の状態から吸引を開始し、測定プローブ110が部品Xに接触した測定実施中状態、及び、測定完了直後状態を経て、測定プローブ110が部品Xから離間した後のプローブ離反状態までの時間に亘って、吸引状態(負圧印加状態)を継続することを含んでもよい。また、この場合においても、測定実施中状態の時間帯に限っては、吸引路80による吸引を一時停止してもよい。
【0093】
その後、制御装置25は、移動機構125を動作させて載置台50を回転させることで、測定位置P2の対象部品Xを取り出し位置P3(ここでは載置位置P1と同じ位置)に移動させて載置台50の回転を停止させた後、部品保持機構45によって載置台50から対象部品Xを取り出させる(取り出しタイミング)。
【0094】
「部品保持機構45によって載置台50から対象部品Xを取り出させるタイミング(取り出しタイミング)」において、制御装置25は、載置側切換え弁82Aを動作させ、載置側負圧導入路81Aおよび吸引路80を介して、取り出し位置P3にある対象部品Xを、載置台50側に吸引保持させる。
【0095】
「取り出しタイミングにおいて吸引路80による対象部品Xを吸引保持する」という概念には、少なくとも、取り出し位置P3の対象部品Xに対して、部品保持機構45の部品保持具(ノズル)145が接触する前の状態から、部品保持機構45が下降して部品保持具(ノズル)145が対象部品Xに接触する状態までの時間に亘って吸引状態(負圧印加状態)を継続することを含む。このようにすると、部品保持具(ノズル)145の下降途中で、静電気等によって部品保持具(ノズル)145側に対象部品Xが吸引浮上する事態を抑制できる。制御装置25は、対象部品Xを保持した部品保持具(ノズル)145が上昇する前に、吸引路80による吸引を停止する。
【0096】
なお、本実施形態では、載置位置P1と取り出し位置P3を一致させていることから、載置位置P1の載置側負圧導入路81Aが、取り出し位置P3における吸引機構を兼ねる。しかし、本発明はこれに限定されず、載置位置P1よりも移送方向の上流側に取り出し位置P3を設ける場合は、別途、その近傍に、取り出し側負圧導入路を配置すれば良い。
【0097】
載置台50から対象部品Xが取り出された後は、一時的に、収容凹部(載置部100)が空となった状態、即ち、対象部品Xが載置されていない時間帯(非載置期間)が生じる。載置位置P1と取り出し位置P3が同一位置の場合、非載置期間は、次の部品保持機構45が載置位置P1の上方に到着するまでの待機時間となる。この非載置期間において、制御装置25は、載置側切換え弁82Aを動作させ、載置側負圧導入路81Aおよび吸引路80を介して、取り出し位置P3又はその後の載置位置P1に存在する(空の)収容凹部に対して、載置側負圧導入路81Aおよび吸引路80によって吸引動作を短時間で実行する。この動作によって、収容凹部(載置部100)内に存在する塵埃等の異物を、吸引路80から吸引して外部に取り出す(清掃動作)。清掃動作により、対象部品Xと収容凹部(載置部100)の密着度合いを高めることができ、対象部品Xの温度制御の精度を向上させることができる。ちなみに、対象部品Xを収容凹部(載置部100)に載置する際に、仮に、収容凹部(載置部100)の底面に異物が存在すると、対象部品Xと収容凹部の底面に隙間が形成されるため、対象部品Xに対する熱移送部材130の熱伝達が不十分となり、温度制御の精度が低下する。なお、本実施形態では、非載置期間において、収容凹部(載置部100)内の気体(空気)を吸引する動作を例示したが、本発明はこれに限定されず、吸引路80から収容凹部(載置部100)内に正圧を印加して、収容凹部(載置部100)内の異物を上方に放出させても良い。
【0098】
そして、取り出しタイミングにおいて、部品保持機構45に保持された対象部品Xは、部品保持機構45によって、搬送経路Tの上流側から下流側の処理装置70に、この対象部品Xを受け渡し、下流側の処理装置70によって対象部品Xの出力特性の測定を行わせる。最後に、制御装置25は、搬出装置5によって対象部品Xを搬出させ、対象部品Xのパッケージングが完了する(図1参照)。
【0099】
以上説明した本実施形態の部品搬送処理装置1によれば、電子部品の出力特性を測定するために処理装置70の載置台50に部品が載置される載置タイミングにおいて、載置側切換え弁82Aによって吸引路80に負圧を印加して、部品を載置台50側に吸引保持可能となっている。したがって部品保持機構45が載置台50に部品を載置する際に、静電気等によって部品保持機構45側に部品が吸着してしまい、載置位置P1における収容凹部(載置部100)に部品を適切に移載できなくなってしまうことを回避できる。よって部品の移載時の取り扱いの精度を向上することができる。
