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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023015075
(43)【公開日】2023-01-31
(54)【発明の名称】光検出器における検出時間の制御
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/107 20060101AFI20230124BHJP
   H01L 27/146 20060101ALI20230124BHJP
【FI】
H01L31/10 B
H01L27/146 A
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022167234
(22)【出願日】2022-10-18
(62)【分割の表示】P 2020526362の分割
【原出願日】2019-01-24
(31)【優先権主張番号】62/623,388
(32)【優先日】2018-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/939,619
(32)【優先日】2018-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】317015065
【氏名又は名称】ウェイモ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】オナル,ケイナー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァーギーズ,サイモン
(72)【発明者】
【氏名】ドロズ,ピエール-イヴ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】光検出器における検出時間を制御する。
【解決手段】例示的な実施形態は、デバイスを含む。デバイスは基板を含む。デバイスは、基板に結合された光検出器も含む。光検出器は、デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するように配置されている。基板の深さは、光源から放射された光に基づいて基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減するように、基板内の少数キャリアの拡散長の最大で100倍である。
【選択図】図7A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、
基板と、
前記基板に結合された光検出器と、を備え、
前記光検出器が、前記デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するよ
うに配置され、
前記基板が、前記基板の第2の表面上に表面欠陥を含み、
前記表面欠陥が、前記光源から放射された前記光に基づいて前記基板内で光励起され
た少数キャリアから生じる暗電流を軽減するように、電子と正孔の再結合を可能にする
、デバイス。
【請求項2】
前記表面欠陥のうちの少なくとも1つが、トポロジー欠陥、前記第2の表面の並進対
称性が壊れている欠陥、吸着物、別の材料との界面、不整合な結晶粒界、積層欠陥、逆
相境界、またはダングリングボンドを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記基板に結合された追加の光検出器をさらに備え、
前記追加の光検出器が、前記デバイスの前記上面を照射する前記光源から放射された
光を検出するように配置され、前記光検出器と直列に電気的に接続されている、請求項
1または2に記載のデバイス。
【請求項4】
デバイスであって、
基板と、
前記基板に結合された光検出器と、を備え、
前記光検出器が、前記デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するよ
うに配置され、
前記基板が、前記光源から放射された前記光に基づいて前記基板内で光励起された少
数キャリアから生じる暗電流を軽減するように電子と正孔の再結合を可能にする結晶学
的欠陥を含む、デバイス。
【請求項5】
前記基板に結合された追加の光検出器をさらに備え、
前記追加の光検出器が、前記デバイスの前記上面を照射する前記光源から放射された
光を検出するように配置され、かつ前記光検出器と直列に電気的に接続されている、請
求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記結晶学的欠陥が、空孔欠陥、侵入型欠陥、フレンケル欠陥、アンチサイト欠陥、
置換欠陥、またはトポロジー欠陥を含む、請求項4または5に記載のデバイス。
【請求項7】
デバイスであって、
基板と、
前記基板に結合された光検出器と、を備え、
前記光検出器が、前記デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するよ
うに配置され、
前記基板の深さが、前記光源から放射された前記光に基づいて前記基板内で光励起さ
れた少数キャリアから生じる暗電流を軽減するように、前記基板内の少数キャリアの拡
散長の最大で100倍である、デバイス。
【請求項8】
前記基板に結合された追加の光検出器をさらに備え、
前記追加の光検出器が、前記デバイスの前記上面を照射する前記光源から放射された
光を検出するように配置され、かつ前記光検出器と直列に電気的に接続されている、請
求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記基板の前記深さが、前記基板内の前記少数キャリアの前記拡散長の最大で10倍
、前記基板内の前記少数キャリアの前記拡散長の最大で1倍、前記基板内の前記少数キ
ャリアの前記拡散長の最大で0.1倍、または前記基板内の前記少数キャリアの前記拡
散長の最大で0.01倍である、請求項7または8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記基板の前記深さが、前記基板の光吸収長の最大で1000倍、前記基板の前記光
吸収長の最大で100倍、前記基板の前記光吸収長の最大で10倍、前記基板の最大で
前記光吸収長、前記基板の前記光吸収長の最大で0.1倍、前記基板の前記光吸収長の
最大で0.01倍、または前記基板の前記光吸収長の最大で10-3倍である、請求項7
~9のいずれかに記載のデバイス。
【請求項11】
前記基板の前記深さが、前記光源から放射された前記光の最大吸収深さを画定する、
請求項7~10のいずれかに記載のデバイス。
【請求項12】
デバイスであって、
基板と、
前記基板に結合された光検出器と、を備え、
前記光検出器が、前記デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するよ
うに配置され、
前記デバイスが、前記基板と前記光検出器の材料組成に基づくバンド構造を有し、
前記バンド構造が、前記光源から放射された前記光に基づいて前記基板内で光励起さ
れた少数キャリアから生じる暗電流を軽減するように構成されている、デバイス。
【請求項13】
前記基板に結合された追加の光検出器をさらに備え、
前記追加の光検出器が、前記デバイスの上面を照射する前記光源から放射された光を
検出するように配置され、かつ前記光検出器と直列に電気的に接続され、
前記バンド構造は、前記追加の光検出器の材料組成に基づく、請求項12に記載のデ
バイス。
【請求項14】
前記バンド構造が、前記光検出器の空乏領域を超える電界を、前記光検出器の前記空
乏領域を超える前記バンド構造の伝導帯または価電子帯の曲率に基づいて誘導し、
前記電界が、少数キャリアが前記光源から放射された前記光に基づいて前記基板内で
光励起されるときに、前記少数キャリアを前記光検出器の前記空乏領域に向かって加速
するドリフト電流を誘導するように構成されている、請求項12または13に記載のデ
バイス。
【請求項15】
前記バンド構造が、ポテンシャル障壁を含み、
前記ポテンシャル障壁が、前記基板内で光励起された少数キャリアが拡散により前記
光検出器の空乏領域に到達するのを防ぐように構成されている、請求項12~14のい
ずれかに記載のデバイス。
【請求項16】
前記ポテンシャル障壁に対応する障壁の厚さが、少なくとも1nmの厚さ、少なくと
も10nmの厚さ、または少なくとも100nmの厚さである、請求項15に記載のデ
バイス。
【請求項17】
前記基板が、バンドギャップを有し、
前記ポテンシャル障壁が、前記ポテンシャル障壁を囲む前記基板の前記バンド構造の
伝導帯エネルギーを超える、前記基板の前記バンドギャップの最小で0.01倍である
伝導帯エネルギー、前記ポテンシャル障壁を囲む前記基板の前記バンド構造の伝導帯エ
ネルギーを超える、前記基板の前記バンドギャップの最小で0.05倍である伝導帯エ
ネルギー、前記ポテンシャル障壁を囲む前記基板の前記バンド構造の伝導帯エネルギー
を超える、前記基板の前記バンドギャップの最小で0.1倍である伝導帯エネルギー、
前記ポテンシャル障壁を囲む前記基板の前記バンド構造の伝導帯エネルギーを超える、
前記基板の前記バンドギャップの最小で0.15倍である伝導帯エネルギー、前記ポテ
ンシャル障壁を囲む前記基板の前記バンド構造の伝導帯エネルギーを超える、前記基板
の前記バンドギャップの最小で0.2倍である伝導帯エネルギー、前記ポテンシャル障
壁を囲む前記基板の前記バンド構造の伝導帯エネルギーを超える、前記基板の前記バン
ドギャップの最小で0.25倍である伝導帯エネルギー、前記ポテンシャル障壁を囲む
前記基板の前記バンド構造の伝導帯エネルギーを超える、前記基板の前記バンドギャッ
プの最小で0.5倍である伝導帯エネルギー、前記ポテンシャル障壁を囲む前記基板の
前記バンド構造の伝導帯エネルギーを超える、前記基板の前記バンドギャップの最小で
0.75倍である伝導帯エネルギー、前記ポテンシャル障壁を囲む前記基板の前記バン
ド構造の伝導帯エネルギーを超える、前記基板の前記バンドギャップの最小で1.0倍
である伝導帯エネルギー、前記ポテンシャル障壁を囲む前記基板の前記バンド構造の価
電子帯エネルギーを超える、前記基板の前記バンドギャップの最小で0.01倍の価電
子帯エネルギー、前記ポテンシャル障壁を囲む前記基板の前記バンド構造の価電子帯エ
ネルギーを超える、前記基板の前記バンドギャップの最小で0.05倍の価電子帯エネ
ルギー、前記ポテンシャル障壁を囲む前記基板の前記バンド構造の価電子帯エネルギー
を超える、前記基板の前記バンドギャップの最小で0.1倍の価電子帯エネルギー、前
記ポテンシャル障壁を囲む前記基板の前記バンド構造の価電子帯エネルギーを超える、
前記基板の前記バンドギャップの最小で0.15倍の価電子帯エネルギー、前記ポテン
シャル障壁を囲む前記基板の前記バンド構造の価電子帯エネルギーを超える、前記基板
の前記バンドギャップの最小で0.2倍の価電子帯エネルギー、前記ポテンシャル障壁
を囲む前記基板の前記バンド構造の価電子帯エネルギーを超える、前記基板の前記バン
ドギャップの最小で0.25倍の価電子帯エネルギー、前記ポテンシャル障壁を囲む前
記基板の前記バンド構造の価電子帯エネルギーを超える、前記基板の前記バンドギャッ
プの最小で0.5倍の価電子帯エネルギー、前記ポテンシャル障壁を囲む前記基板の前
記バンド構造の価電子帯エネルギーを超える、前記基板の前記バンドギャップの最小で
0.75倍の価電子帯エネルギー、または前記ポテンシャル障壁を囲む前記基板の前記
バンド構造の価電子帯エネルギーを超える、前記基板の前記バンドギャップの最小で1
.0倍の価電子帯エネルギーを有する、請求項15または16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記バンド構造が、ポテンシャル井戸を含み、
前記ポテンシャル井戸が、前記基板内で光励起された少数キャリアが拡散により前記
光検出器の空乏領域に到達するのを防ぐように構成されている、請求項12~17のい
ずれかに記載のデバイス。
【請求項19】
前記ポテンシャル井戸に対応する井戸の厚さが、少なくとも1nmの厚さ、少なくと
も10nmの厚さ、または少なくとも100nmの厚さである、請求項18に記載のデ
バイス。
【請求項20】
前記基板が、バンドギャップを有し、
前記ポテンシャル井戸が、前記ポテンシャル井戸を囲む前記基板の前記バンド構造の
伝導帯エネルギー未満の、前記基板の前記バンドギャップの最小で0.01倍である伝
導帯エネルギー、前記ポテンシャル井戸を囲む前記基板の前記バンド構造の伝導帯エネ
ルギー未満の、前記基板の前記バンドギャップの最小で0.05倍である伝導帯エネル
ギー、前記ポテンシャル井戸を囲む前記基板の前記バンド構造の伝導帯エネルギー未満
の、前記基板の前記バンドギャップの最小で0.1倍である伝導帯エネルギー、前記ポ
テンシャル井戸を囲む前記基板の前記バンド構造の伝導帯エネルギー未満の、前記基板
の前記バンドギャップの最小で0.15倍である伝導帯エネルギー、前記ポテンシャル
井戸を囲む前記基板の前記バンド構造の伝導帯エネルギー未満の、前記基板の前記バン
ドギャップの最小で0.2倍である伝導帯エネルギー、前記ポテンシャル井戸を囲む前
記基板の前記バンド構造の伝導帯エネルギー未満の、前記基板の前記バンドギャップの
最小で0.25倍である伝導帯エネルギー、前記ポテンシャル井戸を囲む前記基板の前
記バンド構造の伝導帯エネルギー未満の、前記基板の前記バンドギャップの最小で0.
5倍である伝導帯エネルギー、前記ポテンシャル井戸を囲む前記基板の前記バンド構造
の伝導帯エネルギー未満の、前記基板の前記バンドギャップの最小で0.75倍である
伝導帯エネルギー、前記ポテンシャル井戸を囲む前記基板の前記バンド構造の伝導帯エ
ネルギー未満の、前記基板の前記バンドギャップの最小で1.0倍である伝導帯エネル
ギー、前記ポテンシャル井戸を囲む前記基板の前記バンド構造の価電子帯エネルギー未
満の、前記基板の前記バンドギャップの最小で0.01倍の価電子帯エネルギー、前記
ポテンシャル井戸を囲む前記基板の前記バンド構造の価電子帯エネルギー未満の、前記
基板の前記バンドギャップの最小で0.05倍の価電子帯エネルギー、前記ポテンシャ
ル井戸を囲む前記基板の前記バンド構造の価電子帯エネルギー未満の、前記基板の前記
バンドギャップの最小で0.1倍の価電子帯エネルギー、前記ポテンシャル井戸を囲む
前記基板の前記バンド構造の価電子帯エネルギー未満の、前記基板の前記バンドギャッ
プの最小で0.15倍の価電子帯エネルギー、前記ポテンシャル井戸を囲む前記基板の
前記バンド構造の価電子帯エネルギー未満の、前記基板の前記バンドギャップの最小で
0.2倍の価電子帯エネルギー、前記ポテンシャル井戸を囲む前記基板の前記バンド構
造の価電子帯エネルギー未満の、前記基板の前記バンドギャップの最小で0.25倍の
価電子帯エネルギー、前記ポテンシャル井戸を囲む前記基板の前記バンド構造の価電子
帯エネルギー未満の、前記基板の前記バンドギャップの最小で0.5倍の価電子帯エネ
ルギー、前記ポテンシャル井戸を囲む前記基板の前記バンド構造の価電子帯エネルギー
未満の、前記基板の前記バンドギャップの最小で0.75倍の価電子帯エネルギー、ま
たは前記ポテンシャル井戸を囲む前記基板の前記バンド構造の価電子帯エネルギー未満
の、前記基板の前記バンドギャップの最小で1.0倍の価電子帯エネルギーを有する、
請求項18または19に記載のデバイス。
【請求項21】
前記基板が、2つ以上の材料を含み、
前記バンド構造が、ヘテロ構造を有し、
前記ヘテロ構造が、前記光源から放射された前記光に関連する光子エネルギーよりも
大きいバンドギャップを有する第1の材料を含み、
前記第1の材料が、前記基板内の第1の深さで前記基板内に存在し、前記光源から放
射された前記光の最大吸収深さを画定する、請求項12~20のいずれかに記載のデバ
イス。
【請求項22】
デバイスであって、
基板と、
前記基板に結合された光検出器であって、
前記光検出器が、前記デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するよ
うに配置される、光検出器と、
前記基板の第2の表面に結合された反射防止層と、を備え、
前記反射防止層が、前記基板を通過する光を前記デバイスの外部に結合するように構
成され、それにより、前記光源から放射された前記光の前記基板内での反射を防止して
、前記光源から放射された前記光に基づいた前記基板内の少数キャリア光励起を低減し
、前記光源から放射された前記光に基づいて前記基板内で光励起された少数キャリアか
ら生じる暗電流を軽減する、デバイス。
【請求項23】
前記基板に結合された追加の光検出器をさらに備え、
前記追加の光検出器が、前記デバイスの前記上面を照射する前記光源から放射された
光を検出するように配置され、かつ前記光検出器と直列に電気的に接続されている、請
求項22に記載のデバイス。
【請求項24】
前記反射防止層が、屈折率分布型反射防止コーティング、1/4波長光学層、ブラッ
グ格子、回折格子、または屈折率整合型の受動基板を含む、請求項22または23に記
載のデバイス。
【請求項25】
デバイスであって、
基板と、
前記基板に結合された光検出器と、を備え、
前記光検出器が、前記デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するよ
うに配置され、
前記基板の第2の表面が、研磨または平坦化され、それにより、前記光源から放射さ
れた前記光の前記基板内での反射を防止して、前記光源から放射された前記光に基づい
た前記基板内の少数キャリア光励起を低減し、それにより、前記光源から放射された前
記光に基づいて前記基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減する、
デバイス。
【請求項26】
前記基板に結合された追加の光検出器をさらに備え、
前記基板に結合された前記追加の光検出器が、前記デバイスの前記上面を照射する前
記光源から放射された光を検出するように配置され、かつ前記光検出器と直列に電気的
に接続されている、請求項25に記載のデバイス。
【請求項27】
デバイスであって、
基板と、
前記基板に結合された光検出器と、
バンドリジェクト光学フィルタと、を備え、
前記光検出器が、前記デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するよ
うに配置され、
前記デバイスの前記上面を照射する前記光源からの光が、前記バンドリジェクト光学
フィルタを透過し、
前記バンドリジェクト光学フィルタが、前記光源から放射された前記光の1つ以上の
波長の強度を低減して、前記光源から放射された前記光に基づいた前記基板内の少数キ
ャリア光励起を低減するように配置され、それにより、前記光源から放射された前記光
に基づいて前記基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減する、デバ
イス。
【請求項28】
前記基板に結合された追加の光検出器をさらに備え、
前記基板に結合された前記追加の光検出器が、前記デバイスの前記上面を照射する前
記光源から放射された光を検出するように配置され、かつ前記光検出器と直列に電気的
に接続されている、請求項27に記載のデバイス。
【請求項29】
デバイスであって、
基板と、
前記基板に結合された光検出器と、
非線形光吸収体と、を備え、
前記光検出器が、前記デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するよ
うに配置され、
前記デバイスの前記上面を照射する前記光源からの光が、前記非線形光吸収体を透過
し、
前記非線形光吸収体が、閾値パワーレベル以上の前記光源から放射された前記光の1
つ以上の波長の強度を低減して、前記光源から放射された前記光に基づいた前記基板内
の少数キャリア光励起を低減するように構成され、それにより、前記光源から放射され
た前記光に基づいて前記基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減す
る、デバイス。
【請求項30】
前記基板に結合された追加の光検出器をさらに備え、
前記基板に結合された前記追加の光検出器が、前記デバイスの前記上面を照射する前
記光源から放射された光を検出するように配置され、かつ前記光検出器と直列に電気的
に接続されている、請求項29に記載のデバイス。
【請求項31】
基板と、
前記基板に結合された光検出器と、を備えるデバイスを提供することであって、
前記光検出器が、前記デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するよ
うに配置されている、提供することと、
前記光源から光を提供することと、
前記光源から放射された前記光に基づいて前記基板内で光励起された少数キャリアか
ら生じる暗電流を軽減することと、を含む、方法。
【請求項32】
前記暗電流を軽減することが、前記光源からの前記光が前記デバイスの底面を照射す
るように、前記光源から光を提供することを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記暗電流を軽減することが、前記デバイスの動作温度を変更することを含む、請求
項31または32に記載の方法。
【請求項34】
前記暗電流を軽減することが、前記光源から放射される前記光の波長を変調すること
を含む、請求項31~33のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
前記暗電流を軽減することが、前記光源から放射される前記光のパワーを変調するこ
とを含む、請求項31~34のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
前記暗電流を軽減することが、前記光源から放射される前記光のパルス周波数または
デューティサイクルを変調することを含む、請求項31~35のいずれかに記載の方法
【請求項37】
基板を提供することと、
前記基板内または前記基板上に光検出器を形成することであって、前記光検出器が、
前記光検出器の上面を照射する光源から放射された光を検出するように配置されている