【0100】
さらに測定部95(測定プローブ110)によって部品の出力特性を測定する測定タイミングにおいても、測定側切換え弁82Bによって吸引路80に負圧を印加して、部品を載置台50側に吸引保持可能となっている。したがって測定部95における測定プローブ110が部品の電極に接触する際に、静電気等によって測定プローブ110側に部品が吸着してしまい、測定位置P2における収容凹部(載置部100)から部品が脱落してしまうことを回避できる。よって部品特性の測定時の部品の取り扱いの精度を向上することができる。
【0101】
さらに、少なくとも測定プローブ110が部品の電極に接触した状態で、部品の出力特性の測定の開始から完了までの間は、吸引機構500を通じて空気の吸引を行わないことで、吸引によって生じる気流に起因する測定誤差が生じてしまうことを回避できる。
【0102】
また負圧導入路81の第一端の開口を、載置台50と共に載置位置P1および測定位置P2まで回転する吸引路80の第二端80bの開口に対向する場所に配置しておき、載置台50の移動によって、自動的に負圧導入路81と吸引路80が連通される。結果、負圧発生源となるポンプを載置台50毎に設ける必要がなくなる。すなわちポンプを載置台50とともに回転させる必要がなくなる。よって、載置台50をコンパクトに構成できるとともに、設計強度を抑えることができ、コストダウンにつながるとともにポンプのレイアウトの自由度が高まる。
【0103】
更に、載置台50において、複数の載置部100に対して、吸引路80が互いに独立して(互いにつながっていない状態で)設けられている。よって特定の載置部100の吸引路80に負圧を印加する最中であっても、他の載置部100の吸引路80に負圧が印加されないので、気流の影響が及ばないようになっている。更に、載置位置P1側の載置側負圧導入路81Aと、測定位置P2側の測定側負圧導入路81Bが互いに独立している(連動動作しない)。よって部品の載置台50への載置時と、部品の測定時とで、吸引動作開始、および吸引動作終了のタイミングを独立して制御可能となる。したがって部品の載置と測定とを同時に行う必要がなくなり、部品搬送処理装置1の制御の自由度が高まる。
【0104】
以上、本発明の部品搬送処理装置1は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、吸引路80(吸引機構500)の一端80aは、収容凹部(載置部100)の側面に開口していてもよい。また、吸引機構500は上記のような載置台50に形成された吸引路である必要はない。例えば、吸引機構500は収容凹部に連通するように接続された吸引管であってもよい。
【0105】
さらに、複数の吸引路80(吸引機構500)は互いに連通し、一つの負圧導入路81によって複数の吸引路80(複数の載置部100)に負圧を導入しても良い。例えば、複数の部品を同時に測定プローブ110で測定する場合に有効である。この際、載置台50のすべての吸引路80(載置部100)に同時に負圧を導入してもよい。
【0106】
更に、本実施形態では載置側負圧導入路81Aおよび測定側負圧導入路81Bに独立した電磁弁(載置側導入切換え弁82A、測定側導入切換え弁82B)を設けて、制御装置25によって電磁弁を開閉制御する場合を例示したが、例えば、載置側ポンプおよび測定側ポンプ82Bを別々に設けてもよい。これにより、載置側の負圧レベルと、測定側の負圧レベルを独立制御できる。この際、電磁弁の代わりに、各ポンプのON・OFFによって、負圧の印加タイミングを制御してもよい。
【0107】
また吸引路80の第二端80bは、載置台50の円筒状の外周面に開口する場合に限られず、例えば載置台50の背面や上面に開口していてもよい。
【0108】
なお、ここでは、載置位置P1において載置側切換え弁82Aを動作させて、吸引路80に負圧を印加したり、負圧を停止したりする場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば図9に示すように、載置側負圧導入路81Aに対して常に負圧を印加しておき、載置台50を回転させて吸引路80を載置位置P1に案内し、吸引路80の第二端80bを載置側負圧導入路81Aに対向させることで吸引路80に自動的に負圧を印加しても良い。更に、載置台50を回転させて、吸引路80を載置位置P1から離反させることで、その第二端80bを載置側負圧導入路81Aから非対向状態にして吸引路80の負圧を停止してもよい。つまり、載置台50の回転制御によって、吸引路80の負圧のON・OFFを制御できる。測定位置P2においても同様に構成できる。