、形成することと、
前記光源から放射された前記光に基づいて前記基板内で光励起された少数キャリアか
ら生じる暗電流を軽減する処理ステップを実行することと、を含む、方法。
【請求項38】
暗電流を軽減する前記処理ステップを実行することが、前記基板の一部を除去するこ
とにより前記基板を薄くし、それにより、前記基板の深さを、前記基板内の少数キャリ
アの拡散長の100倍以下に低減することを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
暗電流を軽減する前記処理ステップを実行することが、電子と正孔の再結合を可能に
する結晶学的欠陥を前記基板内に生成することを含む、請求項37または38に記載の
方法。
【請求項40】
暗電流を軽減する前記処理ステップを実行することが、前記基板と前記光検出器の材
料組成に基づいてバンド構造を規定することを含む、請求項37~39のいずれかに記
載の方法。
【請求項41】
前記バンド構造が、前記光検出器の空乏領域を超える電界を、前記光検出器の前記空
乏領域を超える前記バンド構造の伝導帯または価電子帯の曲率に基づいて誘導し、
前記電界が、少数キャリアが前記光源から放射された前記光に基づいて前記基板内で
光励起されるときに、前記少数キャリアを前記光検出器の前記空乏領域に向かって加速
するドリフト電流を誘導するように構成されている、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記バンド構造が、ポテンシャル障壁を含み、
前記ポテンシャル障壁が、前記基板内で光励起された少数キャリアが拡散により前記
光検出器の空乏領域に到達するのを防ぐように構成されている、請求項40または41
に記載の方法。
【請求項43】
前記ポテンシャル障壁に対応する障壁の厚さが、少なくとも1nmの厚さ、少なくと
も10nmの厚さ、または少なくとも100nmの厚さである、請求項42に記載の方
法。
【請求項44】
前記基板が、バンドギャップを有し、
前記ポテンシャル障壁が、前記ポテンシャル障壁を囲む前記基板の前記バンド構造の
伝導帯エネルギーを超える、前記基板の前記バンドギャップの最小で0.01倍である
伝導帯エネルギー、前記ポテンシャル障壁を囲む前記基板の前記バンド構造の伝導帯エ
ネルギーを超える、前記基板の前記バンドギャップの最小で0.05倍である伝導帯エ
ネルギー、前記ポテンシャル障壁を囲む前記基板の前記バンド構造の伝導帯エネルギー
を超える、前記基板の前記バンドギャップの最小で0.1倍である伝導帯エネルギー、
前記ポテンシャル障壁を囲む前記基板の前記バンド構造の伝導帯エネルギーを超える、
前記基板の前記バンドギャップの最小で0.15倍である伝導帯エネルギー、前記ポテ
ンシャル障壁を囲む前記基板の前記バンド構造の伝導帯エネルギーを超える、前記基板
の前記バンドギャップの最小で0.2倍である伝導帯エネルギー、前記ポテンシャル障
壁を囲む前記基板の前記バンド構造の伝導帯エネルギーを超える、前記基板の前記バン
ドギャップの最小で0.25倍である伝導帯エネルギー、前記ポテンシャル障壁を囲む
前記基板の前記バンド構造の伝導帯エネルギーを超える、前記基板の前記バンドギャッ
プの最小で0.5倍である伝導帯エネルギー、前記ポテンシャル障壁を囲む前記基板の
前記バンド構造の伝導帯エネルギーを超える、前記基板の前記バンドギャップの最小で
0.75倍である伝導帯エネルギー、前記ポテンシャル障壁を囲む前記基板の前記バン
ド構造の伝導帯エネルギーを超える、前記基板の前記バンドギャップの最小で1.0倍
である伝導帯エネルギー、前記ポテンシャル障壁を囲む前記基板の前記バンド構造の価
電子帯エネルギーを超える、前記基板の前記バンドギャップの最小で0.01倍の価電
子帯エネルギー、前記ポテンシャル障壁を囲む前記基板の前記バンド構造の価電子帯エ
ネルギーを超える、前記基板の前記バンドギャップの最小で0.05倍の価電子帯エネ
ルギー、前記ポテンシャル障壁を囲む前記基板の前記バンド構造の価電子帯エネルギー
を超える、前記基板の前記バンドギャップの最小で0.1倍の価電子帯エネルギー、前
記ポテンシャル障壁を囲む前記基板の前記バンド構造の価電子帯エネルギーを超える、
前記基板の前記バンドギャップの最小で0.15倍の価電子帯エネルギー、前記ポテン
シャル障壁を囲む前記基板の前記バンド構造の価電子帯エネルギーを超える、前記基板
の前記バンドギャップの最小で0.2倍の価電子帯エネルギー、前記ポテンシャル障壁
を囲む前記基板の前記バンド構造の価電子帯エネルギーを超える、前記基板の前記バン
ドギャップの最小で0.25倍の価電子帯エネルギー、前記ポテンシャル障壁を囲む前
記基板の前記バンド構造の価電子帯エネルギーを超える、前記基板の前記バンドギャッ
プの最小で0.5倍の価電子帯エネルギー、前記ポテンシャル障壁を囲む前記基板の前
記バンド構造の価電子帯エネルギーを超える、前記基板の前記バンドギャップの最小で
0.75倍の価電子帯エネルギー、または前記ポテンシャル障壁を囲む前記基板の前記
バンド構造の価電子帯エネルギーを超える、前記基板の前記バンドギャップの最小で1
.0倍の価電子帯エネルギーを有する、請求項42または43に記載の方法。
【請求項45】
前記バンド構造が、ポテンシャル井戸を含み、
前記ポテンシャル井戸が、前記基板内で光励起された少数キャリアが拡散により前記
光検出器の空乏領域に到達するのを防ぐように構成されている、請求項40~44のい
ずれかに記載の方法。
【請求項46】
前記ポテンシャル井戸に対応する井戸の厚さが、少なくとも1nmの厚さ、少なくと
も10nmの厚さ、または少なくとも100nmの厚さである、請求項45に記載の方
法。
【請求項47】
前記基板が、バンドギャップを有し、
前記ポテンシャル井戸が、前記ポテンシャル井戸を囲む前記基板の前記バンド構造の
伝導帯エネルギー未満の、前記基板の前記バンドギャップの最小で0.01倍である伝
導帯エネルギー、前記ポテンシャル井戸を囲む前記基板の前記バンド構造の伝導帯エネ
ルギー未満の、前記基板の前記バンドギャップの最小で0.05倍である伝導帯エネル
ギー、前記ポテンシャル井戸を囲む前記基板の前記バンド構造の伝導帯エネルギー未満
の、前記基板の前記バンドギャップの最小で0.1倍である伝導帯エネルギー、前記ポ
テンシャル井戸を囲む前記基板の前記バンド構造の伝導帯エネルギー未満の、前記基板
の前記バンドギャップの最小で0.15倍である伝導帯エネルギー、前記ポテンシャル
井戸を囲む前記基板の前記バンド構造の伝導帯エネルギー未満の、前記基板の前記バン
ドギャップの最小で0.2倍である伝導帯エネルギー、前記ポテンシャル井戸を囲む前
記基板の前記バンド構造の伝導帯エネルギー未満の、前記基板の前記バンドギャップの
最小で0.25倍である伝導帯エネルギー、前記ポテンシャル井戸を囲む前記基板の前
記バンド構造の伝導帯エネルギー未満の、前記基板の前記バンドギャップの最小で0.
5倍である伝導帯エネルギー、前記ポテンシャル井戸を囲む前記基板の前記バンド構造
の伝導帯エネルギー未満の、前記基板の前記バンドギャップの最小で0.75倍である
伝導帯エネルギー、前記ポテンシャル井戸を囲む前記基板の前記バンド構造の伝導帯エ
ネルギー未満の、前記基板の前記バンドギャップの最小で1.0倍である伝導帯エネル
ギー、前記ポテンシャル井戸を囲む前記基板の前記バンド構造の価電子帯エネルギー未
満の、前記基板の前記バンドギャップの最小で0.01倍の価電子帯エネルギー、前記
ポテンシャル井戸を囲む前記基板の前記バンド構造の価電子帯エネルギー未満の、前記
基板の前記バンドギャップの最小で0.05倍の価電子帯エネルギー、前記ポテンシャ
ル井戸を囲む前記基板の前記バンド構造の価電子帯エネルギー未満の、前記基板の前記
バンドギャップの最小で0.1倍の価電子帯エネルギー、前記ポテンシャル井戸を囲む
前記基板の前記バンド構造の価電子帯エネルギー未満の、前記基板の前記バンドギャッ
プの最小で0.15倍の価電子帯エネルギー、前記ポテンシャル井戸を囲む前記基板の
前記バンド構造の価電子帯エネルギー未満の、前記基板の前記バンドギャップの最小で
0.2倍の価電子帯エネルギー、前記ポテンシャル井戸を囲む前記基板の前記バンド構
造の価電子帯エネルギー未満の、前記基板の前記バンドギャップの最小で0.25倍の
価電子帯エネルギー、前記ポテンシャル井戸を囲む前記基板の前記バンド構造の価電子
帯エネルギー未満の、前記基板の前記バンドギャップの最小で0.5倍の価電子帯エネ
ルギー、前記ポテンシャル井戸を囲む前記基板の前記バンド構造の価電子帯エネルギー
未満の、前記基板の前記バンドギャップの最小で0.75倍の価電子帯エネルギー、ま
たは前記ポテンシャル井戸を囲む前記基板の前記バンド構造の価電子帯エネルギー未満
の、前記基板の前記バンドギャップの最小で1.0倍の価電子帯エネルギーを有する、
請求項45または46に記載の方法。
【請求項48】
前記基板が、2つ以上の材料を含み、
前記バンド構造が、ヘテロ構造を有し、
前記ヘテロ構造が、前記光源から放射される前記光に関連する光子エネルギーよりも
大きいバンドギャップを有する第1の材料を含み、
前記第1の材料が、前記基板内の第1の深さで前記基板内に存在し、前記光源から放
射される前記光の最大吸収深さを画定する、請求項40~47のいずれかに記載の方法
【請求項49】
暗電流を軽減する前記処理ステップを実行することが、反射防止層を前記基板の第2
の表面に結合することであって、
前記反射防止層が、前記基板を通過する光を前記基板の外部に結合するように構成さ
れ、それにより、前記光源から放射された前記光の基板内での反射を防止して、前記基
板内の少数キャリアの光励起を低減する、結合することを含む、請求項37~48のい
ずれかに記載の方法。
【請求項50】
前記反射防止層が、屈折率分布型反射防止コーティング、1/4波長光学層、ブラッ
グ格子、回折格子、または屈折率整合型の受動基板を含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
暗電流を軽減する前記処理ステップを実行することが、前記基板の第2の表面を研磨
または平坦化して、それにより、前記光源から放射された前記光の前記基板内での反射
を防止して、前記基板内の少数キャリアの光励起を低減することを含む、請求項37~
50のいずれかに記載の方法。
【請求項52】
暗電流を軽減する前記処理ステップを実行することが、前記光検出器の上面にバンド
リジェクト光学フィルタを適用して、それにより、前記光源から放射された光が前記バ
ンドリジェクト光学フィルタを通して前記光検出器を照射するように前記光検出器を構
成することを含み、
前記バンドリジェクト光学フィルタが、前記光源から放射された前記光の1つ以上の
波長の強度を低減して、前記光源から放射された前記光に基づいた前記基板内の少数キ
ャリアの光励起を低減するように構成されている、請求項37~51のいずれかに記載
の方法。
【請求項53】
前記基板と前記光検出器を、前記光検出器が前記基板の第2の表面を照射する前記光
源からの光を検出するように配置されるように前記光検出器にバイアスをかけるために
使用される1つ以上の電極にフリップチップ結合することをさらに含む、請求項37~
52のいずれかに記載の方法。
【請求項54】
前記基板内または前記基板上に追加の光検出器を形成することであって、前記追加の
光検出器が、前記追加の光検出器の上面を照射する前記光源から放射された前記光を検
出するように配置されている、形成することと、
前記追加の光検出器を前記光検出器と直列に電気的に接続することと、をさらに含む
、請求項37~53のいずれかに記載の方法。
【請求項55】
前記光検出器または前記基板の1つ以上の領域が、リソグラフィを使用して画定され
る、請求項37~54のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年1月29日に米国特許商標庁に出願された米国仮特許出願第62/623,388号の優先権を主張し、その内容は参照により本明細書に組み入れられる。本出願はまた、2018年3月29日に米国特許商標庁に出願された米国非仮特許出願第15/939,619号の優先権を主張し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本明細書に別段の記載がない限り、この章に記載されている資料は、本出願の特許請求の範囲の先行技術ではなく、この章に含めることにより先行技術であると認められるべきではない。
【0003】
光検出測距(LIDAR)デバイスは、所与の環境内の対象物までの距離を推定することができる。例えば、LIDARシステムのエミッタサブシステムは、近赤外線の光パルスを放射することができ、その光パルスは、システムの環境内の対象物と相互作用し得る。光パルスのうちの少なくとも一部は、LIDARに向かって元に戻り(例えば、反射または散乱に起因して)、受信機サブシステムによって検出することができる。従来の受信機サブシステムは、複数の検出器、および高い時間分解能(例えば、約400ps)を有するそれぞれの光パルスの到達時間を判定するように構成された対応するコントローラを含み得る。LIDARシステムと所与の対象物との間の距離は、所与の対象物と相互作用する対応する光パルスの飛行時間に基づいて判定され得る。
【0004】
そのようなLIDARシステムの検出器は、1つ以上の光検出器を含み得る。そのような光検出器は、特に高感度検出器(例えば、アバランシェフォトダイオード(APD))であってもよい。いくつかの例では、そのような光検出器は、単一光子(例えば、単一光子アバランシェダイオード(SPAD))を検出することさえ可能であってもよい。場合によっては、そのような光検出器は(例えば、シリコン光電子増倍管(SiPM)のように)アレイに(例えば、直列の電気接続を介して)配置することができる。
【発明の概要】
【0005】
高感度光検出器を使用してAPDまたはSPADなどの光を検出する場合、暗電流が検出精度を阻害することがある。本明細書で説明するように、光検出器は、基板上に製造され得る。十分に長い寿命と十分に高い拡散係数を有する少数キャリアが基板内で生成される場合(例えば、光励起により)、それらの少数キャリアは、光源が光検出器への照射を停止した後、光検出器の検出領域に拡散することがある。これは、光源がもはや存在しないときでさえ、光検出器からの出力信号を生じさせ得る(すなわち、暗電流を生じさせ得る)。本開示は、この起こり得る問題を改善し得る複数の技術を説明する。例として、電子と正孔の再結合を可能にする表面欠陥を導入してもよく、電子と正孔の再結合を可能にする結晶学的欠陥を導入してもよく、基板の深さを指定された少数キャリア拡散長の数に制限して、接合部に入る前に少数キャリアが移動できる距離を減らしかつ少数キャリアが光励起できる体積を減らし(例えば、全体的に少数キャリアの数を減らす)てもよく、反射防止層を導入して光源からの光子を基板から出射させたり、基板の裏面を研磨または平坦化して光源からの光の基板内での反射を防止したり(例えば、光子を基板から出射させることにより、光励起により生成される少数キャリアの数を減らし)、および/または、光源に対応する波長の光をフィルタリングするバンドリジェクト光学フィルタを導入したりする(例えば、これにより光励起により生成される少数キャリアの数を減らし)といった、特定の方式(例えば、ポテンシャル障壁またはポテンシャル井戸を導入することにより)で基板のバンド構造を設計してもよい。
【0006】
一態様では、デバイスが提供される。デバイスは基板を含む。デバイスは、基板に結合された光検出器も含む。光検出器は、デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するように配置されている。基板は、基板の第2の表面に表面欠陥を含む。表面欠陥により、電子と正孔の再結合が可能になり、光源から放射された光に基づいて基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減する。
【0007】
別の態様では、デバイスが提供される。デバイスは基板を含む。デバイスは、基板に結合された光検出器も含む。光検出器は、デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するように配置されている。基板は、電子と正孔の再結合を可能にする結晶学的欠陥を含み、光源から放射された光に基づいて基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減する。
【0008】
さらに別の態様では、デバイスが証明される。デバイスは基板を含む。デバイスは、基板に結合された光検出器も含む。光検出器は、デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するように配置されている。基板の深さは、光源から放射された光に基づいて基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減するように、基板内の少数キャリアの拡散長の最大で100倍である。
【0009】
さらに別の態様では、デバイスが提供される。デバイスは基板を含む。デバイスは、基板に結合された光検出器も含む。光検出器は、デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するように配置されている。デバイスは、基板と光検出器の材料組成に基づくバンド構造を有している。バンド構造は、光源から放射された光に基づいて基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減するように構成されている。
【0010】
さらなる態様では、デバイスが提供される。デバイスは基板を含む。デバイスは、基板に結合された光検出器も含む。光検出器は、デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するように配置されている。さらに、デバイスは、基板の第2の表面に結合された反射防止層を含む。反射防止層は、基板を通過する光をデバイスの外部に結合するように構成され、それにより、光源から放射された光の基板内での反射を防止して、光源から放射された光に基づいた基板内の少数キャリア光励起を低減し、光源から放射された光に基づいて基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減する。
【0011】
さらに別の態様では、デバイスが提供される。デバイスは基板を含む。デバイスは、基板に結合された光検出器も含む。光検出器は、デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するように配置されている。基板の第2の表面は研磨または平坦化され、それにより、光源から放射された光の基板内での反射を防止して、光源から放射された光に基づいた基板内の少数キャリア光励起を低減し、それにより、光源から放射された光に基づいて基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減する。
【0012】
さらに別の態様では、デバイスが提供される。デバイスは基板を含む。デバイスは、基板に結合された光検出器も含む。さらに、デバイスは、バンドリジェクト光学フィルタを含む。光検出器は、デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するように配置されている。デバイスの上面を照射する光源からの光は、バンドリジェクト光学フィルタを透過する。バンドリジェクト光学フィルタは、光源から放射された光の1つ以上の波長の強度を低減して、光源から放射された光に基づいた基板内の少数キャリア光励起を低減するように構成され、それにより、光源から放射された光に基づいて基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減する。
【0013】
もう1つの態様では、デバイスが提供される。デバイスは基板を含む。デバイスは、基板に結合された光検出器も含む。さらに、デバイスは非線形光吸収体を含む。光検出器は、デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するように配置されている。デバイスの上面を照射する光源からの光は、非線形光吸収体を透過する。
【0014】
さらに別のさらなる態様では、方法が提供される。方法は、デバイスを提供することを含む。デバイスは基板を含む。デバイスは、基板に結合された光検出器も含む。光検出器は、デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するように配置されている。方法はまた、光源から光を提供することを含む。さらに、方法は、光源から放射された光に基づいて基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減することを含む。非線形光吸収体は、閾値パワーレベル以上の光源から放射された光の1つ以上の波長の強度を低減して、光源から放射された光に基づいた基板内の少数キャリア光励起を低減するように構成され、それにより、光源から放射された光に基づいて基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減する
【0015】
さらに別のさらなる態様では、製造方法が提供される。方法は、基板を提供することを含む。方法はまた、基板内または基板上に光検出器を形成することを含む。光検出器は、光検出器の上面を照射する光源から放射された光を検出するように配置されている。方法はまた、光源から放射された光に基づいて基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減する処理ステップを実行することを含む。
【0016】
追加の態様では、システムが提供される。システムは、デバイスを提供するための手段を含む。デバイスは基板を含む。デバイスは、基板に結合された光検出器も含む。光検出器は、デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するように配置されている。システムはまた、光源から光を提供するための手段を含む。さらに、システムは、光源から放射された光に基づいて基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減するための手段を含む。
【0017】
さらに別の追加の態様では、製造のためのシステムが提供される。システムは、基板を提供するための手段を含む。システムはまた、基板内または基板上に光検出器を形成するための手段も含む。光検出器は、光検出器の上面を照射する光源から放射された光を検出するように配置されている。さらに、システムは、光源から放射された光に基づいて基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減する処理ステップを実行するための手段を含む。
【0018】
これらの態様ならびに他の態様、利点、および代替物は、当業者には、以下の詳細な説明を添付の図面を適宜参照して読み取ることにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1A】例示的な実施形態による、システムの概略図である。
図1B】例示的な実施形態による、システムの概略図である。
図2A】例示的な実施形態による、システムの概略図である。
図2B】例示的な実施形態による、デバイスまたはシステムの照射イベントのプロットである。
図3A】例示的な実施形態による、デバイスの図である。
図3B】例示的な実施形態による、図3Aに示されているデバイスのバンド図である。
図4】例示的な実施形態による、デバイスの図である。
図5】例示的な実施形態による、デバイスの図である。
図6】例示的な実施形態による、デバイスの図である。
図7A】例示的な実施形態による、デバイスの図である。
図7B】例示的な実施形態による、図7Aに示されているデバイスのバンド図である。
図8A】例示的な実施形態による、デバイスの図である。
図8B】例示的な実施形態による、図8Aに示されているデバイスのバンド図である。
図9A】例示的な実施形態による、デバイスの図である。
図9B】例示的な実施形態による、図9Aに示されているデバイスのバンド図である。
図9C】例示的な実施形態による、図9Bに示されているバンド図を有する、図9Aに示されているデバイスの深さに対する光吸収のプロットである。
図10】例示的な実施形態による、デバイスの図である。
図11A】例示的な実施形態による、ポテンシャル障壁を有するデバイスのバンド図である。
図11B】例示的な実施形態による、ポテンシャル井戸を有するデバイスのバンド図である。
図12】例示的な実施形態による、方法を示すフローチャート図である。
図13】例示的な実施形態による、方法を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書では、方法およびシステムの例について記載する。本明細書において記載された任意の実施形態または特徴の例は、必ずしも他の実施形態または特徴よりも好ましいまたは有利であると解釈されるものではない。本明細書において記載された実施形態例は、限定的であることを意味するものではない。開示されるシステムおよび方法の特定の態様は、多種多様な異なる構成で配置し、組み合わせることができ、これらの構成のすべてが、本明細書において熟考されることは容易に理解できるであろう。
【0021】
さらに、図に示されている特定の配置は、限定的であるとみなされるべきではない。他の実施形態は、所定の図に示されるそれぞれの要素をより多く、またはより少なく含むことができることを理解されるべきである。さらに、図示の構成要素のうちのいくつかの構成要素は、組み合わせることができる、または省略することができる。またさらに、例示的な実施形態は、図に示されていない要素を含んでいてもよい。
【0022】
I.概要
ガイガーモードで動作している間、SiPM、SPAD、および他のタイプの高感度光検出器は、単一光子レベルのセンシングを提供できる。ガイガーモードは、例えば、単一の光励起イベントの空乏領域内に複数のキャリアを生成するために、pn接合の逆バイアスが強いという条件を含み得る(例えば、アバランシェ降伏による)。しかしながら、そのバイアスが強いという条件のため、暗電流は、測定可能な数の少数キャリアにカスケードする熱的に生成された少数キャリアから生じ得る。熱的に生成された少数キャリアに加えて、一部の少数キャリアは、接合部を介して吸収されずに通過し、基板に吸収される光子によって、デバイスの基板内で光励起され得る。「暗電流」は、光源が光検出器を照射しなくなった後でも、光検出器が信号を出力しているときに生じ得る。これは、代替的および交換可能に、本明細書では「疑似電流」、「疑似出力信号」、「ダークカウント」、または「検出イベントに関連する延長された時間減衰定数」と呼ばれることがある。
【0023】
基板で光励起された少数キャリアが十分に長い拡散長を有している場合、それらのキャリアは再結合する前にデバイスの空乏領域に到達する可能性があり、カスケードイベントが発生し、最終的に検出可能な信号が生じる。そのような検出可能な信号は、光源がデバイスへの照射をやめた後(例えば、照射イベント後の数十ナノ秒、数百ナノ秒、マイクロ秒、または数十マイクロ秒)に著しく存在する可能性がある。例として、SiPMは、比較的高い光レベルのシナリオ(例えば、光源からの光の再帰反射、高感度光検出器の近辺に配置された光源から散乱した光からのフィードバックパルス、または光検出器と干渉する外部光源に起因して)において長い時間減衰(例えば、関連性の高い時定数)で暗電流を感じ得る。基板で光励起された少数キャリアによって生成された暗電流は、疑似出力信号および/または光検出器が休止状態に戻ったときに対応する時定数の増加につながり、照射イベントを適切に測定できるため(すなわち、照射イベントには「ロングテール」を有する応答信号)、基板で光励起された少数キャリアによって生成される暗電流を改善、軽減、または除去する方法は、光検出器の性能を向上させることができる。別の言い方をすると、光源による照射に基づいて検出イベントに関連する時定数を低減する方法は、光検出器の性能を向上させ得る。
【0024】
そのような暗電流を軽減するために、複数の方法、デバイス、システム、および設計が本明細書で説明される。基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減するために本明細書で採用された戦略は、次の3つの主要カテゴリのうちの1つ以上にまとめることができる。(1)キャリアが光検出器の接合部の空乏領域に比較的近くで確実に光励起のみされること、および/または少数キャリアが接合部に向かって進む速度を上げて、接合部へと拡散する散在する少数キャリアの数を減らすること(すなわち、少数キャリアが基板から排出される速度を上げる)、(2)空乏領域から一定の距離で光励起された少数キャリアが空乏領域に到達するのを防ぐこと、(3)デバイスの1つ以上の領域で光励起される少数キャリアの数を減らすこと。
【0025】
上記のカテゴリ(1)に該当するいくつかの技術例には、以下が含まれる。基板を薄くして、光励起が起こり得る整合部からの最大距離を減らすこと、接合部の近辺のバンド構造の設計を工夫して、接合部の空乏領域に向かって移動する少数キャリアのドリフト電流を増加させる電界を導入すること、およびヘテロ構造が指定された深さで吸収深さを制限する1つ以上のヘテロ構造を含むバンド構造を設計すること(例えば、指定された吸収深さよりも深いすべての深さで励起エネルギーよりも高いバンドギャップを持つ材料を有することによって)。
【0026】
上記のカテゴリ(2)に該当するいくつかの例の技術には、以下が含まれる。基板の表面(例えば、裏面または底面)または基板の端に表面欠陥を導入して、少数キャリアがトラップ状態を使用して(例えば、トラップ支援再結合を介して)より容易に再結合できるようにし、それにより、少数キャリアの寿命を短縮しかつ少数キャリアの拡散長を制限すること、基板のバルクに結晶学的欠陥を導入して、少数キャリアがトラップ状態を使用して(例えば、トラップ支援再結合を介して)より容易に再結合できるようにし、それにより、少数キャリアの寿命を短縮しかつ少数キャリアの拡散長を制限すること、少数キャリアの拡散定数を減らすために(例えば、少数キャリアの移動度を減らすことにより)基板の動作温度を変更し、それにより、少数キャリアの拡散長を制限すること、ならびに基板のバンド構造にポテンシャル障壁および/またはポテンシャル井戸を導入して、拡散する少数キャリアが接合部に到達するのを防ぐこと。
【0027】
上記のカテゴリー(3)に該当するいくつかの例示的な技術には、以下が含まれる。基板を薄くして光励起が起こり得る部分の総体積を減らし、それにより、基板内で光励起される少数キャリアの数を少なくすること、デバイスを照射する光源の特性(例えば、照射波長、照射パルス周波数、照射パルスデューティサイクル、照射パワーなど)を変更して、基板で発生する光励起の量を変調すること、反射防止層(例えば、ブラッグ格子、1/4波長光学層、または屈折率整合型受動基板)を基板の表面(例えば、裏面または底面)に結合して、光が基板の外部により容易に結合し、それにより、基板なしで光の内部反射を防ぎかつ光励起した少数キャリアの数を減らすこと、および光検出器に入射する光の1つ以上の波長の強度を低減するためにバンドリジェクト光学フィルタを光検出器の上部に光学的に結合し、それにより、その波長で光励起される少数キャリアの量を減らすこと。
【0028】
II.例示的なシステム
図1Aは、例示的な実施形態によるシステム100を示す。システム100は、基板102に結合された複数の単一光子光検出器110を含む。複数の単一光子光検出器110は、複数の光検出器112を含む。「複数の単一光子光検出器110」として説明されているが、他の実施形態では、通常は実際の「単一光子」検出ができないことがある光検出器が使用される場合があることを理解されたい。いくつかの実施形態では、基板102に結合された複数の単一光子光検出器110は、SiPMと表現し得る。各光検出器112は、様々な実施形態において同じであっても異なっていてもよい。例えば、いくつかの光検出器112がAPDであり、他の光検出器がSPADであってもよい。さらに他の実施形態では、光検出器112のうちの1つ以上は、p型真性n型(PIN)フォトダイオード検出器であってもよい。本明細書では、他の光検出器もまた可能であり、想定されている。さらに、代替の実施形態では、システム100は、複数の単一光子光検出器110ではなく、基板102上に単一の光検出器112のみを含んでもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、基板102は、第1の表面を含むことができる。そのような実施形態では、第1の表面は、基板102の主面に沿って配設することができる。
【0030】
複数の単一光子光検出器110は、第1の表面に結合することができる。例えば、複数の単一光子光検出器110は、基板102の同じ表面上に横に並んだ配置(例えば、アレイ)で配設することができる。
【0031】
別の実施形態では、複数の単一光子光検出器110の検出器の少なくとも一部を第1の表面に沿って配置し、直列光検出器配置を形成するように電気的に直列に接続することができる。代替的に、複数の単一光子光検出器110は、第1の表面に沿って配置され、並列光検出器配置を形成するように電気的に並列に接続することができる。他の実施形態では、複数の単一光子光検出器110は、他の配置で配設し、および/または基板102の異なる表面に結合することができる(例えば、複数の光検出器112は、例えばデイジーチェーン配置で、相互に上面に結合して、スタックされた光検出器配置を形成することができる)。
【0032】
またさらに、本明細書に記載された例は、基板102に関するものであるが、他の実施形態は、2つ以上の基板上に配置されたそれぞれの検出器を含み得ることを理解されたい。例えば、複数の単一光子光検出器110の半分を、第1の基板の表面に沿って配置し、複数の単一光子光検出器110の残り半分を、第2の基板の表面に沿って配置することができる。本明細書では、2つ以上の基板を含む他の検出器配置が可能であり、想定されている。
【0033】
いくつかの実施形態では、複数の単一光子光検出器110は、視界からの光を検出するように配置されている。例示的な実施形態では、システム100は、撮像光学系142(例えば、ミラー、フィルタ、および/またはレンズ)を含む。そのような実施形態では、複数の単一光子光検出器110は、撮像光学系142を介して、共有の視界からの光を検出し得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、システム100は、光検出器出力回路128を含む。複数の単一光子光検出器110は、光検出器出力回路128に結合され得る。
【0035】
システム100はまた、論理ユニット130も含む。論理ユニット130は、いくつかの実施形態では、複数の単一光子光検出器110の動作条件(例えば、複数の単一光子光検出器110を直列もしくは並列配置で動作させるかどうか、または光検出器112のうちの1つ以上をどのようにしてバイアスをかけるかについて)決定し得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、システム100は、露出計140を含む。露出計140は、照明条件を示す情報を論理ユニット130に提供するように構成することができる。
【0037】
いくつかの例示的な実施形態では、システム100は、複数の光源144を含むことができる。複数の光源144は、レーザーを含んでもよいが、他のタイプの光源もまた、想定されている。光源の他の量および/または配置が可能であり、想定されている。
【0038】
システム100は、さらに、コントローラ150を含む。いくつかの実施形態では、コントローラ150は、論理ユニット130の機能のうちの一部またはすべてを含んでもよい。コントローラ150は、少なくとも1つのプロセッサ152、およびメモリ154を含む。少なくとも1つのプロセッサ152は、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含んでもよい。本明細書では、ソフトウェア命令を行うように構成された他のタイプのプロセッサ、コンピュータ、またはデバイスが、想定されている。メモリ154は、以下に限定されないが、読み出し専用メモリ(ROM)、プログラム可能読み出し専用メモリ(PROM)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EEPROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(例えば、フラッシュメモリ)、半導体ドライブ(SSD)、ハードディスクドライブ(HDD)、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、デジタルテープ、読み取り/書き込み(R/W)CD、R/W DVDなどの非一過性コンピュータ可読媒体を含んでもよい。
【0039】
少なくとも1つのプロセッサ152は、動作を行うために、メモリ154内に格納されたプログラム命令を実行するように構成されている。いくつかの実施形態では、動作は、複数の単一光子光検出器110から光検出器信号を受信することを含む。いくつかの実施形態では、光検出器信号は、単一光子光検出器110によって検出された、視界からの光を示してもよい。いくつかの実施形態では、動作は、光検出器信号に基づいて、視界の光の強度を決定することをも含んでもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、動作は、視界のうちの少なくとも一部の露出条件を示す情報を受け取ることをさらに含んでもよい。例えば、露出計140は、露出条件についての情報を提供してもよい。
【0041】
コントローラ150は、車両上に配設されたコンピュータ、外部コンピュータ、またはスマートフォン、タブレットデバイス、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルデバイスなどのモバイルコンピューティングプラットフォームを含んでもよい。追加的に、または代替的に、コントローラ150は、クラウドサーバなどの遠隔に位置するコンピュータシステムを含んでもよく、またはそれに接続されてもよい。例示的な実施形態では、コントローラ150は、本明細書に記載されたいくつかまたはすべての方法ブロックまたはステップを行うように構成されてもよい。
【0042】
さらに、いくつかの実施形態では、コントローラ150は、それぞれの光検出器112内で生じる暗電流を軽減するために、光検出器112のうちの1つ以上の動作を変更する命令を実行してもよい。例えば、動作は、圧電または電気ステージを使用して、1つ以上の光検出器112上でバンドリジェクト光学フィルタを移動させることを含んでもよい。追加的に、または代替的に、動作は、そのようなバンドリジェクト光学フィルタのリジェクト波長または強度低下を変更することを含んでもよい。
【0043】
複数の光源144を含む例示的な実施形態では、動作は、複数の光源144に、システムの外部環境中へと光(赤外線(IR)または近赤外線(NIR)内)を放射させて、外部環境内の対象物と相互作用して反射光を提供することを含んでもよい。共通の視界から検出された光は、反射光のうちの少なくとも一部を含み得る。そのようなシナリオでは、システム100は、光検出測距(LIDAR)システムのうちの少なくとも一部を含む。LIDARシステムは、外部環境内の1つ以上の対象物(例えば、場所、形状など)についての情報(例えば、点群データ)を提供するように構成されてもよい。記載されたいくつかの実施形態は、いくつかの光源を含むが、本明細書で想定される他の実施形態は、単一光源を含んでもよい。
【0044】
例示的な実施形態では、LIDARシステムは、点群情報、オブジェクト情報、マッピング情報、または他の情報を車両に提供することができる。車両は、半自動運転車両または全自動運転車両とすることができる。例えば、車両は、自動運転車または自律型ドローン、自律トラック、自律ボート、自律潜水艦、自律ヘリコプター、または自律ロボットとすることができる。本明細書では、他のタイプの車両が想定されている。
【0045】
システム100は、通信インターフェース146を含むことができる。通信インターフェース146は、コントローラ150、複数の単一光子光検出器110、論理ユニット130、1つ以上のコンピューティングネットワーク、および/または他の車両などの、システム100の様々な要素間の通信回線を提供するように構成されてもよい。
【0046】
通信インターフェース146は、例えば、本明細書に記載された1つ以上の他の車両間、センサ間、または他の要素間の有線もしくは無線通信を、直接かまたは通信ネットワークを介してのいずれかで提供するように構成されたシステムであり得る。この目的のために、通信インターフェース146は、他の車両、センサ、サーバ、または他のエンティティと直接かまたは通信ネットワークを介してのいずれかで通信するためのアンテナまたはチップセットを含み得る。チップセットまたは通信インターフェース146は、一般的に、他の数ある可能性の中でも、BLUETOOTH、BLUETOOTH LOW ENERGY(BLE)、IEEE802.11に記載されている通信プロトコル(任意のIEEE802.11改訂版を含む)(例えば、WIFI)、セルラー技術(例えば、GSM、CDMA、UMTS、EV-DO、WiMAX、またはLTE)、IEEE802.15.4に記載されている通信プロトコル(例えば、ZIGBEE)、専用短距離通信(DSRC)、および無線自動識別(RFID)通信などの1つ以上のタイプの無線通信(例えば、プロトコル)に従って通信するように配置されてもよい。通信インターフェース146は、他の形態を取ることもできる。
【0047】
図1Bは、例示的な実施形態によるシステム160を示す。システム160は、図1Aを参照して例証および説明したように、システム100の要素のうちの一部またはすべてを含むことができる。例えば、システム160は、エミッタサブシステム170を含んでもよく、そのエミッタサブシステムは、複数の光源144、および光源コントローラ172を含むことができる。複数の光源144は、光源コントローラ172によって制御することができる。
【0048】
システム160はまた、受信機サブシステム180も含む。受信機サブシステム180は、複数の単一光子光検出器110を含んでもよい。さらに、複数の単一光子光検出器110の光検出器112は、光検出器出力回路128に結合することができる。
【0049】
受信機サブシステム180はまた、論理ユニット130も含む。
【0050】
エミッタサブシステム170および受信機サブシステム180は、撮像光学系142に結合され得る。そのようなシナリオでは、複数の光源144は、光パルス162をシステム160の外部環境164の中に放射するように構成され得る。光パルス162は、外部環境164内の対象物と相互作用し得る。例えば、光パルス162は、対象物によって、少なくとも部分的に反射され、反射光166として受信機サブシステム180に向かって戻され得る。反射光166は、撮像光学系142を介して、受信機サブシステム180によって受け取られ得る。
【0051】
図2Aは、例示的な実施形態による、システム200を示す。システム200は、図1Aおよび1Bを参照して例証および説明したように、システム100および160と同様または同一の要素を含むことができる。システム200は、基板202を含む。基板202は、複数の単一光子光検出器210に結合され得る。そのような実施形態では、複数の単一光子光検出器210は、複数の光検出器212を含んでもよい。例えば、光検出器212は、基板202の第1の表面(例えば、上面)に沿って長方形アレイに配設されてもよい。光検出器212の他の配置も可能である。
【0052】
例示的な実施形態では、複数の単一光子光検出器210のそれぞれの光検出器212は、ウェハ貫通ビア223およびバンプ接合229のそれぞれのアレイを介して第2の基板204上の光検出器出力回路228(例えば、読み出し集積回路(ROIC))に結合することができる。本明細書では、他のタイプの導電性または無線接続が、想定されている。