【0109】
また、ここでは載置範囲50Xに形成される載置部100が収容凹部である場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。載置部100の構造は、搬送中の部品の位置ずれを抑制できる構造であれば良い。例えば載置部100は、部品の周壁(角部を含む)に係合可能な複数の係合突起などで構成されても良い。この場合、載置部100は、部品の搬送方向(ここでは載置台50の周方向)の前後方向に部品と係合することで、搬送時の慣性による位置ずれを抑制することが好ましい。更に、載置台50が回転する場合は、部品に作用する遠心力に抗するために、径方向の外側から部品と係合することも好ましい。
【0110】
更に、本実施形態では、図4及び図5に示すように、負圧導入路81に導入切換え弁82を設けることで、負圧導入路81の負圧のON・OFFを切り替える構造を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、負圧導入路81には負圧を常時案内しておき、負圧導入路81の第一端(下流端)を往復移動自在とすることで、この第一端(下流端)を、吸引路80の第二端80bに近接させたり離反させたりすることで、負圧導入路81と吸引路80を連続・分離させることができる。
【0111】
また更に、本実施形態では、図7及び図8に示すように、収容凹部(載置部100)が、直方体となる部品に合わせて、直方体形状の空間となる場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、収容凹部(載置部100)の形状の変形例として、図10(A)に示すような、四角錐台を反転させた形状とすることができる。収容凹部(載置部100)の4つの周壁は、上方から下方に向かって、対象部品Xを底面100aまで案内する傾斜面100zとなる。これにより、収容凹部(載置部100)の底面100aの外形と、対象部品Xの外形のクリアランスを小さく設定しつつも、収容凹部(載置部100)の上縁開口100wの外形は、対象部品Xの外形よりも大きく設定できるので、部品保持機構45による対象部品Xの収容凹部(載置部100)への載置時の要求精度を緩和させることができる。この際、図10(B)に示すように、部品保持機構45によって下降する対象部品Xが、収容凹部(載置部100)の傾斜面100zに干渉したとしても、吸引路80による対象部品Xを吸引によって、図10(C)のように、対象部品Xが底面100aに密着するまで案内される。
【0112】
例えば、代表的な電子部品である水晶発振器は、直方体の縦・横・高さの各辺寸法が1.0mm以下(具体的には縦外形寸法1.0mm以下、横外形寸法0.8mm以下、高さ外形寸法0.3mm以下)となる。このような小型の水晶発振器の表面に形成される矩形端子は、更に小さいサイズ(0.5mm角以下)となる。それ故に、測定プローブ110と部品の端子位置を合わせるために、収容凹部(載置部100)内における部品の位置決め精度を高める必要があるものの、収容凹部(載置部100)の上縁の開口と、部品の外形のクリアランスを小さくすると、部品保持機構45によって、部品を収容凹部(載置部100)内に導入すること自体の難易度が高まる。そこで、図10のようにすれば、上縁開口100wを大きく、底面100aを小さくして、周壁をテーパ構造にすることで、載置タイミングにおいて吸引路80の負圧を組み合わせた部品案内機構を構成できる。
【0113】
さらに搬送装置10の搬送経路Tが環状をなす場合には限定されない。例えば、搬送装置10が直線状の搬送経路を有する直線コンベアであってもよい。
【符号の説明】
【0114】
1 部品搬送処理装置
5 搬出装置
10 搬送装置
25 制御装置
45 部品保持機構
50 載置台
51 部品供給領域
52 処理領域
53 部品搬出領域
65 部品供給装置
70 処理装置
80 吸引機構
81 負圧導入路
81A 載置側負圧導入路
81B 測定側負圧導入路
82A 載置側切換え弁
82B 測定側切換え弁
95 測定部
100 載置部
110 測定プローブ
125 移動機構
130 熱移送部材
PP ポンプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10