【0053】
図2Bは、デバイスまたはシステムの照射イベントのプロット240である。例えば、プロット240は、図2Aに示されるシステム200の照射イベント、図2Aに示される複数の単一光子光検出器210、または図2Aに示される光検出器212のうちの1つを表し得る。
【0054】
図2Bの末尾に示されているように、照射イベントが発生した後、デバイスまたはシステムの出力信号の時間減衰は、照射イベントの長さに比べて比較的長い時間続くことがある(すなわち、減衰プロセスは比較的関連性の高い時定数を有し得る)。上述のように、これは、熱的に生じたキャリアおよび/または光検出器の接合部に到達するのに比較的長い時間がかかる基板のバルク領域(例えば、空乏化されていないバルク領域)内で光励起されたキャリアから生じる暗電流に起因する可能性がある。
【0055】
出力信号は必ずしもその休止状態に急速に減衰するわけではないため、実際の照射イベントのかなり後の時点での出力信号は、追加の照射イベントと間違えられる可能性がある(例えば、コンピューティングデバイスに設定された閾値に基づいて)。さらに、以前の高輝度照射および拡張暗電流のために、光検出器(例えば、SiPM)の出力信号は、圧縮された振幅を有する可能性がある。そのような圧縮された振幅は、出力信号内の現在の照射イベントの生の強度に関するあいまいさをもたらす可能性がある。出力信号に基づく照射イベントおよび/または照射強度の誤った決定を回避するために、システムまたはデバイスは、システムまたはデバイスが別の照度測定が行われる前に確実に休止状態に戻るようにするために、照射イベント間に導入される時間遅延(すなわち、遅れ)を有してもよい。そのような技術が照射イベントを明確にするのを助け得るとしても、それはデバイスまたはシステムによって測定が行われることができる速度を制限するという潜在的な欠点を持つ。したがって、減衰に関連する時定数をクエンチするかまたは永続的に低減する方法により、増加した感知速度を可能にすることができる。このような増加した感知速度は、光検出器を使用する様々なアプリケーション(例えば、LIDARを使用した自律車両ナビゲーション、LIDARを使用した物体検出と回避、他のLIDARアプリケーション、および/または光通信)で役立ち得る。
【0056】
III.例示的デバイス
図3Aは、例示的な実施形態による、デバイスの図である。デバイスは、例えば、図2Aに示される光検出器212のうちの1つ以上に対応してもよい。図3Aに示されるデバイスは、デバイスがより大きなシステム(例えば、図2Aに示されるシステム200のようなSiPM)の構成要素であるかどうかに関係なく、光(例えば、単一光子)を検出するように構成されてもよい。それにもかかわらず、図2Aを参照して図示および説明されるように、システム200はまた、光(例えば、単一光子)を検出するように集合的に構成されてもよい。図3Aに示されるデバイス、および本明細書に記載される他のすべてのデバイスおよびシステムは、現在知られている、または後で発見される任意の製造技術によって製造および/または修正され得ることを理解されたい(例えば、図3Aのデバイスは、フォトリソグラフィ、イオン注入、酸化、エッチング、化学蒸着などの半導体処理ステップを使用して製造できる)。さらに、図3Aに示されるデバイスは、暗電流軽減技術または使用される修正より前またはそれらの範囲内での例示的な光検出器であってもよい。
【0057】
光検出器212は、アノード302、カソード304、第1の基板部分312、第2の基板部分314、pn接合(高濃度にドープされたp側322と高濃度にドープされたn側324との間に形成される)、ガードリング領域332、および保護層342を含み得る。図示のように、光検出器212内の深度方向(x)は破線で表され、xの値が高いほど、光検出器212の「上面」により近い光検出器212の部分に対応する。
【0058】
アノード302は、カソード304とともに、光検出器212にバイアスをかけるために使用されてもよい。例えば、図3Aのように、デバイスの接合が(np接合ではなく)pn接合である実施形態では、負の電圧がアノード302に印加され得る。代替の実施形態(例えば、デバイスの接合がn-p接合である実施形態)では、参照番号302は、代わりにカソードであってもよく、代わりにそれに印加される正の電圧を有してもよい。アノード302とカソード304との間の電圧差は、接合部にわたって降下し、接合部にわたって負の動作バイアスを確立し得る。例えば、負のバイアスは、接合部がアバランシェ降伏状態で(例えば、ガイガーモードまたは線形モードで)動作しているようなものになり得る。いくつかの実施形態では、負のバイアスは、例えば、-10ボルト~-20ボルト、-20ボルト~-50ボルト、-50ボルト~-100ボルト、-100ボルト~-150ボルト、-150ボルト~-200ボルト、-200ボルト~-250ボルト、または-250ボルト~-300ボルトであってもよい。
【0059】
アノード302は、複数のデバイスによって共有されてもよい(例えば、アレイ内の複数の光検出器は、共通のアノードを共有してもよい)。他の実施形態では、個々のアノード302(すなわち、デバイスごとに1つのアノード302)を使用してもよい。図示のように、アノード302は、1つ以上の電気リード線または相互接続を電気的に結合(例えば、はんだ付け)することができるボンディングパッドを含んでもよい。そのようなボンディングパッドは、図3Aに示されるように、光検出器212の底側に画定されてもよい。代替の実施形態では、アノード302は、光検出器212の上面に画定されたボンディングパッドを含んでもよい。そのような上面ボンディングパッドは、光検出器212の層内に画定されたビアを介して光検出器212の底側(例えば、基板の底側)に接続してもよい。そのようなビアは、金属(例えば、金、銀、銅、プラチナ、パラジウム、タングステン、アルミニウム、チタン、ニッケル、モリブデン、またはタンタル)ビアまたは高濃度にドープされた(例えば、縮退ドープされた)半導体ビアであってもよい。
【0060】
上述したように、カソード304は、アノード302とともに、光検出器212にバイアスをかけるために使用されてもよい。例えば、図3Aのように、デバイスの接合が(np接合ではなく)pn接合である実施形態では、正の電圧がカソード304に印加されてもよい。代替の実施形態(例えば、デバイスの接合部がn-p接合部である実施形態)では、参照番号304は、代わりにアノードであってもよく、代わりにそれに印加される負の電圧を有してもよい。
【0061】
カソード304は、複数のデバイスによって共有されてもよい(例えば、アレイ内の複数の光検出器は、共通のカソードを共有してもよい)。他の実施形態では、個々のカソード304(すなわち、デバイスごとに1つのカソード304)を使用してもよい。図示のように、カソード304は、1つ以上の電気リード線または相互接続を電気的に結合(例えば、はんだ付け)することができるボンディングパッドを含んでもよい。そのようなボンディングパッドは、図3Aに示されるように、光検出器212の上側に画定されてもよい。代替の実施形態(例えば、光検出器212がROICに結合されたフリップチップである実施形態)では、カソード304は、光検出器212の底面に画定されたボンディングパッドを含んでもよい。そのような底面ボンディングパッドは、光検出器212の層内に画定されたビアを介して光検出器212の上側(例えば、pn接合のnドープ側)に接続してもよい。そのようなビアは、金属(例えば、金、銀、銅、プラチナ、パラジウム、タングステン、アルミニウム、チタン、ニッケル、モリブデン、またはタンタル)ビアまたは高濃度にドープされた(例えば、縮退ドープされた)半導体ビアであってもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、(例えば、pn接合の向きに応じて)アノード302またはカソード304に電気的に(例えば、直列配置で)結合されたクエンチング抵抗が存在してもよい。クエンチング抵抗は、照射イベントが発生した後、光検出器がガイガーモードに戻る速度を加速してもよい。
【0063】
まとめて、第1の基板部分312および第2の基板部分314は、「基板」と呼ぶことがある。いくつかの実施形態では、第1の基板部分312または第2の基板部分314がなくてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、基板は、全体にわたって均一にドープされてもよく、その場合、基板全体が均一であってもよい。さらに、第1の基板部分312および第2の基板部分314(ならびに場合によってはアノード302、カソード304、高濃度にドープされたp側322、高濃度にドープされたn側324、ガードリング領域332、および/または保護層342)は、半導体ウェーハ(例えば、シリコンウェーハ)を選択的にドープすることによって製造されてもよい。光検出器212の別個の領域は、例えば、フォトリソグラフィとイオン注入との組み合わせを使用して選択的に画定/ドープされてもよい。
【0064】
第1の基板部分312は、p型ドーパントでドープされてもよい。例えば、第1の基板部分312は、ホウ素、アルミニウム、窒素、ガリウム、および/またはインジウムでドープされてもよい。代替の実施形態(例えば、nドープ基板を有する実施形態)では、第1の基板部分312は、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、および/またはリチウムでドープされてもよい。様々な実施形態では、第1の基板部分312は、1017cm-3~1018cm-3、1018cm-3~1019cm-3、1019cm-3~1020cm-3、または1020cm-3~1021cm-3の濃度でドープされてもよい。
【0065】
第2の基板部分314は、p型ドーパントでドープされてもよい。例えば、第2の基板部分314は、ホウ素、アルミニウム、窒素、ガリウム、および/またはインジウムでドープされてもよい。代替の実施形態(例えば、nドープ基板を有する実施形態)では、第2の基板部分314は、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、および/またはリチウムでドープされてもよい。様々な実施形態では、第2の基板部分314は、1013cm-3~1014cm-3、1014cm-3~1015cm-3、1015cm-3~1016cm-3、または1016cm-3~1017cm-3の濃度でドープされてもよい。
【0066】
pn接合(高濃度にドープされたp側322と高濃度にドープされたn側324との間に形成される)は、光励起される少数キャリアが光検出器212の電極(例えば、図3Aのカソード304))への電界によって掃引される光検出器212内の場所であってもよい。例えば、pn接合は、空乏領域(すなわち、空間電荷領域)を含んでもよい。空乏領域は、帯電した少数キャリアを電極に加速する誘導電界を含んでもよい。さらに、(例えばガイガーモード状態において)負にバイアスされたとき、少数キャリア(例えば、光励起少数キャリア)は、アバランシェ降伏によって追加の少数キャリアを生成する可能性がある。
【0067】
図3Aに示されるように、高濃度にドープされたp側322は、p型ドーパントでドープされてもよい。例えば、高濃度にドープされたp側322は、ホウ素、アルミニウム、窒素、ガリウム、および/またはインジウムでドープされてもよい。代替の実施形態では、参照番号322は、代わりに、n型半導体に対応してもよい。そのような実施形態では、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、および/またはリチウムなどのドーパントを使用してもよい。様々な実施形態では、高濃度にドープされたp側322は、1017cm-3~1018cm-3、1018cm-3~1019cm-3、1019cm-3~1020cm-3、または1020cm-3~1021cm-3の濃度でドープされてもよい。
【0068】
同様に、図3Aに示されるように、高濃度にドープされたn側324は、n型ドーパントでドープされてもよい。例えば、高濃度にドープされたn側324は、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、および/またはリチウムでドープされてもよい。代替の実施形態では、参照番号324は、代わりに、p型半導体に対応してもよい。そのような実施形態では、ホウ素、アルミニウム、窒素、ガリウム、および/またはインジウムなどのドーパントを使用してもよい。様々な実施形態では、高濃度にドープされたn側324は、1017cm-3~1018cm-3、1018cm-3~1019cm-3、1019cm-3~1020cm-3、または1020cm-3~1021cm-3の濃度でドープされてもよい。
【0069】
ガードリング領域332。いくつかの実施形態では、ガードリング領域332は、n型(例えば、n+状態でドープされる)であってもよい。代替の実施形態(例えば、デバイスのpn接合が代わりにnp接合であり、バルク半導体がn型である)では、ガードリング領域332は、p型(例えば、p+状態でドープされる)であってもよい。ガードリング領域332は、光検出器212を、隣接する光検出器から分離し得る。さらに、ガードリング領域332は、エッジ降伏の発生を防止し得る。なおさらに、ガードリング領域332を使用して、pn接合の近辺の電界の形状を微調整してもよい。一部の実施形態、特に、光検出器のアレイではなく単一の光検出器のみを有する実施形態では、ガードリング領域332は含まれなくてもよい。ガードリング領域332に加えて、またはその代わりに、いくつかの実施形態は、基板内に画定された光学分離トレンチを含んでもよい。
【0070】
保護層342は、光検出器212を物理的損傷から保護するために光検出器212に含まれてもよい。いくつかの実施形態では、保護層342は、特別に設計された光学特性を有してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、保護層342は、光源の動作波長および保護層342の屈折率に対して約1/4波長の厚さになるようにサイズ設定されてもよい。これにより、保護層342は、λ/4nであってもよく、ここで、λは、光源の(真空中の)動作波長を表し、nは、保護層342の屈折率を表す。例えば、1.55μmの動作波長を有する赤外線光源が使用されており、保護層342の屈折率が1.0である場合、保護層342は、387.5nmの厚さ(1.55μm/4)であり得る。同様に、905nmの動作波長を有する赤外線光源が使用されており、保護層342の屈折率が1.0である場合、保護層342は、226.25nmの厚さ(905nm/4)であり得る。厚さが波長の約1/4である保護層342を有することにより、光検出器の光検出領域への光の透過を最大化し得る。保護層342は、追加または代替の光学特性を同様に示すように設計されてもよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、保護層342は、光源の動作波長に対して光学的に透明である材料を含んでもよい。例えば、保護層342は、SiO2を含んでもよい。そのような実施形態では、保護層342を、(例えば、酸化炉内で)酸化を使用して光検出器上に成長させてもよい。他の実施形態において、保護層342は、追加のまたは代替の材料を含んでもよいことを理解されたい。
【0072】
図3Bの上面図部分に示されるように、いくつかの実施形態では、パッケージ350は、光検出器212を取り囲んでもよい。パッケージ350は、標準化されたパッケージサイズであってもよい。そのような標準化されたパッケージサイズは、複数の光検出器212がアレイに容易に配置されることを可能にし得る。
【0073】
さらに、図示されるように、パッケージング350は、金属相互接続352を含んでもよい。図示されるように、金属相互接続352は、光検出器212のカソード304に電気的に結合されてもよい。さらに、金属相互接続352を使用して、他の光検出器212との1つ以上の電気接続(例えば、直列または並列接続)を行ってもよい(例えば、光検出器のアレイを形成する)。金属相互接続352は、様々な実施形態において、金、銀、銅、プラチナ、パラジウム、タングステン、アルミニウム、チタン、ニッケル、モリブデン、タンタル、シリサイド、サリサイド、または高濃度にドープされた半導体(例えば、縮退的にドープされた半導体)を含んでもよい。他の実施形態では、金属相互接続352について以前にリストされたものに加えて、またはその代わりに、代替材料が使用されてもよいことを理解されたい。
【0074】
図3Bは、例示的な実施形態による、図3Aに示されているデバイスのバンド図である。図3Bの軸によって示されるように、光検出器212の上面により近い領域(すなわち、より高いx値を有する領域)は、バンド図の右側により遠い。バンド図の上の参照番号は、光検出器212内の様々な領域(例えば、第1の基板部分312、第2の基板部分314、高濃度のp側322、および高濃度のn側324)を示す。さらに、破線は、光検出器212内のフェルミ準位を表す。さらに、バンド図を覆う垂直線は、光検出器212内の様々な領域、ならびに光検出器212内の異なる領域間の接合部を画定し得る。図3Bに示されるバンド図は、(順バイアスまたは逆バイアス下の光検出器212のバンド図とは対照的に)平衡バンド図を表し得る。さらに、高濃度にドープされたp側322と高濃度にドープされたn側324との間の接合は、高濃度にドープされたp側322と高濃度にドープされたn側324との間に形成されるpn接合の空乏領域であり得る。この空乏領域を使用して、生成された(例えば、光励起された)少数キャリアが光励起量を表す信号に対応するように、少数キャリアを電極に向けて加速してもよい。さらに、逆バイアス(例えば、ガイガーモードバイアス条件またはアバランシェバイアス条件)下では、空乏領域は、生成される少数キャリアごとにカスケードイベントを生成して、複数の追加の少数キャリアが生成され得る(例えば、アバランシェ降伏を介して)。これは、光検出器212の感度の増加(例えば、単一光子感度)につながり得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、領域間のドーピングは、段階的(例えば、線形的に段階的、対数的に段階的、または指数的に段階的)であってもよい。例えば、1020cm-3のドーピング濃度を有するp+ドープ領域から1016cm-3のドーピング濃度を有するpドープ領域に移行する場合、p型ドーパントの濃度は、奥行きに対して対数的に1020cm-3~1016cm-3の間で変化し得る。代替の実施形態では、ドーピングは、1020cm-3から1016cm-3に急激に移行してもよい。
【0076】
光検出器212内の様々な領域のそれぞれは、単一の材料(例えば、Si、Ge、GaAs、または任意の他の半導体材料)で作製されてもよい。さらに、図示のように、光検出器212のバンド図は、p+型、p型、p+型、n+型構造を有する。代替の実施形態では、光検出器212は、代わりに、基板全体にわたって均一なドーピングを有してもよい(例えば、第1の基板部分312および第2の基板部分314は、同じドーパント濃度を有してもよい)。そのような実施形態では、バンド図は、p+型、n+型構造またはp型、p+型、n+型構造を有してもよい。なおさらに、第1の基板部分312および/または第2の基板部分314がpドープされるのではなく、第1の基板部分312および/または第2の基板部分314はドープされなくてもよい(すなわち、真性半導体であってもよい)。そのような実施形態では、バンド図は、p+型、i型、p+型、n+型の構造、i型、p型、p+型、n+型の構造、または、i型、p+型、n+型の構造を有してもよい。さらに他の実施形態では、pn接合ではなく、光検出器212は、np接合を含んでもよい。そのような実施形態では、バンド図は、n+型、n型、n+型、p+型の構造、n型、n+型、p+型の構造、n+型、p+型の構造、n+型、i型、n+型、p+型の構造、i型、n型、n+型、p+型の構造、または、i型、n+型、p+型の構造を有してもよい。
【0077】
図4は、例示的な実施形態による、デバイス412の図である。デバイス412は、図3Aに示される光検出器212に類似してもよい。したがって、デバイス412は、アノード302、カソード304、第2の基板部分314、pn接合(高濃度にドープされたp側322と高濃度にドープされたn側324との間に形成される)、ガードリング領域332、および保護層342を含んでもよい。前述の構成要素のそれぞれは、図3Aに関して図示および説明された対応する構成要素と実質的に同じまたは同一であってもよい。
【0078】
但し、図3Aに示される光検出器212とは異なり、デバイス412は、薄い第1の基板部分402を含む。薄い第1の基板部分402は、図3Aの光検出器212の第1の基板部分312よりも浅いので、薄い第1の基板部分402は、よりかさばらないものとなり得る。したがって、光吸収/光励起が発生する可能性のある、基板内のより小さな吸収領域が存在し得る。これにより、図3Aに示す光検出器212と比較すると、デバイス412の基板で生成される少数キャリアが少なくなり、それにより、デバイス412の基板で光励起される少数キャリアから生じる暗電流の量が軽減される。さらに、薄い第1の基板部分402は、第1の基板部分312よりも浅いので、吸収/光励起が起こり得るpn接合からの最大距離が減少する。これにより、薄い第1の基板部分402内で光励起される任意の少数キャリアは、それらが照射イベントと少数キャリアから生じる出力信号との間の時間遅延に寄与しないように、pn接合に十分迅速に拡散する。
【0079】
様々な実施形態では、薄い第1の基板部分402および/または基板(例えば、薄い第1の基板部分402および第2の基板部分314の両方を含む)は、基板内の少数キャリアの拡散長の最大で100倍、基板内の少数キャリアの拡散長の最大で10倍、基板内の少数キャリアの拡散長の最大で0.1倍、または基板内の少数キャリアの拡散長の最大で0.01倍であってもよい。追加的に、または代替的に、様々な実施形態では、薄い第1の基板部分402および/または基板(例えば、薄い第1の基板部分402と第2の基板部分314の両方を含む)は、基板の光吸収長の最大で1000倍、基板の光吸収長の最大で100倍、基板の光吸収長の最大で10倍、基板の光吸収長の最大で0.1倍、基板の光吸収長の最大で0.01倍、基板の光吸収長の最大で10-3倍であってもよい。本明細書では、基板の光吸収長に対する第1の基板部分402および/または基板の他の長さも想定されている。
【0080】
薄い第1の基板部分402は、様々な方法を使用して製造し得る。一実施形態では、薄い第1の基板部分402は、後処理で基板の一部を除去することによって製造されてもよい。例えば、デバイス412がROIC上にフリップチップ結合されている場合(例えば、デバイス412が、基板の裏側などのデバイスの底側から照射を受けるように構成されている場合)、基板の一部が、アノード302を基板に適用/結合する前に、(例えば、ウェットエッチングまたはドライエッチングなどの化学エッチング、または平坦化を使用して)除去してもよい。
【0081】
代替の実施形態では、薄い第1の基板部分402は、代わりに、軽くドープされてもドープされなくてもよい。なおさらに、薄い第1の基板部分402を有することに加えて、またはその代わりに、デバイス412は、より薄い第2の基板部分も含んでもよい(例えば、第2の基板部分314は、図4に示されるよりも小さい深さを有して、さらに、基板で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減してもよい)。
【0082】
図5は、例示的な実施形態による、デバイス512の図である。デバイス512は、図3Aに示される光検出器212に類似してもよい。したがって、光検出器512は、アノード302、カソード304、第1の基板部分312、第2の基板部分314、pn接合(高濃度にドープされたp側322と高濃度にドープされたn側324との間に形成される)、ガードリング領域332、および保護層342を含み得る。前述の構成要素のそれぞれは、図3Aに関して図示および説明された対応する構成要素と実質的に同じまたは同一であってもよい。
【0083】
但し、図3Aに示される光検出器212とは異なり、デバイス512は、バンドリジェクト光学フィルタ502を含む。図示のように、バンドリジェクト光学フィルタ502は、保護層342を覆い得る。代替的に、いくつかの実施形態では、バンドリジェクト光学フィルタ502は、保護層342と高濃度にドープされたn側324との間に位置付けられてもよい。いくつかの実施形態では、バンドリジェクト光フィルタ502は、後処理でデバイス512に追加されてもよい(例えば、バンドリジェクト光フィルタ502は、以前に製造された光検出器に後付けされてもよい)。
【0084】
バンドリジェクト光学フィルタ502は、1つの波長または波長の範囲の強度を低減するように構成されてもよい。そのような波長または波長の範囲は、光源(例えば、図1Bに示されるようなエミッタサブシステム170内の複数の光源144のうちの1つ)によって出力される波長に対応してもよい。例えば、光源が電磁スペクトルの赤外部分の光を放射するレーザーである場合、バンドリジェクト光学フィルタ502は、電磁スペクトルの赤外部分内の波長を有する光の強度を低減するように構成されてもよい。このようにして、デバイス512の光検出器部分、そして最終的には基板に到達する光の強度を低減し得る。したがって、光源から放射された光に基づく基板内の少数キャリアの光励起の量が低減され、それにより、暗電流を軽減し、照射事象に関連する時間減衰を低減してもよい。
【0085】
バンドリジェクト光学フィルタに加えて、またはその代わりに、いくつかの実施形態は、光の1つ以上の波長の強度を低減するために使用される他の光学コンポーネントを含んでもよい。例えば、ビームスプリッタ(例えば、ハーフミラー)またはニュートラルデンシティ(ND)フィルタ(例えば、ND2フィルタ、ND4フィルタ、ND8フィルタ、ND16フィルタ、ND32フィルタ、ND64フィルタ、ND100フィルタ、ND128フィルタ、ND256フィルタ、ND400フィルタ、ND512フィルタ、ND1024フィルタ、ND2048フィルタ、ND4096フィルタ、ND6310フィルタ、ND8192フィルタ、ND10000フィルタ、またはND100000フィルタ)を使用できる。
【0086】
追加的に、または代替的に、いくつかの実施形態では、非線形光学材料(例えば、非線形光吸収体)が含まれてもよい。非線形光学材料は、例えば、1つ以上の入射波長に対して非線形光学応答を示してもよい。非線形光学材料は、非線形光学材料が入射光子を吸収する閾値パワーレベル(例えば、非線形光学材料が非線形光学応答を示す1つ以上の入射波長のうちの少なくとも1つに対して定義される)をも含んでもよい。例えば、入射光が閾値パワーレベル以上の関連するパワーでデバイスを照射しているとき、非線形光学材料は、入射光の強度を低下させてもよい。但し、入射光が閾値パワーレベル未満の関連するパワーでデバイスを照射しているとき、非線形光学材料は、入射光の強度を低下させなくてもよい。このような非線形光学材料は、様々な実施形態において、1nm~10nmの厚さ、10nm~100nmの厚さ、100nm~1μmの厚さ、1μm~10μmの厚さ、10μm~100μmの厚さ、100μm~1mmの厚さ、1mm~1cmの厚さ、または1cm~10cmの厚さを有してもよい。
【0087】
図6は、例示的な実施形態による、デバイス612の図である。デバイス612は、図3Aに示される光検出器212に類似してもよい。したがって、光検出器612は、カソード304、第1の基板部分312、第2の基板部分314、pn接合(高濃度にドープされたp側322と高濃度にドープされたn側324との間に形成される)、ガードリング領域332、および保護層342を含み得る。前述の構成要素のそれぞれは、図3Aに関して図示および説明された対応する構成要素と実質的に同じまたは同一であってもよい。
【0088】
但し、図3Aに示されている光検出器212とは異なり、デバイス612は、修正されたアノード602および反射防止層604を含み得る。図示されているように、修正されたアノード602は、サイズが小さくてもよい。カソード304と同様に、修正されたアノード602は、光が修正されたアノード602の周りを透過することができるようなサイズであってもよい。第1の基板部分312の底面全体を完全に覆い得る図3Aに示すアノード302とは異なり、修正されたアノード602は、第1の基板部分312の底面の一部のみを覆ってもよい。
【0089】
反射防止層604は、修正されたアノード602に隣接して配設されてもよい。追加的に、または代替的に、反射防止層604は、基板に結合されてもよい(例えば、第1の基板部分312に結合されてもよい)。反射防止層604は、吸収されずに基板を通過した光子をデバイス612からシェファーディングするのに役立ち得る(例えば、基板を通過する光をデバイス612の外部に結合し得る)。言い換えると、反射防止層604は、吸収されない光が(基板の表面および/または電極の表面のいずれかから)内部反射を受けるのを防いで、光がデバイス612の内部に反射されないようにし得る。反射防止層604は、光がデバイス612の基板を通って移動する時間量を減少させるので、光吸収が起こり得る時間および距離も減少し、それにより、光励起の確率および光励起が起こる時間スケールが減少する。したがって、基板内で光励起される少数キャリアの数は全体的に減少することになる。光励起された少数キャリアの数が減少するので、そのような少数キャリアから生じる暗電流は軽減され得る。
【0090】
図7Aは、例示的な実施形態による、デバイス712の図である。デバイス712は、図3Aに示される光検出器212に類似してもよい。したがって、光検出器712は、アノード302、カソード304、第1の基板部分312、第2の基板部分314、pn接合(高濃度にドープされたp側322と高濃度にドープされたn側324との間に形成される)、ガードリング領域332、および保護層342を含み得る。前述の構成要素のそれぞれは、図3Aに関して図示および説明された対応する構成要素と実質的に同じまたは同一であってもよい。
【0091】
但し、図3Aに示される光検出器212とは異なり、デバイス712は、第1の基板部分312の底面に(例えば、表面欠陥に対応する)表面粗さ702を含む。表面粗さ702は、第1の基板部分312をアノード302に結合する前に、デバイス712の製造中に第1の基板部分312に適用される修正であってもよい。追加的に、または代替的に、いくつかの実施形態では、第1の基板部分312の他の表面(例えば、側面または上面)は、粗さを含んでもよい。さらに、表面粗さ702を含む第1の基板部分312に加えて、またはその代わりに、いくつかの実施形態では、第2の基板部分314は、1つ以上の表面に表面粗さを含んでもよい。表面粗さに起因する表面欠陥には、例えば、トポロジー欠陥、表面の並進対称性が壊れている欠陥、吸着物(ナトリウムやマグネシウムなど)、他の材料との界面、不整合な結晶粒界、積層欠陥、逆位相境界、ダングリングボンドがある。
【0092】
図7Bは、例示的な実施形態による、図7Aに示されているデバイス712のバンド図である。図示されるように、表面粗さ702は、1つ以上の界面状態および/またはトラップ層を生成し得る。これらのトラップ状態は、2ステップ(またはマルチステップ)再結合プロセス中に少数キャリアによってアクセスされ得る。そのような再結合プロセスは、少数のキャリアが再結合できる代替的なメカニズムであってもよい(基板に存在する従来の再結合プロセスに加えて)。したがって、少数キャリアの再結合の確率が高くなる可能性がある。これにより、基板内で光励起される少数キャリアは、より容易に再結合し得て、それにより、基板内に存在する光励起少数キャリアの数が減少する。このため、より少ない少数キャリアが最終的にpn接合に到達し得て、それにより、基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流が軽減される。別の言い方をすると、光励起された少数キャリアの少数キャリア寿命は、界面および/またはトラップ状態のために減少し得る。同様に、以下の関係に基づいて、少数キャリアの拡散長が減少し得て、それにより、pn接合に到達する少数キャリアの数が減少する。
【数1】

式中、Ln/Lpは、少数キャリア拡散長を表し、Dn/Dpは、少数キャリア拡散定数を
表し、τn/τpは、少数キャリア寿命を表す。
【0093】
表面粗さ702に加えて、またはその代わりに、いくつかの実施形態では、デバイス712は、第1の基板部分312のバルク領域および/または第2の基板部分314のバルク領域内にトラップ状態を含んでもよい。例えば、金、プラチナ、および/またはキセノンをデバイス712に組み込んで、第1の基板部分312および/または第2の基板部分314の特定の領域をドープしてもよい。例示的な実施形態では、金により、周囲のシリコンの価電子帯より0.35eV高いドナーレベルおよび/または周囲のシリコンの伝導帯より0.54低いアクセプターレベルを導入してもよい。同様に、例示的な実施形態では、プラチナにより、周囲のシリコンの価電子帯より0.35eV高いドナーレベルおよび/または周囲のシリコンの伝導帯より0.26低いアクセプターレベルを導入してもよい。本明細書では、他のドーパント材料も可能であり、想定されている。
【0094】
追加的に、または代替的に、トラップ状態を引き起こす結晶学的欠陥は、第1の基板部分312および/または第2の基板部分314のバルク領域内に存在してもよい。そのような結晶学的欠陥には、例えば、空孔欠陥、格子間欠陥、フレンケル欠陥、アンチサイト欠陥、置換欠陥、またはトポロジー欠陥が含まれ得る。さらに、そのような結晶学的欠陥は、イオン注入を使用して作成され得る(例えば、完全にそれを打ち消すことなく損傷の程度を制御するための熱アニーリングなしまたは部分的熱アニーリングありで)。代替的に、そのような結晶学的欠陥は、本質的に第1の基板部分312のバルク領域内に存在してもよい(すなわち、第1の基板部分312は「汚れた基板」領域であってもよい)。そのような実施形態では、第2の基板部分314は、第2の基板部分314が第1の基板部分312よりもはるかに少ない結晶学的欠陥を有するように、第1の基板部分312上にエピタキシャル成長されてもよい。
【0095】
上述のように、表面粗さ702に起因して生じるトラップおよび/または界面状態と同様に、そのような中間状態は、少数キャリアの寿命を短縮し得て、それにより少数キャリア拡散長を短縮し、これは、最終的にはpn接合に到達する光励起少数キャリアの数を減少させる。したがって、第1の基板部分312および/または第2の基板部分314のバルク領域内のトラップ状態を使用して、基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減し得る。
【0096】
基板に導入されたトラップおよび/または界面の状態(結晶学的欠陥、表面粗さ、または他のメカニズムによって導入されたかどうか)は、所定の深さで定義することができる。所定の深さは、基板内の少数キャリアの所望の光子検出効率および/または所望の拡散プロファイルに基づいて決定してもよい。例えば、所定の深さは、光子検出効率がトラップおよび/または界面状態によって実質的に悪影響を受けないように、十分に大きくてもよい(すなわち、トラップおよび/または界面状態は、pn接合から十分に離れて位置してもよい)。追加的に、または代替的に、所定の深さは、基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流が十分に軽減されるように、十分に小さくてもよい(すなわち、トラップおよび/または界面状態は、pn接合に十分近くに位置してもよい)。
【0097】
図8Aは、例示的な実施形態による、デバイス812の図である。デバイス812は、図3Aに示される光検出器212に類似してもよい。したがって、デバイス812は、アノード302、カソード304、第2の基板部分314、pn接合(高濃度にドープされたp側322と高濃度にドープされたn側324との間に形成される)、ガードリング領域332、および保護層342を含んでもよい。前述の構成要素のそれぞれは、図3Aに関して図示および説明された対応する構成要素と実質的に同じまたは同一であってもよい。
【0098】
但し、図3Aに示される光検出器212とは異なり、光検出器212の第1の基板部分312は、異種基板部分802で置き換えられてもよい。図3Aの第1の基板部分312とは異なり、デバイス812の異種基板部分802は、デバイス812の他の材料とは異なる材料で作製されてもよい。特に、異種基板部分802の材料は、第2の基板部分314の材料と異なっていてもよい。例えば、第2の基板部分314、高濃度にドープされたp側322、高濃度にドープされたn側324、およびガードリング領域332がそれぞれドープされたまたはドープされていないSiを含む場合、異種基板部分802は、ドープされたまたはドープされていないGaAsまたはドープされたまたはドープされていないGeなど、異なる半導体材料を含んでもよい。GaAsおよびGe以外の他の半導体材料も可能である。したがって、デバイス812およびその対応するバンド図の両方がヘテロ構造を含む。
【0099】
異なる半導体材料は、そのバンドギャップに基づいて、および/またはデバイス812を照射している光源から放射されている光の光子エネルギーに基づいて選択されてもよい。いくつかの実施形態では、異なる半導体材料は、光源から放射されている所与の光子エネルギーの光が異種基板部分802内で吸収されない(すなわち、光励起が異種基板部分802で発生しない)ように選択されてもよい。例えば、光源が1.0μmの波長(1.24eVのエネルギーに対応)の赤外光を放射している場合、その光は、300Kで約1.12eVのバンドギャップを持つシリコンによって容易に吸収され得る。したがって、そのような光は、第2の基板部分314、高濃度にドープされたp側322、および高濃度にドープされたn側324(これらの領域はシリコンで作成されているとする)内で光励起を引き起こし得る。しかしながら、異種基板部分802内で光励起が発生するのを防ぐために、1.24eVよりも大きいバンドギャップを有する材料が選択されてもよい。例えば、異種基板部分802は、300Kで約1.424eVのバンドギャップを有するGaAs(ドープまたは非ドープ)で作製されてもよい。代替の実施形態では、GaAsではなく、他の半導体材料(例えば、ドープされたまたはドープされていないInP、ドープされたまたはドープされていないGaP、ドープされたまたはドープされていないCdSe、ドープされたまたはドープされていないCdTe、ドープされたまたはドープされていないZnO、ドープされたまたはドープされていないZnSなど)を使用することができ、または絶縁材料を使用できる(例えば、Al23)。
【0100】
光検出器から放射された光を吸収しない基板(例えば、異種基板部分802)に材料(例えば、光検出器から放射された光の光子エネルギーより上のバンドギャップを有する材料)を含めることにより、異種基板部分802内での光励起を防止することができる。基板内の少数キャリアの光励起を防止することにより、基板全体にわたる光励起された少数キャリアの総数が減少し、それにより、照射イベント後の暗電流(例えば、基板で光励起された少数キャリアからの暗拡散電流)が軽減される。さらに、異種基板部分802では少数キャリアが光励起されないため、pn接合からの最大距離、および同様に、光励起が生じ得るデバイス812の最大深さが減少する。言い換えれば、デバイス812内で光励起される各少数キャリアは、pn接合の所与の距離内にある。これにより、実質的に照射イベントの後に蛇行からpn接合までの拡散距離が長い(そして出力信号が生じる)光励起少数キャリアの数が制限され得る。言い換えれば、これは、暗電流を軽減することにより検出曲線の「ロングテール」を制限する別のメカニズムを提供し得る。
【0101】
代替の実施形態では、デバイスの1つ以上の他の部分が、異種部分を含んでもよい。例えば、第2の基板部分314の一部またはすべては、高濃度にドープされたp側322および/または高濃度にドープされたn側324の材料とは異なる材料で置き換えられてもよい。同様に、pn接合の一部またはすべては、第2の基板部分314の材料とは異なる材料で置き換えられてもよい。
【0102】
図8Bは、例示的な実施形態による、図8Aに示されているデバイス812のバンド図である。例えば、図8Bのバンド図は、第2の基板部分314、高濃度にドープされたp側322、および高濃度にドープされたn側324がそれぞれ、異なるドーパント/ドーピング濃度のシリコンを含み、異種基板部分が802にGaAsが含まれる実施形態を示している。図示のように、異種基板部分802のバンドギャップは、第2の基板部分314、高濃度にドープされたp側322、および高濃度にドープされたn側324のバンドギャップよりも大きい。
【0103】
ヘテロ構造を組み込むことに加えて、または組み込む代わりに、バンド図を変更する他の方式も、基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減するのに役立ち得る。例えば、デバイスのpn接合は、接合部のさらに下に広がる電界(例えば、バンド構造の伝導帯または価電子帯の曲率に基づく)を導入するように設計されてもよい。この電界は、pn接合に向かって移動する過剰な少数キャリアを加速させる。したがって、これらの過剰な少数キャリアは、pn接合にすばやく移動するため、図3Bに示す「ロングテール」の長さが短くなる。
【0104】
図9Aは、例示的な実施形態による、デバイス912の図である。デバイス912は、図3Aに示される光検出器212に類似してもよい。したがって、デバイス912は、アノード302、カソード304、pn接合(高濃度にドープされたp側322と高濃度にドープされたn側324との間に形成される)、ガードリング領域332、および保護層342を含んでもよい。前述の構成要素のそれぞれは、図3Aに関して図示および説明された対応する構成要素と実質的に同じまたは同一であってもよい。
【0105】
但し、図3Aに示される光検出器212とは異なり、第1の基板部分312および第2の基板部分314の代わりに、図9Aのデバイス912は、傾斜(graded)基板部分902を含み得る。傾斜基板部分902は、全体にわたって可変的にドープされてもよい。例えば、傾斜基板部分902は、深さ(x)に関して変化するドーピングプロファイルに基づいてドープされてもよい。傾斜基板部分902は、いくつかの実施形態では、単一の材料を含んでもよい。他の実施形態では、傾斜基板部分902は、2つ以上の材料を含んでもよい(すなわち、傾斜基板部分902はヘテロ構造であってもよい)。
【0106】
図9Bは、デバイス912の例示的な実施形態による、図9Aに示されているデバイス912のバンド図である。例えば、図9Bに示されるように、傾斜基板部分902は、深さに関して(例えば、材料組成プロファイルに基づいて)材料の組成が変化するヘテロ構造であってもよい。例えば、傾斜基板部分902は、GaAsおよびGaSbを含んでもよい(一方、高濃度にドープされたp側322および高濃度にドープされたn側324は、シリコンを含んでもよい)。GaAsは、300Kで約1.424eVのバンドギャップを有し得、GaSbは、300Kで約0.68eVのバンドギャップを有し得る。傾斜基板部分902はまた、図示されるように、GaAszSb1-zであるハイブリッドを含んでもよい。ここで、zは、ヒ素である材料の割合を表し、1-zはアンチモン化物である材料の割合を表す。本明細書では、他の材料(単一材料構造およびヘテロ構造の両方)が想定されていることを理解されたい。例えば、SiGeを使用できる。
【0107】
示されるように、高濃度にドープされたp側322に最も近い傾斜基板部分902の第1の部分914は、GaAs1Sb0(すなわち、GaAs)であってもよく、傾斜基板部分902の表面に最も近い傾斜基板部分902の第2の部分916(例えば、傾斜基板部分902の底面)もまた、GaAs1Sb0(すなわち、GaAs)であってもよく、中間領域918内(例えば、傾斜基板部分902の底面よりも高濃度にドープされたp側322により近い)において、傾斜基板部分902は、GaAs0Sb1(すなわち、GaSb)であってもよい。これらの3つの別個の領域の間で、傾斜基板部分902内のヒ素およびアンチモン化物は、直線的に変化する。(例えば、GaAsおよびGaSb以外の)他の材料を用いた他のグレーディングも可能であることが理解されたい。さらに、線形グレーディングプロファイルではなく、指数グレーディング、対数グレーディング、または他の任意のタイプのグレーディングプロファイルを使用できることも理解されたい。さらに、二元および三元のIII-V半導体化合物が本明細書に明示的に記載されているが、四元化合物およびII-VI半導体化合物も想定され、可能であることが理解されよう。
【0108】
図9Cは、例示的な実施形態による、図9Bに示されるバンド図を有する、図9Aに示されるデバイス912の深さに対する光吸収のプロットである。示されるように、傾斜基板部分902は、高吸収の特定の領域(例えば、少数キャリアの比較的高い光励起)、ならびに低吸収の特定の領域(例えば、少数キャリアの比較的少ない光励起)を画定するために使用できる。
【0109】
ここでも、デバイス912を照射する光源が波長1μm(光子エネルギー1.24eVに対応)の光を透過している場合、GaSbおよびGaAszSb1-zのいくつかの中間値はその光を吸収し得るものである一方、GaAsおよびGaAszSb1-zの他のいくつかの中間値はそうでなくてもよい。これにより、バンドギャップの狭い領域(例えば、Sb濃度が高く、As濃度が低い領域)では、少数キャリアのより多くの光吸収/光励起が発生し得る。したがって、傾斜基板部分902を使用して、基板内で少数キャリアが光励起されている場所および量を画定することができる。したがって、光励起された少数キャリアの総数を減らすことができる。さらに、光励起された少数キャリアが励起される領域は、pn接合に十分に近い距離に制限できるため、少数キャリアが妥当な時間内にpn接合に拡散することになる(例えば、それにより、各照射イベントに関連する時間減衰定数が減少する)。これらの要因は両方とも、傾斜基板部分902の使用が、基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減できるメカニズムである。
【0110】
吸収挙動に影響を与えることに加えて、傾斜基板部分902(傾斜組成および傾斜ドーピングの両方)は、pn接合に向かう、またはpn接合から離れるドリフト電流および/または拡散電流に影響を及ぼし得る。理解されるように、傾斜基板部分902は、それにより、基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減するための追加のメカニズムを有する。
【0111】
図10は、例示的な実施形態による、デバイス1012の図である。デバイス1012は、図3Aに示される光検出器212に類似してもよい。したがって、光検出器1012は、カソード304、第1の基板部分312、第2の基板部分314、pn接合(高濃度にドープされたp側322と高濃度にドープされたn側324との間に形成される)、ガードリング領域332、および保護層342を含み得るを含み得る。前述の構成要素のそれぞれは、図3Aに関して図示および説明された対応する構成要素と実質的に同じまたは同一であってもよい。
【0112】
但し、図3Aに示される光検出器212とは異なり、デバイス1012は、修正されたアノード1002および研磨された/平坦化された表面1004を含み得る。図示されているように、修正されたアノード1002は、サイズが小さくてもよい。カソード304と同様に、修正されたアノード1002は、光が修正されたアノード1002の周りを透過することができるようなサイズであってもよい。第1の基板部分312の底面全体を完全に覆い得る図3Aに示すアノード302とは異なり、修正されたアノード1002は、第1の基板部分312の底面の一部のみを覆ってもよい。
【0113】
研磨/平坦化された表面1004は、研磨および/または平坦化された第1の基板部分312の表面であってもよい。研磨/平坦化された表面1004は、吸収されずに基板を通過した光子をデバイス1012からシェファーディングするのに役立ち得る(例えば、基板を通過する光をデバイス1012の外部に結合し得る)。言い換えると、研磨された/平坦化された表面1004は、吸収されない光が(基板の表面および/または電極の表面のいずれかから)内部反射を受けるのを防いで、光がデバイス1012の内部に反射されないようにし得る。研磨された/平坦化された表面1004は、光がデバイス1012の基板を通って移動する時間量を減少させるので、光吸収が起こり得る時間および距離も減少し、それにより、光励起の確率および光励起が起こる時間スケールが減少する。したがって、基板内で光励起される少数キャリアの数は全体的に減少することになる。光励起された少数キャリアの数が減少するので、そのような少数キャリアから生じる暗電流は軽減され得る。いくつかの実施形態では、研磨/平坦化表面1004が研磨および/または平坦化されていることに加えて、またはその代わりに、デバイス1012の他の表面(例えば、第1の基板部分312の側面)を研磨および/または平坦化してもよい。
【0114】
図11Aは、例示的な実施形態による、ポテンシャル障壁を有するデバイスのバンド図である。デバイスは、例えば、図3Aに示される光検出器212と類似してもよい。但し、図11Aの第2の基板部分のドーピングプロファイルは、(図3Bに示されるように)光検出器212の第2の基板部分314のドーピングプロファイルとは異なってもよい。例えば、図11Aでは、図3Bに示されているような第2の基板部分314とは異なり、第2の基板部分は均一にドープされていない。
【0115】
図示されているように、図11Aの第2の基板部分の領域は、強くpドープされている(例えば、p+ドープまたはp++ドープされている)。この強くpドープされた領域は、図11Aのバンド構造内にポテンシャル障壁1102を生じさせる。そのようなポテンシャル障壁1102は、少数キャリアが拡散によりデバイスの空乏領域(例えば、pn接合内)に到達するのを防ぐように構成されてもよい。ポテンシャル障壁1102に対応する障壁の厚さは、様々な実施形態では、少なくとも1nmの厚さ、少なくとも10nmの厚さ、または少なくとも100nmの厚さであってもよい。
【0116】
ポテンシャル障壁1102の伝導帯は、正のエネルギーオフセット1104によって、周囲のバルク基板の伝導帯から分離されてもよい(例えば、上にある)。同様に、ポテンシャル障壁1102の価電子帯は、正のエネルギーオフセット1104によって、周囲のバルク基板の価電子帯から分離されてもよい(例えば、上にある)。正のエネルギーオフセット1104は、様々な実施形態では、バルク基板のバンドギャップの最小で0.01倍、バルク基板のバンドギャップの最小で0.05倍、バルク基板のバンドギャップの最小で0.1倍、バルク基板のバンドギャップの最小で0.15倍、バルク基板のバンドギャップの最小で0.2倍、バルク基板のバンドギャップの最小で0.25倍、バルク基板のバンドギャップの最小で0.5倍、バルク基板のバンドギャップの最小で0.75倍、またはバルク基板のバンドギャップの最小で1.0倍を有することができる。バルク基板がシリコンで作製されている例示的な実施形態では、これは、300Kで、それぞれ、少なくとも0.28eV、少なくとも0.56eV、少なくとも0.84eV、または少なくとも1.12eVに対応してもよい。代替の実施形態(例えば、バルク基板がp型ではなく主にn型である実施形態)では、ポテンシャル障壁1102の正のエネルギーオフセット1104はより大きくてもよい。
【0117】
図11Bは、例示的な実施形態による、ポテンシャル井戸を有するデバイスのバンド図である。デバイスは、例えば、図3Aに示される光検出器212と類似してもよい。但し、図11Bの第2の基板部分のドーピングプロファイルは、(図3Bに示されるように)光検出器212の第2の基板部分314のドーピングプロファイルとは異なってもよい。例えば、図11Bでは、図3Bに示されているような第2の基板部分314とは異なり、第2の基板部分は均一にドープされていない。
【0118】
図示のように、図11Bの第2の基板部分の領域は、強くnドープされている(例えば、n+ドープまたはn++ドープされている)。この強くnドープされた領域は、図11Bのバンド構造内にポテンシャル井戸1106を生じさせる。そのようなポテンシャル井戸1106は、少数キャリアが拡散によりデバイスの空乏領域(例えば、pn接合内)に到達するのを防ぐように構成されてもよい。ポテンシャル井戸1106に対応する井戸の厚さは、様々な実施形態では、少なくとも1nmの厚さ、少なくとも10nmの厚さ、または少なくとも100nmの厚さであってもよい。
【0119】
ポテンシャル井戸1106の伝導帯は、負のエネルギーオフセット1108によって、周囲のバルク基板の伝導帯から分離されてもよい(例えば、下にある)。同様に、ポテンシャル井戸1106の価電子帯は、負のエネルギーオフセット1108によって、周囲のバルク基板の価電子帯から分離されてもよい(例えば、下にある)。負のエネルギーオフセット1108は、様々な実施形態では、バルク基板のバンドギャップの最小で0.01倍、バルク基板のバンドギャップの最小で0.05倍、バルク基板のバンドギャップの最小で0.1倍、バルク基板のバンドギャップの最小で0.15倍、バルク基板のバンドギャップの最小で0.2倍、バルク基板のバンドギャップの最小で0.25倍、バルク基板のバンドギャップの最小で0.5倍、バルク基板のバンドギャップの最小で0.75倍、またはバルク基板のバンドギャップの最小で1.0倍を有することができる。バルク基板がシリコンで作製されている例示的な実施形態では、これは、300Kで、それぞれ、少なくとも0.28eV、少なくとも0.56eV、少なくとも0.84eV、または少なくとも1.12eVに対応してもよい。代替の実施形態(例えば、バルク基板がp型ではなく主にn型である実施形態)では、ポテンシャル障壁1102の負のエネルギーオフセット1108はより小さくてもよい。
【0120】
IV.例示的なプロセス
図12は、例示的な実施形態による、方法1200のフローチャート図である。
【0121】
ブロック1202で、方法1200は、基板と、基板に結合された光検出器とを含むデバイスを提供することを含む。光検出器は、デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するように配置されている。
【0122】
ブロック1204で、方法1200は、光源から光を提供することを含む。
【0123】
ブロック1206で、方法1200は、光源から放射された光に基づいて、基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減することを含む。いくつかの実施形態では、暗電流を軽減することは、光源からの光がデバイスの底面を照射するように光源からの光を提供することを含んでもよい(例えば、デバイスがROICにフリップチップ結合される実施形態において)。これにより、より薄い基板を備えたデバイスを使用することが可能になり、基板内の光励起少数キャリアの量が減少し、それにより、照射イベント後にpn接合に到達する少数キャリアの数が減少する。
【0124】
追加的に、または代替的に、暗電流を軽減することは、デバイスの動作温度を変更することを含んでもよい。デバイスの動作温度を変更することは、基板内の少数キャリア(例えば、基板内で光励起された少数キャリア)の拡散長を変更することにより、暗電流を軽減し得る。上述したように、少数キャリアの拡散長は、少数キャリア拡散定数(Dn/Dp)および少数キャリア寿命(τn/τp)に依存する。少数キャリア拡散定数は、次の関係(すなわち、アインシュタイン関係)によって定義できる。
【数2】

式中、μn/μpは、少数キャリアの移動度であり、kは、ボルツマン定数であり、Tは
、絶対温度であり、qは、少数キャリアの電荷である。さらに、少数キャリアの移動度
自体は温度に依存する。一般に、少数キャリアの移動度は温度の上昇とともに減少し、
上記式の線形温度係数を過剰補償する。したがって、一般に、少数キャリア拡散定数は
温度の上昇とともに減少する。そのため、暗電流を軽減するために動作温度を変更する
ことは、デバイスの動作温度を上げることを含み、それにより、少数キャリア拡散定数
が低下し、ひいては少数キャリア拡散長が減少し得る。拡散長が減少すると、最終的に
pn接合に到達できる、基板内で光励起された少数キャリアの数が減少し、それにより
、照射イベントの「ロングテール」が減少する。
【0125】
なおさらに、いくつかの実施形態では、暗電流を軽減することは、光源から放射された光の波長を変調することを含んでもよい。例えば、波長を変調することは、放射された光の波長を増加させることを含んでもよい。放射された光の波長を増加させることは、放射された光の関連する光子エネルギーの減少に対応してもよい。関連する光子エネルギーが減少した場合、(例えば、基板材料のバンドギャップが放射された光の光子エネルギーよりも大きい場合)基板で吸収される光の量が減少または排除され得る。基板で吸収される光の量が減少または排除される場合、光励起された少数キャリアの数は減少または排除され得る。基板内で光励起される少数キャリアの数を減らすと、照射イベント後にpn接合に拡散する少数キャリアの数が減少し、それにより、照射イベントの「長いテール」が減少し得る。
【0126】
代替的に、波長を変調することは、放射された光の波長を減少させることを含んでもよい。放射された光の波長を短くすると、光子が吸収される前に浸透する基板への深さが減少し得る(例えば、シリコンの吸収深さは約1μmの波長に対して約100μmであるが、シリコンの吸収深さは約400nmの波長に対して約100nmであればよい)。放射された光の吸収深さを減少させることにより、pn接合から比較的遠い(例えば、pn接合から拡散するのに長時間かかるほどpn接合から十分遠い)基板内で光励起される少数キャリアの数は、減少または排除され得る。pn接合から比較的遠い基板内で光励起される少数キャリアの量が減少または排除された場合、照射イベント後に著しくpn接合に到達する光励起少数キャリアの数が減少または排除され、それにより、照射イベントの「ロングテール」が減少し得る。
【0127】
さらに、暗電流を軽減することは、光源から放射された光のパワーを変調することを含んでもよい。光源から放射された光のパワーを変調することは、光源からの光のパワーを低減することを含んでもよい。光源からの光のパワーを低減させることは、デバイスを照射するより少ない光子に対応し得る。デバイスを照射する光子の数を減少させることにより、ひいては基板に伝達される光子の数を減らし得る。基板に伝達される光子のそのような減少は、基板における吸収を減少させ、それにより、基板において光励起される少数キャリアの量を減少させ得る。基板内で光励起される少数キャリアの数を減らすと、照射イベント後にpn接合に拡散する少数キャリアの数が減少し、それにより、照射イベントの「長いテール」が減少し得る。
【0128】
さらに、暗電流を軽減することは、光源から放射された光のパルス周波数またはデューティサイクルを変調することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、光源から放射された光のパルス周波数またはデューティサイクルを変調することは、連続波(CW)動作モードからパルス動作モードへの切り替えを含んでもよい。同様に、光源から放射された光のパルス周波数またはデューティサイクルを変調することは、CW光源をパルス光源と交換することを含んでもよい。追加的に、または代替的に、光源から放射された光のパルス周波数を変調することは、光源から放射された光のパルス周波数を低減することを含んでもよい。同様に、光源から放射された光のデューティサイクルを変調することは、光源から放射された光のデューティサイクルを低減させることを含んでもよい。光源から放射された光のパルス周波数を低減するか、またはデューティサイクルを低減することは、デバイスを照射するより少ない光子に対応し得る。デバイスを照射する光子の数を減少させることにより、ひいては基板に伝達される光子の数を減らし得る。基板に伝達される光子のそのような減少は、基板における吸収を減少させ、それにより、基板において光励起される少数キャリアの量を減少させ得る。基板内で光励起される少数キャリアの数を減らすと、照射イベント後にpn接合に拡散する少数キャリアの数が減少し、それにより、照射イベントの「長いテール」が減少し得る。
【0129】
図13は、例示的な実施形態による、製造方法1300のフローチャート図である。
【0130】
ブロック1302で、製造方法1300は、基板を提供することを含む。
【0131】
ブロック1304で、製造方法1300は、基板内または基板上に光検出器を形成することを含む。光検出器は、光検出器の上面を照射する光源から放射された光を検出するように配置されている。
【0132】
ブロック1306で、製造方法1300は、光源から放射された光に基づいて基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減する処理ステップを実行することを含む。いくつかの実施形態では、暗電流を軽減する処理ステップを実行することは、基板の一部を除去することによって基板を薄くすることを含み、それにより、基板の深さを基板内の少数キャリアの拡散長の100倍以下に減少させてもよい。さらに、暗電流を軽減する処理ステップを実行することは、(例えば、トラップ状態でのトラップ支援再結合を通じて)電子と正孔の再結合を可能にする基板内に結晶学的欠陥を生成することを含んでもよい。
【0133】
追加的に、または代替的に、暗電流を軽減する処理ステップを実行することは、基板と光検出器の材料組成に基づいてバンド構造を規定することを含んでもよい。そのような実施形態では、バンド構造は、光検出器の空乏領域を超える電界を、光検出器の空乏領域を超えるバンド構造の伝導帯または価電子帯の曲率に基づいて誘導してもよい。そのような電界は、少数キャリアが光源から放射された光に基づいて基板内で光励起されるときに、少数キャリアを光検出器の空乏領域に向かって加速するドリフト電流を誘導するように構成されてもよい。例えば、デバイスのpn接合は、接合部のさらに下に広がる電界を導入するように設計されてもよい。この電界は、pn接合に向かって移動する過剰な少数キャリアを加速させる。
【0134】
いくつかの実施形態では、バンド構造は、基板内で光励起された少数キャリアが拡散により光検出器の空乏領域に到達するのを防ぐように構成されたポテンシャル障壁を含んでもよい。ポテンシャル障壁に対応するそのような障壁の厚さは、様々な実施形態では、少なくとも1nmの厚さ、少なくとも10nmの厚さ、または少なくとも100nmの厚さであってもよい。さらに、ポテンシャル障壁は、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.01倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.05倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.1倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.15倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.2倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.25倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.5倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.75倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で1.0倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.01倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.05倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.1倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.15倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.2倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.25倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.5倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.75倍の価電子帯エネルギー、またはポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で1.0倍の価電子帯エネルギーを有してもよい。
【0135】
ポテンシャル障壁に加えて、またはポテンシャル障壁の代わりに、バンド構造は、基板内で光励起された少数キャリアが拡散により光検出器の空乏領域に到達するのを防ぐように構成されたポテンシャル井戸(例えば、指定された距離だけポテンシャル障壁から離れた)を含んでもよい。ポテンシャル井戸に対応するそのような井戸の厚さは、様々な実施形態では、少なくとも1nmの厚さ、少なくとも10nmの厚さ、または少なくとも100nmの厚さであってもよい。さらに、ポテンシャル井戸は、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.01倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.05倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.1倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.15倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.2倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.25倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.5倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.75倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で1.0倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.01倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.05倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.1倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.15倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.2倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.25倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.5倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.75倍の価電子帯エネルギー、またはポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で1.0倍の価電子帯エネルギーを有してもよい。
【0136】
さらに他の実施形態では、基板は2つ以上の材料を含んでもよい。したがって、バンド構造はヘテロ構造を含み得る。ヘテロ構造は、光源から放射された光に関連する光子エネルギーよりも大きいバンドギャップを有する第1の材料を含んでもよい。さらに、第1の材料は、基板内の第1の深さで基板内に存在して、光源から放射された光の最大吸収深さを画定してもよい。
【0137】
いくつかの実施形態では、方法1300のブロック1306は、反射防止層を基板の第2の表面(例えば、デバイスの上面の反対側および/または基板の上面の反対側の基板の表面)に結合することを含んでもよい。反射防止層は、基板を通過する光を基板の外部に結合するように構成され、それにより、光源から放射された光の基板内での反射を防止して、基板内の少数キャリアの光励起を低減する、結合することを含んでもよい。反射防止層は、屈折率分布型反射防止コーティング、1/4波長光学層、ブラッグ格子、回折格子、または屈折率整合型受動基板を含んでもよい。
【0138】
さらに他の実施形態では、方法1300のブロック1306は、基板の第2の表面(例えば、デバイスの上面の反対側および/または基板の上面の反対側の基板の表面)を研磨または平坦化することを含み、それにより、光源から放射された光の基板内での反射を防止して、基板内の少数キャリアの光励起を低減してもよい。
【0139】
さらに他の実施形態では、方法1300のブロック1306は、光検出器の上面にバンドリジェクト光学フィルタを適用して、それにより、光源から放射された光がバンドリジェクト光学フィルタを通して光検出器を照射するように光検出器を構成することを含んでもよい。バンドリジェクト光学フィルタは、光源から放射された光の1つ以上の波長(例えば、波長の範囲)の強度を低減して、光源から放射された光に基づいた基板内の少数キャリアの光励起を低減するように構成されてもよい。
【0140】
さらに別の実施形態では、方法1300のブロック1306は、光検出器にバイアスをかけるために使用される1つ以上の電極に基板と光検出器をフリップチップ結合して、基板の第2の表面(例えば、光検出器の上面の反対側および/または基板の上面の反対側の基板の表面)を照射する光源からの光を検出するように光検出器が配置されるようにすることを含んでもよい。追加的に、または代替的に、基板および光検出器は、1つ以上のROICにフリップチップ結合されて、基板の第2の表面(例えば、光検出器の上面の反対側および/または基板の上面の反対側の基板の表面)を照射する光源からの光を検出するように光検出器が配置されてもよい。
【0141】
いくつかの実施形態では、方法1300は、基板内または基板上に追加の光検出器を形成し、追加の光検出器を光検出器と直列に電気的に接続することを含んでもよい。追加の光検出器は、追加の光検出器の上面を照射する光源から放射された光を検出するように配置されてもよい。
【0142】
さらに、方法1300の様々な実施形態では、光検出器および/または基板の1つ以上の領域を、リソグラフィを使用して画定してもよい。例えば、光検出器および/または基板の1つ以上の領域は、電子ビームリソグラフィ、フォトリソグラフィ、ナノインプリントリソグラフィ、干渉リソグラフィ、化学リソグラフィ、X線リソグラフィ、極端紫外線リソグラフィ、ディップペンナノリソグラフィ、マグネトリソグラフィ、または走査型プローブリソグラフィを使用して画定されてもよい。追加的に、または代替的に、光検出器および/または基板の1つ以上の領域は、付加製造(すなわち、三次元(3D)印刷またはステレオリソグラフィ)を使用して画定されてもよい。他の付加的なまたは減じる技術を追加的に、または代替的に使用することができる。
【0143】
V.結論
本明細書では、暗電流を軽減する複数の戦略を個別に示し、説明している。本明細書で説明される各戦略(例えば、方法、デバイス、またはシステム)は、他の場所または本明細書で説明される他の戦略(例えば、方法、デバイス、またはシステム)と組み合わせることができることを理解されたい。そのような組み合わせは、例えば、暗電流をさらに軽減するために同時に使用することができる。さらに、複数のデバイス(例えば、SiPMなどの検出器アレイに直列に接続されたAPDなどの複数の光検出器)を含むシステムでは、単一のデバイスを変更して暗電流を軽減してもよいこと、複数のデバイスを変更して暗電流を軽減してもよいこと、またはすべてのデバイスを変更して暗電流を軽減してもよいことを理解されたい。
【0144】
さらに、本開示における暗電流を軽減する技術の多くは、pn接合を含む光検出器を参照して示され、説明されている。また、少なくともいくつかの技術は、非pn接合光検出器の暗電流を軽減するために適用できることも理解されたい。さらに、本明細書に示され説明されている技術のいくつかを使用して、非半導体光検出器における光検出の時間減衰を軽減することができる。
【0145】
本開示は、本出願に記載の特定の実施形態に関して限定されるものではなく、特定の実施形態は、様々な態様の説明として意図されるものである。当業者には明らかなことであるが、多くの変形および変更を本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく行うことができる。本明細書において列挙される方法および装置に加えて、本開示の範囲内の機能的に同等の方法および装置は当業者には、これまでの説明から明らかであろう。このような変形および変更は、添付の特許請求の範囲内にあることが意図されている。
【0146】
上記の詳細な説明は、添付の図面を参照して、開示されたシステム、デバイス、および方法の様々な特徴および機能を説明している。図では、特に文脈によって説明しない限り、同様の記号は通常、同様の構成要素を指している。本明細書および図に記載の実施形態例は、限定することを意図しているものではない。本明細書において提示される主題の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、他の変更を行うことができる。本明細書で概して説明され、かつ図に例証されている、本開示の態様は、多種多様な異なる構成で配置、置換、結合、分離、および設計することができ、そのすべてが明示的に企図されることは容易に理解されよう。
【0147】
図に示されている特定の配置は、限定であるとみなされるべきではない。他の実施形態が、所与の図に示される各要素をそれより多く、またはそれより少なく含み得ることを理解されたい。さらに、図示の要素のうちのいくつかを組み合わせることも、省略することもできる。またさらに、実施形態例が、図に示されていない要素を含むこともできる。
【0148】
様々な態様および実装態様が本明細書において開示されているが、当業者には、その他の態様および実装態様が明らかとなるであろう。本明細書に開示される様々な態様および実施形態は、例証を目的とするものであり、限定することを意図するものではなく、真の範囲は、以下の特許請求の範囲によって示される。
【0149】
したがって、本開示の実施形態は、以下に列挙される付番実施例(EEE:Enumerated Example Embodiment)のうちの1つに関係し得る。
【0150】
EEE1は、
基板と、
基板に結合された光検出器と、を備えるデバイスであり、
光検出器が、デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するように配置され、
基板が、基板の第2の表面上に表面欠陥を含み、
表面欠陥が、光源から放射された光に基づいて基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減するように、電子と正孔の再結合を可能にする。
【0151】
EEE2は、EEE1に記載のデバイスであり、表面欠陥のうちの少なくとも1つが、トポロジー欠陥、第2の表面の並進対称性が壊れている欠陥、吸着物、別の材料との界面、不整合な結晶粒界、積層欠陥、逆相境界、またはダングリングボンドを含む。
【0152】
EEE3は、EEE1または2に記載のデバイスであり、基板に結合された追加の光検出器をさらに備え、
追加の光検出器が、デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するように配置され、かつ光検出器と直列に電気的に接続されている。
【0153】
EEE4は、
基板と、
基板に結合された光検出器と、を備えるデバイスであり、
光検出器が、デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するように配置され、
基板が、光源から放射された光に基づいて基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減するように電子と正孔の再結合を可能にする結晶学的欠陥を含む、デバイスである。
【0154】
EEE5は、EEE4に記載のデバイスであり、基板に結合された追加の光検出器をさらに備え、
追加の光検出器が、デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するように配置され、かつ光検出器と直列に電気的に接続されている。
【0155】
EEE6は、EEE4または5に記載のデバイスであり、結晶学的欠陥が、空孔欠陥、侵入型欠陥、フレンケル欠陥、アンチサイト欠陥、置換欠陥、またはトポロジー欠陥を含む。
【0156】
EEE7は、
基板と、
基板に結合された光検出器と、を備えるデバイスであり、
光検出器が、デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するように配置され、
基板の深さが、光源から放射された光に基づいて基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減するように、基板内の少数キャリアの拡散長の最大で100倍である。
【0157】
EEE8は、EEE7に記載のデバイスであり、基板に結合された追加の光検出器をさらに備え、
追加の光検出器が、デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するように配置され、かつ光検出器と直列に電気的に接続されている。
【0158】
EEE9は、EEE7または8に記載のデバイスであり、基板の深さが、基板内の少数キャリアの拡散長の最大で10倍、基板内の少数キャリアの拡散長の最大で1倍、基板内の少数キャリアの拡散長の最大で0.1倍、または基板内の少数キャリアの拡散長の最大で0.01倍である。
【0159】
EEE10は、EEE7~9のいずれかに記載のデバイスであり、基板の深さが、基板の光吸収長の最大で1000倍、基板の光吸収長の最大で100倍、基板の光吸収長の最大で10倍、基板の最大で光吸収長、基板の光吸収長の最大で0.1倍、基板の光吸収長の最大で0.01倍、または基板の光吸収長の最大で10-3倍である。
【0160】
EEE11は、EEE7~10のいずれかに記載のデバイスであり、基板の深さが、光源から放射された光の最大吸収深さを画定する。
【0161】
EEE12は、
基板と、
基板に結合された光検出器と、を備えるデバイスであり、
光検出器が、デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するように配置され、
デバイスが、基板と光検出器の材料組成に基づくバンド構造を有し、
バンド構造が、光源から放射された光に基づいて基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減するように構成されている。
【0162】
EEE13は、EEE12に記載のデバイスであり、基板に結合された追加の光検出器をさらに備え、
追加の光検出器が、デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するように配置され、かつ光検出器と直列に電気的に接続され、
バンド構造は、追加の光検出器の材料組成に基づく。
【0163】
EEE14は、EEE12または13に記載のデバイスであり、
バンド構造が、光検出器の空乏領域を超える電界を、光検出器の空乏領域を超えるバンド構造の伝導帯または価電子帯の曲率に基づいて誘導し、
電界が、少数キャリアが光源から放射された光に基づいて基板内で光励起されるときに、少数キャリアを光検出器の空乏領域に向かって加速するドリフト電流を誘導するように構成されている。
【0164】
EEE15は、EEE12~14のいずれかに記載のデバイスであり、
バンド構造が、ポテンシャル障壁を含み、
ポテンシャル障壁が、基板内で光励起された少数キャリアが拡散により光検出器の空乏領域に到達するのを防ぐように構成されている。
【0165】
EEE16は、EEE15に記載のデバイスであり、ポテンシャル障壁に対応する障壁の厚さが、少なくとも1nmの厚さ、少なくとも10nmの厚さ、または少なくとも100nmの厚さである。
【0166】
EEE17は、EEE15または16に記載のデバイスであり、
基板が、バンドギャップを有し、
ポテンシャル障壁が、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.01倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.05倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.1倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.15倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.2倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.25倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.5倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.75倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で1.0倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.01倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.05倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.1倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.15倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.2倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.25倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.5倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.75倍の価電子帯エネルギー、またはポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で1.0倍の価電子帯エネルギーを有する。
【0167】
EEE18は、EEE12~17のいずれかに記載のデバイスであり、
バンド構造が、ポテンシャル井戸を含み、
ポテンシャル井戸が、基板内で光励起された少数キャリアが拡散により光検出器の空乏領域に到達するのを防ぐように構成されている。
【0168】
EEE19は、EEE18に記載のデバイスであり、ポテンシャル井戸に対応する井戸の厚さが、少なくとも1nmの厚さ、少なくとも10nmの厚さ、または少なくとも100nmの厚さである。
【0169】
EEE20は、EEE18または19に記載のデバイスであり、
基板が、バンドギャップを有し、
ポテンシャル井戸が、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.01倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.05倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.1倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.15倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.2倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.25倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.5倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.75倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で1.0倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.01倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.05倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.1倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.15倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.2倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.25倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.5倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.75倍の価電子帯エネルギー、またはポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で1.0倍の価電子帯エネルギーを有する。
【0170】
EEE21は、EEE12~20のいずれかに記載のデバイスであり、
基板が、2つ以上の材料を含み、
バンド構造が、ヘテロ構造を有し、
ヘテロ構造が、光源から放射された光に関連する光子エネルギーよりも大きいバンドギャップを有する第1の材料を含み、
第1の材料が、基板内の第1の深さで基板内に存在し、光源から放射された光の最大吸収深さを画定する。
【0171】
EEE22は、
基板と、
基板に結合された光検出器と、
光検出器が、デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するように配置される、光検出器と、
基板の第2の表面に結合された反射防止層と、を備えるデバイスであり、
反射防止層が、基板を通過する光をデバイスの外部に結合するように構成され、それにより、光源から放射された光の基板内での反射を防止して、光源から放射された光に基づいた基板内の少数キャリア光励起を低減し、光源から放射された光に基づいて基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減する。
【0172】
EEE23は、EEE22に記載のデバイスであり、基板に結合された追加の光検出器をさらに備え、
追加の光検出器が、デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するように配置され、かつ光検出器と直列に電気的に接続されている。
【0173】
EEE24は、EEE22または23に記載のデバイスであり、反射防止層が、屈折率分布型反射防止コーティング、1/4波長光学層、ブラッグ格子、回折格子、または屈折率整合型の受動基板を含む。
【0174】
EEE25は、
基板と、
基板に結合された光検出器と、を備えるデバイスであり、
光検出器が、デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するように配置され、
基板の第2の表面が、研磨または平坦化され、それにより、光源から放射された光の基板内での反射を防止して、光源から放射された光に基づいた基板内の少数キャリア光励起を低減し、それにより、光源から放射された光に基づいて基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減する、デバイスである。
【0175】
EEE26は、EEE25に記載のデバイスであり、基板に結合された追加の光検出器をさらに備え、
基板に結合された追加の光検出器が、デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するように配置され、かつ光検出器と直列に電気的に接続されている。
【0176】
EEE27は、
基板と、
基板に結合された光検出器と、
バンドリジェクト光学フィルタと、を備えるデバイスであり、
光検出器が、デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するように配置され、
デバイスの上面を照射する光源からの光が、バンドリジェクト光学フィルタを透過し、
バンドリジェクト光学フィルタが、光源から放射された光の1つ以上の波長の強度を低減して、光源から放射された光に基づいた基板内の少数キャリア光励起を低減するように構成され、それにより、光源から放射された光に基づいて基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減する。
【0177】
EEE28は、EEE27に記載のデバイスであり、基板に結合された追加の光検出器をさらに備え、
基板に結合された追加の光検出器が、デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するように配置され、かつ光検出器と直列に電気的に接続されている。
【0178】
EEE29は、
基板と、
基板に結合された光検出器と、
非線形光吸収体と、を備えるデバイスであり、
光検出器が、デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するように配置され、
デバイスの上面を照射する光源からの光が、非線形光吸収体を透過し、
非線形光吸収体が、閾値パワーレベル以上の光源から放射された光の1つ以上の波長の強度を低減して、光源から放射された光に基づいた基板内の少数キャリア光励起を低減するように構成され、それにより、光源から放射された光に基づいて基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減する。
【0179】
EEE30は、EEE29に記載のデバイスであり、基板に結合された追加の光検出器をさらに備え、
基板に結合された追加の光検出器が、デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するように配置され、かつ光検出器と直列に電気的に接続されている。
【0180】
EEE31は、
基板と、
基板に結合された光検出器と、を備えるデバイスを提供することであって、
光検出器が、デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するように配置されている、提供することと、
光源から光を提供することと、
光源から放射された光に基づいて前記基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減することと、を含む、方法である。
【0181】
EEE32は、EEE31に記載の方法であり、暗電流を軽減することが、光源からの光がデバイスの底面を照射するように、光源から光を提供することを含む。
【0182】
EEE33は、EEE31または32に記載の方法であり、暗電流を軽減することが、デバイスの動作温度を変更することを含む。
【0183】
EEE34は、EEE31~33のいずれかに記載の方法であり、暗電流を軽減することが、光源から放射された光の波長を変調することを含む。
【0184】
EEE35は、EEE31~34のいずれかに記載の方法であり、暗電流を軽減することが、光源から放射された光のパワーを変調することを含む。
【0185】
EEE36は、EEE31~35のいずれかに記載の方法であり、暗電流を軽減することが、光源から放射された光のパルス周波数またはデューティサイクルを変調することを含む。
【0186】
EEE37は、
基板を提供することと、
基板内または基板上に光検出器を形成することであって、光検出器が、光検出器の上面を照射する光源から放射された光を検出するように配置されている、形成することと、
光源から放射された光に基づいて基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減する処理ステップを実行することと、を含む、製造方法である。
【0187】
EEE38は、EEE37に記載の方法であり、暗電流を軽減する処理ステップを実行することが、基板の一部を除去することにより基板を薄くし、それにより、基板の深さを、基板内の少数キャリアの拡散長の100倍以下に低減することを含む。
【0188】
EEE39は、EEE37または38に記載の方法であり、暗電流を軽減する処理ステップを実行することが、電子と正孔の再結合を可能にする基板内に結晶学的欠陥を生成することを含む。
【0189】
EEE40は、EEE37~39のいずれかに記載の方法であり、暗電流を軽減する処理ステップを実行することが、基板と光検出器の材料組成に基づいてバンド構造を規定することを含む。
【0190】
EEE41は、EEE40に記載の方法であり、
バンド構造が、光検出器の空乏領域を超える電界を、光検出器の空乏領域を超えるバンド構造の伝導帯または価電子帯の曲率に基づいて誘導し、
電界が、少数キャリアが光源から放射された光に基づいて基板内で光励起されるときに、少数キャリアを光検出器の空乏領域に向かって加速するドリフト電流を誘導するように構成されている。
【0191】
EEE42は、EEE40または41に記載の方法であり、
バンド構造が、ポテンシャル障壁を含み、
ポテンシャル障壁が、基板内で光励起された少数キャリアが拡散により光検出器の空乏領域に到達するのを防ぐように構成されている。
【0192】
EEE43は、EEE42に記載の方法であり、ポテンシャル障壁に対応する障壁の厚さが、少なくとも1nmの厚さ、少なくとも10nmの厚さ、または少なくとも100nmの厚さである。
【0193】
EEE44は、EEE42または43に記載の方法であり、
基板が、バンドギャップを有し、
ポテンシャル障壁が、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.01倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.05倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.1倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.15倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.2倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.25倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.5倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.75倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で1.0倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.01倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.05倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.1倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.15倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.2倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.25倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.5倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で0.75倍の価電子帯エネルギー、またはポテンシャル障壁を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギーを超える、基板のバンドギャップの最小で1.0倍の価電子帯エネルギーを有する。
【0194】
EEE45は、EEE40~44のいずれかに記載の方法であり、
バンド構造が、ポテンシャル井戸を含み、
ポテンシャル井戸が、基板内で光励起された少数キャリアが拡散により光検出器の空乏領域に到達するのを防ぐように構成されている。
【0195】
EEE46は、EEE45に記載の方法であり、ポテンシャル井戸に対応する井戸の厚さが、少なくとも1nmの厚さ、少なくとも10nmの厚さ、または少なくとも100nmの厚さである。
【0196】
EEE47は、EEE45または46に記載の方法であり、
基板が、バンドギャップを有し、
ポテンシャル井戸が、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.01倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.05倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.1倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.15倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.2倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.25倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.5倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.75倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の伝導帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で1.0倍である伝導帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.01倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.05倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.1倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.15倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.2倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.25倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.5倍の価電子帯エネルギー、ポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で0.75倍の価電子帯エネルギー、またはポテンシャル井戸を囲む基板のバンド構造の価電子帯エネルギー未満の、基板のバンドギャップの最小で1.0倍の価電子帯エネルギーを有する。
【0197】
EEE48は、EEE40~47のいずれかに記載の方法であり、
基板が、2つ以上の材料を含み、
バンド構造が、ヘテロ構造を有し、
ヘテロ構造が、光源から放射された光に関連する光子エネルギーよりも大きいバンドギャップを有する第1の材料を含み、
第1の材料が、基板内の第1の深さで基板内に存在し、光源から放射された光の最大吸収深さを画定する。
【0198】
EEE49は、EEE37~48のいずれかに記載の方法であり、暗電流を軽減する処理ステップを実行することが、反射防止層を基板の第2の表面に結合することであって、
反射防止層が、基板を通過する光を基板の外部に結合するように構成され、それにより、光源から放射された光の基板内での反射を防止して、基板内の少数キャリアの光励起を低減する、結合することを含む。
【0199】
EEE50は、EEE49に記載の方法であり、反射防止層が、屈折率分布型反射防止コーティング、1/4波長光学層、ブラッグ格子、回折格子、または屈折率整合型の受動基板を含む。
【0200】
EEE51は、EEE37~50のいずれかに記載の方法であり、結晶学的欠陥暗電流を軽減する前記処理ステップを実行することが、基板の第2の表面を研磨または平坦化して、それにより、光源から放射された光の基板内での反射を防止して、基板内の少数キャリアの光励起を低減することを含む。
【0201】
EEE52は、EEE37~51のいずれかに記載の方法であり、暗電流を軽減する処理ステップを実行することが、光検出器の上面にバンドリジェクト光学フィルタを適用して、それにより、光源から放射された光がバンドリジェクト光学フィルタを通して光検出器を照射するように光検出器を構成することを含み、
バンドリジェクト光学フィルタが、光源から放射された光の1つ以上の波長の強度を低減して、光源から放射された光に基づいた基板内の少数キャリアの光励起を低減するように構成されている。
【0202】
EEE53は、EEE37~52のいずれかに記載の方法であり、基板と光検出器を、光検出器が基板の第2の表面を照射する光源からの光を検出するように配置されるように光検出器にバイアスをかけるために使用される1つ以上の電極にフリップチップ結合することをさらに含む。
【0203】
EEE54は、EEE37~53のいずれかに記載の方法であり、
基板内または基板上に追加の光検出器を形成することであって、追加の光検出器が、追加の光検出器の上面を照射する光源から放射された光を検出するように配置されている、形成することと、
追加の光検出器を光検出器と直列に電気的に接続することと、をさらに含む。
【0204】
EEE55は、EEE37~54のいずれかに記載の方法であり、光検出器または基板の1つ以上の領域が、リソグラフィを使用して画定される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図10
図11A
図11B
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2022-11-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、
基板と、
前記基板に結合された光検出器であって、
前記光検出器が、前記デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するよ
うに配置される、光検出器と、
前記基板の第2の表面に結合された反射防止層と、を備え、
前記反射防止層が、前記基板を通過する光を前記デバイスの外部に結合するように構
成され、それにより、前記光源から放射された前記光の前記基板内での反射を防止して
、前記光源から放射された前記光に基づいた前記基板内の少数キャリア光励起を低減し
、前記光源から放射された前記光に基づいて前記基板内で光励起された少数キャリアか
ら生じる暗電流を軽減する、デバイス。
【請求項2】
前記基板に結合された追加の光検出器をさらに備え、
前記追加の光検出器が、前記デバイスの前記上面を照射する前記光源から放射された
光を検出するように配置され、かつ前記光検出器と直列に電気的に接続されている、請
求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記反射防止層が、屈折率分布型反射防止コーティング、1/4波長光学層、ブラッ
グ格子、回折格子、または屈折率整合型の受動基板を含む、請求項1に記載のデバイス
【請求項4】
デバイスであって、
基板と、
前記基板に結合された光検出器と、を備え、
前記光検出器が、前記デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するよ
うに配置され、
前記基板の第2の表面が、研磨または平坦化され、それにより、前記光源から放射さ
れた前記光の前記基板内での反射を防止して、前記光源から放射された前記光に基づい
た前記基板内の少数キャリア光励起を低減し、それにより、前記光源から放射された前
記光に基づいて前記基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減する、
デバイス。
【請求項5】
前記基板に結合された追加の光検出器をさらに備え、
前記基板に結合された前記追加の光検出器が、前記デバイスの前記上面を照射する前
記光源から放射された光を検出するように配置され、かつ前記光検出器と直列に電気的
に接続されている、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
デバイスであって、
基板と、
前記基板に結合された光検出器と、
バンドリジェクト光学フィルタと、を備え、
前記光検出器が、前記デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するよ
うに配置され、
前記デバイスの前記上面を照射する前記光源からの光が、前記バンドリジェクト光学
フィルタを透過し、
前記バンドリジェクト光学フィルタが、前記光源から放射された前記光の1つ以上の
波長の強度を低減して、前記光源から放射された前記光に基づいた前記基板内の少数キ
ャリア光励起を低減するように構成され、それにより、前記光源から放射された前記光
に基づいて前記基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減する、デバ
イス。
【請求項7】
前記基板に結合された追加の光検出器をさらに備え、
前記基板に結合された前記追加の光検出器が、前記デバイスの前記上面を照射する前
記光源から放射された光を検出するように配置され、かつ前記光検出器と直列に電気的
に接続されている、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
デバイスであって、
基板と、
前記基板に結合された光検出器と、
非線形光吸収体と、を備え、
前記光検出器が、前記デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するよ
うに配置され、
前記デバイスの前記上面を照射する前記光源からの光が、前記非線形光吸収体を透過
し、
前記非線形光吸収体が、閾値パワーレベル以上の前記光源から放射された前記光の1
つ以上の波長の強度を低減して、前記光源から放射された前記光に基づいた前記基板内
の少数キャリア光励起を低減するように構成され、それにより、前記光源から放射され
た前記光に基づいて前記基板内で光励起された少数キャリアから生じる暗電流を軽減す
る、デバイス。
【請求項9】
前記基板に結合された追加の光検出器をさらに備え、
前記基板に結合された前記追加の光検出器が、前記デバイスの前記上面を照射する前
記光源から放射された光を検出するように配置され、かつ前記光検出器と直列に電気的
に接続されている、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
基板と、
前記基板に結合された光検出器と、を備えるデバイスを提供することであって、
前記光検出器が、前記デバイスの上面を照射する光源から放射された光を検出するよ
うに配置されている、提供することと、
前記光源から光を提供することと、
前記光源から放射された前記光に基づいて前記基板内で光励起された少数キャリアか
ら生じる暗電流を軽減することと、を含む、方法。
【請求項11】
前記暗電流を軽減することが、前記光源からの前記光が前記デバイスの底面を照射す
るように、前記光源から光を提供することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記暗電流を軽減することが、前記デバイスの動作温度を変更することを含む、請求
項10に記載の方法。
【請求項13】
前記暗電流を軽減することが、前記光源から放射される前記光の波長を変調すること
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記暗電流を軽減することが、前記光源から放射される前記光のパワーを変調するこ
とを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記暗電流を軽減することが、前記光源から放射される前記光のパルス周波数または
デューティサイクルを変調することを含む、請求項10に記載の方法。
【外国語明細書】